JP2022109033A - 終点検出用窓を備える研磨層を含む研磨パッド - Google Patents

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哲平 立野
Teppei Tateno
浩 栗原
Hiroshi Kurihara
さつき 鳴島
Satsuki Narushima
大和 ▲高▼見沢
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Abstract

【課題】研磨層より研削性を高めた、高い光透過率を有する終点検出窓を備えた研磨パッドを提供すること。【解決手段】終点検出用窓5を備える研磨層4を含む研磨パッド3であって、前記終点検出用窓は、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー及び硬化剤を含む硬化性樹脂組成物の硬化物であり、前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマーが、ポリオール成分とポリイソシアネート成分との反応生成物であり、前記ポリオール成分がポリエーテルポリカーボネートジオールを含むことを特徴とする研磨パッド。【選択図】図2

Description

本発明は研磨パッドに関する。本発明の研磨パッドは光を透過する終点検出用窓を備える。研磨装置の光学的手段により照射された光が終点検出窓を透過し、透過した光が被研磨物に反射して再び終点検出窓を透過し、反射光が光学式センサで検知されることにより被研磨物の研磨状態(研磨終点)を確認することができる。
終点検出窓は可視光領域の光(波長:400nm~800nm)を透過するため透明な材料を用いて形成される。また、スラリーが溜まって終点検出精度を低下させない様に終点検出窓は研磨層と同一平面に設けられていることが多い。しかし、一般的に透明な材料は研磨層に比べて密度が高く、研磨層よりも研削性に劣るため、研磨中に徐々に終点検出窓が突出し、研磨に悪影響を与えることがある。
特許文献1には、終点検出窓として、高分子量ポリオールとしてポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)を含むプレポリマー(アジプレンL-325)とジアミン系硬化剤である3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノジフェニルメタン(MOCA)とを反応させて得られた硬質ポリウレタン材料を用い、研磨層よりも研削性の高い終点検出窓を備える研磨パッドが開示されている。
特開2002-001647号公報
しかしながら、プレポリマーにPTMGが含まれる場合、結晶性が高いため透明性が低く、光の透過率が低下するという問題点があった。そこで本発明は、研磨層より研削性を高めた、高い光透過率を有する終点検出窓を備えた研磨パッドを提供することを目的とする。
本発明は以下の態様を提供する。
[1] 終点検出用窓を備える研磨層を含む研磨パッドであって、
前記終点検出用窓は、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー及び硬化剤を含む硬化性樹脂組成物の硬化物であり、前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマーが、ポリオール成分とポリイソシアネート成分との反応生成物であり、
前記ポリオール成分がポリエーテルポリカーボネートジオールを含むことを特徴とする研磨パッド。
[2] 前記ポリエーテルポリカーボネートジオールが、下記式(I):
Figure 2022109033000002
(上記式(I)中、
は炭素数2~10の二価の炭化水素基であり、複数のRは同一であってもよく、異なるものであってもよく、
nは2~30の整数であり、
mは1~20の整数である。)
で表される、[1]に記載の研磨パッド。
[3] 前記ポリエーテルポリカーボネートジオールの数平均分子量が200~5000である、[1]又は[2]に記載の研磨パッド。
[4] 前記ポリイソシアネート成分がトリレンジイソシアネートを含む、[1]~[3]のいずれか1つに記載の研磨パッド。
[5] 前記硬化剤が3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノジフェニルメタンを含む、[1]~[4]のいずれか1つに記載の研磨パッド。
[6] 前記ポリエーテルポリカーボネートジオールが、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)に由来する構造単位を含む、[1]~[5]のいずれか1つに記載の研磨パッド。
[7] 前記研磨層が、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー及び硬化剤を含む硬化性樹脂組成物の硬化物であり、前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマーが、ポリオール成分とポリイソシアネート成分との反応生成物であり、前記ポリオール成分が、ポリテトラメチレンエーテルグリコール及びポリプロピレングリコールから選ばれる少なくとも1種を含む、[1]~[6]のいずれか1つに記載の研磨パッド。
[8] [1]~[7]のいずれか1つに記載の研磨パッドの製造方法であって、
(a)型枠内に、窓部材となるイソシアネート末端ウレタンプレポリマー及び硬化剤を含む硬化性樹脂組成物を流し入れて硬化させ、窓部材を作製する工程;
(b)型枠内に、窓部材を設置し、研磨層となるイソシアネート末端ウレタンプレポリマー及び硬化剤を含む硬化性樹脂組成物を流し入れて硬化させ、研磨層と窓部材を一体化させたウレタンブロックを作製する工程;及び
(c)研磨層と窓部材を一体化させたウレタンブロックをスライスする工程
を含む、方法。
[9] 光学材料又は半導体材料の表面を研磨する方法であって、[1]~[7]のいずれか1つに記載の研磨パッドを使用して光学材料又は半導体材料の表面を研磨する工程を含む、前記方法。
本発明によれば、研磨層より研削性を高めた、高い光透過率を有する終点検出窓を備えた研磨パッドを提供することができる。本発明の研磨パッドにおける終点検出窓は、研磨層より高い研削性を有するものの、高研磨層との物性差が比較的小さく、光透過率が大きく終点検出精度が高い。
研磨装置の全体図である。 研磨装置に設置した状態の研磨パッドの拡大断面図である。 本発明の研磨パッドの製造工程を説明する図である。 実施例1及び比較例1で得られたポリウレタン樹脂の引張強度を比較するグラフである。 実施例1及び比較例1で得られたポリウレタン樹脂の引張伸度を比較するグラフである。 実施例1及び比較例1で得られたポリウレタン樹脂の引裂強度を比較するグラフである。
(作用)
本発明者らは、研磨層より研削性を高めた、高い光透過率を有する終点検出窓を備えた研磨パッドを提供するという課題を解決するために鋭意研究した結果、予想外にも、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを形成するポリオール成分がポリエーテルポリカーボネートジオール(PEPCD)を含む場合に、この課題を解決できることを見出した。本発明は実験的に見出されたものであり、いかなる理論に拘束されるものではないが、PTMGに由来する構成単位が比較的剛直なカーボネート結合によって連結されることによって、PTMGに由来する構成単位同士分子内で会合し難い状態となり、硬化後のポリウレタンは結晶化し難い性質を有し、このため、透明性が高い(光透過率が高い)が、引張強度、引裂強度などの機械的物性が低い(即ち、研削性が高い)ポリウレタン窓部材が得られるものと考えられる。
以下、本発明の研磨パッド、研磨パッドの製造方法、及び、光学材料又は半導体材料の表面を研磨する方法について、説明する。
本発明の研磨パッドは、研磨層が終点検出用窓を備えることを特徴とする。この研磨パッドは、例えば、下記工程:
(a)型枠内に、窓部材となるイソシアネート末端ウレタンプレポリマー及び硬化剤を含む硬化性樹脂組成物を流し入れて硬化させ、窓部材、特に棒状の形状を有する窓部材、を作製する工程;
(b)型枠内に、窓部材を設置し、研磨層となるイソシアネート末端ウレタンプレポリマー及び硬化剤を含む硬化性樹脂組成物を流し入れて硬化させ、研磨層と窓部材を一体化させたウレタンブロックを作製する工程;及び
(c)研磨層と窓部材を一体化させたウレタンブロックをスライスする工程
を含む方法によって製造することができる。
[窓部材]
本発明の窓部材は、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー及び硬化剤を含む硬化性樹脂組成物の硬化物であり、前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマーが、ポリオール成分とポリイソシアネート成分との反応生成物であり、前記ポリオール成分がポリエーテルポリカーボネートジオール(PEPCD)、特に、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)に由来する構成単位を含むポリエーテルポリカーボネートジオール、を含むことを特徴とする。好ましいポリエーテルポリカーボネートジオールとしては、例えば、下記式(I):
Figure 2022109033000003
(上記式(I)中、
は炭素数2~10の二価の炭化水素基であり、複数のRは同一であってもよく、異なるものであってもよく、
nは2~30の整数であり、
mは1~20の整数である。)。
で表されるものが挙げられる。
窓部材は、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー及び硬化剤を含む硬化性樹脂組成物を調製し、当該硬化性樹脂組成物を型枠内で硬化させることによって成形される。窓部材に使用する硬化性樹脂組成物は、発泡剤、着色剤など、透明性を阻害する添加剤を含まない。また、変色を防ぐため種々の酸化防止剤や紫外線吸収剤等の添加剤を適宜含んでもよい。
(イソシアネート末端ウレタンプレポリマー)
イソシアネート末端ウレタンプレポリマーは、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを反応させることにより得られる生成物であり、本発明では特に、前記ポリオール成分がポリエーテルポリカーボネートジオールを含むことを特徴とする。
イソシアネート末端ウレタンプレポリマーのNCO当量(g/eq)としては、600未満が好ましく、350~550がより好ましく、400~500が最も好ましい。NCO当量(g/eq)が上記数値範囲内であることにより、適度な研磨性能の研磨パッドが得られる。
(ポリオール成分)
上記ポリエーテルポリカーボネートジオールを表す上記式(I)中、Rは、炭素数2~10の二価の炭化水素基であり、Rの例としては、エチレン、n-プロピレン、イソプロピレン、n-ブチレン、イソブチレン、1,1-ジメチルエチレン、n-ペンチレン、2,2-ジメチルプロピレン、2-メチルブチレンなどが挙げられ、特に、n-ブチレン、2-メチルブチレンなどが好ましい。上記式(I)中、複数のRは同一であってもよく、異なるものであってもよいが、同一であることが好ましい。
上記式(I)中、nは、2~30の整数であり、3~15の整数であることが好ましく、3~10の整数であることがより好ましい。上記式(I)中、mは、1~20の整数であり、1~10の整数であることが好ましく、1~5の整数であることがより好ましい。
上記ポリエーテルポリカーボネートジオールは、ポリテトラメチレンエーテルグリコールに由来する構造単位を含むことが好ましく、当該ポリテトラメチレンエーテルグリコールに由来する構造単位は上記式(I)中の-(R-O)-で表される部分であることが好ましい。当該ポリテトラメチレンエーテルグリコールに由来する構造単位の数平均分子量は、100~1500であることが好ましく、150~1000であることがより好ましく、200~850であることが最も好ましい。上記ポリエーテルポリカーボネートジオールの数平均分子量は、200~5000であることが好ましく、500~3000であることがより好ましく、800~2500であることが最も好ましい。
上記ポリテトラメチレンエーテルグリコールに由来する構造単位及び上記ポリエーテルポリカーボネートジオールの数平均分子量は、以下の条件にてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)に基づいてポリスチレン換算の分子量として測定することができる。
<測定条件>
カラム:Ohpak SB-802.5HQ(排除限界10000)
移動相:5mM LiBr/DMF
流速:0.5ml/min(26kg/cm2)
オーブン:60℃
検出器:RI 40℃
試料量:20μl
上記ポリエーテルポリカーボネートジオールのイソシアネート末端ウレタンプレポリマー全体に対する含有量は、25~75重量%が好ましく、35~65重量%がより好ましく、40~60重量%が最も好ましい。上記ポリエーテルポリカーボネートジオールの含有量が上記数値範囲内であることにより、良好な透明性と良好な研削性が得られる。
イソシアネート末端ウレタンプレポリマーに含まれる、上記ポリエーテルポリカーボネートジオール以外のポリオール成分としては、低分子量ポリオール、上記ポリエーテルポリカーボネートジオール以外の高分子量ポリオール、又はそれらの組み合わせが挙げられる。本発明において、低分子量ポリオールとは数平均分子量が30~300であるポリオールであり、高分子量ポリオールとは数平均分子量が300を超えるポリオールである。上記低分子量ポリオール及び上記ポリエーテルポリカーボネートジオール以外の高分子量ポリオールの数平均分子量は、上記ポリテトラメチレンエーテルグリコールに由来する構造単位及び上記ポリエーテルポリカーボネートジオールの数平均分子量において示したものと同様の方法により、測定することができる。
上記低分子量ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、又はそれらの組み合わせが挙げられる。
上記ポリエーテルポリカーボネートジオール以外の高分子量ポリオールとしては、例えば、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリエーテルポリオール;
エチレングリコールとアジピン酸との反応物やブチレングリコールとアジピン酸との反応物等のポリエステルポリオール;
ポリカーボネートポリオール;
ポリカプロラクトンポリオール;又はそれらの組み合わせ;が挙げられる。
上記ポリエーテルポリカーボネートジオールの上記高分子量ポリオール全体に対する含有量は、80~100重量%が好ましく、85~100重量%がより好ましく、90~100重量%が最も好ましい。上記ポリエーテルポリカーボネートジオールの含有量が上記数値範囲内であることにより、良好な透明性と良好な研削性が得られる。
(ポリイソシアネート成分)
イソシアネート末端ウレタンプレポリマーに含まれるポリイソシアネート成分としては、
例えば、m-フェニレンジイソシアネート、
p-フェニレンジイソシアネート、
2,6-トリレンジイソシアネート(2,6-TDI)、
2,4-トリレンジイソシアネート(2,4-TDI)、
ナフタレン-1,4-ジイソシアネート、
ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート(MDI)、
4,4’-メチレン-ビス(シクロヘキシルイソシアネート)(水添MDI)、
3,3’-ジメトキシ-4,4’-ビフェニルジイソシアネート、
3,3’-ジメチルジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、
キシリレン-1,4-ジイソシアネート、
4,4’-ジフェニルプロパンジイソシアネート、
トリメチレンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート、
プロピレン-1,2-ジイソシアネート、
ブチレン-1,2-ジイソシアネート、
シクロヘキシレン-1,2-ジイソシアネート、
シクロヘキシレン-1,4-ジイソシアネート、
p-フェニレンジイソチオシアネート、
キシリレン-1,4-ジイソチオシアネート、
エチリジンジイソチオシアネート、又はそれらの組み合わせが挙げられる。
この中でも、得られる研磨パッドの研磨特性や機械的強度等の観点から、2,6-トリレンジイソシアネート(2,6-TDI)、2,4-トリレンジイソシアネート(2,4-TDI)等のトリレンジイソシアネートを使用することが好ましい。
(硬化剤)
硬化性樹脂組成物に含まれる硬化剤としては、例えば、以下に説明するアミン系硬化剤が挙げられる。
アミン系硬化剤を構成するポリアミンとしては、例えば、ジアミンが挙げられ、これには、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのアルキレンジアミン;イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジアミンなどの脂肪族環を有するジアミン;3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノジフェニルメタン(別名:メチレンビス-o-クロロアニリン)(以下、MOCAと略記する。)などの芳香族環を有するジアミン;2-ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2-ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2-ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシプロピルエチレンジアミン等の水酸基を有するジアミン、特にヒドロキシアルキルアルキレンジアミン;又はそれらの組み合わせが挙げられる。また、3官能のトリアミン化合物、4官能以上のポリアミン化合物も使用可能である。
特に好ましい硬化剤は、上述したMOCAであり、このMOCAの化学構造は、以下のとおりである。
Figure 2022109033000004
硬化剤全体の量は、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーのNCOのモル数に対する、硬化剤のNHのモル数の比率(NHのモル数/NCOのモル数)が、好ましくは0.7~1.1、より好ましくは0.75~1.0、最も好ましくは0.8~0.95となる量を用いる。
[研磨層]
(a)工程で作成した窓部材は、(b)型枠内に、窓部材を設置し、研磨層となるイソシアネート末端ウレタンプレポリマー及び硬化剤を含む硬化性樹脂組成物を流し入れて硬化させ、研磨層と窓部材を一体化させたウレタンブロックを作製する工程;及び(c)研磨層と窓部材を一体化させたウレタンブロックをスライスする工程によって、研磨層の一部となる。
本発明の研磨パッドは、ポリウレタン樹脂を含む研磨層を有する。研磨層は被研磨材料に直接接する位置に配置され、研磨パッドのその他の部分は、研磨パッドを支持するための材料、例えば、ゴムなどの弾性に富む材料で構成されてもよい。研磨パッドの剛性によっては、研磨層を研磨パッドとすることができる。
本発明の研磨パッドは、従来の終点検出用窓を備えた研磨パッドと形状に大きな差異は無く、従来の研磨パッドと同様に使用することができ、例えば、研磨パッドを回転させながら研磨層を被研磨材料に押し当てて研磨することもできるし、被研磨材料を回転させながら研磨層に押し当てて研磨することもできる。図1は、被研磨材料を回転させながら研磨層に押し当てて研磨する例を示す。図1の研磨装置1は、研磨パッド3を敷いた回転するテーブル10の中心にスラリー9を供給しながら、研磨パッド3の上面に被研磨物8をトップリング16で上から回転しながら押し当てることにより被研磨物8の研磨を行うように構成されている。図2は研磨パッド3の拡大断面図である。被研磨物に対して、終点検出窓5及び研磨層4を備えた研磨パッドが研磨層4及び終点検出窓5の被研磨物側の表面4a及び5aで接触して研磨が行われる。研磨パッド3は、クッション層6を介して回転するテーブル10に接着されている。テーブル10の下に光源13及び光学式センサ14があり、テーブルの開口及び終点検出窓5を通って測定光が被研磨物に反射し、終点検出窓5及びテーブルの開口を通過する反射光をセンサ14で観測できるように各部材が配置されている。反射光の変化から被研磨物の研磨状態を監視することができる。
本発明の研磨パッドは、予め型枠内に窓部材を配置する点を除けば、一般に知られたモールド成形、スラブ成形等の製造法により作成できる。まずは、それら製造法によりポリウレタンのブロックを形成し、ブロックをスライス等によりシート状とし、ポリウレタン樹脂から形成される研磨層を成形し、例えば、クッション層を介して支持体などに貼り合わせることによって製造される。あるいは支持体上に直接研磨層を成形することもできる。
より具体的には、研磨層は、研磨層の研磨面とは反対の面側に両面テープが貼り付けられ、所定形状にカットされて、本発明の研磨パッドとなる。両面テープに特に制限はなく、当技術分野において公知の両面テープの中から任意に選択して使用することが出来る。また、本発明の研磨パッドは、研磨層のみからなる単層構造であってもよく、研磨層の研磨面とは反対の面側に他の層(下層、支持層)を貼り合わせた複層からなっていてもよい。
研磨層は発泡ポリウレタン樹脂から構成することができるが、発泡は微小中空球体を含む発泡剤をポリウレタン樹脂中に分散させて行うことができる。この場合、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー、硬化剤、及び発泡剤を含む硬化性樹脂組成物を調製し、当該硬化性樹脂組成物を発泡硬化させることによって成形することができる。
硬化性樹脂組成物は、例えば、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを含むA液と、硬化剤成分を含むB液とを混合して調製する2液型の組成物とすることもできる。それ以外の成分はA液に入れても、B液に入れてもよいが、不具合が生じる場合はさらに複数の液に分割して3液以上の液を混合して構成される組成物とすることができる。
(微小中空球体)
本発明において、硬化性樹脂組成物は微小中空球体をさらに含むことができる。
微小中空球体をポリウレタン樹脂に混合することによって発泡体を形成することができる。微小中空球体とは、熱可塑性樹脂からなる外殻(ポリマー殻)と、外殻に内包される低沸点炭化水素とからなる未発泡の加熱膨張性微小球状体と、未発泡の加熱膨張性微小球状体を加熱膨張させたものをいう。前記ポリマー殻としては、例えば、アクリロニトリル-塩化ビニリデン共重合体、アクリロニトリル-メチルメタクリレート共重合体、塩化ビニル-エチレン共重合体などの熱可塑性樹脂を用いることができる。同様に、ポリマー殻に内包される低沸点炭化水素としては、例えば、イソブタン、ペンタン、イソペンタン、石油エーテル、又はそれらの組み合わせを用いることができる。
[その他の成分]
その他に当業界で一般的に使用される触媒などを硬化性樹脂組成物に添加しても良い。
また、上述したポリイソシアネート成分を硬化性樹脂組成物に後から追加で添加することもでき、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーと追加のポリイソシアネート成分との合計重量に対する追加のポリイソシアネート成分の重量割合は、0.1~10重量%が好ましく、0.5~8重量%がより好ましく、1~5重量%が特に好ましい。
ポリウレタン樹脂硬化性組成物に追加で添加するポリイソシアネート成分としては、上述のポリイソシアネート成分を特に限定なく使用することができるが、4,4’-メチレン-ビス(シクロヘキシルイソシアネート)(水添MDI)が好ましい。
[研磨パッドの製造方法の具体例]
図3を参照して本発明の研磨パッドの製造方法を具体的に説明する。
工程(1):
型枠内に、窓部材となるイソシアネート末端ウレタンプレポリマー及び硬化剤を含む硬化性樹脂組成物を流し入れて硬化させ、棒状の窓部材5を作製する。
工程(2):
型枠内に、窓部材5を設置し、研磨層4となるイソシアネート末端ウレタンプレポリマー及び硬化剤を含む硬化性樹脂組成物を流し入れて硬化させ、研磨層4と窓部材5を一体化させたウレタンブロックを作製する。
工程(3):
研磨層4と窓部材5を一体化させたウレタンブロックをスライスする。
工程(4):
予め穴6aを空けたクッション層6を窓部材5と穴6aが一致するように接着層を介して研磨層4に貼り合わせる。研磨層4、窓部材5及びクッション層6を備えた本発明の研磨パッドを研磨装置のターンテーブル10に接着層を介して貼り付ける。
本発明の光学材料又は半導体材料の表面を研磨する方法は、上述の研磨パッドを使用して光学材料又は半導体材料の表面を研磨する工程を含む。本発明の光学材料又は半導体材料の表面を研磨する方法は、研磨パッドの表面、光学材料若しくは半導体材料の表面、又はそれらの両方にスラリーを供給する工程を更に含むことができる。
本発明を以下の例により実験的に説明するが、以下の説明は、本発明の範囲が以下の例に限定して解釈されることを意図するものではない。
1.材料
後述の実施例及び比較例で使用した材料を以下に列挙する。
・イソシアネート末端ウレタンプレポリマー:
プレポリマー(1)・・・ポリイソシアネート成分として、2,4-トリレンジイソシアネートを43.8重量%含み、ポリオール成分として、上述の式(I)で表され、数平均分子量250のポリテトラメチレンエーテルグリコールに由来する構造単位を含み、数平均分子量が1000であるポリエーテルポリカーボネートジオール(PEPCD1000)を50.4重量%、及びジエチレングリコールを5.8重量%含む、NCO当量420のウレタンプレポリマー
*各成分の含有量(重量%)はウレタンプレポリマー全体を100重量%とした場合の値を意味する。以下、プレポリマー(2)においても同様である。
プレポリマー(2)・・・ポリイソシアネート成分として、2,4-トリレンジイソシアネートを40.7重量%含み、ポリオール成分として、数平均分子量650のポリテトラメチレンエーテルグリコールを27.9重量%、数平均分子量1000のポリテトラメチレンエーテルグリコールを27.9重量%、及びジエチレングリコールを3.5重量%含む、NCO当量420のウレタンプレポリマー
・硬化剤:
MOCA・・・3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノジフェニルメタン(別名:メチレンビス-o-クロロアニリン)(NH当量=133.5)
・微小中空球体:
Expancel461DU20(日本フィライト株式会社製)
Expancel461DE20d70(日本フィライト株式会社製)
2.厚み、密度、D硬度、引張強度、引張伸度、引裂強度及び光透過率の測定
(厚み)
ウレタンシートの厚み(mm)は、日本工業規格(JIS K 6550)に準拠して測定した。
(密度)
ウレタンシートの密度(g/cm)は、日本工業規格(JIS K 6505)に準拠して測定した。
(D硬度)
ウレタンシートのD硬度は、日本工業規格(JIS-K-6253)に準拠して、D型硬度計を用いて測定した。ここで、測定試料は、少なくとも総厚さ4.5mm以上になるように、必要に応じて複数枚のウレタンシートを重ねることで得た。
(引張強度、引張伸度)
ウレタンシートを日本工業規格(JIS6550)の引張強度の測定で規定するダンベル状に切り出し、引張速度100mm/分、試験温度20℃で日本工業規格(JIS6550)に準じて引張強度(kg/mm)及び引張伸度(%)を測定した。
(引裂強度)
ウレタンシートを日本工業規格(JIS6550)の引裂強度の測定で規定する切り込みを有する長方形状に切り出し、引裂き速度100mm/分、試験温度20℃で日本工業規格(JIS6550)に準じて引裂強度(kg/mm)を測定した。
(光透過率)
終点検出窓のサンプルを長さ60mm×幅20mm×厚さ1.3mmに加工し、光透過率測定を行った。測定器は日立製作所製、U-3210 Spectro Photometerを用いた。
(実施例1)
100gの上記プレポリマー(1)と、28.6gの硬化剤(MOCA)と混合して、窓部材用組成物を調製した。この窓部材用組成物をモールド内に注入して、30分間、80℃にて一次硬化させた。形成された樹脂成型体を型枠から抜き出し、オーブンにて120℃で4時間、二次硬化した。このようにして透明な棒状の窓部材を得た。
(比較例1)
実施例1のA成分のプレポリマー(1)100g、に代えて、A成分としてプレポリマー(2)100gをそれぞれ用いた以外は、実施例1と同様にして、透明な棒状の窓部材を得た。
得られた窓部材をスライスし、厚み、密度、D硬度、引張強度、引張伸度、引裂強度、光透過率を測定した。引張強度、引張伸度、引裂強度の測定は、乾燥状態の試験片と下記表1の浸漬条件に供した後の湿潤状態の試験片について、表2及び3の引張条件及び引裂条件で行った。光透過率は、波長400nm~700nmにおける光透過率が80%以上だったものを○、光透過率が80%未満だったものを×とした。その結果を表4、図4~6に示す。
Figure 2022109033000005
Figure 2022109033000006
Figure 2022109033000007
Figure 2022109033000008
プレポリマーの高分子量ポリオール成分がポリエーテルポリカーボネートジオール(PEPCD)である本発明で使用する窓部材は、密度、D硬度、引張強度、引張伸度、引裂強度のいずれもが、プレポリマーの高分子量ポリオール成分がポリテトラメチレンエーテルグリコールである比較例の窓部材よりも低かった。また、実施例1の窓部材は波長400nm~700nmにおける光透過率が80%以上だったのに対し、比較例1の窓部材は光透過率が80%以下であった。このことから、本発明で使用する窓部材は、従来のポリウレタン窓部材よりも、結晶化が起こりにくく透明性が高い一方で研削性が高いので、長時間研磨に使用した後でも窓部材のみが突出することがない。さらに、実施例1及び比較例1の窓部材を備える研磨パッドで所定時間研磨試験を行い、試験後の窓部材について観察を行ったところ、実施例1の窓部材は比較例1の窓部材と比べて、研磨スラリーや研磨パッドのパッド屑の付着が少なく、研磨中の光透過率の低下率が小さかった。

Claims (9)

  1. 終点検出用窓を備える研磨層を含む研磨パッドであって、
    前記終点検出用窓は、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー及び硬化剤を含む硬化性樹脂組成物の硬化物であり、前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマーが、ポリオール成分とポリイソシアネート成分との反応生成物であり、
    前記ポリオール成分がポリエーテルポリカーボネートジオールを含むことを特徴とする研磨パッド。
  2. 前記ポリエーテルポリカーボネートジオールが、下記式(I):
    Figure 2022109033000009
    (上記式(I)中、
    は炭素数2~10の二価の炭化水素基であり、複数のRは同一であってもよく、異なるものであってもよく、
    nは2~30の整数であり、
    mは1~20の整数である。)
    で表される、請求項1に記載の研磨パッド。
  3. 前記ポリエーテルポリカーボネートジオールの数平均分子量が200~5000である、請求項1又は2に記載の研磨パッド。
  4. 前記ポリイソシアネート成分がトリレンジイソシアネートを含む、請求項1~3のいずれか1つに記載の研磨パッド。
  5. 前記硬化剤が3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノジフェニルメタンを含む、請求項1~4のいずれか1つに記載の研磨パッド。
  6. 前記ポリエーテルポリカーボネートジオールが、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)に由来する構造単位を含む、請求項1~5のいずれか1つに記載の研磨パッド。
  7. 前記研磨層が、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー及び硬化剤を含む硬化性樹脂組成物の硬化物であり、前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマーが、ポリオール成分とポリイソシアネート成分との反応生成物であり、前記ポリオール成分が、ポリテトラメチレンエーテルグリコール及びポリプロピレングリコールから選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1~6のいずれか1つに記載の研磨パッド。
  8. 請求項1~7のいずれか1つに記載の研磨パッドの製造方法であって、
    (a)型枠内に、窓部材となるイソシアネート末端ウレタンプレポリマー及び硬化剤を含む硬化性樹脂組成物を流し入れて硬化させ、窓部材を作製する工程;
    (b)型枠内に、窓部材を設置し、研磨層となるイソシアネート末端ウレタンプレポリマー及び硬化剤を含む硬化性樹脂組成物を流し入れて硬化させ、研磨層と窓部材を一体化させたウレタンブロックを作製する工程;及び
    (c)研磨層と窓部材を一体化させたウレタンブロックをスライスする工程
    を含む、方法。
  9. 光学材料又は半導体材料の表面を研磨する方法であって、請求項1~7のいずれか1つに記載の研磨パッドを使用して光学材料又は半導体材料の表面を研磨する工程を含む、前記方法。
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