JP6691658B2 - 研磨パッド - Google Patents

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本発明は研磨パッドに関し、詳しくは硬質ウレタンからなる研磨層を有した研磨パッドに関する。
従来、光学材料や半導体基板、ハードディスク用のガラス基板といった被研磨物を研磨するために研磨パッドが用いられており、このような研磨パッドとしてポリウレタンなどの硬質ウレタンを用いた研磨パッドが知られている。
このような硬質ウレタンを用いた研磨パッドを研磨装置に装着して使用する場合、所定個数の被研磨物を研磨するごとに、研磨パッドの研磨面を粗面化するドレッシング作業を行う必要がある。
ドレッシングによって研磨パッドを粗面化する際に当該研磨パッドが磨耗することから、速やかにドレッシング作業を終了させることができるドレッシング性の高い研磨パッドが提案されている(特許文献1)。
特開2013−144353号公報
上記研磨パッドを用いて被研磨物を研磨する際には、研磨パッドと被研磨物との間にスラリーを介在させるようになっているが、上記スラリーに含まれる粒子も研磨パッドを磨耗させる原因となる。
上記特許文献1のようなドレッシング性の高い研磨パッドの場合、上記スラリーに対する耐久性が低くなる傾向にあり、ここでスラリーに対する耐久性が低いということは、研磨パッドの寿命が短くなるということを意味する。
このような問題に鑑み、本発明はドレッシング性およびスラリーへの耐久性に優れる研磨パッドを提供するものである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ドレッシング性を示す指標として、テーバー磨耗試験による磨耗減量に注目し、スラリーに対する耐久性を示す指標として、エロージョン試験によるエロージョン率に注目することで、上記目的を達成できることを見出し本発明を完成した。
すなわち請求項1の発明にかかる研磨パッドは、硬質ウレタンからなる研磨層を有した研磨パッドにおいて、
上記研磨層がTDI、DEG、PTMGを配合したプレポリマーとポリアミン硬化剤及び/又はポリオール硬化剤により形成され、
上記研磨層のテーバー磨耗試験による磨耗減量が100〜160mg/1000回であり、かつエロージョン試験によるエロージョン率が2〜10μm/gであって、
上記エロ―ジョン率は、多角アルミナ(1.2μm、3wt%)および球形シリカ(5μm、3wt%)を投射するノズル径1mm×1mmの噴射ノズルを上記研磨層に対して4mmの距離に設置するとともに、上記多角アルミナの投射力を、シリコンウエハでエロージョン率を測定したときに6.36μm/gとなるような投射力に設定し、上記球形シリカの投射力を、SUS304でエロージョン率を測定したときに0.94μm/gとなるような投射力に設定した場合における、研磨層に形成されたエロージョン痕のエロージョン深さと単位面積当たりの微細粒子の投射量とから算出することを特徴としている。
以下に示す実験結果に示す通り、テーバー磨耗試験による磨耗減量が100mg/1000回以上であるという物性はドレッシング性の高さを示し、またエロージョン試験によるエロージョン率が10μm/g以下であるという物性はスラリーに対する耐久性を示している。
本発明にかかる研磨パッドはこれらドレッシング性およびスラリーに対する耐久性を両立したものであるといえる。
本実施例にかかる研磨装置の側面図 エロージョン試験の結果を示すグラフ エロージョン試験の結果を示すグラフ エロージョン試験の結果を示すグラフ エロージョン試験の結果を示すグラフ
以下図示実施例について説明すると、図1は本発明にかかる研磨パッド1を備えた研磨装置2の側面図を示し、半導体ウエハやハードディスクのガラス基板等の被研磨物3の研磨を行うものとなっている。
上記研磨装置2は、下方に設けられて研磨パッド1を支持する研磨定盤4と、上方に設けられて被研磨物3を支持する支持定盤5と、スラリーを供給するスラリー供給手段6とを備えている。
上記研磨パッド1および被研磨物3はそれぞれ略円盤状を有しており、本実施例では研磨パッド1の直径は被研磨物3の直径よりも大径となっている。また研磨パッド1は両面テープ等によって研磨定盤4に固定され、被研磨物3は支持定盤5に真空吸着されている。
また上記研磨定盤4および支持定盤5は図示しない駆動手段によって相対的に回転するとともに、上記支持定盤5は研磨定盤4の中心位置から半径方向に往復動可能に設けられ、これにより上記研磨パッド1と被研磨物3とが相対的に回転しながら摺動するようになっている。
上記スラリー供給手段6は、所要の薬品中に砥粒の混合されたスラリーを上記研磨パッド1の上面に形成された研磨面1a供給し、これにより当該スラリーが研磨面1aと被研磨物3との間に入り込むことで、被研磨物3の研磨が行われるようになっている。
このような構成を有する研磨装置自体は従来公知であり、これ以上の詳細な説明については省略する。なお上記構成を有する研磨装置2の他、例えば支持定盤5には駆動がなく、研磨定盤4の回転により支持定盤5が連れ回るようにした研磨装置2など、その他の構成を有した研磨装置2も使用可能である。
本実施例で使用する研磨パッド1の製造方法としては、例えば、少なくともポリウレタン結合含有イソシアネート化合物、硬化剤、中空体を準備する準備工程;少なくとも、上記ポリウレタン結合含有イソシアネート化合物、硬化剤を混合して成形体成形用の混合液を得る混合工程;上記成形体成形用混合液からポリウレタンポリウレア樹脂成形体を成形する成形体成形工程;および上記ポリウレタンポリウレア樹脂成形体から、上記研磨面1aを有する研磨層を形成する研磨層形成工程、を含むことが挙げられる。
以下、準備工程、混合工程、成形体成形工程、研磨層形成工程に分けて、それぞれ説明する。
上記準備工程として、上記研磨パッド1の製造には、ポリウレタンポリウレア樹脂成形体の原料として、少なくとも、プレポリマーとしてのポリウレタン結合含有イソシアネート化合物、硬化剤、中空体が用いられる。更にポリオール化合物を上記成分とともに用いてもよく、本発明の効果を損なわない範囲で、上記以外の成分を併せて用いてもよい。
上記準備工程で準備されるプレポリマーとしての上記ポリウレタン結合含有イソシアネート化合物は、下記ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを、通常用いられる条件で反応させることにより得られる化合物であり、ポリウレタン結合とイソシアネート基を分子内に含むものである。また、本発明の効果を損なわない範囲内で、他の成分がポリウレタン結合含有イソシアネート化合物に含まれていてもよい。
上記ポリウレタン結合含有イソシアネート化合物としては、市販されているものを用いてもよく、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させて合成したものを用いてもよい。上記反応に特に制限はなく、ポリウレタン樹脂の製造において公知の方法および条件を用いて付加重合反応すればよい。
例えば、40℃に加温したポリオール化合物に、窒素雰囲気にて撹拌しながら50℃に加温したポリイソシアネート化合物を添加し、30分後に80℃まで昇温させ更に80℃にて60分間反応させるといった方法で製造することが出来る。
まず上記ポリイソシアネート化合物とは、分子内に2つ以上のイソシアネート基を有する化合物を意味する。またポリイソシアネート化合物としては、分子内に2つ以上のイソシアネート基を有していれば特に制限されるものではない。
例えば、分子内に2つのイソシアネート基を有するジイソシアネート化合物としては、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、4,4’−メチレン−ビス(シクロヘキシルイソシアネート)(水添MDI)、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニルジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、キシリレン−1,4−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、プロピレン−1,2−ジイソシアネート、ブチレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,4−ジイソシアネート、p−フェニレンジイソチオシアネート、キシリレン−1,4−ジイソチオシアネート、エチリジンジイソチオシアネート等を挙げることができる。
さらにポリイソシアネート化合物としては、ジイソシアネート化合物が好ましく、中でも2,4−TDI、2,6−TDI、MDIがより好ましく、2,4−TDI、2,6−TDIが特に好ましい。
これらのポリイソシアネート化合物は、単独で用いてもよく、複数のポリイソシアネート化合物を組み合わせて用いてもよい。
次に上記ポリオール化合物とは、分子内に2つ以上のアルコール性水酸基(OH)を有する化合物を意味する。
上記ポリウレタン結合含有イソシアネート化合物の合成に用いられるポリオール化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール(DEG)、ブチレングリコール等のジオール化合物、トリオール化合物等;ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール(又はポリテトラメチレンエーテルグリコール)(PTMG)等のポリエーテルポリオール化合物;エチレングリコールとアジピン酸との反応物やブチレングリコールとアジピン酸との反応物等のポリエステルポリオール化合物;ポリカーボネートポリオール化合物、ポリカプロラクトンポリオール化合物等を挙げることができる。
また、エチレンオキサイドを付加した3官能性プロピレングリコールを用いることもできる。これらの中でも、PTMG、又はPTMGとDEGの組み合わせが好ましい。
上記ポリオール化合物は単独で用いてもよく、複数のポリオール化合物を組み合わせて用いてもよい。
ここで、NCO基1個当たりのPP(プレポリマー)の分子量を示すプレポリマーのNCO当量としては、200〜800であることが好ましく、300〜700であることがより好ましく、400〜600であることがさらにより好ましい。
具体的に上記プレポリマーのNCO当量は以下のようにして求めることができる。
プレポリマーのNCO当量=(ポリイソシアネート化合物の質量部+ポリオール化合物の質量部)/[(ポリイソシアネート化合物1分子当たりの官能基数×ポリイソシアネート化合物の質量部/ポリイソシアネート化合物の分子量)−(ポリオール化合物1分子当たりの官能基数×ポリオール化合物の質量部/ポリオール化合物の分子量)]
上記硬化剤(鎖伸長剤ともいう)としては、例えば、ポリアミン化合物および/又はポリオール化合物を用いることができる。
ポリアミン化合物とは、分子内に2つ以上のアミノ基を有する化合物を意味し、脂肪族や芳香族のポリアミン化合物、特にはジアミン化合物を使用することができる。
例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(メチレンビス−o−クロロアニリン)(以下、MOCAと略記する。)、MOCAと同様の構造を有するポリアミン化合物等を挙げることができる。
また、ポリアミン化合物が水酸基を有していてもよく、このようなアミン系化合物として、例えば、2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン等を挙げることができる。
ポリアミン化合物としては、ジアミン化合物が好ましく、MOCA、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホンがより好ましく、MOCAが特に好ましい。
ポリアミン化合物は、単独で用いてもよく、複数のポリアミン化合物を組み合わせて用いてもよい。
ポリアミン化合物は、他の成分と混合し易くするためおよび/又は後の成形体形成工程における気泡径の均一性を向上させるために、必要により加熱した状態で減圧下脱泡することが好ましい。減圧下での脱泡方法としては、ポリウレタンの製造において公知の方法を用いればよく、例えば、真空ポンプを用いて0.1MPa以下の真空度で脱泡することができる。
硬化剤(鎖伸長剤)として固体の化合物を用いる場合は、加熱により溶融させつつ、減圧下脱泡することができる。
また硬化剤としてのポリオール化合物としては、ジオール化合物やトリオール化合物等の化合物であれば特に制限なく用いることができる。また、プレポリマーを形成するのに用いられるポリオール化合物と同一であっても異なっていてもよい。
具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどの低分子量ジオール、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどの高分子量のポリオール化合物などが挙げられる。
上記ポリオール化合物は単独で用いてもよく、複数のポリオール化合物を組み合わせて用いてもよい。
ここで、上記ポリウレタン結合含有イソシアネート化合物の末端に存在するイソシアネート基に対する、硬化剤に存在する活性水素基(アミノ基および水酸基)の当量比であるR値が、0.60〜1.40となるよう、各成分を混合する。R値は、0.65〜0.1.30が好ましく、0.70〜1.20がより好ましい。
上記中空体とは、空隙を有する微小球体を意味する。微小球体には、球状、楕円状、およびこれらに近い形状のものが含まれる。中空体の例としては、熱可塑性樹脂からなる外殻(ポリマー殻)と、外殻に内包される低沸点炭化水素とからなる未発泡の加熱膨張性微小球状体を、加熱膨張させたものが挙げられる。
上記ポリマー殻としては、特開昭57−137323号公報等に開示されているように、例えば、アクリロニトリル−塩化ビニリデン共重合体、アクリロニトリル−メチルメタクリレート共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体などの熱可塑性樹脂を用いることができる。同様に、ポリマー殻に内包される低沸点炭化水素としては、例えば、イソブタン、ペンタン、イソペンタン、石油エーテル等を用いることができる。
次に混合工程について説明すると、当該混合工程では、上記準備工程で準備した、プレポリマーとしてのポリウレタン結合含有イソシアネート化合物、硬化剤および中空体を、混合機内に供給して攪拌・混合する。混合工程は、上記各成分の流動性を確保できる温度に加温した状態で行われる。
混合順序に特に制限はないが、ポリウレタン結合含有イソシアネート化合物と中空体とを混合した混合液と、硬化剤および必要に応じて他の成分を混合した混合液とを用意し、両混合液を混合器内に供給して混合撹拌することが好ましい。このようにして、成形体成形用の混合液が調製される。
次に成形体成形工程では、上記混合工程で調製された成形体成形用混合液を50〜100℃の型枠内に流し込み、硬化させることによりポリウレタンポリウレア樹脂成形体を成形する。
このとき、プレポリマー、硬化剤が反応してポリウレタンポリウレア樹脂を形成することにより該混合液は硬化する。
そして研磨層形成工程では、上記成形体成形工程により得られたポリウレタンポリウレア樹脂成形体をシート状にスライスするとともに、スライスした樹脂シートを円形に裁断したら、上記研磨面1aに相当する面の反対側の面に上記研磨定盤4に接着するための両面テープを貼着する。
さらに、必要に応じて研磨面1aに相当する面に格子状の溝等を形成したり、上記研磨面1aとは反対側の面にクッション層等を貼り合わせて、研磨パッド1を複層にすることもできる。
上記製造方法によって製造した研磨パッド1を上記研磨装置2に装着して被研磨物3の研磨を行う場合、上記研磨パッド1の研磨層が硬質ウレタンによって構成されていることから、予め上記研磨面1aを粗面化して微小な凹凸を形成するドレッシング作業を行う必要がある。
ドレッシング作業にはダイヤモンド砥石を備えたドレッシング装置を用い、上記ダイヤモンド砥石によって研磨パッド1の研磨面1aを研削することにより、研磨面1aを粗面化するようになっている。
そして、上記ドレッシング作業が完了して研磨装置2を作動させると、上記研磨パッド1と被研磨物3とが相対的に回転しながら移動し、被研磨物3の研磨が行われる。
その際、上記スラリー供給手段6からスラリーが研磨パッド1の研磨面1aに供給され、スラリーは研磨パッド1と被研磨物3との間に入り込むようになっている。
上記スラリーに含まれる粒子は上記研磨パッド1の研磨面1aに形成された微小な凹凸や、研磨パッド1の内部に形成されて上記研磨面1aに開口する気泡、さらには研磨面1aに形成された溝に保持され、これにより被研磨物3を機械的に研磨するようになっている。一方、上記スラリーに含まれる薬品により科学的な研磨も行われる。
研磨装置2では一枚の研磨パッド1を用いて複数枚の被研磨物3を研磨することができるが、複数枚の研磨パッド1を研磨すると上記研磨面1aに形成した微小な凹凸が磨耗したり、また上記気泡内に研磨によって発生した研磨くずが入り込むため、研磨面1aが平坦化して研磨能力が低下することとなる。
そこで、1枚の被研磨物3を研磨するごとに、上記研磨パッド1の研磨面1aに対してドレッシング作業を行い、研磨面1aに再度上記微小な凹凸を形成するとともに、上記気泡内に入り込んだ研磨くずを除去するようになっている。
しかしながら、上記ドレッシング作業を行うと、その間被研磨物3の研磨を中断しなければならない為、効率的に被研磨物3の研磨をするにはドレッシング作業を極力短時間で行うことが望ましい。
このようなドレッシング性の優れる研磨面を有する研磨パッドを用いることで、研磨面の目つぶれ等が解消され次の研磨を行うことが可能となり、ドレッシング作業を短時間で行うことが可能となる。
一方、上記研磨装置2では研磨パッド1と被研磨物3との間にスラリーを供給するが、このスラリーに含まれる粒子は上記被研磨物3を研磨するとともに、上記研磨パッド1をも磨耗させることとなる。
このため、上記スラリーによる磨耗量が少ない、すなわち上記スラリーに対する耐久性の高い研磨パッド1を用いれば、研磨パッド1の寿命を延ばすことができ、効率的に大量の被研磨物3を研磨することが可能となる。
このような要請に対し、本発明にかかる研磨パッド1は、上記研磨層のテーバー磨耗試験による磨耗減量が100〜160mg/1000回であり、かつエロージョン試験によるエロージョン率が2〜10μm/gの性質を有することを特徴としている。
上記研磨層のテーバー磨耗試験による磨耗減量は、上記ドレッシング性を示す指標であり、テーバー磨耗試験とは、回転する水平円盤に試料を取り付けて、研磨紙を貼り付けた一対の摩擦輪を規定荷重のもとに加えて、耐摩耗性を調べる試験方法である。
そしてテーバー磨耗試験による磨耗減量が100mg/1000回未満であると、ドレッシング性が悪くドレッシング作業に時間がかかるという問題や、十分に研磨面のドレスが行われず十分な研磨レートが出ないという問題が発生し、逆に160mg/1000回を超えると、ドレッシング作業で研磨面が磨耗しすぎてしまい研磨パッドの寿命が短くなるという問題が発生する。
一方、上記エロージョン試験によるエロージョン率は、上記スラリーに対する耐久性を示す指標であり、エロージョン試験とは、試験材表面に微細粒子を投射しエロージョン摩耗を発生させることで材料表面の強さを測る試験方法である。
そしてエロージョン試験によるエロージョン率が2μm/g未満であると、研磨面の強度が強すぎるため被研磨物にスクラッチを発生させてしまったり、ドレッシング性が悪くなるという問題が発生し、逆に10μm/gを超えると、スラリーに対する耐久性が悪く研磨中に研磨パッドの研磨面が磨耗していしまい研磨パッドの寿命が短くなるという問題が発生する。
すなわち、実際のドレッシング工程・研磨工程に即した上記二つの試験方法で測定した指標を最適範囲とすることでドレッシング性・スラリーに対する耐久性を両立させることが可能となる。
Figure 0006691658
上記表1は、本発明にかかる第1、第2実施例の研磨パッド1と、比較対象としての比較例の研磨パッド1について行った実験結果を示すものである。
なお、上記表1に記載の密度、圧縮率、圧縮弾性率、D硬度、テーバー磨耗、は以下の方法によって測定したものを用いた。
(密度)
密度は、樹脂シートの乾燥質量を樹脂シートの体積(空隙も含む見掛けの体積)で除することにより測定した。
(圧縮率及び圧縮弾性率)
圧縮率及び圧縮弾性率は日本工業規格(JIS L 1021)に従い、ショッパー型厚さ測定器(加圧面:直径1cmの円形)を使用して測定した。
具体的には、室温において無荷重状態から初荷重を30秒間かけた後の厚さt0を測定し、次に、厚さt0の状態から最終荷重を5分間かけた後の厚さt1を測定した。次いで厚さt1の状態から全ての荷重を取り除き、5分放置(無荷重状態とした)後、再び初荷重を30秒間加えた後の厚さt0‘を測定した。
圧縮率は、圧縮率(%)=100×(t0―t1)/t0の式で算出し、圧縮弾性率は、圧縮弾性率(%)=100×(t0‘−t1)/(t0−t1)の式で算出した。このとき、初荷重は100g/cm2、最終圧力は1800g/cm2であった。)
(D硬度)
D硬度は日本工業規格(JIS K 6253-1997)によってテクロック社製D型硬度計で測定した。なお、試料は、実施例および比較例にかかる樹脂シート(厚さ約1.3mm)を4枚重ねとし、少なくとも総厚さ4.5mm以上になるように設定した。
(テーバー磨耗)
研磨層のテーバー磨耗試験による磨耗減量は、日本工業規格(JIS K 6902)のテーバー摩耗試験に準じた方法に従い測定した。
(エロージョン率)
次に、第1、第2実施例および比較例にかかる研磨パッド1のエロージョン試験によるエロージョン率は、以下のようにして計測し、その結果を図2〜図5に示す。
最初に微細粒子を投射する投射装置(N−MSE−A)に、実施例および比較例にかかる樹脂シートをノズル径1mm×1mmの噴射ノズルに対して4mmの距離に設置し、併せて投射する微細粒子、微細粒子の投射力、投射を繰り返す回数、一回当たりの微細粒子の投射粒子量を設定する。
そして上記噴射ノズルより樹脂シートの研磨面に微細粒子を水に混合させた状態で投射することにより、研磨面が磨耗して樹脂シートにエロージョン痕が形成される。
本実験では微細粒子として多角アルミナ(1.2μm、3wt%)および球形シリカ(5μm、3wt%)を用いた。多角アルミナは多角形状の粒子刃先による切削力を、球形シリカは球形粒子による衝撃力を再現するために採用した。また粒子径は実際の研磨に近いものを採用した。
また多角アルミナの投射力としては、シリコンウエハでエロージョン率を測定したときに6.36μm/gとなるような投射力を採用し、球形シリカの投射力としては、SUS304でエロージョン率を測定したときに0.94μm/gとなるような投射力を採用した。
続いて、上記微細粒子の投射を繰り返すたびに、触針式形状計測機(PU−EU1)を用いて、樹脂シートに形成されたエロージョン痕の中央部分の深さ(エロージョン深さ)を測定し、図2、図4に示すような縦軸をエロージョン深さ、横軸を微細粒子の投射量とするグラフを作成した。なお図2は多角アルミナを投射した場合、図4は球形シリカを投射した場合のグラフを示している。
そして、上記測定結果から下記式を用いてエロージョン率を算出し、図3、図5に示すような縦軸をエロージョン深さ、横軸をエロージョン率とするグラフを作成した。なお図3は多角アルミナを投射した場合、図5は球形シリカを投射した場合のグラフを示している。
エロージョン率(μm/g)=h/v
ここで、hはエロージョン痕の中央部分の深さ(μm)を、vは単位面積当たりの微細粒子の投射量(g/mm)を示し、この単位面積当たりの微細粒子の投射量vは以下のように算出した。
v(g/mm)=Q/A
ここで、Qは微細粒子の投射量(g)を、Aは投射断面積、すなわちノズル径(mm)を示している。
そして第1実施例の研磨パッド1は、上述した製造方法に基づき、プレポリマーとして、TDI(2,4−トルエンジイソシアネート)、DEG(ジエチレングリコール)、PTMG1000(ポリテトラメチレンエーテルグリコール)を配合したものを用い、NCO当量は458であった。
また中空体としてはエクスパンセル社製のExpancel 551DE40 d42を1.8重量%、松本油脂製薬社製のマツモトマイクロスフェアー F−80DEを0.45重量%それぞれ使用した。硬化剤としてはMOCA(4,4’−メチレンビス(2−クロロアニリン))を用い、その場合のR値は0.90であった。
つぎに第2実施例の研磨パッド1は、上記製造方法に基づき、プレポリマーとして、TDI、DEG、PTMG650を配合したものを用い、NCO当量は400であった。
また中空体としてはExpancel 551DE40 d42を1.8重量%、マツモトマイクロスフェアー F−80DEを0.45重量%それぞれ使用した。硬化剤としてはMOCAおよびPTMG650を3:1の割合で用い、その場合のR値は0.90であった。
これに対し、比較例の研磨パッド1として、プレポリマーとしてMDIを主成分とするNCO当量310のものを用い、硬化剤としてエチレングリコールを用いた他は、上記実施例1および2と同様の製造方法により製造した。
そして、上記表1に記載した実験結果によれば、上記第1、第2実施例にかかる研磨パッド1および比較例の研磨パッドのいずれにおいても、上記テーバー磨耗試験による結果は良好なものであった。
しかしながら、図3、図5に示すように、エロージョン試験によるエロージョン率については、上記第1、第2実施例にかかる研磨パッド1はエロージョン率が2〜10μm/gの範囲内にあり、特にエロージョン深さが80μmにいたるまで上記範囲を維持している。
これに対し、比較例の研磨パッドについては微細粒子として多角アルミナおよび球形シリカを用いたいずれの場合においても、所定のエロージョン深さにおいてエロージョン率が10μm/gを大きく超えてしまう場合が生じた。
つまり、比較例としての従来の研磨パッドはドレッシング性には優れるものの、スラリーへの耐久性が劣るということが判明し、これに対し第1、第2実施例にかかる研磨パッド1はドレッシング性およびスラリーへの耐久性を両立したものであることが理解できる。
このように、本発明にかかる第1、第2実施例にかかる研磨パッド1は、ドレッシング性およびスラリーへの耐久性を両立したものであるから、長期間に渡って使用することが可能となり、大量の被研磨物を効率的に研磨することが可能であるといえる。
1 研磨パッド 1a 研磨面
2 研磨装置 3 被研磨物
4 研磨定盤 5 支持定盤
6 スラリー供給手段

Claims (3)

  1. 硬質ウレタンからなる研磨層を有した研磨パッドにおいて、
    上記研磨層がTDI、DEG、PTMGを配合したプレポリマーとポリアミン硬化剤及び/又はポリオール硬化剤により形成され、
    上記研磨層のテーバー磨耗試験による磨耗減量が100〜160mg/1000回であり、かつエロージョン試験によるエロージョン率が2〜10μm/gであって、
    上記エロ―ジョン率は、多角アルミナ(1.2μm、3wt%)および球形シリカ(5μm、3wt%)を投射するノズル径1mm×1mmの噴射ノズルを上記研磨層に対して4mmの距離に設置するとともに、上記多角アルミナの投射力を、シリコンウエハでエロージョン率を測定したときに6.36μm/gとなるような投射力に設定し、上記球形シリカの投射力を、SUS304でエロージョン率を測定したときに0.94μm/gとなるような投射力に設定した場合における、研磨層に形成されたエロージョン痕のエロージョン深さと単位面積当たりの微細粒子の投射量とから算出することを特徴とする研磨パッド。
  2. 前記エロージョン率は、エロージョン深さが前記研磨層の表層から80μmの深さに至るまで2〜10μm/gの範囲を維持することを特徴とする請求項1に記載の研磨パッド。
  3. 上記研磨層はポリウレタンポリウレア樹脂からなることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の研磨パッド。
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