JP2023049879A - 研磨パッド - Google Patents

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Yoshihide Kawamura
哲平 立野
Teppei Tateno
浩 栗原
Hiroshi Kurihara
大和 ▲高▼見沢
Yamato TAKAMIZAWA
恵介 越智
Keisuke Ochi
哲明 川崎
Tetsuaki KAWASAKI
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Abstract

【課題】 優れた段差性能を維持しつつ、優れたディフェクト性能を有し、かつ、優れた研磨レートを有する研磨パッドを提供することを目的とする。【解決手段】 イソシアネート末端プレポリマーと、硬化剤とを含むポリウレタン樹脂発泡体からなる研磨層を有する研磨パッドであって、パルスNMR法によって40℃で測定される前記研磨層における非晶相の含有重量割合(NC40)に対する、パルスNMR法によって80℃で測定される前記研磨層における非晶相の含有重量割合(NC80)の比(NC80/NC40)が、1.5~2.5である、研磨パッド。【選択図】図1

Description

本発明は研磨パッドに関する。本発明の研磨パッドは、光学材料、半導体デバイス、ハードディスク用のガラス基板等の研磨に用いられ、特に半導体ウエハの上に酸化物層、金属層等が形成されたデバイスを研磨するのに好適に用いられる。
光学材料、半導体ウエハ、半導体デバイス、ハードディスク用基板の表面を平坦化するための研磨法として、化学機械研磨(chemical mechanical polishing,CMP)法が一般的に用いられている。
CMP法について、図1を用いて説明する。図1のように、CMP法を実施する研磨装置1には、研磨パッド3が備えられ、当該研磨パッド3は、保持定盤16及び被研磨物8がずれないように保持するリテーナリング(図1では図示しない)に保持された被研磨物8に当接するとともに、研磨を行う層である研磨層4と研磨層4を支持するクッション層6を含む。研磨パッド3は、被研磨物8が押圧された状態で回転駆動され、被研磨物8を研磨する。その際、研磨パッド3と被研磨物8との間には、スラリー9が供給される。スラリー9は、水と各種化学成分や硬質の微細な砥粒の混合物(分散液)であり、その中の化学成分や砥粒が流されながら、被研磨物8との相対運動により、研磨効果を増大させるものである。スラリー9は溝又は孔を介して研磨面に供給され、排出される。
ところで、半導体デバイスの研磨に用いられる研磨層の材料として、イソシアネート成分(トルエンジイソシアネート(TDI)など)及び高分子量ポリオール(ポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG)など)を含むプレポリマーと、ジアミン系硬化剤(4,4’-メチレンビス(2-クロロアニリン)(MOCA)など)とを反応させて得られる硬質ポリウレタン材料が用いられる。この硬質ポリウレタン材料は、高分子量ポリオールで形成されるソフトセグメントと、ウレタン結合やウレア結合で形成されるハードセグメントにより構成されている。近年、半導体デバイスの配線の微細化に伴い、従来の研磨層又は研磨パッドでは、研磨レート、やディフェクト性能(スクラッチ等)が不十分である場合があり、さらなる検討がなされている。
特許文献1は、パルスNMR法で測定して得られる結晶相(S相)が70%を超える含有割合である研磨層を用いることにより、熱による硬度変化が少なくなり、その結果十分な研磨ができる、傷がつきにくくなる、といった安定的に研磨できる研磨パッドが開示されている。
しかしながら、特許文献1を検討した結果、常温で結晶相70%を超えるという条件のみでは、スクラッチが発生しやすいことがわかった。これは、研磨中に異物が混入したときに、異物により温度が上昇することにより、結晶相、中間相、非晶相の存在割合が変化し、研磨層の特性が変化する場合があるからである。
また、耐久性の観点からは研磨パットは硬い方が好ましいが、硬すぎると、被研磨物に存在する凹凸を解消するような特性(段差性能)がなく、研磨し続けても一向に段差が解消されないという不具合も生じる。
再表 2016/158348号公報
本発明者らは、研磨層の結晶相、中間相、非晶相の割合を検討し、40℃における非晶相の含有重量割合と、80℃における非晶相の含有重量割合とが、所定の範囲内に場合、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を達成した。すなわち、本発明は以下を包含する。
[1] イソシアネート末端プレポリマーと、硬化剤とを含むポリウレタン樹脂発泡体からなる研磨層を有する研磨パッドであって、
パルスNMR法によって40℃で測定される前記研磨層における非晶相の含有重量割合(NC40)に対する、パルスNMR法によって80℃で測定される前記研磨層における非晶相の含有重量割合(NC80)の比(NC80/NC40)が、1.5~2.5である、研磨パッド。
[2] パルスNMR法によって40℃及び80℃で測定される前記研磨層における非晶相及び結晶相の含有重量割合を用いた以下の式:
Figure 2023049879000002

から得られる数値が1.20~1.50である、[1]に記載の研磨パッド。
[3] 前記NC40が、10~20重量%である、[1]又は[2]に記載の研磨パッド。
[4] 前記NC80が、25~35重量%である、[1]乃至[3]のいずれか一項に記載の研磨パッド。
[5] 前記研磨層はポリプロピレングリコール及びポリエーテルポリカーボネートジオールを含む、[1]乃至[4]のいずれか一項に記載の研磨パッド。
[6] 前記ポリプロピレングリコールと前記ポリエーテルポリカーボネートジオールの合計に対する前記ポリエーテルポリカーボネートジオールの割合は80%未満である、[5]に記載の研磨パッド。
本発明の研磨パッドは、優れた段差性能を維持しつつ、優れたディフェクト性能を有し、かつ、優れた研磨レートを有する。
図1は、研磨の状態を示す模式図である。 図2は、研磨パッドの断面図である。 図3は、段差解消性能を説明する図である。 図4は、実施例及び比較例の段差解消性能試験の結果を示す(Cu配線幅120μmの配線の被研磨物を用いた場合)。 図5は、実施例及び比較例の段差解消性能試験の結果を示す(Cu配線幅100μmに対して絶縁膜の幅100μmの配線の被研磨物を用いた場合)。 図6は、実施例及び比較例の段差解消性能試験の結果を示す(Cu配線幅50μmに対して絶縁膜の幅50μmの配線の被研磨物を用いた場合)。 図7は、実施例及び比較例の段差解消性能試験の結果を示す(Cu配線幅10μmに対して絶縁膜の幅10μmの配線の被研磨物を用いた場合)。 図8は、実施例及び比較例のディフェクト性能評価試験の結果を示す。
以下、発明を実施するための形態について説明するが、本発明は、発明を実施するための形態に限定されるものではない。
<<研磨パッド>>
研磨パッド3の構造について図2を用いて説明する。研磨パッド3は、図2のように、研磨層4と、クッション層6とを含む。研磨パッド3の形状は円盤状が好ましいが、特に限定されるものではなく、また、大きさ(径)も、研磨パッド3を備える研磨装置1のサイズ等に応じて適宜決定することができ、例えば、直径10cm~2m程度とすることができる。
なお、本発明の研磨パッド3は、好ましくは図2に示すように、研磨層4がクッション層6に接着層7を介して接着されている。
研磨パッド3は、クッション層6に配設された両面テープ等によって研磨装置1の研磨定盤10に貼付される。研磨パッド3は、研磨装置1によって被研磨物8を押圧した状態で回転駆動され、被研磨物8を研磨する。
<研磨層>
(構成)
研磨パッド3は、被研磨物8を研磨するための層である研磨層4を備える。研磨層4を構成する材料は、ポリウレタン樹脂発泡体である。ポリウレタン樹脂発泡体の材料、製造方法等は後述する。
研磨層4の大きさ(径)は、研磨パッド3と同様であり、直径10cm~2m程度とすることができ、研磨層4の厚みは、通常1~5mm程度とすることができる。
研磨層4は、研磨装置1の研磨定盤10と共に回転され、その上にスラリー9を流しながら、スラリー9の中に含まれる化学成分や砥粒を、被研磨物8と一緒に相対運動させることにより、被研磨物8を研磨する。
研磨層4は、中空微小球体4A(発泡)が分散されている。また、研磨層4は、乾式成型されているものである。
(溝加工)
本発明の研磨層4の被研磨物8側の表面には、必要に応じ溝加工を設けることが好ましい。溝は、特に限定されるものではなく、研磨層4の周囲に連通しているスラリー排出溝、及び研磨層4の周囲に連通していないスラリー保持溝のいずれでもよく、また、スラリー排出溝とスラリー保持溝の両方を有してもよい。スラリー排出溝としては、格子状溝、放射状溝などが挙げられ、スラリー保持溝としては、同心円状溝、パーフォレーション(貫通孔)などが挙げられ、これらを組み合わせることもできる。
(ショアD硬度)
本発明の研磨層4のショアD硬度は、特に限定されるものではないが、例えば、20~100であり、好ましくは30~80であり、さらに好ましくは40~70である。ショアD硬度が小さい場合には、低圧研磨加工で微細な凹凸を平坦化することが難しくなる。ショアD硬度が高すぎると、被研磨物8に強く擦りつけられ被研磨物8の加工面にスクラッチが発生する可能性がある。
本発明の研磨パッド3においては、中空微小球体4Aを用いて、ポリウレタン樹脂成形体内部に気泡を内包させる。中空微小球体とは、空隙を有する微小球体を意味する。中空微小球体4Aの形状には、球状、楕円状、及びこれらに近い形状のものが含まれる。例としては、既膨張タイプのもの、及び、未膨張の加熱膨張性微小球状体を加熱膨張させたものが挙げられる。
(結晶相、中間相、非晶相)
本発明の研磨パッドの研磨層において、40℃で測定される非晶相の含有重量割合(NC40)に対する、80℃で測定される前記研磨層における非晶相の含有重量割合(NC80)の比(NC80/NC40と表記する場合がある)が、1.50~2.50である。なお、本明細書で含有割合と記載がある場合は、重量基準で計算したもの(重量%)である。
本明細書では、40℃で測定される非晶相の含有重量割合をNC40、80℃で測定される非晶相の含有重量割合をNC80、後述するが、40℃で測定される結晶相の含有重量割合をCC40、80℃で測定される結晶相の含有重量割合をCC80と略記する場合がある。
一般的に研磨を実施すると、摩擦により研磨パッドの温度が上昇する。温度が上昇したときに、硬度を高い状態であると、スクラッチが生じやすくなり、ディフェクト性能が低下するおそれがある。すなわち、NC80/NC40が1.50未満だと、スクラッチが生じやすくなり、ディフェクト性能が低下する恐れがある。一方、NC80/NC40が2.50を超えると、温度が上昇したときにソフトセグメントの割合が増えることにより研磨パッドが軟らかくなり、研磨レートが悪化する点で好ましくない。
NC80/NC40の下限は、好ましくは1.60以上、より好ましくは1.70以上である。一方、上限は、好ましくは2.40以下、より好ましくは2.30以下である。
さらに、研磨層は、以下の式(1)で計算される値が、1.20~1.50を満たすことが好ましい。
Figure 2023049879000003
式(1)が示す意味は、40℃から80℃に変更することによって増加する非晶相の割合が、40℃から80℃に変更することによって増加する結晶相の割合もよりも大きく、その大きさが、1.20~1.50を満たすことである。1.20未満だと、温度上昇に伴い非晶相の割合と結晶相の割合のバランスが悪くなり、ディフェクト性能、特にスクラッチに悪影響を与えるおそれがあり、1.50を超えると、温度上昇に伴い非晶相の割合が高まり研磨層が軟らかくなることで研磨レートが悪化する場合がある。式(1)の下限は、1.22以上であることがより好ましく、1.25以上であればさらに好ましい。また、上限は、1.48以下であることがより好ましく、1.45以下であればさらに好ましい。
さらに、研磨層のNC40は、10~20重量%であることが好ましい。NC40が10~20重量%であれば、優れた研磨レートを得ることができるため好ましい。
また、研磨層のNC80は、25~35重量%であることが好ましい。NC80が25~35重量%だと、温度上昇した際にソフトセグメントの一定量の非晶相の量を有するため、優れた研磨レートを得つつ、優れたディフェクト性能を示す。
また、研磨層の結晶相、中間相、非晶相の割合は、パルスNMRによる測定で行われる。パルスNMR測定では、スピン-スピン緩和時間が0.03ms未満である相(ショート相)(S相)、スピン-スピン緩和時間が0.03ms以上0.2ms未満である相(ミドル相)(M相)、スピン-スピン緩和時間が0.2ms以上である相(ロング相)(L相)のそれぞれに発泡ポリウレタンを分類して、それぞれの相の含有重量割合を求める。なお、S相、M相、及びL相の含有重量割合については、例えば、主として結晶相がパルスNMR測定においてS相となって観測され、主として非晶相(アモルファス相)がL相となって観測され、主として中間相がパルスNMR測定においてM相となって観測される。また、主としてハードセグメント部分がパルスNMR測定においてS相となって観測され、主としてソフトセグメント部分がL相となって観測される。
なお、上記のスピン-スピン緩和時間は、例えば、JEOL製の「JNM-MU25」を用い、Solid Echo法による測定を実施することなどで求めることができる。
<クッション層>
(構成)
本発明の研磨パッド3は、クッション層6を有する。クッション層6は、研磨層4の被研磨物8への当接をより均一にすることが望ましい。クッション層6の材料としては、樹脂;前記樹脂を基材に含浸させた含浸材;合成樹脂やゴム等の可撓性を有する材料;及び前記樹脂を用いたスポンジ材が挙げられる。上記樹脂としては、例えば、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリブタジエン、シリコーン等の樹脂や天然ゴム、ニトリルゴム、ポリウレタンゴム等のゴムなどが挙げられる。
クッション層6は気泡構造を有する発泡体等としてもよい。気泡構造としては、不織布等の内部に空隙が形成されたものの他、湿式成膜法により形成された涙型気泡を有するスウェード状のものや、微細な気泡が形成されたスポンジ状のものを好ましく用いることができる。
これらの中でも、ポリウレタンを不織布に含侵させたものやスポンジ状のものをクッション層とすると、研磨層との相性が良いため、段差解消性能を維持しつつ、高い研磨レートを得ることができる。
<接着層>
接着層7は、クッション層6と研磨層4を接着させるための層であり、通常、両面テープ又は接着剤から構成される。両面テープ又は接着剤は、当技術分野において公知のもの(例えば、接着シート)を使用することができる。
研磨層4およびクッション層6は、接着層7で貼り合わされている。接着層7は、例えば、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系から選択される少なくとも1種の粘着剤で形成することができる。例えば、アクリル系粘着剤が用いられ、厚みは0.1mmに設定することができる。
本発明の研磨パッドは、段差解消性能を維持しつつ、ディフェクト性能に優れ、しかも、研磨レートに優れたものである。
ここで、段差解消性能とは、研磨に伴い段差(凹凸)を有するパターンウエハの段差がなくなるまでの時間を指標とする性能のことを言う。段差解消性能を測定する実験の模式図を図3に示す。例えば、被研磨物において3500オングストロームの段差がある場合、段差解消性能が高い研磨パッド(点線)と、相対的に段差解消性能が低い研磨パッド(実線)を用いた場合の段差の解消状態を示す。図3の(a)の時点では差がないものの、研磨が進み、研磨量が2000オングストロームのときに、良好な段差解消性能がある研磨パッド(点線)は、相対的に段差解消性能が低い研磨パッド(実線)に比べて、段差がなくなるまでの時間が短いことが示されており((b))、段差解消性能が高い研磨パッドは、相対的に早く段差が解消する((c))。点線で示す研磨パッドは、実線の研磨パッドよりも相対的に段差解消性能が高いと言える。
また、「ディフェクト」とは、被研磨物の表面に付着した細かい粒子が残留したものを示す「パーティクル(Particle)」、被研磨物の表面に付着した研磨層の屑を示す「パッド屑(Pad Debris)」、被研磨物の表面についた傷を示す「スクラッチ(Scratch)」等を含めた欠陥の総称を意味し、ディフェクト性能とはこの「ディフェクト」を少なくする性能のことを言う。
そして、研磨レートとは、単位時間あたりの研磨量のことを言う。
<<研磨パッドの製造方法>>
本発明の研磨パッド3の製造方法について説明する。
<研磨層の材料>
研磨層4の材料としては、ポリウレタン樹脂発泡体を用いる。具体的な主成分の材料としては、例えば、イソシアネート末端プレポリマーと硬化剤とを反応させて得られる材料を挙げることができる。また、発泡させるため、材料の中に発泡剤を加える。
以下、研磨層4の製造方法については、イソシアネート末端プレポリマーと硬化剤を用いた例を用いて説明する。
イソシアネート末端プレポリマーと硬化剤とを用いた研磨層4の製造方法としては、例えば、少なくともイソシアネート末端プレポリマー、添加剤、硬化剤を準備する材料準備工程;少なくとも、前記イソシアネート末端プレポリマー、添加剤、硬化剤を混合して成形体成形用の混合液を得る混合工程;前記成形体成形用混合液から研磨層4を成形する硬化工程、を含む製造方法が挙げられる。
以下、材料準備工程、混合工程、成形工程に分けて、それぞれ説明する。
<材料準備工程>
本発明の研磨層4の製造のために、ポリウレタン樹脂発泡体の原料として、イソシアネート末端プレポリマー、硬化剤を準備する。ここで、イソシアネート末端プレポリマーは、ポリウレタン樹脂発泡体を形成するための、ウレタンプレポリマーである。
以下、各成分について説明する。
(イソシアネート末端プレポリマー)
イソシアネート末端プレポリマーは、下記ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを、通常用いられる条件で反応させることにより得られる化合物であり、ウレタン結合とイソシアネート基を分子内に含むものである。また、本発明の効果を損なわない範囲内で、他の成分がイソシアネート末端プレポリマーに含まれていてもよい。
イソシアネート末端プレポリマーとしては、市販されているものを用いてもよく、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させて合成したものを用いてもよい。前記反応に特に制限はなく、ポリウレタン樹脂の製造において公知の方法及び条件を用いて付加重合反応すればよい。例えば、40℃に加温したポリオール化合物に、窒素雰囲気にて撹拌しながら50℃に加温したポリイソシアネート化合物を添加し、30分後に80℃まで昇温させ更に80℃にて60分間反応させるといった方法で製造することができる。
なお、イソシアネート末端プレポリマーは、NCO当量が、300~600程度であることが好ましい。したがって、イソシアネート末端プレポリマーが、市販品の場合は、NCO当量が上記範囲を満たすものが好ましく、合成によって製造する際は、下記する原料を適宜割合で用いることにより、上記範囲のNCO当量にすることが好ましい。
(ポリイソシアネート化合物)
本明細書において、ポリイソシアネート化合物とは、分子内に2つ以上のイソシアネート基を有する化合物を意味する。
ポリイソシアネート化合物としては、分子内に2つ以上のイソシアネート基を有していれば特に制限されるものではない。例えば、分子内に2つのイソシアネート基を有するジイソシアネート化合物としては、m-フェニレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート(2,6-TDI)、2,4-トリレンジイソシアネート(2,4-TDI)、ナフタレン-1,4-ジイソシアネート、ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネー卜(MDI)、4,4’-メチレン-ビス(シクロヘキシルイソシアネート)(水添MDI)、3,3’-ジメトキシ-4,4’-ビフェニルジイソシアネート、3,3’-ジメチルジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、キシリレン-1、4-ジイソシアネート、4,4’-ジフェニルプロパンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、プロピレン-1,2-ジイソシアネート、ブチレン-1,2-ジイソシアネート、シクロヘキシレン-1,2-ジイソシアネート、シクロヘキシレン-1,4-ジイソシアネート、p-フェニレンジイソチオシアネート、キシリレン-1,4-ジイソチオシアネート、エチリジンジイソチオシアネート等を挙げることができる。これらのポリイソシアネート化合物は、単独で用いてもよく、複数のポリイソシアネート化合物を組み合わせて用いてもよい。
なお、ポリイソシアネート化合物としては、2,4-TDI及び/又は2,6-TDIを含むことが好ましい。
(プレポリマーの原料としてのポリオール化合物)
本明細書において、ポリオール化合物とは、分子内に2つ以上の水酸基(OH)を有する化合物を意味する。
プレポリマーとしてのウレタン結合含有ポリイソシアネート化合物の合成に用いられるポリオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール(DEG)、ブチレングリコール等のジオール化合物、トリオール化合物等;ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール(又はポリテトラメチレンエーテルグリコール)(PTMG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリエーテルポリカーボネートジオール(PEPCD)等のポリエーテルポリオール化合物を挙げることができる。なお、PEPCDは、下記一般式で表される化合物である。
Figure 2023049879000004
上記式において、m、nは単位の繰り返し数を表し、それぞれ独立に実数を表す。PEPCDは一種でも使用することができ、二種以上を組み合わせて使用することもできる。
上記成分の中でも、NC80/NC40や上記式(1)を1.5~2.5に調整しやすく、また、式(1)の値を1.20~1.50に調整しやすく観点で、PPG及びPEPCDが好ましく、PPGとPEPCDの組み合わせが好ましい。
PPGやPEPCD等の上記ポリオールの数平均分子量(Mn)は、特に限定されることはなく、例えば、500~3000であることが好ましく、より好ましくは800~2500とすることが好ましい。ここで、数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography:GPC)により測定することができる。なお、ポリウレタン樹脂からポリオール化合物の数平均分子量を測定する場合は、アミン分解等の常法により各成分を分解した後、GPCによって推定することもできる。
(添加剤)
上記したように、研磨層4の材料として、酸化剤等の添加剤を必要に応じて添加することができる。
(硬化剤)
本発明の研磨層4の製造方法では、混合工程において硬化剤(鎖伸長剤ともいう)をイソシアネート末端プレポリマーなどと混合させる。硬化剤を加えることにより、その後の成形体成形工程において、イソシアネート末端プレポリマーの主鎖末端が硬化剤と結合してポリマー鎖を形成し、硬化する。
硬化剤としては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジアミン、3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノジフェニルメタン(MOCA)、4-メチル-2,6-ビス(メチルチオ)-1,3-ベンゼンジアミン、2-メチル-4,6-ビス(メチルチオ)-1,3-ベンゼンジアミン、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス[3-(イソプロピルアミノ)-4-ヒドロキシフェニル]プロパン、2,2-ビス[3-(1-メチルプロピルアミノ)-4-ヒドロキシフェニル]プロパン、2,2-ビス[3-(1-メチルペンチルアミノ)-4-ヒドロキシフェニル]プロパン、2,2-ビス(3,5-ジアミノ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,6-ジアミノ-4-メチルフェノール、トリメチルエチレンビス-4-アミノベンゾネート、及びポリテトラメチレンオキサイド-di-p-アミノベンゾネート等の多価アミン化合物;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,2-ブタンジオール、3-メチル-1,2-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、2,3-ジメチルトリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、3-メチル-4,3-ペンタンジオール、3-メチル-4,5-ペンタンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、1,4-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、トリメチロールメタン、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコール等の多価アルコール化合物が挙げられる。また、多価アミン化合物が水酸基を有していてもよく、このようなアミン系化合物として、例えば、2-ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2-ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2-ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシプロピルエチレンジアミン等を挙げることができる。多価アミン化合物としては、ジアミン化合物が好ましく、例えば、3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノジフェニルメタン(メチレンビス-o-クロロアニリン)(以下、MOCAと略記する。)を用いることがさらに好ましい。
なお、プレポリマーの原料として、2種以上のポリオールを使用する場合は、2種以上のポリオールを混合して、この混合物にポリイソシアネート化合物を反応させたものを用いてもよいし、2種類以上のポリオールをそれぞれポリイソシアネート化合物と反応させたのち、それを混合して、硬化させる方法であってもよい。
研磨層4は、外殻を有し、内部が中空状である中空微小球体4Aを、材料に用いることにより成形することができる。中空微小球体4Aの材料としては、市販のものを使用してもよく、常法により合成することにより得られたものを使用してもよい。中空微小球体4Aの外殻の材質としては、特に制限されないが、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール、ポリヒドロキシエーテルアクリライト、マレイン酸共重合体、ポリエチレンオキシド、ポリウレタン、ポリ(メタ)アクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル及び有機シリコーン系樹脂、並びにそれらの樹脂を構成する単量体を2種以上組み合わせた共重合体(例えば、アクリロニトリル-塩化ビニリデン共重合体など挙げられる)が挙げられる。また、市販品の中空微小球体としては、以下に限定されないが、例えば、エクスパンセルシリーズ(アクゾ・ノーベル社製商品名)、マツモトマイクロスフェア(松本油脂(株)社製商品名)などが挙げられる。
中空微小球体4Aに含まれる気体としては、特に限定されるものではないが、例えば、炭化水素が挙げられ、具体的にはイソブタン、ペンタン、イソペンタンなどが挙げられる。
中空微小球体4Aの形状は特に限定されず、例えば、球状及び略球状であってもよい。中空微小球体4Aの平均粒径は、特に制限されないが、好ましくは5~200μmであり、より好ましくは5~80μmであり、さらに好ましくは5~50μmであり、特に好ましくは5~35μmである。なお、平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(例えばスペクトリス(株)製、マスターサイザ-2000)により測定することができる。
中空微小球体4Aの材料は、イソシアネート末端プレポリマー100質量部に対して、好ましくは0.1~10質量部、より好ましくは1~5質量部、さらにより好ましくは1~4質量部となるように添加する。
また、上記の成分以外に、本発明の効果を損なわない範囲において、従来使用されている発泡剤を、中空微小球体4Aと併用してもよく、下記混合工程中に前記各成分に対して非反応性の気体を吹き込んでもよい。該発泡剤としては、水の他、炭素数5又は6の炭化水素を主成分とする発泡剤が挙げられる。該炭化水素としては、例えば、n-ペンタン、n-ヘキサンなどの鎖状炭化水素や、シクロペンタン、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素が挙げられる。
<混合工程>
混合工程では、前記準備工程で得られた、イソシアネート末端プレポリマー、添加剤、硬化剤を混合機内に供給して攪拌・混合する。混合工程は、上記各成分の流動性を確保できる温度に加温した状態で行われる。
<成形工程>
成形体成形工程では、前記混合工程で調製された成形体成形用混合液を30~100℃に予熱した型枠内に流し込み一次硬化させた後、100~150℃程度で10分~5時間程度加熱して二次硬化させることにより硬化したポリウレタン樹脂(ポリウレタン樹脂発泡体)を成形する。このとき、ウレタンプレポリマー、硬化剤が反応してポリウレタン樹脂を形成することにより該混合液は硬化する。
ウレタンプレポリマー(イソシアネート末端プレポリマー)は、粘度が高すぎると、流動性が悪くなり混合時に略均一に混合することが難しくなる。温度を上昇させて粘度を低くするとポットライフが短くなり、却って混合斑が生じて得られる発泡体に形成される、中空微小球体4Aの大きさにバラツキが生じる。反対に粘度が低すぎると混合液中で気泡が移動してしまい、得られる発泡体に略均等に分散した、中空微小球体4Aを形成することが難しくなる。このため、プレポリマーは、温度50~80℃における粘度を500~10000mPa・sの範囲に設定することが好ましい。このことは、例えば、プレポリマーの分子量(重合度)を変えることで粘度を設定することができる。プレポリマーは、50~80℃程度に加熱され流動可能な状態とされる。
成形工程では、必要により注型された混合液を型枠内で反応させ発泡体を形成させる。このとき、プレポリマーと硬化剤との反応によりプレポリマーが架橋硬化する。
成形体を得た後、シート状にスライスして複数枚の研磨層4を形成する。スライスには、一般的なスライス機を使用することができる。スライス時には研磨層4の下層部分を保持し、上層部から順に所定厚さにスライスされる。スライスする厚さは、例えば、0.8~2.5mmの範囲に設定されている。厚さが50mmの型枠で成型した発泡体では、例えば、発泡体の上層部および下層部の約10mm分をキズ等の関係から使用せず、中央部の約30mm分から10~25枚の研磨層4が形成される。硬化成型ステップで内部に中空微小球体4Aが略均等に形成された発泡体が得られる。
得られた研磨層4の研磨面に、必要により溝加工を施す。研磨面に対して所要のカッターを用いて切削加工等を行うことで、任意のピッチ、幅、深さを有する溝を形成することができる。スラリー保持溝としては、例えば同心円状に形成した円形溝が挙げられ、スラリー排出溝としては、例えば格子状に形成した直線溝や研磨層の中心から放射状に形成した直線溝などが挙げられる。
このようにして得られた研磨層4は、その後、研磨層4の研磨面とは反対側の面に両面テープが貼り付けられる。両面テープに特に制限はなく、当技術分野において公知の両面テープの中から任意に選択して使用することが出来る。
<クッション層6の製造方法>
上記のとおり、クッション層6の材質としては、ポリエチレン、ポリエステル等の樹脂繊維(不織布織布、可撓性フィルム等)にウレタン等の樹脂溶液を含浸させた含浸材;ウレタン等の樹脂材料を用いたスウェード材;及びウレタン等の材料を用いたスポンジ材が挙げられる。本発明において、クッション層6は、公知のものを利用でき、製造方法も公知のものを使用することができる。
<接合工程>
接合工程では、形成された研磨層4およびクッション層6を接着層7で貼り合わせる(接合する)。接着層7には、例えば、アクリル系粘着剤を用い、厚さが0.1mmとなるように接着層7を形成する。すなわち、研磨層4の研磨面と反対側の面にアクリル系粘着剤を略均一の厚さに塗布する。研磨層4の研磨面Pと反対側の面と、クッション層6の表面(スキン層が形成された面)と、を塗布された粘着剤を介して圧接させて、研磨層4およびクッション層6を接着層7で貼り合わせる。そして、円形等の所望の形状に裁断した後、汚れや異物等の付着が無いことを確認する等の検査を行い、研磨パッド3を完成させる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
各実施例及び比較例において、特段の指定のない限り、「部」とは「質量部」を意味するものとする。
また、NCO当量とは、“(ポリイソシアネート化合物の質量(部)+ポリオール化合物の質量(部))/[(ポリイソシアネート化合物1分子当たりの官能基数×ポリイソシアネート化合物の質量(部)/ポリイソシアネート化合物の分子量)-(ポリオール化合物1分子当たりの官能基数×ポリオール化合物の質量(部)/ポリオール化合物の分子量)]”で求められるNCO基1個当たりのプレポリマー(PP)の分子量を示す数値である。
(研磨層について)
イソシアネート化合物として、2,4-トリレンジイソシアネート(TDI)、ポリオール化合物として、PPG、PTMG、PEPCD、ジエチレングリコール(DEG)を反応させて、ウレタンプレポリマー1、2及び3を用意した(ウレタンプレポリマーの調製に使用した成分は表1を参照)。表2で示された割合で混合したウレタンプレポリマー混合物100部に、殻部分がアクリロニトリル-塩化ビニリデン共重合体からなり、殻内にイソブタンガスが内包された未膨張タイプの中空微小球体2.9部を添加混合し、混合液を得た。得られた混合液を第1液タンクに仕込み、60℃で保温した。次に、第1液とは別途に、硬化剤としてMOCA27.8部を、第2液タンク内に入れ、120℃で加熱溶融させて保温した。第1液タンク、第2液タンクの夫々の液体を、注入口を2つ具備した混合機に夫々の注入口からプレポリマー中の末端イソシアネート基に対する硬化剤に存在するアミノ基及び水酸基の当量比を表わすR値が0.9となるように注入した。注入した2液を混合攪拌しながら予熱した成形機の金型へ注入した後、型締めをし、30分間、80℃にて加熱し一次硬化させた。一次硬化させた成形物を脱型後、オーブンにて120℃で4時間二次硬化し、ウレタン成形物を得た。得られたウレタン成形物を25℃まで放冷した後に、再度オーブンにて120℃で5時間加熱してから1.3mmの厚みにスライスし、表2で示す研磨層1乃至4を得た。また、各研磨層の密度及びD硬度を表3に示し、結晶相、中間層、非晶相の割合を表4に示す。なお、密度、D硬度、パルスNMR測定の測定方法及び条件は下記のとおりである。
(密度)
研磨層の密度(g/cm)は、日本工業規格(JIS K 6505)に準拠して測定した。
(ショアD硬度)
研磨層のショアD硬度は、日本工業規格(JIS-K-6253)に準拠して、ショアD型硬度計を用いて測定した。ここで、測定試料は、少なくとも総厚さ4.5mm以上になるように、必要に応じて複数枚の研磨層を重ねることで得た。
(パルスNMR測定)
装置 Bruker社 Minispec mq20 (20MHz)
繰り返し時間 4秒
測定手法 Solid echo法
積算回数 16回
測定温度 40℃、80℃
Figure 2023049879000005
Figure 2023049879000006
Figure 2023049879000007
Figure 2023049879000008
(クッション層について)
ウレタン樹脂(DIC社製、製品名「C1367」)を含む樹脂溶液(DMF溶媒)に、密度0.15g/cmのポリエステル繊維からなる不織布を浸漬した。浸漬後、1対のローラ間を加圧可能なマングルローラを用いて、不織布から樹脂溶液を絞り落として、不織布に樹脂溶液を略均一に含浸させた。次いで、樹脂溶液を含浸した不織布を、室温の水からなる凝固液に浸漬することにより、樹脂を湿式凝固させ、樹脂含浸不織布を得た。その後、樹脂含浸不織布を凝固液から取り出し、更に水からなる洗浄液で洗浄することにより樹脂中のN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)を除去して、乾燥させた。乾燥後、バフ処理により樹脂含浸不織布表面のスキン層を除去し、樹脂含浸不織布からなる厚さ1.3mmのクッション層を得た。
(実施例及び比較例)
研磨層1~4およびクッション層を厚さ0.1mmの両面テープ(PET基材の両面にアクリル系樹脂からなる接着層を備えるもの)で接合し、クッション層と接着層の反対側の面に両面テープを貼り合わせて実施例1乃至3及び比較例1の研磨パッドを製造した。
(研磨性能評価)
得られた実施例1乃至3及び比較例1の研磨パッドを用いて、下記研磨条件で研磨試験を実施した。結果を表5に示す。
(研磨条件)
使用研磨機:F-REX300X(荏原製作所社製)
Disk:A188(3M社製)
研磨剤温度:20℃
研磨定盤回転数:90rpm
研磨ヘッド回転数:81rpm
研磨圧力:3.5psi
研磨スラリー(金属膜):CSL-9044C(CSL-9044C原液:純水=重量比1:9の混合液を使用)(富士フイルムプラナーソリューションズ製)
研磨スラリー流量:200ml/min
研磨時間:60秒
被研磨物:Cu膜基板(研磨性能評価試験)、後述するパターンウエハ(段差解消性能試験)
パッドブレーク:32N 10分
コンディショニング:In-situ 18N 16スキャン、Ex-situ 32N 4スキャン
研磨処理枚数が15枚目、25枚目、50枚目の基板の研磨レートを測定した。なお、実施例では、研磨レートを研磨した厚さで評価した。
Figure 2023049879000009
(研磨試験結果考察)
表5の結果より、実施例1~3の研磨パッドは、比較例1の研磨パッドに比べて研磨レートが向上し、研磨性能が優れていることがわかった。
(段差解消性能試験)
実施例及び比較例の研磨パッドを、研磨装置の所定位置にアクリル系接着剤を有する両面テープを介して設置し、上記研磨条件にて研磨加工を施した。段差解消性能は、100μm/100μmのディッシングを段差・表面粗さ・微細形状測定装置(KLAテンコール社製、P-16+)で測定することにより評価した。評価結果を図4に示す。
7000オングストローム膜厚、3000オングストロームの段差を有するパターンウエハに対して、1回の研磨量が1000オングストロームになるように研磨レートを調整して研磨を実施し、段階的に研磨を行い都度ウエハの段差測定を実施した。縦軸のStep Heightは、段差を示す。
図4の120μmは配線幅が120μmの配線研磨、図5の100/100はCu配線幅100μmに対して絶縁膜の幅100μmの配線、図6の50/50はCu配線幅50μmに対して絶縁膜の幅50μmの配線、図7の10/10はCu配線幅10μmに対して絶縁膜の幅10μmの配線となり数字が小さいほど配線が微細になっていることを示す。
図4~7の結果より、実施例1~3の研磨パッドは、比較例1の研磨パッドと同等の段差性能を有することがわかった。
(ディフェクト性能評価)
研磨処理枚数が27枚目・28枚目・50枚目の基板を、表面検査装置(KLAテンコール社製、Surfscan SP2XP)の高感度測定モードを用いて、基板表面におけるマイクロスクラッチ(0.02μm以上0.16μm以下の微細打痕状のキズ)を検出し個数を計測した。結果を図8に示す。
図8の結果より、実施例1~3の研磨パッドは、比較例1に比べて、マイクロスクラッチの個数がやや減少しており、ディフェクト発生を抑制できることがわかった。
本発明は、研磨パッドの製造、販売に寄与するので、産業上の利用可能性を有する。
1 研磨装置
3 研磨パッド
4 研磨層
4A 中空微小球体
6 クッション層
7 接着層
8 被研磨物
9 スラリー
10 研磨定盤

Figure 2023049879000019

Claims (6)

  1. イソシアネート末端プレポリマーと、硬化剤とを含むポリウレタン樹脂発泡体からなる研磨層を有する研磨パッドであって、
    パルスNMR法によって40℃で測定される前記研磨層における非晶相の含有重量割合(NC40)に対する、パルスNMR法によって80℃で測定される前記研磨層における非晶相の含有重量割合(NC80)の比(NC80/NC40)が、1.5~2.5である、研磨パッド。
  2. パルスNMR法によって40℃及び80℃で測定される前記研磨層における非晶相及び結晶相の含有重量割合を用いた以下の式:
    Figure 2023049879000010
    から得られる数値が1.20~1.50である、請求項1に記載の研磨パッド。
  3. 前記NC40が、10~20重量%である、請求項1又は2に記載の研磨パッド。
  4. 前記NC80が、25~35重量%である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の研磨パッド。
  5. 前記研磨層はポリプロピレングリコール及びポリエーテルポリカーボネートジオールを含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の研磨パッド。
  6. 前記ポリプロピレングリコールと前記ポリエーテルポリカーボネートジオールの合計に対する前記ポリエーテルポリカーボネートジオールの割合は80%未満である、請求項5に記載の研磨パッド。
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