JP2021160026A - 研磨パッド、研磨パッドの製造方法、光学材料又は半導体材料の表面を研磨する方法、及び研磨パッドの評価方法 - Google Patents

研磨パッド、研磨パッドの製造方法、光学材料又は半導体材料の表面を研磨する方法、及び研磨パッドの評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】パッド屑に由来するスクラッチの発生を抑制できる研磨パッド、当該研磨パッドの製造方法、当該研磨パッドを使用した光学材料又は半導体材料の表面を研磨する方法、及び当該研磨パッドの評価方法を提供する。【解決手段】ポリウレタン樹脂を含む研磨層を有する研磨パッドであって、前記ポリウレタン樹脂が、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー及び硬化剤を含む硬化性樹脂組成物の硬化物であり、前記研磨層は、下記条件で行った摩耗試験後の研磨層の屑を含む試料の粒度分布測定により得られる、体積積算粒度分布における積算粒度で90%の粒径(D90)が66.5μm以下である、前記研磨パッド。【選択図】なし

Description

本発明は、研磨パッド、研磨パッドの製造方法、光学材料又は半導体材料の表面を研磨する方法、及び研磨パッドの評価方法に関する。本発明の研磨パッドは、光学材料、半導体ウエハ、半導体デバイス、ハードディスク用基板等の研磨に用いられ、特に半導体ウエハの上に酸化物層、金属層等が形成されたデバイスを研磨するのに好適に用いられる。
光学材料、半導体ウエハ、ハードディスク基板、液晶用ガラス基板、半導体デバイスは非常に精密な平坦性が要求される。また、半導体デバイスの研磨においては、近年の集積回路の微細化・高密度化に伴い、スクラッチ(傷)、有機残渣等のディフェクト(欠陥)の抑制についてより厳密なレベルが要求されるようになってきている。このような各種材料の表面を平坦に研磨するために、硬質研磨パッドが一般的に用いられている。
被研磨物にスクラッチが発生する要因には様々なものがある。例えば、研磨工程において発生する研磨パッドにおける研磨層の屑(パッド屑)が被研磨物の表面に接触し、スクラッチを発生させることがある。
特許文献1には、イソシアネート成分及び活性水素含有化合物を含有するウレタン組成物の反応硬化体であり、多量化ジイソシアネートを含有する熱硬化性ポリウレタン発泡体からなる研磨層を有する研磨パッドが開示されている。特許文献1の研磨パッドにおいては、特定量の多量化ジイソシアネートを含有することにより、研磨時に生じるパッド屑を小さくし、研磨速度を長期間にわたり安定化させているものの、研磨時に発生するスクラッチに関する評価は行われていない。
特開2009−214221号公報
以上のように、パッド屑に由来するスクラッチの発生を抑制できる研磨パッドが望まれている。
本発明は、パッド屑に由来するスクラッチの発生を抑制できる研磨パッド、当該研磨パッドの製造方法、当該研磨パッドを使用した光学材料又は半導体材料の表面を研磨する方法、及び当該研磨パッドの評価方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意研究した結果、研磨層について、摩耗試験後の研磨屑を含む試料の粒度分布測定により得られる、体積積算粒度分布における積算粒度で90%の粒径(D90)が特定の数値範囲内であることにより、上記課題を解決できることを知見し、本発明を完成するに至った。本発明の具体的態様は以下のとおりである。
なお、本願において、「X〜Y」を用いて数値範囲を表す際は、その範囲は両端の数値であるX及びYを含むものとする。
[1] ポリウレタン樹脂を含む研磨層を有する研磨パッドであって、
前記ポリウレタン樹脂が、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー及び硬化剤を含む硬化性樹脂組成物の硬化物であり、
前記研磨層は、下記条件で行った摩耗試験後の研磨層の屑を含む試料の粒度分布測定により得られる、体積積算粒度分布における積算粒度で90%の粒径(D90)が66.5μm以下である、前記研磨パッド。
(摩耗試験条件)
使用研磨機:Speedfam社製、商品名「FAM−12BS」
定盤回転数(研磨パッドの回転数):50rpm
流量:100ml/min(純水) 純水は研磨パッドの回転中心から滴下
ドレッサー:3M社製ダイヤモンドドレッサー、型番「A188」
ドレッサーの形状:半径5.4cmの円盤状
ドレッサー回転数:100rpm
ドレッサーの位置:研磨パッドの回転中心から外周方向に105mm離れた位置をドレッサーの回転中心とする
ドレス圧力:0.115kgf/cm
ドレッサーの回転方向:研磨パッドと同一方向に回転
試験時間:60分
(試料採取条件)
採取時間:摩耗試験の45分から60分の間
採取箇所:研磨パッド上のドレッサー外周部
採取量:60ml(1分間4mlずつ採取)
(粒度分布測定条件)
測定装置:MAZ6130(スペクトリス株式会社製)
測定方式:湿式
粒子の光の屈折率:1.540
吸収率:0.010
分散媒:純水
分散媒の屈折率:1.330
光散乱モデル:Mie散乱
[2] 前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマーが、ポリオール成分とポリイソシアネート成分との反応生成物である、[1]に記載の研磨パッド。
[3] 前記ポリイソシアネート成分がトリレンジイソシアネートを含む、[1]又は[2]に記載の研磨パッド。
[4] 前記ポリオール成分がポリテトラメチレンエーテルグリコールを含む、[1]〜[3]のいずれか1つに記載の研磨パッド。
[5] 前記ポリオール成分がジエチレングリコールを含む、[1]〜[4]のいずれか1つに記載の研磨パッド。
[6] 前記硬化剤が3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタンを含む、[1]〜[5]のいずれか1つに記載の研磨パッド。
[7] 前記硬化性樹脂組成物が微小中空球体をさらに含む、[1]〜[6]のいずれか1つに記載の研磨パッド。
[8] [1]〜[7]のいずれか1つに記載の研磨パッドの製造方法であって、
前記研磨層を成形する工程を含む、前記方法。
[9] 光学材料又は半導体材料の表面を研磨する方法であって、[1]〜[7]のいずれか1つに記載の研磨パッドを使用して光学材料又は半導体材料の表面を研磨する工程を含む、前記方法。
[10] ポリウレタン樹脂を含む研磨層を有する研磨パッドの評価方法であって、
前記ポリウレタン樹脂が、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー及び硬化剤を含む硬化性樹脂組成物の硬化物であり、
下記条件で前記研磨層に対して摩耗試験を行い、得られた研磨層の屑を含む試料の粒度分布測定を行い、体積積算粒度分布における積算粒度で90%の粒径(D90)に基づき、前記研磨層のスクラッチ性能の評価を行う工程を含む、前記方法。
(摩耗試験条件)
使用研磨機:Speedfam社製、商品名「FAM−12BS」
定盤回転数(研磨パッドの回転数):50rpm
流量:100ml/min(純水) 純水は研磨パッドの回転中心から滴下
ドレッサー:3M社製ダイヤモンドドレッサー、型番「A188」
ドレッサーの形状:半径5.4cmの円盤状
ドレッサー回転数:100rpm
ドレッサーの位置:研磨パッドの回転中心から外周方向に105mm離れた位置をドレッサーの回転中心とする
ドレス圧力:0.115kgf/cm
ドレッサーの回転方向:研磨パッドと同一方向に回転
試験時間:60分
(試料採取条件)
採取時間:摩耗試験の45分から60分の間
採取箇所:研磨パッド上のドレッサー外周部
採取量:60ml(1分間4mlずつ採取)
(粒度分布測定条件)
測定装置:MAZ6130(スペクトリス株式会社製)
測定方式:湿式
粒子の光の屈折率:1.540
吸収率:0.010
分散媒:純水
分散媒の屈折率:1.330
光散乱モデル:Mie散乱
本発明の研磨パッドは、パッド屑に由来するスクラッチの発生を抑制できる。
実施例における研磨パッドの屑を含む処理水の採取箇所を示す図である。 実施例1の粒度分布測定の結果である。 実施例2の粒度分布測定の結果である。 比較例1の粒度分布測定の結果である。 比較例2の粒度分布測定の結果である。
(作用)
本発明者らは、パッド屑とスクラッチとの関係について鋭意研究した結果、予想外にも、摩耗試験後のパッド屑を含む試料の上記D90が特定の数値範囲内であることにより、スクラッチの発生を抑制できる研磨パッドが得られることを見出した。このような特性が得られる理由の詳細は明らかではないが、以下のように推察される。
研磨中に発生するパッド屑が研磨パッドと被研磨物との間に堆積すると、研磨時に被研磨物にスクラッチを発生させやすくなってしまうと考えられる。パッド屑がスクラッチを引き起こす際には、パッド屑の大きさ、数などの様々な条件により発生するスクラッチの大きさや頻度が左右されると考えられる。本発明者らが見出した上記D90は、パッド屑の大きさに関連する数値であり、上記D90が小さいとパッド屑が小さくなり、それによりパッド屑が被研磨物に及ぼす影響が小さくなりスクラッチを抑制できると推察される。このようなパッド屑の大きさとスクラッチとの関係は、本発明者らが初めて発見したものと考えられる。
また、一般にポリウレタン樹脂は,ハードセグメントとソフトセグメントが結合したブロック共重合体であり,ポリイソシアネート成分と低分子量ポリオール成分(ジエチレングリコールなど)から成るハードセグメントが結晶相を,高分子量ポリオール成分(ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど)から成るソフトセグメントが非晶相を形成してミクロ相分離構造を形成している。本発明者らは、研磨層に含まれるイソシアネート末端ウレタンプレポリマーにおけるハードセグメントの部分からパッド屑が発生しており、ハードセグメントの長さを短くすることによりパッド屑の大きさを小さくすることができると考え、上記D90が小さい本発明の研磨パッドを完成させるに至った。上述のように、ハードセグメントは、ポリイソシアネート成分と低分子量ポリオール成分とから成るが、これらの2成分の反応を制御し、当該2成分の反応物の分子量を小さくすることによりハードセグメントの長さを短くすることができる。
以下、本発明の研磨パッド、研磨パッドの製造方法、光学材料又は半導体材料の表面を研磨する方法、及び研磨パッドの評価方法について、説明する。
本発明において、「パッド屑」とは、研磨工程中に研磨パッドの表面が摩耗して発生する研磨パッドにおける研磨層の屑を意味する。本発明においては、後述の摩耗試験を行った後の研磨層の屑を含む試料を使用して、「パッド屑」の評価を行う。
1.研磨パッド、研磨パッドの製造方法
本発明の研磨パッドは、ポリウレタン樹脂を含む研磨層を有する研磨パッドであって、前記ポリウレタン樹脂が、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー及び硬化剤を含む硬化性樹脂組成物の硬化物であり、前記研磨層は、摩耗試験後の研磨層の屑を含む試料の粒度分布測定により得られる、体積積算粒度分布における積算粒度で90%の粒径(D90)が66.5μm以下である。
本発明の研磨パッドの研磨層について、摩耗試験後の研磨層の屑を含む試料の粒度分布測定により得られる、体積積算粒度分布における積算粒度で90%の粒径(D90)は、66.5μm以下であり、20.0〜66.3μmが好ましく、25.0〜66.1μmがより好ましく、60.0〜66.0μmが最も好ましい。上記D90が66.5μmより大きいと、被研磨物に発生するスクラッチが多くなる。
本発明の研磨パッドの研磨層について、摩耗試験後の研磨層の屑を含む試料の粒度分布測定により得られる、体積積算粒度分布における積算粒度で10%の粒径(D10)は、15.0m以下が好ましく、1.0〜14.5μmがより好ましく、2.0〜14.3μmがさらに好ましく、11.0〜14.0μmが最も好ましい。上記D10が上記数値範囲内であることにより被研磨物に発生するスクラッチを抑制することができる。
本発明の研磨パッドの研磨層について、摩耗試験後の研磨層の屑を含む試料の粒度分布測定により得られる、体積積算粒度分布における積算粒度で50%の粒径(D50、メディアン径)は、40.0μm以下が好ましく、15.0〜38.0μmがより好ましく、17.0〜36.0μmがさらに好ましく、27.0〜35.0μmが最も好ましい。上記D50が上記数値範囲内であることにより被研磨物への影響を小さくすることができ、被研磨物に発生するスクラッチを抑制できる。
本願において、上記D90、D10、及びD50を測定するに際して行う、摩耗試験、研磨層の屑(パッド屑)を含む試料の採取、及び粒度分布測定は、後述の「(評価方法)」の「(2)研磨パッドの屑の粒度分布の測定」に記載の方法に基づいて行ったものを意味する。
上記D10に対する上記D90の比(D90/D10)は、2.5〜6.5が好ましく、2.7〜6.3がより好ましく、3.0〜6.0がさらに好ましく、3.3〜6.0が最も好ましい。上記D90/D10の比が上記数値範囲内であることにより極端に大きいパッド屑の発生が抑制されるため、被研磨物に発生するスクラッチが抑制できる。
上記D10に対する上記D50の比(D50/D10)は、1.2〜3.0が好ましく、1.3〜2.8がより好ましく、1.4〜2.6がさらに好ましく、1.5〜2.5が最も好ましい。上記D50/D10の比が上記数値範囲内であることにより被研磨物への影響を小さくすることができ、被研磨物に発生するスクラッチを抑制できる。
上記D50に対する上記D90の比(D90/D50)は、1.1〜2.5が好ましく、1.2〜2.4がより好ましく、1.3〜2.3がさらに好ましく、1.4〜2.2が最も好ましい。上記D90/D50の比が上記数値範囲内であることにより粒度の大きなパッド屑の発生が抑制され被研磨物への影響が小さくなり、被研磨物に発生するスクラッチを抑制できる。
本発明の研磨パッドは、ポリウレタン樹脂を含む研磨層を有する。研磨層は被研磨材料に直接接する位置に配置され、研磨パッドのその他の部分は、研磨パッドを支持するための材料、例えば、ゴムなどの弾性に富む材料で構成されてもよい。研磨パッドの剛性によっては、研磨層を研磨パッドとすることができる。
本発明の研磨パッドは、一般的な研磨パッドと形状に大きな差異は無く、一般的な研磨パッドと同様に使用することができ、例えば、研磨パッドを回転させながら研磨層を被研磨材料に押し当てて研磨することもできるし、被研磨材料を回転させながら研磨層に押し当てて研磨することもできる。
本発明の研磨パッドは、一般に知られたモールド成形、スラブ成形等の製造法より作成できる。まずは、それら製造法によりポリウレタンのブロックを形成し、ブロックをスライス等によりシート状とし、ポリウレタン樹脂から形成される研磨層を成形し、支持体などに貼り合わせることによって製造される。あるいは支持体上に直接研磨層を成形することもできる。
より具体的には、研磨層は、研磨層の研磨面とは反対の面側に両面テープが貼り付けられ、所定形状にカットされて、本発明の研磨パッドとなる。両面テープに特に制限はなく、当技術分野において公知の両面テープの中から任意に選択して使用することが出来る。また、本発明の研磨パッドは、研磨層のみからなる単層構造であってもよく、研磨層の研磨面とは反対の面側に他の層(下層、支持層)を貼り合わせた複層からなっていてもよい。
研磨層は、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー及び硬化剤を含む硬化性樹脂組成物を調製し、当該硬化性樹脂組成物を硬化させることによって成形される。
研磨層は発泡ポリウレタン樹脂から構成することができるが、発泡は微小中空球体を含む発泡剤をポリウレタン樹脂中に分散させて行うことができる。この場合、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー、硬化剤、及び発泡剤を含む硬化性樹脂組成物を調製し、当該硬化性樹脂組成物を発泡硬化させることによって成形することができる。
硬化性樹脂組成物は、例えば、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを含むA液と、硬化剤成分を含むB液とを混合して調製する2液型の組成物とすることもできる。それ以外の成分はA液に入れても、B液に入れてもよいが、不具合が生じる場合はさらに複数の液に分割して3液以上の液を混合して構成される組成物とすることができる。
(イソシアネート末端ウレタンプレポリマー)
イソシアネート末端ウレタンプレポリマーは、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを反応させることにより得られる生成物であることが好ましい。
イソシアネート末端ウレタンプレポリマーのNCO当量(g/eq)としては、600未満が好ましく、350〜550がより好ましく、400〜500が最も好ましい。NCO当量(g/eq)が上記数値範囲内であることにより、適度な研磨性能の研磨パッドが得られる。
(ポリオール成分)
イソシアネート末端ウレタンプレポリマーに含まれるポリオール成分としては、低分子量ポリオール、高分子量ポリオール、又はそれらの組み合わせが挙げられる。本発明において、低分子量ポリオールとは数平均分子量が30〜300であるポリオールであり、高分子量ポリオールとは数平均分子量が300を超えるポリオールである。上記低分子量ポリオール及び高分子量ポリオールの数平均分子量は、以下の条件にてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)に基づき測定したポリスチレン換算の分子量を意味する。
<測定条件>
カラム:Ohpak SB-802.5HQ(排除限界10000)
移動相:5mM LiBr/DMF
流速:0.5ml/min(26kg/cm2)
オーブン:60℃
検出器:RI 40℃
試料量:20μl
上記低分子量ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、又はそれらの組み合わせが挙げられる。
上記高分子量ポリオールとしては、例えば、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリエーテルポリオール;
エチレングリコールとアジピン酸との反応物やブチレングリコールとアジピン酸との反応物等のポリエステルポリオール;
ポリカーボネートポリオール;
ポリカプロラクトンポリオール;又はそれらの組み合わせ;が挙げられる。
この中でも、プレポリマーの取扱い性や得られる研磨パッドの機械的強度等の観点から、低分子量ポリオールとして、ジエチレングリコールを使用することが好ましく、また、高分子量ポリオールとして、ポリテトラメチレンエーテルグリコールを使用することが好ましい。また、ポリテトラメチレンエーテルグリコールの数平均分子量としては、500〜2000が好ましく、600〜1500がより好ましく、650〜1000が最も好ましい。
(ポリイソシアネート成分)
イソシアネート末端ウレタンプレポリマーに含まれるポリイソシアネート成分としては、
例えば、m−フェニレンジイソシアネート、
p−フェニレンジイソシアネート、
2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、
2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、
ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、
ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、
4,4’−メチレン−ビス(シクロヘキシルイソシアネート)(水添MDI)、
3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニルジイソシアネート、
3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、
キシリレン−1,4−ジイソシアネート、
4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネート、
トリメチレンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート、
プロピレン−1,2−ジイソシアネート、
ブチレン−1,2−ジイソシアネート、
シクロヘキシレン−1,2−ジイソシアネート、
シクロヘキシレン−1,4−ジイソシアネート、
p−フェニレンジイソチオシアネート、
キシリレン−1,4−ジイソチオシアネート、
エチリジンジイソチオシアネート、又はそれらの組み合わせが挙げられる。
この中でも、得られる研磨パッドの研磨特性や機械的強度等の観点から、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)等のトリレンジイソシアネートを使用することが好ましい。
イソシアネート末端ウレタンプレポリマーに含まれる上記低分子量ポリオールの含有量としては、0重量%を超え15重量%以下が好ましく、0.1〜14重量%がより好ましく、0.5〜12重量%がさらに好ましく、1.0〜10.0重量%が最も好ましい。
イソシアネート末端ウレタンプレポリマーに含まれる上記高分子量ポリオールの含有量としては、30〜70重量%が好ましく、35〜70重量%がより好ましく、40〜70重量%がさらに好ましく、40〜65重量%が最も好ましい。
イソシアネート末端ウレタンプレポリマーに含まれる上記ポリイソシアネート成分の含有量としては、25〜60重量%が好ましく、30〜60重量%がより好ましく、35〜60重量%がさらに好ましく、35〜55重量%が最も好ましい。
上記(作用)に示したように、低分子量ポリオールとポリイソシアネート成分との反応物がハードセグメントを構成するので、上記低分子量ポリオール及び上記ポリイソシアネート成分の含有量を上記数値範囲内とすることにより、ハードセグメントの長さを短くでき、D90が小さい、すなわちスクラッチを抑制できる研磨パッドが得られると考えられる。
(硬化剤)
硬化性樹脂組成物に含まれる硬化剤としては、例えば、以下に説明するアミン系硬化剤が挙げられる。
アミン系硬化剤を構成するポリアミンとしては、例えば、ジアミンが挙げられ、これには、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのアルキレンジアミン;イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミンなどの脂肪族環を有するジアミン;3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(別名:メチレンビス−o−クロロアニリン)(以下、MOCAと略記する。)などの芳香族環を有するジアミン;2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン等の水酸基を有するジアミン、特にヒドロキシアルキルアルキレンジアミン;又はそれらの組み合わせが挙げられる。また、3官能のトリアミン化合物、4官能以上のポリアミン化合物も使用可能である。
特に好ましい硬化剤は、上述したMOCAであり、このMOCAの化学構造は、以下のとおりである。
Figure 2021160026
硬化剤全体の量は、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーのNCOのモル数に対する、硬化剤のNHのモル数の比率(NHのモル数/NCOのモル数)が、好ましくは0.7〜1.1、より好ましくは0.75〜1.0、最も好ましくは0.8〜0.95となる量を用いる。
(微小中空球体)
本発明において、硬化性樹脂組成物は微小中空球体をさらに含むことができる。
微小中空球体をポリウレタン樹脂に混合することによって発泡体を形成することができる。微小中空球体とは、熱可塑性樹脂からなる外殻(ポリマー殻)と、外殻に内包される低沸点炭化水素とからなる未発泡の加熱膨張性微小球状体と、未発泡の加熱膨張性微小球状体を加熱膨張させたものをいう。前記ポリマー殻としては、例えば、アクリロニトリル−塩化ビニリデン共重合体、アクリロニトリル−メチルメタクリレート共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体などの熱可塑性樹脂を用いることができる。同様に、ポリマー殻に内包される低沸点炭化水素としては、例えば、イソブタン、ペンタン、イソペンタン、石油エーテル、又はそれらの組み合わせを用いることができる。
(その他の成分)
その他に当業界で一般的に使用される触媒などを硬化性樹脂組成物に添加しても良い。
また、上述したポリイソシアネート成分を硬化性樹脂組成物に後から追加で添加することもでき、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーと追加のポリイソシアネート成分との合計重量に対する追加のポリイソシアネート成分の重量割合は、0.1〜10重量%が好ましく、0.5〜8重量%がより好ましく、1〜5重量%が特に好ましい。
ポリウレタン樹脂硬化性組成物に追加で添加するポリイソシアネート成分としては、上述のポリイソシアネート成分を特に限定なく使用することができるが、4,4’−メチレン−ビス(シクロヘキシルイソシアネート)(水添MDI)が好ましい。
2.光学材料又は半導体材料の表面を研磨する方法
本発明の光学材料又は半導体材料の表面を研磨する方法は、上述の研磨パッドを使用して光学材料又は半導体材料の表面を研磨する工程を含む。
本発明の光学材料又は半導体材料の表面を研磨する方法は、研磨パッドの表面、光学材料若しくは半導体材料の表面、又はそれらの両方にスラリーを供給する工程を更に含むことができる。
(スラリー)
スラリーに含まれる液体成分としては、特に限定されないが、水(純水)、酸、アルカリ、有機溶剤、又はそれらの組み合わせが挙げられ、被研磨物の材質や所望の研磨条件等によって選択される。スラリーは、水(純水)を主成分とすることが好ましく、スラリー全体に対して、水を80重量%以上含むことが好ましい。スラリーに含まれる砥粒成分としては、特に限定されないが、シリカ、珪酸ジルコニウム、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化マンガン、又はそれらの組み合わせが挙げられる。スラリーは、液体成分に可溶な有機物やpH調整剤等、その他の成分を含有していてもよい。
3.研磨パッドの評価方法
本発明のポリウレタン樹脂を含む研磨層を有する研磨パッドの評価方法は、前記ポリウレタン樹脂が、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー及び硬化剤を含む硬化性樹脂組成物の硬化物であり、前記研磨層に対して摩耗試験を行い、得られた研磨層の屑を含む試料の粒度分布測定を行い、体積積算粒度分布における積算粒度で90%の粒径(D90)に基づき、前記研磨層のスクラッチ性能の評価を行う工程を含む。
本発明の研磨パッドの評価方法における、ポリウレタン樹脂、研磨層、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー、及び硬化剤、並びに研磨層に対して行う摩耗試験の方法、粒度分布測定の方法、及びD90の数値範囲などは、上記「1.研磨パッド、研磨パッドの製造方法」に記載のものを採用することができる。
本発明の研磨パッドの評価方法は、研磨層に対して摩耗試験を行い、得られた研磨層の屑を含む試料の粒度分布測定を行い、体積積算粒度分布における積算粒度で10%の粒径(D10)、体積積算粒度分布における積算粒度で50%の粒径(D50)、上記D10に対する上記D90の比(D90/D10)、上記D10に対する上記D50の比(D50/D10)、上記D50に対する上記D90の比(D90/D50)、又はそれらの組み合わせに基づき、上記研磨層のスクラッチ性能の評価を行う工程を更に含むことができる。
本発明の研磨パッドの評価方法における上記D10、D50、D90/D10、D50/D10、及びD90/D10の数値範囲などは、上記「1.研磨パッド、研磨パッドの製造方法」に記載のものを採用することができる。
本発明を以下の例により実験的に説明するが、以下の説明は、本発明の範囲が以下の例に限定して解釈されることを意図するものではない。
(材料)
以下の例で使用した材料を列挙する。
・イソシアネート末端ウレタンプレポリマー:
プレポリマー(1)・・・ポリイソシアネート成分として2,4−トリレンジイソシアネートを53重量%含み、水添MDIを含まず、ポリオール成分として数平均分子量1000のポリテトラメチレンエーテルグリコールを21重量%、数平均分子量650のポリテトラメチレンエーテルグリコールを18重量%、ジエチレングリコールを8重量%含むNCO当量455のウレタンプレポリマー
*各成分の含有量(重量%)はウレタンポリマー全体を100重量%とした場合の値を意味する。以下、プレポリマー(2)及び(3)においても同様である。
プレポリマー(2)・・・ポリイソシアネート成分として、2,4−トリレンジイソシアネート及び2,6−トリレンジイソシアネートを質量比で80:20の割合で混合した混合物を36重量%含み、水添MDIを含まず、ポリオール成分として数平均分子量650のポリテトラメチレンエーテルグリコールを63重量%、ジエチレングリコールを1重量%含むNCO当量486のウレタンプレポリマー
プレポリマー(3)・・・ポリイソシアネート成分として2,4−トリレンジイソシアネートを39重量%含み、水添MDIを含まず、ポリオール成分として数平均分子量650のポリテトラメチレンエーテルグリコールを58重量%、ジエチレングリコールを3重量%含むNCO当量440のウレタンプレポリマー
*ウレタンプレポリマー中のハードセグメントの平均長さは、プレポリマー(3)>プレポリマー(1)>プレポリマー(2)の順序となる。
・硬化剤:
MOCA・・・3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(別名:メチレンビス−o−クロロアニリン)(NH当量=133.5)
・微小中空球体:
Expancel461DU20(日本フィライト株式会社製)
Expancel461DE20d70(日本フィライト株式会社製)
(実施例1)
A成分としてプレポリマー(1)を100g、B成分として硬化剤であるMOCAを26.14g、C成分として微小中空球体(Expancel461DU20)2.7gをそれぞれ準備した。なお、各成分の比率を示すためにg表示として記載しているが、ブロックの大きさに応じて必要な重量(部)を準備すれば良い。以下同様にg(部)表記で記載する。
A成分とC成分を混合し、A成分とC成分との混合物及びB成分それぞれを予め減圧脱泡した後、A成分とC成分との混合物及びB成分を混合機に供給し、A成分、B成分、及びC成分の混合液を得た。なお、得られたA成分、B成分、及びC成分の混合液における、A成分のプレポリマーのNCOのモル数に対する、B成分のMOCAのNHのモル数の比率(NHのモル数/NCOのモル数)は0.90である。
得られたA成分、B成分、及びC成分の混合液を80℃に加熱した型枠(850mm×850mmの正方形の形状)に注型し、30分間、80℃にて一次硬化させた。形成された樹脂発泡体を型枠から抜き出し、オーブンにて120℃で4時間、二次硬化した。得られた樹脂発泡体を25℃まで放冷した後、再度オーブンにて120℃で5時間加熱した。得られた樹脂発泡体を厚さ方向にわたって1.3mm厚にスライスしてウレタンシートを作成し、このウレタンシートの裏面に両面テープを貼り付け、研磨パッドとした。
(実施例2)
実施例1のA成分のプレポリマー(1)100g、B成分のMOCA 26.14g、及びC成分の微小中空球体(Expancel461DU20)2.7gに代えて、A成分としてプレポリマー(2)100g、B成分として硬化剤であるMOCA 23.57g、C成分として微小中空球体(Expancel461DE20d70)3.6gをそれぞれ準備した以外は、実施例1と同様にして、ウレタンシートを作成し、研磨パッドを得た。
なお、A成分、B成分、及びC成分の混合液における、A成分のプレポリマーのNCOのモル数に対する、B成分のMOCAのNHのモル数の比率(NHのモル数/NCOのモル数)は0.89である。
(比較例1)
市販の研磨パッドであるIC1000(登録商標)(ニッタ・ハース社製)を用いた。
(比較例2)
実施例1のA成分のプレポリマー(1)100g、B成分のMOCA 26.14g、及びC成分の微小中空球体(Expancel461DU20)2.7gに代えて、プレポリマー(3)100g、B成分として硬化剤であるMOCA 27.24g、C成分として微小中空球体(Expancel461DU20)3.2gをそれぞれ準備した以外は、実施例1と同様にして、ウレタンシートを作成し、研磨パッドを得た。
なお、A成分、B成分、及びC成分の混合液における、A成分のプレポリマーのNCOのモル数に対する、B成分のMOCAのNHのモル数の比率(NHのモル数/NCOのモル数)は0.90である。
(評価方法)
実施例1及び2並びに比較例1及び2それぞれの研磨パッドについて、以下の(1)密度、圧縮率、圧縮弾性率、及びD硬度の測定、(2)研磨パッドの屑の粒度分布の測定、並びに(3)スクラッチ性能の評価を行った。測定結果を以下の表1及び2に示す。
(1)密度、圧縮率、圧縮弾性率、及びD硬度の測定
(密度)
密度(g/cm)は、日本工業規格(JIS K 6505)に準拠して測定した。
(圧縮率)
研磨層の圧縮率は、JIS L 1021に準拠して、ショッパー型厚さ測定器(加圧面:直径1cmの円形)を使用して求めた。具体的には、室温(約20℃)において、無荷重の状態から初荷重を30秒間かけて加圧した後の厚さt0を測定し、次に厚さt0の状態から最終圧力をかけて、そのままの荷重のもとで1分間放置後の厚さt1を測定した。これらから下記式により、圧縮率を算出した。なお、初荷重は300g/cm2、最終圧力は1800g/cm2とした。
Figure 2021160026
(圧縮弾性率)
圧縮弾性率は、日本工業規格(JIS L 1021)に準拠して測定した。ショッパー型厚さ測定器(加圧面:直径1cmの円形)を使用して求めた。具体的には、室温(約20℃)において、無荷重の状態から初荷重を30秒間かけて加圧した後の厚さt0を測定し、次に厚さt0の状態から最終圧力をかけて、そのままの荷重のもとで1分間放置後の厚さt1を測定した。次に、厚さtの状態から全ての荷重を除き、5分間放置(無荷重状態とした)後、再び初荷重を30秒間かけた後の厚さt’を測定する。これらから下記式により、圧縮率を算出した。なお、初荷重は300g/cm2、最終圧力は1800g/cm2とした。
Figure 2021160026
(D硬度)
研磨パッドのD硬度は、日本工業規格(JIS−K−6253)に準拠して、D型硬度計を用いて測定した。ここで、測定試料は、少なくとも総厚さ4.5mm以上になるように、必要に応じて複数枚のウレタンシートを重ねることで得た。
(2)研磨パッドの屑の粒度分布の測定
実施例1及び2並びに比較例1及び2の研磨パッドそれぞれを用い、以下の摩耗試験を行い、試験開始の45分から60分までの間に、研磨パッド上のドレッサー外周部から研磨パッドの屑を含む処理水をスポイトで1分間に4mlずつ合計60ml採取し、試料とした。研磨パッドの屑を含む処理水の採取箇所を、図1に示す。
得られた試料60mlに対して、粒度分布測定装置に付属する超音波処理装置とスターラーを用いて、超音波を当て続けながら、スターラーにより3000rpmで5分間撹拌して、試料中に研磨パッドの屑を含む成分を十分に分散させた。得られた分散後の試料について、以下の条件にて粒度分布の測定を行い、体積積算粒度分布における積算粒度で10%の粒径(D10)、積算粒度で50%の粒径(D50)、積算粒度で90%の粒径(D90)の結果を得た。ここで、実施例1及び2並びに比較例1及び2それぞれの研磨パッドについて、1つの試料に対して粒度分布測定を3回用い、最も測定値が安定する3回目のD10、D50、及びD90の値を粒度分布測定の結果として採用した。また、得られたD10、D50、及びD90の各測定値に基づき、D50/D10、D90/D10、及びD90/D10の各比の値を算出した。実施例1及び2並びに比較例1及び2のそれぞれから得られた粒度分布の結果を図2〜5に示す。
<摩耗試験条件>
使用研磨機:Speedfam社製、商品名「FAM−12BS」
定盤回転数(研磨パッドの回転数):50rpm
流量:100ml/min(純水) 純水は研磨パッドの回転中心から滴下
ドレッサー:3M社製ダイヤモンドドレッサー、型番「A188」
ドレッサーの形状:半径5.4cmの円盤状
ドレッサー回転数:100rpm
ドレッサーの位置:研磨パッドの回転中心から外周方向に105mm離れた位置をドレッサーの回転中心とする
ドレス圧力:0.115kgf/cm
ドレッサーの回転方向:研磨パッドと同一方向に回転
試験時間:60分
<粒度分布測定>
測定装置:MAZ6130(スペクトリス株式会社製)
測定方式:湿式
粒子の光の屈折率:1.540
吸収率:0.010
分散媒:純水
分散媒の屈折率:1.330
光散乱モデル:Mie散乱
(3)スクラッチ性能の評価
上記実施例1及び2並びに比較例1及び2それぞれの研磨パッドを、研磨装置の所定位置にアクリル系接着剤を有する両面テープを介して設置し、Cu膜基板に対して、下記の研磨条件にて研磨加工を施した。
研磨処理枚数が11枚目、26枚目、51枚目のCu膜基板を表面検査装置(KLAテンコール社製、Surfscan SP2XP)の高感度測定モードにて測定し、基板表面における0.16μm以下の大きさのマイクロスクラッチの個数を観察し、合計を求めた。結果を表2に示す。
マイクロスクラッチの数が5個以下であるとスクラッチが少なく良好であるといえる。
<研磨条件>
研磨機 :F−REX300(荏原製作所社製)
Disk :A188(3M社製)
回転数 :(定盤)70rpm、(トップリング)71rpm
研磨圧力 :3.5psi
研磨剤温度 :20℃
研磨剤吐出量 :200ml/min
研磨剤 :PLANERLITE7000(フジミコーポレーション社製)
被研磨物 :Cu膜基板
研磨時間 :60秒
パッドブレーク :35N 10分
コンディショニング:Ex−situ、35N、4スキャン
Figure 2021160026
Figure 2021160026
表1の結果より、実施例1及び2の研磨パッドは、D90が66.5μm以下であり、一方、比較例1及び2の研磨パッドは、D90が66.5μmを超えていた。
そして、表2の結果より、実施例1及び2の研磨パッドは、マイクロスクラッチの個数が少なく、一方、比較例1及び2の研磨パッドは、マイクロスクラッチの個数が多いことがわかった。
以上より、D90が66.5μm以下である研磨パッドは、研磨時に発生するスクラッチの数が少ないことがわかった。

Claims (10)

  1. ポリウレタン樹脂を含む研磨層を有する研磨パッドであって、
    前記ポリウレタン樹脂が、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー及び硬化剤を含む硬化性樹脂組成物の硬化物であり、
    前記研磨層は、下記条件で行った摩耗試験後の研磨層の屑を含む試料の粒度分布測定により得られる、体積積算粒度分布における積算粒度で90%の粒径(D90)が66.5μm以下である、前記研磨パッド。
    (摩耗試験条件)
    使用研磨機:Speedfam社製、商品名「FAM−12BS」
    定盤回転数(研磨パッドの回転数):50rpm
    流量:100ml/min(純水) 純水は研磨パッドの回転中心から滴下
    ドレッサー:3M社製ダイヤモンドドレッサー、型番「A188」
    ドレッサーの形状:半径5.4cmの円盤状
    ドレッサー回転数:100rpm
    ドレッサーの位置:研磨パッドの回転中心から外周方向に105mm離れた位置をドレッサーの回転中心とする
    ドレス圧力:0.115kgf/cm
    ドレッサーの回転方向:研磨パッドと同一方向に回転
    試験時間:60分
    (試料採取条件)
    採取時間:摩耗試験の45分から60分の間
    採取箇所:研磨パッド上のドレッサー外周部
    採取量:60ml(1分間4mlずつ採取)
    (粒度分布測定条件)
    測定装置:MAZ6130(スペクトリス株式会社製)
    測定方式:湿式
    粒子の光の屈折率:1.540
    吸収率:0.010
    分散媒:純水
    分散媒の屈折率:1.330
    光散乱モデル:Mie散乱
  2. 前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマーが、ポリオール成分とポリイソシアネート成分との反応生成物である、請求項1に記載の研磨パッド。
  3. 前記ポリイソシアネート成分がトリレンジイソシアネートを含む、請求項1又は2に記載の研磨パッド。
  4. 前記ポリオール成分がポリテトラメチレンエーテルグリコールを含む、請求項1〜3のいずれか1つに記載の研磨パッド。
  5. 前記ポリオール成分がジエチレングリコールを含む、請求項1〜4のいずれか1つに記載の研磨パッド。
  6. 前記硬化剤が3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタンを含む、請求項1〜5のいずれか1つに記載の研磨パッド。
  7. 前記硬化性樹脂組成物が微小中空球体をさらに含む、請求項1〜6のいずれか1つに記載の研磨パッド。
  8. 請求項1〜7のいずれか1つに記載の研磨パッドの製造方法であって、
    前記研磨層を成形する工程を含む、前記方法。
  9. 光学材料又は半導体材料の表面を研磨する方法であって、請求項1〜7のいずれか1つに記載の研磨パッドを使用して光学材料又は半導体材料の表面を研磨する工程を含む、前記方法。
  10. ポリウレタン樹脂を含む研磨層を有する研磨パッドの評価方法であって、
    前記ポリウレタン樹脂が、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー及び硬化剤を含む硬化性樹脂組成物の硬化物であり、
    下記条件で前記研磨層に対して摩耗試験を行い、得られた研磨層の屑を含む試料の粒度分布測定を行い、体積積算粒度分布における積算粒度で90%の粒径(D90)に基づき、前記研磨層のスクラッチ性能の評価を行う工程を含む、前記方法。
    (摩耗試験条件)
    使用研磨機:Speedfam社製、商品名「FAM−12BS」
    定盤回転数(研磨パッドの回転数):50rpm
    流量:100ml/min(純水) 純水は研磨パッドの回転中心から滴下
    ドレッサー:3M社製ダイヤモンドドレッサー、型番「A188」
    ドレッサーの形状:半径5.4cmの円盤状
    ドレッサー回転数:100rpm
    ドレッサーの位置:研磨パッドの回転中心から外周方向に105mm離れた位置をドレッサーの回転中心とする
    ドレス圧力:0.115kgf/cm
    ドレッサーの回転方向:研磨パッドと同一方向に回転
    試験時間:60分
    (試料採取条件)
    採取時間:摩耗試験の45分から60分の間
    採取箇所:研磨パッド上のドレッサー外周部
    採取量:60ml(1分間4mlずつ採取)
    (粒度分布測定条件)
    測定装置:MAZ6130(スペクトリス株式会社製)
    測定方式:湿式
    粒子の光の屈折率:1.540
    吸収率:0.010
    分散媒:純水
    分散媒の屈折率:1.330
    光散乱モデル:Mie散乱
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