JP5868566B2 - 研磨パッド - Google Patents

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本発明は、シリコンウェハのような半導体ウェハやガラス基板などの研磨に好適な研磨パッドに関する。
半導体ウェハなどの平坦化処理には、化学機械研磨(CMP)技術が用いられており、従来からCMP技術を用いた種々のCMP装置が提案されている。図11は、従来のCMP装置の概略構成図である。
定盤1の表面に取付けられた研磨パッド2には、研磨用のスラリー3がスラリー供給装置4から供給される。被研磨物としての例えば、半導体ウェハ5は、研磨ヘッド6に、バッキングフィルム7を介して保持される。研磨ヘッド6に荷重が加えられることによって、半導体ウェハ5は、研磨パッド2に押し付けられる。
研磨パッド2上に供給されるスラリー3は、研磨パッド2上を広がって半導体ウェハ5に到達する。定盤1と研磨ヘッド6とは、矢符Aで示すように同方向に回転して相対的に移動し、研磨パッド2と半導体ウェハ5との間にスラリー3が侵入して研磨が行われる。なお、8は研磨パッド2の表面を目立てするためのドレッサーである。
かかる研磨パッド2として、耐摩耗性等に優れた発泡ポリウレタンを使用したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
発泡ポリウレタンでは、微細なポア(気泡)を生成する必要があり、例えば、イソシアネート基含有化合物を含む主剤と、芳香族アミンなどの活性水素基含有化合物を含む硬化剤とを、混合、攪拌して所定の型に注型して硬化させる、いわゆる2液硬化型ポリウレタンを用いた製造方法がある。
かかる従来例では、例えば、主剤に発泡剤として水を混入してイソシアネート基と水との反応によってCO2を生成して発泡させる。
他の従来例として、水に加えて、未発泡の加熱膨張性微小球状体を混入し、前記主剤と前記硬化剤との反応熱および外部からの加熱によって、加熱膨張性微小球状体を発泡させる方法もある(特許文献2参照)。
特開2005−236200号公報 特開2000−344850号公報
上記のように、イソシアネート基含有化合物を含む主剤、芳香族アミンなどの活性水素基含有化合物を含む硬化剤および発泡剤としての水を、混合、攪拌して注型する製造方法では、注型した後の発泡反応によって生じるCO2が、上方に上昇して成長するために、成型体であるポリウレタンケーキの下部には小さなポアが形成される一方、上部には大きなポアが形成され、ポリウレタンケーキ内におけるポア径が不均一となってしまう。
また、2液硬化型ポリウレタンは、硬化が始まって流動性を失うまでの時間であるポットライフが短いために、上記の攪拌を高速で行う必要があり、その際に、大量のエアを巻き込む一方、硬化速度が速く、粘度が急激に上昇するために、巻き込んだエアを排出することができず、発泡反応によって形成されるポアに比べて極めて大きなポアが生じてしまい、前記ポリウレタンケーキ内のポア径が、一層不均一となる。
ポリウレタンケーキのポア径が不均一になると、このポリウレタンケーキを所定の厚さのシート状に裁断し、それを打ち抜いて得られる研磨パッドのポア径も不均一となる。
このように不均一なポアを有する研磨パッドでは、研磨圧力も不均一になり易く、スラリー保持量も面内でばらつくことになり、研磨が不安定になる。また、被研磨物の外周の縁が過度に研磨される端面だれ(ロールオフ)が生じる。
また、上記特許文献2では、加熱膨張性微小球状体による発泡と水による発泡との2種類の大きさの異なるポアを形成することを必須の構成としているが、水発泡を使用する限り、発泡過程において大きくなったポアは、上述のように、浮力のためにポリウレタンケーキの上部に集まることとなり、ポア径が不均一となる。特許文献2によって得られる研磨パッドには、当該特許文献2に記載されているように、水発泡により生じる100〜800μmの比較的大径のポアが存在する。CMPなどの超精密研磨においては、大径のポアは、被研磨物の端部と衝突する頻度が高く、また、ポア径の大きさに比例して、当該衝突時に被研磨物端部に係る応力が大きくなり、結果として、端面だれが顕著になる。
本発明は、上述のような点に鑑みて為されたものであって、均一なポアを有するとともに、端面だれを抑制できる研磨パッドを提供することを目的とする。
本発明の研磨パッドは、被研磨物に圧接される発泡ポリウレタンからなる研磨層を有する研磨パッドであって、前記研磨層の最大ポア径が、300μm以下であって、平均ポア径が、130μm〜170μmである。
一つの実施形態では、前記研磨層の密度が0.50g/cm3未満であって、ショアA硬度が85度以上である。
他の実施形態では、前記研磨層のカットレートが、15μm/min以上である。
更に他の実施形態では、前記研磨層の20℃〜80℃における損失弾性率E’’が、略一定である。
ここで、略一定とは、殆ど変化しないことをいい、20℃〜80℃における損失弾性率E’’の変化の幅、すなわち、20℃における損失弾性率E’’と80℃における損失弾性率E’’との差の絶対値が、0.5×106 以内であることをいう。
本発明の研磨パッドによると、発泡ポリウレタンからなる研磨層の最大ポア径が、300μm以下であって、平均ポア径が、130μm〜170μmであるので、エアの巻き込みによる極めて大きなポアが存在せず、ポア径のばらつきの少ない均一なポアの研磨層を有する研磨パッドを得ることが可能となり、これによって、研磨圧力やスラリー保持量がばらつくことがなく、研磨が安定する。また、被研磨物の外周の縁が過度に研磨される端面だれ(ロールオフ)も改善できる。
本発明によれば、エアの巻き込みによる極めて大きなポアが存在しない均一なポアの研磨層を有する研磨パッドを得ることが可能となり、これによって、
安定した研磨が可能になるととともに、被研磨物の端面だれを改善することができる。
従来例1,2および実施例の断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 従来例1,2および実施例のパッド位置と削れ量との関係を示す図である。 実施例のポア分布を示す図である。 従来例1のポア分布を示す図である。 従来例2のポア分布を示す図である。 特許文献2のポア分布を示す図である。 温度による貯蔵弾性率(E’)の変化を示す図である。 温度による損失弾性率(E’’)の変化を示す図である。 温度による損失正接(tanδ)の変化を示す図である。 従来例1,2および実施例の研磨レートを示す図である。 CMP装置の概略構成図である。
以下、図面によって本発明の実施形態について詳細に説明する。
この実施形態の研磨パッドは、イソシアネート基含有化合物としてのイソシアネート末端プレポリマーと、未発泡の加熱膨張性微小球状体と、活性水素含有化合物としての芳香族アミンとを、混合攪拌し、所定の型に注型し、反応硬化させて、その反応熱によって加熱膨張性微小球状体を発泡させて発泡ポリウレタンの成型体を得、更に、この成型体を、所定の厚さのシート状に裁断し、それを打ち抜いて得られるものである。
この実施形態では、上記混合攪拌の際に巻き込んだエアによって、発泡ポリウレタンの成型体中に、極めて大きなポアが生じるのを防ぐために、イソシアネート基含有化合物であるイソシアネート末端プレポリマーは、従来に比べて、低粘度のものを用いており、40℃での粘度が3000mPa・s以下であり、より好ましくは2000mPa・s以下である。
更に、この実施形態では、イソシアネート基含有化合物と活性水素含有化合物とを混合したウレタン樹脂組成物のポットライフを、従来に比べて長くしており、このポットライフは、200秒以上、より好ましくは、250秒以上である。
このウレタン樹脂組成物のポットライフは、例えば、60℃の場合において8分以下であるのが好ましい。
このように低粘度およびポットライフの長いウレタン樹脂組成物を用いるので、混合攪拌の際には、硬化による粘度の上昇が始まっておらず、低粘度の状態を維持しており、攪拌効率が向上し、エアの巻き込みが抑制されるとともに、巻き込んだエアを排出することができる。
この実施形態の研磨パッドには、エアの巻き込みによる極めて大きなポアが存在せず、また、水発泡を用いないので、加熱膨張性微小球状体の発泡による均一なポアとなり、具体的には、最大ポア径が、300μm以下であって、平均ポア径が、130μm〜170μmである。
また、未発泡の加熱膨張性微小球状体をウレタン樹脂組成物に混合攪拌するので、発泡済み球状体を混合攪拌する場合に比べて、粘度の上昇が少なく、多量に添加することが可能となり、低密度の研磨パッドを得ることができる。
この実施形態の研磨パッドは、密度が0.50g/cm3未満であって、ショアA硬度が85度以上である。
この研磨パッドの密度は、0.35g/cm3以上であるのが好ましい。
また、この実施形態の研磨パッドは、単位時間当たりの削れ量であるカットレートが、15μm/min以上であり、高硬度でありながら、ドレス性が高く、目詰まりしにくい。
更に、この実施形態の研磨パッドは、20℃〜80℃における損失弾性率E’’が、略一定である。
研磨パッドの製造に用いるイソシアネート末端プレポリマーは、ポリイソシアネートとポリオールとを、通常用いられる条件で反応させて得られるものである。このイソシアネート末端プレポリマーは、市販されているものを用いてもよいし、ポリオールとポリイソシアネートとから合成して用いてもよい。
ポリイソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート等が挙げられる。
ポリオールとしては、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコールやポリ(オキシプロピレン)グリコール等のポリエーテル系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール、ポリエステル系ポリオール等が挙げられる。
研磨用としては、加水分解を起こさないエーテル系のポリオールが好ましく、エーテル系のポリオールとして、PPG(ポリプロピレングリコール)、PTMG(ポリテトラメチレンエーテルグリコール)、PEG(ポリエチレングリコール)等の−O−結合を有するものが好ましく、その中でも一般的には、物性(引張り特性)の良好なPTMG系が好ましい。特に、分子量MW=500〜2000のPTMGが好ましい。
活性水素含有化合物である芳香族アミンとしては、例えば、ジアミン系化合物として、3,3´−ジクロロ−4,4´−ジアミノジフェニルメタン(MOCA )、クロロアニリン変性ジクロロジアミノジフェニルメタン、3,5−ビス(メチルチオ)−2,4−トルエンジアミン、3,5−ビス(メチルチオ)−2,6−トルエンジアミン等が挙げられる。
未発泡の加熱膨張性微小球状体は、中空部に低沸点炭化水素を内包し、殻部分が熱可塑性樹脂で構成されるものであり、例えば、松本油脂製薬株式会社製の熱膨張性マイクロカプセルなどを挙げることができる。
この未発泡の加熱膨張性微小球状体は、殻を形成する熱可塑性樹脂の軟化温度が、内包した低沸点炭化水素の沸点よりも高温であることが好ましい。従って、殻の熱可塑性樹脂の軟化温度以上の熱が加えられると、熱可塑性樹脂の軟化及び低沸点炭化水素の体積膨張が同時に起こり、微小球状体が膨張する性質を有する。
未発泡の加熱膨張性微小球状体の粒径は、例えば、20μm〜30μm程度である。このように未発泡時の粒径が小さいので、イソシアネート末端プレポリマーとの混合時のコンパウンドの粘度を低く抑えることができるとともに、均一に分散させることができ、これによって、活性水素化合物との混合撹拌の際のエアの巻き込みを抑制できるとともに、上述のように発泡済みの球状体に比べて多量に添加することが可能となり、低密度の発泡ポリウレタンを得ることができる。
この未発泡の加熱膨張性微小球状体は、2液反応硬化の際に発泡して、微小ポアとして存在する。
未発泡の加熱膨張性微小球状体の殻部を構成する熱可塑性樹脂は、例えば、アクリロニトリル-塩化ビニリデン共重合体またはアクリロニトリル-メチルメタクリレート共重合体などで構成される。
また、微小球状体の内部に存する低沸点炭化水素としては、好ましくは、例えば、イソブタン、ペンタン、イソペンタン、石油エーテル等が挙げられる。この未発泡の加熱膨張性微小球状体は、主に、イソシアネート末端プレポリマーと活性水素含有化合物とを混合撹拌し、反応硬化する際に放出される反応熱によって発泡するものである。
以下、本発明を、実施例および従来例に基づいて、更に詳細に説明する。
実施例として、下記の表1に示される物性値のイソシアネート末端プレポリマーおよびポットライフのウレタン樹脂組成物を用いて上記製法によって発泡ポリウレタンからなる研磨パッドを製造した。
また、従来例として、加熱膨張性微小球状体を含まない上述の水発泡の発泡ポリウレタンからなる従来例の研磨パッドを製造した。この従来例のイソシアネート末端プレポリマーの物性値およびウレタン樹脂組成物のポットライフを併せて表1に示す。
表1に示すように、実施例のイソシアネート末端プレポリマーは、40℃での粘度が1500mPa・sであり、従来例の粘度4620mPa・sの略1/3の低粘度である。実施例のウレタン樹脂組成物のポットライフは、450秒であり、従来例のポットライフ150秒の略3倍の長さである。また、実施例のイソシアネート末端プレポリマーのショアA硬度は、75度であり、従来例の硬度72度よりも高くなっている。
また、実施例のイソシアネート末端プレポリマーの引っ張り強度は56Mpaであって、従来例の引っ張り強度60Mpaよりもやや低くなっている。更に、実施例のイソシアネート末端プレポリマーの伸びは50%、引き裂き強度は99N/mであり、従来例の伸び238%、引き裂き強度190N/mに比べて低くなっている。
このように伸びおよび引き裂き強度が、従来例よりも低くなっており、得られる研磨パッドは、硬くて脆いものとなり、後述のように、高硬度であって、しかも、カットレートが高い、目詰まりしにくい研磨パッドとなる。
実施例および従来例の研磨パッドの配合を、下記の表2に示す。
従来例については、発泡剤である水の添加量を異ならせて、従来例1,2の2種類の研磨パッドを製造した。
実施例の研磨パッドは、表2の配合に従って、イソシアネート末端プレポリマーと、未発泡の加熱膨張性微小球状体とを予め混合した混合物と、3,3−ジクロロー4,4−ジアミノフェニルメタン(MOCA)とを混合攪拌し、所定の型に注型し、100℃のオーブンで4時間キュアして発泡ポリウレタンの成型体を得、更に、発泡ポリウレタンの成型体を、所定の厚さのシート状に裁断し、それを打ち抜いて研磨パッドを得た。
従来例1,2は、表2の配合にそれぞれ従って、イソシアネート末端プレポリマーと、発泡剤としての水と、3,3−ジクロロー4,4−ジアミノフェニルメタン(MOCA)とを混合攪拌し、所定の型に注型し、100℃のオーブンで4時間キュアして発泡ポリウレタンの成型体を得、更に、発泡ポリウレタンの成型体を、所定の厚さのシート状に裁断し、それを打ち抜いて研磨パッドをそれぞれ得た。
得られた実施例および従来例1,2の研磨パッド物性値を下記の表3に示し、断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を、図1(a)〜(c)にそれぞれ示す。
表3に示すように、実施例の研磨パッドの密度は、0.37であり、従来例1,2の密度0.52,0.40に比べて低密度となっているにも拘らず、実施例の研磨パッドのショアA硬度は、85度であり、従来例1,2の硬度85度,83度と同等である。
このように実施例の研磨パッドは、従来例と同様に高硬度でありながら、低密度であり、従来例に比べてポアが占める割合が多く、これによって、スラリーの保持量を増やして研磨レートを高めることができる。
表3におけるカットレート(μm/min)は、ドレス時間4分、圧力100g/cm2、ドレッサーは直径150μmで突き出し量70μmのダイヤモンドペレット、ヘッド回転数100rpm、プラテン回転数100rpmの条件でドレスを行い、単位時間当たりの削れ量として算出した。
すなわち、カットレートは、単位時間当たりにドレッサーにより削り取られる研磨パッドの量をいう。
このドレスによるパッド位置と厚み変位(削れ量)との関係を、図2に示す。
ドレスされないパッドの中心部とその周囲のドレスされた部分との変位差である削れ量を、ドレス時間で割ってカットレートとした。この図2において、ラインLは実施例を、ラインL1,L2は従来例1,2をそれぞれ示す。
従来例1のカットレートが9μm/min(=35/4)、従来例2のカットレートが13μm/min(=50/4)であるのに対して、実施例のカットレーは24μm/min(=95/4)であり、高硬度でありながら、カットレートが高く、削れ易く、したがって、目詰まりしにくい研磨パッドであることが分る。
また、実施例および従来例1,2の研磨パッドのポアの測定を、次の条件で行った。
走査型電子顕微鏡(SEM)として、キーエンス製のVE−8800を用いて、加速電圧1kV、倍率50倍で観察し、得られた画像を、画像解析ソフトウェアであるWinRoof Ver5.6.2(三谷商事製)を用いて、1600×2000μmを測定範囲として、ポアの分布を測定した。
表3に示すように、従来例1,2のポア径の範囲が、10μm〜2.5mmと広いのに対して、実施例のポア径の範囲は、10μm〜250μmと狭くなっており、図1の走査型電子顕微鏡写真からも、同図(a),(b)の従来例1,2では、大小のポアが存在し、ポア径が不均一であるのに対して、同図(c)の実施例では、ポア径が均一であることが分る。
図3〜図5は、実施例および従来例1,2のポア分布をそれぞれ示すものであり、横軸はポア径を、縦軸は頻度をそれぞれ示している。これらの図では、1500μmまでのポア径の分布を示している。
図3の実施例は、図4および図5の従来例1,2に比べてポア径が小さい150μm前後で頻度が非常に高く、シャープな分布となっている。
実施例の平均ポア径は、150μmであり、最大ポア径は、250μmであった。
なお、図6には、上述の特許文献2と同様に、未発泡の加熱膨張性微小球状体および水を添加して発泡させた研磨パッドを製造し、ポアの分布を測定した結果を示している。特許文献2では、加熱膨張性微小球状体による発泡と水発泡によるポアを含むので、図6に示すように、200μm程度のポア径および450μm程度のポア径の出現頻度が高く、複数のピークを有するとともに、800μm以上のポア径の出現頻度も高いことが分かる。
図7〜図9に、実施例および従来例1,2の貯蔵弾性率(E’)、損失弾性率(E’’)および損失正接(tanδ)の温度による変化を示す。
図8に示すように、実施例は、20℃〜80℃の温度領域で、損失弾性率E’’が、殆ど変化しないことが分かる。
この損失弾性率E’’の20℃〜80℃の温度領域における変化の幅は、0.5×106以内であることをいう。
次に、実施例および従来例1,2の研磨パッドを用いて、下記の研磨条件でウェハの研磨を行い、研磨レートを計測した。
研磨条件
・ドレス
圧力 100g/cm2、 回転数100rpm、 時間 600sec
・レート
圧力 300g/cm2、回転数100rpm、 スラリー流量 100ml/min、 時間 30min
スラリー ニッタ・ハース社製Nanopure NP6220 20倍希釈
その計測結果を図10に示す。
実施例は、従来例1に比べて低密度で軟らかいために、従来例1に比べて研磨レートが低いが、密度が同程度である従来例2に比べて、研磨レートが高くなっている。
上述の実施形態では、研磨パッドは、発泡ポリウレタンからなる研磨層のみで構成されたけれども、本発明の他の実施形態として、研磨層と他の層(例えば、クッション層)との積層体としてもよい。
本発明は、シリコンウェハ等の研磨に用いる研磨パッドとして有用である。
2 研磨パッド
3 スラリー
5 半導体ウェハ

Claims (4)

  1. 被研磨物に圧接される発泡ポリウレタンからなる研磨層を有する研磨パッドであって、
    前記研磨層の最大ポア径が、300μm以下であって、平均ポア径が、130μm〜170μmであることを特徴とする研磨パッド。
  2. 前記研磨層の密度が0.50g/cm3未満であって、ショアA硬度が85度以上である請求項1に記載の研磨パッド。
  3. 前記研磨層のカットレートが、15μm/min以上である請求項1または2に記載の研磨パッド。
  4. 前記研磨層の20℃〜80℃における損失弾性率E’’が、略一定である請求項1ないし3のいずれか一項に記載の研磨パッド。
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