JPWO2018008660A1 - 硬度が改善された硬質カプセル、及びその製造方法 - Google Patents

硬度が改善された硬質カプセル、及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、硬質カプセルのカプセル皮膜の硬度を改善することを課題とする。
本発明は、硬質カプセル皮膜にでんぷん分解物を添加する、及び/又は、硬質カプセル皮膜にタルク、ベントナイト、及びカオリンからなる群から選択される少なくとも一種の粘土鉱物を添加することによって、硬質カプセルのカプセル皮膜の硬度を改善する。

Description

本発明は、硬度が改善された硬質カプセル、及びその製造方法に関する。
硬質カプセルは、経口用製剤の手法として古くから用いられ、広範な内容物をできるだけ簡便な処方で充填し、ユーザーに届ける利便性に優れている。
硬質カプセルに内容物を充填したり、充填済硬質カプセルを外部包材に詰めたりする際の操作性の良さをランナビリティー(Runnability)と呼ぶ。高速充填機でハンドリングする場合、局所的な吸着や押し込み動作が働き、局所的な応力による変形を生じる場合があり、その変形量は、カプセル皮膜の硬度(hardness)に依存しており、硬ければ変形量は少なく、より高速での安定的なハンドリングが可能となる。すなわち、ランナビリティーが良い。また、硬質カプセルに瞬間的に過大かつ局所的な応力がかかると、過大な局所変形を生じ、割れに至る場合がある。割れ性(Brittleness)は低いほど、やはり、ランナビリティーが良いということができる。硬くて割れにくい硬質カプセルは、また、輸送時及びユーザーが手で触った時に壊れて内容物が漏れ出したり、飛散したりする恐れも少ない。逆に、そのようなハンドリングの容易さ、利便性が硬質カプセルの利点でもある。
医薬品、もしくはカプセル化された食品組成物に使用可能な高分子材料には安全性の面から制約があり、架橋度や架橋を誘発する反応性を高めて、硬度や割れにくさを改善する手法はとれない。ただし、割れにくさは、主成分となる高分子材料の構造を変えなくても、安全性への影響の少ない分子量のみの制御、一般には、高分子量化して主鎖の絡み合いを強化することで、硬度とは独立して比較的容易に改善することができる。他方、これら高分子材料の硬度はカプセル皮膜の高分子材料の基本骨格及びその置換基の割合が決まってしまえば、分子量にはほとんど依存しないため、分子量の制御による硬度改善は困難である。
また、異種の高分子材料を混合する場合、相溶性に問題があったり、カプセルとしての成型性に問題があったりして硬質カプセル材料としては適さないことが多い。
他方、なんらかの添加剤、好ましくは、医薬用、食品添加用として許容された安全性の高い比較的低分子量の添加剤を混合することが考えられるが、カプセル皮膜の硬度を大幅に改善できる材料は知られていない。
硬質カプセルに適した100μm程度の厚みで平坦で連続的なフィルムが形成できない材料を主成分としていては、硬質カプセル皮膜材料としてそもそも向かない。また、前述のように、一般的に広く用いられる無機フィラーを大量に添加する場合、100μm程度の平坦で均一な膜厚のフィルムを得ることは困難である。もちろん、安全性にも懸念が残る。
そのような硬質カプセル皮膜に適した高分子材料と添加剤の組み合わせという大前提の上で、カプセル皮膜の主成分を選択し、その硬度の改善を行う必要があるので、通常の高分子材料における硬度改善手法をそのまま適用するだけは全く不十分なことは明らかである。
ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース化合物を主成分とする硬質カプセルは、化学的に安定で含有水分量も少なく、硬質カプセルとして汎用されているゼラチンカプセルに比べ、低湿度下でも割れにくいという長所がある。一方で、セルロース化合物は、硬度ではゼラチンカプセルに若干劣るため、カプセル皮膜の硬度の改善が必要である(非特許文献1)。
Moawia M. Al-Tabakha:J Pharm Pharmaceut Sci (www.cspsCanada.org) 13(3) 428 - 442, 2010
上記の他、ポリビニルアルコールを主成分とする硬質カプセルは、相対湿度が概ね50%より高い環境下では軟化するため、このような環境下でもある程度の硬度が維持できるよう、カプセル皮膜の硬度を改善する必要がある。
また、硬質カプセルを吸引製剤カプセルとして使用する場合には、硬質カプセルに一回分の投与量の薬剤を封止しておき、小さなピンでせん孔することで、内部の薬剤を適切な流量で吸引する。この場合、カプセル皮膜に易溶解性は求められないが、ピンの押し込みで過度に変形したり、穴周辺部からひびや割れが拡大することは望ましくない。カプセル皮膜破片が内部の吸引製剤に紛れ込んだり、安定量が吐出されなかったりするからである。したがって、小さくて輪郭のきれいな穴を形成するためにも、ピンによる穴形成時に適切な硬度と割れにくさ(靱性)が求められる。
本発明は、より良いランナビリティーや、上記目的に応じた硬度を得るため、硬質カプセルのカプセル皮膜の硬度を改善することを課題とする。
本発明者は、鋭意研究を重ねたところ、硬質カプセル基剤にでんぷん分解物を添加することにより硬質カプセルの硬度を改善することができることを見出した。また、硬質カプセル基剤にタルク、ベントナイト、及びカオリンからなる群から選択される少なくとも一種の粘土鉱物を添加することによっても、硬質カプセルのカプセル皮膜の硬度を改善することができることを見出した。
本発明は、当該知見に基づいて完成されたものであり、以下の態様を含む。
I−1−1.基剤と硬度改善剤とを含む皮膜からなる硬質カプセルであって、
前記基剤が、セルロース化合物、ポリビニルアルコール、及びポリビニルアルコール共重合体からなる群から選択される少なくとも一種であり、前記硬度改善剤が、DE値が11より大きく40未満であるでんぷん分解物、及び算出DE値が11より大きく40未満となるように組み合わされた2種以上のでんぷん分解物からなる群から選択される少なくとも一種である、硬質カプセル(但し、前記2種以上のでんぷん分解物には単独でDE値が5以下のでんぷん分解物、及び単糖は含まれない)。
I−1−2.硬度改善剤が2種以上のでんぷん分解物であって、2種以上のでんぷん分解物が、DP値が5より大きく、かつ50以下であるでんぷん分解物から選択される、I−1−1に記載の硬質カプセル。
I−1−3.水分を除く硬質カプセルの皮膜成分合計を100重量%とした場合に硬質カプセルに含まれる硬度改善剤の含有量が、10〜30重量%である、I−1−1、又はI−1−2に記載の硬質カプセル。
I−1−4.さらに、ゲル化剤、又はゲル化剤及びゲル化補助剤を含む、I−1−1〜I−1−3のいずれか一項に記載の硬質カプセル。
I−1−5.ゲル化剤がκ−カラギーナンであり、ゲル化補助剤が塩化カリウムである、I−1−4に記載の硬質カプセル。
I−1−6.さらに、可塑剤、及び/又は遮光剤を含む、I−1−1〜I−1−5のいずれか一項に記載の硬質カプセル。
I−1−7.硬質カプセルが、さらに、ベントナイト、タルク及びカオリンからなる群から選択される少なくとも一種を含む、I−1−1〜I−1−6のいずれか一項に記載の硬質カプセル。
I−2−1.基剤と硬度改善剤とを含む硬質カプセル調製液であって、
前記基剤が、セルロース化合物、ポリビニルアルコール、及びポリビニルアルコール共重合体からなる群から選択される少なくとも一種であり、前記硬度改善剤が、DE値が11より大きく40未満であるでんぷん分解物、及び算出DE値が11より大きく40未満となるように組み合わされた2種以上のでんぷん分解物からなる群から選択される少なくとも一種である、
硬質カプセル調製液(但し、前記2種以上のでんぷん分解物には単独でDE値が5以下のでんぷん分解物、及び単糖は含まれない)。
I−2−2.硬度改善剤が2種以上のでんぷん分解物であって、2種以上のでんぷん分解物が、DP値が5より大きく、かつ50以下であるでんぷん分解物から選択される、I−2−1に記載の硬質カプセル調製液。
I−2−3.調製液の溶媒を除く成分合計を100重量%とした場合に硬質カプセルに含まれる硬度改善剤の含有量が、10〜30重量%である、I−2−1、又はI−2−2に記載の硬質カプセル調製液。
I−2−4.さらに、ゲル化剤、又はゲル化剤及びゲル化補助剤を含む、I−2−1〜I−2−3のいずれか一項に記載の硬質カプセル調製液。
I−2−5.ゲル化剤がκ−カラギーナンであり、ゲル化補助剤が塩化カリウムである、I−2−4に記載の硬質カプセル調製液。
I−2−6.さらに、可塑剤、及び/又は遮光剤を含む、I−2−1〜I−2−5のいずれか一項に記載の硬質カプセル調製液。
I−2−7.硬質カプセルが、さらに、ベントナイト、タルク及びカオリンからなる群から選択される少なくとも一種を含む、I−2−1〜I−2−6のいずれか一項に記載の硬質カプセル調製液。
I−3−1.下記工程を含む硬質カプセルの調製方法:
前記I−2−1〜I−2−7のいずれか一項に記載の硬質カプセル調製液を使用して、硬質カプセルを調製する工程。
I−3−2.前記硬質カプセルの調製方法が、冷ゲル法であるI−3−1に記載の硬質カプセルの調製方法。
I−3−3.前記硬質カプセルの調製方法が、硬質カプセルの硬度を改善するためのものである、I−3−1、又はI−3−2に記載の硬質カプセルの調製方法。
II−1−1.基剤と硬度改善剤とを含む皮膜からなる硬質カプセルであって、
(i)前記基剤が、セルロース化合物、ポリビニルアルコール、及びポリビニルアルコール共重合体からなる群から選択される少なくとも一種であり、前記硬度改善剤がタルク、ベントナイト、及びカオリンからなる群から選択される少なくとも一種であって、
水分を除く硬質カプセルの皮膜成分合計を100重量%とした場合に硬質カプセルに含まれるタルクの含有量が、10重量%より大きく、かつ50重量%以下であり、
水分を除く硬質カプセルの皮膜成分合計を100重量%とした場合に硬質カプセルに含まれるベントナイトの含有量が、0.5重量%より大きく、かつ10重量%未満であり、及び
水分を除く硬質カプセルの皮膜成分合計を100重量%とした場合に硬質カプセルに含まれるカオリンの含有量が、10重量%以上、かつ50重量%以下である
硬質カプセル。
II−1−2.さらに、ゲル化剤、又はゲル化剤とゲル化補助剤を含む、II−1−1に記載の硬質カプセル。
II−1−3.ゲル化剤がκ−カラギーナンであり、ゲル化補助剤が塩化カリウムである、II−1−2に記載の硬質カプセル。
II−1−4.さらに、可塑剤、及び/又は遮光剤を含む、II−1−1〜II−1−3のいずれか一項に記載の硬質カプセル。
II−2−1.基剤と硬度改善剤とを含む硬質カプセル調製液であって、
(i)前記基剤が、セルロース化合物、ポリビニルアルコール、及びポリビニルアルコール共重合体からなる群から選択される少なくとも一種であり、前記硬度改善剤がタルク、ベントナイト、及びカオリンからなる群から選択される少なくとも一種であって、
調製液の溶媒を除く成分合計を100重量%とした場合に硬質カプセルに含まれるタルクの含有量が、10重量%より大きく、かつ50重量%以下であり、調製液の溶媒を除く成分合計を100重量%とした場合に硬質カプセルに含まれるベントナイトの含有量が、0.5重量%より大きく、かつ10重量%未満であり、及び
調製液の溶媒を除く成分合計を100重量%とした場合に硬質カプセルに含まれるカオリンの含有量が、10重量%以上、かつ50重量%以下である
硬質カプセル調製液。
II−2−2.さらに、ゲル化剤、又はゲル化剤及びゲル化補助剤を含む、II−2−1に記載の硬質カプセル調製液。
II−2−3.ゲル化剤がκ−カラギーナンであり、ゲル化補助剤が塩化カリウムである、II−2−2に記載の硬質カプセル調製液。
II−2−4.さらに、可塑剤、及び/又は遮光剤を含む、II−2−1〜II−2−3のいずれか一項に記載の硬質カプセル調製液。
II−3−1.下記工程を含む硬質カプセルの調製方法:
前記II−2−1〜II−2−4のいずれか一項に記載の硬質カプセル調製液を使用して、硬質カプセルを調製する工程。
II−3−2.前記硬質カプセルの調製方法が、冷ゲル法であるII−3−1に記載の硬質カプセルの調製方法。
II−3−3.前記硬質カプセルの調製方法が、硬質カプセルの硬度を改善するためのものである、II−3−1、又はII−3−2に記載の硬質カプセルの調製方法。
本発明によれば、硬度が改善された硬質カプセル、及びその調製方法を提供することができる。
オートグラフにセットされたフィルムを示す。(a)は正面図、(b)は斜視図である。 金属圧子がフィルム頂部を圧縮する様子を示す。(a)は圧縮前、(b)は圧縮後である。(c)は、圧縮の深さと圧縮試験力の関係を示す。圧子の直径は、9mmである。 硬質カプセルの硬度測定の様子を示す。(a)は、カプセル圧縮時の圧子、カプセル、カプセルホルダーの位置を示している。圧子の幅は4.5mmである。カプセルの圧縮位置は、カプセルの断端から7.9mmの位置である。(b)は、カプセルホルダーにセットされたカプセルの上面図である。
1.用語の説明
(1)硬質カプセル材料
はじめに、本明細書、及び特許請求の範囲等で使用される用語について説明する。本発明で使用される用語は、特に記載がない限り、本項の説明にしたがう。
本発明において、「硬質カプセル」とは、カプセル皮膜を先に製造し、製造されたカプセル皮膜に内容物を充填するタイプのカプセルである。通常、キャップ部とボディ部とからなり、ハードカプセル、又はツーピースカプセルとも呼ばれる。本発明の「硬質カプセル」には、2枚のフィルムの間に内容物を充填し、フィルム同士を接着して製造するソフトカプセル、内容物を皮膜溶液と共に凝固液に滴下して製造するシームレスカプセル、及び基材の析出やエマルジョン化によって内部に有効成分を取り込ませて調製するマイクロカプセルは含まれない。
本発明において、「基剤」とは、硬質カプセルの皮膜を形成するための主成分である。基剤としては、親水性であって消化器官で容易に溶解し、乾燥後に適度な強度、すなわち硬度と割れにくさを有する皮膜化(フィルム形成)が可能であり、また、化学的に安定な高分子材料が好ましい。また、医薬品、食品組成物に適した安全性、安定性が求められることから、反応性、架橋性の高い材料は好ましくない。本発明において使用される親水性高分子としては、セルロース化合物、ポリビニルアルコール(PVA)、及びポリビニルアルコール共重合体(PVA共重合体)からなる群から選択される少なくとも一種を挙げることができる。
本発明で用いられるセルロース化合物としては、アルキル基またはヒドロキシアルキル基の少なくとも1つの基でセルロースのヒドロキシ基の水素原子が置換された水溶性のセルロースエーテルを挙げることができる。ここで上記アルキル基またはヒドロキシアルキル基でいう「アルキル基」としては、炭素数1〜6、好ましくは1〜4の直鎖または分岐状の低級アルキル基、具体的にはメチル基、エチル基、ブチル基およびプロピル基を挙げることができる。水溶性セルロース化合物として具体的には、メチルセルロースなどの低級アルキルセルロース;ヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロース等のヒドロキシ低級アルキルセルロース;ならびにヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース(本明細書においてヒプロメロースあるいはHPMCともいうことがある)等のヒドロキシ低級アルキルアルキルセルロースなどを挙げることができる。なかでも、ヒドロキシプロピルメチルセルロースは皮膜成形性および低水分下での機械的強度が優れている点で、最適なセルロース化合物である。また、セルロース化合物を硬質カプセルに適用した例としては、米国特許第2526683号明細書、米国特許第2718667号明細書、米国特許第3617588号明細書、米国特許第4365060号明細書、米国特許第4993137号号明細書、米国特許第5032074号明細書、米国特許第5431917号明細書、米国特許第5756123号明細書、米国特許第6517865号明細書、米国特許第6649180号明細書、米国特許第2010/0168410号明細書、米国特許第9138920号明細書、米国特許第9211659号明細書に記載のものがあげられる。
本発明で使用されるヒドロキシプロピルメチルセルロースには、日本薬局方で定められる表1に規定されるヒプロメロースが含まれる。
Figure 2018008660
また、本発明のヒドロキシプロピルメチルセルロースには、日本国で食品添加剤としての使用が認められている下記分子量を有するヒプロメロースが含まれる。
<分子量>
非置換構造単位:162.14
置換構造単位:約180(置換度1.19)、約210(置換度2.37)
重合体:約13,000(n=約70)〜約200,000(n=約1000)。
商業的に入手可能なヒドロキシプロピルメチルセルロースは、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が、通常1.5〜4の範囲にある。なお、当該比(Mw/Mn)を算出する場合の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)はいずれもゲルクロマトグラフィー(サイズ排除クロマトグラフィー)で求めることができる。ゲルクロマトグラフィーの原理および手法は、限定されないが、例えば「USP30 The United States Pharmacopeia / NF25 The National Formulary」の「Chromatography」の章の「Size-Exclusion Chromatography」の項の記載を参照することができる。
商業的に入手可能なヒドロキシプロピルメチルセルロースとしては、信越化学社のTC−5シリーズ、SB―4シリーズ(登録商標)、METOLOSE(登録商標)、シリーズ、LOTTE(旧Samsung)精密化学社のAnyCoat―C(登録商標)シリーズ、DOW社のMETCEL(登録商標)シリーズを挙げることができる。
また本発明が対象とするヒプロメロースには、その2重量%水溶液の20℃±0.1℃における粘度が3〜50mPa・sの範囲にあるものが含まれる。
本発明においてヒプロメロースは1種単独で使用してもよいし、また2種以上を任意に組み合わせて使用することができるが、いずれも「ヒプロメロース粘度値」が、300〜5000、好ましくは、300〜1500の範囲、より好ましくは300〜960の範囲のものを用いることができる。ここで「ヒプロメロース粘度値」とは、カプセルフィルムの製造に使用するヒプロメロースの2重量%水溶液の20℃±0.1℃における粘度(mPa・s)に、ヒプロメロース総量100重量部に対するその割合(重量部)を乗じたものの総和を意味する。具体的には、カプセルフィルムの製造に2重量%水溶液の粘度が6mPa・sのヒプロメロースを単独で使用する場合は、「ヒプロメロース粘度値」は、「6mPa・s×100重量部」で600となる。また、カプセルフィルムの製造に2重量%水溶液の粘度が4mPa・sのヒプロメロースを30重量部、および6mPa・sのヒプロメロースを70重量部組み合わせて使用する場合は、「ヒプロメロース粘度値」は、「4mPa・s×30重量部+6mPa・s×70重量部」で540となる。
一般的には、分子量が低ければ粘度値は低くなる。また、分子量が低い、すなわち、粘度値が低い場合には、硬質カプセルの溶解性はよくなるが、一方で、割れやすくなる傾向がある。
従って、通常、溶解性が重視される経口投与の医薬品向けでは、300〜960であることが好ましい。他方、吸引製剤医薬品向け、及び食品用途向けには、割れにくさが重視され、500〜1500であることが好ましい。
PVAは、ポリ酢酸ビニルをけん化して得られる重合物であり、通常、けん化度が97mol%以上で下式(1)で表される完全けん化物と、けん化度が78〜96mol%で下記式(2)で表される部分けん化物とがある。本発明では、上記完全けん化物及び部分けん化物のいずれも使用することができる。特に制限されるものではないが、けん化度78〜90mol%、特に87〜90mol%程度の部分けん化物が好ましく用いられる。
Figure 2018008660
PVAの平均重合度(n)は、フィルム形成能を発揮し得る範囲であればよく、特に制限されるものではないが、通常は400〜3300、特に400〜2000程度であることが好ましい。なお、上記平均重合度とけん化度から、かかるPVAの重量平均分子量を算出すると約18000〜約175000になるが、特にこれに制限されるものではない。
PVA共重合体としては、前述するPVAまたはその誘導体に重合性ビニル単量体を共重合させて得られるPVA共重合体を挙げることができる。ここでPVAの誘導体としては、アミン変性PVA,エチレン変性PVA、末端にチオール基を有するPVA(末端チオール変性PVA)などの公知のPVA誘導体を挙げることができる。好ましくは末端チオール変性PVAである。
重合性ビニル単量体としては、(1)アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸;(2)上記(1)記載の化合物のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩またはアルキルアミン塩;(3)メチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルメタクリレート、エチルアクリレート、ブチルメタクリレート、ブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルアクリルレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリルレート、アクリロニトリル、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ポリエチレングリコールとメタクリル酸とのエステル、ポリエチレングリコールとアクリル酸とのエステル、ポリプロピレングリコールとメタクリル酸とのエステル、ポリプロピレングリコールとアクリル酸とのエステル、N−ビニルピロリドン、またはアクリロイルモルホリン;(4)下式で示される化合物:
Figure 2018008660
を挙げることができる。重合性ビニル単量体として好ましくは、(1)および(2)からなる群から選択される少なくとも1種の化合物と(3) からなる群から選択される少なくとも1種の化合物とを組み合わせて使用される。特に好ましくは、アクリル酸またはメタクリル酸とメチルメタクリレートとの併用である。
PVA共重合体として好ましくは、前述する部分けん化PVAを骨格として、アクリル酸とメチルメタクリレートを共重合化した高分子共重合体である。より好ましくは、平均重合度が約300〜500の部分けん化PVAと上記重合性ビニル単量体(特にアクリル酸及びメチルメタクリレート)とを重量比で約6:4〜9:1の割合で共重合させて得られる、PVA共重合体である。なお、ここで重合性ビニル単量体は、部分けん化PVAと共重合させる際にアクリル酸とメチルメタクリレートを重量比で約3:7〜0.5:9.5の割合で使用されることがより好ましい。特に好ましいPVA共重合体は、平均重合度300〜500の部分けん化PVA、メチルメタクリレートおよびアクリル酸を60〜90:7〜38:0.5〜12(重量比)で共重合させて得られるPVA共重合体である。
商業的に入手可能なPVA共重合体として、POVACOAT(登録商標)シリーズ(日新化成株式会社)を例示することができる。
また、PVA又はPVA共重合体を硬質カプセルに適用した例としては、国際公開パンフレットWO02/17848、WO1999/046329、WO2009/125483、米国特許公報6967026号に記載のものがあげられる。
本発明において、PVAおよびPVA共重合体を併用してもよい。バンドシール中のPVAとPVA共重合体の配合割合は特に制限されず、PVA:PVA共重合体=100:0〜0:100(重量比)、好ましくは99.9:0.1〜0.1:99.9となるいずれの割合でも用いることができる。
本発明において、「硬度改善剤」とは、調製後のカプセル皮膜の硬度を改善することができる成分をいう。硬度改善剤として使用される成分は、1種であっても2種以上であってもよい。2種以上の成分が硬度改善剤に含まれる場合、これら2種以上の成分は、あらかじめ混合してから、カプセル調製液の溶媒に溶解してもよく、個別に溶媒に溶解してもよく、個別に溶媒に溶解したものを混合してもよい。本発明に用いられる硬度改善剤は、医薬品や食品組成物に使用するために必要な、安全性、化学的安定性(内容物との反応回避)、保存安定性(経時変化)、遮光性、低酸素透過性、低水蒸気透過性、低含有水分、及び定帯電性といった一般的な特性を損なわないことが好ましい。
本発明の硬質カプセルには、基剤及び硬度改善剤の他、ゲル化剤、ゲル化補助剤、可塑剤、滑沢剤、金属封鎖剤、着色剤、遮光剤、残留水分(単に水分ともいう)等を含んでいてもよい。
ゲル化剤としては、カラギーナン、タマリンド種子多糖、ペクチン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、カードラン、ゼラチン、ファーセレラン、寒天、およびジェランガムなどを例示することができる。これらは1種単独で使用しても、2種以上を任意に組み合わせて使用することもできる。
上記ゲル化剤のなかでもカラギーナンは、ゲル強度が高く、しかも特定イオンとの共存下で少量の使用で優れたゲル化性を示すことから最適なゲル化剤である。なお、カラギーナンには、一般にカッパ−カラギーナン、イオタ−カラギーナンおよびラムダ−カラギーナンの3種が知られている。本発明では、比較的硬度の高いゲル化能を有するカッパおよびイオタ−カラギーナンを好適に使用することができる。またペクチンはエステル化度の違いでLMペクチンとHMペクチンとに分類でき、ジェランガムもアシル化の有無によってアシル化ジェランガム(ネイティブジェランガム)と脱アシル化ジェランガムに分類することができるが、本発明ではいずれも区別することなく使用することができる。
本発明で用いる硬質カプセルが上記ゲル化剤を含む場合、その含有量としては、水分を除く硬質カプセルの皮膜成分合計を100重量%とした場合、0.05〜10重量%、好ましくは0.1〜9.5重量%、より好ましくは0.2〜9重量、さらに好ましくは0.3〜8重量%を挙げることができる。
使用するゲル化剤の種類に応じてゲル化補助剤を使用することもできる。ゲル化剤としてカラギーナンを使用する場合に組み合わせて用いることができるゲル化補助剤としては、カッパ−カラギーナンについては水中でカリウムイオン、アンモニウムイオンおよびカルシウムイオンの1種又は2種以上を与えることのできる化合物、例えば塩化カリウム、リン酸カリウム、塩化アンモニウム、酢酸アンモニウム、塩化カルシウムを挙げることができる。またイオタ−カラギーナンについては水中でカルシウムイオンを与えることのできる、例えば塩化カルシウムを挙げることができる。またゲル化剤としてジェランガムを使用する場合に組み合わせて用いることができるゲル化補助剤としては、水中でナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオンおよびマグネシウムイオンの1種又は2種以上を与えることのできる化合物、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウムを挙げることができる。加えて有機酸やその水溶性塩としてクエン酸またはクエン酸ナトリウムを使用することもできる。
本発明で用いる硬質カプセルが、塩化カリウムなどのゲル化補助剤を含む場合、その含有量としては、水分を除く硬質カプセルの皮膜成分合計を100重量%とした場合、2.2重量%以下の範囲、好ましくは0.1〜2.1重量%、より好ましくは0.2〜1.9重量%、さらに好ましくは0.3〜1.6重量%を挙げることができる。
セルロース化合物としてヒドロキシプロピルメチルセルロースを用いる場合、併用するゲル化剤としてはカラギーナン、特にカッパ−カラギーナン、またこれと併用するゲル化補助剤としては塩化カリウムを好適に挙げることができる。
可塑剤としては、医薬品または食品組成物に使用できるものであれば特に制限されないが、例えば、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ポリエステル、エポキシ化ダイズ油、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジエステル、カオリン、クエン酸トリエチル、グリセリン、グリセリン脂肪酸エステル、ゴマ油、ジメチルポリシロキサン・二酸化ケイ素混合物、D−ソルビトール、中鎖脂肪酸トリグリセリド、トウモロコシデンプン由来糖アルコール液、トリアセチン、濃グリセリン、ヒマシ油、フィトステロール、フタル酸ジエチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール、ポリソルベート80、マクロゴール1500、マクロゴール400、マクロゴール4000、マクロゴール600、マクロゴール6000、ミリスチン酸イソプロピル、綿実油・ダイズ油混合物、モノステアリン酸グリセリン、リノール酸イソプロピルなどを挙げることができる。なお、可塑剤を用いる場合、水分を除く硬質カプセルの皮膜成分合計を100重量%とした場合、通常15重量%以下の範囲を挙げることができる。好ましくは13重量%以下、より好ましくは11重量%以下、さらに好ましくは8重量%以下の範囲で添加することができる。
金属封鎖剤としては、エチレンジアミン四酢酸、酢酸、ホウ酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、リン酸、酒石酸、またはこれらの塩、メタホスフェート、ジヒドロキシエチルグリシン、レシチン、β−シクロデキストリン、またはこれらの組み合わせを挙げることができる。
滑沢剤としては、医薬品または食品組成物に使用できるものであれば特に制限されない。例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、カルナバロウ、でんぷん、ショ糖脂肪酸エステル、軽質無水ケイ酸、マクロゴール、タルク、水素添加植物油等を挙げることができる。
着色剤、遮光剤としては、医薬品または食品組成物に使用できるものであれば特に制限されない。着色剤としては、例えばアセンヤクタンニン末、ウコン抽出液、塩化メチルロザニリン、黄酸化鉄、黄色三二酸化鉄、オパスプレーK−1−24904、オレンジエッセンス、褐色酸化鉄、カーボンブラック、カラメル、カルミン、カロチン液、β−カロテン、感光素201号、カンゾウエキス、金箔、クマザサエキス、黒酸化鉄、軽質無水ケイ酸、ケッケツ、酸化亜鉛、酸化チタン、三二酸化鉄、ジスアゾイエロー、食用青色1号およびそのアルミニウムレーキ、食用青色2号およびそのアルミニウムレーキ、食用黄色4号およびそのアルミニウムレーキ、食用黄色5号およびそのアルミニウムレーキ、食用緑色3号およびそのアルミニウムレーキ、食用赤色2号およびそのアルミニウムレーキ、食用赤色3号およびそのアルミニウムレーキ、食用赤色102号およびそのアルミニウムレーキ、食用赤色104号およびそのアルミニウムレーキ、食用赤色105号およびそのアルミニウムレーキ、食用赤色106号およびそのアルミニウムレーキ、水酸化ナトリウム、タルク、銅クロロフィンナトリウム、銅クロロフィル、ハダカムギ緑茶エキス末、ハダカムギ緑茶抽出エキス、フェノールレッド、フルオレセインナトリウム、d-ボルネオール、マラカイトグリーン、ミリスチン酸オクチルドデシル、メチレンブルー、薬用炭、酪酸リボフラビン、リボフラビン、緑茶末、リン酸マンガンアンモニウム、リン酸リボフラビンナトリウム、ローズ油、ウコン色素、クロロフィル、カルミン酸色素、食用赤色40号およびそのアルミニウムレーキ、水溶性アナトー、鉄クロロフィリンナトリウム、デュナリエラカロテン、トウガラシ色素、ニンジンカロテン、ノルビキシンカリウム、ノルビキシンナトリウム、パーム油カロテン、ビートレッド、ブドウ果皮色素、ブラックカーラント色素、ベニコウジ色素、ベニバナ赤色素、ベニバナ黄色素、マリーゴールド色素、リボフラビンリン酸エステルナトリウム、アカネ色素、アルカネット色素、アルミニウム、イモカロテン、エビ色素、オキアミ色素、オレンジ色素、カカオ色素、カカオ炭末色素、カキ色素、カニ色素、カロブ色素、魚鱗箔、銀、クサギ色素、クチナシ青色素、クチナシ赤色素、クチナシ黄色素、クーロー色素、クロロフィン、コウリャン色素、骨炭色素、ササ色素、シアナット色素、シコン色素、シタン色素、植物炭末色素、スオウ色素、スピルリナ色素、タマネギ色素、タマリンド色素、トウモロコシ色素、トマト色素、ピーナッツ色素、ファフィア色素、ペカンナッツ色素、ベニコウジ黄色素、ベニノキ末色素、ヘマトコッカス藻色素、ムラサキイモ色素、ムラサキトウモロコシ色素、ムラサキヤマイモ色素、油煙色素、ラック色素、ルチン、エンジュ抽出物、ソバ全草抽出物、ログウッド色素、アカキャベツ色素、アカゴメ色素、アカダイコン色素、アズキ色素、アマチャ抽出物、イカスミ色素、ウグイスカグラ色素、エルダーベリー色素、オリーブ茶、カウベリー色素、グースベリー色素、クランベリー色素、サーモンベリー色素、ストロベリー色素、ダークスィートチェリー色素、チェリー色素、チンブルベリー色素、デュベリー色素、パイナップル果汁、ハクルベリー色素、ブドウ果汁色素、ブラックカーラント色素、ブラックベリー色素、プラム色素、ブルーベリー色素、ベリー果汁、ボイセンベリー色素、ホワートルベリー色素、マルベリー色素、モレロチェリー色素、ラズベリー色素、レッドカーラント色素、レモン果汁、ローガンベリー色素、クロレラ末、ココア、サフラン色素、シソ色素、チコリ色素、ノリ色素、ハイビスカス色素、麦芽抽出物、パプリカ粉末、アカビートジュース、ニンジンジュースなどを挙げることができる。
遮光剤としては、例えば酸化チタン、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、黒酸化鉄、食用青色1号アルミニウムレーキ、食用青色2号アルミニウムレーキ、食用黄色4号アルミニウムレーキ、食用黄色5号アルミニウムレーキ、食用緑色3号アルミニウムレーキ、食用赤色2号アルミニウムレーキ、食用赤色3号アルミニウムレーキ、食用赤色102号アルミニウムレーキ、食用赤色104号アルミニウムレーキ、食用赤色105号アルミニウムレーキ、食用赤色106号アルミニウムレーキ、食用赤色40号アルミニウムレーキを挙げることができる。
医薬用硬質カプセルにおいては、内容物の紫外線等による劣化を防止するため、遮光剤として酸化チタンを添加する場合がある。
調製後のカプセル皮膜には、通常、数%の残留水分が含まれるのが好ましい。通常、30℃から100℃の範囲で成型後のカプセルを乾燥処理すると、カプセルの固形分量及びそれらの組成に対応した所定の飽和残留水分値に落ち着く。当然、飽和水分値に落ち着くまでの時間は、高温で乾燥処理した場合の方が短い。残留水分は、カプセル保存時の環境湿度にも依存するが、ほぼ可逆的に変化する。すなわち、30〜100℃で、十分乾燥処理したあとの飽和水分値は、さらに、一定温度、相対湿度下で数日間保管した場合、一定の値に収束する。本発明においては、室温で相対湿度43%に数日間保管した後の飽和水分値を用いる。
少量の残留水分が含まれることは、割れにくさを維持するためにむしろ好ましい。残留水分の室温、43%相対湿度における飽和水分値として、カプセル皮膜全重量に対して、少なくとも1%以上であることが好ましく、2%以上であることがより好ましく、3%以上であることがさらに好ましい。他方、残留水分が多すぎると、長期間保存した場合に、内部に充填した薬物と反応を起こす場合があるので、8%以下であることが好ましく、6%以下とするのがより好ましい。
残留飽和水分量は乾燥減量での含水率で表すことができ、その測定は、以下のようにして行うことができる。
<乾燥減量法によるカプセル皮膜中の含水率の測定方法>
デシケーターに、炭酸カリウム飽和水溶液を入れて恒湿状態とした雰囲気中に試料(硬質カプセル、又はフィルム)を入れ密閉し、25℃で1週間調湿する。なお、炭酸カリウム飽和水溶液の存在下では、相対湿度約43%の雰囲気を作成することができる。調湿後の試料の重量(湿重量)を測定した後、次いで当該試料を105℃で2時間加熱乾燥し、再度試料の重量(乾燥重量)を測定する。乾燥前の重量(湿重量)と乾燥後の重量(乾燥重量)の差から、下式に従って、105℃で2時間加熱乾燥することによって減少する水分量の割合(含水率)を算出する。
Figure 2018008660
(2)硬質カプセルの調製方法
カプセル調製液(浸漬液)の調製方法は、特に制限されない。例えば約70〜80℃程度に加熱した精製水に、必要に応じてゲル化剤やゲル化補助剤を溶解した後、水溶性セルロース化合物を分散させて、これを所望の浸漬液の温度(通常35〜60℃、より好ましくは40〜60℃)まで冷却して水溶性セルロース化合物を溶解させて均一なカプセル調製液(浸漬液)を調製する方法;ならびに水溶性セルロース化合物を約70〜80℃程度の熱水に分散し、これをいったん冷却して水溶性セルロース化合物を溶解させた後に、必要に応じてゲル化剤やゲル化補助剤を添加し溶解し、再び加温して30〜50℃程度に調製して均一なカプセル調製液(浸漬液)を調製して、所望の浸漬液の温度に調整する方法、などを制限なく使用することができる。さらには、後述の熱ゲル化による成形方法においては、ゲル化剤及びゲル化補助剤を加えることなく、水溶性セルロース化合物を約70〜90℃程度の熱水に分散し、これをいったん室温近傍もしくはそれ以下に冷却して水溶性セルロース化合物を溶解させて調整する方法を用いることができる。
カプセル調製液の粘度は、特に制限されない。好ましくは、カプセル調製液の粘度は、カプセル成型用ピンの浸漬時に採用される温度(浸漬液の温度)条件下(30〜80℃、好ましくは40〜60℃)で、カプセル調製液の粘度が100〜20000mPa・s、好ましくは300〜10000mPa・sとなるように調製することができる。通常、カプセル調製液の溶媒含有量として60〜90重量%、好ましくは70〜85重量%を挙げることができる。カプセル調製液の溶媒以外の硬質カプセルの皮膜成分含有量の合計として10〜40重量%、好ましくは15〜30重量%を挙げることができる。
本発明で規定する粘度は、B型回転粘度計で、粘度500mPa・s未満の場合はローター番号2、粘度500mPa・s以上2000mPa・s未満の場合はローター番号3、粘度2000mPa・s以上の場合はローター番号4を用いて、所定温度で、回転数60rpm、測定時間1分の条件で測定した場合の粘度を意味する。
カプセル調製液に含まれる各成分の濃度は、後述する。
硬質カプセルの調製(成型)方法は、本発明に係るカプセル調製液を使用してカプセルを調製する工程を含む限り、特に制限されない。硬質カプセルは、一般には、カプセル皮膜物質を溶解した水溶液中に、カプセルの鋳型となるモールドピンを浸漬させ、引き上げた時に付着してくる皮膜を硬化、乾燥させることで所望のカプセル形状と厚みを得る(ディッピング法)。具体的には、硬質カプセルの調製方法は、上記の方法によりカプセル調製液を調製するか、カプセル調製液を購入する等によって準備する工程と、かかるカプセル調製液にカプセル成型用ピンを浸漬した後、これを引き上げ、カプセル成型用ピンに付着した溶液をゲル化させ、その後、ゲル化した皮膜を20〜80℃で乾燥する調製工程によって製造される。場合によっては、ゲル化過程を経ずに、冷却による粘度増加と乾燥により成型することも可能である。
より具体的には、本発明で用いる硬質カプセルは下記の成型工程を経て製造することができる。
(1)セルロース化合物(また必要に応じてゲル化剤やゲル化補助剤)を含有するカプセル調製液(浸漬液)に、カプセル成型用ピンを浸漬する工程(浸漬工程)、
(2)カプセル調製液(浸漬液)からカプセル成型用ピンを引き上げて、当該ピンの外表面に付着したカプセル調製液をゲル化する工程(ゲル化工程)、
(3)カプセル成型用ピンの外表面に被覆形成されたゲル化カプセルフィルム(ゲル化皮膜)を乾燥する工程(乾燥工程)、
(4)乾燥したカプセルフィルム(皮膜)をカプセル成型用ピンから脱離する工程(脱離工程)。
なお、必要に応じて上記(4)の工程後に下記の加熱工程を行なってもよい。
(5)上記のゲル化工程(2)後の、乾燥工程(3)の前後若しくは同時に、または脱離工程(4)後に、ゲル化カプセルフィルム(ゲル化皮膜)を30〜150℃で加熱処理する工程(加熱工程)。
なお、カプセル調製液(浸漬液)としてカラギーナンなどのゲル化剤を配合しない溶液を用いる場合は、水溶性セルロース化合物それ自体が60℃以上の温度でゲル化することを利用して、上記ゲル化工程(2)を60℃以上に加温したカプセル成型用ピンを用いて行なうことができる(熱ゲル法)。具体的には、浸漬工程(1)において、25〜50℃、好ましくは35〜45℃の一定温度に調整したカプセル調製液(浸漬液)に、その液温に応じて60〜150℃、好ましくは60〜120℃、より好ましくは70〜90℃に加温したカプセル成型用ピンを浸漬し、次いでゲル化工程(2)において、カプセル調製液(浸漬液)からカプセル成型用ピンを引き上げて、当該ピンの外表面に付着したカプセル基剤溶液をゲル化する。
一方、カプセル調製液(浸漬液)としてカラギーナンなどのゲル化剤を配合した溶液を用いる場合は、当該溶液が50℃以下の温度でゲル化することを利用して、カプセル製造機周辺の温度を通常35℃以下、好ましくは30℃以下、好ましくは室温下に設定して、上記ゲル化工程(2)をカプセル成型用ピンの外表面に付着したカプセル調製液を放冷することによって行うことができる(冷ゲル法)。具体的には、浸漬工程(1)において、35〜60℃、好ましくは40〜60℃の一定温度に調整したカプセル調製液(浸漬液)に、その液温に応じて10〜30℃、好ましくは13〜28℃、より好ましくは15〜25℃に調整したカプセル成型用ピンを浸漬し、次いでゲル化工程(2)において、カプセル調製液(浸漬液)からカプセル成型用ピンを引き上げて、当該ピンの外表面に付着したカプセル調製液をゲル化する。
乾燥工程(3)は室温で行うことができる。通常、室温の空気を送風することによって行なわれる。脱離工程(4)は、カプセル成型用ピン表面に形成された乾燥カプセルフィルムをカプセル成型用ピンから抜き出すことによって行われる。
任意工程である加熱工程(5)は、ゲル化工程(2)後、すなわちカプセル調製液がゲル化(固化)した後に行なうことができる。加熱処理の時期は、ゲル化工程(2)後であればどの段階でもよく、乾燥工程(3)の前若しくは後、または加熱と乾燥を同時に行ってもよい。さらに脱離工程(4)後であってもよい。好ましくはゲル化工程(2)後、ゲル化カプセルフィルムを室温下での乾燥工程に供し、乾燥後または半乾きの段階で、加熱処理を行う。加熱温度は30〜150℃の範囲であれば特に制限されないが、好ましくは40〜100℃、より好ましくは50〜80℃の範囲である。加熱処理は、通常30〜150℃の空気を送風することによって行うことができる。
斯くして調製されるカプセルフィルムは、所定の長さに切断調整された後、ボディ部とキャップ部を一対に嵌合した状態または嵌合しない状態で、硬質カプセルとして提供することができる。
硬質カプセルの皮膜厚みは、通常、50〜200μmの範囲とされる。特に、カプセルの側壁部分の厚みは、現在市販されているカプセルでは、70〜150μm、より好ましくは、80〜120μmとするのが通常である。硬質カプセルのサイズとしては、00号、0号、1号、2号、3号、4号、5号等があるが、本発明ではいずれのサイズの硬質カプセルも使用することができる。
なお、特にゲル化現象を伴わずカプセル調製液からの水分蒸発・乾燥だけに頼った固化方法でもカプセル皮膜を得ることができる。
ポリビニルアルコール及びポリビニルアルコール共重合体を基材とする硬カプセルの成型においては、これらの基材物質自体に熱ゲル化の性質はないので、冷ゲル化剤を用いセルロース化合物の冷ゲル法と同様のディッピング及び乾燥を行うことができる。ただし、乾燥温度は、比較的高く、80〜150℃の範囲とすることが好ましい。すなわち乾燥条件のみ上述の熱ゲル法に類似した条件とすることが好ましい。
(3)硬質カプセルへの内容物の充填、及び用途
硬質カプセルに内容物を充填する方法は、特に制限されない。
内容物の硬質カプセル内への充填は、特開2007−144014号公報、特開2000−226097号公報等に記載の公知のカプセル充填機、例えば全自動カプセル充填機(型式名:LIQFILsuper80/150、クオリカプス社製)、カプセル充填・シール機(型式名:LIQFILsuperFS、クオリカプス社製)等を用いて実施することができる。
上記充填方法において、硬カプセルの仮結合、本結合は、米国特許第3508678号明細書、米国特許第3823843号明細書、米国特許第4040536号明細書、米国特許第4822618号明細書、米国特許第5769267号明細書等に示すようなロック機構で担保される。上記のようなロック機構を安定的に維持するためにも、硬カプセルの硬度は重要である。
上記のキャップとボディのすりあわせによるロック機構に加えて、さらに確実な厳封を行って、悪意による開封と異物混入を防止するために、及び液体充填物の漏えいを確実に防ぐために、特開2005−187412号公報、もしくは特開2009−504630号公報に記載のバンドシールによって嵌合部を封緘してもよい。
本発明の硬質カプセルの用途は、特に制限されない。好ましくは、経口製剤、及び吸引製剤等を挙げることができる。
経口製剤は、胃もしくは腸において速やかに溶解することが望ましい。腸でカプセル皮膜が溶解され薬剤を腸で放出するために、カプセル皮膜表面に、腸溶性基材のコーティングを付加した腸溶性カプセルとすることもできる。カプセル皮膜そのものに、腸溶性基材を全部または一部用いて腸溶性カプセルとすることもできる。腸溶性カプセルとは胃で溶解されず腸で溶解される性質を有するものである限り特に制限されないが、例えばpH1.2での希塩酸溶液中(日本薬局方1液)中で2時間以上ほとんど溶解せず、pH6.8の緩衝溶液(日本薬局方2液)中で溶解するものをいう。
また硬質カプセルから薬剤を徐放させることもできる。徐々に薬剤が溶出させる場合は、カプセル皮膜表面に徐放性の皮膜をコーティングしてもよい。
吸引製剤は、硬質カプセルに一回分の投与量の薬剤を封止しておき、米国特許4069819、米国特許4210140、米国特許7669596、米国特許2010−0300440号公報等に開示されたようなデバイスに装着する。小さなピンでせん孔するもしくは、カプセルを破断することで、内部の薬剤を適切な流量で吸引することができる。
硬質カプセル剤の内容物は、特に制限されず、ヒトまたは動物の医薬品、医薬部外品、化粧料、および食品を、制限なく挙げることができる。
内容物の形状も特に問わない。例えば、液状物、ゲル状物、粉末状、顆粒状、錠剤状、ペレット状、またこれらの混合形状(ハイブリッド状)であってもよい。
硬質カプセル剤の内容物としては、医薬品の場合は、例えば滋養強壮保健薬、解熱鎮痛消炎薬、向精神薬、抗不安薬、抗うつ薬、催眠鎮静薬、鎮痙薬、中枢神経作用薬、脳代謝改善剤、脳循環改剤、抗てんかん剤、交感神経興奮剤、胃腸薬、制酸剤、抗潰瘍剤、鎮咳去痰剤、鎮吐剤、呼吸促進剤、気管支拡張剤、アレルギー用薬、歯科口腔用薬、抗ヒスタミン剤、強心剤、不整脈用剤、利尿薬、血圧降下剤、血管収縮薬、冠血管拡張剤、末梢血管拡張薬、抗高脂血症用剤、利胆剤、抗生物質、化学療法剤、糖尿病治療薬、骨粗鬆症用剤、抗リウマチ薬、骨格筋弛緩薬、鎮痙剤、ホルモン剤、アルカロイド系麻薬、サルファ剤、痛風治療薬、血液凝固阻止剤、抗悪性腫瘍剤などから選ばれる1種または2種以上の薬物成分を挙げることができる。なお、これらの薬効成分は、特に制限されず公知のものを広く挙げることができるが、具体的には、WO2006/070578号パンプレットの段落[0055]〜[0060]に記載されている各成分を例示として挙げることができる。
また、食品の場合は、例えばドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、α−リポ酸、ローヤルゼリー、イソフラボン、アガリクス、アセロラ、アロエ、アロエベラ、ウコン、エルカルニチン、オリゴ糖、カカオ、カテキン、カプサイシン、カモミール、寒天、トコフェロール、リノレン酸、キシリトール、キトサン、GABA、クエン酸、クロレラ、グルコサミン、高麗人参、コエンザイムQ10、黒糖、コラーゲン、コンドロイチン、サルノコシカケ、スクワレン、ステビア、セラミド、タウリン、サポニン、レシチン、デキストリン、どくだみ、ナイアシン、納豆菌、にがり、乳酸菌、ノコギリヤシ、ハチミツ、はとむぎ、梅肉エキス、パントテン酸、ヒアルロン酸、ビタミンA、ビタミンK、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ケルセチン、プロテイン、プロポリス、モロヘイヤ、葉酸、リコピン、リノール酸、ルチン、霊芝などの機能性成分などを挙げることができる。但し、これらに限定されるものではない。
(4)硬度の評価
硬質カプセルの硬度の評価は、例えば上記カプセル調製液を作成後、キャストフィルムアプリケーターを使用してフィルムを作製し、そのフィルムの硬度を評価することによって行うことができる。作製されたフィルムを、フィルムの厚さは100μm±5μmとし、10mm×50mmの大きさにカットした後、25℃、相対湿度43%(炭酸カリウム飽和水溶液)の条件の調湿下に例えば一週間おき、その後硬度を圧縮試験にて評価することができる。
硬度の評価は、オートグラフ(例えば島津製作所AGS−J)に上記調湿したフィルムをアーチ状に湾曲させてホルダーにセットし(図1aに示すように、セットされたフィルムの幅は2cmであり、セットされたフィルムの高さは2cmである)、金属圧子でフィルム頂部を5〜8mm圧迫し(図2b)、フィルムの圧縮試験力のピーク(図2c)を求めた。その値を標準品(硬度改善剤以外の成分は試験品と同一成分であり、硬度改善剤の含有量分と同じ量の基剤を増量して作製したフィルム)の圧縮試験力の値と比較することにより行う。圧縮速度は、例えば50mm/minであり、金属製圧子の直径は例えば9mmである(図2b)。
カプセル硬度の評価は、オートグラフ(例えば島津製作所AGS−J)に上記調湿したカプセルボディ部をセットし(図3a、b)、金属圧子で圧迫し(図3a)、任意の圧縮深さにおける圧縮試験力の値を求める。圧縮速度は、例えば10mm/minであり、圧縮深さは例えば3mmである(図3a)。金属圧子によって圧縮されるカプセルの部位は、例えばカプセルの断端から3.4〜7.9mmの位置である。
硬度は、例えば下記硬度改善剤を含まない標準品の圧縮試験力を100とした場合、110以上120未満を「硬度改善」と評価し、120以上を「高い硬度改善」と評価することができる。また、90以上110未満を「硬度変化無し」と評価することができる。さらに、90未満は、「脆弱化」と評価することができる。
2.でんぷん分解物を含む硬質カプセル、及びその硬質カプセル調製液
(1)硬質カプセル
本態様の硬質カプセルは、基剤と、硬度改善剤としてでんぷん分解物を含む皮膜からなる。本項でいう「硬度改善剤」は、次項3.で使用される硬度改善剤とは区別される。前記基剤は、セルロース化合物、ポリビニルアルコール、及びポリビニルアルコール共重合体からなる群から選択される少なくとも一種であり、好ましくはヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、及びポリビニルアルコール共重合体からなる群から選択される少なくとも一種である。本態様における上記基剤の含有量は、水分を除く硬質カプセルの皮膜成分合計を100重量%とした場合に、100重量%から基剤以外のカプセル皮膜含有成分の含有量の合計重量%を減じた量である。
でんぷん分解物とは、でんぷんを分解しデキストロースにいたる中間段階生成物の総称であり、(C10・xHOで表される。でんぷん分解物は、公知のデキストリンの製造方法に従って、でんぷんを酸素、酸、熱等で処理することによって得られる。でんぷん分解物にはデキストリン、マルトースも含まれる。
デキストリンとは、でんぷんを分解しマルトース又はデキストロースにいたる中間段階生成物の総称である(第16改正日本薬局方)。デキストリンは、でんぷんを酸素、酸、熱等で処理して得られ、(C10・xHOで表される。デキストリンは、以下の表2の様に大別される。
Figure 2018008660
商業的に入手可能な当該デキストリンとしては、GPC社のMARTRIN(登録商標)シリーズ、ROQUETTE社のGlucidex(登録商標)シリーズ、日澱化学株式会社のアミコール(登録商標)シリーズ、JPデキストリン(登録商標)シリーズ、松谷化学工業株式会社のパインデックス(登録商標)シリーズが挙げられる。
DE値とは、デキストロース当量(Dextrose Equivalent)の略語であり、乾燥重量基準でのデキストロースの割合として表された、材料の全還元糖含有量を記載するための当技術分野における一般的な表現である。還元糖をグルコースとして測定し、その還元糖の全固形分に対する割合であり、デンプン分解物の分解度の指標となる。DE値の測定は、一般にSomogyi法にしたがうが、それに限定されない。当該方法は、分子量分布の測定そのものよりも再現性はよい値が得られる。なお、DE値が10以下のでんぷん分解物をデキストリン、DE値が10より大きく20より小さい範囲のでんぷん分解物をマルトデキストリン、DE値が20より大きいでんぷん分解物を粉あめと呼ぶ場合もある。
一般的に市販されているデキストリンは、それを構成するグルコース重合物の分子量に分布ピークを有する複数の異なる重合度を有するでんぷん分解物の混合物であるが、このような場合には、DE値は当該製品の表示にしたがう。また、式[DP値=100÷DE値]で表すDP値は、デキストリン1分子中のグルコースの重合度、すなわちデキストリン中のグルコースの単位の平均数である。
算出DE値とは、DE値の異なるでんぷん分解物を2種以上含む場合の見かけのDE値であり、求め方は次の通りである。はじめに、組み合わせる各でんぷん分解物について{各でんぷん分解物のDE値×その添加量(重量%)}の値を求め、組み合わせるでんぷん分解物の当該値の総和を求める。この総和の値を、各でんぷん分解物の添加量(重量%)の総和で割ることにより算出DE値を求めることができる。ここで、でんぷん分解物の添加量は、水分を除く硬質カプセルの皮膜成分合計を100重量%とした場合の含有量である。
例えば、DE値DEaを有するでんぷん分解物AをWa重量%、及びDE値DEbを有するでんぷん分解物BをWb重量%で硬質カプセルに添加する場合、算出DE値は、下記式で表される。
Figure 2018008660
本態様において、でんぷん分解物として、DE値が11より大きいものを使用することができる。また、でんぷん分解物として、DE値が40未満のものを使用することができる。あるいは、算出DE値が11より大きく40未満であるでんぷん分解物である(但し、前記2種以上のでんぷん分解物には単独でDE値が5以下のでんぷん分解物、及び単糖は含まれない)。前記DE値が11より大きく40未満であるでんぷん分解物のDE値の下限値として、より好ましくは13である。DE値が11より大きく40未満であるでんぷん分解物のDE値の上限値として、より好ましくは38であり、さらに好ましくは33である。また、硬度改善剤が、算出DE値が11より大きく40未満となるように組み合わされた2種以上のでんぷん分解物からなる群から選択される少なくとも一種である場合、当該2種以上のでんぷん分解物は、DE値が5より大きく、かつ50以下であるのでんぷん分解物から選択されることが好ましい。より好ましくは前記2種以上のでんぷん分解物に含まれるでんぷん分解物のDE値の下限値は、少なくとも一種のでんぷん分解物において6である。前記2種以上のでんぷん分解物に含まれるでんぷん分解物のDE値の上限値は、少なくとも一種のでんぷん分解物において、好ましくは40であり、より好ましくは38である。具体的には、2種以上のでんぷん分解物としては、DE値が単独で5より大きく、11以下の間であるでんぷん分解物と、DE値が単独で40以上から50以下の間のでんぷん分解物とを組み合わせたものが好ましい。また、DE値が単独で5より大きく11以下のでんぷん分解物の重量%をWa、DE値が単独で40以上から50以下の間のでんぷん分解物の重量%をWbとした場合、Wb/(Wa+Wb)の比率は、好ましくは0.5以下であり、より好ましくは、0.3以下とする。
本態様における上記硬度改善剤の含有量の合計の下限値は、水分を除く硬質カプセルの皮膜成分合計を100重量%とした場合に、3重量%であり、好ましくは5重量%であり、より好ましくは10重量%である。本態様における上記硬度改善剤の含有量の合計の上限値は、水分を除く硬質カプセルの皮膜成分合計を100重量%とした場合に、50重量%であり、好ましくは30重量%であり、より好ましくは20重量%である。
ここで、DE値が100の単糖(グルコース)と、DE値がほぼゼロのスターチなどのデンプン類(グルコース単位、数千〜数万以上)を混合して、算出DE値を上記範囲内としても、カプセル皮膜の硬度改善効果は得られない。
本態様において、基剤としてヒドロキシプロピルメチルセルロースを用いる場合、硬質カプセルの溶出性を改善する目的で、DE値100の単糖類、DE値50の二糖類を添加する(特開2010−270039)ことも可能である。しかしながら、特に、単糖類、二糖類を大量に添加するとカプセル皮膜は脆弱化する。従って、単糖類、二糖類の含有量は、水分を除く硬質カプセルの皮膜成分合計を100重量%とした場合に、10重量%以下の範囲にあることが好ましく、本態様の硬度改善剤の含有量より少ないことが望ましい。
また、本態様の硬質カプセルには、さらにタルク、ベントナイト、及びカオリンからなる群から選択される少なくとも一種の粘土鉱物を含んでいても良い。ベントナイト、タルク及びカオリンとしては、例えば、次項3.に記載のものを使用することができる。硬質カプセルに粘土鉱物をさらに添加することにより、いっそう硬質カプセルの硬度を改善することができる。
硬度改善剤と上記粘土鉱物とを併用する場合、硬度改善剤と上記粘土鉱物の含有量の合計は、水分を除く硬質カプセルの皮膜成分合計を100重量%とした場合に、4重量%以上、かつ50重量%以下の範囲となるように設定することができる。当該範囲の下限値として、好ましくは13重量%であり、より好ましくは18重量%である。当該範囲の上限値として、好ましくは80重量%であり、より好ましくは70重量%であり、より好ましくは50重量%であり、さらに好ましくは、35重量%ある。当該範囲は、上記硬度改善剤の含有量と、次項3.に記載の粘土鉱物の含有量の和によって適宜設定することができる。具体的には、粘土鉱物がタルクである場合、好ましくは硬度改善剤の含有量が10重量%以上、30重量%以下の範囲であり、かつタルクが10重量%より大きく、40重量%以下の範囲である。粘土鉱物がベントナイトである場合、好ましくは硬度改善剤の含有量が10重量%以上、30重量%以下の範囲であり、かつベントナイトが1重量%以上、8重量%以下の範囲である。粘土鉱物がカオリンである場合、好ましくは硬度改善剤の含有量が10重量%以上、30重量%以下の範囲であり、かつカオリンが11重量%以上、50重量%以下の範囲である。
より具体的な硬質カプセルの組成の例は、水分を除く硬質カプセルの皮膜成分合計を100重量%とした場合に、硬度改善剤の含有量は上述の通りであり、基剤は、水分を除く硬質カプセルの皮膜成分合計を100重量%とした場合に、水分を除く成分の含有量合計の残部とすることができる。具体的には20〜97重量%、好ましくは50〜93重量%、より好ましくは65〜90重量%、さらに好ましくは70〜85重量%である。基剤と硬質改善剤以外の成分を含む場合、ゲル化剤を0.025〜2.5重量%、好ましくは0.05〜2.3重量%、より好ましくは0.075〜2重量%、さらに好ましくは0.1〜1.8重量%を挙げることができる。さらに塩化カリウムなどのゲル化補助剤を含む場合、その含有量として2.5重量%以下、好ましくは0.1〜2.3重量%、より好ましくは0.15%〜2重量%、さらに好ましくは0.2〜1.8重量%を挙げることができる。また本態様の硬質カプセルのカプセル皮膜が可塑剤を含む場合、その含有量としては通常15重量%以下の範囲を挙げることができる。好ましくは13重量%以下、より好ましくは11重量%以下、さらに好ましくは8重量%以下の範囲である。また同様に滑沢剤、着色剤、遮光剤、金属封鎖剤、香料等を含む場合、その含有量は、それぞれ15重量%以下の範囲で適宜設定することができる。好ましくは13重量%以下、より好ましくは11重量%以下、さらに好ましくは8重量%以下の範囲である。
(2)硬質カプセル調製液
本態様の硬質カプセルを調製するためのカプセル調製液は、溶媒と上記2.(1)で述べた成分を含む。溶媒は、水性溶媒である限り特に制限されない。溶媒として好ましくは水、エタノール、及びこれらの混合物、より好ましくは水である。
硬質カプセル調製液に含まれる上記成分の濃度は、調製後の硬質カプセルにおける各成分の含有量が、上記硬質カプセルにおける含有量となる限り制限されない。すなわち、調製液においては、調製液の溶媒を除く成分合計を100重量%としたときに、調製後の硬質カプセルにおける各成分の含有量が、上記硬質カプセルにおける含有量となる限り制限されない。例えば、カプセル調製液中の終濃度として下記の濃度を上げることができる。なお、終濃度とは最終的にできあがった溶液中の濃度、つまり実際にカプセルを調製する際に使用する溶液中の濃度を意味する。
基剤については、10〜30重量%、好ましくは12〜20重量%、より好ましくは14〜18重量%;硬度改善剤を0.6〜10重量%、好ましくは1〜6重量%、より好ましくは、2〜4重量%である。基剤と硬質改善剤以外の成分を含む場合、ゲル化剤については、0.005〜0.5重量%、好ましくは0.01〜0.45重量%、より好ましくは0.015〜0.4重量%を挙げることができる。また、ゲル化補助剤を用いる場合は、その濃度として0.5重量%以下、0.02〜0.5重量%、好ましくは0.03〜0.40重量%、より好ましくは0.04〜0.35重量%を挙げることができる。滑沢剤、着色剤、遮光剤、金属封鎖剤、香料等を含む場合、その含有量は、それぞれ0.5重量%以下の範囲で適宜設定することができる。
本態様のカプセル調製液が、さらにタルク、ベントナイト、及びカオリンからなる群から選択される少なくとも一種の粘土鉱物を含む場合、その含有量は、例えばカプセル調製液中の終濃度として0.2〜10重量%、好ましくは0.5〜4重量%とすることができる。
カプセル調製液の調製方法は、上記「1.用語の説明」で述べたとおりである。
(3)硬質カプセルの調製方法
硬質カプセルの調製方法は、上記「1.用語の説明」で述べたとおりである。また、本態様の硬質カプセルの調製方法は、硬質カプセルの硬度を改善する方法でもある。
3.タルク、ベントナイト、及びカオリンからなる群から選択される少なくとも一種の粘土鉱物を含む硬質カプセル、及びその硬質カプセル調製液
(1)硬質カプセル
本態様の硬質カプセルは、基剤と、硬度改善剤としてタルク、ベントナイト、及びカオリンからなる群から選択される少なくとも一種の粘土鉱物を含む皮膜からなる。本項でいう「硬度改善剤」は、前項2.で使用される硬度改善剤とは区別される。前記基剤は、セルロース化合物、ポリビニルアルコール、及びポリビニルアルコール共重合体からなる群から選択される少なくとも一種であり、好ましくはヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、及びポリビニルアルコール共重合体からなる群から選択される少なくとも一種である。本態様における上記基剤の含有量は、水分を除く硬質カプセルの皮膜成分合計を100重量%とした場合に、100重量%から基剤以外のカプセル皮膜含有成分の含有量の合計重量%を減じた量である。
本態様において、タルクは、天然の含水ケイ酸マグネシウムであり、滑石ともよばれる。純粋なタルクは、MgSi10(OH)(分子量379.27)である。タルクは、主成分をMgSi10(OH)とし、クロライト(含水ケイ酸アルミニウムマグネシウム)、マグネサイト(炭酸マグネシウム)、カルサイト(炭酸カルシウム)、及びドロマイト(炭酸カルシウムマグネシウム)が混在することも許容される。タルクには、アスベストは含まれない。
タルクの粒子径は、レーザー回折・散乱法(JIS Z 8825:2013)で測定した場合、0.5〜30μm程度、好ましくは3.0〜15.0μm程度である。見掛け密度(JIS Z 2504:2012)は0.12〜0.40g/cm、好ましくは0.15〜0.35g/cmである。また、比表面積は、BET法(JIS Z 8830:2013)で、2.5〜40m/g程度、好ましくは5〜20m/g程度である。
商業的に入手可能なタルクとしては、ローズタルク、ミクロエースP−4、ミクロエースP−3、ミクロエースP−2、SG−95、及びMS−KY等(日本タルク株式会社);タルク粉CT−250、タルク粉CT−35、及びタルク粉EX−15等(株式会社ヤマグチマイカ);TALC JA−13R、TALC JA−24R、TALC JA−46R、TALC JA−68R、TALC JA−80R、TALC MMR、TALC SW−A、及びTALC SW−特等(浅田製粉株式会社);IMP 1886L Talc BC(株式会社伊那貿易商会);並びにLuzenac Pharma(株式会社GSIクレオス)等を挙げることができる。
本態様において、ベントナイトは、天然の特殊コロイド性粘土であり、コロイド性含水ケイ酸アルミニウムである。主成分は、モントモリロナイトであり約90%を占め、残り10%は、長石、硫酸カルシウム、バイデライト、炭酸カルシウム、石英、雲母及び炭酸マンガンなどからなるといわれる。
商業的に入手可能なベントナイトとしては、Veegum F、Veegum HV、及びVeegum R(R.T.Vanderbilt C. Inc., USA)、クニピアG、及びクニピアF(クニミネ工業株式会社)、BENTOLITE(ウイルバー・エリス)、ベントナイト利根印(関ベン鉱業株式会社)、ベンゲルFW、及びベンゲル(日本有機粘土株式会社)、並びにポーラゲルNF(株式会社ボルクレイ・ジャパン)等を挙げることができる。
本態様においてカオリンは、天然の含水ケイ酸アルミニウムAl・2SiO/2HOに相当する。
商業的に入手可能なカオリンとしては、2747 Kaolin USP BC(株式会社伊那貿易商会)、RF Amazonian White Clay (DKSHジャパン)、並びにホワイトクレイ、及びレッドクレイ(株式会社マツモト交商)等を挙げることができる。
硬度改善剤としてタルクを含む場合、本態様におけるタルクの含有量の下限値は、水分を除く硬質カプセルの皮膜成分合計を100重量%とした場合に、10重量%より大きく、好ましくは10.5重量%、より好ましくは11重量%である。タルクの含有量の上限値は、水分を除く硬質カプセルの皮膜成分合計を100重量%とした場合に、50重量%であり、好ましくは40重量%である。
より具体的な硬度改善剤としてタルクを含む硬質カプセルの組成の例は、水分を除く硬質カプセルの皮膜成分合計を100重量%とした場合に、タルクの含有量は上述の通りであり、基剤は、水分を除く硬質カプセルの皮膜成分合計を100重量%とした場合に、水分を除く成分の含有量合計の残部とすることができる。具体的には、基剤は45〜90重量%、好ましくは55〜85重量%、より好ましくは65〜80重量%である。基剤と硬質改善剤以外の成分を含む場合、ゲル化剤を0.025〜2.5重量%、好ましくは0.05〜2.3重量%、より好ましくは0.075〜2重量%、さらに好ましくは0.1〜1.8重量%を挙げることができる。基剤は45〜90重量%、好ましくは55〜85重量%、より好ましくは65〜80重量%;さらに塩化カリウムなどのゲル化補助剤を含む場合、その含有量として2.5重量%以下の範囲、好ましくは0.1〜2.3重量%、より好ましくは0.15%〜2重量%、さらに好ましくは0.2〜1.8重量%を挙げることができる。
また本態様の硬質カプセルのカプセル皮膜が可塑剤を含む場合、その含有量としては通常15重量%以下の範囲を挙げることができる。好ましくは13重量%以下、より好ましくは11重量%以下、さらに好ましくは8重量%以下の範囲である。また同様に滑沢剤、着色剤、遮光剤、金属封鎖剤、香料等を含む場合、その含有量は、それぞれ15重量%以下の範囲で適宜設定することができる。好ましくは13重量%以下、より好ましくは11重量%以下、さらに好ましくは8重量%以下の範囲である。
硬度改善剤としてベントナイトを含む場合、本態様におけるベントナイトの含有量の下限値は、水分を除く硬質カプセルの皮膜成分合計を100重量%とした場合に、0.5重量%より大きく、好ましくは0.75重量%であり、より好ましくは1重量%である。本態様におけるベントナイトの含有量の上限値は、水分を除く硬質カプセルの皮膜成分合計を100重量%とした場合に、10重量%未満であり、好ましくは8重量%である。
より具体的なベントナイトを硬度改善剤として含む硬質カプセルの組成の例は、水分を除く硬質カプセルの皮膜成分合計を100重量%とした場合に、ベントナイトの含有量は上述の通りであり、基剤は、水分を除く硬質カプセルの皮膜成分合計を100重量%とした場合に、水分を除く成分の含有量合計の残部とすることができる。具体的には、基剤は45〜99.9重量%、好ましくは55〜99重量%、より好ましくは60〜95重量%、さらに好ましくは65〜90重量%である。基剤と硬質改善剤以外の成分を含む場合、ゲル化剤を0.025〜2.5重量%、好ましくは0.05〜2.3重量%、より好ましくは0.075〜2重量%、さらに好ましくは0.1〜1.8重量%を挙げることができる。さらに塩化カリウムなどのゲル化補助剤を含む場合、その含有量として2.5重量%以下の範囲、好ましくは0.1〜2.3重量%、より好ましくは0.15%〜2重量%、さらに好ましくは0.2〜1.8重量%を挙げることができる。また本態様の硬質カプセルのカプセル皮膜が可塑剤を含む場合、その含有量としては通常15重量%以下の範囲を挙げることができる。好ましくは13重量%以下、より好ましくは11重量%以下、さらに好ましくは8重量%以下の範囲である。また同様に滑沢剤、着色剤、遮光剤、金属封鎖剤、香料等を含む場合、その含有量は、それぞれ15重量%以下の範囲で適宜設定することができる。好ましくは13重量%以下、より好ましくは11重量%以下、さらに好ましくは8重量%以下の範囲である。
硬度改善剤としてカオリン含む場合、本態様における上記硬度改善剤の含有量の下限値は、水分を除く硬質カプセルの皮膜成分合計を100重量%とした場合に、10重量%であり、好ましくは15重量%である。本態様における上記硬度改善剤の含有量の上限値は、水分を除く硬質カプセルの皮膜成分合計を100重量%とした場合に、50重量%であり、好ましくは40重量%であり、より好ましくは30重量%である。
より具体的なカオリンを硬度改善剤として含む硬質カプセルの組成は、水分を除く硬質カプセルの皮膜成分合計を100重量%とした場合に、カオリンの含有量は上述の通りであり、基剤は、水分を除く硬質カプセルの皮膜成分合計を100重量%とした場合に、水分を除く成分の含有量合計の残部とすることができる。具体的には、基剤は65〜90重量%、好ましくは70〜85重量%、より好ましくは75〜80重量%である。基剤と硬質改善剤以外の成分を含む場合、ゲル化剤を0.025〜2.5重量%、好ましくは0.05〜2.3重量%、より好ましくは0.075〜2重量%、さらに好ましくは0.1〜1.8重量%を挙げることができる。さらに塩化カリウムなどのゲル化補助剤を含む場合、その含有量として2.5重量%以下の範囲、好ましくは0.1〜2.3重量%、より好ましくは0.15%〜2重量%、さらに好ましくは0.2〜1.8重量%を挙げることができる。また本態様の硬質カプセルのカプセル皮膜が可塑剤を含む場合、その含有量としては通常15重量%以下の範囲を挙げることができる。好ましくは13重量%以下、より好ましくは11重量%以下、さらに好ましくは8重量%以下の範囲である。また同様に滑沢剤、着色剤、遮光剤、金属封鎖剤、香料等を含む場合、その含有量は、それぞれ15重量%以下の範囲で適宜設定することができる。好ましくは13重量%以下、より好ましくは11重量%以下、さらに好ましくは8重量%以下の範囲である。
ベントナイト、タルク及びカオリンは、2種、又は3種を組み合わせて使用してもよい。前記粘土鉱物を2種、又は3種を組み合わせて使用する場合、硬質カプセルに含有される粘土鉱物の含有量の合計量の下限値は、組み合わせる粘土鉱物の上述の含有量の下限値の中で最も低い値を採用することができる。また、前記粘土鉱物を2種、又は3種を組み合わせて使用する場合、硬質カプセルに含有される粘土鉱物の含有量の合計量の上限値は、組み合わせる粘土鉱物の上述の含有量の上限値の中で最も高い値を採用することができる。
なお、タルク、ベントナイト、及びカオリンは特定の結晶構造と層状構造有する粘土鉱物であるが、このような構造を有しない一般的な無機フィラー(金属酸化物等)を添加しても、本発明のような硬度改善効果は得られない。
(2)硬質カプセル調製液
本態様の硬質カプセルを調製するためのカプセル調製液は、溶媒と上記3.(1)で述べた成分を含む。溶媒は、水性溶媒である限り特に制限されない。溶媒として好ましくは水、エタノール、及びこれらの混合物、より好ましくは水である。
硬質カプセル調製液に含まれる上記成分の濃度は、調製後の硬質カプセルにおける各成分の含有量が、上記硬質カプセルにおける含有量となる限り制限されない。すなわち、調製液においては、調製液の溶媒を除く成分合計を100重量%としたときに、調製後の硬質カプセルにおける各成分の含有量が、上記硬質カプセルにおける含有量となる限り制限されない。例えば、カプセル調製液中の終濃度として下記の濃度を上げることができる。なお、終濃度とは最終的にできあがった溶液中の濃度、つまり実際にカプセルを調製する際に使用する溶液中の濃度を意味する。
カプセル調製液の組成は、硬度改善剤がタルクである場合、基剤は9〜18重量%、好ましくは11〜17重量%、より好ましくは13〜16重量%;タルクは2〜10重量%、好ましくは2.2〜8重量%である。基剤と硬質改善剤以外の成分を含む場合、ゲル化剤については、0.005〜0.5重量%、好ましくは0.01〜0.45重量%、より好ましくは0.015〜0.4重量%を挙げることができる。また、ゲル化補助剤を用いる場合は、その濃度として0.5重量%以下、0.02〜0.5重量%、好ましくは0.03〜0.40重量%、より好ましくは0.04〜0.35重量%を挙げることができる。滑沢剤、着色剤、遮光剤、金属封鎖剤、香料等を含む場合、その含有量は、それぞれ0.5重量%以下の範囲で適宜設定することができる。
硬度改善剤がベントナイトである場合、基剤は9〜20重量%、好ましくは11〜19.5重量%、より好ましくは12〜19重量%、さらに好ましくは13〜18重量%である;ベントナイトは0.02〜10重量%、好ましくは0.2〜6重量%である。基剤と硬質改善剤以外の成分を含む場合、ゲル化剤については、0.005〜0.5重量%、好ましくは0.01〜0.45重量%、より好ましくは0.015〜0.4重量%を挙げることができる。また、ゲル化補助剤を用いる場合は、その濃度として0.5重量%以下、0.02〜0.5重量%、好ましくは0.03〜0.40重量%、より好ましくは0.04〜0.35重量%を挙げることができる。滑沢剤、着色剤、遮光剤、金属封鎖剤、香料等を含む場合、その含有量は、それぞれ0.5重量%以下の範囲で適宜設定することができる。
硬度改善剤がカオリンである場合、基剤は13〜18重量%、好ましくは14〜17重量%、より好ましくは15〜16重量%;カオリンは2〜6重量%、好ましくは3〜4重量%である。基剤と硬質改善剤以外の成分を含む場合、ゲル化剤については、0.005〜0.5重量%、好ましくは0.01〜0.45重量%、より好ましくは0.015〜0.4重量%を挙げることができる。また、ゲル化補助剤を用いる場合は、その濃度として0.5重量%以下、0.02〜0.5重量%、好ましくは0.03〜0.40重量%、より好ましくは0.04〜0.35重量%を挙げることができる。
滑沢剤、着色剤、遮光剤、金属封鎖剤、香料等を含む場合、その含有量は、それぞれ0.5重量%以下の範囲で適宜設定することができる。
ベントナイト、タルク及びカオリンは、2種、又は3種を組み合わせて使用する場合、硬質カプセルに含有される粘土鉱物の含有量の合計量の下限値は、上記いずれかの粘土鉱物の含有量の下限値を最下限値とすることができる。また、硬質カプセルに含有される粘土鉱物の含有量の合計量上限値は、上記いずれかの粘土鉱物の含有量の上限値を最上限値とすることができる。
カプセル調製液の調製方法は、上記「1.用語の説明」で述べたとおりである。
(3)硬質カプセルの調製方法
硬質カプセルの調製方法は、上記「1.用語の説明」で述べたとおりである。また、本態様の硬質カプセルの調製方法は、硬質カプセルの硬度を改善する方法でもある。
以下に実施例を示して本発明をより具体的に説明する。しかし、本発明は、実施例に限定して解釈されるものではない。
1.実験例1:フィルム状のカプセル被膜の硬度の測定
硬質カプセルの硬度を評価する場合、カプセル皮膜の厚み、特に金属圧子を押し込むカプセル胴部の皮膜厚みによって測定値が変化する。硬度の評価は、被験皮膜の厚みをそろえて比較することが重要である。このため、硬質カプセルの各成分組成に依存する硬度の評価は、ディッピング法によって成形された硬質カプセルのかわりに、硬質カプセルの各成分組成と同一成分組成であるフィルムを硬質カプセル皮膜の成分組成毎にキャスト法により作成し、当該フィルムを用いて硬度の評価を行った。以下では、ディッピング法によって成形された硬質カプセルのかわりに、硬質カプセルの各成分組成と同一成分組成であるフィルムを作成して評価を行っているが、当該フィルムは、厚みの均一性に優れ評価の再現性に優れており、かつカプセル皮膜としての硬度改善効果をよく反映するものである。
1−1.カプセル調製液
1−1−1.HPMCを基剤とするカプセル調製液
以下の実施例においては、表3−1、表3−2、及び表3−3に示すように基剤となるHPMCは通常、置換度2910のうちの1種、又は2種類の分子量(ヒプロメロース粘度値300〜5000)を混合したものを用いた。後述の参考例で示す通り、カプセルフィルムの硬度はヒプロメロース粘度値には依存しない。実験に用いた置換度2910のヒプロメロースは、粘度値3、4.5、6、15については、Samsung(現Lotte)精密化学社製、AnyCoat-Cシリーズの各粘度グレード、信越化学社製、TC-5シリーズの各粘度グレードを適宜用いた。また、粘度値50に対しては、信越化学製METOLOSE、60SH-50を用いた。同等の粘度グレード値(粘度値)においては、ヒプロメロースの製造メーカーの違いによる硬度への影響は見られなかった。
本実施例においては、ヒプロメロース粘度値5000を用いても割れにくさが改善されない場合を好ましい硬度改善剤の添加量上限の目安とした。でんぷん分解物は、表3−1、表3−2、及び表3−3に示すDE値が4〜100のものを用いた。M100、M150、M200、M040は、GPC社のMARTRIN(登録商標)シリーズを用いた。Glucidex IT38、Glucidex IT33、Glucidex IT29、Glucidex IT21、Glucidex IT19、Glucidex 17Dは、ROQUETTE社のGlucidex(登録商標)シリーズを使用した。アミコールNo.10は、日澱化学株式会社のアミコール(登録商標)シリーズを用いた。パインデックス#2は、松谷化学工業株式会社のパインデックス(登録商標)シリーズを用いた。酸化チタンは石川産業株式会社(A100)を使用した。
粘土鉱物は、表4−1、及び表4−2に示すものを使用した。ベントナイトとして、KUNIPIA-F、VEEGUM F、VEEGUM HV、VEEGUM R、及びVEEGUM Kを使用した。KUNIPIA-Fは、クニミネ工業株式会社のクニピアシリーズを使用した。VEEGUM F、VEEGUM HV、VEEGUM R、及びVEEGUM KはR.T.Vanderbilt C. Inc.,(USA)を使用した。カオリンは、サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社(K-2-500)を使用した。タルクは、ミクロエースP-3(日本タルク株式会社)を使用した。κ−カラギーナンは、CP Kelco社(SWG-J)を使用した。
PVAは、日本合成化学工業株式会社のゴーセノール(登録商標)シリーズEG-18Pを使用した。
(1)組成
以下に示す水を除く硬質カプセルの皮膜成分(ヒドロキシプロピルメチルセルロース(粘度がでんぷん分解物又は粘土鉱物、ゲル化剤、ゲル化補助剤及び酸化チタン)の濃度は、溶媒を水としてこれに水を加えて100%としたときの重量%であり、水を除く硬質カプセルの皮膜成分濃度は、10〜25重量%の範囲で、所望の膜厚のキャストフィルムが得られるように適宜調整した。水分を除くカプセルの皮膜成分合計を100重量%とした場合の、各成分の含有量は、表3−1、表3−2、表3−3、表4−1、表4−2、表5、表6、及び表7に示す通りである。
(2)調製液の作成
純水にカラギーナン、及び塩化カリウムを投入し攪拌分散させ、80℃まで昇温後溶解した事を確認した。そしてでんぷん分解物、又は粘土鉱物を投入した。でんぷん分解物は溶解した事を確認し、粘土鉱物は分散した事を確認した。その後、酸化チタンを投入し攪拌して十分均一に分散させた。以降は液温を80℃に保持したままでHPMCを投入し分散させ30分静置し、真空脱泡で気泡を除去する。
続いてスリーワンモーターで攪拌しながら50℃〜60℃まで降温させスリーワンモーターで1時間攪拌しゼリー状のカプセル調製液を調製した。
1−1−2.PVAを基剤とするカフ゜セル調製液
室温にて純水にカラギーナン、塩化カリウム、PVA、でんぷん分解物を投入し、撹拌分散させ、80℃まで昇温後溶解したことを確認し、真空脱泡し55℃で一晩保温し気泡を除去し均一なカプセル調製液(浸漬液)を調製した。
また、室温にて純水をホモジナイザーで撹拌しながら、粘土鉱物を分散させ、カラギーナン、塩化カリウム、PVAを投入し、撹拌分散させ、80℃まで昇温後、真空脱泡し55℃で一晩保温し気泡を除去し均一なカプセル調製液(浸漬液)を調製した。
1−2.フィルムの形成方法
キャストフィルムは、室温に保持したガラス面上またはペットフィルム上に金属性のアプリケーターを設置し、50℃〜60℃のカプセル調製液を流しこみ一定速度で移動させ100μmの均一なフィルムを作成した。その後、ヒプロメロースの場合は、室温〜30℃で10時間程度、PVAの場合は、80℃で2時間程度の乾燥を行った。均一な100μmの膜厚を得るため、ギャップが0.4 mm〜1.5 mmのアプリケーターを適宜使い分けた。
1−3.硬度の評価
調製したフィルムは、10 mm × 50 mmの短冊状にカットした後、25℃、相対湿度43%(炭酸カリウム飽和水溶液)の条件の調湿下に一週間おき、調湿した後硬度を圧縮試験にて評価した。
硬度の評価は、オートグラフ(島津製作所AGS-J)に上記調湿したフィルムをアーチ状に湾曲させてホルダーにセットし(図1aに示すように、セットされたフィルムの幅は2 cmであり、セットされたフィルムの高さは2 cmである)、金属圧子でフィルムの頂部を5〜8 mm圧迫し(図2b)、フィルムの圧縮試験力のピーク(図2c)を求めた。圧縮速度は、例えば50 mm/minであり、金属製圧子の直径は9 mmである(図2b)。これにより、疑似的に硬カプセル胴部への圧縮試験力印加状態を再現した。
測定した各フィルムの圧縮応力を標準品(硬度改善剤以外の成分は試験品と同一成分であり、硬度改善剤の含有量分と同じ量の基剤を増量して作製したフィルム)の圧縮試験力の値と比較することにより硬度を評価した。標準品の圧縮試験力を100とした場合、110以上を「硬度改善」と評価した。また、110未満を「硬度改善無し」と評価した。表3−1、表3−2、表3−3、表4−1、表4−2、表5、表6、及び表7において、「○」は「硬度改善」を示し、「×」は「硬度改善なし」を意味する。なお、表3−1、表3−2、表3−3、表4−1、表4−2、表5、及び表6いずれの場合も、標準品の組成は同一である。このようにして、標準品を基準として相対比較したフィルムでの硬度改善効果は、カプセルにおいても同様に確認される。
1−4.割れやすさの評価
フィルムの割れやすさは、上記キャストフィルムを軽く折り曲げた時に亀裂が入るかどうかで判断した。当然そのような脆いフィルムでは、上記圧縮試験でアーチ状に曲げようとしただけで、あるいは、ごくわずかな圧縮試験力をかけただけで割れを生じるため、圧縮試験力の正確な測定は困難であった。
2.実験例:カプセル化したカプセル皮膜の硬度の測定
2−1.カプセルの成型方法
実験例1の「1−1.カプセル調製液」で調製したカプセル調製液を使用して、浸漬法の冷ゲル法によって2号サイズのヒプロメロース、又はPVAカプセルを成型した。
具体的には、45〜60℃に調整したカプセル調製液(浸漬液)に、室温付近のカプセル成型用ピンを浸漬した。次いで、これを浸漬液から引き上げて、室温条件下で20〜90秒間空冷して、ピンの外表面に付着したカプセル調製液(浸漬液)をゲル化させて皮膜を成型した。さらに室温で45〜90分間放置して皮膜を乾燥させた。成型されたカプセル皮膜をピンから引き抜き、所定の長さに切断した。その後に、キャップとボディを結合した状態で2次乾燥を行った。2次乾燥温度は30℃前後で、時間は30分とした。なお、PVAを主成分基材とするカプセルでは、ディッピング後の乾燥温度は、80〜150℃とした。
2−2.硬度の評価
調製したカプセルは、25℃、相対湿度43%(炭酸カリウム飽和水溶液)の条件の調湿下に一週間おき、調湿した後硬度を圧縮試験にて評価した。
カプセル硬度の評価は、オートグラフ(島津製作所AGS-J)に上記調湿したカプセルボディ部をセットし(図3a、b)、金属圧子で圧迫し(図3a)、圧縮の深さ3 mmにおける圧縮試験力の値を求めた。圧縮速度は、10 mm/minとした(図3a)。金属圧子によって圧縮されるカプセルの部位は、カプセルの断端から3.4〜7.9 mmの範囲とした。
2−3.実施例、比較例、及び参考例の硬度評価結果
(1)でんぷん分解物を含むフィルム
でんぷん分解物を硬度改善剤として含むフィルムの硬度の測定結果を、表3−1、表3−2、及び表3−3に示した。DE値が38〜13の範囲のでんぷん分解物を含有量が10〜30重量%の範囲となるように添加した場合、標準品よりもフィルムの硬度が改善されることが示された(実施例1−1〜実施例1−32)。一方、DE値が40以上のでんぷん分解物を単独でフィルムに添加しても硬度の改善は認められなかった(比較例1−1〜比較例1−3)。同様に、DE値が11以下のでんぷん分解物を単独でフィルムに添加しても硬度の改善は認められなかった(比較例1−4〜比較例1−9)。このことから、DE値が11より大きく40未満のでんぷん分解物に硬質カプセルのカプセル皮膜の強度を改善する作用があることが示された。一方、単糖類であるグルコースとDE値が6であるGlucidex IT6を組み合わせて算出DE値を29としてフィルムに加えた比較例1−10では、硬度の改善は認められなかった。これに対して、二糖類であるマルトース(DE値50)とDE値が6であるGlucidex IT6を組み合わせて算出DE値を29としたでんぷん分解物の混合物をフィルムに加えた実施例1−33では、硬度の改善が認められた。また、二糖類であるマルトース(DE値50)とDE値が6であるGlucidex IT6を組み合わせて算出DE値を13としたでんぷん分解物の混合物をフィルムに加えた実施例1−34でも、硬度の改善が認められた。この結果から、単糖類を添加すると、カプセル皮膜の硬度を改善することができないと考えられた。また、DE値が50のでんぷん分解物とDE値が6のでんぷん分解物は、それぞれ単独では硬度改善作用を有さないものの、算出DE値が11より大きく40未満となるように混合してカプセル被膜に添加することにより、硬質カプセルのカプセル皮膜の硬度を改善できることが示された。なお、表3の実施例においては、フィルムはすべて図2のように折り曲げても割れることなく硬度の評価が可能であった。
Figure 2018008660
Figure 2018008660
Figure 2018008660
(2)粘土鉱物を含むフィルム
粘土鉱物を硬度改善剤として含むフィルムの硬度の測定結果を、表4−1に示した。ベントナイトについては、KUNIPIA-Fの含有量が1〜8重量%の範囲において、フィルムの硬度が改善されることが示された(実施例2−1〜実施例2−12)。一方、ベントナイトの含有量が0.5重量%のフィルムでは、硬度の改善が認められなかった(比較例2−1)。カオリンについては、含有量が11〜40の範囲において、フィルムの硬度が改善された(実施例2−13〜実施例2−16)。一方、カオリンの含有量が8重量%以下の場合には、フィルムの硬度の改善は認められなかった(比較例2−3〜比較例2−5)。表4の実施例においては、フィルムはすべて図2のように折り曲げても割れることなく硬度の評価が可能であった。
さらに、粘土鉱物を過剰に添加すると、皮膜が割れやすくなる傾向が顕著であり、ベントナイトでは、10重量%以上、カオリン及びタルクでは、50重量%より多量に含有する場合には、特に割れやすく、硬度が困難となるほどであった。さらに、クエン酸カルシウム微粉、ケイ酸カルシウム(PS-10:富田製薬株式会社)、特軽質合成ケイ酸アルミニウム、軽質無水ケイ酸(AEROSIL(登録商標) 200FAD:日本アエロジェル株式会社)などの粘土鉱物ではない無機物フィラーを添加しても、フィルムの硬度は改善しなかった(表4−2)。
上記結果から、本発明の特定の粘土鉱物を所定量添加することにより、硬質カプセルのカプセル皮膜の硬度を改善できることが示された。
Figure 2018008660
Figure 2018008660
(3)でんぷん分解物、及び粘土鉱物を含むフィルム
でんぷん分解物、及び粘土鉱物を含むフィルムの硬度の測定結果を、表5に示した。実施例3−1及び実施例3−2共に硬度が改善していた。特に実施例3−2では、表4−1に示す実施例2−7よりも硬度が改善していた。この結果から、でんぷん分解物と粘土鉱物組み合わせてカプセル皮膜に添加することにより、硬質カプセルのカプセル皮膜の硬度をより改善できることが示された。なお、表5の実施例においては、フィルムはすべて図2のように折り曲げても割れることなく硬度の評価が可能であった。
Figure 2018008660
(4)PVAを基剤とするカプセルフィルムの評価
PVAを基剤とするカプセルフィルムにおいて、でんぷん分解物、又は粘土鉱物の硬度改善効果を評価した。表6の実施例4−1、及び実施例4−2に示すように、でんぷん分解物の添加により、フィルムの硬度が改善された。また、実施例4−3〜実施例4−5に示すように粘土鉱物を添加することにより、フィルムの硬度が改善された。この結果から、でんぷん分解物、及び粘土鉱物は、基剤としてPVAを使用した硬質カプセルのカプセル皮膜の硬度も改善できることが示された。なお、表6の実施例においては、フィルムはすべて図2のように折り曲げても割れることなく硬度の評価が可能であった。
Figure 2018008660
(5)参考例
でんぷん分解物、及び粘土鉱物以外の硬質カプセルの含有成分が、カプセルフィルムの硬度に影響を与えないことを参考例として表7に示した。参考例7〜12に示すようにヒプロメロースの粘度値の違いは皮膜の強度に影響しなかった。
また、通常、κ−カラギーナンは0.05〜0.5重量%、塩化カリウムは0.1〜1.5重量%の範囲で適宜調整される。参考例1〜5に示すように、また、ゲル化剤(カラギーナン)、ゲル化助剤(塩化カリウム)の有無もしくは濃度は、今回実施した実験の範囲内では、硬度に影響しなかった。また、酸化チタンの添加も0〜30重量%の範囲では、硬度に影響しなかった(参考例1、2、12〜14)。
なお、以上、すべての実施例のフィルムにおいて、フィルムの全重量に対する、相対湿度43%、25℃で1週間調湿後の乾燥減量法による含水率は、4〜7%の範囲にあった。
Figure 2018008660

Claims (28)

  1. 基剤と硬度改善剤とを含む皮膜からなる硬質カプセルであって、
    前記基剤が、セルロース化合物、ポリビニルアルコール、及びポリビニルアルコール共重合体からなる群から選択される少なくとも一種であり、前記硬度改善剤が、DE値が11より大きく40未満であるでんぷん分解物、及び算出DE値が11より大きく40未満となるように組み合わされた2種以上のでんぷん分解物からなる群から選択される少なくとも一種である、硬質カプセル(但し、前記2種以上のでんぷん分解物には単独でDE値が5以下のでんぷん分解物、及び単糖は含まれない)。
  2. 硬度改善剤が2種以上のでんぷん分解物であって、2種以上のでんぷん分解物が、DP値が5より大きく、かつ50以下であるでんぷん分解物から選択される、請求項1に記載の硬質カプセル。
  3. 水分を除く硬質カプセルの皮膜成分合計を100重量%とした場合に硬質カプセルに含まれる硬度改善剤の含有量が、10〜30重量%である、請求項1、又は請求項2に記載の硬質カプセル。
  4. さらに、ゲル化剤、又はゲル化剤及びゲル化補助剤を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬質カプセル。
  5. ゲル化剤がκ−カラギーナンであり、ゲル化補助剤が塩化カリウムである、請求項4に記載の硬質カプセル。
  6. さらに、可塑剤、及び/又は遮光剤を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の硬質カプセル。
  7. 硬質カプセルが、さらに、ベントナイト、タルク及びカオリンからなる群から選択される少なくとも一種を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の硬質カプセル。
  8. 基剤と硬度改善剤とを含む硬質カプセル調製液であって、
    前記基剤が、セルロース化合物、ポリビニルアルコール、及びポリビニルアルコール共重合体からなる群から選択される少なくとも一種であり、前記硬度改善剤が、DE値が11より大きく40未満であるでんぷん分解物、及び算出DE値が11より大きく40未満となるように組み合わされた2種以上のでんぷん分解物からなる群から選択される少なくとも一種である、
    硬質カプセル調製液(但し、前記2種以上のでんぷん分解物には単独でDE値が5以下のでんぷん分解物、及び単糖は含まれない)。
  9. 硬度改善剤が2種以上のでんぷん分解物であって、2種以上のでんぷん分解物が、DP値が5より大きく、かつ50以下であるでんぷん分解物から選択される、請求項8に記載の硬質カプセル調製液。
  10. 調製液の溶媒を除く成分合計を100重量%とした場合に硬質カプセルに含まれる硬度改善剤の含有量が、10〜30重量%である、請求項8、又は請求項9に記載の硬質カプセル調製液。
  11. さらに、ゲル化剤、又はゲル化剤及びゲル化補助剤を含む、請求項8〜10のいずれか一項に記載の硬質カプセル調製液。
  12. ゲル化剤がκ−カラギーナンであり、ゲル化補助剤が塩化カリウムである、請求項11に記載の硬質カプセル調製液。
  13. さらに、可塑剤、及び/又は遮光剤を含む、請求項8〜12のいずれか一項に記載の硬質カプセル調製液。
  14. 硬質カプセルが、さらに、ベントナイト、タルク及びカオリンからなる群から選択される少なくとも一種を含む、請求項8〜13のいずれか一項に記載の硬質カプセル調製液。
  15. 下記工程を含む硬質カプセルの調製方法:
    前記請求項8〜14のいずれか一項に記載の硬質カプセル調製液を使用して、硬質カプセルを調製する工程。
  16. 前記硬質カプセルの調製方法が、冷ゲル法である請求項15に記載の硬質カプセルの調製方法。
  17. 前記硬質カプセルの調製方法が、硬質カプセルの硬度を改善するためのものである、請求項15、又は請求項16に記載の硬質カプセルの調製方法。
  18. 基剤と硬度改善剤とを含む皮膜からなる硬質カプセルであって、
    (i)前記基剤が、セルロース化合物、ポリビニルアルコール、及びポリビニルアルコール共重合体からなる群から選択される少なくとも一種であり、前記硬度改善剤がタルク、ベントナイト、及びカオリンからなる群から選択される少なくとも一種であって、
    水分を除く硬質カプセルの皮膜成分合計を100重量%とした場合に硬質カプセルに含まれるタルクの含有量が、10重量%より大きく、かつ50重量%以下であり、
    水分を除く硬質カプセルの皮膜成分合計を100重量%とした場合に硬質カプセルに含まれるベントナイトの含有量が、0.5重量%より大きく、かつ10重量%未満であり、及び
    水分を除く硬質カプセルの皮膜成分合計を100重量%とした場合に硬質カプセルに含まれるカオリンの含有量が、10重量%以上、かつ50重量%以下である
    硬質カプセル。
  19. さらに、ゲル化剤、又はゲル化剤とゲル化補助剤を含む、請求項18に記載の硬質カプセル。
  20. ゲル化剤がκ−カラギーナンであり、ゲル化補助剤が塩化カリウムである、請求項19に記載の硬質カプセル。
  21. さらに、可塑剤、及び/又は遮光剤を含む、請求項18〜20のいずれか一項に記載の硬質カプセル。
  22. 基剤と硬度改善剤とを含む硬質カプセル調製液であって、
    (i)前記基剤が、セルロース化合物、ポリビニルアルコール、及びポリビニルアルコール共重合体からなる群から選択される少なくとも一種であり、前記硬度改善剤がタルク、ベントナイト、及びカオリンからなる群から選択される少なくとも一種であって、
    調製液の溶媒を除く成分合計を100重量%とした場合に硬質カプセルに含まれるタルクの含有量が、10重量%より大きく、かつ50重量%以下であり、調製液の溶媒を除く成分合計を100重量%とした場合に硬質カプセルに含まれるベントナイトの含有量が、0.5重量%より大きく、かつ10重量%未満であり、及び
    調製液の溶媒を除く成分合計を100重量%とした場合に硬質カプセルに含まれるカオリンの含有量が、10重量%以上、かつ50重量%以下である
    硬質カプセル調製液。
  23. さらに、ゲル化剤、又はゲル化剤及びゲル化補助剤を含む、請求項22に記載の硬質カプセル調製液。
  24. ゲル化剤がκ−カラギーナンであり、ゲル化補助剤が塩化カリウムである、請求項23に記載の硬質カプセル調製液。
  25. さらに、可塑剤、及び/又は遮光剤を含む、請求項22〜24のいずれか一項に記載の硬質カプセル調製液。
  26. 下記工程を含む硬質カプセルの調製方法:
    請求項22〜25のいずれか一項に記載の硬質カプセル調製液を使用して、硬質カプセルを調製する工程。
  27. 前記硬質カプセルの調製方法が、冷ゲル法である請求項26に記載の硬質カプセルの調製方法。
  28. 前記硬質カプセルの調製方法が、硬質カプセルの硬度を改善するためのものである、請求項26、又は請求項27に記載の硬質カプセルの調製方法。
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