JP5289429B2 - 硬質カプセル剤 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリビニルアルコール共重合体をカプセルフィルム成分とする硬質カプセルの改良に関する。より詳細には、本発明は、当該硬質カプセルのカプセルフィルム(皮膜)の破断伸びを向上させることによって、耐割れ性や耐衝撃性を向上させた硬質カプセル、およびその調製方法に関する。さらに本発明は、当該硬質カプセルに医薬品や食品などの内容物が充填されてなる硬質カプセル剤およびその調製方法に関する。
医薬品や食品などの固形製剤の一つとして硬質カプセル剤がある。このものは、通常ゼラチン皮膜で形成された互いに一端の開いた帽状容体の内部に粉末、顆粒または液状(油状)の医薬成分または食品成分を所定量充填した後、それら容体を同軸的に結合して完成される。かかる硬質ゼラチンカプセル剤は、製剤化のしやすさと医薬成分や食品成分の矯味および/または矯臭作用による服用のし易さから汎用されている製剤である。
しかし、当該硬質ゼラチンカプセル剤に使用されるゼラチンフィルム(皮膜)は、それに含まれる水分が少なくなると極端にその機械的強度が低下するといった欠点を有している。具体的には、硬質ゼラチンカプセル剤は、皮膜中に通常13〜15%程度の水分を保有しているが、これが10%以下になると皮膜の柔軟性が低下して極めて脆くなる。このため、吸水性を有していたり水反応性を有する薬剤や食品など、保存条件として低水分環境が求められる内容物を充填した場合に、ひび、割れまたは欠けなど、カプセルフィルム(皮膜)に損傷を生じることがある。かかる問題を解消するための方策として、基材に水溶性セルロース誘導体、特にヒドロキシプロピルメチルセルロース(以下、「HPMC」という)を用いたカプセル(特許文献1)が提案されている。しかし、HPMCに平均分子量が200〜600の低分子量ポリエチレングリコール(以下、「低分子量PEG」という)を充填すると低分子量PEGがカプセルフィルム(皮膜)を通過して漏れ出してしまうことが観察されることが指摘されており(特許文献2参照)、低分子量PEGやこれを含む組成物は内容物としては適用することができない。また、HPMCを用いたカプセルフィルムは水蒸気や酸素が透過しやすいため、内容物が劣化することも指摘されている(特許文献2参照)。
このため、低水分下でも良好な皮膜強度を確実に維持することができ、また低分子量PEGやそのグリセリン脂肪酸エステルおよび中鎖脂肪酸トリグリセリドなどの油脂類も不都合なく充填することができ、かつ水蒸気や酸素の透過もなく、水反応性物質や被酸化性物質の充填にも好適に適用することができる硬質カプセルとして、ポリビニルアルコールやその共重合体が提案されている(特許文献2〜4など参照)。
特開平3−279325号公報 特開2001−170137号公報 米国特許公報(US7045184B2) 国際公開公報(WO02/017848)
本発明は、かかるポリビニルアルコール共重合体をフィルム成分とする硬質カプセルについて、カプセルフィルム(皮膜)の所定の最大応力を保持しつつも破断伸び性を向上することによって、割れ耐性や衝撃耐性が強化された硬質カプセルを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために日夜鋭意検討していたところ、カプセルのフィルム成分として、ポリビニルアルコール共重合体(以下、「PVA共重合体」という)とポリビニルアルコール(以下、「PVA」という)とを併用することにより、またこれにさらに酢酸や酒石酸などの有機酸またはその塩を併用することによって、硬質カプセルに求められる所定の最大応力を保持しながらも、カプセルフィルムの破断伸びが向上することを見出し、その結果、より一層、割れにくく衝撃に強い硬質カプセルが調製できることを確認した。
本発明はかかる知見に基づいて完成されたものであり、下記の態様を含むものである。
(I)硬質カプセルおよびその製造方法
(I-1)PVA共重合体およびPVAを含有するフィルムからなる硬質カプセル。
(I-2)フィルムに含まれるPVA共重合体とPVAとの重量比が100:1〜1:100、好ましくは99:1〜1:99である、(I-1)に記載する硬質カプセル。
(I-3)フィルムに含まれるPVA共重合体とPVAとの重量比が90:10〜1:100、好ましくは90:10〜1:99である、(I-1)に記載する硬質カプセル。
(I-4)フィルムに含まれるPVA共重合体とPVAとの重量比が50:50〜1:100、好ましくは50:50〜1:99である、(I-1)に記載する硬質カプセル。
(I-5)カプセルフィルムの成分として、さらに、有機酸およびその塩からなる群から選択される少なくとも1種を含有する(I-1)乃至(I-4)のいずれかに記載する硬質カプセル。
(I-6)上記有機酸が酢酸または酒石酸である、(I-5)に記載する硬質カプセル。
(I-7)上記有機酸の塩が、有機酸のアルカリ金属塩である(I-5)または(I-6)に記載する硬質カプセル。
(I-8)PVA共重合体およびPVAに加えて、さらにゲル化剤を含有する(I-1)乃至(I-8)のいずれかに記載する硬質カプセル。
(I-9)さらにゲル化補助剤を含有する(I-8)に記載する硬質カプセル。
(I-10)フィルムの水分量が3〜5%であり、破断伸びが5〜20mmであることを特徴とする(I-1)乃至(I-9)のいずれかに記載する硬質カプセル。
(I-11)PVA共重合体およびPVAを含有するカプセル調製液に、カプセル成型用ピンを浸漬して引き上げ、当該成型用ピンに付着した上記カプセル調製液をゲル化、乾燥させ、これを成型ピンから脱離回収して硬質カプセルを得ることを特徴とする、(I-1)乃至(I-10)のいずれかに記載する硬質カプセルの製造方法。
(II)硬質カプセル剤
(II-1)(I-1)乃至(I-10)のいずれかに記載する硬質カプセルに、ポリエチレングリコールまたはポリエチレングリコールを含む組成物が充填されてなる、硬質カプセル剤。
(II-2)上記ポリエチレングリコールが、平均分子量200〜600の低分子量ポリエチレングリコールである、(II-1)記載の硬質カプセル剤。
(II-3)ボディ部とキャップ部の嵌合部が、PVA共重合体、PVAまたはこれらの混合物を含有するバンドシールで封緘されてなることを特徴とする、(II-1)または(II-2)に記載する硬質カプセル剤。
(II-4)バンドシールが更にソルビトールを含有するものである、(II-3)に記載する硬質カプセル剤。
(II-5)(I-1)乃至(I-10)のいずれかに記載する硬質カプセル内に内容物を充填した後、キャップ部とボディ部を嵌合し、形成された嵌合部に、PVA共重合体、PVAまたはこれらの混合物を含有するバンドシール調製液を塗布し、乾燥して封緘することを特徴とする硬質カプセル剤の調製方法。
(II-6)上記バンドシール調製液がさらにソルビトールを含有するものである、(II-5)に記載する調製方法。
(II-7)上記内容物がポリエチレングリコールまたはポリエチレングリコールを含む組成物である、(II-5)または(II-6)に記載する調製方法。
(III)カプセルフィルムの破断伸び向上方法
(III-1)PVA共重合体を含有するカプセルフィルムの破断伸び向上方法であって、フィルム成分としてPVA共重合体とPVAとを併用することを特徴とする方法。
(III-2)上記カプセルフィルムに配合する、PVA共重合体とPVAとの重量比が、100:1〜1:100、好ましくは99:1〜1:99である、(III-1)に記載するカプセルフィルムの破断伸び向上方法。
(III-3)上記カプセルフィルムに配合する、PVA共重合体とPVAとの重量比が、90:10〜1:100、好ましくは90:10〜1:99である、(III-1)に記載するカプセルフィルムの破断伸び向上方法。
(III-4)上記カプセルフィルムに配合する、PVA共重合体とPVAとの重量比が、50:50〜1:100、好ましくは50:50〜1:99である、(III-1)に記載するカプセルフィルムの破断伸び向上方法。
(III-5)フィルム成分としてさらに有機酸およびその塩からなる群から選択される少なくとも1種を併用することを特徴とする、(III-1)乃至(III-4)のいずれかに記載するカプセルフィルムの破断伸び向上方法。
(III-6)上記有機酸が酢酸または酒石酸である、(III-5)に記載する硬質カプセル。
(III-7)上記有機酸の塩が、有機酸のアルカリ金属塩である(III-5)または(III-6)に記載する硬質カプセル。
本発明の硬質カプセルは、フィルム成分としてPVA共重合体とPVAとを併用することによって、PVAを用いないでPVA共重合体を用いて調製したカプセルフィルム(皮膜)に比して、ほぼ同じ最大応力を備えながらも、破断伸びが向上し、その結果、低水分下でも、ひびや割れがより一層生じにくくなった硬質カプセルである(耐割れ性の向上)。耐割れ性が向上することによって、(1)カプセル製造時において、割れや欠けなどの不良品の発生が減少し、生産効率が改善する、(2)カプセル輸送時において、衝撃や振動などの物理的負荷によるカプセルの割れが減少する、および(3)充填機や外観検査機などの製剤機械を原因とする物理的負荷によるカプセルの割れが減少するといった利点がある。また、これに内容物を充填したカプセル剤においても(i)輸送時の衝撃や振動などの物理的負荷によるカプセルの割れが減少する、(ii)PTP包装されたカプセル剤を指などで押し出して取り出す際の物理的負荷によるカプセルの割れが減少するといった利点がある。
また、本発明の硬質カプセルは、従来のPVAやPVA共重合体を用いて調製される硬質カプセル(特許文献2〜4参照)と同じく、低分子量PEGやグリセリン脂肪酸エステルおよび中鎖脂肪酸トリグリセリドなどの油脂類も不都合なく充填することができ、かつ水蒸気や酸素の透過もなく、水反応性物質は被酸化性物質の充填にも好適に適用することができる。
I.硬質カプセルおよびその調製方法
本発明の硬質カプセルは、硬質カプセル皮膜(カプセルフィルム)を形成する成分としてポリビニルアルコール(PVA)とポリビニルアルコール共重合体(PVA共重合体)とを併用することを特徴とする。
PVAは、ポリ酢酸ビニルをけん化して得られる重合物であり、通常、けん化度が97mol%以上で下式(1)で表される完全けん化物と、けん化度が78〜96mol%で下記式(2)で表される部分けん化物とがある。本発明では、上記完全けん化物及び部分けん化物のいずれも使用することができ、特に制限されるものではないが、けん化度78〜96mol%、特に86〜90mol%程度の部分けん化物が好ましく用いられる。
Figure 0005289429
Figure 0005289429
PVAの重合度(n)は、フィルム形成能を発揮し得る範囲であればよく、特に制限されるものではないが、通常は400〜3300、特に400〜2000程度であることが好ましい。なお、上記重合度とけん化度から、かかるPVAの重量平均分子量を算出すると約18000〜約175000になるが、特にこれに制限されるものではない。
PVA共重合体としては、前述するPVAまたはその誘導体に重合性ビニル単量体を共重合させて得られるPVA共重合体を挙げることができる。ここでPVAの誘導体としては、アミン変性PVA,エチレン変性PVA、末端にチオール基を有するPVA(末端チオール変性PVA)などの公知のPVA誘導体を挙げることができる。好ましくは末端チオール変性PVAである。
重合性ビニル単量体としては、(1)アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸;(2)上記(1)記載の化合物のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩またはアルキルアミン塩;(3)メチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルメタクリレート、エチルアクリレート、ブチルメタクリレート、ブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルアクリルレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリルレート、アクリロニトリル、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ポリエチレングリコールとメタクリル酸とのエステル、ポリエチレングリコールとアクリル酸とのエステル、ポリプロピレングリコールとメタクリル酸とのエステル、ポリプロピレングリコールとアクリル酸とのエステル、N−ビニルピロリドン、またはアクリロイルモルホリン;(4)下式で示される化合物:
Figure 0005289429
を挙げることができる。重合性ビニル単量体として、好ましくは、(1)および(2)からなる群から選択される少なくとも1種の化合物と(3) からなる群から選択される少なくとも1種の化合物とを組み合わせて使用される。特に好ましくは、アクリル酸またはメタクリル酸とメチルメタクリレートとの組み合わせ使用である。
PVA共重合体として好ましくは、前述する部分けん化PVAを骨格として、アクリル酸とメチルメタクリレートを共重合化した高分子共重合体である。かかる高分子共重合体として、具体的には、後述する実験例および実施例で使用するポバコート(POVACOAT(登録商標)Type F, Type R,およびType L(大同化成社製)を例示することができる。
本発明の硬質カプセル中のPVA共重合体とPVAとの配合割合は、通常PVA共重合体:PVA=100:1〜1:100(重量比、以下同じ)である。好ましくは99:1〜1:99、より好ましくは90:10〜1:99、さらに好ましくは80:20〜1:99である。また実験例2および3に示すように、PVA共重合体とPVAとの割合が50:50〜1:100、好ましくは50:50〜1:99である場合、カプセル調製液の粘度(52℃)が約1500Pa・s以下に、またPVA共重合体とPVAとの割合が40:60〜1:100、好ましくは40:60〜1:99である場合、カプセル調製液の粘度(52℃)が約1350Pa・s以下に低減し、これに伴い、硬質カプセルの生産収率(%)も90%以上に向上する。
本発明で用いる硬質カプセル(カプセルフィルム)中に含まれる上記PVA共重合体とPVA(総量)の割合は、特に制限されないが、水分を除いたカプセルフィルムの重量を100重量%とした場合、通常70〜99.9重量%、好ましくは80〜99.7重量%、より好ましくは90〜99.5重量%の割合を挙げることができる。
本発明の硬質カプセル(カプセルフィルム)には、上記PVA共重合体およびPVAに加えて、有機酸およびその塩からなる群から選択される少なくとも1種を配合することもできる。ここで有機酸塩としては、制限されないが、酢酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、琥珀酸および蓚酸などの可食性の有機酸またはそれらのアルカリ金属塩、特にナトリウム塩およびカリウム塩を挙げることができる。好ましくは、酢酸および酒石酸またはこれらのナトリウム塩およびカリウム塩であり、より好ましくは酢酸ナトリウムおよび酒石酸ナトリウムである。なお、これらは一種単独で使用してもよいし、また二種以上を任意に組み合わせて使用することもできる。
これらの有機酸および/またはその塩は、制限されないが、通常、硬質カプセル中に含まれるPVA共重合体とPVAならびに有機酸および/またはその塩の総量100重量%中に、有機酸および/またはその塩(総量)が、有機酸の割合に換算して、0.1〜19重量%、好ましくは0.15〜8重量%含まれるような割合で使用される。より好ましくは0.2〜3重量%、特に好ましくは0.5〜1重量%の割合である。
また本発明で用いる硬質カプセル(カプセルフィルム)には、上記成分に加えて、ゲル化剤を配合することもできる。ここで用いられるゲル化剤としては、カラギーナン、タマリンド種子多糖、ペクチン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、カードラン、ゼラチン、ファーセレラン、寒天、およびジェランガムなどを例示することができる。これらは1種単独で使用しても、2種以上を任意に組み合わせて使用することもできる。
上記ゲル化剤のなかでもカラギーナンは、ゲル強度が高く、しかも特定イオンとの共存下で少量の使用で優れたゲル化性を示すことから最適なゲル化剤である。なお、カラギーナンには、一般にカッパ−カラギーナン、イオタ−カラギーナンおよびラムダ−カラギーナンの3種が知られている。本発明では、ゲル化能を有するカッパおよびイオタ−カラギーナンを好適に使用することができる。またペクチンはエステル化度の違いでLMペクチンとHMペクチンとに分類でき、ジェランガムもアシル化の有無によってアシル化ジェランガム(ネイティブジェランガム)と脱アシル化ジェランガムに分類することができるが、本発明ではいずれも区別することなく使用することができる。
本発明の硬質カプセル(カプセルフィルム)には、使用するゲル化剤の種類に応じてゲル化補助剤を使用することもできる。ゲル化剤としてカラギーナンを使用する場合に組み合わせて用いることができるゲル化補助剤としては、カッパ−カラギーナンについては水中でカリウムイオン、アンモニウムイオンおよびカルシウムイオンの1種又は2種以上を与えることのできる化合物、例えば塩化カリウム、リン酸カリウム、塩化アンモニウム、酢酸アンモニウム、塩化カルシウムを挙げることができる。またイオタ−カラギーナンについては水中でカルシウムイオンを与えることのできる、例えば塩化カルシウムを挙げることができる。またゲル化剤としてジェランガムを使用する場合に組み合わせて用いることができるゲル化補助剤としては、水中でナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオンおよびマグネシウムイオンの1種又は2種以上を与えることのできる化合物、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウムを挙げることができる。
併用するゲル化剤として、好ましくは、カラギーナン、タマリンド種子多糖、キサンタンガム、ローカストビーンガム、およびジェランガムであり、特に好ましくはカラギーナンである。またこれを併用するゲル化補助剤としては、塩化カリウムを好適に例示することができる。
なお、本発明で用いる硬質カプセル(カプセルフィルム)が上記ゲル化剤を含む場合、その含有量としては、水分を除いたカプセルフィルムの重量を100重量%とした場合、0.05〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%、より好ましくは0.2〜2.5重量%、さらに好ましくは0.3〜2重量%を挙げることができる。さらに塩化カリウムなどのゲル化補助剤を含む場合、その含有量として2.2重量%以下の範囲、好ましくは0.1〜1.5重量%、より好ましくは0.2〜1重量%、さらに好ましくは0.3〜0.8重量%を挙げることができる。
なお、硬質カプセル(カプセルフィルム)には、上記成分(PVA共重合体およびポリビニルアルコール、必要に応じて有機酸および/またはその塩、およびゲル化剤やゲル化補助剤)に加えて、必要に応じて、可塑剤、金属封鎖剤、不透明化剤、着色料または香料などを配合することもできる。
ここで可塑剤としては、医薬品または食品に使用できるものであれば特に制限されないが、例えば、アジピン酸ジオクチル,アジピン酸ポリエステル,エポキシ化ダイズ油,エポキシヘキサヒドロフタル酸ジエステル,カオリン,クエン酸トリエチル,グリセリン,グリセリン脂肪酸エステル,ゴマ油,ジメチルポリシロキサン・二酸化ケイ素混合物,D-ソルビトール,中鎖脂肪酸トリグリセリド,トウモロコシデンプン由来糖アルコール液,トリアセチン,濃グリセリン,ヒマシ油,フィトステロール,フタル酸ジエチル,フタル酸ジオクチル,フタル酸ジブチル,ブチルフタリルブチルグリコレート,プロピレングリコール,ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール,ポリソルベート80,ポリエチレングリコール1500,ポリエチレングリコール400,ポリエチレングリコール4000,ポリエチレングリコール600,ポリエチレングリコール6000,ミリスチン酸イソプロピル,綿実油・ダイズ油混合物,モノステアリン酸グリセリン,リノール酸イソプロピルなどを挙げることができる。なお、可塑剤を用いる場合、本発明で用いる硬質カプセル(カプセルフィルム)中の含有量として、水分を除いたカプセルフィルムの重量を100重量%とした場合、通常15重量%以下の範囲を挙げることができる。好ましくは13重量%以下、より好ましくは11重量%以下、さらに好ましくは8重量%以下の範囲である。
金属封鎖剤としては、エチレンジアミン四酢酸、酢酸、ホウ酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、リン酸、酒石酸、またはこれらの塩、メタホスフェート、ジヒドロキシエチルグリシン、レシチン、β−シクロデキストリン、またはこれらの組み合わせを挙げることができる。
また不透明化剤および香料としては、医薬品または食品に使用できるものであれば特に制限されない。
本発明で用いる硬質カプセルは、定法の浸漬法を利用して製造することができる、具体的には前述する成分を含有する水溶液(ここでは、以下「カプセル調製液」という)を浸漬液とし、これにカプセル成型用ピンを浸漬し、次いで引き上げてカプセル成型用ピンの外表面に形成されたカプセル調製液からなる皮膜を冷却してゲル化させ、次いで乾燥させる工程を経て製造することができる。
カプセル調製液中に含まれる上記各成分の濃度は、前述するカプセルフィルム中の各成分の割合に従って適宜調整することができる。具体的には、PVA共重合体とPVAの総量については、5〜30重量%、好ましくは10〜28重量%、より好ましくは16〜24重量%を挙げることができる。また有機酸および/またはその塩については、有機酸の割合に換算して、0.02〜3.8重量%、好ましくは0.04〜1.6重量%、より好ましくは0.04〜0.2重量%を挙げることができる。
またゲル化剤を用いる場合、そのカプセル調製液中の濃度として0.01〜2重量%、好ましくは0.02〜1重量%、より好ましくは0.03〜0.5重量%を挙げることができる。また、ゲル化補助剤を用いる場合は、そのカプセル調製液中の濃度として0.01〜0.5重量%、好ましくは0.02〜0.3重量%、より好ましくは0.03〜0.2重量%を挙げることができる。
カプセル調製液中に含まれる溶媒(水)の量は、制限されないが、カプセル成型用ピンの浸漬時に採用される温度(浸漬液の温度)条件下(30〜80℃、好ましくは40〜60℃)で、カプセル調製液の粘度が100〜20000mPa・s、好ましくは300〜10000mPa・sとなるような割合を挙げることができる。好ましくは、52℃の温度条件でのカプセル調製液の粘度が300〜3600mPa・s、より好ましくは500〜3100mPa・s、さらに好ましくは500〜2600mPa・s、よりさらに好ましくは500〜2000mPa・s、特に好ましくは500〜1500mPa・sとなるような割合である。
なお、本発明で規定する粘度は、B型回転粘度計で、粘度500mPa・s未満の場合はローター番号2、粘度500mPa・s以上2000mPa・s未満の場合はローター番号3、粘度2000mPa・s以上の場合はローター番号4を用いて、所定温度で、回転数60rpm、測定時間1分の条件で測定した場合の粘度を意味する(以下、同じ)。
通常、溶媒含有量として60〜90重量%、好ましくは70〜85重量%を挙げることができる。
カプセル調製液(浸漬液)の調製において、上記各成分の溶解順序に制限はなく、上記必須成分(PVAおよびPVA共重合体)を先に溶解しても、またゲル化剤およびゲル化補助剤を先に溶解しても、さらにこれらを同時に溶解してもよい。また溶解温度も、通常60℃以上とすることが各成分の溶解性などから好ましいが、特に制限されるものではない。カプセル調製液は、減圧脱泡、超音波脱泡、あるいは静置により微細な泡を取り除き、50〜60℃に保温した状態で、浸漬法によるカプセル成型に供することが好ましい。
本発明の硬質カプセルは、かくして調製されるカプセル調製液(浸漬液)にカプセル成型用ピンを浸漬した後、これを引き上げ、カプセル成型用ピンに付着した溶液をゲル化させ、その後、ゲル化した皮膜を20〜80℃程度の温度で乾燥することによって製造される。具体的には、本発明で用いる硬質カプセルは下記の工程を経て製造することができる。
(1)PVA共重合体とPVA(また必要に応じて、有機酸および/またはその塩、またはゲル化剤やゲル化補助剤)を含有するカプセル調製液(浸漬液)に、カプセル成型用ピンを浸漬する工程(浸漬工程)、
(2)カプセル調製液(浸漬液)からカプセル成型用ピンを引き上げて、当該ピンの外表面に付着したカプセル調製液をゲル化する工程(ゲル化工程)、
(3)カプセル成型用ピンの外表面に被覆形成されたゲル化カプセルフィルム(ゲル化皮膜)を乾燥する工程(乾燥工程)、
(4)乾燥したカプセルフィルム(皮膜)をカプセル成型用ピンから脱離する工程(脱離工程)。
なお、上記の(2)ゲル化工程は、用いるゲル化剤の特性に応じて加熱または冷却することによって行うことができる。例えば、カプセル調製液(浸漬液)として、ゲル化剤としてカラギーナンを配合した溶液を用いる場合は、当該溶液が50℃以下の温度でゲル化することを利用して、カプセル製造機周辺の温度を通常35℃以下、好ましくは30℃以下、好ましくは室温下に設定して、上記ゲル化工程(2)をカプセル成型用ピンの外表面に付着したカプセル調製溶液を放冷することによって行うことができる(冷ゲル法)。具体的には、浸漬工程(1)において、35〜60℃、好ましくは40〜60℃の一定温度に調整したカプセル調製溶液(浸漬液)に、その液温に応じて10〜30℃、好ましくは13〜28℃、より好ましくは15〜25℃に調整したカプセル成型用ピンを浸漬し、次いでゲル化工程(2)において、カプセル調製溶液(浸漬液)からカプセル成型用ピンを引き上げて、当該ピンの外表面に付着したカプセル調製溶液をゲル化する。
乾燥工程(3)は20〜80℃程度の温度で行うことができる。好ましくは60℃の空気を送風することによって行なわれる。脱離工程(4)は、カプセル成型用ピン表面に形成された乾燥カプセルフィルムをカプセル成型用ピンから抜き出すことによって行われる。
斯くして調製されるカプセルフィルムは、所定の長さに切断調整された後、ボディ部とキャップ部を一対に嵌合した状態または嵌合しない状態で、硬質カプセルとして提供することができる。また、予め食用油等を剥離剤として成型ピンに塗布しておくことにより、得られたカプセル(ボディ部とキャップ部)の離型性が向上して、得られた硬質カプセルの剥離回収を容易することができる。
斯くして得られる本発明の硬質カプセルは、PVAとPVA共重合体とを併用しないで調製した硬質カプセルに比して破断伸びが大きいことを特徴とする。硬質カプセルとして、通常5〜20mmの範囲の破断伸びが要求されるが、かかる破断伸びは最大応力が70〜130Nの範囲で、大きければ大きいほど望ましい。好ましくは8〜20mm、より好ましくは8.5〜20mmであり、さらに好ましくは9〜20mmであり、よりさらに好ましくは9.5〜20mmである。また最大応力は、上記範囲であれば特に制限されないが、好ましくは75〜130N、より好ましくは80〜130Nである。
なお、本発明において最大応力(N)および破断伸び(mm)は、オートグラフAGS−J(島津製作所製)を用いて、引張速度150mm/min、チャック間距離20mm、引張距離20mm、23℃、相対湿度40%の環境下で行う、引張試験によって求めることができる。最大応力は、かかる方法で測定される応力の最大値を意味し、また破断伸びは最大応力の1/3における引張ストロークを意味する(図1参照)。
本発明で規定する硬質カプセル(カプセルフィルム)の最大応力および破断伸びは、対象カプセル(カプセルフィルム)を、60℃で2時間乾燥後、23℃で相対湿度40%の環境下で1週間保存した後に、上記条件(オートグラフAGS−J(島津製作所製)を用いて、引張速度150mm/min、チャック間距離20mm、引張距離20mm、23℃、相対湿度40%の環境下)で引張試験を行って得られる値である。
II.硬質カプセル剤およびその調製方法
斯くして調製される硬質カプセルのボディ部とキャップ部は、前述する内容物をボディ部に充填したのち、該ボディ部にキャップ部を被覆して両者を嵌合させることにより硬質カプセル剤として提供することができる。
なお本発明の硬質カプセル剤には、上記で調製された硬質カプセルのボディ部とキャップ部の嵌合部に、バンドシールを付したものも含まれる。かかる硬質カプセル剤は、上記ボディ部とキャップ部を嵌合・接合させた後、キャップ部の端縁部を中心として、それを跨ぐように一定幅でボディ部の表面とキャップ部の表面に、その円周方向に、バンドシール調製液を1回〜複数回、好ましくは1〜2回塗布して嵌合部を封緘することによって、調製することができる。
硬質カプセルのボディ部とキャップ部の両者を嵌合させる際に、ボディ部の外周とキャップ部の内周とが重なっている嵌合巾はカプセルの軸線方向の距離で、3号カプセルについては約4.5〜6.5mm、4号カプセルについては約4〜6mmが一般的に好ましい。また、封緘(シール)巾は、3号カプセルで約1.5〜3mm、4号カプセルで約1.5〜2.8mmが一般的に好ましい。
本発明の硬質カプセル剤のバンドシール形成には、少なくともバンドシール性を有するものであれば制限はされないが、好ましくはPVA共重合体、PVA、または前述する硬質カプセルと同様の組成からなるPVA共重合体とPVA(また、必要に応じて有機酸および/またはその塩、またはゲル化剤やゲル化補助剤を併用)を含有するバンドシール調製液が使用される。
またかかるバンドシール調製液には、上記のPVA共重合体、PVAまたはこれらの混合物の他に、可塑剤としてソルビトールを配合することもできる。かかる可塑剤(ソルビトール)を配合することによって、柔軟性の増加という効果を得ることができる。バンドシール中のソルビトールの配合割合としては、PVAまたは/PVA共重合体のバンドシール性を損なわない範囲であれば特に制限されないものの、上記効果の点から、バンドシール(乾燥重量換算:100重量%)中の濃度として0.01〜70重量%、好ましくは0.01〜35重量%、より好ましくは0.01〜30重量%、特に好ましくは1〜30重量%を挙げることができる。
なお、本発明において「バンドシール性」とは、硬質カプセルのボディ部とキャップ部を封緘(シール)するためのフィルムを形成することができ(フィルム形成能)、且つ、このフィルムによる封緘によってボディ部とキャップ部との嵌合部から内容物が漏出することを防止し得る(漏出防止能)、バンドシールの性質を意味する。
当該「バンドシール性」の有無は、対象とするバンドシール調製液を用いて、平均分子量400のポリエチレングリコール(PEG400)を充填したカプセルのキャップ部とボディ部の嵌合部を封緘(バンドシール)し、これを25℃、相対湿度40%の環境下に白色コピー用紙の上に12時間放置した場合に、バンドシール部から内容物の漏出があるか否かで評価することができる。
なお、内容物の漏出の有無は、実験例5に示すように、下記の基準から判断することができる:
(a)12時間放置後、封緘硬質カプセル剤と接していた白色コピー用紙面に、内容物(PEG400)が付着しているか否か。
(b)12時間放置後、封緘硬質カプセル剤を白色コピー用紙上で転がしたときに、白色コピー用紙面に内容物(PEG400)が付着するか否か。
この場合、(a)と(b)のいずれの場合も、白色コピー用紙への内容物の付着がない、すなわち内容物の漏出が認められない場合を「バンドシール性あり」、(a)と(b)のいずれかの場合で内容物の漏出が認められる場合を「バンドシール性なし」と判断することができる。
なお、当該バンドシール性の評価試験に使用するカプセルとしては、後述する実験例5に記載するPVA共重合体を基材とする硬質カプセルまたはPVAを基材とする硬質カプセルを挙げることができる。また中に充填するPEG400の量としては、硬質カプセルが日本薬局方で定めるサイズ0号のカプセルの場合は600μL、サイズ1号のカプセルの場合は470μLを挙げることができる。
さらに、バンドシールには、本発明の効果、すなわちバンドシール性を妨げないことを限度として、上記成分に加えて、任意に着色剤(例えば、酸化チタン、ベンガラ、タール系色素など)、不透明化剤、または香料など、硬質カプセルの調製に通常使用される添加剤を配合することもできる。バンドシールに対するこれらの添加剤の配合割合は、通常0.1〜7重量%の範囲からバンドシール性を考慮して適宜選択することができる。
硬質カプセル剤においてバンドシールを形成するにあたっては、通常バンドシール調製液が使用される。当該バンドシールの調製液は、上記のバンドシール成分を、水、親水性溶媒または水と親水性溶媒との混合液に、室温または加温下(約30〜60℃)で溶解することによって調製することができる。好ましくは水と親水性溶媒との混合液が使用される。ここで親水性溶媒としては、水と相溶性のある有機溶媒を挙げることができ、具体的には、エタノール、イソプロパノールなどの低級アルコールを挙げることができる。好ましくはエタノールである。バンドシール調製液の調製に水と親水性溶媒との混合液を用いる場合、当該混合液100重量%中の親水性溶媒の割合として5〜80重量%、好ましくは8〜65重量%、より好ましくは10〜50重量%を挙げることができる。
バンドシール調製液は、調製液の最終粘度が通常23℃条件下、100〜5000mPa・sの範囲になるように調整される。なお、当該粘度は、B型回転粘度計で、粘度500mPa・s未満の場合はローター番号2、粘度500mPa・s以上2000mPa・s未満の場合はローター番号3、粘度2000mPa・s以上の場合はローター番号4を用いて、23℃、回転数60rpm、測定時間1分の条件で測定した場合の粘度を意味する。
粘度がかかる範囲にあるバンドシール調製液によれば、硬質カプセル剤のボディ部とキャップ部の嵌合部にシール力(封緘力)の大きい強固なバンドシールを形成することができ、しかも製造時における糸曳きがなく、製造における取り扱いも容易である。なお、バンドシール調製液の粘度が上記範囲(100〜5000mPa・s、23℃)よりも著しく低い場合、硬質カプセル剤の嵌合部表面にバンドシール調製液を液だれしないで塗布するということが難しく、封緘力に優れたバンドシールが形成できない可能性がある。一方、バンドシール調製液の粘度が上記範囲(100〜5000mPa・s、23℃)よりも著しく高い場合、粘度が高すぎて機械でバンドシールを形成できない可能性がある。バンドシール調製液の好ましい粘度は、23℃条件下、125〜4700mPa・sであり、より好ましくは150〜4500mPa・sである。
なお、バンドシール調製液の粘度は、バンドシール調製液に配合するPVA共重合体、PVAまたはこれらの混合物の濃度や両者の配合比を調節することによって簡便に調整することができる。具体的には、PVA共重合体と併用するPVAの割合を増加させるにつれて、粘度は低下する傾向にある。配合するPVA共重合体やPVAの種類やその重合度によっても異なるが、バンドシール調製液中のPVAの濃度としては、通常4〜31重量%、好ましくは5〜30重量%、より好ましくは6〜29重量%を、またPVA共重合体の濃度としては、通常5〜27重量%、好ましくは6〜26重量%、より好ましくは7〜25重量%を挙げることができる。PVAとPVA共重合体とを併用する場合は、上記各成分の割合を基準として、粘度(100〜5000mPa・s、23℃)を考慮して調整することができる。
またバンドシールにソルビトールを配合する場合、そのバンドシール調製液中の濃度は、前述するバンドシール中のソルビトールの配合割合に沿って決定することができる。具体的には、バンドシール調製液の粘度が100〜5000mPa・sの範囲になるように考慮しながら、バンドシール(100重量%)中のソルビトールの濃度が0.01〜70重量%、好ましくは0.01〜35重量%、より好ましくは0.01〜30重量%、特に好ましくは1〜30重量%となるように、バンドシール調製液を調整することが好ましい。
かかるバンドシールは、本発明の硬質カプセル内にポリエチレングリコール(PEG)またはこれを含む組成物を充填した硬質カプセル剤のバンドシールとして好適である。
ここでPEGとしては、特に制限されず、およその平均分子量が20000以下のPEG、具体的には、当該平均分子量が200、300、400、600、800、1000、1500、2000、3000、4000、6000、8000または20000のPEGを挙げることができる。なお、これら各平均分子量を有するPEGは、各社メーカーから日本薬局方や医薬品添加物の規格に従って(「日本薬局方」および「医薬品添加物規格」参照のこと)「ポリエチレングリコール○○○」(ここで○○○は、上記するPEGのおよその平均分子量を示す)といった共通した表示で販売されている。かかるPEGは、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。中でも、平均分子量が200〜600のPEG(「PEG200〜600」ともいう)などの低分子量PEGは、本発明のバンドシールの使用において硬質カプセル剤の充填成分として好適に用いられるPEGである。すなわち、本発明のバンドシールによれば、PEG200〜600を充填しても滲みだしという問題がなく、本発明の効果をより効果的に享受することが可能となる。
なお、PEGの平均分子量は「日本薬局方」および「医薬品添加物規格」に規定される規格に従って下記の試験に従って測定することができる。
(平均分子量試験)
無水フタル酸42gをとり、新たに蒸留したピリジン300mLを正確に量って入れた1Lの遮光した共栓瓶に加え、強く振り混ぜて溶かした後、16時間以上放置する。この液25mLを正確に量り、約200mLの耐圧共栓瓶に入れ、これに測定するPEG試料約0.8〜15gを精密に量って加え、密栓し、これを丈夫な布で包み、あらかじめ98±2℃に加熱した水浴中に入れる。この際、瓶の中の液が水浴の液の中に浸るようにする。98±2℃で30分間保った後、水浴から瓶を取り出し、室温になるまで空気中で放冷する。次に0.5mol/L 水酸化ナトリウム液 50mLを正確に加え、更にフェノールフタレインのピリジン溶液(1→100)5滴を加え、この液につき、0.5mol/L 水酸化ナトリウム液で滴定する。但し、滴定の終点は液が15秒間持続する淡赤色を呈するときとする。同様の方法で空試験を行う。
Figure 0005289429
かかる試験方法で試験した場合、PEG200は平均分子量が約190〜210の範囲、PEG300は平均分子量が約285〜315の範囲、PEG400は平均分子量が約380〜420の範囲、PEG600は平均分子量が約570〜630の範囲にあるとして求めることができる。
硬質カプセル剤の内容物は、前述するようにPEG、または少なくともPEGを含む組成物であればよく、かかる組成物としてはPEGを含むヒトまたは動物の医薬品、医薬部外品、化粧料、および食品を、制限なく挙げることができる。かかる組成物に含まれるPEGの割合は特に制限されないが、通常0.1〜99.9重量%、好ましくは1〜99.9重量%、より好ましくは10〜99.9重量%、さらに好ましくは50〜99.9重量%を挙げることができる。
なお、内容物の形状も特に問わない。例えば、液状物、ゲル状物、粉末状、顆粒状、錠剤状、ペレット状、またこれらの混合形状(ハイブリッド状)であってもよい。
硬質カプセル剤の内容物としては、医薬品の場合は、例えば滋養強壮保健薬、解熱鎮痛消炎薬、向精神薬、抗不安薬、抗うつ薬、催眠鎮静薬、鎮痙薬、中枢神経作用薬、脳代謝改善剤、脳循環改剤、抗てんかん剤、交感神経興奮剤、胃腸薬、制酸剤、抗潰瘍剤、鎮咳去痰剤、鎮吐剤、呼吸促進剤、気管支拡張剤、アレルギー用薬、歯科口腔用薬、抗ヒスタミン剤、強心剤、不整脈用剤、利尿薬。血圧降下剤、血管収縮薬、冠血管拡張剤、末梢血管拡張薬、抗高脂血症用剤、利胆剤、抗生物質、化学療法剤、糖尿病治療薬、骨粗鬆症用剤、抗リウマチ薬、骨格筋弛緩薬、鎮痙剤、ホルモン剤、アルカロイド系麻薬、サルファ剤、痛風治療薬、血液凝固阻止剤、抗悪性腫瘍剤などから選ばれる1種または2種以上の薬物成分を挙げることができる。なお、これらの薬効成分は、特に制限されず公知のものを広く挙げることができるが、具体的には、WO2006/070578号パンプレットの段落[0055]〜 [0060]に記載されている各成分を例示として挙げることができる。
また、食品の場合は、例えばドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、α−リポ酸、ローヤルゼリー、イソフラボン、アガリクス、アセロラ、アロエ、アロエベラ、ウコン、エルカルニチン、オリゴ糖、カカオ、カテキン、カプサイシン、カモミール、寒天、トコフェロール、リノレン酸、キシリトール、キトサン、GABA、クエン酸、クロレラ、グルコサミン、高麗人参、コエンザイムQ10、黒糖、コラーゲン、コンドロイチン、サルノコシカケ、スクワレン、ステビア、セラミド、タウリン、サポニン、レシチン、デキストリン、どくだみ、ナイアシン、納豆菌、にがり、乳酸菌、ノコギリヤシ、ハチミツ、はとむぎ、梅肉エキス、パントテン酸、ヒアルロン酸、ビタミンA、ビタミンK、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ケルセチン、プロテイン、プロポリス、モロヘイヤ、葉酸、リコピン、リノール酸、ルチン、霊芝などの機能性成分などを挙げることができる。但し、これらに限定されるものではない。
かかる内容物の硬質カプセル内への充填は、それ自体公知のカプセル充填機、例えば全自動カプセル充填機(型式名:LIQFILsuper80/150、クオリカプス社製)、カプセル充填・シール機(型式名:LIQFILsuperFS、クオリカプス社製)等を用いて実施することができる。また硬質カプセルの封緘は、それ自体公知のカプセル充填シール機、例えば前記カプセル充填・シール機またはカプセルシール機(型式名:HICAPSEAL 40/100、クオリカプス社製)等を使用して実施することができる。
カプセル封緘時、バンドシール調製液は、一般に室温あるいは加温下で使用することができる。硬質カプセルの液漏れ防止という観点から、好ましくは約23〜45℃、さらに好ましくは約23〜35℃、最も好ましくは約25〜35℃の温度範囲内にあるシール調製液を用いることが望ましい。なお、シール調製液の温度調節は、パネルヒーター、温水ヒーター等のそれ自体公知の方法で実施することができるが、例えば循環式温水ヒーターあるいは前記一体型カプセル充填シール機のシールパンユニットを循環式温水ヒーター型に改造したもの等で調節するのが、温度幅が微妙に調節できるので好ましい。なお、シール調製液中のアルコール、例えばエタノールは温度条件によっては揮発することがあるので、シール調製液の成分組成が一定するように適宜、補充するのがよい。
斯くして得られる本発明の硬質カプセル剤は、内部にPEG,特に平均分子量が200〜600の低分子量PEGを充填してもこれらが滲み出すようなことがなく、稼働性に優れているといった利点を備えている。また、かかる低分子量PEGのグリセリン脂肪酸エステルや中鎖脂肪酸トリグリセライドを充填しても皮膜が脆弱化することがないので、これらの低分子量PEGやそのグリセリン脂肪酸エステル及び中鎖脂肪酸トリグリセライドを賦形剤として含む薬剤などにも良好に適用することができる。また、皮膜中の水分低下によっても良好な強度を維持し得、割れ等の不都合を生じることがないので、吸水性を有する薬剤や低水分下での保存が推奨される薬剤にも好適に使用され、更に、水蒸気や酸素がほとんど透過することがないので、水反応性物質や被酸化性物質にも好ましく用いられる。
III.カプセルフィルムの破断伸び向上方法
本発明は、PVA共重合体を含有するカプセルフィルム(皮膜)について、破断伸びを向上させる方法を提供する。
当該方法は、カプセルフィルム(皮膜)の成分として、PVA共重合体とPVAとを併用することによって、またPVA共重合体と、PVA、ならびに有機酸およびその塩から選択される少なくとも1種とを併用することによって実施することができる。
ここで用いるPVAおよびPVA共重合体の種類は、上記Iで説明したものを同様に挙げることができる。ここでPVAとPVA共重合体の割合は特に制限されないが、通常PVA共重合体:PVA=100:1〜1:100(重量比、以下同じ)、好ましくは99:1〜1:99である。より好ましくは90:10〜1:100(なかでも好ましくは90:10〜1:99)、さらに好ましくは80〜20:1:100(なかでも好ましくは80:20〜1:99)であり、よりさらに好ましくは50:50〜1:100(なかでも好ましくは50:50〜1:99)、特に好ましくは40:60〜1:100(なかでも好ましくは40:60〜1:99)である。
また、これらと併用する有機酸および/またはその塩の種類もIで説明したものを同様に挙げることができる。ここでPVAおよびPVA共重合体と併用する有機酸および/またはその塩の割合は特に制限されない。好ましくは、PVAおよびPVA共重合体ならびに有機酸および/またはその塩の総量100重量%中に含まれる有機酸および/またはその塩(総量)の割合が、有機酸の量に換算して、0.1〜19重量%、好ましくは0.15〜8重量%、より好ましくは0.2〜3重量%、特に好ましくは0.5〜1重量%となるような割合をあげることができる。
当該カプセルフィルムには、Iで説明するように、PVA共重合体およびPVAに加えて(または、PVA共重合体、PVA、ならびに有機酸および/またはその塩に加えて)、ゲル化剤を配合することもでき、さらに必要に応じてゲル化補助剤を配合することもできる。それらの種類および配合割合も、上記Iで説明したものを同様に挙げることができる。
また、カプセルフィルムには、本発明の効果を妨げない範囲で、上記成分(PVA共重合体とPVA、またはPVA共重合体とPVAと有機酸および/またはその塩、必要に応じてゲル化剤やゲル化補助剤)に加えて、さらに必要に応じて、可塑剤、金属封鎖剤、不透明化剤、着色料または香料などを配合することもできる。
本発明の破断伸び向上方法を施すことによって得られる硬質カプセルは、PVAを用いないで調製される硬質カプセル(PVAを使用しない以外は同じ処方と製法で調製された硬質カプセル、以下「対照カプセル」ともいう)に比して破断伸びが大きいため、低水分下でも、ひびや割れなどが生じにくく、耐ひび割れ性および耐衝撃性に優れている。前述するように、硬質カプセルとして、通常5mm〜20mmの範囲の破断伸びが要求されるが、かかる破断伸びは、最大応力が70〜130Nの範囲で、大きければ大きいほど望ましい。
本発明の方法によれば、最大応力を上記の範囲に維持しながら、対照カプセルより高い破断伸びを実現することができる。好ましい破断伸びは8〜20mm、より好ましくは8.5〜20mm、さらに好ましくは9〜20mmであり、よりさらに好ましくは9.5〜20mmである。
なお、上記において「低水分下」とは、カプセルフィルムの水分量(%)が、通常5%以下、好ましくは3〜5%、より好ましくは3〜4%の範囲にあることをいう。カプセルフィルムの水分量(%)は、実験例2(2)に記載する方法に従って測定することができる。
以下、実験例および実施例を示して本発明を説明するが、本発明はかかる実施例などによって制限されるものではない。なお、特に言及しない限り、下記でいう「%」は重量%を意味する。
実験例1 最大応力と破断伸びの測定
ポリビニルアルコール共重合体(以下、「PVA共重合体」という)(POVACOAT Type L:大同化成社製、5%水溶液の25℃における粘度20mPa・s)7.2%、ポリビニルアルコール(以下、「PVA」という)(部分けん化型PVA、重合度1,000、けん化度86〜90mol%、和光純薬工業社製)10.8%、カッパカラギーナン(ゲル化剤)0.144%、および塩化カリウム(ゲル化補助剤)0.072%を含有するカプセル調製液を調製し、これをガラス板にフィルム作成用アプリケーターを用いて、乾燥厚が0.1mmとなるように、キャスティングした。これを60℃で2時間乾燥後、23℃、相対湿度40%の環境下で1週間保存したのち、長さ70mm、幅10mmの大きさのフィルムに裁断し、試験フィルムとした。
引張試験は、オートグラフAGS-J(島津製作所製)を用いて、引張速度150mm/min、チャック間距離20mm、引張距離20mm、23℃、相対湿度40%の環境下で測定し、各試験フィルムの最大応力(N)と破断伸び(mm)を測定した。図1に、この引張試験で得られた応力−ひずみ曲線を示す。かくして得られる応力(N)の最大値が、本発明でいう「最大応力」に相当し、また当該最大応力の1/3における引張ストローク(引張距離)が、本発明でいう「破断伸び」に相当する。ここで引張距離20mmにおける応力が最大応力の1/3以上の場合、破断伸びを20mmとした。
実験例2 カプセルフィルムの調製
PVA共重合体、PVA、および有機酸塩の割合が、表2に記載する割合になるように調製したカプセルフィルムを作成した。具体的には、まず、表1に記載する処方に従って52℃のカプセル調製液を調製した。次いで、このカプセル調製液をガラス板にフィルム作成用アプリケーターを用いて、乾燥厚が0.1mmになるようにキャスティングした。60℃で2時間乾燥後、23℃、相対湿度40%の環境下で1週間保存したのち、長さ70mm、幅10mmの大きさのフィルムに裁断し、カプセルフィルム(試料番号1〜22)を調製した。
Figure 0005289429
カプセル調製液の52℃における粘度(mPa・s)、ならびに作成したカプセルフィルムの水分量(%)、最大応力(N)および破断伸び(mm)を下記の方法に従って測定した。
(1)カプセル調製液(52℃)の粘度(mPa・s)
粘度は、B型回転粘度計(ローター番号3)を用いて、52℃、回転数12rpm、測定時間1分の条件で測定した。
(2)カプセルフィルムの水分量(%)
上記で調製した各カプセルフィルムを23℃、相対湿度40%の環境下で1週間保存したものについて、カプセル水分(%)を求めた。具体的には、まずカプセルフィルムの重量(湿重量)を測定した後、105℃で2時間加熱乾燥し、再度各カプセルフィルムの重量(乾燥重量)を測定した。次いで、乾燥前の重量(湿重量)と乾燥後の重量(乾燥重量)の差から、下式に従って、105℃で2時間加熱乾燥することによって減少する水分量の割合(カプセルフィルム水分量%)を算出した。
Figure 0005289429
(3)カプセルフィルムの最大応力および破断伸び
上記で調製した各カプセルフィルム(試料1〜22)について、実験例1の方法に従って、引張試験を実施した。測定した各フィルムの応力と引張ストロークから、実験例1に記載するように最大応力(N)と破断伸び(mm)を求めた。
各測定結果を、各カプセルフィルムのPVA、PVA共重合体および有機酸塩の割合(これらの成分の総量を100重量%として換算)とともに、表2に示す。ここで、換算有機酸%とは、添加した有機酸塩の量を有機酸の量に換算し、全体量に対する百分率としたものである。
また試料1〜12のカプセルフィルムについて、応力(N)と引張ストローク(mm)を測定した結果を図2に示す。またPVAを含まない試料1の応力(N)と引張ストローク(mm)の測定結果と、PVAを含む試料2〜12の当該測定結果とを各々対比した図を、図3〜13に示す。
Figure 0005289429
この結果から、フィルム成分として、PVA共重合体とPVAとを組み合わせて使用することによって、PVAを併用しないで調製されたカプセルフィルムに比して、有意に破断伸びが向上し、またカプセル調製液の粘度も低下することがわかる。またフィルム成分として、これにさらに有機酸塩を組み合わせて使用することによって、さらに顕著に破断伸びが向上することが判明した。
最大応力はいずれも、カプセルとして要求される所定の範囲(70-130N)にあることから、PVA共重合体に、PVAまたはPVAと有機酸塩を組み合わせることにより、水分量が5%以下の低水分条件下でも、衝撃に強く、ひび割れしにくい硬質カプセルが調製できるものと考えられる。
実験例3 粘度と生産収率
カプセル調製液の粘度とカプセルの生産収率との関係を調べた。具体的には、PVA共重合体、PVA、ゲル化剤(カラギーナン)、ゲル化補助剤(塩化カリウム)、ゼラチン、HPMCおよび水などを用いて、カプセル調製液の粘度(52℃、B型回転粘度計、ローター番号3、回転数12rpm、測定時間1分)を500、1350、2000、3100および4000mPa・sに調整し、これらの各カプセル調製液でカプセルを作成した場合のカプセル生産収率を求めた。
(1)カプセル生産収率の算出
カプセルの生産収率(%)は、作成した硬質カプセルについて、カプセル皮膜中の泡やカプセルの変形などの外観上の不良品を選別する外観検査機で良品と判断された単位時間当たりのカプセル数(外観検査後の良品数)と単位時間当たりの理論カプセル製造数(理論カプセル製造数)から下式に従って算出した。
Figure 0005289429
カプセル調製液の粘度(52℃)と生産性(生産収率%)の関係を示す結果を下記表3および図14に示す。
Figure 0005289429
この結果からわかるように、カプセル調製液の粘度(52℃)を、約3100mPa・s以下にすることで生産収率が5割を超え、さらに約2000mPa・s以下にすることで生産収率が8割を超えるようになり、とりわけ約1500mPa・s以下、特に1350 mPa・s以下とすることにより生産収率が90%を超えるようになる(図14および表3参照)。
前述する実験例2の結果に示すように、PVA共重合体とPVAとは90:10(重量比)から徐々にPVAの割合を増すことによって粘度を低減させることができる(PVA共重合体:PVA=90:10(重量比)で粘度3100mPa・s、PVA共重合体:PVA=70:30(重量比)で粘度2000mPa・s、PVA共重合体:PVA=50:50(重量比)で粘度1500mPa・s、PVA共重合体:PVA=40:60(重量比)で粘度1350 mPa・s)。すなわち、PVA共重合体とPVAの配合割合をとくに50:50〜1:100とすることでカプセル調製液の粘度を約1500mPa・s以下に、また40:60〜1:100とすることでカプセル調製液の粘度を、約1350mPa・s以下に調整することができ、その結果、カプセルの生産収率を90%以上にあげることができる。
実験例4 耐衝撃強度試験
(1)硬質カプセルの調製
40℃の精製水170LにPVA(部分けん化型PVA、重合度1000、けん化度86〜90mol%、和光純薬工業社製)を48kg加えて分散させ、82℃まで加温してPVAを溶解させた。これを60℃まで冷却し22%PVA水溶液を調製した。下記表4に示すカプセル調製液の処方に基づき、あらかじめ60℃に加温した22.9%のPVA共重合体(POVACOAT Type L、5%水溶液の粘度が25℃で20mPa・s、大同化成社製)の水溶液に、10%塩化カリウム水溶液、2%カラギーナン水溶液、22%PVA水溶液および精製水を所定量加えて攪拌し、試料番号23〜26のカプセル調製液を調製した。これらの溶液を24時間穏やかに攪拌しながら脱泡した。斯くして調製した水溶液(カプセル調製液)を浸漬液として、浸漬法による慣用のカプセル製造装置に仕込み、浸漬液の温度を50〜55℃に保持しながら、常法に従ってサイズ1号の硬質カプセル(キャップ、ボディ)を調製した。
Figure 0005289429
(2)硬質カプセルの水分量(%)
上記で調製した各硬質カプセルを23℃、相対湿度12%、22%、33%、43%および53%の環境下で1週間保存したものについて、硬質カプセル水分量(%)を求めた。具体的には、まず上記保存後の硬質カプセルの重量(湿重量)を測定した後、105℃で2時間加熱乾燥し、再度各硬質カプセルの重量(乾燥重量)を測定した。次いで、乾燥前の重量(湿重量)と乾燥後の重量(乾燥重量)の差から、下式に従って、105℃で2時間加熱乾燥することによって減少する水分量の割合(硬質カプセル水分量%)を算出した。
Figure 0005289429
結果を表5に示す。
Figure 0005289429
(3)硬質カプセルの割れ率(%)
上記で調製した各硬質カプセルを23℃、相対湿度12%、22%、33%、43%および53%の環境下で1週間保存したものについて、硬質カプセルの割れ率(%)を求めた。具体的には、上記保存後の各硬質カプセルに対して、50gの錘を高さ10cmから自然落下させ、割れた硬質カプセル数を計数した。割れた硬質カプセル数から下式に従って硬質カプセルの割れ率(%)を算出した。
Figure 0005289429
結果を図15に示す。この結果から、フィルム成分として、PVA共重合体とPVAとを組み合わせて使用することによって(試料番号24〜26)、PVAを併用しないで調製されたカプセルフィルム(試料番号23)に比して、割れ耐性や衝撃耐性が向上することがわかる。またPVAを併用することで、併用しない場合と比べて低水分条件下でも、衝撃に強く、ひび割れしにくい硬質カプセルが調製できることが判明した。
実験例5
バンドシール原料として、PVA共重合体(大同化成社製のPOVACOAT Type F、5%水溶液の25℃の粘度5.5mPa・s)、PVA((日本酢ビ・ポバール社製のJP-05、平均重合度500、部分けん化型PVA:けん化度87-89mol%)、およびソルビトールを用いて表6の処方からなるバンドシール調製液(処方例1〜19)を作成した。なお、表中の括弧内は、乾燥後のバンドシールの重量(乾燥重量)を100重量%とした場合のPVA共重合体、PVAおよびソルビトールの重量比を示す。次いで、各バンドシール調製液(処方例1〜19)について、下記の方法に従って、粘度を測定するとともに、液だれ、曳糸性および流動性の点から硬質カプセルに塗布するうえでの取り扱い性を評価した。
次いで得られたバンドシール調製液を、全自動カプセル充填・シール機(クオリカプス社製)を用いて実施例1の方法に従って調製した硬質カプセルに、470μLのPEG400を充填するとともに、上記のバンドシール調製液で、硬質カプセルのボディ部とキャップ部の嵌合部を封緘し、硬質カプセル剤を調製した。この封緘硬質カプセル剤の外観を目視観察して漏出物やソルビトールの析出の有無を観察するととともに、下記の方法に従って、温度25℃、相対湿度40%の環境下で、白色コピー用紙の上に12時間放置して、内容物の漏出の有無からバンドシール性を評価した。
(1)バンドシール調製液の粘度の測定
粘度は、B型回転粘度計(粘度500mPa・s未満の場合はローター番号2、粘度500mPa・s以上2000mPa・s未満の場合はローター番号3、粘度2000mPa・s以上の場合はローター番号4)を用いて、23℃、回転数60rpm、測定時間1分の条件で測定した。
(2)バンドシール調製液の取り扱い性(液だれの有無、曳糸性および流動性)評価
各バンドシール調製液について、液だれ、曳糸性および流動性の全ての点から硬質カプセルに塗布する取り扱い条件を満たしている場合を「適正:○」と評価し、一つでも条件を満たしていない場合を「不適正:×」と評価した。
(3)バンドシール性の評価
上記で調製した封緘硬質カプセルを、23℃、RH43%の条件で1日間放置して、外観上の変化、特に嵌合部周囲に形成したバンドシールの状態を観察した。
またさらに各封緘硬質カプセル剤を、温度25℃、相対湿度40%の環境下で、白色コピー用紙の上に12時間放置した。12時間後、バンドシール部からの内容物(PEG400)の漏出の有無を、下記の方法および基準により確認した。
(a) 12時間放置後、封緘硬質カプセル剤と接していた白色コピー用紙面に、内容物(PEG400)が付着しているか否か。
(b) 12時間放置後、封緘硬質カプセル剤を白色コピー用紙上で転がしたときに、白色コピー用紙面に内容物(PEG400)が付着するか否か。
(a)と(b)のいずれの場合も、白色コピー用紙への内容物の付着、すなわち内容物の漏出が認められない場合を「バンドシール性あり:○」、(a)と(b)のいずれかの場合で内容物の漏出が認められる場合を「バンドシール性なし:×」と判定する。
結果を表6に併せて示す。
Figure 0005289429
以上の結果から、PVAおよびPVA共重合体は、単独またはその混合物としてバンドシール原料として好適に使用することができること、さらにこれにソルビトールを70重量%以下の割合で配合した場合も、バンドシールとして好適に使用できることがわかった。なお、ソルビトールの配合割合は、バンドシール性という点からは70重量%以下であれば特に問題はないものの、ソルビトールの析出という点からは40重量%未満、好ましくは35重量%以下、より好ましくは30重量%以下であることが好ましい。
実施例1 硬質カプセル剤の調製
(1)硬質カプセルの調製
40℃の精製水170LにPVA(部分けん化型PVA、重合度は1000、けん化度86〜90mol%、和光純薬工業社製)を48kg加えて分散させ、82℃まで加温してPVAを溶解させた。これを60℃まで冷却しPVA水溶液を調製した。あらかじめ60℃に加温した22.9%のPVA共重合体(POVACOAT Type L、5%水溶液の粘度が25℃で20mPa・s、大同化成社製)の水溶液34.93kgに、10%塩化カリウム水溶液0.8kg、2%カラギーナン水溶液8kg、PVA水溶液54.55kgおよび精製水1.72kgを加えて攪拌した。この溶液を24時間穏やかに攪拌しながら脱泡した。斯くして調製した水溶液(カプセル調製液)を浸漬液として、浸漬法による慣用のカプセル製造装置に仕込み、浸漬液の温度を50〜55℃に保持しながら、常法に従ってサイズ1号または2号の硬質カプセル(キャップ、ボディ)を調製した。
(2)内容物(PEG400)の充填
全自動カプセル充填機(クオリカプス社製、LIQFILsuper40)を用いて、上記で調製したサイズ1号の硬質カプセルに、平均分子量400のポリエチレングリコール(PEG400)を470μL充填した。次いで、全自動カプセル充填・シール機(クオリカプス社製、LIQFILsuperFS)を用いて、上記でPEG400を充填した硬質カプセルのキャップとボディの嵌合部に、下記の処方からなるバンドシール液を塗布し、乾燥させて、内部にPEG400を充填してなる本発明の硬質カプセル剤を調製した。
実験例1の引張試験で得られた応力−ひずみ曲線を示す。 実験例2の引張試験において、試料番号1〜12のカプセルフィルムについて応力(N)と引張ストローク(mm)を測定した結果を示す。 実験例2の引張試験において、試料番号1と試料番号2のカプセルフィルムについて、応力(N)と引張ストローク(mm)を対比した結果を示す。 実験例2の引張試験において、試料番号1と試料番号3のカプセルフィルムについて、応力(N)と引張ストローク(mm)を対比した結果を示す。 実験例2の引張試験において、試料番号1と試料番号4のカプセルフィルムについて、応力(N)と引張ストローク(mm)を対比した結果を示す。 実験例2の引張試験において、試料番号1と試料番号5のカプセルフィルムについて、応力(N)と引張ストローク(mm)を対比した結果を示す。 実験例2の引張試験において、試料番号1と試料番号6のカプセルフィルムについて、応力(N)と引張ストローク(mm)を対比した結果を示す。 実験例2の引張試験において、試料番号1と試料番号7のカプセルフィルムについて、応力(N)と引張ストローク(mm)を対比した結果を示す。 実験例2の引張試験において、試料番号1と試料番号8のカプセルフィルムについて、応力(N)と引張ストローク(mm)を対比した結果を示す。 実験例2の引張試験において、試料番号1と試料番号9のカプセルフィルムについて、応力(N)と引張ストローク(mm)を対比した結果を示す。 実験例2の引張試験において、試料番号1と試料番号10のカプセルフィルムについて、応力(N)と引張ストローク(mm)を対比した結果を示す。 実験例2の引張試験において、試料番号1と試料番号11のカプセルフィルムについて、応力(N)と引張ストローク(mm)を対比した結果を示す。 実験例2の引張試験において、試料番号1と試料番号12のカプセルフィルムについて、応力(N)と引張ストローク(mm)を対比した結果を示す。 実験例3において、カプセル調製液の粘度と硬質カプセルの生産収率%との相関関係を調べた結果を示すグラフである。 実験例4において、各種硬質カプセル(試料番号23〜26)について、各相対湿度(%)における割れ率(%)を評価した結果を示す。

Claims (17)

  1. ポリビニルアルコール共重合体およびポリビニルアルコールを含有するフィルムからなる硬質カプセルであって、フィルムに含まれるポリビニルアルコール共重合体とポリビニルアルコールとの重量比が70:30〜1:99である硬質カプセル
  2. フィルムに含まれるポリビニルアルコール共重合体とポリビニルアルコールとの重量比が50:50〜1:99である、請求項1に記載する硬質カプセル。
  3. さらに、ゲル化剤を含有する請求項1または2に記載する硬質カプセル。
  4. さらに、ゲル化補助剤を含有する請求項に記載する硬質カプセル。
  5. さらに、有機酸およびその塩からなる群から選択される少なくとも1種を含有する請求項1乃至4のいずれかに記載する硬質カプセル。
  6. フィルムの水分量が3〜5%であり、破断伸びが9.5〜20mmであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載する硬質カプセル。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載する硬質カプセルに、ポリエチレングリコールまたはポリエチレングリコールを含む組成物が充填されてなる、硬質カプセル剤。
  8. 上記ポリエチレングリコールが、平均分子量200〜600の低分子量ポリエチレングリコールである、請求項7記載の硬質カプセル剤。
  9. ボディ部とキャップ部の嵌合部が、ポリビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコールまたはこれらの混合物を含有するバンドシールで封緘されてなることを特徴とする、請求項7に記載する硬質カプセル剤。
  10. バンドシールが更に可塑剤としてソルビトールを含有するものである、請求項9に記載する硬質カプセル剤。
  11. ポリビニルアルコール共重合体およびポリビニルアルコールを含有するカプセル調製液に、カプセル成型用ピンを浸漬して引き上げ、当該成型用ピンに付着した上記カプセル調製液をゲル化、乾燥させ、これを成型ピンから脱離回収して硬質カプセルを得ることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれかに記載する硬質カプセルの製造方法。
  12. 請求項1乃至6のいずれかに記載する硬質カプセル内に内容物を充填した後、キャップ部とボディ部を嵌合し、形成された嵌合部に、ポリビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコールまたはこれらの混合物を含有するバンドシール調製液を塗布し、乾燥して封緘することを特徴とする硬質カプセル剤の調製方法。
  13. 上記内容物がポリエチレングリコールまたはポリエチレングリコールを含む組成物である、請求項12に記載する硬質カプセル剤の調製方法。
  14. ポリビニルアルコール共重合体を含有するカプセルフィルムの破断伸び向上方法であって、カプセルフィルムの成分として、ポリビニルアルコール共重合体とポリビニルアルコールとを70:30〜1:99(重量比)の割合で併用することを特徴とする方法。
  15. 上記カプセルフィルムに配合するポリビニルアルコール共重合体とポリビニルアルコールとの重量比が、50:50〜1:99である、請求項14に記載するカプセルフィルムの破断伸び向上方法。
  16. カプセルフィルムの成分として、さらに、有機酸およびその塩からなる群から選択される少なくとも1種を併用することを特徴とする、請求項14または15に記載するカプセルフィルムの破断伸び向上方法。
  17. 上記有機酸の塩が、有機酸のアルカリ金属塩である請求項16に記載するカプセルフィルムの破断伸び向上方法。
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