JP7192653B2 - カプセル用組成物、カプセル、カプセル製剤及びカプセルの製造方法 - Google Patents

カプセル用組成物、カプセル、カプセル製剤及びカプセルの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、カプセル用組成物、カプセル、カプセル製剤及びカプセルの製造方法に関する。
ポリビニルアルコール系樹脂(以下、PVA系樹脂という。)及びポリアクリル酸は水溶性の樹脂として、その特性を活かして従来から様々な用途に用いられている。
例えば、PVA系樹脂については、接着剤、医薬品の結合剤、分散剤、フィルム、化粧品等が挙げられる。ポリアクリル酸は、おむつなどの吸水材として広く用いられている。
中でも近年、水溶性樹脂を用いた包装材、カプセル材としての要望が高まっており、PVA系樹脂やポリアクリル酸を用いた包装材やカプセル材が用いられるようになった。
例えば、食品包装材、農業用の包装材、医薬品のカプセル材などで用いられるが、これらはいずれも雨天などの場合、高湿度下にさらされることもあり、その場合の強度が問題となっている。
しかしながら、PVA系樹脂は、湿度の高い状態でガスバリア性が低下するため、高湿度下においても、高いバリア性を持たせるために改良が行われている。例えば、PVA、水溶性ポリアクリル酸系化合物および無機層状化合物を含有する樹脂組成物が提案されており、具体的にはPVAに対して25%のポリアクリル酸、およびPVAとポリアクリル酸の総量に対して約50%の無機層状化合物が配合された樹脂組成物が提示されている(例えば、特許文献1参照。)。
他にもPVAとポリアクリル酸の重量比が90/10~5/95の混合物100重量部、架橋剤成分0.1~50重量部および水系溶媒から成るガスバリア性コート剤が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
さらに、湿度依存性のない優れたガスバリア性を有するフィルムとして、ポリカルボン酸と、ポリアミンおよび/ またはポリオール(例えば、PVA)から製膜されたガスバリア層を有し、ポリカルボン酸の架橋度が40%以上であるガスバリアフィルムが提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
特開平11-246729号公報 特開2001-164174号公報 特開2005-225940号公報
しかしながら、特許文献1~3の樹脂組成物では、高湿度下のバリア性については改善されているが、バリア性を改善することにより、水溶性が低下することが問題となっている。
また更に、低湿度下においては、柔軟性が低下し、カプセル材に割れが発生することが問題となっている。
そこで、本発明は、水への溶解性と低湿度下での割れ改善とが両立されたカプセル用組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、PVA系樹脂と無機層状化合物の組成物に少量のポリアクリル酸を含有させることで上記目的が達成されることを見出し、本発明を完成した。
かかる効果は、PVAを主成分とする組成物に対し、少量のポリアクリル酸を添加することにより、PVAの凝集力が低下するため溶解時間が短縮し、また低湿度下においては、ポリアクリル酸が可塑剤として作用するため脆性が改善したと推測される。
本発明のカプセル用組成物は、水への溶解性と低湿度下での割れの改善が両立されたカプセル用組成物を提供できる。
以下、本発明の構成につき詳細に説明するが、これらは望ましい実施態様の一例として示すものである。
本発明のカプセル用組成物は、ポリビニルアルコール系樹脂(A)と無機層状化合物(B)とポリアクリル酸(C)を特定量含有するものである。
まずは、PVA系樹脂(A)について説明する。
本発明で用いられるPVA系樹脂(A)は、ビニルエステル系モノマーを重合して得られるポリビニルエステル系重合体をケン化して得られる、ビニルアルコール構造単位を主体とする樹脂であり、ケン化度相当のビニルアルコール構造単位と、ケン化されずに残ったビニルエステル構造単位から構成される。
PVA系樹脂(A)のケン化度は70~100モル%であり、好ましくは、75~98モル%、更に好ましくは80~95モル%、特に好ましくは85~93モル%である。PVA系樹脂(A)のケン化度が低すぎると、高湿度下でのカプセルの強度が低下する傾向があり、高すぎると、PVA系樹脂(A)を溶媒に溶解し、カプセル形成剤としたときの粘度安定性が低下する傾向がある。
なお、本発明において、PVA系樹脂(A)のケン化度は、JIS K 6726に準拠する方法で求められた値とする。
また、本発明に使用されるPVA系樹脂(A)の平均重合度は、300~3500であり、1000~3000が好ましく、1500~2800が特に好ましい。
PVA系樹脂の平均重合度が低すぎると、低湿度下での脆性が悪化する傾向があり、平均重合度が高すぎると、カプセル形成剤とした場合の粘度が上昇し、作業性が低下する傾向がある。
なお、本発明において、PVA系樹脂の平均重合度は、JIS K 6726に準拠する方法で求めた平均重合度を用いるものとする。
またPVA系樹脂は、2種以上を併用することも有効である。併用する際には、ケン化度や平均重合度の異なるPVA系樹脂を併用することができる。
本発明で使用されるPVA系樹脂の製造方法を説明する。
PVA系樹脂は、例えば、ビニルエステル系モノマーを重合して得られたポリビニルエステル系重合体をケン化することにより得られる。
かかるビニルエステル系モノマーとしては、例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、バーサチッ
ク酸ビニル等が挙げられ、実用的に酢酸ビニルが好適である。
また、本発明の効果を阻害しない程度に、上記ビニルエステル系モノマーと共重合性を有するモノマーを共重合させることもでき、このような共重合モノマーとしては、例えば、エチレンやプロピレン、イソブチレン、α-オクテン、α-ドデセン、α-オクタデセン等のオレフィン類、3-ブテン-1-オール、4-ペンテン-1-オール、5-ヘキセン-1-オール、3,4-ジヒドロキシ-1-ブテン等のヒドロキシ基含有α-オレフィン類及びそのアシル化物などの誘導体、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、ウンデシレン酸等の不飽和酸類、その塩、モノエステル、あるいはジアルキルエステル、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル類、ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸類あるいはその塩、アルキルビニルエーテル類、ジメチルアリルビニルケトン、N-ビニルピロリドン、塩化ビニル、ビニルエチレンカーボネート、2,2-ジアルキル-4-ビニル-1,3-ジオキソラン、グリセリンモノアリルエーテル、等のビニル化合物、酢酸イソプロペニル、1-メトキシビニルアセテート等の置換酢酸ビニル類、塩化ビニリデン、1,4-ジアセトキシ-2-ブテン、1,4-ジヒドロキシ-2-ブテン、ビニレンカーボネート、1,3-ジアセトキシ-2-メチレンプロパン、1,3-ジプロピオニルオキシ-2-メチレンプロパン、1,3-ジブチロニルオキシ-2-メチレンプロパン等のヒドロキシメチルビニリデンジアセテート等が挙げられる。かかる共重合モノマーの含有量は、重合体全量を基準として、通常10モル%以下、好ましくは5モル%以下、特に好ましくは1モル%以下である。本発明においては、医薬用途に適用可能な点で、ビニルアルコール構造単位と未ケン化部分のビニルエステル構造単位のみからなる無変性PVA系樹脂が好ましい。
上記ビニルエステル系モノマー及び共重合モノマーを重合するにあたっては特に制限はなく、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、分散重合、又は乳化重合等の公知の方法を採用することができるが、通常は溶液重合が行われる。
かかる重合で用いられる溶媒としては、通常、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n-プロパノール、ブタノール等の炭素数1~4の脂肪族アルコールやアセトン、メチルエチルケトン等のケトン類等が挙げられ、工業的にはメタノールが好適に使用される。
また、重合反応は、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、過酸化アセチル、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイルなどの公知のラジカル重合触媒や公知の各種低温活性触媒を用いて行われる。また、反応温度は35℃~沸点程度の範囲から選択される。
得られたビニルエステル系重合体は、次いで連続式又はバッチ式にてケン化される。かかるケン化にあたっては、アルカリケン化又は酸ケン化のいずれも採用できるが、工業的には重合体をアルコールに溶解してアルカリ触媒の存在下に行われる。アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール等が挙げられる。アルコール中の重合体の濃度は20~60質量%の範囲から選ばれる。また、必要に応じて、0.3~10質量%程度の水を加えてもよく、更には、酢酸メチル等の各種エステル類やベンゼン、ヘキサン、DMSO(ジメチルスルホキシド)等の各種溶剤類を添加してもよい。
ケン化触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、カリウムメチラート等のアルカリ金属の水酸化物やアルコラートの如きアルカリ触媒を具体的に挙げることができ、かかる触媒の使用量はモノマーに対して1~100ミリモル当量にすることが好ましい。
ケン化後、得られたPVA系樹脂を、洗浄液で洗浄してもよい。洗浄液としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール類が挙げられ、洗浄効率と乾燥効率の観点からメタノールが好ましい。
洗浄方法としては、連続式(回転円筒型、向流接触型、遠心分離ふりかけ洗浄など)でもよいが、通常はバッチ式が採用される。洗浄時の攪拌方式(装置)としては、スクリュー翼、リボンブレンダー、ニーダー等が挙げられる。浴比(洗浄液の質量/PVA粒子の質量)は、通常、1~30であり、特に2~20が好ましい。浴比が大きすぎると、大きな洗浄装置が必要となり、コスト増につながる傾向があり、浴比が小さすぎると、洗浄効果が低下し、洗浄回数を増加させる傾向がある。
洗浄時の温度は、通常、10~80℃であり、特に20~70℃が好ましい。温度が高すぎると、洗浄液の揮発量が多くなり、還流設備を必要とする傾向がある。温度が低すぎると、洗浄効率が低下する傾向がある。洗浄時間は、通常、5分~12時間であり、特に30分~4時間が好ましい。洗浄時間が長すぎると、生産効率が低下する傾向があり、洗浄時間が短すぎると、洗浄が不十分となる傾向がある。また、洗浄回数は、通常、1~10回であり、特に1~5回が好ましい。洗浄回数が多すぎると、生産性が低下し、コストがかかる傾向がある。
洗浄されたPVA系樹脂(A)を連続式又はバッチ式にて熱風などで乾燥または減圧乾燥し、本発明で用いられるPVA系樹脂(A)を得る。乾燥温度は、通常、50~150℃であり、特に60~130℃、殊に70~110℃が好ましい。乾燥温度が高すぎると、PVA系樹脂(A)が熱劣化する傾向があり、乾燥温度が低すぎると、乾燥に長時間を要する傾向がある。乾燥時間は、通常、1~48時間であり、特に2~36時間が好ましい。乾燥時間が長すぎると、PVA系樹脂(A)が熱劣化する傾向があり、乾燥時間が短すぎると、乾燥が不十分となったり、高温乾燥を要したりする傾向がある。
乾燥後のPVA系樹脂(A)中に含まれる溶媒の含有量は、通常、0~10質量%であり、特に0.01~5質量%、殊に0.1~1質量%とするのが好ましい。
なお、PVA系樹脂(A)には、ケン化時に用いるアルカリ触媒に由来する酢酸のアルカリ金属塩が含まれている。アルカリ金属塩の含有量は、PVA系樹脂(A)に対して通常0.001~2質量%、好ましくは0.005~1質量%であり、更に好ましくは0.01~0.1質量%である。
アルカリ金属塩の含有量の調整方法としては、例えば、ケン化で用いる時のアルカリ触媒の量を調節したり、エタノールやメタノールなどのアルコールでPVA系樹脂を洗浄したりする方法が挙げられる。
本発明で用いるアルカリ金属塩の定量法としては、PVA系樹脂(A)を水に溶かして、メチルオレンジを指示薬とし、塩酸にて中和滴定を行い求める方法が挙げられる。
次に無機層状化合物(B)について説明する。
本発明で用いられる無機層状化合物(B)とは、単位結晶層が互いに積み重なって層状構造を有している無機化合物をいう。換言すれば、「層状化合物」とは、層状構造を有する化合物ないし物質であり、「層状構造」とは、原子が共有結合等によって強く結合して密に配列した面が、ファンデルワールス力等の弱い結合力によって平行に積み重なった構造をいう。
かかる無機層状化合物(B)は、粘土鉱物であることが好ましい。粘土鉱物は一般に、シリカの4面体層の上部に、アルミニウムやマグネシウム等を中心金属にした8面体層を有する2層構造よりなるタイプと、シリカの4面体層が、アルミニウムやマグネシウム等
を中心金属にした8面体層を両側から挟んだ3層構造よりなるタイプに分類される。前者としてはカオリナイト族、アンチゴライト族等を挙げることができ、後者としては層間カチオンの数によってスメクタイト族、バーミキュライト族、マイカ族等を挙げることができる。具体的には、カオリナイト、ディッカイト、ナクライト、ハロイサイト、アンチゴライト、クリソタイル、パイロフィライト、モンモリロナイト、ヘクトライト、テトラシリリックマイカ、ナトリウムテニオライト、白雲母、マーガライト、タルク、バーミキュライト、金雲母、ザンソフィライト、緑泥石等を挙げることができる。
中でも、本発明の効果が得られやすい点で、モンモリロナイトが好ましい。
かかる無機層状化合物(B)の平均粒子径が、800~3000nmであることが好ましく、中でも1000~1800nmであることが好ましい。
かかる平均粒径が大きすぎるとカプセルの柔軟性が低下する傾向があり、小さすぎるとカプセルの強度が低下する傾向がある。
次にポリアクリル酸(C)について説明する。
本発明で用いられるポリアクリル酸(C)の数平均分子量は、1000~1000000であり、好ましくは1200~20000、特に好ましくは1500~12000である。かかる数平均分子量がこの範囲であると、カプセル形成剤の過度な増粘が起こらず、且つ得られたカプセルが低湿度下での脆性改善が可能となる効果が得られる。
なお、ポリアクリル酸(C)は、本発明の効果を損なわない範囲で、他の共重合可能な単量体と共重合した構造を持つものであってもよい。
またポリアクリル酸(C)は、ポリアクリル酸塩を含んでもよく、ポリアクリル酸塩としては、特に限定されないが、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸カリウム等のポリアクリル酸アルカリ金属塩;ポリアクリル酸アンモニウム;ポリアクリル酸有機アミン塩等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
上記他の共重合可能な単量体としては、特に限定されるものではなく、必要に応じて併用することができるが、以下に記載するものを用いるのが好ましい。
すなわち、他の共重合可能な単量体としては、例えば、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、アコニット酸等の不飽和カルボン酸系単量体;(メタ)アクリルアミド、t-ブチル(メタ)アクリルアミド等のアミド系単量体;(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、2-メチルスチレン、酢酸ビニル等の疎水性単量体;ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、3-アリロキシ-2-ヒドロキシ-プロパンスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレート、スルホプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシスルホプロピル(メタ)アクリレート、スルホエチルマレイミド等の不飽和スルホン酸単量体;上記不飽和ジカルボン酸系単量体、上記不飽和多価カルボン酸系単量体または上記不飽和スルホン酸系単量体を、1価金属、2価金属、アンモニア、有機アミン等で部分中和または完全中和してなる中和物;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、α-ヒドロキシアクリル酸、ビニルアルコール等の水酸基含有不飽和単量体;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のカチオン性単量体;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル系単量体;(メタ)アクリルアミドメタンホスホン酸等の含リン単量体;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類;ビニルピロリドン;(メタ)アリルアルコールのエチレンオキシド付加物、イソプレノ-ルのエチレンオキシド付加物、(メタ)アクリル酸の(アルコキシ)ポリエチレングリコールエステル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、またこれらを2種類以上併用してもよい。
この場合、他の共重合可能な単量体の比率は、得られうるポリアクリル酸系重合体の特性(経時安定性、高濃度での低粘性、分散性など)を損なわれない範囲であれば、特に限定されないが、不飽和単量体全体の、0~30質量%、より好ましくは0~10質量%である。
次に本発明のカプセル用組成物について説明する。
本発明のカプセル用組成物中におけるPVA系樹脂(A)とポリアクリル酸(C)の含有量(A+C)としては、70~98質量%、好ましくは80~97質量%、更に好ましくは80~95質量%である。
無機層状化合物(B)の含有量は、1~15質量%、好ましくは2~10質量%である。
かかる含有量が多すぎる場合、カプセル形成剤の粘度が高く作業性が低下する傾向があり、少なすぎる場合は高湿度下での強度が悪化する傾向がある。
またカプセル用組成物中におけるPVA系樹脂(A)に対する無機層状化合物(B)の含有量としては、PVA系樹脂(A)100重量部に対して無機層状化合物(B)は1~15重量部であり、好ましくは2~10重量部、さらに好ましくは2~8重量部である。PVA系樹脂(A)の比率が多いと高湿度下での強度が低下する傾向があり、無機層状化合物(B)の比率が多いとカプセル形成剤の粘度が高く作業性が低下する傾向がある。
カプセル用組成物中におけるPVA系樹脂(A)に対するポリアクリル酸(C)の含有量としては、PVA系樹脂(A)100重量部に対してポリアクリル酸(C)は0.1~3重量部であり、好ましくは0.3~2.5重量部、さらに好ましくは0.5~2重量部である。PVA系樹脂(A)の比率が多すぎても少なすぎても、カプセルが脆くなる傾向がある。
またカプセル用組成物中におけるPVA系樹脂(A)と無機層状化合物(B)の含有量(A+B)に対するポリアクリル酸(C)の含有量としては、PVA系樹脂(A)と無機層状化合物(B)の含有量(A+B)100重量部に対してポリアクリル酸(C)は0.1~2.5重量部であり、好ましくは0.3~2重量部、さらに好ましくは0.5~1.5重量部である。PVA系樹脂(A)と無機層状化合物(B)の含有量(A+B)の比率が多いと低湿度下での脆性が悪化したり、溶解時間が遅延したりする傾向があり、ポリアクリル酸(C)の比率が多いと低湿度下でカプセルが脆くなる傾向がある。
さらにカプセル用組成物中における無機層状化合物(B)に対するポリアクリル酸(C)としては、無機層状化合物(B)100重量部に対してポリアクリル酸(C)は3~50重量部であり、好ましくは5~30重量部、さらに好ましくは8~20重量部である。無機層状化合物(B)の比率が多いと溶液の粘度が高く作業性が低下する傾向があり、ポリアクリル酸(C)の比率が多いと低湿度下でカプセルが脆くなる傾向がある。
本発明のカプセル用組成物は、溶媒に溶解し、カプセル形成剤として、その後かかるカプセル形成剤にカプセル形成用ピンを浸漬させ、次いで該カプセル形成用ピンを引き上げて、乾燥させることで、ハードカプセルとして用いることができる。
かかる溶媒としては、水、メタノール、エタノール、i-プロパノール、n-プロパノール、ブタノールなどが挙げられ、安全性の面から、好ましくは水である。
以下、ハードカプセルとしての用途について詳細に説明する。
カプセル形成剤における、PVA系樹脂(A)とポリアクリル酸(C)を溶媒である水に溶解した溶液の23℃での粘度は、通常3~1000mPa・s、好ましくは25~7
00mPa・s、特に好ましくは30~300mPa・s、更に好ましくは35~250mPa・sである。
かかるカプセル形成剤の粘度が高すぎると、カプセル形成剤の流動性が低下し、コーティングしにくくなる傾向があり、逆に低すぎると、乾燥に時間がかかり効率が低下する傾向がある。
またカプセル形成剤中のPVA系樹脂(A)の濃度は、通常3~50質量%、好ましくは5~30質量%、更に好ましくは7~15質量%である。
かかる濃度が高すぎると、カプセル形成剤の流動性が低下し、コーティングしにくくなる傾向があり、逆に低すぎると、乾燥に時間がかかり効率が低下する傾向がある。
カプセル形成剤中の無機層状化合物(B)の濃度は、通常0.1~20質量%、好ましくは0.2~15質量%、更に好ましくは0.3~10質量%である。
かかる濃度が高すぎると、溶液の粘度が高く作業性が低下する傾向があり、少なすぎる場合は高湿度下での強度が低下する傾向がある。
カプセル形成剤中のポリアクリル酸(C)の濃度は、通常0.005~5質量%、好ましくは0.01~1質量%、更に好ましくは0.03~0.5質量%である。
かかる濃度が高すぎても低すぎても、カプセルが脆くなる傾向がある。
液中の固形分の濃度は、通常1~30質量%、好ましくは3~25質量%、更に好ましくは5~20質量%である。
かかる濃度が高すぎると、作業性が低下する傾向があり、逆に低すぎると、コーティング厚みをコントロールしにくい、また乾燥に時間がかかる傾向がある。
次に、カプセルの製造方法について説明する。
本発明のカプセルは、溶媒に溶解し、カプセル形成剤として、その後かかるカプセル形成剤にカプセル形成用ピンを浸漬させ、次いで該カプセル形成用ピンを引き上げて、乾燥させることで製造することができる。得られるカプセルはハードカプセルである。
本発明においては、まず上記本発明のカプセル用組成物を水などの溶媒に溶解及び/又は分散させる。ここで、溶媒温度は溶媒の種類に応じ適宜選定されるが、例えば、水であれば、55℃以上が好ましく、より好ましくは60~85℃、更に好ましくは65~80℃である。かかるカプセル用組成物は、上記所定温度の水に投入し、溶解又は分散させることが好ましいが、この所定温度より低温で投入し、その後所定温度に加熱してもよい。
このようにカプセル用組成物を溶媒に溶解及び/又は分散させた後は、撹拌下に冷却を行う。冷却は自然冷却であっても強制冷却であってもよく、要は冷却によってカプセル用組成物のPVA系樹脂(A)及びポリアクリル酸(C)を溶媒に実質的に完全溶解させればよい。冷却温度もかかる点から選定されるが、通常35℃以下に冷却すればよく、より好ましくは30℃以下であり、室温(15~25℃)にまで下げてもよい。
冷却によりカプセル用組成物を溶解させ、カプセル形成剤とした後は、好ましくはカプセル形成剤をろ過し、固形不純物等の異物を除去し、次いでカプセル形成用ピンの所定の浸漬温度に調整する。この場合、この浸漬温度は樹脂組成物の種類に応じ選定することができるが、35℃を超え50℃以下に加熱することが好ましく、より好ましくは35℃を超え45℃、更に好ましくは38~43℃である。なお、高温に加熱しすぎると、樹脂組成物水溶液の粘度が急上昇する場合があり、好ましくないので、浸漬温度の上限はこのような不利が生じない粘度が急上昇する前の温度が選定される。
本発明においては、上記冷却後の樹脂組成物水溶液にゲル化剤を添加、溶解させるが、ゲル化剤の添加時期は特に制限されず、冷却後、樹脂組成物水溶液を昇温する前又は昇温途上に添加してもよいが、好ましくはカプセル形成用ピン浸漬温度に昇温される直前乃至
昇温された直後に添加することが好ましい。
かかるゲル化剤としては、例えば、ゼラチン、カラギーナン、寒天、ジェランガム、ファーセレラン、ユーケマ藻類、ペクチン、アルギン酸塩類、プルラン、グルコマンナン、アラビアゴム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、デンプン類などの親水性高分子から選択される1種又は2種以上を挙げることができ、ゼラチン、カラギーナン、寒天、ジェランガム、ファーセレラン、ユーケマ藻類といった、冷却によってゲル化する水溶性ゲル化剤を好適に挙げることができる。
また、ゲル化剤を添加する際は、ゲル化剤を水に溶解したものを上記カプセル形成剤に添加することが、ゲル化剤の溶解を容易かつ均一にする点から好ましいが、場合によっては、前記ゲル化剤を水に溶解せず、そのままカプセル形成剤中に添加することができる。
このようにカプセル形成剤にゲル化剤を添加、溶解して得られたカプセル調製液(ジェリー液)に上記浸漬温度でカプセル形成用ピンを浸漬し、次いでこれを引き上げ、ピンに付着した調製液をゲル化、乾燥させ、硬質カプセルを得るものである。
この場合、ゲル化は放冷することによって行うことが好ましいが、加熱によりカプセル調製液が高粘度になり、ゲル化する場合は、ピンの引き上げ後、例えば50~80℃に加熱するようにしてもよい。
ここで、カプセル調製液(ジェリー液)の粘度は特に制限されるものではないが、カプセル浸漬温度において100~10000mPa・s、特には1000~8000mPa・sとすることが好ましい。なお、この粘度はB型回転粘度計による値である。粘度が低いとピンに付着するカプセル原料が少なく、カプセルの膜厚が薄くなり、粘度が高すぎるとカプセルの形状の制御が困難になる。
なお、上記調製液には、必要に応じてゲル化補助剤や色素、顔料等の添加剤を配合することができるが、これらの成分はいずれの段階で添加してもよく、例えば熱水に添加しても、あるいはゲル化剤添加時に添加するようにしてもよい。
本発明によるカプセルは、医薬品や食品をはじめとして、動物又は植物用の薬品や肥料などに適用可能である。特に医薬品としては、経口投与される薬剤用、吸入剤用の容器、または坐剤などとしても適用可能である。更に、入れ歯、メガネ、コンタクトレンズなどの消毒・洗浄などを目的とするいわゆる医薬部外品としても適用可能である。
具体的には、HPMC硬質カプセルに充填可能な充填成分としては、一般的に知られている粉末、顆粒状及び錠剤以外に、アルコール、多価アルコール類として、ステアリルアルコール、セタノール、ポリエチレングリコール600,800,1000,1500,2000,3000,4000,6000,8000,20000などが挙げられ、油脂類としてはゴマ油、大豆油、落花生油、コーン油、硬化油、パラフィン油、サラシミツロウなどが挙げられ、脂肪酸及びその誘導体としてはステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、クエン酸トリエチル、トリアセチン、中鎖脂肪酸トリグリセライドなどが挙げられる。
また、本発明のカプセルで薬効成分が包装されてなるカプセル製剤について説明する。本発明のカプセルで包装される薬効成分としては、医薬品や食品として使用するに際し毒性がなければ特に限定されず、非常に幅広い薬物を包装可能である。
例えば、ビタミン類、解熱剤、鎮痛剤、消炎剤、抗潰瘍剤、強心剤、抗凝固剤、止血剤
、骨吸収抑制剤、血管新生抑制剤、抗うつ剤、抗腫瘍剤、鎮咳去痰剤、筋弛緩剤、抗てんかん剤、抗アレルギー剤、不整脈治療剤、血管拡張剤、降圧利尿剤、糖尿病治療剤、抗結核剤、ホルモン剤、麻薬拮抗剤等が挙げられる。
ビタミン類としては、例えば、ビタミンA油、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、ビタミンC、ビタミンD2、ビタミンE、ビタミンK等が挙げられる。
更に、アイコサペンタエートエチル、アクチノマイシンD、アシクロビル、アジメキソン、アスピリン、アズスレオナム、アセタゾラミドナトリウム、アセトアミノフェン、アセトヘキサミド、アセトメナフトン、アドレノクロムモノアミノグアニジンメタンスルホン酸、アミカシン、ε-アミノカプロン酸、アミノフィリン、アルブロスタジル、アリルイソプロピルアセチル尿素、アルトレタミン、アムフェナック、アンビシリン、イソニアジド、イソプロピルアンチビリン、イブプロフェン、イホスファミド、イミブラミン、インドメタシン、ウリナスタチン、エトサクシミド、エナント酸エメダスチン、エストリオール、エリスロマイシン、エタンブトール、塩化ツボクラリン、塩酸アルブレノロール、塩酸アロクラマイド、塩酸イソブロテレノール、塩酸エチレフリン、塩酸エホニジピン、塩酸オキシテトラサイクリン、塩酸オキシフェドリン、塩酸オキシプレノロール、塩酸オンダンセトロン、塩酸エカラジン、塩酸エフェドリン、塩酸グラニセトロン、塩酸クレミゾール、塩酸クロコナゾール、塩酸クロニジン、塩酸クロフェジアノール、塩酸クロルジアゼポキシド、塩酸クロルプロマジン、塩酸コカイン、塩酸ジサイクロミン、塩酸ジセチアミン、塩酸ジフェニルピラリン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸ジルチアゼム、塩酸ダウノルビシン、塩酸ツロブテロール、塩酸テトラサイクリン、塩酸デラプリル、塩酸ドキシサイクリン、塩酸ドキソルビシン、塩酸ドバミン、塩酸ドプタミン、塩酸トラゾリン、塩酸トリペレナミン、塩酸ナロキゾン、塩酸ナロルフィン、塩酸ニカルジピン、塩酸ノスカピン、塩酸バンコマイシン、塩酸ヒスチジン、塩酸ピラルビシン、塩酸フェンフォルミン、塩酸ブフォルミン、塩酸フラボキサート、塩酸プロトキロール、塩酸プロプラノロール、塩酸プロメタジン、塩酸フラボキサート、塩酸ペネキサート、ベータテクス、塩酸ピコペリダミン、塩酸ブフェトロール、塩酸ペチジン、塩酸マブロチリン、塩酸メカミルアミン、塩酸メチルエフェドリン、塩酸メトキシフェナミン、塩酸メトジラジン、塩酸モルヒネ、塩酸リルマゾホン、塩酸レボメプロマジン、塩酸ロメフロキサシン、オキサプロジン、オキシモルフィン、オキシメトロン、オキセンドロン、オザグレル、オフロキサシン、カネンドマイシン、カルバゾクロムスルホン酸ナトリウム、乾燥水酸化アルミニウムゲル、ガンマーオリザノール、クエン酸クロミフェン、クエン酸ナトリウム、グリセオフルピン、グリチルリチン、グリビザイド、グリミジンナトリウム、クレスチン、クレゾールスルホン酸ナトリウム、クロミプラミン、クロフィブラート、クロペラスチン、クロルプロパミド、ケトプロフェン、合成ヒドロタルサイト、コハク酸プレドニゾロンナトリウム、コルヒチン、酢酸クロルプロマジン、酢酸クロルマジノン、酢酸コルチゾン、酢酸プレドニゾロン、酢酸ヘキセストロール、酢酸ベタメタゾン、サリチルアミド、サリチル酸ナトリウム、酸化マグネシウム、ジアゾキシド、ジアゼパム、ジギトキシン、ジクロフェナックナトリウム、シクロフォスファミド、シソマイシン、シノキサシン、ジベカシン、ジピリダモール、ジフルニサル、ジプロピオン酸ベタメタゾン、臭化水素酸デキストロメトルファン、臭化ネオスチグミン、臭化バンクロニウム、臭化メチルスコボラミン、酒石酸レボルファノール、酒石酸レバロルファン、硝酸イソソルピド、硝酸ミコナゾール、シトシンアラビノシド、シロスタゾール、シンナリジン、シンパスタチン、スプロフェン、スルピリン、スルファゼシン、スルファメトキサゾール、スルフィンピラゾン、スリンダック、セファクロル、セファゾリン、セファレキシン、セファロチン、セファロリジン、セフォキシチン、セフォタキシム、セフォチアム、セフォベラゾン、セフスロジン、セフチゾキシム、セフチブテン、セフメノキシム、セフメタゾール、ゾテピン、チエナマイシン、チオチバ、チカルシリン、チクロピジン、チラクターゼ、テオフィリン、テオフィロー
ル、テガフール、テキサメタゾン、テストステロン、テセロイキン、テトラヒドロフリル-5-フルオロウラシル、テルフェナジン、トプラマイシン、トラザミド、トラニラスト、トラピジル、トラネキサム酸、トランスバイオキソカンファー、トリクロルメチアジド、トリフロベラジン、トリメトブリム、トルフェナム酸、トロンボブラスチン、ナブロキセン、ニトラゼバム、ニトログリセリン、ニフェジピン、ネダブラチン、ノキシブチリン、ノルエチステロン、ノルフロキサシン、バイカレイン、バラアミノサリチル酸ナトリウム、バミコグレル、ハロペリドール、パンテノール、パントテン酸カルシウム、ピシバニール、ピペラシリン、ピロキシカム、ピンドロール、フェニトインナトリウム、フェナセチン、フェノバリン、フェノバルビタール、フェノプロフェンカルシウム、フェノールフタリン酸クロルプロマジン、フェンブフェン、フトラフール、フマギリン、フルオロウラシル、フラジオマイシン、フルフェナム酸ナトリウム、ブラバスタチン、フルコナゾール、フルトブラゼパム、フルルビプロフェン、プレオマイシン、プロスタグランジン類、プロゲステロン、プロピオン酸アルクロメタゾン、プロピオン酸ドロスタノロン、プロペリシアジン、フロモキセフナトリウム、フランカルボン酸モメタゾン、ヘキサメトニウムブロミド、ヘキソベンジン、ベスタチン、ヘパリンナトリウム、ベラプロスト、ベンズブロマロン、ペントリニウム、ホスホマイシン、マイトマイシンC、マレイン酸クロルフェニラミン、マレイン酸トリミブラミン、マレイン酸プロクロルペラジン、マレイン酸レボメプロマジン、無水カフェイン、メシル酸ガベキサート、メシル酸ジメトチアジン、メシル酸プロクロルペラジン、メシル酸ブロモクリブチン、メストラノール、メスナ、メソトレキセート、メダゼパム、メタンスルホン酸プリジノール、メチマゾール、メテルドバ、メチレンジサリチル酸プロメタジン、メチル硫酸ネオスチグミン、メトクロプロミド、メトフォルミン、メトロニダゾール、メナジオン亜硫酸水素ナトリウム、メピチオスタン、メフェナム酸、モキソラクタム、吉草酸ベタメタゾン、リピドマイシン、リン酸コデイン、ラウリル硫酸プロピオン酸エリスロマイシン、ラタモキセフナトリウム、リシノブリル、リファンビシン、リマブロスト、硫酸アトロビン、硫酸サルブタモール、硫酸セフビロム、硫酸テルブタリン、硫酸バメタン、硫酸フェネルジン、硫酸フラジオマイシン、硫酸モルヒネ、リン酸ジヒドロコデイン、リン酸コデイン、リン酸ヘキセストロール、リン酸ペタメタゾンナトリウム、レパミゾール、レンチナン、ロキソプロフェンナトリウム、ロリテトラサイクリン等が挙げられる。
次に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。また、単に「部」「%」とあるのは、質量基準である。
実施例1
[カプセル形成剤(1)の作製]
PVA系樹脂(A)(無変性、ケン化度88モル%、4%水溶液粘度48mPa・s)100部、モンモリロナイト(B)4.04部、、ポリアクリル酸(C)(分子量2000)1.01部、ジェランガム0.21部、乳酸カルシウム0.07部を647部の水に添加後、85℃に昇温させPVA系樹脂(A)を溶解し、カプセル形成剤(1)を作製した。
[フィルム(1)の作製]
上記で得られたカプセル形成剤(1)を100μmのPET基材に塗工し、80℃で2時間、その後140℃15分乾燥して、カプセルとする代わりに、膜厚100μmのフィルムとして、25℃、20%RHで1週間放置し、フィルム(1)を得た。
得られたフィルム(1)について、以下の評価を行った。
[ひび割れ評価]
25℃、20%RHの環境下で、上記で得られたフィルム(1)の引張試験を実施した。引張試験は、オートグラフ(島津製作所社製、AG-IS)を用いて、幅10mm、つかみ具間距離50mm、引張速度100mm/minで行い、破断のびを算出し、ひび割れの指標とした。かかる破断のびの値が大きいと、低湿度下でのひび割れが抑制できる。
[フィルム(2)の作製]
上記で得られた樹脂組成物水溶液(1)を100μmのPET基材に塗工し、80℃で2時間、その後140℃15分乾燥して、膜厚100μmのフィルムとして、25℃、50%RHで1週間調湿し、フィルム(2)を得た。
得られたフィルム(2)について、以下の評価を行った。
[溶解時間評価]
25℃、50%RHの環境下で、上記で得られたフィルム(2)の溶解試験を実施した。25℃の水200mLに、2cm角のフィルム(2)を投入し、フィルムが溶解するまでの時間を測定した。
実施例2
実施例1において、ポリアクリル酸(C)(分子量5000)を0.5部、モンモリロナイトを4.02部、水を644部にした以外は、実施例1と同様にカプセル形成剤(2)を作製した。
実施例3
実施例1において、ポリアクリル酸(C)(分子量5000)を1.01部にした以外は、実施例1と同様にカプセル形成剤(3)を作製した。
比較例1
実施例1において、ポリアクリル酸を未配合、モンモリロナイトを4.00部、水を641部にした以外は、実施例1と同様にカプセル形成剤(1)を作製した。
比較例2
実施例1において、ポリアクリル酸(C)(分子量2000)を3.09部、モンモリロナイト(B)を4.12部、ジェランガムを0.22部、水を660部にした以外は、実施例1と同様にカプセル形成剤(1)を作製した。
Figure 0007192653000001
Mw:重量平均分子量
本発明のカプセル用組成物を用いた実施例1~3は、水への溶解性を保持したまま、低湿度下での破断のびの値が大きく、ひび割れが改善された。一方、ポリアクリル酸を含有しなかった比較例1は、溶解時間が長かった。ポリアクリル酸を多く配合した比較例2は、溶解性は保持していたが、低湿度下での破断のびの値が小さいため、ひび割れが生じるものであった。
本発明のカプセル用組成物は、水などの溶媒に溶解し、カプセル用形成剤とし、その後カプセルに成形することができる。かかるカプセルは医薬品、健康食品、食品等のカプセルとして有用である。

Claims (5)

  1. ポリビニルアルコール系樹脂(A)と無機層状化合物(B)とポリアクリル酸(C)を含有し、ポリビニルアルコール系樹脂(A)100重量部に対して、層状化合物(B)の含有量が1~15重量部、ポリアクリル酸(C)の含有量が0.1~3.0重量部であることを特徴とするハードカプセル用組成物。
  2. ポリビニルアルコール系樹脂(A)のケン化度が80~95モル%であることを特徴とする請求項1記載のハードカプセル用組成物。
  3. 請求項1または2に記載のハードカプセル用組成物を含有するハードカプセル。
  4. 請求項3に記載のハードカプセルで薬効成分が包装されてなるハードカプセル製剤。
  5. ハードカプセル形成用ピンを請求項1または2に記載のハードカプセル用組成物の溶液に浸漬させ、次いで該ハードカプセル形成用ピンを引き上げて、乾燥させることを特徴とするハードカプセルの製造方法。
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