JPWO2018008500A1 - 固体電解質および電池 - Google Patents
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Abstract
ポリマーと、セルロースナノファイバーと、金属塩と、を含むことを特徴とする固体電解質。
Description
本発明は、固体電解質および電池に関する。
固体電解質は、液体電解質とは異なり、液漏れの心配がなく、軽量かつフレキシブルな電解質膜である。そのため、固体電解質は、リチウムイオンなどを用いた二次電池などへの応用が期待される。
例えば、非特許文献1には、ポリエチレンオキシド電解質にアルミナなどの金属酸化物を添加することが記載されている。
また、例えば、特許文献1には、ポリエーテル重合体と、金属酸化物フィラーを含有するイオン伝導体組成物を製造する方法が記載されている。特許文献1には、イオン伝導性高分子と金属酸化物フィラーとを混練する際に、ホウ素含有化合物などを共存させて、混練する方法が記載されている。
例えば、非特許文献1には、ポリエチレンオキシド電解質にアルミナなどの金属酸化物を添加することが記載されている。
また、例えば、特許文献1には、ポリエーテル重合体と、金属酸化物フィラーを含有するイオン伝導体組成物を製造する方法が記載されている。特許文献1には、イオン伝導性高分子と金属酸化物フィラーとを混練する際に、ホウ素含有化合物などを共存させて、混練する方法が記載されている。
F. Croce et al., Electrochimica Acta, 46, 2457 (2001)
金属酸化物フィラーを添加することにより固体電解質膜の強度を向上させることができるものの、固体電解質膜の自立性は未だ十分ではない。
本発明の目的は、膜の自立性を向上させた固体電解質、およびその固体電解質を用いた電池を提供することである。
本発明の一態様に係る固体電解質は、ポリマーと、セルロースナノファイバーと、金属塩と、を含む。
本発明の一態様に係る固体電解質においては、前記ポリマーの繰り返し単位のモル数をx(mol)とし、前記金属塩中における金属のモル数をz(mol)とした場合に、下記数式(F1)で示される条件を満たすことが好ましい。
0.7≦(z/x)・・・(F1)
本発明の一態様に係る固体電解質においては、前記セルロースナノファイバーの含有量が、4.5質量%以下であることが好ましい。
本発明の一態様に係る固体電解質においては、前記金属塩は、アルカリ金属塩であることが好ましい。
本発明の一態様に係る固体電解質においては、前記金属塩は、リチウム塩であることが好ましい。
0.7≦(z/x)・・・(F1)
本発明の一態様に係る固体電解質においては、前記セルロースナノファイバーの含有量が、4.5質量%以下であることが好ましい。
本発明の一態様に係る固体電解質においては、前記金属塩は、アルカリ金属塩であることが好ましい。
本発明の一態様に係る固体電解質においては、前記金属塩は、リチウム塩であることが好ましい。
本発明の一態様に係る固体電解質においては、前記リチウム塩として、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドおよびリチウムビス(フルオロスルホニル)イミドの少なくとも一種を含むことが好ましい。
本発明の一態様に係る固体電解質においては、前記ポリマーは、脂肪族ポリカーボネートであることが好ましい。
本発明の一態様に係る電池は、前述の本発明の一態様に係る固体電解質を含む。
本発明の一態様に係る固体電解質においては、前記ポリマーは、脂肪族ポリカーボネートであることが好ましい。
本発明の一態様に係る電池は、前述の本発明の一態様に係る固体電解質を含む。
本発明によれば、膜の自立性を向上させた固体電解質、およびその固体電解質を用いた電池を提供できる。
[固体電解質]
以下、本発明について実施形態を例に挙げて説明する。本発明は実施形態の内容に限定されない。
本実施形態に係る固体電解質は、以下説明するポリマーと、以下説明するセルロースナノファイバーと、以下説明する金属塩と、を含む。
以下、本発明について実施形態を例に挙げて説明する。本発明は実施形態の内容に限定されない。
本実施形態に係る固体電解質は、以下説明するポリマーと、以下説明するセルロースナノファイバーと、以下説明する金属塩と、を含む。
(ポリマー)
本実施形態に係るポリマーとしては、脂肪族ポリカーボネート、ポリアルキレンオキシド、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、およびポリメタクリレートなどが挙げられる。これらのポリマーは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。さらに、これらのポリマーは、複数種の繰り返し単位を有する共重合体であってもよい。共重合体の場合には、ランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよい。
これらのポリマーの中でも、固体電解質としての性能の観点から、脂肪族ポリカーボネート、またはポリアルキレンオキシドが好ましく、脂肪族ポリカーボネートがより好ましい。
本実施形態に係るポリマーとしては、脂肪族ポリカーボネート、ポリアルキレンオキシド、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、およびポリメタクリレートなどが挙げられる。これらのポリマーは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。さらに、これらのポリマーは、複数種の繰り返し単位を有する共重合体であってもよい。共重合体の場合には、ランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよい。
これらのポリマーの中でも、固体電解質としての性能の観点から、脂肪族ポリカーボネート、またはポリアルキレンオキシドが好ましく、脂肪族ポリカーボネートがより好ましい。
脂肪族ポリカーボネートとしては、例えば、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する脂肪族ポリカーボネートが挙げられる。
前記一般式(1)において、mは2または3であり、R1は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基(メチル基、およびエチル基など)、または、アルコキシ基である。ここで、アルキル基およびアルコキシ基は、置換基を有していてもよい。また、複数のR1は、互いに同一でも異なっていてもよい。
本実施形態において、イオン伝導度向上の観点から、mは2であることが好ましい。また、イオン伝導度向上の観点から、R1は水素原子であることが好ましい。
本実施形態において、イオン伝導度向上の観点から、mは2であることが好ましい。また、イオン伝導度向上の観点から、R1は水素原子であることが好ましい。
ポリアルキレンオキシドとしては、例えば、下記一般式(2)で表される繰り返し単位を有するポリアルキレンオキシドが挙げられる。
前記一般式(2)において、nは2または3であり、R2は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基(メチル基、およびエチル基など)、または、アルコキシ基である。ここで、アルキル基およびアルコキシ基は、置換基を有していてもよい。また、複数のR2は、互いに同一でも異なっていてもよい。
本実施形態において、イオン伝導度向上の観点から、nは2であることが好ましい。また、イオン伝導度向上の観点から、R2は水素原子であることが好ましい。
本実施形態において、イオン伝導度向上の観点から、nは2であることが好ましい。また、イオン伝導度向上の観点から、R2は水素原子であることが好ましい。
本実施形態に係るポリマーの分子量は、重量平均分子量(Mw)で表す場合、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定した標準ポリスチレン換算で、5,000以上5,000,000以下であることが好ましく、10,000以上1,000,000以下であることがより好ましい。
また、数平均分子量(Mn)で表す場合、3,000以上3,000,000以下であることが好ましく、5,000以上500,000以下であることがより好ましい。
また、重量平均分子量(Mw)の数平均分子量(Mn)に対する比(Mw/Mn)は、1以上10以下であることが好ましく、1.1以上5以下であることがより好ましい。
また、数平均分子量(Mn)で表す場合、3,000以上3,000,000以下であることが好ましく、5,000以上500,000以下であることがより好ましい。
また、重量平均分子量(Mw)の数平均分子量(Mn)に対する比(Mw/Mn)は、1以上10以下であることが好ましく、1.1以上5以下であることがより好ましい。
(セルロースナノファイバー)
本実施形態に係るセルロースナノファイバーは、セルロース繊維を解繊したものである。セルロース繊維としては、植物繊維から分離した繊維(植物由来のパルプ、木材、コットン、麻、竹、綿、ケナフ、ヘンプ、ジュート、バナナ、ココナツ、海草、および茶葉など)、動物繊維から分離した繊維(海産動物であるホヤが産生する動物繊維から分離した繊維など)、バクテリアセルロース(酢酸菌より産生させたバクテリアセルロースなど)が挙げられる。これらの中でも、植物繊維から分離した天然セルロース繊維が好ましく、パルプまたはコットンから分離した天然セルロース繊維がより好ましい。
本実施形態に係るセルロースナノファイバーは、セルロース繊維を解繊したものである。セルロース繊維としては、植物繊維から分離した繊維(植物由来のパルプ、木材、コットン、麻、竹、綿、ケナフ、ヘンプ、ジュート、バナナ、ココナツ、海草、および茶葉など)、動物繊維から分離した繊維(海産動物であるホヤが産生する動物繊維から分離した繊維など)、バクテリアセルロース(酢酸菌より産生させたバクテリアセルロースなど)が挙げられる。これらの中でも、植物繊維から分離した天然セルロース繊維が好ましく、パルプまたはコットンから分離した天然セルロース繊維がより好ましい。
本実施形態に係るセルロースナノファイバーとしては、市販されているセルロースナノファイバーを適宜使用できる。市販されているセルロースナノファイバーとしては、例えば、スギノマシン社製のセルロースナノファイバー水溶液「BiNFi−s」などが挙げられる。
本実施形態に係るセルロースナノファイバーの平均繊維径(短径)は、10nm以上100nm以下であることが好ましく、10nm以上40nm以下であることが好ましく、15nm以上25nm以下であることが特に好ましい。
本実施形態に係るセルロースナノファイバーの繊維長は、5μm以上であることが好ましい。
本実施形態に係るセルロースナノファイバーの平均繊維径(短径)は、10nm以上100nm以下であることが好ましく、10nm以上40nm以下であることが好ましく、15nm以上25nm以下であることが特に好ましい。
本実施形態に係るセルロースナノファイバーの繊維長は、5μm以上であることが好ましい。
本実施形態において、固体電解質中のセルロースナノファイバーの含有量は、特に制限されない。しかし、イオン伝導度を向上させるという観点からは、セルロースナノファイバーの含有量は、固体電解質全量に対して、0質量%超4.5質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上4質量%以下であることがより好ましく、1質量%以上3.5質量%以下であることが更により好ましく、2質量%以上3質量%以下であることが特に好ましい。なお、含有量が前記下限以上であれば、膜の自立性を十分に向上できる。他方、含有量が前記上限以下であれば、膜の自立性を十分に向上でき、しかもイオン伝導度を向上できる。
(金属塩)
本実施形態に係る金属塩は、特に限定されないが、例えば、アルカリ金属塩のうちの少なくとも1種を用いることができる。アルカリ金属塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、およびカリウム塩などが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本実施形態に係る金属塩は、特に限定されないが、例えば、アルカリ金属塩のうちの少なくとも1種を用いることができる。アルカリ金属塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、およびカリウム塩などが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本実施形態において、金属塩は、リチウム塩であることがより好ましい。固体電解質中で金属塩は、アルカリ金属などの陽イオンおよび当該陽イオンの対イオンとして存在し得る。金属塩がリチウム塩であれば、エネルギー密度がより高くなる。
リチウム塩としては、LiClO4、LiBF4、LiI、LiPF6、LiCF3SO3、LiCF3COO、LiNO3、LiAsF6、LiSbF6、LiAlCl4、LiCl、LiBr、LiB(C2H5)4、LiCH3SO3、LiC4F9SO3、Li(CF3SO2)2N、Li(C2F5SO2)N、およびLi(FSO2)2Nなどが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、イオン伝導性の観点から、Li(CF3SO2)2N(リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド:LiTFSI)およびLi(FSO2)2N(リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド:LiFSI)の少なくとも一種を含むことがより好ましい。複数種類の金属塩が固体電解質に含まれていてもよい。
リチウム塩としては、LiClO4、LiBF4、LiI、LiPF6、LiCF3SO3、LiCF3COO、LiNO3、LiAsF6、LiSbF6、LiAlCl4、LiCl、LiBr、LiB(C2H5)4、LiCH3SO3、LiC4F9SO3、Li(CF3SO2)2N、Li(C2F5SO2)N、およびLi(FSO2)2Nなどが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、イオン伝導性の観点から、Li(CF3SO2)2N(リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド:LiTFSI)およびLi(FSO2)2N(リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド:LiFSI)の少なくとも一種を含むことがより好ましい。複数種類の金属塩が固体電解質に含まれていてもよい。
本実施形態において、固体電解質中の金属塩の含有量は、特に制限されない。しかし、イオン伝導度を向上させるという観点からは、前記ポリマー中における繰り返し単位のモル数をx(mol)とし、前記金属塩中における金属のモル数をz(mol)とした場合に、下記数式(F1)で示される条件を満たすことが好ましい。
0.7≦(z/x) ・・・(F1)
また、(z/x)の値は、イオン伝導度を向上させるという観点から、0.8以上2以下であることがより好ましく、1以上1.6以下であることがさらに好ましく、1.1以上1.3以下であることが特に好ましい。なお、(z/x)の値が前記下限以上であれば、イオン伝導度を十分に発現させることができる。他方、(z/x)の値が前記上限以下であれば、塩を十分に溶解できるため、塩の析出を抑制できることによるイオン伝導度の低下を抑制でき、また、ポリマーの割合が低下し過ぎることがないため、固体電解質が固体の形状を保つことができる。
また、前記ポリマーが脂肪族ポリカーボネートの場合には、(z/x)の値が0.7以上であると、膜の自立性が不足する傾向にある。しかし、脂肪族ポリカーボネートと、セルロースナノファイバーとを組み合わせれば、膜の自立性を確保できる。
なお、(z/x)は、前記固体電解質のポリマー中における繰り返し単位に対する金属(金属塩に由来する金属のことであり、金属塩から解離した金属イオンの他、金属塩から解離していない金属をも含む概念とする)のモル比を示している。また、(z/x)×100(単位:mol%)を、場合により固体電解質の塩濃度(Salt Concentration)ともいう。
0.7≦(z/x) ・・・(F1)
また、(z/x)の値は、イオン伝導度を向上させるという観点から、0.8以上2以下であることがより好ましく、1以上1.6以下であることがさらに好ましく、1.1以上1.3以下であることが特に好ましい。なお、(z/x)の値が前記下限以上であれば、イオン伝導度を十分に発現させることができる。他方、(z/x)の値が前記上限以下であれば、塩を十分に溶解できるため、塩の析出を抑制できることによるイオン伝導度の低下を抑制でき、また、ポリマーの割合が低下し過ぎることがないため、固体電解質が固体の形状を保つことができる。
また、前記ポリマーが脂肪族ポリカーボネートの場合には、(z/x)の値が0.7以上であると、膜の自立性が不足する傾向にある。しかし、脂肪族ポリカーボネートと、セルロースナノファイバーとを組み合わせれば、膜の自立性を確保できる。
なお、(z/x)は、前記固体電解質のポリマー中における繰り返し単位に対する金属(金属塩に由来する金属のことであり、金属塩から解離した金属イオンの他、金属塩から解離していない金属をも含む概念とする)のモル比を示している。また、(z/x)×100(単位:mol%)を、場合により固体電解質の塩濃度(Salt Concentration)ともいう。
本実施形態に係る固体電解質は、本発明の目的を損なわない限りにおいて、本実施形態に係るポリマー、セルロースナノファイバーおよび金属塩以外の成分を含んでいてもよい。
例えば、本実施形態に係る固体電解質は、溶媒を含まない固体状(溶媒非含有固体電解質)であってもよいが、溶媒を含むゲル状(高分子ゲル電解質)であってもよい。固体電解質が高分子ゲル電解質である場合、高分子ゲル電解質中の溶媒の含有量は、通常、固体電解質全体の30質量%以上99質量%以下である。
また、例えば、本実施形態に係る固体電解質は、フィラーまたはその他添加剤を含んでいてもよい。フィラーまたはその他添加剤を用いる場合、その配合量は、固体電解質全量に対して、5質量%以下であることが好ましい。また、フィラーとしては、例えば、タルク、カオリン、クレー、珪酸カルシウム、アルミナ、ジルコニア、酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化鉄、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、シリカ、炭酸カルシウム、チタン酸カリウム、チタン酸バリウム、マイカ、モンモリロナイト、およびガラス繊維などが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アルミナ、ジルコニア、酸化マグネシウム、およびチタン酸バリウムのうち少なくとも一種を含むことが好ましい。
これらのフィラーを用いる場合、その配合量は、固体電解質全量に対して、5質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以下であることが特に好ましい。また、これらのフィラーよりもセルロースナノファイバーの方が膜の自立性の向上効果が高いことから、本実施形態においては、これらのフィラーを含有しないことが好ましい。
その他添加剤を用いる場合、その配合量は、固体電解質全量に対して、5質量%以下であることが好ましい。
これらのフィラーを用いる場合、その配合量は、固体電解質全量に対して、5質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以下であることが特に好ましい。また、これらのフィラーよりもセルロースナノファイバーの方が膜の自立性の向上効果が高いことから、本実施形態においては、これらのフィラーを含有しないことが好ましい。
その他添加剤を用いる場合、その配合量は、固体電解質全量に対して、5質量%以下であることが好ましい。
本実施形態に係る固体電解質を製造する方法は、特に限定されないが、例えば、(i)モノマーを重合させてポリマーを得てから、ポリマーおよびセルロースナノファイバーの複合体を形成させ、これに金属塩を含有させる方法、或いは、(ii)金属塩の存在下でモノマーを重合させてポリマーを形成させ、これにセルロースナノファイバーを含有させる方法が挙げられる。前記(i)の方法の場合、例えば、本実施形態に係るポリマーおよびセルロースナノファイバーの複合体に、金属塩および溶媒を加えて溶解させ、溶媒を除去することで固体電解質を得ることができる。
本実施形態に係る固体電解質の形態および構成などは、特に限定されない。本実施形態の固体電解質によれば、膜の自立性を向上できるので、自立性を有する固体電解質膜を形成できる。自立性を有する固体電解質膜は、取り扱い性に優れる。自立性を有する膜とは、固体電解質膜を支持体から形状を保ったまま剥がすことができ、取り扱うことのできる膜である。
固体電解質膜は、次のようにして製造することができる。例えば、本実施形態に係るポリマー、セルロースナノファイバー、金属塩、および溶媒を含む混合溶液を支持体の表面に塗布して塗膜を形成し、塗膜中の溶媒を除去することにより、膜状の固体電解質膜を得ることができる。このとき、支持体から固体電解質膜を剥離する必要がある場合には、支持体の表面に剥離処理が施されていることが好ましい。
固体電解質膜は、次のようにして製造することができる。例えば、本実施形態に係るポリマー、セルロースナノファイバー、金属塩、および溶媒を含む混合溶液を支持体の表面に塗布して塗膜を形成し、塗膜中の溶媒を除去することにより、膜状の固体電解質膜を得ることができる。このとき、支持体から固体電解質膜を剥離する必要がある場合には、支持体の表面に剥離処理が施されていることが好ましい。
本実施形態に係る固体電解質は、例えば電池などに好適に用いることができる。本実施形態に係る固体電解質を含む電池としては、一次電池および二次電池などが挙げられる。
本実施形態に係る固体電解質のより具体的な例としては、例えば、以下のような固体電解質の例が挙げられるが、本発明は、このような例に限定されない。
本実施形態に係る固体電解質の一例として、ポリマーと、セルロースナノファイバーと、金属塩と、を含み、前記ポリマーがポリエチレンカーボネートであり、前記金属塩がリチウムビス(フルオロスルホニル)イミドである固体電解質が挙げられる。
本実施形態に係る固体電解質の一例として、ポリマーと、セルロースナノファイバーと、金属塩と、を含み、前記ポリマーがポリエチレンカーボネートであり、前記金属塩がリチウムビス(フルオロスルホニル)イミドであり、前記ポリマーの繰り返し単位のモル数をx(mol)とし、前記金属塩中における金属のモル数をz(mol)とした場合に、(z/x)の値が0.8以上1.6以下である固体電解質が挙げられる。
本実施形態に係る固体電解質の一例として、ポリマーと、セルロースナノファイバーと、金属塩と、を含み、前記ポリマーがポリエチレンカーボネートであり、前記金属塩がリチウムビス(フルオロスルホニル)イミドであり、前記ポリマーの繰り返し単位のモル数をx(mol)とし、前記金属塩中における金属のモル数をz(mol)とした場合に、(z/x)の値が0.1以上0.6以下であり、前記セルロースナノファイバーの含有量が、4.5質量%以下である固体電解質が挙げられる。
本実施形態に係る固体電解質の一例として、ポリマーと、セルロースナノファイバーと、金属塩と、を含み、前記ポリマーがポリエチレンカーボネートであり、前記金属塩がリチウムビス(フルオロスルホニル)イミドである固体電解質が挙げられる。
本実施形態に係る固体電解質の一例として、ポリマーと、セルロースナノファイバーと、金属塩と、を含み、前記ポリマーがポリエチレンカーボネートであり、前記金属塩がリチウムビス(フルオロスルホニル)イミドであり、前記ポリマーの繰り返し単位のモル数をx(mol)とし、前記金属塩中における金属のモル数をz(mol)とした場合に、(z/x)の値が0.8以上1.6以下である固体電解質が挙げられる。
本実施形態に係る固体電解質の一例として、ポリマーと、セルロースナノファイバーと、金属塩と、を含み、前記ポリマーがポリエチレンカーボネートであり、前記金属塩がリチウムビス(フルオロスルホニル)イミドであり、前記ポリマーの繰り返し単位のモル数をx(mol)とし、前記金属塩中における金属のモル数をz(mol)とした場合に、(z/x)の値が0.1以上0.6以下であり、前記セルロースナノファイバーの含有量が、4.5質量%以下である固体電解質が挙げられる。
[電池]
本実施形態に係る電池は、本実施形態に係る固体電解質を含む。本実施形態において、電池の電解質層の構成材料として本実施形態に係る固体電解質を含むことが好ましい。電池は、陽極と、陰極と、陽極および陰極の間に配置される電解質層とで構成される。このような構成とすることで、特性に優れた電池を得ることができる。また、電池としては、二次電池であることが好ましく、リチウムイオン二次電池であることがより好ましい。
なお、前述のポリマー、セルロースナノファイバー、金属塩、および溶媒を含有する混合溶液を電極に塗布し、溶媒を除去することで、固体電解質膜を電極上に直接形成してもよい。本実施形態に係るリチウムイオン二次電池が備える各種部材は、特に限定されないが、例えば電池に一般的に使用される材料を用いることができる。
そして、本実施形態に係る固体電解質は、溶媒を含んでいなくとも、イオン伝導性を有する。そのため、本実施形態に係る電池を、本実施形態に係る固体電解質を含み、かつ溶媒を含まない電池とすれば、液漏れがなく安全に使用することができる。
本実施形態に係る電池は、本実施形態に係る固体電解質を含む。本実施形態において、電池の電解質層の構成材料として本実施形態に係る固体電解質を含むことが好ましい。電池は、陽極と、陰極と、陽極および陰極の間に配置される電解質層とで構成される。このような構成とすることで、特性に優れた電池を得ることができる。また、電池としては、二次電池であることが好ましく、リチウムイオン二次電池であることがより好ましい。
なお、前述のポリマー、セルロースナノファイバー、金属塩、および溶媒を含有する混合溶液を電極に塗布し、溶媒を除去することで、固体電解質膜を電極上に直接形成してもよい。本実施形態に係るリチウムイオン二次電池が備える各種部材は、特に限定されないが、例えば電池に一般的に使用される材料を用いることができる。
そして、本実施形態に係る固体電解質は、溶媒を含んでいなくとも、イオン伝導性を有する。そのため、本実施形態に係る電池を、本実施形態に係る固体電解質を含み、かつ溶媒を含まない電池とすれば、液漏れがなく安全に使用することができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明に含まれる。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されない。なお、以下の実施例および比較例における測定は、以下に示す方法により行った。
[イオン伝導度測定]
得られた固体電解質膜を直径6mmの円形に切り抜き、電極として2枚のステンレス板で挟み、ステンレス板間のインピーダンスを測定した。測定には電極間に交流(印加電圧は10mV)を印加して抵抗成分を測定する交流インピーダンス法を用いて、得られたコール・コールプロットの実数インピーダンス切片よりイオン伝導度を算出した。なお、測定にはポテンショスタット/ガルバノスタット(製品名「SP−150」、biologic社製)を用いた。
イオン伝導度(σ)は、下記数式(F2)により求めた。
σ = L/(R×S) ・・・(F2)
式(F2)中、σはイオン伝導度(単位:S・cm−1)、Rは抵抗(単位:Ω)、Sは固体電解質膜の測定時の断面積(単位:cm2)、Lは電極間距離(単位:cm)を示す。
測定温度は、60℃である。また、複素インピーダンスの測定結果からイオン伝導度(σ)を算出した。
[膜形状観察]
フッ素樹脂製モールド上に固体電解質溶液をキャストし、乾燥させた100μm厚の固体電解質をフッ素樹脂製モールドから剥離した。剥離後においても自立性を保っていたものを「A」と判定し、自立性を保てなかったもの、または、膜形状で剥離できなかったものを「B」と判定した。
得られた固体電解質膜を直径6mmの円形に切り抜き、電極として2枚のステンレス板で挟み、ステンレス板間のインピーダンスを測定した。測定には電極間に交流(印加電圧は10mV)を印加して抵抗成分を測定する交流インピーダンス法を用いて、得られたコール・コールプロットの実数インピーダンス切片よりイオン伝導度を算出した。なお、測定にはポテンショスタット/ガルバノスタット(製品名「SP−150」、biologic社製)を用いた。
イオン伝導度(σ)は、下記数式(F2)により求めた。
σ = L/(R×S) ・・・(F2)
式(F2)中、σはイオン伝導度(単位:S・cm−1)、Rは抵抗(単位:Ω)、Sは固体電解質膜の測定時の断面積(単位:cm2)、Lは電極間距離(単位:cm)を示す。
測定温度は、60℃である。また、複素インピーダンスの測定結果からイオン伝導度(σ)を算出した。
[膜形状観察]
フッ素樹脂製モールド上に固体電解質溶液をキャストし、乾燥させた100μm厚の固体電解質をフッ素樹脂製モールドから剥離した。剥離後においても自立性を保っていたものを「A」と判定し、自立性を保てなかったもの、または、膜形状で剥離できなかったものを「B」と判定した。
[実施例1(実施例1−1〜実施例1−8)]
(セルロースナノファイバー/ポリエチレンカーボネート複合体の調製)
市販のポリエチレンカーボネート(商品名「QPAC−25」、EMPOWER MATERIALS社製)にアセトニトリルを加えて、ポリエチレンカーボネートが2質量%となるように調整して、ポリエチレンカーボネート溶液を得た。このポリエチレンカーボネート溶液に、セルロースナノファイバー水溶液(商品名「BiNFi−s BMa−10002」、スギノマシン社製)を、溶液比率(ポリエチレンカーボネート溶液:セルロースナノファイバー水溶液)が90質量%:10質量%となるように添加して、撹拌した。その後、60℃で48時間乾燥させ、さらに減圧下、60℃で72時間乾燥させ、セルロースナノファイバーが10質量%含まれるセルロースナノファイバー/ポリエチレンカーボネート複合体を調製した。
(セルロースナノファイバー/ポリエチレンカーボネート複合体の調製)
市販のポリエチレンカーボネート(商品名「QPAC−25」、EMPOWER MATERIALS社製)にアセトニトリルを加えて、ポリエチレンカーボネートが2質量%となるように調整して、ポリエチレンカーボネート溶液を得た。このポリエチレンカーボネート溶液に、セルロースナノファイバー水溶液(商品名「BiNFi−s BMa−10002」、スギノマシン社製)を、溶液比率(ポリエチレンカーボネート溶液:セルロースナノファイバー水溶液)が90質量%:10質量%となるように添加して、撹拌した。その後、60℃で48時間乾燥させ、さらに減圧下、60℃で72時間乾燥させ、セルロースナノファイバーが10質量%含まれるセルロースナノファイバー/ポリエチレンカーボネート複合体を調製した。
(固体電解質膜の作製)
次に、セルロースナノファイバー/ポリエチレンカーボネート複合体と、LiFSIとを、ポリエチレンカーボネートの繰り返し単位のモル数xに対するリチウム塩のモル数zの比率(単位:mol%、(z/x)×100)が、それぞれ10mol%、20mol%、40mol%、60mol%、80mol%、100mol%、120mol%、および160mol%となるように秤量し、混合した後に、アセトニトリルを加えてよく撹拌して、固体電解質溶液を得た。その後、フッ素樹脂製モールド上に固体電解質溶液をキャストし、乾燥窒素雰囲気下、60℃で6時間乾燥させ、さらに減圧下、60℃で24時間乾燥させ、固体電解質中の塩濃度(単位:mol%、(z/x)×100)およびセルロースナノファイバーの含有量(単位:質量%、固体電解質全量に対する含有量)が下記表1の通りの固体電解質膜を得た。
また、得られた固体電解質膜について、イオン伝導度(σ)を測定し、膜形状を観察した。得られた結果を表1に示す。
次に、セルロースナノファイバー/ポリエチレンカーボネート複合体と、LiFSIとを、ポリエチレンカーボネートの繰り返し単位のモル数xに対するリチウム塩のモル数zの比率(単位:mol%、(z/x)×100)が、それぞれ10mol%、20mol%、40mol%、60mol%、80mol%、100mol%、120mol%、および160mol%となるように秤量し、混合した後に、アセトニトリルを加えてよく撹拌して、固体電解質溶液を得た。その後、フッ素樹脂製モールド上に固体電解質溶液をキャストし、乾燥窒素雰囲気下、60℃で6時間乾燥させ、さらに減圧下、60℃で24時間乾燥させ、固体電解質中の塩濃度(単位:mol%、(z/x)×100)およびセルロースナノファイバーの含有量(単位:質量%、固体電解質全量に対する含有量)が下記表1の通りの固体電解質膜を得た。
また、得られた固体電解質膜について、イオン伝導度(σ)を測定し、膜形状を観察した。得られた結果を表1に示す。
[比較例1(比較例1−1〜比較例1−4)]
市販のポリエチレンカーボネート(商品名「QPAC−25」、EMPOWER MATERIALS社製)と、LiFSIとを、ポリエチレンカーボネートの繰り返し単位のモル数xに対するリチウム塩のモル数zの比率(単位:mol%、(z/x)×100)が、それぞれ80mol%、100mol%、120mol%、および160mol%となるように秤量し、混合した後に、アセトニトリルを加えてよく撹拌して、固体電解質溶液を得た。その後、フッ素樹脂製モールド上に固体電解質溶液をキャストし、乾燥窒素雰囲気下、60℃で6時間乾燥させ、さらに減圧下、60℃で24時間乾燥させ、固体電解質中の塩濃度(単位:mol%、(z/x)×100)およびセルロースナノファイバーの含有量(単位:質量%、固体電解質全量に対する含有量)が下記表2の通りの固体電解質膜を得た。
また、得られた固体電解質膜について、イオン伝導度(σ)を測定し、膜形状を観察した。得られた結果を表2に示す。
市販のポリエチレンカーボネート(商品名「QPAC−25」、EMPOWER MATERIALS社製)と、LiFSIとを、ポリエチレンカーボネートの繰り返し単位のモル数xに対するリチウム塩のモル数zの比率(単位:mol%、(z/x)×100)が、それぞれ80mol%、100mol%、120mol%、および160mol%となるように秤量し、混合した後に、アセトニトリルを加えてよく撹拌して、固体電解質溶液を得た。その後、フッ素樹脂製モールド上に固体電解質溶液をキャストし、乾燥窒素雰囲気下、60℃で6時間乾燥させ、さらに減圧下、60℃で24時間乾燥させ、固体電解質中の塩濃度(単位:mol%、(z/x)×100)およびセルロースナノファイバーの含有量(単位:質量%、固体電解質全量に対する含有量)が下記表2の通りの固体電解質膜を得た。
また、得られた固体電解質膜について、イオン伝導度(σ)を測定し、膜形状を観察した。得られた結果を表2に示す。
表1および表2に示すように、セルロースナノファイバーを含有する固体電解質(実施例1)は、セルロースナノファイバーを含有しない固体電解質(比較例1)と比較して、膜の自立性が向上していることが確認された。
また、図1に、実施例1−5〜実施例1−8、および、比較例1−1〜比較例1−4における塩濃度とイオン伝導度の常用対数との関係を示す。この図1に示す結果からも明らかなように、セルロースナノファイバーを含有する固体電解質(実施例1)は、セルロースナノファイバーを含有しない固体電解質(比較例1)と比較して、同一塩濃度におけるイオン伝導度が向上していることが確認された。
また、図1に、実施例1−5〜実施例1−8、および、比較例1−1〜比較例1−4における塩濃度とイオン伝導度の常用対数との関係を示す。この図1に示す結果からも明らかなように、セルロースナノファイバーを含有する固体電解質(実施例1)は、セルロースナノファイバーを含有しない固体電解質(比較例1)と比較して、同一塩濃度におけるイオン伝導度が向上していることが確認された。
[実施例2(実施例2−1〜実施例2−4)]
セルロースナノファイバー/ポリエチレンカーボネート複合体と、市販のポリエチレンカーボネート(商品名「QPAC−25」、EMPOWER MATERIALS社製)と、LiFSIとを、固体電解質中のセルロースナノファイバーの含有量が2.5質量%となり、かつ、ポリエチレンカーボネートの繰り返し単位のモル数xに対するリチウム塩のモル数zの比率(単位:mol%、(z/x)×100)が、それぞれ10mol%、20mol%、40mol%、および60mol%となるように秤量し、混合した後に、アセトニトリルを加えてよく撹拌して、固体電解質溶液を得た。その後、フッ素樹脂製モールド上に固体電解質溶液をキャストし、乾燥窒素雰囲気下、60℃で6時間乾燥させ、さらに減圧下、60℃で24時間乾燥させ、固体電解質中の塩濃度(単位:mol%、(z/x)×100)およびセルロースナノファイバーの含有量(単位:質量%、固体電解質全量に対する含有量)が下記表3の通りの固体電解質膜を得た。
また、得られた固体電解質膜について、イオン伝導度(σ)を測定し、膜形状を観察した。得られた結果を表3に示す。
セルロースナノファイバー/ポリエチレンカーボネート複合体と、市販のポリエチレンカーボネート(商品名「QPAC−25」、EMPOWER MATERIALS社製)と、LiFSIとを、固体電解質中のセルロースナノファイバーの含有量が2.5質量%となり、かつ、ポリエチレンカーボネートの繰り返し単位のモル数xに対するリチウム塩のモル数zの比率(単位:mol%、(z/x)×100)が、それぞれ10mol%、20mol%、40mol%、および60mol%となるように秤量し、混合した後に、アセトニトリルを加えてよく撹拌して、固体電解質溶液を得た。その後、フッ素樹脂製モールド上に固体電解質溶液をキャストし、乾燥窒素雰囲気下、60℃で6時間乾燥させ、さらに減圧下、60℃で24時間乾燥させ、固体電解質中の塩濃度(単位:mol%、(z/x)×100)およびセルロースナノファイバーの含有量(単位:質量%、固体電解質全量に対する含有量)が下記表3の通りの固体電解質膜を得た。
また、得られた固体電解質膜について、イオン伝導度(σ)を測定し、膜形状を観察した。得られた結果を表3に示す。
表3に示すように、セルロースナノファイバーを含有する固体電解質(実施例2)は、膜の自立性が向上していることが確認された。
また、図2に、実施例1−1〜実施例1−4、および、実施例2−1〜実施例2−4における塩濃度とイオン伝導度の常用対数との関係を示す。この図2に示す結果からも明らかなように、セルロースナノファイバーの含有量が実施例1と比較して少ない固体電解質(実施例2)は、実施例1と比較して、同一塩濃度におけるイオン伝導度が向上していることが確認された。
また、図2に、実施例1−1〜実施例1−4、および、実施例2−1〜実施例2−4における塩濃度とイオン伝導度の常用対数との関係を示す。この図2に示す結果からも明らかなように、セルロースナノファイバーの含有量が実施例1と比較して少ない固体電解質(実施例2)は、実施例1と比較して、同一塩濃度におけるイオン伝導度が向上していることが確認された。
Claims (8)
- ポリマーと、セルロースナノファイバーと、金属塩と、を含む
ことを特徴とする固体電解質。 - 請求項1に記載の固体電解質において、
前記ポリマーの繰り返し単位のモル数をx(mol)とし、
前記金属塩中における金属のモル数をz(mol)とした場合に、
下記数式(F1)で示される条件を満たす
ことを特徴とする固体電解質。
0.7≦(z/x)・・・(F1) - 請求項1又は請求項2に記載の固体電解質において、
前記セルロースナノファイバーの含有量が、4.5質量%以下である
ことを特徴とする固体電解質。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の固体電解質において、
前記金属塩は、アルカリ金属塩である
ことを特徴とする固体電解質。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の固体電解質において、
前記金属塩は、リチウム塩である
ことを特徴とする固体電解質。 - 請求項5に記載の固体電解質において、
前記リチウム塩として、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドおよびリチウムビス(フルオロスルホニル)イミドの少なくとも一種を含む
ことを特徴とする固体電解質。 - 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の固体電解質において、
前記ポリマーは、脂肪族ポリカーボネートである
ことを特徴とする固体電解質。 - 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の固体電解質を含むことを特徴とする電池。
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