JPWO2017188186A1 - タッチパネル、表示装置、光学シート及び光学シートの選別方法 - Google Patents

タッチパネル、表示装置、光学シート及び光学シートの選別方法 Download PDF

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Abstract

屋外防眩性を有し、解像性の低下を抑制することができるとともに、タッチパネルの操作性に優れたタッチパネル、表示装置、光学シート及び光学シートの選別方法を提供する。
操作者側の表面に凹凸を有するタッチパネルであって、前記凹凸は、カットオフ値を2.5mmとした際のJIS B0601:1994の算術平均粗さ(Ra2.5)が0.10μm以上0.60μm以下であるとともに、前記凹凸面の摩擦係数が特定の条件を満たすタッチパネル。

Description

本発明は、タッチパネル、表示装置、光学シート及び光学シートの選別方法に関する。
近年、表示装置にタッチパネルを搭載したタッチパネル付きの表示装置が急速に普及している。
このようなタッチパネル付きの表示装置は、中型以下(20インチ以下〜15インチのA4タイプ、15インチ未満〜11インチ超のB5タイプ)、特に小型以下(11インチ以下)のサイズであり持ち運びに便利であることから、画面に太陽光が入射する屋外や車内等で使用されることが多い。このため、タッチパネルの表面には、太陽光の映り込みを防止することを目的として、防眩性を付与することが期待される。
防眩性を付与する光学シートとしては、例えば、特許文献1が提案されている。
特開2013−178534号公報
特許文献1は、屋内の照明に対しての防眩性には優れている。しかし、太陽光に対する防眩性(屋外防眩性)は十分ではない。
また、近年のタッチパネルは、指を一方向に動かすのみならず、タッチパネル上で画面を拡大縮小するなどの様々な操作を可能としている。タッチパネルの表面材として、防眩性のレベルが強い光学シートを用いると、前述のようなタッチパネルの操作性が低下しやすいという問題がある。
特許文献1では、屋外防眩性と、タッチパネルの操作性の両立について何ら検討していない。
また、現在市販されている大画面TVや、PCモニタ等の表面に配置されている防眩フィルムは、タッチパネルの操作性のみならず、太陽光に対する防眩性(屋外防眩性)をも考慮していない。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、屋外防眩性を有し、解像性の低下を抑制することができるとともに、タッチパネルの操作性に優れたタッチパネル、表示装置、光学シート及び光学シートの選別方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、以下の[1]〜[8]のタッチパネル、表示装置、光学シート及び光学シートの選別方法を提供する。
[1]操作者側の表面に凹凸を有するタッチパネルであって、前記凹凸に、先端半径0.3mmのサファイア製の引掻針を垂直に接触させ、該引掻針に垂直荷重100gをかけながら10mm/秒の速度で片道10mmの長さを1往復した際の該引掻針にかかる静摩擦係数をμs10、前記凹凸に、先端半径0.3mmのサファイア製の引掻針を垂直に接触させ、該引掻針に垂直荷重100gをかけながら20mm/秒の速度で片道10mmの長さを1往復した際の該引掻針にかかる静摩擦係数をμs20とした際に、μs10及びμs20が以下の条件(A1)を満たし、かつ、前記凹凸は、カットオフ値を2.5mmとした際のJIS B0601:1994の算術平均粗さ(Ra2.5)が、以下の条件(A2)を満たす、タッチパネル。
0.70≦μs20/μs10≦1.75 (A1)
0.10μm≦Ra2.5≦0.60μm(A2)
[2]表示素子の出射面側の最表面に凹凸を有してなる表示装置であって、前記凹凸に、先端半径0.3mmのサファイア製の引掻針を垂直に接触させ、該引掻針に垂直荷重100gをかけながら10mm/秒の速度で片道10mmの長さを1往復した際の該引掻針にかかる静摩擦係数をμs10、前記凹凸に、先端半径0.3mmのサファイア製の引掻針を垂直に接触させ、該引掻針に垂直荷重100gをかけながら20mm/秒の速度で片道10mmの長さを1往復した際の該引掻針にかかる静摩擦係数をμs20とした際に、μs10及びμs20が以下の条件(A1)を満たし、かつ、前記凹凸は、カットオフ値を2.5mmとした際のJIS B0601:1994の算術平均粗さ(Ra2.5)が、以下の条件(A2)を満たす、表示装置。
0.70≦μs20/μs10≦1.75 (A1)
0.10μm≦Ra2.5≦0.60μm(A2)
[3]一方の面に凹凸を有する光学シートであって、前記凹凸に、先端半径0.3mmのサファイア製の引掻針を垂直に接触させ、該引掻針に垂直荷重100gをかけながら10mm/秒の速度で片道10mmの長さを1往復した際の該引掻針にかかる静摩擦係数をμs10、前記凹凸に、先端半径0.3mmのサファイア製の引掻針を垂直に接触させ、該引掻針に垂直荷重100gをかけながら20mm/秒の速度で片道10mmの長さを1往復した際の該引掻針にかかる静摩擦係数をμs20とした際に、μs10及びμs20が以下の条件(A1)を満たし、かつ、前記凹凸は、カットオフ値を2.5mmとした際のJIS B0601:1994の算術平均粗さ(Ra2.5)が、以下の条件(A2)を満たす、光学シート。
0.70≦μs20/μs10≦1.75 (A1)
0.10μm≦Ra2.5≦0.60μm(A2)
[4]一方の面に凹凸を有する光学シートの選別方法であって、前記凹凸に、先端半径0.3mmのサファイア製の引掻針を垂直に接触させ、該引掻針に垂直荷重100gをかけながら10mm/秒の速度で片道10mmの長さを1往復した際の該引掻針にかかる静摩擦係数をμs10、前記凹凸に、先端半径0.3mmのサファイア製の引掻針を垂直に接触させ、該引掻針に垂直荷重100gをかけながら20mm/秒の速度で片道10mmの長さを1往復した際の該引掻針にかかる静摩擦係数をμs20とした際に、μs10及びμs20が以下の条件(A1)を満たし、かつ、前記凹凸は、カットオフ値を2.5mmとした際のJIS B0601:1994の算術平均粗さ(Ra2.5)が、以下の条件(A2)を満たす光学シートを、タッチパネルの最上部に位置する光学シートとして選定する、光学シートの選別方法。
0.70≦μs20/μs10≦1.75 (A1)
0.10μm≦Ra2.5≦0.60μm(A2)
[5]操作者側の表面に凹凸を有し、前記凹凸が、以下の条件(B1)及び(B2)を満たす、タッチパネル。
条件(B1):前記凹凸に、先端半径0.3mmのサファイア製の引掻針を垂直に接触させ、前記引掻針に垂直荷重Tgをかけながら5mm/秒の速度で片道10mmの長さを1往復した際の前記引掻針にかかる静摩擦係数μs、及び動摩擦係数μkを測定する。前記静摩擦係数μsと前記動摩擦係数μkとの比(μs/μk)を縦軸に、前記垂直荷重Tgを横軸にプロットしたグラフにおいて、垂直荷重100〜1000gの範囲にあるプロットを最小二乗法により一次直線で近似したときに、前記一次直線の傾きが負である。
条件(B2):前記凹凸は、カットオフ値を2.5mmとした際のJIS B0601:1994の算術平均粗さ(Ra2.5)が0.10μm以上0.60μm以下である。
[6]表示素子の出射面側の最表面に凹凸を有し、前記凹凸が、以下の条件(B1)及び(B2)を満たす、表示装置。
条件(B1):前記凹凸に、先端半径0.3mmのサファイア製の引掻針を垂直に接触させ、前記引掻針に垂直荷重Tgをかけながら5mm/秒の速度で片道10mmの長さを1往復した際の前記引掻針にかかる静摩擦係数μs、及び動摩擦係数μkを測定する。前記静摩擦係数μsと前記動摩擦係数μkとの比(μs/μk)を縦軸に、前記垂直荷重Tgを横軸にプロットしたグラフにおいて、垂直荷重100〜1000gの範囲にあるプロットを最小二乗法により一次直線で近似したときに、前記一次直線の傾きが負である。
条件(B2):前記凹凸は、カットオフ値を2.5mmとした際のJIS B0601:1994の算術平均粗さ(Ra2.5)が0.10μm以上0.60μm以下である。
[7]一方の面に凹凸を有し、前記凹凸が、以下の条件(B1)及び(B2)を満たす、光学シート。
条件(B1):前記凹凸に、先端半径0.3mmのサファイア製の引掻針を垂直に接触させ、前記引掻針に垂直荷重Tgをかけながら5mm/秒の速度で片道10mmの長さを1往復した際の前記引掻針にかかる静摩擦係数μs、及び動摩擦係数μkを測定する。前記静摩擦係数μsと前記動摩擦係数μkとの比(μs/μk)を縦軸に、前記垂直荷重Tgを横軸にプロットしたグラフにおいて、垂直荷重100〜1000gの範囲にあるプロットを最小二乗法により一次直線で近似したときに、前記一次直線の傾きが負である。
条件(B2):前記凹凸は、カットオフ値を2.5mmとした際のJIS B0601:1994の算術平均粗さ(Ra2.5)が0.10μm以上0.60μm以下である。
[8]一方の面に凹凸を有し、前記凹凸が、以下の条件(B1)及び(B2)を満たす光学シートを、タッチパネルの最上部に位置する光学シートとして選定する、光学シートの選別方法。
条件(B1):前記凹凸に、先端半径0.3mmのサファイア製の引掻針を垂直に接触させ、前記引掻針に垂直荷重Tgをかけながら5mm/秒の速度で片道10mmの長さを1往復した際の前記引掻針にかかる静摩擦係数μs、及び動摩擦係数μkを測定する。前記静摩擦係数μsと前記動摩擦係数μkとの比(μs/μk)を縦軸に、前記垂直荷重Tgを横軸にプロットしたグラフにおいて、垂直荷重100〜1000gの範囲にあるプロットを最小二乗法により一次直線で近似したときに、前記一次直線の傾きが負である。
条件(B2):前記凹凸は、カットオフ値を2.5mmとした際のJIS B0601:1994の算術平均粗さ(Ra2.5)が0.10μm以上0.60μm以下である。
本発明によれば、屋外防眩性を有し、解像性の低下を抑制することができるとともに、タッチパネルの操作性に優れたタッチパネル、表示装置、光学シート及び光学シートの選別方法を提供することができる。
本発明の抵抗膜式タッチパネルの一実施形態を示す断面図である。 本発明の静電容量式タッチパネルの一実施形態を示す断面図である。 平均傾斜角θaの算出方法を説明する図である。 本発明の光学シートの凹凸において、静摩擦係数μsと動摩擦係数μkとの比(μs/μk)を縦軸に、垂直荷重Tgを横軸にプロットした際に、垂直荷重100〜1000gの範囲にあるプロットから最小二乗法により得られた近似一次直線の一例を示すグラフである。
以下、本発明のタッチパネル、表示装置、光学シート及び光学シートの選別方法に関して、実施形態A及び実施形態Bを例に取り説明する。
<実施形態A>
[タッチパネル]
実施形態Aのタッチパネルは、操作者側の表面に凹凸を有するタッチパネルであって、
上記凹凸に、先端半径0.3mmのサファイア製の引掻針を垂直に接触させ、該引掻針に垂直荷重100gをかけながら10mm/秒の速度で片道10mmの長さを1往復した際の該引掻針にかかる静摩擦係数をμs10、上記凹凸に、先端半径0.3mmのサファイア製の引掻針を垂直に接触させ、該引掻針に垂直荷重100gをかけながら20mm/秒の速度で片道10mmの長さを1往復した際の該引掻針にかかる静摩擦係数をμs20とした際に、μs10及びμs20が以下の条件(A1)を満たし、かつ、
上記凹凸は、カットオフ値を2.5mmとした際のJIS B0601:1994の算術平均粗さ(Ra2.5)が、以下の条件(A2)を満たすものである。
0.70≦μs20/μs10≦1.75 (A1)
0.10μm≦Ra2.5≦0.60μm(A2)
実施形態Aにおいて、「操作者側の表面」とは、操作者がタッチパネルを操作する際に、実際に触れ操作する面のことをいう。
タッチパネルとしては、静電容量式タッチパネル、抵抗膜式タッチパネル、光学式タッチパネル、超音波式タッチパネル及び電磁誘導式タッチパネル等が挙げられる。
これらタッチパネルは、ガラス基材、プラスチックフィルム基材等の透明基材を有し、該透明基材上には、防眩性を付与するための凹凸が形成される場合がある。実施形態Aのタッチパネルは、このような透明基材上に凹凸を有する部材として、例えば、後述する光学シートを最上部に有するものである。
抵抗膜式タッチパネル1は、図1に示すように、導電膜12を有する上下一対の透明基板11の導電膜12同士が対向するようにスペーサー13を介して配置されてなる基本構成に、図示しない回路が接続されてなるものである。抵抗膜式タッチパネルの場合、実施形態Aでは、上部透明基板として後述する光学シートを用いる。このように、抵抗膜式タッチパネルの上部透明基板として、後述する光学シートを用いることにより、光学シートの凹凸形状によって、タッチパネルに屋外防眩性を付与することができるとともに、タッチパネルの操作性を優れたものとすることができる。また、解像性の低下を抑制することができる。
なお、上記光学シートは、上部透明基板とともに下部透明基板として用いてもよい。
静電容量式タッチパネルは、表面型及び投影型等が挙げられ、投影型が多く用いられている。投影型の静電容量式タッチパネルは、X軸電極と、該X軸電極と直交するY軸電極とを絶縁体を介して配置した基本構成に、回路が接続されてなるものである。該基本構成をより具体的に説明すると、1枚の透明基板上の別々の面にX軸電極及びY軸電極を形成する態様、1枚の透明基板上にX軸電極、絶縁体層、Y軸電極をこの順で形成する態様、図2に示すように、1枚の透明基板21上にX軸電極22を形成し、別の透明基板21上にY軸電極23を形成し、接着剤層24等を介して積層する態様等が挙げられる。また、これら基本態様に、さらに別の透明基板を積層する態様が挙げられる。
静電容量式タッチパネルの場合、実施形態Aでは、最上部の透明基板として後述する光学シートを用いる。このように、静電容量式タッチパネルの最上部の透明基板に後述する光学シートを用いることにより、光学シートの凹凸形状によって、タッチパネルに屋外防眩性を付与することができるとともに、タッチパネルの操作性を優れたものとすることができる。また、解像性の低下を抑制することができる。
上記のようなタッチパネルは、例えば、表示素子上に設置されるオンセル型タッチパネルとして使用される。
(光学シート)
実施形態Aの光学シートは、一方の面に凹凸を有し、かつ、該凹凸が上記の条件(A1)及び(A2)を満たすものである。
タッチパネルは異なった操作速度が要求されることがある。条件(A1)において、μs20/μs10が0.70未満では、画面スクロールの操作感が得られず、及び/又は、拡大/縮小操作を滑らかに行うことができない。1.75を越えると、スクロール操作を滑らかに行うことができず、及び/又は、拡大/縮小の操作感が得られない。
これに対し、実施形態Aの光学シートが条件(A1)を満たす場合、タッチパネルのいかなる操作においても、操作開始時の指の引っかかりの程度を同程度にすることができ、操作性を高めることができる。
条件(A1)は、0.80≦μs20/μs10≦1.60を満たすことが好ましく、0.85≦μs20/μs10≦1.25を満たすことがより好ましく、0.85≦μs20/μs10≦1.15を満たすことが更に好ましい。
なお、実施形態Aにおいて、静摩擦係数は、摩擦力0から測定時間の経過に伴って、動摩擦係数以上となった最初の摩擦力のピークとする。
また、操作性を高める観点から、μs20及びμs10は以下の範囲であることが好ましい。μs20は0.10〜0.26であることが好ましく、0.11〜0.25であることがより好ましく、0.12〜0.24であることが更に好ましい。μs10は0.12〜0.18であることが好ましく、0.13〜0.17であることがより好ましく、0.14〜0.16であることが更に好ましい。
また、条件(A2)においては、カットオフ値を2.5mmとしている。カットオフ値は、粗さ成分(高周波成分)と、うねり成分(低周波成分)とから構成される断面曲線から、うねり成分をカットする度合いを示す値である。言い換えると、カットオフ値は、断面曲線からうねり成分(低周波成分)をカットするフィルターの細かさを示す値である。カットオフ値が大きいと、フィルターが粗いため、うねり成分のうち大きなうねりはカットされるが、小さなうねりはカットされないこととなる。一方、カットオフ値が小さいと、フィルターが細かいため、うねり成分のほとんどがカットされることとなる。JIS B0601で参照するJIS B0633では、算術平均粗さRa0.1〜2μmの時は、カットオフ値(基準長さ)を0.8mmとしている。したがって、JIS B0633によれば、上記条件(A2)のRaの場合、カットオフ値(基準長さ)を0.8mmとすることが標準となっている。
しかし、操作時の触感、屋外防眩性及び解像性には、粗さ成分(高周波成分)のみならず、うねり成分(低周波成分)も影響を与えるため、カットオフ値(基準長さ)を0.8mmとした場合、粗さ曲線のうねり成分(低周波成分)がカットされる度合いが大きくなり、屋外防眩性及び解像性に比べ、より低周波の影響を受けやすい操作時の触感が評価できないおそれがある。このため、実施形態Aでは、条件(A2)のカットオフ値を2.5mmとしている。
条件(A2)は、算術平均粗さRa2.5が0.10μm以上0.60μm以下である。Ra2.5が0.10μm未満であると、光散乱が不足して防眩性が低下する。また、光学シート表面への指の接触面積が増えて触感(滑り感)が悪くなる。Ra2.5が0.60μmを越えると、操作時の滑らかさが損なわれ、また、コントラスト及び解像性が低下する。操作時の触感、屋外防眩性、及び解像性の観点から、条件(A2)は、0.15μm≦Ra2.5≦0.60μmを満たすことが好ましく、0.25μm≦Ra2.5≦0.55μmを満たすことがより好まい。
また、算術平均粗さRa2.5が0.10μm以上であると、透明基材のリタデーション値に特有のグラデーション調の色ムラを目立ちにくくすることができる。リタデーション値に特有のグラデーション調の色ムラとは、リタデーション値を有する透明基材を通過した光に生じる虹模様の色ムラのことであり、このような色ムラは、例えば、偏光板、所定のリタデーション値を有する透明基材を通過した光を偏光サングラスを通して視認した際に観察される。
なお、上記条件(A2)に加え、後述する条件(A3)〜(A5)を満たすことにより、上述した条件(A1)をより満たしやすくすることができる。特に、Ra2.5が0.25μm以上である場合には、例えば色域が広い表示素子に対して、よりグラデーション調の色ムラを目立ちにくくできる。
また、上記凹凸は、カットオフ値を2.5mmとした際のJIS B0601:1994の十点平均粗さ(Rz2.5)と、上述のRa2.5とが、以下の条件(A3)を満たすことが好ましい。
5.7≦Rz2.5/Ra2.5 (A3)
算術平均粗さRaとは、評価長さの粗さ曲線の山と谷の各標高の絶対値を積分して評価長さで割り、均等な標高として求めた値である。一方、十点平均粗さRzとは、カットオフ値と等しいサンプリング長さのN倍の評価長さの粗さ曲線をN等分し、区間毎に第1位から第5位までの高さの山頂の平均標高と第1位から第5位までの深さの谷底の平均標高の間隔Rz’を求めたときのN個のRz’の算術平均値である。つまり、Raが粗さ曲線全体の標高の平均値であるのに対して、Rzは粗さ曲線の中で高い箇所の5点と、低い箇所の5点に着目した際の標高の平均である。このため、粗さ曲線がランダム性を有しない場合には、RaとRzとは略同一になるが、粗さ曲線がランダム性を有する場合には、Raに比べてRzは大きくなる。したがって、Rz/Raは、粗さ曲線のランダム性を表す指標となる。
Rz2.5/Ra2.5が5.7以上であれば、粗さ曲線のランダム性が向上し、光学シート表面への指の接触面積が減り、触感が良好になる。また、粗さ曲線のランダム性を向上することにより、色域が広い表示素子に対して、よりグラデーション調の色ムラを目立ちにくくできる傾向がある。なお、触感(滑り感)及び解像性の観点からは、粗さは必要以上にランダムとしないことが好ましい。
条件(A3)は、6.0≦Rz2.5/Ra2.5≦10.0を満たすことがより好ましく、6.5≦Rz2.5/Ra2.5≦9.5を満たすことが更に好ましく、7.0≦Rz2.5/Ra2.5≦9.0を満たすことがより更に好ましい。
なお、上記凹凸のRz2.5は、0.50〜4.30μmであることが好ましく、1.00〜4.00μmであることがより好ましく、2.00〜4.00μmであることが更に好ましい。Rz2.5が0.50μm以上であると、タッチパネルに屋外防眩性を付与することができ、また、触感(滑り感)をより良好にすることができる。Rz2.5が4.30μm以下であると、ギラツキの発生を抑えることができ、また、操作時の滑らかさを損なうことがない。
なお、Rz2.5が2.00μm以上であると透明基材のリタデーション値に特有のグラデーション調の色ムラ、例えば色域が広い表示素子に対して、より目立ちにくくすることができる。
また、上記凹凸は、カットオフ値を2.5mmとした際のJIS B0601:1994の局部山頂平均間隔(S2.5)が、以下の条件(A4)を満たすことが好ましい。
2.5≦70μm (A4)
局部山頂平均間隔(S2.5)が70μm以下であれば、光学シート表面への指の接触面積が減り触感(滑り感)を良好にすることができる。
条件(A4)は、S2.5≦65μmを満たすことがより好ましく、20μm≦S2.5≦60μmを満たすことが更に好ましく、30μm≦S2.5≦55μmを満たすことがより更に好ましい。
さらに、上記凹凸は、カットオフ値を0.8mmとした際のJIS B0601:1994の十点平均粗さ(Rz0.8)と、上述のRz2.5とが以下の条件(A5)を満たすことが好ましい。
0.10μm≦Rz2.5−Rz0.8≦1.20μm (A5)
上述したように、カットオフ値は、粗さ成分(高周波成分)と、うねり成分(低周波成分)とから構成される断面曲線から、うねり成分をカットする度合いを示す値である。したがって、Rz2.5−Rz0.8は、うねり成分がRzに与える影響の度合いの指標であると言える。
条件(A5)を満たす場合、凹凸を低速で触れた場合と、凹凸を高速で触れた場合とで、静摩擦係数を同程度にしやすくできる。タッチパネルの操作は、主として、画面をスクロールさせる操作と、表示を拡大又は縮小させる操作とに大別できる。前者の操作と後者の操作とでは、前者の操作の方が指を動かすスピードが速い傾向にある。そして、指を動かすスピードによって、うねり成分に対する指の引っかかりやすさは異なる。つまり、条件(A5)を満たす場合、タッチパネルのいかなる操作においても、操作開始時の指の引っかかりの程度(静摩擦係数)を同程度にしやすくできる。また、Rz2.5−Rz0.8を上記範囲内とすることで、ギラツキを抑制しやすくできる。
条件(A5)は0.15μm≦Rz2.5−Rz0.8≦0.80μmを満たすことがより好ましく、0.20μm≦Rz2.5−Rz0.8≦0.50μmを満たすことが更に好ましい。
なお、透明基材のリタデーション値に特有のグラデーション調の色ムラを目立ちにくくする観点からは、Rz2.5−Rz0.8は0.50μm超であることが好ましく、0.80μm超であることがより好ましい。
タッチパネルのいかなる操作においても、操作開始時の指の引っかかりの程度(静摩擦係数)を同程度にしやすくする観点から、上記凹凸は、Rz2.5/Rz0.8が以下の条件を満たすことが好ましい。
Rz2.5/Rz0.8≦1.50
さらに、ギラツキを抑制する観点、及び、透明基材のリタデーション値に特有のグラデーション調の色ムラを目立ちにくくする観点から、Rz2.5/Rz0.8は1.20以上1.50以下であることがより好ましく、1.25以上1.35以下であることが更に好ましい。
さらに、上記凹凸は、カットオフ値を2.5mmとした際のJIS B0601:1994の最大高さ(Ry2.5)が以下の条件を満たすことが好ましい。
0.60μm≦Ry2.5≦5.0μm
Ry2.5が5.0μm以下であると、操作時の指の引っかかりを防ぎ、触感をより良好にすることができる。また、ギラツキの発生をより防止することができる。Ry2.5が0.60μm以上であると、屋外防眩性を付与することができる。
また、Ry2.5は、後述する条件(A6)及び(A7)を満たしやすくする観点から、1.0μm以上4.7μm以下であることがより好ましく、1.2μm以上4.5μm以下であることが更に好ましい。
さらに、上記凹凸は、上記(Ry2.5)と、上述のRz2.5とが、以下の条件(A6)を満たすことが好ましい。
Ry2.5/Rz2.5≦1.5 (A6)
Ry2.5/Rz2.5が1.5以下であると、操作時の指の引っかかりを防ぎ、触感をより良好にすることができる。また、ギラツキの発生をより防止することができ、屋外防眩性を付与しやすくできる。
Ry2.5/Rz2.5は、1.10以上1.40以下であることがより好ましく、1.18以上1.38以下であることが更に好ましい。
さらに、上記凹凸は、カットオフ値を2.5mmとした際の凹凸の平均傾斜角(θa2.5)が以下の条件を満たすことが好ましい。
1.0°≦θa2.5≦5.5°
θa2.5が1.0°以上であると、タッチパネルに屋外防眩性を付与することができ、また、操作時の触感(滑り感)をより良好にすることができる。θa2.5が5.5°以下であると、コントラストの低下を抑え、屋外防眩性とコントラストの両立を図ることができる。θa2.5は、1.3°≦θa2.5≦4.5°を満たすことがより好ましく、2.0°≦θa2.5≦4.0°を満たすことが更に好ましい。また、θa2.5が1.3°以上であると、透明基材のリタデーション値に特有のグラデーション調の色ムラを目立ちにくくできる。更に、2.0°以上であると、例えば色域が広い表示素子に対して、グラデーション調の色ムラをより目立ちにくくすることができる。
ここで、「平均傾斜角θa」は、小坂研究所社製の表面粗さ測定器(商品名:SE−3400)の取り扱い説明書(1995.07.20改訂)に定義されている値であり、図3に示すように、基準長さLに存在する凸部高さの和(h+h+h+・・・+h)のアークタンジェントθa=tan−1{(h+h+h+・・・+h)/L}で求めることができる。
また、θaは、下記式(A)から算出することができる。
Figure 2017188186

[式(A)中、「L」は基準長さを示し、「dy/dx」は、粗さ曲線の各単位区間の傾きを示す。]
なお、「基準長さ」とは「カットオフ値」を意味する。すなわち、カットオフ値が0.8mmの場合は基準長さが0.8mmである。また、単位測定区間とは、カットオフ値をサンプリング数で除した長さの区間である。サンプリング数は1500とする。
さらに、上記凹凸は、上記(θa2.5)と、上記Ry2.5/Rz2.5とが、以下の条件(A7)を満たすことが好ましい。
0.8≦θa2.5/(Ry2.5/Rz2.5)≦5.0 (A7)
θa2.5/(Ry2.5/Rz2.5)が上記範囲内であると適度なランダム性を有する凹凸となり、防眩性、解像性、操作時の触感(滑り感)、及び透明基材のリタデーション値に特有のグラデーション調の色ムラを目立ちにくくすることができることのバランスをよくすることができる。
θa2.5/(Ry2.5/Rz2.5)は、1.0以上4.5以下であることがより好ましく、色域が広い表示素子での場合でもグラデーション調の色ムラを目立ちにくくすることができるため、2.0以上4.0以下であることが更に好ましい。
さらに、上記凹凸は、カットオフ値を2.5mmとした際のJIS B0601:1994の凹凸の平均間隔(Sm2.5)が以下の条件を満たすことが好ましい。
Sm2.5≦160μm
Sm2.5が160μm以下であると、光学シート表面への指の接触面積が減り、触感(滑り感)をより良好にすることができる。Sm2.5は、150μm以下であることがより好ましく、145μm以下であることが更に好ましい。また、下限値は30μm以上であることが好ましく、50μm以上であることがより好ましく、100μm以上であることが更に好ましい。
なお、Sm2.5が小さいほど、高精細ディスプレイであってもギラツキの発生を抑制することができる。
上述した凹凸の形成方法としては、例えば、(x1)エンボス、サンドブラスト、エッチング等の物理的又は化学的処理、(x2)型による成型、(x3)コーティングによる凹凸層の形成等が挙げられる。これら方法の中では、凹凸形状の再現性の観点からは(x2)の型による成型が好適であり、生産性及び多品種対応の観点からは(x3)のコーティングによる凹凸層の形成が好適である。
型による成型は、凹凸と相補的な形状からなる型を作製し、該型に凹凸を形成する材料を流し込んだ後、型から取り出すことにより形成することができる。ここで、該材料として凹凸を構成する材料を用い、型に該材料を流し込んだ後に透明基材を重ね合わせ、凹凸を透明基材ごと型から取り出せば、透明基材上に凹凸を有する光学シートを得ることができる。また、透明基材を構成する材料を型に流し込んだ後に型から取り出せば、透明基材単層からなり、かつ該透明基材表面に凹凸を有する光学シートを得ることができる。
型に流し込む材料として硬化性樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物又は電離放射線硬化性樹脂組成物)を用いる場合、型から取り出す前に硬化性樹脂組成物を硬化することが好ましい。
型による凹凸の形成は、凹凸形状の再現性に優れる点で好ましい。
コーティングによる凹凸層の形成は、樹脂成分及び粒子を含有してなる凹凸層形成塗布液を、グラビアコーティング、バーコーティング等の公知の塗布方法により透明基材上に塗布し、必要に応じて乾燥、硬化することにより形成することができる。凹凸層が上述の条件(A1)及び(A2)を満たすためには、凹凸層の膜厚、粒子の含有量、及び粒子の平均粒子径を後述の範囲とすることが好ましい。
凹凸層の膜厚は1.5〜10μmが好ましく、2〜8μmがより好ましく、3〜7μmが更に好ましい。凹凸層の膜厚は、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)又は走査透過型電子顕微鏡(STEM)を用いて撮影した断面の画像から20箇所の厚みを測定し、20箇所の値の平均値から算出できる。TEM又はSTEMの加速電圧は1〜5kV、倍率は1000〜1万倍とすることが好ましい。
粒子は凹凸を形成し得るものであれば、有機粒子及び無機粒子の何れも用いることができる。有機粒子としては、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリル−スチレン共重合体、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ベンゾグアナミン−メラミン−ホルムアルデヒド縮合物、シリコーン、フッ素系樹脂及びポリエステル系樹脂等からなる粒子が挙げられる。無機粒子としては、シリカ、アルミナ、ジルコニア及びチタニア等からなる粒子が挙げられる。これら粒子の中でも、分散制御の容易さの観点から透光性有機粒子や、シリカ粒子が好適である。
上記粒子は1種を単独で、又は材質や粒径の異なる2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、色域が広い表示素子での場合でもグラデーション調の色ムラを目立ちにくくするには、粒子は可視光線の波長以上の粒子径を有する不定形粒子であることが好ましい。凹凸層が不定形粒子を含有することで、グラデーション調の色ムラを抑制することができる。
粒子の含有量は、凹凸層を形成する全固形分中の5〜25質量%であることが好ましく、6〜22質量%であることがより好ましく、10〜20質量%であることが更に好ましい。
凹凸層中の粒子の平均粒子径は、凹凸層の厚みにより異なるため一概には言えないが、条件(A1)及び条件(A2)を満たしやすくする観点から、1.0〜10.0μmが好ましく、1.5〜8.0μmであることがより好ましく、2.0〜6.0μmであることが更に好ましい。粒子が凝集している場合、凝集粒子の平均粒子径が前記範囲を満たすことが好ましい。
粒子の平均粒子径は、以下の(y1)〜(y3)の作業により算出できる。
(y1)透過型電子顕微鏡(TEM)又は走査透過型電子顕微鏡(STEM)を用いて撮影した断面の画像から観察画面中最大にみえる粒子を選択する。TEM又はSTEMの加速電圧は1〜30kV、倍率は5000倍〜30万倍とすることが好ましい。
(y2)観察画像から最大径に見える粒子を抽出し、個々の粒子の粒子径を算出する。粒子径は、粒子の断面を任意の平行な2本の直線で挟んだとき、該2本の直線間距離が最大となるような2本の直線の組み合わせにおける直線間距離として測定される。
(y3)同じサンプルの別画面の観察画像において同様の作業を行って、合計20個分の粒子径の数平均から得られる値を粒子の平均粒子径とする。
なお、凝集粒子の場合は、凝集塊の最大径部分を粒子径とみなす。
また、後述の超微粒子の平均粒子径は、上記(y1)〜(y3)と同様の手法を行うことにより、算出することができる。超微粒子の平均粒子径の算出の際は、TEM又はSTEMの加速電圧は10kv〜30kV、倍率は1万〜30万倍とすることが好ましい。
凹凸層が上述の条件(A1)及び(A2)を満たしやすくする観点から、凹凸層の膜厚は粒子の平均粒子径よりも大きいことが好ましい。また、より具体的には、[粒子の平均粒子径]/[凹凸層の膜厚]の比が0.20〜0.99であることが好ましく、0.50〜0.90であることがより好ましい。
粒子は、粒子径分布が広いもの(単一粒子で粒子径分布が広いもの、あるいは、粒子径分布が異なる2種類以上の粒子を混合した混合粒子の粒子径分布が広いもの)であってもよいが、ギラツキを抑制する観点から、粒子径分布が狭い方が好ましい。
また、粒子としては、上述したようなミクロンオーダーの粒子のみならず、ナノオーダーの超微粒子を含有することが好ましい。ナノオーダーの超微粒子を含有することにより、凹凸層が上述の条件(A1)及び(A2)を満たしやすくなる。この原因は、超微粒子を含有する場合、粒子の存在しない箇所にも緩やかな傾斜が形成され、低周波の凹凸(カットオフ値0.8mmではカットされるが、カットオフ値2.5mmではカットされない凹凸)が形成されるためと考えられる。超微粒子を含有する場合、塗布液のチキソトロピー性及び溶媒の乾燥特性が影響を受け、通常のようなレベリングが生じていないため、前記のような現象が生じると考えられる。
超微粒子は無機微粒子であることが好ましい。無機超微粒子としては、シリカ、アルミナ、ジルコニア及びチタニア等からなる超微粒子が挙げられる。これらの中でも透明性の観点からシリカ超微粒子が好適である。
超微粒子は、平均一次粒子径が1〜25nmであることが好ましく、5〜20nmであることがより好ましい。上記範囲内であると、凹凸層が上述の条件(A1)及び(A2)を満たしやすくなる。
超微粒子は、表面処理された超微粒子や、更に反応性基が導入された反応性超微粒子が好ましい。表面処理を導入することにより、凹凸層中の有機バインダーや溶剤とのバランスがとりやすくなり、凹凸層が上述の条件(A1)及び(A2)を満たしやすくすることができる。このような表面処理された超微粒子としては、シランカップリング剤で表面処理した無機超微粒子を挙げることができる。無機超微粒子の表面をシランカップリング剤で処理するには、無機超微粒子にシランカップリング剤をスプレーする乾式法や、無機超微粒子を溶剤に分散させてからシランカップリング剤を加えて反応させる湿式法等が挙げられる。
反応性基を導入する場合は、重合性不飽和基が好適に用いられ、好ましくは光硬化性不飽和基であり、特に好ましくは電離放射線硬化性不飽和基である。その具体例としては、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、ビニル基及びアリル基等のエチレン性不飽和結合並びにエポキシ基等が挙げられる。
超微粒子の含有量は、凹凸層を形成する全固形分中の0.2〜60質量%であることが好ましい。超微粒子を用いる目的によって量は調整でき、硬度や耐擦傷性を向上させる観点からは、15〜50質量%が好ましく、光学特性の向上、及び凹凸調製の観点からは、0.4〜10質量%が好ましい。また、上記範囲内とすることで、レベリング性の制御、及び凹凸層の重合収縮の抑制により、凹凸層が上述の条件(A1)及び(A2)を満たしやすくなる。
また、凹凸層中に、他の粒子を含む場合は、他の粒子と超微粒子との含有量の比(他の粒子の含有量/超微粒子の含有量)は、0.05〜3.0であることが好ましく、0.1〜1.5であることがより好ましく、更には上限が0.7以下であることが好ましい。上記範囲内とすることにより、凹凸層が上述の条件(A1)及び(A2)を満たしやすくすることができる。なお、超微粒子だけを凝集させることによっても、μmオーダーの粒子とし、凹凸を形成することができる。
凹凸層の樹脂成分は、熱硬化性樹脂組成物又は電離放射線硬化性樹脂組成物を含むことが好ましく、機械的強度をより良くする観点から、電離放射線硬化性樹脂組成物を含むことがより好ましく、その中でも紫外線硬化性樹脂組成物を含むことが更に好ましい。
熱硬化性樹脂組成物は、少なくとも熱硬化性樹脂を含む組成物であり、加熱により、硬化する樹脂組成物である。
熱硬化性樹脂としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂組成物には、これら硬化性樹脂に、必要に応じて硬化剤が添加される。
電離放射線硬化性樹脂組成物は、電離放射線硬化性官能基を有する化合物(以下、「電離放射線硬化性化合物」ともいう)を含む組成物である。電離放射線硬化性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合基、及びエポキシ基、オキセタニル基等が挙げられる。電離放射線硬化性化合物としては、エチレン性不飽和結合基を有する化合物が好ましく、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する化合物がより好ましく、中でも、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する、多官能性(メタ)アクリレート系化合物が更に好ましい。多官能性(メタ)アクリレート系化合物としては、モノマー及びオリゴマーのいずれも用いることができる。
なお、電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線などの電磁波、α線、イオン線などの荷電粒子線も使用可能である。
多官能性(メタ)アクリレート系化合物のうち、2官能(メタ)アクリレート系モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエトキシジアクリレート、ビスフェノールAテトラプロポキシジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジイルジメチレンジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
3官能以上の(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、上記(メタ)アクリレート系モノマーは、分子骨格の一部を変性しているものでもよく、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、カプロラクトン、イソシアヌル酸、アルキル、環状アルキル、芳香族、ビスフェノール等による変性がなされたものも使用することができる。
また、多官能性(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート等のアクリレート系重合体等が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、多価アルコール及び有機ジイソシアネートとヒドロキシ(メタ)アクリレートとの反応によって得られる。
また、好ましいエポキシ(メタ)アクリレートは、3官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレート、2官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と多塩基酸と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレート、及び2官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等とフェノール類と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレートである。
上記電離放射線硬化性化合物は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
電離放射線硬化性化合物が紫外線硬化性化合物である場合には、電離放射線硬化性組成物は、光重合開始剤や光重合促進剤等の添加剤を含むことが好ましい。
光重合開始剤としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、α−ヒドロキシアルキルフェノン、α−アミノアルキルフェノン、α−ヒドロキシケトン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンジルメチルケタール、ベンゾイルベンゾエート、α−アシルオキシムエステル、アシルフォスフィンオキサイド類、チオキサンソン類等から選ばれる1種以上が挙げられる。
上記光重合開始剤の中でも、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、及び2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オンを適宜、1種類または複数種類選択することが好ましい。
光重合開始剤は、上記化合物に限定されず、紫外線により重合を開始させる能力があれば、どのようなものでも構わない。これらの光重合開始剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
電離放射線硬化性樹脂組成物中の光重合開始剤の含有量は、特に制限されないが、紫外線硬化性化合物の全量100質量部に対して1〜20質量部の範囲内で使用することが好ましい。複数種類使用する場合も、それぞれを上記範囲内で使用することが好ましい。
光重合開始剤は、融点が100℃以上であることが好ましい。光重合開始剤の融点を100℃以上とすることにより、タッチパネルの透明導電膜形成時や結晶化工程の熱により残留した光重合開始剤が昇華し、透明導電膜の低抵抗化が損なわれることを防止することができる。
また、光重合促進剤は、硬化時の空気による重合阻害を軽減させ硬化速度を速めることができるものであり、例えば、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等から選ばれる1種以上が挙げられる。
また、凹凸層形成塗布液には、レベリング剤を含有させることが好ましい。レベリング剤としては、例えば、フッ素系レベリング剤、シリコーン系レベリング剤、フッ素シリコーン共重合体系レベリング剤等が挙げられる。中でも、凹凸層が上述の条件(A1)及び(A2)を満たしやすくする観点から、シリコーン系レベリング剤が好ましく用いられる。また、反応性よりも非反応性のほうが、タッチパネル操作性がよい傾向がある。
レベリング剤の添加量としては、凹凸層の全固形分に対して0.01〜5.0重量%が好ましい。
光学シートの凹凸は防汚処理されてなることが好ましい。防汚処理を施すことにより、凹凸に汚れが溜まり、実施形態Aの表面形状が損なわれるのを抑制できる。また、フッ素系離型剤やシリコーン系離型剤等による防汚処理は、凹凸に滑り性を付与して、条件(A1)を満たしやすくするとともに、触感をより良好にできる点で好ましい。
防汚処理の手段としては、凹凸層にフッ素系離型剤、シリコーン系離型剤等の離型剤を含有させる手段、光学シートの最表面に上記離型剤により離型層を形成する手段が挙げられる。凹凸層に離型剤を含有させる場合、離型剤の含有量は、凹凸層の全固形分の0.5〜5.0質量%とすることが好ましい。
(透明基材)
光学シートに用いられる透明基材としては、光透過性、平滑性、耐熱性を備え、機械的強度に優れたものであることが好ましい。このような透明基材としては、ポリエステル、トリアセチルセルロース(TAC)、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリウレタン及び非晶質オレフィン(Cyclo−Olefin−Polymer:COP)等のプラスチックフィルムが挙げられる。透明基材は、2枚以上のプラスチックフィルムを貼り合わせたものであってもよい。
また、溶融押出成型法:extrusion molding(インフレーション法、Tダイ法)や溶液流延法:solution casting、カレンダー法:calendaringなどの汎用方法によって製造される上記のプラスチックフィルムの他、離型性を有する基材上に電離放射線硬化型樹脂組成物等の樹脂からなる塗膜を形成し、該基材から該塗膜を剥離して作製したフィルムであってもよい。
上記の中でも、機械的強度や寸法安定性の観点からは、延伸加工、特に二軸延伸加工されたポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)が好ましい。また、COP、ポリエステルは耐候性に優れる点で好適である。
透明基材の厚さは、5〜300μmであることが好ましく、10〜200μmであることがより好ましく、20〜130μmであることが更に好ましい。
透明基材の表面には、接着性向上のために、コロナ放電処理、酸化処理等の物理的な処理の他、アンカー剤又はプライマーと呼ばれる塗料の塗布を予め行ってもよい。
透明基材は、リタデーション値0nm超3,000nm未満のものが好ましく、20nm超2,000nm以下のものがより好ましい。該リタデーション値は波長550nmでの値とする。
透明基材のリタデーション値は、透明基材の面内において屈折率が最も大きい方向である遅相軸方向の屈折率nと、透明基材の面内において前記遅相軸方向と直交する方向である進相軸方向の屈折率nと、透明基材の厚みdとにより、下記式によって表わされるものであり、いわゆる「面内リタデーション」と称されるものである。
リタデーション値(Re)=(n−n)×d
上記リタデーション値は、例えば、王子計測機器社製の商品名「KOBRA−WR」、「PAM−UHR100」により測定できる。
通常、リタデーション値が小さい透明基材を用いた場合、該透明基材を通過した光に生じるグラデーション調の色ムラが観察される(例えば、偏光板、所定のリタデーション値を有する透明基材を通過した光を偏光サングラスを通して視認した際に観察される。)。しかし、実施形態Aのタッチパネルで用いる光学シートは、条件(A2)を満たすことから、リタデーション値が小さい透明基材を用いても、該グラデーション調の色ムラを目立ちにくくすることができる。
なお、リタデーション値を小さくしてもグラデーション調の色ムラを目立ちにくくできることは、透明基材の基材厚みを薄くできることにつながる。つまり、リタデーションを生じる透明基材(例えば汎用基材であるポリエステルフィルム)は、通常であれば、基材厚みを厚くする、1軸延伸するなどにより、リタデーション値を大きくすることで、グラデーション調の色ムラが発生することを抑制している。しかし、実施形態Aのタッチパネルで用いる光学シートは、透明基材(例えば汎用基材であるポリエステルフィルム)の基材厚みを薄くしてもグラデーション調の色ムラが目立ちにくくすることができる。
さらに、リタデーション値を小さくしてもグラデーション調の色ムラを目立ちにくくできることは、通常はグラデーション調の色ムラを生じやすいため選択の余地から外れるようなプラスチックフィルム(ポリイミドフィルム、アラミドフィルム)を使用できることにつながる。ポリイミドフィルム、アラミドフィルムは、耐屈曲性に優れる点で好ましい。
近年、表示素子の色域が広がる傾向にある。色域が広い表示素子は、各色(R、G、B)の分光スペクトルがそれぞれシャープな形状を有しており、このような表示素子では、リタデーション値に特有のグラデーション調の色ムラが特に目立ちやすい傾向にある。実施形態Aのタッチパネルで用いる光学シートは、色域が広い表示素子に対しても、グラデーション調の色ムラを目立ちにくくできる点で好ましい。
光学シートは、凹凸の上及び/又は凹凸と反対側の面上に、反射防止層、防汚層、帯電防止層等の機能性層を有していてもよい。また、透明基材上に凹凸層を有する構成の場合、前記箇所のほかに、透明基材と凹凸層との間に機能性層を有していてもよい。
なお、凹凸層の上に他の機能層を積層した場合には、最表面の凹凸が本願範囲を満たす。凹凸は、最表面が本願範囲であればよく、単層であっても複数層であってもよい。
実施形態Aのタッチパネルは、上述の光学シートの凹凸形状によって、屋外防眩性が付与されるとともに、操作性が優れたものとなる。また、解像度の低下を抑制することもできる。
したがって、実施形態Aのタッチパネルは、特に、車載用表示装置、及び電車など移動時に持ち運ぶスマートフォンやタブレット(多機能携帯端末)の表示素子の出射面側に設置されることが好ましい。
[表示装置]
実施形態Aの表示装置は、表示素子の出射面側の最表面に凹凸を有してなる表示装置であって、該凹凸が上述の条件(A1)及び(A2)を満たすものである。
実施形態Aの表示装置は、最表面に凹凸を有する部材として、上述した実施形態Aのタッチパネルに用いる光学シートと同様のものを用いることができる。
表示素子としては、液晶表示素子、インセルタッチパネル液晶表示素子、EL表示素子、プラズマ表示素子等が挙げられる。なお、液表表示素子は、液晶素子の背面にバックライトを有している。
インセルタッチパネル液晶素子は、2枚のガラス基板に液晶を挟んでなる液晶素子の内部に、抵抗膜式、静電容量式、光学式等のタッチパネル機能を組み込んだものである。なお、インセルタッチパネル液晶素子の液晶の表示方式としては、IPS方式、VA方式、マルチドメイン方式、OCB方式、STN方式、TSTN方式等が挙げられる。インセルタッチパネル液晶素子は、例えば、特開2011−76602号公報、特開2011−222009号公報に記載されている。
光学シートは、例えば、以下の順で表示素子の出射面側に設置することができる。
(a)表示素子/表面保護板/光学シート
(b)表示素子/光学シート
(c)表示素子/光学シートを最上部に有するタッチパネル
(a)及び(b)の場合、光学シートの凹凸が表示素子とは反対側を向くように配置されることで、表示装置に屋外防眩性を付与することができる。また、表示素子の解像度の低下を抑制でき、更には、表面や表示素子に生じた傷を見えづらくすることができる。
(c)の場合、表示装置は、表示素子の出射面側に、光学シートを最上部に有するタッチパネルを備えたタッチパネル付きの表示装置となる。この場合、屋外防眩性、及び高解像性とともに、タッチパネルの操作性に優れた表示装置とすることができる。
したがって、実施形態Aの表示装置は、車載用表示装置、及び電車など移動時に持ち運ぶスマートフォンやタブレット(多機能携帯端末)として好適である。
上述したように、実施形態Aの表示装置で用いる光学シートは、色域が広い表示素子に対しても、グラデーション調の色ムラを目立ちにくくできる。色域を表す規格としては、「ITU−R勧告 BT.2020(以下、「BT.2020」と称する。)」等が挙げられる。ITU−Rは、「International Telecommunication Union-Radiocommunication Sector(国際電気通信連合 無線通信部門)」の略称であり、ITU−R勧告 BT.2020は、スーパーハイビジョンの色域の国際規格である。
実施形態Aの表示装置は、下記式で表されるCIE−xy色度図に基づくBT.2020のカバー率が60%以上の表示素子に対しても、グラデーション調の色ムラを目立ちにくくできる。
<BT.2020のカバー率を表す式>
[表示素子のCIE−xy色度図の面積のうち、BT.2020のCIE−xy色度図の面積と重複する面積/BT.2020のCIE−xy色度図の面積]×100(%)
なお、BT.2020のカバー率を算出する際に必要となる「CIE−xy色度図の面積」は、赤(R)表示、緑(G)表示、及び青(B)表示の際のCIE−Yxy表色系のx値及びy値をそれぞれ測定し、該測定結果から得られた「赤(R)の頂点座標」、「緑(G)の頂点座標」及び「青(B)の頂点座標」から算出できる。CIE−Yxy表色系のx値及びy値は、例えば、コニカミノルタ社製の分光放射輝度計CS−2000で測定できる。
色域が広い表示素子としては、三色独立方式の有機EL表示装置(その中でも、マイクロキャビティ構造を備えた三色独立方式の有機EL素子)、バックライトに量子ドットを用いた液晶表示素子、バックライトに三波長方式の白色LED(近紫外線のLEDと、青蛍光体、緑蛍光体、及び赤蛍光体との組み合わせ)を用いた液晶表示素子等が挙げられる。
[光学シート]
実施形態Aの光学シートは、一方の面に凹凸を有し、かつ、該凹凸が上述の条件(A1)及び(A2)を満たすものである。なお、実施形態Aの光学シートは、上記凹凸の上に他の機能層を積層した場合には、最表面の凹凸が本願範囲を満たす。凹凸は、最表面が本願範囲であればよく、単層であっても複数層であってもよい。
実施形態Aの光学シートとしては、上述した実施形態Aのタッチパネルに用いる光学シートと同様のものが挙げられる。
実施形態Aの光学シートをタッチパネルに用いる場合、該光学シートは凹凸を有する面がタッチパネルの操作者側の表面となるように設置される。
実施形態Aの光学シートは、上述の条件(A1)及び(A2)を満たすため、該光学シートをタッチパネルの最上部に設けることにより、タッチパネルに屋外防眩性を付与するとともに、タッチパネルの操作性を優れたものとすることができる。
したがって、実施形態Aの光学シートは、車載用表示装置の表面、電車など移動時に持ち運ぶスマートフォンやタブレット(多機能携帯端末)の表面に好ましく用いることができる。
[光学シートの選別方法]
実施形態Aの光学シートの選別方法は、一方の面に凹凸を有する光学シートであって、該凹凸が、上述の条件(A1)及び(A2)を満たす光学シートを、タッチパネルの最上部に位置する光学シートとして選定するものである。
実施形態Aの光学シートの選別方法では、光学シートの操作性試験を行わなくても、操作性が良好であるとともに、屋外防眩性及び高解像性を有する光学シートを選別することができ、光学シートの製品設計、品質管理を効率よく行うことができる。
タッチパネルの光学シートの選別する判定条件は、上述の条件(A1)及び(A2)を必須条件とする。条件(A1)の判定条件は、0.80≦μs20/μs10≦1.65を満たすことが好ましく、0.85≦μs20/μs10≦1.55を満たすことがより好ましい。また、条件(A2)の判定条件は、0.15μm≦Ra2.5≦0.60μmを満たすことが好ましく、0.25μm≦Ra2.5≦0.55μmを満たすことがより好ましい。
タッチパネルの光学シートの選別方法では、操作時の触感、及び屋外防眩性の観点から、以下に挙げる条件(A3)〜(A5)の一以上を追加の判定条件とすることがより好ましく、(A3)〜(A5)の全てを追加の判定条件とすることがさらに好ましい。
5.7≦Rz2.5/Ra2.5 (A3)
2.5≦70μm (A4)
0.10μm≦Rz2.5−Rz0.8≦1.50μm (A5)
条件(A3)〜(A5)の判定条件は、上述した実施形態Aの光学シートの好適な数値範囲であることが好ましい。
さらに、その他のパラメータを追加の判定条件とすることが好ましい。
<実施形態B>
[タッチパネル]
実施形態Bのタッチパネルは、操作者側の表面に凹凸を有し、上記凹凸が、以下の条件(B1)及び(B2)を満たすものである。
条件(B1):前記凹凸に、先端半径0.3mmのサファイア製の引掻針を垂直に接触させ、前記引掻針に垂直荷重Tgをかけながら5mm/秒の速度で片道10mmの長さを1往復した際の前記引掻針にかかる静摩擦係数μs、及び動摩擦係数μkを測定する。前記静摩擦係数μsと前記動摩擦係数μkとの比(μs/μk)を縦軸に、前記垂直荷重Tgを横軸にプロットしたグラフにおいて、垂直荷重100〜1000gの範囲にあるプロットを最小二乗法により一次直線で近似したときに、前記一次直線の傾きが負である。
条件(B2):前記凹凸は、カットオフ値を2.5mmとした際のJIS B0601:1994の算術平均粗さ(Ra2.5)が0.10μm以上0.60μm以下である。
実施形態Bにおいて、「操作者側の表面」とは、操作者がタッチパネルを操作する際に、実際に触れ操作する面のことをいう。
タッチパネルとしては、静電容量式タッチパネル、抵抗膜式タッチパネル、光学式タッチパネル、超音波式タッチパネル及び電磁誘導式タッチパネル等が挙げられる。これらタッチパネルは、ガラス基材、プラスチックフィルム基材等の透明基材を有し、該透明基材上には、防眩性を付与するための凹凸が形成される場合がある。実施形態Bのタッチパネルは、このような透明基材上に凹凸を有する部材として、例えば、後述する光学シートを最上部に有するものである。
抵抗膜式タッチパネル1は、図1に示すように、導電膜12を有する上下一対の透明基板11の導電膜12同士が対向するようにスペーサー13を介して配置されてなる基本構成に、図示しない回路が接続されてなるものである。抵抗膜式タッチパネルの場合、実施形態Bでは、上部透明基板として後述する光学シートを用いる。このように、抵抗膜式タッチパネルの上部透明基板として、後述する光学シートを用いることにより、光学シートの凹凸形状によって、タッチパネルに屋外防眩性を付与することができるとともに、タッチパネルの操作性を優れたものとすることができる。また、解像性の低下を抑制することができる。
なお、上記光学シートは、上部透明基板とともに下部透明基板として用いてもよい。
静電容量式タッチパネルは、表面型及び投影型等が挙げられ、投影型が多く用いられている。投影型の静電容量式タッチパネルは、X軸電極と、該X軸電極と直交するY軸電極とを絶縁体を介して配置した基本構成に、回路が接続されてなるものである。該基本構成をより具体的に説明すると、1枚の透明基板上の別々の面にX軸電極及びY軸電極を形成する態様、1枚の透明基板上にX軸電極、絶縁体層、Y軸電極をこの順で形成する態様、図2に示すように、1枚の透明基板21上にX軸電極22を形成し、別の透明基板21上にY軸電極23を形成し、接着剤層24等を介して積層する態様等が挙げられる。また、これら基本態様に、さらに別の透明基板を積層する態様が挙げられる。
静電容量式タッチパネルの場合、実施形態Bでは、最上部の透明基板として後述する光学シートを用いる。このように、静電容量式タッチパネルの最上部の透明基板に後述する光学シートを用いることにより、光学シートの凹凸形状によって、タッチパネルに屋外防眩性を付与することができるとともに、タッチパネルの操作性を優れたものとすることができる。また、解像性の低下を抑制することができる。
上記のようなタッチパネルは、例えば、表示素子上に設置されるオンセル型タッチパネルとして使用される。
(光学シート)
実施形態Bの光学シートは、一方の面に凹凸を有し、かつ、該凹凸が上記の条件(B1)及び(B2)を満たすものである。
図4は、実施形態Bの光学シートの凹凸において、静摩擦係数μsと動摩擦係数μkとの比(μs/μk)を縦軸に、垂直荷重Tgを横軸にプロットした際に、垂直荷重100〜1000gの範囲にあるプロットから最小二乗法により得られた近似一次直線を示すグラフである。図4に示すように、実施形態Bの光学シートでは、上記近似一次直線の傾きは負となり、光学シートの凹凸に加える荷重(垂直荷重)が大きくなるにしたがって、比(μs/μk)は小さくなる。これは、垂直荷重が大きくなる程、光学シートの凹凸が変形しやすくなり、凹凸の影響が小さくなることを表している。
光学シート上で指を方向転換する操作、例えば、文字を書いたり、図形を描いたりする際には、一瞬停止した後に再始動する場合が多い(例えば、指の方向を転換する際には、通常は一瞬指の動きを停止する。また、指を置く位置を移動する際にも一瞬指の動きが停止する。)。このように指の動きを一瞬停止して再始動する際には、静摩擦係数μsと動摩擦係数μkとの差による影響を受けやすい。
垂直荷重が小さい場合、比(μs/μk)が小さ過ぎると、光学シート上で指が滑りやすく方向転換し難くなる。また、垂直荷重が大きい場合、比(μs/μk)が大き過ぎると、光学シート上で指を方向転換する際に、指に大きな負荷がかかり方向転換し難くなる。
したがって、光学シート上で指を方向転換しやすくするためには、垂直荷重が小さい場合には、指が滑り過ぎず適度な抵抗感が得られ、垂直荷重が大きくなるにしたがって、指に加わる負荷が抑えられことが求められる。
実施形態Bの光学シートでは、上記の条件(B1)を満たすことにより、該光学シート上で指を方向転換するなどの複雑な操作を良好に行うことができる。
なお、荷重が異なる状況としては、例えば、電車内で立って端末を操作する状況(この時の操作荷重は一般的に軽い)、机に端末を置き片方の手で固定した状態で操作する状況(この時の操作加重は一般的に重い)が挙げられる。つまり、条件(B1)を満たすことにより、操作時の姿勢が異なり、操作荷重が異なる状況において、方向転換するなどの複雑な操作を良好に行うことができる。
なお、実施形態Bにおいて、動摩擦係数μkは、全測定時間の動摩擦係数の平均値を意味する。また、静摩擦係数μsは、摩擦力0から測定時間の経過に伴って、動摩擦係数以上となった最初の摩擦力のピークとする。
静摩擦係数μs及び動摩擦係数μkは、摩擦磨耗試験機(新東科学(株)製、HEIDON NHS2000)により測定することができる。
垂直荷重が小さい場合、例えば、荷重が50〜150gにおける比(μs/μk)は、滑り過ぎず適度な抵抗感を得る観点から、好ましくは1.58〜2.50、より好ましくは1.70〜2.20である。また、垂直荷重が大きい場合、例えば、荷重が900〜1100gにおける比(μs/μk)は、過度な負荷を抑える観点から、好ましくは1.00〜1.50、より好ましくは1.10〜1.40である。
また、条件(B1)において、近似一次直線の傾きは、好ましくは−10.0×10−4〜−4.5×10−4であり、より好ましくは−8.5×10−4〜−6.0×10−4である。上記範囲内であれば、操作性をより良好にすることができる。
また、条件(B2)においては、カットオフ値を2.5mmとしている。カットオフ値は、粗さ成分(高周波成分)と、うねり成分(低周波成分)とから構成される断面曲線から、うねり成分をカットする度合いを示す値である。言い換えると、カットオフ値は、断面曲線からうねり成分(低周波成分)をカットするフィルターの細かさを示す値である。カットオフ値が大きいと、フィルターが粗いため、うねり成分のうち大きなうねりはカットされるが、小さなうねりはカットされないこととなる。一方、カットオフ値が小さいと、フィルターが細かいため、うねり成分のほとんどがカットされることとなる。JIS B0601で参照するJIS B0633では、算術平均粗さRa0.1〜2μmの時は、カットオフ値(基準長さ)を0.8mmとしている。したがって、JIS B0633によれば、上記条件(B2)のRaの場合、カットオフ値(基準長さ)を0.8mmとすることが標準となっている。
しかし、操作時の触感、屋外防眩性及び解像性には、粗さ成分(高周波成分)のみならず、うねり成分(低周波成分)も影響を与えるため、カットオフ値(基準長さ)を0.8mmとした場合、粗さ曲線のうねり成分(低周波成分)がカットされる度合いが大きくなり、屋外防眩性及び解像性に比べ、より低周波の影響を受けやすい操作時の触感が評価できないおそれがある。このため、実施形態Bでは、条件(B2)のカットオフ値を2.5mmとしている。
条件(B2)は、算術平均粗さRa2.5が0.10μm以上0.60μm以下である。Ra2.5が0.10μm未満であると、光散乱が不足して防眩性が低下する。また、光学シート表面への指の接触面積が増えて触感(滑り感)が悪くなる。Ra2.5が0.60μmを越えると、操作時の滑らかさが損なわれ、また、コントラスト及び解像性が低下する。操作時の触感、屋外防眩性、及び解像性の観点から、条件(B2)は、0.15μm≦Ra2.5≦0.60μmを満たすことが好ましく、0.25μm≦Ra2.5≦0.55μmを満たすことがより好ましく、0.30μm≦Ra2.5≦0.50μmを満たすことが更に好ましい。
また、算術平均粗さRa2.5が0.10μm以上であると、透明基材のリタデーション値に特有のグラデーション調の色ムラを目立ちにくくすることができる。リタデーション値に特有のグラデーション調の色ムラとは、リタデーション値を有する透明基材を通過した光に生じる虹模様の色ムラのことであり、このような色ムラは、例えば、偏光板、所定のリタデーション値を有する透明基材を通過した光を偏光サングラスを通して視認した際に観察される。
なお、上記条件(B2)に加え、後述する条件(B3)を満たすことにより、上述した条件(B1)をより満たしやすくすることができる。特に、Ra2.5が好ましくは0.25μm以上、より好ましくは0.30μm以上である場合には、例えば色域が広い表示素子に対して、よりグラデーション調の色ムラを目立ちにくくできる。
また、上記凹凸は、カットオフ値を0.8mmとした際のJIS B0601:1994の十点平均粗さ(Rz0.8)と、カットオフ値を2.5mmとした際のJIS B0601:1994の十点平均粗さ(Rz2.5)とが、以下の条件(B3)を満たすことが好ましい。
Rz0.8/(Rz2.5−Rz0.8)≦3.2 (B3)
カットオフ値を0.8mmとした場合、カットオフ値を2.5mmとした場合よりも、粗さ曲線の低周波成分がカットされる度合いが大きくなる。つまり、Rz0.8の値は光学シートの凹凸における高周波成分、(Rz2.5−Rz0.8)の値は光学シートの凹凸における低周波成分とみなすことができる。このため、条件(B3)の「Rz0.8/(Rz2.5−Rz0.8)」は、凹凸の低周波成分に対する高周波成分の割合とみなすことができる。
条件(B3)において、Rz0.8/(Rz2.5−Rz0.8)が3.2以下であることは、高周波成分が多過ぎず、一定量の低周波成分を有することを意味するため、凹凸に力が加わった際に、高周波成分の凹凸は維持しやすい一方で、低周波成分の凹凸は変形しやすくなり、上述の条件(B1)をより満たしやすくなる。
なお、凹凸の絶対量を増やしても条件(B1)を満たしやすくなるが、その場合、条件(B2)を満たすことができない。言い換えると、条件(B2)を満たす凹凸の範囲において、条件(B3)を満たすことによって、条件(B1)を満たすようにすることが好ましい。
条件(B3)は、Rz0.8/(Rz2.5−Rz0.8)≦3.0を満たすことがより好ましく、Rz0.8/(Rz2.5−Rz0.8)≦2.9を満たすことが更に好ましい。Rz0.8/(Rz2.5−Rz0.8)≦3.0を満たすことは、透明基材のリタデーション値に特有のグラデーション調の色ムラ、例えば色域が広い表示素子に対して、より目立ちにくくすることができることにもつながる。また、Rz0.8/(Rz2.5−Rz0.8)の下限値としては1.0以上が好ましく、2.0以上がより好ましく、2.5以上が更に好ましい。
また、上記凹凸は、上述のRz2.5と、上述のRa2.5とが、以下の条件(B4)を満たすことが好ましい。
5.7≦Rz2.5/Ra2.5 (B4)
算術平均粗さRaとは、評価長さの粗さ曲線の山と谷の各標高の絶対値を積分して評価長さで割り、均等な標高として求めた値である。一方、十点平均粗さRzとは、カットオフ値と等しいサンプリング長さのN倍の評価長さの粗さ曲線をN等分し、区間毎に第1位から第5位までの高さの山頂の平均標高と第1位から第5位までの深さの谷底の平均標高の間隔Rz’を求めたときのN個のRz’の算術平均値である。つまり、Raが粗さ曲線全体の標高の平均値であるのに対して、Rzは粗さ曲線の中で高い箇所の5点と、低い箇所の5点に着目した際の標高の平均である。このため、粗さ曲線がランダム性を有しない場合には、RaとRzとは略同一になるが、粗さ曲線がランダム性を有する場合には、Raに比べてRzは大きくなる。したがって、Rz/Raは、粗さ曲線のランダム性を表す指標となる。
Rz2.5/Ra2.5が5.7以上であれば、粗さ曲線のランダム性が向上し、光学シート表面への指の接触面積が減り、触感が良好になる。また、粗さ曲線のランダム性を向上することにより、色域が広い表示素子に対して、よりグラデーション調の色ムラを目立ちにくくできる傾向がある。なお、触感(滑り感)及び解像性の観点からは、粗さは必要以上にランダムとしないことが好ましい。
条件(B4)は、6.0≦Rz2.5/Ra2.5≦10.0を満たすことがより好ましく、6.5≦Rz2.5/Ra2.5≦9.5を満たすことが更に好ましく、7.0≦Rz2.5/Ra2.5≦9.0を満たすことがより更に好ましい。
上記凹凸のRz2.5は、0.50〜4.30μmであることが好ましく1.00〜4.00μmであることがより好ましく、2.00〜4.00μmであることが更に好ましい。Rz2.5が0.50μm以上であると、上述の条件(B1)を満たしやすくするとともに、タッチパネルに屋外防眩性を付与することができ、また、触感(滑り感)をより良好にすることができる。Rz2.5が4.30μm以下であると、ギラツキの発生を抑えることができ、また、操作時の滑らかさを損なうことがない。
なお、Rz2.5が2.00μm以上であると透明基材のリタデーション値に特有のグラデーション調の色ムラ、例えば色域が広い表示素子に対して、より目立ちにくくすることができる。
また、上記凹凸は、カットオフ値を2.5mmとした際のJIS B0601:1994の局部山頂平均間隔(S2.5)が、以下の条件(B5)を満たすことが好ましい。
2.5≦70μm (B5)
局部山頂平均間隔(S2.5)が70μm以下であれば、光学シート表面への指の接触面積が減り触感(滑り感)を良好にすることができる。
条件(B5)は、S2.5≦65μmを満たすことがより好ましく、20μm≦S2.5≦60μmを満たすことが更に好ましく、30μm≦S2.5≦55μmを満たすことがより更に好ましい。
さらに、上記凹凸は、カットオフ値を2.5mmとした際のJIS B0601:1994の最大高さ(Ry2.5)が以下の条件を満たすことが好ましい。
0.60μm≦Ry2.5≦5.0μm
Ry2.5が5.0μm以下であると、操作時の指の引っかかりを防ぎ、操作性をより良好にすることができる。また、ギラツキの発生をより防止することができる。Ry2.5が0.60μm以上であると、屋外防眩性を付与することができる。
また、Ry2.5は、後述する条件(B6)及び(B7)を満たしやすくする観点から、1.0μm以上4.7μm以下であることがより好ましく、1.2μm以上4.5μm以下であることが更に好ましい。
さらに、上記凹凸は、上記(Ry2.5)と、上述のRz2.5とが、以下の条件(B6)を満たすことが好ましい。
Ry2.5/Rz2.5≦1.5 (B6)
Ry2.5/Rz2.5が1.5以下であると、操作時の指の引っかかりを防ぎ、操作性をより良好にすることができる。また、ギラツキの発生をより防止することができ、屋外防眩性を付与しやすくできる。
Ry2.5/Rz2.5は、1.10以上1.40以下であることがより好ましく、1.18以上1.37以下であることが更に好ましい。
さらに、上記凹凸は、カットオフ値を2.5mmとした際の凹凸の平均傾斜角(θa2.5)が以下の条件を満たすことが好ましい。
1.0°≦θa2.5≦5.5°
θa2.5が1.0°以上であると、タッチパネルに屋外防眩性を付与することができるとともに、操作性をより良好にすることができる。θaが5.5°以下であると、コントラストの低下を抑え、屋外防眩性とコントラストの両立を図ることができる。θa2.5は、1.3°≦θa2.5≦4.5°を満たすことがより好ましく、2.0°≦θa2.5≦4.0°を満たすことが更に好ましい。また、θa2.5が1.3°以上であると、透明基材のリタデーション値に特有のグラデーション調の色ムラを目立ちにくくできる。更に、好ましくは1.5°以上、より好ましくは2.0°以上であると、例えば色域が広い表示素子に対して、グラデーション調の色ムラをより目立ちにくくすることができる。
ここで、「平均傾斜角θa」は、小坂研究所社製の表面粗さ測定器(商品名:SE−3400)の取り扱い説明書(1995.07.20改訂)に定義されている値であり、図3に示すように、基準長さLに存在する凸部高さの和(h+h+h+・・・+h)のアークタンジェントθa=tan−1{(h+h+h+・・・+h)/L}で求めることができる。
また、θaは、下記式(A)から算出することができる。
Figure 2017188186

[式(A)中、「L」は基準長さを示し、「dy/dx」は、粗さ曲線の各単位区間の傾きを示す。]
なお、「基準長さ」とは「カットオフ値」を意味する。すなわち、カットオフ値が0.8mmの場合は基準長さが0.8mmである。また、単位測定区間とは、カットオフ値をサンプリング数で除した長さの区間である。サンプリング数は1500とする。
さらに、上記凹凸は、上記(θa2.5)と、上記Ry2.5/Rz2.5とが、以下の条件(B7)を満たすことが好ましい。
0.8≦θa2.5/(Ry2.5/Rz2.5)≦5.0 (B7)
θa2.5/(Ry2.5/Rz2.5)が上記範囲内であると適度なランダム性を有する凹凸となり、防眩性、解像性、操作性、及び透明基材のリタデーション値に特有のグラデーション調の色ムラを目立ちにくくすることができることのバランスをよくすることができる。
θa2.5/(Ry2.5/Rz2.5)は、1.0以上4.5以下であることがより好ましく、色域が広い表示素子での場合でもグラデーション調の色ムラを目立ちにくくすることができるため、1.2以上4.0以下であることが更に好ましい。
さらに、上記凹凸は、カットオフ値を2.5mmとした際のJIS B0601:1994の凹凸の平均間隔(Sm2.5)が以下の条件を満たすことが好ましい。
Sm2.5≦160μm
Sm2.5が160μm以下であると、光学シート表面への指の接触面積が減り、触感(滑り感)をより良好にすることができる。Sm2.5は、150μm以下であることがより好ましく、145μm以下であることが更に好ましい。また、下限値は30μm以上であることが好ましく、50μm以上であることがより好ましく、100μm以上であることが更に好ましい。
なお、Sm2.5が小さいほど、高精細ディスプレイであってもギラツキの発生を抑制することができる。
上述した凹凸の形成方法としては、例えば、(x1)エンボス、サンドブラスト、エッチング等の物理的又は化学的処理、(x2)型による成型、(x3)コーティングによる凹凸層の形成等が挙げられる。これら方法の中では、凹凸形状の再現性の観点からは(x2)の型による成型が好適であり、生産性及び多品種対応の観点からは(x3)のコーティングによる凹凸層の形成が好適である。
型による成型は、凹凸と相補的な形状からなる型を作製し、該型に凹凸を形成する材料を流し込んだ後、型から取り出すことにより形成することができる。ここで、該材料として凹凸を構成する材料を用い、型に該材料を流し込んだ後に透明基材を重ね合わせ、凹凸を透明基材ごと型から取り出せば、透明基材上に凹凸を有する光学シートを得ることができる。また、透明基材を構成する材料を型に流し込んだ後に型から取り出せば、透明基材単層からなり、かつ該透明基材表面に凹凸を有する光学シートを得ることができる。
型に流し込む材料として硬化性樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物又は電離放射線硬化性樹脂組成物)を用いる場合、型から取り出す前に硬化性樹脂組成物を硬化することが好ましい。
型による凹凸の形成は、凹凸形状の再現性に優れる点で好ましい。
コーティングによる凹凸層の形成は、樹脂成分及び粒子を含有してなる凹凸層形成塗布液を、グラビアコーティング、バーコーティング等の公知の塗布方法により透明基材上に塗布し、必要に応じて乾燥、硬化することにより形成することができる。凹凸層が上述の条件(B1)及び(B2)を満たすためには、凹凸層の膜厚、粒子の含有量、及び粒子の平均粒子径を後述の範囲とすることが好ましい。
凹凸層の膜厚は1.0〜10μmが好ましく、1.5〜5μmがより好ましく、1.8〜4μmが更に好ましい。凹凸層の膜厚は、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)又は走査透過型電子顕微鏡(STEM)を用いて撮影した断面の画像から20箇所の厚みを測定し、20箇所の値の平均値から算出できる。TEM又はSTEMの加速電圧は1〜5kV、倍率は1000〜1万倍とすることが好ましい。
粒子は凹凸を形成し得るものであれば、有機粒子及び無機粒子の何れも用いることができる。有機粒子としては、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリル−スチレン共重合体、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ベンゾグアナミン−メラミン−ホルムアルデヒド縮合物、シリコーン、フッ素系樹脂及びポリエステル系樹脂等からなる粒子が挙げられる。無機粒子としては、シリカ、アルミナ、ジルコニア及びチタニア等からなる粒子が挙げられる。これら粒子の中でも、分散制御の容易さの観点から透光性有機粒子や、シリカ粒子が好適である。
上記粒子は1種を単独で、又は材質や粒径などが異なる2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、粒子は凝集体であることが好ましい。凹凸層が粒子の凝集体を含有する場合、凹凸層に力が加わった際に高周波成分の凹凸は維持しやすい一方で、低周波成分の凹凸が変形しやすくなり、上述の条件(B1)をより満たしやすくなる。
また、色域が広い表示素子での場合でもグラデーション調の色ムラを目立ちにくくするには、粒子は可視光線の波長以上の粒子径を有する不定形粒子であることが好ましい。凹凸層が不定形粒子を含有することで、グラデーション調の色ムラを抑制することができる。
粒子の含有量は、凹凸層を形成する全固形分中の4〜25質量%であることが好ましく、5〜20質量%であることがより好ましく、5〜15質量%であることが更に好ましい。
凹凸層中の粒子の平均粒子径は、凹凸層の厚みにより異なるため一概には言えないが、上述の条件(B1)及び(B2)を満たしやすくする観点から、1.0〜10.0μmが好ましく、1.0〜6.0μmであることがより好ましく、1.0〜5.0μmであることが更に好ましい。粒子が凝集している場合、凝集粒子の平均粒子径が前記範囲を満たすことが好ましい。
粒子の平均粒子径は、以下の(y1)〜(y3)の作業により算出できる。
(y1)透過型電子顕微鏡(TEM)又は走査透過型電子顕微鏡(STEM)を用いて撮影した断面の画像から観察画面中最大にみえる粒子を選択する。TEM又はSTEMの加速電圧は1〜30kV、倍率は5000倍〜30万倍とすることが好ましい。
(y2)観察画像から最大径に見える粒子を抽出し、個々の粒子の粒子径を算出する。粒子径は、粒子の断面を任意の平行な2本の直線で挟んだとき、該2本の直線間距離が最大となるような2本の直線の組み合わせにおける直線間距離として測定される。
(y3)同じサンプルの別画面の観察画像において同様の作業を行って、合計20個分の粒子径の数平均から得られる値を粒子の平均粒子径とする。
なお、凝集粒子の場合は、凝集塊の最大径部分を粒子径とみなす。
凹凸層が上述の条件(B1)及び(B2)を満たしやすくする観点から、凹凸層の膜厚は粒子の平均粒子径よりも大きいことが好ましい。また、より具体的には、[粒子の平均粒子径]/[凹凸層の膜厚]の比が0.20〜0.99であることが好ましく、0.50〜0.90であることがより好ましい。
粒子は、粒子径分布が広いもの(単一粒子で粒子径分布が広いもの、あるいは、粒子径分布が異なる2種類以上の粒子を混合した混合粒子の粒子径分布が広いもの)であってもよいが、ギラツキを抑制する観点から、粒子径分布が狭い方が好ましい。
凹凸層の樹脂成分は、熱硬化性樹脂組成物又は電離放射線硬化性樹脂組成物を含むことが好ましく、機械的強度をより良くする観点から、電離放射線硬化性樹脂組成物を含むことがより好ましく、その中でも紫外線硬化性樹脂組成物を含むことが更に好ましい。
熱硬化性樹脂組成物は、少なくとも熱硬化性樹脂を含む組成物であり、加熱により、硬化する樹脂組成物である。
熱硬化性樹脂としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂組成物には、これら硬化性樹脂に、必要に応じて硬化剤が添加される。
電離放射線硬化性樹脂組成物は、電離放射線硬化性官能基を有する化合物(以下、「電離放射線硬化性化合物」ともいう)を含む組成物である。電離放射線硬化性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合基、及びエポキシ基、オキセタニル基等が挙げられる。電離放射線硬化性化合物としては、エチレン性不飽和結合基を有する化合物が好ましく、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する化合物がより好ましく、中でも、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する、多官能性(メタ)アクリレート系化合物が更に好ましい。多官能性(メタ)アクリレート系化合物としては、モノマー及びオリゴマーのいずれも用いることができる。
なお、電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線などの電磁波、α線、イオン線などの荷電粒子線も使用可能である。
多官能性(メタ)アクリレート系化合物のうち、2官能(メタ)アクリレート系モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエトキシジアクリレート、ビスフェノールAテトラプロポキシジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジイルジメチレンジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
3官能以上の(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、上記(メタ)アクリレート系モノマーは、分子骨格の一部を変性しているものでもよく、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、カプロラクトン、イソシアヌル酸、アルキル、環状アルキル、芳香族、ビスフェノール等による変性がなされたものも使用することができる。
また、多官能性(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート等のアクリレート系重合体等が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、多価アルコール及び有機ジイソシアネートとヒドロキシ(メタ)アクリレートとの反応によって得られる。
また、好ましいエポキシ(メタ)アクリレートは、3官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレート、2官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と多塩基酸と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレート、及び2官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等とフェノール類と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレートである。
上記電離放射線硬化性化合物は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
電離放射線硬化性化合物が紫外線硬化性化合物である場合には、電離放射線硬化性組成物は、光重合開始剤や光重合促進剤等の添加剤を含むことが好ましい。
光重合開始剤としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、α−ヒドロキシアルキルフェノン、α−アミノアルキルフェノン、α−ヒドロキシケトン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンジルメチルケタール、ベンゾイルベンゾエート、α−アシルオキシムエステル、アシルフォスフィンオキサイド類、チオキサンソン類等から選ばれる1種以上が挙げられる。
上記光重合開始剤の中でも、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、及び2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オンを適宜、1種類または複数種類選択することが好ましい。
光重合開始剤は、上記化合物に限定されず、紫外線により重合を開始させる能力があれば、どのようなものでも構わない。これらの光重合開始剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
電離放射線硬化性樹脂組成物中の光重合開始剤の含有量は、特に制限されないが、紫外線硬化性化合物の全量100質量部に対して1〜20質量部の範囲内で使用することが好ましい。複数種類使用する場合も、それぞれを上記範囲内で使用することが好ましい。
光重合開始剤は、融点が100℃以上であることが好ましい。光重合開始剤の融点を100℃以上とすることにより、タッチパネルの透明導電膜形成時や結晶化工程の熱により残留した光重合開始剤が昇華し、透明導電膜の低抵抗化が損なわれることを防止することができる。
また、光重合促進剤は、硬化時の空気による重合阻害を軽減させ硬化速度を速めることができるものであり、例えば、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等から選ばれる1種以上が挙げられる。
また、凹凸層形成塗布液には、レベリング剤を含有させることが好ましい。レベリング剤としては、例えば、フッ素系レベリング剤、シリコーン系レベリング剤、フッ素シリコーン共重合体系レベリング剤等が挙げられる。中でも、凹凸層が上述の条件(B1)及び(B2)を満たしやすくする観点から、シリコーン系レベリング剤が好ましく用いられる。また、反応性よりも非反応性のほうが、タッチパネル操作性がよい傾向がある。
レベリング剤の添加量としては、凹凸層の全固形分に対して0.01〜5.0重量%が好ましい。
光学シートの凹凸は防汚処理されてなることが好ましい。防汚処理を施すことにより、凹凸に汚れが溜まり、実施形態Bの表面形状が損なわれるのを抑制できる。また、フッ素系離型剤やシリコーン系離型剤等による防汚処理は、凹凸に滑り性を付与して、上述の条件(B1)を満たしやすくし、操作性をより良好にできる点で好ましい。
防汚処理の手段としては、凹凸層にフッ素系離型剤、シリコーン系離型剤等の離型剤を含有させる手段、光学シートの最表面に上記離型剤により離型層を形成する手段が挙げられる。凹凸層に離型剤を含有させる場合、離型剤の含有量は、凹凸層の全固形分の0.5〜5.0質量%とすることが好ましい。
(透明基材)
光学シートに用いられる透明基材としては、光透過性、平滑性、耐熱性を備え、機械的強度に優れたものであることが好ましい。このような透明基材としては、ポリエステル、トリアセチルセルロース(TAC)、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリウレタン及び非晶質オレフィン(Cyclo−Olefin−Polymer:COP)等のプラスチックフィルムが挙げられる。透明基材は、2枚以上のプラスチックフィルムを貼り合わせたものであってもよい。
また、溶融押出成型法:extrusion molding(インフレーション法、Tダイ法)や溶液流延法:solution casting、カレンダー法:calendaringなどの汎用方法によって製造される上記のプラスチックフィルムの他、離型性を有する基材上に電離放射線硬化型樹脂組成物等の樹脂からなる塗膜を形成し、該基材から該塗膜を剥離して作製したフィルムであってもよい。
上記の中でも、機械的強度や寸法安定性の観点からは、延伸加工、特に二軸延伸加工されたポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)が好ましい。また、COP、ポリエステルは耐候性に優れる点で好適である。
透明基材の厚さは、5〜300μmであることが好ましく、10〜200μmであることがより好ましく、20〜130μmであることが更に好ましい。
透明基材の表面には、接着性向上のために、コロナ放電処理、酸化処理等の物理的な処理の他、アンカー剤又はプライマーと呼ばれる塗料の塗布を予め行ってもよい。
透明基材は、リタデーション値0nm超3,000nm未満のものが好ましく、20nm超2,000nm以下のものがより好ましい。該リタデーション値は波長550nmでの値とする。
透明基材のリタデーション値は、透明基材の面内において屈折率が最も大きい方向である遅相軸方向の屈折率nと、透明基材の面内において前記遅相軸方向と直交する方向である進相軸方向の屈折率nと、透明基材の厚みdとにより、下記式によって表わされるものである。
リタデーション値(Re)=(n−n)×d
上記リタデーション値は、例えば、王子計測機器社製の商品名「KOBRA−WR」、「PAM−UHR100」により測定できる。
通常、リタデーション値が小さい透明基材を用いた場合、該透明基材を通過した光に生じるグラデーション調の色ムラが観察される(例えば、偏光板、所定のリタデーション値を有する透明基材を通過した光を偏光サングラスを通して視認した際に観察される。)。しかし、実施形態Bのタッチパネルで用いる光学シートは、条件(B2)を満たすことから、リタデーション値が小さい透明基材を用いても、該グラデーション調の色ムラを目立ちにくくすることができる。
なお、リタデーション値を小さくしてもグラデーション調の色ムラを目立ちにくくできることは、透明基材の基材厚みを薄くできることにつながる。つまり、リタデーションを生じる透明基材(例えば汎用基材であるポリエステルフィルム)は、通常であれば、基材厚みを厚くする、1軸延伸するなどにより、リタデーション値を大きくすることで、グラデーション調の色ムラが発生することを抑制している。しかし、実施形態Bのタッチパネルで用いる光学シートは、透明基材(例えば汎用基材であるポリエステルフィルム)の基材厚みを薄くしてもグラデーション調の色ムラが目立ちにくくすることができる。
さらに、リタデーション値を小さくしてもグラデーション調の色ムラを目立ちにくくできることは、通常はグラデーション調の色ムラを生じやすいため選択の余地から外れるようなプラスチックフィルム(ポリイミドフィルム、アラミドフィルム)を使用できることにつながる。ポリイミドフィルム、アラミドフィルムは、耐屈曲性に優れる点で好ましい。
近年、表示素子の色域が広がる傾向にある。色域が広い表示素子は、各色(R、G、B)の分光スペクトルがそれぞれシャープな形状を有しており、このような表示素子では、リタデーション値に特有のグラデーション調の色ムラが特に目立ちやすい傾向にある。実施形態Bのタッチパネルで用いる光学シートは、色域が広い表示素子に対しても、グラデーション調の色ムラを目立ちにくくできる点で好ましい。
光学シートは、凹凸の上及び/又は凹凸と反対側の面上に、反射防止層、防汚層、帯電防止層等の機能性層を有していてもよい。また、透明基材上に凹凸層を有する構成の場合、前記箇所のほかに、透明基材と凹凸層との間に機能性層を有していてもよい。
なお、凹凸層の上に他の機能層を積層した場合には、最表面の凹凸が本願範囲を満たす。凹凸は、最表面が本願範囲であればよく、単層であっても複数層であってもよい。
実施形態Bのタッチパネルは、上述の光学シートの凹凸形状によって、屋外防眩性が付与されるとともに、操作性が優れたものとなる。また、解像度の低下を抑制することもできる。
したがって、実施形態Bのタッチパネルは、特に、車載用表示装置、及び電車など移動時に持ち運ぶスマートフォンやタブレット(多機能携帯端末)の表示素子の出射面側に設置されることが好ましい。
[表示装置]
実施形態Bの表示装置は、表示素子の出射面側の最表面に凹凸を有し、該凹凸が上述の条件(B1)及び(B2)を満たすものである。
実施形態Bの表示装置は、最表面に凹凸を有する部材として、上述した実施形態Bのタッチパネルに用いる光学シートと同様のものを用いることができる。
表示素子としては、液晶表示素子、インセルタッチパネル液晶表示素子、EL表示素子、プラズマ表示素子等が挙げられる。なお、液表表示素子は、液晶素子の背面にバックライトを有している。
インセルタッチパネル液晶素子は、2枚のガラス基板に液晶を挟んでなる液晶素子の内部に、抵抗膜式、静電容量式、光学式等のタッチパネル機能を組み込んだものである。なお、インセルタッチパネル液晶素子の液晶の表示方式としては、IPS方式、VA方式、マルチドメイン方式、OCB方式、STN方式、TSTN方式等が挙げられる。インセルタッチパネル液晶素子は、例えば、特開2011−76602号公報、特開2011−222009号公報に記載されている。
光学シートは、例えば、以下の順で表示素子の出射面側に設置することができる。
(a)表示素子/表面保護板/光学シート
(b)表示素子/光学シート
(c)表示素子/光学シートを最上部に有するタッチパネル
(a)及び(b)の場合、光学シートの凹凸が表示素子とは反対側を向くように配置されることで、表示装置に屋外防眩性を付与することができる。また、表示素子の解像度の低下を抑制でき、更には、表面や表示素子に生じた傷を見えづらくすることができる。
(c)の場合、表示装置は、表示素子の出射面側に、光学シートを最上部に有するタッチパネルを備えたタッチパネル付きの表示装置となる。この場合、屋外防眩性、及び高解像性とともに、タッチパネルの操作性に優れた表示装置とすることができる。
したがって、実施形態Bの表示装置は、車載用表示装置、及び電車など移動時に持ち運ぶスマートフォンやタブレット(多機能携帯端末)として好適である。
上述したように、実施形態Bの表示装置で用いる光学シートは、色域が広い表示素子に対しても、グラデーション調の色ムラを目立ちにくくできる。色域を表す規格としては、「ITU−R勧告 BT.2020(以下、「BT.2020」と称する。)」等が挙げられる。ITU−Rは、「International Telecommunication Union-Radiocommunication Sector(国際電気通信連合 無線通信部門)」の略称であり、ITU−R勧告 BT.2020は、スーパーハイビジョンの色域の国際規格である。
実施形態Bの表示装置は、下記式で表されるCIE−xy色度図に基づくBT.2020のカバー率が60%以上の表示素子に対しても、グラデーション調の色ムラを目立ちにくくできる。
<BT.2020のカバー率を表す式>
[表示素子のCIE−xy色度図の面積のうち、BT.2020のCIE−xy色度図の面積と重複する面積/BT.2020のCIE−xy色度図の面積]×100(%)
なお、BT.2020のカバー率を算出する際に必要となる「CIE−xy色度図の面積」は、赤(R)表示、緑(G)表示、及び青(B)表示の際のCIE−Yxy表色系のx値及びy値をそれぞれ測定し、該測定結果から得られた「赤(R)の頂点座標」、「緑(G)の頂点座標」及び「青(B)の頂点座標」から算出できる。CIE−Yxy表色系のx値及びy値は、例えば、コニカミノルタ社製の分光放射輝度計CS−2000で測定できる。
色域が広い表示素子としては、三色独立方式の有機EL表示装置(その中でも、マイクロキャビティ構造を備えた三色独立方式の有機EL素子)、バックライトに量子ドットを用いた液晶表示素子、バックライトに三波長方式の白色LED(近紫外線のLEDと、青蛍光体、緑蛍光体、及び赤蛍光体との組み合わせ)を用いた液晶表示素子等が挙げられる。
[光学シート]
実施形態Bの光学シートは、一方の面に凹凸を有し、かつ、該凹凸が上述の条件(B1)及び(B2)を満たすものである。なお、実施形態Bの光学シートは、上記凹凸の上に他の機能層を積層した場合には、最表面の凹凸が本願範囲を満たす。凹凸は、最表面が本願範囲であればよく、単層であっても複数層であってもよい。
実施形態Bの光学シートとしては、上述した実施形態Bのタッチパネルに用いる光学シートと同様のものが挙げられる。
実施形態Bの光学シートをタッチパネルに用いる場合、該光学シートは凹凸を有する面がタッチパネルの操作者側の表面となるように設置される。
実施形態Bの光学シートは、上述の条件(B1)及び(B2)を満たすため、該光学シートをタッチパネルの最上部に設けることにより、タッチパネルに屋外防眩性を付与するとともに、タッチパネルの操作性を優れたものとすることができる。
したがって、実施形態Bの光学シートは、車載用表示装置の表面、電車など移動時に持ち運ぶスマートフォンやタブレット(多機能携帯端末)の表面に好ましく用いることができる。
[光学シートの選別方法]
実施形態Bの光学シートの選別方法は、一方の面に凹凸を有し、該凹凸が、上述の条件(B1)及び(B2)を満たす光学シートを、タッチパネルの最上部に位置する光学シートとして選定するものである。
実施形態Bの光学シートの選別方法では、光学シートの操作性試験を行わなくても、操作性が良好であるとともに、屋外防眩性及び高解像性を有する光学シートを選別することができ、光学シートの製品設計、品質管理を効率よく行うことができる。
タッチパネルの光学シートの選別する判定条件は、上述の条件(B1)及び(B2)を必須条件とする。条件(B1)の判定条件は、例えば、荷重が50〜150gにおける比(μs/μk)が、好ましくは1.6〜2.5の範囲内であり、より好ましくは1.7〜2.2の範囲内である。また、荷重が900〜1100gにおける比(μs/μk)が、好ましくは1.0〜1.5の範囲内であり、より好ましくは1.1〜1.4の範囲内である。また、条件(B2)の判定条件は、0.15μm≦Ra2.5≦0.60μmを満たすことが好ましく、0.25μm≦Ra2.5≦0.55μmを満たすことがより好ましく、0.30μm≦Ra2.5≦0.50μmを満たすことが更に好ましい。
タッチパネルの光学シートの選別方法では、優れた操作性、及び屋外防眩性の観点から、以下の条件(B3)を追加の判定条件とすることがさらに好ましい。
Rz0.8/(Rz2.5−Rz0.8)≦3.2 (B3)
条件(B3)の判定条件は、上述した実施形態Bの光学シートの好適な数値範囲であることが好ましい。
さらに、その他のパラメータを追加の判定条件とすることが好ましい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は、実施例に記載の形態に限定されるものではない。なお、「部」及び「%」は特に断りのない限り質量基準とする。
<実施形態Aの実施例>
A1.測定及び評価
実施例及び比較例で作製した光学シートについて、以下の測定及び評価を行った。結果を表1に示す。
A1−1.静摩擦係数
新東科学(株)製のHEIDON HHS2000を用い、一定荷重往復摩擦測定モードで以下の手法により静摩擦係数を測定した。
光学シートの凹凸に、先端半径0.3mmのサファイア製の引掻針を垂直に接触させ、引掻針に垂直荷重100gをかけながら10mm/秒の走査速度で片道10mmの長さを1往復した際の該引掻針にかかる静摩擦係数(μs10)を測定した。また、走査速度を20mm/秒とした時の静摩擦係数(μs20)を測定した。
なお、測定時の雰囲気は、温度は23℃±5℃、湿度50%±10%とした。また、測定開始前に、各サンプルを23℃±5℃、湿度50%±10%の雰囲気に10分以上放置した。
A1−2.表面粗さ測定(カットオフ値2.5mm)
実施例及び比較例の光学シートを10cm四方に切断した。切断箇所は、目視でゴミや傷などの異常点がない事を確認の上、ランダムな部位から選択した。切断した表面部材を東レ社製の光学透明粘着シート(屈折率:1.47、厚み100μm)を介して、縦10cm×横10cmの大きさの黒色板(クラレ社製、商品名:コモグラス 品番 :DFA502K、厚み2.0mm)を貼り合わせたサンプルをそれぞれ20個準備した。
表面粗さ測定器(型番:SE−3400/小坂研究所社製)を用いて、計測ステージにサンプルが固定かつ密着した状態となるようにセットしたのち、下記の測定条件により、光学シートの凹凸面の、JIS B0601:1994のRa、Rz、S、及びSmを測定した。θaの算出は、小坂研究所社製の表面粗さ測定器(SE−3400)の取り扱い説明書(1995.07.20改訂)に従うものとする。20個のサンプルの平均値を、各実施例及び比較例のRa、Rz、S、Sm及びθaとした。測定時の雰囲気は、温度は23℃±5℃、湿度50%±10%とした。また、測定開始前に、各サンプルを23℃±5℃、湿度50%±10%の雰囲気に10分以上放置した。
[表面粗さ検出部の触針]
小坂研究所社製の商品名SE2555N(先端曲率半径:2μm、頂角:90度、材質:ダイヤモンド)
[表面粗さ測定器の測定条件]
・基準長さ(粗さ曲線のカットオフ値λc):2.5mm
・評価長さ(基準長さ(カットオフ値λc)×5):12.5mm
・触針の送り速さ:0.5mm/s
・縦倍率:2000倍
・横倍率:10倍
・スキッド:用いない(測定面に接触なし)
・カットオフフィルタ種類:ガウシャン
・不感帯レベル:10%
・tp/PC曲線:ノーマル
A1−3.表面粗さ測定(カットオフ値0.8mm)
表面粗さ測定器(型番:SE−3400/小坂研究所社製)を用いて、下記の測定条件により、上記20個のサンプルの凹凸面のJIS B0601:1994のRzを測定した。20個のサンプルの平均値を、各実施例及び比較例のRzとした。
[表面粗さ検出部の触針]
小坂研究所社製の商品名SE2555N(先端曲率半径:2μm、頂角:90度、材質:ダイヤモンド)
[表面粗さ測定器の測定条件]
・基準長さ(粗さ曲線のカットオフ値λc):0.8mm
・評価長さ(基準長さ(カットオフ値λc)×5):4.0mm
・触針の送り速さ:0.5mm/s
・縦倍率:2000倍
・横倍率:10倍
・スキッド:用いない(測定面に接触なし)
・カットオフフィルタ種類:ガウシャン
・不感帯レベル:10%
・tp/PC曲線:ノーマル
A1−4.屋外防眩性
得られた光学シートの基材側に、黒色アクリル板を、透明粘着剤を介して貼り合わせ、評価用サンプルを作製した。次いで、照度が7000〜13000ルクスの環境(晴天の窓際の環境)において、各評価用サンプルを高さ1m程度の水平台上に水平に設置し、約50cm上方から様々な角度で20人が目視にて評価を行い、以下の基準に従って評価し、最も多数の評価を結果として用いた。
A:サンプル表面に太陽光の眩しさを感じない。
B:角度によってはサンプル表面に太陽光の眩しさを若干感じるが、許容範囲内。
C:サンプル表面に太陽光の眩しさを強く感じる。
A1−5.解像性
得られた光学シートの基材側を、市販モバイル(7.9インチ LCD)の最表面の硝子に透明粘着剤を介して貼り合わせ、照度が7000〜13000ルクス(晴天の窓際)環境において、各表示装置を高さ1m程度の水平台上に水平に設置し、約30cm上方から様々な角度で20人が目視にて各表示装置の初期画面のアイコン、文字を確認した。アイコン、文字を良好に認識できるものを2点、アイコン、文字が操作に支障ない範囲で認識できるものを1点、アイコン、文字が認識しにくく、操作に支障があるものを0点として評価を行った。20人の平均点が1.6点以上のものをA、1.2点以上1.6点未満のものをB、1.2点未満のものをCとした。
A1−6.触感(滑り性)
得られた光学シートの基材側に、10cm角のアクリル板を貼り合わせた。次いで、タッチパネルで操作すると考えられる下記の2種類の操作を行った。
20人が該操作を行い、触感が極めて良好を2点、触感が良好を1点、触感が悪いものを0点として評価を行った。20人の平均点が1.6点以上のものをA、1.2点以上1.6点未満のものをB、1.2点未満のものをCとした。
<操作1(スクロール操作)>
人差し指の腹で操作する。利き手で板を押さえ、利き手ではない指の腹で光学シート凹凸表面を約5cmの距離を1秒くらいで左右方向に動かす操作をした。これを、5往復繰り返した。
<操作2(拡大縮小操作)>
利き手で板を押さえ、利き手ではない人差し指と親指の横側を光学シート凹凸表面のおよそ中心部に設置させ、人差し指および親指をそれぞれ1秒くらいで2〜3cm同時に移動させ、拡大時の操作をした。その後、ただちに元の中心部への縮小時の操作をした。これを、5往復繰り返した。
A1−7.操作開始時の指の引っかかりの感触
上記(A1−6)と同様のサンプルを作製し、上記1及び上記2の操作を20人が行った。操作1及び操作2において、指の引っかかり度合いが同等なものを2点、指の引っかかり度合いが若干異なるものを1点、指の引っかかり度合いが異なるものを0点として評価を行った。20人の平均点が1.6点以上のものをA、1.2点以上1.6点未満のものをB、1.2点未満のものをCとした。
A2.光学シートの作製
[実施例A1]
プラスチックフィルム(厚み80μmトリアセチルセルロース樹脂フィルム(TAC)、富士フイルム社製、TD80UL)上に、下記処方の凹凸層塗布液A1を塗布し、70℃、風速5m/sで30秒間乾燥した後、紫外線を窒素雰囲気(酸素濃度200ppm以下)下にて積算光量が100mJ/cmになるように照射して、凹凸層を形成し、光学シートを得た。凹凸層の膜厚は7μmであった。
<凹凸層塗布液A1>
・ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート 55部
(SARTOMER社製、SR355)
・光重合開始剤 3部
(BASF社製、イルガキュア184)
・シリコーン系レベリング剤 0.25部
(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、TSF4460)
・球状ポリアクリル−スチレン共重合体粒子 10部
(平均粒子径6μm、屈折率1.52)
・コロイダルシリカ微粒子(反応性の疎水処理) 100部
(日産化学工業(株)製、溶剤MIBK、固形分30%)(平均粒子径10〜15nm)
・溶剤 (MIBK) 110部
[実施例A2]
実施例A1の凹凸層塗布液A1を下記処方の凹凸層塗布液A2に変更し、膜厚を6μmとした以外は、実施例A1と同様にして、光学シートを得た。
<凹凸層塗布液A2>
・多官能アクリレートオリゴマー 60部
(日本合成化学工業(株)製、UV7640B 官能基数6〜7)
・光重合開始剤 3部
(BASF社製、イルガキュア184)
・シリコーン系レベリング剤:ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン 0.2部
(BYK−CHEMIE社製、BYK370)
・球状ポリアクリル−スチレン共重合体粒子 16部
(平均粒子径3.5μm、屈折率1.52)
・フュームドシリカ微粒子(疎水処理:オクチルシラン処理) 6部
(日本アエロジル(株)製、平均粒子径10〜15nm)
・溶剤1(トルエン) 135部
[実施例A3]
実施例A1の凹凸層塗布液A1を下記処方の凹凸層塗布液A3に変更し、凹凸層の膜厚を2.5μmとした以外は、実施例A1と同様にして、光学シートを得た。
<凹凸層塗布液A3>
・ペンタエリスリトールトリアクリレート 100部
(日本化薬社製、KAYARAD−PET−30)
・無機粒子 14部
(富士シリシア化学(株)製、不定形シリカ)
(疎水処理、シランカップリング剤、平均凝集粒子径2μm)
・光重合開始剤 5部
(BASF社製、イルガキュア184)
・シリコーン系レベリング剤 0.2部
(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製 TSF4460)
・離型剤 2部
(ダイキン工業(株)製、オプツールDAC)
・溶剤1(トルエン) 150部
・溶剤2(MIBK) 35部
[比較例A1]
実施例A1の凹凸層塗布液A1を下記処方の凹凸層塗布液A4に変更し、凹凸層の膜厚を4μmとした以外は、実施例A1と同様にして、光学シートを得た。
<凹凸層塗布液A4>
・脂肪族ポリエステル骨格6官能ウレタンアクリレート 100部
(SARTOMER社製、CN968)
・球状ポリアクリル−スチレン共重合体粒子 3部
(平均粒子径2.5μm、屈折率1.52)
・フュームドシリカ微粒子(疎水処理:メチル) 3部
(日本アエロジル(株)製、平均粒子径10〜15nm)
・光重合開始剤 3部
(BASF社製、イルガキュア184)
・シリコーン系レベリング剤:ポリエーテル変性ポリシロキサン 0.2部
(信越シリコーン(株)製、KF6004)
・溶剤1(トルエン) 150部
・溶剤2(MIBK) 35部
[比較例A2]
実施例A1の凹凸層塗布液A1を下記処方の凹凸層塗布液A5に変更し、凹凸層の膜厚を3μmとした以外は、実施例A1と同様にして、光学シートを得た。
<凹凸層塗布液A5>
・脂肪族ポリエステル骨格6官能ウレタンアクリレート 100部
(SARTOMER社製、CN968)
・不定形シリカ微粒子(疎水処理:シランカップリング剤) 15部
(富士シリシア化学(株)製、平均凝集粒子径2.5μm)
・光重合開始剤 3部
(BASF社製、イルガキュア184)
・シリコーン系レベリング剤:ポリエーテル変性ポリシロキサン 0.2部
(信越シリコーン(株)製、X-22-2516)
・溶剤(トルエン) 150部
Figure 2017188186
表1の結果から、実施例A1〜A3の光学シートでは、屋外防眩性を付与できるとともに、解像性及び操作性を良好にすることができることが分かる。
A3.タッチパネルの作製
実施例A1〜A3及び比較例A1、A2の光学シートの透明基材側に、厚み20nmのITOの導電性膜をスパッタリング法で形成し、上部電極板とした。次いで、厚み1mmの強化ガラス板の一方の面に、厚み約20nmのITOの導電性膜をスパッタリング法で形成し、下部電極板とした。次いで、下部電極板の導電性膜を有する面に、スペーサー用塗布液として電離放射線硬化型樹脂(Dot Cure TR5903:太陽インキ社)をスクリーン印刷法によりドット状に印刷した後、高圧水銀灯で紫外線を照射して、直径50μm、高さ8μmのスペーサーを1mmの間隔で配列させた。
次いで、上部電極板と下部電極板とを、導電性膜どうしを対向するように配置させ、厚み30μm、幅3mmの両面接着テープで縁を接着し、実施例A1〜A3及び比較例A1、A2の抵抗膜式タッチパネルを作製した。
実施例A1〜A3の抵抗膜式タッチパネルは、屋外防眩性を有するとともに、解像性及び操作性が良好であった。一方、比較例A1の抵抗膜式タッチパネルは、屋外防眩性が不足のため眩しく、かつ操作性が低下していた。また、比較例A2の抵抗膜式タッチパネルは、屋外防眩性が過剰であるため表示画面の映像、文字情報を認識できなかった。
A4.表示装置(1)の作製
実施例A1〜A3及び比較例A1、A2の光学シートと、市販の超高精細液晶表示装置(4.7インチ、画素密度約320ppi)の表面ガラス板とを、透明粘着剤を介して貼り合わせ、実施例A1〜A3及び比較例A1、A2の表示装置(1)を作製した。なお、貼り合わせの際は、光学シートの凹凸面が表示素子とは反対側を向くようにした。
得られた表示装置(1)のギラツキの有無を目視で評価したところ、実施例A1〜A3の表示装置(1)についてはギラツキが抑制され、外光の移り込みも少なく、視認性が良好であった。また、実施例A1〜A3の表示装置(1)は超高精細の映像の解像度が損なわれることもなかった。
A5.表示装置(2)の作製
実施例A1〜A3及び比較例A1、A2の光学シートの基材を厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(リタデーション値2,500nm)に変更した以外は、実施例A1〜A3及び比較例A1、A2と同様にして、実施例A4〜A6及び比較例A3、A4の光学シートを作製した。実施例A4〜A6及び比較例A3、A4の光学シートの表1の各物性値は、実施例A1〜A3及び比較例A1、A2と略同様である。
実施例A4〜A6及び比較例A3、A4の光学シートと、マイクロキャビティ構造を備えた三色独立方式の有機EL表示素子上に偏光子を有する市販の有機EL表示装置(CIE−xy色度図に基づくBT.2020のカバー率:77%)の表面ガラス板とを、透明粘着剤を介して貼り合わせ、実施例A4〜A6及び比較例A3、A4の表示装置(2)を作製した。なお、貼り合わせの際は、光学シートの凹凸面が表示素子とは反対側を向くようにした。
[表示装置(2)の評価]
<グラデーション調の色ムラ>
表示装置(2)の画面を白表示もしくは略白表示にした。偏光サングラスを介して様々な角度から画面を目視観察し、グラデーション調の色ムラが視認できるかどうかを以下の基準に従って20人が評価し、最も多い数の評価を結果とした。結果を表2に示す。
A:グラデーション調の色ムラが視認できない。
B:グラデーション調の色ムラがごく僅かに視認できるが、画像品質に支障なし。
C:グラデーション調の色ムラがはっきりと視認され、画像品質に大いに支障がある。
表示装置(2)を構成する表示素子は、色域が極めて広く、グラデーション調の色ムラを生じやすいものであるが、実施例A4〜A6の表示装置は、グラデーション調の色ムラを視認しにくくできる。特に、実施例A6の表示装置は、Raが大きく、かつ適度なランダム性を有する凹凸形状を有するため、グラデーション調の色ムラが全くというほど視認できないものであった。
Figure 2017188186
<実施形態Bの実施例>
B1.測定及び評価
実施例及び比較例で作製した光学シートについて、以下の測定及び評価を行った。結果を表3に示す。
B1−1.摩擦係数
新東科学(株)製の商品名HEIDON NHS2000を用い、一定荷重往復摩擦測定モードで以下の手法により静摩擦係数μs及び動摩擦係数μkを測定し、比(μs/μk)を算出した。
光学シートの凹凸に、先端半径0.3mmのサファイア製の引掻針を垂直に接触させ、引掻針に垂直荷重100gをかけながら5mm/秒の走査速度で片道10mmの長さを1往復した際の該引掻針にかかる動摩擦係数μkを測定した。また、同様の操作により引掻針にかける垂直荷重が500g、及び1000gにおける動摩擦係数μkを測定した。さらに、上記操作と同様にして引掻針にかける垂直荷重が100g、500g及び1000gにおける、静摩擦係数μsを測定した。
なお、測定時の雰囲気は、温度は23℃±5℃、湿度50%±10%とした。また、測定開始前に、各サンプルを23℃±5℃、湿度50%±10%の雰囲気に10分以上放置した。
表3中に示す実施例B1、B2、及び比較例B4の数式は、いずれも最小二乗法により算出した近似一次直線である。
B1−2.表面粗さ測定(カットオフ値2.5mm)
実施例及び比較例の光学シートを10cm四方に切断した。切断箇所は、目視でゴミや傷などの異常点がない事を確認の上、ランダムな部位から選択した。切断した表面部材を東レ社製の光学透明粘着シート(屈折率:1.47、厚み100μm)を介して、縦10cm×横10cmの大きさの黒色板(クラレ社製、商品名:コモグラス 品番 :DFA502K、厚み2.0mm)を貼り合わせたサンプルをそれぞれ20個準備した。
表面粗さ測定器(型番:SE−3400/小坂研究所社製)を用いて、計測ステージにサンプルが固定かつ密着した状態となるようにセットしたのち、下記の測定条件により、光学シートの凹凸面の、JIS B0601:1994のRa、Rz、S、及びSmを測定した。θaの算出は、小坂研究所社製の表面粗さ測定器(SE−3400)の取り扱い説明書(1995.07.20改訂)に従うものとする。20個のサンプルの平均値を、各実施例及び比較例のRa、Rz、S、Sm及びθaとした。測定時の雰囲気は、温度は23℃±5℃、湿度50%±10%とした。また、測定開始前に、各サンプルを23℃±5℃、湿度50%±10%の雰囲気に10分以上放置した。
[表面粗さ検出部の触針]
小坂研究所社製の商品名SE2555N(先端曲率半径:2μm、頂角:90度、材質:ダイヤモンド)
[表面粗さ測定器の測定条件]
・基準長さ(粗さ曲線のカットオフ値λc):2.5mm
・評価長さ(基準長さ(カットオフ値λc)×5):12.5mm
・触針の送り速さ:0.5mm/s
・縦倍率:2000倍
・横倍率:10倍
・スキッド:用いない(測定面に接触なし)
・カットオフフィルタ種類:ガウシャン
・不感帯レベル:10%
・tp/PC曲線:ノーマル
B1−3.表面粗さ測定(カットオフ値0.8mm)
表面粗さ測定器(型番:SE−3400/小坂研究所社製)を用いて、下記の測定条件により、上記20個のサンプルの凹凸面のJIS B0601:1994のRzを測定した。20個のサンプルの平均値を、各実施例及び比較例のRzとした。
[表面粗さ検出部の触針]
小坂研究所社製の商品名SE2555N(先端曲率半径:2μm、頂角:90度、材質:ダイヤモンド)
[表面粗さ測定器の測定条件]
・基準長さ(粗さ曲線のカットオフ値λc):0.8mm
・評価長さ(基準長さ(カットオフ値λc)×5):4.0mm
・触針の送り速さ:0.5mm/s
・縦倍率:2000倍
・横倍率:10倍
・スキッド:用いない(測定面に接触なし)
・カットオフフィルタ種類:ガウシャン
・不感帯レベル:10%
・tp/PC曲線:ノーマル
B1−4.屋外防眩性
得られた光学シートの基材側に、黒色アクリル板を、透明粘着剤を介して貼り合わせ、評価用サンプルを作製した。次いで、照度が7000〜13000ルクス(晴天の窓際)環境において、各評価用サンプルを高さ1m程度の水平台上に水平に設置し、約50cm上方から様々な角度で20人が目視にて評価を行い、以下の基準に従って評価し、最も多数の評価を結果として用いた。
A:サンプル表面に太陽光の眩しさを感じない。
B:角度によってはサンプル表面に太陽光の眩しさを若干感じるが、許容範囲内。
C:サンプル表面に太陽光の眩しさを強く感じる。
B1−5.解像性
得られた光学シートの基材側を、市販モバイル(7.9インチ LCD)の最表面の硝子に透明粘着剤を介して貼り合わせ、照度が7000〜13000ルクス(晴天の窓際)環境において、各表示装置を高さ1m程度の水平台上に水平に設置し、約30cm上方から様々な角度で20人が目視にて各表示装置の初期画面のアイコン、文字を確認した。アイコン、文字を良好に認識できるものを2点、アイコン、文字が操作に支障ない範囲で認識できるものを1点、アイコン、文字が認識しにくく、操作に支障があるものを0点として評価を行った。20人の平均点が1.6点以上のものをA、1.2点以上1.6点未満のものをB、1.2点未満のものをCとした。
B1−6.操作性
得られた光学シートの基材側に、10cm角のアクリル板を貼り合わせたサンプルを作製した。次いで、サンプルの光学シートの凹凸面上で指を動かし方向転換させる操作を行った。操作は、各人が、軽めの荷重(立ち上がった状態で、利き手とは反対側の手でサンプルを持ち、利き手で操作した時の荷重)、重めの荷重(机にサンプルを置き、利き手と反対側の手でサンプルを固定し、利き手で操作した時の荷重)の2通りの荷重で行った。何れの荷重の操作でも、方向転換が容易にでき、操作性が良好と感じたものを2点、少なくとも何れかの荷重の操作において、方向転換時に指が若干滑るか、方向転換時に指が若干重く感じられ、操作性に若干の不都合を感じたものを1点、少なくとも何れかの荷重の操作において、方向転換時に指が滑るか、方向転換時に指が重く感じられ、操作性に著しく不都合を感じたものを0点として、20人が評価を行った。20人の平均点が1.6点以上のものをA、1.0点以上1.6点未満のものをB、0.5点以上1.0点未満のものをC、0.5点未満のものをDとした。
B−2.光学シートの作製
[実施例B1]
プラスチックフィルム(厚み80μmトリアセチルセルロース樹脂フィルム(TAC)、富士フイルム社製、TD80UL)上に、下記処方の凹凸層塗布液B1を塗布し、70℃、風速5m/sで30秒間乾燥した後、紫外線を窒素雰囲気(酸素濃度200ppm以下)下にて積算光量が100mJ/cmになるように照射して、凹凸層を形成し、光学シートを得た。凹凸層の膜厚は2.5μmであった。
<凹凸層塗布液B1>
・ペンタエリスリトールトリアクリレート 100部
(日本化薬社製、KAYARAD−PET−30)
・無機粒子 14部
(富士シリシア化学(株)製、不定形シリカ)
(疎水処理、シランカップリング剤、平均凝集粒子径2μm)
・光重合開始剤 5部
(BASF社製、イルガキュア184)
・シリコーン系レベリング剤 0.2部
(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製 TSF4460)
・離型剤 2部
(ダイキン工業(株)製、オプツールDAC)
・溶剤1(トルエン) 150部
・溶剤2(MIBK) 35部
[実施例B2]
実施例B1の凹凸層塗布液B1を下記処方の凹凸層塗布液B2に変更し、凹凸層の膜厚を4μmとした以外は、実施例B1と同様にして、光学シートを得た。
<凹凸層塗布液B2>
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 100部
(共栄社化学(株)製、ライトアクリレートPE−4)
・不定形シリカ粒子(疎水処理:シランカップリング剤) 3部
(富士シリシア化学(株)製、平均凝集粒子径3μm)
・不定形シリカ粒子(疎水処理:シランカップリング剤) 3部
(富士シリシア化学(株)製、平均凝集粒子径1.5μm)
・光重合開始剤 3部
(BASF社製、イルガキュア184)
・シリコーン系レベリング剤:ポリエーテル変性ポリシロキサン 0.2部
(信越シリコーン(株)製、KF6004)
・溶剤(トルエン) 150部
[比較例B1]
実施例B1の凹凸層塗布液B1を下記処方の凹凸層塗布液B3に変更し、凹凸層の膜厚を7μmとした以外は、実施例B1と同様にして、光学シートを得た。
<凹凸層塗布液B3>
・ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート 55部
(SARTOMER社製、SR355)
・光重合開始剤 3部
(BASF社製、イルガキュア184)
・シリコーン系レベリング剤 0.25部
(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、TSF4460)
・球状ポリアクリル−スチレン共重合体粒子 10部
(平均粒子径6μm、屈折率1.52)
・コロイダルシリカ微粒子(反応性の疎水処理) 100部
(日産化学工業(株)製、溶剤MIBK、固形分30%)(平均粒子径10〜15nm)
・溶剤 (MIBK) 110部
[比較例B2]
実施例B1の凹凸層塗布液B1を下記処方の凹凸層塗布液B4に変更し、凹凸層の膜厚を7μmとした以外は、実施例B1と同様にして、光学シートを得た。
<凹凸層塗布液B4>
・多官能アクリレートオリゴマー 60部
(日本合成化学工業(株)製、UV7640B 官能基数6〜7)
・光重合開始剤 3部
(BASF社製、イルガキュア184)
・シリコーン系レベリング剤:ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン 0.2部
(BYK−CHEMIE社製、BYK370)
・球状ポリアクリル−スチレン共重合体粒子 16部
(平均粒子径3.5μm、屈折率1.52)
・フュームドシリカ微粒子(疎水処理:オクチルシラン処理) 6部
(日本アエロジル(株)製、平均粒子径10〜15nm)
・溶剤1(トルエン) 135部
[比較例B3]
実施例B1の凹凸層塗布液B1を下記処方の凹凸層塗布液B5に変更し、凹凸層の膜厚を4μmとした以外は、実施例B1と同様にして、光学シートを得た。
<凹凸層塗布液B5>
・脂肪族ポリエステル骨格6官能ウレタンアクリレート 100部
(SARTOMER社製、CN968)
・球状ポリアクリル−スチレン共重合体粒子 3部
(平均粒子径2.5μm、屈折率1.52)
・フュームドシリカ微粒子(疎水処理:メチル) 3部
(日本アエロジル(株)製、平均粒子径10〜15nm)
・光重合開始剤 3部
(BASF社製、イルガキュア184)
・シリコーン系レベリング剤:ポリエーテル変性ポリシロキサン 0.2部
(信越シリコーン(株)製、KF6004)
・溶剤1(トルエン) 150部
・溶剤2(MIBK) 35部
[比較例B4]
実施例B1の凹凸層塗布液B1を下記処方の凹凸層塗布液B6に変更し、凹凸層の膜厚を3.8μmとした以外は、実施例B1と同様にして、光学シートを得た。
<凹凸層塗布液B6>
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 100部
(共栄社化学(株)製、ライトアクリレートPE−4A)
・不定形シリカ粒子(疎水処理:シランカップリング剤) 10部
(富士シリシア化学(株)製、平均凝集粒子径3.5μm)
・不定形シリカ粒子(疎水処理:シランカップリング剤) 8部
(富士シリシア化学(株)製、平均凝集粒子径2μm)
・光重合開始剤 3部
(BASF社製、イルガキュア184)
・シリコーン系レベリング剤:ポリエーテル変性ポリシロキサン 0.3部
(信越シリコーン(株)製、KF6004)
・溶剤(トルエン) 150部
[比較例B5]
実施例B1の凹凸層塗布液B1を下記処方の凹凸層塗布液B7に変更し、凹凸層の膜厚を4μmとした以外は、実施例B1と同様にして、光学シートを得た。
<凹凸層塗布液B7>
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 100部
(共栄社化学(株)製、ライトアクリレートPE−4A)
・不定形シリカ粒子(疎水処理:シランカップリング剤) 2部
(富士シリシア化学(株)製、平均凝集粒子径3μm)
・光重合開始剤 3部
(BASF社製、イルガキュア184)
・シリコーン系レベリング剤:ポリエーテル変性ポリシロキサン 0.2部
(信越シリコーン(株)製、X-22-2516)
・溶剤(トルエン) 150部
Figure 2017188186
表3の結果から、実施例B1の光学シートでは、屋外防眩性を付与できるとともに、操作性を良好にすることができることが分かる。また、解像性も良好であった。
B3.タッチパネルの作製
実施例B1、B2及び比較例B1〜B5の光学シートの透明基材側に、厚み20nmのITOの導電性膜をスパッタリング法で形成し、上部電極板とした。次いで、厚み1mmの強化ガラス板の一方の面に、厚み約20nmのITOの導電性膜をスパッタリング法で形成し、下部電極板とした。次いで、下部電極板の導電性膜を有する面に、スペーサー用塗布液として電離放射線硬化型樹脂(Dot Cure TR5903:太陽インキ社)をスクリーン印刷法によりドット状に印刷した後、高圧水銀灯で紫外線を照射して、直径50μm、高さ8μmのスペーサーを1mmの間隔で配列させた。
次いで、上部電極板と下部電極板とを、導電性膜どうしを対向するように配置させ、厚み30μm、幅3mmの両面接着テープで縁を接着し、実施例B1、B2及び比較例B1〜B5の抵抗膜式タッチパネルを作製した。
実施例B1及びB2の抵抗膜式タッチパネルは、屋外防眩性を有するとともに、操作性及び解像性が良好であった。
B4.表示装置(1)の作製
実施例B1、B2及び比較例B1〜B5の光学シートと、市販の超高精細液晶表示装置(4.7インチ、画素密度約320ppi)の表面ガラス板とを、透明粘着剤を介して貼り合わせ、実施例B1、B2及び比較例B1〜B5の表示装置(1)を作製した。なお、貼り合わせの際は、光学シートの凹凸面が表示素子とは反対側を向くようにした。
得られた表示装置(1)のギラツキの有無を目視で評価したところ、実施例B1及びB2の表示装置(1)についてはギラツキが抑制され、外光の移り込みも少なく、視認性が良好であった。また、実施例B1の表示装置(1)は超高精細の映像の解像度が損なわれることもなかった。
B5.表示装置(2)の作製
実施例B1、B2及び比較例B1〜B5の光学シートの基材を厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(リタデーション値2,500nm)に変更した以外は、実施例B1、B2及び比較例B1〜B5と同様にして、実施例B3、B4及び比較例B6〜B10の光学シートを作製した。実施例B3、B4及び比較例B6〜B10の光学シートの表3の各物性値は、実施例B1、B2及び比較例B1〜B5と略同様である。
実施例B3、B4及び比較例B6〜B10の光学シートと、マイクロキャビティ構造を備えた三色独立方式の有機EL表示素子上に偏光子を有する市販の有機EL表示装置(CIE−xy色度図に基づくBT.2020のカバー率:77%)の表面ガラス板とを、透明粘着剤を介して貼り合わせ、実施例B3、B4及び比較例B6〜B10の表示装置(2)を作製した。なお、貼り合わせの際は、光学シートの凹凸面が表示素子とは反対側を向くようにした。
[表示装置(2)の評価]
<グラデーション調の色ムラ>
表示装置(2)の画面を白表示もしくは略白表示にした。偏光サングラスを介して様々な角度から画面を目視観察し、グラデーション調の色ムラが視認できるかどうかを評価した。グラデーション調の色ムラが視認できないものを2点、グラデーション調の色ムラがごく僅かに視認できるが、画像品質に支障がないものを1点、グラデーション調の色ムラがはっきりと視認され、画像品質に大いに支障があるものを0点という評価基準で20人が評価した。20人の平均点が1.7点以上のものをA、1.4点以上1.7点未満のものをB、1.0点以上1.4点未満のものをB、1.0点未満のものをDとした。結果を表4に示す。
表示装置(2)を構成する表示素子は、色域が極めて広く、グラデーション調の色ムラを生じやすいものである。しかし、実施例B3の表示装置(2)は、Raが大きく、かつ適度なランダム性を有する凹凸形状を有するため、グラデーション調の色ムラが全くというほど視認できないものであった。
Figure 2017188186
1:抵抗膜式タッチパネル、11:透明基板、12:透明導電膜、13:スペーサー
2:静電容量式タッチパネル、21:透明基板、22:透明導電膜(X軸電極)、23:透明導電膜(Y軸電極)、24:接着剤層

Claims (18)

  1. 操作者側の表面に凹凸を有するタッチパネルであって、
    前記凹凸に、先端半径0.3mmのサファイア製の引掻針を垂直に接触させ、該引掻針に垂直荷重100gをかけながら10mm/秒の速度で片道10mmの長さを1往復した際の該引掻針にかかる静摩擦係数をμs10、前記凹凸に、先端半径0.3mmのサファイア製の引掻針を垂直に接触させ、該引掻針に垂直荷重100gをかけながら20mm/秒の速度で片道10mmの長さを1往復した際の該引掻針にかかる静摩擦係数をμs20とした際に、μs10及びμs20が以下の条件(A1)を満たし、かつ、
    前記凹凸は、カットオフ値を2.5mmとした際のJIS B0601:1994の算術平均粗さ(Ra2.5)が、以下の条件(A2)を満たす、タッチパネル。
    0.70≦μs20/μs10≦1.75 (A1)
    0.10μm≦Ra2.5≦0.60μm(A2)
  2. 前記凹凸は、カットオフ値を2.5mmとした際のJIS B0601:1994の十点平均粗さ(Rz2.5)と、前記Ra2.5とが、以下の条件(A3)を満たす、請求項1に記載のタッチパネル。
    5.7≦Rz2.5/Ra2.5 (A3)
  3. 前記凹凸は、カットオフ値を2.5mmとした際のJIS B0601:1994の最大高さ(Ry2.5)と、カットオフ値を2.5mmとした際のJIS B0601:1994の十点平均粗さ(Rz2.5)とが、以下の条件(A6)を満たす、請求項1又は2に記載のタッチパネル。
    Ry2.5/Rz2.5≦1.5 (A6)
  4. 前記凹凸は、カットオフ値を2.5mmとした際の凹凸の平均傾斜角(θa2.5)と、前記Ry2.5/Rz2.5とが、以下の条件(A7)を満たす、請求項3に記載のタッチパネル。
    0.8≦θa2.5/(Ry2.5/Rz2.5)≦5.0 (A7)
  5. 前記凹凸が、光学シートの一方の面に設けられるものである、請求項1〜4のいずれか一項に記載のタッチパネル。
  6. 前記光学シートが、リタデーション値が0nm超3,000nm未満である透明基材を備える、請求項5に記載のタッチパネル。
  7. 表示素子の出射面側の最表面に凹凸を有してなる表示装置であって、
    前記凹凸に、先端半径0.3mmのサファイア製の引掻針を垂直に接触させ、該引掻針に垂直荷重100gをかけながら10mm/秒の速度で片道10mmの長さを1往復した際の該引掻針にかかる静摩擦係数をμs10、前記凹凸に、先端半径0.3mmのサファイア製の引掻針を垂直に接触させ、該引掻針に垂直荷重100gをかけながら20mm/秒の速度で片道10mmの長さを1往復した際の該引掻針にかかる静摩擦係数をμs20とした際に、μs10及びμs20が以下の条件(A1)を満たし、かつ、
    前記凹凸は、カットオフ値を2.5mmとした際のJIS B0601:1994の算術平均粗さ(Ra2.5)が、以下の条件(A2)を満たす、表示装置。
    0.70≦μs20/μs10≦1.75 (A1)
    0.10μm≦Ra2.5≦0.60μm(A2)
  8. 一方の面に凹凸を有する光学シートであって、
    前記凹凸に、先端半径0.3mmのサファイア製の引掻針を垂直に接触させ、該引掻針に垂直荷重100gをかけながら10mm/秒の速度で片道10mmの長さを1往復した際の該引掻針にかかる静摩擦係数をμs10、前記凹凸に、先端半径0.3mmのサファイア製の引掻針を垂直に接触させ、該引掻針に垂直荷重100gをかけながら20mm/秒の速度で片道10mmの長さを1往復した際の該引掻針にかかる静摩擦係数をμs20とした際に、μs10及びμs20が以下の条件(A1)を満たし、かつ、
    前記凹凸は、カットオフ値を2.5mmとした際のJIS B0601:1994の算術平均粗さ(Ra2.5)が、以下の条件(A2)を満たす、光学シート。
    0.70≦μs20/μs10≦1.75 (A1)
    0.10μm≦Ra2.5≦0.60μm(A2)
  9. 一方の面に凹凸を有する光学シートの選別方法であって、
    前記凹凸に、先端半径0.3mmのサファイア製の引掻針を垂直に接触させ、該引掻針に垂直荷重100gをかけながら10mm/秒の速度で片道10mmの長さを1往復した際の該引掻針にかかる静摩擦係数をμs10、前記凹凸に、先端半径0.3mmのサファイア製の引掻針を垂直に接触させ、該引掻針に垂直荷重100gをかけながら20mm/秒の速度で片道10mmの長さを1往復した際の該引掻針にかかる静摩擦係数をμs20とした際に、μs10及びμs20が以下の条件(A1)を満たし、かつ、
    前記凹凸は、カットオフ値を2.5mmとした際のJIS B0601:1994の算術平均粗さ(Ra2.5)が、以下の条件(A2)を満たす光学シートを、タッチパネルの最上部に位置する光学シートとして選定する、光学シートの選別方法。
    0.70≦μs20/μs10≦1.75 (A1)
    0.10μm≦Ra2.5≦0.60μm(A2)
  10. 操作者側の表面に凹凸を有し、前記凹凸が、以下の条件(B1)及び(B2)を満たす、タッチパネル。
    条件(B1):前記凹凸に、先端半径0.3mmのサファイア製の引掻針を垂直に接触させ、前記引掻針に垂直荷重Tgをかけながら5mm/秒の速度で片道10mmの長さを1往復した際の前記引掻針にかかる静摩擦係数μs、及び動摩擦係数μkを測定する。前記静摩擦係数μsと前記動摩擦係数μkとの比(μs/μk)を縦軸に、前記垂直荷重Tgを横軸にプロットしたグラフにおいて、垂直荷重100〜1000gの範囲にあるプロットを最小二乗法により一次直線で近似したときに、前記一次直線の傾きが負である。
    条件(B2):前記凹凸は、カットオフ値を2.5mmとした際のJIS B0601:1994の算術平均粗さ(Ra2.5)が0.10μm以上0.60μm以下である。
  11. 前記凹凸は、カットオフ値を0.8mmとした際のJIS B0601:1994の十点平均粗さ(Rz0.8)と、カットオフ値を2.5mmとした際のJIS B0601:1994の十点平均粗さ(Rz2.5)とが、以下の条件(B3)を満たす、請求項10に記載のタッチパネル。
    Rz0.8/(Rz2.5−Rz0.8)≦3.2 (B3)
  12. 前記凹凸は、カットオフ値を2.5mmとした際のJIS B0601:1994の最大高さ(Ry2.5)と、カットオフ値を2.5mmとした際のJIS B0601:1994の十点平均粗さ(Rz2.5)とが、以下の条件(B6)を満たす、請求項10又は11に記載のタッチパネル。
    Ry2.5/Rz2.5≦1.5 (B6)
  13. 前記凹凸は、カットオフ値を2.5mmとした際の凹凸の平均傾斜角(θa2.5)と、前記Ry2.5/Rz2.5とが、以下の条件(B7)を満たす、請求項12に記載のタッチパネル。
    0.8≦θa2.5/(Ry2.5/Rz2.5)≦5.0 (B7)
  14. 前記凹凸が、光学シートの一方の面に設けられるものである、請求項10〜13のいずれか一項に記載のタッチパネル。
  15. 前記光学シートが、リタデーション値が0nm超3,000nm未満である透明基材を備える、請求項14に記載のタッチパネル。
  16. 表示素子の出射面側の最表面に凹凸を有し、前記凹凸が、以下の条件(B1)及び(B2)を満たす、表示装置。
    条件(B1):前記凹凸に、先端半径0.3mmのサファイア製の引掻針を垂直に接触させ、前記引掻針に垂直荷重Tgをかけながら5mm/秒の速度で片道10mmの長さを1往復した際の前記引掻針にかかる静摩擦係数μs、及び動摩擦係数μkを測定する。前記静摩擦係数μsと前記動摩擦係数μkとの比(μs/μk)を縦軸に、前記垂直荷重Tgを横軸にプロットしたグラフにおいて、垂直荷重100〜1000gの範囲にあるプロットを最小二乗法により一次直線で近似したときに、前記一次直線の傾きが負である。
    条件(B2):前記凹凸は、カットオフ値を2.5mmとした際のJIS B0601:1994の算術平均粗さ(Ra2.5)が0.10μm以上0.60μm以下である。
  17. 一方の面に凹凸を有し、前記凹凸が、以下の条件(B1)及び(B2)を満たす、光学シート。
    条件(B1):前記凹凸に、先端半径0.3mmのサファイア製の引掻針を垂直に接触させ、前記引掻針に垂直荷重Tgをかけながら5mm/秒の速度で片道10mmの長さを1往復した際の前記引掻針にかかる静摩擦係数μs、及び動摩擦係数μkを測定する。前記静摩擦係数μsと前記動摩擦係数μkとの比(μs/μk)を縦軸に、前記垂直荷重Tgを横軸にプロットしたグラフにおいて、垂直荷重100〜1000gの範囲にあるプロットを最小二乗法により一次直線で近似したときに、前記一次直線の傾きが負である。
    条件(B2):前記凹凸は、カットオフ値を2.5mmとした際のJIS B0601:1994の算術平均粗さ(Ra2.5)が0.10μm以上0.60μm以下である。
  18. 一方の面に凹凸を有し、前記凹凸が、以下の条件(B1)及び(B2)を満たす光学シートを、タッチパネルの最上部に位置する光学シートとして選定する、光学シートの選別方法。
    条件(B1):前記凹凸に、先端半径0.3mmのサファイア製の引掻針を垂直に接触させ、前記引掻針に垂直荷重Tgをかけながら5mm/秒の速度で片道10mmの長さを1往復した際の前記引掻針にかかる静摩擦係数μs、及び動摩擦係数μkを測定する。前記静摩擦係数μsと前記動摩擦係数μkとの比(μs/μk)を縦軸に、前記垂直荷重Tgを横軸にプロットしたグラフにおいて、垂直荷重100〜1000gの範囲にあるプロットを最小二乗法により一次直線で近似したときに、前記一次直線の傾きが負である。
    条件(B2):前記凹凸は、カットオフ値を2.5mmとした際のJIS B0601:1994の算術平均粗さ(Ra2.5)が0.10μm以上0.60μm以下である。
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