JPH07103881A - 摩擦測定装置 - Google Patents

摩擦測定装置

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JPH07103881A
JPH07103881A JP27118193A JP27118193A JPH07103881A JP H07103881 A JPH07103881 A JP H07103881A JP 27118193 A JP27118193 A JP 27118193A JP 27118193 A JP27118193 A JP 27118193A JP H07103881 A JPH07103881 A JP H07103881A
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friction
coefficient
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Hidetoshi Honda
秀利 本多
Taketoshi Sato
武俊 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】動摩擦係数だけでなく静止摩擦係数を高い精度
で測定することができる摩擦測定装置を提供する。 【構成】摩擦測定装置は、接触面31を備え、この接触
面31と被測定物30との間の静止摩擦係数及び動摩擦
係数を測定する摩擦測定装置であって、被測定物を動か
す速度を制御する速度制御機構10を備えていることを
特徴とする。速度制御機構はリニアモータ機構から構成
することができる。摩擦測定装置には、被測定物の動き
を測定するための位置測定装置を備えていることが望ま
しい。また、被測定物として磁気記録テープを挙げるこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、動摩擦係数及び静止摩
擦係数を測定することができる摩擦測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ある技術分野においては、製品や部品の
設計や品質を決定するために、あるいは又、製品の特性
を保証する検査工程において、摩擦測定を行う必要があ
る。例えば、磁気記録テープは、走行中に各種ガイドロ
ーラと接触する。従って、磁気記録テープとガイドロー
ラとの間の摩擦係数を測定することは、磁気記録テープ
の設計、あるいは製品としての磁気記録テープの品質管
理において不可欠である。
【0003】固定されたローラ状のガイドから成る接触
面を備え、そして接触面と被測定物との間の動摩擦係数
を測定する従来の摩擦測定装置においては、被測定物を
接触面に接触させた状態で被測定物を引っ張り、被測定
物を静止状態から一定速度とし、一定速度になった後の
被測定物を引っ張る力を測定して動摩擦係数を求める。
従来の摩擦測定装置においては、被測定物を動かす速度
は一定であり、変化させることができない。
【0004】動摩擦係数の測定原理図を図7に示す。一
般に、動摩擦係数の測定はオイラー法にて行われる。図
7に示した系では、動摩擦係数μ’は、 exp(μ’・θ)=F’/W (1) で求めることができる。ここで、θは被測定物30とロ
ーラ状のガイド(接触面31)との接触角であり、通常
90゜である。また、F’は測定された引っ張り力であ
り、Wは一定荷重のバックテンション(重り32の質
量)である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような動摩擦係数
の測定における引っ張り力(F’)と時間(T)の関係
を図8に模式的に示す。動摩擦係数は、被測定物が静止
している状態から有限の時間をかけて被測定物が一定の
速度に達した後の引っ張り力(F’)を測定することに
よって求めることができる。静止摩擦係数は、被測定物
が動き出す瞬間の引っ張り力を求めることによって理論
的には求めることができる。しかしながら、被測定物が
動き出した直後の引っ張り力(F’)には髭状のパルス
が発生する。この髭状のパルスは静止摩擦係数を反映す
るものの、髭状のパルスの高さは、測定時の被測定物に
加わる加速度、測定回路の時定数等に依存する。そのた
め、この髭状のパルスから静止摩擦係数の値そのものを
得ることはできない。
【0006】また、動摩擦係数の測定において、被測定
物が動き始めた直後に、引っ張り力(F’)が低下する
という現象が認められる。この現象は、被測定物が動き
出した瞬間に最大静止摩擦力から動摩擦力へ変化する過
渡的現象に起因する。このような過渡的現象のために、
被測定物を動かす速度を制御することができない従来の
摩擦測定装置においては、正確に動摩擦係数を測定でき
ないという問題がある。
【0007】更には、静止摩擦係数が大きい場合、被測
定物を引っ張る際の急激な速度変化によって、被測定物
が破損する場合もある。
【0008】走行中の磁気記録テープは、固定ガイドロ
ーラだけでなく、回転ガイドローラにも接触する。この
場合、磁気記録テープと回転ガイドローラとの間の相対
速度は0である。磁気記録テープに幅方向の張力が加わ
った場合、磁気記録テープは、回転ガイドローラの軸線
と平行に回転ガイドローラ上を移動する。このような状
況では、磁気記録テープと回転ガイドローラとの間の静
止摩擦が問題となる。ところが、従来の摩擦測定装置で
は、被測定物が動き出す瞬間の引っ張り力(F’)には
髭状のパルスが発生し、被測定物の静止摩擦係数を正確
に測定できない。
【0009】従って、本発明の目的は、動摩擦係数だけ
でなく静止摩擦係数を高い精度で測定することができる
摩擦測定装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の摩擦測定装置は、接触面を備え、この接触
面と被測定物との間の静止摩擦係数及び動摩擦係数を測
定する摩擦測定装置であって、被測定物を動かす速度を
制御する速度制御機構を備えていることを特徴とする。
速度制御機構はリニアモータ機構から構成することがで
きる。摩擦測定装置には、被測定物の動きを測定するた
めの位置測定装置を備えていることが望ましい。また、
被測定物として磁気記録テープを挙げることができる。
【0011】
【作用】本発明の摩擦測定装置においては、被測定物を
動かす速度を制御する速度制御機構を備えているので、
被測定物を動かす速度を最適化することによって、引っ
張り力(F’)に髭状のパルスが発生することを防ぐこ
とができ、しかも被測定物が動き出す瞬間に被測定物に
加えられた力を正確に測定できるので、正確な静止摩擦
係数及び動摩擦係数の測定を行うことが可能になる。
【0012】また、速度制御機構としてリニアモータ機
構を採用することによって、速度可変範囲が広くしかも
応答性に優れ、起動トルクが大きく、被測定物が動き出
す瞬間に被測定物に加えられた力を求めることができる
速度制御機構を得ることができる。
【0013】
【実施例】以下、図面を参照して、実施例に基づき本発
明の摩擦測定装置を説明する。
【0014】図1に本発明の摩擦測定装置の概要を示
す。摩擦測定装置は、被測定物を動かす速度を制御する
速度制御機構を備えている。具体的には、本発明の摩擦
測定装置における速度制御機構としては、速度可変範囲
が広くしかも応答性に優れ、起動トルクが大きいリニア
モータ機構10を使用した。このリニアモータ機構10
によって、例えば磁気記録テープ等の被測定物30は、
図1の矢印の方向に引っ張られ移動させられる。
【0015】摩擦測定装置には、更に、引っ張り力
(F’)を検出するための検出器20、被測定物30と
接触するローラ状の接触面31、検出器20からの信号
を増幅する増幅器40、信号処理を行う小型コンピュー
タ41、測定結果を表示する表示装置42、信号処理を
行った結果に基づき最適な条件でリニアモータ機構10
を動かすための電力制御装置43、リニアモータ機構1
0の移動状態をモニターするための位置測定装置が備え
られている。検出器20はリニアモータ機構10に取り
付けられている。被測定物30の一端は検出器20に取
り付けられる。また、被測定物30の他端には質量Wの
重り32が取り付けられる。被測定物30と接触面31
との間の静止摩擦係数及び動摩擦係数を測定する。接触
面31は、具体的には、直径6mmのSUS304から
成る固定された丸棒から構成されている。
【0016】図2に、実施例にて使用したリニアモータ
機構10を模式的に示す。リニアモータ機構10は、磁
石11、コイル12、保持部13、ヨーク14から構成
されている。使用した磁石11は、0.3Tの磁界を有
する稀土類の永久磁石であり、図2に矢印で示すような
磁束がヨーク14を介して形成される。ヨーク14間に
は保持部13が配置され、保持部13にはコイル12が
取り付けられている。コイル12に対して、図2に矢印
で示した方向の電流を流すと、コイル12は図2の左手
方向に移動する。コイル12の巻き数を200ターン、
コイル12を流れる電流を1Aとした場合、コイル12
に発生する力は60Nにも達し、保持部13、コイル1
2及び検出器20の合計質量を200g、重り32の質
量を10gとした場合に発生する加速度は300m/s
2にもなる。
【0017】引っ張り力(F’)を検出するための検出
器20が保持部13に取り付けられている。検出器20
には、市販の圧電素子を利用した力センサーを使用し
た。具体的には、新光製作所製のU−GAGE UT−
500を使用した。
【0018】位置測定装置は保持部13等の位置を測定
できるならば如何なる機構でもよいが、実施例では、レ
ーザダイオード15、コリメータ16、フォトダイオー
ド17、アパーチャ18及び反射板19から構成した。
反射板19はリニアモータ機構10の外部に固定されて
いる。位置測定装置のその他の構成部品は、保持部13
に取り付けられている。図3に模式的に示すように、レ
ーザダイオード15から射出されたレーザ光をコリメー
タ16で平行光にした後、アパーチャ18によって60
μmφに規制し、かかるレーザ光で固定された反射板1
9を照射する。反射板19には、幅60μmの光反射部
と幅60μmの光吸収部が交互に配列されている。反射
板19の光反射部で反射された光をフォトダイオード1
7で受光する。フォトダイオード17の出力を計測する
ことによって、保持部13の位置や動き、更にはこの位
置測定に基づき移動速度を知ることができる。
【0019】引っ張り力(F’)に相当する検出器20
からの信号を増幅する増幅器40は、出来るだけ測定の
際の信号波形の歪みが少なく、しかも応答性に優れたも
のを使用する必要があるが、現在市販されている通常の
低オフセットオペレーショナルアンプリファイアーでも
リニアモータ機構10の動きに比べれば十分な応答性を
有している。増幅器40として、PMI社製のOP77
を使用した。
【0020】増幅器40によって増幅されたアナログ信
号を、分解能12ビット、5μ秒のアナログデジタル変
換器(図示せず)を使用してデジタル信号に変換し、小
型コンピュータ41に入力する。小型コンピュータ41
では、データ処理ルーチンに基づき、信号の解析を行
う。データ処理ルーチンでは、入力されたデジタル信号
を任意の時間当りで積分を行い、信号の値の平均化を行
うこともできる。また、位置測定装置と組み合わせるこ
とにより、走行中の被測定物の速度を求めることがで
き、速度制御と摩擦測定のための基礎データを得ること
ができる。小型コンピュータ41の出力の一部は表示装
置42に送られて表示されると同時にプリンター(図示
せず)に出力される。
【0021】リニアモータ機構10の速度を制御するた
めの速度制御用信号が、小型コンピュータ41からリニ
アモータ機構を動かすための電力制御装置43に送られ
る。電力制御装置43では、速度制御用信号に基づき、
デジタルアナログ変換法として一般に用いられているP
WM(パルス幅変調方式)を用いて、コイル12に流す
電流の制御を行う。
【0022】本発明の摩擦測定装置を用いた静止摩擦係
数及び動摩擦係数の測定方法を以下説明する。
【0023】磁気記録テープである被測定物30の一端
を検出器20に取り付け、他端には重り32を取り付け
る。被測定物30と接触面31とを接触状態にする。そ
して、コイル12に所定の直流電流を流してリニアモー
タ機構10を駆動し、被測定物30を引っ張り始める。
しかしながら、被測定物30と接触面31との間の最大
静止摩擦力FSTATICが、リニアモータ機構10によって
被測定物30に与えられる力Fより大きい間は、保持部
13は静止したままである。即ち、被測定物30は静止
したままである。リニアモータ機構10によって被測定
物30に与えられる力Fは、コイル12に流れる直流電
流値Iに比例する。この状態においては、c1、c2を定
数、μを静止摩擦係数とすれば、 F=c1I<FSTATIC=c2μ である。
【0024】コイル12に流れる直流電流値Iを、例え
ば直線的にImaxまで増加させていく。すると、ある直
流電流値IS(≦Imax)となった時点で、リニアモータ
機構10によって被測定物30に与えられる力FはFS
(=c1S)となり、FS>FSTATICを満たした瞬間に
保持部13が動き始める。即ち、被測定物30が動き始
める。保持部13が動き始める瞬間は、位置測定装置に
よって検出することができる。コイル12に流れる直流
電流値Iの時間変化を図4の(A)に示す。
【0025】即ち、予め、定数c1、c2の値を求めてお
けば、位置測定装置によって検出された保持部13が動
き始める瞬間における直流電流値ISを検出することに
よって、静止摩擦係数μの値を求めることができる。
【0026】保持部13が動き始めると、直流電流値I
は、一瞬Imaxを越えるが、直ちに一定値(Imax)とな
る。摩擦測定装置にも依るが、電流値Imaxにおいてリ
ニアモータ機構10が等速運動となるように(即ち、系
が平衡状態となるように)摩擦測定装置を設計すること
が、動摩擦係数の測定上望ましい。しかしながら、電流
値Imaxにおいてリニアモータ機構10が等加速度運動
になってもよい。
【0027】検出器20によって検出された引っ張り力
(F’)の時間変化を図4の(B)に示す。引っ張り力
(F’)が平衡になったときの値F’Kを求めれば、先
に述べた式(1)から動摩擦係数μ’を求めることがで
きる。
【0028】実際には、先ず、直流電流値Imaxの値を
大きめの適当な値Imax_1に設定して、IS_1及びF’
K_1を測定し、これらの値から静止摩擦係数μ1及び動摩
擦係数μ’1を求める。このときのコイル12に流れる
直流電流値Iの時間変化、及び検出器20によって検出
された引っ張り力(F’)の時間変化を図5の(A)に
示す。
【0029】直流電流値Imax_1が大き過ぎる場合、図
5の(A)に示すように、被測定物が一定速度で移動し
始めた直後に、引っ張り力(F’)に髭状のパルスが発
生し、その後引っ張り力(F’)が低下し、次いで、引
っ張り力(F’)の値が安定するという現象が認められ
る。この現象は、被測定物30に加えられた力(F’)
が大き過ぎること、及び、そのために被測定物が動き出
した瞬間に最大静止摩擦力から動摩擦力へ変化する過渡
的現象が大き過ぎることに起因する。
【0030】次に、直流電流値Imaxの値をImax_1より
小さい適当な値Imax_2に設定して、IS_2及びF’K_2
を測定し、これらの値から静止摩擦係数μ2及び動摩擦
係数μ’2を求める。このときの直流電流値Iの時間変
化、及び引っ張り力(F’)の時間変化を図5の(B)
に示す。
【0031】直流電流値Imax_2がImax_1より小さいの
で、図5の(B)に示すように、被測定物が一定速度で
移動し始めた直後に、引っ張り力(F’)に発生する髭
状のパルスは小さくなる。また、その後に生じる張り力
(F’)の低下も少なくなる。理論的には、式(1)に
示すように、被測定物30の移動速度に拘らず動摩擦係
数μ’は一定になるが、実際には、被測定物30の移動
速度が遅くなるに従って、動摩擦係数μ’は減少する。
【0032】更に、直洛電流値Imaxの値をImax_2より
小さい適当な値Imax_3に設定して、IS_3及びF’K_3
を測定し、これらの値から静止摩擦係数μ3及び動摩擦
係数μ’3を求める。この操作を繰り返し、引っ張り力
(F’)の時間変化を調べ、図4の(A)に示すよう
に、引っ張り力(F’)に髭状のパルスが発生せず、且
つ動摩擦係数(μ’N-1−μ’N)の値がほぼ0となるよ
うな、Imax_Nを求める。尚、添字Nは今回の測定を意
味し、N−1は前回の測定を意味する。このときの静止
摩擦係数μ及び動摩擦係数μ’の値が、最も正確な静止
摩擦係数μ及び動摩擦係数μ’の値である。尚、動摩擦
係数(μ’N-1−μ’N)の値が負になった場合には、直
流電流値Imaxの値をImax_Nより大きな適当な値Imax
_N+1に設定して、IS_N+1及びF’K_N+1を測定し、これ
らの値から静止摩擦係数μN+1及び動摩擦係数μ’N+1
求める。
【0033】コイル12に流れる直流電流値Iの時間に
対する変化量(dI/dt)を電力制御装置43にて制
御すれば、即ち、dI/dtを最適化することによっ
て、高い精度でコイルに流れる直流電流値ISを求める
ことができる。
【0034】本発明の摩擦測定装置、及び被測定物を動
かす速度を制御することができず一定速度で被測定物を
動かす機構のみを備えている従来の摩擦測定装置を用い
て、磁気記録テープの静止摩擦係数及び動摩擦係数を測
定した。その結果を図6に示す。尚、従来の摩擦測定装
置を用いて測定した静止摩擦係数は、髭状のパルスから
求めた値であり、参考値である。
【0035】また、磁気記録テープのジッターの出現頻
度を測定した。ジッターの測定には、ソニー株式会社製
8mmビデオテープレコーダーCCD−TR705を用
いた。ジッターは、このビデオテープレコーダーからの
再生出力を目黒電波測器社製MK−611Aに入力し
て、「Jitter Out」の出力が50秒間で0.1Vを越え
る頻度を測定することによって得た。一般に、磁気記録
テープの摩擦係数が高いほど、ガイドローラとの間の磁
気記録テープの動きが滑らかでなくなり、磁気記録テー
プからの再生出力に不要なピークが出現する。即ち、ジ
ッターの出現頻度が高くなる。
【0036】動摩擦係数とジッター測定結果の相関関係
を調べた。本発明の摩擦測定装置においては、相関係数
r=0.93であった。一方、従来の摩擦測定装置にお
いては、相関係数r=0.70であった。また、本発明
の摩擦測定装置において求められた静止摩擦係数とジッ
ター測定結果の相関関係を調べた。相関係数r=0.9
9であった。この結果から、本発明の摩擦測定装置にお
いては、静止摩擦係数及び動摩擦係数とジッター測定結
果の間に極めて良い相関関係がある。即ち、本発明の摩
擦測定装置で測定された磁気記録テープの静止摩擦係数
及び動摩擦係数が小さいほど、ジッターも少なくなる。
【0037】以上、本発明の摩擦測定装置を好ましい実
施例に基づき説明したが、本発明はこの実施例に限定さ
れるものではない。速度制御機構は、リニアモータ機構
10に限定されず、例えば通常の回転モータの回転運動
を直線運動に変換し得る機構を有し、速度や加速度を正
確に制御し得るものであれば、如何なる速度制御機構を
も用いることができる。例えば、カムシャフト機構や、
ラックピニオン機構を例示することができる。位置測定
装置も、反射板の代わりに溝を検出する形式、あるいは
又、帯電方式やレーザ変位測定器を用いることができ
る。また、保持部13の位置を測定する代わりに、重り
32の動きを検出してもよい。
【0038】引っ張り力(F’)を検出するための検出
器20が引っ張り力(F’)を検出した瞬間にコイル1
2を流れる直流電流値を測定すれば、このときの直流電
流値がISに相当する。従って、位置測定装置を備えて
いなくとも、静止摩擦係数μを求めることが可能であ
る。
【0039】引っ張り力(F’)に相当する検出器20
からの信号をデジタル信号に変換する必要は必ずしもな
い。例えば、増幅器40及び小型コンピュータ41を、
電圧制御型のフィルター回路を組み込んだ一般的なアナ
ログ制御回路で代替することができる。電力制御装置4
3も、速度制御機構の速度や加速度を正確に制御し得る
装置であれば如何なる装置も用いることができる。
【0040】被測定物は磁気記録テープに限定されず、
如何なるものであってもよい。動摩擦係数の測定原理は
オイラー法に限定されない。例えば、接触面を板状と
し、かかる接触面上に被測定物を置き、被測定物と接触
面との間の静止摩擦係数及び動摩擦係数を測定すること
もできる。この場合、板状の接触面を水平に設置しても
よいし、場合によっては傾斜させて配置してもよい。
【0041】
【発明の効果】本発明の摩擦測定装置によれば、従来の
摩擦測定装置と比較して、動摩擦係数だけでなく静止摩
擦係数を高い精度で測定することができる。本発明の摩
擦測定装置における静止摩擦係数及び動摩擦係数の測定
方法は、従来の摩擦測定装置における測定方法と比較し
ても、何等複雑になることはない。従って、従来の摩擦
測定装置を用いた場合と同等の簡単な測定にて静止摩擦
係数及び動摩擦係数を求めることができる。それ故、非
常に高い効率で、摩擦係数が品質を決定するような製品
や部品の検査・開発を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の摩擦測定装置の概要を示す図である。
【図2】駆動装置の詳細を示す模式的な図である。
【図3】位置測定装置を示す模式的な図である。
【図4】リニアモータ機構のコイル12に流れる直流電
流値Iの時間変化、及び検出器によって検出された引っ
張り力(F’)の時間変化を示す図である。
【図5】図4とは別の、リニアモータ機構のコイル12
に流れる直流電流値Iの時間変化、及び検出器によって
検出された引っ張り力(F’)の時間変化を示す図であ
る。
【図6】本発明の摩擦測定装置、及び従来の摩擦測定装
置を用いて、磁気記録テープの静止摩擦係数及び動摩擦
係数を測定した結果である。
【図7】動摩擦係数の測定原理を説明する図である。
【図8】従来の摩擦測定装置を用いた動摩擦係数の測定
における、引っ張り力(F’)と時間(T)の関係を示
す図である。
【符号の説明】
10 リニアモータ機構 11 磁石 12 コイル 13 保持部 14 ヨーク 15 レーザダイオード 16 コリメータ 17 フォトダイオード 18 アパーチャ 19 反射板 20 検出器 30 被測定物 31 接触面 32 重り 40 増幅器 41 小型コンピュータ 42 表示装置 43 電力制御装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】接触面を備え、該接触面と被測定物との間
    の静止摩擦係数及び動摩擦係数を測定する摩擦測定装置
    であって、被測定物を動かす速度を制御する速度制御機
    構を備えていることを特徴とする摩擦測定装置。
  2. 【請求項2】速度制御機構はリニアモータ機構から成る
    ことを特徴とする請求項1に記載の摩擦測定装置。
  3. 【請求項3】被測定物の動きを測定するための位置測定
    装置を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項
    2に記載の摩擦測定装置。
  4. 【請求項4】被測定物は磁気記録テープであることを特
    徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の
    摩擦測定装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017188186A1 (ja) * 2016-04-25 2017-11-02 大日本印刷株式会社 タッチパネル、表示装置、光学シート及び光学シートの選別方法

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