JP2683260B2 - ステツプモータの動特性計測装置 - Google Patents

ステツプモータの動特性計測装置

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JP2683260B2
JP2683260B2 JP63305700A JP30570088A JP2683260B2 JP 2683260 B2 JP2683260 B2 JP 2683260B2 JP 63305700 A JP63305700 A JP 63305700A JP 30570088 A JP30570088 A JP 30570088A JP 2683260 B2 JP2683260 B2 JP 2683260B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は情報機器等の位置決め機構の駆動源として
使用されるステツプモータの動特性を計測する装置に関
するものである。
〔従来の技術〕
第11図は例えばIBM Technical Disclosure Bulletin,
Vol.28.No9(1986)「DYNAMIC TORQUE TESTER FOR A
STEPPER MOTOR」に示された従来のステツプモータの動
特性計測装置を示すブロツク図である。
図中,(1)は測定を行うべき供試ステツプモータ
(以下供試モータという),(2)は供試モータ(1)
に負荷を与える直流モータで,供試モータ(1)とカツ
プリング(3)により機械的に結合されている。(4)
は直流モータ(2)の軸に直結された速度検出器,
(5)は速度検出器(4)の出力信号を検出して直流モ
ータ(2)及び供試モータ(1)を駆動する計測制御ボ
ード,(6)は計測制御ボード(5)とデータを授受し
ながら計測を統御するデイジタル計算機である。
従来のステツプモータの動特性計測装置は上記のよう
に構成され,計測制御ボード(5)は,速度検出器
(4)で検出された回転速度が計算機(6)によつて設
定された値に達するまで直流モータ(2)に供給する電
流を増加し,直流モータ(2)はカツプリング(3)を
介して供試モータ(1)を加速する。供試モータ(1)
が上記設定された所定速度に達すると,計測制御ボード
(5)はこの回転速度と同期する駆動周波数で供試モー
タ(1)を駆動した後,直流モータ(2)への供給電流
を零にする。計算機(6)は,直流モータ(2)に供試
モータ(1)の加速時とは逆符号の電流を,計測制御ボ
ード(5)を介して流し,供試モータ(1)に負荷を加
える。そして,この電流を徐々に増加して行き,速度検
出器(4)で検出された回転速度が低下して,供試モー
タ(1)が駆動周波数と回転速度との同期を失ういわゆ
る脱調を生じたときの電流地を記録する。直流モータ
(2)の発生するトルクは電流とほぼ比例するため,設
定された回転速度における供試モータ(1)の脱出トル
クが測定されたことになる。計算機(6)はこのような
手順で設定速度を適宜変えて,供試モータ(1)の駆動
周波数と脱出トルクの関係を計測する。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記のような従来のステツプモータの動特性計測装置
では,供試モータ(1)に直流モータ(2)を結合し,
その回転速度を検出するようにしているため,直流モー
タ(2),カツプリング(3),速度検出器(4)等が
必要となり,計測時の供試モータ(1)の慣性負荷が大
幅に変化して,実稼働状態の条件で計測ができないなど
の問題点がある。
この発明は上記問題点を解決するためになされたもの
で、供試モータに機械的な外部検出器を付加することな
く,負荷トルク,回転角度及び回転速度を計測できると
共に,実稼働状態での動特性が計測できるようにしたス
テツプモータの動特性計測装置を提供することを目的と
する。
〔課題を解決するための手段〕
この発明に係るステツプモータの動特性計測装置は,
供試モータのステータ巻線に電流,又は電流及び逆起電
圧を計測するときだけ検出回路を接続し,この検出回路
の出力からステップモータの負荷トルクを算出推定する
推定手段を設けたものである。
また、この発明の別の発明に係るステップモータの動
特性計測装置は,供試モータの軸を押圧する板ばねを変
位可能に設けたものである。
〔作用〕
この発明においては,情報機器の位置決め機構に組み
込まれたステップモータの電流及び逆起電圧を検出し,
これらの値から推定計算によって負荷トルクを算出し,
この発明の別の発明においては,負荷トルク及び回転角
度を算出するようにしたため,すべてデータ処理によつ
て計測される。
また,この発明の別の発明においては,供試モータ軸
を押圧する板ばねを変位可能に設けたので,この板ばね
による摩擦負荷トルクと板ばねの変位の関係が得られ
る。
〔実施例〕
第1図〜第5図はこの発明の一実施例を示す図で,第
1図はブロツク図、第2図は検出回路を示す回路図,第
3図は状態量の推定結果及び測定結果の比較を示す曲線
図,第4図はパラメータの推定結果を示す曲線図,第5
図は第4図の推定パラメータを用いた理論のトルク曲線
と静的実験で計測したトルク曲線との比較図である。な
お,従来装置と同様の部分は同一符号で示す。
第1図中,(11)は供試モータ(1)のステータ巻線
に接続された検出回路,(12)は検出回路(11)の出力
をデイジタル値に変換して計算機(6)に送出するアナ
ログ/デイジタル(A/D)変換器,(13)は供試モータ
(1)の駆動装置である。
第2図(1相だけについて示す)中,(1a)は供試モ
ータ(1)のステータ巻線,(20)はステータ巻線(1
a)の励磁電源,(21)は一次巻線がステータ巻線(1
a)と直列に接続されたトランス,(22)はステータ巻
線(1a)と直列に接続された抵抗,(23)はトランス
(21)の二次巻線の出力電圧を増幅する差動増幅器,
(24)は励磁電源(20)の出力電圧を増幅する差動増幅
器,(25)は抵抗(22)両端の電位差を増幅する差動増
幅器,(26)は差動増幅器(25)の出力を増幅する差動
増幅器,(27)は差動増幅器(24)の出力電圧から差動
増幅器(26)の出力電圧を減算した電圧を増幅する差動
増幅器,(28)は差動増幅器(27)の出力電圧から差動
増幅器(23)の出力電圧を減算した電圧を増幅する差動
増幅器である。
次に,この実施例の動作を説明する。
駆動装置(13)は励磁電源(20)の励磁電圧Vaを矩形
波状に切り換えて供試モータ(1)を駆動し,ステータ
巻線(1a)の回路には電流Iaが流れる。この駆動中に差
動増幅器(24)は励磁電圧Vaを差動増幅器(27)に入力
し,差動増幅器(25)は抵抗値Rcの抵抗(22)の両端の
電位差RcIaをRC/1倍増幅して,電流IaをA/D変換器(1
2)と差動増幅器(26)に入力する。差動増幅器(26)
は電流IaをR倍して差動増幅器(27)に入力し,差動増
幅器(27)は励磁電圧Vaから電位差RIaを減算したVa−R
Iaを出力する。
ここで,供試モータ(1)を永久磁石回転子形とすれ
ば,そのロータの運動方程式とステータ巻線(1a)の電
圧方程式は次式で表される。
ここに, E.V:ステータ巻線(1a)の逆起電圧及び供給電圧 I.K:ステータ巻線(1a)の電流及びトルク定数 J.t:ロータの慣性モーメント及び時間 L.R:ステータ巻線(1a)の自己インダクタンス及び抵抗 Tf.Tm:摩擦負荷トルク及び阻止トルク θ.λ:ロータの回転角度及びステータの歯角 添字a,b:ステータ巻線(1a)の各相 式から次の関係が得られる。
Va−RIa=La+Ea したがつて、差動増幅器(27)の出力(Va−RIa)から
Laを減算すれば,逆起電圧Eaが得られる。
このLaは次のようにして検出される。
トランス(21)の一次巻線の自己インダクタンスをLc
とし,巻線比を1:1とすれば,トランス(21)の二次側
にはLcaの電位差を生じる。この電位差Lcaは差動
増幅器(23)によつてL/Lc倍増幅されてLaとなる。
これで,差動増幅器(28)で差動増幅器(27)の出力
(Va−RIa)から差動増幅器(23)の出力Laが減算
され,差動増幅器(28)の出力として逆起電圧Eaが得ら
れ,これがA/D変換器(12)に入力される。
なお,トランス(21)の一次巻線の自己インダクタン
スLcと,抵抗(22)の抵抗値Rcが,それぞれ供試モータ
(1)の自己インダクタンスLと抵抗値Rよりも十分小
さい,例えば数%であれば,検出回路(11)を付加する
ことによる供試モータ(1)の特性の変化は無視でき
る。
上述はa相だけについて逆起電圧Eaと電流Iaの検出動
作を説明したが,b相についても同様な装置と手順でb相
の逆起電圧Ebと電流Ibを検出できる。そして,これらの
逆起電圧Ea,Eb及び電流Ia,Ibの四つの電圧信号は,A/D変
換器(12)を介して計算機(6)に取り込まれる。
計算機(6)では,電圧信号Ea,Eb,Ia,Ibを基に,式
で示されたステツプモータの動特性を考慮して演算
処理によって,式におけるロータ回転角度θ.回転角
速度,摩擦負荷トルクTf及びモータトルク定数Kを推
定する。次にその演算処理について説明する。
電流Ia,Ibを既知とすれば,式,は連成しなくな
り,式だけで状態方程式が構成できる。また,観測方
程式は式の逆起電圧Ea,Ebと回転角度θ及びdθ/dtの
関係から得ることができる。
式,の状態量の大きさをそろえるため,ステータ
歯角λ,保持トルクo,モータ系の固有振動数fo及び基準
供給電圧Voを用い,次の無次元量で書き直す。
ここで, 式のパラメータの内,ξとkを推定するとして,状
態量に加え,推定すべき状態量ベクトルをx={φ,
,ξf,κ}Tとする。
なお,dξf/dτ=0,dk/dτ=0とする。また,電流の
測定値に重畳するノイズやロータ回転系の外乱をプロセ
スノイズとして外乱トルクξuで表し,プロセスノイズ
ベクトルをu={0,ξu,0,0}Tとすれば,式を用いて
式を書き直すと,次の状態方程式が得られる。
=g(x)+u … ここで、 なお,記号・は無次元時間τに関する微分を表す。
式において,無次元化した逆起電圧を観測量ベクト
ルy={ea,eb}Tと表し,これに重畳するノイズをw=
{wa,wb}Tとすれば,次の観測方程式を得る。
y=h(x)+w … ここで, 式,に,次式の誤差の評価関数を最小にするDetc
hmendyの逐次最小自乗フイルタを適用する。
ここで,q,rは正値の重み係数である。
式の状態方程式を満たしながら,式を最小にする
最適推定値は次の偏微分方程式の解である。
ここで, は4×4の行列で,第m列が となる。
重み係数q,r及び行列Pと推定値の初期値を与え,
式をルンゲクッタ法などの数値積分で解くことで,最
適推定値が求まる。
このDetchmendyの逐次最小自乗フィルタによる推定結
果を,ロータリエンコーダによる測定結果と比較したも
のを第3図に示す。図中のEsは推定値,Meは測定値を示
す。第3図(a)は回転角度を示し,50ステツプ駆動し
たときの応答波形では両者とも良く一致している。ま
た,第3図(b)は回転角速度を示し,エンコーダの回
転角度のデータを数値微分して求めた値との比較,第3
図(c)は逆起電圧を示し,上記のDetchmendyの逐次最
小自乗フィルタで求めた最適推定値を用いて観測量の
逆起電圧を計算し直した結果との比較を示しているが,
いずれも測定値と良く一致している。したがつて,この
上記のDetchmendyの逐次最小自乗フィルタは状態量のロ
ータ回転角度と角速度を有効に推定できることが分か
る。
更に,パラメータの摩擦負荷とトルク定数の推定精度
を検証するため,既知の負荷トルクを与えて実験し,磁
気飽和の影響が大きいときの推定精度も調べるため,供
給電圧Voは2Vだけでなく4Vと10Vも用いた。
第4図はこれらの実験で与えた負荷トルクを横軸,求
めた推定摩擦トルク と推定トルク定数を縦軸としてまとめた結果である。
磁気飽和の影響の小さいVo=2V,4Vでは, は与えられた負荷トルクに対してほぼ直線となり,その
傾きも45°から5%以下の範囲内に収まつている。ま
た,は負荷トルクが大きく変化するにもかかわらずほ
ぼ一定で, 共に妥当な値が推定できていると考えられる。しか
し,磁気飽和の影響の大きいVo=10Vでは, 共に全体的に低下し,与えられた負荷トルクが0.5以
上でが若干増加し, の傾きが小さくなる傾向も読み取れる。
第5図は,静的実験で測定したトルク曲線Meと推定し
たと を用いた理論モデルのトルク曲線Esを比較したものであ
り,後者は式の右辺にを代入し, から与えられたトルクを差し引いたものを減算して破線
で示してある。更に,実験で求めた励磁電圧の切換え時
の回転角度から,巻線時定数による遅れ相当の角度を加
算したトルク発生時の励磁切換え角度を記号oで示して
おり,二つのoの間のハツチング部分が実際に作用する
トルク領域Zとなる。第5図中の実線と破線はトルクの
作用領域Zでは良く一致しており,磁気飽和の影響が大
きいVo=10Vにおいても,妥当なパラメータの推定結果
が得られていることが分かる。
上述のように,この実施例では,高い精度で状態量の
ロータ回転速度θ,角速度とパラメータの摩擦負荷ト
ルクTf及びトルク係数Kを推定することができる。
なお,上記実施例では,逆起電圧Ea,Ebと電流Ia,Ibを
検出量としたが,第2図で差動増幅器(23),(24),
(26)〜(28)とトランス(21)を省略して,電流Ia,I
bだけを検出してこれらを観測量とし,次のような状態
方程式と観測方程式を用いて状態観測器や最適フィルタ
などの演算処理手段を構成してもよい。
状態方程式: 観測方程式: ここで、a,bは電流の測定値,記号′は時間tに関
する微分を表す。
第6図はこの発明の他の実施例を示す検出回路の回路
図である。第2図では一般のステツプモータに適用でき
る検出回路を示したが,第6図のものはユニポーラ巻線
のステツプモータをバイポータ駆動するものに適用され
るものである。
すなわち,ユニポーラ巻線のステツプモータをバイポ
ータ駆動することで得られる励磁されないステータ巻線
(1b)に発生する電位差La+Eaが,差動増幅器(3
0)で検出され差動増幅器(28)に入力される。第2図
の差動増幅器(24),(26),(27)は省略できる。
また,上記各実施例では,パラメータとして摩擦負荷
トルクTfとトルク定数Kを推定したが,式に含まれる
任意のパラメータを推定することが可能である。例え
ば,慣性負荷Jを推定すべき状態量に含め,トルク定数
は既知として慣性負荷Jと摩擦負荷トルクTfだけを推定
してもよい。
また,永久磁石形のステツプモータについて定式化し
たが,VR(可変リラクタンス)形のステツプモータにつ
いても同様な定式化が可能である。
更に,フイルタ理論としてDetchmendyの逐次最小自乗
フイルタを用いたが,拡張カルマンフイルタなどの他の
最適フイルタを用いても同様の機能が期待できる。
第7図はこの発明の転用例を示す斜視図である。上記
各実施例では,供試モータ(1)の軸に負荷が加えられ
ていないものとして説明したが,第7図のものは,キヤ
リツジ機構に組み込まれて,実装置にステツプモータ
(1)が用いられた実稼働状態にあるものを示してい
る。
すなわち,供試モータ(1)の軸(32)はリードスク
リューが刻まれ,このねじ山にニードル(33)が係合
し,ニードル(33)の一端はキヤリツジ(34)に保持さ
れ,キヤリツジ(34)はフレーム(35)に固定された案
内棒(36)により案内される。また,ニードル(33)の
他端は,フレーム(35)に固定された板ばね(37)によ
り軸(32)に押圧されている。
供試モータ(1)が回転して軸(32)が回転すると,
そのねじ山とニードル(33)の接触により直線運動に変
換され、キヤリツジ(34)は案内棒(36)に沿つて移動
する。このような機構は,フレキシブルデイスク装置に
おけるステツプモータ駆動のヘツド位置決め機構として
最も多く用いられている。
このような実稼働状態でも,上記各実施例と同様に、
機構系の摺動や慣性によるモータ負荷も推定することが
できる。
第8図及び第9図はこの発明の別の発明の一実施例を
示す図で、第8図はブロツク図,第9図は計算機等の動
作を示すフローチヤートである。
第8図中,(40)は供試モータ(1)を駆動する駆動
装置,(41)は供試モータ(1)の軸に接触する板ば
ね,(42)は板ばね(41)を固定しこれを供試モータ
(1)の軸に直角な方向へ変位させる適当な駆動機構
(図示しない)を有する微動台で,微動台(42)及び駆
動装置(40)は計算機(6)に接続されている。上記以
外は第1図と同様である。
すなわち,計算機(6)から送出される指令信号に従
つて,微動台(42)は図中の矢印の方向に変位してその
位置に停止する。このとき板ばね(41)は微動台(42)
の変位分だけたわみ量が増加し,供試モータ(1)の軸
を押圧する。板ばね(41)はりん青銅板の表面にPPS樹
脂を被覆したもので,微動台(42)の変位に比例した押
付け力で,摩擦係数μ=0.03〜0.8を介して,供試モー
タ(1)の軸に摩擦負荷トルクを加える。供試モータ
(1)の軸の半径をr,微動台(42)の変位をxとすれ
ば,モータ軸に加わる摩擦負荷トルクTfは次式で示され
る。
ここに,c :板ばね(41)の断面形状,長さ及びヤング
率で決まる定数 θ:モータ軸の回転角度 この摩擦負荷トルクTfは,摩擦係数μの値が変動するた
めに,正確に定量的な値を与えることは困難であるが,
微動台(42)の変位xを変えることによつて増加した
り,減少したりするような相対的な値の設定は可能であ
る。
このようにして,板ばね(41)によつて摩擦負荷トル
クTfを与えた状態で,駆動装置(40)は計算機(6)の
指令信号に従つて供試モータ(1)を駆動し,駆動中の
逆起電圧と電流は検出回路(11)及びA/D変換器(12)
を介して計算機(6)に収録され,既述のようにモータ
軸の回転角度θと摩擦負荷トルクTfが算出される。
摩擦負荷トルクTfを増減して,供試モータ(1)を駆
動し,駆動中のモータ軸の回転角度θと摩擦負荷トルク
Tfを算出する処理を,第9図を参照して説明する。な
お,このフローチヤートのプログラムは計算機(6)の
メモリ(図示しない)に格納されている。
駆動周波数をfとし,測定する駆動周波数の範囲を,f
minからfmaxとする。まず,ステツプ(51)で駆動周波
数fに最低駆動周波数fminを設定する。次に,ステツプ
(52)で駆動周波数fを微小値Δfだけ増加する。ステ
ツプ(53)で微動台(42)の変位xを零(負荷トルクTf
は零)とし,ステツプ(54)で変位xを微小値Δxだけ
増加(負荷トルクTfは微小値ΔTfだけ増加)する。そし
て,ステツプ(55)で供試モータ(1)を駆動周波数f
で駆動し,駆動中の逆起電圧と電流を検出する。このデ
ータを基に,ロータ回転角度θと負荷トルクTfを既述の
フイルタによる推定計算により算出する。ステツプ(5
7)で供試モータ(1)が脱調したかを判断し,脱調し
ていなければステツプ(54)へ戻り,ステツプ(54)〜
(57)を繰り返し,変位xを増加して負荷トルクTfを増
加して行く。ステツプ(57)で供試モータ(1)が脱調
したと判断されると、ステツプ(58)へ進み,そのとき
の負荷トルクTfをその駆動周波数fにおける限界起動ト
ルクとして記録する。ステツプ(59)で駆動周波数fが
最高駆動周波数fmaxに達したかを判断し,達していなけ
ればステツプ(52)へ戻り,ステツプ(52)〜(59)を
繰り返,駆動周波数fを微小値Δfだけ増加して,駆動
周波数fと限界起動トルクの関係を求める。ステツプ
(59)で最高駆動周波数fmaxに達したと判断されると,
この処理は終了する。
なお,第8図及び第9図では,負荷トルクTfとロータ
回転角度θを既述のフイルタによつて推定したが,微動
台(42)の変位xと供試モータ(1)軸に加わる負荷ト
ルクTfの関係を,あらかじめ較正して脱調を判定しても
よい。
また,第10図に示すように,供試モータ(1)軸の周
方向に深さ0.1mm程度の溝(61)を設け,この溝(61)
を非接触の変位計,例えばフオトニツクセンサ(62)で
検出して,ロータが360°回転するように駆動して脱調
を判定してもよい。
なお,第8図及び第9図では,起動トルクと駆動周波
数fの関係を求めるものとしたが,駆動周波数fで供試
モータ(1)を駆動中に,摩擦負荷を増加して行くこと
により,脱出トルクと駆動周波数の関係を求めることも
でき,慣性負荷に大きく依存する中周波共振も精度良く
計測できる。
〔発明の効果〕
以上説明したとおりこの発明では,情報機器の位置決
め機構に組み込まれたステップモータの電流,又は電流
及び逆起電圧を計測するときだけ検出回路を接続し,こ
の検出回路の出力からステップモータの負荷トルクを算
出推定するようにしたので,ステップモータを実装置に
組み込んだ実稼動状態において,ステップモータの慣性
負荷を増加することなく,ロータ回転の応答が精度高く
計測でき,回転角度及び摩擦負荷トルクが計測できる効
果がある。
また,この発明の別の発明では,供試モータの軸を押
圧する板ばねを変位可能に設けて摩擦負荷トルクを付加
するようにしたので,供試ステップモータの慣性負荷を
増やすことなく,高い精度で起動トルクや脱出トルクを
計測できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第5図はこの発明によるステツプモータの動特
性計測装置の一実施例を示す図で,第1図はブロツク
図,第2図は第1図の検出回路を示す回路図,第3図は
状態量の推定結果及び測定結果の比較を示す曲線図,第
4図はパラメータの推定結果を示す曲線図,第5図は第
4図の推定パラメータを用いた理論のトルク曲線と静的
実験で計測したトルク曲線との比較図,第6図はこの発
明の他の実施例を示す検出回路の回路図,第7図は第1
図〜第6図の実施例の転用例を示す斜視図,第8図及び
第9図はこの発明の別の発明によるステップモータの動
特性計測装置の一実施例を示す図で,第8図はブロツク
図,第9図は計算機等の動作を示すフローチヤート,第
10図は第8図の実施例の他の実施例を示す斜視図,第11
図は従来のステツプモータの動特性計測装置を示すブロ
ツク図である。 図中,(1)は供試ステツプモータ,(1a)はステータ
巻線,(6)は推定手段(デイジタル計算機),(11)
は検出回路,(41)は板ばね,(42)は微動台である。 なお,図中同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】情報機器の位置決め機構に組み込まれたス
    テップモータの電流,又は上記ステップモータの電流及
    び逆起電圧を計測するときだけ上記ステップモータのス
    テータ巻線に接続される検出回路と,この検出回路の出
    力を, 電流又は逆起電圧に関する観測方程式 y=h(x)+w ここで,y:無次元化した逆起電圧の観測量ベクトル,w:ノ
    イズ ここで, (Vo:基準供給電圧,To:保持トルク,R:ステータ巻線の抵
    抗,K:トルク定数),φ:θ/λ(θ:ロータの回転角
    度,λ:ステータの歯角),:φの無時元時間τに関
    する微分 又は観測方程式 ここで,a,b:各相の電流Ia,Ibの測定値,Va,Vb:各相
    の供給電圧,L:ステータ巻線の自己インダクタンス,
    θ′:θの時間tに関する微分と,上記ステップモータ
    に加わる負荷トルクの推定値に関する状態方程式 =g(x)+u ここで,x:推定すべき状態量ベクトルであり、x=
    {φ,,ξf,k}T ここで,ia,ib:各相の電流(i=(R/Vo)I),ξm,ξ
    f:阻止トルク,摩擦トルク(ξ=T/To),u:プロセスノ
    イズベクトル={0,ξu,0,0}T 又は状態方程式 ここで,J:ロータの慣性モーメント,Tf:摩擦負荷トルク,
    Tm:阻止トルク によって与えられる ここで,q,r:正値の重み係数 の評価関数を小さくする推定値の微分方程式を数値積分
    することによって上記ステップモータの軸に加わる負荷
    トルクを推定する推定手段とを備えてなるステップモー
    タの動特性計測装置。
  2. 【請求項2】推定手段を,ステップモータの軸に加わる
    負荷トルクに加えて,上記ステップモータのロータ回転
    角度を推定するものとしたことを特徴とする特許請求の
    範囲第1項記載のステップモータの動特性計測装置。
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Citations (5)

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JPS57199486A (en) * 1981-06-03 1982-12-07 Fuji Electric Co Ltd Controller for speed of motor
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