JPWO2017141702A1 - 改良グルテンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、パン生地に優れた冷凍耐性を付与することのできる改良グルテン及びその製造方法を提供することを課題とする。
本発明は、グルテンと、該グルテン100重量部に対して1重量部以上のカルボニル基を同一分子内に2つ以上有する有機酸とを含有する溶液を、70℃以上で30分以上加熱処理する工程を含む、改良グルテンの製造方法を提供する。

Description

本発明は、食品の生地、とくにパン生地に優れた冷凍耐性を付与することのできる改良グルテン及びその製造方法、ならびに当該改良グルテンの利用に関する。
最近のパン業界においては、様々なパン生地改良剤が提案されており、例えば、生地物性の改良によって、食感を改善するもの、機械耐性を付与するもの、冷凍耐性を付与するものなどがある。小麦やライ麦等より得ることができるタンパク質の1種であるグルテンは、柔軟性及び粘弾性を併せ持ち、その量や構造は、パンの形状、容積、食感を決定する重要なファクターである。よって、小麦粉等自体のグルテン強度の強化は、生地物性の改良を行うためのひとつの手段となり、具体的には、生地や生地原料へのビタミンC(L−アスコルビン酸)や塩分の添加、生地の水分量やpHの調整、生地の糖分や油脂量の調整などによって行われる。
しかしながら、上記の方法は、小麦粉等中のグルテン量によっては、効果が出にくいこともあり、小麦粉等とは別に、グルテン自体を添加して、強化する方法もある。また、添加するグルテン自体を改良し効果を高める方法が、従来、検討されている。例えば、特許文献1には、グルテンを酸性水溶液に添加してグルテン分散物を調製し、加熱処理することにより吸水性と乳化性を備えたグルテン改質物を製造する方法が開示され、乳酸水溶液を用いて調製したグルテン改質物を生地に添加したパンは伸展性に優れ、ソフトな食感であることが記載されている。また、特許文献2には、pHが2.0より大きく5.0未満であるグルテンの酸性分散液に、電荷を有する増粘剤を加えて、グルテンとの凝集物を得た後、該凝集物を乾燥、粉砕することよって改質グルテン粉末を製造する方法が開示され、当該改質グルテン粉末をパンや麺などに用いると、低pHでも弾力性のある食感が保持できることが記載されている。また、特許文献3には、グルテンをpH2.0〜6.0の酸性溶液中で分散させたものを60〜160℃で加熱変性処理を施した後、乾燥することにより、加工特性の高いグルテン乾燥粉末を製造する方法が開示されている。しかしながら、これらの文献はいずれもパン生地の冷凍耐性や焼成後のパンの腰もちについては検討されていない。また、グルテンを添加する酸性水溶液の調製に使用される酸については所定のpHに調整できれば限定はされず、有機酸又は無機酸を広く用いることができるとされている(例えば、特許文献1の段落0025、特許文献2の段落0020)。
パンは、一般に、仕込み、混捏、分割、ベンチタイム、成形、ホイロ、焼成といった工程を経て製造される。冷凍パン生地は、この製パン工程の途中で生地を冷凍保存していったん製造を中断し、その後解凍して最終発酵後、焼成して用いるもので、冷凍パン生地を用いることによって作業効率の大幅な改善が可能となる。しかしながら、冷凍パン生地は、冷凍保存中に氷結晶の成長などよって生地中のグルテンネットワークが破壊されて生地が弱化し、最終発酵で十分に膨らまないために、焼成後のパンの高さや膨らみが足りず、スクラッチ法と呼ばれる冷凍保存を行わないパンに比べ、外観や食感等が劣るという問題がある。
このような生地の冷凍障害を改善する手段として、L−アスコルビン酸などの酸化剤を用いてグルテンのチオール基を酸化させ、ジスルフィド結合の形成を促進することによって、グルテンの性質を向上させて生地に冷凍耐性を持たせることが行われている。しかしながら、冷凍耐性の効果が出るほどの量のL−アスコルビン酸を生地原料に添加した場合、生地を締まらせ、伸びが悪くなるので、包餡機などに供する際の機械耐性が低下することが知られている(特許文献4、非特許文献1)。
特開2014−198037号公報 特許第4168102号公報 特公昭52−24579号公報 特開昭63−079552号公報
京都女子大学食物學會誌18(1966)、1−5
本発明の目的は、パン生地に優れた冷凍耐性を付与することのできる改良グルテン及びその製造方法を提供することにある。
本発明は、以下の(1)〜(7)に関する。
(1)グルテンと、該グルテン100重量部に対して1重量部以上のカルボニル基を同一分子内に2つ以上有する有機酸とを含有する溶液を、70℃以上で30分以上加熱処理する工程を含む、改良グルテンの製造方法。
(2)グルテンと、該グルテン100重量部に対して1重量部以上のカルボニル基を同一分子内に2つ以上有する有機酸とを含有する溶液を、70℃以上で30分以上加熱処理して得られる改良グルテンを用いてパン生地を調製する工程を含む、パン生地の製造方法。
(3)グルテンと、該グルテン100重量部に対して1重量部以上のカルボニル基を同一分子内に2つ以上有する有機酸とを含有する溶液を、70℃以上で30分以上加熱処理して得られる改良グルテンを用いてパン生地を調製する工程と、調製したパン生地を焼成する工程を含む、パンの製造方法。
(4)グルテンと、該グルテン100重量部に対して1重量部以上のカルボニル基を同一分子内に2つ以上有する有機酸とを含有する溶液を、70℃以上で30分以上加熱処理して得られる改良グルテンを、パン生地原料に添加することを特徴とする、パンの物性改良方法。
(5)パンの物性改良が、パンの腰もち改善である、(4)に記載の方法。
(6)パン生地が、冷凍パン生地である、(2)〜(4)のいずれかに記載の方法。
(7)グルテンと、該グルテン100重量部に対して1重量部以上のカルボニル基を同一分子内に2つ以上有する有機酸とを含有する溶液を70℃以上で30分以上加熱処理した改良グルテン。
本願は、2016年2月19日に出願された日本国特許出願2016−030457号の優先権を主張するものであり、該特許出願の明細書に記載される内容を包含する。
本発明によれば、食品の生地、とくに、パン生地に優れた冷凍耐性を付与することのできる改良グルテンおよびその製造方法が提供される。本発明の改良グルテンをパン生地に添加することによって、冷凍保存によるグルテンネットワークの劣化が抑制され、ボリュームがあり、腰もちの良い形状のパンが得られる。また、本発明の改良グルテンをパン生地に添加することによって、吸水量を増やすことができるので、コストダウンや食感の改良効果も得られる。また、L−アスコルビン酸を添加して冷凍耐性を持たせた生地は弾力が強くなりすぎるため、例えば、ロールパンでは、成形した生地の「巻き」がはがれるという成形エラーが発生しやすくなるが、本発明の改良グルテンは、冷凍耐性を持たせると同時に、生地の伸展性や弾力は良好に保たれる。さらに、本発明の改良グルテンを用いることにより、例えば、製造時に通常の冷凍保存をしないスクラッチ法(混捏から焼成までをストレートに行う方法/直捏法)用の生地と異なる水分量に調製せずとも、冷凍耐性のある冷凍生地とすることができるため、スクラッチ法用の生地と、冷凍生地用の生地を、区別することなく同じ処方で同じ製造ラインで製造できるので作業効率や生産性が向上する。
実施品A(粉末A:コハク酸処理グルテン使用)、実施品B(粉末B:リンゴ酸処理グルテン使用)、実施品C(粉末C:クエン酸処理グルテン使用)、無添加品、比較品1(未処理グルテン使用)の各生地を14日間冷凍保存後に焼成した焼成ロールパンの外観を示す。 実施品D(粉末D:マロン酸処理グルテン使用)、実施品E(粉末E:コハク酸処理グルテン使用)、実施品F(粉末F:グルタル酸処理グルテン)、実施品G(粉末G:アジピン酸処理グルテン使用)、比較品2(未処理グルテン使用)の各生地を30日間冷凍保存後に焼成した焼成ロールパンの外観を示す。 実施品H(粉末H:コハク酸2.00g処理グルテン使用)、実施品I(粉末I:コハク酸4.00g処理グルテン使用)、実施品J(粉末J:コハク酸6.00g処理グルテン使用)、実施品K(粉末K:コハク酸8.00g処理グルテン使用)、実施品L(粉末L:コハク酸10.00g処理グルテン使用)、比較品3(未処理グルテン使用)の各生地を30日間冷凍保存後に焼成した焼成ロールパンの外観を示す。 実施品M(粉末M:コハク酸/70℃処理グルテン使用)、実施品N(粉末N:コハク酸/80℃処理グルテン使用)、実施品O(粉末O:コハク酸/90℃処理グルテン使用)、比較品4(未処理グルテン使用)の各生地を30日間冷凍保存後に焼成した焼成ロールパン外観を示す。 比較品Q(粉末Q:コハク酸/50℃処理グルテン使用)、比較品R(粉末R:コハク酸/60℃処理グルテン使用)、実施品S(粉末S:コハク酸/70℃処理グルテン使用)、比較品5(未処理グルテン使用)の各生地を30日間冷凍保存後に焼成した焼成ロールパンの外観を示す。 実施品T(粉末T:コハク酸/80℃/30分処理グルテン使用)、実施品U(粉末U:コハク酸/80℃/60分処理グルテン使用)、実施品V(粉末V:コハク酸/80℃/300分処理グルテン使用)、比較品6(未処理グルテン使用)の各生地を14日間冷凍保存後に焼成した焼成ロールパンの外観を示す。 実施品W(粉末W:コハク酸/70℃/90分処理グルテン使用)、実施品X(粉末X:コハク酸/70℃/180分処理グルテン使用)、実施品Y(粉末Y:コハク酸/70℃/300分処理グルテン使用)、比較品7(未処理グルテン使用)の各生地を14日間冷凍保存後に焼成した焼成ロールパンの外観を示す。 実施品FD(粉末FD:フリーズドライ乾燥粉末使用)、実施品DD(粉末DD:ドラムドライ乾燥粉末使用)、実施品SD(粉末SD;スプレードライ乾燥粉末使用)、比較品8(未処理グルテン使用)の各生地を30日間冷凍保存後に焼成した焼成ロールパンの外観を示す。 粉末FDを用いて加水量を変更した実施品FD65、FD70、FD75、および比較品9A〜9C(未処理グルテン使用)の各生地を7日間冷凍保存後に焼成した焼成ロールパンの外観を示す。 粉末FDを用いてL−アスコルビン酸量を変更した実施品AA00区、実施品AA10、実施品AA50、実施品AA100の各生地を30日間冷凍保存後に焼成した焼成ロールパン外観を示す。 比較品PT(比較粉末PT:プトレシン処理グルテン使用)、比較品CV(比較粉末CV:カダベリン処理グルテン使用)、比較品10(未処理グルテン使用)の各生地を30日間冷凍保存後に焼成した焼成ロールパンの外観を示す。 比較品SA(比較粉末SA:酢酸処理グルテン使用)、比較品HA(比較粉末HA:塩酸処理グルテン使用)、比較品11(未処理グルテン使用)の各生地を30日間冷凍保存後に焼成した焼成ロールパンの外観を示す。 実施品121(粉末121:コハク酸4.00g処理グルテン使用)、実施品122(粉末122:コハク酸2.00g、クエン酸2.00g処理グルテン使用)、実施品123(粉末123:コハク酸2.00g、リンゴ酸2.00g処理グルテン使用)、実施品124(粉末124:クエン酸2.00g、リンゴ酸2.00g処理グルテン使用)の各生地を30日間冷凍保存後に焼成した焼成ロールパンの外観を示す。 比較品130(反応前活性グルテン使用)、比較品131(粉末131:コハク酸0.50g処理グルテン使用)、比較品132(粉末132:コハク酸1.00g処理グルテン使用)、比較品133(粉末133:コハク酸2.00g処理グルテン使用) の各生地を30日間冷凍保存後に焼成した焼成ロールパンの外観を示す。 パンの腰もち測定の参考図を示す(α:パンの幅の最も広い部分、γ:パンの天板に接地している面の最も広い幅)。
本発明は、グルテンと、該グルテン100重量部に対して1重量部以上のカルボニル基を同一分子内に2つ以上有する有機酸とを含有する溶液を、70℃以上で30分以上加熱処理する工程を含む、改良グルテンの製造方法である。本発明はまた、グルテンと、該グルテン100重量部に対して1重量部以上のカルボニル基を同一分子内に2つ以上有する有機酸とを含有する溶液を70℃以上で30分以上加熱処理した改良グルテンである。当該改良グルテンは、パン生地改良剤、特に冷凍パン生地改良剤として好適に用いられる。
グルテンは、小麦やライ麦などの穀物粉に水を加えて混捏すると、グリアジンとグルテニンの相互作用により形成されるタンパク質であり、粘弾性、吸水性、伸展・伸長性を有することを特徴とする。グルテンは、小麦粉に水を加え混捏することによって調製した生地からデンプン質を洗い流すことによって分離することができる。本発明において用いるグルテンは、いかなるグルテンであってもよく、由来となる穀物も分離方法も特に限定されないが、小麦由来のグルテンが好ましい。また、分離されたグルテンは、分離したままのウェットタイプ(生グルテン)であっても、また、気流乾燥法(フラッシュドライ法)、噴霧乾燥法(スプレードライ法)、真空乾燥法、凍結乾燥法(フリーズドライ法)などの各種乾燥方法を用いて乾燥させて粉末状にした活性グルテン(vital gluten)のいずれであってもよいが、活性グルテンが好ましい。活性グルテンを用いる場合、その水分含量は、好ましくは10%未満、より好ましくは9%未満、さらに好ましくは8%未満、最も好ましくは6%未満である。
本発明において用いる有機酸は、カルボニル基を同一分子内に2つ以上、好ましくは、カルボキシル基を2つ以上有する有機酸で、異性体はシス体であってもトランス体であってもよく、ラセミ体であってもよい。カルボニル基を2つ以上、同一分子内に有する有機酸としては、コハク酸、リンゴ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸が好ましく、コハク酸またはリンゴ酸がより好ましく、コハク酸がさらに好ましい。また、有機酸は1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明において、グルテンと、カルボニル基を同一分子内に2つ以上有する有機酸(以下、単に有機酸という)とを含有する溶液を加熱処理する際、グルテンに対する有機酸の量は、例えばグルテン100重量部に対し、0.5重量部以上、好ましくは1.0重量部以上、より好ましくは2.0重量部以上、さらに好ましくは4.0重量部以上である。また、グルテンに対する有機酸の量の上限は、特に限定されないが、グルテンと有機酸が十分に反応し、最終製品に有機酸の味が残らないようにするために、例えば、グルテン100重量部に対し、100重量部未満、好ましくは50重量部未満、より好ましくは15重量部未満、さらに好ましくは13.5重量部未満、さらにより好ましくは12重量部未満、11重量部未満、最も好ましくは10重量部以下である。
上記加熱処理は、有機酸を液体の媒体に溶解させた状態で用いることが好ましく、その媒体となる液体は、水が好ましい。グルテンと有機酸を含む溶液の調製方法は、グルテンを液体に分散させた後、有機酸や有機酸の溶解液を添加する方法、グルテンに対して、有機酸の溶解液を添加する方法、グルテンと有機酸を混合したものに、液体を添加する方法、グルテンと有機酸を混合したものを、液体に添加する方法のいずれであってもよい。
上記加熱処理の温度は、65℃以上が好ましく、70℃以上がより好ましく、80℃以上がさらに好ましい。40℃では、グルテン等がダマになり、50℃〜60℃では、ダマにはならないが、目的の改良されたグルテンを得ることができない。また、加熱処理の温度の上限は特にないが、水溶液での反応であり、反応物が熱変性を受けるタンパク質ということを考慮すると、100℃以下、好ましくは100℃未満、より好ましくは95℃未満、さらに好ましくは90℃以下である。
上記加熱処理の時間は、加熱処理の温度により適宜調整すればよいが、30分以上、好ましくは60分以上、より好ましくは90分以上、さらに好ましくは120分以上、さらにより好ましくは150分以上、最も好ましくは240分以上である。上記加熱処理の時間は、特に、上限を定めないが、工業的な生産性を考慮すると、好ましくは1440分以下、より好ましくは1080分以下、さらに好ましくは720分以下、さらにより好ましくは600分以下、最も好ましくは480分以下である。
上記加熱処理より得られたグルテン(以下、「改良グルテン」と呼ぶ)は、そのまま用いてもよいし、乾燥させて、固形化や粉末化して用いてもよい。乾燥方法は特に限定されず、気流乾燥法(フラッシュドライ法)、噴霧乾燥法(スプレードライ法)、ドラム乾燥法(ドラムドライ法)、真空乾燥法、凍結乾燥法(フリーズドライ法)などの各種乾燥方法を用いることができる。
本発明の改良グルテンは、グルテンを用いた麩菓子、グルテンミート等の食品の原料として用いることもできる。また、グルテンネットワークを強化するために、例えば、麺類などの食感の改良剤としても用いることもできるが、パン生地改良剤として用いることが好ましい。
本発明の改良グルテンは、冷凍耐性があり、冷凍生地や冷蔵生地に用いることができる。本発明の改良グルテンを冷凍生地に用いた場合、以下のような冷凍障害に対する効果(冷凍耐性)が得られる。つまり、冷凍によるグルテンネットワークの劣化を抑制し、冷凍による外観の変化(容積の低下、腰落ちなど)、内層の変化(キメの荒れ、空洞の発生など)、食感の変化(ソフトで弾力のある食感の低下など)というマイナス面を防ぐことができる。より具体的には、本発明の改良グルテンをパン生地に添加して冷凍し、一定期間冷凍保存した後、解凍して焼成した際にも、パンの生地がだれて、底面が全面ついてしまうことなく、横から見た際に底面から浮いて丸い形状を保つことできる。このように、窯伸びしたパンの側面が落ちることなく良好な形状を保ち、底面が小さく高さのある状態を「腰もち」が良いという。また、上記の冷凍保存期間は、例えば1週間〜2カ月程度をいう。
本発明の改良グルテンは、パン生地改良剤として単独で用いることもできるが、パンを製造する際に一般的に使用する、他の食品材料や、添加物、香料、色素などを混合して、製剤化してもよい。例えば、当該パン生地改良剤には、各種食用油脂、乳製品、果汁、穀物粉等や、モノグリセリド、コハク酸モノグリセリド、ジアセチル酒石酸モノグリセリド、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、酵素分解レシチン、ステアロイル乳酸ナトリウムやステアロイル乳酸カルシウム等の乳化剤、α-アミラーゼ、β-アミラーゼ、グルコアミラーゼ、ヘミセルラーゼ(ペントサナーゼ)、セルラーゼ、グルコースオキシダーゼ、プロテアーゼ等の酵素、システイン、シスチン、メチオニン、アラニン、アスパラギン酸、グリシン等のアミノ酸、コラーゲンや大豆タンパクやペプチド等、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸2水素カルシウム等の無機塩、イノシン酸ナトリウム、グアニル酸ナトリウム等の核酸、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンC(L−アスコルビン酸)、ビタミンE等のビタミン、エタノール、グリセロール等のアルコール、ショ糖、ブドウ糖、麦芽糖、乳糖等の糖類、アラビアガム、アルギン酸、カラギナン、キサンタンガム、グァーガム、タマリンドガム、ペクチン等の増粘多糖類、デキストリン、各種澱粉等の賦形剤等を含有させてもよい。また、パン生地改良剤の形態は特に限定されず、液状、顆粒状、ペースト状、乳液状のいずれの形状であってもよい。
本発明の改良グルテンを用いたパン生地の調製とパンの製造は、製パン用の穀粉生地原料に、本発明の改良グルテンを添加する以外は通常の方法で行なうことができる。また、事前に、本発明の改良グルテンを小麦粉等と混合し、ミックス粉としてもよい。
パン生地の調製に用いられる穀粉としては、小麦、米、大麦、ライ麦等の穀類から得られる穀粉があげられ、好ましくは小麦粉が用いられる。小麦粉としては、強力粉、準強力粉、中力粉および薄力粉のいずれの種類ならびに等級のものを用いてもよい。
本発明の改良グルテンの穀粉生地に対する添加量は、穀粉100重量部に対して通常0.1〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部、より好ましくは1〜5重量部である。
本発明において製造されるパンの種類は、限定されず、食パン、ロールパン、硬焼きパン、菓子パン(チョコレートペースト入りコロネ、ジャム入りパン等)、調理パン(サンドイッチ、ハンバーガー、カレーパン等)、むしパン等のパンのほか、まんじゅう、ドーナツ、クッキー、クラッカー、パイ、ピザ、ホットケーキ、スポンジケーキ等の菓子類も含む。
パン生地の原料には、主原料として穀粉(小麦粉、ライ麦粉、米粉、トウモロコシ粉等)、副材料として水、酵母(イースト)、食塩、糖類、油脂(ショートニング、ラード、マーガリン、バターなど)、乳製品(牛乳、脱脂粉乳、全粉乳、練乳等)、卵、イーストフードなどが含まれる。
代表的なパンの製造方法としては、ストレート法、中種法、湯種法などが挙げられるが、本発明の改良グルテンを含むパン生地改良剤は、ストレート法、中種法、湯種法などのいずれの製パン法にも適用可能である。
ストレート法は、パン生地の全原料を最初から混ぜる方法である。中種法は、穀粉の一部に酵母(サワー種の場合、乳酸菌を含む)および水を加えて発酵させた中種をつくり、発酵後に残りのパン生地の原料を合わせる方法である。湯種法(α−種法/湯捏法)は、小麦粉の一部を熱湯で捏ね、デンプンを糊化させたものを、パン生地に加える方法である。
ストレート法では、パン生地の全原料を混捏(ミキシング)した後、25〜30℃で発酵させ、分割、ベンチタイムを行い、成型、型詰めする。ホイロ(25〜42℃)を経た後、焼成(170〜240℃)する。中種法では、使用する穀粉の全量の30〜100重量%の穀粉、酵母、イーストフード等に水を加え混捏(ミキシング)して中種を得た後、該中種を25〜35℃で1〜5時間発酵させ、残りのパン生地の原料を追加し、ミキシング(本捏)、フロアータイム、分割、ベンチタイムを行い、成型、型詰めする。ホイロ(25〜42℃)を経た後、焼成(170〜240℃)する。
本発明の改良グルテンの添加は、製パン工程のいずれの時期であってもよい。例えば、ストレート法の場合はパン生地原料中に添加してパン生地を作製してもよいし、原料を混合してパン生地を混捏(ミキシング)する際に添加してもよい。中種法の場合は中種を作製する原料中に添加してもよいし、中種の混捏(ミキシング)時に添加してもよいし、中種作製後、本捏時にパン生地に添加してもよい。また、改良グルテンの生地原料や生地への添加方法は、乾燥させた改良グルテンの場合は穀粉と混合する方法でもよく、水等の液体に溶解または分散させてから添加する方法でもよい。
また、パン生地が冷凍パン生地である場合、その製造方法は特に限定はされず、混捏直後に生地を冷凍する板生地冷凍法、分割・丸め後、成形前に生地を冷凍する生地玉冷凍法、成形後に生地を冷凍する成形冷凍法、最終発酵(ホイロ)後に生地を冷凍するホイロ済み冷凍法のいずれを用いてもよい。
以下に、本発明の内容について実施例を用いて説明する。ただし、本発明の技術範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下の実施例で製造するパン生地の組成を示す表において、原料の配合量は、強力粉を100重量部としてベイカーズ%(重量部)で記載した。また、冷凍生地用イーストは、ダイヤイーストFRZ(MCフードスペシャリティーズ)を用いた。スクラッチ生地用イーストは、ダイヤイーストYST(MCフードスペシャリティーズ)を用いた。なお、冷凍生地用イーストは、スクラッチ生地用イーストとして用いることもできる。
(実施例1)有機酸の種類の検討(1)
(1) 試料の調製
蒸留水500mLに、コハク酸4.00g(0.034mol)を添加して混合し、混合液を得た。得られた混合液に、活性グルテン(水分量5.8W/W%)100gを添加し、十分に撹拌しながら、ウォーターバスを用いて80℃まで加熱した。80℃達温後、300分間、さらに撹拌を行い、活性グルテンとコハク酸を反応させた。得られた反応液に対してホモジナイザーを用いて、120秒間、乳化処理を行った。乳化処理液をバット(vat)に広げ、凍結乾燥機を用いて乾燥し、乾燥物(水分量7.0W/W%)を得た。フードプロセッサーを用いて、当該乾燥物を粉砕し、粉末Aを得た。
上記のコハク酸4.00gをリンゴ酸4.56g(0.034mol)に変更する以外は同様にして、粉末Bを得た。
また、上記のコハク酸4.00gをクエン酸6.53g(0.034mol)に変更する以外は同様にして、粉末Cを得た。
(2)パン生地の調製および製パン
下記表1に示す配合量で、原料(小麦粉(強力粉)、冷凍生地用イースト、グラニュー糖、食塩、脱脂粉乳、水)、および、実施品Aには粉末A(コハク酸処理グルテン)、実施品Bには粉末B(リンゴ酸処理グルテン)、実施品Cには粉末C(クエン酸処理グルテン)、比較品1には未処理の活性グルテンをそれぞれ混合した。
Figure 2017141702
混合原料を、低速で3分間、中速で2分間、高速で2分間ミキシングした。ショートニングを添加後、さらに低速で2分間、中速で3分間、高速で2分間ミキシングし、本捏生地を得た。なおミキシングは最終の生地温度が24℃となるように調整した。28℃で30分間フロアータイムをとった後、本捏生地を50gずつ分割し、20分間ベンチタイムをとり、モルダーを用いて、それぞれ、ロール成形を行った。マイナス40℃で60分間、急速凍結して得られた冷凍生地を、マイナス25℃で、所定の期間冷凍保存した。冷凍保存後、30℃、湿度65%の条件下で、30分間静置し、解凍を行った後、38℃、湿度85%の条件下で、60分間、最終発酵を行った。その後、オーブン(上火210℃、下火190℃)で9分間焼成し、ロールパンを製造した。なお、ロールパンは、各試験区(実施品A〜C区、比較品1区、無添加区)につき6個ずつ製造した。
(3) 評価方法
(2)で製造したロールパンについて、外観観察を行い、以下の方法でパンの比容積、高さ、腰もちを測定した。
比容積:各試験区あたりロールパン3個ずつそれぞれについて2回ずつ、重量と容積を測定し、容積/重量を算出してその平均値を求めた。容積は以下の菜種置換法(食品加工学実験書、森孝夫 著、22ページ参照)により測定した。
<菜種置換法>
検体よりも一回り大きな容器を用意し、中に菜種を満たして、すり切る。容器中の菜種をいったん取り出してパンを容器に入れ、再び菜種を満たして、すり切る。あふれた菜種の容積をメスシリンダーで測定する。この菜種の容積が、検体の容積に相当する。
パンの高さ:各試験区あたりロールパン6個について、ノギスを用いてパンの最も高い部分を測定し、その平均値を求めた。
パンの腰もち:各試験区あたりロールパン6個について、ノギスを用いて「パンの幅の最も広い部分(α)」と「パンの天板に接地している面の最も広い幅(γ)」を測定し(図15参照)、下記式βにより算出した値の平均値を求めた。
腰もち=1−(γ/α)(式β)
(4) 評価結果
外観観察の結果を図1に、また、パンの比容積、高さ、腰もちの測定結果を下記表2に示す。
Figure 2017141702
表2に示すように、粉末A(コハク酸処理グルテン)、粉末B(リンゴ酸処理グルテン)、粉末C(クエン酸処理グルテン)をそれぞれ用いた実施品A〜C区では、焼成後のロールパンの比容積、高さ、腰もちのどれもが、無添加区と未処理の活性グルテンを用いた比較品1区と比べて、高い値を示した。また、粉末A〜Cを用いた場合は、冷凍保存14日後でも、その高い値を維持し続けた。また、図1に示すように、粉末A〜Cを用いた場合は、腰もちの良い形状であった。以上の結果から、有機酸(コハク酸、リンゴ酸、クエン酸)処理グルテンは、パン生地に優れた冷凍耐性を付与する効果があることがわかった。
(実施例2)有機酸の種類の検討(2)
(1) 試料の調製
蒸留水500mLに、マロン酸8.85g(0.085mol)を添加して混合し、混合液を得た。得られた混合液に、活性グルテン(水分量5.8W/W%)100gを添加し、十分に撹拌しながら、ウォーターバスを用いて75℃まで加熱した。75℃達温後、90分間、さらに撹拌を行い、活性グルテンとマロン酸を反応させた。得られた反応液(pHは2.56)に対して、ホモジナイザーを用いて、120秒間、乳化処理を行った。乳化処理液をバット(vat)に広げ、凍結乾燥機を用いて乾燥し、乾燥物(水分量8.8W/W%)を得た。フードプロセッサーを用いて、当該乾燥物を粉砕し、粉末Dを得た。
上記のマロン酸8.85gをコハク酸10.00g(0.085mol)に変更する以外は同様にして反応液(pH3.47)を得た後、乳化及び乾燥処理を行って粉末Eを得た。
上記のマロン酸8.85gをグルタル酸11.23g(0.085mol)に変更する以外は同様にして反応液(pH3.79)を得た後、乳化及び乾燥処理を行って粉末Fを得た。
上記のマロン酸8.85gをアジピン酸12.40g(0.085mol)に変更する以外は同様にして、反応液(pH3.85)を得た後、乳化及び乾燥処理を行って粉末Gを得た。
なお、500mLの蒸留水に活性グルテンを溶解したものは、pH4.97であった。
(2)パン生地の調製および製パン
(1)で調製した粉末D(マロン酸処理グルテン)、粉末E(コハク酸処理グルテン)、粉末F(グルタル酸処理グルテン)、粉末G(アジピン酸処理グルテン)、または未処理の活性グルテンを用いて、下記表3の配合量となるように、各原料を混合する以外は、実施例1と同様にしてパン生地を調製し、各試験区(実施品D区、実施品E区、実施品F区、実施品G区、比較品2区)のロールパンを製造した。
Figure 2017141702
(3) 評価方法
(2)で製造したロールパンについて、実施例1と同様に、外観観察を行い、パンの比容積、高さ、腰もちを測定した。
(4) 評価結果
外観観察の結果を図2に、また、パンの比容積、高さ、腰もちの測定結果を下記表4に示す。
Figure 2017141702
表4に示すように、粉末D(マロン酸処理グルテン)、粉末E(コハク酸処理グルテン)、粉末F(グルタル酸処理グルテン)、粉末G(アジピン酸処理グルテン)をそれぞれ用いた実施品D〜G区では、焼成後のロールパンの比容積、高さ、腰もちのどれもが、未処理の活性グルテンを用いた比較品2区と比べて、高い値を示した。また、粉末D〜Gを用いた場合は、冷凍保存30日後でも、その高い値を維持し続けた。また、図2に示すように、粉末D〜Gを用いた場合は、腰もちの良い形状であった。以上の結果から、有機酸(マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸)処理グルテンは、パン生地に優れた冷凍耐性を付与する効果があることがわかった。
(実施例3)有機酸の量の検討(1)
(1) 試料の調製
蒸留水500mLに、コハク酸2.00g(0.017mol)を添加して混合し、混合液を得た。得られた混合液に、活性グルテン(水分量5.8W/W%)100gを添加し、十分に撹拌しながら、ウォーターバスを用いて75℃まで加熱した。75℃達温後、90分間、さらに撹拌を行い、活性グルテンとコハク酸を反応させた。得られた反応液(pHは4.36)に対して、ホモジナイザーを用いて、120秒間、乳化処理を行った。乳化処理液をバット(vat)に広げ、凍結乾燥機を用いて乾燥し、乾燥物(水分量5.2W/W%)を得た。フードプロセッサーを用いて、当該乾燥物を粉砕し、粉末Hを得た。
上記のコハク酸2.00gをコハク酸4.00g(0.034mol)に変更する以外は同様にして反応液を得た後、乳化及び乾燥処理を行って粉末Iを得た。
上記のコハク酸2.00gをコハク酸6.00g(0.051mol)に変更する以外は同様にして反応液を得た後、乳化及び乾燥処理を行って粉末Jを得た。
上記のコハク酸2.00gをコハク酸8.00g(0.068mol)に変更する以外は同様にして反応液を得た後、乳化及び乾燥処理を行って粉末Kを得た。
上記のコハク酸2.00gをコハク酸10.00g(0.085mol)に変更する以外は同様にして反応液を得た後、乳化及び乾燥処理を行って粉末Lを得た。
また、上記の粉末H、I、およびLの調製において反応液の段階で、そのpHおよび粘度(粘度測定時温度35℃)を測定した。その結果を表5に示す。
Figure 2017141702
(2)パン生地の調製および製パン
(1)で調製した粉末H(コハク酸2.00g処理グルテン)、粉末I(コハク酸4.00g処理グルテン)、粉末J(コハク酸6.00g処理グルテン)、粉末K(コハク酸8.00g処理グルテン)、粉末L(コハク酸10.00g処理グルテン)または未処理の活性グルテンを用いて、下記表6の配合量となるように、各原料を混合する以外は、実施例1と同様にしてパン生地を調製し、各試験区(実施品H区、実施品I区、実施品J区、実施品K区、実施品L区、比較品3区)のロールパンを製造した。
Figure 2017141702
(3) 評価方法
(2)で製造したロールパンについて、実施例1と同様に、外観観察を行い、パンの比容積、高さ、腰もちを測定した。
(4) 評価結果
外観観察の結果を図3に、また、パンの比容積、高さ、腰もちの測定結果を下記表7に示す。
Figure 2017141702
表7に示すように、粉末H(コハク酸2.00g処理グルテン)、粉末I(コハク酸4.00g処理グルテン)、粉末J(コハク酸6.00g処理グルテン)、粉末K(コハク酸8.00g処理グルテン)、粉末L(コハク酸10.00g処理処理グルテン)をそれぞれ用いた実施品H〜L区では、焼成後のロールパンの比容積、高さ、腰もちのどれもが、未処理の活性グルテンを用いた比較品3区と比べて、高い値を示した。また、粉末H〜Lを用いた場合は、冷凍保存30日後でも、その高い値を維持し続けた。また、図3に示すように、粉末H〜Lを用いた場合は、腰もちの良い形状であった。以上の結果から、グルテン100重量部に対し有機酸(コハク酸)を2〜10重量部の量で反応させた有機酸(コハク酸)処理グルテンは、パン生地に優れた冷凍耐性を付与する効果があることがわかった。
(実施例4)反応温度の検討(1)
(1) 試料の調製
蒸留水500mLに、コハク酸4.00g(0.034mol)を添加して混合し、混合液を得た。得られた混合液に、活性グルテン(水分量5.8W/W%)100gを添加し、十分に撹拌しながら、ウォーターバスを用いて70℃まで加熱した。70℃達温後、300分間、さらに撹拌を行い、活性グルテンとコハク酸を反応させた。得られた反応液に対して、ホモジナイザーを用いて、120秒間、乳化処理を行った。乳化処理液をバット(vat)に広げ、凍結乾燥機を用いて乾燥し、乾燥物(水分量5.2W/W%)を得た。フードプロセッサーを用いて、当該乾燥物を粉砕し、粉末Mを得た。
上記の反応温度70℃を80℃に変更する以外は同様にして、粉末Nを得た。
上記の反応温度70℃を90℃に変更する以外は同様にして、粉末Oを得た。
(2)パン生地の調製および製パン
(1)で調製した粉末M(コハク酸/70℃処理グルテン)、粉末N(コハク酸/80℃処理グルテン)、粉末O(コハク酸/90℃処理グルテン)または未処理の活性グルテンを用いて、下記表8の配合量となるように、各原料を混合する以外は、実施例1と同様にしてパン生地を調製し、各試験区(実施品M区、実施品N区、実施品O区、比較品4区)のロールパンを製造した。
Figure 2017141702
(3) 評価方法
(2)で製造したロールパンについて、実施例1と同様に、外観観察を行い、パンの比容積、高さ、腰もちを測定した。
(4) 評価結果
外観観察の結果を図4に、また、パンの比容積、高さ、腰もちの測定結果を下記表9に示す。
Figure 2017141702
表9に示すように、粉末M(コハク酸/70℃処理グルテン)、粉末N(コハク酸/80℃処理グルテン)、粉末O(コハク酸/90℃処理グルテン)をそれぞれ用いた実施品M〜O区では、焼成後のロールパンの比容積、高さ、腰もちのどれもが、未処理の活性グルテンを用いた比較品4区と比べて、高い値を示した。また、粉末M〜Oを用いた場合は、冷凍保存30日後でも、その高い値を維持し続けた。また、図4に示すように、粉末M〜Oを用いた場合は、腰もちの良い形状であった。以上の結果から、グルテンと有機酸(コハク酸)を70〜90℃で反応させた有機酸(コハク酸)処理グルテンは、パン生地に優れた冷凍耐性を付与する効果があることがわかった。
(実施例5)反応温度の検討(2)
(1) 試料の調製
蒸留水500mLに、コハク酸10.00g(0.085mol)を添加して混合し、混合液を得た。得られた混合液に、活性グルテン(水分量5.8W/W%)100gを添加し、十分に撹拌しながら、ウォーターバスを用いて40℃まで加熱した。40℃達温後、90分間、さらに撹拌を行い、活性グルテンとコハク酸を反応させた。しかしながら、得られた反応液は、40℃加熱時に液中でダマ(塊り)となったため、反応していないと判断し、粉末化は行わなかった。
蒸留水500mLに、コハク酸10.00g(0.085mol)を添加して混合し、混合液を得た。得られた混合液に、活性グルテン(水分量5.8W/W%)100gを添加し、十分に撹拌しながら、ウォーターバスを用いて50℃まで加熱した。50℃達温後、90分間、さらに撹拌を行い、活性グルテンとコハク酸を反応させた。得られた反応液に対して、ホモジナイザーを用いて、120秒間、乳化処理を行った。乳化処理後液をバット(vat)に広げ、凍結乾燥機を用いて乾燥し、乾燥物(水分量5.6W/W%)を得た。フードプロセッサーを用いて、当該乾燥物を粉砕し、粉末Qを得た。
上記の反応温度50℃を60℃に変更する以外は同様にして、粉末Rを得た。
上記の反応温度50℃を70℃に変更する以外は同様にして、粉末Sを得た。
また、上記の粉末P〜Sの調製において反応液の段階で、そのpHおよび粘度(粘度測定時温度35℃)を測定した。その結果を表10に示す。
Figure 2017141702
(2)パン生地の調製および製パン
(1)で調製した粉末Q(コハク酸/50℃処理グルテン)、粉末R(コハク酸/60℃グルテン)、粉末S(コハク酸/70℃処理グルテン)または未処理の活性グルテンを用いて、下記表11の配合量となるように、各原料を混合する以外は、実施例1と同様にしてパン生地を調製し、各試験区(比較品Q区、比較品R区、実施品S区、比較品5区)のロールパンを製造した。
Figure 2017141702
(3)評価方法
(2)で製造したロールパンについて、実施例1と同様に、外観観察を行い、パンの比容積、高さ、腰もちを測定した。
(4) 評価結果
外観観察の結果を図5に、また、パンの比容積、高さ、腰もちの測定結果を下記表12に示す。
Figure 2017141702
表12に示すように、粉末Q(コハク酸/50℃処理グルテン)、粉末R(コハク酸/60℃グルテン)を用いた比較品Q、R区では、未処理の活性グルテンを用いた比較品5区と比べて、差異は見られなかった。一方、粉末S(コハク酸/70℃処理グルテン)を用いた比較品S区では、焼成後のロールパンの比容積、高さ、腰もちのどれもが、未処理の活性グルテンを用いた比較品5区と比べて、高い値を示した。また、粉末Sを用いた場合は、冷凍保存30日後でも、その高い値を維持し続けた。また、図5に示すように、粉末Sを用いた場合は、腰もちの良い形状であった。以上の結果から、グルテンと有機酸(コハク酸)を50〜60℃で反応させた有機酸(コハク酸)処理グルテンは、パン生地への冷凍凍耐性付与効果が不十分であることがわかった。
(実施例6)反応時間の検討(1)
(1) 試料の調製
蒸留水500mLに、コハク酸4.00g(0.034mol)を添加して混合し、混合液を得た。得られた混合液に、活性グルテン(水分量5.8W/W%)100gを添加し、十分に撹拌しながら、ウォーターバスを用いて80℃まで加熱した。80℃達温後、30分間、さらに撹拌を行い、活性グルテンとコハク酸を反応させた。得られた反応液に対して、ホモジナイザーを用いて、120秒間、乳化処理を行った。乳化処理後液をバット(vat)に広げ、凍結乾燥機を用いて乾燥し、乾燥物(水分量4.8W/W%)を得た。フードプロセッサーを用いて、当該乾燥物を粉砕し、粉末Tを得た。
上記の反応時間30分を60分に変更する以外は同様にして、粉末Uを得た。また、上記の反応時間30分を300分に変更する以外は同様にして、粉末Vを得た。
(2)パン生地の調製および製パン
(1)で調製した粉末T(コハク酸/80℃/30分処理グルテン)、粉末U(コハク酸/80℃/60分処理グルテン)、粉末V(コハク酸/80℃/300分処理グルテン)または未処理の活性グルテンを用いて、下記表13の配合量となるように、各原料を混合する以外は、実施例1と同様にしてパン生地を調製し、各試験区(実施品T区、実施品U区、実施品V区、比較品6区)のロールパンを製造した。
Figure 2017141702
(3)評価方法
(2)で製造したロールパンについて、実施例1と同様に、外観観察を行い、パンの比容積、高さ、腰もちを測定した。
(4) 評価結果
外観観察の結果を図6に、また、パンの比容積、高さ、腰もちの測定結果を下記表14に示す。
Figure 2017141702
表14に示すように、粉末T(コハク酸/80℃/30分処理グルテン)、粉末U(コハク酸/80℃/60分処理グルテン)、粉末V(コハク酸/80℃/300分処理グルテン)をそれぞれ用いた実施品T〜V区では、焼成後のロールパンの比容積、高さ、腰もちのどれもが、未処理の活性グルテンを用いた比較品6区と比べて、高い値を示した。また、粉末T〜Vを用いた場合は、冷凍保存30日後でも、その高い値を維持し続けた。また、図6に示すように、粉末T〜Vを用いた場合は、腰もちの良い形状であった。以上の結果から、グルテンと有機酸(コハク酸)を80℃で30〜300分反応させた有機酸(コハク酸)処理グルテンは、パン生地に優れた冷凍耐性を付与する効果があることがわかった。
(実施例7)反応時間の検討(2)
(1) 試料の調製
蒸留水500mLに、コハク酸4.00g(0.034mol)を添加して混合し、混合液を得た。得られた混合液に、活性グルテン(水分量5.8W/W%)100gを添加し、十分に撹拌しながら、ウォーターバスを用いて70℃まで加熱した。70℃達温後、90分間、さらに撹拌を行い、活性グルテンとコハク酸を反応させた。得られた反応液に対して、ホモジナイザーを用いて、120秒間、乳化処理を行った。乳化処理後の反応液をバット(vat)に広げ、凍結乾燥機を用いて乾燥し、乾燥物(水分量5.2W/W%)を得た。フードプロセッサーを用いて、当該乾燥物を粉砕し、粉末Wを得た。
上記の反応時間90分を180分に変更する以外は同様にして、粉末Xを得た。また、上記の反応時間90分を300分に変更する以外は同様にして、粉末Yを得た。
(2)パン生地の調製および製パン
(1)で調製した粉末W(コハク酸/70℃/90分処理グルテン)、粉末X(コハク酸/70℃/180分処理グルテン)、粉末Y(コハク酸/70℃/300分処理グルテン)または未処理の活性グルテンを用いて、下記表15の配合量となるように、各原料を混合する以外は、実施例1と同様にしてパン生地を調製し、各試験区(実施品W区、実施品X区、実施品Y区、比較品7区)のロールパンを製造した。
Figure 2017141702
(3)評価方法
(2)で製造したロールパンについて、実施例1と同様に、外観観察を行い、パンの比容積、高さ、腰もちを測定した。
(4) 評価結果
外観観察の結果を図7に、また、パンの比容積、高さ、腰もちの測定結果を下記表16に示す。
Figure 2017141702
表16に示すように、粉末W(コハク酸/70℃/90分処理グルテン)、粉末X(コハク酸/70℃/180分処理グルテン)、粉末Y(コハク酸/70℃/300分処理グルテン)をそれぞれ用いた実施品W〜Y区では、焼成後のロールパンの比容積、高さ、腰もちのどれもが、未処理の活性グルテンを用いた比較品7区と比べて、高い値を示した。また、粉末W〜Yを用いた場合は、冷凍保存30日後でも、その高い値を維持し続けた。特に、粉末Yを用いたものは、腰もち、比容積で高い値を示した。また、図7に示すように、粉末W〜Yを用いた場合は、腰もちの良い形状であった。以上の結果から、グルテンと有機酸(コハク酸)を70℃で90〜300分反応させた有機酸(コハク酸)処理グルテンは、パン生地に優れた冷凍耐性を付与する効果があることがわかった。
(実施例8)乾燥方法の検討
(1) 試料の調製
30L発酵槽(Jar fermentor)内で、蒸留水12.5Lに、コハク酸100g(0.847mol)を添加して混合し、混合液を得た。得られた混合液に、活性グルテン(水分量5.8W/W%)2500gを添加し、十分に撹拌しながら、蒸気を用いてジャケット加熱を行い、80℃まで加熱した。80℃達温後、210分間、さらに撹拌を行い、活性グルテンとコハク酸を反応させた。得られた反応液に対して、ホモジナイザーを用いて、120秒間、乳化処理を行った。乳化処理液をバット(vat)に広げ、凍結乾燥機を用いて乾燥し、乾燥物(水分量4.8W/W%)を得た。フードプロセッサーを用いて、上記乾燥物を粉砕し、フリーズドライ粉末(粉末FD)を得た。
30L発酵槽(Jar fermentor)内で、蒸留水12.5Lに、コハク酸100g(0.847mol)を添加して混合し、混合液を得た。得られた混合液に、活性グルテン(水分量5.8W/W%)2500gを添加し、十分に撹拌しながら、蒸気を用いてジャケット加熱を行い、80℃まで加熱した。80℃達温後、210分間、さらに撹拌を行い、活性グルテンとコハク酸を反応させた。得られた反応液に対して、ダブルドラム型ドラムドライヤーを用いて、乾燥・粉末化処理し、ドラムドライ粉末(粉末DD)を得た。
蒸留水1000mLに、コハク酸8g(0.068mol)と食塩2gを添加して混合し、混合液を得た。得られた混合液に、活性グルテン(水分量5.8W/W%)200gを添加し、十分に撹拌しながら、ウォーターバスを用いて、80℃まで加熱した。80℃達温後、300分間、さらに撹拌を行い、活性グルテンとコハク酸を反応させた。得られた反応液に対して、1.5倍重量の蒸留水を加え、ホモジナイザーを用いて、120秒間、乳化処理を行った。乳化処理液を、噴霧乾燥(スプレードライ)し、スプレードライ粉末(粉末SD:水分量4.6W/W%)を得た。
(2)パン生地の調製および製パン
(1)で調製した粉末FD、粉末DD、粉末SD、または未処理の活性グルテンを用いて、下記表17の配合量となるように、各原料を混合する以外は、実施例1と同様にしてパン生地を調製し、各試験区(実施品FD区、実施品DD区、実施品SD区、比較品8区)のロールパンを製造した。
Figure 2017141702
(3)評価方法
(2)で製造したロールパンについて、実施例1と同様に、外観観察を行い、パンの比容積、高さ、腰もちを測定した。
(4) 評価結果
外観観察の結果を図8に、また、パンの比容積、高さ、腰もちの測定結果を下記表18に示す。
Figure 2017141702
表18に示すように、粉末FD(フリーズドライ乾燥)、粉末DD(ドラムドライ乾燥)、粉末SD(スプレードライ乾燥)をそれぞれ用いた実施品FD、DD、SD区では、焼成後のロールパンの比容積、高さ、腰もちのどれもが、未処理の活性グルテンを用いた比較品8区と比べて、高い値を示した。また、図8に示すように、粉末FD、DD、SDを用いた場合は、腰もちの良い形状であった。以上の結果から、有機酸(コハク酸)処理グルテンの冷凍耐性付与効果は、乾燥方法を問わず得られることがわかった。
(実施例9)加水量の変更
(1)パン生地の調製および製パン
実施例8で調製した粉末FDまたは未処理の活性グルテンを用い、下記表19の配合量(加水量を変更)となるように、各原料を混合する以外は、実施例1と同様にしてパン生地を調製し、各試験区(実施品FD65区、実施品FD70区、実施品FD75区、比較品9A区、比較品9B区、比較品9C区)のロールパンを製造した。
Figure 2017141702
(2)評価方法
(1)で製造したロールパンについて、実施例1と同様に、外観観察を行い、パンの比容積、高さ、腰もちを測定した。
(3) 評価結果
外観観察の結果を図9に、また、パンの比容積、高さ、腰もちの測定結果を下記表20に示す。
Figure 2017141702
表20に示すように、粉末FD(コハク酸処理グルテン)を用いた実施品FD65、FD70、FD75区では、焼成後のロールパンの比容積、高さ、腰もちのどれもが、未処理の活性グルテンを用いた比較品9A、9B、9C区と比べて、高い値を示した。また、粉末FDを用いた場合は、冷凍保存30日後でも、その高い値を維持し続けた。また、図9に示すように、粉末FDを用いた場合は、腰もちの良い形状であった。以上の結果から、有機酸(コハク酸)処理グルテンの冷凍耐性付与効果は、加水量を増加させても得られることがわかった。
(実施例10)L−アスコルビン酸と併用した影響
(1)パン生地の調製および製パン
実施例8で調製した粉末FDを用い、下記表21の配合量(L−アスコルビン酸(L-ascorbic acid)量を変更)となるように、各原料を混合する以外は、実施例1と同様にしてパン生地を調製し、各試験区(実施品AA00区、実施品AA10区、実施品AA50区、実施品AA100区)のロールパンを製造した。
Figure 2017141702
(2)評価方法
(1)で製造したロールパンについて、実施例1と同様に、外観観察を行い、パンの比容積、高さ、腰もちを測定した。
(3) 評価結果
外観観察の結果を図10に、また、パンの比容積、高さ、腰もちの測定結果を下記表22に示す。
Figure 2017141702
表22に示すように、粉末FD(コハク酸処理グルテン)を用いることで、L−アスコルビン酸の添加量を減らした場合においても、焼成後のロールパンの比容積、高さ、腰もちのどれもが、高い値を示した。また、冷凍保存30日後でも、その高い値を維持し続けた。また、図10に示すように、粉末FD(コハク酸処理グルテン)を用いた場合、L−アスコルビン酸の添加量に関わらず、腰もちの良い形状であった。以上の結果から、有機酸(コハク酸)処理グルテンの冷凍耐性付与効果は、L−アスコルビン酸の添加量を減らしても得られることがわかった。
(実施例11)生地の種類の検討
(1)パン生地の調製および製パン
下記表23に示す配合量で、原料(小麦粉(強力粉)、スクラッチ生地用イースト、L−アスコルビン酸水溶液(水100mLに対して、L−アスコルビン酸を1g添加した水溶液)、グラニュー糖、食塩、脱脂粉乳、水)、および、実施品FD001には実施例8で調製した粉末FD(コハク酸処理グルテン)、比較品001には未処理の活性グルテンをそれぞれ混合した。
Figure 2017141702
混合した原料は、低速で3分間、中速で2分間、高速で2分間ミキシングした。ショートニングを添加後、さらに低速で2分間、中速で3分間、高速で3分間ミキシングし、本捏生地を得た。なおミキシングは最終の生地温度が27℃となるように調整した。28℃で60分間フロアータイムをとった後、本捏生地を50gずつ分割し、20分間ベンチタイムをとり、モルダーを用いて、それぞれ、ロール成形を行った。その後、38℃、湿度85%の条件下で、60分間、最終発酵を行い、オーブン(上火210℃、下火190℃)で8分間焼成し、各試験区(無添加品002区、比較品001区、実施品FD001区)のロールパンを製造した。
(2)評価方法
(1)で製造したロールパンについて、実施例1と同様に、外観観察を行い、パンの比容積、高さ、腰もちを測定した。
(3) 評価結果
パンの比容積、高さ、腰もちの測定結果を下記表24に示す。
Figure 2017141702
表24に示すように、粉末FD(コハク酸処理グルテン)を用いた実施品FD001区では、未処理の活性グルテンを用いた比較品001区や無添加品002区と比べて、焼成後のロールパンの腰もちが高い値を示した。有機酸(コハク酸)処理グルテンは、冷凍生地のみならず、スクラッチ法の生地にも用いることができた。また、有機酸処理グルテンを用いることで、同じ生地からスクラッチ法の生地と冷凍生地とを同時に製造できることも示された。
(比較試験1)アミン処理グルテンを用いた比較試験
(1) 試料の調製
実施例1のコハク酸4.0gをプトレシン9.0gに変更する以外は同様にして、比較粉末PTを調製した。また、実施例1のコハク酸4.0gをカダベリン10.9gに変更する以外は同様にして、比較粉末CVを調製した。
(2)パン生地の調製および製パン
(1)で調製した比較粉末PT(プトレシン処理グルテン)、比較粉末CV(カダベリン処理グルテン)、または未処理の活性グルテンを用いて、下記表25の配合量となるように、各原料を混合する以外は、実施例1と同様にしてパン生地を調製し、各試験区(比較品PT区、比較品CV区、比較品10区)のロールパンを製造した。
Figure 2017141702
(3)評価方法
(2)で製造したロールパンについて、実施例1と同様に、外観観察を行い、パンの比容積、高さ、腰もちを測定した。
(4) 評価結果
外観観察の結果を図11に、また、パンの比容積、高さ、腰もちの測定結果を下記表26に示す。
Figure 2017141702
図11に示す外観から明らかなように、比較粉末PT(プトレシン処理グルテン)、比較粉末CV(カダベリン処理グルテン)を用いた比較品PT区、比較品CV区では、発酵不良が発生した。表24に示すように、比較粉末PT(プトレシン処理グルテン)、比較粉末CV(カダベリン処理グルテン)を用いた比較品PT区、比較品CV区では、未処理の活性グルテンを用いた比較品10区と比べた場合においても、焼成後のロールパンの比容積および高さが明らかに劣っていた。
(比較試験2)pH変化による比較試験
(1) 試料の調製
実施例1のコハク酸4.0gを酢酸10.0gに変更する以外は同様にして反応液(pH3.3)を得た後、乳化及び乾燥処理を行って比較粉末SAを調製した。また、実施例1のコハク酸4.0gの代わりに、12N塩酸を用いて、水溶液をpH3.5に調整する以外は同様にして反応液(pH3.14)を得た後、乳化及び乾燥処理を行って比較粉末HAを調製した。
(2)パン生地の調製および製パン
(1)で調製した比較粉末SA(酢酸処理グルテン)、比較粉末HA(塩酸処理グルテン)、または未処理の活性グルテンを用いて、下記表27の配合量となるように、各原料を混合する以外は、実施例1と同様にしてパン生地を調製し、各試験区(比較品SA区、比較品HA区、比較品11区)のロールパンを製造した。
Figure 2017141702
(3)評価方法
(2)で製造したロールパンについて、実施例1と同様に、外観観察を行い、パンの比容積、高さ、腰もちを測定した。
(4) 評価結果
外観観察の結果を図12に、また、パンの比容積、高さ、腰もちの測定結果を下記表28に示す。
Figure 2017141702
表28に示されるように、比較粉末SA(酢酸処理グルテン)、比較粉末HA(塩酸処理グルテン)を用いた比較品SA区、比較品HA区では、未処理の活性グルテンを用いた比較品11区と比べて、焼成後のロールパンの比容積、高さ、腰もちのいずれにおいても大きな差異は見られなかった。以上の結果から、カルボニル基を2つ以上有さない有機酸や無機酸による処理グルテンでは冷凍耐性付与効果は、得られないことがわかった。
(実施例12)2種以上の有機酸併用の検討
(1)試料の調製
蒸留水500gに、活性グルテン(水分量5.8W/W%)100gを添加し、溶解し、コハク酸4.00g(0.034mol)を添加し、十分に撹拌しながら、ウォーターバスを用いて80℃まで加熱した。80℃達温後、240分間、さらに撹拌を行い、活性グルテンとコハク酸を反応させた。得られた反応液をバットに広げ、凍結乾燥機を用いて乾燥し、乾燥物(水分量5.5W/W%)を得た。ハンマーミルを用いて、当該乾燥物を粉末化し、粉末121を得た。
上記のコハク酸4.00gを、コハク酸2.00gおよびクエン酸2.00gの合計4.00gの有機酸に変更する以外は同様にして、粉末122を得た。
また、上記コハク酸4.00gを、コハク酸2.00gおよびリンゴ酸2.00gの合計4.00gの有機酸に変更する以外は同様にして、粉末123を得た。
また、上記コハク酸4.00gを、クエン酸2.00gおよびリンゴ酸2.00gの合計4.00gの有機酸に変更する以外は同様にして、粉末124を得た。
(2)パン生地の調製および製パン
下記表29に示す配合量で、原料(小麦粉(強力粉)、冷凍生地用イースト、グラニュー糖、食塩、脱脂粉乳、水)、および実施品121には粉末121(コハク酸4.00g処理グルテン)、実施品122には粉末122(コハク酸2.00g、クエン酸2.00g処理グルテン)、実施品123には粉末123(コハク酸2.00g、リンゴ酸2.00g処理グルテン)、実施品124には粉末124(クエン酸2.00g、リンゴ酸2.00g処理グルテン)をそれぞれ混合した。
Figure 2017141702
混合原料を、低速で3分間、中速で2分間、高速で2分間ミキシングした。ショートニングを添加後、さらに低速で2分間、中速で3分間、高速で2分間ミキシングし、本捏生地を得た。なお、ミキシング最終生地温度が24℃となるように調整した。28℃で30分間フロアータイムをとった後、本捏生地を50gずつに分割し、20分間ベンチタイムをとり、モルダーを用いて、それぞれ、ロール成形を行った。上記ロール成形した生地を、マイナス35℃で60分間、急速凍結して、冷凍生地を得た。得られた冷凍生地を、マイナス25℃で、所定の期間、冷凍保存した。冷凍保存後、30℃、湿度65%の条件下で30分間静置し、解凍を行った。解凍後、38℃、湿度85%の条件下で60分間、最終発酵を行った。その後、オーブン(上火210℃、下火200℃)で9分間焼成し、ロールパンを製造した。なお、ロールパンは各試験区につき、6個ずつ製造した。
(3)評価方法
(2)で製造したロールパンについて、実施例1と同様に外観観察を行い、パンの比容積、高さ、腰もちを測定した。
(4)評価結果
外観観察の結果を図13に、また、パンの比容積、高さ、腰もちの結果を下記表30に示す。
Figure 2017141702
表30に示すように、粉末121(コハク酸4.00g処理グルテン)、粉末122(コハク酸2.00g、クエン酸2.00g処理グルテン)、粉末123(コハク酸2.00g、リンゴ酸2.00g処理グルテン)、粉末124(クエン酸2.00g、リンゴ酸2.00g処理グルテン)をそれぞれ用いた、実施品121〜実施品124区では、焼成後ロールパンの比容積、高さ、腰もちのどれもが、高い値を示した。また、冷凍保存30日目においても、その高い値を維持し続けた。以上の結果から、カルボニル基を二つ以上有する有機酸を2種類混合した場合においても、冷凍耐性付与効果が得られることが分かった。
(実施例13)有機酸の量の検討(2)
(1)試料の調製
蒸留水500gに、活性グルテン(水分量5.8W/W%)100gを添加し、溶解し、コハク酸0.50g(0.004mol)を添加し、十分に撹拌しながら、ウォーターバスを用いて80℃まで加熱した。80℃達温後、240分間、さらに撹拌を行い、活性グルテンとコハク酸を反応させた。得られた反応液をバットに広げ、凍結乾燥機を用いて乾燥し、乾燥物(水分量5.5W/W%)を得た。ハンマーミルを用いて、当該乾燥物を粉末化し、粉末131を得た。
上記のコハク酸0.50gを、コハク酸1.00gに変更する以外は同様にして、粉末132を得た。
また、上記コハク酸0.50gを、コハク酸2.00gに変更する以外は同様にして、粉末133を得た。
(2)パン生地の調製および製パン
下記表31に示す配合量で、原料(小麦粉(強力粉)、冷凍生地用イースト、グラニュー糖、食塩、脱脂粉乳、水)、および、比較品130には反応前の活性グルテン、比較品131には粉末131(コハク酸0.50g処理グルテン)、実施品132には粉末132(コハク酸1.00g処理グルテン)、実施品133には粉末133(コハク酸2.00g処理グルテン)をそれぞれ混合した。
Figure 2017141702
混合原料を、低速で3分間、中速で2分間、高速で2分間ミキシングした。ショートニングを添加後、さらに低速で2分間、中速で3分間、高速で2分間ミキシングし、本捏生地を得た。なお、ミキシング最終生地温度が24℃となるように調整した。28℃で30分間フロアータイムをとった後、本捏生地を50gずつに分割し、20分間ベンチタイムをとり、モルダーを用いて、それぞれ、ロール成形を行った。上記ロール成形した生地を、マイナス35℃で60分間、急速凍結して、冷凍生地を得た。得られた冷凍生地を、マイナス25℃で、所定の期間、冷凍保存した。冷凍保存後、30℃、湿度65%の条件下で30分間静置し、解凍を行った。解凍後、38℃、湿度85%の条件下で60分間、最終発酵を行った。その後、オーブン(上火210℃、下火200℃)で9分間焼成し、ロールパンを製造した。なお、ロールパンは各試験区につき、6個ずつ製造した。
(3)評価方法
(2)で製造したロールパンについて、実施例1と同様に外観観察を行い、パンの比容積、高さ、腰もちを測定した。
(4)評価結果
外観観察の結果を図14に、また、パンの比容積、高さ、腰もちの結果を下記表32に示す。
Figure 2017141702
表32に示すように、反応前の活性グルテンを用いた比較品130区、および、粉末131(コハク酸0.50g処理グルテン)を用いた比較品131区は、冷凍保存後の焼成後のロールパンにおいて、高さが保たれず、腰もちが大きく低下していた。それに対して、粉末132(コハク酸1.00g処理グルテン)、粉末133(コハク酸2.00g処理グルテン)をそれぞれ用いた、実施品132および実施品133区では、焼成後ロールパンの比容積、高さ、腰もちのどれもが、高い値を示した。また、冷凍保存30日目においても、その高い値を維持し続けた。
本発明は、パン生地改良剤およびパンの製造分野において利用できる。
本明細書で引用した全ての刊行物、特許及び特許出願をそのまま参考として本明細書に組み入れるものとする。

Claims (7)

  1. グルテンと、該グルテン100重量部に対して1重量部以上のカルボニル基を同一分子内に2つ以上有する有機酸とを含有する溶液を、70℃以上で30分以上加熱処理する工程を含む、改良グルテンの製造方法。
  2. グルテンと、該グルテン100重量部に対して1重量部以上のカルボニル基を同一分子内に2つ以上有する有機酸とを含有する溶液を、70℃以上で30分以上加熱処理して得られる改良グルテンを用いてパン生地を調製する工程を含む、パン生地の製造方法。
  3. グルテンと、該グルテン100重量部に対して1重量部以上のカルボニル基を同一分子内に2つ以上有する有機酸とを含有する溶液を、70℃以上で30分以上加熱処理して得られる改良グルテンを用いてパン生地を調製する工程と、調製したパン生地を焼成する工程を含む、パンの製造方法。
  4. グルテンと、該グルテン100重量部に対して1重量部以上のカルボニル基を同一分子内に2つ以上有する有機酸とを含有する溶液を、70℃以上で30分以上加熱処理して得られる改良グルテンを、パン生地原料に添加することを特徴とする、パンの物性改良方法。
  5. パンの物性改良が、パンの腰もち改善である、請求項4に記載の方法。
  6. パン生地が、冷凍パン生地である、請求項2〜4のいずれかに記載の方法。
  7. グルテンと、該グルテン100重量部に対して1重量部以上のカルボニル基を同一分子内に2つ以上有する有機酸とを含有する溶液を70℃以上で30分以上加熱処理した改良グルテン。
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