JPWO2017043587A1 - 手術用補助器具 - Google Patents

手術用補助器具 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2017043587A1
JPWO2017043587A1 JP2017538508A JP2017538508A JPWO2017043587A1 JP WO2017043587 A1 JPWO2017043587 A1 JP WO2017043587A1 JP 2017538508 A JP2017538508 A JP 2017538508A JP 2017538508 A JP2017538508 A JP 2017538508A JP WO2017043587 A1 JPWO2017043587 A1 JP WO2017043587A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
body frame
user
arm
arm support
auxiliary instrument
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017538508A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6782947B2 (ja
Inventor
伊藤 恒太郎
恒太郎 伊藤
洋 川平
洋 川平
義弘 下村
義弘 下村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chiba University NUC
Takano Co Ltd
Original Assignee
Chiba University NUC
Takano Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chiba University NUC, Takano Co Ltd filed Critical Chiba University NUC
Publication of JPWO2017043587A1 publication Critical patent/JPWO2017043587A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6782947B2 publication Critical patent/JP6782947B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B90/00Instruments, implements or accessories specially adapted for surgery or diagnosis and not covered by any of the groups A61B1/00 - A61B50/00, e.g. for luxation treatment or for protecting wound edges
    • A61B90/60Supports for surgeons, e.g. chairs or hand supports
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B90/00Instruments, implements or accessories specially adapted for surgery or diagnosis and not covered by any of the groups A61B1/00 - A61B50/00, e.g. for luxation treatment or for protecting wound edges
    • A61B90/50Supports for surgical instruments, e.g. articulated arms
    • A61B90/53Supports for surgical instruments, e.g. articulated arms connected to the surgeon's body, e.g. by a belt

Abstract

使用者の腕の姿勢変化が確保されると共に使用者の腕を必要に応じて種々の姿勢で固定して保持することによって使用者の疲労を軽減することができるようにする。
使用者の上体に装着されるボディフレーム(1)と、使用者の腕に装着される腕支持部(4)と、これらボディフレーム(1)と腕支持部(4)とを連結する連結部材(5A−5C)とを有し、連結部材(5A−5C)が伸縮可能な状態と伸縮不可能な状態とが切り替えられるようにした。

Description

本発明は、手術用補助器具に関する。さらに詳述すると、本発明は、手術時の施術者や補助者などの腕を支持して当該腕の姿勢の保持に用いて好適な器具に関する。
手術時の施術者や補助者などは、長時間に亙って姿勢を保持する必要があり、疲労が大きい。特に、手術用器具・機器を手で保持しながら操作して行う手術では、手術用器具・機器の重量と相俟って腕の姿勢を一定に保って長時間に及ぶ手術を行う際の疲労が大きく、延いては手術の質への悪影響も懸念される。このため、施術者や補助者などによる手術用器具・機器の快適な(言い換えると、負担の少ない)操作性の確保と施術者や補助者などの腕の安定的な支持及び腕の姿勢保持による疲労軽減とが求められる。
施術者等の姿勢を保持するための従来の姿勢保持器具として、図18に示すように、立位体位の使用者110の腸骨111を左側前方及び右側前方から支持する前支持部と左側方及び右側方から支持する横支持部とを備えて立位体位の使用者110の左右の腸骨111を支持する腸骨支持部101と、当該腸骨支持部101の上方に設けられて使用者110の両腕112を下方から支えるアームレスト102とを有するものがある(特許文献1)。
特開2013−106857号公報
しかしながら、特許文献1の姿勢保持器具では、使用者の腕、特に肘や前膊をアームレストに載せることはできても、手術中の作業に応じて腕の肘の上側部分である上腕と下側部分である前腕とを肩及び肘を支点として種々の位置関係・姿勢に変化させた上で当該位置関係・姿勢で固定して保持することはできない。このため、特に腕の種々の姿勢を保持すると共に疲労を軽減するための器具として十全であるとは言い難い場合もある。
そこで、本発明は、施術者や補助者など(言い換えると、使用者)の上腕と前腕との姿勢変化が確保されると共に使用者の腕を必要に応じて種々の姿勢で固定して保持することによって使用者の疲労を軽減することができる手術用補助器具を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するため、本発明の手術用補助器具は、使用者の上体に装着されるボディフレームと、使用者の腕に装着される腕支持部と、これらボディフレームと腕支持部とを連結する連結部材とを有し、連結部材が伸縮可能な状態と伸縮不可能な状態とが切り替えられるようにしている。
したがって、この手術用補助器具によると、ボディフレームと腕支持部とを連結する連結部材の伸縮可能な状態と伸縮不可能な状態とが切り替えられるようにしているので、連結部材が伸縮可能な状態であるときには腕支持部の移動の自由が制約されることがなく使用者の上腕と前腕との姿勢変化が確保される一方で連結部材が伸縮不可能な状態に切り替えられることによって腕支持部の移動の自由度が低減して使用者の腕の姿勢変化が制約される。
本発明の手術用補助器具は、ボディフレームと腕支持部とが複数の連結部材によって連結されるようにしても良い。この場合には、連結部材が伸縮不可能な状態に切り替えられたときの腕支持部の移動の自由度が一層低減し、特に三個以上の連結部材によって連結されるようにした場合にはボディフレームと腕支持部との相互の位置関係の自由度が任意に構成され得るようになり、例えば両者の相互の位置関係が完全に若しくは大凡完全に固定され得る。
本発明の手術用補助器具は、連結部材の伸縮可能な状態と伸縮不可能な状態との切り替えを制御するための操作部がボディフレームの肩部に設けられるようにしても良い。この場合には、使用者が頭部を左右に傾けることによって操作部が操作されて連結部材の伸縮の可否が制御される。
本発明の手術用補助器具は、軸方向に移動して出没の程度が変化するロッドと当該ロッドの外周に巻き回されるコイルばねとを有する伸縮機構を連結部材が含み、コイルばねの巻き締めによる当該コイルばねの内面とロッドの外周面との摩擦力でロッドをロックすることによって連結部材が伸縮不可能な状態になるようにしても良い。この場合には、連結部材を伸縮不可能な状態にするのに十分な拘束力を発揮し得る伸縮機構が比較的小型の仕組みとして実現される。
本発明の手術用補助器具は、連結部材のうちの少なくとも一部が、常に、ボディフレーム側の一端と腕支持部側の他端とが同じ高さ、または、ボディフレーム側の一端よりも腕支持部側の他端の方が低いように配設されるようにしても良い。この場合には、腕支持部がボディフレームに対して安定的に支持される。
本発明の手術用補助器具は、ボディフレームに取り付けられて使用者の胸骨に当接する胸骨当接機構が備えられるようにしても良い。この場合には、使用者の胸骨を土台としてボディフレームが支持されるので、使用者の上体に対する手術用補助器具のぶれが抑制されて使用者の腕の姿勢の保持の安定性が一層良好に確保される。
本発明の手術用補助器具は、着脱自在の単数若しくは複数のパッド部材がボディフレームの内側に備え付けられるようにしても良い。この場合には、手術用補助器具の使用のたびに、パッド部材をボディフレームから取り外して洗浄したり、パッド部材を交換したりすることが可能になる。また、特に複数のパッド部材が備え付けられる場合には、使用者の体格や体型に合わせてパッド部材を配置させることによってボディフレームの装着時のフィット性が向上する。
本発明の手術用補助器具によれば、連結部材が伸縮可能な状態では腕支持部の移動の自由を制約することなく使用者の腕の姿勢変化を確保すると共に連結部材が伸縮不可能な状態では腕支持部の移動の自由度を低減させて使用者の腕の姿勢変化を制約することができるので、必要に応じて使用者の腕の姿勢変化が制約される分だけ当該腕の姿勢が保持されることになって使用者の疲労を軽減することが可能になる。
本発明の手術用補助器具は、複数の連結部材が用いられるようにした場合には、腕支持部の移動の自由度を一層低減することができ、特に三個以上の連結部材が用いられるようにした場合にはボディフレームと腕支持部との相互の位置関係の自由度を任意に構成することができ、例えば両者の相互の位置関係が完全に若しくは大凡完全に固定することができるので、必要に応じて使用者の腕を固定して当該腕の姿勢を保持することによって使用者の疲労を大幅に軽減することが可能になる。
本発明の手術用補助器具は、連結部材の伸縮の可否の切り替えを制御する操作部がボディフレームの肩部に設けられるようにした場合には、使用者が頭部を左右に傾けることによって操作部が操作されて連結部材の伸縮の可否を制御することができるので、使用者の腕が例えば固定されていたり器具を保持していたりする場合でも操作部を操作することが可能であり、延いては手術用補助器具としての利便性を向上させることが可能になる。
本発明の手術用補助器具は、コイルばねの内面とロッドの外周面との摩擦力でロッドをロックする仕組みが用いられるようにした場合には、十分な拘束力を発揮し得る伸縮機構を比較的小型の仕組みとして実現することができるので、手術用補助器具全体としての小型化を図ることが可能になる。
本発明の手術用補助器具は、連結部材のうちの少なくとも一部がボディフレームに対して腕支持部を常に吊り下げ態様で連結するようにした場合には、腕支持部をボディフレームに対して安定的に支持することができるので、手術用補助器具を装着しながらの施術などの作業を快適に行うことが可能になり、延いては手術用補助器具としての利便性を向上させることが可能になる。
本発明の手術用補助器具は、胸骨当接機構が備えられるようにした場合には、使用者の上体に対する手術用補助器具のぶれを抑制して使用者の腕の姿勢の保持の安定性を一層良好に確保することができるので、手術用補助器具を装着しながらの施術などの作業を快適に行うことが可能になり、延いては手術用補助器具としての利便性を向上させることが可能になる。
本発明の手術用補助器具は、着脱自在のパッド部材が備え付けられるようにした場合には、手術用補助器具の使用のたびにパッド部材を洗浄したり交換したりすることが可能になるので、衛生上の観点から好ましい構成とすることができ、手術用補助器具として優良なものにすることが可能になる。また、特に複数のパッド部材が備え付けられるようにした場合には、ボディフレームの装着時のフィット性を向上させることができるので、手術用補助器具の装着時の快適性を向上させることが可能になる。
本発明の手術用補助器具の実施形態の一例を示す正面図である。 図1に示す手術用補助器具の背面図である。 図1に示す手術用補助器具の右側面図である。 図1に示す手術用補助器具の前方斜視図である。 図1に示す手術用補助器具の後方斜視図である。 図1に示す手術用補助器具の腕支持部が上げられた状態を示す正面図である。 実施形態の胸骨当接機構のうちの左固定部を示す図であり、ボディフレームの内側から前部の内面を見た場合における、左ボディフレームの前部に対して取り付けられた状態の左固定部の姿勢を示す図である。 図7Aを左固定部としての正面図としたときの左側面図である。 図7Aを左固定部としての正面図としたときの平面図である。 実施形態の胸骨当接機構のうちの右固定部を示す図であり、ボディフレームの内側から前部の内面を見た場合における、右ボディフレームの前部に対して取り付けられた状態の右固定部の姿勢を示す図である。 図8Aを右固定部としての正面図としたときの右側面図である。 図8Aを右固定部としての正面図としたときの平面図である。 実施形態の胸骨当接機構のうちの当接部を示す図であり、ボディフレームの内側から前部の内面を見た場合における、左固定部に対して取り付けられた状態の当接部の姿勢を示す図である。 図9Aを当接部としての正面図としたときの左側面図である。 図9Aを当接部としての正面図としたときの平面図である。 実施形態の胸骨当接機構のうちの左固定部への当接部の取り付け方を説明する図であり、図7B及び図9Bと同じ視点から見た図、及び、調節ねじの平面図である。 実施形態の胸骨当接機構を示す図であり、ボディフレームの内側から前部の内面を見た場合における、ボディフレームの前部に対して取り付けられた状態の胸骨当接機構の姿勢を示す図である。 実施形態の胸骨当接機構を示す図であり、図11を胸骨当接機構としての正面図としたときの左側面図である。 実施形態の胸骨当接機構の当接部を左固定部に対して傾斜させた状態の例を示す図である。 本発明の手術用補助器具の実施形態の他の例を示す正面図である。 図14に示す手術用補助器具の前方斜視図である。 ボディフレームと連結部材との連結の態様の一例を示す図である。 ボディフレームと連結部材との連結の態様の他の例を示す図である。 従来の姿勢保持器具を示す側面図である。
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
図1乃至図13に、本発明の手術用補助器具の実施形態の一例を示す。なお、本発明の説明においては、手術用補助器具が使用者に装着された状態において、使用者を基準にして「上」及び「下」,「前」及び「後」,並びに「左」及び「右」を定義する(言い換えると、使用者から見て「上」及び「下」,「前」及び「後」,並びに「左」及び「右」を意味する)。
本実施形態の手術用補助器具は、使用者の上体に装着されるボディフレーム1と、使用者の腕に装着される腕支持部4と、これらボディフレーム1と腕支持部4とを連結する連結部材5とを有し、連結部材5が伸縮可能な状態と伸縮不可能な状態とが切り替えられるようにしている。
ボディフレーム1は、使用者の右肩に掛けられる(言い換えると、上体の右側部分に装着される)右ボディフレーム1Aと、使用者の左肩に掛けられる(言い換えると、上体の左側部分に装着される)左ボディフレーム1Bとを、左右一対のものとして有する。
右・左ボディフレーム1A,1Bの材質は、特定のものに限定されるものではなく、例えばボディフレーム1として形成された際の重量や必要とされる強度等が考慮されるなどして適当な材質が適宜選択される。なお、右・左ボディフレーム1A,1Bは、剛体である必要はなく、弾性体であっても構わない。
右・左ボディフレーム1A,1Bの材質としては、具体的には例えば、あくまで一例として挙げると、ポリ塩化ビニル(PVC)などの合成樹脂が用いられ得る。
右・左ボディフレーム1A,1Bのそれぞれは、一体のものとして形成される(言い換えると、一つの部材によって構成される)ようにしても良く、或いは、複数の部材によって構成されるようにしても良い。
ボディフレーム1の装着時の快適性を向上させるため、右・左ボディフレーム1A,1Bの内面の全面若しくは概ね全面に亙りまたは内面の一部に、弾力性を備えるパッド8が取り付けられる。しかしながら、右・左ボディフレーム1A,1Bにパッド8が取り付けられることは本発明において必須の構成ではなく、パッド8が取り付けられないようにしても構わない。
パッド8は、一体のものとして形成される(言い換えると、一つの部材によって構成される)ようにしても良く、或いは、複数の部材によって構成されるようにしても良い。
パッド8の具体的な態様や素材は、特定の構成や種類に限定されるものではなく、例えば装着時の快適性や衛生上の観点などが考慮されて適当なものが適宜選択される。
パッド8は、具体的には例えば、クッション材と当該クッション材をくるむ表皮材とを有するものとして構成されることが考えられる。
この場合、クッション材をくるむ表皮材のうちの右・左ボディフレーム1A,1Bの内面と対向する部分が面ファスナーによって形成されると共に、右・左ボディフレーム1A,1Bの内面に前記面ファスナーと係合する面ファスナーが取り付けられるようにしても良い。これら面ファスナー同士の係合と当該係合の解除とにより、パッド8が右・左ボディフレーム1A,1Bに対して着脱自在であるように構成される。
パッド8がボディフレーム1に対して着脱自在である場合には、手術用補助器具の使用のたびに、パッド8をボディフレーム1から取り外して洗浄したり、パッド8を交換したりすることも可能になり、特に衛生上の観点から好ましい。
また、ボディフレーム1の内側に取り付けられるパッドとして、右・左ボディフレーム1A,1Bの内面の全面若しくは概ね全面を覆うように設けられる全面パッドと、当該全面パッドに対して着脱自在の部分パッド(言い換えると、ブロックパッド)との組み合わせが用いられるようにしても良い。部分パッドは、例えば、平面視において10〜15cm程度の矩形,円形,或いは楕円形などのブロック状のパッドとして形成される。
全面パッドと部分パッドとは、具体的には例えば、全面パッドの表皮材のうちの使用者の体と対向する部分が面ファスナーによって形成され、また、部分パッドの片面に前記面ファスナーと係合する面ファスナーが取り付けられ、これら面ファスナー同士の係合と当該係合の解除とにより、部分パッドが全面パッドに対して着脱自在であるように構成されても良い。そして、全面パッドの表皮材のうちの使用者の体と対向する面の全面若しくは概ね全面が面ファスナーによって形成されることにより、部分パッドの取り付け位置を自由に調節することが可能になる。
部分パッドを有する構成の場合には、使用者の体格や体型に合わせて部分パッドを配置させることによってボディフレーム1の装着時のフィット性を向上させることが可能になり、また、使用者の体とボディフレーム1とが圧着する面積を減らして両者の間に空間を確保することによって通気性を向上させることが可能になる。
また、パッド8または全面パッドや部分パッドのクッション材として、具体的には例えば、ウレタンフォームが用いられる。パッド8などのクッション材としてのウレタンフォームについて、特に通気性の向上のため、除膜処理されて無膜化されたウレタンフォームが用いられることが好ましい。
パッド8または全面パッドや部分パッドのクッション材について、使用者の体とパッド8などとが圧着する面積を減らして両者の間に空間を確保することによって通気性を向上させるため、クッション材の少なくとも使用者と対向する面に凹凸が形成されるようにしても良い。この場合、具体的には例えば、波形の凹凸が形成されるようにしても良い。
パッド8または全面パッドや部分パッドの表皮材のうちの使用者と対向する部分がメッシュ地によって形成されるようにしても良い。メッシュ地が用いられることにより、通気性が確保され得る。
パッド8または全面パッドや部分パッドの表皮材として和紙が用いられるようにしても良い。和紙は、通気性があると共に吸水性があるので装着時におけるボディフレーム1内の蒸れを防止することが可能であり、また、軽量であるので特に連続装着時の疲労を低減させることが可能であり、さらに、抗菌力や消臭力に優れているので衛生上の観点からも好ましい。
パッド8または全面パッドや部分パッドの表皮材について、和紙を含み且つ洗えるように構成されたり加工されたりした素材が用いられるようにしても良い。具体的には例えば、よこ糸が和紙であると共にたて糸が綿である生地が用いられるようにしても良い。
パッド8または全面パッドや部分パッドの表皮材として和紙が用いられる場合も、上述のように面ファスナーによってパッド8などがボディフレーム1に対して着脱自在であるように構成されても良い。これにより、手術用補助器具の使用のたびにパッド8などを洗浄したり交換したりすることが可能になる。
パッド8または全面パッドや部分パッドの表皮材として和紙が用いられる場合は、表皮材としての和紙にくるまれるクッション材の少なくとも使用者と対向する面に凹凸が形成されるようにしても良く、或いは、表皮材としての和紙自体が例えば波形の凹凸状に形成されるようにしても良い。なお、和紙自体を凹凸状に形成する手法としては、例えば、紙漉きの段階で成形する方法や、和紙の乾燥の前若しくは後にプレス加工する方法が挙げられる。
右・左ボディフレーム1A,1Bは、それぞれ、前部1c,肩部1d,及び後部1eを有し、前部1c,肩部1d,後部1eの順に連接して左右側面視において概ね上下逆さのU字形に形成される。
そして、肩部1d部分が使用者の肩に載せられて前部1cが使用者の胸部・腹部の前方に位置すると共に後部1eが使用者の背部の後方に位置する態様で、左右一対の右・左ボディフレーム1A,1Bは、延いては手術用補助器具は、使用者の上体(具体的には、おおよそ胸部から肩を覆って背上部に至るまでの範囲)に装着される。
また、手術用補助器具の装着が容易に行われ得るようにするため、ボディフレーム1は、右ボディフレーム1Aと左ボディフレーム1Bとのそれぞれの前部1c,1cが左右に開くように構成される。
具体的には、右・左ボディフレーム1A,1Bそれぞれの後部1e,1e同士の間に介在させられてヒンジ1f(図に示す例では上下二箇所)が備えられる。そして、これらヒンジ1f,1fにより、右・左ボディフレーム1A,1Bが前部1c,1c側において観音開きのような態様で左右に開くように構成される。なお、ヒンジ1fが右・左ボディフレーム1A,1Bそれぞれの前部1c,1c同士の間に介在させられて備えられて後部1e,1e側において左右に開くように構成されても良い。
また、右・左ボディフレーム1A,1Bの外側においてこれら右・左ボディフレーム1A,1Bそれぞれの前部1c,1cに亙るように留め具2(図に示す例では上下二箇所)が備えられる。そして、これら留め具2,2により、右・左ボディフレーム1A,1Bそれぞれの前部1c,1cが閉じ合わせられた状態で固定され、延いては右・左ボディフレーム1A,1Bが組み合わせられた状態で固定される。
留め具2は、右・左ボディフレーム1A,1Bそれぞれの前部1c,1c同士を閉じ合わせた状態を保持することができると共に当該閉じ合わせた状態を解除することができる仕組みであれば、特定の方法や器具に限定されるものではなく、前記状態の保持と解除とを行い得る適当なものが適宜選択される。留め具2としては、具体的には例えば、あくまで一例として挙げると、面ファスナーが用いられ得る。
また、右ボディフレーム1Aと左ボディフレーム1Bとが左右に開いたり閉じたりし得るようにするための仕組みは、上述のヒンジ1f及び留め具2が用いられる仕組みに限定されるものではなく、両フレーム1A,1Bを開閉し得る適当なものが適宜選択される。
なお、右ボディフレーム1Aと左ボディフレーム1Bとが左右に開いたり閉じたりし得るように構成されることは本発明において必須の構成ではなく、例えばボディフレーム1を頭から被るようにして装着する態様とされる場合などには、ボディフレーム1の一部が左右に開くように構成されなくても良い。
また、手術用補助器具が使用者の上体に装着された際の固定性・安定性を向上させるため、右・左ボディフレーム1A,1B各々の前部1cと後部1eとに架け渡されてこれら前部1cと後部1eとを相互に引き寄せて使用者の胸部及び背部へと密着させるサイドベルト3,3が備えられる。
具体的には、サイドベルト3は、帯状に形成されると共に、使用者の胸部や腰部位置において右・左ボディフレーム1A,1B各々の前部1cと後部1eとに(言い換えると、ボディフレーム1の左右の側部に)架け渡されるように前後方向に配設されて備えられる。
図に示す例ではボディフレーム1の左右の側部のそれぞれにサイドベルト3が一本ずつ備えられるようにしているが、複数本のサイドベルト3が左右の側部のそれぞれに備えられるようにしても良い。
サイドベルト3は、例えば、長手方向の一方の端部が右・左ボディフレーム1A,1Bのうちのどちらか一方に固定されると共に、長手方向の他方の端部が右・左ボディフレーム1A,1Bのうちの他方に着脱自在であるように備えられる。
サイドベルト3は、右・左ボディフレーム1A,1Bの前部1cと後部1eとを相互に引き寄せる程度が、一定であるように構成されても良く、或いは、調節可能であるように構成されても良い。
サイドベルト3は、具体的には例えば、あくまで一例として挙げると、端部にフックが取り付けられると共に当該フックが係止する一個若しくは複数個の係合部が右・左ボディフレーム1A,1Bに形成されるようにしたり、コキ(即ち、ベルト留め具)が取り付けられてベルト長さが可変であるようにされたり、また、面ファスナーが用いられて締め付けの程度が調整可能であるようにされたりすることが考えられる。
サイドベルト3は、例えば布部材や皮革部材などの非弾性素材で形成されるようにしても良く、或いは、例えばゴムなどの弾性素材で形成されるようにしても良い。
なお、例えば気体の注入・排出によって膨張・収縮可能な気体袋がボディフレーム1の内側に設けられて当該気体袋が膨張させられることによって手術用補助器具が使用者の上体に装着された際の固定性・安定性が確保され得る場合などには、サイドベルト3が備えられないようにしても良い。
手術用補助器具が使用者の上体に装着された際の固定性・安定性を向上させるため、また、ボディフレーム1の前部1cの内側(即ち、前部1cの使用者側)に、胸骨当接機構が備えられるようにしても良い。なお、図1乃至図6に示す例では、胸骨当接機構は図示されていない。
胸骨当接機構は、ボディフレーム1に対して取り付けられると共に手術用補助器具の使用者の胸骨に当接する部位を有し、使用者の胸骨を土台としてボディフレーム1を支持することにより、手術用補助器具の装着時における、使用者の上体に対する手術用補助器具のぶれを抑制して使用者の腕の姿勢の保持の安定性を一層向上させるための仕組みである。
ここで、人間の胸骨部には筋肉が無い若しくは殆ど無いため、胸骨部に当接機構が配置されて設けられることによって当該当接機構を骨に直接当接させることが可能である。このため、胸骨部に当接機構が備えられることは、手術用補助器具のぶれの抑制と安定性の向上のために好ましい。また、ボディフレーム1を支持するための仕組みを胸骨に当接させるようにすることにより、大胸筋をはじめとする胸筋を圧迫することが無く、手術用補助器具の装着時の快適性を向上させることが可能になる。特に、手術用補助器具を女性が装着する場合における、手術用補助器具による胸部の圧迫や、手術用補助器具を胸部によって支持することによる不安定状態を回避することが可能になる。
本実施形態の胸骨当接機構10は、図7乃至図13に示すように、ボディフレーム1の前部1cに対して取り付けられる固定部11と、当該固定部11に対して連結される当接部12とを有する。
固定部11は、右ボディフレーム1Aの前部1cに対して取り付けられる右固定部11Aと、左ボディフレーム1Bの前部1cに対して取り付けられる左固定部11Bとを有する。なお、図7A,図8A,及び図9Aはいずれも、ボディフレーム1の内側から前部1cの内面を見た場合における、ボディフレーム1の前部1cに対して取り付けられた状態の姿勢の胸骨当接機構10の各部を説明する図である。
右・左固定部11A,11Bは、本実施形態では、右・左ボディフレーム1A,1Bの外側に取り付けられる留め具2,2と同じ高さ位置の、右・左ボディフレーム1A,1Bの内側に取り付けられる。
右固定部11Aは、板状の取付部11cと、当該取付部11cと連接して後ろ向きに、即ち使用者側に突出する嵌合突部11dとを有する。
取付部11cには、当該取付部11cを前後方向に貫通する複数のビス穴11eが形成される。そして、取付部11cが右ボディフレーム1Aの前部1cの縁の内側面に当てられた状態で複数のビス穴11eを介してビス止めされることにより、右固定部11Aが前部1cに対して固定されて取り付けられる。
右固定部11Aの嵌合突部11dは図に示す例では上下一対のものとして形成される。そして、各嵌合突部11dには、当該嵌合突部11dを左右方向に貫通する嵌合穴11fが形成される。
左固定部11Bは、板状の取付部11gと、当該取付部11dと連接する機構部11hとを有する。
取付部11gには、当該取付部11gを前後方向に貫通する複数のビス穴11iが形成される。そして、取付部11gが左ボディフレーム1Bの前部1cの縁の内側面に当てられた状態で複数のビス穴11iを介してビス止めされることにより、左固定部11Bが前部1cに対して固定されて取り付けられる。
機構部11hには、上下一対の嵌合凹部11j,11j、嵌合突起11k,11k、長穴11m,11m、及びねじ穴11n,11n、並びに、支持穴11pが設けられる。
上下一対の嵌合凹部11j,11jは、それぞれ、右固定部11Aの上下一対の嵌合突部11d,11dと左右方向において対向する位置に設けられ、左向きに凹んで嵌合突部11d,11dのそれぞれが嵌まり込む形状に形成される。
そして、右・左ボディフレーム1A,1Bそれぞれの前部1c,1c同士が閉じ合わされた状態において、右固定部11Aの嵌合突部11dと左固定部11Bの嵌合凹部11jとが上下それぞれにおいて嵌まり合う。
上下一対の嵌合突起11k,11kは、それぞれ、上下一対の嵌合凹部11j,11jの底部において、右固定部11Aの嵌合穴11f,11fと左右方向において対向する位置に設けられ、これら嵌合穴11f,11fに向けて突出すると共にこれら嵌合穴11f,11fのそれぞれに嵌まり込む円柱状に形成される。
そして、右・左ボディフレーム1A,1Bそれぞれの前部1c,1c同士が閉じ合わされた状態において、左固定部11Bの嵌合突起11kが右固定部11Aの嵌合穴11fへと上下それぞれにおいて嵌まり込む。
上下一対の長穴11m,11mは、それぞれ、機構部11hの上端寄りの位置と下端寄りの位置とにおいて使用者と対向する面に開口すると共に前後方向に穿たれ、上下方向を長手方向として細長い溝状の穴として形成される。
上下一対のねじ穴11n,11nは、それぞれ、機構部11hの上端面と下端面とに開口すると共に上下方向に穿たれる。これによってねじ穴11nの穿孔方向と長穴11mの穿孔方向とは直交し、且つ、ねじ穴11nと長穴11mとが交叉して連通するように形成される。
支持穴11pは、機構部11hの上下方向における中央位置において使用者と対向する面に開口すると共に前後方向に穿たれ、また、開口の径よりも底部の径の方が小さいテーパ状の穴として形成される。また、支持穴11pの底部に、支持穴11pと連通して機構部11hを貫通するねじ穴11qが形成される。
当接部12は、左固定部11Bの機構部11hに取り付けられる。当接部12は、当接部材12aと、当該当接部材12aに対して固定されて設けられる上下一対の傾斜突起12b,12b及び揺動支柱12cとを有する。
当接部材12aは、主要部が概ね板状に形成され、手術用補助器具の装着状態において一面が使用者と対向して胸骨に概ね面として当接するように配設される。使用者と対向する一面には、胸骨に当接するクッション材として弾性部材が備えられることが好ましい。
板状の当接部材12aの、使用者と対向する面と反対側の面に、上下方向に配列され且つ各々が前向きに突出する板状に形成された上下一対の傾斜突起12b,12bが設けられる。
上側の傾斜突起12bは、上側の辺が前後水平方向に対して下向きに傾斜するように形成され、また、下側の傾斜突起12bは、下側の辺が前後水平方向に対して上向きに傾斜するように形成される。
板状の当接部材12aの、使用者と対向する面と反対側の面に、さらに、前向きに突出する円柱状の揺動支柱12cが設けられる。揺動支柱12cは、上下一対の傾斜突起12b,12bの間に、更に言えば当接部材12aの板面の中心部に、設けられる。
揺動支柱12cは、左固定部11Bの支持穴11pの底部の径よりも僅かに小さい径の円柱状に形成される。したがって、支持穴11pの内周面と揺動支柱12cの外周面との間の隙間は、支持穴11pの底部から開口部に向かって次第に大きくなる。これにより、左固定部11Bの支持穴11pに対して揺動支柱12cが揺動可能であるように構成される。
当接部12には、また、ねじ収容穴12dが形成される。ねじ収容穴12dは、当接部材12aの使用者と対向する面において開口すると共に当接部材12aを貫通して揺動支柱12cの内部へと至る穿孔として形成される。
ねじ収容穴12dの底部に、ねじ収容穴12dと連通して揺動支柱12cを貫通する貫通孔12eが形成される。
そして、当接部12の一対の傾斜突起12b,12bのそれぞれが左固定部11Bの一対の長穴11m,11mへと差し込まれると共に当接部12の揺動支柱12cが左固定部11Bの支持穴11pへと差し入れられる。
また、当接部12の揺動支柱12cが左固定部11Bの支持穴11pへと差し入れられた状態で、ねじ収容穴12dの当接部材12aにおける開口からねじ13が差し入れられる。
この際、当接部12の揺動支柱12cとねじ13との間に介在するように、ねじ13の軸部を中心空間に貫通させ且つねじ13の頭部に当接して係止するコイルばね14が配設される。
ねじ収容穴12dへと差し入れられたねじ13は、ねじ収容穴12dの底部の貫通孔12eから先端部分が突出する。そして、ねじ13の先端部分が左固定部11Bの支持穴11pの底部のねじ穴11qにねじ込まれる。これにより、ねじ13がねじ穴11qに係合する。
これにより、ねじ13と揺動支柱12cを介して、また、コイルばね14を介在させて、左固定部11Bに対して当接部12が取り付けられる。ここで、貫通孔12eはねじ13の径よりも大きな径の孔として形成されてこれらの間には隙間が設けられ、ねじ13に対して揺動支柱12cが可動であるように構成される。また、コイルばね14は、揺動支柱12cの底部を内側から前方へと押すように付勢し、当接部12を左固定部11Bに対して押し付けようとする働きをする。
また、左固定部11Bの上下一対のねじ穴11n,11nのそれぞれに調節ねじ15がねじ込まれる。これら調節ねじ15は、ねじ穴11nに係合すると共に、長穴11mへと差し込まれた傾斜突起12bの傾斜辺と当接する。
ねじ穴11nに係合している調節ねじ15の位置(言い換えると、ねじ込みの程度)が変えられると、長孔11mに差し込まれている傾斜突起12bの差し込みの程度が変えられ、延いては左固定部11Bに対する当接部12の位置や姿勢が変化する。このとき、左固定部11Bに対してねじ13は固定されている一方で、ねじ13に対して揺動支柱12cは可動であると共に、左固定部11Bの支持穴11pに対しても揺動支柱12cは揺動可能であるので、左固定部11Bに対して当接部12の位置や姿勢は変化可能である。
具体的には例えば、上下の調節ねじ15,15をねじ穴11nへと同程度ねじ込んだり(言い換えると、押し込んだり)ねじ穴11nから同程度ねじ戻したり(言い換えると、引き戻したり)することにより、当接部12を左固定部11Bに対して平行移動させることができ、延いては当接部12をボディフレーム1の前部1cに対して平行移動させることができ、使用者の体格に合わせて当接部12を使用者の胸骨に適切に当接させることが可能になる。
また、上下の調節ねじ15,15のねじ穴11nへのねじ込みの程度を上下で変えることにより、当接部12を左固定部11Bに対して傾斜させることができ、延いては当接部12をボディフレーム1の前部1cに対して傾斜させることができ、使用者の体型に合わせて当接部12を使用者の胸骨に的確に当接させることが可能になる。
続いて、右・左ボディフレーム1A,1Bに設けられる機序について説明する。
ここで、以下の本実施形態についての説明では、右・左ボディフレーム1A,1Bのそれぞれに共通に設けられる機序を説明する。そこで、図面においては各機序に同一の符号を付すると共に、以下の本実施形態についての説明においては各機序が右・左ボディフレーム1A,1Bのそれぞれに設けられることを前提として説明する(具体的には、例えば、「左右の」,「左右それぞれの」,または「左右一対の」などとことわらない)。
腕支持部4は、腕を周方向において取り巻くように使用者の腕に取り付けられ、使用者の腕の姿勢を固定して保持する際に保持具として機能するものである。
腕支持部4は、支持フレーム4aと支持ベルト4b(図に示す例では二本)とを有し、これら支持フレーム4aと支持ベルト4bとによって使用者の腕を周方向に取り巻くものとして構成される。
支持フレーム4aは、使用者の腕にフィットするように、腕の周方向における表面形状に沿うように湾曲する板状に形成される。
支持フレーム4aの材質は、特定のものに限定されるものではなく、例えば支持フレーム4aとして形成された際の重量や必要とされる強度等が考慮されるなどして適当な材質が適宜選択される。なお、支持フレーム4aは、剛体である必要はなく、弾性体であっても構わない。
支持フレーム4aの材質としては、具体的には例えば、あくまで一例として挙げると、ポリ塩化ビニル(PVC)などの合成樹脂が用いられ得る。
腕支持部4の装着時の快適性を向上させるため、支持フレーム4aの内面の全面に亙り、弾力性を備えるパッド9が取り付けられる。しかしながら、支持フレーム4aにパッド9が取り付けられることは本発明において必須の構成ではなく、パッド9が取り付けられないようにしても構わない。
本実施形態では、腕支持部4のうちの、支持フレーム4aが使用者の腕の上側部分(言い換えると、使用者が腕を身体の左右に下げた状態における左右方向の外側)に位置すると共に、支持ベルト4bが使用者の腕の下側部分(言い換えると、使用者が腕を身体の左右に下げた状態における左右方向の内側)に位置するように構成される。
支持ベルト4bは、帯状に形成されると共に、支持フレーム4aと共に使用者の腕を取り巻くように前記腕の周方向に配設されて備えられる。
支持ベルト4bは、例えば、長手方向の一方の端部が支持フレーム4aの周方向の一方の端部に固定されると共に、長手方向の他方の端部が支持フレーム4aの周方向の他方の端部に着脱自在であるように備えられる。
支持ベルト4bは、支持フレーム4aを使用者の腕に密着させる程度が、一定であるように構成されても良く、或いは、調節可能であるように構成されても良い。
支持ベルト4bは、具体的には例えば、あくまで一例として挙げると、端部にフックが取り付けられると共に当該フックが係止する一個若しくは複数個の係合部が支持フレーム4aに形成されるようにしたり、コキ(ベルト留め具)が取り付けられてベルト長さが可変であるようにされたり、また、面ファスナーが用いられて締め付けの程度が調整可能であるようにされたりすることが考えられる。
腕支持部4は、当該腕支持部4が装着される部位において使用者の腕を、当該腕の軸回転を許容しないように強く締め付けるようにしても良く、或いは、当該腕の軸回転を許容し得る程度に締め付けるようにしても良い。
そして、ボディフレーム1と腕支持部4とが、連結部材5を介して連結される。
連結部材5は、ボディフレーム1と腕支持部4との相互の位置関係が変更可能である状態と、ボディフレーム1と腕支持部4との相互の位置関係が固定されて変更不可能である状態との切り替えを可能にしつつ、これらボディフレーム1と腕支持部4とを連結する。
言い換えると、連結部材5は、使用者の腕が自由に動ける状態と、使用者の腕の姿勢が固定されて保持される状態との切り替えを可能にしつつ、ボディフレーム1と腕支持部4とを連結する。
図に示す例では、一方の端部5fがボディフレーム1の肩部1dの上部(言い換えると、頂部)に連結されると共に他方の端部5gが腕支持部4の支持フレーム4aの上面(言い換えると、使用者が腕を身体の左右に下げた状態において左右方向の外側に位置する支持フレーム4aの、左右方向の外側面)に連結される連結部材5Aと、一方の端部5fがボディフレーム1の肩部1dの前面(若しくは、前部1cの前面)に連結されると共に他方の端部5gが腕支持部4の支持フレーム4aの前面(言い換えると、使用者が腕を身体の左右に下げた状態において左右方向の外側に位置する支持フレーム4aの、前側面)に連結される連結部材5Bと、一方の端部5fがボディフレーム1の後部1eの後面に連結されると共に他方の端部5gが腕支持部4の支持フレーム4aの後面(言い換えると、使用者が腕を身体の左右に下げた状態において左右方向の外側に位置する支持フレーム4aの、後側面)に連結される連結部材5Cとが設けられる。
ここで、本発明の説明において、複数の連結部材5A,5B,5Cのうちのいずれであるかを特定する必要がないときや、複数の連結部材5A,5B,5Cを一つの集まりとして取り扱うときは、単に「連結部材5」と表記する。
また、連結部材5について、ボディフレーム1の正面視における、ボディフレーム1との連結位置(即ち、前述の説明における一方の端部5f)の上下方向位置と腕支持部4との連結位置(即ち、前述の説明における他方の端部5g)の上下方向位置とが同一(即ち、同じ高さ)である姿勢、若しくは、ボディフレーム1との連結位置(前述の説明における一方の端部5f)の上下方向位置よりも腕支持部4との連結位置(前述の説明における他方の端部5g)の上下方向位置が低い姿勢のことを吊り下げ態様と呼ぶ。
連結部材5について、さらに、ボディフレーム1の正面視における、ボディフレーム1との連結位置(前述の説明における一方の端部5f)の上下方向位置よりも腕支持部4との連結位置(前述の説明における他方の端部5g)の上下方向位置が高い姿勢のことを受け支え態様と呼ぶ。
図に示す例では、手術用補助器具を装着した使用者が腕を下げた状態(図1乃至図5)では三個の連結部材5の全てが吊り下げ態様であり、且つ、使用者が腕を水平になるまで上げた状態(図6)では三個の連結部材5のうちの二個の連結部材5A,5Bが吊り下げ態様であると共に一個の連結部材5Cが受け支え態様であるように各連結部材5が配設される。
図に示す例では、すなわち、腕支持部4の位置に因らずに、言い換えると、使用者の腕がどのような姿勢であっても、三個の連結部材5のうちの二個は常に吊り下げ態様であり、一方で、常に受け支え態様である連結部材5はない。
ここで、腕支持部4は、使用者の上腕部分に装着されて上腕を保持するようにしても良く、或いは、使用者の前腕部分に装着されて前腕を保持する(さらに、前腕の保持によって上腕を保持する)ようにしても良い。さらに言えば、左右のうちの一方の腕支持部4が使用者の上腕に装着されて上腕を保持し、他方の腕支持部4が使用者の前腕に装着されて前腕を保持する(さらに、前腕の保持によって上腕を保持する)ようにしても良い。
なお、図に示す例は、腕支持部4が使用者の上腕に装着されることを想定したものであり、この場合に適当であると考えられる、連結部材5を含む各部・各部材の大凡の寸法を前提とするものである。したがって、腕支持部4が使用者の前腕に装着される場合には、例えば連結部材5の軸方向の寸法は図に示す例と比べて大きく(即ち、長く)なると考えられる。ただし念のために付け加えると、図に示す手術用補助器具の各部・各部材の寸法は厳密なものではない。
連結部材5は、一方の端部5fがボディフレーム1に球面軸受(ロッドエンドベアリング,スフェリカルジョイント,或いは球面関節とも呼ばれる)によって連結されると共に、他方の端部5gが腕支持部4の支持フレーム4aに球面軸受によって連結される。
なお、図に示す例では、連結部材5の、ボディフレーム1の肩部1dの上部に連結される一方の端部5fと、ボディフレーム1の後部1eの後面に連結される一方の端部5fとにおいて、両端部が球体状に形成された短ロッドを使用した二連の球面軸受けが用いられるようにしている。この二連の球面軸受けが用いられることにより、連結部材5とボディフレーム1との連結位置が調節され、例えば腕支持部4の可動範囲,使用者の腕の動きへの追従性,或いは腕支持部4の拘束の堅確性などが調整され得る。このため、必要に応じ、連結部材5の他の連結部(即ち、一方の端部5f,他方の端部5g)においても二連の球面軸受けが用いられるようにしても良い。しかしながら、連結部材5の連結部(一方の端部5f,他方の端部5g)において二連の球面軸受けが用いられることは必須の構造ではなく、通常の(言い換えると、単独の)球面軸受けが用いられるようにしても構わない。
連結部材5は、軸方向に移動して出没の程度が変化するロッド5eを有する伸縮機構5dを含み、当該伸縮機構5dによって伸縮可能(即ち、長さ可変)であるものとして構成される。
連結部材5に含まれる伸縮機構5dは、連結部材5の一方の端部5fと他方の端部5gとの間の寸法が外力の働く向きに合わせて自由に変化し得る状態(「ロック解除状態」と呼ぶ)と外力が働いても変化しない状態(「ロック状態」と呼ぶ)との切り替えが可能なものであれば、特定の機構や仕組みに限定されるものではなく、例えば前記寸法が変化しないようにするために必要とされる拘束力や仕組みの大きさなどが考慮された上で適当なものが適宜選択される。
連結部材5の伸縮機構5dとしては、あくまで一例として挙げると、ロッド5eとして軸直角断面が円形である丸棒状のものが用いられ、当該ロッド5eとコイルばねとの摩擦力を利用したロック機構が用いられ得る。
具体的には、ロッド5eの外周に巻き回されると共にロッド5eの外径よりも内径が僅かに小さく且つ端部に係止部が設けられたコイルばねを備え、当該コイルばねに外力が与えられていない状態ではコイルばね自身の弾力による巻き締めによって当該コイルばねの内面がロッド5eの外周面に密接して摩擦力によってロッド5eが軸方向に移動しないようにロックされてロック状態になり、一方、コイルばねの係止部と嵌合する係合部が設けられた操作片を介してコイルばねに外力が与えられて巻き戻す向きに捩られるとコイルばねの内径が拡大してロッド5eに対する摩擦力が解放されてロッド5eが軸方向に移動し得るようにロックが解除されてロック解除状態になるロック機構が用いられ得る。なお、このようなロック機構の具体的な仕組みの参考として、例えば、特公平7−58085に記載の摩擦ロック機構が挙げられる。
伸縮機構5dとして上述のような丸棒状のロッド5eとコイルばねとの摩擦力を利用したロック機構が用いられることにより、使用者の意図した通りにロッド5eの出没の程度を無段階で調節した上でロック状態にすることができる。
なお、伸縮機構5dとして上述のようなロック機構が用いられる場合には、一つの伸縮機構5dに、コイルばねは、一個備えられるようにしても良く、或いは、複数個備えられるようにしても良い。
そして、連結部材5の伸縮機構5dがロック状態であるときは、使用者の腕によって腕支持部4に掛けられる荷重は、連結部材5を介してボディフレーム1及びパッド8に伝えられ、サイドベルト3,3(また、備えられている場合には胸骨当接機構)の働きにもより、使用者の上体によって受け支えられて支持される。これにより、使用者の腕の姿勢が固定されて安定的に保持される。
また、右・左ボディフレーム1A,1Bのそれぞれの後部1e,1eの、カバー1gによって覆われた空間に、伸縮機構5dのロック状態とロック解除状態との切り替えを制御するための回路基板や、前記状態の切り替えに必要とされる電力を伸縮機構5dに供給するためのバッテリが収納される。
上述のロッド5eとコイルばねとの摩擦力を利用したロック機構の場合には、電動モータを動力源として操作片が所定の動きをすることによってコイルばねの巻き締めと巻き戻しとが制御され、これにより、伸縮機構5dにおけるロッド5eの軸方向の移動のロックと当該ロックの解除とが制御され、延いては、連結部材5としての伸縮の可能・不可能が制御される。
なお、上述のロッド5eとコイルばねとの摩擦力を利用したロック機構の場合には、コイルばねに外力が与えられていない状態ではコイルばね自身の弾力による巻き締めによってロッド5eがロックされるので、手術用補助器具の使用中にバッテリの消耗などによって電力が供給されなくなったとしても伸縮機構5dはロック状態が維持され得るので、腕支持部4によって保持されている使用者の腕が不意に自由になってしまうことがない。このため、腕の姿勢は保持されたままであり、この点において手術用補助器具としての安全性や信頼性が損なわれることがない。
さらに付け加えると、連結部材5の個数や配設の仕方(言い換えると、取付位置)によって腕支持部4が大凡固定されつつも多少の移動が許容されるように自由度を敢えて残して構成することも可能であり、この場合には上述のロック機構の伸縮機構5dのロック状態が維持される事態になったとしても腕支持部4が多少は移動することができる。このため、使用者が腕支持部4によって保持されている腕を多少は動かすことができるので、最低限の安全性が確保されると言える。
また、伸縮機構5dのロック状態とロック解除状態との切り替えを制御するための操作部6が、右・左ボディフレーム1A,1Bの肩部1dに設けられる。
操作部6は、手術用補助器具を装着した使用者の下顎の下方の、使用者が頭部を左右に傾けることによって操作され得る(具体的には、押され得る)位置に取り付けられる。
そして、使用者が手術用補助器具を装着した状態で頭部を左右に傾けることによって操作部6の操作片が押し下げられるたびに伸縮機構5dのロック状態とロック解除状態とが切り替えられる。
操作片を含む操作部6の形態や操作部6が取り付けられる位置は、図に示す例における形態や位置に限定されるものではなく、使用者が頭部を傾けることによって操作可能である形態や位置が適宜選択される。
なお、右ボディフレーム1Aに設けられている操作部6が操作されることによって右ボディフレーム1Aに取り付けられている全ての連結部材5の伸縮機構5dのロック状態とロック解除状態とが同時に切り替えられ、左ボディフレーム1Bに設けられている操作部6が操作されることによって左ボディフレーム1Bに取り付けられている全ての連結部材5の伸縮機構5dのロック状態とロック解除状態とが同時に切り替えられる。
あるいは、右ボディフレーム1Aに設けられている操作部6若しくは左ボディフレーム1Bに設けられている操作部6が操作されることによって右ボディフレーム1Aに取り付けられている全ての連結部材5の伸縮機構5dと左ボディフレーム1Bに取り付けられている全ての連結部材5の伸縮機構5dとのロック状態とロック解除状態とが同時に切り替えられるようにしても良い。
また、右ボディフレーム1Aに取り付けられている連結部材5の伸縮機構5d毎に操作部6が設けられたり、左ボディフレーム1Bに取り付けられている連結部材5の伸縮機構5d毎に操作部6が設けられたりすることにより、各連結部材5のロック状態とロック解除状態との切り替えが個別に制御されるようにしても良い。
また、伸縮機構5dがロック状態であるのかロック解除状態であるのかを使用者に知らせるため、操作部6が発光部6aを備え、操作部6が操作されるたびに伸縮機構5dのロック状態とロック解除状態とに連動して発光部6aが点灯したり消灯したりするようにしても良い。
なお、伸縮機構5dの作動や制御に纏わる配線は、右・左ボディフレーム1A,1Bとパッド8との間に可能な限り配設されることが好ましい。
以上のように構成された手術用補助器具によれば、ボディフレーム1と腕支持部4とを連結する連結部材5の伸縮可能なロック解除状態と伸縮不可能なロック状態とが切り替えられるようにしているので、連結部材5が伸縮可能なロック解除状態であるときには腕支持部の移動の自由を制約することなく使用者の上腕と前腕との自由な姿勢変化を確保すると共に連結部材5が伸縮不可能なロック状態に切り替えられることによって腕支持部4の移動の自由度を低減させて使用者の腕の姿勢変化を制約することができるので、必要に応じて使用者の腕の姿勢変化が制約される分だけ当該腕の姿勢が保持されることになって使用者の疲労を軽減することが可能になる。特に、上述の実施形態では三個の連結部材5が用いられてボディフレーム1と腕支持部4とが連結されるようにしているので、ボディフレーム1と腕支持部4との相互の位置関係の自由度を任意に構成することができ、例えば両者の相互の位置関係を完全に若しくは大凡完全に固定することができ、必要に応じて使用者の腕を固定して当該腕の姿勢を保持することによって使用者の疲労を大幅に軽減することが可能になる。
なお、上述の形態は本発明を実施する際の好適な形態の一例ではあるものの本発明の実施の形態が上述のものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において本発明は種々変形実施可能である。
例えば、上述の実施形態では腕支持部4が左右一対のものとして備えられるようにしているが、姿勢を保持することが必要とされる対象が使用者の左右の腕のうちの一方のみである場合などには、腕支持部4が左右のうちのどちらか一方のみに備えられるようにしても良い。
また、上述の実施形態では腕支持部4の支持フレーム4aが使用者の腕の上側部分(言い換えると、使用者が腕を身体の左右に下げた状態における左右方向の外側)に位置すると共に支持ベルト4bが使用者の腕の下側部分(言い換えると、前記左右方向の内側)に位置し且つ三個の連結部材5のうちの二個は常に吊り下げ態様であると共に常に受け支え態様である連結部材5はないようにしているが、腕支持部4の支持態様(言い換えると、連結部材5の配設態様)はこれに限られるものではなく、例えば、常に吊り下げ態様である連結部材5は一個のみであるようにしても良く、また、腕支持部4の支持フレーム4aが使用者の腕の下側部分(言い換えると、前記左右方向の内側)に位置すると共に支持ベルト4bが使用者の腕の上側部分(言い換えると、前記左右方向の外側)に位置し且つ連結部材5のうちの少なくとも一個が常に受け支え態様であるように配設される(なお、腕支持部4側の他方の端部5gは支持フレーム4aの下面、言い換えると前記左右方向の内側面に連結される)ようにしても良い。
また、上述の実施形態ではボディフレーム1と腕支持部4とが三個の連結部材5A,5B,5Cによって連結されるようにしているが、ボディフレーム1と腕支持部4との連結態様はこれに限られるものではなく、ボディフレーム1と腕支持部4とが、一個若しくは二個の連結部材5によって連結されるようにしても良く、或いは、四個以上の連結部材5によって連結されるようにしても良い。さらに言えば、例えば右側の腕支持部4が三個の連結部材5によって連結されると共に左側の腕支持部4が二個の連結部材5によって連結されるなどのように、連結部材5の個数が左右で異なるようにしても良い。なお、上述の実施形態のように腕支持部4の周方向(言い換えると、使用者の腕周り)において離間して少なくとも三個の連結部材5が取り付けられると共にこれら連結部材5の伸縮が制御されることによってボディフレーム1に対する腕支持部4の移動が制限されて相互の位置関係が完全に若しくは大凡完全に固定され得るように構成されるものの、腕の特定の動きが許容された方が使用者にとって都合が良い(言い換えると、利便性が高い)場合には許容されるべき腕の動きが実現され得るように個数や配設の仕方(言い換えると、取付位置)などが調整されて一個若しくは二個の連結部材5が取り付けられるようにしても良い。
また、上述の実施形態では連結部材5の全てが伸縮機構5dを含んで伸縮可能であると共に全ての連結部材5の両端5f,5gが球面軸受によって連結されることによって伸縮機構5dがロック解除状態であるときには使用者の腕の自由な動き(言い換えると、腕支持部4のあらゆる移動)が確保されるようにしているが、ロック解除状態における使用者の腕の自由な動き(腕支持部4のあらゆる移動)は本発明において必須の要件ではない。すなわち、例えば使用者の腕の特定の動きが許容されなくても良い場合や特定の動きが許容されない方が寧ろ良い場合には、腕の特定の動きが許容されないように、少なくとも一部の連結部材5として伸縮しない長さ固定のもの(具体的には例えば、両端に連結部を備える単なるロッド)が用いられたり、ボディフレーム1や腕支持部4と連結部材5との連結のうちの少なくとも一部が軸部材を介して特定方向のみ揺動可能であるようにされたり予め定められた所定の角度で固定されたりするようにしても良い。なお、長さ固定の連結部材5が用いられる場合には、使用者の体格・体型や作業内容などに応じて適切なものが選択され得るように、長さの異なる複数の連結部材5が準備されるようにしても良い。
また、上述の実施形態では伸縮機構5dとして丸棒状のロッド5eとコイルばねとの摩擦力を利用したロック機構が用いられるようにしているが、伸縮機構5dの仕組みはこれに限られるものではなく、ロッド5eの出没の程度を無段階で調節することができると共にロック状態とロック解除状態とを切り替えることができる種々の仕組みが用いられ得る。具体的には例えば、ロッド5eの周囲に配設されると共に膨張・収縮可能な人工筋肉が用いられて当該人工筋肉との摩擦力によってロッド5eがロックされたり当該ロックが解除されたりする仕組みや、ロッド5eと連携するボールねじを使用した電動アクチュエータが用いられて当該電動アクチュエータによるボールねじの制動によってロッド5eがロックされたり当該ロックが解除されたりする仕組みが用いられ得る。
また、上述の実施形態では操作部6が右・左ボディフレーム1A,1Bの肩部1dに取り付けられて使用者が頭部を左右に傾けることによって操作されるようにしているが、操作部6の取り付け態様はこれに限られるものではなく、伸縮機構5dを制御するための回路と制御信号の送受信が可能であるように有線若しくは無線による信号送受の仕組みによって電気的に接続されるフットペダルとして操作部が備えられて使用者が足で踏むことによって操作部であるフットペダルが操作されるようにしても良い。
また、上述の実施形態では操作部6の操作片が押し下げられて操作されることによって伸縮機構5dのロック状態とロック解除状態とが制御されるようにしているが、伸縮機構5dの制御態様はこれに限られるものではなく、例えば、操作部6の位置にこれに代わって音声検出部(具体的には例えばマイクロホン)が取り付けられると共に当該音声検出部に使用者の音声が入力されることによって伸縮機構5dが制御されるようにしても良い。この場合には、具体的には例えば、伸縮機構5dを制御するための回路が音声認識部と記憶部とを有するように構成され、音声検出部によって検出された使用者の音声が音声認識部に入力されると共に記憶部に予め記憶された音声パターンから使用者の音声に一致する音声パターンが音声認識部によって検索され、前記使用者の音声に一致する音声パターンがある場合に当該音声パターンに対応する制御信号が伸縮機構5dに入力されて制御されるようにしても良い。
また、上述の実施形態では、ボディフレーム1(具体的には、右・左ボディフレーム1A,1B)が前部1c,肩部1d,及び後部1eを有するものとして構成されるようにしているが、使用者の身体(胴体)に装着されるフレームが前部1c,肩部1d,及び後部1eの全てを有することは必ずしも必要ではない。具体的には例えば、前部1cと後部1eとのうちの少なくとも一方を有しないようにして胴を回るベルト等によって装着されるようにしても良く、或いは、肩部1dを有しないようにして肩に掛かるベルト等によって装着されるようにしても良い。さらに、使用者の身体(胴体)に装着されるフレームは、上述の実施形態のようにおおよそ胸部から肩を覆って背上部に至るまでの範囲に装着される態様のほか、腹部や腰部に装着されるようにしても良い。この点において、本発明における「上体」は、胸部,肩,及び背上部に加え、腹部,背下部,及び腰部を含む意で用いられている。
さらに言えば、本発明の手術用補助器具の具体的な形状や形態は、図1乃至図6に示す例に限定されるものではなく、種々の形状や形態が選択され得る。具体的には例えば図14及び図15に示すような形状及び形態であっても良い。図14及び図15に示す例では、左右の発光部6a,6aが、使用者の視界に入り易いように、右・左ボディフレーム1A,1Bそれぞれの前部1c,1cから前方斜め上方に延出するように設けられた棒部材の先端部(即ち、上端部)に設けられるようにしている。また、腕支持部4の支持フレーム4aが使用者の腕を周方向に一回り取り巻くものとして構成されると共に、支持ベルトが左右一本ずつであるようにしている。
また、連結部材5のうちのボディフレーム1の肩部1dの上部(言い換えると、頂部),肩部1dの前面(若しくは、前部1cの前面),或いは後部1eの後面に連結される一方の端部5fの構成について、図14及び図15に示す例のように伸縮機構5dから延出して形成された球体部がボディフレーム1側の各部に設けられた軸受けに直接連結されるようにしても良く(図16)、或いは、図17に示すようにボディフレーム1側の各部と伸縮機構5dとの間に配設された両端部が球体状に形成された短ロッド5hを使用した二連の球面軸受けを介して連結されるようにしても良い。なお、二連の球面軸受けは、だるま型の軸受けとも呼ばれ得る。図17に示すような二連の球面軸受けが用いられることにより、腕支持部4の可動範囲の拡大や、使用者の腕の動きへの追従性及び腕支持部4の拘束の堅確性などの調整が可能になる。
本発明の手術用補助器具は、例えば、手術時の施術者や補助者などが長時間に亙って姿勢を保持する必要がある場合に特に腕の疲労を大幅に軽減することができるので、医療等の分野で利用価値が高い。
1 ボディフレーム
1A 右ボディフレーム
1B 左ボディフレーム
1c 前部
1d 肩部
1e 後部
1f ヒンジ
1g カバー
2 留め具
3 サイドベルト
4 腕支持部
4a 支持フレーム
4b 支持ベルト
5 連結部材
5A,5B,5C 連結部材
5d 伸縮機構
5e ロッド
5f 連結部材のボディフレーム側の端部(一方の端部)
5g 連結部材の腕支持部側の端部(他方の端部)
6 操作部
6a 発光部
8 ボディフレーム(右・左ボディフレーム)のパッド
9 腕支持部(支持フレーム)のパッド

Claims (7)

  1. 使用者の上体に装着されるボディフレームと、前記使用者の腕に装着される腕支持部と、これらボディフレームと腕支持部とを連結する連結部材とを有し、前記連結部材が伸縮可能な状態と伸縮不可能な状態とが切り替えられることを特徴とする手術用補助器具。
  2. 前記ボディフレームと前記腕支持部とが複数の前記連結部材によって連結されることを特徴とする請求項1記載の手術用補助器具。
  3. 前記連結部材の前記伸縮可能な状態と前記伸縮不可能な状態との切り替えを制御するための操作部が前記ボディフレームの肩部に設けられることを特徴とする請求項1記載の手術用補助器具。
  4. 軸方向に移動して出没の程度が変化するロッドと当該ロッドの外周に巻き回されるコイルばねとを有する伸縮機構を前記連結部材が含み、前記コイルばねの巻き締めによる当該コイルばねの内面と前記ロッドの外周面との摩擦力で前記ロッドをロックすることによって前記連結部材が前記伸縮不可能な状態になることを特徴とする請求項1記載の手術用補助器具。
  5. 前記連結部材のうちの少なくとも一部が、常に、前記ボディフレーム側の一端と前記腕支持部側の他端とが同じ高さ、または、前記ボディフレーム側の一端よりも前記腕支持部側の他端の方が低いように配設されることを特徴とする請求項1記載の手術用補助器具。
  6. 前記ボディフレームに取り付けられて前記使用者の胸骨に当接する胸骨当接機構が備えられることを特徴とする請求項1記載の手術用補助器具。
  7. 着脱自在の単数若しくは複数のパッド部材が前記ボディフレームの内側に備え付けられることを特徴とする請求項1記載の手術用補助器具。
JP2017538508A 2015-09-10 2016-09-08 手術用補助器具 Active JP6782947B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015178916 2015-09-10
JP2015178916 2015-09-10
PCT/JP2016/076479 WO2017043587A1 (ja) 2015-09-10 2016-09-08 手術用補助器具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2017043587A1 true JPWO2017043587A1 (ja) 2018-08-02
JP6782947B2 JP6782947B2 (ja) 2020-11-11

Family

ID=58239834

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017538508A Active JP6782947B2 (ja) 2015-09-10 2016-09-08 手術用補助器具

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JP6782947B2 (ja)
KR (1) KR20180053203A (ja)
CN (1) CN106999258A (ja)
WO (1) WO2017043587A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20190099877A1 (en) * 2017-09-29 2019-04-04 Airbus Operations Gmbh Exoskeleton System
CN108095836B (zh) * 2018-02-02 2020-06-05 吉林大学 手术用可穿戴铠甲
CN109431628A (zh) * 2018-12-25 2019-03-08 吉林大学 一种用于外科医生进行微创手术的支撑辅助装置
KR102142578B1 (ko) * 2019-04-04 2020-08-10 현대자동차(주) 착용식 장치의 결합 구조

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0758085B2 (ja) * 1986-12-26 1995-06-21 日本発条株式会社 摩擦ロツク機構
JPH11253505A (ja) * 1998-03-12 1999-09-21 Sanyo Electric Co Ltd 身体補助装置
US7120954B2 (en) * 2000-12-19 2006-10-17 Laerdal Medical Corporation Head immobilizer
EP1609451A4 (en) * 2003-03-28 2010-02-10 Univ Tokyo Science DEVICE FOR DAMAGING WEAR JOINT
DE102008015040B4 (de) * 2008-03-14 2015-07-09 Karl-Heinz Wurst Vorrichtung zum Halten von zumindest einem Körperteil eines Anwenders
CN104379095B (zh) * 2012-08-08 2016-12-21 株式会社久保田 姿势保持架
HUE039235T2 (hu) * 2012-12-11 2018-12-28 Enhance Tech Llc Adaptív kartámogató rendszerek és használati eljárások
JP2015136516A (ja) * 2014-01-23 2015-07-30 株式会社デンソー 腕支持装置
JP3194865U (ja) * 2014-10-01 2014-12-11 株式会社 エリカ オプチカル 顔面ガードフレーム

Also Published As

Publication number Publication date
CN106999258A (zh) 2017-08-01
KR20180053203A (ko) 2018-05-21
WO2017043587A1 (ja) 2017-03-16
JP6782947B2 (ja) 2020-11-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2017043587A1 (ja) 手術用補助器具
US11253992B2 (en) Methods and apparatuses for exoskeleton attachment
JP2020508808A (ja) ヘッドセットシステム
US7846080B2 (en) Machine and method for head, neck and, shoulder stretching
KR20150134770A (ko) 보행보조장치
KR102224793B1 (ko) 환자치료용 장비 반복사용에 따른 팔·어깨 누적피로와 집중력저하를 개선한 죽지 부위 활동 보조장치
US5515867A (en) Head support for shoulder surgery positioner
US20010047143A1 (en) Cervical remodeling collar
JP6420737B2 (ja) 作業補助器具
WO2023153497A1 (ja) 姿勢矯正器具
CN210158714U (zh) 一种医生骑坐座椅
CN213993865U (zh) 一种便携式脊柱辅助矫正器
CN209203657U (zh) 一种偏瘫脚踝部良姿位固定器
JP6360416B2 (ja) 肩痛緩和装具
JP4344218B2 (ja) 鎖骨固定具
JP6682211B2 (ja) 上肢サポート用クッション
CN215130402U (zh) 手指固定装置
KR102659518B1 (ko) 수술 환자 고정 장치
KR101574902B1 (ko) 가슴받침 안면 베개 겸용 디스크 감압견인 장치
CN217960467U (zh) 心内科介入术后下肢制动患者约束装置
CN212186789U (zh) 一种骨科用腿部牵引架
CN216724910U (zh) 一种可调节式的护颈托
CN216933667U (zh) 一种前臂吊带
KR100972123B1 (ko) 조절식 척추 보조기
KR20230117835A (ko) 수술 환자 고정 장치

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20171115

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190701

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200707

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200915

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201013

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6782947

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250