JP6682211B2 - 上肢サポート用クッション - Google Patents

上肢サポート用クッション Download PDF

Info

Publication number
JP6682211B2
JP6682211B2 JP2015146242A JP2015146242A JP6682211B2 JP 6682211 B2 JP6682211 B2 JP 6682211B2 JP 2015146242 A JP2015146242 A JP 2015146242A JP 2015146242 A JP2015146242 A JP 2015146242A JP 6682211 B2 JP6682211 B2 JP 6682211B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cushion
user
upper limb
support
recess
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015146242A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017023489A (ja
Inventor
史生 菅原
史生 菅原
Original Assignee
風の郷工房有限会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 風の郷工房有限会社 filed Critical 風の郷工房有限会社
Priority to JP2015146242A priority Critical patent/JP6682211B2/ja
Publication of JP2017023489A publication Critical patent/JP2017023489A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6682211B2 publication Critical patent/JP6682211B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は使用者の上肢をサポートするクッションに関し、特に上肢が屈曲・拘縮した姿勢であっても、安定かつ安全に支える事ができるようにした上肢サポート用クッションに関する。
先天的または後天的な理由から、何らかの障害を患ってしまい、自らの力で着座姿勢や立脚姿勢を保持するのが困難な患者や、一定の姿勢を保持できるものの、負荷の軽減を要する患者においては、その姿勢を保持する為のサポート具が必要になる。そこで従前においても、このような障害を患っている患者において、一定の姿勢を保持すると共に、特定の部位に対する負荷を軽減するようにした器具や装置は、種々提案されている。
例えば、特許文献1(特開2011−139739号公報)では、身体に密着することができ、しかも身体をしっかり支持することができる体躯接触具が提案されている。即ち、この文献では、袋状の外皮と、前記外皮に充填された変形可能な充填材料とから成る体躯接触具において、前記外皮の身体に接触する接触部は全方向へ伸縮自在な材料によって構成され、且つ外皮の身体に接触しない非接触部は伸縮しないか特定の方向へのみ伸縮する材料によって構成されている体躯接触具を提案している。
また、特許文献2(特開2003−135215号公報)では、機能回復訓練中の患者、高齢者等が、安心して座位姿勢を保持することができるサポート装置が提案されている。即ち、この文献では、脚部と、脚部に立設した支柱部と、支柱部に支えられて、座位姿勢の際に使用者の肘部位の高さに対応するテーブル板とを有し、このテーブル板の適所に保持して、使用者の腹部を直接受け止めるサポート部材を設けてなる座位姿勢補助装置におけるサポート装置を提案している。
特開2011−139739号公報 特開2003−135215号公報
前述の通り、従前においても、上肢をサポートする為のクッションなどは種々提案されている。しかしながら、従来提案されているこれらの器具或いは装置は、何れも肩関節にかかる負担を軽減できるものの、その荷重がクッション部材を介して腹部に作用するものとなっていた。
ここで、皮膚・筋肉などの関節周囲の軟部組織の収縮等によって関節の動きが制限された患者であって、特に上肢が屈曲又は拘縮した姿勢となってしまった患者や障害者の場合には、屈曲又は拘縮した上肢の安全性を確保する為、更に肩関節にかかる負担を軽減して症状の悪化を避ける為に、屈曲又は拘縮した上肢を支持・保護するのが望ましい。
そこで本発明は、看護、リハビリ或いは介護などに際して、車いすや歩行器等の介護器具を利用して移動する場合であっても、屈曲又は拘縮している姿勢を確実に保持する事ができ、更に肩関節にかかる負担を適切に軽減しながらも、腹部に対する負担を軽減する事のできる上肢サポート用クッションを提供する事を第1の課題とする。
また、姿勢保持が困難で、上肢の屈曲・拘縮姿勢がみられる患者や障害者或いは高齢者(以下、総称して「患者」とも言う)を対象とし、上肢をクッション材入りの上肢支えで適切に保持することにより、肩関節にかかる負荷を軽減すると共に、上肢が椅子等の構造フレームの外側にはみ出すことを防止して、安全で安楽な姿勢保持を可能とする上肢サポート用クッションを提供する事を第2の課題とする。
そして、着座姿勢の患者を支持する為に提供されている従来の器具や装置は、腹部にかかる負荷を負担するものとして形成されていたことから、使用者の胸部から腹部にかかる範囲にはクッションが存在し、当該クッションが使用者の鳩尾(みぞおち)付近に常に接触していた。その為、使用者が前屈みの状態になる場合等には、腹部或いは胃を圧迫してしまい、使用者に不快を生じさせる要因となっていた。特に、胃瘻を造設している患者にあっては、鳩尾付近の腹壁を切開して胃内に管を通している為、当該胃瘻部に極力負荷がかからない安心・安全な構造が望まれていた。
そこで、本発明では胃瘻を造成している利用者であっても、当該胃瘻造成部分に対して極力負荷がかからない安全で安楽な姿勢を保持できる上肢サポート用クッションを提供する事を第3の課題とする。
前記課題の少なくとも何れかを解決するべく、本発明では着座姿勢の患者の上肢を保持する事の出来る上肢サポート用クッションを提供する。
即ち、本発明にかかる上肢サポート用クッションは、使用者の上肢をサポートするクッションであって、着座姿勢にある使用者の背中側に存在する部材に対して着脱自在に設けられる係止部材と、この係止部材に吊下げられたクッション本体とからなり、クッション本体は、着座姿勢における使用者の肘部を支持する肘支持部分と、当該肘支持部から上方に展開して使用者の前腕を支持する前腕支持部分とを有する上肢サポート面を備えて構成するものである。
即ち、かかる上肢サポート用クッションは、クッション本体を、係止部材によって車いすの背凭れ部等に取り付けて使用するものであり、このクッション本体が具える上肢サポート面により、使用者(患者など)の上肢における肘部と前腕部とを挙上姿勢で保持するように構成している。したがって、この上肢サポート面は、使用者の肘部が当接する位置から上方に展開して拡がるように形成している。このように構成した上肢サポート用クッションによれば、使用者である患者における挙上した上肢を、安全かつ確実に保持する事ができ、肩部にかかる負荷を大幅に軽減する事ができる。また、当該クッション本体は、使用者の肩甲帯から脇下、上腕部外側、肘関節、前腕部を下側と外側から包み込むようにサポートする事ができ、よって上肢全体の肩関節への負荷を軽減すると共に、前腕部がクッション本体の外側にはみ出すことを防止する事ができる。
前記係止部材は、着座姿勢にある使用者の背中側に存在する部材(以下、「背中側部材」とも言う)に対して着脱自在に設けられるものであり、少なくとも後述するクッション本体を保持できるものが使用される。かかる係止部材を設ける背中側部材は、使用者が着座する物品や機具が予め具えているものの他、当該物品や機具に別途設けた構成要素であっても良い。使用者が着座する物品や機具としては、車椅子、椅子、車両等の搭乗シート或いはソファ等であって良く、これらの背凭れや、使用者の背中側に設けた支柱などの各種部材に、前記係止部材を設ける事ができる。即ち、係止部材は椅子等が予め備えている部材や構成の他、別途設けた部材に取り付ける事ができる。具体的には、クッション本体の両側の上部に取り付けた係止部材を車椅子などの取付対象物に取り付ける場合、当該取付対象物の構造フレームの頭部支持部上端に近い位置に当該係止部を取り付ける箇所がない場合には、高さ調節可能な支柱などの取付用アタッチメントを別途設けて設置する事もできる。
前記係止部材は、使用しない時には取り外しておくことができるように、前記背中側部材に対して、着脱自在に取り付けるのが望ましい。よって、当該係止部材は、アタッチメントやホック、ボタン、或いはベルト等を用いて形成する事ができる。
また、前記背中側部材に対して着脱自在に設けられる係止部材は、更に長さ調節自在に形成されるのが望ましい。具体的には、例えば係止部材としてアタッチメントと、このアタッチメントから延出するバンド乃至はベルトを用いて構成し、このバンド乃至はベルトにアジャスターやトリグライド等を設けて長さ調整自在に形成するのが望ましい。これにより、クッション本体を車椅子や椅子フレームのグリップや取っ手など、頭部支持部上端に近い位置で、前記アジャスターを使って固定する事ができる。そして係止部材を長さ調整自在に形成する事によって、クッション本体を、使用者の体型や症状等に応じた最適な位置、例えばクッション本体の上部が肩関節に存在する位置に設置する事ができる。
上記係止部材には、使用者の上肢をサポートする為にクッション本体を吊下げる。特に当該係止部材をクッション本体上部の外側寄りに設ける事により、当該クッション本体の上部の内側が使用者の肩甲帯の背面側に存在することができ、クッション本体は、使用者の肩甲帯の背面から上肢を包み込むようにサポートする事ができる。
このクッション本体は、着座姿勢にある使用者の上肢を支持する上肢サポート面を備えている。かかる上肢サポート面は、着座している使用者の屈曲又は拘縮している上肢を、拳上状態で支持するものであり、よって肘部を支持する肘支持部分と、当該肘支持部から上方に展開して使用者の前腕を支持する前腕支持部分とを有するものとして形成する事ができる。このような上肢サポート面を備える事により、当該上肢サポート面は、使用者の肩関節から腋下、上腕部外側、肘関節、前腕部を下側と外側から包み込むようにサポートする事ができ、着座姿勢にある使用者の上肢を支持し、当該上肢の重さを負担する事ができる。よって、当該クッション本体によって、使用者の肩関節に対する上肢全体の負荷を軽減することができる。
そして前記上肢サポート面に形成された前腕支持部分は、着座した使用者の肘部から前腕部を、挙上姿勢で収容する凹部を備える事が望ましい。かかる凹部を具えることで、当該凹部に前腕部分が収まり、安定した姿勢を保持する事ができる為である。即ち、当該凹部を設ける事で、使用者肘部から前腕部を挙上した状態で保持する事ができる為、上肢の屈曲・拘縮が見られる患者や高齢者、或いは機能回復訓練中の患者にとって、座位姿勢の保持が非常に楽なものとなる。なお、上記凹部は、前腕部だけでなく、更に使用者の肘部を収容するように形成するのが望ましい。肘部を収容且つ保持することにより、肘関節が収まって安定しやすくなり、また腋下から上腕部及び肘関節を下方から確実に支持する事ができ、肩関節に対する負荷を軽減できる為である。
上記上肢サポート面は、前記凹部よりも外側が、前記凹部よりも内側よりも、正面側に膨出している事が望ましく、特に凹部外側の下側が、凹部の内側よりも膨出させることが望ましい。屈曲又は拘縮した前腕部が外側にはみ出さないようにすると共に、脇下から上腕部及び肘関節を下方から支える事ができるようにするためである。また、使用者の内側寄りの膨出部分を少なくして、装着の容易性を向上させて、装着時の違和感を軽減する為である。更に、肘関節が伸展して前腕部が外側下方向きに下がった場合でも、前腕部を確実に支持できる為、使用者の姿勢が多少崩れた際にも、当該クッションが使用者の身体からずれる事無く、常に上肢を安定させる事ができる為である。
凹部よりも外側を正面側に膨出させるためには、当該部分に綿やスポンジなどのクッション又は空気などの流動体を肉厚に充填したり、角度をつけた保形性を有するプラスチック板や金属板等の補強板を背面側に設けて、凹部よりも外側が膨出する形状を成形することができる。特に、上記の凹部として、左右腕用クッション部材の夫々に、長さ方向に沿う溝として形成することにより、凹部の内側と外側における中綿等のクッションの量を個別に調整する事ができる。また、前記補強板は約30°折り曲げた板として形成する事ができ、これを設けるには、クッション本体の背面側に、当該補強板を収容するポケットを設けることができる。かかる補強板を設置することにより、当該クッション本体を強化でき、筋緊張による反り返りが生じた際にも、前腕部の外側へのはみ出しを確実に防止できる。
前記クッション本体は、右腕用クッション部材又は左腕用クッション部材として片側の腕だけを支持するように形成しても良いし、使用者の右腕用クッション部材と左腕用クッション部材とから構成し、使用者の両腕を支持するように形成しても良い。片側の上肢だけを保持すれば十分な場合もあり、一方で両側の上肢を保持しなければならない場合もあるためである。両側の上肢を保持する場合には、左右それぞれの上肢を分担し、最適な位置で支持することができる。そして、この右腕用クッション部材と左腕用クッション部材とで形成する場合には、両クッション部材同士は、下方側であって、使用者の胸郭下部に位置する連結部で連結するのが望ましい。右腕用クッション部材と左腕用クッション部材とを連結する部分には、使用者の上肢の荷重が作用する。そこで、当該連結部分を使用者の胸郭下部に存在させることで、胃瘻を造成している障害者や高齢者などの使用者において、鳩尾(みぞおち)を圧迫する事が無くなり、使用時の快適さを向上させることができる。特に、使用者が胃瘻を造設している場合には、前屈みの状態になったとしても、鳩尾(みぞおち)に設けられる胃瘻部に負荷がかかる事態を無くして、使用時の快適性を向上させることができる。したがって当該連結部は、使用者の胸郭の下部に沿った曲線的な形状となるように、上方に向かう円弧状に形成するのが望ましい。
前記連結部は、右腕用クッション部材と左腕用クッション部材の両者を繋げる機能を果たす事ができれば良い。したがって右腕用クッション部材と左腕用クッション部材とを一体化した部位を連結部として良く、当該連結部をジョイントやアタッチメント等で形成して、両者を連結する構成としても良い。また当該連結部は、上肢の荷重を負担する部位である事から、腋下を逃しつつ、広い面積で使用者に接するように、半円形状など幅広な形状に形成する事が望ましい。更に使用者の凡そ中央部に位置し、使用者の食事等によって汚れが付着しやすい部分であることから、当該連結部にはカバー等を設けて、清拭可能な構成とするのが尚望ましい。
前記クッション本体は、綿やスポンジなどのクッション材料を成形した単一の部材として形成する他、更に外側をカバーする外側部材を用いて形成する事もできる。即ち、当該クッション本体は、綿やスポンジなどのクッション材料又は空気などの流動体を充填した袋状の内側部材と、この内側部材を包囲する外側部材とで構成する事ができる。クッション本体を内側部材と外側部材とからなる二重構造とすることにより、外側部材は前記内側部材を収容するカバーとして作用する事ができる。よって当該外側部材で内側部材を包囲することにより、例えば食事や日々の使用によって汚れが生じた場合にも、外側部材を剥がして洗浄する事ができ、クッション本体を清潔な状態に保つ事ができる。
また、内側部材を構成するクッション材料は、弾力性が異なる2種類以上のクッション材料を積層させることもできる。弾力性が異なるクッション材料を使用する事により、サポートする上肢の部位に対応した最適なクッション性、及びサポート機能を果たす事ができる為である。かかる内側部材は、前記クッション材料を袋などに収容して形成することができる。
さらに、前記内側部材には、前腕部を収容する凹部を形成すると共に、当該凹部の底面には面ファスナーを設け、当該面ファスナーによって、前記外側部材の内面であって且つ前記凹部と正対する部分を咬合するように構成する事が望ましい。このように形成する事で、外側部材は、内側部材に形成した凹部に沿って成形する事ができる為である。また、この面ファスナーによって、内側部材と外側部材とが確実に固定される為、使用者の動きによって内側部材と外側部材とがずれる事を防止できる。よって、上記構成とする事で、クッション本体における内側部材と外側部材が確実に固定され、使用者の快適な使用感を実現することが可能となる。
上記本発明の上肢サポート用クッションによれば、車椅子の背凭れ等に対して、係止部材によってクッション本体を吊下げ、このクッション本体は、着座姿勢における使用者の肘部を支持する肘支持部分と、当該肘支持部から上方に展開して使用者の前腕を支持する前腕支持部分とを有する上肢サポート面を備えることから、屈曲又は拘縮している上肢であっても、より安定な状態でサポートする事ができる。しかも、屈曲又は拘縮している上肢は、着座姿勢における使用者の肘部を支持する肘支持部分と、当該肘支持部から上方に展開して使用者の前腕を支持する前腕支持部分とを有する上肢サポート面によって支持できることから、使用者の腹部にかかる負担を大幅に軽減する事ができる。
よって、本発明にかかる上肢サポート用クッションにより、看護、リハビリ或いは介護などに際して、車いすや歩行器等の介護器具を利用して移動する場合であっても、屈曲又は拘縮している姿勢を確実に保持する事ができ、更に肩関節にかかる負担を適切に軽減すると共に腹部への負担を軽減できる上肢サポート用クッションを提供する事ができる。
また、前記クッション本体を、使用者の右腕用クッション部材と左腕用クッション部材とで構成し、両クッション部材を着座姿勢にある使用者の胸郭下部位置で連結することにより、胃瘻を造成している利用者であっても、当該胃瘻部に極力負荷がかからない安心・安全な上肢サポート用クッションを提供する事ができる。
また、前記上肢サポート面に形成された前腕支持部分が、着座した使用者の肘部から前腕部を挙上姿勢で収容する凹部を備える場合には、当該前腕部を安定させてサポートする事ができ、更に当該凹部が使用者の肘部も収容する場合には、肩関節にかかる当該上肢全体の負荷を軽減する事ができる。
また、前記上肢サポート面における前記凹部よりも外側を、凹部よりも内側よりも、正面側に膨出させて形成した場合には、上肢を安定してサポートする事ができ、筋緊張による反り返りが生じた際にも、前腕部の外側へのはみ出しを確実に防止できる。
そして前記クッション本体が、クッション部材を積層させて収容する内側部材と、この内側部材を包囲する外側部材とを具えており、この内側部材に凹部を形成して、その底面に面ファスナーを設け、当該面ファスナーによって、前記外側部材の内面であって、前記凹部との正対部分を咬合させた場合には、当該凹部に沿った形状に形成する事ができ、また汚れやすい外側部材だけを取り外して洗浄できる。
本実施の形態にかかる上肢サポート用クッションを示す斜視図 上肢サポート用クッションを示す(A)正面図、(B)B−B矢視端面図 上肢サポート用クッションの分解正面図 上肢サポート用クッションの使用状態を示す正面図 上肢サポート用クッションの使用状態を示す側面斜視図 上肢サポート用クッションの使用状態を示す平面図 支柱に上肢サポート用クッションを取り付けた状態を示す(A)全体斜視図、(B1)支柱部分の要部拡大図、(B2)支柱の高さを調整した状態を示す要部拡大図 他の実施の形態にかかる上肢サポート用クッションを示す正面図
以下、図面を参照しながら、本実施の形態にかかる上肢サポート用クッション50を具体的に説明する。図1は本実施の形態にかかる上肢サポート用クッション50を示す斜視図であり、図2は当該上肢サポート用クッション50を示す(A)正面図、(B)B−B矢視端面図であり、図3はこの上肢サポート用クッション50の分解正面図であり、図4はこの上肢サポート用クッション50の使用状態を示す正面図であり、図5はこの上肢サポート用クッション50の使用状態を示す側面斜視図であり、図6はこの上肢サポート用クッション50の使用状態を示す平面図であり、図7は支柱45に上肢サポート用クッション50を取り付けた状態を示す(A)全体斜視図、(B1)支柱45部分の要部拡大図、(B2)支柱45の高さを調整した状態を示す要部拡大図であり、図8は他の実施の形態にかかる上肢サポート用クッション50を示す正面図である。
この実施の形態に示す上肢サポート用クッション50は、使用者の左腕を支持する左腕用クッション部材10Lと、使用者の右腕を支持する右腕用クッション部材10Rと、両クッション部材10LRを下方側で連結する連結部30とでクッション本体10を形成し、それぞれのクッション部材10LRの上側には、ベルト状に延出する係止部材20を設けている。
左腕用クッション部材10Lと右腕用クッション部材10Rとは、何れも略長楕円形状に形成されており、長さ方向に沿って中央部分が窪んだ形状に形成されている。更にこの窪みは、左右腕用クッション部材10LRの下側における連結部30に向かって曲折しており、当該窪みによって形成される凹部11は、正面視が略L字状に形成されている。
そして、左右腕用クッション部材10LRは、下方側において連結部30により連結されている。本実施の形態では、各クッション部材10LRの下方から上に向かって弧を描くように延出させることで連結部30を形成している。そしてこの連結部30は、中央部分を上方に膨出させた略半円形状又は三日月形状に形成しており、これにより施療者の胸郭下部との設置面積を増大させて、上肢の負荷(荷重)を分散させることができる。なお、この連結部30は、左右腕用クッション部材10LRを連結する機能を果たし得る限りにおいて、他の構成であっても良く、例えば長楕円形状に形成した左右腕用クッション部材10LRの下方側又は中間部分を連結するベルト又は紐を連結部30とする事もできる。
夫々のクッション部材10LRの上方から延出する係止部材20は、ベルト21とバックル22とで構成されており、当該バックル22によってベルト21の長さ調整を可能にすると共に、当該クッション本体10を車椅子40などに対して着脱自在に保持することができる。かかる係止部材20として、本実施の形態では着脱自在なバックル22を設けているが、これは必ずしも必要なものではなく、当該バックル22を省いて、単なる紐を係止部材20としても良い。即ち、この係止部材20は、車椅子40などに対して、この上肢サポート用クッション50を取り付ける為に機能し得るものであれば、適宜変更する事ができる。
図2及び図3を参照しながら、本実施の形態にかかる上肢サポート用クッション50の構成を具体的に説明する。この実施の形態にかかる上肢サポート用クッション50は、図3に示す様に、綿やスポンジなどのクッション材料12を用いて形成された内側部材14と、この内側部材14を収容する外側部材15と、当該外側部材15における連結部30を覆うカバー部材31と、左右腕用クッション部材10LRを背面側から成形するプレート部材13とで形成している。
内側部材14は、布帛製の袋内に綿やスポンジなどのクッション材料を充填して形成しており、前記L字状の凹部11を形成した左右腕用クッション部材10LRとこれを連結する連結部30を備えた形状に形成している。そして、当該L字状の凹部11の底には面ファスナー16を設けており、当該面ファスナー16は、外側部材15に収容した状態において、当該外側部材15の対向する内面を咬合して、当該外側部材15を内側部材14の形状に沿わせる事ができる。
外側部材15は、伸縮性を有する布帛を用いて袋状に形成しており、使用時において下側に存在する縁部分には、開閉自在なファスナー17を設けている。この外側部材15は、汚れた時の洗浄を容易にする為に使用するものであり、洗浄の容易性を考慮する必要がない場合には、外側部材15と内側部材14とを一体化し、例えば外側部材15内に、直接、綿やスポンジなどのクッション材料12を充填しても良い。また、この外側部材15は使用者に直接接する部分である事から、肌触りの良い材質や通気性の良い材質で形成するのが望ましいが、汚れた時の洗浄のし易さを考慮した場合には、ビニールなどの樹脂シートを用いて形成する事もできる。
また、本実施の形態では、上記内側部材14の凹凸形状を形作り、且つ変形を阻止する為にプレート部材13を使用している。このプレート部材13は、樹脂を用いて板状に形成しているが、その他にも金属や木材などを用いて板状に形成する事もできる。このプレート部材13は、上肢サポート用クッション50において、上肢を収容する凹部11を出現させるために機能する事ができ、よって当該凹部11に対応するように曲折させて形成している。かかるプレート部材13は、上記の外側部材15の背面側等にポケット18を形成して収容する他、この外側部材15に収容された内側部材14の背面側に設ける事もできる。
なお、この上肢サポート用クッション50は、屈曲乃至は拘縮している上肢を的確に保持するものである。よって、このクッション本体10は、その正面側に上肢サポート面19を備える事が必要であり、更に望ましくは、当該上肢サポート面19には、屈曲乃至は拘縮している上肢を収容する窪み(凹部11)が形成されている事が望ましい。そこで本実施の形態では、内側部材14の形状によってL字状の凹部11を形成している。但し、この屈曲乃至は拘縮している上肢を収容する窪み(凹部11)は、前記プレート部材13によって形成する事もできる。即ち、前記内側部材14は専らクッション性を発現する為に機能するものとして平坦に形成し、前記屈曲乃至は拘縮している上肢を収容する窪みを、前記プレート部材13によって成形する事もできる。
カバー部材31は、外側部材15において、最も汚れが生じやすい部位をカバーするものであり、例えばビニールなどの樹脂や合成皮革を用いて形成する事ができる。かかるカバー部材31は、前記した左右腕用クッションの連結部30を覆う形状に形成されていればよく、例えば図3に示す様に、下縁部分にファスナー17を設けて着脱自在に装着する事ができる。
上記のように構成した上肢サポート用クッション50は、使用者の体格や症状に合わせて、複数のサイズで形成しておくことが望ましい。例えば、左右腕用クッション部材10LRの間の距離をL1、クッション材料12の長さをL2、クッション材料12の幅をL3、全体の幅をL4とした場合、Sサイズ、Mサイズ、Lサイズ、LLサイズとして、以下の大きさに形成する事ができる。
ただし、このサイズは規格化した場合における望ましいサイズを示したものであり、相互の比率を考慮した上で、適宜調整することもでき、また使用者の体形に合わせて、任意のサイズに形成する事もできる。
次に図4〜8を参照しながら、上記実施の形態にかかる上肢サポート用クッション50の使用状態を説明する。この上肢サポート用クッション50は、図4〜8に示す様に、使用者が着座する椅子40の背凭れ部41に取り付けて使用することができる。但し、背凭れ部41が存在しない椅子40や、当該上肢サポート用クッション50を取り付けるのに適した部位が存在しない椅子40の場合には、図7(A)に示す様に、別途、この上肢サポート用クッション50を取り付ける為の支柱45を設ける事もできる。かかる支柱45は、椅子40を構成するフレーム46に取り付ける金属製又は樹脂製のロッド又はパイプとして形成する事ができる。かかる支柱45は、使用者の座高に合わせて、適宜伸縮できるように構成するのが望ましい。本実施の形態では、図7(A)に示す様に、椅子40を構成するフレーム46に対して取り付けられる台座43と、この台座を高さ方向に摺動自在なロッド42と、このロッドの高さ位置を固定するストッパー44とで支柱45を構成している。このように構成した支柱45では、図7(B)に示す様に、ロッド42におけるストッパー44の固定位置を調整することにより、ロッド42の高さ位置を調整する事ができる。
図4〜6に示す実施の形態では、上肢サポート用クッション50を、椅子40、特に車椅子40のフレームに取り付けて使用している。この上肢サポート用クッション50の取付に際しては、前記した係止部材20を車椅子40の背凭れ部41を構成するフレームに取り付けている。そして係止部材によって吊下げたクッション本体10は、連結部30が使用者の前面に存在すると共に、左右腕用クッション部材10LRは、使用者の肘下から上肢の後ろ側に回って存在するように設けている。かかる装着状態において、使用者の上肢は、前記サポート面に形成されたL字状の凹部11に収まり、意図せずに外側に拡がってしまう事態を阻止する事ができる。また、この状態において、クッション本体10は上肢を背面側から支持しており、肩関節に対する負荷を軽減すると共に、使用者の上肢が必要以上に背面側に曲がってしまうのを阻止する事ができる。よって、このような状態にクッション本体10を保持する為に、係止部材20は、使用者の頭部付近において、使用者の背中側に存在する部材に固定するのが望ましい。
また、本実施の形態にかかる上肢サポート用クッション50は、左右腕用クッション部材10LRの中心線(凹部11の延長線)が約5〜20°の内角で交差するように形成されている。その結果、左右腕用クッション部材10LRの上端側は、使用者の肩甲帯の背面まで回り込んでサポートすることができる。即ち前記クッション本体10によって、使用者の上肢の肘部が前側で保持されることにより、挙上している前腕部は上方の内側に向かうことになる。そこで、このような姿勢の上肢を無理なくサポートする為に、左右腕用クッション部材10LRの中心線(凹部11の延長線)が約5〜20°の内角で交差するように形成するのが望ましい。
そして、左右腕用クッション部材10LR同士を繋げている連結部30は、上方に向かって弧を描くように湾曲して形成されている事から、胃瘻を造成したとしても、この部位を避けて胸郭下部で当接することになる。したがって、この実施の形態にかかる上肢サポート用クッション50であれば、胃瘻を造成した患者であっても、使用時における不都合を無くして、快適に使用する事ができる。
図8は、他の実施の形態にかかる上肢サポート用クッション50aを示しており、特に片側の腕だけを支持するように構成した上肢サポート用クッション50aを示している。この図8に示した使用状態では、クッション本体10aは使用者の右腕だけを支持するように構成しており、クッション本体10aの上端側を、係止部材20によって、車椅子40の右側背凭れ部41であって、使用者の頭部近傍に係止している。一方でクッション本体10aの下端側(具体的には下端寄り内側)には長尺なベルト20aを設けており、このベルト20aは使用者の前を通って、その先端側を、左側背凭れ部41であって使用者の頭部又は頸部近傍に係止している。クッション本体10aの下端側から延出するベルト20aの長さを調整自在に形成することにより、使用者の体形や体格、或いは症状に合わせて、最適な位置に片側の前肢を保持する事ができる。
上記実施の形態にかかる上肢サポート用クッション50は、好ましい実施の形態を示したものであり、クッション材料12の輪郭形状や材質、或いは連結部30の構成などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、適宜変更する事ができる。
10 クッション本体
10L 左腕用クッション部材
10R 右腕用クッション部材
11 凹部
12 クッション材料
13 プレート部材
14 内側部材
15 外側部材
16 面ファスナー
17 ファスナー
18 ポケット
19 上肢サポート面
20 係止部材
30 連結部
31 カバー部材
40 椅子(車椅子)
45 支柱
46 フレーム
50 上肢サポート用クッション

Claims (5)

  1. 使用者の上肢をサポートするクッションであって、
    着座姿勢にある使用者の背中側に存在する部材に対して着脱自在に設けられる係止部材と、この係止部材に吊下げられたクッション本体とからなり、
    クッション本体は、着座姿勢における使用者の肘部を下方から支持する肘支持部分と、当該肘支持部から上方に展開して使用者の前腕を挙上姿勢で支持する前腕支持部分とを有する上肢サポート面を備えており、
    当該上肢サポート面に形成された前腕支持部分は、着座した使用者の肘部から前腕部を、挙上姿勢で収容する凹部を備えており、
    当該凹部は、更に使用者の肘部を収容且つ保持するように形成されていることを特徴とする、上肢サポート用クッション。
  2. 前記クッション本体は、使用者の右腕用クッション部材と左腕用クッション部材とからなり、両クッション部材は、着座姿勢にある使用者の胸郭下部に沿った位置で上方に向かって弧を描く様に湾曲させた連結部で連結されており、
    当該連結部は、中央部分を上方に膨出させた略半円形状又は三日月形状に形成されている、請求項1に記載の上肢サポート用クッション。
  3. 前記凹部は、左右腕用クッション部材の下側から連結部に向かって曲折し、正面視が略L字状に形成されている、請求項2に記載の上肢サポート用クッション。
  4. 前記上肢サポート面は、前記凹部よりも外側が、凹部よりも内側よりも、正面側に膨出しており、
    前記クッション本体は、使用者の肩甲帯から脇下、上腕部外側、肘関節、前腕部を下側と外側から包み込むようにサポートする、請求項〜3の何れかに記載の上肢サポート用クッション。
  5. 前記クッション本体は、弾力性が異なる2種類以上のクッション材料を積層させて収容した内側部材と、この内側部材を包囲する外側部材とを具えており、
    当該内側部材には、前記凹部を形成すると共に、当該凹部の底面には面ファスナーを設けており、
    当該面ファスナーは、前記外側部材の内面であって、前記凹部との正対部分を咬合している、請求項4に記載の上肢サポート用クッション。
JP2015146242A 2015-07-23 2015-07-23 上肢サポート用クッション Active JP6682211B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015146242A JP6682211B2 (ja) 2015-07-23 2015-07-23 上肢サポート用クッション

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015146242A JP6682211B2 (ja) 2015-07-23 2015-07-23 上肢サポート用クッション

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017023489A JP2017023489A (ja) 2017-02-02
JP6682211B2 true JP6682211B2 (ja) 2020-04-15

Family

ID=57945006

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015146242A Active JP6682211B2 (ja) 2015-07-23 2015-07-23 上肢サポート用クッション

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6682211B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102166439B1 (ko) 2019-01-16 2020-10-15 아주대학교산학협력단 팔 고정장치

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017023489A (ja) 2017-02-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0789527B1 (en) Support pillow with lumbar support for use in nursing and other applications
US8382692B1 (en) Neck and spine support device for a neck in flexion
US9044324B2 (en) Selectively adjustable arm and shoulder support
US9827133B1 (en) Selectively adjustable arm and shoulder support
US9278665B2 (en) Slouch correction device and method
US5313971A (en) Crutch sling leg support apparatus and method
WO2017185805A1 (zh) 趴式支撑椅以及包含该支撑椅的办公套件
US9668902B1 (en) Selectively adjustable arm and shoulder support
JP6682211B2 (ja) 上肢サポート用クッション
US10610400B1 (en) Selectively adjustable arm and shoulder support
KR101737588B1 (ko) 자세 교정용 침구류 패키지
JP2023169116A (ja) 脊椎弛緩用医療器具
US20190083345A1 (en) Accessory Pad for Medical Examination Device
JP2010194294A (ja) ポータブルひざ椅子
BR112019005648B1 (pt) Ferramenta assistiva para assistência em transferência, assistência em levante, etc
JP3174152U (ja) 上体支持用補助具
CN216754845U (zh) 一种电动移位机用的臀托
JP4509333B2 (ja) 便器
JP6360416B2 (ja) 肩痛緩和装具
JP2008023061A (ja) 座位保持具
JP2000079143A (ja) ベッド上で体幹前傾姿勢を保持するための補助具
CN209965928U (zh) 一种多用枕头
US20240074932A1 (en) Buttock support for at least partial load-relief of the body weight of a person, and load-relief system comprising such a buttock support
JP6385188B2 (ja) 座位姿勢改善装置およびこれを備えた椅子体
JP3114806U (ja) 介護用椅子

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180702

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190717

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190820

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20191017

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191219

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200324

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200325

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6682211

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250