JP6420737B2 - 作業補助器具 - Google Patents

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Description

本発明は、作業補助器具に関する。さらに詳述すると、本発明は、種々の作業を行う作業者の腕を支持して当該腕の姿勢の保持に用いて好適な器具に関する。
作業者の動作を補助するための従来のパワーアシストロボットとして、図7に示すように、装着者の両肩部近傍にそれぞれ配置されて装着者の上腕部の動きに追従する方向にその動きを補助する回転トルクを発生する二つの腕用駆動部101,101と、装着者の胴体上部に装着されて二つの腕用駆動部101,101を保持する腕用保持部102と、装着者の腰部近傍にそれぞれ配置されて装着者の大腿部の動きに追従する方向にその動きを補助する回転トルクを発生する二つの大腿用駆動部103,103と、装着者の腰部に装着されて二つの大腿用駆動部103,103を保持する腰用保持部104とを含むものがある(特許文献1)。
また、作業者の姿勢を保持するための従来の姿勢保持具として、図8に示すように、作業者に取り付けられる本体部201,202を備え、これら本体部201,202に近接する作業者の関節部から延びる腕部に取り付けられるアーム部203,204を本体部201,202に備えて、アーム部203,204に取り付けられる作業者の腕部の動作に伴うアーム部203,204の動作を許容する許容状態と、本体部201,202に対してアーム部203,204を所望の位置で保持する保持状態とに切換自在な保持機構205を備え、作業者に操作されることによって保持機構205を操作する操作部206を備えるものがある(特許文献2)。
特開2013−52192号公報 特開2014−33778号公報
しかしながら、特許文献1のパワーアシストロボットは、ロボットタイプであって作業者の身体全体を覆うように装着されるものであり、器具として大型のものになってしまうと共に重量も大きくなってしまう。このため、使い勝手の良いものとは言い難く、延いては汎用性が高いとは言い難い。
また、特許文献2の姿勢保持具では、作業者の上腕を下側から支持しつつ上下方向の揺動が許容されるのみであって腕を左右方向に広げることはできない。すなわち、作業に応じて腕の肘の上側部分である上腕と下側部分である前腕とを肩及び肘を支点として種々の位置関係・姿勢に変化させた上で当該位置関係・姿勢で固定して保持することはできない。このため、特に腕の種々の姿勢を保持すると共に疲労を軽減するための器具として十全であるとは言い難い。
そこで、本発明は、器具全体としての小型化を図り、且つ、作業者(言い換えると、使用者)の上腕と前腕との姿勢変化が確保されると共に、使用者の腕を必要に応じて種々の姿勢で固定して保持することによって使用者の姿勢の安定性を確保すると共に疲労を軽減することができる作業補助器具を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するため、本発明の作業補助器具は、使用者の上体に装着されるボディフレームと、使用者の腕に装着される腕支持部と、これらボディフレームと腕支持部とを連結する複数の連結部材とを有し、複数の連結部材のうちの少なくとも一つが伸縮可能な状態と伸縮不可能な状態とが切り替えられ、連結部材の伸縮可能な状態と伸縮不可能な状態との切り替えを制御するための操作部がボディフレームの肩部に設けられるようにしている。
したがって、この作業補助器具によると、ボディフレームと腕支持部とを連結する連結部材の伸縮可能な状態と伸縮不可能な状態とが切り替えられるようにしているので、連結部材が伸縮可能な状態であるときには腕支持部の移動の自由が制約されることがなく使用者の上腕と前腕との姿勢変化が確保される一方で連結部材が伸縮不可能な状態に切り替えられることによって腕支持部の移動の自由度が低減して使用者の腕の姿勢変化が制約される。さらに、本発明の作業補助器具は、連結部材の伸縮可能な状態と伸縮不可能な状態との切り替えを制御するための操作部がボディフレームの肩部に設けられるようにしているので、使用者が頭部を左右に傾けることによって操作部が操作されて連結部材の伸縮の可否が制御される。
しかも、本発明の作業補助器具は、特に三個以上の連結部材によってボディフレームと腕支持部とが連結されるようにした場合にはボディフレームと腕支持部との相互の位置関係の自由度が任意に構成され得るようになり、例えば両者の相互の位置関係が完全に若しくは大凡完全に固定され得る。
また、本発明の作業補助器具は、一端がボディフレームの肩部に連結される連結部材、一端がボディフレームの前面側に連結される連結部材、及び一端がボディフレームの後面側に連結される連結部材の少なくとも三個の連結部材を有するようにしても良い。この場合には、腕支持部がボディフレームに対して安定的に支持されると共に連結部材が伸縮不可能な状態であるときにボディフレームと腕支持部との相互の位置関係の自由度が任意に構成され得るようになり、例えば両者の相互の位置関係が完全に若しくは大凡完全に固定される。
また、本発明の作業補助器具は、軸方向に移動して出没の程度が変化するロッドと当該ロッドの外周に巻き回されるコイルばねとを有する伸縮機構を連結部材が含み、コイルばねの巻き締めによる当該コイルばねの内面とロッドの外周面との摩擦力でロッドをロックすることによって連結部材が伸縮不可能な状態になるようにしても良い。この場合には、連結部材を伸縮不可能な状態にするのに十分な拘束力を発揮し得る伸縮機構が比較的小型の仕組みとして実現される。
また、本発明の作業補助器具は、複数の連結部材のうちの少なくとも一部が、常に、ボディフレーム側の一端と腕支持部側の他端とが同じ高さ、または、ボディフレーム側の一端よりも腕支持部側の他端の方が低いように配設されるようにしても良い。この場合には、腕支持部がボディフレームに対して安定的に支持される。
また、本発明の作業補助器具は、連結部材とボディフレームとが球面軸受によって連結されると共に連結部材と腕支持部とが球面軸受によって連結されるようにしても良い。この場合には、連結部材とボディフレームや腕支持部との連結部におけるあらゆる方向・角度の揺れ動きの自由度が確保される。
本発明の作業補助器具によれば、連結部材が伸縮可能な状態では腕支持部の移動の自由を制約することなく使用者の腕の姿勢変化を確保すると共に連結部材が伸縮不可能な状態では腕支持部の移動の自由度を低減させて使用者の腕の姿勢変化を制約することができるので、必要に応じて使用者の腕の姿勢変化が制約される分だけ当該腕の姿勢が保持されることになって使用者の疲労を軽減することが可能になる。さらに、使用者が頭部を左右に傾けることによって操作部が操作されて連結部材の伸縮の可否を制御することができるので、使用者の腕が例えば固定されていたり器具を保持していたりする場合でも操作部を操作することが可能であり、延いては作業補助器具としての利便性を向上させることが可能になる。
しかも、本発明の作業補助器具は、特に三個以上の連結部材が用いられるようにした場合にはボディフレームと腕支持部との相互の位置関係の自由度を任意に構成することができ、例えば両者の相互の位置関係が完全に若しくは大凡完全に固定することができるので、必要に応じて使用者の腕を固定して当該腕の姿勢を保持することによって使用者の疲労を大幅に軽減することが可能になる。
さらに、本発明の作業補助器具は、一端がそれぞれボディフレームの肩部、前面側、及び後面側に連結される少なくとも三個の連結部材を有するようにした場合には腕支持部をボディフレームに対して安定的に支持すると共に連結部材が伸縮不可能な状態であるときにボディフレームと腕支持部との相互の位置関係の自由度を任意に構成することができ、例えば両者の相互の位置関係が完全に若しくは大凡完全に固定することができるので、使用者の姿勢の一層の安定性を実現すると共に使用者の腕を固定して当該腕の姿勢を保持することによって使用者の疲労を大幅に軽減することが可能になる。
さらに、本発明の作業補助器具は、コイルばねの内面とロッドの外周面との摩擦力でロッドをロックする仕組みが用いられるようにした場合には、十分な拘束力を発揮し得る伸縮機構を比較的小型の仕組みとして実現することができるので、作業補助器具全体としての小型化を図ることが可能になる。
さらに、本発明の作業補助器具は、複数の連結部材のうちの少なくとも一部がボディフレームに対して腕支持部を常に吊り下げ態様で連結するようにした場合には、腕支持部をボディフレームに対して安定的に支持することができるので、作業補助器具を装着しながらの作業を快適に行うことが可能になり、延いては作業補助器具としての利便性を向上させることが可能になる。
さらに、本発明の作業補助器具は、連結部材とボディフレームや腕支持部とが球面軸受によって連結されるようにした場合には、連結部材とボディフレームや腕支持部との連結部におけるあらゆる方向・角度の揺れ動きの自由度を確保することができるので、ボディフレームに対する腕支持部の移動の自由が確保されて使用者が腕を種々の位置関係・姿勢に変化させることが可能になり、作業者の動作の邪魔をすることがなく、延いては作業補助器具としての利便性を向上させることが可能になる。
本発明の作業補助器具の実施形態の一例を示す正面図である。 図1に示す作業補助器具の背面図である。 図1に示す作業補助器具の右側面図である。 図1に示す作業補助器具の前方斜視図である。 図1に示す作業補助器具の後方斜視図である。 図1に示す作業補助器具の腕支持部が上げられた状態を示す正面図である。 従来のパワーアシストロボットを示す図である。(A)は正面図である。(B)は側面図である。 従来の姿勢保持具を示す前方斜視図である。
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
図1乃至図6に、本発明の作業補助器具の実施形態の一例を示す。なお、本発明の説明においては、作業補助器具が使用者に装着された状態において、使用者を基準にして「上」及び「下」,「前」及び「後」,並びに「左」及び「右」を定義する(言い換えると、使用者から見て「上」及び「下」,「前」及び「後」,並びに「左」及び「右」を意味する)。
本実施形態の作業補助器具は、使用者の上体に装着されるボディフレーム1と、使用者の腕に装着される腕支持部4と、これらボディフレーム1と腕支持部4とを連結する複数の連結部材5とを有し、複数の連結部材5が伸縮可能な状態と伸縮不可能な状態とが切り替えられるようにしている。
ボディフレーム1は、使用者の右肩に掛けられる(言い換えると、上体の右側部分に装着される)右ボディフレーム1Aと、使用者の左肩に掛けられる(言い換えると、上体の左側部分に装着される)左ボディフレーム1Bとを、左右一対のものとして有する。
右・左ボディフレーム1A,1Bの材質は、特定のものに限定されるものではなく、例えばボディフレーム1として形成された際の重量や必要とされる強度等が考慮されるなどして適当な材質が適宜選択される。なお、右・左ボディフレーム1A,1Bは、剛体である必要はなく、弾性体であっても構わない。
右・左ボディフレーム1A,1Bの材質としては、具体的には例えば、あくまで一例として挙げると、ポリ塩化ビニル(PVC)などの合成樹脂が用いられ得る。
右・左ボディフレーム1A,1Bのそれぞれは、一体のものとして形成される(言い換えると、一つの部材によって構成される)ようにしても良く、或いは、複数の部材によって構成されるようにしても良い。
ボディフレーム1の装着時の快適性を向上させるため、右・左ボディフレーム1A,1Bの内面の全面に亙り、弾力性を備えるパッド8が取り付けられる。しかしながら、右・左ボディフレーム1A,1Bにパッド8が取り付けられることは本発明において必須の構成ではなく、パッド8が取り付けられないようにしても構わない。
パッド8は、一体のものとして形成される(言い換えると、一つの部材によって構成される)ようにしても良く、或いは、複数の部材によって構成されるようにしても良い。
右・左ボディフレーム1A,1Bは、それぞれ、前部1c,肩部1d,及び後部1eを有し、前部1c,肩部1d,後部1eの順に連接して左右側面視において概ね上下逆さのU字形に形成される。
そして、肩部1d部分が使用者の肩に載せられて前部1cが使用者の胸部・腹部の前方に位置すると共に後部1eが使用者の背部の後方に位置する態様で、左右一対の右・左ボディフレーム1A,1Bは、延いては作業補助器具は、使用者の上体(具体的には、おおよそ胸部〜肩〜背上部の範囲)に装着される。
また、作業補助器具の装着が容易に行われ得るようにするため、ボディフレーム1は、右ボディフレーム1Aと左ボディフレーム1Bとのそれぞれの前部1c,1cが左右に開くように構成される。
具体的には、右・左ボディフレーム1A,1Bそれぞれの後部1e,1e同士の間に介在させられてヒンジ1f(図に示す例では上下二箇所)が備えられる。そして、これらヒンジ1f,1fにより、右・左ボディフレーム1A,1Bが前部1c,1c側において観音開きのような態様で左右に開くように構成される。なお、ヒンジ1fが右・左ボディフレーム1A,1Bそれぞれの前部1c,1c同士の間に介在させられて備えられて後部1e,1e側において左右に開くように構成されても良い。
また、右・左ボディフレーム1A,1Bそれぞれの前部1c,1cに亙るように留め具2(図に示す例では上下二箇所)が備えられる。そして、これら留め具2,2により、右・左ボディフレーム1A,1Bそれぞれの前部1c,1cが閉じ合わせられた状態で固定され、延いては右・左ボディフレーム1A,1Bが組み合わせられた状態で固定される。
留め具2は、右・左ボディフレーム1A,1Bそれぞれの前部1c,1c同士を閉じ合わせた状態を保持することができると共に当該閉じ合わせた状態を解除することができる仕組みであれば、特定の方法や器具に限定されるものではなく、前記状態の保持と解除とを行い得る適当なものが適宜選択される。留め具2としては、具体的には例えば、あくまで一例として挙げると、面ファスナーが用いられ得る。
また、右ボディフレーム1Aと左ボディフレーム1Bとが左右に開いたり閉じたりし得るようにするための仕組みは、上述のヒンジ1f及び留め具2が用いられる仕組みに限定されるものではなく、両フレーム1A,1Bを開閉し得る適当なものが適宜選択される。
なお、右ボディフレーム1Aと左ボディフレーム1Bとが左右に開いたり閉じたりし得るように構成されることは本発明において必須の構成ではなく、例えばボディフレーム1を頭から被るようにして装着する態様とされる場合などには、ボディフレーム1の一部が左右に開くように構成されなくても良い。
また、作業補助器具が使用者の上体に装着された際の固定性・安定性を向上させるため、右・左ボディフレーム1A,1B各々の前部1cと後部1eとに架け渡されてこれら前部1cと後部1eとを相互に引き寄せて使用者の胸部及び背部へと密着させるサイドベルト3,3が備えられる。
具体的には、サイドベルト3は、帯状に形成されると共に、使用者の胸部や腰部位置において右・左ボディフレーム1A,1B各々の前部1cと後部1eとに(言い換えると、ボディフレーム1の左右の側部に)架け渡されるように前後方向に配設されて備えられる。
図に示す例ではボディフレーム1の左右の側部のそれぞれにサイドベルト3が一本ずつ備えられるようにしているが、複数本のサイドベルト3が左右の側部のそれぞれに備えられるようにしても良い。
サイドベルト3は、例えば、長手方向の一方の端部が右・左ボディフレーム1A,1Bのうちのどちらか一方に固定されると共に、長手方向の他方の端部が右・左ボディフレーム1A,1Bのうちの他方に着脱自在であるように備えられる。
サイドベルト3は、右・左ボディフレーム1A,1Bの前部1cと後部1eとを相互に引き寄せる程度が、一定であるように構成されても良く、或いは、調節可能であるように構成されても良い。
サイドベルト3は、具体的には例えば、あくまで一例として挙げると、端部にフックが取り付けられると共に当該フックが係止する一個若しくは複数個の係合部が右・左ボディフレーム1A,1Bに形成されるようにしたり、コキ(即ち、ベルト留め具)が取り付けられてベルト長さが可変であるようにされたり、また、面ファスナーが用いられて締め付けの程度が調整可能であるようにされたりすることが考えられる。
サイドベルト3は、例えば布部材や皮革部材などの非弾性素材で形成されるようにしても良く、或いは、例えばゴムなどの弾性素材で形成されるようにしても良い。
なお、例えば気体の注入・排出によって膨張・収縮可能な気体袋がボディフレーム1の内側に設けられて当該気体袋が膨張させられることによって作業補助器具が使用者の上体に装着された際の固定性・安定性が確保され得る場合などには、サイドベルト3が備えられないようにしても良い。
続いて、右・左ボディフレーム1A,1Bに設けられる機序について説明する。
ここで、以下の本実施形態についての説明では、右・左ボディフレーム1A,1Bのそれぞれに共通に設けられる機序を説明する。そこで、図面においては各機序に同一の符号を付すると共に、以下の本実施形態についての説明においては各機序が右・左ボディフレーム1A,1Bのそれぞれに設けられることを前提として説明する(具体的には、例えば、「左右の」,「左右それぞれの」,または「左右一対の」などとことわらない)。
腕支持部4は、腕を周方向において取り巻くように使用者の腕に取り付けられ、使用者の腕の姿勢を固定して保持する際に保持具として機能するものである。
腕支持部4は、支持フレーム4aと支持ベルト4b(図に示す例では二本)とを有し、これら支持フレーム4aと支持ベルト4bとによって使用者の腕を周方向に取り巻くものとして構成される。
支持フレーム4aは、使用者の腕にフィットするように、腕の周方向における表面形状に沿うように湾曲する板状に形成される。
支持フレーム4aの材質は、特定のものに限定されるものではなく、例えば支持フレーム4aとして形成された際の重量や必要とされる強度等が考慮されるなどして適当な材質が適宜選択される。なお、支持フレーム4aは、剛体である必要はなく、弾性体であっても構わない。
支持フレーム4aの材質としては、具体的には例えば、あくまで一例として挙げると、ポリ塩化ビニル(PVC)などの合成樹脂が用いられ得る。
腕支持部4の装着時の快適性を向上させるため、支持フレーム4aの内面の全面に亙り、弾力性を備えるパッド9が取り付けられる。しかしながら、支持フレーム4aにパッド9が取り付けられることは本発明において必須の構成ではなく、パッド9が取り付けられないようにしても構わない。
本実施形態では、腕支持部4のうちの、支持フレーム4aが使用者の腕の上側部分(言い換えると、使用者が腕を身体の左右に下げた状態における左右方向の外側)に位置すると共に、支持ベルト4bが使用者の腕の下側部分(言い換えると、使用者が腕を身体の左右に下げた状態における左右方向の内側)に位置するように構成される。
支持ベルト4bは、帯状に形成されると共に、支持フレーム4aと共に使用者の腕を取り巻くように前記腕の周方向に配設されて備えられる。
支持ベルト4bは、例えば、長手方向の一方の端部が支持フレーム4aの周方向の一方の端部に固定されると共に、長手方向の他方の端部が支持フレーム4aの周方向の他方の端部に着脱自在であるように備えられる。
支持ベルト4bは、支持フレーム4aを使用者の腕に密着させる程度が、一定であるように構成されても良く、或いは、調節可能であるように構成されても良い。
支持ベルト4bは、具体的には例えば、あくまで一例として挙げると、端部にフックが取り付けられると共に当該フックが係止する一個若しくは複数個の係合部が支持フレーム4aに形成されるようにしたり、コキ(ベルト留め具)が取り付けられてベルト長さが可変であるようにされたり、また、面ファスナーが用いられて締め付けの程度が調整可能であるようにされたりすることが考えられる。
腕支持部4は、当該腕支持部4が装着される部位において使用者の腕を、当該腕の軸回転を許容しないように強く締め付けるようにしても良く、或いは、当該腕の軸回転を許容し得る程度に締め付けるようにしても良い。
そして、ボディフレーム1と腕支持部4とが、連結部材5を介して連結される。
連結部材5は、ボディフレーム1と腕支持部4との相互の位置関係が変更可能である状態と、ボディフレーム1と腕支持部4との相互の位置関係が固定されて変更不可能である状態との切り替えを可能にしつつ、これらボディフレーム1と腕支持部4とを連結する。
言い換えると、連結部材5は、使用者の腕が自由に動ける状態と、使用者の腕の姿勢が固定されて保持される状態との切り替えを可能にしつつ、ボディフレーム1と腕支持部4とを連結する。
図に示す例では、一端5fがボディフレーム1の肩部1dの上部(言い換えると、頂部)に連結されると共に他端5gが腕支持部4の支持フレーム4aの上面(言い換えると、使用者が腕を身体の左右に下げた状態において左右方向の外側に位置する支持フレーム4aの、左右方向の外側面)に連結される連結部材5Aと、一端5fがボディフレーム1の肩部1dの前面(若しくは、前部1cの前面)に連結されると共に他端5gが腕支持部4の支持フレーム4aの前面(言い換えると、使用者が腕を身体の左右に下げた状態において左右方向の外側に位置する支持フレーム4aの、前側面)に連結される連結部材5Bと、一端5fがボディフレーム1の後部1eの後面に連結されると共に他端5gが腕支持部4の支持フレーム4aの後面(言い換えると、使用者が腕を身体の左右に下げた状態において左右方向の外側に位置する支持フレーム4aの、後側面)に連結される連結部材5Cとが設けられる。
ここで、本発明の説明において、複数の連結部材5A,5B,5Cのうちのいずれであるかを特定する必要がないときや、複数の連結部材5A,5B,5Cを一つの集まりとして取り扱うときは、単に「連結部材5」と表記する。
また、連結部材5について、ボディフレーム1の正面視における、ボディフレーム1との連結位置(即ち、前述の説明における一端5f)の上下方向位置と腕支持部4との連結位置(即ち、前述の説明における他端5g)の上下方向位置とが同一(即ち、同じ高さ)である姿勢、若しくは、ボディフレーム1との連結位置(前述の説明における一端5f)の上下方向位置よりも腕支持部4との連結位置(前述の説明における他端5g)の上下方向位置が低い姿勢のことを吊り下げ態様と呼ぶ。
連結部材5について、さらに、ボディフレーム1の正面視における、ボディフレーム1との連結位置(前述の説明における一端5f)の上下方向位置よりも腕支持部4との連結位置(前述の説明における他端5g)の上下方向位置が高い姿勢のことを受け支え態様と呼ぶ。
図に示す例では、作業補助器具を装着した使用者が腕を下げた状態(図1乃至図5)では三個の連結部材5の全てが吊り下げ態様であり、且つ、使用者が腕を水平になるまで上げた状態(図6)では三個の連結部材5のうちの二個の連結部材5A,5Bが吊り下げ態様であると共に一個の連結部材5Cが受け支え態様であるように各連結部材5が配設される。
図に示す例では、すなわち、腕支持部4の位置に因らずに、言い換えると、使用者の腕がどのような姿勢であっても、三個の連結部材5のうちの二個は常に吊り下げ態様であり、一方で、常に受け支え態様である連結部材5はない。
ここで、腕支持部4は、使用者の上腕部分に装着されて上腕を保持するようにしても良く、或いは、使用者の前腕部分に装着されて前腕を保持する(さらに、前腕の保持によって上腕を保持する)ようにしても良い。さらに言えば、左右のうちの一方の腕支持部4が使用者の上腕に装着されて上腕を保持し、他方の腕支持部4が使用者の前腕に装着されて前腕を保持する(さらに、前腕の保持によって上腕を保持する)ようにしても良い。
なお、図に示す例は、腕支持部4が使用者の上腕に装着されることを想定したものであり、この場合に適当であると考えられる、連結部材5を含む各部・各部材の大凡の寸法を前提とするものである。したがって、腕支持部4が使用者の前腕に装着される場合には、例えば連結部材5の軸方向の寸法は図に示す例と比べて大きく(即ち、長く)なると考えられる。ただし念のために付け加えると、図に示す作業補助器具の各部・各部材の寸法は厳密なものではない。
連結部材5は、一端5fがボディフレーム1に球面軸受(ロッドエンドベアリング,スフェリカルジョイント,或いは球面関節とも呼ばれる)によって連結されると共に、他端5gが腕支持部4の支持フレーム4aに球面軸受によって連結される。
なお、図に示す例では、連結部材5の、ボディフレーム1の肩部1dの上部に連結される一端5fと、ボディフレーム1の後部1eの後面に連結される一端5fとにおいて、両端部が球体状に形成された短ロッドを使用した二連の球面軸受けが用いられるようにしている。この二連の球面軸受けが用いられることにより、連結部材5とボディフレーム1との連結位置が調節され、例えば腕支持部4の可動範囲,使用者の腕の動きへの追従性,或いは腕支持部4の拘束の堅確性などが調整され得る。このため、必要に応じ、連結部材5の他の連結部(即ち、一端5f,他端5g)においても二連の球面軸受けが用いられるようにしても良い。しかしながら、連結部材5の連結部(一端5f,他端5g)において二連の球面軸受けが用いられることは必須の構造ではなく、通常の(言い換えると、単独の)球面軸受けが用いられるようにしても構わない。
連結部材5は、軸方向に移動して出没の程度が変化するロッド5eを有する伸縮機構5dを含み、当該伸縮機構5dによって伸縮可能(即ち、長さ可変)であるものとして構成される。
連結部材5に含まれる伸縮機構5dは、連結部材5の一端5fと他端5gとの間の寸法が外力の働く向きに合わせて自由に変化し得る状態(「ロック解除状態」と呼ぶ)と外力が働いても変化しない状態(「ロック状態」と呼ぶ)との切り替えが可能なものであれば、特定の機構や仕組みに限定されるものではなく、例えば前記寸法が変化しないようにするために必要とされる拘束力や仕組みの大きさなどが考慮された上で適当なものが適宜選択される。
連結部材5の伸縮機構5dとしては、あくまで一例として挙げると、ロッド5eとして軸直角断面が円形である丸棒状のものが用いられ、当該ロッド5eとコイルばねとの摩擦力を利用したロック機構が用いられ得る。
具体的には、ロッド5eの外周に巻き回されると共にロッド5eの外径よりも内径が僅かに小さく且つ端部に係止部が設けられたコイルばねを備え、当該コイルばねに外力が与えられていない状態ではコイルばね自身の弾力による巻き締めによって当該コイルばねの内面がロッド5eの外周面に密接して摩擦力によってロッド5eが軸方向に移動しないようにロックされてロック状態になり、一方、コイルばねの係止部と嵌合する係合部が設けられた操作片を介してコイルばねに外力が与えられて巻き戻す向きに捩られるとコイルばねの内径が拡大してロッド5eに対する摩擦力が解放されてロッド5eが軸方向に移動し得るようにロックが解除されてロック解除状態になるロック機構が用いられ得る。なお、このようなロック機構の具体的な仕組みの参考として、例えば、特公平7−58085に記載の摩擦ロック機構が挙げられる。
伸縮機構5dとして上述のような丸棒状のロッド5eとコイルばねとの摩擦力を利用したロック機構が用いられることにより、使用者の意図した通りにロッド5eの出没の程度を無段階で調節した上でロック状態にすることができる。
なお、伸縮機構5dとして上述のようなロック機構が用いられる場合には、一つの伸縮機構5dに、コイルばねは、一個備えられるようにしても良く、或いは、複数個備えられるようにしても良い。
そして、連結部材5の伸縮機構5dがロック状態であるときは、使用者の腕によって腕支持部4に掛けられる荷重は、連結部材5を介してボディフレーム1及びパッド8に伝えられ、サイドベルト3,3の働きにもより、使用者の上体によって受け支えられて支持される。これにより、使用者の腕の姿勢が固定されて安定的に保持される。
また、右・左ボディフレーム1A,1Bのそれぞれの後部1e,1eの、カバー1gによって覆われた空間に、伸縮機構5dのロック状態とロック解除状態との切り替えを制御するための回路基板や、前記状態の切り替えに必要とされる電力を伸縮機構5dに供給するためのバッテリが収納される。
上述のロッド5eとコイルばねとの摩擦力を利用したロック機構の場合には、電動モータを動力源として操作片が所定の動きをすることによってコイルばねの巻き締めと巻き戻しとが制御され、これにより、伸縮機構5dにおけるロッド5eの軸方向の移動のロックと当該ロックの解除とが制御され、延いては、連結部材5としての伸縮の可能・不可能が制御される。
なお、上述のロッド5eとコイルばねとの摩擦力を利用したロック機構の場合には、コイルばねに外力が与えられていない状態ではコイルばね自身の弾力による巻き締めによってロッド5eがロックされるので、作業補助器具の使用中にバッテリの消耗などによって電力が供給されなくなったとしても伸縮機構5dはロック状態が維持され得るので、腕支持部4によって保持されている使用者の腕が不意に自由になってしまうことがない。このため、腕の姿勢は保持されたままであり、この点において作業補助器具としての安全性や信頼性が損なわれることがない。
さらに付け加えると、連結部材5の個数や配設の仕方(言い換えると、取付位置)によって腕支持部4が大凡固定されつつも多少の移動が許容されるように自由度を敢えて残して構成することも可能であり、この場合には上述のロック機構の伸縮機構5dのロック状態が維持される事態になったとしても腕支持部4が多少は移動することができる。このため、使用者が腕支持部4によって保持されている腕を多少は動かすことができるので、最低限の安全性が確保されると言える。
また、伸縮機構5dのロック状態とロック解除状態との切り替えを制御するための操作部6が、右・左ボディフレーム1A,1Bの肩部1dに設けられる。
操作部6は、作業補助器具を装着した使用者の下顎の下方の、使用者が頭部を左右に傾けることによって操作され得る(具体的には、押され得る)位置に取り付けられる。
そして、使用者が作業補助器具を装着した状態で頭部を左右に傾けることによって操作部6の操作片が押し下げられるたびに伸縮機構5dのロック状態とロック解除状態とが切り替えられる。
操作片を含む操作部6の形態や操作部6が取り付けられる位置は、図に示す例における形態や位置に限定されるものではなく、使用者が頭部を傾けることによって操作可能である形態や位置が適宜選択される。
なお、右ボディフレーム1Aに設けられている操作部6が操作されることによって右ボディフレーム1Aに取り付けられている全ての連結部材5の伸縮機構5dのロック状態とロック解除状態とが同時に切り替えられ、左ボディフレーム1Bに設けられている操作部6が操作されることによって左ボディフレーム1Bに取り付けられている全ての連結部材5の伸縮機構5dのロック状態とロック解除状態とが同時に切り替えられる。
あるいは、右ボディフレーム1Aに設けられている操作部6若しくは左ボディフレーム1Bに設けられている操作部6が操作されることによって右ボディフレーム1Aに取り付けられている全ての連結部材5の伸縮機構5dと左ボディフレーム1Bに取り付けられている全ての連結部材5の伸縮機構5dとのロック状態とロック解除状態とが同時に切り替えられるようにしても良い。
また、右ボディフレーム1Aに取り付けられている連結部材5の伸縮機構5d毎に操作部6が設けられたり、左ボディフレーム1Bに取り付けられている連結部材5の伸縮機構5d毎に操作部6が設けられたりすることにより、各連結部材5のロック状態とロック解除状態との切り替えが個別に制御されるようにしても良い。
また、伸縮機構5dがロック状態であるのかロック解除状態であるのかを使用者に知らせるため、操作部6が発光部6aを備え、操作部6が操作されるたびに伸縮機構5dのロック状態とロック解除状態とに連動して発光部6aが点灯したり消灯したりするようにしても良い。
なお、伸縮機構5dの作動や制御に纏わる配線は、右・左ボディフレーム1A,1Bとパッド8との間に可能な限り配設されることが好ましい。
以上のように構成された作業補助器具によれば、ボディフレーム1と腕支持部4とを連結する連結部材5の伸縮可能なロック解除状態と伸縮不可能なロック状態とが切り替えられるようにしているので、連結部材5が伸縮可能なロック解除状態であるときには腕支持部の移動の自由を制約することなく使用者の上腕と前腕との自由な姿勢変化を確保すると共に連結部材5が伸縮不可能なロック状態に切り替えられることによって腕支持部4の移動の自由度を低減させて使用者の腕の姿勢変化を制約することができるので、必要に応じて使用者の腕の姿勢変化が制約される分だけ当該腕の姿勢が保持されることになって使用者の疲労を軽減することが可能になる。特に、上述の実施形態では三個の連結部材5が用いられてボディフレーム1と腕支持部4とが連結されるようにしているので、ボディフレーム1と腕支持部4との相互の位置関係の自由度を任意に構成することができ、例えば両者の相互の位置関係を完全に若しくは大凡完全に固定することができ、必要に応じて使用者の腕を固定して当該腕の姿勢を保持することによって使用者の疲労を大幅に軽減することが可能になる。
なお、上述の形態は本発明を実施する際の好適な形態の一例ではあるものの本発明の実施の形態が上述のものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において本発明は種々変形実施可能である。
例えば、上述の実施形態では腕支持部4が左右一対のものとして備えられるようにしているが、姿勢を保持することが必要とされる対象が使用者の左右の腕のうちの一方のみである場合などには、腕支持部4が左右のうちのどちらか一方のみに備えられるようにしても良い。
また、上述の実施形態では腕支持部4の支持フレーム4aが使用者の腕の上側部分(言い換えると、使用者が腕を身体の左右に下げた状態における左右方向の外側)に位置すると共に支持ベルト4bが使用者の腕の下側部分(言い換えると、前記左右方向の内側)に位置し且つ三個の連結部材5のうちの二個は常に吊り下げ態様であると共に常に受け支え態様である連結部材5はないようにしているが、腕支持部4の支持態様(言い換えると、連結部材5の配設態様)はこれに限られるものではなく、例えば、常に吊り下げ態様である連結部材5は一個のみであるようにしても良く、また、腕支持部4の支持フレーム4aが使用者の腕の下側部分(言い換えると、前記左右方向の内側)に位置すると共に支持ベルト4bが使用者の腕の上側部分(言い換えると、前記左右方向の外側)に位置し且つ連結部材5のうちの少なくとも一個が常に受け支え態様であるように配設される(なお、腕支持部4側の他端5gは支持フレーム4aの下面、言い換えると前記左右方向の内側面に連結される)ようにしても良い。
また、上述の実施形態ではボディフレーム1と腕支持部4とが三個の連結部材5A,5B,5Cによって連結されるようにしているが、ボディフレーム1と腕支持部4との連結態様はこれに限られるものではなく、ボディフレーム1と腕支持部4とが、二個の連結部材5によって連結されるようにしても良く、或いは、四個以上の連結部材5によって連結されるようにしても良い。さらに言えば、例えば右側の腕支持部4が三個の連結部材5によって連結されると共に左側の腕支持部4が二個の連結部材5によって連結されるなどのように、連結部材5の個数が左右で異なるようにしても良い。なお、上述の実施形態のように腕支持部4の周方向(言い換えると、使用者の腕周り)において離間して少なくとも三個の連結部材5が取り付けられると共にこれら連結部材5の伸縮が制御されることによってボディフレーム1に対する腕支持部4の移動が制限されて相互の位置関係が完全に若しくは大凡完全に固定され得るように構成されるものの、腕の特定の動きが許容された方が使用者にとって都合が良い(言い換えると、利便性が高い)場合には許容されるべき腕の動きが実現され得るように個数や配設の仕方(言い換えると、取付位置)などが調整されて二個の連結部材5が取り付けられるようにしても良い。
なお付け加えると、一個の連結部材5によってボディフレーム1と腕支持部4とが連結されるようにしても良い。この場合も、連結部材5の長さや両端の連結部(即ち、一端5f,他端5g)における揺動・回動などの許容と制限とが調整されることによってボディフレーム1に対する腕支持部4の所望の移動及び固定が実現され得る。
また、上述の実施形態では連結部材5の全てが伸縮機構5dを含んで伸縮可能であると共に全ての連結部材5の両端5f,5gが球面軸受によって連結されることによって伸縮機構5dがロック解除状態であるときには使用者の腕の自由な動き(言い換えると、腕支持部4のあらゆる移動)が確保されるようにしているが、ロック解除状態における使用者の腕の自由な動き(腕支持部4のあらゆる移動)は本発明において必須の要件ではない。すなわち、例えば使用者の腕の特定の動きが許容されなくても良い場合や特定の動きが許容されない方が寧ろ良い場合には、腕の特定の動きが許容されないように、少なくとも一部の連結部材5として伸縮しない長さ固定のもの(具体的には例えば、両端に連結部を備える単なるロッド)が用いられたり、ボディフレーム1や腕支持部4と連結部材5との連結のうちの少なくとも一部が軸部材を介して特定方向のみ揺動可能であるようにされたり予め定められた所定の角度で固定されたりするようにしても良い。なお、長さ固定の連結部材5が用いられる場合には、使用者の体格・体型や作業内容などに応じて適切なものが選択され得るように、長さの異なる複数の連結部材5が準備されるようにしても良い。
さらに言えば、連結部材5の全てが長さ固定のものである(言い換えると、伸縮機構5dを一切備えない)ようにしても良い。この場合には、ボディフレーム1に対する腕支持部4の所望の移動及び固定が実現されるように、各連結部材5の長さや両端の連結部における揺動・回動などの許容と制限とが調整される。
また、上述の実施形態では伸縮機構5dとして丸棒状のロッド5eとコイルばねとの摩擦力を利用したロック機構が用いられるようにしているが、伸縮機構5dの仕組みはこれに限られるものではなく、ロッド5eの出没の程度を無段階で調節することができると共にロック状態とロック解除状態とを切り替えることができる種々の仕組みが用いられ得る。具体的には例えば、ロッド5eの周囲に配設されると共に膨張・収縮可能な人工筋肉が用いられて当該人工筋肉との摩擦力によってロッド5eがロックされたり当該ロックが解除されたりする仕組みや、ロッド5eと連携するボールねじを使用した電動アクチュエータが用いられて当該電動アクチュエータによるボールねじの制動によってロッド5eがロックされたり当該ロックが解除されたりする仕組みが用いられ得る。
また、上述の実施形態では操作部6が右・左ボディフレーム1A,1Bの肩部1dに取り付けられて使用者が頭部を左右に傾けることによって操作されるようにしているが、操作部6の取り付け態様はこれに限られるものではなく、伸縮機構5dを制御するための回路と制御信号の送受信が可能であるように有線若しくは無線による信号送受の仕組みによって電気的に接続されるフットペダルとして操作部が備えられて使用者が足で踏むことによって操作部であるフットペダルが操作されるようにしても良い。
また、上述の実施形態では操作部6の操作片が押し下げられて操作されることによって伸縮機構5dのロック状態とロック解除状態とが制御されるようにしているが、伸縮機構5dの制御態様はこれに限られるものではなく、例えば、操作部6の位置にこれに代わって音声検出部(具体的には例えばマイクロホン)が取り付けられると共に当該音声検出部に使用者の音声が入力されることによって伸縮機構5dが制御されるようにしても良い。この場合には、具体的には例えば、伸縮機構5dを制御するための回路が音声認識部と記憶部とを有するように構成され、音声検出部によって検出された使用者の音声が音声認識部に入力されると共に記憶部に予め記憶された音声パターンから使用者の音声に一致する音声パターンが音声認識部によって検索され、前記使用者の音声に一致する音声パターンがある場合に当該音声パターンに対応する制御信号が伸縮機構5dに入力されて制御されるようにしても良い。
また、上述の実施形態では、ボディフレーム1(具体的には、右・左ボディフレーム1A,1B)が前部1c,肩部1d,及び後部1eを有するものとして構成されるようにしているが、使用者の身体(胴体)に装着されるフレームが前部1c,肩部1d,及び後部1eの全てを有することは必ずしも必要ではない。具体的には例えば、前部1cと後部1eとのうちの少なくとも一方を有しないようにして胴を回るベルト等によって装着されるようにしても良く、或いは、肩部1dを有しないようにして肩に掛かるベルト等によって装着されるようにしても良い。さらに、使用者の身体(胴体)に装着されるフレームは、上述の実施形態のようにおおよそ胸部〜肩〜背上部の範囲に装着される態様のほか、腹部や腰部に装着されるようにしても良い。この点において、本発明における「上体」は、胸部,肩,及び背上部に加え、腹部,背下部,及び腰部を含む意で用いられている。
本発明の作業補助器具は、例えば、作業者が長時間に亙って姿勢を保持する必要がある場合に特に腕の疲労を大幅に軽減することができるので、固定的な姿勢で作業を行う種々の分野で利用価値が高い。
1 ボディフレーム
1A 右ボディフレーム
1B 左ボディフレーム
1c 前部
1d 肩部
1e 後部
1f ヒンジ
1g カバー
2 留め具
3 サイドベルト
4 腕支持部
4a 支持フレーム
4b 支持ベルト
5 連結部材
5A,5B,5C 連結部材
5d 伸縮機構
5e ロッド
5f 連結部材のボディフレーム側の端部(一端)
5g 連結部材の腕支持部側の端部(他端)
6 操作部
6a 発光部
8 ボディフレーム(右・左ボディフレーム)のパッド
9 腕支持部(支持フレーム)のパッド

Claims (5)

  1. 使用者の上体に装着されるボディフレームと、前記使用者の腕に装着される腕支持部と、これらボディフレームと腕支持部とを連結する複数の連結部材とを有し、前記複数の連結部材のうちの少なくとも一つが伸縮可能な状態と伸縮不可能な状態とが切り替えられ、前記連結部材の前記伸縮可能な状態と前記伸縮不可能な状態との切り替えを制御するための操作部が前記ボディフレームの肩部に設けられることを特徴とする作業補助器具。
  2. 前記複数の連結部材として、一端が前記ボディフレームの肩部に連結される連結部材、一端が前記ボディフレームの前面側に連結される連結部材、及び一端が前記ボディフレームの後面側に連結される連結部材の少なくとも三個の連結部材を有することを特徴とする請求項1記載の作業補助器具。
  3. 軸方向に移動して出没の程度が変化するロッドと当該ロッドの外周に巻き回されるコイルばねとを有する伸縮機構を前記連結部材が含み、前記コイルばねの巻き締めによる当該コイルばねの内面と前記ロッドの外周面との摩擦力で前記ロッドをロックすることによって前記連結部材が前記伸縮不可能な状態になることを特徴とする請求項1記載の作業補助器具。
  4. 前記複数の連結部材のうちの少なくとも一部が、常に、前記ボディフレーム側の一端と前記腕支持部側の他端とが同じ高さ、または、前記ボディフレーム側の一端よりも前記腕支持部側の他端の方が低いように配設されることを特徴とする請求項1記載の作業補助器具。
  5. 前記連結部材と前記ボディフレームとが球面軸受によって連結されると共に前記連結部材と前記腕支持部とが球面軸受によって連結されることを特徴とする請求項1記載の作業補助器具。
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