JP2019055033A - サポートウェア、及び動作支援システム - Google Patents

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彩代 山本
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Abstract

【課題】使用者の荷役動作の際の上半身の動作の支援及び負担を低減できるサポートウェア、並びに、使用者の膝の動作の支援が可能な動作支援システムを提供すること。
【解決手段】 実施形態によれば、サポートウェアは、使用者の左肩に装着される左肩装着具、前記使用者の右肩に装着される右肩装着具、並びに、前記左肩装着具の後部及び前記右肩装着具の後部に接続され、弾性部材を有する接続部を具備する肩あてと、前記使用者の腰に装着され、前記腰を締め付け可能な腰ベルトと、前記使用者の臀部に装着され、前記臀部を締め付け可能な臀部ベルトと、前記腰ベルト及び前記臀部ベルトが連結され、前記使用者の腰に装着される連結部材と、前記肩あて及び前記連結部材に連結され、少なくとも一部が弾性部材から形成され、かつ、少なくとも一部が前記使用者の背中に配される体幹ベルトと、を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明の実施形態は、使用者に装着され、使用者に生じる負担を低減するサポートウェア、及び、使用者に装着され使用者の動作を支援する動作支援システムに関する。
近年、使用者が荷物を持ち上げることに伴う使用者の腰の負担を低減するサポートウェアが知られている。この種の動作支援ウェアとしては、使用者の腰を締め付けるベルトを有するサポートウェアが知られている。また、使用者の背中に配されて使用者の前屈動作に起因して延びるベルトを有するサポートウェアが知られている。
また、使用者の腰に生じる負担を低減する為の荷物の持ち上げ方法として、腰を屈伸することにより上半身を上下動するのではなく、膝を屈伸することにより上半身を上下動する持ち上げ方法(スクワットリフティング法)が知られている。膝を屈伸することにより、腰の屈曲角度を小さくできるので、腰に生じる負担を小さくできる。
また、モータの動力を利用して使用者の膝の動作を支援する動作支援装置が知られている。
特許第4496398号公報
使用者は、膝を屈伸することにより荷物を持ち上げる荷役動作を行う場合であっても、若干ではあるが腰を屈伸する。さらに、膝を屈伸することにより荷物を持ち上げる荷役動作を行う際に、使用者の肩に負担が生じる。このように、膝を屈曲することにより荷物を持ち上げる場合においても、使用者の上半身に負担が生じる。
本発明は、使用者の荷役動作の際の上半身の動作の支援をすることができ、かつ、上半身の動作時における負担を低減できるサポートウェア、並びに、使用者の膝の動作の支援が可能な動作支援システムを提供することを目的とする。
実施形態によれば、サポートウェアは、使用者の左肩に装着される左肩装着具、前記使用者の右肩に装着される右肩装着具、並びに、前記左肩装着具の後部及び前記右肩装着具の後部に接続され、弾性部材を有する接続部を具備する肩あてと、前記使用者の腰に装着され、前記腰を締め付け可能な腰ベルトと、前記使用者の臀部に装着され、前記臀部を締め付け可能な臀部ベルトと、前記腰ベルト及び前記臀部ベルトが連結され、前記使用者の腰に装着される連結部材と、前記肩あて及び前記連結部材に連結され、少なくとも一部が弾性部材から形成され、かつ、少なくとも一部が前記使用者の背中に配される体幹ベルトと、を備える。
図1は、第1の実施形態に係るサポートウェアを装着した状態の使用者を示す正面図である。 図2は、第1の実施形態に係るサポートウェアを装着した状態の使用者を示す背面図である。 図3は、第1の実施形態に係るサポートウェアに用いられる肩あてを示す斜視図である。 図4は、第1の実施形態に係る肩あてを装着した状態の使用者の上半身を示す背面図である。 図5は、第1の実施形態に係る肩あて、及びサポートウェアに用いられるサポートベルトを装着した状態の使用者を示す側面図である。 図6は、第1の実施形態に係るサポートベルトを示す展開図である。 図7は、第2の実施形態に係るサポートウェアを着用した状態の使用者を示す側面図である。 図8は、第2の実施形態に係るサポートウェアに用いられるサポートベルトを示す展開図である。 図9は、第3の実施形態に係る動作支援システムを装着した状態の使用者を示す側面図である。 図10は、第3の実施形態に係る動作支援システムを装着した状態の使用者を示す背面図である。 図11は、第3の実施形態に係る動作支援システムの一部を装着した状態の使用者を示す側面図である。 図12は、第3の実施形態に係るサポートベルト及び動作支援装置を示す平面図である。
第1の実施形態に係るサポートウェア10を、図1乃至図6を用いて説明する。図1は、サポートウェア10を装着した状態の使用者1を示す正面図である。図2は、サポートウェア10を装着した状態の使用者1を示す背面図である。図3は、サポートウェア10に用いられる肩あて20を示す斜視図である。
図4は、肩あて20を装着した状態の使用者1の上半身2を示す背面図である。図5は、肩あて20、及びサポートウェア10に用いられるサポートベルト30を装着した状態の使用者1を示す側面図である。図6は、サポートベルト30を示す展開図である。図6は、サポートベルト30の内面を示している。
サポートウェア10は、使用者1に装着されて、使用者1の荷役動作により上半身2に生じる負担を低減可能に構成されている。また、サポートウェア10は、腰5の屈曲状態からの伸展動作を支援可能に構成されている。本実施形態では、サポートウェア10の上下方向、前後方向、及び幅方向は、一例として、サポートウェア10が使用者1に装着され、かつ、使用者1が直立姿勢であるときの使用者1の前後方向、上下方向、及び幅方向と同じとする。幅方向は、前後方向及び上下方向に直交する方向である。すなわち、幅方向は、使用者1の左右方向である。
図1及び図2に示すように、サポートウェア10は、使用者1の肩4に装着される肩あて20、使用者1の腰5及び大腿部6に装着されるサポートベルト30、及び、使用者1の背中7に少なくとも一部が配される体幹ベルト60を有している。
肩あて20は、図3及び図4に示すように、使用者1の左肩4aに装着可能に形成された左肩装着具21、使用者1の右肩4bに装着可能に形成された右肩装着具22、左肩装着具21及び右肩装着具22に接続された接続部23、並びに、左肩装着具21及び右肩装着具22を互いに着脱可能に連結する連結機構29を有している。
左肩装着具21は、一例として、図5に示すように、使用者1の左肩4aを内側に配置可能な環状に形成されている。左肩装着具21は、例えば、クッション性を有するメッシュ生地から形成される。
左肩装着具21は、使用者1が装着した状態において背中7に配される後部25、及び、使用者1が装着した状態において使用者1の前側に配される前部26を有している。
後部25は、図4に示すように、上下方向の中央部となる後中央部25aを有する。後中央部25aは、幅方向内側に突出する形状に形成されている。すなわち、肩あて20が使用者1に装着された状態において、後中央部25aは、右肩装着具22側に突出する。
具体的には、後部25の縁25b,25cは、後中央部25aに向かうにつれて、漸次、右肩装着具22側に近づくよう、上下方向に対して傾斜している。本実施形態では、後部25は、背面視で、アルファベットの「V」字状に形成されている。
左肩装着具21の後部25には、体幹ベルト60が着脱可能に連結される、第1の被連結部25dが設けられている。体幹ベルト60は、第1の被連結部25dに連結されることにより、肩あて20に連結される。
また、第1の被連結部25dは、後述する第2の被連結部57からの第1の被連結部25dまでの体幹ベルト60の長さを調整可能に、体幹ベルト60が連結できるように構成されている。
すなわち、第1の被連結部25dは、体幹ベルト60の任意の位置、または、予め設定された複数の位置(例えば、体幹ベルト60の長手方向に並んだ複数の孔)のうちの1つの位置が連結されることにより、体幹ベルト60の、第2の被連結部57から第1の被連結部25dまでの長さが調整される。第1の被連結部25dは、一例として、バックルである。なお、体幹ベルト60は、第1の被連結部25dに着脱可能に連結される、連結部が設けられてもよい。
図3に示すように、左肩装着具21の前部26の幅は、後部25の幅よりも狭い。前部26の上下方向の中央となる前中央部には、幅方向内側に突出する前突出部26aが形成されている。すなわち、前突出部26aは、肩あて20が使用者1に装着された状態において、右肩装着具22側に突出する形状に形成されている。前部26は、一例として、前突出部26aを除いた部分の幅が一定である。
前部26には、体幹ベルト60を保持可能なベルト保持部26bが形成されている。ベルト保持部26bは、体幹ベルト60を、体幹ベルト60の長手方向に移動可能に保持し、かつ、体幹ベルト60の幅方向移動を規制する。ベルト保持部26bは、一例として、前部26の上下方向中央部に配置されている。ベルト保持部26bは、一例として、体幹ベルト60を通すことが可能な2つの切れ込み26cから構成されている。切り込み26cの長さは、体幹ベルト60の幅よりわずかに長い長さである。ベルト保持部26bは、体幹ベルト60が2つの切れ込み26c内に通されることにより、体幹ベルト60を保持する。
右肩装着具22は、一例として、図1及び図2に示すように、使用者1の右肩4bを内側に配置可能な環状に形成されている。右肩装着具22は、例えば、クッション性を有するメッシュ生地から形成される。
右肩装着具22は、本実施形態では、左肩装着具21と同様に構成されている。また、右肩装着具22の形状は、左肩装着具21に対して左右対称の形状を有している。この為、右肩装着具22において、左肩装着具21と同様の機能を有する構成は、左肩装着具21と同一の符号を付して説明を省略する。なお、右肩装着具22の、後中央部25a及び前突出部26aは、肩あて20が使用者1に装着された状態では、左肩装着具21側に突出することとなる。
接続部23は、図3及び図4に示すように、左肩装着具21の後部25及び右肩装着具22の後部25に接続されている。接続部23は、弾性部材から形成されており、使用者1が左肩4aの肩甲骨及び右肩4bの肩甲骨を外転した際に、復元力により、左肩4aの肩甲骨及び右肩4bの肩甲骨を外転に反するように付勢可能に構成されている。なお、左肩4aの肩甲骨及び右肩4bの肩甲骨を外転する動作とは、例えば、使用者1が床などに配置された荷物を持ち上げる際に、左肩4a及び右肩4bを使用者1の前方に変位する動作である。
接続部23は、本実施形態では、一例として、ばね定数が異なる複数の弾性部材を有しており、具体的には、第1の弾性部材27、及び第2の弾性部材28を有している。
第1の弾性部材27は、図3に示すように、一例として、平ゴムから形成されており、平面視で矩形となる形状を有している。第1の弾性部材27の一部、例えば1つの縁部27a及びその近傍は、左肩装着具21の後部25の内面に、例えば縫い付けられることにより、固定されている。第1の弾性部材27の他の一部、例えば縁部27aに対向する縁部27b及びその近傍は、右肩装着具22の後部25の内面に、例えば縫い付けられることにより、固定されている。第1の弾性部材27は、後部25の上部から下部までの範囲を占める大きさを有している。
第1の弾性部材27は、幅方向外側に向かってに延びると弾性エネルギを蓄える性質、及び、延びた状態から復元力により、元の状態に戻る性質を有している。すなわち、第1の弾性部材27は、上述のように使用者1が左肩4aの肩甲骨及び右肩4bの肩甲骨を外転することにより左肩4a及び右肩4bが互いに離れると、延びる。
第2の弾性部材28は、第1の弾性部材27よりも高いばね定数を有している。第2の弾性部材28は、図4に示すように、帯状に形成されている。また、第2の弾性部材28は、一例として複数設けられており、具体的には4本設けられている。第2の弾性部材28は、一例として平ゴムから形成されている。第2の弾性部材28は、長手方向に延びると弾性エネルギを蓄える性質、及び延びた状態から復元力により縮む性質を有している。
第2の弾性部材28は、第1の弾性部材27の後面に、例えば縫い付けられることにより、固定されている。2本の第2の弾性部材28は、左肩装着具21の後中央部25a及び右肩装着具22の後中央部25aを挟んで上下方向両側に1つずつ配置されており、例えば幅方向に平行または略平行に配置されている。この2本の第2の弾性部材28は、左肩装着具21の後部25の右肩装着具22側の縁25bから、右肩装着具22の後部25の左肩装着具21側の縁25bまで延びている。
残り2本の第2の弾性部材28は、上述の2本の第2の弾性部材28間に配置されており、互いに交差する姿勢で、第1の弾性部材27に固定されている。この、互いに交差する2本の第2の弾性部材28は、左肩装着具21の後部25の右肩装着具22側の縁25bから、右肩装着具22の後部25の左肩装着具21側の縁25bまで延びている。
第2の弾性部材28は、肩あて20が使用者1に装着された状態において、使用者1が左肩4aの肩甲骨及び右肩4bの肩甲骨を外転すると、延びる。
また、本実施形態では、4本の第2の弾性部材28は、それぞれ、長手方向に所定長さ伸長した状態で、第1の弾性部材27に固定されている。なお、本実施形態では、第2の弾性部材28は、左肩装着具21の後部25、及び右肩装着具22の後部25には、直接は固定されてない。なお、第1の弾性部材27及び第2の弾性部材28は、それぞれ、1本の平ゴムから形成されてもよいし、または、複数本の平ゴムから形成されてもよい。または、第1の弾性部材27及び第2の弾性部材28は、平ゴム以外の弾性部材から形成されてもよい。
連結機構29は、図1及び図3に示すように、一例として、左肩装着具21の前部26の前突出部26aに固定された左ベルト29a、左ベルト29aに設けられた係合部29b、右肩装着具22の前突出部26aに固定された右ベルト29c、及び右ベルト29cに設けられた被係合部29dを有している。
左ベルト29aは、幅方向内側に向かって延びている。係合部29bは、左ベルト29aの先端に設けられている。係合部29bは、一例としてバックルである。
右ベルト29cは、幅方向内側に向かってに延びている。被係合部29dは、右ベルト29cの先端に設けられている。被係合部29d、係合部29bが着脱可能に係合可能に形成されている。被係合部29dは、一例としてバックルである。
左ベルト29a及び右ベルト29cは、延びにくい材料から形成されている。また、連結機構29は、その長さを調整可能に形成されてもよい。すなわち、左ベルト29a及び右ベルト29cの少なくとも一方は、長さを調整可能に形成されてもよい。
サポートベルト30は、図5及び図6に示すように、使用者1の腰5に巻き付けることが可能な腰ベルト31、使用者1の臀部8に巻き付けることが可能な臀部ベルト40、及び、連結部材50を有している。
腰ベルト31は、帯状に形成されている。また、腰ベルト31は、腰ベルト31を使用者1の腰5を内側に配置する環状に形成可能であるとともに、周方向の長さを調整可能な腰ベルト用固定部32を有している。腰ベルト用固定部32は、一例として、腰ベルト31の外面全体に形成された面ファスナのループ33(図1に示す)、及び、腰ベルト31の内面の一端部に形成された面ファスナのフック34により構成される。このように、腰ベルト用固定部32として面ファスナを用いることにより、腰ベルト31の周方向の長さを調整できるので、腰ベルト31により使用者1の腰5を締め付けることができる。
臀部ベルト40は、帯状に形成されている。また、臀部ベルト40は、臀部ベルト40を使用者1の臀部8を内側に配置する環状に形成可能であるとともに、周方向の長さを調整可能な臀部ベルト用固定部41を有している。臀部ベルト用固定部41は、一例として、面ファスナである。臀部ベルト用固定部41は、一例として、外面の全体に形成された面ファスナのループ42(図1に示す)、及び臀部ベルト40の一端部の内面に形成された面ファスナのフック43を有している。
臀部ベルト40は、使用者1の臀部8と対向する臀部対向部44、並びに、臀部8の側部及び使用者1の前部に対向する側部45を有している。臀部対向部44は、臀部8全体を覆うことが可能な幅を有している。
側部45は、臀部対向部44の両側に1つずつ形成されている。側部45は、使用者1の左右の脚の付け根部に配置される。側部45は、使用者1の歩行、すなわち大腿部6の上下動作を阻害しないように、幅が狭く形成されている。具体的には、側部45は、その上端縁45aの上下方向の位置を臀部対向部44の上端縁44aと同一高さとしつつ、側部45の下端縁45bが臀部対向部44の下端縁44bより高い位置にある形状を有している。
連結部材50は、腰ベルト31、臀部ベルト40、及び体幹ベルト60が連結可能に、かつ、使用者1の大腿部6に着脱可能に形成されている。
連結部材50は、伸縮性を有する材料から帯状に形成されている。連結部材50は、使用者1の臀部8、及び使用者1の大腿部6の一部(大腿部6の後部及び側部)を覆う本体部51、本体部51に形成されたベルト保持部52、及び、大腿部6に固定可能な大腿固定部53を有している。
本体部51は、一例として、平面視で矩形状に形成されている。本体部51の中央部には、臀部ベルト40を保持するベルト保持部54が形成されている。ベルト保持部54は、臀部ベルト40を、臀部ベルト40の長手方向に移動可能に保持し、かつ、幅方向の移動を規制する。ベルト保持部54は、一例として本体部51に形成された2つの切り込み54aにより構成されている。切り込み54aの長さは、臀部ベルト40の幅よりわずかに長い長さである。ベルト保持部54は、切り込み54a内に臀部ベルト40を通すことにより、臀部ベルト40を保持する。ベルト保持部54が臀部ベルト40を保持することにより、臀部ベルト40が連結部材50に連結される。
ベルト保持部52は、本体部51の上端に一例として複数設けられており、具体的には2つ設けられている。ベルト保持部52は、サポートベルト30が使用者1に装着されたときに、図5に示すように使用者1の側方に配置される。ベルト保持部52は、腰ベルト31を、腰ベルト31の長手方向の移動可能に保持し、かつ、腰ベルト31の幅方向の移動を規制する。ベルト保持部52は、環状に形成されている。ベルト保持部52の幅は、腰ベルト31の幅よりわずかに大きい。ベルト保持部52は、腰ベルト31の一部を内部に配置することにより、腰ベルト31を保持する。ベルト保持部52に腰ベルト31が保持されることにより、腰ベルト31が連結部材50に連結される。
また、連結部材50は、体幹ベルト60を移動可能に支持する支持部59が設けられている。支持部59は、例えば、ベルト保持部52の外面に設けられている。支持部59は、一例として、矩形の環状に形成された四角カンである。
大腿固定部53は、本体部51の下端に2つ設けられている。大腿固定部53は、大腿部6を内側に配置する環状に形成可能なベルト状に形成されている。また、大腿固定部53は、環状に形成された状態での周方向の長さを調整可能な固定構造55を有している。この固定構造55は、一例として、面ファスナである。固定構造55は、大腿固定部53の外面の全体に形成された面ファスナのループ55a(図1に示す)、及び大腿固定部53の一端部の内面に形成された面ファスナのフック55bを有している。
また、大腿固定部53は、図2に示すように、体幹ベルト60が着脱可能に連結される第2の被連結部57が設けられている。第2の被連結部57は、一例として、矩形環状の四角カンである。第2の被連結部57は、本実施形態では、例えばY字状の帯部材58を介して、大腿固定部53に固定されている。
体幹ベルト60は、図1及び図2に示すように、2本用いられている。体幹ベルト60は、少なくとも一部が弾性部材から形成されており、長手方向に延びると弾性エネルギを蓄える性質、及び、延びた状態から復元力により元の状態に縮む性質を有している。
体幹ベルト60は、肩あて20の第1の被連結部25dに着脱可能に連結する。なお、体幹ベルト60は、第2の被連結部57から第1の被連結部25dまでの長さを調整可能に、第1の被連結部25dに連結可能に構成されている。
体幹ベルト60の他端には、サポートベルト30の連結部材50の第2の被連結部57に着脱可能に連結する連結部61が設けられている。連結部61は、一例として、四角カンである第2の被連結部57に連結可能なフックである。
一方の体幹ベルト60は、サポートウェア10が使用者1に装着された状態では、連結部61が使用者1の右の大腿固定部53に設けられた第2の被連結部57に連結されて固定される。一方の体幹ベルト60の一部は、使用者1の背中7に配される。一方の体幹ベルト60の一部は、左肩装着具21の上部に配される。一方の体幹ベルト60の一部は、左肩装着具21のベルト保持部26b内を通る。
一方の体幹ベルト60の一部は、連結部材50の左側の支持部59内に配置される。一方の体幹ベルト60の一部は、背中7側に回り、左肩装着具の第1の被連結部25dに連結される。このとき、一方の体幹ベルト60は、使用者1が直立姿勢にあるときに、たわまない長さを有し、かつ、復元力が発生ない状態で連結されることが好ましい。なお、体幹ベルト60は、上述のように、使用者1が直立姿勢にあるときに、たわまない長さを有し、かつ、復元力が発生ない状態で連結されることに限定されない。
このように、一方の体幹ベルト60は、使用者1の背中7に、上下方向に交差する姿勢で、配される。また、一方の体幹ベルト60は、左肩装着具21の第1の被連結部25dに連結されることにより、肩あて20に連結される。また、一方の体幹ベルト60は、支持部59内を通ることにより、サポートベルト30に連結される。
他方の体幹ベルト60は、サポートウェア10が使用者1に装着された状態では、連結部61が使用者1の左脚の大腿固定部53に設けられた第2の被連結部57に連結されて固定される。他方の体幹ベルト60の一部は、使用者1の背中7に配される。他方の体幹ベルト60の一部は、右肩装着具22の上部に配される。他方の体幹ベルト60の一部は、右肩装着具22のベルト保持部26bを通る。
他方の体幹ベルト60の一部は、使用者1の右脚に配される支持部59内に配置される。他方の体幹ベルト60の一部は、背中7側に回り、右肩装着具22の第1の被連結部25dに連結される。このとき、他方の体幹ベルト60は、使用者1が直立姿勢にあるときに、たわまない長さを有し、かつ、復元力が発生ない状態で連結されることが好ましい。なお、体幹ベルト60は、上述のように、使用者1が直立姿勢にあるときに、たわまない長さを有し、かつ、復元力が発生ない状態で連結されることに限定されない。
このように、他方の体幹ベルト60は、使用者1の背中7に、上下方向に交差し、かつ一方の体幹ベルト60とも交差する姿勢で配される。また、他方の体幹ベルト60は、右肩装着具22の第1の被連結部25dに連結されることにより、肩あて20に連結される。また、他方の体幹ベルト60は、支持部59内を通ることにより、サポートベルト30に連結される。
なお、体幹ベルト60は、長さを調整する調整機構を有してもよい。
このように構成されたサポートウェア10では、肩あて20の接続部23により、使用者1が肩4の肩甲骨を外転すると、肩4には、外側に開く方向に付勢力が作用する。具体的には、使用者1が左肩4aの肩甲骨及び右肩4bの肩甲骨を外転すると、左肩装着具21及び右肩装着具22が互いに離れるので、第1の弾性部材27及び第2の弾性部材28が延びる。第1の弾性部材27及び第2の弾性部材28が延びることにより、使用者1の肩4には、第1の弾性部材27の復元力及び第2の弾性部材28の復元力が作用する。使用者1の肩4は、この復元力により、外側に開く方向に付勢される。
この為、例えば、使用者1が床に載置された荷物を持ち上げる場合では、使用者1の肩4に生じる負担を低減できる。具体的に説明すると、使用者1が床に載置された荷物を持ち上げようとすると、使用者1の肩4は荷物の重さにより肩甲骨が外転されるように引っ張られる。このとき、肩4は、引っ張られることにより負担を生じる。
しかしながら、肩あて20の接続部23により、肩4の肩甲骨が外転されることが防止され、または、外転された場合であってもその変位量を小さくできるので、荷物を持ち上げる際に肩4に生じる負担を低減できる。
さらに、接続部23は、第1の弾性部材27及び第2の弾性部材28を有し、第2の弾性部材28は伸長した状態で第1の弾性部材27に固定されている。この為、使用者1は、肩4の肩甲骨を外転していない状態、すなわち、荷物を持ち上げる動作をしていない直立姿勢にある状態においても、肩4が外側に開く方向に付勢される。この為、使用者1の肩4の肩甲骨が外転されることを、より一層防止できる。
さらに、腰ベルト31で使用者1の腰5を締め付けることにより、使用者1の体内の空気圧、すなわち腹圧が上昇する。腹圧が上昇することにより、使用者1の腰5の筋肉を補強できるので、使用者1の腰5の屈伸動作により生じる腰5の負担を低減できる。すなわち、膝3を屈伸することにより荷物を持ち上げる荷役動作に伴い使用者1が腰5を屈伸しても、この屈伸により生じる腰5の負担を低減できる。
さらに、臀部ベルト40で臀部8を締め付けることにより、使用者の動作時の体のブレを小さくできる。ここで言うブレとは、所定の動作を行う際の、体の振れである。使用者の動作時の体のブレを小さくできることにより、動作を楽に行うことができる。動作を楽に行うことができることにより、動作による疲労を小さくできる。また、腰ベルト31の使用に合わせて臀部ベルト40で臀部8を締め付けることにより、使用者1の腹圧をさらに上昇することができる。なお、臀部ベルト40のみを用いた場合では、使用者の腹圧は上昇しない、または、上昇の程度が小さい。しかしながら、腰ベルト31と臀部ベルト40とを併用することにより、腰ベルト31のみ使用した場合に比較して、より一層、腹圧を上昇することが可能となる。
さらに、体幹ベルト60により、使用者1の腰5の屈曲状態からの伸展動作を支援できる。具体的に説明すると、腰5を屈曲することにより、使用者1の背中7に沿った肩4から臀部8までの距離が増加する。肩4から臀部8までの距離の増加に伴い、体幹ベルト60が伸長する。体幹ベルト60は、伸長することにより弾性エネルギを蓄える。
体幹ベルト60の復元力は、腰5を伸展させる方向に使用者1に対して作用するので、使用者1の腰5の伸展動作が支援される。また、体幹ベルト60が伸長することにより、体幹ベルト60の復元力によって使用者1の臀部8が引き上げられるので、使用者1の膝3の伸展動作が支援される。
このように、サポートウェア10は、使用者1が膝3を屈伸することにより荷物を持ち上げる際に生じる使用者1の負担を低減でき、かつ、荷物を持ち上げる際の動作を支援することが可能である。
また、サポートウェア10は、体幹ベルト60により、肩あて20及びサポートベルト30が連結される構造であるので、体幹ベルト60を取り外すことにより、肩あて20、及びサポートベルト30を分離することができる。この為、用途に応じて、肩あて20のみを使用し、または、サポートベルト30のみを使用することが可能となる。
また、腰ベルト31及び臀部ベルト40は、それぞれ、独立している。この為、使用者1に応じて、腰ベルト31による腰5の締め付け力、及び臀部ベルト40による臀部8の締め付け力を調整できる。
次に、第2の実施形態に係るサポートウェア10Aを、図7及び図8を用いて説明する。なお、第1の実施形態と同様の機能を有する構成は、第1の実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。図7は、サポートウェア10Aを着用した状態の使用者1を示す側面図である。図7では、体幹ベルト60は背中7の一部に配された部分のみが一示されている。図7に示される体幹ベルト60は、弾性部材で形成された部分である。図8は、サポートウェア10Aに用いられるサポートベルト30を示す展開図である。
本実施形態では、サポートウェア10Aは、肩あて20、サポートベルト30、及びセンサ70を有する。センサ70は、使用者1の状態を検出可能に構成されている。なお、センサ70により検出する情報は、限定されない。センサ70は、使用者1の所望される状態を検出可能なセンサが用いられる。本実施形態では、センサ70は、使用者1の荷役動作のスピード、使用者1の動作の種類、使用者1の姿勢、荷役動作の開始、荷役動作の終了、及び荷役動作の停止を検出可能なセンサが用いられている。なお、荷役動作の終了とは、使用者1が荷物を目的の場所に置く動作が完了することである。荷役動作の停止とは、使用者1が荷物を目的の場所に移動する途中で、体の動きを止めることである。
センサ70は、使用者1の荷役動作のスピード、使用者1の動作の種類、使用者1の姿勢、荷役動作の開始、荷役動作の終了、及び荷役動作の停止を検出可能な第1のセンサ71、並びに、使用者1の姿勢及び荷役動作の開始を検出可能な第2のセンサ72を有している。
第1のセンサ71は、一例として、6軸センサである。第1のセンサ71は、3軸の加速度、及び3軸の角速度を検出可能である。ここで言う3軸は、使用者1の、上下方向、前後方向、及び幅方向である。3軸角速度は、上下方向に平行な軸回りの角速度、前後方向に平行な軸回りの角速度、及び、幅方向に平行な軸回りの角速度である。
第1のセンサ71の検出結果に基づいて、例えば外部の制御装置は、使用者1の荷役動作のスピード、使用者1の動作の種類、使用者1の姿勢、荷役動作の開始、荷役動作の終了、及び荷役動作の停止を検出可能である。なお、使用者1の動作の種類は、膝3の屈伸動作、腰5の屈伸、腰5の水平方向での回転、使用者1の歩行、使用者1の体のねじれ、及び、上述の各種動作の停止動作である。
図7に示すように、第1のセンサ71は、左肩装着具21の前部26の例えば上下方向の中央部、右肩装着具22の前部26の例えば上下方向の中央部、連結部材50において使用者1の臀部8の中央部に配置される部分、連結部材50の両ベルト保持部52、及び、連結部材50の両大腿固定部53に設けられている。
第2のセンサ72は、ひずみゲージである。第2のセンサ72は、体幹ベルト60の弾性部材から形成された部分62に設けられている。本実施形態では、体幹ベルト60は、背中7に配される部分の一部が弾性部材から形成されており、長手方向に伸縮可能に形成されている。また、図8に示すように、第2のセンサ72は、腰ベルト31の内面、及び臀部ベルト40の内面に設けられている。
体幹ベルト60の弾性部材で形成された部分62に設けられた第2のセンサ72は、体幹ベルト60の長手方向の伸張量を検出可能に配置されている。腰ベルト31に設けられた第2のセンサ72は、腰ベルト31の長手方向の伸張量を検出可能に配置されている。臀部ベルト40に設けられた第2のセンサ72は、臀部ベルト40の長手方向の伸張を検出可能に配置されている。
このように構成されたサポートウェア10Aでは、第1のセンサ71の検出結果に基づいて、例えば、外部の制御装置などは、使用者1の荷役動作のスピード、使用者1の動作の種類、及び、使用者1の姿勢を検出できる。
さらに、外部の制御装置などは、第1のセンサ71の検出結果、及び第2のセンサ72の検出結果に基づいて、使用者1の背中7及び腰5の曲がり具合を検出できる。背中7の曲がり具合、及び腰5の曲がり具合の検出について、説明する。使用者1が腰5を曲げずに背中7を曲げると、背中7の屈曲に合わせて体幹ベルト60が延びる。この体幹ベルト60の延びを第2のセンサ72が検出する。背中7の曲がり具合は、第2のセンサ72の検出結果から求めることができる。また、使用者1が腰5を曲げると、腰5の屈曲に合わせて背中7も屈曲する。腰5の屈曲角度に応じて背中7の曲がり具合が略決定される。この為、腰5の曲がり具合は、背中7の曲がり具合から求めることができる。さらに、第1のセンサ71は、6軸センサであることから、背中7のみを屈曲する場合の検出値、及び、腰5を屈曲する場合の検出結果が異なる。このように、第1のセンサ71の検出結果、及び第2のセンサ72の結果の組み合わせから、背中7のみが屈曲された状態であるか、または、腰5が屈曲された状態かを判別できるとともに、腰5を屈曲せずに背中7の屈曲した場合の背中7の曲がり具合、及び、腰5を屈曲した場合の腰5の曲がり具合を検出できる。
さらに、第2のセンサ72の検出結果に基づいて、使用者1の各種動作の開始を検出できる。この点について具体的に説明する。使用者1が、腰5を屈曲したり、膝3を屈曲したりする等の動作を開始する場合、りきむ。りきむことにより、腰5や腹部に力を入れる。腰5及び腹部は、力が入ることにより、筋肉は緊張して大きくなる。この、筋肉の大きさの変位を、腰ベルト31及び臀部ベルト40に設けられた第2のセンサ72により検出することによって、使用者1の動作の開始を検出できる。
次に、第3の実施形態に係る動作支援システム100について、図9乃至図12を用いて説明する。なお、第2の実施形態と同様の機能を有する構成は、第2の実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。
図9は、動作支援システム100を装着した状態の使用者1を示す側面図である。図10は、動作支援システム100を装着した状態の使用者1を示す背面図である。図11は、動作支援システム100の一部を装着した状態の使用者1を示す側面図である。図11では、使用者1は、動作支援システム100に用いられるサポートウェア10Bのサポートベルト30、及び動作支援システム100に用いられる動作支援装置110を装着している。図12は、サポートベルト30及び動作支援装置110を示す平面図である。
動作支援システム100は、使用者1に装着されることにより使用者1の体の負担を低減し、かつ、腰5の伸展動作を支援可能なサポートウェア10B、及び、モータ等の駆動部が生じる駆動力を利用して使用者1の荷役動作に係る膝3の動作を支援する動作支援装置110を有している。
サポートウェア10Bは、第2の実施形態で説明されたサポートウェア10Aに対して、連結部材50に支持部59が設けられていない点、大腿固定部53に第2の被連結部57が設けられていない点、及び、センサ70が動作支援装置110の制御部113に配線により接続されている点が異なる。他の構造は、第2の実施形態のサポートウェア10Aと同じである。
図9及び図10に示すように、動作支援装置110は、本体部111、右脚装着具120、及び左脚装着具140を有している。本実施形態では、動作支援装置110の上下方向、前後方向、及び幅方向は、一例として、動作支援装置110が使用者1に装着され、かつ、使用者1が直立姿勢であるときの使用者1の前後方向、上下方向、及び幅方向と同じとする。幅方向は、前後方向及び上下方向に直交する方向である。すなわち、幅方向は、使用者1の左右方向である。
本体部111は、筐体112、及び筐体112内に収容された制御部113を有している。筐体112は、使用者1の腰5に配される。筐体112は、図11及び図12に示すように、サポートウェア10Bのサポートベルト30の腰ベルト31が連結される連結部114、及び第2の被連結部57を有している。
連結部114は、一例として、筐体112の内面115に固定されたアクリル板などの板部材により構成されている。内面115は、動作支援装置110が使用者1に装着された状態において、腰5側に向く面である。内面115は、平面に形成されている。
連結部114は、内面115との間に、腰ベルト31の一部を配置可能な隙間Sを有している。本実施形態では、連結部114は、その上端部114a及び下端部114bが内面115に固定されている。連結部114の、上端部114a及び下端部114bの間の部分114cは、内面115から離れる方向にくぼんでいる。このくぼみにより、隙間Sが構成されている。
隙間Sには、腰ベルト31の、両ベルト保持部52間の部分の一部が配置されている。サポートベルト30は、腰ベルト31の両ベルト保持部52間の部分の一部が隙間S内に配置されることにより、動作支援装置110に連結される。なお、隙間Sは、腰ベルト31が、腰ベルト31の長手方向に移動可能な大きさを有してもよい。
第2の被連結部57は、筐体112の上端に2つ設けられている。これら2つの第2の被連結部57は、幅方向に並んでいる。
右脚装着具120は、図10に示すように、本体部111の筐体112に連結されている。右脚装着具120は、使用者1の下肢の右側の部分に装着され、右側の膝3の屈伸動作を支援可能に構成されている。
右脚装着具120は、一例として、筐体112に連結された連結部121、上フレーム122、下フレーム123、上連結部124、下連結部125、回動支持部126、下装具127、駆動部128、腰角度センサ129、及び膝角度センサ130を有している。
右脚装着具120の連結部121は、筐体112の下端の右端部に接続されて固定されている。連結部121は、例えば直方体状に形成されている。連結部121は、動作支援装置110が使用者1に装着された状態において、例えば、使用者1よりも後方に配置される。連結部121は、支持部59が形成されている。支持部59は、例えば、連結部121の前面の下端部に配置されている。
上フレーム122は、使用者1の大腿部6の外側に沿って配置される。上フレーム122は、大腿部6に沿って延びる棒状に形成されている。
下フレーム123は、使用者1の下腿部9aの外側に沿って配置されている。下フレーム123は、下腿部9aに沿って延びる棒状に形成されている。上フレーム122及び下フレーム123は、樹脂や軽金属などの軽量で十分な強度を有する材料で形成されている。
上連結部124は、上フレーム122の上端を連結部121に対して3自由度の回動が可能な状態で連結可能に構成されている。ここで言う3自由度の回動とは、例えば、上下方向に平行な軸回りの回動、幅方向に平行な軸回りの回動、及び、前後方向に平行な軸回りの回動を含み、全ての方向に回動可能であることを指す。上連結部124は、例えば、ボールジョイントや自在継手などのフリージョイントである。
上連結部124には、腰角度センサ129が設けられている。腰角度センサ129は、上連結部124の角度を検出可能に構成されている。換言すると、腰角度センサ129は、連結部121と上フレーム122とがなす角度であり、使用者1の腰5の屈曲の角度である。腰角度センサ129は、例えば、ロータリーエンコーダ又はポテンショメータなどから構成される。
下連結部125は、下フレーム123の下端を下装具127に対して3自由度の回動が可能な状態で連結可能に構成されている。ここで言う3自由度の回動とは、例えば、上下方向に平行な軸回りの回動、幅方向に平行な軸回りの回動、及び、前後方向に平行な軸回りの回動を含み、全ての方向に回動可能であることを指す。上連結部124は、例えば、ボールジョイントや自在継手などのフリージョイントである。
回動支持部126は、上フレーム122の下端を下フレーム123の上端に対して1自由度の回動可能な状態で連結可能に構成されている。回動支持部126は、1自由度として、膝3を屈伸する際の、上フレーム122に対する相対的な下フレーム123の回動を許容可能に構成されている。
使用者1が膝3を屈伸する場合、回動支持部126が膝3の動作に合わせて回動するとともに、上連結部124および下連結部125も僅かに回動する。つまり、膝3の屈伸動作は、単純な1軸を中心とした回動にはならない。この為、上連結部124および下連結部125がそれぞれ3自由度の回動を許容することで、右脚装着具120及び左脚装着具140は、膝3の屈伸動作に追従して変位可能となる。
回動支持部126には、駆動部128が同軸に取り付けられている。駆動部128は、動作支援装置110を装着した使用者1の膝3の屈伸動作を支援する方向の駆動力を回動支持部126に付与可能に構成されている。
すなわち、駆動部128は、回動支持部126にトルクを印加する。回動支持部126に駆動部128より駆動力が付与されると、上フレーム122に対して下フレーム123が相対的に回動する。この回動により、使用者1の膝3の屈伸動作が支援される。
駆動部128は、使用者1が膝3を伸展する際には、膝3の伸展動作を支援する駆動力を回動支持部126に付与する。また、駆動部128は、使用者1が膝3を屈曲する際には、膝3の屈曲動作を支援する駆動力を回動支持部126に付与する。
駆動部128は、例えば、サーボモータ128aを有している。このサーボモータ128aには、回動支持部126の回動角度を検出するための膝角度センサ130が設けられている。膝角度センサ130は、駆動部128のサーボモータ128aの回転角度を測定して、上フレーム122と下フレーム123がなす角度、すなわち使用者1の膝3の角度を検出する。膝角度センサ130は、例えば、ロータリーエンコーダ又はポテンショメータなどから構成される。
下装具127は、下フレーム123の下端に設けられている。下装具127は、使用者1の足9bに装着可能に構成されている。下装具127は、例えば、板金を形状加工して折り曲げて形成されている。
左脚装着具140は、使用者1の下肢の左側の部分に装着され、左側の膝3の屈伸動作を支援可能に構成されている。左脚装着具140は、右脚装着具120に対して、左右対称に構成されている。この為、左脚装着具140において右脚装着具120と同様の機能を有する構成は、右脚装着具120と同一の符号を付して説明を省略する。
制御部113は、サポートウェア10Bのセンサ70が接続されており、センサ70から検出結果が送信される。また、制御部113は、腰角度センサ129及び膝角度センサ130に接続されており、腰角度センサ129及び膝角度センサ130から検出結果が送信される。
制御部113は、センサ70の検出結果、腰角度センサ129の検出結果、及び膝角度センサ130の検出結果に基づいて、駆動部128を駆動して、使用者1の膝3の屈伸動作を支援する。
本実施形態の動作支援システム100では、一方の体幹ベルト60は、連結部61が、動作支援装置110の筐体112に設けられた2つの第2の被連結部57のうち、右側に配置された第2の被連結部57に連結される。
一方の体幹ベルト60の一部は、使用者1の背中7に配される。一方の体幹ベルト60の一部は、左肩装着具21の上部に配される。一方の体幹ベルト60の一部は、左肩装着具21のベルト保持部26b内に配置される。一方の体幹ベルト60の一部は、使用者1の下肢の左側(左脚)に装着された左脚装着具140の連結部121の支持部59内に配置される。一方の体幹ベルト60の一部は、背中7側に回り、左肩装着具の第1の被連結部25dに連結される。このとき、一方の体幹ベルト60は、使用者1が直立姿勢にあるときに、たわまない長さを有し、かつ、復元力が発生ない状態で連結されることが好ましい。なお、体幹ベルト60は、上述のように、使用者1が直立姿勢にあるときに、たわまない長さを有し、かつ、復元力が発生ない状態で連結されることに限定されない。
他方の体幹ベルト60は、連結部61が、動作支援装置110の筐体112に設けられた2つの第2の被連結部57のうち、左側に配置された第2の被連結部57に連結される。
他方の体幹ベルト60の一部は、使用者1の背中7に配される。他方の体幹ベルト60の一部は、右肩装着具22の上部に配される。他方の体幹ベルト60の一部は、右肩装着具22のベルト保持部26b内に配置される。他方の体幹ベルト60の一部は、使用者1の下肢の右側(右脚)に装着された右脚装着具120の連結部121の支持部59内に配置される。他方の体幹ベルト60の一部は、背中7側に回り、右肩装着具22の第1の被連結部25dに連結される。
このとき、他方の体幹ベルト60は、使用者1が直立姿勢にあるときに、たわまない長さを有し、かつ、復元力が発生ない状態で連結されることが好ましい。なお、体幹ベルト60は、上述のように、使用者1が直立姿勢にあるときに、たわまない長さを有し、かつ、復元力が発生ない状態で連結されることに限定されない。
このように、本実施形態では、サポートウェア10Bは、連結部材50が連結部114に連結され、体幹ベルト60が動作支援装置110の第2の被連結部57に連結され、かつ、体幹ベルト60が動作支援装置110の支持部59内に配置されることにより、動作支援装置110に連結される。
このように構成された動作支援システム100では、第2の実施形態と同じ効果が得られる。
さらに、動作支援システム100は、動作支援装置110により、使用者1の膝3の屈伸動作を支援することが可能となる。
さらに、動作支援システム100では、制御部113は、使用者1の膝3の屈曲動作の開始時期、及び膝3の伸展動作の開始時期を、サポートウェア10Bのセンサ70の検出結果に基づいて検出することができる。第2のセンサ72は、使用者1が実際に膝3を屈曲する前、及び膝3を伸展する前に、使用者1のりきみを検出することができる。制御部113は、第2のセンサ72の検出結果に基づいて駆動部128の駆動できるので、使用者1の膝3の屈曲動作の開始時からこの動作を支援することが可能となる。
このように、動作支援システム100では、センサ129,130により検出された使用者1の下肢の状態を示す情報だけでなく、サポートウェア10Bにより検出された上半身の状態を示す情報を利用して、動作支援装置110を制御することができる。
また、動作支援システム100では、サポートウェア10B及び動作支援装置110により、使用者1の膝3の屈伸動作を支援する。この為、動作支援装置110による支援力を小さくできることにより、駆動部128での消費電力を低減できる。また、駆動部128の負担を低減できるので、駆動部128の寿命を長くすることが可能となる。
なお、本実施形態では、動作支援装置110は、膝3の屈曲動作及び伸展動作を支援する。他の例としては、動作支援装置110は、膝3の屈曲動作及び伸展動作のいずれか一方のみ支援してもよい。また、動作支援装置110の構成は、上述の構成に限定されない。動作支援装置110は、モータ等の駆動部により、膝3の動作を支援可能に構成されればよい。
また、本実施形態では、動作支援システム100は、サポートウェア10Bが用いられたが、これに限定されない。他の例では、センサ70を有さないサポートウェア10Bが用いられてもよい。
また、第1の実施形態乃至第3の実施形態では、第1の弾性部材27及び第2の弾性部材28は、一例として平ゴムから形成された。しかしながら、第1の弾性部材27及び第2の弾性部材28は、平ゴムから形成されることに限定されない。第1の弾性部材27及び第2の弾性部材28は、ゴム生地から形成されてもよい。
また、第1の実施形態乃至第3の実施形態では、接続部23は、異なるばね定数を有する複数の弾性部材から形成された。しかしながら、接続部23は、1つのばね定数を有する部材から形成されてもよい。
また、第1の実施形態乃至第3の実施形態では、体幹ベルト60は、その一部となる部分62が弾性部材から形成されることにより、弾性を有している。他の例では、体幹ベルト60は、全体が部分62と同様の弾性部材から形成されてもよい。また、第1の実施形態乃至第3の実施形態では、体幹ベルト60は、使用者1の肩4を通って後方から前方に回りこみ、さらに、ベルト保持部52を通って背中7側に回むように、使用者1に対して配されている。すなわち、体幹ベルト60の一部のみが、背中7に配されている。他の例では、体幹ベルト60の全体が、背中7に配されてもよい。
また、第2の実施形態及び第3の実施形態では、第2のセンサ72は、使用者1の動作の開始を検出するが、例えば、第2のセンサ72の検出値の変化を検出することにより、使用者1の動作の終了または停止を検出することもできる。この点について、具体的に説明する。
上述のように第2のセンサ72は、使用者1が動作を開始する際にりきむことに起因する筋肉の体積の増大を検出することにより、動作の開始を検出する。そして、使用者1の動作中には、動作に伴う筋肉の体積増大が維持される。一方、使用者の動作が終了または停止すると、筋肉の緊張状態が緩和されることにより筋肉の体積が元に戻る。このとき、第2のセンサ72の検出結果は、小さくなる方向に変化する。この、第2のセンサ72の検出結果の変化に基づいて、使用者1の動作の終了または停止を検出することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…使用者、3…膝、4a…左肩、4b…右肩、5…腰、8…臀部、10…サポートウェア、10A…サポートウェア、10B…サポートウェア、20…肩あて、21…左肩装着具、22…右肩装着具、23…接続部、27…第1の弾性部材、28…第2の弾性部材、31…腰ベルト、40…臀部ベルト、50…連結部材、60…体幹ベルト、70…センサ、100…動作支援システム、110…動作支援装置、113…制御部、120…右脚装着具(装着具)、128…駆動部、140…左脚装着具(装着具)。

Claims (12)

  1. 使用者の左肩に装着される左肩装着具、前記使用者の右肩に装着される右肩装着具、並びに、前記左肩装着具の後部及び前記右肩装着具の後部に接続され、弾性部材を有する接続部を具備する肩あてと、
    前記使用者の腰に装着され、前記腰を締め付け可能な腰ベルトと、
    前記使用者の臀部に装着され、前記臀部を締め付け可能な臀部ベルトと、
    前記腰ベルト及び前記臀部ベルトが連結され、前記使用者の腰に装着される連結部材と、
    前記肩あて及び前記連結部材に連結され、少なくとも一部が弾性部材から形成され、かつ、少なくとも一部が前記使用者の背中に配される体幹ベルトと、
    を具備するサポートウェア。
  2. 前記連結部材は、前記使用者の大腿部に固定される大腿固定部を具備し、
    前記体幹ベルトの一端は、前記大腿固定部に連結される
    請求項1に記載のサポートウェア。
  3. 前記接続部は、異なるばね定数を有する複数の弾性部材を具備する
    請求項1に記載のサポートウェア。
  4. 前記接続部は、第1の弾性部材、及び前記第1の弾性部材より高いばね定数を有する第2の弾性部材を具備し、
    前記第1の弾性部材は、前記左肩装着具及び前記右肩装着具に接続され、
    前記第2の弾性部材は、伸張した状態で前記第1の弾性部材に固定される
    請求項3に記載のサポートウェア。
  5. 前記使用者の上半身の状態を検出するセンサを具備する請求項1に記載のサポートウェア。
  6. 前記センサは、前記腰ベルト、前記臀部ベルト、及び前記体幹ベルトに設けられる
    請求項5に記載のサポートウェア。
  7. 使用者の下肢に装着される装着具と、前記使用者の膝の動作を支援する動力を発生する駆動部と、前記駆動部を制御する制御部と、を具備する動作支援装置と、
    前記使用者の左肩に装着される左肩装着具、前記使用者の右肩に装着される右肩装着具、並びに、前記左肩装着具及び前記右肩装着具に接続され、弾性部材を有する接続部を具備する肩あてと、前記使用者の腰に装着され、前記腰を締め付け可能な腰ベルトと、前記使用者の臀部に装着され、前記臀部を締め付け可能な臀部ベルトと、前記腰ベルト及び前記臀部ベルトが連結され、前記使用者の腰に装着される連結部材と、前記肩あて及び前記動作支援装置に連結され、少なくとも一部が弾性部材から形成され、かつ、少なくとも一部が前記使用者の背中に配される体幹ベルトと、を具備するサポートウェアと、
    を具備する動作支援システム。
  8. 前記サポートウェアは、前記使用者の上半身の状態を検出するセンサを具備し、
    前記センサは、前記制御部に検出結果を送信する
    請求項7に記載の動作支援システム。
  9. 前記センサは、前記腰ベルト、前記臀部ベルト、及び前記体幹ベルトに設けられる
    請求項8に記載の動作支援システム。
  10. 前記接続部は、異なるばね定数を有する複数の弾性部材を具備する
    請求項7に記載の動作支援システム。
  11. 前記接続部は、第1の弾性部材、及び前記第1の弾性部材より高いばね定数を有する第2の弾性部材を具備し、
    前記第1の弾性部材は、前記左肩装着具及び前記右肩装着具に接続され、
    前記第2の弾性部材は、伸張した状態で前記第1の弾性部材に固定される
    請求項10に記載の動作支援システム。
  12. 前記動作支援装置は、前記使用者の腰に配され、内部に前記制御部を収容する本体部を具備し、
    前記体幹ベルトの一端は、前記本体部に連結される
    請求項7に記載の動作支援システム。
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