JPWO2016181960A1 - リチウムイオン二次電池負極材用黒鉛粉の製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、炭素原料粉末と炭化珪素粉末の混合物を黒鉛化する工程を含み、炭化珪素粉末のレーザー回折法による体積基準累積粒度分布における90%粒子径D90が1〜40μmであり、炭素原料と炭化珪素の質量の合計に占める炭化珪素の含有率(炭化珪素の質量/炭素原料と炭化珪素の質量の合計)が1〜35質量%であり、炭化珪素粉末のレーザー回折法による体積基準累積粒度分布における50%粒子径D50に対する炭素原料粉末のD50の割合(炭素原料のD50/炭化珪素のD50)の値が0.40〜4.0であることを特徴とするリチウムイオン二次電池負極材用黒鉛粉の製造方法に関する。本発明の製造方法によれば、低コストで、高容量・高密度及び容量維持率が高いリチウムイオン二次電池負極材用黒鉛粉を提供できる。

Description

本発明はリチウムイオン二次電池負極材用黒鉛粉及びリチウムイオン二次電池に関する。さらに詳しく言えば、本発明は、低コストで、高容量・高密度及び容量維持率が高いリチウムイオン二次電池を得ることができる負極材用黒鉛粉の製造方法に関する。
携帯機器等の電源としては、リチウムイオン二次電池が主に用いられている。近年、携帯機器等はその機能が多様化し消費電力が大きくなってきている。そのため、リチウムイオン二次電池には、その電池容量を増加させ、同時に充放電サイクル特性を向上させることが求められている。
さらに、電動ドリル等の電動工具や、ハイブリッド自動車用等の電源として、高出力で大容量の二次電池の要求が高まってきている。この分野では、従来、鉛二次電池、ニッケルカドミウム二次電池、ニッケル水素二次電池が使用されているが、小型、軽量、高エネルギー密度のリチウムイオン二次電池への期待は高く、大電流負荷特性に優れたリチウムイオン二次電池が求められている。
特に、バッテリー電気自動車(BEV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)等の自動車用途では、10年以上にわたる長期間のサイクル特性と、ハイパワーモーターを駆動させるための大電流負荷特性を主たる要求特性とし、さらに航続距離を伸ばすための高い体積エネルギー密度も要求され、モバイル用途に比して過酷なものとなっている。
このリチウムイオン二次電池は、一般に、正極活物質にコバルト酸リチウム等のリチウム塩が使用され、負極活物質に黒鉛等の炭素質材料が使用されている。
黒鉛には、天然黒鉛と人造黒鉛とがある。これらのうち天然黒鉛は安価に入手でき、結晶性が高いために放電容量が大きい。しかし、天然黒鉛は鱗片状を成しているので、バインダーと共にペーストにし、それを集電体に塗布すると、天然黒鉛が一方向に配向してしまう。そのような電極を備える二次電池を充電すると電極が一方向にのみ膨張し、電池としての性能を低下させる。電極が膨張することは電池の膨張につながり、膨張に起因する負極の割れや、ペーストの集電体からの剥離により電極周囲の基板に損傷を与える可能性があるため、その解決が課題となっている。
天然黒鉛を造粒して球状にしたものが提案されているが、電極作製時のプレスによって球状化天然黒鉛が潰れて配向してしまう。また、球状化天然黒鉛の膨張収縮と共に粒子内部に電解液が入り込み、副反応が発生する。そのためサイクル特性が悪く、大型電池の大電流、長期サイクル特性といった要求を満たすことは難しい。この問題を解決するため、特許第3534391号公報(US6,632,569;特許文献1)では、球状に加工した天然黒鉛の表面に炭素をコーティングする方法が提案されている。しかし、特許文献1の方法で製造された材料は、モバイル用途等が要求する高容量・低電流・中サイクル特性については対応可能であるが、大型電池の大電流、超長期サイクル特性といった要求を満たすことは難しい。
人造黒鉛については、まず、特開平4−190555号公報(特許文献2)に記載されているメソカーボン小球体の黒鉛化品が挙げられるが、天然黒鉛等の鱗片状の黒鉛に比べて放電容量が小さく、適用範囲が限定的である。特許文献2の方法で作られた黒鉛化品は、大型電池に要求される、モバイル用途をはるかに超えた長期にわたるサイクル特性を達成することは困難である。
石油、石炭ピッチ、コークス等の黒鉛化品に代表される人造黒鉛は比較的安価に入手できる。しかし、高い放電容量を示す結晶性の高い針状コークスは、鱗片状になり電極内で配向しやすい。この問題を解決するため、特許第3361510号公報(特許文献3)には、黒鉛粒子と有機系結着剤の混合物と集電体とを一体化し、黒鉛粒子のアスペクト比、一体化後の混合物の密度及、及び黒鉛粒子のc軸方向の結晶子の大きさLc(002)を特定範囲に規定したリチウム二次電池用負極が提案されている。特許文献3の負極は人造黒鉛原料の微粉の他、天然黒鉛等の微粉も使用可能であり、モバイル用負極材として優れた性能を発揮するが、製造方法が煩雑である。
特開平7−320740号公報(US5,587,255;特許文献4)に記載されている、いわゆるハードカーボンや、非結晶質カーボンを用いた負極材料は、大電流に対する特性に優れ、またサイクル特性も比較的良好である。しかしながら、体積エネルギー密度が低く、また、価格も高価なため、一部の特殊な大型電池にしか使用されていない。
特許第4738553号公報(US8,372,373;特許文献5)にはサイクル特性に優れた、人造黒鉛が開示されているが、体積当たりのエネルギー密度に向上の余地がある。
特開2001−23638号公報(特許文献6)には生の針状コークスから製造された人造黒鉛負極が開示されている。従来の人造黒鉛に対して、初回充放電効率の改善は見られるものの放電容量が天然黒鉛材料に比して劣る。
特表2005−515957号公報(WO03/064560;特許文献7)には石油ピッチを液相でコーティングしたコークスから製造された人造黒鉛負極が開示されているが、電極の容量密度に課題が残っている。また、大量の有機溶剤を使用し、これを揮発させる操作を伴い、製造方法が煩雑となる。
特開平9−157022号公報(CA2,192,429;特許文献8)には、より大量のリチウムイオンを吸蔵することができる黒鉛を用いた、高エネルギーのリチウムイオン二次電池を提供することを目的とし、コークスと炭化珪素との混合物を前段材料にして高温処理し、珪素原子を熱解離して得られる黒鉛負極が開示されている。しかしながら、黒鉛負極が塊状で製造されるために粉砕工程を必要とし、製造方法が煩雑であり、粉砕ロスにより高コストとなる。また、粉砕工程に伴い格子欠陥が生じることで不可逆的にリチウムイオンが結合してサイクル特性が低下するという問題がある。
特許第3534391号公報(US6,632,569) 特開平4−190555号公報 特許第3361510号公報 特開平7−320740号公報(US5,587,255) 特許第4738553号公報(US8,372,373) 特開2001−23638号公報 特表2005−515957号公報(WO03/064560) 特開平9−157022号公報(CA2,192,429)
このように、高いエネルギーを有するリチウムイオン二次電池の提供のため、炭化珪素から製造した黒鉛粉を電極材料に用いることを開示している先行文献の方法では、サイクル特性劣化の原因となる黒鉛粉の粉砕工程が必要であった。
従って、本発明の課題は、高容量で、容量維持率の高いリチウムイオン二次電池を実現するための高い容量とともに粉砕工程の不要な微細な粉末形状を保持した、リチウムイオン二次電池負極材用黒鉛粉の製造方法を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、炭素原料粉末と炭化珪素粉末の混合物を原料に使用し、かつ炭化珪素粉末の粒径及び粒度分布、炭素原料粉末と炭化珪素粉末との粒径比及び質量比を的確な範囲に設定することにより、炭化珪素粉末の黒鉛化時の温度上昇に伴う融着が回避できることを見出し、黒鉛化後の粉砕工程が不要となることを確認して本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の構成からなる。
[1] 炭素原料粉末と炭化珪素粉末の混合物を黒鉛化する工程を含み、炭化珪素粉末のレーザー回折法による体積基準累積粒度分布における90%粒子径D90が1〜40μmであり、炭素原料と炭化珪素の質量の合計に占める炭化珪素の含有率(炭化珪素の質量/炭素原料と炭化珪素の質量の合計)が1〜35質量%であり、炭化珪素粉末のレーザー回折法による体積基準累積粒度分布における50%粒子径D50に対する炭素原料粉末のD50の割合(炭素原料のD50/炭化珪素のD50)の値が0.40〜4.0であることを特徴とするリチウムイオン二次電池負極材用黒鉛粉の製造方法。
[2] 黒鉛化処理後に粉砕処理を行わない前項1に記載のリチウムイオン二次電池負極材用黒鉛粉の製造方法。
[3] 前記炭素原料の少なくとも1つがコークスまたは石炭である前項1または2に記載のリチウムイオン二次電池負極材用黒鉛粉の製造方法。
[4] 次式:
(D90−D10)/D50
(式中、D10、D50及びD90は、それぞれ炭化珪素粒子のレーザー回折法による体積基準累積粒度分布における10%粒子径、50%粒子径及び90%粒子径である。)
で示される前記炭化珪素粉末の体積基準の粒度分布の広がりが0.3以下である前項1〜3のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池負極材用黒鉛粉の製造方法。
本発明の方法によれば、簡便な方法により高い結晶性を有する黒鉛粉を得ることができ、従来技術よりも低コストで、高密度・高容量の負極材を製造することができる。また、格子欠陥の原因となりうる黒鉛化処理後の粉砕工程を必要としない本発明の方法による黒鉛粉を負極材として用いることでサイクル特性が非常に高いリチウムイオン二次電池を得ることができる。
実施例1で得た黒鉛粉の走査型電子顕微鏡(SEM)(倍率:×2000)である。 実施例1で得た黒鉛粉断面のSEM写真(倍率:×3000)である。
(1)リチウムイオン二次電池負極材用黒鉛粉の製造方法
本発明の実施態様に係るリチウムイオン二次電池負極材用黒鉛粉の製造方法では、原料として炭化珪素の粉末と炭素原料の粉末との混合物を使用する。炭素原料は特に限定されず、例えばコークスや石炭等を用いることができる。炭素原料は単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。以下、コークスを一例として詳細に説明する。
コークスはか焼コークスまたは生コークスを用いることができる。コークスの原料としては、例えば、石油ピッチ、石炭ピッチ及びこれらの混合物が挙げられる。この中でも、特定の条件下でディレイドコーキング処理により得られる生コークスを、さらに不活性ガス雰囲気下で加熱して得られるか焼コークスが好ましい。
ディレイドコーキング処理を行う原料としては、例えば、原油精製時の重質溜分に対して、流動床接触分解後に触媒を除去したデカントオイルや、瀝青炭等から抽出されたコールタールを200℃以上の温度で蒸留し、得られたタールを100℃以上に昇温することによって十分に流動性を持たせたタールが挙げられる。ディレイドコーキング処理中、少なくともドラム内入り口では、これらの液体が450℃以上、さらには510℃以上に昇温されていることが好ましい。450℃以上に昇温することによりコークスのか焼時に残炭率が高くなる。ここで、か焼とは、ディレイドコーキング処理により得られた生コークスに含まれる水分及び有機性の揮発成分を除去するために、加熱を行うことをいう。また、ドラム内での圧力は、好ましくは常圧以上、より好ましくは300kPa以上、さらに好ましくは400kPa以上に維持する。ドラム内の圧力を常圧以上に維持することによって負極としての容量がより高くなる。以上の通り、通常よりも過酷な条件でコーキング処理を行うことにより、デカントオイル等の液体状の原料を反応させ、より重合度の高いコークスを得ることができる。
か焼は、電気による加熱や、LPG、LNG、灯油、重油等の火炎加熱により行うことができる。水分及び有機性の揮発成分の除去は、2000℃以下の加熱で十分であり、大量の生産を行う際にはより安価な熱源である火炎加熱が好ましい。特に大規模に処理を行う際には、ロータリーキルン内で燃料及び未加熱コークスに含まれる有機化合物を燃焼させながら、内炎式または内熱式でコークスを加熱することにより、エネルギーコストを削減することができる。
得られたコークスをドラム内からジェット水流により切り出し、得られた塊を5cm程度まで粗粉砕する。粗粉砕には、金槌の他、二軸ロールクラッシャーやジョークラッシャーを用いることができる。粗粉砕は、粗粉砕後の塊を網の1目の辺の長さが1mmの篩(ふるい)にかけ、篩に残った部分が全体の90質量%以上となるように粉砕するのが好ましい。粒径1mm以下の微粉が大量に発生する程度にまで過粉砕を行うと、以降の加熱の工程等で、乾燥後微粉が舞い上がる、または焼損が増える等の不都合が生じるおそれがある。
コークスの粗粉砕後にさらに微粉砕を行う。微粉砕の方法は特に限定されないが、例えば公知のジェットミル、ハンマーミル、ローラーミル、ピンミル、振動ミル等を用いることができる。
微粉砕は、レーザー回折法による体積基準累積粒度分布における50%粒子径D50(メジアン径)が1〜50μmとなるように行うことが好ましい。D50が1μm未満になるまで粉砕するには特殊な機器を用いる必要があり、大きなエネルギーが必要となる。一方、D50を50μm以下とすることにより、炭化珪素の粉末との混合が容易になる。より好ましいD50は5〜35μmであり、さらに好ましくは10〜25μmである。
本発明の実施態様に係るリチウムイオン二次電池負極材用黒鉛粉の製造方法で使用する炭化珪素は、炭素原料と珪素原料を混合してアチソン炉等の加熱装置で製造したものや気相法で製造したものを用いることができる。
炭化珪素を原料として黒鉛化処理にて黒鉛を得る場合、通常は珪素の昇華温度以上まで加熱し、炭化珪素中の珪素の成分を熱乖離、蒸散させることにより高純度の黒鉛が得られるが、炭化珪素のみを原料にした場合には、加熱時に炭化珪素同士が融着し得られる黒鉛が粗大化して大きな塊状となってしまう。
本発明者らは、炭素原料粉末と炭化珪素粉末の混合物を原料に使用し、かつ炭化珪素粉末の粒径及び粒度分布、炭素原料粉末と炭化珪素粉末との粒径比及び質量比を特定の範囲に設定することにより、炭素原料が炭化珪素の融着を防止し、粒径が非常に小さい粉体状の黒鉛粉が得られることを見出した。以下に詳しく説明する。
本発明で使用する炭化珪素粒子の粒径は、レーザー回折法による体積基準累積粒度分布における90%粒子径D90が1〜40μm、好ましくは5〜37μm、より好ましくは10〜35μmである。D90を40μm以下にすることにより、黒鉛化時の炭化珪素粒子同士の融着が起こりにくくなり、所望の粒度の黒鉛粉を高収率で得ることができる。
炭化珪素粒子のレーザー回折法による体積基準の粒度分布の広がりは、式:(D90−D10)/D50で示される。ここで、D10は体積基準累積粒度分布における10%粒子径であり、D50は体積基準累積粒度分布における50%粒子径(メジアン径)である。前記粒度分布の広がりは特に限定されないが、6.0以下が好ましく、3.0以下がさらに好ましい。6.0以下であることで製造される黒鉛粉の粒度分布の広がりを小さくすることができ、特性のばらつきを抑制することが可能となる。一方、1.0未満である場合は、炭化珪素のコストが高くなる。
混合に用いる炭素原料粒子のD50と炭化珪素粒子のD50との比率(粒径比)は、(炭素原料粒子のD50)/(炭化珪素粒子のD50)の値が0.40〜4.0であり、好ましくは0.5〜3.5であり、より好ましくは0.7〜2.5である。粒径比が0.40〜4.0の範囲にあることで、黒鉛化時に炭化珪素粒子同士の融着が起こりにくくなり、所望の粒度の黒鉛粉の収率が増加する。
炭素原料と炭化珪素の質量の合計に占める炭化珪素の含有率(炭化珪素の質量/炭素原料と炭化珪素の質量の合計)は1〜35質量%であり、好ましくは5〜30質量%であり、さらに好ましくは10〜20質量%である。炭化珪素の含有率が小さすぎると、高容量・高密度化の観点で効果が十分ではなく、大きすぎると黒鉛化時に炭化珪素同士の融着が起こり、所望の粒度の黒鉛粉の収率が減少する。
炭素原料粉末と炭化珪素粉末とを混合後、黒鉛化処理を行う。黒鉛化処理は、好ましくは2600℃以上、より好ましくは2800℃以上、さらに好ましくは3050℃以上、最も好ましくは3150℃以上の温度で行う。処理時間は、例えば10分間〜100時間程度が好ましい。より高い温度で処理すると、黒鉛結晶が成長しやすく、リチウムイオンをより高容量で蓄えることが可能な電極を得ることができる。また、炭化珪素の分解を完全に行うという観点でも黒鉛化時の温度はより高温であることが好ましい。
一方、温度が高すぎると黒鉛粉の昇華を防ぐことが困難であり、必要とされるエネルギーも大きくなるため、黒鉛化温度は3600℃以下が好ましい。また、黒鉛化処理の温度を達成するためには電気エネルギーを用いる通電過熱が好ましい。
なお、炭素原料と炭化珪素は、得られた黒鉛粉の45μmの目開きの篩を用いたときの篩下収率が90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上になるように、炭化珪素粉末の粒径及び粒度分布、さらに炭素原料粉末と炭化珪素粉末との粒径比及び質量比を選択することが好ましい。ここで、篩下収率とは、黒鉛化処理により得られた黒鉛粉を、篩で分級した際、篩にかけた黒鉛粉の質量のうち、篩の目を通過した黒鉛粉の質量の割合(篩の目を通過した黒鉛粉の質量/篩にかけた黒鉛粉の質量)をいう。
(2)リチウムイオン二次電池負極材用黒鉛粉
本発明の実施態様に係る黒鉛粉は、X線回折法による(002)面の平均面間隔d002が0.3370nm以下であるのが好ましく、結晶子のc軸方向の厚みLCが50〜1000nmであるのが好ましい。d002が0.3370nm以下であることにより全体的に黒鉛の結晶性が高くなり、LCが50〜1000nmの範囲にあることにより厚み方向の結晶子サイズが大きくなり、リチウムイオンが挿入脱離することが可能な空間が増すことが予測される。リチウムイオンが挿入脱離可能な空間が増えることで、黒鉛粉を活物質とする電極の質量当たりの放電容量が増加し、プレスによる電極密度が向上する。さらに好ましくはd002が0.3360nm以下、LCが80nm〜1000nmである。d002が0.3370nmを超えると、あるいはLCが50nm未満であると、体積当たりの放電容量が減少する傾向にある。
002及びLCは、粉末X線回折(XRD)法を用いて測定することができる(野田稲吉、稲垣道夫、日本学術振興会、第117委員会資料,117−71−A−1(1963),稲垣道夫他,日本学術振興会,第117委員会試料,117−121−C−5(1972)、稲垣道夫,「炭素」,1963,No.36,25−34頁参照)。
本発明の実施態様に係る黒鉛粉のD50は、5〜35μmであり、好ましくは10μm〜25μmである。D50を35μm以下とすることにより、電極とした場合のリチウム拡散が素早く行われ、充放電速度が高くなる。D50を10μm以上とすることにより、目的外反応が起きにくくなる。自動車等駆動電源として使う際には大電流発生が必要であるとの観点からは、D50は25μm以下であることが好ましい。
本発明で得られる黒鉛粉はその後の粉砕を行う必要がなく、以下のような特徴を有している。
本発明の実施態様に係る黒鉛粉は黒鉛化後に粉砕を行わないため格子欠陥を生じない。そのため、得られる黒鉛粉はほとんど六方晶構造を保持したままであり、X線回折法による、黒鉛粉の六方晶構造に由来するピーク強度に対する菱面体晶構造に由来するピーク強度の割合は0.05以下であり、好ましくは0.02以下である。
ピーク強度の割合が0.05以下の黒鉛粉を負極材料としてリチウムイオン二次電池に用いた場合、リチウム吸蔵・放出反応が阻害されにくく、サイクル特性及び急速充放電特性が向上する。例えば、本発明の黒鉛粉を活物質とする作用極とリチウム金属対極とセパレータと電解液からなり、前記作用極が前記黒鉛粉を所定の圧力により圧縮する工程を含む方法により作製したコイン電池では、100サイクル容量維持率を95%以上とすることが可能となる。
なお、黒鉛粉中の六方晶構造のピーク強度に対する菱面体晶構造のピーク強度の割合xは下記式によって求められる。
x=P1/P2
式中、P1は菱面体晶構造の(101)面のピーク強度、P2は六方晶構造の(101)面のピーク強度である。
本発明の実施態様に係る黒鉛粉は黒鉛化後に粉砕を行わないため、粒子の形状変化が生じない。そのために、得られる黒鉛粉は、炭化珪素の熱分解により生成した黒鉛の形状を維持した黒鉛粒子を含有する。具体的には、加熱により複数の黒鉛が伸長して平板状となり、内部に中空構造を有する黒鉛粒子を形成する。このような内部が中空である黒鉛粒子は、炭素原料のみを原料として作製した黒鉛粉では観察されず、炭素原料粉末と炭化珪素粉末との混合物を原料として作製した粉砕処理していない黒鉛粉で観察することができる。なお、黒鉛粒子の外表面は平板状部分の集合体によって完全に閉塞されずに外表面に開口部を有していてもよい。
中空部の形状は、黒鉛粒子の断面を顕微鏡等で観察することで確認できる。黒鉛粒子を途中まで研磨することにより、中空部が表面まで露出し、中空部の形状を評価することができるようになる。研磨方法は特に限定しないが、黒鉛粉を樹脂で硬化した後に機械研磨する方法や、クロスセクションポリッシャーによるアルゴンイオンビームで研磨する方法がある。
研磨後の黒鉛粒子の研磨面(断面)をSEMで観察すると、断面部には頂点が10個以下である多角形の断面を有する中空部が存在することが確認できる(図2参照)。中空部の断面積は使用する炭化珪素の粒子径にもよるが、本発明の黒鉛粉では3μm2以上である。前記中空部はほぼ黒鉛粒子の中央部に位置しており、黒鉛粉の後処理で一般的に実施される造粒処理等によって形成される粒子間の空隙とは異なる。
本発明の実施態様に係る黒鉛粉のBET比表面積は0.4〜15m2/gが好ましく、1〜11m2/g以下がより好ましい。BET比表面積が0.4〜15m2/gの範囲にあることにより、結着剤を過剰に使用することなく電解液と接触する面積を大きく確保し、リチウムイオンがスムーズに挿入脱離され、電池の反応抵抗を小さくするとともに急速充放電特性を向上することができる。BET比表面積は、単位質量当たりのガスの吸着脱離量を計測する一般的な手法によって測定される。例えば、測定装置としてユアサアイオニクス株式会社製NOVA−1200を用い、窒素ガス分子の吸着により測定することができる。
本発明の実施態様に係る黒鉛粉は、高い放電容量を持つ。例えば、本発明の黒鉛粉を活物質とする作用極とリチウム金属対極とセパレータと電解液からなり前記作用極が前記黒鉛粉を所定の圧力により圧縮する工程を含む方法により作製したコイン電池では、初回サイクルの前記活物質の質量当たりの放電容量が350mAh/g以上とすることが可能となる。
本発明の実施態様に係る黒鉛粉は、該黒鉛粉を活物質とした電極を3t/cm2の圧力で圧縮したとき、前記作用極の電極密度は1.3〜2.1g/cm3であることが好ましく、1.5〜2.1g/cm3がさらに好ましい。
本発明の実施態様に係る黒鉛粉は、ICP発光分光分析によって測定される金属元素量が、それぞれの金属元素について1000質量ppm以下であることが好ましい。負極材に金属元素等の不純物が含まれると、電気抵抗の増大や副反応の発生が起こり、その結果電池特性の劣化や発熱が起こる危険性がある。そのため不純物濃度は低いほど良く、各金属元素について20質量ppm以下がより好ましい。
本発明の実施態様に係る黒鉛粉は、レーザーラマン分光法により求められるR値が0.05〜0.5であることが好ましく、より好ましくは0.05〜0.15である。R値が0.05〜0.5の範囲にあることにより、リチウムイオンの挿入脱離がスムーズに行われ、かつ内部に規則性を持った黒鉛構造を持つことにより、リチウムイオンの挿入量を確保することが可能である。
本明細書ではR値とは、レーザーラマン分光法により得られたスペクトルにおいて1300〜1400cm-1の範囲にあるピーク強度IDと、1580〜1620cm-1の範囲にあるピーク強度IGとの強度比ID/IGのことをいう。R値が大きいほど黒鉛表層部の結晶性が低いことを示す。
R値は、例えば、日本分光株式会社製レーザーラマン分光測定装置(NRS−3100)を用いて、励起波長532nm、入射スリット幅200μm、露光時間15秒、積算回数2回、回折格子600本/mmの条件で測定を行い、得られた1360cm-1付近のピーク強度と1580cm-1付近のピーク強度に基づいて算出することができる。
(3)電池電極用黒鉛材料
本発明の実施態様に係る電池電極用黒鉛材料は、上記黒鉛粉を含んでなる。上記黒鉛粉を電池電極用黒鉛材料として用いると、高容量、高クーロン効率、高サイクル特性を維持したまま、高エネルギー密度の電池電極を得ることができる。
電池電極用黒鉛材料としては、例えば、リチウムイオン二次電池の負極活物質及び負極導電付与材として用いることができる。
本発明の実施態様に係る電池電極用黒鉛材料には、上記黒鉛粉のみを単体で使用することができる他、上記黒鉛粉100質量部に対して、d002が0.3370nm以下の球状の天然黒鉛または人造黒鉛を0.01〜200質量部、好ましくは0.01〜100質量部配合したもの、あるいはd002が0.3370nm以下で、アスペクト比が2〜100の天然黒鉛または人造黒鉛(例えば、鱗片状黒鉛)を0.01〜120質量部、好ましくは0.01〜100質量部配合したものを使用することもできる。他の黒鉛材料を混合して用いることにより、上記黒鉛粉の優れた特性を維持した状態で、他の黒鉛材料が有する優れた特性を併せ持つ黒鉛材料とすることが可能である。これらの混合は、要求される電池特性に応じて適宜、混合材料を選択し、混合割合を設定することができる。
また、電池電極用黒鉛材料には炭素繊維を配合することもできる。配合量は、前記黒鉛粉100質量部に対して、0.01〜20質量部であり、好ましくは0.5〜5質量部である。
炭素繊維としては、例えば、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、レーヨン系炭素繊維等の有機系カーボンファイバー、及び気相法炭素繊維等が挙げられる。これらのうち、炭素繊維を黒鉛粉の表面に接着させる場合には、特に結晶性が高く、熱伝導性の高い気相法炭素繊維が好ましい。
気相法炭素繊維は、例えば、有機化合物を原料とし、触媒としての有機遷移金属化合物をキャリアーガスと共に高温の反応炉に導入し、続いて熱処理することで製造される(特公昭62−49363号公報、特許第2778434号公報等参照)。その繊維径は2〜1000nmであり、好ましくは10〜500nmであって、アスペクト比は好ましくは10〜15000である。
炭素繊維の原料となる有機化合物としては、トルエン、ベンゼン、ナフタレン、エチレン、アセチレン、エタン、天然ガス、一酸化炭素等のガス及びそれらの混合物が挙げられる。中でもトルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素が好ましい。
有機遷移金属化合物は、触媒となる遷移金属を含むものである。遷移金属としては、周期律表第3族から第11族の元素が挙げられる。有機遷移金属化合物としてはフェロセン、ニッケロセン等の化合物が好ましい。
炭素繊維は、気相法等で得られた長繊維を粉砕または解砕したものであってもよい。また、炭素繊維はフロック状に凝集したものであってもよい。
炭素繊維は、その表面に有機化合物等に由来する熱分解物が付着していないもの、または炭素構造の結晶性が高いものが好ましい。
熱分解物が付着していない炭素繊維または炭素構造の結晶性が高い炭素繊維は、例えば、不活性ガス雰囲気下で、炭素繊維、好ましくは気相法炭素繊維を焼成(熱処理)することによって得られる。具体的には、熱分解物が付着していない炭素繊維は、約800〜1500℃でアルゴン等の不活性ガス中で熱処理することによって得られる。また、炭素構造の結晶性が高い炭素繊維は、好ましくは2000℃以上、より好ましくは2000〜3000℃でアルゴン等の不活性ガス中で熱処理することによって得られる。
炭素繊維は分岐状繊維が含まれているものが好ましい。また分岐部分で連通した中空構造を有していてもよい。炭素繊維が中空構造を有している場合、繊維の円筒部分を構成している炭素層は連続している。炭素繊維における中空構造とは炭素層が円筒状に巻いている構造であって、完全な円筒でないもの、部分的な切断箇所を有するもの、積層した2層の炭素層が1層に結合したもの等を含む。また、円筒の断面は完全な円に限らず楕円や多角形に近いものを含む。
また、炭素繊維のX線回折法による(002)面の平均面間隔d002は、0.3440nm以下が好ましく、0.3390nm以下がより好ましく、0.3380nm以下が特に好ましい。また、結晶子のc軸方向の厚さLCが40nm以下のものが好ましい。
電極用黒鉛材料として前記黒鉛粉以外に他の黒鉛や炭素繊維を含む場合、電極用黒鉛材料の電極密度、ICP発光分光分析によって測定される金属元素量及びR値は前記黒鉛粉で記載した範囲に含まれることが好ましい。
(4)電極(負極)用ペースト
本発明の実施態様に係る電極(負極)用ペーストは、前記電極用黒鉛材料とバインダーとを含んでなる。この電極用ペーストは、前記電極用黒鉛材料とバインダーとを混練することによって得られる。混錬には、リボンミキサー、スクリュー型ニーダー、スパルタンリューザー、レディゲミキサー、プラネタリーミキサー、万能ミキサー等公知の装置が使用できる。電極用ペーストは、シート状、ペレット状等の形状に成形することができる。
電極用ペーストに用いるバインダーとしては、ポリフッ化ビニリデンやポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系ポリマー、SBR(スチレンブタジエンラバー)等のゴム系のポリマー等公知のものが挙げられる。
バインダーの使用量は、電極用黒鉛材料100質量部に対して1〜30質量部が適当であるが、特に3〜20質量部が好ましい。
ペーストには溶媒を用いることができる。溶媒としては、各々のバインダーに適した公知のもの、例えばフッ素系ポリマーの場合はトルエン、N−メチルピロリドン等;ゴム系のポリマーの場合は水等;その他のバインダーの場合にはジメチルホルムアミド、イソプロパノール等が挙げられる。溶媒として水を使用するバインダーを使用する場合は、増粘剤を併用することが好ましい。溶媒の量は集電体に塗布しやすい粘度となるように調整をするのが好ましい。
(5)電極(負極)
本発明の実施態様に係る電極(負極)は前記電極用ペーストの成形体からなるものである。電極は例えば前記電極用ペーストを集電体上に塗布し、乾燥し、加圧成形することによって得られる。
集電体としては、例えばアルミニウム、ニッケル、銅、ステンレス等の金属箔、またはメッシュ等が挙げられる。ペーストの塗布厚は、通常50〜200μmである。塗布厚が大きくなりすぎると、規格化された電池容器に電極を収容できなくなることがある。ペーストの塗布方法は特に制限されず、例えばドクターブレードやバーコーター等で塗布後、ロールプレス等で成形する方法が挙げられる。
加圧成形法としては、ロール加圧、プレス加圧等の成形法を挙げることができる。加圧成形するときの圧力は0.5〜5.0t/cm2が好ましく、より好ましくは1.0〜4.0t/cm2、さらに好ましくは1.5〜3.0t/cm2である。電極の電極密度が高くなるほど体積当たりの電池容量が大きくなる。しかし電極密度を高くしすぎると電極用黒鉛材料が破壊され、サイクル特性が低下する。この電極用ペーストを用いて得られる電極の電極密度の最大値は、通常1.5〜1.9g/cm3である。このようにして得られた電極は、電池の負極、特に二次電池の負極に好適である。
(6)電池
前記電極は電池または二次電池の電極として使用することができる。
リチウムイオン二次電池を具体例に挙げて、本発明の実施態様に係る電池または二次電池を説明する。リチウムイオン二次電池は、正極と負極とが電解液または電解質の中に浸漬された構造を持つものである。負極には本発明の実施態様に係る電極が用いられる。
リチウムイオン二次電池の正極には、正極活物質として、通常、リチウム含有遷移金属酸化物が用いられ、好ましくはTi、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Mo及びWから選ばれる少なくとも1種の遷移金属元素とリチウムとを主として含有する酸化物であって、リチウムと遷移金属元素のモル比が0.3〜2.2の化合物が用いられる。また、より好ましくはV、Cr、Mn、Fe、Co及びNiから選ばれる少なくとも1種の遷移金属元素とリチウムとを主として含有する酸化物である。
なお、主として存在する遷移金属に対し30モル%未満の範囲でAl、Ga、In、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Si、P、B等を含有していてもよい。上記の正極活物質の中で、一般式LixMO2(MはCo、Ni、Fe、Mnの少なくとも1種、x=0.2〜1.2)、またはLiy24(Nは少なくともMnを含む。y=0.02〜2)で表わされるスピネル構造を有する材料の少なくとも1種を用いることが好ましい。
さらに、正極活物質はLiya1-a2(MはCo、Ni、Fe、Mnの少なくとも1種、DはCo、Ni、Fe、Mn、Al、Zn、Cu、Mo、Ag、W、Ga、In、Sn、Pb、Sb、Sr、B、Pの中のM以外の少なくとも1種、y=0.02〜1.2、a=0.5〜1)を含む材料、またはLiz(Mnb1-b24(EはCo、Ni、Fe、Al、Zn、Cu、Mo、Ag、W、Ga、In、Sn、Pb、Sb、Sr、B、Pの少なくとも1種、b=1〜0.2、z=0〜2)で表わされるスピネル構造を有する材料の少なくとも1種を用いることが特に好ましい。
具体的には、LixCoO2、LixNiO2、LixFeO2、LixMnO2、LixCoaNi1-a2、LixCob1-bz、LixCobFe1-b2、LixMn24、LixMncCo2-c4、LixMncNi2-c4、LixMnc2-c4、LixMncFe2-c4(ここでx=0.02〜1.2、a=0.1〜0.9、b=0.8〜0.98、c=1.6〜1.96、z=2.01〜2.3)等が挙げられる。さらに好ましいリチウム含有遷移金属酸化物としては、LixCoO2、LixNiO2、LixFeO2、LixMnO2、LixCoaNi1-a2、LixMn24、LixCob1-bz(x=0.02〜1.2、a=0.1〜0.9、b=0.9〜0.98、z=2.01〜2.3)等が挙げられる。なお、xの値は充放電開始前の値であり、充放電により増減する。
正極活物質粒子のD50は特に限定されないが、0.1〜50μmが好ましく、また、0.5〜30μmの粒子群の占める体積が全体積の95%以上であることが好ましい。粒径3μm以下の粒子群の占める体積が全体積の18%以下であり、かつ15〜25μmの粒子群の占める体積が、全体積の18%以下であることがさらに好ましい。平均粒子サイズの値はマルバーン製マスターサイザー等のレーザー回折式粒度分布測定装置により測定することができる。
比表面積は特に限定されないが、BET法で0.01〜50m2/gが好ましく、さらに0.2〜1m2/gが好ましい。また正極活物質5gを蒸留水100mlに-溶解したときの上澄み液のpHとしては7〜12が好ましい。
リチウムイオン二次電池では正極と負極との間にセパレータを設けることがある。セパレータとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンを主成分とした不織布、クロス、微孔フィルムまたはそれらを組み合わせたもの等を挙げることができる。
本発明の実施態様に係るリチウムイオン二次電池を構成する電解液及び電解質としては公知の有機電解液、無機固体電解質、高分子固体電解質が使用できるが、電気伝導性の観点から有機電解液が好ましい。
有機電解液としては、ジオキソラン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、ジエトキシエタン等のエーテル;ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、ヘキサメチルホスホリルアミド等のアミド;ジメチルスルホキシド、スルホラン等の含硫黄化合物;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のジアルキルケトン;エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、2−メトキシテトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジオキソラン等の環状エーテル;エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート等のカーボネート;γ−ブチロラクトン;N−メチルピロリドン;アセトニトリル、ニトロメタン等の有機溶媒の溶液が好ましい。さらに、好ましくはエチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、γ−ブチロラクトン等のエステル類、ジオキソラン、ジエチルエーテル、ジエトキシエタン等のエーテル類、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン等が挙げられ、特に好ましくはエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系非水溶媒を用いることができる。これらの溶媒は、単独で、または2種以上を混合して使用することができる。
これらの溶媒の溶質(電解質)には、リチウム塩が使用される。一般的に知られているリチウム塩にはLiClO4、LiBF4、LiPF6、LiAlCl4、LiSbF6、LiSCN、LiCl、LiCF3SO3、LiCF3CO2、LiN(CF3SO22等がある。
高分子固体電解質としては、ポリエチレンオキサイド誘導体及び該誘導体を含む重合体、ポリプロピレンオキサイド誘導体及び該誘導体を含む重合体、リン酸エステル重合体、ポリカーボネート誘導体及び該誘導体を含む重合体等が挙げられる。
なお、上記以外の電池構成上必要な部材の選択については何ら制約を受けるものではない。
以下に本発明について代表的な例を示し、さらに具体的に説明する。なお、これらは説明のための単なる例示であって、本発明はこれらに何ら制限されるものではない。
なお、実施例及び比較例の黒鉛粉についての、X線回折法により求められる平均面間隔d002と結晶のc軸方向の厚みLC、及び(101)面由来のピーク強度の割合は前述の方法により測定した。また、その他の物性の測定方法は以下の通りである。
(1)粒子径(D10、D50、D90)の測定方法
黒鉛粉を極小型スパーテル2杯分、及び非イオン性界面活性剤トリトン−X((登録商標);Roche Applied Science社製)2滴を水50mlに添加し、3分間超音波分散させた。この分散液をマルバーン製マスターサイザー(登録商標)を用いて、体積基準累積粒度分布における10%粒子径D10、50%粒子径D50、90%粒子径D90を求めた。
(2)篩下収率の測定方法
黒鉛化処理により得られた黒鉛粉から、粗粉を除去する目的、及び篩下収率を算出する目的により乾式の篩処理を行った。篩にはJIS Z8801準拠のステンレス製、線径32μm、目開き45μmの篩を使用した。筒井理化学器械株式会社製の自動振動篩(VSS−50)を使用し、10分間篩にかけた。篩にかけた炭素粉の質量に対して、篩の目を通過した炭素粉の質量の割合(篩の目を通過した炭素粉の質量/篩にかけた炭素粉の質量)を算出し、その値を篩下収率とした。
(3)コイン電池による評価方法
a)ペースト作製:
黒鉛粉97質量部にSBR(スチレンブタジエンラバー)を1.5質量部、及びCMC(カルボキシメチルセルロース;ダイセルファインケム株式会社製)2質量%水溶液をCMCが1.5質量部となるように加え、プラネタリーミキサーにて混練し、主剤原液とした。
b)電極作製:
上記主剤原液に純水を加え、粘度を調整した後、高純度銅箔上に塗布して120℃で1時間真空乾燥し、電極材料を得た。塗布の量は、黒鉛粉の量が5mg/cm2となる量とした。得られた電極材料を円形に打ち抜き、プレス加圧で約3t/cm2の圧力で10秒間圧縮し、電極を得た。
c)電池作製:
露点−80℃以下の乾燥アルゴン雰囲気下で、得られた電極を作用極、リチウム金属を対極として、さらにポリエチレンセパレータと電解液とケースからなるコイン電池を作製した。電解液にはEC(エチレンカーボネート)8質量部及びDEC(ジエチルカーボネート)12質量部の混合液に、電解質としてLiPF6を濃度が1mol/Lとなるように溶解したものを用いた。
d)コイン電池による充放電試験:
作製したコイン電池で前記作用極の充放電試験を25℃に設定した恒温槽内で行った。
はじめに、開回路電圧が0.002Vとなるまで0.05Cの電流を流し、0.002Vで維持し、電流値が25.4μAに低下した時点で停止させることで作用極の充電容量を測定した。次に、開回路電圧が1.5Vとなるまで0.05Cで電流を流すことで放電容量を測定した。
(4)サイクル試験
前記作用極と同様のものを負極とし、コバルト酸リチウムを正極として、さらに電解液とポリエチレンセパレータからなる電池を作製した。45℃の恒温槽内で行った以外は上記(3)と同じ方法で充放電を100回繰り返し、各充放電における放電容量のうちの最大値と100回目の充放電における放電容量の割合を、100サイクル容量維持率と呼び百分率で表す。
(5)断面SEM評価用サンプルの作製方法
黒鉛粉の断面SEM測定には、前記主剤原液に純水を加え、高純度銅箔に塗布後真空乾燥した電極材料を使用した。電極材料を、クロスセクションポリッシャー(日本電子株式会社製;登録商標)のアルゴンビームにて表面を研磨したものを断面SEMの評価用サンプルとした。
実施例1:
か焼コークスをホソカワミクロン株式会社製試料粉砕機(バンタムミルAP−B)で粉砕し、その後32μmの目開きの篩を用いて粗粉を除去した。次に、日清エンジニアリング株式会社製ターボクラシファイアー(TC−15N)で気流分級し、粒径が1.0μm以下の粒子を実質的に含まないD50=17μmの粉末コークス1を得た(ここで、実質的に含まないとは粒径が1.0μm以下の粒子が0.1質量%以下であることをいう)。
この粉末コークス1とD50=5μm、D90=9μmの炭化珪素粉末1とを質量比80:20で混合し、混合物を最高到達温度が約3300℃となるように加熱することで黒鉛化処理を行った。得られた黒鉛粉を45μmの目開きの篩(JIS Z8801準拠)を用いて粗粉を除去した。粗粉を除去した際の篩下収率と、粗粉除去後の黒鉛粉のD50、d002、LC、及び六方晶構造のピーク強度に対する菱面体晶構造のピーク強度の割合を測定して、結果を表1に示した。また、電極の圧縮圧力を3t/cm2として作製した電池の放電容量とサイクル容量維持率を測定し、表1に併せて示した。さらに得られた黒鉛粉のSEMの画像(倍率:×2000)を図1に、及び黒鉛粉の断面のSEMの画像(倍率:×3000)を図2に示した。得られた黒鉛粉は、加熱により伸長して平板上部分となった黒鉛が、内部に中空を有する黒鉛粒子を形成していた。また、図2から観察される中空部の断面の形状は四角形〜六角形であり、断面積が6〜12μm2となっていた。
実施例2:
黒鉛化処理の際、粉末コークス1と混合する原料炭化珪素に、D50=13μm、D90=21μmの炭化珪素粉末2を用いた以外は、実施例1と同様に実施した。結果を表1に示した。
実施例3:
黒鉛化処理の際、粉末コークス1と混合する原料炭化珪素に、D50=18μm、D90=28μmの炭化珪素粉末3を用いた以外は、実施例1と同様に実施した。結果を表1に示した。
実施例4:
黒鉛化処理の際、粉末コークス1と混合する原料炭化珪素に、D50=24μm、D90=37μmの炭化珪素粉末4を用いた以外は、実施例1と同様に実施した。結果を表1に示した。
実施例5:
黒鉛化処理の際、粉末コークス1と炭化珪素粉末3の質量比を70:30にした以外は、実施例3と同様に実施した。結果を表1に示した。
実施例6:
黒鉛化処理の際、粉末コークス1と混合する原料炭化珪素に、D50=6μm、D90=33μmの炭化珪素粉末5を用いた以外は、実施例1と同様に実施した。結果を表1に示した。
比較例1:
黒鉛化処理の際、粉末コークス1と混合する原料炭化珪素に、D50=25μm、D90=71μmの炭化珪素粉末6を用いた以外は、実施例1と同様に実施した。結果を表2に示した。
比較例2:
黒鉛化処理の際、粉末コークス1と混合する原料炭化珪素に、D50=18μm、D90=41μmの炭化珪素粉末7を用いた以外は、実施例1と同様に実施した。結果を表2に示した。
比較例3:
黒鉛化処理の際、粉末コークス1と混合する原料炭化珪素に、D50=41μm、D90=64μmの炭化珪素粉末8を用いた以外は、実施例1と同様に実施した。結果を表2に示した。
比較例4:
か焼コークスをホソカワミクロン株式会社製バンタムミルで粉砕し、その後32μmの目開きの篩を用いて粗粉を除去した。次に、日清エンジニアリング株式会社製ターボクラシファイアー(TC−15N)で気流分級し、粒径が1.0μm以下の粒子を実質的に含まないD50=6μmの粉末コークス3を得た。
原料コークスとして、D50=6μmの粉末コークス3を用いた以外は、実施例3と同様に実施した。結果を表2に示した。
比較例5:
黒鉛化処理の際、粉末コークス1と炭化珪素粉末3の質量比を60:40にした以外は、実施例3と同様に実施した。結果を表2に示した。
比較例6:
比較例1の方法で得られた黒鉛粉を株式会社シー・エム・ティー製試料粉砕機(Vibration Sample Mill Model TI−300)にて30秒間粉砕処理をした。結果を表2に示した。
Figure 2016181960
Figure 2016181960
炭素原料と炭化珪素の混合物から黒鉛粉を作製し、かつ粉砕処理を行っていない場合(実施例1〜6、比較例1〜5)では、炭化珪素の粒径及び粒度分布、かつ炭素原料と炭化珪素の粒径比及び質量比を適正な範囲に設定している場合(実施例1〜6)にのみ、篩下収率が向上している。篩下収率が低下する原因として、黒鉛化処理の加熱に伴う炭化珪素の融着による粗大化が考えられるが、炭化珪素の粒径等を適切な範囲に設定した場合にのみ、融着が防止されていることが示唆される。
また、本発明の黒鉛粉(実施例1〜6)は高い篩下収率を持ち粉砕処理を行う必要がないため、サイクル特性の劣化の原因となる格子欠陥を生じず、粉砕処理を行った場合(比較例6)よりも高いサイクル特性を保持することができる。
本発明の製造方法による負極材用黒鉛粉を用いたリチウムイオン二次電池は、小型軽量で、高い放電容量及び高いサイクル特性を持つため、携帯電話から電動工具、またハイブリッド自動車のような放電容量を要するものまで多岐にわたる範囲で好適に用いることができる。

Claims (4)

  1. 炭素原料粉末と炭化珪素粉末の混合物を黒鉛化する工程を含み、炭化珪素粉末のレーザー回折法による体積基準累積粒度分布における90%粒子径D90が1〜40μmであり、炭素原料と炭化珪素の質量の合計に占める炭化珪素の含有率(炭化珪素の質量/炭素原料と炭化珪素の質量の合計)が1〜35質量%であり、炭化珪素粉末のレーザー回折法による体積基準累積粒度分布における50%粒子径D50に対する炭素原料粉末のD50の割合(炭素原料のD50/炭化珪素のD50)の値が0.40〜4.0であることを特徴とするリチウムイオン二次電池負極材用黒鉛粉の製造方法。
  2. 黒鉛化処理後に粉砕処理を行わない請求項1に記載のリチウムイオン二次電池負極材用黒鉛粉の製造方法。
  3. 前記炭素原料の少なくとも1つがコークスまたは石炭である請求項1または2に記載のリチウムイオン二次電池負極材用黒鉛粉の製造方法。
  4. 次式:
    (D90−D10)/D50
    (式中、D10、D50及びD90は、それぞれ炭化珪素粒子のレーザー回折法による体積基準累積粒度分布における10%粒子径、50%粒子径及び90%粒子径である。)
    で示される前記炭化珪素粉末の体積基準の粒度分布の広がりが0.3以下である請求項1〜3のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池負極材用黒鉛粉の製造方法。
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