JP5162093B2 - 黒鉛材料、電池電極用炭素材料、及び電池 - Google Patents

黒鉛材料、電池電極用炭素材料、及び電池 Download PDF

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Description

本発明は、黒鉛材料、電池電極用炭素材料、及び電池に関する。さらに詳細には、非水電解液二次電池の電極材料として好適な黒鉛材料及び電池電極用炭素材料、並びに充放電サイクル特性、大電流負荷特性に優れた二次電池に関する。
携帯機器等の電源としてはリチウム二次電池が主に用いられている。携帯機器等はその機能が多様化し消費電力が大きくなっている。そのため、リチウム二次電池には、その電池容量を増加させ、同時に充放電サイクル特性を向上させることが求められている。さらに、電動ドリル等の電動工具や、ハイブリッド自動車用等、高出力で大容量の二次電池への要求が高まっている。この分野は従来、鉛二次電池、ニッケルカドミウム二次電池、ニッケル水素二次電池が主に使用されているが、小型軽量で高エネルギー密度のリチウムイオン二次電池への期待は高く、大電流負荷特性に優れたリチウムイオン二次電池が求められている。
このリチウム二次電池は、一般に、正極活物質にコバルト酸リチウムなどのリチウム塩が使用され、負極活物質に黒鉛などの炭素質材料が使用されている。
負極活物質である黒鉛には、メソカーボン小球体が広く使用されている。しかし、メソカーボン小球体は製造プロセスが複雑で低価格にすることが非常に難しい。
黒鉛には、天然黒鉛と人造黒鉛とがある。これらうち天然黒鉛は安価に入手できる。しかし、天然黒鉛は鱗片状を成しているので、バインダーとともにペーストにし、それを集電体に塗布すると、天然黒鉛が一方向に配向してしまう。そのような電極で充電すると電極が一方向にのみ膨張し、電極としての性能を低下させる。天然黒鉛を造粒して球状にしたものが提案されているが、電極作成時のプレスによって球状化天然黒鉛が潰れて配向してしまう。また、天然黒鉛の表面がアクティブであるために初回充電時にガスが多量に発生し、初期効率が低く、さらに、サイクル特性も良くなかった。
石油、石炭ピッチ、コークス等の黒鉛化品に代表される人造黒鉛も比較的安価に入手できる。また強度が高く、つぶれにくい。しかし、結晶性のよい針状コークスはリン片状になり配向しやすい。また、非針状コークスは球形に近い粒子を得やすいが、放電容量が若干低めで初期効率も良くないものが多い。
このような状況の中で、メソカーボン小球体に代わる安価な電池電極用黒鉛材料の開発が種々行われている。特許文献1には、ピッチを原料とする炭素粉末をホウ素化合物共存下で熱処理して調製した黒鉛化炭素粉末であって、その炭素粉末の熱膨張係数(CTE)、X線回折法における炭素網面層の面間隔(d002)及び結晶子のC軸方向の大きさ(Lc)、アルゴンレーザーを用いたラマン分光法における1360cm−1バンドの1580cm−1バンドに対する強度比(R=I1360/I1580)がそれぞれCTE≦3.0×10−6−1、d002≦0.337nm、Lc≧40nm、R≧0.6であることを特徴とするリチウム二次電池負極用炭素材料が提案されている。
特許文献2には、石油系又は石炭系重質油のうちの少なくとも一つのコークス原料より製造した生コークスの粉末を酸化性ガス雰囲気下で加熱して酸化した後に黒鉛化してなる黒鉛化炭素粉末であって、該炭素粉末のX線広角回折法における炭素網面層の面間隔(d002)、結晶子のC軸方向の大きさ(Lc)、熱膨張係数(CTE)、及び、アルゴンレーザーを用いたラマン分光法における1360cm−1近傍のピークの1580cm−1近傍のピークに対する強度比(R=I1360/I1580)がそれぞれd002≦0.337nm、Lc≧30nm、CTE≧3.0×10−6−1、R≧0.3であることを特徴とするリチウム二次電池負極用炭素材料が提案されている。
また、本出願人は、特許文献3において、カ焼コークスを粉砕し黒鉛化することによって得られる、比表面積が3m/g以下、アスペクト比が6以下、タッピング嵩密度が0.8g/cm以上の黒鉛粉末からなるリチウム電池用炭素材料を提案している。
特開平8−31422号公報 特開平10−326611号公報 国際公開WO00/22687号公報
しかしながら、特許文献1〜2で提案されている黒鉛材料は十分な初期効率、放電容量を得ることができなかった。また特許文献3で提案した黒鉛材料は高い放電容量、サイクル特性、充放電効率を得ることができるものであった。特許文献1〜3で提案されている黒鉛材料は、メソカーボン小球体に比べると、タップ密度がやや低くなってしまう傾向が高かった。これは粒子の形状、例えばアスペクト比等に起因するものと考えられが、タップ密度が低いと電極密度が上がらず、結果として電池の容量が低くなってしまうことになる。また、前記黒鉛材料は、メソカーボン小球体に比べると、同じ粒度分布にした場合、比表面積がどうしても大きくなってしまう傾向があった。比表面積の増大は、バインダーの使用量の増加につながり、電極内のバインダー占有率が上がる。バインダーは充放電に寄与しない為、結果として電池の容量は低下してしまう。
以上のようなことから、コークスを粉砕して作成した負極材料に、メソカーボン小球体に代わりうるだけの十分な性能付与することは非常に困難であった。
また、本発明者らは、黒鉛材料の粒子径を小さくすること、具体的には現状のD50が15μm程度のところを2〜9μm程度にすることによって、黒鉛中のリチウムの拡散時間を短縮し、負極材の電流負荷特性を向上できることを既に見出していた。
しかし、参考文献1〜3の方法でこのような粒度にすると、比表面積が10m/g以上になってしまう場合が多かった。比表面積が大きくなるとリチウムイオンが黒鉛層間に入る際のサイトが増えるというメリットはあるが、化学的にアクティブな部分が多くなることからSEI(ソリッド エレクトロライド インターフェイス)等の発生量が増し、初回充放電効率が非常に悪くなってしまった。また、比表面積が大きくなると、使用するバインダーの量が多くなり電極中の負極材料の量が減ってしまう。
高電流負荷特性を重視した電池を得るためには電池の内部抵抗を低減する必要がある。そのための一つの手法として電極の塗布厚さを薄くすることが考えられる。一般にSBR(スチレンブタジエンラバー)系バインダーを用いた場合、バインダーの粘性の関係で、電極作成可能な黒鉛材料は比表面積が4〜6m/g程度のものまでと言われている。一方、PVDF(ポリビニリデンジフルオライド)系バインダーを用いた場合、黒鉛材料は比表面積がは2〜3m/g以下と言われている。このような粒度と比表面積を併せ持った黒鉛材料は一部の高価なメソカーボンを除いては製造することは非常に難しい。
本発明の目的は、初回充放電時の初期効率と放電容量を従来品と同等以上に高く維持したまま、比表面積と平均粒子径が小さい物性を有することで、高エネルギー密度かつ高電流負荷特性を併せ持った電極が作製可能なリチウムイオン二次電池用負極炭素材等に好適な黒鉛材料を安価に提供することを目的とする。
一般的に石油コークス製造時のコーカーの温度は500℃度付近であるが、ここで得られた生コークスはまだ水分や揮発分を含んでいる。この後、これら揮発分を除去する為、1200℃程度のカ焼を行いコークスとする方法が一般的に行われている。しかし、このカ焼コークスを粉砕すると、表面に凹凸が多くあり、アスペクト比が大きい粒状カ焼コークスが得られる。この粒状カ焼コークスを黒鉛化しても表面の凹凸は十分に滑らかにならず、比表面積は思ったよりも小さくならない。
本発明者らは、一般的なカ焼コークスではなく、まだ揮発分がのこっている生コークスをそのまま粉砕し、次いで黒鉛化することにより、アスペクト比が小さく、粒子表面の凹凸が小さく、黒鉛化後の比表面積を低減できることを見出した。
さらに本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、不活性雰囲気下で300℃から1000℃まで加熱した際の加熱減量分が5質量%〜20質量%の範囲にある炭素原料を選択し、それをカ焼せずにそのまま粉砕し、次いで特定条件において熱処理(黒鉛化)するという安価で簡便な方法によって、レーザー回折法により測定した体積基準の粒子径分布においてD50%が2〜9μmであり、比表面積が2〜6m/gであり、且つ粒子表面に実質的なコーティング層が存在しない又は等方性の結晶構造を持ち且つ実質的に単一組成の粒子からなる黒鉛材料が得られることを見出した。さらにこの黒鉛材料を電極材料として用いると容量が高く、サイクル特性に優れ、不可逆容量が非常に小さくなることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成したものである。
かくして本発明によれば、
〔1〕 レーザー回折法により測定した体積基準の粒子径分布においてD50%が2〜9μmであり、比表面積が2〜6m/gであり、且つ粒子表面に実質的なコーティング層が存在しない黒鉛材料。
〔2〕 レーザー回折法により測定した体積基準の粒子径分布においてD50%が2〜9μmであり、比表面積が2〜6m/gであり、等方性の結晶構造を持ち且つ実質的に単一組成の粒子からなる黒鉛材料。
〔3〕 非針状コークスを原料とする前記〔1〕または〔2〕に記載の黒鉛材料。
〔4〕 非針状コークスが石油系ピッチコークスである前記〔3〕に記載の黒鉛材料。
〔5〕 レーザーラマンによるR値が0.01以上0.2以下で、30℃〜100℃のCTEが4.0×10−6/℃以上5.0×10−6/℃以下である前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の黒鉛材料。
〔6〕 d002が0.3362nm〜0.3370nmである前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の黒鉛材料。
〔7〕 一次粒子のアスペクト比が1.00〜1.32である前記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の黒鉛材料。
〔8〕 ゆるめ嵩密度が0.4g/cm以上であり且つ400回タッピングを行った際の粉体密度が0.5g/cm以上1g/cm以下である前記〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の黒鉛材料。
〔9〕 前記〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の黒鉛材料を含む電池電極用炭素材料。
〔10〕 繊維径2〜1000nmの炭素繊維をさらに含む前記〔9〕に記載の電池電極用炭素材料。
〔11〕 黒鉛材料100質量部に対して、炭素繊維を0.01〜20質量部含む前記〔10〕に記載の電池電極用炭素材料。
〔12〕 炭素繊維はアスペクト比が10〜15000である前記〔10〕又は〔11〕に記載の電池電極用炭素材料。
〔13〕 炭素繊維が気相法炭素繊維である前記〔10〕〜〔12〕のいずれかに記載の電池電極用炭素材料。
〔14〕 炭素繊維が2000℃以上で熱処理されたものである前記〔10〕〜〔13〕のいずれかに記載の電池電極用炭素材料。
〔15〕 炭素繊維が内部に中空構造を有するものである前記〔10〕〜〔14〕のいずれかに記載の電池電極用炭素材料。
〔16〕 炭素繊維が分岐状炭素繊維を含むものである前記〔10〕〜〔15〕のいずれかに記載の電池電極用炭素材料。
〔17〕 炭素繊維は、X線回折法による(002)面の平均面間隔d002が0.344nm以下であることを特徴とする前記〔10〕〜〔16〕のいずれかに記載の電池電極用炭素材料。
が提供される。
さらに本発明によれば、
〔18〕 前記〔9〕〜〔17〕のいずれかに記載の電池電極用炭素材料とバインダーとを含む電極用ペースト。
〔19〕 前記〔18〕に記載の電極用ペーストの成形体からなる電極。
〔20〕 前記〔19〕に記載の電極を構成要素として含む電池。
〔21〕 前記〔19〕に記載の電極を構成要素として含む二次電池。
〔22〕 前記〔19〕〜〔21〕のいずれかに記載の電池を構成要素として含む電動工具。
〔23〕 前記〔19〕〜〔21〕のいずれかに記載の電池を構成要素として含む自動車。
が提供される。
本発明の黒鉛材料を電池電極用炭素材料として用いると高容量、高クーロン効率、高サイクル特性を維持したまま、高エネルギー密度の電池電極を得ることができる。
また、本発明の製造方法は、経済性、量産性に優れ、安全性の改善された方法である。
以下、本発明を詳細に説明する。
(黒鉛材料)
本発明の黒鉛材料は、レーザー回折法により測定した体積基準の粒子径分布においてD50%が2〜9μmであり、比表面積が2〜6m/gであり、且つ粒子表面に実質的なコーティング層が存在しないものである。
また、本発明の黒鉛材料は、レーザー回折法により測定した体積基準の粒子径分布においてD50%が2〜9μmであり、比表面積が2〜6m/gであり、等方性の結晶構造を持ち且つ実質的に単一組成の粒子からなるものである。
図1はメソカーボンの断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したときの像を示すものである。図2は本発明の黒鉛材料の断面をTEMで観察したときの像を示すものである。
図1からわかるようにメソカーボンは、表(コーティング)層部Aが白色(電子線が透過しやすい相)をしており、内層部Bが灰色(電子線が透過しにくい相)をしている。そして表層部と内層部との境目Cがくっきりと表れている。
一方、本発明の黒鉛材料は、図2に示すように、表層部と内層部との境目が無く、表層から内層までほぼ一様な灰色をしている。すなわち、本発明の黒鉛材料では、粒子表面に実質的なコーティング層が存在しないか、または等方性の結晶構造を持ち且つ実質的に単一組成となっているのである。
本発明の黒鉛材料は、レーザー回折法により測定した体積基準の粒子径分布において、D50%が2〜9μmである。
本発明の黒鉛材料は比表面積(BET法)が2〜6m/gである。比表面積が6m/gを超えるとPVDF系バインダーはもちろんSBR系バインダーでも相当量のバーンダーを添加する必要が生じる為、単位電極体積中の活物質量が少なくなることから電池容量の低下となってしまう。また、比表面積の増大により、粒子の表面活性が高くなり、電解液の分解等によって、クーロン効率が低下することがある。
本発明の好ましい態様の黒鉛材料は、ラマン分光スペクトルで測定される1360cm−1の付近にあるピーク強度(I)と1580cm−1の付近にあるピーク強度(I)との強度比I/I(R値)が0.01以上0.2以下である。R値が0.2より大きいと表面に活性の高いエッジ部分が多く露出して充放電時に副反応が多く発生する。一方0.01未満ではリチウムの出入りの障壁が高くなり、電流負荷特性が低下する。
なお、レーザーラマンR値は、日本分光製NRS3100を用いて、励起波長532nm、入射スリット幅200μm、露光時間15秒、積算2回、回折格子600本/mmの条件で測定した。
本発明の黒鉛材料は、X線回折法による(002)面の平均面間隔d002が0.3362nm〜0.3370nmであることが好ましい。d002は、既知の方法により粉末X線回折(XRD)法を用いて測定することができる(野田稲吉、稲垣道夫,日本学術振興会,第117委員会試料,117−71−A−1(1963)、稲垣道夫他,日本学術振興会,第117委員会試料,117−121−C−5(1972)、稲垣道夫,「炭素」,1963,No.36,25−34頁参照)。
本発明の黒鉛材料は、アスペクト比(最大長Dmax/最大長垂直長DNmax (Dmax:粒子画像の輪郭上の2点における最大の長さ;DNmax:最大長に平行な2本の直線で画像を挟んだとき、2直線間を垂直に結ぶ最短の長さ)が好ましくは1.0〜1.32である。アスペクト比はシスメックス製のFPIA3000を用い、画像解析で測定することができる。測定点数は少なくとも3000点以上、好ましくは30000点以上、更に好ましくは50000点以上測定し、算出した平均値を使用する。
本発明の黒鉛材料はゆるめ嵩密度が0.4g/cm以上で且つ400回タッピングを行った際の粉体密度が0.5g/cm以上1g/cm以下であることが好ましい。
また、本発明の好ましい黒鉛材料は、30℃〜100℃の熱膨張係数(CTE)が4.0×10−6/℃以上5.0×10−6/℃以下である。熱膨張係数は、コークスの針状性を表す指標のひとつとして利用されている。熱膨張係数が4.0×10−6/℃より小さいものは黒鉛の結晶性が高く、放電容量が大きくなるけれど、粒子形状が板状になりやすい。一方5.0×10−6/℃より大きいものはアスペクト比が小さくなるが黒鉛結晶が未発達で放電容量が低くなる。黒鉛材料のCTEは炭素原料のCTEと同様にして測定した。
以上のような特性を持つ黒鉛材料を電池電極用炭素材料として用いると高容量、高クーロン効率、高サイクル特性を維持したまま、高エネルギー密度の電池電極を得ることができる。
(黒鉛材料の製法)
本発明の黒鉛材料は、その製法によって特に制限されないが、本発明黒鉛材料を製造するに好適な製法は、不活性雰囲気下で300℃から1200℃まで加熱した際の加熱減量分が5質量%以上20質量%以下の炭素原料を粉砕し、次いで2000℃以上の熱処理をすることを含むものである。
本発明の製法に用いる炭素原料は、不活性雰囲気下で300℃から1200℃まで加熱した際の加熱減量分が5質量%以上20質量%以下のものである。加熱減量分が5質量%未満になると粒子形状が板状になりやすい。また、粉砕面(エッジ部分)が露出しており比表面積が大きくなり副反応も多くなる。逆に20質量%を超えると黒鉛化後の粒子同士の結着が多くなり、収率に影響する。加熱減量分が上記範囲にあることによって、黒鉛材料の比表面積が小さくなり且つ副反応が減少する原因は詳細に判っていないが、300〜1200℃の加熱によって揮発する成分が、炭化黒鉛化することで露出したエッジ部分の結晶が再構成安定化され、また粒子表面が滑らかになって比表面積が低減するためである推定している。
なお、前記加熱減量分は、昇温速度10℃/分で、TG及びDTAが測定できる市販の装置を用いることによって測定することができる。本実施例等ではセイコーインスツルメント社製 TGDTAw6300を使用し、測定サンプルを約15mgを正確に測りとり、プラチナ製パンにのせて装置にセットし、アルゴンガスを200cm/分で流し、10℃/minで1400℃まで昇温して測定した。リファレンスとして和光純薬製αアルミナを1500℃で3hrあらかじめ処理し、揮発分を除去したものを用いた。
このような加熱減量分を有する炭素原料は、石油系ピッチコークス又は石炭系ピッチコークスから選択される。特に本発明に用いる炭素原料は石油コークスの一種である生コークスから選択されるものが好ましい。生コークスは結晶が未発達であるので粉砕したときに球状になり、比表面積が小さくなりやすい。従って炭素原料は非針状のコークスである。
石油コークスは、石油又は歴青油のクラッキング又は分解蒸留により得られる黒色で多孔質の固形残留物である。石油コークスには,コーキングの方法によって,フルード・コークス(fluid coke)とディレード・コークス(delayed coke)とがある。しかし,フルード・コークスは粉状で,製油所の自家燃料に使用される程度であまり用途がなく,一般に石油コークスと称するのはディレード・コークスのことである。ディレード・コークスには、生コークス(raw coke)とカ焼コークス(calcined coke)とがある。生コークスはコーキング装置から採取されたそのままのコークスで,カ焼コークスはこれを更にもう一度焼いて揮発分を除去したものである。生コークスは粉塵爆発を起こす可能性が高いので、微粒子状の石油コークスを得るためには、生コークスをカ焼して揮発分を除去してから粉砕されていた。また、従来、電極などにはカ焼コークスが一般に使われていた。生コークスは石炭コークスよりも灰分が少ないので、カーバイド工業の炭素材,鋳物用コークス,合金鉄用コークスなどに使用されるだけであった。
本発明で用いる炭素原料は30〜100℃の熱膨張係数(CTE)が4.8×10−6/℃以上6.0×10−6/℃以下であることが好ましい。炭素原料のCTEは例えば次のような方法で測定できる。まず、炭素原料500gを振動ミルで28メッシュ以下に粉砕する。この試料を篩い分けて、28〜60メッシュ60g、60〜200メッシュ32g、200メッシュ以下8gの割合で混合し、全量を100gにする。この配合試料100gをステンレス容器に入れ、バインダーピッチ25gを加え、125℃のオイルバスで20分間加熱し均一に混合した。該混合物を冷却し、振動ミルで粉砕し、全量を28メッシュ以下にする。該試料30gを125℃の加圧成型機に入れ、ゲージ圧450kg/cmで5分間加圧し、成型する。成型品を磁性坩堝に入れ、焼成炉で室温から1000℃まで5時間で昇温し、1000℃で1時間保持して冷却する。この焼成品を精密切断機で4.3×4.3×20.0mmに切断し、テストピースを得る。本テストピースをTMA(熱機会分析装置)例えばセイコー電子製TMA/SS 350等で30〜100℃の熱膨張測定を行い、CTEを算出した。
次にこの炭素原料を粉砕する。炭素原料の粉砕には公知のジェットミル、ハンマーミル、ローラーミル、ピンミル、振動ミル等が用いられる。炭素原料の粉砕はできるだけ熱履歴が低い状態で行うことが好ましい。粉砕によって熱が加わると前記300〜1200℃で揮発する成分が減少し、上記のような効果が得られなくなるおそれがある。
粉砕した炭素原料は平均粒度10〜25ミクロンになるように分級することが好ましい。平均粒度が大きいと電極密度が上がりにくい傾向になり、逆に小さいと充放電時に副反応が起きやすくなる。粒度はレーザー回折式のCILUSで測定した。
粉砕した炭素原料は、後記の黒鉛化処理をする前に500℃から1200℃程度で低温焼成してもよい。この低温焼成によって次に行う黒鉛化処理でのガス発生を低減させることができる。なお、この低温焼成は非酸化性雰囲気下で行わなければならない。
次に、粉砕された炭素原料を黒鉛化処理する。黒鉛化処理は、炭素原料が酸化しにくい雰囲気で行うことがよい。例えば、アルゴンガス等の雰囲気で熱処理する方法;アチソン炉で熱処理する方法(非酸化黒鉛化プロセス)等が挙げれ、これらのうち非酸化黒鉛化プロセスがコストの観点から好ましい。
黒鉛化処理温度の下限は、通常2000℃、好ましくは2500℃、さらに好ましくは2900℃、もっとも好ましくは3000℃である。黒鉛化処理温度の上限は特に限定されないが、高い放電容量が得られやすいという観点から、好ましくは3300℃である。
本発明の製法においては、黒鉛化処理後、黒鉛材料を解砕又は粉砕しないことが好ましい。黒鉛処理化後に解砕又は粉砕すると、滑らかになった表面が傷つき、性能が低下するおそれがあるからである。
このような方法によって図2に示すような構造を持つ黒鉛材料を得ることができる。
(電池電極用炭素材料)
本発明の電池電極用炭素材料は、本発明の黒鉛材料を含むものである。電池電極用炭素材料は、例えば、リチウム二次電池の負極活物質及び負極導電付与材として用いられる。
本発明の電池電極用炭素材料は、炭素繊維をさら含んでいるものである。炭素繊維は、前記黒鉛材料100質量部に対して、好ましくは0.01〜20質量部含有していることが好ましい。
炭素繊維としては、例えば、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、レーヨン系炭素繊維などの有機系カーボンファイバー;気相法炭素繊維などが挙げられる。これらのうち、特に、結晶性が高く、熱伝導性の高い、気相法炭素繊維が好ましい。気相法炭素繊維は、例えば、有機化合物を原料とし、触媒としての有機遷移金属化合物をキャリアーガスとともに高温の反応炉に導入し生成し、続いて熱処理して製造される(特開昭60−54998号公報、特許2778434号公報等参照)。その繊維径は、好ましくは2〜1000nm、より好ましくは0.01〜0.5μmであり、アスペクト比は好ましくは10〜15000である。
炭素繊維の原料となる有機化合物としては、トルエン、ベンゼン、ナフタレン、エチレン、アセチレン、エタン、天然ガス、一酸化炭素等のガス及びそれらの混合物が挙げられる。中でもトルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素が好ましい。
有機遷移金属化合物は、触媒となる遷移金属を含むものである。遷移金属としては、周期律表第IVa、Va、VIa、VIIa、VIII族の金属が挙げられる。有機遷移金属化合物としてはフェロセン、ニッケロセン等の化合物が好ましい。
本発明に用いる炭素繊維は、気相法等で得られた長繊維を粉砕又は解砕したものであってもよい。また、炭素繊維はフロック上に凝集したものであってもよい。
本発明に用いる炭素繊維は、その表面に有機化合物等に由来する熱分解物が付着していないもの、又は炭素構造の結晶性が高いものが好ましい。
熱分解物が付着していない炭素繊維又は炭素構造の結晶性が高い炭素繊維は、例えば、不活性ガス雰囲気下で、炭素繊維、好ましくは気相法炭素繊維を焼成(熱処理)することによって得られる。具体的には、熱分解物が付着していない炭素繊維は、約800〜1500℃でアルゴン等の不活性ガス中で熱処理することによって得られる。また、炭素構造の結晶性が高い炭素繊維は、好ましくは2000℃以上、より好ましくは2000〜3000℃でアルゴン等の不活性ガス中で熱処理することによって得られる。
本発明に用いる炭素繊維は分岐状繊維が含まれているものが好ましい。また繊維全体が互いに連通した中空構造を有している箇所があってもよい。そのため繊維の円筒部分を構成している炭素層が連続している。中空構造とは炭素層が円筒状に巻いている構造であって、完全な円筒でないもの、部分的な切断箇所を有するもの、積層した2層の炭素層が1層に結合したものなどを含む。また、円筒の断面は完全な円に限らず楕円や多角化のものを含む。
また本発明に用いる好適な炭素繊維は、X線回折法による(002)面の平均面間隔d002が、好ましくは0.344nm以下、より好ましくは0.339nm以下、特に好ましくは0.338nm以下である。また、結晶のC軸方向の厚さLcが40nm以下のものであることが好ましい。
(電極用ペースト)
本発明の電極用ペーストは、前記電池電極用炭素材料とバインダーとを含むものである。この電極用ペーストは、前記電池電極用炭素材料とバインダーとを混練することによって得られる。混錬には、リボンミキサー、スクリュー型ニーダー、スパルタンリューザー、レディゲミキサー、プラネタリーミキサー、万能ミキサー等公知の装置が使用できる。電極用ペーストは、シート状、ペレット状等の形状に成形することができる。
電極用ペーストに用いるバインダーとしては、ポリフッ化ビニリデンやポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系ポリマー;SBR(スチレンブタジエンラバー)等のゴム系等公知のものが挙げられる。
バインダーの使用量は、電池電極用炭素材料100質量部に対して1〜30質量部が適当であるが、特に3〜20質量部程度が好ましい。
混練する際に溶媒を用いることができる。溶媒としては、各々のバインダーに適した公知のもの、例えばフッ素系ポリマーならトルエン、N−メチルピロリドン等;SBRなら水等;その他にジメチルホルムアミド、イソプロパノール等が挙げられる。溶媒として水を使用するバインダーの場合は、増粘剤を併用することが好ましい。溶媒の量は集電体に塗布しやすいような粘度となるように調整される。
(電極)
本発明の電極は前記電極用ペーストの成形体からなるものである。本発明の電極は例えば前記電極用ペーストを集電体上に塗布し、乾燥し、加圧成形することによって得られる。
集電体としては、例えばアルミニウム、ニッケル、銅、ステンレス等の箔、メッシュなどが挙げられる。ペーストの塗布厚は、通常50〜200μmである。塗布厚が大きくなりすぎると、規格化された電池容器に負極を収容できなくなることがある。ペーストの塗布方法は特に制限されなず、例えばドクターブレードやバーコーターなどで塗布後、ロールプレス等で成形する方法等が挙げられる。
加圧成形法としては、ロール加圧、プレス加圧等の成形法を挙げることができる。加圧成形するときの圧力は1〜3t/cm程度が好ましい。電極の電極密度が高くなるほど体積あたりの電池容量が通常大きくなる。しかし電極密度を高くしすぎるとサイクル特性が通常低下する。本発明の電極用ペーストを用いると電極密度を高くしてもサイクル特性の低下が小さいので、高い電極密度の電極を得ることができる。本発明の電極用ペーストを用いて得られる電極の電極密度の最大値は、通常1.7〜1.9g/cmである。このようにして得られた電極は、電池の負極、特に二次電池の負極に好適である。
(電池、二次電池)
本発明の電池又は二次電池は前記電極を構成要素(好ましくは負極)として含むものである。
次にリチウム二次電池を具体例に挙げて本発明の電池又は二次電池を説明する。リチウム二次電池は、正極と負極とが電解液又は電解質の中に浸漬された構造をしたものである。負極には本発明の電極が用いられる。
リチウム二次電池の正極には、正極活物質として、通常、リチウム含有遷移金属酸化物が用いられ、好ましくはTi、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Mo及びWから選ばれる少なくとも1種の遷移金属元素とリチウムとを主として含有する酸化物であって、リチウムと遷移金属元素のモル比が0.3乃至2.2の化合物が用いられ、より好ましくはV、Cr、Mn、Fe、Co及びNiから選ばれる少なくとも1種の遷移金属元素とリチウムとを主として含有する酸化物であって、リチウムと遷移金属のモル比が0.3乃至2.2の化合物が用いられる。なお、主として存在する遷移金属に対し30モルパーセント未満の範囲でAl、Ga、In、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Si、P、Bなどを含有していても良い。上記の正極活物質の中で、一般式LiMO(MはCo、Ni、Fe、Mnの少なくとも1種、x=0〜1.2。)、またはLi(Nは少なくともMnを含む。y=0〜2。)で表されるスピネル構造を有する材料の少なくとも1種を用いることが好ましい。
さらに、正極活物質はLi1−a(MはCo、Ni、Fe、Mnの少なくとも1種、DはCo、Ni、Fe、Mn、Al、Zn、Cu、Mo、Ag、W、Ga、In、Sn、Pb、Sb、Sr、B、Pの中のM以外の少なくとも1種、y=0〜1.2、a=0.5〜1。)を含む材料、またはLi(N1−b(NはMn、EはCo、Ni、Fe、Mn、Al、Zn、Cu、Mo、Ag、W、Ga、In、Sn、Pb、Sb、Sr、B、Pの少なくとも1種、b=1〜0.2、z=0〜2。)で表されるスピネル構造を有する材料の少なくとも1種を用いることが特に好ましい。
具体的には、LiCoO、LiNiO、LiMnO、LiCoNi1−a、LiCo1−b、LiCoFe1−b、LiMn、LiMnCo2−c、LiMnNi2−c、LiMn2−c、LiMnFe2−c(ここでx=0.02〜1.2、a=0.1〜0.9、b=0.8〜0.98、c=1.6〜1.96、z=2.01〜2.3。)が挙げられる。最も好ましいリチウム含有遷移金属酸化物としては、LiCoO、LiNiO、LiMnO、LiCoNi1−a、LiMn、LiCo1−b(x=0.02〜1.2、a=0.1〜0.9、b=0.9〜0.98、z=2.01〜2.3。)が挙げられる。なお、xの値は充放電開始前の値であり、充放電により増減する。
正極活物質の平均粒子サイズは特に限定されないが、0.1〜50μmが好ましい。0.5〜30μmの粒子の体積が95%以上であることが好ましい。粒径3μm以下の粒子群の占める体積が全体積の18%以下であり、かつ15μm以上25μm以下の粒子群の占める体積が、全体積の18%以下であることが更に好ましい。比表面積は特に限定されないが、BET法で0.01〜50m/gが好ましく、特に0.2m/g〜1m/gが好ましい。また正極活物質5gを蒸留水100mlに溶かした時の上澄み液のpHとしては7以上12以下が好ましい。
リチウム二次電池では正極と負極との間にセパレーターを設けることがある。セパレータとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンを主成分とした不織布、クロス、微孔フィルム又はそれらを組み合わせたものなどを挙げることができる。
本発明のリチウム二次電池を構成する電解液及び電解質としては公知の有機電解液、無機固体電解質、高分子固体電解質が使用できる。好ましくは、電気伝導性の観点から有機電解液が好ましい。
有機電解液としては、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル等のエーテル;ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、ヘキサメチルホスホリルアミド等のアミド;ジメチルスルホキシド、スルホラン等の含硫黄化合物;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のジアルキルケトン;エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、2−メトキシテトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジオキソラン等の環状エーテル;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート;γ−ブチロラクトン;N−メチルピロリドン;アセトニトリル、ニトロメタン等の有機溶媒の溶液が好ましい。さらに、好ましくはエチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、γ−ブチロラクトン等のエステル類、ジオキソラン、ジエチルエーテル、ジエトキシエタン等のエーテル類、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン等が挙げられ、特に好ましくはエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系非水溶媒を用いることができる。これらの溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
これらの溶媒の溶質(電解質)には、リチウム塩が使用される。一般的に知られているリチウム塩にはLiClO、LiBF、LiPF、LiAlCl、LiSbF、LiSCN、LiCl、LiCFSO、LiCFCO、LiN(CFSO等がある。
高分子固体電解質としては、ポリエチレンオキサイド誘導体及び該誘導体を含む重合体、ポリプロピレンオキサイド誘導体及び該誘導体を含む重合体、リン酸エステル重合体、ポリカーボネート誘導体及び該誘導体を含む重合体等が挙げられる。
なお、上記以外の電池構成上必要な部材の選択についてはなんら制約を受けるものではない。
本発明の電池又は二次電池は、充放電サイクル特性に優れている上に、さらに大電流負荷特性にも優れているので、従来、鉛二次電池、ニッケルカドミウム二次電池、ニッケル水素二次電池が主に使用されていた分野、例えば、電動ドリル等の電動工具や、ハイブリッド自動車用等への適用が可能である。
以下に本発明について代表的な例を示し、さらに具体的に説明する。なお、これらは説明のための単なる例示であって、本発明はこれらに何等制限されるものではない。
下記例で用いた物性等は以下の方法により測定した。
(比表面積)
比表面積測定装置NOVA−1200(ユアサアイオニクス(株)製)を用いて、一般的な比表面積の測定方法であるBET法により測定した。
(電池評価方法)
(1)ペースト作成:
黒鉛材料1質量部に呉羽化学社製KFポリマーL1320(ポリビニリデンフルオライド(PVDF)を12質量%含有したN−メチルピロリドン(NMP)溶液品)0.1質量部を加え、プラネタリーミキサーにて混練し、主剤原液とした。
(2)電極作製:
主剤原液にNMPを加え、粘度を調整した後、高純度銅箔上でドクターブレードを用いて250μm厚に塗布した。これを120℃で1時間真空乾燥し、18mmφに打ち抜いた。打ち抜いた電極を超鋼製プレス板で挟み、プレス圧が電極に対して約1×10〜3×10N/mm(1×10〜3×10kg/cm)となるようにプレスした。その後、真空乾燥器で120℃、12時間乾燥して、評価用電極とした。
(3)電池作成:
下記のようにして3極セルを作製した。なお以下の操作は露点−80℃以下の乾燥アルゴン雰囲気下で実施した。
ポリプロピレン製のねじ込み式フタ付きのセル(内径約18mm)内において、上記(2)で作製した銅箔付き炭素電極と金属リチウム箔をセパレーター(ポリプロピレン製マイクロポ−ラスフィルム(セルガ−ド2400))で挟み込んで積層した。さらにリファレンス用の金属リチウムを同様に積層した。これに電解液を加えて試験用セルとした。
(4)電解液:
EC(エチレンカーボネート)8質量部及びDEC(ジエチルカーボネート)12質量部の混合液に、電解質としてLiPFを1モル/リットル溶解した。
(5)充放電サイクル試験:
電流密度0.2mA/cm(0.1C相当)で定電流低電圧充放電試験を行った。
充電(炭素へのリチウムの挿入)はレストポテンシャルから0.002Vまで0.2mA/cmでCC(コンスタントカレント:定電流)充電を行った。次に0.002VでCV(コンスタントボルト:定電圧)充電に切り替え、電流値が25.4μAに低下した時点で停止させた。
放電(炭素からの放出)は0.2mA/cm(0.1C相当)でCC放電を行い、電圧1.5Vでカットオフした。
実施例1
300℃〜1200℃のTG測定による加熱減量分が11.8質量%の石油系生コークスをホソカワミクロン製バンタムミルで粉砕した。日清エンジニアリング製ターボクラシファイアーで気流分級し、D50が4.8μmの炭素原料を得た。この粉砕された炭素原料をネジ蓋つき黒鉛ルツボに充填し、アチソン炉にて3000℃で黒鉛化処理して、レーザーラマンR値が0.03、CTEが4.2×10−6−1の黒鉛材料を得た。得られた黒鉛材料は比表面積が小さく、放電容量、初期効率、サイクル特性ともに良好な電池を得ることができた。結果を表1に示す。
Figure 0005162093
実施例2
粉砕後黒鉛化処理前に1200℃の熱処理(低温焼成)を実施した以外は実施例1と同様のテストをおこなった。結果を表1に示す。
比較例1
生コークスを粉砕する前に1200℃の熱処理(カ焼)を行った以外は実施例1と同様のテストを行った。結果を表1に示す。比表面積が大きく、タップ密度も低めであった。
メソカーボンの断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したときの像を示す図である。 本発明の黒鉛材料の断面をTEMで観察したときの像を示す図である。
符号の説明
A:表層部(コーティング層) ; B:内層部 ; C:境目

Claims (22)

  1. レーザー回折法により測定した体積基準の粒子径分布においてD50%が2〜9μmであり、d002が0.3362nm〜0.3370nmであり、比表面積が2〜6m2/gであり、レーザーラマンによるR値が0.01以上0.2以下であり且つ粒子表面に実質的なコーティング層が存在しない黒鉛材料。
  2. レーザー回折法により測定した体積基準の粒子径分布においてD50%が2〜9μmであり、d002が0.3362nm〜0.3370nmであり、比表面積が2〜6m2/gであり、レーザーラマンによるR値が0.01以上0.2以下であり、等方性の結晶構造を持ち且つ実質的に単一組成の粒子からなる黒鉛材料。
  3. 非針状コークスを原料とする請求項1または2に記載の黒鉛材料。
  4. 非針状コークスが石油系ピッチコークスである請求項3に記載の黒鉛材料。
  5. 0℃〜100℃のCTEが4.0×10-6/℃以上5.0×10-6/℃以下である請求項1〜4のいずれかに記載の黒鉛材料。
  6. 一次粒子のアスペクト比が1.00〜1.32である請求項1〜のいずれかに記載の黒鉛材料。
  7. ゆるめ嵩密度が0.4g/cm3以上であり且つ400回タッピングを行った際の粉体密度が0.5g/cm3以上1g/cm3以下である請求項1〜のいずれかに記載の黒鉛材料。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の黒鉛材料を含む電池電極用炭素材料。
  9. 繊維径2〜1000nmの炭素繊維をさらに含む請求項に記載の電池電極用炭素材料。
  10. 黒鉛材料100質量部に対して、炭素繊維を0.01〜20質量部含む請求項に記載の電池電極用炭素材料。
  11. 炭素繊維はアスペクト比が10〜15000である請求項9又は10に記載の電池電極用炭素材料。
  12. 炭素繊維が気相法炭素繊維である請求項9〜11のいずれかに記載の電池電極用炭素材料。
  13. 炭素繊維が2000℃以上で熱処理されたものである請求項9〜12のいずれかに記載の電池電極用炭素材料。
  14. 炭素繊維が内部に中空構造を有するものである請求項9〜13のいずれかに記載の電池電極用炭素材料。
  15. 炭素繊維が分岐状炭素繊維を含むものである請求項9〜14のいずれかに記載の電池電極用炭素材料。
  16. 炭素繊維は、X線回折法による(002)面の平均面間隔d002が0.344nm以下であることを特徴とする請求項9〜15のいずれかに記載の電池電極用炭素材料。
  17. 請求項8〜16のいずれかに記載の電池電極用炭素材料とバインダーとを含む電極用ペースト。
  18. 請求項17に記載の電極用ペーストの成形体からなる電極。
  19. 請求項18に記載の電極を構成要素として含む電池。
  20. 請求項18に記載の電極を構成要素として含む二次電池。
  21. 請求項18〜20のいずれかに記載の電池を構成要素として含む電動工具。
  22. 請求項18〜20のいずれかに記載の電池を構成要素として含む自動車。
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