JP2018113130A - マンガン酸リチウム、該マンガン酸リチウムを含む正極、及び該正極を備える非水電解質二次電池 - Google Patents

マンガン酸リチウム、該マンガン酸リチウムを含む正極、及び該正極を備える非水電解質二次電池 Download PDF

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Yasuhiro Suzuka
泰宏 鈴鹿
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崇博 八島
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秀康 田中
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寛文 五島
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Abstract

【課題】非水電解質二次電池の正極活物質として用いたときに、サイクル特性を向上させることのできるマンガン酸リチウムを提供する。【解決手段】下記の構成(A)〜(E)を備えることを特徴とするマンガン酸リチウム。(A)スピネル構造を有する(B)Li、Mn、Ni、Fe、及びPを含み、(C)平均作動電位がLi基準で4.5V以上(D)LixNi(1−x)O2を含まない(0≦x≦1)(E)下記式(1)で求められるCが0.01〜0.1の範囲にあるC=CP/(CMn+CNi+CFe) (1)(上記式において、CP、CMn、CNi及びCFeは、各々P、Mn、Ni及びFEの原子濃度(Atom%)である。【選択図】なし

Description

本発明は、マンガン酸リチウム、該マンガン酸リチウムを含む正極、及び該正極を備える非水電解質二次電池(リチウムイオン二次電池など)に関する。
リチウムイオン二次電池は、鉛蓄電池やニッカド電池と比較してエネルギー密度が高いので、携帯電話、ノートパソコン、及び電気自動車等の電源として、様々な分野で使用されている。
リチウムイオン二次電池は、正極活物質を含む正極、負極活物質を含む負極、及び電解液を備えている。リチウムイオン二次電池の正極活物質は、リチウムイオン二次電池のエネルギー密度を決める重要な材料の一つであり、これまで様々な正極活物質が提案されている。例えば、層状構造を持つコバルト酸リチウム(LiCoO)、オリビン構造を有するリン酸鉄リチウム(LiFePO)、及びスピネル構造を有するマンガン酸リチウム(LiMn)などが挙げられる。
中でも、スピネル構造を有するマンガン酸リチウム(以下、LMOとも言う。)は、高いエネルギーを取り出すことが可能であり、古くからリチウムイオン二次電池の正極活物質として研究されている。しかしながら、LMOを正極活物質として用いたリチウムイオン二次電池は、繰り返し使用すると正極活物質からマンガンが次第に溶出するので、サイクル特性が悪くなるという問題があった。そこで、LMOのマンガンの一部を別の元素に置換することによりマンガンの溶出を防止することが提案されている(特許文献1、2)。
また、リチウムイオン二次電池のエネルギー密度を増やすために、マンガンの一部をニッケルで置換することも研究されている(特許文献3)。特に、マンガンの一部をニッケルで置換したLMOを正極活物質として備えたリチウムイオン二次電池は、エネルギー密度が高いので、ハイブリッド自動車や電気自動車用の二次電池として有望視されている。
リチウムイオン二次電池を電気自動車用途で用いる場合、従来の携帯機器用として用いる場合よりも、使用温度及び充放電の条件が過酷になる。そこで、そのような過酷な条件においても二次電池として良好に機能するよう、リチウムイオン二次電池には、サイクル特性及び高速充放電特性といった電池特性の更なる向上が求められている。
このような課題を解決するために、例えば、特許文献4では、LMOのマンガンの一部をニッケルで置換した正極活物質を調製する際に、正極活物質前駆体と、該前駆体の表面積Rに対して特定の量(体積)のリン原子を有するオキソ酸とを、混合して焼成する工程を経由することにより、サイクル特性及び高速充放電特性の双方に優れた正極活物質が得られることが開示されている。
特開平11−71115号公報 特開2002−3220号公報 特開平9−147867号公報 特開2016−110798号公報
しかしながら、マンガンの一部をニッケルで置換したLMOを正極活物質として備えたリチウムイオン二次電池(特許文献3及び4)には、繰り返し使用すると正極活物質からニッケルやマンガンが溶出するので、サイクル特性が悪くなるという課題があった。
本発明は、非水電解質二次電池の正極活物質として用いたときに、サイクル特性を向上させることのできるマンガン酸リチウム、該マンガン酸リチウムを含む正極、及び該正極を備える非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく、本発明のマンガン酸リチウムは、下記の構成(A)〜(E)を備えることを特徴とする。
(A)スピネル構造を有する
(B)Li、Mn、Ni、Fe、及びPを含み、
(C)平均作動電位がLi基準で4.5V以上
(D)LiNi(1−x)を含まない(0≦x≦1)
(E)下記式(1)で求められるCが0.01〜0.1の範囲にある
C=C/(CMn+CNi+CFe) (1)
(上記式において、CP、Mn、CNi及びCFeは、各々P、Mn、Ni及びFeの原子濃度(Atom%)である。)
本発明の正極は、本発明のマンガン酸リチウムを正極活物質として含み、本発明の非水電解質二次電池は本発明の正極を備えている。
本発明のマンガン酸リチウムが正極活物質として含まれる正極を用いて非水電解質二次電池(リチウムイオン二次電池)を構成すると、ニッケルやマンガンの溶出が少ないのでサイクル特性に優れる。
以下に、本発明のマンガン酸リチウム(以下、「本発明の正極活物質」ともいう。)、該正極活物質を含む正極(以下、「本発明の正極」ともいう。)、及び該正極を含む非水電解質二次電池(以下、単に「リチウムイオン二次電池」あるいは「本発明の二次電池」ともいう。)について一実施形態を詳細に説明する。
[本発明の正極活物質]
本発明の正極活物質は、スピネル構造を有しており、リチウムイオン二次電池において正極活物質として機能する。本発明の正極活物質において、スピネル構造の有無は、後述する方法(粉末X線回折測定)により確認することができる。
本発明の正極活物質は、Li、Mn、及びNiの他に、必須元素としてFe及びPを含む。前記の元素のうち、Li、Mn、Ni及びFeは、スピネル構造を構成する元素であると考えられるが、その一部はスピネル構造の外部に存在していてもよい。ここで、本発明の正極活物質は、スピネル型のマンガン酸リチウムであるが、Mnの一部はNiにより置換されている。また、Pはスピネル構造を構成する元素でなく、スピネル構造の外部に存在しているものと考えられる。
このような特徴を有する本発明の正極活物質は、サイクル特性に優れる。これは、スピネル構造にFeが含まれることでその構造が強化され、更にスピネル構造の外部にあるPが正極活物質の表面を一定の比率で覆うことによって、繰り返し充放電を行った際に正極活物質からMnやNiが電解液中に溶出するのを抑制するためと考えられる。
本発明の正極活物質におけるLiの含有量は、3.4〜4.2質量%の範囲であることが好ましく、3.5〜4.1質量%の範囲であることがより好ましく、3.6〜4質量%の範囲であることが特に好ましい。Liの含有量が上記の範囲にない場合、後述するLiNi(1−x)やスピネル構造以外のLiとMnの複合酸化物等が生成し、エネルギー密度やサイクル特性の低下を招く可能性がある。
Liの含有量は、例えば、後述する方法(ICP測定)で確認することができるが、Liの含有量を測定できる方法であれば他の方法を用いてもよい。
なお、本発明の正極活物質を含む正極がリチウムイオン二次電池に組み込まれた場合、その充電状態によって前記Liの含有量が変化するので、少なくとも3.5V以下まで放電した状態で前記Liの含有量を測定することが好ましい。
本発明の正極活物質におけるMnの含有量は、40〜49質量%の範囲であることが好ましく、42〜47質量%の範囲であることがより好ましく、43〜46質量%の範囲であることが特に好ましい。前記Mnの含有量の範囲が上記の範囲にない場合、後述するLiNi(1−x)やスピネル構造以外のLiとMnの複合酸化物等が生成し、エネルギー密度やサイクル特性の低下を招く可能性がある。
Mnの含有量は、例えば後述する方法(ICP測定)で確認することができる。また、Mnの含有量を測定できる方法であれば、この他の方法を用いてもよい。
本発明の正極活物質におけるNiの含有量は、10〜16質量%の範囲にあることが好ましく、11〜15質量%の範囲にあることがより好ましく、12〜14質量%の範囲にあることが特に好ましい。Niの含有量が上記した範囲にあると、本本発明の二次電池の平均電圧が高くなるため、エネルギー密度が大きくなり優れた電池特性を示す。
Niの含有量は、例えば後述する方法(ICP測定)で確認することができる。また、前記含有量を測定できる方法であれば、他の方法を用いてもよい。
本発明の正極活物質におけるFeの含有量は、0.1〜5質量%の範囲にあることが好ましく、0.5〜4.5質量%の範囲にあることがより好ましく、1〜3.5質量%の範囲にあることが特に好ましい。Feの含有量が上記した範囲にあると、スピネル構造が強化され、優れたサイクル特性を示す。Feの含有量が0.1質量%より少ない場合、スピネル構造が十分に強化されないためか、サイクル特性があまり向上しないことがある。一方、Feの含有量が5質量%より多い場合、放電容量が低下する可能性がある。
前記Feの含有量は、例えば後述する方法(ICP測定)で確認することができる。また、前記含有量を測定できる方法であれば、他の方法を用いてもよい。
本発明の正極活物質におけるPの含有量は、0.05〜0.5質量%の範囲にあることが好ましく、0.06〜0.4質量%の範囲であることがより好ましく、0.07〜0.35質量%の範囲であることが特に好ましい。
Pの含有量が上記した範囲にあると、Li、Mn、Ni及びFeを含むスピネル化合物(スピネル型マンガン酸リチウム)の表面をPが覆い、優れたサイクル特性を示す。これは、前述のスピネル化合物の表面をPが覆うことで電解液との接触面積が減少し、その結果として正極活物質からMnやNiが電解液中に溶出するのを抑制するためと考えられる。Pの含有量が0.05質量%より少ない場合、前述のスピネル化合物の表面を充分に覆えないためか、サイクル特性があまり向上しないことがある。一方、Pの含有量が0.5質量%より多い場合、スピネル化合物の表面を被覆し過ぎるためか、電解液と正極活物質の接触面積が少なくなり正極活物質の抵抗が増加するおそれがある。
前記Pの含有量は、例えば後述する方法(ICP測定)で確認することができる。また、前記含有量を測定できる方法であれば、他の方法を用いてもよい。
本発明の正極活物質は、Ni、Mn、Fe以外の遷移金属、及びNa、K、Mg、Ca、Sr、Ba、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Sb、B及びSから選ばれる少なくとも1つの元素を含んでいてもよい。前記した各元素は、スピネル化合物の構造の一部を置換していてもよく、スピネル化合物の構造の外部に存在していてもよい。ただし、前記した各元素の総含有量が概ね1質量%を超えると、電池の特性に悪影響を及ぼすおそれもある。
前記した各元素の含有量は、例えば後述する方法(ICP測定)で確認することができる。また、前記含有量を測定できる方法であれば、この他の方法を用いてもよい。
本発明の正極活物質の平均作動電位は、Li基準で4.5V以上である。本発明の正極活物質は、スピネル構造のMnの一部をNiに置換することによって、このような高電位の作動電圧を有している。前記の平均作動電位は、例えば後述する方法で電池を作製し、その放電電位を測定することによって確認することができる。
本発明の正極活物質は、下記式(1)で求められるCが、0.01〜0.1の範囲にある。
C=C/(CMn+CNi+CFe) (1)
上記式において、CP、Mn、CNi及びCFeは、各々P、Mn、Ni及びFeの原子濃度(Atom%)である。
上記式(1)におけるCは、本発明の正極活物質においてPの被覆率を表すものである。Cは、X線光電子分光分析(以下、XPSともいう。)の定量スペクトルから得られるデータを基に算出される。具体的には、本発明の正極活物質に含まれるスピネル化合物の構成元素の中で、1枚の視野角からXPSで検出できる表面数nm近傍のMn、Ni、Feの濃度と、Pの濃度を測定し、これらの比をとって算出する。Cが上記の範囲にある場合、Li、Mn、Ni及びFeを含むスピネル化合物の表面を程よくPが覆い、優れたサイクル特性を示す。Cが大きすぎても、電解液と正極活物質の接触面積が少なくなり正極活物質の抵抗が増加するので好ましくなく、少なすぎても、正極活物質からMnやNiが電解液中に溶出するのを抑制する効果が減少するので好ましくない。
本発明の正極活物質は、Cが0.025〜0.06の範囲にあることが好ましい。Mがこの範囲にある場合、特に優れたサイクル特性を示す。
本発明の正極活物質は、スピネル構造中にFeを含み、更に前述のCの範囲でPを被覆することで、Pで被覆する効果が飛躍的に高まる。具体的には、充放電を繰り返した後の容量維持率が顕著に向上する。具体的な効果は実施例で説明する。
本発明の正極活物質は、含まれる元素の割合が下記式(2)で表される組成比で示されることが好ましい。
Li(2−b)(4−δ) (2)
(上記式において、a、b及びδは、0.9≦a≦1.1、0≦b≦0.2、及びδ:−0.2≦δ≦0.2の関係を満たす数値である。Mは、Mn、Ni、Fe及びPである。Qは、Ni、Mn、Fe以外の遷移金属、及びNa、K、Mg、Ca、Sr、Ba、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Sb、B及びSから選ばれる少なくともいずれかの元素である。)
本発明の正極活物質の比表面積は、0.2〜2m/gの範囲であることが好ましく、0.2〜1m/gの範囲であることがより好ましく、0.4〜0.8m/gの範囲であることが特に好ましい。
前記比表面積が2m/gより大きい場合、Mn及びNiの溶出が増えるため、サイクル特性が悪化するおそれがある。前記比表面積が0.2m/gより小さいと、本発明の正極活物質は合成が必ずしも容易ではない。
また、本発明の正極活物質の単位表面積当たりのP化合物の含有量は、0.02g/mより少ないことが好ましく、0.015g/m以下であることがより好ましく、0.01g/m以下であることが特に好ましい。本発明の正極活物質の単位表面積当たりのP化合物の含有量が0.02g/m以上であると、本発明の作用効果があまり得られなくなるおそれがある。
本発明の正極活物質の格子定数は、8.187〜8.2Åの範囲にあることが好ましい。前記格子定数は、例えば後述する方法(粉末X線回折測定)で確認することができる。
本発明の正極活物質のTAP密度は、1.5g/mL以上であることが好ましく、1.8〜2.5g/mLの範囲にあることがより好ましい。TAP密度が上記の範囲にある本発明の正極活物質は、単位容積当たりのエネルギー密度が高くなるので好ましい。TAP密度の測定法は後述する。
本発明の正極活物質は、実質的に球状の二次粒子を形成していることが好ましく、その平均粒子径は1〜20μmの範囲にあることが好ましい。二次粒子の平均粒子径としてはメジアン径を用いるが測定法は後述する。
球状の程度としては、二次粒子の長径(DL)と短径(DS)との比(DL)/(DS)(球状係数あるいは真球度ともいう。)が1〜1.2の範囲にあるものが好ましい。
また、前述の二次粒子の平均粒子径が大きいと、前記式(1)のCの値が小さくなり、二次粒子の平均粒子径が小さい方とCの値が大きくなる傾向がある。本発明の正極活物質の二次粒子の調製方法は、後述する。
[本発明の正極活物質の製造方法]
本発明の正極活物質の製造方法(以下、本発明の製造方法ともいう。)は、特に限定されないが、例えば、Li、Mn、Ni、Fe、及びPのような添加元素を含む原料を所定の比率で混合した混合物を焼成することにより製造することができる。
Li、Mn、Ni、Fe、及びPのような添加元素を含む原料を所定の比率で混合して得られる混合物は、例えば、ビーズミル等を用いた湿式粉砕法を用いて好ましく調製することができる。
Liを含む原料としては、例えば、LiCO、LiOH、LiNO、CHCOOLi、LiSO、及びLiPO等を用いることができる。なお、これらの化合物は結晶水を含んでいてもよい。また、これらの化合物は、それぞれを一定割合で組み合わせて使用することもできる。
Mnを含む原料としては、例えば、MnO、Mn、Mn、MnCO、Mn(CHCOO)、Mn(OH)、Mn(NO、及びMnSO等を用いることができる。なお、これらの化合物は結晶水を含んでいてもよい。また、これらの化合物は、それぞれを一定割合で組み合わせて使用することもできる。
Niを含む原料としては、例えば、NiO、Ni、NiCO、Ni(CHCOO)、Ni(OH)、Ni(NO、及びNiSO等を用いることができる。なお、これらの化合物は結晶水を含んでいてもよい。また、これらの化合物は、それぞれを一定割合で組み合わせて使用することもできる。
Feを含む原料としては、例えば、Fe、Fe、FeC、及びFe(NO等を用いることができる。なお、これらの化合物は結晶水を含んでいてもよい。また、これらの化合物は、それぞれを一定割合で組み合わせて使用することもできる。
Pを含む原料としては、HPO、LiHPO、LiHPO、LiPO、NHPO、(NHHPO、及び(NHPO等を用いることができる。なお、これらの化合物は結晶水を含んでいてもよい。また、これらの化合物は、それぞれを一定割合で組み合わせて使用することもできる。
添加元素を含む原料は、従来公知のものを使用することができる。本発明の製造方法においては、焼成後にLi、Mn、Ni、Fe、P、及びO以外の不純物元素が除去されることが望ましい。なお、不純物元素は、前述のLi、Mn、Ni、Fe、およびPを含む原料に含まれていることもある。
上記原料の混合方法として湿式粉砕法を用いる場合、後述する粒度分布測定条件で測定した粒度分布のメジアン径(d50)が、0.1〜0.5μmとなるまで粉砕することが好ましい。メジアン径が上述の範囲にない場合、湿式粉砕法により得られる混合物中においてLi、Mn、Ni、Fe、及びPの元素の分布に偏りが生じやすい。Li、Mn、Ni、Fe、及びPの元素に偏りがある混合物を使用した場合、焼成工程を経て得られる正極活物質に未反応の原料が残留したり、予期しない副生成物が生成する可能性がある。このような正極活物質は、二次電池のエネルギー密度を低下させたり、サイクル特性に悪影響を及ぼすおそれがある。
本発明の製造方法では、湿式粉砕法により得られるスラリーを噴霧乾燥して、球状の混合物を得ることが好ましい。球状の混合物は、噴霧乾燥の条件(例えば、ディスクの回転速度やノズルの噴霧圧等)をコントロールすることによって、任意の平均粒子径(メジアン径)に調整することができる。本発明の製造方法において、球状の混合物の平均粒子径を調整することは、前述の式(1)で求められるCをコントロールする上で重要である。例えば、前駆体中のLi,Mn,Ni、Fe及びPの含有量が同じ場合、球状の混合物の平均粒子径を大きくすると、Cは小さくなり、その平均粒子径を小さくすると、Cは大きくなる傾向にある。
本発明の製造方法では、上記の工程により得られた混合物を700〜900℃で焼成することにより、本発明の正極活物質を好ましく調製できる。また、上記の温度範囲内においても、焼成温度が高い場合はC値が大きくなり、焼成温度が低い場合はC値が小さくなる傾向にある。
[本発明の正極]
本発明の正極は、本発明の正極活物質を含んでいる。本発明の正極は、必要に応じて本発明の正極活物質以外の活物質(以下、他の活物質という。)、導電材、結着剤、及び集電体等を含むことができる。
本発明の正極に使用できる他の活物質としては、例えば、下記の従来公知の化合物を挙げることができる。なお、本発明の正極に使用できる他の活物質は、Liを吸蔵・放出できる化合物であればよく、下記の化合物に限定されない。
<他の活物質>
層状LiNiMnCo化合物(1≦a≦1.25、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1であり、Mは、Na,B,P,Mg,Ca,V,Al,Nb、Mo,W,Ti,Zrから選ばれる少なくとも1種以上の元素であり0≦b≦0.5を満たす。また、0.8≦x+y+z+b≦1である。)、スピネルLiMn化合物、LiFePO、LiMnPO、及びLiCoPO等があげられる。
本発明の正極に使用できる導電材としては、例えば、下記の従来公知の導電材を挙げることができる。なお、本発明の正極に使用できる導電材は、電子を伝導できるものであればよく、下記の導電材に限定されない。
<導電材>
活性炭、各種コークス、カーボンブラック、アセチレンブラック、及び黒鉛等が挙げられる。
本発明の正極に使用できる結着剤は、例えば、下記の従来公知の結着剤を挙げることができる。なお、本発明の正極に使用できる結着剤は、正極活物質、導電材、集電体等を結着できるものであればよく、下記の結着剤に限定されない。
<結着剤>
PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、及びフッ化ゴム等が挙げられる。
本発明の正極に使用できる集電体は、例えば、下記の従来公知の集電体を挙げることができる。なお、本発明の正極に使用できる集電体は、電子を伝導でき、充電や放電時に酸化還元されるものでなければよく、下記の集電体に限定されない。
<集電体>
アルミニウム、チタン、ステンレス等の金属箔、エキスパンドメタル、パンチングメタル、発泡メタル、カーボンクロス、及びカーボンペーパー等が挙げられる。
[本発明の二次電池]
本発明の二次電池は、本発明の正極、負極、電解液、及び外装体を備える。また、必要によってセパレーターを備えてもよい。更に、電解液として固体電解質を備えてもよい。
本発明の二次電池の負極は、負極活物質を含む。本発明の負極は、必要に応じて結着剤、及び集電体等を含むことができる。
本発明の二次電池の負極に使用できる負極活物質としては、例えば、下記の従来公知の物質を挙げることができる。なお、本発明の負極に使用できる物質は、Liを吸蔵・放出できる物質であればよく、下記の物質に限定されない。
<負極活物質>
ソフトカーボン、ハードカーボン、黒鉛粉末、メソフェーズ炭素繊維、メソフェーズ小球体、炭素材料、Li金属、合金、酸化物、及び窒化物等が挙げられる。
本発明の二次電池の負極に使用できる結着剤としては、例えば、下記の従来公知の物質を挙げることができる。なお、本発明の負極に使用できる結着剤は、負極活物質、集電体等を結着できるものであればよく、下記の結着剤に限定されない。
<結着剤>
カルボキシメチルセルロース、スチレン−ブタジエンの架橋ゴムラテックス、アクリル系ラテックス、及びPVDF等が挙げられる。
本発明の二次電池の負極に使用できる集電体としては、例えば、下記の従来公知の集電体を挙げることができる。なお、本発明の負極に使用できる集電体は、電子を伝導でき、充電や放電時に酸化還元されなければよく、下記の集電体に限定されない。
<集電体>
銅、ニッケル、ステンレス等の金属箔、エキスパンドメタル、パンチングメタル、発泡メタル、カーボンクロス、及びカーボンペーパー等が挙げられる。
本発明の二次電池に使用できる電解液は、溶媒と電解質を含んでいる。また、前記電解液の代わりに固体電解質を用いてもよい。
本発明の二次電池の電解液に使用できる溶媒としては、例えば、下記の従来公知の溶媒を挙げることができる。なお、本発明の二次電池の電解液に使用できる溶媒は、Liイオン伝導性があり、充電や放電時に分解されないものであればよく、下記の溶媒に限定されない。また、これらの溶媒のうち任意の2種以上を混合して使用してもよい。
<溶媒>
エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、2,3−ブチレンカーボネート、1,2−ペンチレンカーボネート、2,3−ペンチレンカーボネート、トリフルオロメチルエチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロエチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、スルホラン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルブチルカーボネート、ジブチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、メチルトリフルオロエチルカーボネート、アセトニトリル、ジメチルエーテル、プロピオン酸メチル、ジメトキシエタン、フッ素化鎖状カーボネート(フルオロメチルメチルカーボネート、ジフルオロメチルメチルカーボネート、トリフルオロメチルメチルカーボネート、フルオロメチルジフルオロメチルカーボネート、ビス(フルオロメチル)カーボネート、ビス(ジフルオロメチル)カーボネート、ビス(トリフルオロメチル)カーボネート、(2−フルオロエチル)メチルカーボネート、エチルフルオロメチルカーボネート、(2,2−ジフルオロエチル)メチルカーボネート、(2−フルオロエチル)フルオロメチルカーボネート、エチルジフルオロメチルカーボネート、メチル−(2,2,2−トリフルオロエチル)カーボネート、(2,2−ジフルオロエチル)フルオロメチルカーボネート、(2−フルオロエチル)ジフルオロメチルカーボネート、エチルトリフルオロメチルカーボネート、エチル−(2−フルオロエチル)カーボネート、エチル−(2,2−ジフルオロエチル)カーボネート、ビス(2−フルオロエチル)カーボネート、エチル−(2,2,2−トリフルオロエチル)カーボネート、2,2−ジフルオロエチル−2’−フルオロエチルカーボネート、ビス(2,2−ジフルオロエチル)カーボネート、2,2,2−トリフルオロエチル−2’−フルオロエチルカーボネート、2,2,2−トリフルオロエチル−2’,2’−ジフルオロエチルカーボネート、ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)カーボネート、ペンタフルオロエチルメチルカーボネート、ペンタフルオロエチルフルオロメチルカーボネート、ペンタフルオロエチルエチルカーボネート、ビス(ペンタフルオロエチル)カーボネート)、フッ素含有リン酸エステル化合物(リン酸2,2,2−トリフルオロエチルジメチル、リン酸ビス(トリフルオロエチル)メチル、リン酸ビス(トリフルオロエチル)エチル、リン酸トリス(トリフルオロメチル)、リン酸ペンタフルオロプロピルジメチル、リン酸ヘプタフルオロブチルジメチル、リン酸トリフルオロエチルメチルエチル、リン酸ペンタフルオロプロピルメチルエチル、リン酸ヘプタフルオロブチルメチルエチル、リン酸トリフルオロエチルメチルプロピル、リン酸ペンタフルオロプロピルメチルプロピル、リン酸ヘプタフルオロブチルメチルプロピル、リン酸トリフルオロエチルメチルブチル、リン酸ペンタフルオロプロピルメチルブチル、リン酸ヘプタフルオロブチルメチルブチル、リン酸トリフルオロエチルジエチル、リン酸ペンタフルオロプロピルジエチル、リン酸ヘプタフルオロブチルジエチル、リン酸トリフルオロエチルエチルプロピル、リン酸ペンタフルオロプロピルエチルプロピル、リン酸ヘプタフルオロブチルエチルプロピル、リン酸トリフルオロエチルエチルブチル、リン酸ペンタフルオロプロピルエチルブチル、リン酸ヘプタフルオロブチルエチルブチル、リン酸トリフルオロエチルジプロピル、リン酸ペンタフルオロプロピルジプロピル、リン酸ヘプタフルオロブチルジプロピル、リン酸トリフルオロエチルプロピルブチル、リン酸ペンタフルオロプロピルプロピルブチル、リン酸ヘプタフルオロブチルプロピルブチル、リン酸トリフルオロエチルジブチル、リン酸ペンタフルオロプロピルジブチル、リン酸ヘプタフルオロブチルジブチル、リン酸トリス(2,2,3,3−テトラフルオロプロピル)、リン酸トリス(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)、リン酸トリス(2,2,2−トリフルオロエチル)、リン酸トリス(1H,1H−ヘプタフルオロブチル)、及びリン酸トリス(1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル))等が挙げられる。
本発明の二次電池の電解液に使用できる電解質としては、例えば、下記の従来公知の電解質を挙げることができる。なお、本発明の二次電池の電解液に使用できる電解質は、Liを含み、非水溶媒に溶解するものであればよく、下記の電解質に限定されない。また、下記の電解質は任意の2種以上を混合して用いることができる。
<電解質>
LiPF、LiClO、LiAsF、LiSiF、LiOSO(2k+1)[kは1〜8の整数]、LiN(SO(2k+1)[kは1〜8の整数]、LiPF(C(2k+1)6−n[nは1〜5の整数、kは1〜8の整数]、LiPF(C)、LiPF(C、LiBF、LiAlO、LiAlCl、Li1212−b[bは0〜3の整数]、LiBF(C(2s+1)4−q[qは1〜3の整数、sは1〜8の整数]、LiB(C、LiBF(C)、LiB(C、及びLiPF(C)等が挙げられる。
本発明の二次電池に使用できるセパレーターとしては、例えば、下記の従来公知のセパレーターを挙げることができる。なお、本発明の二次電池に使用できるセパレーターは、Liイオンの透過性があり、正極と負極を電気的に隔離できるものであればよく、下記のセパレーターに限定されない。
<セパレーター>
ポリエチレンまたはポリプロピレンを主成分として含有する微多孔膜、またはこれらのポリオレフィンを共に含有する微多孔膜等のポリオレフィン系微多孔膜、ガラスを含むセラミック製、ポリオレフィン製、ポリエステル製、ポリアミド製、液晶ポリエステル製、アラミド製などの耐熱樹脂製の多孔膜、アルミナ、シリカ等の無機物との混合物を含む構造体(不織布、抄紙、多孔膜等)等が挙げられる。
本発明の二次電池に使用できる外装体としては、例えば、下記の従来公知の外装体を挙げることができる。なお、本発明の二次電池に使用できる外装体は、正極、負極、電解液等を封入しても劣化しないものであればよく、下記の外装体に限定されない。
<外装体>
ステンレスやアルミニウム等の金属、金属の表面を樹脂で被覆したラミネートフィルム等が挙げられる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
リチウム源としてLiOH・HO、ニッケル源としてNiO、マンガン源としてMnO、鉄源としてFeを用意した。そして、それぞれの原料を、リチウム:マンガン:ニッケル:鉄のモル比が1:1.4:0.5:0.1になるように秤量し、これらの原料を混合した後、固形分濃度が33.3質量%となるように純水を加え、さらに前記固形分に対してHPOが0.92質量%になるようにHPOを加えスラリーを調製した。
次に、このスラリーを撹拌しながら、湿式粉砕機(アシザワファインテック社製:スターミルラボスターLMZ−06)を用いて、スラリー中の固形分の平均粒子径(メジアン径)が0.35μmになるまで粉砕した。ここで、スラリー中の固形分の平均粒子径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所:LA−950型粒度分布測定装置)を用いて求めた。具体的には室温大気中で、スラリーにヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液を添加し、超音波分散及び撹拌によって分散させ、40〜60%の透過率となるように調節した後、上記の装置を用いて粒度分布を測定して求めた。
次に、粉砕後のスラリーについて、RJノズル型スプレードライヤー(大川原化工機社製:L−8i型スプレードライヤー)を用いて噴霧乾燥を行った。ここで乾燥ガスとして空気を用いた。また、乾燥ガスの入口温度は220℃に調整し、スラリー流量は2.5kg/h、ノズルの噴霧圧力は0.15MPaで噴霧した。
そして、噴霧乾燥により得られた粒子状の前駆体を920℃で6時間空気中にて焼成することで、目標組成のスピネル型マンガン酸リチウム(正極活物質)を得た。
また、得られた正極活物質の粉末についても上記した粒度分布測定と同じ方法によりメジアン径を測定した。結果を表1に示した。
<粉末X線回折測定>
上記のスピネル型マンガン酸リチウムに対し、下記の条件で粉末X線回折測定を行った。
X線回折装置:SmartLab(株式会社リガク製)
線源:Cu−Kα線
加速電圧、電流:45KV、200mA
受光スリット:13mm
スキャン速度:5.1°/min
ステップ幅:0.02°
測定範囲(2θ):10〜70°
(スピネル構造の有無)
上記のX線回折測定により得られたX線回折パターンにおいて、空間群Fd−3mに帰属される回折ピークが確認できた場合にスピネル構造を有すると判断した。結果を表1に示した。
(LiNi(1−x)の有無)
上記のX線回折測定により得られたX線回折パターンにおいて、空間群R3-mに帰属される回折ピークが確認できた場合、LiNi(1−x)を有すると判断した。結果を表1に示した。
(格子定数)
上記のX線回折測定により得られたX線回折パターンについて、統合粉末X線解析ソフトウェアPDXL(株式会社リガク製)を用いてFd−3m(PDF:01−080−2162)に帰属し、格子定数を算出した。結果を表1に示した。
<化学組成分析>
(Li、Mn、Ni、Fe、B、及びPの含有量)
上記のスピネル型マンガン酸リチウムに対し、ICP分析(SIIナノテクノロジー社:SPS−5520)を用いて、Li、Mn、Ni、Fe、B、及びPの含有量を測定した。
具体的には、試料約0.5gをジルコニウムルツボに採取し、0.1mgの精度まで秤量した。試料に過酸化ナトリウム4gと水酸化ナトリウム2gを加え混合して電熱器上で加熱し、バーナーで熔融する。室温まで冷却後、250mLビーカーにルツボとフタを入れ、硫酸(1+1)20mLと水を加え、ウォーターバス上で加温し3%濃度の過酸化水素水を少量ずつ加え、熔融物を溶解する。室温まで冷却後、ルツボとフタを水で洗いビーカーから取り出し、全量をフラスコ(250mL)に移し入れ、水で250mLに希釈して試料溶液とした。試料溶液は適切な濃度まで希釈し、ICP分析を行った。各元素の分析に使用した分析波長は、それぞれの元素に対して適切な波長を選択するとよい。結果を表1に示した。
<X線光電子分光分析:XPS>
上記のスピネル型マンガン酸リチウムに対し、下記の条件でXPS測定を行った。
XPS装置:サーモフィッシャー製ESCALAB 220I―X
線源:monochromatic Al Kα線
加速電圧、電流:10KV 19.0mA
Pass Energy:20eV
Dwell Time :50ms
Energy Step Size:0.1eV
(C=C/(CMn+CNi+CFe)の算出)
上記のX線光電子分光分析により得られたXPSスペクトルにおいて、P、Mn、Ni、及びFeの各元素に起因するピーク(P2p、Mn2p3/2、Ni2p3/2、Fe2p3/2)面積より解析ソフト(Avantage:サーモフィッシャー社)を用いてマトリックス補正された原子濃度C、CMn、CNi、CFeを算出し(atom%)、CをCMn、CNiとCFeとの和で除してCを算出した。結果を表2に示した。
<比表面積測定:SSA>
上記のスピネル型マンガン酸リチウムに対し、下記の条件で比表面積を測定した。結果を表1に示した。
測定方法:窒素吸着法(BET一点法)
測定装置:Macsorb HM model-1220(マウンテック社製)
前処理:300℃、1時間
ガス流量:25mL/min(混合ガスの体積比:N/He=30/70)
試料質量:0.1g
<TAP密度の測定:>
上記のスピネル型マンガン酸リチウムに対し、下記の条件でTAP密度を測定した。結果を表1に示した。
測定装置:カサ密度測定器 TPM-3P型(筒井理化学器械社製)
TAP回数:200回
試料質量:10.0g
<単位表面積当たりのP化合物の含有量>
ICP測定により得られるPの含有量をLiPOに換算し、前述の比表面積で除して、単位表面積当たりのP化合物の含有量を算出した。結果を表1に示した。
なお、本発明の正極活物質に含まれるPの含有量を大きくすると(本発明の範囲外)、X線回折パターンでLiPOに帰属されるピークが確認されたので、本発明の正極活物質に含まれるPもLiPOであると見做して上記の値を算出した。
<正極の作成>
得られたスピネル型マンガン酸リチウムを正極活物質として用いて、この正極活物質と、導電助剤であるグラファイトの粉末及びアセチレンブラックの粉末と、バインダーであるポリフッ化ビニリデン溶液とを固形分比で80:5:5:10の質量比で混合した。得られた混合物に、分散溶媒としてN-メチル―2−ピロリドンを固形分35質量%となるように投入して更に混合して、スラリー状の溶液を調製した。このスラリー状の溶液を厚さ20μmのアルミニウム箔の片面に塗布し、溶剤を乾燥除去した後、ロールプレスで圧延してシートを得た。シートを直径14mmの円盤状に打ち抜いて正極を得た。
<二次電池の作成>
初期放電容量を測定する際は、上述のようにして作成した正極と、直径14mmの円盤状に打ち抜いた厚み0.2mmの金属Li負極とを、直径16mmの円盤状に打ち抜いたガラスフィルターの両側に重ね合わせた積層体を、ステンレス製の円盤型電池ケースに挿入して用いた。
また、サイクル容量維持率を測定する際は、上述のようにして作成した正極と、直径14mmの円盤上に打ち抜いた市販の球晶黒鉛負極板とを、直径16mmの円盤状に打ち抜いたガラスフィルターの両側に重ね合わせた積層体を、ステンレス製の円盤型電池ケースに挿入して用いた。
上記いずれの場合も、エチレンカーボネート(EC)と、エチルメチルカーボネート(EMC)とを体積比1:2で混合した混合溶媒に、LiPFを1mol/Lとなるように溶解した電解液を電池ケース内に0.5mL注入し、積層体を電解液に浸漬した後、電池ケースを密閉して非水電解質二次電池を作成した。
<電池特性の評価>
・初期放電容量の測定
金属Li負極を用いた非水電解質二次電池を25℃に設定した恒温槽に収容し、充放電装置に接続した。次いで、0.05Cの定電流で充電し、4.9Vに到達した後、4.9Vの定電圧で2時間充電し、0.2Cの定電流で3.0Vまで放電した。その際の放電容量を初期放電容量(mAh/g)とし、結果を表2に示した。
なお、1Cとは電池が1時間で充放電される電流値であり、0.2Cとは5時間で充放電される電流値である。また、得られた放電曲線から平均作動電位を求め、結果を表2に示した。
・サイクル容量維持率の測定
負極に球晶黒鉛負極を用いた非水電解質二次電池を25℃に設定した恒温槽に収容し、充放電装置に接続した。次いで、0.05Cの定電流で充電し、4.8Vに到達した後、4.8Vの定電圧で2時間充電し、0.2Cの定電流で3.0Vまで放電した。同様の操作をもう一度行い、引き続き25℃の恒温槽で、1Cの定電流で4.8Vまで充電し、4.8Vに到達した後、4.8Vの定電圧で1時間充電し、1Cの定電流で3.0Vまで放電した。この一連の充放電を1サイクルとし、さらに99サイクル充放電した。1サイクル目の放電容量で100サイクル目の放電容量を除して放電容量維持率を算出した。結果を表2に示した。
なお、以下の各実施例・比較例においても、得られたマンガン酸リチウム(正極活物質)の性状及び電池特性の評価結果を表1、表2に示した。
[実施例2]
リチウム源としてLiOH・HO、ニッケル源としてNiO、マンガン源としてMnO、鉄源としてFe、ホウ素源としてHBOを用意した。そして、それぞれの原料を、リチウム:マンガン:ニッケル:鉄:ホウ素のモル比が1:1.4:0.5:0.1:0.01になるように秤量した以外は実施例1と同様にして目的のスピネル型マンガン酸リチウムを製造し、電池特性を評価した。
[実施例3]
POが0.46質量%になるようにHPOを加えた以外は実施例2と同様にして目的のスピネル型マンガン酸リチウムを製造し、電池特性を評価した。
[実施例4]
POが0.46質量%になるようにHPOを加えた以外は実施例1と同様にして目的のスピネル型マンガン酸リチウムを製造し、電池特性を評価した。
[実施例5]
POが0.18質量%になるようにHPOを加えた以外は実施例1と同様にして目的のスピネル型マンガン酸リチウムを製造し、電池特性を評価した。
[実施例6]
POが0.18質量%になるようにHPOを加えた以外は実施例2と同様にして目的のスピネル型マンガン酸リチウムを製造し、電池特性を評価した。
[比較例1]
POを加えなかったこと以外は実施例1と同様に目的のスピネル型マンガン酸リチウムを製造し、電池特性を評価した。
[比較例2]
それぞれの原料を、リチウム:マンガン:ニッケル:ホウ素のモル比が1:1.45:0.55:0.01になるように秤量してこれらを混合した後、固形分濃度が33.3質量%となるように純水を加え、さらに前記固形分に対してHPOが0.46質量%になるようにHPOを加えた以外は実施例1と同様にして目的のスピネル型マンガン酸リチウムを製造し、電池特性を評価した。
[比較例3]
それぞれの原料を、リチウム:マンガン:ニッケル:ホウ素のモル比が1:1.45:0.55:0.01になるように秤量し、これらの原料を混合し、HPOを加えなかったこと以外は実施例1と同様に目的のスピネル型マンガン酸リチウムを製造し、電池特性を評価した。
Figure 2018113130
Figure 2018113130
[評価結果]
表2の結果より、本発明の構成を満たす実施例1〜4に係る二次電池はいずれも、サイクル特性に優れていることがわかる。一方、比較例1〜3に係る二次電池は、本発明の構成のいずれかを欠いているためサイクル特性に劣る。また、Feを含まない比較例2、3を対比すると、Pで被覆することで100サイクル後の容量維持率が1.8%改善されるが、Feを含む実施例4と比較例1を対比すると、Pで被覆することで100サイクル後の容量維持率が4.1%改善されている。これは、本発明の正極活物質の構成を満たす場合にのみ得られる顕著な効果であると考えられる。

Claims (4)

  1. 下記の構成(A)〜(E)を備えることを特徴とするマンガン酸リチウム。
    (A)スピネル構造を有する
    (B)Li、Mn、Ni、Fe、及びPを含み、
    (C)平均作動電位がLi基準で4.5V以上
    (D)LiNi(1−x)を含まない(0≦x≦1)
    (E)下記式(1)で求められるCが0.01〜0.1の範囲にある
    C=C/(CMn+CNi+CFe) (1)
    (上記式において、CP、Mn、CNi及びCFeは、各々P、Mn、Ni及びFeの原子濃度(Atom%)である。)
  2. 当該マンガン酸リチウムに含まれる元素が下記式(2)で表される組成比で示されることを特徴とする請求項1に記載のマンガン酸リチウム。
    Li(2−b)(4−δ) (2)
    (上記式において、a、b及びδは、0.9≦a≦1.1、0≦b≦0.2、及びδ:−0.2≦δ≦0.2の関係を満たす数値である。Mは、Mn、Ni、Fe及びPである。Qは、Ni、Mn、及びFe以外の遷移金属であり、Na、K、Mg、Ca、Sr、Ba、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Sb、B及びSから選ばれる少なくともいずれかの元素及びPである。)
  3. 請求項1または請求項2に記載のマンガン酸リチウムを含むことを特徴とする正極。
  4. 請求項3に記載の正極を含むことを特徴とする非水電解質二次電池。
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