JPWO2016052728A1 - 複合粒子の分散液及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、高温耐久時における触媒金属の凝集を抑制した排気ガス浄化用触媒を製造するための金属粒子の分散液を提供することを課題とする。上記課題は、分散媒と、分子量が30〜500である有機塩基と、前記分散媒に分散されている、第1の金属及び第2の金属を含む複合粒子とを含む分散液であって、第1の金属がパラジウム及び/又は白金であり、第2の金属が第1の金属の融点よりも高い融点を有する金属である、前記分散液によって解決することができる。

Description

本発明は、複数種の金属を含む複合粒子の分散液及びその製造方法に関する。
金属粒子、特に金属ナノ粒子は、その大きさに由来する特異的な性質を有するため、様々な用途で使用されている。例えば、金属ナノ粒子は、触媒、電子材料、磁気材料、光学材料等として使用されている。
金属粒子はこれまでに様々な方法で製造されている。一例として、還元反応を利用した金属粒子の製造方法を挙げることができる。
例えば、特許文献1は、高分子量の顔料分散剤と還元剤とを含む非水性溶媒中に金属を添加して還元することによって、金属粒子の分散液を製造する方法を開示している。特許文献2は、高分子化合物を含む分散液に金属と還元剤とを添加して還元することによって、金属粒子の分散液を製造する方法を開示している。特許文献3は、ポリエチレンイミンと金属とを含む溶液を還元剤で還元することによって、金属粒子の分散液を製造する方法を開示している。
白金、パラジウム等の触媒金属粒子の分散液は、エンジン等の内燃機関から排出される排気ガスを浄化するための排気ガス浄化用触媒の製造に使用することができる。排気ガス浄化用触媒は、通常、基材と当該基材上に配置された触媒層とから構成され、触媒層には担体と当該担体上に担持された触媒金属とが含まれている(例えば、特許文献4〜10)。
特開2006−257517号公報 特開2008−37949号公報 特開2010−209455号公報 特開2001−46870号公報 特開2003−117398号公報 特開2003−290658号公報 特開2005−161109号公報 特開2005−288307号公報 特開2006−255610号公報 特開2007−289913号公報
特許文献1〜3等に記載された還元反応を利用する金属粒子の分散液の製造方法は、操作が煩雑である。特に、複数種の金属から構成される金属粒子を形成する場合には、初めに第1の金属を還元し、次に第2の金属を還元する必要がある。このような多段階の還元反応を行うためには操作が更に煩雑となる。
また、金属粒子の分散液を用いて製造した排気ガス浄化用触媒を長期間使用すると、触媒金属が凝集を起こし、触媒性能が低下するという問題を生じる。触媒金属の凝集を抑制するために、例えば特許文献9は、ガス中蒸発法を用いて発生させた触媒金属粒子の周囲を、同じくガス中蒸発法を用いて発生させた別の金属粒子で覆う方法を開示している。また、特許文献6は、酸化物担体上にタングステン又はモリブデンを担持させ、担持されたタングステン又はモリブデン上に触媒金属を還元析出させる方法を開示している。しかしながら、いずれの方法もコストが高く、生産性が低いという問題を有する。
そのため、本発明は、高温耐久時における触媒金属の凝集を抑制した排気ガス浄化用触媒を製造するための金属粒子の分散液、及び当該分散液の簡便な製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、触媒金属としての第1の金属と、第1の金属と比較して融点が高い第2の金属との複合粒子の分散液を使用して排気ガス浄化用触媒を製造することにより、高温凝集時における触媒金属の凝集を抑制できることを見出した。また、還元反応を利用せずに、有機塩基による中和反応を利用することにより、前記の分散液を簡便に製造できることを見出した。
すなわち、本発明は以下を包含する。
[1]分散媒と、分子量が30〜500である有機塩基と、前記分散媒に分散されている、第1の金属及び第2の金属を含む複合粒子とを含む分散液であって、
第1の金属がパラジウム及び/又は白金であり、
第2の金属が第1の金属の融点よりも高い融点を有する金属である、前記分散液。
[2]複合粒子の粒子径が1〜10nmである、[1]に記載の分散液。
[3]有機塩基が、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロノネン、プロピルアミン、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、モノエタノールアミン、N,N−ジメチル−2−アミノエタノール、3−アミノ−1−プロパノール、及びシクロヘキシルアミンからなる群から選択される少なくとも1種である、[1]又は[2]に記載の分散液。
[4]第2の金属が、ジルコニウム、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、レニウム、イリジウム、オスミウム、クロム、タングステン、タンタル、チタン、テクネチウム、トリウム、ニオブ、バナジウム、ハフニウム、及びルテチウムからなる群から選択される少なくとも1種である、[1]〜[3]のいずれかに記載の分散液。
[5]複合粒子が、ラマン分光法により得られるスペクトルにおいて550〜700cm−1の範囲内にピークを有する、[1]〜[4]のいずれかに記載の分散液。
[6]基材と、前記基材上に配置された触媒層とを含み、前記触媒層が、[1]〜[5]のいずれかに記載の分散液に含まれる複合粒子の焼成物と、当該焼成物を担持した担体とを含む、排気ガス浄化用触媒。
[7]第1の金属及び第2の金属を含む酸性溶液と、分子量が30〜500である有機塩基とを混合して、第1の金属及び第2の金属を含む複合粒子を形成する形成工程を含む、複合粒子の分散液を製造する方法であって、
第1の金属がパラジウム及び/又は白金であり、
第2の金属が第1の金属の融点よりも高い融点を有する金属である、前記方法。
[8]複合粒子の粒子径が1〜10nmである、[7]に記載の方法。
[9]有機塩基が、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロノネン、プロピルアミン、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、モノエタノールアミン、N,N−ジメチル−2−アミノエタノール、3−アミノ−1−プロパノール、及びシクロヘキシルアミンからなる群から選択される少なくとも1種である、[7]又は[8]に記載の方法。
[10]第2の金属が、ジルコニウム、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、レニウム、イリジウム、オスミウム、クロム、タングステン、タンタル、チタン、テクネチウム、トリウム、ニオブ、バナジウム、ハフニウム、及びルテチウムからなる群から選択される少なくとも1種である、[7]〜[9]のいずれかに記載の方法。
[11]複合粒子が、ラマン分光法により得られるスペクトルにおいて550〜700cm−1の範囲内にピークを有する、[7]〜[10]のいずれかに記載の方法。
本発明によれば、高温凝集時における触媒金属の凝集を抑制した排気ガス浄化用触媒を製造するための複合粒子の分散液、及びその簡易な製造方法を提供することができる。
本明細書は、本願の優先権の基礎である特願2014−204224号の明細書、特許請求の範囲および図面に記載された内容を包含する。
以下、本発明について詳細に説明する。
<複合粒子の分散液>
本発明は、分散媒と、分子量が30〜500である有機塩基と、前記分散媒に分散されている、第1の金属及び第2の金属を含む複合粒子とを含む分散液に関する。本発明に係る分散液は、第1の金属がパラジウム及び/又は白金であり、第2の金属が第1の金属の融点よりも高い融点を有する金属であることを特徴とする。
排気ガス浄化用触媒を長期間使用すると、触媒金属(パラジウム、白金等)が凝集を起こし、粒子径が大きくなる。それにより、触媒金属の比表面積が小さくなり、触媒性能が低下するという問題が生じる。本発明に係る分散液を使用して排気ガス浄化用触媒を製造すると、触媒金属(第1の金属)に加えて、当該触媒金属と比較して融点が高い更なる金属(第2の金属)が存在することになる。融点が相対的に高い第2の金属が第1の金属と近接して存在することにより、高温凝集時における第1の金属の凝集を抑制することができる。また、第2の金属の存在により、排気ガスに含まれる硫黄成分による第1の金属の被毒を抑制することもできる。
ところで、従来の還元反応を利用した方法により製造された分散液は、生成した金属粒子の凝集を防止するために有機高分子の分散剤を含んでいる。しかし、有機高分子は金属粒子を担持するための担体の吸着点を被覆するため、有機高分子を含む分散液を使用する場合、担体への金属粒子の担持効率が低いという問題を有する。その結果、有機高分子を含む分散液を使用する場合、担体への金属粒子の担持操作を繰り返し行う必要がある。
一方、本発明に係る分散液は、有機高分子を含む必要がないため、担体への複合粒子の担持効率を向上させることができる。例えば、60%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上の担持効率で複合粒子を担体に担持することができる。
また、有機高分子を含む分散液を使用する場合、担持された金属粒子が担体から脱離しやすいという問題が存在するが、本発明に係る分散液を使用することにより、この問題を解決することができる。
なお、有機高分子としては、例えば、分子量が10,000以上、5,000以上、2,500以上、1,000以上、750以上等の有機高分子を挙げることができる。
本発明に係る分散液は有機高分子を使用することなく複合粒子の凝集を防止することができるため、複合粒子を高濃度で含むことができる。例えば、分散液の金属濃度を、分散液に対して、0.1〜20重量%、0.1〜15重量%等とすることができる。
また、本発明に係る分散液は有機高分子を含む必要がないため、製造コストを削減することができる。
更に、有機高分子を含む分散液を使用する場合、金属粒子を担体に吸着させ、焼成して固定化する際に、有機高分子に由来する炭素化合物が大量に発生する。発生した炭素化合物は炉内に付着して、炉体を痛める原因となる。一方、本発明に係る分散液を使用することにより、この問題を回避することができる。
本発明に係る分散液に含まれる第1の金属は、触媒金属として使用されるパラジウム(融点:1552℃)及び/又は白金(融点:1772℃)である。
本発明に係る分散液に含まれる第2の金属は、第1の金属の融点よりも高い融点を有する金属であれば特に限定されない。例えば、ジルコニウム(融点:1852℃)、モリブデン(融点:2617℃)、ルテニウム(融点:2310℃)、ロジウム(融点:1966℃)、レニウム(融点:3180℃)、イリジウム(融点:2410℃)、オスミウム(融点:3054℃)、クロム(融点:1860℃)、タングステン(融点:3410℃)、タンタル(融点:2996℃)、チタン(融点:1660℃)、テクネチウム(融点:2172℃)、トリウム(融点:1750℃)、ニオブ(融点:2468℃)、バナジウム(融点:1887℃)、ハフニウム(融点:2230℃)、ルテチウム(融点:1652℃)等を挙げることができる。
好ましい第2の金属としては、ジルコニウム、モリブデン、チタン、ロジウム、及びイリジウムを挙げることができる。
第1の金属と第2の金属との組み合わせとしては、例えば、パラジウム/ジルコニウム、パラジウム/モリブデン、パラジウム/チタン、パラジウム/ロジウム、パラジウム/イリジウム、白金/ジルコニウム、白金/モリブデン、白金/チタン、白金/ロジウム、白金/イリジウム、パラジウム+白金/ジルコニウム、パラジウム+白金/モリブデン、パラジウム+白金/チタン、パラジウム+白金/ロジウム、パラジウム+白金/イリジウム等を挙げることができる。第1の金属と第2の金属との組み合わせは、これらのものに限定されるわけではなく、前記の具体的な第1の金属と第2の金属とを適宜組み合わせることができる。第1の金属及び第2の金属はそれぞれ、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
分散液に含まれる分散媒は、親水性溶媒であることが好ましく、水であることが特に好ましい。
分散液に含まれる有機塩基は、分子量が30〜500であるものであれば特に限定されない。このような低分子量の有機塩基が使用されているため、複合粒子を高濃度で含むことができる。有機塩基の分子量は、好ましくは30〜400であり、より好ましくは30〜300である。
有機塩基は親水性であることが好ましい。より具体的には、25℃で水100gに0.1g以上溶解する有機塩基であることが好ましい。また、有機塩基の主鎖に含まれる炭素の数が20以下であることが好ましい。更に、有機塩基はその構造中にハロゲンと芳香環とを含まないことが好ましい。
具体的には、有機塩基として、環状アミン、アルキルアミン、水酸化テトラアルキルアンモニウム、アミノアルコール、シクロアルキルアミン等を挙げることができる。
より具体的には、有機塩基として、ジアザビシクロウンデセン(DBU)、ジアザビシクロノネン(DBN)、プロピルアミン、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、水酸化テトラエチルアンモニウム(TEAH)、水酸化テトラプロピルアンモニウム(TPAH)、水酸化テトラブチルアンモニウム(TBAH)、モノエタノールアミン、N,N−ジメチル−2−アミノエタノール、3−アミノ−1−プロパノール、シクロヘキシルアミン等を挙げることができる。
好ましい有機塩基としては、DBU、DBN、プロピルアミン、TMAH、TEAH、TPAH、TBAH、モノエタノールアミン、N,N−ジメチル−2−アミノエタノール、3−アミノ−1−プロパノール、及びシクロヘキシルアミンを挙げることができる。
特に好ましい有機塩基として、TMAH、TEAH、TPAH、TBAH、モノエタノールアミン、N,N−ジメチル−2−アミノエタノール、3−アミノ−1−プロパノール、及びシクロヘキシルアミンを挙げることができる。
第1の金属及び第2の金属の合計モル数と有機塩基のモル数との比率は、特に限定されないが、例えば、1:0.1〜40、1:1〜20、1:2〜20等とすることができる。
分散液は有機塩基を0.1重量%以上含んでいることが好ましい。有機塩基の含有量は特に限定されないが、例えば、0.1〜50重量%、0.3〜50重量%、0.3〜30重量%等を挙げることができる。
第1の金属及び第2の金属の種類及び比率は、複合粒子の用途に応じて適宜決定することができる。特に限定するものではないが、第1の金属の重量と第2の金属の重量との比を、1:0.01〜20、1:0.1〜10、1:0.2〜9等とすることができる。
分散液に含まれる複合粒子は、ラマン分光法により得られるスペクトルにおいて550〜700cm−1の範囲内にピークを有する。なお、「550〜700cm−1の範囲内にピークを有する」とは、550〜700cm−1の範囲内にピークのトップが位置していることを意味する。このピークは、パラジウム又は白金の水酸化物の形態又は酸化物が水和した形態に対応するものである。
分散液は、例えば、1〜10nm、1〜4.5nm等の粒子径の複合粒子を含むことができる。複合粒子の粒子径は動的光散乱法により決定することができる。
第1の金属及び第2の金属は分散液中において複合粒子として複合化されているため、担体に均一に担持することができる。また、分散液に含まれる複合粒子は合金化されていないが、第1の金属と第2の金属とが近接した状態で存在するため、複合粒子を担体に担持させた後、低温で容易に合金化することができる。
<排気ガス浄化用触媒>
本発明は排気ガス浄化用触媒にも関する。具体的には、本発明は、基材と、前記基材上に配置された触媒層とを含む排気ガス浄化用触媒に関する。ここで、触媒層は上記分散液に含まれる複合粒子の焼成物と、当該焼成物を担持した担体とを含んでいる。
担体の種類は特に限定されず、例えば、アルミナ、チタニア、ジルコニア、シリカ、セリア、セリウム−ジルコニウム複合酸化物等を挙げることができる。
基材としては、例えば、排気ガス浄化用触媒において一般的に使用されているストレートフロー型又はウォールフロー型のモノリス基材等を挙げることができる。基材の材質も特に限定されず、例えば、セラミック、炭化ケイ素、金属等の基材を挙げることができる。
<複合粒子の分散液の製造方法>
本発明は、上記分散液を製造する方法にも関する。具体的には、本発明は、第1の金属及び第2の金属を含む酸性溶液と、分子量が30〜500である有機塩基とを混合して、第1の金属及び第2の金属を含む複合粒子を形成する形成工程を含む、複合粒子の分散液を製造する方法に関する。本発明に係る方法は、第1の金属がパラジウム及び/又は白金であり、第2の金属が第1の金属の融点よりも高い融点を有する金属であることを特徴とする。
本発明に係る方法では、有機塩基によって、酸性溶液に含まれる第1の金属及び第2の金属が中和沈殿する。これにより、第1の金属及び第2の金属が近接して複合化する。その後、金属複合体が再度分散することにより、複合粒子が形成される。本発明に係る方法によれば、還元反応を利用しないため、複合粒子の分散液を簡便に製造することができる。
従来の還元反応を利用した方法では、上述の通り、生成した金属粒子の凝集を防止するために有機高分子の分散剤が使用されていた。しかし、有機高分子の存在により、金属粒子を高濃度で含む分散液を製造することは困難であった。一方、本発明に係る方法では、有機高分子を使用することなく複合粒子の凝集を防止することができる。そのため、複合粒子を高濃度で含む分散液を製造することができる。例えば、分散液の金属濃度が、分散液に対して、0.1〜20重量%、0.1〜15重量%等である分散液を製造することができる。また、有機高分子を使用しないため、製造コストを削減することができる。
なお、有機高分子としては、例えば、分子量が10,000以上、5,000以上、2,500以上、1,000以上、750以上等の有機分子を挙げることができる。
本発明に係る方法において使用する第1の金属は、触媒金属として使用されるパラジウム及び/又は白金である。
本発明に係る方法において使用する第2の金属は、第1の金属の融点よりも高い融点を有する金属であれば特に限定されない。例えば、ジルコニウム、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、レニウム、イリジウム、オスミウム、クロム、タングステン、タンタル、チタン、テクネチウム、トリウム、ニオブ、バナジウム、ハフニウム、ルテチウム等を挙げることができる。
好ましい第2の金属としては、ジルコニウム、モリブデン、チタン、ロジウム、及びイリジウムを挙げることができる。
第1の金属と第2の金属との組み合わせとしては、例えば、パラジウム/ジルコニウム、パラジウム/モリブデン、パラジウム/チタン、パラジウム/ロジウム、パラジウム/イリジウム、白金/ジルコニウム、白金/モリブデン、白金/チタン、白金/ロジウム、白金/イリジウム、パラジウム+白金/ジルコニウム、パラジウム+白金/モリブデン、パラジウム+白金/チタン、パラジウム+白金/ロジウム、パラジウム+白金/イリジウム等を挙げることができる。第1の金属と第2の金属との組み合わせは、これらのものに限定されるわけではなく、前記の具体的な第1の金属と第2の金属とを適宜組み合わせることができる。第1の金属及び第2の金属はそれぞれ、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
本発明に係る方法では、第1の金属及び第2の金属を含む酸性溶液と有機塩基とを混合することによる中和反応を用いて、複合粒子を形成している。そのため、有機塩基と混合する前に、酸を使用して溶液を酸性にする。この目的に使用する酸としては、無機酸、有機酸等を挙げることができ、具体的には、無機酸として硝酸、塩酸、硫酸等を挙げることができ、有機酸として酢酸、ギ酸、クエン酸、シュウ酸、マレイン酸、リンゴ酸、乳酸、酒石酸、マロン酸、コハク酸等を挙げることができる。
酸性溶液を構成する溶媒は、親水性溶媒であることが好ましく、水であることが特に好ましい。
酸性溶液に含まれる第1の金属及び第2の金属は溶媒に溶解していることが好ましい。溶媒が親水性溶媒である場合、酸性溶液に含まれる金属はイオン、錯体、又は塩の状態で存在していることが好ましい。金属の塩としては、当該塩が親水性溶媒に溶解できるものであれば特に限定されない。例えば、金属の硝酸塩、硫酸塩、塩酸塩等を挙げることができる。
本発明に係る方法において使用する有機塩基は、分子量が30〜500であるものであれば特に限定されない。このような低分子量の有機塩基を使用することにより、複合粒子を高濃度で含む分散液を製造することができる。有機塩基の分子量は、好ましくは30〜400であり、より好ましくは30〜300である。
また、有機塩基は親水性であることが好ましい。より具体的には、25℃で水100gに0.1g以上溶解する有機塩基であることが好ましい。また、有機塩基の主鎖に含まれる炭素の数が20以下であることが好ましい。親水性の有機塩基を使用することにより、好ましく使用される親水性溶媒中で第1の金属及び第2の金属を均一に中和沈殿させ、複合化することができる。
更に、有機塩基はその構造中にハロゲンと芳香環とを含まないことが好ましい。ハロゲンが含まれていると、複合粒子の機能に悪影響を与える可能性がある。また、芳香環が含まれていると、複合粒子を担体に担持して焼成する際にニトロ化合物等の好ましくない物質が発生する可能性がある。
具体的には、有機塩基として、環状アミン、アルキルアミン、水酸化テトラアルキルアンモニウム、アミノアルコール、シクロアルキルアミン等を挙げることができる。
より具体的には、有機塩基として、ジアザビシクロウンデセン(DBU)、ジアザビシクロノネン(DBN)、プロピルアミン、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、水酸化テトラエチルアンモニウム(TEAH)、水酸化テトラプロピルアンモニウム(TPAH)、水酸化テトラブチルアンモニウム(TBAH)、モノエタノールアミン、N,N−ジメチル−2−アミノエタノール、3−アミノ−1−プロパノール、シクロヘキシルアミン等を挙げることができる。
有機塩基として、DBU、DBN、プロピルアミン、TMAH、TEAH、TPAH、TBAH、モノエタノールアミン、N,N−ジメチル−2−アミノエタノール、3−アミノ−1−プロパノール、及びシクロヘキシルアミンを使用することが好ましい。これらの有機塩基は25〜100℃の沸点を有するため、常温で揮発することなく使用することができる。
有機塩基として、TMAH、TEAH、TPAH、TBAH、モノエタノールアミン、N,N−ジメチル−2−アミノエタノール、3−アミノ−1−プロパノール、及びシクロヘキシルアミンを使用することが特に好ましい。これらの有機塩基は100℃以上の沸点を有するため、第1の金属及び第2の金属の中和沈殿物を分散させる際に加熱しても揮発しない。そのため、複合粒子を安定的に形成することができる。
本発明に係る方法の形成工程では、中和沈殿により金属複合体が形成され、その後、金属複合体が分散することにより複合粒子が形成される。形成工程における反応温度は特に限定されないが、常温で行うことが好ましい。
酸性溶液に含まれる第1の金属及び第2の金属の合計モル数と有機塩基のモル数との比率は、特に限定されないが、例えば、1:0.1〜40、1:1〜20、1:2〜20等とすることができる。形成工程において有機塩基を添加された酸性溶液のpHは中性又は塩基性に変化していてもよいし、酸性のままであってもよい。
第1の金属及び第2の金属の種類及び比率は、複合粒子の用途に応じて適宜決定することができる。特に限定するものではないが、第1の金属の重量と第2の金属の重量との比を、1:0.01〜20、1:0.1〜10、1:0.2〜9等とすることができる。
第1の金属及び第2の金属をより効率的に複合化させる観点から、有機塩基を、分散液に対して、0.1重量%以上使用することが好ましい。有機塩基の使用量は特に限定されないが、例えば、0.1〜50重量%、0.3〜50重量%、0.3〜30重量%等を挙げることができる。
本発明に係る方法に従って形成した複合粒子は、ラマン分光法により得られるスペクトルにおいて550〜700cm−1の範囲内にピークを有する。なお、「550〜700cm−1の範囲内にピークを有する」とは、550〜700cm−1の範囲内にピークのトップが位置していることを意味する。このピークは、パラジウム又は白金の水酸化物の形態又は酸化物が水和した形態に対応するものである。
本発明に係る方法によれば。例えば、1〜10nm、1〜4.5nm等の粒子径の複合粒子を形成することができる。複合粒子の粒子径は動的光散乱法により決定することができる。
有機塩基は、中和剤としての機能に加えて、分散剤としての機能も有する。そのため、有機塩基の種類を変更することによって、複合粒子の粒子径を適宜調節することができる。
複合粒子の粒子径は、金属塩の種類を変更することによっても調節することができる。有機塩基を用いて中和していく際に、金属塩は水酸化物又は酸化物の水和物を形成するが、その形成過程は金属塩の種類によって異なる。例えば、硝酸塩及び塩酸塩を比較すると、塩化物イオンは硝酸イオンよりも金属への配位力が強く、脱離しにくいため、水酸化物又は酸化物の水和物が形成及び成長しにくくなる。その結果、金属の塩酸塩を使用すると、金属の硝酸塩を使用した場合と比較して、複合粒子の粒子径が小さくなる傾向にある。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれに限定されるものではない。
<分散液の調製>
[実施例1]
31.25gの硝酸パラジウム溶液(Pd濃度:16重量%、Pd量:5g、株式会社キャタラー製)をビーカーに投入した。更に、6.00gの酸化モリブデン(ナカライテスク株式会社製)をビーカーに投入した。2種の金属を含有する硝酸溶液を1時間以上撹拌した。次に、pHが10.0以上になるまで、DBU(和光純薬工業株式会社製)を投入した。その後、金属濃度が0.1重量%になるように純水で濃度調整を行った。
[実施例2]
3.125gの硝酸パラジウム溶液(Pd濃度:16重量%、Pd量:0.5g、株式会社キャタラー製)をビーカーに投入した。更に、178.57gの硝酸ロジウム溶液(Rh濃度:2.8重量%、Rh量:5g、株式会社キャタラー製)をビーカーに投入した。2種の金属を含有する硝酸溶液を1時間以上撹拌した。次に、pHが10.0以上になるまで、モノエタノールアミン(和光純薬工業株式会社製)を投入した。その後、金属濃度が5重量%になるように純水で濃度調整を行った。
[実施例3]
31.25gの硝酸パラジウム溶液(Pd濃度:16重量%、Pd量:5g、株式会社キャタラー製)をビーカーに投入した。更に150.05gの酸化モリブデン(ナカライテスク株式会社製)をビーカーに投入した。2種の金属を含有する硝酸溶液を1時間以上撹拌した。次に、pHが10.0以上になるまで、15重量%のTMAH溶液(和光純薬工業株式会社製)を投入した。その後、金属濃度が6.6重量%になるように純水で濃度調整を行った。
[実施例4]
31.25gの硝酸パラジウム溶液(Pd濃度:16重量%、Pd量:5g、株式会社キャタラー製)をビーカーに投入した。更に、1.54gのオキシ硝酸ジルコニウム(95%、ナカライテスク株式会社製)を溶解した溶液をビーカーに投入しさらに、クエン酸・無水(ナカライテスク株式会社製)を1.93g添加した。2種の金属を含有する硝酸溶液を1時間以上撹拌した。次に、pHが10.0以上になるまで、15重量%のTMAH溶液(和光純薬工業株式会社製)を投入した。その後、金属濃度が5.5重量%になるように純水で濃度調整を行った。
[実施例5]
31.25gの硝酸パラジウム溶液(Pd濃度:16重量%、Pd量:5g、株式会社キャタラー製)をビーカーに投入した。更に、0.38gの酸化モリブデン(ナカライテスク株式会社製)をビーカーに投入しさらに、硝酸(60重量%、ナカライテスク株式会社製)を1.25g添加した。2種の金属を含有する硝酸溶液を1時間以上撹拌した。次に、pHが10.0以上になるまで、DBN(和光純薬工業株式会社製)を投入した。その後、金属濃度が15重量%になるように純水で濃度調整を行った。
[実施例6]
31.25gの硝酸パラジウム溶液(Pd濃度:16重量%、Pd量:5g、株式会社キャタラー製)をビーカーに投入した。更に、16.1gの三塩化チタン(約20重量%溶液、ナカライテスク株式会社製)をビーカーに投入した。2種の金属を含有する硝酸溶液を1時間以上撹拌した。次に、pHが10.0以上になるまで、モノエタノールアミン(和光純薬工業株式会社製)を投入した。その後、金属濃度が3.8重量%になるように純水で濃度調整を行った。
[実施例7]
31.25gの硝酸パラジウム溶液(Pd濃度:16重量%、Pd量:5g、株式会社キャタラー製)をビーカーに投入した。更に、40.25gの三塩化チタン(約20重量%溶液、ナカライテスク株式会社製)をビーカーに投入した。2種の金属を含有する硝酸溶液を1時間以上撹拌した。次に、pHが10.0以上になるまで、15重量%のTMAH溶液(和光純薬工業株式会社製)を投入した。その後、金属濃度が4.1重量%になるように純水で濃度調整を行った。
[実施例8]
31.25gの硝酸パラジウム溶液(Pd濃度:16重量%、Pd量:5g、株式会社キャタラー製)をビーカーに投入した。更に、17.85gの硝酸ロジウム溶液(Rh濃度:2.8重量%、Rh量:0.5g、株式会社キャタラー製)をビーカーに投入した。2種の金属を含有する硝酸溶液を1時間以上撹拌した。次に、pHが10.0以上になるまで、15重量%のTMAH溶液(和光純薬工業株式会社製)を投入した。その後、金属濃度が3.0重量%になるように純水で濃度調整を行った。
[実施例9]
31.25gの硝酸パラジウム溶液(Pd濃度:16重量%、Pd量:5g、株式会社キャタラー製)をビーカーに投入した。更に、3.66gのオキシ硝酸ジルコニウム(95%、ナカライテスク株式会社製)を溶解した溶液をビーカーに投入しさらに、クエン酸・無水(ナカライテスク株式会社製)を1.93g添加した。2種の金属を含有する硝酸溶液を1時間以上撹拌した。次に、pHが10.0以上になるまで、DBU(和光純薬工業株式会社製)を投入した。その後、金属濃度が8.1重量%になるように純水で濃度調整を行った。
[実施例10]
31.25gの硝酸パラジウム溶液(Pd濃度:16重量%、Pd量:5g、株式会社キャタラー製)をビーカーに投入した。更に、15.01gの酸化モリブデン(ナカライテスク株式会社製)をビーカーに投入した。2種の金属を含有する硝酸溶液を1時間以上撹拌した。次に、pHが10.0以上になるまで、10重量%のTEAH溶液(和光純薬工業株式会社製)を投入した。その後、金属濃度が12重量%になるように純水で濃度調整を行った。
[実施例11]
31.25gの硝酸パラジウム溶液(Pd濃度:16重量%、Pd量:5g、株式会社キャタラー製)をビーカーに投入しさらに、硝酸(60重量%、ナカライテスク株式会社製)を0.85g添加した。更に、300gの硝酸イリジウム溶液(Ir濃度:5重量%、Ir量:15g、株式会社フルヤ金属製)をビーカーに投入した。2種の金属を含有する硝酸溶液を1時間以上撹拌した。次に、pHが10.0以上になるまで、10重量%のTEAH溶液(和光純薬工業株式会社製)を投入した。その後、金属濃度が8.3重量%になるように純水で濃度調整を行った。
[実施例12]
55.56gの硝酸白金溶液(Pt濃度:9重量%、Pt量:5g、株式会社キャタラー製)をビーカーに投入した。更に、3.66gのオキシ硝酸ジルコニウム(95%、ナカライテスク株式会社製)を溶解した溶液をビーカーに投入しさらに、クエン酸・無水(ナカライテスク株式会社製)を1.93g添加した。2種の金属を含有する硝酸溶液を1時間以上撹拌した。次に、pHが10.0以上になるまで、15重量%のTMAH溶液(和光純薬工業株式会社製)を投入した。その後、金属濃度が4.5重量%になるように純水で濃度調整を行った。
[比較例1]
株式会社キャタラー製の硝酸パラジウム溶液を使用した。第2の金属は添加しなかった。
[比較例2]
31.25gの硝酸パラジウム溶液(Pd濃度:16重量%、Pd量:5g、株式会社キャタラー製)をビーカーに投入した。更に、1.54gのオキシ硝酸ジルコニウム(95%、ナカライテスク株式会社製)を溶解した溶液をビーカーに投入し、純水で金属濃度を10重量%に調整した。
本比較例では、2種の金属の中和沈殿は行われていない。
[比較例3]
31.25gの硝酸パラジウム溶液(Pd濃度:16重量%、Pd量:5g、株式会社キャタラー製)をビーカーに投入した。更に、0.75gの酸化モリブデン(ナカライテスク株式会社製)をビーカーに投入した。2種の金属を含有する硝酸溶液を1時間以上撹拌した。次に、pHが9.0以上になるまで、28重量%アンモニア溶液(ナカライテスク株式会社製)を投入した。その後、金属濃度が5.5重量%になるように純水で濃度調整を行った。
本比較例では、NHがパラジウムに安定して配位してしまい、パラジウムとモリブデンとの複合粒子は形成されなかった。
[比較例4]
31.25gの硝酸パラジウム溶液(Pd濃度:16重量%、Pd量:5g、株式会社キャタラー製)をビーカーに投入した。更に、1.90gの硝酸銅・三水和物(ナカライテスク株式会社製)をビーカーに投入した。2種の金属を含有する硝酸溶液を1時間以上撹拌した。次に、pHが10.0以上になるまで、10重量%のTMAH溶液(ナカライテスク株式会社製)を投入した。その後、金属濃度が5.5重量%になるように純水で濃度調整を行った。
本比較例では、パラジウムよりも融点が低い銅(融点:1084℃)を使用した。
[比較例5]
31.25gの硝酸パラジウム溶液(Pd濃度:16重量%、Pd量:5g、株式会社キャタラー製)と、22.78gの硝酸イリジウム溶液(Ir濃度:3重量%、Ir量:0.5g、株式会社フルヤ金属製)とを混合し、1時間撹拌した。次に、ポリビニルピロリドン(PVP)を加えた後、3.10gのヒドラジン(80%)を還元剤として加え、80℃で5時間撹拌してコロイド溶液を得た。
[比較例6]
株式会社キャタラー製のジニトロジアミン白金の硝酸溶液を使用した。第2の金属は添加しなかった。
実施例及び比較例の内容を表1に示す。
Figure 2016052728
<各種試験>
(1)分散液中の粒子径
金属濃度を0.5重量%に調節した分散液を、ゼータサイザーS(マルバーン社製)を用いた動的光散乱法により測定し、粒子径を測定した。
(2)分散液中の複合化
パラジウム又は白金を0.3g含む量の分散液とアルミナ担体(9.7g)とを混合してスラリーを形成し、これを30分間攪拌した。その後、スラリーを100℃で一晩乾燥し、乳鉢で粉砕した後、500℃で3時間焼成した。焼成物を透過電子顕微鏡(TEM)にて観察し、担体上の同一粒子内に第1の金属及び第2の金属が存在しているかを確認した。
(3)耐久試験後の活性評価(T50−HC)
上記(2)の試験で得られた焼成物を、手動プレス機を用いて1.5kNで1分間プレスし、成形体を得た。成形体を0.5mm程度まで乳鉢で粉砕し、ペレットを作成した。耐久試験として、ペレットを、ガス流通炉において所定のガス(N:450cc/分、CO:50cc/分)を流しながら1000℃まで昇温させ、10時間処理した(リッチ雰囲気を模擬した前処理)。或いは、ペレットを、ガス流通炉において、COとOとを1分間隔で切り替えたガス(N:450cc/分、CO:50cc/分又はO:25cc/分)を流しながら1000℃まで昇温させ、10時間処理した。
耐久試験後のサンプルを、表2のガス組成のモデルガス評価装置(株式会社ベスト測器製)で評価し、HC成分の浄化率が50%となる温度を測定した。
実施例12及び比較例6については、電気炉(FO810、ヤマト科学株式会社製)を用いて700℃で10時間耐久試験を行い、モデルガス評価装置(株式会社ベスト測器製)で測定を行った。
Figure 2016052728
(4)耐久試験後の粒子径
0.2gの耐久試験後のサンプルを、酸素雰囲気下において300℃で15分間処理した後、還元雰囲気下において400℃で15分間処理した。COガス吸着装置(ヘンミ計算尺株式会社製)を用いて、得られたサンプルを測定した。
各種試験の結果を表3に示す。
Figure 2016052728
比較例1〜4の分散液は、それらを用いて得られた焼成物において、耐久試験後の活性が低く、耐久試験後の粒子径も大きかった。また、比較例2〜4の分散液については、第1の金属と第2の金属の複合化が確認できなかった。このことから、比較例2および3については、高融点の元素を含んでいるものの貴金属と近接していないため凝集抑制効果が発揮されていないこと、比較例4については、それに加えて、貴金属よりも融点の低い元素を添加しても凝集抑制効果が発揮されないことが、それぞれ推察された。比較例5の分散液は、コロイド溶液中で第1の金属と第2の金属が合金化しており、分散液中の粒子径が大きい為に耐久後粒子径も大きく、活性点が少ないため活性が低くなったと推察された。比較例6の分散液については、第2の金属を添加していないため、それを用いて得られた焼成物において耐久試験後の活性が低かった。
本明細書中で引用した全ての刊行物、特許および特許出願をそのまま参考として本明細書中にとり入れるものとする。

Claims (11)

  1. 分散媒と、分子量が30〜500である有機塩基と、前記分散媒に分散されている、第1の金属及び第2の金属を含む複合粒子とを含む分散液であって、
    第1の金属がパラジウム及び/又は白金であり、
    第2の金属が第1の金属の融点よりも高い融点を有する金属である、前記分散液。
  2. 複合粒子の粒子径が1〜10nmである、請求項1に記載の分散液。
  3. 有機塩基が、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロノネン、プロピルアミン、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、モノエタノールアミン、N,N−ジメチル−2−アミノエタノール、3−アミノ−1−プロパノール、及びシクロヘキシルアミンからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の分散液。
  4. 第2の金属が、ジルコニウム、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、レニウム、イリジウム、オスミウム、クロム、タングステン、タンタル、チタン、テクネチウム、トリウム、ニオブ、バナジウム、ハフニウム、及びルテチウムからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれかに記載の分散液。
  5. 複合粒子が、ラマン分光法により得られるスペクトルにおいて550〜700cm−1の範囲内にピークを有する、請求項1〜4のいずれかに記載の分散液。
  6. 基材と、前記基材上に配置された触媒層とを含み、前記触媒層が、請求項1〜5のいずれかに記載の分散液に含まれる複合粒子の焼成物と、当該焼成物を担持した担体とを含む、排気ガス浄化用触媒。
  7. 第1の金属及び第2の金属を含む酸性溶液と、分子量が30〜500である有機塩基とを混合して、第1の金属及び第2の金属を含む複合粒子を形成する形成工程を含む、複合粒子の分散液を製造する方法であって、
    第1の金属がパラジウム及び/又は白金であり、
    第2の金属が第1の金属の融点よりも高い融点を有する金属である、前記方法。
  8. 複合粒子の粒子径が1〜10nmである、請求項7に記載の方法。
  9. 有機塩基が、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロノネン、プロピルアミン、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、モノエタノールアミン、N,N−ジメチル−2−アミノエタノール、3−アミノ−1−プロパノール、及びシクロヘキシルアミンからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項7又は8に記載の方法。
  10. 第2の金属が、ジルコニウム、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、レニウム、イリジウム、オスミウム、クロム、タングステン、タンタル、チタン、テクネチウム、トリウム、ニオブ、バナジウム、ハフニウム、及びルテチウムからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項7〜9のいずれかに記載の方法。
  11. 複合粒子が、ラマン分光法により得られるスペクトルにおいて550〜700cm−1の範囲内にピークを有する、請求項7〜10のいずれかに記載の方法。
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