JP6731755B2 - 金属含有粒子の分散液及びその製造方法、並びにその分散液を用いて調製した触媒 - Google Patents

金属含有粒子の分散液及びその製造方法、並びにその分散液を用いて調製した触媒 Download PDF

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Description

本発明は、金属含有粒子の分散液及びその製造方法、並びにその分散液を用いて調製した触媒に関する。特に、本発明は、白金等の触媒金属の複合金属含有ナノ粒子の分散液及びその製造方法、並びにその分散液を用いて調製した触媒に関する。
金属粒子、特に複合金属ナノ粒子は、様々な用途で使用されている。例えば、複合金属ナノ粒子は、触媒、電子材料、磁気材料、光学材料等として使用されている。
従来、金属ナノ粒子は、非特許文献1に記載のように、ポリマーの多点での吸着によって表面を保護したコロイド粒子として通常は用いられる。金属を合金化するためには、ポリマーの存在下で対応する金属塩を還元させる。
例えば、特許文献1に記載の方法では、ジニトロジアミン白金、ポリビニルピロリドン(PVP)、及びエタノールを含む水溶液を、高温で長時間還流することによって白金を還元し、白金ナノ粒子の分散液を調製する。それとは別に、硝酸セリウム及びPVPを含む水溶液に対して超音波を印加してセリウムを酸化し、酸化セリウムナノ粒子の分散液を調製する。そして、これらを混合することによって、白金/酸化セリウムの複合金属ナノ粒子の分散液を得ている。また、酸化セリウム分散液に、ジニトロジアミン白金、PVP、及びエタノールを加えて、これを還流して白金イオンを還元し、白金/酸化セリウム分散液を得る方法も開示している。
同様に、特許文献2〜4においても、ポリマー分散剤及び還元剤を用いて、金属塩を還元して、金属微粒子分散体を得ている。
特開2005−97542号公報 特開2006−257517号公報 特開2008−37949号公報 特開2010−209455号公報
米沢徹、"高分子保護金属コロイド触媒"、[online]、日本化学会、[平成27年6月10日検索]、インターネット<URL: https://division.csj.jp/div-report/13/1330402.pdf>
本発明は、上記のようなポリマー分散剤及び還元反応を用いる必要がない、新規な金属含有粒子の分散液及びその製造方法、並びにその分散液を用いて調製した触媒を提供することを目的とする。
本発明の実施態様としては、以下の態様を挙げることができる:
《態様1》
第1の金属を少なくとも含む金属含有粒子、分子量が30〜1000の有機塩基、分子量が30〜1000の保護キレート剤、及び分散媒を少なくとも含む、金属含有粒子の分散液。
《態様2》
前記金属含有粒子が、さらに第2の金属を含む複合金属含有粒子である、態様1に記載の分散液。
《態様3》
前記第1の金属が、白金又はパラジウムであり、前記第2の金属が前記第1の金属以外の遷移金属から選択される、態様2に記載の分散液。
《態様4》
前記第1の金属が、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、及び金からなる群より選択される、態様1に記載の分散液。
《態様5》
前記第1の金属及び前記第2の金属が、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、及び金からなる群よりそれぞれ選択される、態様2に記載の分散液。
《態様6》
前記有機塩基が、アミノアルコール、シクロアルキルアミン、環状アミン、アルキルアミン、及び水酸化テトラアルキルアンモニウムからなる群より選択される少なくとも1種である、態様1〜5のいずれか一項に記載の分散液。
《態様7》
前記保護キレート剤が、アミノ基、カルボキシル基、及びヒドロキシル基からなる群から選択される基を分子中に2つ以上有し、かつ30〜1000の分子量を有する有機化合物である、態様1〜6のいずれか一項に記載の分散液。
《態様8》
分子量が10000以上のポリマーが、5重量%以下である、態様1〜7のいずれか一項に記載の分散液。
《態様9》
第1の金属源、並びに前記第1の金属源に配位する分子量が30〜1000の保護キレート剤を少なくとも含む酸性溶液に、分子量が30〜1000の有機塩基を添加して中和することによって、第1の金属を少なくとも含む金属含有粒子を生成する工程を含む、金属含有粒子の製造方法。
《態様10》
前記酸性溶液が、さらに第2の金属源を含有し;前記金属含有粒子が、第1の金属及び第2の金属を少なくとも含む複合金属含有粒子である、態様9に記載の金属含有粒子の製造方法。
《態様11》
態様1〜8のいずれか一項に記載の分散液に含まれる金属含有粒子の焼成物、及び前記焼成物を担持している担体を有する、燃料電池電極用触媒。
《態様12》
態様1〜8のいずれか一項に記載の分散液に含まれる金属含有粒子の焼成物、及び前記焼成物を担持している担体を有する、排ガス浄化用触媒。
本発明の分散液は、従来のような還元反応を用いずに調製することができるため、非常に容易に得ることができる。また、本発明の分散液を用いて金属含有粒子を担体に担持させる場合には、担体への金属含有粒子の担持効率を大幅に向上できることを見出した。
さらに、担体に金属含有粒子を担持させた後に、焼成して得られる触媒粒子は、制御された粒径を有し、燃料電池電極用触媒、排ガス浄化用触媒等として非常に有用であることが分かった。
《分散液》
本発明の分散液は、第1の金属を少なくとも含む金属含有粒子、分子量が30〜1000の有機塩基、分子量が30〜1000の保護キレート剤、及び分散媒を少なくとも含む。ここで、金属含有粒子は、さらに第2の金属を含む複合金属含有粒子であってもよい。
従来の方法により製造された分散液は、生成した金属粒子の凝集を防止するためにポリマー分散剤を含んでいる。しかし、ポリマーは金属粒子を担持するための担体の吸着点を被覆するため、ポリマーを含む分散液を使用する場合、担体への金属粒子の担持効率が低いという問題を有する。その結果、ポリマーを含む分散液を使用する場合、担体への金属粒子の担持操作を繰り返し行う必要がある。また、ポリマーを含む分散液を使用する場合、担持された金属粒子が担体から脱離しやすいという課題があった。
それに対して、本発明者らは、ポリマーを用いずに、例えば金属塩又は金属イオン等の金属源及び保護キレート剤を含む酸性溶液を有機塩基によって中和することで、安定な金属含有粒子の分散液を得られることを見出した。また、本発明の分散液を用いた場合には、繰返しの担持操作を行うことなく、担体に金属含有粒子を高い効率で担持できることを見出した。さらに、本発明の分散液を用いた場合には、担持された金属含有粒子が、担体から脱離しにくいことが分かった。
本発明の分散液は、従来用いられていたような分散剤ポリマーを含有させる必要がなく、また従来用いられていたような還元工程も必要としないために、製造コストを大幅に削減することができる。従来の分散液を用いて、金属粒子を焼成する場合には、分散剤ポリマーに由来する炭化物が発生して炉内を劣化させる場合があるが、本発明の分散液では、このような問題も発生しない。
また、金属含有粒子が第2の金属を含む複合金属含有粒子の場合、還元処理を用いて金属粒子を生成していた従来技術では、これらの金属が合金化していたが、本発明の分散液の場合には、第1の金属と第2の金属とは合金化していないことが分かった。この場合、従来法と比較して、有機塩基を用いた中和により金属水酸化物等ができる過程において、2種の金属水酸化物等が凝集し、第1の金属と第2の金属とがより近接して複合化されるため、担体に担持させた後で比較的低温で焼成して合金化させることができる。これにより、合金化後の金属粒子の微細化が可能となり、特に燃料電池用電極の触媒として用いる場合に、高い電池出力を与えることが可能である。
本発明の分散液は、分子量が10000以上、5000以上、3000以上、又は1000超のポリマーを、含有していないことが好ましい。本発明の分散液に含有されてもよいこのようなポリマーは、5重量%以下、3重量%以下、1重量%以下、又は0.1重量%以下である。このようなポリマーの種類としては、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリエチレンイミンを挙げることができる。
本発明の分散液では、例えば実施例に記載の方法で評価した場合に、例えば60%以上、70%以上、80%以上、又は90%以上の担持効率で、金属含有粒子を担体に担持させることができる。
〈金属含有粒子〉
本発明の分散液に含まれる金属含有粒子は、第1の金属を少なくとも含む。ここで、金属含有粒子は、さらに第2の金属を含む複合金属含有粒子であってもよい。また、金属含有粒子は、さらに第3の金属、第4の金属等を含む複合金属含有粒子であってもよい。この金属含有粒子は、例えば第1の金属の塩又はイオン等の第1の金属源及び保護キレート剤を含む酸性溶液を、有機塩基によって中和することによって得ることができる。
第1の金属及び/又は随意第2の金属は、酸化物、水酸化物等の化合物の形態で金属含有粒子又は複合金属含有粒子に含まれていてもよい。また、金属含有粒子が第2の金属を含む複合金属含有粒子である場合、第1の金属と第2の金属とは、合金化されていなくてもよく、それぞれの粒子が凝集した状態で存在していてもよい。凝集した粒子が、第1の金属の粒子及び第2の金属の粒子を含んでいてもよく、第1の金属の粒子の凝集体と第2の金属の粒子の凝集体が別個に存在していてもよい。
第1の金属及び随意に存在していてもよい第2の金属は、共に遷移金属から選択することができる。具体的には、第1の金属及び第2の金属として、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、及び金からそれぞれ選択することができる。第2の金属は、第1の金属以外の金属から選択される。第3の金属、第4の金属等も、同様にして上記のように選択することができる。
これらの中でも特に、白金族元素(PGM)と基底状態の電子配置が類似している鉄族元素(鉄、コバルト、ニッケル)及び第11族元素(金、銀、銅)は、PGMの使用量低減及び代替の検討が行われている。これらの硝酸塩及び塩化物(塩化銀を除く)においては、塩基性にpHを変化させた際に水酸化物として沈殿する課題があり、従来は、粒子の生成においては、還元による合金化が行われている。この場合、粒径の制御が困難である。また、還元によって生成する金属粒子は不安定で凝集しやすく、凝集防止剤として上記のようなポリマーを分散液に含有させる必要があり、かつ金属粒子を多量に含有させることができない。それに対して、本発明の分散液では、これらの金属を、合金化しておらずかつ粒径を制御した複合金属含有粒子として、比較的多量に含有することができる。
複合金属含有粒子を焼成して得られる複合金属粒子を、排ガス浄化用触媒として用いる場合には、特に第1の金属として、白金又はパラジウムを選択することができ、第2の金属として、白金、パラジウム、ジルコニウム、モリブデン、チタン、ロジウム、イリジウム、及びルテニウムからなる群より選択される金属とすることができる。例えば、このような金属を用いた場合には、排ガス浄化用触媒として用いた場合に、毒性があり飛散することがある金属カルボニル化合物を生成しないため有用である。
複合金属含有粒子を焼成して得られる複合金属粒子を、燃料電池電極用触媒として用いる場合には、特に第1の金属として、白金又はパラジウムを選択することができ、第2の金属として、白金、パラジウム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ルテニウム、及びイリジウムからなる群より選択される金属することができる。特に、第1の金属と第2の金属との組合せとして、白金/コバルト、白金/鉄、又は白金/ニッケルを用いることが燃料電池電極用触媒として好適である。
第1の金属と第2の金属との重量比は、複合金属含有粒子の用途に応じて、適宜決定することができる。例えば、複合金属含有粒子中の第2の金属に対する第1の金属のモル数の比(第1の金属のモル数/第2の金属のモル数)は、0.33以上、0.50以上、1.0以上、1.1以上、1.2以上、1.5以上、2.0以上、3.0以上、5.0以上とすることができ、100以下、50以下、40以下、30以下、20以下、又は10以下であってもよい。
本発明の分散液は、有機高分子を使用することなく金属含有粒子の凝集を防止することができるため、金属含有粒子を高濃度で含むことができる。例えば、金属含有粒子は、含有される金属の量を基準として、分散液に対して、1重量%以上、2重量%以上、4重量%以上、6重量%以上、8重量%以上、又は10重量%以上で含まれていてもよく、30重量%以下、25重量%以下、20重量%以下、又は15重量%以下で含まれていてもよい。
金属粒子は、燃料電池電極用触媒等として用いる場合に、平均粒径が小さい方が反応面積を大きくなるため好ましい。本発明の分散液では、有機高分子を使用することなく金属含有粒子の凝集を防止することができるため、それを焼成して得られる金属粒子の粒径を小さくすることができる。特に複合金属粒子を生成する場合には、第1の金属と第2の金属との近接化が促進され合金化がしやすく、それにより第1の金属と第2の金属との合金の粒径を小さくすることができる。結果として、本発明の分散液を用いて得られた触媒では、触媒性能を向上させることができ、特に電池性能を向上させることができる。
一方で、金属粒子を、排ガス浄化用触媒等として用いる場合、粒径が小さすぎると耐久性が悪化する場合がある。すなわち、粒径が小さすぎると粒子がシンタリングをして粒子が肥大化して触媒の性能が低下する場合があり、これは初期の粒径を一定程度大きくすることで、防止できる場合がある。
したがって、金属粒子の粒径を、所望の範囲に制御する技術は非常に重要であるのに対して、従来は金属粒子の粒径を広い範囲で制御することが困難であった。本発明の1つの態様によれば、金属含有粒子の粒径を所望の範囲に制御することができる。例えば、金属含有粒子の平均粒子径を、金属濃度を0.1重量%に調整して、波長633nmの光源でマルバーン社製のゼータサイザーナノSを用いた動的光散乱法によって測定した場合に、0.5nm以上、0.8nm以上、1.0nm以上、3.0nm以上、5.0nm以上、10nm以上、20nm以上、30nm以上、50nm以上又は100nm以上とすることができ、500nm以下、250nm以下、200nm以下、150nm以下、100nm以下、50nm以下、30nm以下、20nm以下、15nm以下、10nm以下、又は5.0nm以下とすることもできる。
金属含有粒子がパラジウム及び/又は白金を含む場合、その金属含有粒子は、ラマン分光法により得られるスペクトルにおいて550〜700cm−1の範囲内にピークを有する。なお、「550〜700cm−1の範囲内にピークを有する」とは、550〜700cm−1の範囲内にピークのトップが位置していることを意味する。このピークは、パラジウム若しくは白金の水酸化物の形態又は酸化物が水和した形態に対応するものである。
〈有機塩基〉
本発明の分散液に含まれる有機塩基の種類としては、分子量が30〜1000程度の低分子であれば特に限定されない。本発明の分散液に含まれる有機塩基は、下記に詳述する保護キレート剤とは異なっていてもよく、特に配位座が1つである有機塩基、1つの極性基を有する有機塩基又は全ての極性基が1つの環に含まれている有機塩基とすることができる。ただし、本発明の効果を与えることができる範囲内で、本発明で用いられる有機塩基は、保護キレート剤としても用いられる化合物であってもよい。ただし、この場合には、有機塩基と保護キレート剤とは、異なる種類の化合物から選択されることが好ましい。この有機塩基は、分散液中に酸で中和された塩の形態又はイオン化した状態で存在していてもよい。有機塩基は、分散液中に遊離していてもよく、また金属含有粒子に吸着等していてもよい。
例えば、保護キレート剤が配位した第1の金属源及び随意の第2の金属源を含む酸性溶液を、有機塩基で中和することによって、上記の金属含有粒子を生成させることができる。水酸化ナトリウム等の強塩基で中和すると、配位している保護キレート剤まで取り除いて水酸化物として第1の金属及び第2の金属を沈殿させるのに対し、本発明で用いるような有機塩基であれば、第1の金属及び第2の金属を保護キレート剤によって保護したままで、これらの複合金属含有粒子を生成し、安定に分散させることができる。
有機塩基は、中和剤としての機能に加えて、金属含有粒子の分散剤としての機能も有していてもよい。また、有機塩基の種類を変更させて、金属含有粒子の粒子径を調節してもよい。
このような低分子量の有機塩基を使用することにより、金属含有粒子を高濃度で含むことができる。例えば、有機塩基の分子量は、1000以下、800以下、500以下、400以下、300以下、又は200以下であってもよく、30以上又は50以上であってもよい。このような範囲であれば、上記の有機塩基の機能を発揮することができ、かつ担体による金属含有粒子の担持効率を実質的に低下させない。
有機塩基は親水性であることが好ましい。より具体的には、25℃で水100gに0.1g以上、0.5g以上又は1.0g以上溶解する有機塩基であることが好ましい。また、有機塩基の主鎖に含まれる炭素の数が20以下であることが好ましい。更に、有機塩基はその構造中にハロゲンと芳香環とを含まないことが好ましい。
例えば、有機塩基としては、アミノアルコール、シクロアルキルアミン、環状アミン、アルキルアミン、水酸化テトラアルキルアンモニウム等を挙げることができる。特に、有機塩基としては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘプチルアミン、ヘキシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ジプロピルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、水酸化テトラエチルアンモニウム(TEAH)、水酸化ジメチルジエチルアンモニウム(DMDEAH)、水酸化トリエチルメチルアンモニウム(TEMAH)、水酸化トリメチルエチルアンモニウム(TMEAH)、水酸化テトラプロピルアンモニウム(TPAH)、水酸化テトラブチルアンモニウム(TBAH)、水酸化2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2(メチルアミノ)エタノール、1−アミノ−2−プロパノール、n−プロパノールアミン、トリエチレンジアミン、ジアザビシクロウンデセン(DBU)、ジアザビシクロノネン(DBN)、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、1,2−シクロヘキサンジアミン四酢酸一水和物、シクロヘキシルアミン、アミノメチルプロパンジオール、N−メチル−グルカミン、n−オクチルアミン、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、2−メチルトリエチレンジアミン、N,N−ジメチル−2−アミノエタノール及びこれらの誘導体の少なくとも1種を挙げることができる。これらの中でも特に、TMAH、TEAH、DMDEAH、TEMAH、TMEAH、TPAH、TBAH、モノエタノールアミン、N,N−ジメチル−2−アミノエタノール、3−アミノ−1−プロパノール、シクロヘキシルアミン、DBU、DBN、及びプロピルアミンを挙げることができる。
金属含有粒子に含まれる金属の合計モル数に対する有機塩基のモル数の比(有機塩基のモル数/金属の合計モル数)は、特に限定されないが、例えば、0.1以上、0.2以上、0.3以上、0.5以上、1.0以上、3.0以上、又は5.0以上であってもよく、500以下、300以下、200以下、100以下、50以下、10以下、5.0以下、又は3.0以下であってもよい。
有機塩基は、上記の金属含有粒子を安定に分散できるように添加されていれば、特にその添加量は限定されない。例えば、有機塩基は、分散液に対して、0.5重量%以上、1.0重量%以上、2.0重量%以上、又は3.0重量%以上で添加されていてもよく、30重量%以下、20重量%以下、10重量%以下、又は5.0重量%以下で含まれていてもよい。
〈保護キレート剤〉
本発明の分散液は、保護キレート剤を含む。ここで、保護キレート剤は、2座以上の配位座を有する分子量が30〜1000の有機化合物である。保護キレート剤は、有機塩基を添加する前の溶液中で、第1の金属源及び/又は随意の第2の金属源に配位して、有機塩基を添加した後も、金属含有粒子を保護して安定に分散させることができる。
このような低分子量の保護キレート剤を使用することにより、金属含有粒子を高濃度で含むことができる。例えば、保護キレート剤の分子量は、1000以下、500以下、400以下、300以下、又は200以下であってもよく、30以上又は50以上であってもよい。このような範囲であれば、上記の保護キレート剤の機能を発揮することができ、かつ担体による金属含有粒子の担持効率を実質的に低下させない。
保護キレート剤としては、アミノ基、カルボキシル基、及びヒドロキシル基からなる群から選択される基を分子中に2つ以上有し、かつ30〜1000の分子量を有する有機化合物を用いることが好ましい。具体的には、保護キレート剤としては、エチレンジアミン、グリシン、シュウ酸、酒石酸、クエン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、乳酸、グリコール、コハク酸、アルギニン、ロイシン、セリン、及びこれらの誘導体を挙げることができる。
金属含有粒子に含まれる金属の合計モル数に対する保護キレート剤のモル数の比(保護キレート剤のモル数/金属の合計モル数)は、特に限定されないが、例えば、0.2以上、0.3以上、0.5以上、0.8以上、1.0以上、2.0以上、3.0以上又は5.0以上であってもよく、100以下、50以下、30以下、20以下、10以下、5.0以下、3.0以下、又は2.0以下であってもよい。このような範囲とすることで、金属含有粒子を安定的に分散させることができ、粒径が粗大化しすぎることを防止することができ、また担体に金属含有粒子を高効率で担持させることができる場合がある。
特に、金属含有粒子の第1の金属が白金で、第2の金属がパラジウム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ルテニウム、及び/又はイリジウムである場合には、保護キレート剤は、第2の金属源に配位することができる。この場合、第2の金属の合計モル数に対する保護キレート剤のモル数の比(保護キレート剤のモル数/第2の金属の合計モル数)は、特に限定されないが、例えば、0.5以上、1.0以上、2.0以上、又は3.0以上であってもよく、50以下、30以下、20以下、15以下、又は10以下であってもよい。
保護キレート剤は、上記の金属含有粒子を安定に分散でき、かつ担体に金属含有粒子を高効率で担持させることができるように添加されていれば、特にその添加量は限定されない。例えば、保護キレート剤は、分散液に対して、2重量%以上、4重量%以上、6重量%以上、8重量%以上、又は10重量%以上で含まれていてもよく、30重量%以下、25重量%以下、20重量%以下、又は15重量%以下で含まれていてもよい。
〈分散媒〉
分散液に含まれる分散媒は、本発明の目的が達成されるのであれば、有機系溶媒であっても、水系溶媒であってもよいが、水系溶媒であることが好ましく、水であることが特に好ましい。
《金属含有粒子の分散液の製造方法》
本発明の金属含有粒子の分散液の製造方法によって、上記の金属含有粒子の分散液を製造することができる。具体的には、この方法は、上記の第1の金属源及び随意の第2の金属源、並びに上記の保護キレート剤を含む酸性溶液を、上記の有機塩基によって中和する工程を含む。この方法は、従来技術の方法で用いられていたような還元工程を含む必要がなく、非常に容易な操作で行うことができる。上記の酸性溶液は、さらに第3の金属源、第4の金属源等を含んでもよい。
第1の金属源及び随意の第2の金属源等は、塩又はイオンの形態であってもよく、例えば硝酸塩、塩化物、硫酸塩等の形態であってもよい。
上記の金属含有粒子の分散液を得られる範囲内であれば、中和工程によって、酸性溶液のpHを中性にしてもよく、塩基性に変化させてもよく、また酸性のままであってもよい。
上記の金属含有粒子の分散液を得られる範囲内であれば、中和工程における反応温度は特に限定されないが、常温で行うことができる。
《触媒》
本発明の触媒は、上記の分散液に含まれる金属含有粒子の焼成物及びそれを担持する担体を有する。この触媒を、様々な用途に用いることができ、例えば本発明の触媒は、燃料電池用電極の触媒、排ガス浄化システム用の触媒、化学反応用の触媒等であってもよい。
第2の金属を含む上記の複合金属含有粒子が焼成されることで、第1の金属と第2の金属とが少なくとも部分的に合金化される。この際に、実施例に記載の方法に準じて測定した合金化度は、好ましくは60%以上、65%以上、又は70%以上である。
上記の金属含有粒子が焼成されてメタル化すると粒径が肥大化する傾向にあるが、本発明の上記の分散液を用いた場合には、粒径の肥大化を抑制できる場合がある。すなわち、本発明の触媒で用いられる金属含有粒子の焼成物の平均粒径は、実施例に記載のX線回折法に準じて測定した場合、0.5nm以上、0.8nm以上、1.0nm以上、3.0nm以上、5.0nm以上、10nm以上、20nm以上、30nm以上、50nm以上又は100nm以上とすることができ、500nm以下、250nm以下、200nm以下、150nm以下、100nm以下、50nm以下、30nm以下、20nm以下、15nm以下、10nm以下、又は5.0nm以下とすることもできる。
本発明の触媒で用いられる金属含有粒子の焼成物では、上記のような高い合金化度でありながら、平均粒径を制御することができるため、所望の触媒性能を与えることができる。
〈担体〉
本発明の触媒を担持するために用いられる担体としては、特に限定されない。
この触媒を排ガス浄化システムで用いる場合には、担体の材料としては、アルミナ、チタニア、ジルコニア、シリカ、セリア、セリウム−ジルコニウム複合酸化物等を挙げることができる。
排ガス浄化システムは、触媒、触媒を担持する担体、及び担体を添着させる基材を含むことができる。担体を添着させる基材としては、排気ガス浄化システムにおいて一般的に使用されているストレートフロー型又はウォールフロー型のモノリス基材等を挙げることができる。基材の材質も特に限定されず、例えば、セラミック、炭化ケイ素、金属等の基材を挙げることができる。
この触媒を燃料電池用電極で用いる場合には、担体としては、炭素系材料の担体を挙げることができ、具体的には、活性炭、黒鉛、易黒鉛化性炭素(ソフトカーボン)、難黒鉛化性炭素(ハードカーボン)、カーボンナノチューブ、グラフェン、カーボンブラック等を挙げることができ、特にカーボンブラックが挙げられる。
この場合、担体のBET比表面積は、200m/g以上、300m/g以上、又は500m/g以上であってもよく、2500m/g以下、2000m/g以下、又は1500m/g以下であってもよい。
燃料電池用電極は、触媒、触媒を担持する担体、及びプロトン伝導性アイオノマーを含むことができる。プロトン伝導性アイオノマーとしては、その分野で通常用いられる物を用いることができ、例えば特開2013−127865号公報、特開2011−238406号公報等に記載のプロトン伝導性アイオノマーを挙げることができる。
このような燃料電池用電極は、燃料電池のアノード電極及びカソード電極の両方に用いることができる。
《触媒の製造方法》
本発明の触媒の製造方法によって、上記の触媒を製造することができる。具体的には、この方法は、上記の金属含有粒子の分散液を担体に含ませる工程、並びに分散液を含む担体を乾燥及び焼成する工程を含む。
分散液を担体に含ませる工程では、分散液を担体に含ませることができれば、特にその方法は限定されない。例えば、担体に分散液を滴下させてもよく、担体を分散液に含浸させてもよく、担体に分散液を塗布してもよい。
分散液を含む担体を焼成する工程では、触媒として機能が発揮できるようになる温度であれば、その温度、雰囲気、及び時間は特に限定されない。例えば、焼成は、500℃以上、600℃以上、又は700℃以上であってもよく、1500℃以下、1200℃以下、又は1000℃以下であってもよい。また、窒素等の不活性雰囲気下であってもよく、酸素を含む雰囲気下であってもよい。焼成する時間は、10分以上又は1時間以上であってもよく、1日以下、12時間以下、又は3時間以下であってもよい。
例えば、この触媒を、燃料電池用電極で使用する場合には、その触媒は、カーボンブラックに上記の分散液を含有させた上で、窒素雰囲気下で、そのカーボンブラックを600℃〜800℃で1〜3時間程度焼成することによって、得ることができる。
A.第1の金属として白金を含む複合金属含有粒子の分散液の検討
《分散液の調製》
実施例1
ジアンミンジニトロ白金(II)硝酸溶液(白金濃度:10重量%)を液量で50g含むビーカーに、硝酸コバルト(II)・6水和物(純度97%、ナカライテスク社製)を2.5g(白金に対して0.33倍mol)含む水溶液を添加した。この溶液を10分以上撹拌した後、保護剤(保護キレート剤)として、エチレンジアミン・1水和物(ナカライテスク社製)を2.7g(コバルトに対して4.0倍mol)添加し、さらに10分以上撹拌した。その後、pHを確認しながら、塩基(有機塩基)であるジアザビシクロウンデセン(DBU、ナカライテスク社製)を投入し、溶液のpHを9.0以上にした。その後、その溶液を30分以上撹拌し、5Cろ紙(JIS P 3801に規定される5種C)で不純物をろ過して、ろ液として複合金属含有粒子の分散液を得た。
実施例2
2.5gの硝酸コバルト(II)・6水和物の代わりに、2.1gの硝酸銅(II)・2水和物(ナカライテスク社製)を用いたこと;保護剤として、2.7gのエチレンジアミン・1水和物の代わりに、7.2gのクエン酸・1水和物(ナカライテスク社製)を用いたこと;及び塩基としてDBUの代わりに10wt%の水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH、和光純薬工業社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして複合金属含有粒子の分散液を得た。
実施例3
2.5gの硝酸コバルト(II)・6水和物の代わりに、3.5gの硝酸鉄(III)・9水和物(ナカライテスク社製)を用いたこと;及び保護剤として、2.7gのエチレンジアミン・1水和物の代わりに、7.2gのクエン酸・1水和物(ナカライテスク社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして複合金属含有粒子の分散液を得た。
実施例4
2.5gの硝酸コバルト(II)・6水和物の代わりに、31gの硝酸イリジウム溶液(イリジウム濃度:5.3重量%、フルヤ金属社製)を用いたこと;及び塩基としてDBUの代わりに10wt%のTMAH(和光純薬工業社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして複合金属含有粒子の分散液を得た。
実施例5
2.5gの硝酸コバルト(II)・6水和物の代わりに、2.5gの硝酸マンガン(II)・6水和物(キシダ化学社製)を用いたこと;及び保護剤として、2.7gのエチレンジアミン・1水和物の代わりに、7.2gのクエン酸・1水和物(ナカライテスク社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして複合金属含有粒子の分散液を得た。
実施例6
2.5gの硝酸コバルト(II)・6水和物の代わりに、2.2gの塩化ルテニウム(III)・3水和物(キシダ化学社製)を用いたこと;及び塩基としてDBUの代わりに2−アミノエタノール(ナカライテスク社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして複合金属含有粒子の分散液を得た。
実施例7
2.5gの硝酸コバルト(II)・6水和物の代わりに、3.5gの硝酸鉄(III)・9水和物を用いたこと;及び塩基としてDBUの代わりに10wt%のTMAH(和光純薬工業社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして複合金属含有粒子の分散液を得た。
実施例8
保護剤として、2.7gのエチレンジアミン・1水和物の代わりに、7.2gのクエン酸・1水和物(ナカライテスク社製)を用いたこと;及び塩基としてDBUの代わりに2−アミノエタノールを用いたこと以外は、実施例1と同様にして複合金属含有粒子の分散液を得た。
実施例9
保護剤として、2.7gのエチレンジアミン・1水和物の代わりに、2.6gのグリシンを用いたこと;及び塩基としてDBUの代わりに10wt%のTMAH(和光純薬工業社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして複合金属含有粒子の分散液を得た。
実施例10
2.5gの硝酸コバルト(II)・6水和物の代わりに、2.5gの硝酸ニッケル(II)・6水和物(ナカライテスク社製)を用いたこと;及び塩基としてDBUの代わりに10wt%のTMAH(和光純薬工業社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして複合金属含有粒子の分散液を得た。
実施例11
2.5gの硝酸コバルト(II)・6水和物の代わりに、31gの硝酸イリジウム溶液を用いたこと;保護剤として、2.7gのエチレンジアミン・1水和物の代わりに、2.6gのグリシンを用いたこと;及び塩基としてDBUの代わりに2−アミノエタノールを用いたこと以外は、実施例1と同様にして複合金属含有粒子の分散液を得た。
実施例12
硝酸コバルト(II)・6水和物を、2.5gから3.7g(白金に対して0.5倍mol)に変更したこと;及び保護剤として、エチレンジアミン・1水和物の量を2.7gから4.0gに変更したこと以外は、実施例1と同様にして複合金属含有粒子の分散液を得た。
実施例13
硝酸コバルト(II)・6水和物を、2.5gから0.7g(白金に対して0.1倍mol)に変更したこと;及び保護剤として、エチレンジアミン・1水和物の量を2.7gから0.8gに変更したこと以外は、実施例1と同様にして複合金属含有粒子の分散液を得た。
実施例14
保護剤として、エチレンジアミン・1水和物の量を2.7gから1.3g(コバルトに対して2.0倍mol)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして複合金属含有粒子の分散液を得た。
実施例15
エチレンジアミン・1水和物の量を、1.3gから4.0g(コバルトに対して6.0倍mol)に変更したこと以外は、実施例14と同様にして複合金属含有粒子の分散液を得た。
実施例16
硝酸コバルト(II)・6水和物を、2.5gから7.5g(白金に対して1.0倍mol)に変更したこと;及び保護剤として、エチレンジアミン・1水和物の量を2.7gから8.0gに変更したこと以外は、実施例1と同様にして複合金属含有粒子の分散液を得た。
実施例17
硝酸コバルト(II)・6水和物を、2.5gから0.5g(白金に対して0.07倍mol)に変更したこと;及び保護剤として、エチレンジアミン・1水和物の量を2.7gから0.5gに変更したこと以外は、実施例1と同様にして複合金属含有粒子の分散液を得た。
実施例18
エチレンジアミン・1水和物の量を、1.3gから0.7g(コバルトに対して1.0倍mol)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして複合金属含有粒子の分散液を得た。
実施例19
エチレンジアミン・1水和物の量を、1.3gから5.3g(コバルトに対して8.0倍mol)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして複合金属含有粒子の分散液を得た。
比較例1
2.5gの硝酸コバルト(II)・6水和物、6.9gのPVP、470mlのエタノール、及び350mlの水を混合し、86℃で10時間還流して還元し、コバルト分散液を得た。このコバルト分散液に、50gのジニトロジアンミン白金硝酸溶液(白金濃度:10重量%)、20.6gのPVP、5.6Lのエタノールを混合し、86℃で5時間還流して白金イオンを還元し、白金/コバルトの複合金属含有粒子の分散液を得た。
比較例2
塩基としてDBUの代わりにアンモニア溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして複合金属含有粒子の分散液を得た。
比較例3
保護剤であるエチレンジアミンを使用しなかったこと以外は、実施例1と同様にして調製したが、沈殿が生じ分散液は得られなかった。
《触媒の調製》
〈実施例1〜19及び比較例1〜3の触媒の触媒〉
市販の比表面積(約900m/g)のカーボンブラック粉末5.0gを、純水0.5Lに分散させた。このカーボンブラック分散液に、上記の実施例1〜19及び比較例1〜2の分散液又は溶液を、それぞれ滴下し、十分にカーボンブラックとなじませた。その後、pHが9未満であった分散液又は溶液については、アンモニア溶液でpHが9.0になるまでそれぞれ中和し、その後ろ過した。
ろ過後のケーキを真空中で100℃で10時間乾燥させた。その後、電気炉において窒素雰囲気下で700℃で1時間焼成し、合金化処理を行なった。これにより、実施例1〜19及び比較例1〜3の触媒を得た。
《評価方法》
(担持効率)
触媒製造時において、アンモニアによる中和後のろ過をした際に、誘導結合プラズマ質量分析法(ICP−MS)でろ液の金属濃度を測定した。そして、次の式を用いてそれぞれの担持効率を算出した:
Figure 0006731755
(ラマン分光)
分散液に、白金の酸化物及び/又は水酸化物が生成しているかを確認するために、励起波長532nm、強度1mWの条件で、ラマン分光測定を行なった。
(合金化度及び合金粒径)
合金化度及び合金粒径の評価を、X線回折(XRD)を用いて行なった。合金化度については、39℃付近の(111)面のピーク格子定数から、下記計算式を用いて求めた:
Figure 0006731755
また、合金粒径については(111)面のピークの半価幅から求めた。
(電圧特性評価試験)
上記の各触媒の粉末を有機溶媒に分散させて、この分散液をテフロン(商標)シートに塗布して触媒層を形成した。電極面積1cm2当りの白金触媒の量は、0.2mgであった。これらの電極を、それぞれ高分子電解質膜を介して熱圧着によって貼り合わせ、その両側に拡散層を設置して単セルを形成した。
この単セルのカソード側の電極に、70℃に加熱したバブラを通過させた加湿酸素を1.0L/分で提供し、かつアノード側の電極に80℃に加熱したバブラを通過させた加湿水素を0.5L/分で提供し、触媒活性を示すMass Activity(0.9Vの時の電流値)を測定した。また、カソード側の電極に、50℃に加熱したバブラを通過させた加湿酸素を0.6L/分で提供し、アノード側の電極に50℃に加熱したバブラを通過させた加湿水素を0.2L/分で提供し、電圧特性を測定した。
《結果》
各種の試験の結果を表1に示す。
Figure 0006731755
この結果から分かるように、従来のポリマー分散剤を用いた比較例1の触媒では、担持効率が非常に低く、合金化度も低く、合金粒径も肥大化し、電池電圧も低い。また塩基ではなくアンモニア溶液を用いた比較例2は、合金化度が低く、合金粒径も肥大化し、電池電圧が低い。比較例2については、アンモニアを用いた場合、水酸化物粒子の分散液ではなくアンミン錯体を作り、担持性が低下しているものと考えられる。また、担持時に第1の金属(白金)及び第2の金属(コバルト)がそれぞれ偏析し、白金とコバルトの近接化も起こらないため、合金化度が低く、合金粒径も肥大化したものと考えられる。比較例3については、保護剤がないために、第2の金属(コバルト)が分散せず、粗大粒子のまま残り、粗大なコバルト粒子と白金粒子との合金化が進行しなかったものと考えられる。それに対して、実施例1〜19の本発明の触媒では、いずれも高い担持効率を有しており、小さな平均粒径を有している。また、高い電池性能を与えていることも確認できる。
なお、実施例18及び19を参照すると、保護剤が少ない場合と多い場合では、合金化度が低下する傾向がみられる。これは、保護剤が少ない場合には、保護剤の不足により第2の金属(コバルト)の分散が不十分で粗大化し、合金化し難くなるためと推定される。また、保護剤が多い場合では、担体への担持効率が低下する傾向がみられ、これにより第1の金属(白金)及び第2の金属(コバルト)が偏析して粗大粒子を生じるため合金化し難くなるためと推定される。
B.第1の金属のみを含む金属含有粒子の分散液の調製
《分散液の調製》
比較例4
0.42gの硝酸Rh、50gのPVP(分子量25000)、25mlのエタノール、及び130mlの水を混合し、90℃で4時間還流して還元し、Rhコロイド溶液を得た。
比較例5
第1の金属源として硝酸Cuを、Cuで0.016mol含む、pHが3.0の溶液を調製した。
比較例6
比較例5の溶液に、塩基/Cuがmol比で3.6となるように、塩基としてTMAHを混合し、pHが13の溶液を調製した。
比較例7
比較例5の溶液に、保護剤/Cuがmol比で3.0となるように、保護剤としてグリシンを混合し、pHが3.5の溶液を調製した。
実施例20
比較例7の溶液に、塩基/Cuがmol比で3.6となるように、塩基としてTMAHを混合し、pHが13の溶液を調製した。
比較例8及び9
TMAHの代わりに水酸化ナトリウム(NaOH)を使用したこと以外は比較例6及び実施例20と同様にして、比較例8及び9の溶液を調製した。
比較例10
第1の金属源として硝酸Niを、Niで0.016mol含む、pHが3.2の溶液を調製した。
比較例11
比較例10の溶液に、塩基/Niがmol比で4.0となるように、塩基としてTMAHを混合し、pHが13の溶液を調製した。
比較例12
比較例10の溶液に、保護剤/Niがmol比で4.0となるように、保護剤としてグリシンを混合し、pHが3.7の溶液を調製した。
実施例21
比較例12の溶液に、塩基/Niがmol比で4.0となるように、塩基としてTMAHを混合し、pHが14の溶液を調製した。
比較例13及び14
TMAHの代わりにNaOHを使用したこと以外は比較例11及び実施例21と同様にして、比較例13及び14の溶液を調製した。
《評価》
比較例4〜14及び実施例20〜21の溶液が含有している微粒子の粒径を、波長633nmの光源でマルバーン社製のゼータサイザーナノSを用いた動的光散乱法によって測定した。結果を、以下の表2に示す。
Figure 0006731755
比較例4は、溶液中にポリマーが含まれているため、動的光散乱法による正確な粒径測定ができなかった。塩基のみを添加した比較例6及び11でも、沈殿物が生成し、固液混合状態となり、動的光散乱法による正確な粒径測定ができなかった。同様に、塩基としてNaOHを使用した比較例8〜9及び13〜14においても、沈殿物が生成し、固液混合状態となり、動的光散乱法による正確な粒径測定ができなかった。保護剤のみを使用して塩基を添加しなかった比較例7及び12では、硝酸Cu及び硝酸Niのみの溶液(比較例5及び比較例10)と同じ粒径となっており、金属含有粒子の粒径に影響を与えなかった。その一方で、保護剤と塩基との両方を使用した実施例20及び21では、金属含有粒子の粒径を変化させることができた。
C.様々な粒径に制御した複合金属含有粒子の分散液の調製
《分散液の調製》
実施例22
第1の金属源として硝酸Cuを、Cuで0.016mol含む、pHが3.0の溶液を調製した。この溶液に、保護剤/Cuがmol比で12となるように、保護剤としてグリシンを混合し、第2の金属源として塩化AuをAuで0.0004mol添加した。そして、塩基/Cuがmol比で4.0となるように、塩基としてTEAHを混合し、pHが13の溶液を調製した。
実施例23
第1の金属源としてAuで0.05molの塩化Auと、第2の金属源としてRhで0.005molの塩化Rhとを混合した溶液に、保護剤/Auのmol比で32となるように、保護剤としてアルギニンを混合した。次に、塩基/Auのmol比で40となるように、塩基として2(メチルアミノ)エタノールをこの溶液に混合した。
実施例24〜38
実施例23から、第1の金属源、第2の金属源、保護剤、及び塩基の種類並びに量を表3に示すように変更して、実施例24〜38の分散液を調製した。
《評価》
実施例22〜38の分散液が含有している微粒子の粒径を、波長633nmの光源でマルバーン社製のゼータサイザーナノSを用いた動的光散乱法によって測定した。結果を、以下の表3に示す。
Figure 0006731755
上記のとおり、第1の金属源、第2の金属源、保護剤、及び塩基の種類並びに量を変更することで、複合金属含有粒子の粒径を幅広い範囲で制御できることができた。特に、保護剤及び塩基の選択が非常に重要であることが示唆された。
また、実施例22〜38の分散液に含まれている複合金属含有粒子を、X線吸収微細構造解析法(XAFS)及びX線光電子分光法(XPS)で解析したところ、第1の金属と第2の金属とは合金化していないことが分かった。

Claims (7)

  1. 第1の金属源、第2の金属源、前記第1の金属源及び前記第2の金属源に配位する分子量が30〜1000の保護キレート剤、及び水系溶媒を少なくとも含む酸性溶液に、分子量が30〜1000の有機塩基を添加することによって、第1の金属及び第2の金属を少なくとも含む金属含有粒子を生成する工程を含み、
    前記第1の金属源が銀、ニッケル、白金、及び金からなる群より選択される金属の硝酸塩又は塩化物あり、
    前記第2の金属源が、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、イリジウム、白金、及び金からなる群より選択される、前記第1の金属以外の遷移金属の硝酸塩又は塩化物であり、
    前記金属含有粒子が、第1の金属及び第2の金属を少なくとも含む複合金属含有粒子であり、
    前記有機塩基が、ジアザビシクロウンデセン、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化トリメチルエチルアンモニウム、水酸化ジメチルジエチルアンモニウム、2−アミノエタノール、2(メチルアミノ)エタノール、及びジエタノールアミンからなる群より選択され、かつ、
    前記保護キレート剤が、エチレンジアミン、グリシンクエン酸アルギニン、及びロイシンからなる群より選択される、
    金属含有粒子の製造方法。
  2. 前記第1の金属源、前記第2の金属源、前記保護キレート剤、及び前記有機塩基の組合せが、以下の(1)〜(24)から選ばれる組み合わせである、請求項1に記載の金属含有粒子の製造方法:
    (1)前記第1の金属源が白金の硝酸塩であり、前記第2の金属源がコバルトの硝酸塩であり、前記有機塩基がジアザビシクロウンデセンであり、かつ、前記保護キレート剤がエチレンジアミンである、
    (2)前記第1の金属源が白金の硝酸塩であり、前記第2の金属源が銅の硝酸塩であり、前記有機塩基が水酸化テトラメチルアンモニウムであり、かつ、前記保護キレート剤がクエン酸である、
    (3)前記第1の金属源が白金の硝酸塩であり、前記第2の金属源が鉄又はマンガンの硝酸塩であり、前記有機塩基がジアザビシクロウンデセンであり、かつ、前記保護キレート剤がクエン酸である、
    (4)前記第1の金属源が白金の硝酸塩であり、前記第2の金属源がイリジウムの硝酸塩であり、前記有機塩基が水酸化テトラエチルアンモニウムであり、かつ、前記保護キレート剤がエチレンジアミンである、
    (5)前記第1の金属源が白金の硝酸塩であり、前記第2の金属源がルテニウムの塩化物であり、前記有機塩基が2−アミノエタノールであり、かつ、前記保護キレート剤がエチレンジアミンである、
    (6)前記第1の金属源が白金の硝酸塩であり、前記第2の金属源が鉄又はコバルトの硝酸塩であり、前記有機塩基が水酸化テトラメチルアンモニウムであり、かつ、前記保護キレート剤がグリシンである、
    (7)前記第1の金属源が白金の硝酸塩であり、前記第2の金属源がコバルトの硝酸塩であり、前記有機塩基が2−アミノエタノールであり、かつ、前記保護キレート剤がクエン酸である、
    (8)前記第1の金属源が白金の硝酸塩であり、前記第2の金属源がコバルトの硝酸塩であり、前記有機塩基が水酸化テトラメチルアンモニウムであり、かつ、前記保護キレート剤がグリシンである、
    (9)前記第1の金属源が白金の硝酸塩であり、前記第2の金属源がニッケルの硝酸塩であり、前記有機塩基が水酸化テトラメチルアンモニウムであり、かつ、前記保護キレート剤がエチレンジアミンである、
    (10)前記第1の金属源が白金の硝酸塩であり、前記第2の金属源がイリジウムの硝酸塩であり、前記有機塩基が2−アミノエタノールであり、かつ、前記保護キレート剤がグリシンである、
    (11)前記第1の金属源が銅の硝酸塩であり、前記第2の金属源が金の塩化物、又は白金若しくはパラジウムの硝酸塩であり、前記有機塩基が水酸化テトラエチルアンモニウムであり、かつ、前記保護キレート剤がグリシンである、
    (12)前記第1の金属源が金の塩化物であり、前記第2の金属源がロジウムの塩化物であり、前記有機塩基が2(メチルアミノ)エタノールであり、かつ、前記保護キレート剤がアルギニンである、
    (13)前記第1の金属源が銅の硝酸塩であり、前記第2の金属源がニッケルの硝酸塩であり、前記有機塩基がジエタノールアミンであり、かつ、前記保護キレート剤がクエン酸である、
    (14)前記第1の金属源が銀の硝酸塩であり、前記第2の金属源がパラジウムの硝酸塩であり、前記有機塩基がジアザビシクロウンデセンであり、かつ、前記保護キレート剤がグリシンである、
    (15)前記第1の金属源が銅の硝酸塩であり、前記第2の金属源が金の塩化物であり、前記有機塩基が水酸化テトラメチルアンモニウムであり、かつ、前記保護キレート剤がロイシンである、
    (16)前記第1の金属源が銅の硝酸塩であり、前記第2の金属源がロジウムの硝酸塩であり、前記有機塩基が水酸化テトラメチルアンモニウムであり、かつ、前記保護キレート剤がクエン酸である、
    (17)前記第1の金属源が金の塩化物であり、前記第2の金属源がパラジウムの硝酸塩であり、前記有機塩基が水酸化ジメチルジエチルアンモニウムであり、かつ、前記保護キレート剤がアルギニンである、
    (18)前記第1の金属源が金の塩化物であり、前記第2の金属源が白金の硝酸塩であり、前記有機塩基が2(メチルアミノ)エタノールであり、かつ、前記保護キレート剤がアルギニンである、
    (19)前記第1の金属源が金の塩化物であり、前記第2の金属源がロジウムの硝酸塩であり、前記有機塩基が水酸化テトラメチルアンモニウムであり、かつ、前記保護キレート剤がアルギニンである、
    (20)前記第1の金属源が銅の硝酸塩であり、前記第2の金属源がコバルトの硝酸塩であり、前記有機塩基が水酸化ジメチルジエチルアンモニウムであり、かつ、前記保護キレート剤がグリシンである、
    (21)前記第1の金属源が銀の硝酸塩であり、前記第2の金属源がニッケルの硝酸塩であり、前記有機塩基が水酸化テトラメチルアンモニウムであり、かつ、前記保護キレート剤がクエン酸である、
    (22)前記第1の金属源がニッケルの硝酸塩であり、前記第2の金属源がロジウムの硝酸塩であり、前記有機塩基が水酸化トリメチルエチルアンモニウムであり、かつ、前記保護キレート剤がクエン酸である、
    (23)前記第1の金属源がニッケルの硝酸塩であり、前記第2の金属源がパラジウムの硝酸塩であり、前記有機塩基が水酸化トリエチルメチルアンモニウムであり、かつ、前記保護キレート剤がクエン酸である、及び
    (24)前記第1の金属源がニッケルの硝酸塩であり、前記第2の金属源が銅の硝酸塩であり、前記有機塩基が水酸化テトラメチルアンモニウムであり、かつ、前記保護キレート剤がクエン酸である。
  3. 前記複合金属含有粒子中の第2の金属のモル数に対する第1の金属のモル数の比(第1の金属のモル数/第2の金属のモル数)が、1.1以上50以下である、請求項1又は2に記載の金属含有粒子の製造方法。
  4. 第1の金属源、前記第1の金属源に配位する分子量が30〜1000の保護キレート剤、及び水系溶媒を少なくとも含む酸性溶液に、分子量が30〜1000の有機塩基を添加することによって、第1の金属を少なくとも含む金属含有粒子を生成する工程を含み、
    前記第1の金属源が、硝酸銅及び硝酸ニッケルからなる群より選択され、
    前記有機塩基が、水酸化テトラメチルアンモニウムであり、かつ、
    前記保護キレート剤が、グリシンである、
    金属含有粒子の製造方法。
  5. 前記金属含有粒子に含まれる金属の合計モル数に対する前記保護キレート剤のモル数の比(保護キレート剤のモル数/金属の合計モル数)が、0.2以上10以下である、請求項1〜のいずれか一項に記載の金属含有粒子の製造方法。
  6. 前記金属含有粒子を、金属濃度0.1重量%に調整した分散液として、動的光散乱法によって波長633nmにて測定された、前記金属含有粒子の平均粒子径が、3.0nm以上250nm以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の金属含有粒子の製造方法。
  7. 前記金属含有粒子に含まれる金属の合計モル数に対する前記有機塩基のモル数の比(有機塩基のモル数/金属の合計モル数)が、0.1以上10以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の金属含有粒子の製造方法。
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