JP5888150B2 - 排気ガス浄化用触媒およびその製造方法 - Google Patents

排気ガス浄化用触媒およびその製造方法 Download PDF

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本発明は排気ガス浄化用触媒及びその製造方法に関し、さらに特に、排気ガス浄化用白金族金属および卑金属担持リン酸アルミニウム触媒、例えば、自動車等の内燃機関から排出される排ガスに含まれる有害成分を浄化する白金族金属および卑金属担持リン酸アルミニウム触媒、およびその製造方法に関する。
近年、地球環境保護の観点から、排ガス規制が世界的に年々強化されている。
この対応策として、内燃機関においては、排ガス浄化用触媒が用いられる。この排ガス浄化用触媒において、排ガス中のハイドロカーボン(以下、HCと略記することもある。)、COおよび窒素酸化物を効率的に浄化するために、触媒成分としてPt、Pd、Rh等の白金族元素などを含め種々の触媒が使用されている。
特許文献1は、リン酸化合物にPt,Pd,Rh及びIrからなる群より選ばれた1種又は2種以上の貴金属が0.01〜5重量%担持された排ガスを浄化する触媒(特許文献1の請求項1)を記載する。
特許文献2は、触媒活性を有する金属より選ばれた少なくとも1種の金属又はその化合物又は金属酸化物を担持したリン酸塩の成形体であることを特徴とする排気ガス浄化用触媒(特許文献2の請求項1)を記載する。
特許文献3は、トリディマイト型結晶構造を有し、BET比表面積が50〜150m/gである耐熱性AlPO化合物と、該AlPO化合物に担持されているPt、Pd及びRhからなる群から選択される少なくとも1種の貴金属成分とからなることを特徴とする排気ガス浄化用触媒(特許文献3の請求項1)を記載する。
特開平8−150339号公報 特許平6−55075号公報 特許第4、505、046号公報
排ガス浄化触媒中に含まれる貴金属の量を減らすこと、ならびにエンジンから排出される熱、および燃料に含まれる硫黄成分などによって劣化しにくい排ガス浄化触媒が求められている。さらに排ガス浄化基準に適応するために、エンジン始動時、低速運転時のような排ガス温度が低い条件においても、上記成分をさらに良好に除去できる排ガス浄化装置が必要とされている。
本発明者らは、鋭意努力した結果、リン酸アルミニウム焼成体上にPt等の白金族金属およびFe等の卑金属を担持させることによって、上記課題を解決することができることを見いだした。
本発明の態様は、以下のようである。
(1)リン酸アルミニウム焼成体上に、
Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Ptからなる群から選択される少なくとも1種の白金族金属、およびCr、Mn、Fe、Co、Ni、Cuからなる群から選択される少なくとも1種の卑金属を担持してなる、排ガス浄化用触媒。
(2)前記白金族金属がPtであり、前記卑金属がFeである、(1)に記載の排ガス浄化用触媒。
(3)担体に対する前記白金族金属の担持量が、0.0001wt%〜2.0wt%であり、そして担体に対する前記卑金属の担持量が、0.0001wt%〜2.0wt%である、(1)または(2)に記載の排ガス浄化触媒。
(4)前記白金族金属および前記卑金属が、共含浸担持法または逐次担持法により担持されている、(1)〜(3)のいずれか一項に記載の排ガス浄化触媒。
(5)前記リン酸アルミニウムが、トリディマイト型結晶構造を有する、(1)〜(4)のいずれか一項に記載の排ガス浄化触媒。
(6)リン酸アルミニウム焼成体上に、
Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Ptからなる群から選択される少なくとも1種の白金族金属、およびCr、Mn、Fe、Co、Ni、Cuからなる群から選択される少なくとも1種の卑金属を担持させる工程を含んでなる、排ガス用浄化触媒の製造方法。
(7)前記白金族金属がPtであり、前記卑金属がFeである、(6)に記載の排ガス浄化用触媒の製造方法。
(8)担体に対する前記白金族金属の担持量が、0.0001wt%〜2.0wt%であり、そして担体に対する前記卑金属の担持量が、0.0001wt%〜2.0wt%である、(6)または(7)に記載の排ガス浄化触媒の製造方法。
(9)前記白金族金属および前記卑金属を担持させる工程が、共含浸担持法または逐次担持法である、(6)〜(8)のいずれか一項に記載の排ガス浄化触媒の製造方法。
(10)pHが3.5〜4.5になるように調整した水溶液から得たリン酸アルミニウムを1000℃〜1200℃の温度で2時間以上焼成してリン酸アルミニウム焼成体を得る工程により、前記リン酸アルミニウムを提供することをさらに含む、(6)〜(9)のいずれか一項に記載の排ガス浄化触媒の製造方法。
本発明に係る排ガス浄化触媒は、排ガス浄化触媒中に含まれる貴金属の量を減らし、ならびにエンジンから排出される熱に対する耐熱性、および硫黄などの耐被毒性に優れた性能を活かしつつ、低温で非常にすぐれた触媒活性を発現できるものである。
図1は、各ガス種である、CO((a)、(c))、NO((b)、(d))、HC((c)、(e))を使用した、製造後エージング処理前((a)〜(c))、およびエージング処理後((d)〜(f))での、実施例1、2、および比較例1〜3に係るサンプルのT50(℃)をPt担持量に対してプロットしたグラフである。 図2は、エージング処理後の、実施例1に係るサンプル(0.66wt%Ptと1.0wt%Feとを共含浸担持したAlPO:下段)、および比較例3に係るサンプル(0.66wt%Ptを含浸担持したAlPO:上段)のXRDデータを示す図である。 図3は、エージング処理後の、実施例1に係るサンプル(0.66wt%Ptと1.0wt%Feとを共含浸担持したAlPO:(a))、および比較例3に係るサンプル(0.66wt%Ptを含浸担持したAlPO:(b))のHAADF−STEMの画像データ(直接倍率20万倍)を示す図である。
なお、本明細書中において、無機物の化合物の名称、または(下記に例示するような)含有される金属の比を用いた表記により、これらの組成を有するように生成させても、不純物などを含めて現実的に生成してしまう組成をも含むものとする。したがって、無機物の化合物の名称または含有される金属の比を用いた表記により、例えば、無機化合物の構造中において、例えば、酸素、水素、窒素などの元素が、化学式中±1原子数以下で過剰または過少に存在している組成の無機化合物、すなわち、例えば、リン酸アルミニウムの場合、AlPO中で、例えば酸素の数が±1の場合のAlPO〜AlPOをも含み、またAl/Pの比率が1±約0.3のものも含み、さらに化合物中に表記されていない水素を不純物として有するものなどをも含むものである。
本発明に係るリン酸アルミニウム焼成体は、トリディマイト型結晶構造、バーリナイト型結晶構造、クリストバライト型結晶構造、またはアモルファスからなる群から選択された1種以上を含むものである。
その中でも、耐熱性の観点から、トリディマイト型結晶を主成分として含むことができる。
本発明に係るリン酸アルミニウム焼成体としては、公知の方法により得られたリン酸アルミニウム焼成体を、特に制限なく用いることができる。
リン酸アルミニウム焼成体の製造方法は特に限定されず、中和法などの公知の方法を採用することができる。例えば、Al含有化合物の水溶液中に、Alに対するPのモル比がほぼ当量になるようにリン酸水溶液を加え、さらにアンモニア水を加えてpHを調整して得られた沈殿物を分離して乾燥後、上記の焼成温度で焼成する方法が挙げられる。Al含有化合物としては、例えば、水酸化物、硝酸化物等金属塩が挙げられ、具体的には、Al(OH)、Al(NO等が挙げられる。
上記のアルミニウム塩とリン酸を含む混合溶液において用いられる溶媒としては、アルミニウム含有化合物とリン酸を溶解させることができる任意の溶媒、例えば、水などの水性溶媒や有機溶媒等を使用することができる。
そして本発明に係るリン酸アルミニウム焼成体が、トリディマイト型結晶構造を有する場合には、例えば、
(a)所定のpHのリン酸アルミニウム水溶液から得たリン酸アルミニウムを所定の温度で所定の時間焼成する方法、
(b)リン酸アルミニウム焼成体を製造するに際して、アルミニウムイオンに対して、リン酸イオンを過剰量加えて、未反応のリン酸イオンを生成物中に残留させる方法、
(c)リン酸アルミニウム焼成体の製造原料中に、所望の細孔径を生成できる直径を有するオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂、フェノール系樹脂等の熱可塑性樹脂などの発泡剤を混合させて、焼成工程で発泡剤を焼失させる方法など、広範な方法により得られたものを用いることができる。
ここで、上記(a)における、リン酸アルミニウム生成時の水溶液pH、焼成温度、焼成時間は、トリディマイト型結晶構造に悪影響を与えなければ、特に制限無く、それぞれ約3.0〜約10.0、約1000℃〜1200℃、約1時間〜約10時間の範囲内などの通常使用される条件を使用できる。
本発明に係る浄化触媒は、上記リン酸アルミニウム焼成体に、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)からなる群から選択される少なくとも1種の白金族金属を担持させて成るものである。担持の形態については、特に制限なく、上に白金族金属がおおよそ一様に担持されていればよい。
担持される白金族金属ナノ粒子の粒径は、特に制約されないが、例えば、約0.5nm以上、約1nm以上、約2nm以上、約3nm以上、約4nm以上であることができ、約10nm以下、約9nm以下、約8nm以下、約7nm以下、約6nm以下であることができる。
白金族金属のリン酸アルミニウム焼成体に対する量は、約0.0001wt%以上、約0.001wt%以上、約0.01wt%以上、約0.1wt%以上、約0.2wt%以上、約0.3wt%以上、約0.4wt%以上、約0.5wt%以上、約0.6wt%以上、約0.7wt%以上、約0.8wt%以上、約0.9wt%以上、約1wt%以上であることができ、約3wt%以下、約2.5wt%以下、約2.3wt%以下、約2.0wt%以下、約1.9wt%以下、約1.8wt%以下、約1.7wt%以下、約1.6wt%以下、約1.5wt%以下、約1.4wt%以下、約1.3wt%以下、約1.2wt%以下、約1.1wt%以下であることができる。
本発明に係る浄化触媒は、上記リン酸アルミニウム焼成体に、さらにクロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)からなる群から選択される少なくとも1種の卑金属を担持させて成るものである。担持の形態については、特に制限なく、上に卑金属がおおよそ一様に担持されていればよい。
担持される卑金属ナノ粒子の粒径は、特に制約されないが、例えば、約0.5nm以上、約1nm以上、約2nm以上、約3nm以上、約4nm以上であることができ、約10nm以下、約9nm以下、約8nm以下、約7nm以下、約6nm以下であることができる。
卑金属のリン酸アルミニウム焼成体に対する量は、約0.0001wt%以上、約0.001wt%以上、約0.01wt%以上、約0.1wt%以上、約0.2wt%以上、約0.3wt%以上、約0.4wt%以上、約0.5wt%以上、約0.6wt%以上、約0.7wt%以上、約0.8wt%以上、約0.9wt%以上、約1wt%以上であることができ、約3wt%以下、約2.5wt%以下、約2.3wt%以下、約2.0wt%以下、約1.9wt%以下、約1.8wt%以下、約1.7wt%以下、約1.6wt%以下、約1.5wt%以下、約1.4wt%以下、約1.3wt%以下、約1.2wt%以下、約1.1wt%以下であることができる。
白金族金属ナノ粒子および/または卑金属ナノ粒子をリン酸アルミニウム焼成体に担持させる方法としては、特に制限なく、含浸担持法、白金族ナノ粒子と卑金属ナノ粒子とを同時に担体に担持させる共含浸担持法、白金族ナノ粒子と卑金属ナノ粒子とのいずれかを先にして順次担持させる逐次担持法、表面析出法等、一般的な方法を用いることができる。
これらの中でも、共含浸担持法、逐次担持法を用いると、高温下で、白金族ナノ粒子と卑金属ナノ粒子との合金化を促進でき、好ましい。
白金族金属ナノ粒子および/または卑金属ナノ粒子の粒径を揃えるために、所望の粒径の白金族金属および/または卑金属ナノ粒子を提供できる、約1nm、約2nm、約3nm、約4nmなどの白金族金属のコロイドおよび卑金属コロイドを用いることもできる。他の白金族金属および/または卑金属ナノ粒子源、例えば、酢酸白金族金属および/または卑金属化合物、硝酸白金族金属および/または卑金属化合物、塩化白金族金属および/または卑金属化合物、これらから合成した白金族金属および/または卑金属ナノ粒子を用いてもよい。ただし、リン酸アルミニウムは、強酸に易溶であるため、硝酸イオン、塩化物イオン等を含まないことが好ましい。
本発明に係る触媒は、下記実施例1,2および図1のグラフに示されているように、0.66wt%のPtと1.0wt%のFeとを共含浸法により担持したAlPO触媒および0.66wt%のPtと1.0wt%のFeとを逐次含浸法により担持したAlPO触媒のT50(℃)は、エージング処理前および後の両方で、いずれのガス種においても小さな値を示している。
これに対し、下記比較例3および図1のグラフに示されるように、0.66wt%または1.0wt%のPtを含浸法により担持したAlPO触媒のT50(℃)は、エージング処理前は、いずれのガス種においても小さな値を示すものの、エージング処理後は、すべてのガス種において、上限の600℃を超えてしまっている。
このPtを含浸法により担持したAlPO触媒のエージング前後の性能差の原因を解析するために、XRDによる触媒の材料解析およびHAADF−STEMによる観察を行った。すると、0.66wt%のPtと1.0wt%のFeとを共含浸法により担持したAlPO触媒(実施例1)上のPt粒子は、エージング処理後でも微細な状態(結晶粒子径12nm)で保持されていた(図2:下段および図3(a))が、一方、0.66wt%のPtを含浸法により担持したAlPO触媒(比較例3)上のPtは粒成長(結晶粒子径56nm)を起こしてしまっていた(図2:上段および図3(b))。
上記XRDによる触媒の材料解析およびHAADF−STEMによる観察の結果から、何らかの理論に拘束されることを望まないが、このように、PtFe担持AlPO触媒において、エージング処理後活性が低下し難い理由は、Ptの粒成長が抑えられているためと考えることができる。
そして、下記実施例1、2、比較例1〜3および図1に示すように、Pt担持AlPO触媒は、エージング処理後失活してしまうが(比較例3)、Feを添加すると触媒の劣化がかなり抑えられ(実施例1,2)、そして実施例1のサンプルの活性はPtが2倍量担持されたPt担持La−Al触媒(比較例2)よりも高かった。一方、Feの添加効果は担体がLa−Al触媒の場合、発現しなかった(比較例1)。こうしたことから、触媒の劣化抑制効果は、Pt、Fe、AlPOの3種の組み合わせにより、発現することが判明した。
さらにPtFe担持AlPO触媒について、共含浸法と逐次担持法の違いによる比較を行ったところ(実施例1,2)、共含浸法で調製した触媒の方が高い活性を示すことがわかった。
以上から考察すると、何らかの理論に拘束されることを望まないが、エージング処理によって、AlとFeとの複合金属リン酸塩が生成している可能性、およびPtFe合金が形成されている可能性があるものと考えることができる。そして、さらに何らかの理論に拘束されることを望まないが、PtとFeとが合金を形成し、その合金中のFeとAlとが複合金属リン酸塩を形成してPtが固定されることにより、PtFe担持AlPOにおけるPtの粒成長が抑制されていると考えることができる。
そして、こうした抑制作用により、本発明に係る排ガス触媒は、従来のPt担持AlPO触媒と比較して、エージング処理後であっても良好な触媒活性を維持できるものと考えることができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(製造例1:共含浸担持法)
硝酸アルミニウム9水和物(製造メーカー:和光純薬工業(株))をイオン交換水に溶解させ、このアルミニウム水溶液に85wt%リン酸を加えた。これに対し28wt%アンモニア水を滴下し、pHが3.5〜4.5になるように調整して12時間室温で攪拌した。この時点で溶液は白濁していた。
この白濁液を遠心分離器で沈殿と上澄みに分離し、沈殿をイオン交換水で2回精製した。これを120℃で12時間乾燥した。乾燥物を解砕して、1100℃で5時間焼成した。放冷後、焼成物を解砕しリン酸アルミニウム焼成体の粉末を得た。
一方、PtおよびFe粒子の担持は含侵法により行った。Pt源としてジニトロアミンPt、Fe源として酢酸Feを用いた。Pt粒子の担持量は担体に対し、0.66wt%となるようにし、Fe粒子の担持量は、担体に対し1.0wt%となるように混合した液体を用いた。上記リン酸アルミニウム焼成体の粉末をイオン交換水に分散し、これに上記Pt源およびFe源を含む液体を加えた。攪拌しながら120〜150℃に昇温し溶媒を蒸発させた。得られた乾燥物を解砕して500℃で2時間焼成した。放冷後、焼成物を解砕し触媒粉末を得た(実施例1)。
(製造例2:逐次担持法)
上記硝酸Fe水溶液を用いた含浸担持によって、Fe触媒を調製後、次に上記ジニトロアミンPtを用いた含浸担持によって、PtFe担持触媒を得たことを除き、(製造例1)と同様の手順で、触媒粉末を得た(実施例2)。
(実施例3)
Feの代わりに、Mnを用いたことを除き、(製造例1)と同様の手順で、触媒粉末を得た。
(比較例1)
リン酸アルミニウムの代わりに、La添加Al(La−Al)を用いてPtFe触媒を得た以外は、(製造例1)と同様の手順で、触媒粉末を得た。
(比較例2)
担体に対するPt粒子の担持量を0.66wt%および1.33wt%の2種とし、リン酸アルミニウムの代わりにLa添加Al(La−Al)を用い、Feを担持させなかったことを除き、(製造例1)と同様の手順で、触媒粉末を得た。
(比較例3)
担体に対するPt粒子の担持量を0.66wt%および1.33wt%の2種とし、Feを担持させなかったことを除き、(製造例1)と同様の手順で、触媒粉末を得た。
(触媒評価法)
触媒粉末を2tの圧力を加えて圧縮成形した後、これを粉砕し直径2.5mm程度のペレットに圧縮成形したものを評価サンプルとした。これをリッチ/リーンの切り替え可能なガス流通式恒温炉に入れ、ガス雰囲気を周期的に変えながら1000℃、5時間の熱処理を施した(エージング処理)。
ガス浄化能測定にはガス流通式の触媒評価装置を用いた。触媒量は2gとした。モデルガスとして、体積で、CO:0.65%、C:3000ppmC、NO:1500ppm、O:0.7%、HO:3%、CO:10%、N:残余のモデルガスを用い、流速を15リットル/分と設定した。SVは約300000時間−1であった。触媒通過後のガス組成を、赤外分光計(メーカー名:(株)堀場製作所、型番:MEXA−6000FT)を用いて測定した。
(結果)
実施例1、2および比較例3で得られたリン酸アルミニウム焼成体の粉末をX線回折計器(メーカー名:(株)リガク、型番:RINT)で測定したところ、トリディマイト型結晶構造を有するリン酸アルミニウム焼成体の生成が確認された。
図1に触媒特性評価結果を示す。T50(℃)とは、NO,CO、HC、それぞれのガス種の量が、触媒通過後に触媒通過前の50体積%になる温度をいう。
図1のグラフに示されているように、0.66wt%のPtと1.0wt%のFeとを共含浸法により担持したAlPO触媒(実施例1:図1中□)および0.66wt%のPtと1.0wt%のFeとを逐次含浸法により担持したAlPO触媒(実施例2:図1中×)のT50(℃)は、それぞれのガス種について、エージング処理前のCO、NO、HCのいずれにおいても小さな値を示し(図1中(a)〜(c))、さらにエージング処理後のCO、NO、HCのいずれにおいても、小さな値を示した(図1中(d)〜(f))。
これに対し、0.66wt%または1.33wt%のPtを含浸法により担持したAlPO触媒(比較例3:図1中■)のT50(℃)は、それぞれのガス種について、エージング処理前は、CO、NO、HCのすべてのガス種において良好な小さな値を示した(図1中(a)〜(c))ものの、エージング処理後は、CO、NO、HCのすべてのガス種において、上限の600℃を超えてしまった(図1中(d)〜(f))。
実施例1に係るサンプル(0.66wt%Ptと1.0wt%Feとを共含浸担持したAlPO)、および比較例3に係るサンプル(0.66wt%Ptを含浸担持したAlPO)について、エージング処理後にXRD(メーカー名:(株)リガク、型番:RINT)を用いて粒径を測定した。すると、実施例1に係る白金では、結晶子系が12nm(図2中下段)であるにも関わらず、比較例3に係る白金では、結晶子径が56nmにまで成長してしまっている(図2中上段)ことが判明した。
さらにこれらのサンプルについて、HAADF−STEMによる観察を行った。そうすると、XRDの測定結果と整合して、比較例3に係るサンプル(図3の(b))では、実施例1に係るサンプル(図3の(a))より、Ptの結晶子径が遙かに成長してしまっていたことが判明した。
また、実施例1の触媒(図1中□)は、Ptが約2倍量担持されたPt担持La含有Al(比較例2:図1中右側の●)よりも、高い活性を示した(図1)。一方、Feの添加効果は担体がLa−Alの場合では発現しなかった(比較例1:図1中○)。したがって、劣化抑制効果は、Pt、Fe、AlPOの3種の組み合わせにより、発現することが判明した。
PtFe担持AlPOについて、共含浸法(実施例1)と逐次担持法(実施例2)の違いによる比較を行ったところ、共含浸法で調製した触媒の方が高い活性を示すことがわかった。
さらに、PtとMnとの共含浸担持AlPOについて検討した。T50の値の低下の大きさはFeを用いた実施例1に及ばなかったものの、良好な触媒の劣化抑制効果を奏した(実施例3:図1中△)。
上記のように、本発明の態様に係るPtなどの白金族金属とFeなどの卑金属との共担持AlPO触媒(実施例1〜3)は、卑金属を担持させていないか、担体がAlPO触媒でない触媒(比較例1〜3)と比較して、エージング処理後も良好な触媒活性を維持できることが示された。そして、本発明の態様に係る触媒と従来の触媒との性能差には、Ptなどの白金族金属、Feなどの卑金属、AlPOの3種の組み合わせ、および担持方法などが、大きく影響することが明らかになった。
以上のように、本発明に係る排ガス浄化触媒は、低湿度条件下であっても、3元触媒として良好な性能を有するものである。こうしたことから、本発明に係る酸化触媒の用途は、排ガス浄化触媒に限られず、広い分野において様々な用途に利用することができる。

Claims (6)

  1. リン酸アルミニウム焼成体上に、
    Ru、Pd、Os、Ptからなる群から選択される少なくとも1種の白金族金属、およびMn、Feからなる群から選択される少なくとも1種の卑金属を担持し、
    前記リン酸アルミニウムが、トリディマイト型結晶構造を有し、
    前記白金族金属および前記卑金属が、共含浸担持法または逐次担持法により担持されている、排ガス浄化用触媒。
  2. 前記白金族金属がPtであり、前記卑金属がFeである、請求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
  3. 担体に対する前記白金族金属の担持量が、0.0001wt%〜2.0wt%であり、そして担体に対する前記卑金属の担持量が、0.0001wt%〜2.0wt%である、請求項1または2に記載の排ガス浄化触媒。
  4. リン酸アルミニウム焼成体上に、
    Ru、Pd、Os、Ptからなる群から選択される少なくとも1種の白金族金属、およびMn、Feからなる群から選択される少なくとも1種の卑金属を担持させる工程を含み、
    pHが3.5〜4.5になるように調整した水溶液から得たリン酸アルミニウムを1000℃〜1200℃の温度で2時間以上焼成してリン酸アルミニウム焼成体を得る工程により、前記リン酸アルミニウムを提供することをさらに含み、
    前記白金族金属および前記卑金属を担持させる工程が、共含浸担持法または逐次担持法である、排ガス用浄化触媒の製造方法。
  5. 前記白金族金属がPtであり、前記卑金属がFeである、請求項に記載の排ガス浄化用触媒の製造方法。
  6. 担体に対する前記白金族金属の担持量が、0.0001wt%〜2.0wt%であり、そして担体に対する前記卑金属の担持量が、0.0001wt%〜2.0wt%である、請求項またはに記載の排ガス浄化触媒の製造方法。
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