JP5920195B2 - 排気ガス浄化用触媒およびその製造方法 - Google Patents

排気ガス浄化用触媒およびその製造方法 Download PDF

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本発明は排気ガス浄化用触媒及びその製造方法に関し、さらに特に、排気ガス浄化用白金族金属および卑金属担持リン酸アルミニウム触媒、例えば、自動車等の内燃機関から排出される排ガスに含まれる有害成分を浄化する白金族金属および卑金属担持リン酸アルミニウム触媒、およびその製造方法に関する。
近年、地球環境保護の観点から、排ガス規制が世界的に年々強化されている。
この対応策として、内燃機関においては、排ガス浄化用触媒が用いられる。この排ガス浄化用触媒において、排ガス中のハイドロカーボン(以下、HCと略記することもある。)、COおよび窒素酸化物を効率的に浄化するために、触媒成分としてPt、Pd、Rh等の白金族元素などを含め種々の触媒が使用されている。
特許文献1は、トリディマイト型結晶構造を有し、BET比表面積が50〜150m/gである耐熱性AlPO化合物と、該AlPO化合物に担持されているPt、Pd及びRhからなる群から選択される少なくとも1種の貴金属成分とからなることを特徴とする排気ガス浄化用触媒(特許文献1の請求項1)を記載する。
国際公開第2009−142180A1号パンフレット
排ガス浄化触媒中に含まれる貴金属の量を減らすこと、ならびにエンジンから排出される熱、および燃料に含まれる硫黄成分などによって劣化しにくい排ガス浄化触媒が求められている。
しかし、従来技術に示される排ガス浄化用触媒は、硫黄被毒、すなわち燃料中の硫黄酸化物等による触媒の被毒により触媒活性が大きく低下していた。また、シンタリング、すなわち触媒の活性点である貴金属の粒成長によっても、活性が大きく低下しており、活性を高めるために改善の余地があった。
本発明者らは、鋭意努力した結果、トリディマイト型結晶構造を有するAlPOを担体とした白金族金属を担持する触媒において、昇温脱離法により測定した担体の酸量に対する塩基量の割合を一定範囲に制御し、さらに担体塩基点のCO脱離ピーク温度を一定温度以上にすることによって、上記2つの課題を一度に解決することができ、非常に優れた結果を得ることができることを見いだした。
本発明の態様は、以下のようである。
(1)トリディマイト型リン酸アルミニウム焼成体の担体上に、Pt、Rh、Pdからなる群から選択される少なくとも1種の白金族金属を担持してなる、排ガス浄化用触媒であって、昇温脱離法により測定した前記担体の酸量に対する塩基量の割合xが、0.5%≦x≦1.0%、かつ前記担体の塩基点からのCO(プローブガス)脱離ピーク温度が600℃以上である、排ガス浄化用触媒。
(2)前記白金族金属がPdである、(1)に記載の排ガス浄化用触媒。
(3)pHが3.5〜4.5になるように調整した水溶液から得たリン酸アルミニウムを1000℃〜1200℃の温度で2時間以上焼成してリン酸アルミニウム焼成体を得る工程と、
前記リン酸アルミニウム焼成体の担体上に、Pt、Rh、Pdからなる群から選択される少なくとも1種の白金族金属を担持させる工程と、
を含んでなる、排ガス用浄化触媒の製造方法であって、昇温脱離法により測定した前記担体の酸量に対する塩基量の割合xが、0.5%≦x≦1.0%、かつ前記担体の塩基点からのCO(プローブガス)脱離ピーク温度が600℃以上である、排ガス浄化用触媒の製造方法。
(4)前記白金族金属がPdである、(3)に記載の排ガス浄化触媒の製造方法。
本発明に係る排ガス浄化触媒は、排ガス浄化用触媒の熱耐久による活性点の粒成長の問題と、白金族触媒の硫黄被毒の問題とを同時に解決することによって、触媒の活性低下を抑制し、熱耐久処理・硫黄被毒処理後であっても、非常にすぐれた触媒活性を発現できるだけでなく、従来の触媒よりもさらなる高活性を示すことができるものである。
図1は、実施例1のサンプルについて、温度に対し酸量、および塩基量を測定した結果を示すグラフである。 図2は、各担体上における酸点および塩基点の様子を示すイメージ図である。 図3は、塩基量・塩基強度および酸量・酸強度の測定パターンを示すグラフである。 図4は、触媒の熱耐久・硫黄被毒処理のパターンを示すグラフである。 図5は、触媒の活性評価の測定パターンを示すグラフである。 図6は、触媒の活性評価のイメージ図である。
なお、本明細書中において、無機物の化合物の名称、または(下記に例示するような)含有される金属の比を用いた表記により、これらの組成を有するように生成させても、不純物などを含めて現実的に生成してしまう組成をも含むものとする。したがって、無機物の化合物の名称または含有される金属の比を用いた表記により、例えば、無機化合物の構造中において、例えば、酸素、水素、窒素などの元素が、化学式中±1原子数以下で過剰または過少に存在している組成の無機化合物、すなわち、例えば、リン酸アルミニウムの場合、AlPO中で、例えば酸素の数が±1の場合のAlPO〜AlPOをも含み、またAl/Pの比率が1±約0.3のものも含み、さらに化合物中に表記されていない水素を不純物として有するものなどをも含むものである。
本発明に係るリン酸アルミニウム焼成体は、トリディマイト型結晶構造を有するものである。ただし、トリディマイト型結晶構造の他に、バーリナイト型結晶構造、クリストバライト型結晶構造、またはアモルファスを含むこともできる。
本発明に係るリン酸アルミニウム焼成体としては、公知の方法により得られたリン酸アルミニウム焼成体を、特に制限なく用いることができる。
そして本発明に係る浄化触媒の担体は、一定範囲の酸量に対する塩基量の割合を有するものである。昇温脱離法により測定したこの担体の酸量に対する塩基量の割合xは、約0.40%以上、約0.45%以上、約0.50%以上、約0.55%以上、約0.60%以上、約1.15%以下、約1.10%以下、約1.05%以下、約1.00%以下、約0.95%以下、約0.90%以下、約0.85%以下であることができる。
下記で説明するように、SOxによる被毒および熱による活性点のシンタリングを抑制する点から、xは、約0.50以上、約1.0%以下であることが好ましい。
さらに本発明に係る浄化触媒の担体は、担体の塩基点からのCO(プローブガス)脱離ピーク温度が一定の値以上であるものである。この担体の塩基点からのCO(プローブガス)脱離ピーク温度は、約550℃以上、約580℃以上、約590℃以上、約600℃以上、約605℃以上、約610℃以上、約615℃以上、約620℃以上、約630℃以上、約640℃以上、約1200℃以下であることできる。
下記で説明するように、600℃近辺で顕著となるSOx被毒による触媒の活性低下を防止する点から、この担体の塩基点からのCO(プローブガス)脱離ピーク温度は、約600℃以上であることが好ましい。
リン酸アルミニウム焼成体の製造方法は特に限定されず、中和法などの公知の方法を採用することができる。例えば、Al含有化合物の水溶液中に、Alに対するPのモル比がほぼ当量になるようにリン酸水溶液を加え、さらにアンモニア水を加えてpHを調整して得られた沈殿物を分離して乾燥後、上記の焼成温度で焼成する方法が挙げられる。Al含有化合物としては、例えば、水酸化物、硝酸化物等金属塩が挙げられ、具体的には、Al(OH)、Al(NO等が挙げられる。
上記のアルミニウム塩とリン酸を含む混合溶液において用いられる溶媒としては、アルミニウム含有化合物とリン酸を溶解させることができる任意の溶媒、例えば、水などの水性溶媒や有機溶媒等を使用することができる。
そして本発明に係るリン酸アルミニウム焼成体は、トリディマイト型結晶構造を有し、例えば、
(a)所定のpHのリン酸アルミニウム水溶液から得たリン酸アルミニウムを所定の温度で所定の時間焼成する方法、
(b)リン酸アルミニウム焼成体を製造するに際して、アルミニウムイオンに対して、リン酸イオンを過剰量加えて、未反応のリン酸イオンを生成物中に残留させる方法、
(c)リン酸アルミニウム焼成体の製造原料中に、所望の細孔径を生成できる直径を有するオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂、フェノール系樹脂等の熱可塑性樹脂などの発泡剤を混合させて、焼成工程で発泡剤を焼失させる方法など、広範な方法により得られたものを用いることができる。
ここで、上記(a)における、リン酸アルミニウム生成時の水溶液pH、焼成温度、焼成時間は、トリディマイト型結晶構造に悪影響を与えなければ、特に制限無く、それぞれ約3.0〜約10.0、約1000℃〜1200℃、約1時間〜約10時間の範囲内などの通常使用される条件を使用できる。
本発明に係る浄化触媒は、上記リン酸アルミニウム焼成体に、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)からなる群から選択される少なくとも1種の白金族金属を担持させて成るものである。担持の形態については、特に制限なく、焼成体上に白金族金属がおおよそ一様に担持されていればよい。
担持される白金族金属ナノ粒子の粒径は、約0.40nm以上、約0.50nm以上、約0.60nm以上、約0.70nm以上、約0.80nm以上、約0.90nm以上、約1.0nm以上であることができ、約2.2nm以下、約2.1nm以下、約2.0nm以下、約1.9nm以下、約1.8nm以下、約1.7nm以下、約1.6nm以下、約1.5nm以下、約1.4nm以下、約1.3nm以下、約1.2nm以下、約1.1nm以下であることができる。
白金族金属のリン酸アルミニウム焼成体に対する量は、約0.0001wt%以上、約0.001wt%以上、約0.01wt%以上、約0.1wt%以上、約0.20wt%以上、約0.30wt%以上であることができ、約2.0wt%以下、約1.9wt%以下、約1.8wt%以下、約1.7wt%以下、約1.6wt%以下、約1.5wt%以下、約1.4wt%以下、約1.3wt%以下、約1.2wt%以下、約1.1wt%以下、約1.0wt%以下、約0.90wt%以下、約0.80wt%以下、約0.70wt%以下、約0.60wt%以下、約0.50wt%以下、約0.40wt%以下であることができる。
担持の形態については、特に制限なく、焼成体の担体上に白金族金属がおおよそ一様に担持されていればよい。
白金族金属ナノ粒子をリン酸アルミニウム焼成体に担持させる方法としては、リン酸アルミニウム焼成体に悪影響を与えなければ、特に制限なく、含浸担持法、表面析出法等、一般的な方法を用いることができる。
白金族金属ナノ粒子の粒径を揃えるために、所望の粒径の白金族金属の粒子を提供できる白金族金属のコロイドを用いることもできる。他の白金族金属源、例えば酢酸白金族金属化合物、硝酸白金族金属化合物、塩化白金族金属化合物、これらから合成した白金族金属ナノ粒子を用いてもよい。ただし、リン酸アルミニウムは、強酸に易溶であるため、硝酸イオン、塩化物イオン等を含まないことが好ましい。
本発明に係る触媒では、下記実施例1〜3に示すように、リン酸アルミニウム中の酸量に対する塩基量の割合xが、0.5%≦x≦1.0%にあること、および担体の塩基点からのCO脱離ピーク温度が、600℃以上であることにより、白金族金属、特にPd粒子を含浸法により担持したAlPO触媒では、熱耐久処理・SO等による硫黄被毒処理後でも、600℃でNOxなどの排ガスに対して60%以上もの浄化能であって、40%以下の浄化率しか示さない従来触媒(比較例1〜7)よりも遙かにすぐれた浄化能を有することが判明した。
ここで酸量に対する塩基量の割合xとは、例えば実施例1における酸・塩基量は、図1に示す実線のグラフのように約200℃近辺において、最大値を示し、温度がそれより高いか低くなるにつれて共に少なくなるが、酸量の塩基量に対する比率は、左軸および右軸から算出されるように、約0.8となっているものである。さらに図1の右側にピークのある幅広線に示されているように、担体の塩基点からのCO脱離ピーク温度が約600℃以上であるものである。
何らかの理論に拘束されることを望まないが、担体であるリン酸アルミニウム担体上において、塩基量が少なく酸量が多いと酸性のSOxの担体への吸着を抑制でき、一方、塩基量が多く酸量が少ないと、活性点、すなわち担持された白金族金属ナノ粒子と担体との相互作用が強まって、熱耐久による活性点の粒成長を抑制することができると考えられる。
また、担体に吸着したSOxは、排ガス温度が上昇するか、またはリッチ雰囲気になると、活性点上に移動し、硫黄被毒した触媒は600℃付近で活性低下が顕著となることから、担体の塩基点で約600℃までSOxを吸着保持できると、硫黄被毒による活性点の失活を防げると考えられる。
下記比較例1に示すゼオライトは、塩基点に対し酸点が充分に多い(図2(b))ため、燃料中の硫黄化合物(SOx)が担体に付着し難いと考えられる。しかし、塩基点の強度が弱い、すなわちCO脱離温度が低いことからSOx吸着力が弱く、担体に吸着したSOxが、排ガスの雰囲気のリッチへの変動や温度上昇等によって、活性点に移動して活性点を被毒して活性を低下させていると考えられる。さらに、ゼオライトは、担体自体の耐熱性が低く、熱による担体の収縮により、活性点が凝集してしまい活性が大きく低下すると考えられる。
下記比較例2に示すSiOは、塩基点に対し酸点が充分に多い(図2中(c))ため、燃料中の硫黄化合物(SOx)が担体に付着し難く、そして塩基点の強度も強い(CO脱離温度が高い)ので、活性点の硫黄被毒も大幅に抑制されると考えられる。しかし、担体の酸性度が大きすぎるために、担体と活性点の相互作用が小さくなって、熱耐久により活性点が移動・凝集してしまい活性が低下すると考えられる。
下記比較例3に示すAlは、塩基点を多く有する(図2中(d))ことから、担体と活性点との相互作用が大きく、熱耐久による活性点の粒成長を抑制できている反面、SOxの吸着が促進されるため、硫黄被毒を受けやすくなっていると考えられる。
これらの材質に対し、本発明に係る、実施例1〜3に示すリン酸アルミニウム担体は、0.5%≦x≦1.0%と、多量の酸点に加え、微量の強塩基点を有する(図2(a))ことによる硫黄化合物の担体への付着しにくさと、担体と活性点との相互作用の大きさのバランスが取れていることが、硫黄被毒抑制と活性点の粒成長抑制に好都合であるだけでなく、担体の塩基点で約600℃までSOxを吸着保持すること(図1)により、SOxの移動による硫黄被毒および活性低下を抑制できるという優れた特性を有するものである。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<合成例1:AlPOの合成>
工程1−1:室温下で、ビーカーにイオン交換水50mlを加え、撹拌子を入れ、撹拌した。
工程1−2:0.1molの硝酸アルミニウム9水和物(ナカライテスク製)を秤量し、上記イオン交換水に加え、撹拌しながら溶解させた。
工程1−3:別のビーカーに85wt%のリン酸(ナカライテスク製)をリン酸量換算で0.1mol秤量し、工程1−2の水に加え、攪拌速度300回転/分で撹拌を続けた(ビーカーに残ったリン酸は、イオン交換水を用いて、混合液のビーカーに加えた)。
工程1−4:混合液のビーカーに、28wt%アンモニア水(ナカライテスク製)を、ピペットを用いて少量ずつ滴下し、pHが4.3となるように調整した。
工程1−5:混合液のビーカーに蓋をして12時間室温で撹拌した。
工程1−6:混合液を遠心分離機(3000回転/分、10分間)にかけ、沈殿物と上澄みに分けた。
工程1−7:沈殿物にイオン交換水を適量加え、もう一度遠心分離機にかけた(洗浄工程)。
工程1−8:沈殿物を120℃の乾燥機で12時間乾燥させた。
工程1−9:乾燥物を乳鉢に入れ、乳棒を使って解砕し、粉末状にした。
工程1−10:粉末を電気炉中1100℃で5時間焼成し、約12gの粉末を得た。
<製造例1:Pd担持体の製造>
工程2−1:室温下で、AlPO4粉末を6g秤量し、イオン交換水30mlと撹拌子を入れたビーカーに入れ、撹拌した。
工程2−2:Pd粒子の粒径0.7nmの硝酸パラジウム水溶液を、Pd担持量が0.50wt%となるよう秤量し、工程2−1のビーカーに加え、撹拌した。
工程2−3:工程2−2のビーカーを加熱撹拌し、水分がなくなるまで蒸発乾固させた。
工程2−4:工程2−3の乾固物を120℃の乾燥機中で12時間乾燥させた。
工程2−5:乾燥物を乳鉢に入れ、乳棒を使って解砕し、粉末状にした。
工程2−6:この担持粉末を電気炉中500℃で3時間焼成した。
工程2−7:焼成後の粉末をペレット状に成型した。
(実施例1)
上記<合成例1>および<製造例1>の手順により、粒径2.0nmのPd担持AlPO4触媒を得た。
(実施例2、3)
工程1−4において、pHが、それぞれ、4.0、10.0になるように調整したことを除き、(実施例1)と同様の手順で、触媒粉末(実施例2、実施例3)を得た。
(比較例1〜3)
担体として、それぞれ、フェリエライト型ゼオライト(東ソー製、SiO:Al=質量比で、18:1、品番:HSZ−700シリーズ720KOA)、SiO ナノテックシリカ(シーアイ化成製)、Al ナノテックアルミナ(シーアイ化成製)を用いたことを除き、(実施例1)と同様の手順で、触媒粉末(比較例1〜3)を得た。
(比較例4〜5)
工程1−3において、それぞれ、攪拌子の回転速度を100回転/分、500回転/分としたことを除き、(実施例1)と同様の手順で、触媒粉末(比較例4、比較例5)を得た。
(比較例6〜7)
工程1−10において、それぞれ、焼成温度を1000℃、1300℃としたことを除き、(実施例1)と同様の手順で、触媒粉末(比較例6,比較例7)を得た。
<XPSによる光電子エネルギーおよび結晶構造の測定>
試料水平型強力X線回析装置 RINT−TTRIII(メーカー名:(株)リガク)を用いてX線を照射し、生じる光電子のエネルギーを測定し、さらに結晶構造を観察した。
<白金族金属ナノ粒子の粒径の測定>
白金族金属ナノ粒子の粒径は、試料水平型強力X線回析装置 RINT−TTRIII(メーカー名:(株)リガク)を用いて測定した。
結晶子径の算出には2θ=40.0〜40.2°付近をPdのピークとして使用した。
(触媒評価法)
触媒粉末を2tの圧力を加えて圧縮成形した後、これを粉砕し直径1.0mm程度のペレットに圧縮成形したものを評価サンプルとした。
<塩基量・塩基強度測定(CO昇温脱離法)>
図3に示す以下の工程3−1〜工程3−7に従って、触媒用吸着脱離ガス分析装置(型番:RE−202、メーカー名:日本真空技術株式会社)により、測定した。
サンプル量は各1.0gとし、ガス流量は100cc/分とした。
工程3−1:室温から500℃まで30℃/分の昇温速度で15分掛けて、サンプルの温度を昇温しながら、Heを流した。
工程3−2:サンプルを500℃で10分間保持しながら、Heを流した。
工程3−3:500℃から100℃まで、20℃/分の降温速度で、20分掛けて、サンプルの温度を昇温しながら、Heを流した。
工程3−4:サンプルを100℃で5分間保持しながら、Heを流した。
工程3−5:サンプルを100℃で15分間保持しながら、sccm比、すなわち体積比で、90:10のHe:COを流した。
工程3−6:サンプルを100℃で90分間保持しながら、Heを流した。
工程3−7:100℃から800℃まで、20℃/分の昇温速度で35分掛けて、サンプルの温度を昇温しながら、Heを流した。
<酸量・酸強度測定(NH昇温脱離法)>
工程3−5において、He:COの代わりに、sccmの比、すなわち体積比で、90:10のHe:NHを流した以外は、<塩基量・塩基強度測定(CO昇温脱離法)>と同様の手順により行った。
<熱耐久処理・硫黄被毒処理>
工程4−1:白金属金属を担持したペレット1.0gを、アルミナ製反応管に入れた。次に、図4に示すように、以下の工程4−2〜工程4−6により触媒に熱耐久・硫黄被毒処理を行った。なお、工程4−2〜工程4−5において、ガス流量はいずれも5リットル/分である。
工程4−2:反応管内の温度を、電気炉で室温から1000℃まで、5℃/分の昇温速度で180分間加熱しながら、反応管内に100体積%のNを流した。
工程4−3:反応管内の温度を1000℃に保ったまま、300分間の間、3体積%のCO(残余N)のガスと、5体積%のO(残余N)のガスとを2分間隔で交互に流通させた。
工程4−4:反応管内の温度を、3℃/分の速度で400℃まで200分間降温しながら、反応管内に100体積%のNを流した。
工程4−5:反応管内の温度を400℃に保ったまま、90分間の間、体積でNO:0.1%、CO:0.65%、C:0.1%、CO:10%、O:0.725%、HO:3%、SO:0.05%、N:残余のガスを流した。
工程4−6:自然放冷により室温まで冷却した。
<触媒の活性評価>
熱耐久処理・硫黄被毒処理後の触媒の活性評価を、図5に示す以下の工程5−1〜工程5−5に従って、ガス流通式の触媒評価装置を用いて浄化率を測定することにより行った。
サンプル量は、各3.0gとした。
工程5−1:室温から150℃まで20℃/分の昇温速度で、サンプルの温度を昇温させた。
工程5−2:サンプルを150℃で5分間保持した。
工程5−3:150℃から600℃まで20℃/分の昇温速度で、サンプルの温度を昇温させた。
工程5−4:サンプルの温度を600℃保持しながら、評価ガスとして、体積で、CO:0.65%、C:3000ppmC、NO:1500ppm、O:0.7%、HO:3%、CO:10%、N:残余のモデルガスを、ガス流量15L/分、SV約300,000時間−1で、3分間流して、浄化率を測定した。
浄化率測定は、図6に示すように、評価ガスをサンプルに通過させた後のガス組成を、赤外分光計(メーカー名:(株)堀場製作所、型番:MEXA−6000FT)を用いて測定し、この測定値から下記の式により浄化率を算出した。
浄化率(%)=(触媒の入りガス濃度(体積%)−触媒の出ガス濃度(体積%))/触媒の入りガス濃度(体積%)×100
工程5−5:自然放冷により室温まで冷却した。
(結果)
実施例1〜3および比較例1〜7で得られた、担体ごとの、酸量に対する塩基量の割合(%)、塩基点からのCO脱離ピーク温度(℃)、熱耐久・硫黄比被毒後の600℃でのNOx浄化率(%)を表1に示す。
酸量に対する塩基量の割合は、両者の検量線と、ピーク面積から算出した。
Figure 0005920195
酸量に対する塩基量の割合xが、0.8%(実施例1)、0.5%(実施例2)、1.0%(実施例3)であり、かつ塩基点からのCO脱離ピーク温度が、640℃、620℃、650℃である本発明に係る触媒では、600℃でのNOについて熱耐久・硫黄被毒処理後でも、驚いたことに、浄化率がそれぞれ65%、58%、60%と、従来の浄化率18%〜40(比較例1〜7)に比べて、格段の性能を示した。
比較例1のゼオライトは、塩基点に対し酸点が充分に多いことから、燃料中の硫黄化合物(SOx)が担体に付着し難いと考えられるものの、塩基点からのCO離脱ピーク温度が170℃、340℃と低いことから、塩基点の強度が弱いようであることが判明した。
さらに、熱耐久・硫黄被毒後の600℃におけるNOx浄化率が18%と低いのは、ゼオライト担体自体の耐熱性が低く、熱による担体の収縮により、活性点が凝集してしまって活性が大きく低下してしまったことによると考えられる。
比較例2のSiOは、塩基点に対し酸点が充分に多いことから、燃料中の硫黄化合物(SOx)が担体に付着し難いと考えられ、塩基点からのCO離脱ピーク温度も680℃であることから、塩基点の強度も強いと考えられる。
しかし、担体の酸性度が大きすぎるために、担体と活性点の相互作用が小さくなって、熱耐久により活性点が移動・凝集して、熱耐久・硫黄被毒後の600℃におけるNOx浄化率が35%と低下してしまったと考えられる。
比較例3のAlは、塩基点を多く有することから、担体と活性点との相互作用が大きいと考えられる。しかし、この塩基点の多さにより酸性のSOxの吸着が促進されて硫黄被毒により、熱耐久・硫黄被毒後の600℃におけるNOx浄化率が30%と低下してしまったと考えられる。
また、トリディマイト型結晶を有するリン酸アルミニウムを用いても、酸量に対する塩基量の割合xが1.0%を超えた、1.2%(比較例5)、2.0%(比較例7)では、xが大きくなる程、熱耐久・硫黄被毒後の600℃におけるNOx浄化率が40%(比較例5)、18%(比較例7)とより低下してしまうことが判明した。
さらに、リン酸アルミニウム担体の焼成条件が、1000℃だと、アモルファス構造のリン酸アルミニウムが生成する。アモルファス構造のリン酸アルミニウムは、白金属金属を担持する際に担持薬液の酸成分によって構造が壊れるため、担体上に白金属金属がうまく担持されず、熱耐久後にシンタリングすると考えられ、xが0.8%であっても、熱耐久・硫黄被毒後の600℃におけるNOx浄化率が24%(比較例6)と低下してしまうことが判明した。
上記のように、本発明の態様に係る触媒と、比較例および従来の触媒との性能差には、アモルファスを含まないトリディマイト型リン酸アルミニウム焼成体であること、昇温脱離法により測定した前記担体の酸量に対する塩基量の割合xが、0.5%≦x≦1.0%であること、および前記担体の塩基点からのCO(プローブガス)脱離ピーク温度が600℃以上であることが、大きく影響することが明らかになった。
以上のように、本発明に係る排ガス浄化触媒は、熱耐久処理・硫黄被毒処理後であっても、排ガス浄化触媒として良好な性能を有するものである。こうしたことから、本発明に係る酸化触媒の用途は、排ガス浄化触媒に限られず、広い分野において様々な用途に利用することができる。

Claims (4)

  1. トリディマイト型リン酸アルミニウム焼成体の担体上に、Pt、Rh、Pdからなる群から選択される少なくとも1種の白金族金属を担持してなる、排ガス浄化用触媒であって、昇温脱離法により測定した前記担体の酸量に対する塩基量の割合xが、0.5%≦x≦1.0%、かつ前記担体の塩基点からのCO(プローブガス)脱離ピーク温度が600℃以上である、排ガス浄化用触媒。
  2. 前記白金族金属がPdである、請求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
  3. pHが3.5〜10.0になるように調整した水溶液から得たリン酸アルミニウムを100℃〜1200℃の温度で2時間以上焼成してリン酸アルミニウム焼成体を得る工程と、
    前記リン酸アルミニウム焼成体の担体上に、Pt、Rh、Pdからなる群から選択される少なくとも1種の白金族金属を担持させる工程と、
    を含んでなる、請求項1に記載の排ガス浄化用触媒の製造方法。
  4. 前記白金族金属がPdである、請求項3に記載の排ガス浄化触媒の製造方法。
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