JPWO2016052530A1 - 内燃機関の動弁機構 - Google Patents
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Abstract
Description
本実施の形態に係る動弁機構を備える内燃機関10は、自動二輪車に搭載されるSOHC型2バルブの単気筒4ストローク内燃機関であり、車体(図示せず)に対してクランクシャフト12を車体幅方向に指向させ、気筒を若干前傾させて起立した姿勢で車体に懸架される。
なお、本明細書の説明において、前後左右の向きは、本実施の形態に係る自動二輪車の直進方向を前方とする通常の基準に従うものとする。
図中、矢印FRは車両前方を、LHは車両左方を、RHは車両右方を、RRは車両後方をそれぞれ示す。
内燃機関10のクランクシャフト12を回転自在に軸支するクランクケース11は、クランクシャフト12の後方に配設されるメインシャフト13とカウンタシャフト14の間に変速歯車機構15が構成されており、カウンタシャフト14は出力軸である。
クランクケース11の上に重ねられるシリンダブロック16,シリンダヘッド17,シリンダヘッドカバー18は、クランクケース11から若干前傾した姿勢で上方に延出している(図1参照)。
シリンダヘッド17には、天井面にシリンダボア16bの中心軸線であるシリンダ軸線Cyに関して互いに反対位置に1つずつ吸気弁口23と排気弁口24が燃焼室22に臨んで開口されるとともに、吸気弁口23と排気弁口24から各々吸気ポート23pと排気ポート24pが互いに離れる方向に湾曲しながら延出して形成されている。
この1本のロッカアームシャフト41に吸気ロッカアーム43と排気ロッカアーム44が、互いに隣接して揺動自在に軸支されている。
なお、図中、カムロブ32は、散点模様が施されている。
図2および図4を参照して、吸気ロッカアーム43は、中間の揺動軸支部43a、バルブ側アーム部43vおよびカム側アーム部43cからなり、バルブ側アーム部43vは、揺動軸支部43aから後方に向かって、シリンダ軸線Cyの後方に位置する吸気バルブ25の上端に向けて延出し、他方、カム側アーム部43cは、揺動軸支部43aから前方に延出し、排気ロッカアーム44側に屈曲部43e(図4)で屈曲して、カムシャフト31の軸方向で排気ロッカアーム44側に偏った位置にあるカムロブ32のカム周面に向かって延びている。
なお、吸気側ローラ43rの左側面と排気側ローラ44rの左側面は、カムロブ32の左側面と略同一面上にある。
吸気ロッカアーム43と排気ロッカアーム44をともに揺動させるカムシャフト31のカムロブ32の左側面に、図2、図3および図4に示されるようにデコンプ部材51が設けられており、排気ロッカアーム44のカム側アーム部44cのローラ44rを支持する左側のローラ軸受部44ccには、デコンプ部材51と同じカムシャフト軸方向位置にあって、カムシャフト31に向けて突出したデコンプカム被接触部である突起部44pが形成されている。
そして、図6に示されるように、デコンプ部材51は、全体がカムロブ32のカムプロファイルの内側であって、さらにカムロブ32のベース円Bcの径方向内側にある。
支軸52を中心に揺動するデコンプ部材51は、中央当接面51wcと先端当接面51wsがカムシャフト31の軸部に当接することにより揺動範囲が規制される。
図6の実線で示すデコンプ部材51が、中央当接面51wcがカムシャフト31の軸部に当接したときの状態を示している。
図6の2点鎖線で示すデコンプ部材51が、先端当接面51wsがカムシャフト31の軸部に当接したときの状態を示している。
カムシャフト31の回転による遠心力が小さく、デコンプ部材51がトーションスプリング55の付勢力によりデコンプウエイト部51wの中央当接面51wcをカムシャフト31の軸部に当接しているとき、すなわちデコンプ部材51が図6において実線で示す状態にあるとき、径方向外側に突出したデコンプカム部51cは、カムロブ32の略ベース円Bcに接する位置にあって、カムロブ32とともに回転するデコンプ部材51の径方向外側に突出したデコンプカム部51cのみが、排気ロッカアーム44のカム側アーム部44cのカムロブ32の左側面に沿ってベース円Bcより若干内側に突出した突起部44pに摺接する。
図6を参照して、径方向外側に突出したデコンプカム部51cにおける排気ロッカアーム44の突起部44pに摺接して作用する図6に太線で示すデコンプカム面Scは、カムロブ32に対して次のような相対位置にある。同デコンプカム面Scの任意の点Pのデコンプ部材51の揺動中心(支軸52)周りでの揺動軌跡を円弧Rsとし、一方、デコンプ部材51がトーションスプリング55の付勢力の下でデコンプウエイト部51wの中央当接面51wcをカムシャフト31の軸部に当接している停止位置における前記任意の点Pの回転方向近傍範囲で、同任意の点Pを通る、カムシャフト31の回転中心(カム軸線Cx)周りの仮想円の円弧を円弧Rrとした場合、円弧Rsが円弧Rrの径方向内側になるように、デコンプカム面Scのカムロブ32に対する相対位置が決められている。
デコンプカム部51cのデコンプカム面Scが径方向内側に没したときは、図6に2点鎖線で示すように、排気ロッカアーム44の突起部44pはデコンプカム面Scに接することがなく、排気ロッカアーム44を揺動させることがない。
一方、カムシャフト31の回転による遠心力が大きくなって、デコンプ部材51が、トーションスプリング55の付勢力に抗して図6で時計回りに支軸52周りに回動すると、デコンプカム面Sc上の点Pのデコンプ部材51の揺動中心(支軸52)周りでの揺動軌跡である円弧Rsが、デコンプカム面Sc上の点Pのカムシャフト回転中心(カム軸線Cx)周りの仮想円である前記円弧Rrより径方向内側の軌跡をとることで、デコンプカム面Scは径方向内側に没し、デコンプカム面Scが排気ロッカアーム44の突起部44pに接することがなく、デコンプ作用は起きない。
図8は、吸気側ローラ43rと排気側ローラ44rが、ともに左側のローラ軸受部43cc,44ccにより片持ち支持された別の実施の形態を示す。
なお、排気側ローラ44rを支持する左側のローラ軸受部44ccには、デコンプ部材51のデコンプカム部51cが接触する突起部44pが形成されている。
なお、各機器の左右の配置は、説明の便宜上、図示のものに特定して記載したが、上記実施形態に示すものと左右逆となる配置のものであってもよく、本発明に含まれる。
10…内燃機関、11…クランクケース、12…クランクシャフト、13…メインシャフト、14…カウンタシャフト、15…変速歯車機構、16…シリンダブロック、17…シリンダヘッド、18…シリンダヘッドカバー、20…ピストン、21…コンロッド、22…燃焼室、23…吸気弁口、24…排気弁口、25…吸気バルブ、26…排気バルブ、
30…動弁機構、31…カムシャフト、32…カムロブ、33…、34…カムチェーンスプロケット、35…カムチェーン、41…ロッカアームシャフト、
43…吸気ロッカアーム、43v…バルブ側アーム部、43t…調整ネジ、43c…カム側アーム部、43e…屈曲部、43cc…ローラ軸受部、43r…吸気側ローラ、
44…排気ロッカアーム、44v…バルブ側アーム部、44e…屈曲部、44t…調整ネジ、44c…カム側アーム部、44cc…ローラ軸受部、44p…突起部、44r…排気側ローラ、
50…デコンプ機構、51…デコンプ部材、51a…基端部、51w…デコンプウエイト部、51c…デコンプカム部、52…支軸、55…トーションスプリング。
Claims (8)
- シリンダヘッド(17)上に設けられ、カムロブ(32)を有する1本のカムシャフト(31)と、カムロブ(32)の作用を受けて揺動し、それぞれ吸気バルブ(25)と排気バルブ(26)を作動して燃焼室(22)に臨む吸気ポート(23p)の開口と排気ポート(24p)の開口をそれぞれ所定のタイミングで開閉する吸気ロッカアーム(43)と排気ロッカアーム(44)とを備える、SOHC型内燃機関の動弁機構において、
前記吸気ロッカアーム(43)と前記排気ロッカアーム(44)は、前記カムシャフト(31)のカム軸線(Cx)方向視で部分的に重なるとともに、内燃機関のシリンダ軸線(Cy)方向視で交差するように重なり、前記カムシャフト(31)に形成された前記カムロブ(32)が単体に統合されていることを特徴とする内燃機関の動弁機構。 - 前記吸気ロッカアーム(43)と前記排気ロッカアーム(44)は、前記吸気バルブ(25)と前記排気バルブ(26)の間に配設された共通のロッカアームシャフト(41)に、それぞれの揺動軸支部(43a,44a)において揺動自在に軸支され、
それぞれの揺動軸支部(43a,44a)から相反する側に前記カムロブ(32)に接するカム側アーム部(43c,44c)と前記吸気バルブ(25)および前記排気バルブ(26)に作用するバルブ側アーム部(43v,44v)とが延出していることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の動弁機構。 - 前記吸気ロッカアーム(43)と前記排気ロッカアーム(44)のうち一方のロッカアーム(43)のカム側アーム部(43c)は、前記ロッカアームシャフト(41)の軸方向で他方のロッカアーム(44)側に屈曲して、該カム側アーム部(43c)の先端接触部(43r)が他方のロッカアーム(44)の揺動軸支部(44a)と同じ軸方向位置に偏移することを特徴とする請求項2記載の内燃機関の動弁機構。
- 前記吸気ロッカアーム(43)と前記排気ロッカアーム(44)のうち一方のロッカアーム(44)のバルブ側アーム部(44v)は、前記ロッカアームシャフト(41)の軸方向で他方のロッカアーム(43)側に屈曲して、該バルブ側アーム部(44v)の先端作用部(44t)が他方のロッカアーム(43)の揺動軸支部(43a)と同じ軸方向位置に偏移することを特徴とする請求項2記載の内燃機関の動弁機構。
- 前記吸気ロッカアーム(43)と前記排気ロッカアーム(44)のうち一方のロッカアーム(43)のカム側アーム部(43c)は、前記ロッカアームシャフト(41)の軸方向で他方のロッカアーム(44)側に屈曲して、該カム側アーム部(43c)の先端接触部(43r)が他方のロッカアーム(44)の揺動軸支部(44a)と同じ軸方向位置に偏移し、
他方のロッカアーム(44)のバルブ側アーム部(44v)は、前記軸方向で一方のロッカアーム(43)側に屈曲して、該バルブ側アーム部(44v)の先端作用部(44t)が一方のロッカアーム(43)の揺動軸支部(43a)と同じ軸方向位置に偏移することを特徴とする請求項2記載の内燃機関の動弁機構。 - 前記一方のロッカアーム(43)のカム側アーム部(43c)の屈曲部(43e)と前記他方のロッカアーム(44)のバルブ側アーム部(44v)の屈曲部(44e)は、互いに隣接することを特徴とする請求項5記載の内燃機関の動弁機構。
- 前記吸気ロッカアーム(43)と前記排気ロッカアーム(44)の前記カムロブ(32)に接する各カム側アーム部(43c,44c)の先端接触部(43r,44r)は、回転自在に軸支されたローラ(43r,44r)であることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項記載の内燃機関の動弁機構。
- 前記ローラ(43r,44r)は、片持ち支持されることを特徴とする請求項7記載の内燃機関の動弁機構。
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