JPWO2016052530A1 - 内燃機関の動弁機構 - Google Patents

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Abstract

SOHC型の内燃機関10の動弁機構30において、吸気弁を開閉する吸気ロッカアーム43と排気弁を開閉する排気ロッカアーム44は、カムシャフト31のカム軸線Cx方向視で部分的に重なるとともに、内燃機関のシリンダ軸線Cy方向視で交差するように重なり、カムシャフト31に形成された共通のカムロブ32により作動される。そして、カムロブ32は単体に統合されている。これにより、カムシャフト31のカムロブ32周辺を軸方向に小さく抑えられ、内燃機関が小型化される。

Description

本発明は、内燃機関の動弁機構に関する。
シリンダヘッド上に設けられる1本のカムシャフトが設けられた動弁機構を備えたSOHC型の内燃機関は、同カムシャフトの回転により揺動する吸気ロッカアームと排気ロッカアームが、それぞれ吸気バルブと排気バルブを作動して燃焼室に臨む吸気ポートの開口と排気ポートの開口をそれぞれ所定のタイミングで開閉する。
吸気ロッカアームと排気ロッカアームは、互いの干渉を避けてカムシャフトの軸方向にオフセットしており、したがって、吸気ロッカアームと排気ロッカアームを揺動するカムシャフトは、それぞれ軸方向に離れて設けられた吸気用カムロブと排気用カムロブを有しているのが、一般的である(例えば、特許文献1参照)。
日本国特開平7−109906号公報
特許文献1に開示されたSOHC型の内燃機関は、共通のロッカアームシャフトに吸気ロッカアームと排気ロッカアームが揺動自在に軸支され、カムシャフトのカム軸線方向視で揺動軸支部が互いに重なっており、各揺動軸支部からそれぞれ両側にカムシャフトに垂直な方向にカム側アーム部とバルブ側アーム部が直線的に延出していて、吸気ロッカアームと排気ロッカアームは、カムシャフトに垂直で互いに平行に配設されている。
互いに平行な吸気ロッカアームと排気ロッカアームの各揺動軸支部から延出したカム側アーム部が、カムシャフトの軸方向に離れて設けられた吸気用カムロブと排気用カムロブにそれぞれと接する。
このように、カムシャフトの吸気用カムロブと排気用カムロブがカムシャフトの軸方向に離間して設けられることで、カムシャフトのカムロブ周辺が軸方向に拡がっており、内燃機関の小型化を妨げている。
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、カムシャフトのカムロブ周辺を軸方向に小さく抑え、内燃機関の小型化を図ることができる内燃機関の動弁機構を供する点にある。
上記目的を達成するために、本発明は、シリンダヘッド上に設けられ、カムロブを有する1本のカムシャフトと、カムロブの作用を受けて揺動し、それぞれ吸気バルブと排気バルブを作動して燃焼室に臨む吸気ポートの開口と排気ポートの開口をそれぞれ所定のタイミングで開閉する吸気ロッカアームと排気ロッカアームとを備える、SOHC型内燃機関の動弁機構において、前記吸気ロッカアームと前記排気ロッカアームは、前記カムシャフトのカム軸線方向視で部分的に重なるとともに、内燃機関のシリンダ軸線方向視で交差するように重なり、前記カムシャフトに形成された前記カムロブが単体に統合されていることを特徴とする内燃機関の動弁機構を提供する。
本発明の好適な実施形態においては、前記吸気ロッカアームと前記排気ロッカアームは、前記吸気バルブと前記排気バルブの間に配設された共通のロッカアームシャフトに、それぞれの揺動軸支部において揺動自在に軸支され、それぞれの揺動軸支部から相反する側に、前記カムロブに接するカム側アーム部と前記吸気バルブおよび前記排気バルブに作用するバルブ側アーム部とが延出する。
本発明の好適な実施形態においては、前記吸気ロッカアームと前記排気ロッカアームのうち一方のロッカアームのカム側アーム部は、前記ロッカアームシャフトの軸方向で他方のロッカアーム側に屈曲して、該カム側アーム部の先端接触部が他方のロッカアームの揺動軸支部と同じ軸方向位置に偏移している。
本発明の好適な実施形態においては、前記吸気ロッカアームと前記排気ロッカアームのうち一方のロッカアームのバルブ側アーム部は、前記ロッカアームシャフトの軸方向で他方のロッカアーム側に屈曲して、該バルブ側アーム部の先端作用部が他方のロッカアームの揺動軸支部と同じ軸方向位置に偏移している。
本発明の好適な実施形態によれば、前記吸気ロッカアームと前記排気ロッカアームのうち一方のロッカアームのカム側アーム部は、前記ロッカアームシャフトの軸方向で他方のロッカアーム側に屈曲して、該カム側アーム部の先端接触部が他方のロッカアームの揺動軸支部と同じ軸方向位置に偏移し、他方のロッカアームのバルブ側アーム部は、前記軸方向で一方のロッカアーム側に屈曲して、該バルブ側アーム部の先端作用部が一方のロッカアームの揺動軸支部と同じ軸方向位置に偏移している。
本発明の好適な実施形態によれば、前記一方のロッカアームのカム側アーム部の屈曲部と前記他方のロッカアームのバルブ側アーム部の屈曲部は、互いに隣接する。
典型的には、前記吸気ロッカアームと前記排気ロッカアームの前記カムロブに接する各カム側アーム部の先端接触部は、回転自在に軸支されたローラである。
前記ローラは、片持ち支持されるようにしてもよい。
本発明の内燃機関の動弁機構によれば、SOHC型内燃機関の動弁機構において、吸気ロッカアームと排気ロッカアームは、カムシャフトのカム軸線方向視で部分的に重なるとともに、シリンダ軸線方向視で交差するように重なり、カムシャフトに形成された共通のカムロブにより作動されるので、カムシャフトにはカムロブが1つ形成され、吸気ロッカアームと排気ロッカアームがシリンダ軸線方向視で交差するように重なって双方が1つの共通のカムロブに接する構成で、カムシャフトのカムロブ周辺を軸方向に小さく抑え、内燃機関の小型化を図ることができる。
吸気ロッカアームと排気ロッカアームは、吸気バルブと排気バルブの間に配設された共通のロッカアームシャフトに揺動自在に軸支され、それぞれ揺動軸支部から相反する側に前記カムロブに接するカム側アーム部と前記吸気バルブまたは前記排気バルブに作用するバルブ側アーム部とが延びているようにすることにより、吸気ロッカアームと排気ロッカアームはロッカアームシャフトを共通にすることで、部品点数を減らし、ロッカアームシャフトの周辺を小さく抑えてシリンダヘッドを小型にし、内燃機関の小型化を図ることができる。
吸気ロッカアームと排気ロッカアームのうち一方のロッカアームのカム側アーム部が、軸方向で他方のロッカアーム側に屈曲して、該カム側アーム部の先端接触部が他方のロッカアームの揺動軸支部と同じ軸方向位置に偏移していることで、吸気ロッカアームと排気ロッカアームの各カム側アーム部の先端接触部を軸方向で略同じ位置にすることができ、よって共通のカムロブの軸方向幅を狭くし、動弁機構のカムシャフトのカムロブ周辺を軸方向に小さく抑えてコンパクトに構成し、シリンダヘッドをより一層小型化することができる。
吸気ロッカアームと排気ロッカアームのうち一方のロッカアームのバルブ側アーム部が、軸方向で他方のロッカアーム側に屈曲して、該バルブ側アーム部の先端作用部が他方のロッカアームの揺動軸支部と同じ軸方向位置に偏移していることで、吸気ロッカアームと排気ロッカアームの各バルブ側アーム部の先端作用部を軸方向で略同じ位置にすることができ、よって吸気バルブと排気バルブを軸方向で略同じ位置として狭い軸方向幅内に収めて、動弁機構をコンパクトに構成してシリンダヘッドをより一層小型化することができる。
また、吸気ロッカアームと排気ロッカアームのうち一方のロッカアームのカム側アーム部が、軸方向で他方のロッカアーム側に屈曲して、該カム側アーム部の先端接触部が他方のロッカアームの揺動軸支部と同じ軸方向位置に偏移していることで、吸気ロッカアームと排気ロッカアームの各カム側アーム部の先端接触部を軸方向で略同じ位置にし、共通のカムロブの軸方向幅を狭くして、動弁機構のカムシャフトのカムロブ周辺を軸方向に小さく抑えてコンパクトに構成することができ、かつ他方のロッカアームのバルブ側アーム部は、軸方向で一方のロッカアーム側に屈曲して、該バルブ側アーム部の先端作用部が一方のロッカアームの揺動軸支部と同じ軸方向位置に偏移していることで、吸気ロッカアームと排気ロッカアームの各バルブ側アーム部の先端作用部を軸方向で略同じ位置にすることができる。よって、吸気バルブと排気バルブを軸方向で略同じ位置として狭い軸方向幅内に収めることで、動弁機構全体をコンパクトに構成してシリンダヘッドをより一層小型化することができ、内燃機関の一層の小型化を図ることができる。
一方のロッカアームのカム側アーム部の屈曲部と前記他方のロッカアームのバルブ側アーム部の屈曲部は、互いに隣接することにより、吸気ロッカアームと排気ロッカアームは、各屈曲部を1つ処に集約することで、よりコンパクトに構成され、益々シリンダヘッドの小型化を図ることができる。
吸気ロッカアームと排気ロッカアームのカムロブに接する各カム側アーム部の先端接触部は、回転自在に軸支されたローラであるので、カブロブとの接触による摺動抵抗を下げることができる。
ローラが、片持ち支持される場合は、一方のローラ軸受部を省略でき、吸気ロッカアームと排気ロッカアームの軸方向幅を小さく抑えることができ、動弁機構の小型化を図ることができる。
本発明の一実施の形態に係る動弁機構を備える内燃機関の一部断面とした左側面図である。 図1のシリンダヘッドおよび動弁機構の拡大断面図である。 図2のIII−III矢視断面図である。 シリンダヘッドおよび動弁機構の上面図である。 シリンダヘッドおよびロッカアーム等を省略した動弁機構の上面図である。 軸方向から視たカムシャフト周辺の拡大図である。 デコンプ実行時のシリンダヘッドおよび動弁機構の断面図である。 別の実施の形態に係る動弁機構およびシリンダヘッドの上面図である。
以下、本発明に係る一実施の形態について図1ないし図7に基づいて説明する。
本実施の形態に係る動弁機構を備える内燃機関10は、自動二輪車に搭載されるSOHC型2バルブの単気筒4ストローク内燃機関であり、車体(図示せず)に対してクランクシャフト12を車体幅方向に指向させ、気筒を若干前傾させて起立した姿勢で車体に懸架される。
なお、本明細書の説明において、前後左右の向きは、本実施の形態に係る自動二輪車の直進方向を前方とする通常の基準に従うものとする。
図中、矢印FRは車両前方を、LHは車両左方を、RHは車両右方を、RRは車両後方をそれぞれ示す。
図1は、本発明を適用した一実施の形態に係る動弁機構を備える内燃機関10の一部断面とした左側面図である。
内燃機関10のクランクシャフト12を回転自在に軸支するクランクケース11は、クランクシャフト12の後方に配設されるメインシャフト13とカウンタシャフト14の間に変速歯車機構15が構成されており、カウンタシャフト14は出力軸である。
クランクケース11の上には、1本のシリンダボア16bが形成されたシリンダブロック16と、シリンダブロック16の上にガスケットを介してシリンダヘッド17が重ねられ、シリンダブロック16とシリンダヘッド17は一体に締結され、シリンダヘッド17の上方をシリンダヘッドカバー18が覆っている。
クランクケース11の上に重ねられるシリンダブロック16,シリンダヘッド17,シリンダヘッドカバー18は、クランクケース11から若干前傾した姿勢で上方に延出している(図1参照)。
シリンダブロック16のシリンダボア16bにピストン20が往復摺動自在に嵌合され、ピストン20のピストンピン20pとクランクシャフト12のクランクピン12pとの間をコンロッド21が連接してクランク機構を構成している。
シリンダブロック16のシリンダボア16b内を摺動するピストン20の頂面と同頂面が対向するシリンダヘッド17の天井面との間に燃焼室22が構成される。
シリンダヘッド17には、天井面にシリンダボア16bの中心軸線であるシリンダ軸線Cyに関して互いに反対位置に1つずつ吸気弁口23と排気弁口24が燃焼室22に臨んで開口されるとともに、吸気弁口23と排気弁口24から各々吸気ポート23pと排気ポート24pが互いに離れる方向に湾曲しながら延出して形成されている。
図2を参照して、シリンダヘッド17に一体に嵌着された弁ガイド25g,26gにそれぞれ摺動可能に支持される吸気バルブ25と排気バルブ26は、シリンダ軸線Cyに関して略対称に、燃焼室22に向かって斜めに設けられて、吸気ポート23pと排気ポート24pが燃焼室22に臨む吸気弁口23と排気弁口24をそれぞれ開閉する。
吸気バルブ25および排気バルブ26は、燃焼室22に臨む吸気弁口23と排気弁口24を閉じるように、弁ばね25s,26sにより上方に付勢されており、シリンダヘッド17の上に設けられる動弁機構30により駆動されて、吸気ポート23pの吸気弁口23および排気ポート24pの排気弁口24をクランクシャフト12の回転に同期して開閉する。
動弁機構30は、シリンダヘッド17の上に1本のカムシャフト31が左右方向に指向して軸支されたSOHC型内燃機関の動弁機構であり、図3に示されるように、カムシャフト31は、左右をベアリング33L,33Rにより回転自在に軸支されて架設され、カムシャフト31の左右ベアリング33L,33Rの間でシリンダ軸線Cyより左側に所定のカムプロファイルを備えたカムロブ32が拡径して1つ形成されている。
カムシャフト31の左側のベアリング33Lを貫通した左端部には、カムチェーンスプロケット34が嵌着され、同カムチェーンスプロケット34とクランクシャフト12に嵌着された図示されないカムチェーンスプロケットとの間にカムチェーン35が架渡され、クランクシャフト12の回転を半分の回転速度でカムシャフト31に伝達する。
このカムシャフト31の上方に1本のロッカアームシャフト41が平行に両端を軸受部42R,42Lに支持されて架設されている。
この1本のロッカアームシャフト41に吸気ロッカアーム43と排気ロッカアーム44が、互いに隣接して揺動自在に軸支されている。
図3に示されるように、吸気ロッカアーム43の左側に排気ロッカアーム44が配置され、排気ロッカアーム44の下方にカムシャフト31の1つのカムロブ32が位置している。すなわち、カムロブ32は、カムシャフト31のカム軸線Cxの軸方向位置(左右方向位置)が排気ロッカアーム44側に偏っている。
なお、図中、カムロブ32は、散点模様が施されている。
吸気ロッカアーム43と排気ロッカアーム44は、共通のロッカアームシャフト41に中間部を軸支される。
図2および図4を参照して、吸気ロッカアーム43は、中間の揺動軸支部43a、バルブ側アーム部43vおよびカム側アーム部43cからなり、バルブ側アーム部43vは、揺動軸支部43aから後方に向かって、シリンダ軸線Cyの後方に位置する吸気バルブ25の上端に向けて延出し、他方、カム側アーム部43cは、揺動軸支部43aから前方に延出し、排気ロッカアーム44側に屈曲部43e(図4)で屈曲して、カムシャフト31の軸方向で排気ロッカアーム44側に偏った位置にあるカムロブ32のカム周面に向かって延びている。
同様に、図2および図4を参照して、排気ロッカアーム44は、中間の揺動軸支部44a、バルブ側アーム部44vおよびカム側アーム部44cからなり、カム側アーム部44cは、揺動軸支部44aから後方に向かって、カムシャフト31の軸方向で排気ロッカアーム44側に偏った位置にあるカムロブ32のカム周面に向けて延出し、他方、揺動軸支部44aから前方に延出するバルブ側アーム部44vは、吸気ロッカアーム43側に屈曲部44e(図4)で屈曲してシリンダ軸線Cyの前方に位置する排気バルブ26の上端に向かって延びている。
したがって、吸気ロッカアーム43と排気ロッカアーム44は、カム軸線Cxの指向する方向に視たカム軸線方向視(図2)で(またはロッカアームシャフト41の軸線方向視で)、中間の揺動軸支部43a,44aが重なるとともに、シリンダ軸線Cyの指向する方向に視たシリンダ軸線方向視(図4)で吸気ロッカアーム43のカム側アーム部43cと排気ロッカアーム44のバルブ側アーム部44vが交差するように重なる。
そして、吸気ロッカアーム43は、バルブ側アーム部43vの先端に螺着された調整ネジ43tが弁ばね25sにより上方に付勢された吸気バルブ25のバルブステムの上端に接し、カム側アーム部43cの先端の二股に分岐した一対のローラ軸受部43cc,43ccに支軸43raを介して吸気側ローラ43rが回転自在に軸支されており、このローラ43rがカムシャフト31のカムロブ32のカム周面に転がり接触する。
他方、排気ロッカアーム44は、バルブ側アーム部44vの先端に螺着された調整ネジ44tが弁ばね26sにより上方に付勢された排気バルブ26のバルブステムの上端に接し、カム側アーム部44cの先端の二股に分岐した一対のローラ軸受部44cc,44ccに支軸44raを介して排気側ローラ44rが回転自在に軸支されており、このローラ44rがカムシャフト31のカムロブ32のカム周面に転がり接触する。
図4を参照して、吸気ロッカアーム43のカム側アーム部43cは、カム軸線Cx方向で排気ロッカアーム44側(左側)に屈曲して、カム側アーム部43cの先端接触部である吸気側ローラ43rが排気ロッカアーム44の揺動軸支部44aと同じカム軸線方向位置に偏移している。
図4および図5に示されるように、吸気ロッカアーム43のカム側アーム部43cの先端の吸気側ローラ43rと排気ロッカアーム44のカム側アーム部44cの先端の排気側ローラ44rとは、カムシャフト31の軸線方向位置が同じであり、カムシャフト31の1つのカムロブ32とも軸方向位置を同じくして、共通のカムロブ32のカム周面に転がり接触している。すなわち、吸気ロッカアーム43と排気ロッカアーム44に作用するために、従来、離れて設けられたカムロブは単体に統合されたカムロブ32となっている。
なお、吸気側ローラ43rの左側面と排気側ローラ44rの左側面は、カムロブ32の左側面と略同一面上にある。
また、排気ロッカアーム44のバルブ側アーム部44vは、カム軸線方向で吸気ロッカアーム43側(右側)に屈曲して、バルブ側アーム部44vの先端作用部である調整ネジ44tが吸気ロッカアーム43の揺動軸支部43aと同じ軸方向位置に偏移している。
図2および図4に示されるように、吸気ロッカアーム43のカム側アーム部43cの屈曲部43eと排気ロッカアーム44のバルブ側アーム部44vの屈曲部44eは、互いに隣接している。
以上のように、本動弁機構30は構成されており、クランクシャフト12に同期してカムシャフト31が回転すると、共通のカムシャフト31の共通のカムロブ32に転がり接触する一方のカム側アーム部43c,44cの先端のローラ43r,44rを介して吸気ロッカアーム43と排気ロッカアーム44がそれぞれ所定のタイミングで揺動し、揺動する他方のバルブ側アーム部43v,44vの先端の調整ねじ43t,44tが吸気バルブ25と排気バルブ26を作動して燃焼室22に臨む吸気ポート23pの吸気弁口23と排気ポート24pの排気弁口24をそれぞれ所定のタイミングで開閉する。
本内燃機関10は、動弁機構30にデコンプ機構50(図6)が設けられている。
吸気ロッカアーム43と排気ロッカアーム44をともに揺動させるカムシャフト31のカムロブ32の左側面に、図2、図3および図4に示されるようにデコンプ部材51が設けられており、排気ロッカアーム44のカム側アーム部44cのローラ44rを支持する左側のローラ軸受部44ccには、デコンプ部材51と同じカムシャフト軸方向位置にあって、カムシャフト31に向けて突出したデコンプカム被接触部である突起部44pが形成されている。
図6に示されるように、カム側アーム部44cの突起部44pは、排気側ローラ44rがカムロブ32のベース円Bcに接しているときに、カムロブ32の左側面に沿ってベース円Bcより若干径方向内側に突出している。
図6を参照して、デコンプ部材51は、カムロブ32の左側面に支軸52に軸支される基端部51aからカムシャフト31の軸部すなわち円柱形外面の周囲をカムシャフト31の回転方向(図6に矢印で示す)とは反対方向に円弧状にデコンプウエイト部51wがカムロブ32の左側面に沿って延びて、デコンプウエイト部51wの先端部にデコンプカム部51cが形成されている。
デコンプ部材51は、その基端部51aがカムロブ32のカム山32aの側面にベース円Bcの径方向内側で支軸52により枢支される。そして、デコンプ部材51のデコンプウエイト部51wは、基端部51aからカムシャフト31の回転方向とは反対方向にカムシャフト31の軸部の周りを半周以上に亘って円弧状に延びており、デコンプウエイト部51wの先端部に形成されるデコンプカム部51cが、カムロブ32のカム山32aとカムシャフト31の軸部に関して略反対側に位置する。
図2および図3に示されるように、デコンプ部材51は、カムシャフト31のカム軸線Cxの軸方向に一定の厚みを有する板状部材である。
そして、図6に示されるように、デコンプ部材51は、全体がカムロブ32のカムプロファイルの内側であって、さらにカムロブ32のベース円Bcの径方向内側にある。
デコンプ部材51の円弧状をなすデコンプウエイト部51wは、その半周強に亘る内周面がカムシャフト31の軸部に略沿っており、その内周面の中央部にカムシャフト31の外周面と曲率を同じくする中央当接面51wcが形成され、内周面の先端部にもカムシャフト31の外周面と曲率を同じくする先端当接面51wsが形成されている。
支軸52を中心に揺動するデコンプ部材51は、中央当接面51wcと先端当接面51wsがカムシャフト31の軸部に当接することにより揺動範囲が規制される。
支軸52のデコンプ部材51の基端部51aより突出した部分にコイル状のトーションスプリング(付勢手段)55が巻回され、その一端部がカムシャフト31に径方向に穿孔された孔に挿入され、他端部がデコンプ部材51のデコンプウエイト部51wの外周面に係止されている。
このトーションスプリング55によりデコンプ部材51は、図6で時計回りに付勢され、デコンプウエイト部51wの中央当接面51wcがカムシャフト31の軸部に当接するところで規制されて停止する。
図6の実線で示すデコンプ部材51が、中央当接面51wcがカムシャフト31の軸部に当接したときの状態を示している。
この状態からカムシャフト31が回転してデコンプ部材51のデコンプウエイト部51wに所定以上の遠心力が働くと、トーションスプリング55の付勢力に抗してデコンプ部材51が反時計回りに揺動し、デコンプウエイト部51wの先端当接面51wsがカムシャフト31の軸部に当接するところで規制されて停止する。
図6の2点鎖線で示すデコンプ部材51が、先端当接面51wsがカムシャフト31の軸部に当接したときの状態を示している。
デコンプ部材51の円弧状のデコンプウエイト部51wは、外周面が先端部において径方向外側に突出してデコンプカム部51cを形成している。
カムシャフト31の回転による遠心力が小さく、デコンプ部材51がトーションスプリング55の付勢力によりデコンプウエイト部51wの中央当接面51wcをカムシャフト31の軸部に当接しているとき、すなわちデコンプ部材51が図6において実線で示す状態にあるとき、径方向外側に突出したデコンプカム部51cは、カムロブ32の略ベース円Bcに接する位置にあって、カムロブ32とともに回転するデコンプ部材51の径方向外側に突出したデコンプカム部51cのみが、排気ロッカアーム44のカム側アーム部44cのカムロブ32の左側面に沿ってベース円Bcより若干内側に突出した突起部44pに摺接する。
この排気ロッカアーム44の突起部44pに摺接するデコンプカム部51cのデコンプカム面Sc(図6に太線で示す)は、滑らかな湾曲面をなしている。
図6を参照して、径方向外側に突出したデコンプカム部51cにおける排気ロッカアーム44の突起部44pに摺接して作用する図6に太線で示すデコンプカム面Scは、カムロブ32に対して次のような相対位置にある。同デコンプカム面Scの任意の点Pのデコンプ部材51の揺動中心(支軸52)周りでの揺動軌跡を円弧Rsとし、一方、デコンプ部材51がトーションスプリング55の付勢力の下でデコンプウエイト部51wの中央当接面51wcをカムシャフト31の軸部に当接している停止位置における前記任意の点Pの回転方向近傍範囲で、同任意の点Pを通る、カムシャフト31の回転中心(カム軸線Cx)周りの仮想円の円弧を円弧Rrとした場合、円弧Rsが円弧Rrの径方向内側になるように、デコンプカム面Scのカムロブ32に対する相対位置が決められている。
このように構成することで、デコンプ部材51が、そのデコンプウエイト部51wがカムシャフト31の回転による遠心力を受けることで、トーションスプリング55の付勢力に抗して揺動すると、デコンプカム部51cのデコンプカム面Scが、点Pの揺動軌跡である円弧Rsに沿って変位し、したがって、デコンプカム面Scは、点Pのカムシャフト回転中心(カム軸線Cx)周りの回転軌跡である前記円弧Rrより径方向内側の軌跡をとって、径方向内側に没するようにすることができる。
デコンプカム部51cのデコンプカム面Scが径方向内側に没したときは、図6に2点鎖線で示すように、排気ロッカアーム44の突起部44pはデコンプカム面Scに接することがなく、排気ロッカアーム44を揺動させることがない。
また、図6を参照して、径方向外側に突出したデコンプカム部51cのデコンプカム面Scの曲面形状は、同デコンプカム面Scの任意の点Pにおける法線Lが、デコンプ部材51の揺動中心(支軸52)または同揺動中心(支軸52)より前記カムシャフト31の回転方向にずれた位置を通るような曲面形状に形成されている。
そのため、図7を参照して、デコンプ部材51のデコンプカム面Scが排気ロッカアーム44の突起部44pに接してそれに作用するときのデコンプカム面Scが受ける反力F(図7に矢印で示す)が、デコンプ部材51の揺動中心(支軸52)に向いてデコンプ部材51を揺動させない。一方、図7に示されるように、デコンプカム面Scが受ける反力F(図7)が、同揺動中心(支軸52)よりカムシャフト31の回転方向にずれた位置に向いて作用する場合は、デコンプカム面Scが排気ロッカアーム44の突起部44pに接してそれに作用するとき、デコンプカム部51cが径方向外側に向かう方向にデコンプ部材51を揺動させる力(図7で時計回りに揺動させる力)が働く。そして、デコンプ部材51は、デコンプウエイト部51wの中央当接面51wcがカムシャフト31の軸部に当接して停止した状態にあることから、この停止位置を確固として維持する。
したがって、排気ロッカアーム44の突起部44pが接することで、デコンプカム面Scが受ける反力Fは、デコンプカム部51cを揺動させることがなく、デコンプカム部51cが径方向外側に突出した状態が維持され、よって、カムシャフト31の回転による遠心力が小さい場合、排気ロッカアーム44をデコンプのために確実に揺動させることができる。
一方、カムシャフト31の回転による遠心力が大きくなって、デコンプ部材51が、トーションスプリング55の付勢力に抗して図6で時計回りに支軸52周りに回動すると、デコンプカム面Sc上の点Pのデコンプ部材51の揺動中心(支軸52)周りでの揺動軌跡である円弧Rsが、デコンプカム面Sc上の点Pのカムシャフト回転中心(カム軸線Cx)周りの仮想円である前記円弧Rrより径方向内側の軌跡をとることで、デコンプカム面Scは径方向内側に没し、デコンプカム面Scが排気ロッカアーム44の突起部44pに接することがなく、デコンプ作用は起きない。
このように、本デコンプ機構50は、デコンプ部材51がデコンプカム部51cとともにデコンプウエイト部51wを一体に備えていて、従来のデコンプカムとデコンプウエイトを別体に有して組み合わせてデコンプ機構を構成するのに比べて大幅に部品点数を削減し複雑な加工を必要としない簡素な構造である。それにも拘わらず、カムシャフト31の回転による遠心力によりトーションスプリング55の付勢力に抗してデコンプカム部51cを揺動してデコンプカム面Scを径方向内側に没することができ、一方で、排気ロッカアーム44の突起部44pに接したときデコンプカム部51cのデコンプカム面Scが受ける反力Fは、デコンプカム面Scを径方向内側に没することなく確固として受け止められて、排気ロッカアーム44を確実に揺動させて、デコンプを実行することができる。
したがって、内燃機関10の機関回転数が小さいとき、すなわちカムシャフト31の回転速度が小さいとき、トーションスプリング55の付勢力によりデコンプ部材51のデコンプカム部51cが径方向外側に突出して、排気ロッカアーム44の突起部44pにデコンプカム面Scが摺接し、このとき、デコンプカム部51cは径方向外側に突出して停止した状態が維持されることで、図7に示すように、排気ロッカアーム44を確実に揺動し、バルブ側アーム部44vの先端の調整ねじ44tが排気バルブ26を押して排気弁口24を開き、燃焼室22内の圧力が抜けるようにし、始動を容易にすることができる。
内燃機関10の機関回転数が大きくなり、デコンプ部材51のデコンプウエイト部51wに遠心力が働き、トーションスプリング55の付勢力に抗してデコンプ部材51がカムロブ32に対して揺動すると、デコンプ部材51は図6に2点鎖線で示す位置で停止して、このときデコンプカム部51cは径方向内側に没して排気ロッカアーム44の突起部44pに接しないで、デコンプを実行しなくなる。
以上のように、本デコンプ機構50は、大幅に部品点数を削減して構造を簡素化し加工工数も少ないので、コストが削減されるとともに、デコンプ機構50の占めるスペースが極めて小さくてすみ、動弁機構30をコンパクトに構成して、内燃機関10の小型化を図ることができる。
本SOHC型内燃機関10の動弁機構30において、吸気ロッカアーム43と排気ロッカアーム44は、カム軸線Cxの指向する方向に視たカム軸線方向視(図2)(またはロッカアームシャフト41の軸線方向視)で中央の揺動軸支部43a,44aが重なるとともに、シリンダ軸線Cyの指向する方向に視たシリンダ軸線方向視(図4)で吸気ロッカアーム43のカム側アーム部43cと排気ロッカアーム44のバルブ側アーム部44vが交差するように重なる。そして、吸気ロッカアーム43と排気ロッカアーム44の双方は、カムシャフト31に形成された共通のカムロブ32により作動されるので、カムシャフト31にはカムロブ32が1つ形成され、吸気ロッカアーム43と排気ロッカアーム44がシリンダ軸線方向視で交差するように重なって双方が1つの共通のカムロブ32に接する構成で、カムシャフト31のカムロブ32の周辺を軸方向に小さく抑え、内燃機関10の小型化を図ることができる。
吸気ロッカアーム43と排気ロッカアーム44は、吸気バルブ25と排気バルブ26の間に配設された共通のロッカアームシャフト41に揺動自在に軸支され、それぞれ揺動軸支部43a,44aから両側にカムロブ32に接するカム側アーム部43c,44cと吸気バルブ25または排気バルブ26に作用するバルブ側アーム部43v,44vとが延びているので、吸気ロッカアーム43と排気ロッカアーム44はロッカアームシャフト41を共通にすることで、部品点数を減らし、ロッカアームシャフト41の周辺を小さく抑えてシリンダヘッド17を小型にし、内燃機関10の小型化を図ることができる。
図4に示されるように、吸気ロッカアーム43のカム側アーム部43cは、軸方向で排気ロッカアーム44側(左側)に屈曲して、カム側アーム部43cの先端接触部である吸気側ローラ43rが排気ロッカアーム44の揺動軸支部44aと同じ軸方向位置に偏移しているので、吸気ロッカアーム43と排気ロッカアーム44の各カム側アーム部43c,44cの先端接触部である吸気側ローラ43rおよび排気側ローラ44rを、軸方向で略同じ位置にすることができ、よって共通のカムロブ32の軸方向幅を狭くし、動弁機構30のカムシャフト31のカムロブ32の周辺を軸方向に小さく抑えてコンパクトに構成し、シリンダヘッド17をより一層小型化することができる。
図4に示されるように、排気ロッカアーム44のバルブ側アーム部44vは、軸方向で吸気ロッカアーム43側(右側)に屈曲して、バルブ側アーム部44vの先端作用部である調整ネジ44tが吸気ロッカアーム43の揺動軸支部43aと同じ軸方向位置に偏移しているので、吸気ロッカアーム43と排気ロッカアーム44の各バルブ側アーム部43v,44vの先端作用部である調整ネジ43t,44tを軸方向で略同じ位置にすることができ、よって吸気バルブ25と排気バルブ26を軸方向で略同じ位置として狭い軸方向幅内に収めて、動弁機構30をコンパクトに構成してシリンダヘッド17をより一層小型化することができる。
本動弁機構30は、上記したように、吸気ロッカアーム43と排気ロッカアーム44の各カム側アーム部43c,44cの先端接触部である吸気側ローラ43rおよび排気側ローラ44rを、軸方向で略同じ位置とし、かつ、各バルブ側アーム部43v,44vの先端作用部である調整ネジ43t,44tを軸方向で略同じ位置にしているので、カムシャフト31のカムロブ32の周辺を軸方向に小さく抑え、吸気バルブ25と排気バルブ26を軸方向で略同じ位置として狭い軸方向幅内に収めることで、動弁機構全体をコンパクトに構成してシリンダヘッド17をより一層小型化することができ、内燃機関10の一層の小型化を図ることができる。
図2および図4に示されるように、吸気ロッカアーム43のカム側アーム部43cの屈曲部43eと排気ロッカアーム44のバルブ側アーム部44vの屈曲部44eは、互いに近傍に位置するので、吸気ロッカアーム43と排気ロッカアーム44は、各屈曲部43e,44eを1つ処に集約することで、よりコンパクトに構成され、益々シリンダヘッド17の小型化を図ることができる。
吸気ロッカアーム43と排気ロッカアーム44のカムロブ32に接する各カム側アーム部43c,44cの先端接触部は、回転自在に軸支された吸気側ローラ43r,排気側ローラ44rであるので、カムロブ32との接触が転がり接触となり、摺動抵抗を下げることができる。
以上の実施の形態に係る動弁機構では、排気側ローラ44rは、カム側アーム部44cの先端の二股に分岐した一対のローラ軸受部44cc,44ccにより、所謂両持ち支持されていたが、一方のローラ軸受部44ccのみで、片持ち支持としてもよい。
図8は、吸気側ローラ43rと排気側ローラ44rが、ともに左側のローラ軸受部43cc,44ccにより片持ち支持された別の実施の形態を示す。
吸気側ローラ43rと排気側ローラ44rのそれぞれ右側のローラ軸受部43cc,44ccが省略されたことにより、吸気ロッカアーム43と排気ロッカアーム44の軸方向幅を小さく抑えることができ、動弁機構の小型化を図ることができる。
なお、排気側ローラ44rを支持する左側のローラ軸受部44ccには、デコンプ部材51のデコンプカム部51cが接触する突起部44pが形成されている。
以上、本発明に係る実施形態の内燃機関の動弁機構につき説明したが、本発明の態様は、上記実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲で、多様な態様で実施されるものを含むものである。
なお、各機器の左右の配置は、説明の便宜上、図示のものに特定して記載したが、上記実施形態に示すものと左右逆となる配置のものであってもよく、本発明に含まれる。
Cx…カム軸線、Cy…シリンダ軸線、Sc…デコンプカム面、Bc…ベース円、Rr…回転軌跡である円弧、Rs…揺動軌跡である円弧、
10…内燃機関、11…クランクケース、12…クランクシャフト、13…メインシャフト、14…カウンタシャフト、15…変速歯車機構、16…シリンダブロック、17…シリンダヘッド、18…シリンダヘッドカバー、20…ピストン、21…コンロッド、22…燃焼室、23…吸気弁口、24…排気弁口、25…吸気バルブ、26…排気バルブ、
30…動弁機構、31…カムシャフト、32…カムロブ、33…、34…カムチェーンスプロケット、35…カムチェーン、41…ロッカアームシャフト、
43…吸気ロッカアーム、43v…バルブ側アーム部、43t…調整ネジ、43c…カム側アーム部、43e…屈曲部、43cc…ローラ軸受部、43r…吸気側ローラ、
44…排気ロッカアーム、44v…バルブ側アーム部、44e…屈曲部、44t…調整ネジ、44c…カム側アーム部、44cc…ローラ軸受部、44p…突起部、44r…排気側ローラ、
50…デコンプ機構、51…デコンプ部材、51a…基端部、51w…デコンプウエイト部、51c…デコンプカム部、52…支軸、55…トーションスプリング。

Claims (8)

  1. シリンダヘッド(17)上に設けられ、カムロブ(32)を有する1本のカムシャフト(31)と、カムロブ(32)の作用を受けて揺動し、それぞれ吸気バルブ(25)と排気バルブ(26)を作動して燃焼室(22)に臨む吸気ポート(23p)の開口と排気ポート(24p)の開口をそれぞれ所定のタイミングで開閉する吸気ロッカアーム(43)と排気ロッカアーム(44)とを備える、SOHC型内燃機関の動弁機構において、
    前記吸気ロッカアーム(43)と前記排気ロッカアーム(44)は、前記カムシャフト(31)のカム軸線(Cx)方向視で部分的に重なるとともに、内燃機関のシリンダ軸線(Cy)方向視で交差するように重なり、前記カムシャフト(31)に形成された前記カムロブ(32)が単体に統合されていることを特徴とする内燃機関の動弁機構。
  2. 前記吸気ロッカアーム(43)と前記排気ロッカアーム(44)は、前記吸気バルブ(25)と前記排気バルブ(26)の間に配設された共通のロッカアームシャフト(41)に、それぞれの揺動軸支部(43a,44a)において揺動自在に軸支され、
    それぞれの揺動軸支部(43a,44a)から相反する側に前記カムロブ(32)に接するカム側アーム部(43c,44c)と前記吸気バルブ(25)および前記排気バルブ(26)に作用するバルブ側アーム部(43v,44v)とが延出していることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の動弁機構。
  3. 前記吸気ロッカアーム(43)と前記排気ロッカアーム(44)のうち一方のロッカアーム(43)のカム側アーム部(43c)は、前記ロッカアームシャフト(41)の軸方向で他方のロッカアーム(44)側に屈曲して、該カム側アーム部(43c)の先端接触部(43r)が他方のロッカアーム(44)の揺動軸支部(44a)と同じ軸方向位置に偏移することを特徴とする請求項2記載の内燃機関の動弁機構。
  4. 前記吸気ロッカアーム(43)と前記排気ロッカアーム(44)のうち一方のロッカアーム(44)のバルブ側アーム部(44v)は、前記ロッカアームシャフト(41)の軸方向で他方のロッカアーム(43)側に屈曲して、該バルブ側アーム部(44v)の先端作用部(44t)が他方のロッカアーム(43)の揺動軸支部(43a)と同じ軸方向位置に偏移することを特徴とする請求項2記載の内燃機関の動弁機構。
  5. 前記吸気ロッカアーム(43)と前記排気ロッカアーム(44)のうち一方のロッカアーム(43)のカム側アーム部(43c)は、前記ロッカアームシャフト(41)の軸方向で他方のロッカアーム(44)側に屈曲して、該カム側アーム部(43c)の先端接触部(43r)が他方のロッカアーム(44)の揺動軸支部(44a)と同じ軸方向位置に偏移し、
    他方のロッカアーム(44)のバルブ側アーム部(44v)は、前記軸方向で一方のロッカアーム(43)側に屈曲して、該バルブ側アーム部(44v)の先端作用部(44t)が一方のロッカアーム(43)の揺動軸支部(43a)と同じ軸方向位置に偏移することを特徴とする請求項2記載の内燃機関の動弁機構。
  6. 前記一方のロッカアーム(43)のカム側アーム部(43c)の屈曲部(43e)と前記他方のロッカアーム(44)のバルブ側アーム部(44v)の屈曲部(44e)は、互いに隣接することを特徴とする請求項5記載の内燃機関の動弁機構。
  7. 前記吸気ロッカアーム(43)と前記排気ロッカアーム(44)の前記カムロブ(32)に接する各カム側アーム部(43c,44c)の先端接触部(43r,44r)は、回転自在に軸支されたローラ(43r,44r)であることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項記載の内燃機関の動弁機構。
  8. 前記ローラ(43r,44r)は、片持ち支持されることを特徴とする請求項7記載の内燃機関の動弁機構。
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