JPWO2016027674A1 - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

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Abstract

低温定着性と耐熱保存性のバランスに優れ、搬送量安定性及び印字耐久性も良好であり、且つ高温高湿環境下でカブリの発生が少ない静電荷像現像用トナーを提供する。結着樹脂及び着色剤を含有する着色樹脂粒子、並びに外添剤を含有する静電荷像現像用トナーにおいて、前記着色樹脂粒子100質量部に対して、前記外添剤として、高温高湿放置後疎水化度が15%〜49%であるシリカ微粒子を0.5質量部〜3.0質量部含むことを特徴とする静電荷像現像用トナー。

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、及び静電印刷法等において静電潜像を現像するために用いられる静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」と称することがある。)に関し、更に詳細には、初期印字性能、及び印字耐久性能に優れる静電荷像現像用トナーに関する。
電子写真装置、静電記録装置、及び静電印刷装置等の画像形成装置においては、感光体上に形成される静電潜像を、静電荷像現像用トナーで現像することで所望の画像を形成する画像形成方法が広く実施され、複写機、プリンター、ファクシミリ、及びこれら複合機等に適用されている。
例えば、電子写真法を用いた電子写真装置では、一般に、光導電性物質からなる感光体の表面を種々の手段で一様に帯電させた後、当該感光体上に静電潜像を形成する。次いで当該静電潜像を、トナーを用いて現像し、用紙等の記録材にトナー画像を転写した後、加熱等により定着し複写物を得るものである。
画像形成装置で用いられるトナーは、トナーの帯電安定性、及び流動性等の機能を向上させることを目的として、一般に着色樹脂粒子(トナー粒子)よりも粒径の小さい無機微粒子や有機微粒子等の外添剤を、トナー粒子の表面に付着添加(外添)して用いられている。
従来の外添剤を用いて得られるトナーでは、印刷の初期段階において、トナーの帯電立ち上がり性が得られ難い場合があり、特に、トナーの帯電立ち上がり性は、低温低湿や高温高湿などの厳しい環境下での使用環境に左右され易い。その結果、初期カブリ等による画質劣化などが引き起こされ易くなり、初期印字性能に悪影響を及ぼすことが問題になっている。
また、多枚数の連続印刷過程では、現像装置内での機械的ストレス(攪拌等によるトナー粒子同士の接触回数増大)等が原因となって、外添剤がトナー粒子の表面に埋没、及び/又はトナー粒子の表面から遊離(脱離)する不具合が生じ易くなり、経時的に安定した帯電性(帯電安定性)をトナー粒子に付与させることが難しくなる。その結果、印字の細線再現性が低下すると共に、カブリ等の画質劣化が引き起こされ、印字耐久性能に悪影響を及ぼすことが問題になっている。
このため、印刷の初期段階において、厳しい環境下での使用環境においても帯電立ち上がり性に優れ、且つ、多枚数の連続印刷過程において、現像装置内で攪拌等によるトナー粒子同士の接触回数が増大しても、上記外添剤の埋没、及び/又は遊離などの不具合が生じず、外添剤を好適に付着させた状態を経時的に維持し、安定した帯電性(帯電安定性)をトナー粒子に付与できるトナーの開発が望まれている。安定した帯電性を有していると耐久印字を実施してもトナーの搬送性の変化が小さいという利点がある。
特許文献1では、長時間にわたって画像濃度が安定し、特に印字率の低い印刷を実施した場合であっても、カブリが発生しないトナーを提供することを目的として、トナー粒子及び外添剤として乾式シリカ微粉末および湿式シリカ微粉末を含有してなる正帯電性トナーにおいて、乾式シリカ微粉末が、正帯電極性基および疎水性基を有し、湿式シリカ微粉末が、フッ素含有負帯電極性基を有するとともに、第4級アンモニウム塩型シラン化合物により表面処理してあることを特徴とする正帯電トナーが開示されている。
特許文献2では、経時的に安定した帯電性及び流動性をトナー粒子に付与でき、多枚数の連続印刷を行っても、細線再現性を維持し、且つ、高温高湿環境下においても、カブリ等による画質の劣化が起り難いトナーを提供することを目的として、着色樹脂粒子及び外添剤を含有する静電荷像現像用正帯電性トナーにおいて、外添剤として、個数平均一次粒径が0.1〜1μmである脂肪酸アルカリ金属塩粒子、又は脂肪酸アルカリ土類金属塩粒子である外添剤Aを着色樹脂粒子100重量部に対して0.01〜0.5重量部含有し、個数平均一次粒径が40〜200nmであり、球形度が1〜1.3である球形シリカ微粒子である外添剤Bを着色樹脂粒子100重量部に対して0.2〜2重量部含有する静電荷像現像用正帯電性トナーが開示されている。
しかしながら、特許文献1に開示されているトナーでは、常温常湿環境での搬送量の安定性と、高温高湿環境でのカブリ特性を両立できないことがあり、特許文献2に開示されているトナーでは、高湿環境下においてのカブリ特性は優れているものの、常温常湿環境での搬送量の安定性については不十分であった。
特開2007−108801号公報 特開2010−128312号公報
本発明の課題は、上記問題を解決し、低温定着性と耐熱保存性のバランスに優れ、搬送量安定性及び印字耐久性も良好であり、且つ高温高湿環境下でカブリの発生が少ない静電荷像現像用トナーを提供することである。
本発明者は、外添剤の種類がトナー搬送量の安定性に及ぼす影響を検討した結果、高温条件下かつ高湿条件下に放置した後の疎水化度が特定範囲の値となるシリカ微粒子を特定量使用することで、上記の問題を解決できることを見出した。
即ち、本発明によれば、結着樹脂及び着色剤を含有する着色樹脂粒子、並びに外添剤を含有する静電荷像現像用トナーにおいて、前記着色樹脂粒子100質量部に対して、前記外添剤として、高温高湿放置後疎水化度が15%〜49%であるシリカ微粒子を0.5質量部〜3.0質量部含むことを特徴とする静電荷像現像用トナーが提供される。
本発明においては、前記シリカ微粒子の高温高湿放置前後での疎水化度変化量が5%〜28%であることが好ましい。
本発明においては、前記シリカ微粒子の個数平均一次粒径が50nm〜500nmであることが好ましい。
本発明においては、前記外添剤として、さらに個数平均一次粒径が100〜2,000nmの脂肪酸金属塩粒子を含むことが好ましい。
本発明においては、前記着色樹脂粒子100質量部に対して、前記外添剤の総添加量が1.40質量部〜4.00質量部であることが好ましい。
本発明においては、前記着色樹脂粒子が正帯電性を示し、かつ、前記シリカ微粒子も正帯電性を示すよう表面処理が行われていることが好ましい。
上記の如き本発明によれば、高温条件下かつ高湿条件下に放置した後にある特定の疎水化度を示すシリカ微粒子を特定量使用することにより、低温定着性と耐熱保存性のバランスに優れ、搬送量安定性及び印字耐久性も良好であり、かつ高温高湿環境下でカブリの発生が少ないトナーが提供される。
本発明のトナーは、結着樹脂及び着色剤を含有する着色樹脂粒子、並びに外添剤を含有する静電荷像現像用トナーにおいて、前記着色樹脂粒子100質量部に対して、前記外添剤として、高温高湿放置後疎水化度が15%〜49%であるシリカ微粒子を0.5質量部〜3.0質量部含むことを特徴とする。
以下、本発明のトナーについて説明する。
本発明のトナーは、結着樹脂及び着色剤を含む着色樹脂粒子、並びに外添剤を含有する。
以下、本発明に用いられる着色樹脂粒子の製造方法、当該製造方法により得られる着色樹脂粒子、当該着色樹脂粒子を用いたトナーの製造方法及び当該製造方法により得られる本発明のトナーについて、順に説明する。
1.着色樹脂粒子の製造方法
一般に、着色樹脂粒子の製造方法は、粉砕法等の乾式法、並びに乳化重合凝集法、懸濁重合法、及び溶解懸濁法等の湿式法に大別され、画像再現性等の印字特性に優れたトナーが得られ易いことから湿式法が好ましい。湿式法の中でも、ミクロンオーダーで比較的小さい粒径分布を持つトナーを得やすいことから、乳化重合凝集法、及び懸濁重合法等の重合法が好ましく、重合法の中でも懸濁重合法がより好ましい。
上記乳化重合凝集法は、乳化させた重合性単量体を重合し、樹脂微粒子エマルションを得て、着色剤分散液等と凝集させ、着色樹脂粒子を製造する。また、上記溶解懸濁法は、結着樹脂や着色剤等のトナー成分を有機溶媒に溶解又は分散した溶液を水系媒体中で液滴形成し、当該有機溶媒を除去して着色樹脂粒子を製造する方法であり、それぞれ公知の方法を用いることができる。
本発明の着色樹脂粒子は、湿式法、または乾式法を採用して製造することが出来る。湿式法の中でも好ましい懸濁重合法を採用し、以下のようなプロセスにより行われる。
(A)懸濁重合法
(A−1)重合性単量体組成物の調製工程
まず、重合性単量体及び着色剤、さらに必要に応じて添加される帯電制御剤等のその他の添加物を混合し、重合性単量体組成物の調製を行う。重合性単量体組成物を調製する際の混合には、例えば、メディア式分散機を用いる。
本発明において重合性単量体とは、重合可能な官能基を有するモノマーのことをいい、重合性単量体が重合して結着樹脂となる。重合性単量体の主成分として、モノビニル単量体を使用することが好ましい。モノビニル単量体としては、例えば、スチレン;ビニルトルエン、及びα−メチルスチレン等のスチレン誘導体;アクリル酸、及びメタクリル酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、及びアクリル酸ジメチルアミノエチル等のアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、及びメタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル;アクリロニトリル、及びメタクリロニトリル等のニトリル化合物;アクリルアミド、及びメタクリルアミド等のアミド化合物;エチレン、プロピレン、及びブチレン等のオレフィン;が挙げられる。これらのモノビニル単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。これらのうち、モノビニル単量体として、スチレン、スチレン誘導体、及びアクリル酸エステル若しくはメタクリル酸エステルが、好適に用いられる。
ホットオフセット改善及び保存性改善のために、モノビニル単量体とともに、任意の架橋性の重合性単量体を用いることが好ましい。架橋性の重合性単量体とは、2つ以上の重合可能な官能基を持つモノマーのことをいう。架橋性の重合性単量体としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、及びこれらの誘導体等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジメタクリレート、及びジエチレングリコールジメタクリレート等の2個以上の水酸基を持つアルコールに炭素−炭素二重結合を有するカルボン酸が2つ以上エステル結合したエステル化合物;N,N−ジビニルアニリン、及びジビニルエーテル等の、その他のジビニル化合物;3個以上のビニル基を有する化合物;等を挙げることができる。これらの架橋性の重合性単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明では、架橋性の重合性単量体を、モノビニル単量体100質量部に対して、通常、0.1〜5質量部、好ましくは0.3〜2質量部の割合で用いることが望ましい。
また、さらに、重合性単量体の一部として、マクロモノマーを用いると、得られるトナーの保存性と低温での定着性とのバランスが良好になるので好ましい。マクロモノマーは、分子鎖の末端に重合可能な炭素−炭素不飽和二重結合を有するもので、数平均分子量が、通常、1,000〜30,000の反応性の、オリゴマー又はポリマーである。マクロモノマーは、モノビニル単量体を重合して得られる重合体のガラス転移温度(以下、「Tg」と称することがある。)よりも、高いTgを有する重合体を与えるものが好ましい。マクロモノマーは、モノビニル単量体100質量部に対して、好ましくは0.03〜5質量部、さらに好ましくは0.05〜1質量部用いることが望ましい。
本発明では、着色剤を用いるが、カラートナーを作製する場合、ブラック、シアン、イエロー、マゼンタの着色剤を用いることができる。
ブラック着色剤としては、例えば、カーボンブラック、チタンブラック、並びに酸化鉄亜鉛、及び酸化鉄ニッケル等の磁性粉等を用いることができる。
シアン着色剤としては、例えば、銅フタロシアニン化合物、その誘導体、及びアントラキノン化合物等が利用できる。具体的には、C.I.ピグメントブルー2、3、6、15、15:1、15:2、15:3、15:4、16、17:1、及び60等が挙げられる。
イエロー着色剤としては、例えば、モノアゾ顔料、及びジスアゾ顔料等のアゾ系顔料、縮合多環系顔料等の化合物が用いられ、C.I.ピグメントイエロー3、12、13、14、15、17、62、65、73、74、83、93、97、120、138、155、180、181、185、186、及び213等が挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、例えば、モノアゾ顔料、及びジスアゾ顔料等のアゾ系顔料、縮合多環系顔料等の化合物が用いられ、C.I.ピグメントレッド31、48、57:1、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、144、146、149、150、163、170、184、185、187、202、206、207、209、237、238、251、254、255、269及びC.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられる。
本発明においては、各着色剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて使用できる。着色剤の量は、モノビニル単量体100質量部に対して、好ましくは1〜10質量部である。
その他の添加物として、定着時におけるトナーの定着ロールからの離型性を改善する観点から、重合性単量体組成物に離型剤を添加することができる。離型剤としては、一般にトナーの離型剤として用いられるものであれば、特に制限無く用いることができる。
離型剤は、エステルワックス及び炭化水素系ワックスの少なくともいずれか1つを含有することが好ましい。これらのワックスを離型剤として使用することにより、低温定着性と保存性とのバランスを好適にすることができる。
本発明において離型剤として好適に用いられるエステルワックスは、多官能エステルワックスがより好適であり、例えば、ペンタエリスリトールテトラパルミネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールテトラステアレート等のペンタエリスリトールエステル化合物;ヘキサグリセリンテトラベヘネートテトラパルミネート、ヘキサグリセリンオクタベヘネート、ペンタグリセリンヘプタベヘネート、テトラグリセリンヘキサベヘネート、トリグリセリンペンタベヘネート、ジグリセリンテトラベヘネート、グリセリントリベヘネート等のグリセリンエステル化合物;ジペンタエリスリトールヘキサミリステート、ジペンタエリスリトールヘキサパルミネート等のジペンタエリスリトールエステル化合物;等が挙げられ、中でもジペンタエリスリトールエステル化合物が好ましく、また、ジペンタエリスリトールヘキサミリステートがより好ましい。
本発明において離型剤として好適に用いられる炭化水素系ワックスは、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、石油系ワックス等が挙げられ、中でも、フィッシャートロプシュワックス、石油系ワックスが好ましく、石油系ワックスがより好ましい。
炭化水素系ワックスの数平均分子量は、300〜800であることが好ましく、400〜600であることがより好ましい。また、JIS K2235 5.4で測定される炭化水素系ワックスの針入度は、1〜10であることが好ましく、2〜7であることがより好ましい。
上記離型剤の他にも、例えば、ホホバ等の天然ワックス;オゾケライト等の鉱物系ワックス;等を用いることができる。
離型剤は、上述した1種又は2種以上のワックスを組み合わせて用いてもよい。
上記離型剤は、モノビニル単量体100質量部に対して、好ましくは0.1〜30質量部用いられ、更に好ましくは1〜20質量部用いられる。
その他の添加物として、トナーの帯電性を向上させるために、正帯電性又は負帯電性の帯電制御剤を用いることができる。
帯電制御剤としては、一般にトナー用の帯電制御剤として用いられているものであれば、特に限定されないが、帯電制御剤の中でも、重合性単量体との相溶性が高く、安定した帯電性(帯電安定性)をトナー粒子に付与させることができることから、正帯電性又は負帯電性の帯電制御樹脂が好ましく、さらに、正帯電性トナーを得る観点からは、正帯電性の帯電制御樹脂がより好ましく用いられる。
正帯電性の帯電制御剤としては、ニグロシン染料、4級アンモニウム塩、トリアミノトリフェニルメタン化合物及びイミダゾール化合物、並びに、好ましく用いられる帯電制御樹脂としてのポリアミン樹脂、並びに4級アンモニウム基含有共重合体、及び4級アンモニウム塩基含有共重合体等が挙げられる。
負帯電性の帯電制御剤としては、Cr、Co、Al、及びFe等の金属を含有するアゾ染料、サリチル酸金属化合物及びアルキルサリチル酸金属化合物、並びに、好ましく用いられる帯電制御樹脂としてのスルホン酸基含有共重合体、スルホン酸塩基含有共重合体、カルボン酸基含有共重合体及びカルボン酸塩基含有共重合体等が挙げられる。
本発明では、帯電制御剤を、モノビニル単量体100質量部に対して、通常、0.01〜10質量部、好ましくは0.03〜8質量部の割合で用いることが望ましい。帯電制御剤の添加量が、0.01質量部未満の場合にはカブリが発生することがある。一方、帯電制御剤の添加量が10質量部を超える場合には印字汚れが発生することがある。
その他の添加物として、重合して結着樹脂となる重合性単量体を重合する際に、分子量調整剤を用いることが好ましい。
分子量調整剤としては、一般にトナー用の分子量調整剤として用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、及び2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン−4−チオール等のメルカプタン類;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、N,N’−ジメチル−N,N’−ジフェニルチウラムジスルフィド、N,N’−ジオクタデシル−N,N’−ジイソプロピルチウラムジスルフィド等のチウラムジスルフィド類;等が挙げられる。これらの分子量調整剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明では、分子量調整剤を、モノビニル単量体100質量部に対して、通常0.01〜10質量部、好ましくは0.1〜5質量部の割合で用いることが望ましい。
(A−2)懸濁液を得る懸濁工程(液滴形成工程)
本発明では、少なくとも重合性単量体及び着色剤を含む重合性単量体組成物を、好ましくは分散安定化剤を含む水系媒体中に分散させ、重合開始剤を添加した後、重合性単量体組成物の液滴形成を行うことが好ましい。液滴形成の方法は特に限定されないが、例えば、(インライン型)乳化分散機(太平洋機工社製、商品名:マイルダー)、高速乳化分散機(プライミクス株式会社製、商品名:T.K.ホモミクサー MARK II型)等の強攪拌が可能な装置を用いて行う。
重合開始剤としては、過硫酸カリウム、及び過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩:4,4’−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;ジ−t−ブチルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシジエチルアセテート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルブタノエート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、及びt−ブチルパーオキシイソブチレート等の有機過酸化物等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中で、残留重合性単量体を少なくすることができ、印字耐久性も優れることから、有機過酸化物を用いるのが好ましい。
有機過酸化物の中でも、開始剤効率がよく、残留する重合性単量体も少なくすることができることから、パーオキシエステルが好ましく、非芳香族パーオキシエステルすなわち芳香環を有しないパーオキシエステルがより好ましい。
重合開始剤は、前記のように、重合性単量体組成物が水系媒体中へ分散された後、液滴形成前に添加されても良いが、水系媒体中へ分散される前の重合性単量体組成物へ添加されても良い。
重合性単量体組成物の重合に用いられる、重合開始剤の添加量は、モノビニル単量体100質量部に対して、好ましくは0.1〜20質量部であり、さらに好ましくは0.3〜15質量部であり、特に好ましくは1〜10質量部である。
本発明において、水系媒体は、水を主成分とする媒体のことを言う。
本発明において、水系媒体には、分散安定化剤を含有させることが好ましい。分散安定化剤としては、例えば、硫酸バリウム、及び硫酸カルシウム等の硫酸塩;炭酸バリウム、炭酸カルシウム、及び炭酸マグネシウム等の炭酸塩;リン酸カルシウム等のリン酸塩;酸化アルミニウム、及び酸化チタン等の金属酸化物;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、及び水酸化第二鉄等の金属水酸化物;等の無機化合物や、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、及びゼラチン等の水溶性高分子;アニオン性界面活性剤;ノニオン性界面活性剤;両性界面活性剤;等の有機化合物が挙げられる。上記分散安定化剤は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記分散安定化剤の中でも、無機化合物、特に難水溶性の金属水酸化物のコロイドが好ましい。無機化合物、特に難水溶性の金属水酸化物のコロイドを用いることにより、着色樹脂粒子の粒径分布を狭くすることができ、また、洗浄後の分散安定化剤残存量を少なくできるため、得られるトナーが画像を鮮明に再現することができ、且つ環境安定性に優れたものとなる。
(A−3)重合工程
上記(A−2)のようにして、液滴形成を行い、得られた水系分散媒体を加熱し、重合を開始し、着色樹脂粒子の水分散液を形成する。
重合性単量体組成物の重合温度は、好ましくは50℃以上であり、更に好ましくは60〜95℃である。また、重合の反応時間は好ましくは1〜20時間であり、更に好ましくは2〜15時間である。
着色樹脂粒子は、そのまま外添剤を添加して重合トナーとして用いてもよいが、この着色樹脂粒子をコア層とし、その外側にコア層と異なるシェル層を作ることで得られる、所謂コアシェル型(又は、「カプセル型」ともいう)の着色樹脂粒子とすることが好ましい。コアシェル型の着色樹脂粒子は、低軟化点を有する物質よりなるコア層を、それより高い軟化点を有する物質で被覆することにより、定着温度の低温化と保存時の凝集防止とのバランスを取ることができる。
上述した、上記着色樹脂粒子を用いて、コアシェル型の着色樹脂粒子を製造する方法としては特に制限はなく、従来公知の方法によって製造することができる。in situ重合法や相分離法が、製造効率の点から好ましい。
in situ重合法によるコアシェル型の着色樹脂粒子の製造法を以下に説明する。
着色樹脂粒子が分散している水系分散媒体中に、シェル層を形成するための重合性単量体(シェル用重合性単量体)と重合開始剤を添加し、重合することでコアシェル型の着色樹脂粒子を得ることができる。
シェル用重合性単量体としては、前述の重合性単量体と同様なものが使用できる。その中でも、スチレン、アクリロニトリル、及びメチルメタクリレート等の、Tgが80℃を超える重合体が得られる単量体を、単独であるいは2種以上組み合わせて使用することが好ましい。
シェル用重合性単量体の重合に用いる重合開始剤としては、過硫酸カリウム、及び過硫酸アンモニウム等の、過硫酸金属塩;2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)、及び2,2’−アゾビス−(2−メチル−N−(1,1−ビス(ヒドロキシメチル)2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)等の、アゾ系開始剤;等の水溶性重合開始剤を挙げることができる。これらは、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。重合開始剤の量は、シェル用重合性単量体100質量部に対して、好ましくは、0.1〜30質量部、より好ましくは1〜20質量部である。
シェル層の重合温度は、好ましくは50℃以上であり、更に好ましくは60〜95℃である。また、重合の反応時間は好ましくは1〜20時間であり、更に好ましくは2〜15時間である。
(A−4)洗浄、ろ過、脱水、及び乾燥工程
重合により得られた着色樹脂粒子の水分散液は、重合終了後に、常法に従い、ろ過、分散安定化剤の除去を行う洗浄、脱水、及び乾燥の操作が、必要に応じて数回繰り返されることが好ましい。
上記の洗浄の方法としては、分散安定化剤として無機化合物を使用した場合、着色樹脂粒子の水分散液への酸、又はアルカリの添加により、分散安定化剤を水に溶解し除去することが好ましい。分散安定化剤として、難水溶性の無機水酸化物のコロイドを使用した場合、酸を添加して、着色樹脂粒子水分散液のpHを6.5以下に調整することが好ましい。添加する酸としては、硫酸、塩酸、及び硝酸等の無機酸、並びに蟻酸、及び酢酸等の有機酸を用いることができるが、除去効率の大きいことや製造設備への負担が小さいことから、特に硫酸が好適である。
脱水、ろ過の方法は、種々の公知の方法等を用いることができ、特に限定されない。例えば、遠心ろ過法、真空ろ過法、加圧ろ過法等を挙げることができる。また、乾燥の方法も、特に限定されず、種々の方法が使用できる。
(B)粉砕法
粉砕法を採用して着色樹脂粒子を製造する場合、以下のようなプロセスにより行われる。
まず、結着樹脂及び着色剤、さらに必要に応じて添加される帯電制御剤等のその他の添加物を混合機、例えば、ボールミル、V型混合機、FMミキサー(:商品名、日本コークス工業社製)、高速ディゾルバ、インターナルミキサー等を用いて混合する。次に、上記により得られた混合物を、加圧ニーダー、二軸押出混練機、ローラ等を用いて加熱しながら混練する。得られた混練物を、ハンマーミル、カッターミル、ローラミル等の粉砕機を用いて、粗粉砕する。更に、ジェットミル、高速回転式粉砕機等の粉砕機を用いて微粉砕した後、風力分級機、気流式分級機等の分級機により、所望の粒径に分級して粉砕法による着色樹脂粒子を得る。
なお、粉砕法で用いる結着樹脂及び着色剤、さらに必要に応じて添加される帯電制御剤等のその他の添加物は、前述の(A)懸濁重合法で挙げたものを用いることができる。また、粉砕法により得られる着色樹脂粒子は、前述の(A)懸濁重合法により得られる着色樹脂粒子と同じく、in situ重合法等の方法によりコアシェル型の着色樹脂粒子とすることもできる。
結着樹脂としては、他にも、従来からトナーに広く用いられている樹脂を使用することができる。粉砕法で用いられる結着樹脂としては、具体的には、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、ポリエステル樹脂、及びエポキシ樹脂等を例示することができる。
2.着色樹脂粒子
上述の(A)懸濁重合法、又は(B)粉砕法等の製造方法により、着色樹脂粒子が得られる。
以下、トナーを構成する着色樹脂粒子について述べる。なお、以下で述べる着色樹脂粒子は、コアシェル型のものとそうでないもの両方を含む。
着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)は、好ましくは4〜12μmであり、更に好ましくは5〜10μmである。Dvが4μm未満である場合には、トナーの流動性が低下し、転写性が悪化したり、画像濃度が低下したりする場合がある。Dvが12μmを超える場合には、画像の解像度が低下する場合がある。
また、着色樹脂粒子は、その体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が、好ましくは1.00〜1.20であり、更に好ましくは1.00〜1.15である。Dv/Dnが1.20を超える場合には、転写性、画像濃度及び解像度の低下が起こる場合がある。着色樹脂粒子の体積平均粒径、及び個数平均粒径は、例えば、粒度分析計(ベックマン・コールター製、商品名:マルチサイザー)等を用いて測定することができる。
3.本発明のトナーの製造方法
上述した着色樹脂粒子は、外添剤と共に混合攪拌することにより、着色樹脂粒子の表面に、外添剤を均一かつ好適に付着添加(外添)させる。なお、1成分トナーは、さらにキャリア粒子と共に混合攪拌して2成分トナーとしてもよい。
外添処理を行う攪拌機は、着色樹脂粒子の表面に外添剤を付着させることができる攪拌装置であれば特に限定されず、例えば、FMミキサー(:商品名、日本コークス工業社製)、スーパーミキサー(:商品名、川田製作所社製)、Qミキサー(:商品名、日本コークス工業社製)、メカノフュージョンシステム(:商品名、ホソカワミクロン社製)、及びメカノミル(:商品名、岡田精工社製)等の混合攪拌が可能な攪拌機を用いて外添処理を行うことができる。
本発明においては、着色樹脂粒子100質量部に対して、外添剤として、高温高湿放置後疎水化度が15%〜49%であるシリカ微粒子を0.5質量部〜3.0質量部含む。
本発明におけるシリカ微粒子の高温高湿放置後疎水化度とは、シリカ微粒子を所定の温度条件下かつ所定の湿度条件下に十分な時間放置した後の疎水化度のことである。ここでいう「所定の温度条件」及び「所定の湿度条件」とは、シリカ微粒子表面における疎水化度が変化し始める温度条件及び湿度条件を指し、本発明では温度50℃及び相対湿度80%を指す。また、ここでいう「十分な時間」とは、上記所定の温度条件下において変化し始めた疎水化度が定常状態となるまでに十分な時間を指し、本発明では30時間である。
トナーの初期特性(例えば低温定着性や耐熱保存性等)が良好である場合であっても、使用中のトナーや、使用後に現像器内に残されたトナーの特性が、必ずしも上記初期特性と同程度となるとは限らない。それは、季節や天気などによってトナーの印字条件(温度や湿度など)は変動するものであるし、使用後の現像器内にトナーが放置される環境も日によって異なるためである。トナーはいかなる印字条件や放置環境下においても長期的に安定したトナー特性を発揮することが求められており、トナーの高温高湿放置後疎水化度はそのようなトナーの長期安定性に関わるパラメータの1つである。
シリカ微粒子の疎水化度は、シリカ微粒子の製造方法や、使用された表面処理剤の種類及び添加量等によって異なる。シリカ微粒子の中には疎水化度が温度や湿度に依存して変化するものもあり、特に高温高湿条件下においては、シリカ微粒子表面の化学構造の変化や使用された表面処理剤の変質等が生じやすく、その影響で該シリカ微粒子表面に水が吸着し、シリカ微粒子の疎水化度が低下することがある。本発明者は、外添剤として、高温高湿放置後疎水化度が15%〜49%の範囲内となるシリカ微粒子を特定量使用することにより、低温定着性と耐熱保存性のバランスに優れ、搬送量安定性及び印字耐久性も良好であり、且つ高温高湿環境下でカブリの発生が少ないトナーとなることを見出し、本発明を完成させた。
シリカ微粒子の高温高湿放置後疎水化度の測定法は以下の通りである。シリカ微粒子を、まず、常温常湿(N/N)環境下(温度:23℃、湿度:50%)で30時間放置した後、温度50℃、相対湿度80%の環境に30時間放置する。次に、23℃の測定温度条件下で、純水100mLの水面上に、シリカ微粒子の粉体1gを浮遊させる。続いて、水を静かに攪拌しながら水中にメタノールをビュレットにより少しずつ滴下する。水面上の粉体が全て水中に没した時点でのメタノール滴下量を下記式に代入することにより、高温高湿放置後の疎水化度を算出する。
高温高湿放置後の疎水化度(%)={メタノール滴下量[mL]/(100[mL]+メタノール滴下量[mL])}×100
高温高湿放置後疎水化度が15%未満である場合にはシリカ微粒子が吸湿し易くなるため、高温高湿(H/H)条件下においてトナーのカブリが生じやすくなる。一方、高温高湿放置後疎水化度が49%を超える場合には、シリカ微粒子表面の疎水性が高すぎるため、トナー帯電量が急激に増加し、トナー間での凝集力が高まり、搬送量が増加しやすくなることにより、トナーの搬送量安定性が悪化し、その結果印字耐久性に乏しくなる。
ここでいう「搬送量安定性」とは、現像器から搬送されるトナー量(搬送量)が経時的に安定であるトナー特性を指す。トナーは経時的に凝集することはあっても、その反対に経時的な微細化は稀であるため、搬送量はトナー特性の経時変化につれて増加するのが通常である。
搬送量の測定方法の例は以下の通りである。まず、所定の枚数の印字が終了した後、常温常湿(N/N)環境下(例えば、23℃、50%の環境下)にてプリンターを用いて白ベタ印字を行う。次に、2枚目の白ベタ印字を途中で停止させた後、現像ロール上に付着したトナーについて、吸引式帯電量測定装置(例えば、トレックジャパン社製、商品名:210HS−2A)を用いて、吸引されたトナー質量、及び吸引面積を測定する。吸引されたトナー質量、及び吸引面積に基づき、下記計算式1及び2から現像ロール上の搬送量(mg/cm)を算出する。
計算式1:現像ロール上の面積(cm)=(吸引痕の半径(cm))×π×吸引痕の数
計算式2:現像ロール上の搬送量(mg/cm)=捕集されたトナー質量(mg)/現像ロール上の面積(cm
搬送量安定性は、下記計算式3に示す通り、耐久印字後搬送量を基準搬送量で除した値で表される。ここで、基準搬送量とは、安定性の基準となる搬送量のことであり、主にトナー初期の搬送量を指す。また、耐久印字後搬送量とは、多枚数の印字が終了した後の搬送量を指す。
計算式3:搬送量安定性=耐久印字後搬送量/基準搬送量
通常、耐久印字後搬送量は基準搬送量以上となるため、搬送量安定性は1以上の値となる。搬送量安定性の値が1に近いほど、多枚数印字後にも搬送量が変動せず、経時的に安定したトナー特性を示すものといえる。一方、搬送量安定性の値が大きいほど、多枚数印字後にトナー搬送量が増えすぎることを示し、トナー特性が経時的に不安定であることを示す。このように、搬送量安定性はトナー特性の経時変化の指標の1つとなる。
耐久印字後搬送量については、印字終了直前の搬送量(末期搬送量)と、印字枚数が半分の時点における搬送量(中期搬送量)とに分けて検討することができる。ここで、基準搬送量をトナー初期の搬送量(初期搬送量)としたとき、中期搬送量に係る搬送量安定性(中期)と、末期搬送量に係る搬送量安定性(末期)は、それぞれ下記計算式3a及び3bに示す通りである。
計算式3a:搬送量安定性(中期)=中期搬送量/初期搬送量
計算式3b:搬送量安定性(末期)=末期搬送量/初期搬送量
上述したように搬送量は経時的に増加するため、通常、末期搬送量、中期搬送量、初期搬送量の順に多くなる。したがって、通常、搬送量安定性(末期)は搬送量安定性(中期)より高い値となる。
搬送量安定性(中期)は、印字中期の段階においてトナー特性の経時変化を示す指標となる。具体的に、搬送量安定性(中期)の値が2.0以上である場合には、トナー搬送量が初期と比較して2倍以上に増加していることから、その印字環境下においてトナー特性が安定して維持できないことが明らかであり、印字を打ち切ってもよいといえる。
一方、搬送量安定性(末期)は、印字末期の段階においてトナー特性の経時変化を示す指標となる。具体的に、搬送量安定性(末期)の値が2.5以上である場合には、トナー搬送量が初期と比較して2.5倍以上に増加していることから、これ以上多くの枚数の印字が困難であることを示す。
以上の通り、搬送量安定性(中期)及び搬送量安定性(末期)は、特にトナーの印字耐久性に密接にかかわる指標といえる。
本発明においては、シリカ微粒子の高温高湿放置前後での疎水化度変化量が5%〜28%であることが好ましい。ここでいう「高温高湿放置前後での疎水化度変化量」とは、上記高温高湿放置後疎水化度と、高温高湿放置前疎水化度との差を意味する。高温高湿放置前疎水化度とは、常温常湿(N/N)環境下(温度:23℃、湿度:50%)で30時間放置したシリカ微粒子について、上記高温高湿放置後疎水化度と同様の測定方法より得られる疎水化度のことである。上述したとおり、シリカ微粒子の疎水化度は高温高湿放置後に低下することが通常であるため、高温高湿放置前後での疎水化度変化量は、高温高湿放置前疎水化度から高温高湿放置後疎水化度を差し引いた値となる。
シリカ微粒子の高温高湿放置前後での疎水化度変化量が5%未満である場合には、特に搬送量安定性が損なわれ、印字耐久性が低下するおそれがある。また、当該疎水化度変化量が28%を超える場合には、高温高湿環境下におけるトナーのカブリが生じやすくなるおそれがある。
当該疎水化度変化量は、8%〜25%であることがより好ましく、10%〜20%であることがさらに好ましい。当該疎水化度変化量が印字性能に影響を与える理由は定かではないが、シリカ微粒子表面の化学構造が影響しているものと考えられる。
本発明に使用されるシリカ微粒子は市販のものを使用できるが、公知の製造方法により調製されたものを使用することもできる。公知の製造方法としては、例えば、シリカ系微粒子分散液から製造する方法等が挙げられる。
シリカ系微粒子分散液からシリカ微粒子を製造する方法としては、例えば次の(1)〜(4)の方法を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
(1)アルカリ金属ケイ酸塩、第3級アンモニウムケイ酸塩、第4級アンモニウムケイ酸塩及びグアニジンケイ酸塩からなる群より選ばれるアルカリケイ酸塩の水溶液(シリカ濃度3〜10質量%)を、H型強酸性陽イオン交換樹脂に接触させて脱アルカリし、必要に応じてOH型強塩基性陰イオン交換樹脂に接触させて脱アニオンし、活性ケイ酸を調製する。次いで、pHが8以上となるようアルカリ物質を加え、50℃以上に加熱することによりシリカゾルを製造し、その後乾燥することでシリカ微粒子を製造することができる。
(2)従来公知のシリカ微粒子を水に分散させSiOとして0.005〜20質量%の核粒子分散液を得、次いで必要に応じてケイ酸カリウム(カリ水ガラス)、ケイ酸ナトリウム(ナトリウム水ガラス)以外のケイ酸アルカリを添加し、その後酸性ケイ酸液を添加して、核粒子の粒子成長を行わせてシリカゾルの製造し、その後乾燥することでシリカ微粒子を製造することができる。
(3)前述したアルカリケイ酸塩の水溶液を調製し、さらに酸で中和して得られるシリカヒドロゲルを洗浄して、塩類を除去し、アルカリを添加した後、60〜200℃の範囲に加熱することによりシリカヒドロゲルを解膠することによってシリカゾルを製造し、その後乾燥することでシリカ微粒子を製造することができる。
(4)核粒子が分散した分散液にテトラエトキシシラン等の加水分解性基を有するケイ素化合物添加、加水分解して、核粒子上にシリカを付着させて粒子成長を行わせてシリカゾルを製造し、その後乾燥することでシリカ微粒子を製造することができる。
シリカ微粒子分散液(シリカゾル)を固形分濃度10〜25質量%に調整し、温度130〜300℃で3〜20時間の範囲で、水熱処理を行うこともできる。水熱処理を行うことにより、凹凸な状態にある粒子表面において、シリカ表面の溶解とケイ酸オリゴマーの析出が生じるため、表面が改質され、平滑化が促進される。また、併せて、粒子の真球化も促進される。
高温高湿放置後疎水化度の調整にあたり、シリカ微粒子は、表面処理が施されていることが好ましく、疎水性を示すような表面処理が施されていることがより好ましい。特に正帯電性トナーの場合には、着色樹脂粒子が正帯電性を示し、かつシリカ微粒子も正帯電性を示すように表面処理されていることがより好ましい。シリカ微粒子の表面処理においては、疎水性、及び/又は、正帯電性を調節するために、帯電性基を有しない一般的な疎水化処理剤を併用することもできる。シリカ微粒子は、好ましくは、ケイ素化合物で疎水化処理されており、より好ましくは、2種以上のケイ素化合物で疎水化処理されている。2種以上のケイ素化合物を用いて疎水化処理する場合、高い正帯電性を付与するためには、2種以上のケイ素化合物のうちの少なくとも1種は、アミノ基を含有するケイ素化合物であり、その他のケイ素化合物は、アミノ基を含有しないケイ素化合物であることが好ましい。
アミノ基を含有するケイ素化合物としては、特定のものに制約されることなく種々のものを使用できるが、例えば、アミノ基含有シランカップリング剤、アミノ変性シリコーンオイル、第四級アンモニウム塩型シラン、環状シラザンなどを用いることができる。それらの中でも、正帯電付与能力と流動性との観点から、アミノ基含有シランカップリングが特に好ましい。このアミノ基含有シランカップリング剤の具体例としては、例えば、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられるが、それらの中でも、帯電性能の環境安定性の向上効果が優れていることから、好ましくはアミノアルキル基を有するカップリング剤が好ましい。
高温高湿放置後疎水化度を15%〜49%の範囲内に調整するという観点からは、アミノアルキル基を有するカップリング剤をシリカ微粒子に対して0.1〜1.0質量%用いることが好ましい。
アミノ基を含有しないケイ素化合物としては、アミノ基を含まず疎水性を発現するものであれば、特に制約を受けることなく種々のものを用いることができるが、帯電性能の環境安定性や流動性の観点から、例えば、アルコキシシラン、シランカップリング剤、シラザン、シリコーンオイル、シリコーンレジンなどが好ましく、特にアルコキシシラン、シリコーンオイル、シリコーンレジンが好ましい。上記アルコキシシランとしては、例えば、イソブチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシランなどが挙げられ、シラザンとしては、例えば、ヘキサメチルジシラザンなどが挙げられ、シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等のストレートシリコーンオイルやエポキシ変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等の変性シリコーンオイル等が挙げられ、シリコーンレジンとしては、例えば、トリメチルシロキシケイ酸が挙げられる。
高温高湿放置後疎水化度を15%〜49%の範囲内に調整するという観点からは、シラザンをシリカ微粒子に対して4.0〜5.0質量%用いることが好ましい。
シリカ微粒子の含有量は、着色樹脂粒子100質量部に対して、通常0.5〜3.0質量部であり、0.7〜2.5質量部であることが好ましく、1.0〜2.0質量部であることがより好ましい。
シリカ微粒子の含有量が0.5質量部未満の場合には、外添剤としての機能を十分に発揮させることができず、トナーの印字性能、特に耐熱保存性、印字耐久性、及び搬送量安定性に悪影響を及ぼす。一方、シリカ微粒子の含有量が3.0質量部を超える場合には、トナー粒子の表面から、当該シリカ微粒子が遊離し易くなり、遊離した外添剤が現像装置内の部材に付着する結果、トナーの印字性能、特に低温定着性、印字耐久性、及び搬送量安定性に悪影響を及ぼすおそれがあり、また、高温高湿環境下においてカブリが生じやすくなる。
シリカ微粒子の個数平均一次粒径が50〜500nmであることが好ましい。シリカ微粒子の個数平均一次粒径が50nm未満である場合には、スペーサー効果が低下し、後述するシリカ微粒子B等が着色樹脂粒子の表面から内部に埋没し易くなり、カブリの発生等印字性能に悪影響を及ぼすおそれがある。一方、シリカ微粒子の個数平均一次粒径が500nmを超える場合には、トナー粒子の表面から当該シリカ微粒子が遊離し易くなり、外添剤としての機能が低下し、印字性能に悪影響を及ぼすおそれがある。
シリカ微粒子の個数平均一次粒径は、70〜400nmであることが好ましく、100〜300nmであることがより好ましい。
本発明においては、外添剤として、更に個数平均一次粒径が100〜2,000nmの脂肪酸金属塩粒子を含有することが好ましい。脂肪酸金属塩粒子の個数平均一次粒径が100nm未満である場合には、トナーの帯電性が低下し、カブリが発生する場合がある。一方、脂肪酸金属塩粒子の個数平均一次粒径が2,000nmを超える場合には、印字画像に白抜けが発生する場合がある。
脂肪酸金属塩粒子の個数平均一次粒径は、500〜1,500nmであることが好ましく、800〜1,000nmであることがより好ましい。
脂肪酸金属塩を構成する金属としては、例えば、Li、Na、K、Rb、Cs、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn等が挙げられる。
脂肪酸金属塩の脂肪酸部位(R−COO)に対応する脂肪酸(R−COOH)とは、カルボキシル基(−COOH)を持つカルボン酸(R−COOH)のうち、鎖式構造をもつものを全て含む。本発明においては、脂肪酸部位は、アルキル基(R−)の炭素数が多い高級脂肪酸から誘導されたものであることが好ましい。
上記高級脂肪酸(R−COOH)としては、例えば、ラウリン酸(CH(CH10COOH)、トリデカン酸(CH(CH11COOH)、ミリスチン酸(CH(CH12COOH)、ペンタデカン酸(CH(CH13COOH)、パルミチン酸(CH(CH14COOH)、ヘプタデカン酸(CH(CH15COOH)、ステアリン酸(CH(CH16COOH)、アラキジン酸(CH(CH18COOH)、ベヘン酸(CH(CH20COOH)、及びリグノセリン酸(CH(CH22COOH)等が挙げられる。
脂肪酸金属塩としては、具体的に、ラウリン酸リチウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、ラウリン酸マグネシウム、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸バリウム等のラウリン酸金属塩;ミリスチン酸リチウム、ミリスチン酸ナトリウム、ミリスチン酸カリウム、ミリスチン酸マグネシウム、ミリスチン酸カルシウム、ミリスチン酸バリウム等のミリスチン酸金属塩;パルミチン酸リチウム、パルミチン酸ナトリウム、パルミチン酸カリウム、パルミチン酸マグネシウム、パルミチン酸カルシウム、パルミチン酸バリウム等のパルミチン酸金属塩;ステアリン酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、及びステアリン酸カリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛等のステアリン酸金属塩;等が代表的に挙げられ、これら中でもステアリン酸金属塩が好ましく、ステアリン酸亜鉛が更に好ましい。
本発明において外添剤として好適な脂肪酸金属塩粒子は、着色樹脂粒子100質量部に対して、好ましくは0.01〜1質量部用いられ、より好ましくは0.03〜0.3質量部用いられる。
脂肪酸金属塩粒子としては、種々の市販品を用いることができ、例えば、堺化学工業社製のSPL−100F(:商品名、ステアリン酸リチウム、個数平均一次粒径:0.71μm)、SPX−100F(:商品名、ステアリン酸マグネシウム、個数平均一次粒径:0.72μm)、SPC−100F(:商品名、ステアリン酸カルシウム、個数平均一次粒径:0.51μm)、SPZ−100F(:商品名、ステアリン酸亜鉛、個数平均一次粒径:0.5μm)等が挙げられる。
本発明においては、外添剤として、個数平均一次粒径が7〜49nmであるシリカ微粒子(以下、シリカ微粒子Bと称する。)を更に含有することが好ましい。
シリカ微粒子Bの個数平均一次粒径が7nm未満である場合には、着色樹脂粒子の表面から内部に、当該シリカ微粒子Bが埋没し易くなり、印字枚数が多い場合、トナー粒子に流動性を十分に付与させることができず、印字性能に悪影響が及ぶ。一方、シリカ微粒子Bの個数平均一次粒径が49nmを超える場合には、トナー粒子の表面に対して、当該無機微粒子Bが占める割合(被覆率)が低下するため、トナー粒子に流動性を十分に付与させることができない。
シリカ微粒子Bの個数平均一次粒径は、10〜40nmであることが好ましく、12〜30nmであることがより好ましい。
シリカ微粒子Bの含有量は、着色樹脂粒子100質量部に対して、通常0.1〜2.0質量部であり、0.3〜1.2質量部であることが好ましく、0.4〜0.8質量部であることがより好ましい。
シリカ微粒子Bの含有量が0.1質量部未満の場合、外添剤としての機能を十分に発揮させることができず、流動性が低下したり、保存性や耐久性が低下したりする。一方、シリカ微粒子Bの含有量が2.0質量部を超える場合、トナー粒子の表面から、当該シリカ微粒子Bが遊離し易くなり、高温高湿環境下での帯電性が低下してカブリが発生する。
シリカ微粒子Bは、表面処理が施されていることが好ましく、正帯電性の官能基を有する疎水化処理剤で表面処理されていることがより好ましい。シリカ微粒子Bの表面処理の詳細は、上述したシリカ微粒子の表面処理と同様である。
シリカ微粒子Bとしては、種々の市販品を用いることができ、例えば、クラリアント社製のHDK2150(:商品名、個数平均一次粒径:12nm);日本アエロジル社製のRX50(:商品名、個数平均一次粒径:40nm)、NA50Y(:商品名、個数平均一次粒径:35nm)、NA130Y(:商品名、個数平均一次粒径:20nm)、R504(:商品名、個数平均一次粒径:12nm)、RX200(:商品名、個数平均一次粒径:12nm)、RY300(:商品名、個数平均一次粒径:7nm);テイカ社製のMSP−012(:商品名、個数平均一次粒径:16nm)、MSN−004(:商品名、個数平均一次粒径:16nm);キャボット社製のTG−7120(:商品名、個数平均一次粒径:20nm)、TG820F(:商品名、個数平均一次粒径:7nm);等が挙げられる。
本発明においては、外添剤の総添加量が、着色樹脂粒子100質量部に対して、1.40〜4.00質量部であることが好ましい。外添剤の総添加量が1.40質量部未満の場合には転写残が発生するおそれがある。外添剤の総添加量が4.00質量部を超える場合にはカブリが発生するおそれがある。
外添剤の総添加量は、着色樹脂粒子100質量部に対して1.70〜3.50質量部であることがより好ましく、2.00〜3.00質量部であることがさらに好ましい。
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。なお、部及び%は、特に断りのない限り質量基準である。
本実施例及び比較例において行った試験方法は以下のとおりである。
1.シリカ微粒子の製造
[製造例1]
1−1.珪酸液の調製
4.7%濃度の珪酸ナトリウム(3号水硝子)の14,000gを限外モジュール(旭化成(株)製、SIP−1013)に通液し濾水を回収し精製水硝子を得た。この精製水硝子のシリカ濃度が5%になるように純水を添加した。そして、このシリカ濃度5%の水硝子13,000gを強酸性陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製、SK1BH)2.2Lに空間速度3.1で通液させることで珪酸液13,300gを得た。得られた珪酸液のシリカ濃度は4.7%であった。
1−2.原料シリカ系微粒子分散液(シリカゾル)の調製
珪酸ナトリウム(3号水硝子、SiO濃度:24.68%)67.2gに純水839.5gを添加してシリカ濃度1.8%の希釈水硝子を調製した。ついでシリカ濃度4.7%の珪酸液6.3gを添加して攪拌した後、79℃に昇温した。この温度のまま79℃で30分間保持し、さらにシリカ濃度4.7%の珪酸液6162.9gを22時間かけて添加した。添加終了後さらに79℃のままで1時間保ち、その後室温まで冷却した。得られたシリカゾルを、限外濾過膜(旭化成(株)製、SIP−1013)を用いてシリカ濃度が12%になるまで濃縮した。ついでロータリーエバポレーターで20%まで濃縮した。
1−3.シリカ微粒子の調製
こうして得られたシリカゾル(Z10)について、SEM観察により100個の粒子を観察したところ、平均粒径100nmのシリカゾル(シリカゾルa)であることが確認できた。
珪酸液の調整時と同様の方法でシリカゾルaを陽イオン交換樹脂に通液させた後、乾燥させ、シリカ微粒子aを得た。
さらにシリカ微粒子aを容器に入れ、当該容器に少量の水を加えた後、密封し50℃で20時間放置した。次いで、放冷した後、室温で疎水化剤としてヘキサメチルジシラザン4.6%、正帯電化剤として3−アミノプロピルトリエトキシシラン0.4%を添加し、50℃で48時間放置した。その後、開放下、100℃で16時間乾燥させた粒子の平均粒径が100nm、高温高湿放置前疎水化度48%、高温高湿放置後疎水化度35%(疎水化度変化量13%)のシリカ微粒子1を得た。
[製造例2〜7]
製造例1において、ヘキサメチルジシラザン及び3−アミノプロピルトリエトキシシランの添加量を下記表1に示す通りに変えたこと以外は、製造例1と同様にしてシリカ微粒子2〜5及び7を得た。また、製造例1において、下記表1に示す通りにヘキサメチルジシラザンの添加量を変え、かつ3−アミノプロピルトリエトキシシラン0.4%を3−アミノプロピルトリメトキシシラン0.5%に替えたこと以外は、製造例1と同様にしてシリカ微粒子6を得た。
2.シリカ微粒子の物性評価
上記シリカ微粒子1〜7、及びHDKH05TA(製品名、WACKER社製;以下、シリカ微粒子8と称する場合がある。)について、物性を調べた。詳細は以下の通りである。評価結果を表1に示す。
2−1.高温高湿放置前の疎水化度の測定
まず、シリカ微粒子を温度23℃、相対湿度50%の環境に30時間放置した。次いで、23℃の測定温度条件下で、純水100mLの水面上に、シリカ微粒子の粉体1gを浮遊させた。次に、水を静かに攪拌しながら水中にメタノールをビュレットにより少しずつ滴下した。水面上の粉体が全て水中に没した時点でのメタノール滴下量を下記式に代入することにより、高温高湿放置前の疎水化度を算出した。
高温高湿放置前の疎水化度(%)={メタノール滴下量[mL]/(100[mL]+メタノール滴下量[mL])}×100
2−2.高温高湿放置後の疎水化度の測定
シリカ微粒子を、まず、温度23℃、相対湿度50%の環境に30時間放置した後、温度50℃、相対湿度80%の環境に30時間放置した。
以下、上記疎水化度の測定方法と同様に滴定を行い、高温高湿放置後の疎水化度を算出した。
下記表1は、シリカ微粒子1〜8について、表面処理剤(疎水化剤及び正帯電化剤)の添加量と、シリカ微粒子の疎水化度をまとめた表である。なお、表1中の「HMDS」とはヘキサメチルジシラザンを意味する。
Figure 2016027674
3.トナーの製造
[実施例1]
重合性単量体としてスチレン75部及びn−ブチルアクリレート25部、ブラック着色剤としてカーボンブラック(三菱化学社製、商品名:#25B)7部を、分散機(シンマルエンタープライゼス、商品名:ダイノミル)を用いて分散させて、重合性単量体混合物を得た。
上記重合性単量体混合物に、帯電制御剤として帯電制御樹脂(4級アンモニウム基含有スチレンアクリル樹脂)2.8部、離型剤として脂肪酸エステルワックス5部、パラフィンワックス5部、マクロモノマーとしてポリメタクリル酸エステルマクロモノマー(東亜合成化学工業社製、商品名:AA6)0.3部、架橋性の重合性単量体としてジビニルベンゼン0.6部、及び分子量調整剤としてt−ドデシルメルカプタン1.5部を添加し、混合及び溶解して、重合性単量体組成物を調製した。
他方、室温下で、イオン交換水250部に塩化マグネシウム(水溶性多価金属塩)10.2部を溶解した水溶液に、イオン交換水50部に水酸化ナトリウム(水酸化アルカリ金属)6.2部を溶解した水溶液を、攪拌下で徐々に添加して、水酸化マグネシウムコロイド(難水溶性の金属水酸化物コロイド)分散液を調製した。
上記水酸化マグネシウムコロイド分散液に、室温下で、上記重合性単量体組成物を投入し、攪拌した。そこへ重合開始剤(日油社製、商品名:トリゴノックス)4.4部を投入した後、インライン型乳化分散機(太平洋機工社製、商品名:マイルダー MDN303V)を用いて、15,000rpmの回転数で10分間高速剪断攪拌して分散を行い、重合性単量体組成物の液滴形成を行った。
上記重合性単量体組成物の液滴が分散した懸濁液(重合性単量体組成物分散液)を、攪拌翼を装着した反応器内に投入し、90℃に昇温し、重合反応を開始させた。重合転化率がほぼ100%に達したときに、シェル用重合性単量体としてメチルメタクリレート1部、及びイオン交換水10部に溶解したシェル用重合開始剤である2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド)(和光純薬社製、商品名:VA−086、水溶性)0.3部を添加し、90℃で4時間反応を継続した後、水冷して反応を停止し、コアシェル型構造を有する着色樹脂粒子の水分散液を得た。
上記着色樹脂粒子の水分散液を、室温下で、攪拌しながら硫酸を滴下し、pHが6.5以下となるまで酸洗浄を行った。次いで、濾過分離を行い、得られた固形分にイオン交換水500部を加えて再スラリー化させて、水洗浄処理(洗浄、濾過、及び脱水)を数回繰り返し行った。次いで、濾過分離を行い、得られた固形分を乾燥機の容器内に入れ、40℃で24時間乾燥を行い、乾燥した着色樹脂粒子を得た。
上記で得られた着色樹脂粒子100部に、外添剤Aとしてシリカ微粒子1を1.5部、外添剤Bとして個数平均一次粒径20nmのシリカ微粒子b(キャボット社製、商品名:TG−7120)を0.7部、外添剤Cとして個数平均一次粒径500nmのステアリン酸亜鉛粒子c(堺化学社製、商品名:SPZ−100F)0.1部を添加し、冷却用ジャケットを有する容量10Lのラボスケールの高速攪拌装置(日本コークス工業社製、商品名:FMミキサー)を用いて、攪拌翼の周速40m/秒、外添処理時間300秒の条件下で混合攪拌して外添処理を行い、実施例1のトナーを作製した。試験結果を表2に示す。
[実施例2〜8、及び比較例1〜5]
実施例1において、外添剤を表2に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして実施例2〜8、及び比較例1〜5のトナーを得た。
4.着色樹脂粒子及びトナーの特性評価
上記実施例1〜8及び比較例1〜5のトナー、並びにトナーに使用した着色樹脂粒子について、特性を調べた。詳細は以下の通りである。評価結果を表2に示す。
(1)着色樹脂粒子の粒径測定
着色樹脂粒子について、体積平均粒径(Dv)、個数平均粒径(Dn)及び粒径分布(Dv/Dn)を調べた。
測定試料(着色樹脂粒子)を約0.1g秤量し、ビーカーに取り、分散剤としてアルキルベンゼンスルホン酸水溶液(富士フイルム社製、商品名:ドライウエル)0.1mLを加えた。そのビーカーへ、更にアイソトンIIを10〜30mL加え、20W(Watt)の超音波分散機で3分間分散させた後、粒径測定機(ベックマン・コールター社製、商品名:マルチサイザー)を用いて、アパーチャー径;100μm、媒体;アイソトンII、測定粒子個数;100,000個の条件下で、着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)、及び個数平均粒径(Dn)を測定し、粒径分布(Dv/Dn)を算出した。
得られた着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)は7.8μm、個数平均粒径(Dn)は6.9μm、粒径分布(Dv/Dn)は1.13であった。
(2)平均円形度
得られた着色樹脂粒子について、平均円形度を調べた。
容器中に、予めイオン交換水10mLを入れ、その中に分散剤として界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸)0.02gを加え、更に測定試料(着色樹脂粒子)0.02gを加え、超音波分散機で60W(Watt)、3分間分散処理を行った。測定時の着色樹脂粒子濃度が3,000〜10,000個/μLとなるように調整し、0.4μm以上の円相当径の着色樹脂粒子1,000〜10,000個についてフロー式粒子像分析装置(シスメックス社製、商品名:FPIA−2100)を用いて測定した。測定値から平均円形度を求めた。
円形度は下記計算式4に示され、平均円形度は、その平均をとったものである。
計算式4:(円形度)=(粒子の投影面積に等しい円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
得られた着色樹脂粒子の平均円形度は0.988であった。
(3)最低定着温度
市販の非磁性一成分現像方式のブリンターの定着ロール部の温度を変化できるように改造したプリンターを用いて、定着試験を行った。定着試験は、黒ベタ(印字濃度100%)を印字して、改造プリンターの定着ロールの温度を5℃ずつ変化させて、それぞれの温度でのトナーの定着率を測定し、温度−定着率の関係を求めて行った。定着率は、黒ベタ(印字濃度100%)の印字領域においてテープ剥離を行い、テープ剥離前後の画像濃度の比率から計算した。すなわち、テープ剥離前の画像濃度をID(前)、テープ剥離後の画像濃度をID(後)とすると、定着率は、下記計算式5により算出できる。
計算式5:定着率(%)=(ID(後)/ID(前))×100
テープ剥離操作とは、試験用紙の測定部分に粘着テープ(住友スリーエム社製、商品名:スコッチメンディングテープ810−3−18)を貼り、一定圧力で押圧して付着させ、その後、一定速度で紙に沿った方向に粘着テープを剥離する一連の操作である。画像濃度は、反射式画像濃度計(マクベス社製、商品名:RD914)を用いて測定した。この定着試験において、定着率が80%を超える定着ロールの最低温度をトナーの最低定着温度とした。
(4)保存性
トナー10gを密閉可能な容器(ポリエチレン製、容量100mL)に入れて、密閉した後、当該容器を55℃の温度に保持した恒温水槽の中に沈めた。8時間経過した後、恒温水槽から当該容器を取り出し、容器内のトナーを42メッシュの篩上へ置いた。この際、容器内でのトナーの凝集構造を破壊しないように、容器内からトナーを静かに取り出し、注意深く篩上に移して置くようにした。トナーを置いた篩を、粉体測定機(ホソカワミクロン社製、商品名:パウダテスタPT−R)を用いて、振幅1mmの条件で、30秒間振動させた後、篩上に残留したトナーの質量を測定し、凝集トナーの質量とした。なお、1サンプルにつき上記測定を3回行い、その平均値を保存性の指標とした。
5.トナーの印字特性評価
上記実施例1〜8及び比較例1〜5のトナーについて、印字特性を調べた。詳細は以下の通りである。評価結果を表2に示す。
(1)印字耐久性
印字耐久性試験には、市販の非磁性一成分現像方式のプリンター(印刷スピード:A4サイズ20枚/分)を用い、現像装置のトナーカートリッジに、トナーを充填した後、印字用紙をセットした。
常温常湿(N/N)環境下(温度:23℃、湿度:50%)で、24時間放置した後、同環境下にて、5%印字濃度で15,000枚まで連続印刷を行った。
500枚毎に、黒ベタ印字(印字濃度100%)を行い、反射式画像濃度計(マクベス社製、商品名:RD918)を用いて黒ベタ画像の印字濃度を測定した。さらに、その後、白ベタ印字(印字濃度0%)を行い、白ベタ印字の途中でプリンターを停止させ、現像後の感光体上における非画像部のトナーを、粘着テープ(住友スリーエム社製、商品名:スコッチメンディングテープ810−3−18)に付着させた後、剥ぎ取り、それを印字用紙に貼り付けた。次に、その粘着テープを貼り付けた印字用紙の白色度(B)を、白色度計(日本電色社製、商品名:ND−1)で測定し、同様にして、未使用の粘着テープだけを印字用紙に貼り付け、その白色度(A)を測定し、この白色度の差(B−A)をカブリ値とした。この値が小さいほど、カブリが少なく良好であることを示す。
印字濃度が1.3以上で、且つカブリ値が3以下の画質を維持できる連続印刷枚数を調べた。尚、本試験において、当該連続印刷枚数が10,000枚以上であることが、トナーに求められる印字耐久性である。
尚、表1中、「15000<」とあるのは、15,000枚の時点においても、印字濃度が1.3以上で、且つカブリ値が3以下の画質を維持できたことを示す。
(2)搬送量安定性
(i)初期搬送量(M/A)測定
上記印字耐久性試験中、500枚の試験が終了した後、23℃、50%の環境下にてプリンター(印刷速度:40ppm)を用い、白ベタ印字を行い、次いで、2枚目の白ベタ印字を途中で停止させた後、現像ロール上に付着したトナーについて、吸引式帯電量測定装置(トレックジャパン社製、商品名:210HS−2A)を用いて、吸引されたトナー質量、及び吸引面積を測定した。
吸引されたトナー質量、及び吸引面積に基づき、下記計算式1及び2から現像ロール上の初期搬送量(mg/cm)を算出した。
計算式1:現像ロール上の面積(cm)=(吸引痕の半径(cm))×π×吸引痕の数
計算式2:現像ロール上の搬送量(mg/cm)=捕集されたトナー質量(mg)/現像ロール上の面積(cm
(ii)中期及び末期搬送量測定
(i)と同様にして、印字耐久性試験の6,000枚終了後の現像ロール上の搬送量を算出し、これを中期搬送量(mg/cm)とした。また、(i)と同様にして、印字耐久性試験の12,000枚終了後、又はカブリが発生した枚数での現像ロール上の搬送量を算出し、これを末期搬送量(mg/cm)とした。
(iii)搬送量安定性の算出
(i)及び(ii)の測定結果から、下記計算式3a及び3bにより、中期及び末期の搬送安定性を算出した。
計算式3a:搬送量安定性(中期)=中期搬送量/初期搬送量
計算式3b:搬送量安定性(末期)=末期搬送量/初期搬送量
尚、本試験において、中期の搬送量安定性が2.0以下、末期の搬送量安定性が2.5以下であることが、トナーに求められる搬送量安定性である。
(3)HHカブリ
上記印字耐久性試験で使用した非磁性一成分現像方式のプリンターを用いて、評価対象のトナーを温度35℃、湿度80%の高温高湿(H/H)環境下に一昼夜放置した後、上記印字耐久性試験と同様にして、1枚目に白ベタ印字を行い、HHカブリを測定した。
尚、本試験において、当該カブリ値が2.0以下であることが、トナーに求められる高温高湿環境下におけるカブリ特性である。
実施例1〜8及び比較例1〜5のトナーの評価結果を、外添剤の種類等と併せて下記表2に示す。なお、表2中、「粒子c」とは上記ステアリン酸亜鉛粒子cを示す。
Figure 2016027674
6.トナーの評価
以下、表2を参照しながら、トナーの評価結果について検討する。
表2より、比較例1のトナーに使用されたシリカ微粒子6に係る高温高湿放置後疎水化度は51%であり、シリカ微粒子6の添加量は1.5質量部である。
表2より、比較例1のトナーは、最低定着温度が145℃であり、凝集トナーの平均質量が0.2gであり、HHカブリの値は0.3であるため、少なくとも低温定着性、耐熱保存性、及び高温高湿(H/H)環境下におけるカブリの問題は見られない。
しかし、比較例1のトナーの印字耐久性の評価枚数は10,000枚と少なく、搬送量安定性(中期)の値は2.12と高い。なお、比較例1においては、搬送量安定性(中期)に既に劣るため、搬送量安定性(末期)の評価を行っていない。以上の結果は、シリカ微粒子の高温高湿放置後疎水化度が高すぎる場合は搬送安定性に優れず、その結果印字耐久性に劣ることを示す。
表2より、比較例3のトナーに使用されたシリカ微粒子8に係る高温高湿放置後疎水化度は66%であり、シリカ微粒子8の添加量は1.5質量部である。
表2より、比較例3のトナーは、最低定着温度が150℃であり、凝集トナーの平均質量が0.1gであり、HHカブリの値は0.2であるため、少なくとも低温定着性、耐熱保存性、及び高温高湿(H/H)環境下におけるカブリの問題は見られない。
しかし、比較例3のトナーの印字耐久性の評価枚数は8,000枚と少なく、搬送量安定性(中期)の値は2.32と高い。なお、比較例3においては、搬送量安定性(中期)に既に劣るため、搬送量安定性(末期)の評価を行っていない。以上の結果は、シリカ微粒子の高温高湿放置後疎水化度を比較例1よりもさらに高くした場合、印字耐久性及び搬送安定性がさらに悪化することを示す。
表2より、比較例2のトナーに使用されたシリカ微粒子7に係る高温高湿放置後疎水化度は10%であり、シリカ微粒子7の添加量は1.5質量部である。
表2より、比較例2のトナーは、最低定着温度が145℃であり、凝集トナーの平均質量が0.1gであり、印字耐久性の評価枚数は15,000枚を超え、搬送量安定性(中期)の値は1.08であり、搬送量安定性(末期)の値は1.22である。したがって、比較例2のトナーについて、少なくとも低温定着性、耐熱保存性、印字耐久性、及び搬送量安定性の問題は見られない。
しかし、比較例2のトナーのHHカブリの値は4.1と高い。これは、シリカ微粒子7の高温高湿放置後疎水化度が低すぎることにより、高温高湿(H/H)環境下において経時的に吸湿量が増した結果、カブリが生じたためと考えられる。
表2より、比較例4のトナーに使用されたシリカ微粒子1に係る高温高湿放置後疎水化度は35%であり、シリカ微粒子1の添加量は4.0質量部である。
表2より、比較例4のトナーは、凝集トナーの平均質量が0.2gであり、搬送量安定性(中期)の値は1.25である。したがって、比較例4のトナーについて、少なくとも耐熱保存性、及び中期の搬送量安定性に問題は見られない。
しかし、比較例4のトナーの最低定着温度は160℃と高く、印字耐久性の評価枚数は11,000枚と少なく、HHカブリの値は6.9と高い。この最低定着温度の値及びHHカブリの値は、いずれも、今回評価したトナー中最も高い。なお、比較例4においては、搬送量が急激に増加し、10,000枚印刷の時点で印刷が困難となったため、搬送量安定性(末期)の評価を行っていない。以上の結果は、シリカ微粒子を3.0質量部よりも多く加えた場合、低温定着性が悪化することを示す。また、以上の結果は、外添剤量が多すぎる場合、トナー搬送量の不安定化及び帯電量の低下が引き起こされ、搬送量安定性や高温高湿(H/H)環境下におけるカブリの発生につながることを示す。
表2より、比較例5のトナーに使用されたシリカ微粒子1に係る高温高湿放置後疎水化度は35%であり、シリカ微粒子1の添加量は0.3質量部である。
表2より、比較例5のトナーの最低定着温度は130℃である。したがって、比較例5のトナーについて、少なくとも低温定着性に問題は見られない。
しかし、比較例5のトナーにおける凝集トナーの平均質量は10.2gと多く、印字耐久性の評価枚数は7,000枚と少なく、搬送量安定性(中期)の値は2.02と高く、HHカブリの値は2.9と高い。比較例5の凝集トナーの平均質量は、今回評価したトナー中最も多い。また、比較例5の印字耐久性の評価枚数は、今回評価したトナー中最も少ない。なお、比較例5においては、搬送量安定性(中期)に既に劣るため、搬送量安定性(末期)の評価を行っていない。以上の結果は、シリカ微粒子を0.5質量部よりも少なく加えた場合、耐熱保存性が悪化し、印字耐久性に劣ることを示す。また、以上の結果は、外添剤量が少なすぎる場合、トナー搬送量の不安定化及び帯電量の低下が引き起こされ、搬送量安定性や高温高湿(H/H)環境下におけるカブリの発生につながることを示す。
一方、表2より、実施例1〜8のトナーに使用されたシリカ微粒子1〜5に係る高温高湿放置後疎水化度は17〜48%であり、これらシリカ微粒子の添加量は0.6〜2.5質量部である。
表2より、実施例1〜8のトナーは、最低定着温度が150℃以下と低く、凝集トナーの平均質量が2.5g以下と少なく、印字耐久性の評価枚数が12,000枚以上と多く、搬送量安定性(中期)の値が1.50以下と低く、搬送量安定性(末期)の値が2.28以下と低く、HHカブリの値は2.0以下と低い。
したがって、外添剤として、高温高湿放置後疎水化度が15%〜49%であるシリカ微粒子を0.5質量部〜3.0質量部含む本発明のトナーは、低温定着性と耐熱保存性のバランスに優れ、搬送量安定性及び印字耐久性も良好であり、且つ高温高湿環境下でカブリの発生が少ないことが分かる。特に、疎水化度変化量が5〜28%の範囲にある場合、高温高湿環境下でのカブリの発生が効果的に抑えられることが分かる。

Claims (6)

  1. 結着樹脂及び着色剤を含有する着色樹脂粒子、並びに外添剤を含有する静電荷像現像用トナーにおいて、
    前記着色樹脂粒子100質量部に対して、前記外添剤として、高温高湿放置後疎水化度が15%〜49%であるシリカ微粒子を0.5質量部〜3.0質量部含むことを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 前記シリカ微粒子の高温高湿放置前後での疎水化度変化量が5%〜28%であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 前記シリカ微粒子の個数平均一次粒径が50nm〜500nmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 前記外添剤として、さらに個数平均一次粒径が100〜2,000nmの脂肪酸金属塩粒子を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
  5. 前記着色樹脂粒子100質量部に対して、前記外添剤の総添加量が1.40質量部〜4.00質量部であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
  6. 前記着色樹脂粒子が正帯電性を示し、かつ、
    前記シリカ微粒子も正帯電性を示すよう表面処理が行われていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
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