JPWO2016002240A1 - ホットメルト接着剤 - Google Patents

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Abstract

接着剤組成物の成形物と、成形物の表面に付着している被覆材と、を有するホットメルト接着剤が開示される。接着剤組成物は、オレフィン樹脂、粘着付与樹脂及びワックスを含む。被覆材は、アニオン性界面活性剤及びポリエチレンワックスを含む。

Description

本発明は、ホットメルト接着剤に関する。
ホットメルト接着剤を専用の塗布機を用い加熱溶融させて、被着体に塗布し、被着体を貼り合わせた後、接着剤を冷却固化することで、初期接着が短時間で得られる。ホットメルト接着剤は、有機溶剤等を含まず、加熱溶融により塗布されるため、有機溶剤などで希釈して塗布する接着剤に比べ、溶剤乾燥が不要であり初期接着性に優れる。大型のアプリケーターを用い塗布、及び、貼り合わせを自動化することも容易であることから、ホットメルト接着剤は、包装、木工、合板、製本、製缶等のアッセンブリラインで主に使用される。
ホットメルト接着剤は、包装、製本、合板、木工などの分野で広く使用されている。ホットメルト接着剤は、塗布後の固化時間が短く、無溶剤であること等から年々使用量が増加している。ホットメルト接着剤は、ペレット状、角板状、ビーズ状等の小片状に裁断加工された製品形態を有するが、中でもペレット形状のホットメルト接着剤が多い。
しかしながら、ホットメルト接着剤は、製造工程、その後の貯蔵、輸送等によりペレット同士が強固なブロッキングを起こすことがある。また、その流動性が極めて乏しいために、生産時、包装作業時において、ブロッキングしたホットメルト接着剤の粉砕の作業で多大な労力を要するといった問題があった。そのため、長時間にわたる貯蔵、輸送等も困難であった。これらの問題を解決する方法として、従来よりブロッキングを防止するための種々の方法が提案されている。
ブロッキングを防止する方法としては、例えば、タルク、シリカ等の無機物質、ポリオレフィン微粉末、ポリエチレンワックス及びその分散液をペレット表面にコーティングする方法、高級脂肪酸またはその塩、N,N’−エチレンビスオレアミド、N,N’−エチレンビスエルクアミド、N,N’−ジオレイルジプイミド、N,N’−ジエルシルアジプイミドを混合する方法がある。
特許第4730698号公報 米国特許第3528841号公報 特開昭56−67209号公報 特開昭48−32939号公報 特開2006−117829号公報
しかしながら、上記の各種方法には多くの問題が存在する。
例えば、特許文献1に記載された方法のように、無機粉体であるタルク、シリカ等をホットメルトブロックの表面に付着させる場合、ペレットの流動性を得るために多量の添加が必要となるが、無機粉体はホットメルト接着剤との相溶性が乏しいために、末端製品の機能が著しく損なわれる可能性がある。
特許文献2に記載されている、ポリオレフィン微粉末の水系スラリーを重合体ペレットにコーティングする方法の場合、微粉末ポリオレフィンの水系への分散性が極めて乏しいと共に、ホットメルト接着剤組成物への付着性が弱いために、現実に粘着性を防止し、良好な流動性を確保する域までに達することができない。
特許文献3にはエチレン共重合体ペレットにポリエチレンワックスまたはポリエチレンワックスを主成分とする分散液をコーティングする方法により得たホットメルト組成物が開示されている。このようなホットメルト組成物を融解させた場合、乳濁状を呈するため、用途面から制約を受ける。
特許文献4には粘着防止剤で被覆した重合体ペレットに関して、比較的硬く、粘着性の低い等級のエチレンインターポリマーを用いる技術が提案されている。この場合でもブロッキング防止効果が不十分で、所望の接着性が得られないことがある。
本出願人においても、特許文献5に開示したように、ホットメルト接着剤の表面を特定の界面活性剤で被覆することにより、ホットメルト接着剤同士のブロッキングを防止する方法を提案した。この方策は、高温高湿下のブロッキング抑制効果の点では有る程度良好であるが、積載荷重を受けた状態でのブロッキング抑制に関しては、まだ改善が必要であった。特に日本の夏場のようなアジア圏の高温多湿環境下に放置した後のブロッキング性に関して、更なる改善が望まれる。
そこで、本発明の一側面は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、ホットメルト接着剤に関して、高温多湿環境下で放置されたときの耐ブロッキング性、及び難接着性の被着体に対する接着性の更なる改善を図ることにある。
これら問題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明は、接着剤組成物の成形物と、成形物の表面に付着している被覆材と、を有するホットメルト接着剤を提供する。前記接着剤組成物は、オレフィン樹脂、粘着付与樹脂及びワックスを含む。前記被覆材は、アニオン性界面活性剤及びポリエチレンワックスを含む。
本発明のホットメルト接着剤によれば、高温多湿環境においても、ホットメルト接着剤同士がブロッキングすることが十分に抑制される。また、積載荷重を受けた状態でのブロッキング抑制の効果も得られる。本発明のホットメルト接着剤は、長期間保存されたときであっても優れた耐ブロッキング性を発揮するため、保存安定性にも優れる。加えて、本発明は、カートン紙等のような難接着性の被着体への接着性に優れるホットメルト接着剤を提供できる。
加えて、いくつかの形態に係る本発明のホットメルト接着剤は、良好な熱安定性を有するとともに、低粘度である。オレフィン樹脂を主成分として含むホットメルト接着剤は、エチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分として含むホットメルト接着剤と比較して、高い粘度を有する傾向がある。オレフィン樹脂を含むホットメルト接着剤を低粘度化することで、被着体への塗布を容易にすることができる。また、いくつかの形態に係る本発明のホットメル接着剤は、良好な熱安定性を有するとともに、糸引き性の点でも優れる。
ホットメルト接着剤の一実施形態を示す断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
実施形態のホットメルト接着剤は、接着剤組成物の成形物の表面に付着し、主親水基が陰イオン型であるアニオン性界面活性剤を含む被覆材を有する。接着剤組成物の成形物は、ホットメルト接着剤の主成分であり、オレフィン樹脂、粘着付与樹脂、及びワックスを含み、更にオイル等を含んでいてもよい。被覆材は更にポリエチレンワックスを含む。
図1は、ホットメルト接着剤の一実施形態を示す断面図である。図1に示すホットメルト接着剤1は、ホットメルト接着剤の主成分である接着剤組成物の成形物10と、成形物10の表面に付着している被覆材20とを有する。被覆材20は、成形物10の表面の全面を被覆する必要は必ずしもなく、成形物10の表面の一部が露出していることもあり得る。図1にはホットメルト接着剤の1個の成形物が示されるが、実際に使用されるホットメルト接着剤は、複数の成形物の集合体であってもよい。
図1に示される成形物10は球状の粒状体である。ただし、成形物は、何らかの形状を有する接着剤組成物であればよく、定形又は不定形の粒状体(ペレット)であってもよいし、角板状、棒状等の任意の形状であってもよい。成形物10が粒状体であるとき、その長軸径(球状体の場合は直径)は、3〜30mmであってもよい。成形物の長軸径が3mmより小さいと、球状の成形物を得ることが困難になり、ホットメルト接着剤の製造に時間がかかる傾向がある。成形物10の長軸径が30mmより大きいと、アニオン性界面活性剤及びポリエチレンワックスによって成形物を均一に被覆することが困難となる傾向がある。さらに、ホースを用いたホットメルトアプリケータでのホットメルト接着剤の搬送が困難となる可能性がある。ブロッキング抑制等の観点から、成形物は、球状であってもよい。ただし、「球状」とは、真球状に限られず、アスペクト比(長軸径/短軸径)が1〜3の範囲にある略球状の形状も含む。球状の成形物の表面に微小な凹凸が形成されていてもよい。
ホットメルト接着剤1(又は接着剤組成物)のJIS K6253に規定される23℃でのショア硬度Aは、50〜99であってもよい。このショア硬度Aは、60〜95、又は70〜90であってもよい。ショア硬度Aが50より小さいと、硬度が低すぎ、ホットメルト接着剤が柔らかくなるため、ブロッキング抑制の効果が小さくなる傾向がある。ショア硬度Aが99より大きいと、硬度が高すぎて、接着性が相対的に低下する傾向がある。
ホットメルト接着剤1(又は接着剤組成物)の環球法による軟化点は、60〜150℃であってもよい。軟化点が60℃より低いと、夏場のような40℃近くなる環境では、一部溶融が始まり、タックが生じるため、ブロッキング抑制の効果が小さくなる可能性がある。軟化点が150℃より高いと、ホットメルト接着剤の溶融に時間がかかり、省電力化が困難となる傾向がある。
接着剤組成物で使用されるオレフィン樹脂は、一般的に、エチレン(エチレン系樹脂)と炭素数3〜20のα−オレフィン(α−オレフィン系樹脂)との共重合体(オレフィン系共重合体、又はα−オレフィン共重合体樹脂ともいう)である。接着剤組成物は、少なくとも1種のオレフィン系共重合体を含んでいてもよい。炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、イソブチレン、ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン及び1−オクテンが挙げられる。上記オレフィン系共重合体のなかでも、エチレンと炭素数4〜8のα−オレフィンとの共重合体が好ましい。オレフィン樹脂としては、エチレンとブテンとの共重体、または、エチレンとプロピレンとの共重体がより好ましい。これらのα−オレフィン共重体は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。
好ましいオレフィン樹脂としては、例えば、RT2115(REXTAC,LLC社製、α−オレフィン共重体樹脂)、RT2304(REXTAC,LLC社製の商品名、α−オレフィン共重体樹脂)、アフェニティーGA1900(ダウケミカル株式会社製、「アフェニティー」は登録商標、ポリオレフィン樹脂)、タフマーP0480(三井化学株式会社製、エチレン・プロピレン共重合体、「タフマー」は登録商標)、タフマーA4070S(エチレン・ブテン共重合体、三井化学株式会社製、α−オレフィン共重体樹脂、「タフマー」は登録商標)等、市販のものが挙げられる。
接着剤組成物(成形物10)におけるオレフィン樹脂の含有量は、30〜60質量%、30〜45質量%、又は33〜40質量%であってもよい。オレフィン樹脂の含有量が30質量%以上であると、低温下での接着性の低下が起こり難い傾向がある。オレフィン樹脂の含有量が60質量%以下であると、接着剤の粘度値変化(粘度値上昇)が起こり難く、優れた耐クリープ性を容易に維持できる。
接着剤組成物が後述のオイルを含む場合、接着剤組成物(成形物10)におけるオレフィン樹脂の含有量は、30〜55質量%、30〜45質量%、又は35〜40質量%であってもよい。オレフィン樹脂の含有量が30質量%以上であると、低温下での接着性の低下が起こり難い傾向がある。オレフィン樹脂の含有量が55質量%以下であると、接着剤の粘度値変化(粘度値上昇)が起こり難く、優れた耐クリープ性を容易に維持できる。
接着剤組成物に使用される粘着付与樹脂としては、特に限定されないが、例えば、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族炭化水素樹脂、スチレン系樹脂、ポリテルペン系樹脂、及びロジン系樹脂などの石油樹脂、並びにこれらの変性物が挙げられる。これらを1種または2種以上組み合わせて使用することができる。石油樹脂の変性物としては、特に限定しないが、例えば、水素添加、不均化、2量化、エステル化などの変性手段を施したものが挙げられる。水添(水素添加)石油樹脂が特に好ましい。
脂肪族炭化水素樹脂としては、特に限定されず、例えば、1−ブテン、イソブチレン、ブタジエン、ペンテン、イソプレン、ピペリジン、1,3−ペンタジエンなどのC4〜C5のモノまたはジオレフィンを主成分として含む重合体が挙げられる。
脂環族炭化水素樹脂としては、特に限定されず、例えば、C4〜C5留分中の非環式ジエン成分を環化2量体化させ、この2量体モノマーを重合させて生成する樹脂、シクロペンタジエンなどの環化モノマーを重合させて生成する樹脂、芳香族炭化水素樹脂に水素添加して生成する樹脂が挙げられる。
芳香族炭化水素樹脂としては、特に限定されず、例えば、ビニルトルエン、インデン、α−メチルスチレン、シクロペンタジエンなどのC9〜C10のビニル芳香族炭化水素を主成分として含む樹脂が挙げられる。
スチレン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、イソプロペニルトルエンの重合体が挙げられる。
ポリテルペン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、α−ピネン重合体、β−ピネン重合体、ジペンテン重合体、テルペン−フェノール重合体、α−ピネン−フェノール重合体が挙げられる。
ロジン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、ガムロジン、ウッドロジン、トール油などのロジンが挙げられる。
粘着付与樹脂としては、前記したように、水添石油樹脂が好ましく、ジシクロペンタジエン(DCPD)・芳香族共重合系の水添石油樹脂、水添C9石油樹脂、及び水添C5石油樹脂がより好ましい。ジシクロペンタジエン(DCPD)・芳香族共重合系の水添石油樹脂とは、一般的に、シクロペンタジエン化合物又はその誘導体と芳香族化合物とを共重合し、得られる共重合体に水素添加して得られる、水素添加石油樹脂である。
例えば、イーストタックC115W(水添C5石油樹脂、イーストマンケミカル社製の商品名)、アルコンM100、アルコンP115、アルコンSM−10(水添C9石油樹脂、荒川化学工業株式会社製の商品名、「アルコン」は登録商標)、アイマーブP100、アイマーブP125、アイマーブP140、アイマーブS100、アイマーブS110(ジシクロペンタジエン(DCPD)・芳香族共重合系の水添石油樹脂、出光興産株式会社製の商品名、「アイマーブ」は登録商標)等市販の樹脂が粘着付与樹脂として使用できる。
接着剤組成物(成形物10)における粘着付与樹脂の含有量は、接着剤組成物の質量を基準として、25〜70質量%、30〜60質量%、又は40〜50質量%であってもよい。接着剤組成物が後述のオイルを含む場合、接着剤組成物(成形物10)における粘着付与樹脂の含有量は、25〜60質量%、30〜55質量%、又は40〜50質量%であってもよい。粘着付与樹脂の含有量が25質量%以上であれば、耐熱性及び接着性の点で特に優れた効果が得られる。粘着付与樹脂の含有量が60質量%以下又は70質量%以下であれば、粘度低下の可能性が小さいため、作業性が良好である。さらに、低温下での接着性低下が起こり難い。
接着剤組成物(成形物10)に使用されるワックスとしては、一般的に、ホットメルト接着剤に使用されるものであれば、特に限定されないが、例えば、精製パラフィンワックス、パラフィンワックス、及びマイクロクリスタリンワックスなどの石油系ワックス、並びに、ポリエチレンワックス、フィッシャートロフィックワックス、結晶性ポリエチレンワックス、結晶性ポリプロピレンワックス、アタクチックポリプロピレンワックス、及びエチレン・一酸化炭素共重合体ワックスなどの合成ワックスが挙げられる。これらの中でも特に、ポリエチレンワックス、フィッシャートロフィックワックスが好適である。これらワックス成分は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
接着剤組成物(成形物10)におけるワックスの含有量は、接着剤組成物の質量を基準として、5〜25質量%、又は10〜20質量%であってもよい。ワックスの含有量が5質量%以上であれば、組成物の粘度変化が起こりにくく、また固化性能が十分に発揮され易い。一方、ワックスの含有量が25質量%以下であれば、接着性が低下し難い。
好ましいワックスとしては、例えば、サゾールH1(サゾール社製、フィッシャートロフィックワックス、「SaSOL(サゾール)」は登録商標)、CPW90F(千葉ファインケミカル株式会社製、ポリエチレンワックス)等の市販のものが挙げられる。
接着剤組成物は、オイルを更に含んでいてもよい。接着剤組成物(成形物10)におけるオイルの含有量は、接着剤組成物の質量を基準として、1〜25質量%、又は5〜20質量%であってもよい。オイルは、接着剤組成物を低粘度化させる効果を有しており、その含有量が1質量%以上であれば、接着剤組成物が硬くなり難く、より優れた接着性が得られる。一方、オイルの含有量が20質量%以下であれば、ホットメルト接着剤を長時間加熱しても可塑剤の揮発による粘度変化が起こり難い。また、接着剤組成物の粘度低下が起こり難く、凝集力が低下し難い。
接着剤組成物(成形物10)に使用されるオイルは、例えば、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、芳香族系オイル、鉱油、ポリブテン、及び液状ゴムからなる群より少なくとも1種のオイルであってもよい。好ましいオイルとしては、ダイアナプロセスオイルPW32(出光興産株式会社製、パラフィン系オイル)、ダイアナプロセスオイルNS90S(出光興産株式会社製、ナフテン系オイル)、JCTオイルB(ジャパンケムテックス株式会社製、ナフテン系オイル)等、市販のものが挙げられる。
接着剤組成物は、エチレン−酢酸ビニル共重合体を含んでいてもよい。接着剤組成物に使用されるエチレン−酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル(VA)含有率は、エチレン−酢酸ビニル共重合体の質量を基準として、10〜50質量%であってもよい。エチレン−酢酸ビニル共重合体のメルトフローレート(MFR)は、200〜3000g/10分であってもよい。エチレン−酢酸ビニル共重合体の環球法軟化温度は、60〜120℃であってもよい。
エチレン−酢酸ビニル共重合体のVA(酢酸ビニル)含有率が15〜35質量%であってもよいし、環球法軟化温度が75〜95℃であってもよい。1種のエチレン−酢酸ビニル(EVA)共重合体が単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。
通常、メルトフローレート(MFR)は、JIS K7210に準拠して190℃、荷重21.18Nの条件下にて測定された値をいう。環球法軟化温度は、JIS K6863(又はJIS K2207)に準拠して測定された値をいう。
エチレン−酢酸ビニル共重合体の市販品としては、例えば、ウルトラセン684(VA含有率20質量%、メルトフローレート(MFR)=2000、環球法軟化温度80℃、東ソー株式会社製の商品名、「ウルトラセン」は登録商標)、ウルトラセン722(VA含有率28質量%、メルトフローレート(MFR)=400、環球法軟化温度82℃、東ソー株式会社製の商品名、「ウルトラセン」は登録商標)、ウルトラセン735(VA含有率28質量%、メルトフローレート(MFR)=1000、環球法軟化温度85℃、東ソー株式会社製の商品名、「ウルトラセン」は登録商標)が挙げられる。
接着剤組成物がエチレン−酢酸ビニル共重合体を含む場合、接着剤成物(成形物10)におけるエチレン−酢酸ビニル共重合体の含有量は、接着剤組成物(成形物10)の質量を基準として、0.3〜10質量%、0.5〜4質量%、又は1〜3質量%であってもよい。エチレン−酢酸ビニル共重合体の含有量が0.3質量%以上であれば、接着性及び糸引き抑制の点でより優れた効果が得られる。エチレン−酢酸ビニル共重合体の含有量が10質量%以下であれば、組成物を構成する成分同士の相溶性、及び接着剤組成物の更に優れた熱安定性も得られる。
被覆材20に使用するポリエチレンワックスの、示差走査熱量測定(DSC)によって決定される融点は、80〜135℃であってもよい。被覆材20(離型剤)として使用されるポリエチレンワックスのDSCによる融点が80℃以上であれば、日本を含むアジア圏での高温環境におけるブロッキングがより一層効果的に抑制され易く、また、良好な耐熱性も得られる。135℃を超える融点を有するポリエチレンワックスは、入手が困難である。DSCによる融点の測定は、窒素雰囲気下、昇温速度2℃/分で行われる。測定装置としては、例えばDSC6220(SII製)を用いることができる。
ポリエチレンワックスは、エマルジョンワックスとして被覆材に配合されてもよい。エマルジョンの状態のポリエチレンワックスは、接着剤組成物の成形物10の表面への付着が特に容易である。
被覆材に使用される界面活性剤は、ポリエチレンワックスの親和性を高めるために使用される。ポリエチレンワックス単独では、高温多湿環境での耐ブロッキング性を得るためには、高濃度で塗布する必要があり、塗布後、乾燥する際に多大な時間がかかる。また、界面活性剤単独では、高温多湿環境での十分な耐ブロッキング性が得られないことが多い。
被覆材20のアニオン性界面活性剤は、主親水基としてスルホン酸基を有していてもよい。アニオン性界面活性剤は、一般的に、洗剤、シャンプー、ハンドクリーム、歯磨き粉等の基剤、乳化剤、分散剤、起泡剤等として広く用いられる。例えば主親水基が陰イオン型である界面活性剤としては、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、スルホコハク酸モノエステル塩、スルホコハク酸ジアルキル塩、アシルサルコシン塩、カリウム石鹸、ラウリルエーテルカルボン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、リン酸モノエステル、リン酸ジエステルが挙げられる。接着剤組成物(成形物10)の表面を被覆しやすいという点で、スルホン酸基を有するアニオン性界面活性剤が望ましく、中でもアルキルベンゼンスルホン酸塩が好ましい。これらのアニオン性界面活性剤は、1種類または2種類以上を組み合わせて使用することができる。
アニオン性界面活性剤の付着量は、小片化した接着剤組成物(接着剤組成物の成形物10)の表面積に対し、0.001〜0.5g/m、又は0.01〜0.06g/mであってもよい。この付着量(被覆量)が0.001g/m以上であれば、特に優れたブロッキング抑制効果が得られる。付着量が0.5g/m 以下であれば、ホットメルト接着剤の接着力低下が起こり難い。
アニオン性界面活性剤を含む被覆材を接着剤組成物の成形物に付着させる方法としては、小片化したホットメルト接着剤に、被覆漏れがないように、好ましくは被覆厚みを均一にできる方法であれば、特に限定されるものではない。例えば、溶融した接着剤組成物を冷却する際に使用する水槽に、ポリエチレンワックス5〜30質量%と、アニオン性界面活性剤0.3〜3質量%とを含む水溶液を入れ、その水溶液中にホットメルト接着剤を浸漬する方法により、被覆材を成形物の表面に付着させてもよい。または、溶融した接着剤組成物を裁断して小片化し、その後、前記の水溶液を小片化したホットメルト接着剤に噴霧する方法により、成形物の表面を被覆材によって被覆してもよい。あるいは、接着剤組成物のビーズ状の成形物に、前記の水溶液を噴霧して、接着剤組成物の成形物の表面を被覆材により被覆してもよい。
接着剤組成物は、さらに酸化防止剤を含んでいてもよい。使用される酸化防止剤としては特に限定しないが、フェノール系、有機イオウ系、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、有機リン系ヒンダートフェノール系、アミン系等が挙げられる。例えば、フェノール系酸化防止剤としてペンタエリトリイルテトラキス−3−(3,5−ジ−ターシャリーブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(SONGNOX1010、SONGWON IND.製の商品名)及びn−オクタデシル−3−(3,5−ジ−ターシャリーブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(SONGNOX1076、SONGWON IND.製商品名)と、リン系酸化防止剤としてトリス(2,4−ジ−ターシャリーブチルフェニル)ホスファイト(SONGNOX1680、SONGWON IND.製の商品名)等が挙げられる。また、これらを1種または2種以上組み合わせて使用することができる。
接着剤組成物(成形物10)における酸化防止剤の含有量は、接着剤組成物の質量を基準として0.1〜2質量%、又は0.2〜1質量%であってもよい。酸化防止剤の含有量が0.1〜2質量%の範囲内にあることにより、熱安定性等がより一層向上する。
接着剤組成物は、必要に応じて、高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩等の離型剤、カップリング剤、シリコーンオイル及びシリコーンゴム粉末等の応力緩和剤、カーボンブラック等の顔料または染料、紫外線吸収剤、主成分の表面に被覆するアニオン性界面活性剤以外の界面活性剤、ノンハロゲン、ノンアンチモンの難燃剤等を適量含んでいてもよい。
接着剤組成物は、難燃性をさらに高める目的で、リン及び窒素等を含む難燃剤を含んでもよい。
接着剤組成物は、各種原材料を均一に分散混合できるのであれば、いかなる手法を用いても調製できる。一般的な手法として、所定の配合量の原材料をミキサー等によって十分混合した後、ミキシングロール、押出機、らいかい機、プラネタリミキサ等によって混合または溶融混練し、必要に応じて脱泡する方法等を挙げることができる。
ホットメルト接着剤の主成分としての接着剤組成物の成形物10の表面を被覆する被覆材20において、ポリエチレンワックスと界面活性剤の混合割合は、特に限定されず、任意である。ポリエチレンワックスの含有量と比較し、界面活性剤の含有割合が少なくてもよい。ポリエチレンワックスの含有量は、被覆材20の質量を基準として、1〜99質量%、又は70〜99質量%であってもよい。界面活性剤の含有量は、被覆材20の質量を基準として、1〜99質量%、又は1〜30質量%であってもよい。
接着剤組成物の成形物を得る方法は、特に限定されない。例えば、溶融後、固化した接着剤組成物をカッターにより裁断する方法が採用できる。この場合、回転刃等、連続的に裁断できるカッターを用いることができる。接着剤組成物がカッターに付着してしまうのを防止するため、カッター付近にアニオン性界面活性剤水溶液を噴霧するか、または接着剤組成物を水溶液中で裁断してもよい。
次に本発明を実施例及び比較例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
オレフィン樹脂として、RT2115(REXTAC,LLC社製の商品名、エチレン・プロピレン系α−オレフィン共重体樹脂、環球法軟化点152℃)、RT2304(REXTAC,LLC社製の商品名、エチレン・プロピレン系α−オレフィン共重体樹脂、環球法軟化点138℃)、及びアフェニティーGA1900(ダウケミカル株式会社製商品名、「アフェニティー」は登録商標、ポリオレフィン樹脂、環球法軟化点70℃)を用いた。
エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)として、ウルトラセン722(東ソー株式会社製の商品名、酢酸ビニル(VA)含有率28質量%、メルトフローレート(MFR)=400、環球法軟化点82℃)を用いた。
粘着付与樹脂として、石油樹脂のアルコンP100(荒川化学工業株式会社製の商品名、水添C9石油樹脂、軟化点100℃)とアルコンP125(荒川化学工業株式会社製の商品名、水添C9石油樹脂、軟化点125℃)の2種を用いた。
ワックスとして、サゾールH1(サゾール社製の商品名、フィッシャートロピックスワックス)を用いた。
オイルとして、ダイアナプロセスオイルPW32(出光興産株式会社製、パラフィン系オイル)を用いた。
ポリエチレンワックスとして、AQACER1547(ビックケミージャパン株式会社製の商品名、酸化高密度ポリエチレンワックスエマルジョン、融点125℃、不揮発分35%)と、HORDMERPE03(ビックケミージャパン株式会社製の商品名、ポリエチレンワックスエマルジョン、融点95℃、不揮発分40%)と、AQUAMAT208(ビックケミージャパン3式会社製の商品名、酸化高密度ポリエチレンワックスエマルジョン、融点135℃、不揮発分35%)の3種を用いた。ポリプロプレンワックスとして、CERAFLOUR970(ビックケミージャパン株式会社製の商品名、ポリプロピレンワックス、融点160℃)を用いた。ポリエチレンワックス及びポリプロピレンワックスの融点は、SII製のDSC6220を用い、窒素雰囲気下、昇温速度2℃/分の条件で測定した。
界面活性剤として、モノゲンY100(第一工業製薬株式会社の商品名、高級アルコール硫酸エステルナトリウム(ラウリル硫酸ナトリウム)、アニオン性界面活性剤)と、コータミン24P(花王株式会社の商品名、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、カチオン性界面活性剤)を用いた。
実施例1〜7、比較例1〜5
表1、表2に示した配合に従って、オレフィン系ホットメルト接着剤を調製した。表中の配合単位は質量%である。
オレフィン樹脂、粘着付与樹脂及びワックスを、場合により他の成分とともに、180℃に設定した加熱ニーダーに投入し、十分に溶融させた。溶融した混合物を、均一になるまで混練りし、その後成形して、ビーズ状の(ホットメルト)接着剤組成物の成形物を得た。接着剤組成物の成形物に、ポリエチレンワックスまたはポリプロピレンワックスを12質量%の濃度で、界面活性剤を3質量%の濃度で含む水溶液を、スプレーを用いて塗布した。次いで40℃の温風を当てて塗布された水溶液を乾燥させ、被覆材が付着しているホットメルト接着剤を得た。
Figure 2016002240
Figure 2016002240
得られたホットメルト接着剤について、軟化点、耐ブロッキング性、はく離接着強さ、耐クリープ性、糸引き性、熱安定性を、以下に示す方法で評価した。結果を表3に示す。
軟化点
JIS K6863に準拠し、 環球法にて、各ホットメルト接着剤の軟化点を測定した。
耐ブロッキング性
スプレーによる方法に代えて、被覆材を含む水溶液に接着剤組成物の成形物を浸漬させる方法により、被覆材を成形物に付着させた。その後、接着剤組成物の成形物をメッシュ(80メッシュ:目開き180μm)でろ過してから、40℃で30分間乾燥させた。被覆材が付着した接着剤組成物の成形物(ホットメルト接着剤)をカップに入れ、58.8N(6kgf)の荷重をかけながら、40℃、90%RHの高温多湿環境下に12時間以上放置した。
その後、カップを逆さまにして、落下したホットメルト接着剤の質量を測定した。次式より、耐ブロッキング性を評価した。数字が大きいほど、耐ブロッキング性が高いことを示す。
耐ブロッキング性[%] = {落下したホットメルト接着剤の質量/ホットメルト接着剤の全質量}×100
はく離接着強さ
180℃に加熱して溶融したホットメルト接着剤を、カートン紙の表面に約0.07g/25mmのビード状に塗布し、オープンタイム約2秒でカートン紙の裏面を貼り合せ、約2秒間圧着して、カートン紙がホットメルト接着剤によって接着された試験片を作製した。この試験片を用いて、オートグラフによって180°はく離試験を測定した(引張速度:100mm/分、試料温度:23℃)。測定後の試験片の接着剤を目視観察し、破壊状況を確認した。記号Aは被着体(カートン紙)と接着剤界面での破壊、記号Bはカートン紙の破壊(材質破壊)を示す。
耐クリープ性
カートン紙(2×25×100mm)に、180℃に加熱して溶融したホットメルト接着剤を、直径4mmのビード状でカートン紙の幅方向に25mmの長さにわたって塗布した。2秒間放置した後、塗布された接着剤にもう一方の段ボールを重ね合わせ、9.8×10Paで5秒の条件で圧締した。貼り合わせ後、室温(25℃)に1日放置してから、50℃の雰囲気中で0.5N(50gf)/25mmの荷重を加え、段ボールが落下するまでの時間(hr)を耐クリープ性の指標として測定した。
熱安定性
ホットメルト接着剤を250mlのサンプル瓶に150g取り、加熱しながら180℃で336時間放置した。放置後の状態の変化を観察して、以下の判断基準に従って、ホットメルト接着剤の熱安定性を評価した。
「A」:状態の変化なし
「B」:わずかに分離がみられるが、実用上許容される範囲である
「C」:ゲル化物、炭化物などの発生あり
糸引き性
180℃で加熱溶融したホットメルト接着剤にガラス棒(直径約5mm×長さ約20mm)を浸してから、ガラス棒を垂直に引き上げ、ガラス棒から自重落下するホットメルト接着剤を段ボール片(厚さ約2mm×縦約25mm×横約100mm)に接触させた。ホットメルト接着剤と段ボールの接触面は約3mm×約25mmとした。段ボール片の下端から糸状に伸びたホットメルト接着剤の長さを、糸引き長さとして測定した。糸引き長さが短いことは、糸引き性が良好であることを示し、長さ0mmが最良の評価結果である。
Figure 2016002240
表3に示したように、粘着付与樹脂を含まない比較例1の場合、糸引きが10mmを超えて、糸引き性に劣っておる。はく離接着強さは1.0Nで、耐クリープ性は0.1hrであり、いずれも劣っている。
被覆材(離型剤)が界面活性剤を含まず、粘着付与樹脂の含有量が80質量%(70質量%を超えている)でいる比較例2の場合、耐ブロッキング性が10%と劣り、かつ熱安定性も劣っている。
被覆材(離型剤)がポリエチレンワックスを含まない比較例3は、耐ブロッキング性の点で劣っている。
比較例4で用いた、160℃の融点を有するポリプロピレンワックスは、アニオン性界面活性剤と混合できなかった。そのため、主剤であるオレフィン樹脂を含む接着剤組成物の成形物に被覆材を付着させることができず、ホットメルト接着剤としての評価はできなかった。
加えて、被覆材の界面活性剤としてカチオン性界面活性剤を用いた比較例5の場合、耐ブロッキング性が5%と劣っていた。
それに対し、実施例1〜7の場合、耐ブロッキング性がすべて90%以上で、材質破壊を生じている。また、糸引き性も良好である。更に、接着性の指標であるはく離接着強さは4.0N以上、耐クリープ性は24hrを超えており、良好であった。
以上の実験結果から、高温多湿環境下でもブロッキングが十分に抑制され、熱安定性及び糸引き性に優れたホットメルト接着剤を提供できることが確認された。
実施例8〜14、比較例6〜9
表4、表5に示した配合に従って、実施例1等と同様にして、オレフィン系ホットメルト接着剤を調製した。表中の配合単位は質量%である。
Figure 2016002240
Figure 2016002240
得られたホットメルト接着剤について、軟化点、粘度、耐ブロッキング性、はく離接着強さ、耐クリープ性、熱安定性を評価した。粘度は下記に示す方法により評価した。他の評価は実施例1等と同様の方法により行った。結果を表6に示す。
粘度
JIS K6862に準拠し、作製した各ホットメルト接着剤の180℃での粘度(溶融粘度)を、BH型回転粘度計で2号ロータを用い、回転速度10rpmにて測定した。
Figure 2016002240
表6に示したように、被覆材が界面活性剤を含まず、かつ粘着付与樹脂の含有量が80質量%である(60質量%を超えている)比較例6の場合、耐ブロッキング性が10%と劣り、かつ熱安定性も劣っている。
被覆材がポリエチレンワックスを含まない比較例7の場合、耐ブロッキング性が4%と劣る。
比較例8で用いたポリプロピレンワックス(融点160℃)は、アニオン性界面活性剤と混合できなかった。そのため、主材であるオレフィン樹脂を含む接着剤組成物の成形物に被覆材を付着させることができず、ホットメルト接着剤としての評価はできなかった。
加えて、界面活性剤としてカチオン性界面活性剤を用いた比較例9の場合、耐ブロッキング性が5%と劣っていた。
実施例8〜14の場合、耐ブロッキング性が90%以上で、接着性の指標であるはく離接着強さは4.0N以上で、破壊状態は「B」の材質破壊であった。耐クリープ性は24hrを超えて良好であった。熱安定性も良好であった。また、これら実施例のホットメルト接着剤は、粘度が1200〜1500mPa・sの範囲であるため、扱いやすい。特に、接着剤組成物にオイルが添加されている実施例8〜13は、耐クリープ性の点でも優れていた。
以上の実験結果からも、高温多湿環境下でもブロッキングが十分に抑制され、接着性及び熱安定性に優れるホットメルト接着剤を提供できることが確認された。
実施例15、16、比較例10〜13
表7に示した配合に従って、実施例1等と同様にして、球状又は角板状のホットメルト接着剤を作製した。表中の配合単位は、質量%である。
オレフィン樹脂として、RT2585A(REXTAC,LLC社製の商品名、エチレン・プロピレン系α−オレフィン共重体樹脂)を用いた。その他の成分として、実施例1等と同様の材料を用いた。
Figure 2016002240
得られたホットメルト接着剤について、軟化点、耐ブロッキング性、ショア硬度を評価した。ショア硬度は下記に示す方法により評価した。他の評価は実施例1等と同様の方法により行った。結果を表8に示した。
ショア硬度
JIS Aショア硬度に準拠し、各ホットメルト接着剤の23℃のショア硬度を測定した。
Figure 2016002240
表4に示したように、被覆材がポリエチレンワックスを含まない比較例10〜13のホットメルト接着剤は、耐ブロッキング性に劣っていた。
比較例11で用いた、160℃の融点を有するポリプロピレンワックスは、アニオン性界面活性剤と混合できなかった。そのため、主材であるエチレン−酢酸ビニル共重合体を含む接着剤組成物の成形物に被覆材を付着させることができず、ホットメルト接着剤としての評価はできなかった。加えて、被覆材の界面活性剤としてカチオン性界面活性剤を用いた比較例12の場合、接着剤組成物の成形物に被覆材を付着させることはできたものの、耐ブロッキング性が5%と劣っていた。35mm角の角板状の比較例13も、耐ブロッキング性に劣る。
それに対し、実施例15、16は、耐ブロッキング性が90%以上と良好であった。本発明によって、高温多湿環境でもブロッキングが十分に抑制されるホットメルト接着剤組成物が得られることが確認された。
本発明に係るホットメルト接着剤は、各種の被着体を接着するために用いることができ、特に、カートン紙、撥水加工紙等の難接着性の被着体に対してであっても、優れた接着性を発揮することができる。
1…ホットメルト接着剤、10…接着剤組成物の成形物、20…被覆材。

Claims (7)

  1. 接着剤組成物の成形物と、
    前記成形物の表面に付着している被覆材と、
    を有し、
    前記接着剤組成物が、オレフィン樹脂、粘着付与樹脂及びワックスを含み、
    前記被覆材が、アニオン性界面活性剤及びポリエチレンワックスを含む、
    ホットメルト接着剤。
  2. 前記接着剤組成物が、前記接着剤組成物の質量を基準として、前記オレフィン樹脂を30〜60質量%、前記粘着付与樹脂を25〜70質量%、及び前記ワックスを5〜30質量%含む、請求項1記載のホットメルト接着剤。
  3. 前記接着剤組成物がオイルを更に含む、請求項1記載のホットメルト接着剤。
  4. 前記接着剤組成物が、前記接着剤組成物の質量を基準として、前記オレフィン樹脂を30〜55質量%、前記粘着付与樹脂を25〜60質量%、前記ワックスを5〜20質量%、前記オイルを1〜25質量%含む。請求項3記載のホットメルト接着剤。
  5. 前記ポリエチレンワックスの示差走査熱量測定による融点が80〜135℃である、請求項1〜4のいずれか一項記載のホットメルト接着剤。
  6. 前記成形物が、3〜30mmの長軸径を有する粒状体である、請求項1〜5のいずれか一項記載のホットメルト接着剤。
  7. 当該ホットメルト接着剤の軟化点が60〜150℃で、
    当該ホットメルト接着剤の、JIS K6253に規定されるショア硬度Aが、23℃において50〜99である、請求項1〜6のいずれか一項記載のホットメルト接着剤。
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