JP2000017243A - ホットメルト接着剤組成物 - Google Patents

ホットメルト接着剤組成物

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JP2000017243A
JP2000017243A JP18580398A JP18580398A JP2000017243A JP 2000017243 A JP2000017243 A JP 2000017243A JP 18580398 A JP18580398 A JP 18580398A JP 18580398 A JP18580398 A JP 18580398A JP 2000017243 A JP2000017243 A JP 2000017243A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温塗布が可能で熱活性により接着させる加
熱温度が低く、接着性能、特に耐クリープ性に優れると
ともに、適度の柔軟性を有し、しかも刺激臭がないホッ
トメルト接着剤組成物を提供することを課題とする。 【解決手段】 エチレンと炭素数3〜18のα−オレフ
ィンとの共重合体からなり且つMFRが0.1〜100
0g/10分、TREFによる溶出曲線の最大ピークの
温度が15〜85℃、該ピークの高さをHとしその3分
の1の高さにおける該ピークの幅をWとしたときのH/
Wの値が2以上、及びビカット軟化温度が15〜85℃
であるベースポリマーと、粘着付与樹脂とを、加熱撹拌
混合してホットメルト接着剤組成物を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ホットメルト接着
剤組成物に関する。詳しくは、本発明は、低温塗布が可
能で、熱活性により接着させる加熱温度が低く、接着性
能、特に耐クリープ性に優れるとともに、適度の柔軟性
を有し刺激臭がないという作業性が良好なホットメルト
接着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ホットメルト接着剤は無溶剤タイプの接
着剤であり、環境や健康への影響のを配慮する観点か
ら、及び、瞬間接着や高速接着が可能であるという接着
作業上並びに経済上の利点を有するという面から、製
本、包装、合板、木工などを初めとする広い分野で大量
に使用されている。
【0003】従来は、エチレン・酢酸ビニル共重合体を
ベースポリマーとするホットメルト接着剤組成物が主流
であった。例えば、特開平2−55783号公報には、
紙、各種プラスチックフィルム、アルミ箔等の接着用と
して、エチレン・酢酸ビニル共重合体、接着付与樹脂及
びワックスからなるホットメルト接着剤を使用する技術
が開示されている。
【0004】しかしながら、エチレン・酢酸ビニル共重
合体をベースポリマーとするホットメルト接着剤は、熱
安定性が十分ではないため、熱により劣化してゲル又は
ブツ(固形物)が発生することが多い。したがって、透
明なフィルムやシートを接着する場合は、このようなゲ
ル又はブツが目立ち、外観的に好ましくない。
【0005】また、エチレン・酢酸ビニル共重合体をベ
ースポリマーとするホットメルト接着剤は、酢酸の臭い
がするので、例えば使い捨ておむつ、衛生ナプキン、ベ
ッドパッド構成品等の臭いを嫌う用途には適さない。さ
らに、熱をかけて接着付与樹脂を溶解させる作業中に酢
酸臭及び煙が多く発生し、作業環境が悪くなるため、か
かる酢酸臭及び煙の発生を抑えて作業性を改善すること
が求められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、低温塗布が
可能で熱活性により接着させる加熱温度が低く、接着性
能、特に耐クリープ性に優れるとともに、適度の柔軟性
を有し、かつ刺激臭がなく作業性が良好なホットメルト
接着剤組成物を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
を行った結果、エチレン・酢酸ビニル共重合体を使用せ
ず、代わりに特定の性状を有するエチレン・α−オレフ
ィン共重合体をベースポリマーとして用いることにより
上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成する
に至った。
【0008】すなわち、本発明は、エチレンと炭素数3
〜18のα−オレフィンとの共重合体からなり且つ下記
物性(A1)、(A2)及び(A3)を備えたベースポ
リマーと、粘着付与樹脂とを含有することを特徴とする
ホットメルト接着剤組成物を提供する。
【0009】(A1)メルトフローレートが0.1〜1
000g/10分であること。 (A2)温度上昇溶離分別によって得られる溶出曲線の
最大ピークの温度が15〜85℃であり、該ピークの高
さをHとしその3分の1の高さにおける該ピークの幅を
WとしたときのH/Wの値が2以上であること。 (A3)ビカット軟化温度が15〜85℃であること。
【0010】また、本発明は、前記粘着付与樹脂が、前
記組成物全量に対し1.5〜80重量%含有されている
ことを特徴とする前記ホットメルト接着剤組成物を提供
する。また、本発明は、さらに、前記組成物全量に対し
1.5〜60重量%のワックス類が含有されていること
を特徴とするホットメルト接着剤組成物を提供する。
【0011】本発明においては、特定の性状を有するエ
チレン・α−オレフィン共重合体をベースポリマーとし
て用いることにより、低温塗布性、ポリオレフィン材料
との接着性等が各段に向上し、刺激臭も改善される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明のホットメルト接着剤組成物は、ベ
ースポリマーと粘着付与樹脂とを含有する。
【0013】(1)ベースポリマー 本発明で用いられるベースポリマーは、エチレンと炭素
数3〜18のα−オレフィンとの共重合体(以下、「エ
チレン・α−オレフィン共重合体」という)からなり、
下記物性(A1)、(A2)及び(A3)を備えたもの
である。
【0014】(A1)メルトフローレートが0.1〜1
000g/10分であること。 (A2)温度上昇溶離分別によって得られる溶出曲線の
最大ピークの温度が15〜85℃であり、該ピークの高
さをHとしその3分の1の高さにおける該ピークの幅を
WとしたときのH/Wの値が2以上であること。 (A3)ビカット軟化点が15〜85℃であること。
【0015】(i)エチレン・α−オレフィン共重合体 本発明のエチレン・α−オレフィン共重合体において、
コモノマーであるα−オレフィンとしては、炭素数3〜
18のものから選ばれる。具体的には、プロピレン、1
−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテ
ン、1−ヘプテン、4−メチル−ペンテン−1、4−メ
チル−ヘキセン−1、4,4−ジメチルペンテン−1等
を挙げることができる。また、コモノマーは1種類に限
られず、ターポリマーのように2種類以上のα−オレフ
ィンを用いて多元系共重合体としてもよい。
【0016】エチレン・α−オレフィン共重合体中のエ
チレンから誘導される構成単位(エチレン単位)とコモ
ノマーから誘導される構成単位(コモノマー単位)の割
合は、エチレン単位が80モル%以上、コモノマー単位
が合計で20モル%未満であるのが好ましい。エチレン
単位の割合が80モル%未満では、耐熱性及び重合安定
性が劣るので好ましくない。なお、これらの構成単位の
割合は、13C−核磁気共鳴スペクトル法によって求め
られる。
【0017】好ましいエチレン・α−オレフィン共重合
体の具体例としては、エチレン・プロピレン2元共重合
体、エチレン・1−ブテン2元共重合体、エチレン−プ
ロピレン−ブテン3元共重合体、エチレン・1−ヘキセ
ン2元共重合体、エチレン・1−オクテン2元共重合体
等を挙げることができる。
【0018】(ii)メルトフローレート 本発明で用いられるベースポリマーのメルトフローレー
ト(溶融流量。以下、「MFR」と略す)は0.1〜1
000g/10分、好ましくは0.5〜500g/10
分である。なお、この場合のMFRはJIS−K721
0(190℃、2.16kg荷重)に準拠して測定した
値である。
【0019】MFRが上記範囲より大きいと、得られる
ホットメルト接着剤組成物の粘度が低くなりすぎ、ま
た、耐熱性が低下するので好ましくない。一方、該MF
Rが上記範囲より小さいと、得られるホットメルト接着
剤組成物の粘度が高くなりすぎ、また、粘着付与樹脂及
びワックス類の分散が悪くなるので好ましくない。
【0020】(iii)温度上昇溶離分別による溶出曲線
の最大ピーク 本発明で用いられるベースポリマーは、その温度上昇溶
離分別によって得られる溶出曲線の最大ピークの温度が
15〜85℃、好ましくは20〜65℃であり、かつ該
ピークの高さをHとしその3分の1の高さにおける該ピ
ークの幅をWとしたときのH/Wの値が2以上、好まし
くは2.5以上である。
【0021】ここで、温度上昇溶離分別(TREF:Te
mperature Rising Elution Fraction)とは、一度高温
でポリマーを完全に溶解させた後に冷却し、不活性担体
表面に薄いポリマー層を生成させ、次いで温度を連続又
は段階的に昇温して、溶出した成分(ポリマー)を回収
し、その濃度を連続的に検出して、その溶出成分の量と
溶出温度とを求める方法である。
【0022】その溶出分率と溶出温度によって描かれる
グラフが溶出曲線であり、これによりポリマーの組成分
布(分子量及び結晶性の分布)を測定することができ
る。温度上昇溶離分別(TREF)の測定方法及び装置
等の詳細については、Journalof Applied Polymer Scie
nce、第26巻、第4217〜4231頁(1981
年)に記載されている。
【0023】TREFによって得られる溶出曲線の形は
ポリマーの分子量及び結晶性の分布によって異なる。例
えばピークが一つの曲線、ピークが2つの曲線、及びピ
ークが3つの曲線があり、さらにピークが2つの曲線に
は溶出温度の低いピークに比べて溶出温度の高いピーク
の方が溶出分率が大きい(ピークの高さが高い)場合
と、溶出温度の低いピークに比べて溶出温度の高いピー
クの方が溶出分率が小さい(ピークの高さが低い)場合
とがある。
【0024】これを具体的に図に示して説明すると、図
1にはピークが1つの場合の溶出曲線を表し、図2には
ピークが2つの場合の溶出曲線を表し、図3にはピーク
が3つの場合の溶出曲線を表し、さらに図2の(a)に
は溶出温度の低いピークに比べて溶出温度の高いピーク
の方がピーク高さが高い場合を表し、図2の(b)には
溶出温度の低いピークに比べて溶出温度の高いピークの
方がピーク高さが低い場合を表す。
【0025】本発明における溶出曲線の最大ピークと
は、ピークが1つの場合の溶出曲線においてはそのピー
クを、ピークが2つ以上存在する溶出曲線においては、
その溶出分率が最大となるピーク(図2及び図3中、符
号pで示したピーク)を表す。
【0026】また、本発明におけるH/Wとは、図1〜
3に示したように、最大ピークの高さをHとし、その3
分の1の高さにおける幅をWとして計算することにより
求められる。図1に示したように、ピークが1つの場合
は該ピークの高さと幅とから求められるが、ピークが2
つ以上存在する溶出曲線においては、最大ピークと他の
ピークとの間の谷が該最大ピークの高さの3分の1以上
となるような場合があり、形状によっては最大ピークの
高さの3分の1の高さにおける幅が該最大ピークと該他
のピークとから形成される曲線の幅となる場合がある。
【0027】そのときはその該最大ピークと他のピーク
とから形成される曲線全体の幅をWとする(図2(a)
及び図3参照)。ピークが2以上の場合であっても、最
大ピークとの間の谷が該最大ピークの高さの3分の1未
満となるような他のピークが存在する場合は、そのよう
な他のピークは幅Wの計算には関与しない(図2(b)
及び図3参照)。
【0028】このようにして求められる本発明のTRE
Fによる溶出曲線の最大ピークの温度及びH/Wが上記
範囲内であれば、組成分布が狭く結晶性が均一なエチレ
ン・α−オレフィン共重合体が得られ、接着性及び低温
での溶融性が向上する。
【0029】一方、TREFによる溶出曲線の最大ピー
クの温度が上記範囲より大きいと、樹脂に高結晶成分が
多く存在し、接着性及び低温での溶融性、並びに柔軟性
が低下するので好ましくない。また、該最大ピーク温度
が上記範囲より小さいと、耐熱性が低下するので好まし
くない。また、H/Wの値が上記範囲より小さいと、樹
脂の結晶性分布が広がりすぎ、接着性及び低温での溶融
性が低下するので好ましくない。
【0030】(iv)ビカット軟化温度 本発明で用いられるベースポリマーは、JIS−K72
06に準拠して測定されるビカット軟化温度が15〜8
5℃、好ましくは15〜80℃、さらに好ましくは25
〜65℃である。
【0031】該ビカット軟化温度が上記範囲より高い
と、接着性及び低温での溶融性、並びに柔軟性が低下す
るので好ましくない。一方、該ビカット軟化温度が上記
範囲より低いと、耐熱性が低下するので好ましくない。
【0032】(v)エチレン・α−オレフィン共重合体
の製造 本発明のベースポリマーであるエチレン・α−オレフィ
ン共重合体の製造方法は、得られるポリマーが上記物性
(A1)〜(A3)を満足する限り特に制限されない。
【0033】例えば、触媒については、チーグラー型触
媒(担持または非担持ハロゲン含有チタン化合物と有機
アルミニウム化合物の組合せに基づくもの)、フィリッ
プス型触媒(担持酸化クロム(Cr6+)に基づくも
の)、カミンスキー型触媒(担持または非担持メタロセ
ン化合物と有機アルミニウム化合物、特にアルモキサン
の組み合わせに基づくもの)が挙げられる。
【0034】重合方法としては、これらの触媒の存在下
でのスラリー法、気相流動床法(例えば、特開昭59−
23011号公報に記載の方法)や溶液法、あるいは圧
力が200kg/cm以上、重合温度が100℃以上
での高圧バルク重合法等が挙げられる。
【0035】本発明におけるエチレン・α−オレフィン
共重合体は、比較的狭い組成分布が望ましいので、触媒
としてカミンスキー型触媒を用いる方法が特に好まし
い。また、分子量及び結晶性の分布を制御する公知の方
法として、重合温度やコモノマー量を調節する方法を適
宜採用することにより、所望の物性のポリマーを得るこ
とができる。
【0036】(2)粘着付与樹脂 粘着付与樹脂とは、ホットメルト接着剤組成物に粘着性
(接着性)を付与し得る樹脂一般をいう。本発明で用い
られる粘着付与樹脂としては、ロジン系、テルペン系、
石油樹脂系、クロマン樹脂系のもの等が挙げられる。
【0037】ロジン系の粘着付与樹脂としては、ガムロ
ジン、ウッドロジン、重合ロジン、不均化ロジン、水添
ロジン、二量化ロジン等が挙げられ、さらにこれら各種
ロジンとペンタエリスリトール、グリセリン、ジエチレ
ングリコール等とのエステル、ロジンフェノール樹脂な
ども例示される。
【0038】テルペン系の粘着付与樹脂としては、テル
ペン樹脂、テルペンとスチレンとの共重合体、テルペン
とα−メチルスチレンとの共重合体、テルペンとフェノ
ールとの共重合体及びこれらの水添物などが例示され
る。
【0039】石油樹脂系の粘着付与樹脂としては、脂肪
族石油樹脂(イソブチレン、ブタジエン、1,3−ペン
タジエン、イソプレン、ピペリジンなどのC〜C
ノ又はジオレフィンを主成分とする重合体等)、脂環族
石油樹脂(スペントC〜C 留分中のジエン成分を環
化2量体化後重合させた樹脂、芳香族系炭化水素樹脂を
核内水添した樹脂等)、芳香族石油樹脂(ビニルトルエ
ン、インデン、α−メチルスチレンなどのC〜C10
のビニル芳香族炭化水素を主成分とした樹脂等)、脂肪
族−芳香族共重合体等の石油樹脂及びこれらの水添物な
どが例示される。
【0040】クロマン樹脂系の粘着付与樹脂としては、
クロマン樹脂、クロマン−インデン樹脂等が挙げられ
る。また、上記以外に、キシレン樹脂、スチレン系樹脂
等も粘着付与樹脂として使用することができる。
【0041】上記粘着付与樹脂は各々単独で用いても良
く、また種類や軟化点の異なるものを2種以上併用して
もよい。これらの粘着付与樹脂は、液状ロジン樹脂、液
状テルペン樹脂等の液状の粘着樹脂であってもよい。さ
らに、上記粘着付与樹脂は無水マレイン酸、マレイン酸
エステルなどでグラフト変性したものであってもよい。
【0042】上記粘着付与樹脂としては、環球法軟化点
(測定法:JAI−7−1991に準拠)が30〜16
0℃のものが好ましく、より好ましくは環球法軟化点が
60〜120℃のものである。また、常温で液状のもの
は単独で使用すると接着剤の凝集力を低くしすぎる場合
があるが、常温で固形のものと併用することにより使用
することができる。
【0043】また、上記粘着付与樹脂としては、ホット
メルト接着剤組成物を速やかに固化させるために、でき
るだけ高いガラス転移温度(Tg)を有するものを選択
することが好ましい。
【0044】(3)ワックス類 本発明におけるホットメルト接着剤組成物には、必要に
応じてワックス類が配合されていてもよい。ワックス類
は、低粘度化や固化速度の向上が必要な場合に用いられ
る。また、ワックス類を配合することによりブロッキン
グ防止効果が向上する。
【0045】このようなワックス類としては、例えば、
パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、
フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワック
ス、ポリプロピレンワックス、及びこれらを酸化分解し
て得られる酸化ワックス、並びに前記ワックス類にマレ
イン酸、無水マレイン酸、フマル酸、アクリル酸、メタ
クリル酸等の不飽和(無水)カルボン酸をグラフトした
酸変性ワックスなどが挙げられる。
【0046】(4)組成 本発明のホットメルト接着剤組成物中におけるベースポ
リマーの割合は、該組成物全量に対し、好ましくは20
〜95重量%、より好ましくは25〜85重量%であ
る。
【0047】また、本発明のホットメルト接着剤組成物
中における粘着付与樹脂の割合は、該組成物全量に対
し、好ましくは1.5〜80重量%、より好ましくは
2.0〜75重量%である。該接着剤組成物中における
粘着付与樹脂の割合が少なすぎると、接着剤組成物の溶
融粘度が高くなるため塗工性や作業性が悪くなる傾向に
ある。一方、粘着付与樹脂の割合が多すぎると、接着剤
組成物の凝集力が不足し、耐寒性や柔軟性が低下する場
合がある。
【0048】本発明のホットメルト接着剤組成物にワッ
クス類を配合する場合、該ワックス類の割合は、組成物
全量に対し好ましくは1.5〜60重量%、より好まし
くは2.0〜50重量%である。ワックス類の割合が少
なすぎるとブロッキング防止効果が低下する場合があ
る。一方、ワックス類の割合が多すぎると、接着力が著
しく低下する場合がある。
【0049】(5)その他の成分 本発明のホットメルト接着剤組成物には、本発明の効果
を損なわない範囲において、上記必須成分及び任意成分
としてのワックス類の他に、さらに必要に応じて軟化
剤、充填剤、安定剤、着色剤(顔料、染料)、紫外線吸
収剤等が添加されていてもよい。
【0050】軟化剤としては、ゴム展開油として知られ
るパラフィン系オイル、ナフテン系オイル、アロマ系オ
イル等のプロセスオイル類;フタル酸エステル、リン酸
エステル等の可塑剤;液状ポリブテン、液状ポリブタジ
エン及びこれらの水添物;液状ポリイソプレン及びその
水添物;等が挙げられる。これらは単独で用いられても
良く、また2種類以上が併用されていてもよい。
【0051】充填剤としては炭酸カルシウム、クレー、
タルク、カーボンブラック、シリカ等が挙げられ、安定
剤としてはフェノール性抗酸化剤、立体障害フェノール
性抗酸化剤、リン系抗酸化剤、イオウ系抗酸化剤等が挙
げられるが、これらに限られず、ホットメルト接着剤分
野でよく知られているものを適宜用いることができる。
また、これらは単独で用いてもよく、また2種以上を併
用してもよい。
【0052】(6)ホットメルト接着剤組成物の製造 本発明のホットメルト接着剤組成物の製造にあたって
は、通常のホットメルト接着剤の製造方法を採用するこ
とができる。すなわち、該ホットメルト接着剤組成物の
構成成分を混合・撹拌し、加熱・混練することにより得
られる。
【0053】ホットメルト接着剤組成物の製造設備とし
ては、混合・加熱・撹拌・混練等の機能を適宜備えたも
のであればよく、従来よりホットメルト接着剤の製造に
用いられている設備をそのまま使用することができる。
そのような製造設備としては、例えば一軸又は二軸スク
リュー押出機、シグマブレードミキサー、リボンブレン
ダー、バタフライミキサー、ニーダー等が挙げられる。
【0054】上記ホットメルト接着剤組成物の製造手順
としては、従来公知の製造手順を採用することができ
る。例えば100〜250℃、好ましくは140〜20
0℃に加熱された上記設備に、上記ホットメルト接着剤
組成物の構成成分を投入して加熱、混合することにより
行われる。
【0055】製造されたホットメルト接着剤組成物は、
製造装置からそのまま加熱配管や加熱容器を経て塗布装
置に供給してもよいが、通常のホットメルト接着剤で行
われているように、冷却して固形の状態で供給してもよ
い。固形の状態で供給する場合は、接着剤組成物単体か
らなるペレット、ビーズ、短冊、スティック、シート、
フィルム、塊等の形状の成形物として供給する方法が挙
げられる。この場合には、該接着剤組成物からなる成形
物自体がその表面に粘着性を有しないことが望ましい。
【0056】上記接着剤組成物からなる成形物自体の表
面が粘着性を有する場合は、成形物表面に非粘着性のコ
ーティングを施して供給される。接着時には、この非粘
着性のコーティングが施されたままの状態で使用され
る。
【0057】上記非粘着性のコーティングとしては、例
えばシリコンオイル、ワックス、滑剤等の薄層コーティ
ング、ポリエチレン、アモルファスポリプロピレン、エ
チレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸エ
チル共重合体等のフィルムによるコーティングなどが挙
げられる。
【0058】また、上記接着剤組成物からなる成形物の
表面が粘着性を有する場合は、除去可能な非粘着化処理
を施してもよい。非粘着化処理の例としては、離型処理
した紙やプラスチックのフィルムで包んだ状態にする方
法、離型処理した紙やプラスチックから得られた容器に
充填した状態にする方法等が挙げられる。
【0059】紙やフィルムで包んだ状態にする方法にお
いては、接着時にはこの包みを解いて除去してから使用
する。また、容器に充填した状態にする方法では、接着
時には容器から取り出して使用するほか、例えば容器内
で直接上記接着剤組成物を溶融させた後これを取り出し
て使用することもできる。容器内で直接溶融できるよう
な状態で充填されたものとして、金属、缶、金属製や紙
製のドラムに充填されたものが挙げられる。
【0060】(7)用途 本発明のホットメルト接着剤組成物は、ポリオレフィン
材料同士又はポリオレフィン材料と他の材料との接着に
好適に使用される。
【0061】ポリオレフィン材料としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等のフィルム、シート、発泡体、不
織布、成形品等が挙げられる。また、これらのポリオレ
フィン材料と他の材料とを接着剤、熱融着、共押出によ
ってラミネートしたものでもよく、ポリオレフィン材料
に他の材料をコーティングしたものであってもよい。
【0062】上記他の材料としては、例えば、紙、鉄、
アルミニウム、ニッケル、錫、鉛及びこれら合金を含む
金属材料、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリビニル
アルコール、ポリエステル、ポリ塩化ビニル等の合成樹
脂、ガラスを含むセラミックス材料のフィルム、シー
ト、成形品等が挙げられる。
【0063】本発明のホットメルト接着剤組成物の具体
的な使用方法を(a)〜(c)に示す。
【0064】(a)貼り合わせるべき材料のうちの一方
に加熱溶融状態の接着剤組成物を塗布し、該接着剤組成
物が固形化するまでの間に他方の材料を貼り合わせる方
法として、 イ.接着剤組成物をホットメルトアプリケーターで加熱
・溶融し、ノズルやスリットを通して点状、ビート状、
らせん状、面状に塗布する方法、 ロ.接着剤組成物を加熱ロール上で溶融してロール塗布
する方法、 ハ.押出機を用いて接着剤組成物を押出コーティングす
る方法、等が挙げられる。
【0065】(b)一方の材料に加熱溶融状態の接着剤
組成物を塗布し、一旦冷却してから他方の材料を貼り合
わせる方法として、 イ.貼り合わせる際に接着剤組成物を再加熱して溶融す
る方法、 ロ.接着剤組成物の塗布されていない材料の接着面を該
接着剤組成物の軟化点以上に加熱して貼り合わせる方
法、 等が挙げられる。再加熱の方法としては、接着剤組成物
又は貼り合わせる材料を、熱板、熱風、赤外線等で加熱
する方法や、電磁波誘導加熱等で発熱させる方法等が挙
げられる。
【0066】(c)シート状又はフィルム状に成形され
た接着剤組成物を材料間に挿入し、加熱プレス等の手段
で接着する方法が挙げられる。さらに、接着剤組成物を
塗布する際に炭酸ガス、窒素ガス等を混入させて発泡状
態として塗布してもよい。
【0067】本発明のホットメルト接着剤組成物は、段
ボール、カートン等の紙器の組立や封緘、自動車部品、
電気・電子部品、衛生用品、書籍、合板、木工、雑誌等
の製造等に用いることができる。
【0068】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるも
のではない。なお、以下の実施例及び比較例における物
性の測定及び接着性能評価は以下に示す方法によって実
施した。
【0069】(1)MFR ベースポリマーのMFRはJIS−K7210のポリエ
チレン試験方法(190℃、2.16kg荷重)に従っ
て測定した。
【0070】(2)温度上昇溶離分別(TREF)によ
って得られる溶出曲線の測定 本実施例におけるTREFによる溶出曲線の測定は、一
度高温でポリマーを完全に溶解させた後に冷却し、不活
性担体表面に薄いポリマー層を生成させ、次いで温度を
連続又は段階的に昇温して溶出した成分(ポリマー)を
回収し、その濃度を連続的に検出して、その溶出成分の
量(溶出量)と溶出温度とを求める方法によって行っ
た。これによって描かれるグラフ(溶出曲線)により本
発明の溶出曲線のピークが求められ、ポリマーの組成分
布が測定される。
【0071】該溶出曲線の測定は、具体的には以下のよ
うにして行った。測定装置としてクロス分別装置(三菱
化学株式会社製、CFC・T150A)を使用し、附属
の操作マニュアルの測定法に従って行った。このクロス
分別装置は、試料を、溶解温度の差を利用して分別する
温度上昇溶離分別(TREF)機構と、分別された区分
を更に分子サイズで分別するサイズ排除クロマトグラフ
(Size Chromatography:SEC)とをオンラインで接
続した装置である。
【0072】まず、測定すべきサンプル(エチレン・α
−オレフィン共重合体)を溶媒(o−ジクロロベンゼ
ン)を用いて濃度が4mg/mlとなるように、140
℃で溶解し、これを測定装置内のサンプルループ内に注
入した。以下の測定は、設定条件に従って自動的に行わ
れた。
【0073】サンプルループ内に保持された試料溶液
は、溶解温度の差を利用して分別するTREFカラム
(不活性担体であるガラスビーズが充填された内径4m
m、長さ150mmの装置附属のステンレス製カラム)
に0.4ml注入された。該サンプルは、1℃/分の速
度で140℃から0℃の温度まで冷却され、上記不活性
担体にコーティングされた。このとき、高結晶成分(結
晶しやすいもの)から低結晶成分(結晶しにくいもの)
の順で不活性担体表面にポリマー層が形成される。
【0074】TREFカラムを0℃で更に30分間保持
した後、0℃の温度で溶解している成分2mlを、1m
l/分の流速でTREFカラムからSECカラム(昭和
電工株式会社製、AD80M・S、3本)へ注入した。
SECで分子サイズでの分別が行われている間に、TR
EFカラムでは次の溶出温度(5℃)に昇温され、その
温度に約30分間保持された。SECでの各溶出区分の
測定は39分間隔で行われた。溶出温度としては以下の
温度が用いられ、段階的に昇温された。
【0075】溶出温度(℃):0,5,10,15,2
0,25,30,35,40,45,49,52,5
5,58,61,64,67,70,73,76,7
9,82,85,88,91,94,97,100,1
02,120,140℃。
【0076】該SECカラムで分子サイズによって分別
された溶液について、装置附属の赤外分光光度計でポリ
マーの濃度に比例する吸光度を測定し(波長3.42μ
m、メチレンの伸縮振動で検出)、各溶出温度区分のク
ロマトグラムを得た。内蔵のデータ処理ソフトを用い、
上記測定で得られた各溶出温度区分のクロマトグラムの
ベースラインを引き、演算処理した。各クロマトグラム
の面積が積分され、積分溶出曲線が計算された。また、
この積分溶出曲線を温度で微分して、微分溶出曲線が計
算された。計算結果の作図はプリンターに出力した。出
力された微分溶出曲線の作図は、横軸に溶出温度を10
0℃当たり89.3mm、縦軸に微分量(溶出分率:全
積分溶出量を1.0に規格し、1℃の変化量を微分量と
した)0.1当たり76.5mmで行った。
【0077】次に、この微分溶出曲線から最も高さの高
いピーク(最大ピーク)における温度を最大ピーク温度
とし、また、この最大ピークのピーク高さをHとし、そ
の3分の1の高さにおける幅をWとして、H/Wの値を
算出した。
【0078】(3)ビカット軟化温度 ベースポリマーのビカット軟化温度はJIS−K720
6の試験方法に従って測定した。
【0079】(4)ホットメルト接着剤組成物の性能評
価 (i)耐クリープ性 厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上
に、約50μmの厚さとなるように接着剤組成物を塗布
した後、直ちに厚さ25μmのポリエチレンテレフタレ
ートフィルムを貼り合わせて積層体を得た。この積層体
を25mm幅に切断して試料片を作製した後、この試料
片に50℃で100gの荷重をかけてT剥離クリープ試
験を行い、3時間後に剥離距離(単位:mm)を測定し
た。
【0080】(ii)剥離強度 2mm厚のポリプロピレン板に180℃に加熱されたホ
ットメルト接着剤を約3g/mの塗布量で1本のビート
状に塗布し、約2秒後に40μm厚のポリプロピレンフ
ィルムを貼り合わせて、試験片を作製した。次いで、島
津製作所製「オートグラフDSC2000」を用いて、
ビートの方向と直角に引張速度300mm/minで1
80度剥離試験を行い、ピーク強度を剥離強度とした。
【0081】(iii)臭い評価 約50gのホットメルト接着剤組成物を180℃で加熱
・溶融したときに、酢酸のような刺激臭がするかどうか
を調べ、刺激臭がしなかった場合を○、刺激臭がしたと
きを×とした。
【0082】
【実施例1】ベースポリマーとして商品名「カーネルK
S340」(日本ポリケム(株)製、「カーネル」は登
録商標。MFR;3.5g/10分、TREF溶出曲線
の最大ピーク温度:40℃、H/W;3.8、ビカット
軟化温度;47℃)を55重量%、及び、粘着付与樹脂
として商品名「アルコンP−100」(荒川化学(株)
製、水添脂環族飽和炭化水素樹脂)を45重量%配合
し、混合物1000gを2リットルのビーカーに仕込
み、これを180℃で1時間溶融撹拌混合して接着剤組
成物を得た。評価の結果を表1に示す。
【0083】
【実施例2】ベースポリマーとして商品名「カーネルK
S340」(日本ポリケム(株)製。MFR;3.5g
/10分、TREF溶出曲線の最大ピーク温度:40
℃、H/W;3.8、ビカット軟化温度;47℃)を5
5重量%、及び、粘着付与樹脂として商品名「YSポリ
スターS145」(安原ケミカル(株)製、テルペンフ
ェノール樹脂)を45重量%配合し、混合物1000g
を2リットルのビーカーに仕込み、これを180℃で1
時間溶融撹拌混合して接着剤組成物を得た。評価の結果
を表1に示す。
【0084】
【実施例3】ベースポリマーとして商品名「カーネルK
S340」(日本ポリケム(株)製。MFR;3.5g
/10分、TREF溶出曲線の最大ピーク温度:40
℃、H/W;3.8、ビカット軟化温度;47℃)を4
0重量%、粘着付与樹脂として商品名「アルコンP−1
00」(荒川化学(株)製、水添脂環族飽和炭化水素樹
脂)を40重量%、及びワックス類として商品名「FT
100」(シェル(株)製、フィッシャートロプシュワ
ックス)を20重量%配合し、混合物1000gを2リ
ットルのビーカーに仕込み、これを180℃で1時間溶
融撹拌混合して接着剤組成物を得た。評価の結果を表1
に示す。
【0085】
【実施例4】ベースポリマーとして商品名「カーネルK
S340」(日本ポリケム(株)製。MFR;3.5g
/10分、TREF溶出曲線の最大ピーク温度:40
℃、H/W;3.8、ビカット軟化温度;47℃)を4
0重量%、粘着付与樹脂として商品名「YSポリスター
S145」(安原ケミカル(株)製、テルペンフェノー
ル樹脂)を40重量%、及びワックス類として商品名
「FT100」(シェル(株)製、フィッシャートロプ
シュワックス)を20重量%配合し、混合物1000g
を2リットルのビーカーに仕込み、これを180℃で1
時間溶融撹拌混合して接着剤組成物を得た。評価の結果
を表1に示す。
【0086】
【実施例5】ベースポリマーとして商品名「カーネルK
J640」(日本ポリケム(株)製、「カーネル」は登
録商標。MFR;30g/10分、TREF溶出曲線の
最大ピーク温度:38℃、H/W;3.4、ビカット軟
化温度;44℃)を55重量%、及び、粘着付与樹脂と
して商品名「アルコンP−100」(荒川化学(株)
製、水添脂環族飽和炭化水素樹脂)を45重量%配合
し、混合物1000gを2リットルのビーカーに仕込
み、これを180℃で1時間溶融撹拌混合して接着剤組
成物を得た。評価の結果を表2に示す。
【0087】
【実施例6】ベースポリマーとして商品名「カーネルK
J640」(日本ポリケム(株)製。MFR;30g/
10分、TREF溶出曲線の最大ピーク温度:38℃、
H/W;3.4、ビカット軟化温度;44℃)を55重
量%、及び、粘着付与樹脂として商品名「YSポリスタ
ーS145」(安原ケミカル(株)製、テルペンフェノ
ール樹脂)を45重量%配合し、混合物1000gを2
リットルのビーカーに仕込み、これを180℃で1時間
溶融撹拌混合して接着剤組成物を得た。評価の結果を表
2に示す。
【0088】
【実施例7】ベースポリマーとして商品名「カーネルK
J640」(日本ポリケム(株)製。MFR;30g/
10分、TREF溶出曲線の最大ピーク温度:38℃、
H/W;3.4、ビカット軟化温度;44℃)を40重
量%、粘着付与樹脂として商品名「アルコンP−10
0」(荒川化学(株)製、水添脂環族飽和炭化水素樹
脂)を40重量%、及びワックス類として商品名「FT
100」(シェル(株)製、フィッシャートロプシュワ
ックス)を20重量%配合し、混合物1000gを2リ
ットルのビーカーに仕込み、これを180℃で1時間溶
融撹拌混合して接着剤組成物を得た。評価の結果を表2
に示す。
【0089】
【実施例8】ベースポリマーとして商品名「カーネルK
J640」(日本ポリケム(株)製、「カーネル」は登
録商標。MFR;30g/10分、TREF溶出曲線の
最大ピーク温度:38℃、H/W;3.4、ビカット軟
化温度;44℃)を40重量%、粘着付与樹脂として商
品名「YSポリスターS145」(安原ケミカル(株)
製、テルペンフェノール樹脂)を40重量%、及びワッ
クス類として商品名「FT100」(シェル(株)製、
フィッシャートロプシュワックス)を20重量%配合
し、混合物1000gを2リットルのビーカーに仕込
み、これを180℃で1時間溶融撹拌混合して接着剤組
成物を得た。評価の結果を表2に示す。
【0090】
【比較例1】ベースポリマーとして商品名「ノバテック
LL・UJ480」(日本ポリケム(株)製、ノバテッ
クは登録商標。MFR;30g/10分、TREF溶出
曲線の最大ピーク温度:85℃、H/W;0.92、ビ
カット軟化温度;83℃)を55重量%、及び、粘着付
与樹脂として商品名「アルコンP−100」(荒川化学
(株)製、水添脂環族飽和炭化水素樹脂)を45重量%
配合し、混合物1000gを2リットルのビーカーに仕
込み、これを180℃で1時間溶融撹拌混合して接着剤
組成物を得た。評価の結果を表3に示す。このものは、
臭いの評価結果はよいが、耐クリープ性が劣り、剥離強
度が低下している。
【0091】
【比較例2】ベースポリマーとして商品名「ノバテック
LL・UJ480」(日本ポリケム(株)製。MFR;
30g/10分、TREF溶出曲線の最大ピーク温度:
85℃、H/W;0.92、ビカット軟化温度;83
℃)を55重量%、及び、粘着付与樹脂として商品名
「YSポリスターS145」(安原ケミカル(株)製、
テルペンフェノール樹脂)を45重量%配合し、混合物
1000gを2リットルのビーカーに仕込み、これを1
80℃で1時間溶融撹拌混合して接着剤組成物を得た。
評価の結果を表3に示す。このものは、臭いの評価結果
はよいが、耐クリープ性が劣り、剥離強度が低下してい
る。
【0092】
【比較例3】ベースポリマーとして商品名「ノバテック
HD・HJ560」(日本ポリケム(株)製。MFR;
7g/10分、TREF溶出曲線の最大ピーク温度:9
8℃、H/W;8.7、ビカット軟化温度;128℃)
を55重量%、及び、粘着付与樹脂として商品名「アル
コンP−100」(荒川化学(株)製、水添脂環族飽和
炭化水素樹脂)を45重量%配合し、混合物1000g
を2リットルのビーカーに仕込み、これを180℃で1
時間溶融撹拌混合して接着剤組成物を得た。評価の結果
を表3に示す。このものは、臭いの評価結果はよいが、
耐クリープ性がかなり劣り、剥離強度が低下している。
【0093】
【比較例4】ベースポリマーとして商品名「ノバテック
HD・HJ560」(日本ポリケム(株)製。MFR;
7g/10分、TREF溶出曲線の最大ピーク温度:9
8℃、H/W;8.7、ビカット軟化温度;128℃)
を55重量%、及び、粘着付与樹脂として商品名「YS
ポリスターS145」(安原ケミカル(株)製、テルペ
ンフェノール樹脂)を45重量%配合し、混合物100
0gを2リットルのビーカーに仕込み、これを180℃
で1時間溶融撹拌混合して接着剤組成物を得た。評価の
結果を表3に示す。このものは、臭いの評価結果はよい
が、耐クリープ性がかなり劣り、剥離強度が低下してい
る。
【0094】
【比較例5】ベースポリマーとして商品名「カーネルK
S340」(日本ポリケム(株)製。MFR;3.5g
/10分、TREF溶出曲線の最大ピーク温度:40
℃、H/W;3.8、ビカット軟化温度;47℃)を1
5重量%、粘着付与樹脂として商品名「アルコンP−1
00」(荒川化学(株)製、水添脂環族飽和炭化水素樹
脂)を10重量%、及びワックス類として商品名「FT
100」(シェル(株)製、フィッシャートロプシュワ
ックス)を75重量%配合し、混合物1000gを2リ
ットルのビーカーに仕込み、これを180℃で1時間溶
融撹拌混合して接着剤組成物を得た。評価の結果を表4
に示す。このものは、臭いの評価結果はよいが、耐クリ
ープ性が劣り、剥離強度が低下している。
【0095】
【比較例6】ベースポリマーとして商品名「ノバテック
EVA・LV440」(日本ポリケム(株)製、エチレ
ン・酢酸ビニル共重合体。MFR;2.0g/10分、
TREF溶出曲線の最大ピーク温度:43℃、H/W;
4.3、ビカット軟化温度;64℃)を55重量%、及
び、粘着付与樹脂として商品名「アルコンP−100」
(荒川化学(株)製、水添脂環族飽和炭化水素樹脂)を
45重量%配合し、混合物1000gを2リットルのビ
ーカーに仕込み、これを180℃で1時間溶融撹拌混合
して接着剤組成物を得た。評価の結果を表4に示す。こ
のものは、耐クリープ性の評価はそこそこ満足できるも
のであるが、剥離強度が低く、また刺激臭がして環境的
に好ましくない。
【0096】
【表1】
【0097】
【表2】
【0098】
【表3】
【0099】
【表4】
【0100】
【発明の効果】本発明のホットメルト接着剤組成物は、
上述の構成とすることにより、低温塗布が可能で熱活性
により接着させる加熱温度が低く、また接着性能、特に
耐クリープ性に優れるとともに、適度の柔軟性を有し且
つ刺激臭がせず作業性が良好である。よって、段ボー
ル、カートン等の紙器の組立や封緘、自動車部品、電気
・電子部品、衛生用品、書籍、合板、木工、雑誌等の分
野において活用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ピークが1つの場合の溶出曲線を表す。
【図2】 ピークが2つの場合の溶出曲線を表す。図2
(a)は溶出温度の低いピークより溶出温度の高いピー
クの方がピーク高さが高い場合を表し、図2(b)は溶
出温度の低いピークより溶出温度の高いピークの方がピ
ーク高さが低い場合を表す。
【図3】 ピークが3つの場合の溶出曲線を表す。
【符号の説明】
p・・・最大ピーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J040 BA182 BA202 DA041 DA121 DB032 DK012 DN032 DN072 EB082 EL012 JB01 KA26 LA06 LA08 LA11

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレンと炭素数3〜18のα−オレフ
    ィンとの共重合体からなり且つ下記物性(A1)、(A
    2)及び(A3)を備えたベースポリマーと、粘着付与
    樹脂とを含有することを特徴とする、ホットメルト接着
    剤組成物。(A1)メルトフローレートが0.1〜10
    00g/10分であること。(A2)温度上昇溶離分別
    によって得られる溶出曲線の最大ピークの温度が15〜
    85℃であり、該ピークの高さをHとしその3分の1の
    高さにおける該ピークの幅をWとしたときのH/Wの値
    が2以上であること。(A3)ビカット軟化温度が15
    〜85℃であること。
  2. 【請求項2】 前記粘着付与樹脂が、前記組成物全量に
    対し1.5〜80重量%含有されていることを特徴とす
    る、請求項1記載のホットメルト接着剤組成物。
  3. 【請求項3】 さらに、前記組成物全量に対し1.5〜
    60重量%のワックス類が含有されていることを特徴と
    する、ホットメルト接着剤組成物。
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