JP2004075860A - 電磁誘導加熱により自動車ボディに裏打ちシートを接着させる方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】自動車製造工程において、離型紙を必要としない粘着性シートを用いて、高周波電磁誘導加熱により効果的に粘着性シートと自動車用金属鋼板とを接着させる方法を提供すること。
【解決手段】自動車ボディに粘着性シートを接着させる方法であって、以下の工程:
熱により少なくとも一部が溶融する粘着性シートを自動車ボディに当接させ;
前記当接させた部分に電磁誘導加熱の加熱部を当てて自動車ボディを発熱させ;前記自動車ボディの発熱により前記粘着性シートの少なくとも一部を溶融させることによって、粘着性シートと自動車ボディとを接着させる
ことを含む、前記方法。
【選択図】 図3
【解決手段】自動車ボディに粘着性シートを接着させる方法であって、以下の工程:
熱により少なくとも一部が溶融する粘着性シートを自動車ボディに当接させ;
前記当接させた部分に電磁誘導加熱の加熱部を当てて自動車ボディを発熱させ;前記自動車ボディの発熱により前記粘着性シートの少なくとも一部を溶融させることによって、粘着性シートと自動車ボディとを接着させる
ことを含む、前記方法。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用鋼板(鋼鈑)の裏打ち用シートを自動車用鋼板に接着させる工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車製造工程において、自動車ボディの補強、制振、吸音及び遮音等を目的として、自動車ボディ内装に裏打ち用シートを貼り付けることが行われている。
【0003】
自動車ボディ内装の形状は種々あり、裏打ちシートの貼りつけは主に手作業により裁断、感圧着(手で押しつける)等を行っているが、裏打ちシートは、自動車ボディの垂直面、背面などに貼り付ける場合もあり、かかる場合にはシート自体にある程度の粘着性がないと、シートと自動車ボディとを当接して固定しなければならなくなり大変不便である。そこで従来は溶剤タイプの粘着剤または接着剤を裏打ちシートの片面または両面に塗布した粘着シートが用いられてきた。ところが、シート自体に粘着性をもたせた粘着面を有するシート(従来型の粘着性シート)は、積み重ねたときにシート同士が付着しないようにするため、通常は離型紙を必要とする。
【0004】
ところが、自動車製造工程においては、離型紙をつけたまま粘着性シートを裁断、加工し、現場で離型紙を剥がし、これを感圧着により自動車ボディに貼り付けるという作業が必要となり、手間がかかる。また、剥がした離型紙自体は、シートを使用した後には特に有効な利用方法がなく、ゴミとして廃棄されることが多い。自動車製造工場において廃棄される離型紙の量は膨大なものとなる。従来型の粘着性シートは、貼り付ける作業及び廃棄される離型紙の処理に多大な手間とコストがかかる。
【0005】
そこで、離型紙を必要としないタイプの粘着性シートも開発されてはいるが、この場合は当然に粘着力が低くなるため、自動車製造現場において充分使用に耐えうるような粘着力を有する裏打ちシートを得られない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
かかる事態に鑑みると、自動車の垂直面や背面などにも容易にシートを接着できる工法であって、かつ離型紙を必要としないシートを使用する方法を開発することは、自動車製造工程において多大な貢献をすると考えられる。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明は、自動車ボディに粘着性シートを接着させる方法であって、以下の工程:
熱により少なくとも一部が溶融する粘着性シートを自動車ボディに当接させ;
前記当接させた部分に電磁誘導加熱の加熱部を当てて自動車ボディを発熱させ;前記自動車ボディの発熱により前記粘着性シートの少なくとも一部を溶融させることによって、粘着性シートと自動車ボディとを接着させる
ことを含む、前記方法を提供する。
【0008】
さらに本発明は、自動車ボディに粘着性シートを接着する方法であって、以下の工程:
電磁誘導加熱装置を用いて自動車ボディを発熱させ;
熱により少なくとも一部が溶融する粘着性シートを、前記発熱した自動車ボディに当接させ;
前記自動車ボディの発熱により前記粘着性シートの少なくとも一部を溶融させることによって、粘着性シートと自動車ボディとを接着する
ことを含む、前記方法を提供する。
【0009】
さらに本発明は、自動車用鋼板に粘着性シートを接着させる方法であって、以下の工程:
熱により少なくとも一部が溶融する粘着性シートを自動車用鋼板に当接させ;
前記当接させた部分に電磁誘導加熱の加熱部を当てて自動車用鋼板を発熱させ;前記自動車用鋼板の発熱により前記粘着性シートの少なくとも一部を溶融させることによって、粘着性シートと自動車ボディとを接着させる
ことを含む、前記方法を提供する。
【0010】
さらに本発明は、自動車用鋼板に粘着性シートを接着する方法であって、以下の工程:
電磁誘導加熱装置を用いて自動車用鋼板を発熱させ;
熱により少なくとも一部が溶融する粘着性シートを、前記発熱した自動車用鋼板に当接させ;
前記自動車用鋼板の発熱により前記粘着性シートの少なくとも一部を溶融させることによって、粘着性シートと自動車用鋼板とを接着する
ことを含む、前記方法を提供する。
【0011】
以下に、本発明において用いる用語について詳細に説明する。
「自動車用鋼板(または自動車用鋼鈑ともいう)」とは、自動車ボディ(ルーフ、フェンダー、エンジンフード、トランクリッド、ドアなどからなる)を構成する主要な材料であって、主に鉄から成る。また、近年、自動車ボディの軽量化を目指して、一部アルミニウムを使用する場合もある。自動車用鋼板の表面には通常塗装がなされるが、本発明の方法に従って粘着性シートを貼るのは、通常塗装のされない方の側、すなわち裏面である。本発明の方法においては、自動車用鋼板、自動車鋼板、または単に金属鋼板などと称することがある。
【0012】
「熱により少なくとも一部が溶融する粘着性シート」とは、加熱することによりシートの少なくとも一部が溶融または可塑化して、金属などの他の材料に接着させることが可能になるシートのことをいう。シート全体が熱により溶融、可塑化する粘着性物質から構成される場合を含み、不粘着性シート上に上記のような粘着性物質を塗布することにより、シートの片面または両面を粘着性に加工したものも含む。かかる粘着性シートは、単にホットメルトシートと呼ばれることがある。本明細書においては、「熱により少なくとも一部が溶融する粘着性シート」と「ホットメルトシート」は同義に用いることとする。また、本明細書では「本発明の方法に使用する粘着性シート」あるいは単に「粘着性シート」と記載することがある。
【0013】
また、本発明の方法を説明するにあたって、「粘着性物質」なる語は、熱により溶融または可塑化して粘着性(または接着性)を発現する物質」を表すこととする。すなわち、本発明の方法において用いられる「粘着性物質」とは、常温では実質的に粘着性を有さず、加熱により溶融または可塑化して初めて粘着性を有するようになる物質を意味することとする。
【0014】
したがって、「本発明の方法に使用する粘着性シート」は、上記のような粘着性物質により全部または一部を構成されているため、常温では実質的に粘着性を有さない。よって、積み重ねなどの際にシート同士で貼り合わさってしまうことを防ぐ役割を果たす離型紙(または剥離紙ともいう)を必要としない。したがって、自動車製造工程において、離型紙を大量に排出することがない。
【0015】
「熱により少なくとも一部が溶融する粘着性シート」の全部または一部を構成する粘着性物質は、いわゆる熱可塑性樹脂組成物を用いることが好ましい。80〜200℃、更に好ましくは100〜200℃、特に好ましくは130〜200℃で可塑化、または溶融する熱可塑性樹脂(組成物)を使用することが望ましい。このような樹脂組成物を構成する主成分として、SEEPS(スチレン−エチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロック共重合体)、SIS(スチレン/イソプレン/スチレンロック共重合体)、SBS(スチレン/ブタジエン/スチレン共重合体)、SEPS(スチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロック共重合体)等が挙げられる。かかる熱可塑性プラスチックまたは熱可塑性樹脂を、1種またはそれ以上混合して、樹脂組成物の主成分とすることが好ましい。
【0016】
樹脂組成物のその他の構成成分として、軟化剤、粘着性付与剤、老化防止剤、低温改質剤などを適宜使用することができる。
軟化剤は、樹脂組成物に柔軟性を与えるために用いるものであり、好ましくは鉱物系の軟化剤を使用することができる。例えば、パラフィン系軟化剤、芳香族系軟化剤、ナフテン系軟化剤、アロマ系軟化剤等を1種または2種以上混合して使用することができる。
【0017】
粘着性付与剤は、樹脂組成物の金属に対する粘着性をより強固にするために用いるものである。粘着性付与剤には樹脂状のものと液状のものがあるが、これらの一方あるいはこれらを混合して使用することができる。樹脂状の粘着性付与剤として例えば、変性テルペン系樹脂、クマロン樹脂、フェノールテルペン樹脂、石油系炭化水素、ロジン誘導体等を1種または2種以上混合して使用することができる。さらに液状の粘着性付与剤として例えば、ポリイソブチレン、ポリブテン等を1つまたはこれらの混合物を使用することができる。
【0018】
老化防止剤は、主に樹脂組成物が空気中で酸素、オゾン、日光、熱などの作用を受けて起こす表面亀裂、弾性の消失などの劣化を防止するために用い、すなわち樹脂組成物の特性の経時変化を防ぐために用いられるものである。主に樹脂組成物内のラジカルの発生を押さえる役割を果たす。好ましくは、例えばフェノール系、トリメチルヒドロキノン類、フェニレンジアミン類、アルデヒド類、ケトン類、アミン類、ジフェニルアミン類、アミン反応生成物類、イミタゾール類、及びこれらの誘導体類を、1つまたはこれらの混合物を使用することができる。
【0019】
低温改質剤とは、低温における樹脂組成物の安定化を目的とするものを意味する。低温改質剤とは、粘着性シートを貼った自動車ボディが低温下(0〜−30℃程度)に置かれたときに、粘着性シートが脱落、剥離したり、または微小な亀裂が生じたりすることがないように、粘着性シート自体の安定度を高めるために用いるものである。かかる低温改質剤として、アクリル系ホットメルト等を好ましく用いることができる。
【0020】
上記の他、必要に応じて充填剤、補強剤、充填剤改質剤、シート加工助剤などのシート製造及び成形の分野で一般的に用いられる添加剤を含みうる。
本発明の方法において「電磁誘導加熱」とは、電磁誘導により、物質(主に金属)を加熱することをいう。一般に、コイルに交流電流を流すとコイルから磁束を発生する。そしてこの磁束のある空間に金属(主として鋼製品)を置くことにより、その金属には逆方向の磁束を発生しようとする電流が誘起される。このとき、金属自体の電気抵抗によって損失(渦電流損・ヒステリシス損)が生じ、金属が発熱する(ジュール熱)。この発熱は、交流の周波数が高いほど金属表面層に集中するため(表皮効果)、 数kHzから数百kHz程度の高周波を利用すれば、金属内部をほとんど加熱せずに表面だけを短時間に高温にすることができる。これを高周波誘導加熱 という。本発明は、上記のような原理に基づいて、電磁誘導加熱装置を自動車用鋼板にあてると、自動車用鋼板の表面が発熱することに着目したものである。なお、本発明においては、「電磁誘導加熱」「高周波電磁誘導加熱」あるいは単に「誘導加熱」等と記載する。
【0021】
「当接する」とは、本発明の方法に用いる前記粘着性シートを適切な形状に切断する等して、自動車用鋼板表面の形状、または自動車ボディ表面の形状に合わせたものを、自動車用鋼板表面、または自動車ボディ表面に接触させることをいう。
【0022】
上記の通り、本発明の方法に用いる粘着性シートは、加熱により少なくとも一部が溶融または可塑化して粘着性をもつようになるシートであるが、かかる粘着性シートを、電磁誘導加熱により発熱した自動車用鋼板に当接させると、その熱により粘着性シートの一部が溶融または可塑化して鋼板に接着する。すなわち、本発明の方法に使用する粘着性シートは常温では粘着性をもたず、電磁誘導加熱した自動車用鋼板に当接して初めて粘着性をもつようになり、金属鋼板に接着するのである。本発明の方法に使用する粘着性シートは、常温では実質的に粘着性は有さないので、離型紙を用いることなしに積層して保管することができ、使用の際に大量の離型紙を廃棄処理する必要がない。また、自動車ボディの形状に合わせて、容易に切断、加工を行うことが可能であり、大変便利に使用することができる。
【0023】
上記の通り、形状を整えた粘着性シートは、自動車ボディに予め当接させ、電磁誘導加熱して接着させることができる。加熱する前にシートを当接する場合には、ホットメルトシート自体にはまだ粘着性がないため、シートと自動車ボディとを手などにより押さえる必要がある。何らかの器具、または機械を用いることもできるが、粘着性シートを所定の場所に簡易に固定するには、手により押さえるのが最も便利である。この場合には、高周波電磁加熱装置をこの当接部分に当てると金属鋼板とシートとがほぼ同時に発熱し接着するので便利である。また、もう一つの態様として、電磁誘導加熱により自動車ボディを発熱させた後に粘着性シートを当接しても良い。加熱した後にシートを当接する場合には、加熱と接着作業を段階的に行うことになるが、金属鋼板の発熱した部分にごく短時間シートを当接させれば瞬時に接着するのでこれも便利である。いずれの工程を採用するかは、自動車製造現場の状態による。
【0024】
ここで、「接着する」とは、鋼板表面とシート表面が全面にわたって接着する、いわゆる本止めの状態と、一部のみが接着する、いわゆる仮止めの状態とを含む。本発明の方法により使用する粘着性シートを制振材として使用する場合には、上記の通り、自動車製造工程中に自動車ボディに粘着性シートで裏打ちをした後に、鋼板上の塗料を乾燥するために、自動車全体を高温炉に入れる必要がある。この炉の温度は通常150〜180℃であり、この温度によりホットメルトシートは溶融または可塑化して完全に自動車ボディに接着するので、自動車鋼板に粘着性シートを現場で貼り付けるだけであるならば、いわゆる仮止めの状態でも充分である。本発明の方法に用いる粘着性シートを補強材、吸音材、遮音剤として使用する場合には、既に塗料を乾燥させた後の自動車ボディにシートで裏打ちをするため、自動車ボディをホットメルトシートで裏打ちをした後に塗料を乾燥する工程を経ることがほぼない。したがって、本発明の方法を行うことのみでシート全面が一様に接着した、いわゆる本止めの状態にする必要がある。
【0025】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の方法の実施の形態について、具体的に述べる。
本発明の方法に使用する粘着性シートは、通常厚さ1〜8mm程度のものである。粘着性シートは幅60〜100cm、長さ30〜100cm程度のロール状のものから、任意の大きさ、形状に裁断して使用することができる。粘着性シートを裏打ちする部分の自動車ボディ表面の形状に合わせて粘着性シートをトリム機等を用いて予め切断しておくことが好ましい。
【0026】
高周波電磁誘導加熱は、市販の高周波電磁誘導加熱装置を使用して行うことができる。電源として一般家庭用100V対応になっているものが便利であるが、他の電圧電源に対応したものを使用することもまた可能である。市販の高周波電磁誘導加熱装置として、例えば(TAO−550、東和電気株式会社)などを使用することができる。この装置は、100V電源を使用することができ、かつ小型であり、現場での裏打ちシートの貼りつけには大変便利である。また、加熱するために必要な出力周波数は、通常20〜100kH程度である。周波数が高くなるほど加熱時間は短くなりうるが、あまり高周波のものを使用しすぎると加熱時間とのバランスをとるのが困難となり、ごく短い時間加熱しただけで金属鋼板が局所的に発熱し、部分的に反りを生じるなどの問題が発生することがある。したがって通常便利に使用できる周波数帯域は30〜60kHである。
【0027】
本発明の方法に使用する粘着性シートを自動車ボディに当接して、上記のような加熱装置を、当接部位にあてる。使用する加熱装置の出力周波数、出力電力により変わりうるが、好ましくは1〜5秒間、更に好ましくは2〜3秒間当てることにより、自動車ボディの金属鋼板部が電磁誘導により加熱される。周囲温度や、金属鋼板の厚さ、塗装の種類、塗装の成分など、種々の条件により変わりうるが、通常2〜3秒間程度加熱装置を当てることにより、金属鋼板表面の温度を80〜130℃、好ましくは90〜120℃まで上昇させることが望ましい。上記のように、貼り付ける粘着性シートの表面部分が溶融または可塑化する程度の温度まで上昇する必要がある。高周波電磁誘導加熱により自動車ボディが発熱するとほぼ同時に、本発明の方法に使用する粘着性シートの当接部位が溶融または可塑化し、自動車ボディに接着する。
【0028】
また、別の態様として、金属鋼板を予め電磁誘導加熱により発熱させておき、この発熱部位に本発明の方法に使用する粘着性シートを当接させ、接着することもできる。この場合には、加熱装置を好ましくは1〜5秒間、更に好ましくは2〜3秒間当てることにより金属鋼板を40〜250℃、好ましくは70〜160℃の所望の温度まで加熱することができ、加熱した部位に粘着性シートを当接させると、その部位が溶融または可塑化して自動車ボディに接着する。
【0029】
【実施例】
実施例1:粘着性シート試料の調製
表1に示す材料及び配合割合で、粘着性シートを作成した。
【0030】
【表1】
【0031】
鉱物系軟化剤としてのパラフィン系軟化剤(PW−90オイル:出光(株)製)に、ベースポリマーとしてのスチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロックコポリマー(SEPS)(セプトン4055:クラレ(株)製)を添加して、約30分間放置して膨潤させ、その後、SEPSとPW−90オイルとの混合物を撹拌機(密閉型無圧ニーダ:株式会社モリヤマ製)に入れ、次いで多孔質シリカ(POP3パウダー300:北関東ファニーズ製)、アクリル系ホットメルト樹脂(アクリル系ホットメルトNo.4580:ノーテープ工業(株)製)、粘着付与剤(YSTO85レジン及びYSTO105レジン:ともにヤスハラケミカル(株)製)及び老化防止剤(IRGANOX1010:チバスペシャルティケミカルズ(株)製)を添加して、約170〜210℃で、約60分間、窒素封入雰囲気下で混練した。この混合物をローラを用いたシート成形機を用いて、離型紙を必要としないホットメルト粘着性シート(厚さ3mm、幅800mm)を作成した。
【0032】
実施例2:粘着性シートの物性の測定
本実施例は、粘着性シートと金属鋼板とを予め当接させておき、この当接部分に高周波電磁誘導加熱装置の加熱コイル面を当てて接着させる態様につき実施したものである。
【0033】
1.剪断接着力試験
剪断接着力試験は、粘着性シートと鋼鈑との当接面での接着力、粘着力を評価するための試験である。具体的には焼付前接着力、焼付後接着力及び耐水試験接着力の3種類の試験を行った。「焼付前接着力」とは、先に記載した、自動車ボディに粘着性シートを接着した直後の、(すなわち、自動車ボディを高温炉に入れる前の状態の)粘着性シートと金属鋼板との接着力を評価するものである。「焼付後接着力」とは、自動車ボディに粘着性シートを接着し、その後自動車ボディを高温炉に入れて塗装を乾燥させ、放冷させる工程を経た後の、粘着性シートと金属鋼板との接着力を評価するものである。「耐水試験接着力」とは、自動車ボディを高温炉に入れ、放冷した後、所定の時間水中に放置し、湿潤状態にしたときの、粘着性シートと金属鋼板との接着力を評価するものである。
【0034】
試験片の調製
実施例1で調製した粘着性シートを25×100[mm]の大きさに裁断し、これを25×100[mm]の塗装鋼鈑(SPMY、日本タクト製)と相互に25mmオーバーラップするように当接させた。この当接面に高周波電磁誘導加熱装置(TAO−550、出力450w、出力38KHz、東和電気株式会社製)の加熱コイル面を3秒間当て、鋼板及び粘着性シートを加熱し、当接面を接着させた。このように作成した試験片を模式的に表した図を、図1に記載する。
【0035】
焼付前接着力の測定
上記のように作成した図1の試験片を、引張試験機(例えばストログラフR、東洋精機製作所製)で200mm/分の速度で引っ張り、接着部を破断させるのに必要な荷重を測定し、単位面積当たりの荷重を計算した。
【0036】
焼付後接着力の測定
上記のように作成した図1の試験片を、粘着性シートの部分を上にして150±2℃に調整した強制乾燥機内に放置して約30分間加熱した。これを室温で約1時間放冷し、焼付前接着力の測定と同様の方法で焼付後接着力を測定した。
【0037】
耐水試験接着力の測定
上記のように作成した図1の試験片を、粘着性シートの部分を上にして150±2℃に調整した強制乾燥機内に放置して約30分間加熱した。これを室温で1時間以上放冷し、次いで20±2℃の水中に24時間浸漬した。この湿潤状態にある試験片につき、焼付前接着力の測定と同様の方法で耐水試験接着力を測定した。
【0038】
2.鋼板反り試験
先に記載したとおり、高周波電磁誘導加熱により粘着性シートと金属鋼板とを接着すると、金属鋼板の一部のみが局所的に発熱し、この部分から金属鋼板が反ることがある。かかる反りをなるべく低く(例えば1mm程度に)押さえることが重要であるが、「鋼板反り試験」は、高周波電磁誘導加熱をした際の金属鋼板の反りを評価するものである。
【0039】
250×250mm、厚さ0.8mm冷間圧延鋼板(SPCCSD、日本テストパネル製)の表面上に200×200mmに裁断した粘着性シートを載せ、剪断接着力試験と同様高周波誘導加熱装置の加熱コイル部を3秒間当て、粘着性シートと金属鋼板とを接着させた。これを室温で1時間放置し、放置後の鋼板の反りをノギスで測定した。鋼板反り試験の方法を模式的に示した図を図2に記載する。粘着性シートが接着した鋼板を、鋼板面を下にして平滑な常盤に載せ、常盤と鋼板の間の隙間の最大値を測定し、記録した。
【0040】
3.測定結果
高周波電磁誘導加熱の加熱時間と、鋼板表面温度、剪断接着力、及び鋼板反りとの関係をそれぞれ表1に記載する。本発明に使用する粘着性シートは、高周波電磁誘導加熱により効果的に金属鋼板に接着し、かつ焼付後、さらに湿潤状態でも接着力の低下の著しい低下は見られない。
【0041】
実施例3:加熱時間と鋼板温度、接着力、鋼板反りの関係
実施例1に記載した方法で作成した粘着性シートを用い、実施例2に記載した方法と同様に試験片を作成した。但し、高周波電磁誘導加熱装置の加熱コイル部分を当接部に当てる時間を、1〜9秒間の間で変え、加熱時間と鋼板表面の温度、剪断接着力(焼付前接着力)、及び鋼板反りの度合いの関係を評価した。この結果を表2に示す。さらに、加熱時間と鋼板表面温度、剪断接着力(焼付前接着力)及び鋼板反りの関係をグラフに表したものを、図3、図4及び図5に示す。
【0042】
【表2】
【0043】
表2からわかるとおり、高周波電磁誘導加熱の時間が長くなるほど、鋼板表面温度は高くなった。また加熱の時間が長くなるほど、鋼板の反りの度合いも大きくなった。焼付前接着力は、加熱時間とは比例せず、本実験では7秒間加熱した場合に最も接着力が大きくなった。但し、接着力と鋼板の反りの度合いを比較考量すると、加熱時間を3〜5秒程度とすることが望ましいことがわかった。
【0044】
【発明の効果】
本発明の方法により、熱により少なくとも一部が溶融する粘着性シートと自動車用金属鋼板とを効果的に接着させることができる。本発明の方法は、高周波電磁誘導加熱の時間を調整したり、加熱部位を選択することによって、粘着性シートと金属鋼板との接着力を調整することができる。即ち、自動車製造工程における作業順序や、粘着性シートの使用目的に応じて、本止め、あるいは仮止めのいずれの状態にすることも可能である。本発明の方法は、粘着性シートと金属鋼板とを予め当接させて加熱、接着させることができ、さらにまず金属鋼板を加熱して発熱した金属鋼板に粘着性シートを当接させて瞬時に接着させることも可能であり、これは各自動車製造工場の設備によりいずれかを選択することができる。本発明の方法に使用する粘着性シートは、従来から存在する金属鋼板用裏打ちシートのように溶剤タイプの接着剤を使用する必要がない。本発明に使用する粘着性シートは、常温では粘着性を有しないので、従来型の粘着性シートのように離型紙を必要としない。離型紙がないため、所望の形状に裁断、加工などすることが容易である。さらに自動車製造現場で離型紙を排出することがないため、この廃棄処理にかかるコストを軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の方法に使用する粘着性シートと金属鋼板との剪断接着力を測定するための試験片を模式的に描いたものである。
【図2】図2は、本発明の方法に使用する粘着性シートと金属鋼板とを高周波電磁誘導加熱する際に生じうる鋼板の反りを測定する様子を模式的に描いたものである。
【図3】図3は、高周波電磁誘導加熱装置による加熱時間と、鋼板表面温度の関係を、グラフに表したものである。
【図4】図4は、高周波電磁誘導加熱装置による加熱時間と、粘着性シートと金属鋼板との間の剪断接着力(焼付前接着力)との関係を、グラフに表したものである。
【図5】図5は、高周波電磁誘導加熱装置による加熱時間と、鋼板反りとの関係を、グラフに表したものである。
【符号の説明】
1.粘着性シート試料
2.金属鋼板
3.オーバーラップ部
4.粘着性シート試料
5.金属鋼板
6.常盤
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用鋼板(鋼鈑)の裏打ち用シートを自動車用鋼板に接着させる工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車製造工程において、自動車ボディの補強、制振、吸音及び遮音等を目的として、自動車ボディ内装に裏打ち用シートを貼り付けることが行われている。
【0003】
自動車ボディ内装の形状は種々あり、裏打ちシートの貼りつけは主に手作業により裁断、感圧着(手で押しつける)等を行っているが、裏打ちシートは、自動車ボディの垂直面、背面などに貼り付ける場合もあり、かかる場合にはシート自体にある程度の粘着性がないと、シートと自動車ボディとを当接して固定しなければならなくなり大変不便である。そこで従来は溶剤タイプの粘着剤または接着剤を裏打ちシートの片面または両面に塗布した粘着シートが用いられてきた。ところが、シート自体に粘着性をもたせた粘着面を有するシート(従来型の粘着性シート)は、積み重ねたときにシート同士が付着しないようにするため、通常は離型紙を必要とする。
【0004】
ところが、自動車製造工程においては、離型紙をつけたまま粘着性シートを裁断、加工し、現場で離型紙を剥がし、これを感圧着により自動車ボディに貼り付けるという作業が必要となり、手間がかかる。また、剥がした離型紙自体は、シートを使用した後には特に有効な利用方法がなく、ゴミとして廃棄されることが多い。自動車製造工場において廃棄される離型紙の量は膨大なものとなる。従来型の粘着性シートは、貼り付ける作業及び廃棄される離型紙の処理に多大な手間とコストがかかる。
【0005】
そこで、離型紙を必要としないタイプの粘着性シートも開発されてはいるが、この場合は当然に粘着力が低くなるため、自動車製造現場において充分使用に耐えうるような粘着力を有する裏打ちシートを得られない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
かかる事態に鑑みると、自動車の垂直面や背面などにも容易にシートを接着できる工法であって、かつ離型紙を必要としないシートを使用する方法を開発することは、自動車製造工程において多大な貢献をすると考えられる。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明は、自動車ボディに粘着性シートを接着させる方法であって、以下の工程:
熱により少なくとも一部が溶融する粘着性シートを自動車ボディに当接させ;
前記当接させた部分に電磁誘導加熱の加熱部を当てて自動車ボディを発熱させ;前記自動車ボディの発熱により前記粘着性シートの少なくとも一部を溶融させることによって、粘着性シートと自動車ボディとを接着させる
ことを含む、前記方法を提供する。
【0008】
さらに本発明は、自動車ボディに粘着性シートを接着する方法であって、以下の工程:
電磁誘導加熱装置を用いて自動車ボディを発熱させ;
熱により少なくとも一部が溶融する粘着性シートを、前記発熱した自動車ボディに当接させ;
前記自動車ボディの発熱により前記粘着性シートの少なくとも一部を溶融させることによって、粘着性シートと自動車ボディとを接着する
ことを含む、前記方法を提供する。
【0009】
さらに本発明は、自動車用鋼板に粘着性シートを接着させる方法であって、以下の工程:
熱により少なくとも一部が溶融する粘着性シートを自動車用鋼板に当接させ;
前記当接させた部分に電磁誘導加熱の加熱部を当てて自動車用鋼板を発熱させ;前記自動車用鋼板の発熱により前記粘着性シートの少なくとも一部を溶融させることによって、粘着性シートと自動車ボディとを接着させる
ことを含む、前記方法を提供する。
【0010】
さらに本発明は、自動車用鋼板に粘着性シートを接着する方法であって、以下の工程:
電磁誘導加熱装置を用いて自動車用鋼板を発熱させ;
熱により少なくとも一部が溶融する粘着性シートを、前記発熱した自動車用鋼板に当接させ;
前記自動車用鋼板の発熱により前記粘着性シートの少なくとも一部を溶融させることによって、粘着性シートと自動車用鋼板とを接着する
ことを含む、前記方法を提供する。
【0011】
以下に、本発明において用いる用語について詳細に説明する。
「自動車用鋼板(または自動車用鋼鈑ともいう)」とは、自動車ボディ(ルーフ、フェンダー、エンジンフード、トランクリッド、ドアなどからなる)を構成する主要な材料であって、主に鉄から成る。また、近年、自動車ボディの軽量化を目指して、一部アルミニウムを使用する場合もある。自動車用鋼板の表面には通常塗装がなされるが、本発明の方法に従って粘着性シートを貼るのは、通常塗装のされない方の側、すなわち裏面である。本発明の方法においては、自動車用鋼板、自動車鋼板、または単に金属鋼板などと称することがある。
【0012】
「熱により少なくとも一部が溶融する粘着性シート」とは、加熱することによりシートの少なくとも一部が溶融または可塑化して、金属などの他の材料に接着させることが可能になるシートのことをいう。シート全体が熱により溶融、可塑化する粘着性物質から構成される場合を含み、不粘着性シート上に上記のような粘着性物質を塗布することにより、シートの片面または両面を粘着性に加工したものも含む。かかる粘着性シートは、単にホットメルトシートと呼ばれることがある。本明細書においては、「熱により少なくとも一部が溶融する粘着性シート」と「ホットメルトシート」は同義に用いることとする。また、本明細書では「本発明の方法に使用する粘着性シート」あるいは単に「粘着性シート」と記載することがある。
【0013】
また、本発明の方法を説明するにあたって、「粘着性物質」なる語は、熱により溶融または可塑化して粘着性(または接着性)を発現する物質」を表すこととする。すなわち、本発明の方法において用いられる「粘着性物質」とは、常温では実質的に粘着性を有さず、加熱により溶融または可塑化して初めて粘着性を有するようになる物質を意味することとする。
【0014】
したがって、「本発明の方法に使用する粘着性シート」は、上記のような粘着性物質により全部または一部を構成されているため、常温では実質的に粘着性を有さない。よって、積み重ねなどの際にシート同士で貼り合わさってしまうことを防ぐ役割を果たす離型紙(または剥離紙ともいう)を必要としない。したがって、自動車製造工程において、離型紙を大量に排出することがない。
【0015】
「熱により少なくとも一部が溶融する粘着性シート」の全部または一部を構成する粘着性物質は、いわゆる熱可塑性樹脂組成物を用いることが好ましい。80〜200℃、更に好ましくは100〜200℃、特に好ましくは130〜200℃で可塑化、または溶融する熱可塑性樹脂(組成物)を使用することが望ましい。このような樹脂組成物を構成する主成分として、SEEPS(スチレン−エチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロック共重合体)、SIS(スチレン/イソプレン/スチレンロック共重合体)、SBS(スチレン/ブタジエン/スチレン共重合体)、SEPS(スチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロック共重合体)等が挙げられる。かかる熱可塑性プラスチックまたは熱可塑性樹脂を、1種またはそれ以上混合して、樹脂組成物の主成分とすることが好ましい。
【0016】
樹脂組成物のその他の構成成分として、軟化剤、粘着性付与剤、老化防止剤、低温改質剤などを適宜使用することができる。
軟化剤は、樹脂組成物に柔軟性を与えるために用いるものであり、好ましくは鉱物系の軟化剤を使用することができる。例えば、パラフィン系軟化剤、芳香族系軟化剤、ナフテン系軟化剤、アロマ系軟化剤等を1種または2種以上混合して使用することができる。
【0017】
粘着性付与剤は、樹脂組成物の金属に対する粘着性をより強固にするために用いるものである。粘着性付与剤には樹脂状のものと液状のものがあるが、これらの一方あるいはこれらを混合して使用することができる。樹脂状の粘着性付与剤として例えば、変性テルペン系樹脂、クマロン樹脂、フェノールテルペン樹脂、石油系炭化水素、ロジン誘導体等を1種または2種以上混合して使用することができる。さらに液状の粘着性付与剤として例えば、ポリイソブチレン、ポリブテン等を1つまたはこれらの混合物を使用することができる。
【0018】
老化防止剤は、主に樹脂組成物が空気中で酸素、オゾン、日光、熱などの作用を受けて起こす表面亀裂、弾性の消失などの劣化を防止するために用い、すなわち樹脂組成物の特性の経時変化を防ぐために用いられるものである。主に樹脂組成物内のラジカルの発生を押さえる役割を果たす。好ましくは、例えばフェノール系、トリメチルヒドロキノン類、フェニレンジアミン類、アルデヒド類、ケトン類、アミン類、ジフェニルアミン類、アミン反応生成物類、イミタゾール類、及びこれらの誘導体類を、1つまたはこれらの混合物を使用することができる。
【0019】
低温改質剤とは、低温における樹脂組成物の安定化を目的とするものを意味する。低温改質剤とは、粘着性シートを貼った自動車ボディが低温下(0〜−30℃程度)に置かれたときに、粘着性シートが脱落、剥離したり、または微小な亀裂が生じたりすることがないように、粘着性シート自体の安定度を高めるために用いるものである。かかる低温改質剤として、アクリル系ホットメルト等を好ましく用いることができる。
【0020】
上記の他、必要に応じて充填剤、補強剤、充填剤改質剤、シート加工助剤などのシート製造及び成形の分野で一般的に用いられる添加剤を含みうる。
本発明の方法において「電磁誘導加熱」とは、電磁誘導により、物質(主に金属)を加熱することをいう。一般に、コイルに交流電流を流すとコイルから磁束を発生する。そしてこの磁束のある空間に金属(主として鋼製品)を置くことにより、その金属には逆方向の磁束を発生しようとする電流が誘起される。このとき、金属自体の電気抵抗によって損失(渦電流損・ヒステリシス損)が生じ、金属が発熱する(ジュール熱)。この発熱は、交流の周波数が高いほど金属表面層に集中するため(表皮効果)、 数kHzから数百kHz程度の高周波を利用すれば、金属内部をほとんど加熱せずに表面だけを短時間に高温にすることができる。これを高周波誘導加熱 という。本発明は、上記のような原理に基づいて、電磁誘導加熱装置を自動車用鋼板にあてると、自動車用鋼板の表面が発熱することに着目したものである。なお、本発明においては、「電磁誘導加熱」「高周波電磁誘導加熱」あるいは単に「誘導加熱」等と記載する。
【0021】
「当接する」とは、本発明の方法に用いる前記粘着性シートを適切な形状に切断する等して、自動車用鋼板表面の形状、または自動車ボディ表面の形状に合わせたものを、自動車用鋼板表面、または自動車ボディ表面に接触させることをいう。
【0022】
上記の通り、本発明の方法に用いる粘着性シートは、加熱により少なくとも一部が溶融または可塑化して粘着性をもつようになるシートであるが、かかる粘着性シートを、電磁誘導加熱により発熱した自動車用鋼板に当接させると、その熱により粘着性シートの一部が溶融または可塑化して鋼板に接着する。すなわち、本発明の方法に使用する粘着性シートは常温では粘着性をもたず、電磁誘導加熱した自動車用鋼板に当接して初めて粘着性をもつようになり、金属鋼板に接着するのである。本発明の方法に使用する粘着性シートは、常温では実質的に粘着性は有さないので、離型紙を用いることなしに積層して保管することができ、使用の際に大量の離型紙を廃棄処理する必要がない。また、自動車ボディの形状に合わせて、容易に切断、加工を行うことが可能であり、大変便利に使用することができる。
【0023】
上記の通り、形状を整えた粘着性シートは、自動車ボディに予め当接させ、電磁誘導加熱して接着させることができる。加熱する前にシートを当接する場合には、ホットメルトシート自体にはまだ粘着性がないため、シートと自動車ボディとを手などにより押さえる必要がある。何らかの器具、または機械を用いることもできるが、粘着性シートを所定の場所に簡易に固定するには、手により押さえるのが最も便利である。この場合には、高周波電磁加熱装置をこの当接部分に当てると金属鋼板とシートとがほぼ同時に発熱し接着するので便利である。また、もう一つの態様として、電磁誘導加熱により自動車ボディを発熱させた後に粘着性シートを当接しても良い。加熱した後にシートを当接する場合には、加熱と接着作業を段階的に行うことになるが、金属鋼板の発熱した部分にごく短時間シートを当接させれば瞬時に接着するのでこれも便利である。いずれの工程を採用するかは、自動車製造現場の状態による。
【0024】
ここで、「接着する」とは、鋼板表面とシート表面が全面にわたって接着する、いわゆる本止めの状態と、一部のみが接着する、いわゆる仮止めの状態とを含む。本発明の方法により使用する粘着性シートを制振材として使用する場合には、上記の通り、自動車製造工程中に自動車ボディに粘着性シートで裏打ちをした後に、鋼板上の塗料を乾燥するために、自動車全体を高温炉に入れる必要がある。この炉の温度は通常150〜180℃であり、この温度によりホットメルトシートは溶融または可塑化して完全に自動車ボディに接着するので、自動車鋼板に粘着性シートを現場で貼り付けるだけであるならば、いわゆる仮止めの状態でも充分である。本発明の方法に用いる粘着性シートを補強材、吸音材、遮音剤として使用する場合には、既に塗料を乾燥させた後の自動車ボディにシートで裏打ちをするため、自動車ボディをホットメルトシートで裏打ちをした後に塗料を乾燥する工程を経ることがほぼない。したがって、本発明の方法を行うことのみでシート全面が一様に接着した、いわゆる本止めの状態にする必要がある。
【0025】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の方法の実施の形態について、具体的に述べる。
本発明の方法に使用する粘着性シートは、通常厚さ1〜8mm程度のものである。粘着性シートは幅60〜100cm、長さ30〜100cm程度のロール状のものから、任意の大きさ、形状に裁断して使用することができる。粘着性シートを裏打ちする部分の自動車ボディ表面の形状に合わせて粘着性シートをトリム機等を用いて予め切断しておくことが好ましい。
【0026】
高周波電磁誘導加熱は、市販の高周波電磁誘導加熱装置を使用して行うことができる。電源として一般家庭用100V対応になっているものが便利であるが、他の電圧電源に対応したものを使用することもまた可能である。市販の高周波電磁誘導加熱装置として、例えば(TAO−550、東和電気株式会社)などを使用することができる。この装置は、100V電源を使用することができ、かつ小型であり、現場での裏打ちシートの貼りつけには大変便利である。また、加熱するために必要な出力周波数は、通常20〜100kH程度である。周波数が高くなるほど加熱時間は短くなりうるが、あまり高周波のものを使用しすぎると加熱時間とのバランスをとるのが困難となり、ごく短い時間加熱しただけで金属鋼板が局所的に発熱し、部分的に反りを生じるなどの問題が発生することがある。したがって通常便利に使用できる周波数帯域は30〜60kHである。
【0027】
本発明の方法に使用する粘着性シートを自動車ボディに当接して、上記のような加熱装置を、当接部位にあてる。使用する加熱装置の出力周波数、出力電力により変わりうるが、好ましくは1〜5秒間、更に好ましくは2〜3秒間当てることにより、自動車ボディの金属鋼板部が電磁誘導により加熱される。周囲温度や、金属鋼板の厚さ、塗装の種類、塗装の成分など、種々の条件により変わりうるが、通常2〜3秒間程度加熱装置を当てることにより、金属鋼板表面の温度を80〜130℃、好ましくは90〜120℃まで上昇させることが望ましい。上記のように、貼り付ける粘着性シートの表面部分が溶融または可塑化する程度の温度まで上昇する必要がある。高周波電磁誘導加熱により自動車ボディが発熱するとほぼ同時に、本発明の方法に使用する粘着性シートの当接部位が溶融または可塑化し、自動車ボディに接着する。
【0028】
また、別の態様として、金属鋼板を予め電磁誘導加熱により発熱させておき、この発熱部位に本発明の方法に使用する粘着性シートを当接させ、接着することもできる。この場合には、加熱装置を好ましくは1〜5秒間、更に好ましくは2〜3秒間当てることにより金属鋼板を40〜250℃、好ましくは70〜160℃の所望の温度まで加熱することができ、加熱した部位に粘着性シートを当接させると、その部位が溶融または可塑化して自動車ボディに接着する。
【0029】
【実施例】
実施例1:粘着性シート試料の調製
表1に示す材料及び配合割合で、粘着性シートを作成した。
【0030】
【表1】
【0031】
鉱物系軟化剤としてのパラフィン系軟化剤(PW−90オイル:出光(株)製)に、ベースポリマーとしてのスチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロックコポリマー(SEPS)(セプトン4055:クラレ(株)製)を添加して、約30分間放置して膨潤させ、その後、SEPSとPW−90オイルとの混合物を撹拌機(密閉型無圧ニーダ:株式会社モリヤマ製)に入れ、次いで多孔質シリカ(POP3パウダー300:北関東ファニーズ製)、アクリル系ホットメルト樹脂(アクリル系ホットメルトNo.4580:ノーテープ工業(株)製)、粘着付与剤(YSTO85レジン及びYSTO105レジン:ともにヤスハラケミカル(株)製)及び老化防止剤(IRGANOX1010:チバスペシャルティケミカルズ(株)製)を添加して、約170〜210℃で、約60分間、窒素封入雰囲気下で混練した。この混合物をローラを用いたシート成形機を用いて、離型紙を必要としないホットメルト粘着性シート(厚さ3mm、幅800mm)を作成した。
【0032】
実施例2:粘着性シートの物性の測定
本実施例は、粘着性シートと金属鋼板とを予め当接させておき、この当接部分に高周波電磁誘導加熱装置の加熱コイル面を当てて接着させる態様につき実施したものである。
【0033】
1.剪断接着力試験
剪断接着力試験は、粘着性シートと鋼鈑との当接面での接着力、粘着力を評価するための試験である。具体的には焼付前接着力、焼付後接着力及び耐水試験接着力の3種類の試験を行った。「焼付前接着力」とは、先に記載した、自動車ボディに粘着性シートを接着した直後の、(すなわち、自動車ボディを高温炉に入れる前の状態の)粘着性シートと金属鋼板との接着力を評価するものである。「焼付後接着力」とは、自動車ボディに粘着性シートを接着し、その後自動車ボディを高温炉に入れて塗装を乾燥させ、放冷させる工程を経た後の、粘着性シートと金属鋼板との接着力を評価するものである。「耐水試験接着力」とは、自動車ボディを高温炉に入れ、放冷した後、所定の時間水中に放置し、湿潤状態にしたときの、粘着性シートと金属鋼板との接着力を評価するものである。
【0034】
試験片の調製
実施例1で調製した粘着性シートを25×100[mm]の大きさに裁断し、これを25×100[mm]の塗装鋼鈑(SPMY、日本タクト製)と相互に25mmオーバーラップするように当接させた。この当接面に高周波電磁誘導加熱装置(TAO−550、出力450w、出力38KHz、東和電気株式会社製)の加熱コイル面を3秒間当て、鋼板及び粘着性シートを加熱し、当接面を接着させた。このように作成した試験片を模式的に表した図を、図1に記載する。
【0035】
焼付前接着力の測定
上記のように作成した図1の試験片を、引張試験機(例えばストログラフR、東洋精機製作所製)で200mm/分の速度で引っ張り、接着部を破断させるのに必要な荷重を測定し、単位面積当たりの荷重を計算した。
【0036】
焼付後接着力の測定
上記のように作成した図1の試験片を、粘着性シートの部分を上にして150±2℃に調整した強制乾燥機内に放置して約30分間加熱した。これを室温で約1時間放冷し、焼付前接着力の測定と同様の方法で焼付後接着力を測定した。
【0037】
耐水試験接着力の測定
上記のように作成した図1の試験片を、粘着性シートの部分を上にして150±2℃に調整した強制乾燥機内に放置して約30分間加熱した。これを室温で1時間以上放冷し、次いで20±2℃の水中に24時間浸漬した。この湿潤状態にある試験片につき、焼付前接着力の測定と同様の方法で耐水試験接着力を測定した。
【0038】
2.鋼板反り試験
先に記載したとおり、高周波電磁誘導加熱により粘着性シートと金属鋼板とを接着すると、金属鋼板の一部のみが局所的に発熱し、この部分から金属鋼板が反ることがある。かかる反りをなるべく低く(例えば1mm程度に)押さえることが重要であるが、「鋼板反り試験」は、高周波電磁誘導加熱をした際の金属鋼板の反りを評価するものである。
【0039】
250×250mm、厚さ0.8mm冷間圧延鋼板(SPCCSD、日本テストパネル製)の表面上に200×200mmに裁断した粘着性シートを載せ、剪断接着力試験と同様高周波誘導加熱装置の加熱コイル部を3秒間当て、粘着性シートと金属鋼板とを接着させた。これを室温で1時間放置し、放置後の鋼板の反りをノギスで測定した。鋼板反り試験の方法を模式的に示した図を図2に記載する。粘着性シートが接着した鋼板を、鋼板面を下にして平滑な常盤に載せ、常盤と鋼板の間の隙間の最大値を測定し、記録した。
【0040】
3.測定結果
高周波電磁誘導加熱の加熱時間と、鋼板表面温度、剪断接着力、及び鋼板反りとの関係をそれぞれ表1に記載する。本発明に使用する粘着性シートは、高周波電磁誘導加熱により効果的に金属鋼板に接着し、かつ焼付後、さらに湿潤状態でも接着力の低下の著しい低下は見られない。
【0041】
実施例3:加熱時間と鋼板温度、接着力、鋼板反りの関係
実施例1に記載した方法で作成した粘着性シートを用い、実施例2に記載した方法と同様に試験片を作成した。但し、高周波電磁誘導加熱装置の加熱コイル部分を当接部に当てる時間を、1〜9秒間の間で変え、加熱時間と鋼板表面の温度、剪断接着力(焼付前接着力)、及び鋼板反りの度合いの関係を評価した。この結果を表2に示す。さらに、加熱時間と鋼板表面温度、剪断接着力(焼付前接着力)及び鋼板反りの関係をグラフに表したものを、図3、図4及び図5に示す。
【0042】
【表2】
【0043】
表2からわかるとおり、高周波電磁誘導加熱の時間が長くなるほど、鋼板表面温度は高くなった。また加熱の時間が長くなるほど、鋼板の反りの度合いも大きくなった。焼付前接着力は、加熱時間とは比例せず、本実験では7秒間加熱した場合に最も接着力が大きくなった。但し、接着力と鋼板の反りの度合いを比較考量すると、加熱時間を3〜5秒程度とすることが望ましいことがわかった。
【0044】
【発明の効果】
本発明の方法により、熱により少なくとも一部が溶融する粘着性シートと自動車用金属鋼板とを効果的に接着させることができる。本発明の方法は、高周波電磁誘導加熱の時間を調整したり、加熱部位を選択することによって、粘着性シートと金属鋼板との接着力を調整することができる。即ち、自動車製造工程における作業順序や、粘着性シートの使用目的に応じて、本止め、あるいは仮止めのいずれの状態にすることも可能である。本発明の方法は、粘着性シートと金属鋼板とを予め当接させて加熱、接着させることができ、さらにまず金属鋼板を加熱して発熱した金属鋼板に粘着性シートを当接させて瞬時に接着させることも可能であり、これは各自動車製造工場の設備によりいずれかを選択することができる。本発明の方法に使用する粘着性シートは、従来から存在する金属鋼板用裏打ちシートのように溶剤タイプの接着剤を使用する必要がない。本発明に使用する粘着性シートは、常温では粘着性を有しないので、従来型の粘着性シートのように離型紙を必要としない。離型紙がないため、所望の形状に裁断、加工などすることが容易である。さらに自動車製造現場で離型紙を排出することがないため、この廃棄処理にかかるコストを軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の方法に使用する粘着性シートと金属鋼板との剪断接着力を測定するための試験片を模式的に描いたものである。
【図2】図2は、本発明の方法に使用する粘着性シートと金属鋼板とを高周波電磁誘導加熱する際に生じうる鋼板の反りを測定する様子を模式的に描いたものである。
【図3】図3は、高周波電磁誘導加熱装置による加熱時間と、鋼板表面温度の関係を、グラフに表したものである。
【図4】図4は、高周波電磁誘導加熱装置による加熱時間と、粘着性シートと金属鋼板との間の剪断接着力(焼付前接着力)との関係を、グラフに表したものである。
【図5】図5は、高周波電磁誘導加熱装置による加熱時間と、鋼板反りとの関係を、グラフに表したものである。
【符号の説明】
1.粘着性シート試料
2.金属鋼板
3.オーバーラップ部
4.粘着性シート試料
5.金属鋼板
6.常盤
Claims (5)
- 自動車ボディに粘着性シートを接着させる方法であって、以下の工程:
熱により少なくとも一部が溶融する粘着性シートを自動車ボディに当接させ;
前記当接させた部分に電磁誘導加熱の加熱部を当てて自動車ボディを発熱させ;前記自動車ボディの発熱により前記粘着性シートの少なくとも一部を溶融させることによって、粘着性シートと自動車ボディとを接着させる
ことを含む、前記方法。 - 自動車ボディに粘着性シートを接着する方法であって、以下の工程:
電磁誘導加熱装置を用いて自動車ボディを発熱させ;
熱により少なくとも一部が溶融する粘着性シートを、前記発熱した自動車ボディに当接させ;
前記自動車ボディの発熱により前記粘着性シートの少なくとも一部を溶融させることによって、粘着性シートと自動車ボディとを接着する
ことを含む、前記方法。 - 自動車用鋼板に粘着性シートを接着させる方法であって、以下の工程:
熱により少なくとも一部が溶融する粘着性シートを自動車用鋼板に当接させ;
前記当接させた部分に電磁誘導加熱の加熱部を当てて自動車用鋼板を発熱させ;前記自動車用鋼板の発熱により前記粘着性シートの少なくとも一部を溶融させることによって、粘着性シートと自動車ボディとを接着させる
ことを含む、前記方法。 - 自動車用鋼板に粘着性シートを接着する方法であって、以下の工程:
電磁誘導加熱装置を用いて自動車用鋼板を発熱させ;
熱により少なくとも一部が溶融する粘着性シートを、前記発熱した自動車用鋼板に当接させ;
前記自動車用鋼板の発熱により前記粘着性シートの少なくとも一部を溶融させることによって、粘着性シートと自動車用鋼板とを接着する
ことを含む、前記方法。 - 前記粘着性シートが、離型紙を有しないことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
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