JP2001262085A - 誘導加熱接着シート - Google Patents

誘導加熱接着シート

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JP2001262085A
JP2001262085A JP2000072935A JP2000072935A JP2001262085A JP 2001262085 A JP2001262085 A JP 2001262085A JP 2000072935 A JP2000072935 A JP 2000072935A JP 2000072935 A JP2000072935 A JP 2000072935A JP 2001262085 A JP2001262085 A JP 2001262085A
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JP
Japan
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adhesive
induction heating
sheet
adherend
adhesive sheet
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JP2000072935A
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English (en)
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Masanori Shimizu
正則 清水
Kiyoshi Kobayashi
潔 小林
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BURAUNII KK
Konishi Co Ltd
Achilles Corp
TOWA DENKI KK
Original Assignee
BURAUNII KK
Konishi Co Ltd
Achilles Corp
TOWA DENKI KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高周波誘導加熱による接着方法を、高周波誘
導加熱し難い被着材にも適用できるようにする。 【解決手段】 高周波誘導加熱により発熱するアルミ箔
などの金属箔を発熱シート2とし、発熱シート2の両面
に、ポリアミド系ホットメルト、ポリエステル系ホット
メルトなどの接着剤を塗布して、誘導加熱接着シート1
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁界により発生す
るうず電流に基づく加熱、所謂誘導加熱により、予め固
化させておいた熱可塑性の接着剤(ホットメルト)を溶
融して、被着材に接着させたり、あるいは接着させた状
態から剥離させる技術に関し、特に作業性、接着性など
を考慮して誘導加熱により発熱する発熱シートにホット
メルトを塗布してシート状などに形成した接着体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ベニア板や石膏ボードなどの建材を家屋
の内装仕上げとして使用するために、壁下地に接着剤に
より接着することがある。壁下地は支柱や間柱や中差し
などの木材製の部材により構成されており、ベニア板な
どの建材も木材製となっているので、接着剤を用いて建
材を壁下地材に接着する場合には、通常では接着剤が乾
燥固化するまでに時間がかかり、接着作業の作業性が悪
い。
【0003】そこで、近年、高周波誘導加熱を利用して
接着する方法が開発された。かかる高周波誘導加熱方法
では、接着すべき被着材間に、常温程度では固体状態の
熱可塑性の接着剤(以下、ホットメルトとも言う。)を
介在させておき、この接着剤を高周波誘導加熱により極
めて短時間(秒単位)で溶融させて接着させることがで
きる。溶融した接着剤は、高周波誘導加熱を止めれば、
直ちに温度が低下して固化する。
【0004】高周波誘導加熱とは、コイルに高周波数の
交流を流すことにより交流磁界を発生させ、交流磁界中
に置いた導電物中を通る磁束線により導電物中にうず電
流を発生させて、このうず電流に基づくジュール熱で導
電物を発熱させる加熱法である。コイルに流す交流の周
波数を高くする程磁界の変化が速くなり、それに基づく
うず電流が大きくなって、加熱時間を短くすることがで
きる。
【0005】そこで、接着しようとする部材(以下、簡
単に被着材と言う場合もある。)を導電性に構成してお
けば、この導電性の被着材に接する熱可塑性の接着剤
を、上記高周波誘導加熱で被着材を加熱することにより
間接的に短時間で溶融させて、接着させることができる
のである。しかし、かかる方法では、例えば、2個の被
着材を接着するに際しては、少なくとも被着材の一方は
導電性に構成しておく必要がある。
【0006】しかし、かかる方法を適用する建設などの
実際の現場では、被着材となる建材は、例えば、木材、
木質ボード、無機質ボード、ポリマー材料など、通常は
導電性物質と認められない材料が使用されている。そこ
で、かかる誘導加熱がし難い被着材を使用する場合で
も、短時間で接着できるなどのメリットを有する高周波
誘導加熱による接着方法を適用できるように、熱可塑性
の接着剤中に導電性の粉粒物を含有させる方法が提案さ
れた。
【0007】かかる方法では、接着剤中の導電性粉粒物
が誘導加熱により発熱するため、接着剤を溶融させるこ
とができるのである。そのため、被着材に、非導電性物
質を使用することができるのである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、かかる
誘導加熱し難い被着材の上記方法による接着性の向上を
目的として、接着剤の誘導加熱効率を高める検討を行っ
てきた。接着剤中に含有させる導電性の粉粒物、粉粒物
の含有量など種々の検討を行ってきたが、接着剤の誘導
加熱効率を十分には高めることができず、高周波誘導加
熱の接着方法における短時間での確実な接着を、被着材
に導電性のものを使用した場合と同程度に行えるまでに
は未だ至らない。
【0009】導電性の粉粒物を接着剤に混ぜた上記構成
では上記の如く短時間で十分に加熱できない点について
は、その詳細な機構は今後の研究を待つ必要があるが、
現時点では、本発明者らは以下のように推測している。
【0010】すなわち、導電性の粉流物を接着剤に混ぜ
る上記構成では、接着剤中に、粉粒物が個々に独立して
分散させられた状態である。このような状態では、電流
が殆ど流れないため、粉粒物が僅かに加熱されても、接
着剤を溶融させる程加熱されるには至らない。
【0011】一方、かかる点の解消手段としては、粉粒
物の混合量を増やすことも当然に考えられるが、しか
し、接着剤中の粉粒物の混合量の増加は、接着剤の接着
力の低下を来す。すなわち、高周波誘導加熱の効率を上
げるための粉粒物の混合量の増加と、粉粒物を混合した
接着剤の接着力の強さとは、互いに拮抗するため、かか
る相反する要素を共に満足させることは現時点では難し
い。
【0012】しかし、前述の如く、被着材に誘導加熱し
難い材料が多数使用されている現状を考えれば、非導電
性の被着材を使用した場合でも、導電性の被着材を使用
した場合と同様に、高周波誘導加熱による接着方法を適
用できる技術の開発が強く求められている。
【0013】また、被着材に導電性素材を使用した場合
でも、例えば、高軟化点の接着剤を使用すると、その分
被着材自体の温度を高周波誘導加熱により高温にする必
要がある。かかる場合には、高温により変形などが生じ
ない耐熱性の被着材の選択が必要となる。すなわち、接
着剤と被着材との組合せは自由には行えないのである。
【0014】しかし、接着剤には、種々のものが開発さ
れ、それぞれに接着性や、接着強度などの点で特徴があ
り、それぞれ固有の軟化点を有している。一方、建材な
どの被着材についても、種々のものが提供され、それぞ
れ固有の耐熱温度を有している。従来の高周波誘導加熱
による接着方法を使用するに当たっては、被着材と接着
剤との温度の相性をも確認する必要があり、かかる点を
考慮せずに自由に組み合わせることが難しい。
【0015】そこで、本発明者らは、高周波誘導加熱に
よる接着方法の使用に際して、接着剤の軟化点と被着材
の耐熱温度とを比較考慮しながらその組合せを考える面
倒をなくし、被着材と接着剤との組合せの自由度を大き
くできる技術の開発も必要と考えた。
【0016】また、一方、かかる高周波誘導加熱を用い
ずに通常の接着剤を用いて接着した場合には、接着剤で
接着された被着材を剥がす、所謂再剥離は難しい。通常
は、簡単には剥がれず、無理に剥がそうとすれば、接合
部や必要な部材を損傷する虞もある。ボルトなどで機械
的に固定された場合とは異なり、接着された部分の分解
は上記のように容易ではなく、かかる接着製品の再剥離
という問題は、リサイクルによる資源の有効利用という
観点からは極めて重要な問題である。併せて、リサイク
ルの現場では、製品を部品ごとに分解回収する分別とい
うことも重要な問題である。
【0017】かかる分別という観点からは、従来の高周
波誘導加熱による接着方法を検討すると、次のような問
題点を有することが分かった。すなわち、例えば、3種
の被着材を同一の接着剤により3層に接着した場合を想
定すると、3層構造の中央に挟まれた被着材に導電性被
着材を使用した場合には、高周波誘導加熱による再剥離
を実施するに際して、中央の導電性被着材の両側の接着
剤が共に溶融してしまう。
【0018】そのため、かかる導電性被着材の両側に設
けた一つの被着材を再剥離しようとしても、両方の被着
材の接着固定が緩くなってしまい、一方の被着材のみを
効率よく再剥離する、すなわち分別的な再剥離は難し
い。従来は接着することに重点をおいて開発されてきた
接着剤にも、接着製品のリサイクルという観点からは、
分別的な再剥離を行えるようにする技術的視点からの開
発も必要である。
【0019】本発明の目的は、誘導加熱し難い被着材に
も、高周波誘導加熱による接着方法が適用できるように
することにある。
【0020】本発明の他の目的は、高周波誘導加熱に接
着された接着製品の分別的な再剥離が行えるようにする
ことにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明の誘導加熱接着シ
ートは、高周波誘導加熱により発熱する発熱シートと、
前記発熱シートに塗布され、前記発熱シートの発熱によ
り溶融する軟化点が70℃〜200℃の接着剤とを有
し、前記接着剤を被着材に接触させた状態で前記発熱シ
ートにより溶融して、前記被着材への接着、あるいは前
記被着材からの剥離を行うことを特徴とする。前記発熱
シートには、例えば、軟化点の異なる複数の接着剤が塗
布されていることを特徴とする。
【0022】前記接着剤は、例えば、ポリアミド系ホッ
トメルト、ポリエステル系ホットメルトの少なくともい
ずれかであることを特徴とする。前記ポリアミド系ホッ
トメルトは、例えば、酢酸ビニルを20〜60重量%含
有したエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物と、ポリ
アミド樹脂とを有することを特徴とする。
【0023】上記いずれかの構成の誘導加熱接着シート
において、前記発熱シートを、6〜200μmの厚さの
アルミ箔としてもよい。
【0024】上記構成の本発明では、発熱シートには、
交流磁界中に置かれた場合に発生するうず電流に基づき
発熱する素材で形成されていればよい。例えば、アルミ
ニウムや銅などの金属の使用が好ましい。かかる金属を
箔状に形成して、この金属箔の両面、あるいは片面に接
着剤を塗布すればよい。
【0025】金属箔のうちでも、より好ましくはアルミ
箔を使用すればよい。アルミ箔の厚さが6μm未満で
は、薄過ぎて引っ張ったりした場合の切れやすさなどの
点で十分な強度が得られない場合がある。厚さが200
μmを越えると、現場の接着作業の効率という観点から
求められる最大許容通電時間の8秒程度では十分に発熱
できず、加熱時間が8秒よりも長くなり、短時間接着を
求める現場では使用し難い。かかる点を考慮すれば、実
用的範囲として、6μm以上、200μm以下であれば
好ましい。
【0026】さらに、より好ましくは、誘導加熱接着シ
ートのある程度の剛性と、短時間発熱との観点からは、
10μm以上、200μm以下の厚さを有していればよ
い。10μm未満では十分な剛性が得られず、例えば大
面積の誘導加熱接着シートに構成した場合には、接着作
業時に弛みなどが発生する場合もある。また、同一厚さ
の被着材を使用して比較すると、200μm以下であれ
ば、通電時間を4秒に設定した場合でも優れた接着力を
確保することができる。しかし、短時間接着を必要とし
ない現場では、200μmを越す厚さのアルミ箔を使用
してもよい。かかる構成の誘導加熱接着シートは、例え
ば、2個の被着材間に介在させて、少なくともどちらか
一方の被着材側に、高周波誘導加熱装置を当てて、発熱
シートを所定温度に発熱させることにより、接着剤を溶
融させて接着させるなどの方法で使用することができ
る。
【0027】また、高周波誘導加熱による接着法で既に
接着した接着製品では、被着材側から高周波誘導加熱装
置を当てて、再度発熱シートを発熱させることにより接
着剤を溶融して、被着材の再剥離を行うこともできる。
【0028】接着剤の軟化点は、高周波誘導加熱の接着
方法の平均的な使用状況を想定して、実用的範囲として
70℃〜200℃の範囲に設定すればよい。接着剤とし
ては、軟化点が低い方が加熱時間が短くて済むため短時
間接着には適しているが、軟化点が70℃未満と低過ぎ
ると、次のような問題点が発生する。
【0029】例えば、使用環境によっては、真夏の直射
日光が照りつける箇所などでは、60℃近くに達する場
合もあり、70℃未満の軟化点の接着剤では、かかる高
温環境では軟化してしまう。また、被着材にスチールな
どの金属素材を使用した場合には、夏場に限らず、60
℃近くの高温環境になりやす場合も十分想定される。
【0030】接着剤が軟化することにより、接着部にゆ
るみが発生する。そのため、それまで所定位置に接着さ
れていた被着材の位置がずれたり、浮いたり、剥離しか
かったり、口開きが発生したりすることとなる。なお、
口開きとは、接合部端面において観察される接着剤から
の被着材の剥がれの状況を意味する。
【0031】かかる接着部のゆるみに関しては、被着材
の重量が大きければその分、接着剤の軟化により生じた
ゆるみに基づく位置ずれは大きくなりやすく、最悪の場
合は剥離して、被着材が落下する事態も想定される。
【0032】また、軟化点が200℃と高過ぎると、接
着するための高周波通電時間を長くしなければ十分な接
着強さが得られない。しかし、十分な接着強さを得よう
として十分に加熱すると、前に述べたように、被着材が
熱に弱いプラスチックの場合は被着材が変形してしま
い、木材の場合は焦げてしまい、それぞれに実用上問題
がある。
【0033】従って、軟化点が70℃〜200℃の範囲
であれば、上記観点から、低温から高温まで十分な接着
強さが得られ、また短時間接着でき、被着材を痛めるこ
となく接着できる。
【0034】なお、本明細書で使用する軟化点とは、日
本接着剤工業規格のホットメルト接着剤試験法(JAI
−7)−1999に規定される軟化点を言う。かかる試
験方法は、ホットメルト接着剤の熱特性を調べる方法で
あり、環球法軟化点測定法を規定したものである。
【0035】また、上記軟化点範囲を有する接着剤とし
ては、好ましくは、ポリアミド系ホットメルト、ポリエ
ステル系ホットメルトである。これは、一般的なEVA
系ホットメルトなどの通常の接着剤では、短時間で接着
したかに見えても、被着材の余熱で口開きが発生した
り、あるいは、十分な接着力を確保するためには被着材
の材質が限られて種々の材質の被着材に広く適用できな
いなど、実用性が甚だ乏しいためである。
【0036】本発明者らは、ポリアミド系ホットメル
ト、およびポリエステル系ホットメルトから選択した1
種以上を、例えば、アルミまたは銅のような金属箔にコ
ーティングして誘導加熱接着シートに構成した場合に
は、短時間で接着し、ゆるみ、浮き、剥離、口開きなど
の現象が解消、もしくは抑制されることを見出した。
【0037】そこで、ポリアミド系ホットメルト、およ
び、ポリエステル系ホットメルトの組成、配合量、改質
成分について鋭意研究を重ね、非常に短時間で接着し、
被着材の材質が種々の材質の場合でも広く適用できるよ
うにし、口開き現象の解消が図れる耐湿性に優れたポリ
アミド系ホットメルト、およびポリエステル系ホットメ
ルトを使用した誘導加熱接着シートの発明に至った。
【0038】かかるポリアミド系ホットメルトとして
は、例えば、酢酸ビニルを20〜60重量%含有したエ
チレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物と、ポリアミド樹
脂とを有する場合に、高周波誘導加熱を利用した接着で
有効な接着特性を示すことが分かった。
【0039】また、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体
ケン化物としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体にお
いて、無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸など
のα、β−不飽和カルボン酸を共重合させたものでよ
い。共重合比は、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化
物100重量部に対して、上記α、β−不飽和カルボン
酸が0.5〜5重量部になるのが好ましい。
【0040】ケン化率は、例えば、30〜100モル%
であればよい。30モル%未満では、各種材質への接着
性が劣り、すなわち接着対象とする被着材の材質の選択
の自由度が小さい。
【0041】ここで、酢酸ビニルを20〜60重量%と
したのは、20重量%未満では極性が小さくて接着性に
乏しく、60重量%を越えると結晶化が高くなり、軟化
点が上昇し、樹脂自体が脆くなり、かかる問題点を有し
ない実用的範囲として20〜60重量%の範囲を設定し
た。
【0042】より好ましくは、幅広い接着性を維持し、
十分な可撓性を得るとの観点からは、25重量%〜50
重量%の範囲である。
【0043】また、本発明の上記構成では、異なる軟化
点を有する接着剤を使用することにより、発熱シートの
発熱温度を調節することにより、それぞれの接着剤に接
触した被着材を分別的に再剥離させることができる。か
かる再剥離に際しても、軟化点が200℃を越えると、
高周波通電時間が非常に長くかかり、作業性の観点から
は容易な再剥離とは言えない。すなわち、再剥離の作業
性の観点からも、誘導加熱接着シートに使用する接着剤
の軟化点は200℃以下が好ましい。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の誘導加
熱接着シートを示す斜視図である。図2(A)は、接着
剤を片面に塗布した構成を示す誘導加熱接着シートの断
面図であり、(B)は、全面に接着剤を塗布した構成を
示す誘導加熱接着シートの断面図であり、(C)は、両
面に軟化点の異なる接着剤を塗布した構成を示す断面図
であり、(D)は片面に軟化点の異なる接着剤を塗布し
た構成を示す断面図である。
【0045】誘導加熱接着シート1は、シート状に形成
された発熱シート2の両面に接着剤3を塗布して、塗布
した接着剤を固化させた接着シートに形成されている。
図1に示す場合には、発熱シート2は、交流磁界中に置
かれた場合に、磁界変化に伴ううず電流が発生させら
れ、このうず電流に基づき発生するジュール熱により少
なくとも接着剤3の軟化点まで発熱する素材で形成され
ている。
【0046】かかる発熱シート2としては、例えば、金
属箔などが使用できる。かかる金属箔としては、例え
ば、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、錫、マグネシウム、
およびそれらの合金などから選ばれる導電性金属をシー
ト状にしたものであればよい。特に、短時間で接着でき
るとの理由から、アルミニウム、鉄、銅およびそれらの
合金が好ましい。アルミ箔を使用する場合には、実用的
には6〜200μmの厚さのアルミ箔を使用すればよ
い。
【0047】接着剤3には、エチレン共重合体エラスト
マー、スチレン系エラストマー、ポリアミド、ポリエス
テル、ゴムなどを主成分とし、軟化点が70℃〜200
℃の範囲内にある市販のホットメルト接着剤、あるいは
熱可塑性接着剤組成物を使用すればよい。さらに、ポリ
アミド系ホットメルト、ポリエステル系ホットメルトの
使用がより好ましい。
【0048】上記エチレン共重合体エラストマー、スチ
レン系エラストマー、ポリアミド、ポリエステル、ゴム
などのホットメルト接着剤、あるいは熱可塑性接着剤組
成物、ポリアミド系ホットメルト、ポリエステル系ホッ
トメルトには、必要に応じて、例えば、粘稠化剤、着色
剤、充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、
安定剤などの添加剤を添加することができる。
【0049】さらに、例えば、ロジン、ダンマルなどの
天然ロジン、変性ロジン、およびその誘導体、テルペン
系樹脂およびその変性体、脂肪族系炭化水素樹脂、芳香
族系炭化水素樹脂、脂環式系炭化水素樹脂、アルキルフ
ェノール樹脂およびその変性体、スチレン樹脂、キシレ
ン樹脂、クマロンインデン樹脂などのいわゆる粘着付与
樹脂(タッキファイヤー)などを添加することもでき
る。それらは、1種または2種以上用いてもよい。
【0050】さらに、例えば、ポリブデン、プロセスオ
イル、ロジン系や合成系などの液状粘着付与樹脂、塩素
化パラフィン、DOP、DBP、などの可塑剤や軟化
剤、またワックス類として、n−パラフィン、iso−
パラフィンを主成分としたパラフィンワックス、および
マイクロクリスタルワックス、カルナバワックス、石炭
から抽出されるモンタンワックス、合成系のポリエチレ
ン系ワックス、ポリプロピレン系ワックスなどを用いて
もよい。それらは、1種または2種以上用いてもよい。
【0051】エチレン共重合体エラストマーとしては、
エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル
酸共重合体、エチレン−アクリル酸アルキル共重合体、
エチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、エチレン−
酢酸ビニル共重合体などが使用できる。エチレン−アク
リル酸アルキル共重合体のアクリル酸アルキルや、エチ
レン−メタクリル酸アルキル共重合体のメタクリル酸ア
ルキルとしては、炭素数1〜6個のアルキル基でよい
が、より好ましくメチルおよびエチルである。
【0052】スチレン系エラストマーとしては、スチレ
ンを主体となる重合体ブロックとブタジエンやイソプレ
ンなどの共役ジエンを主体とする重合体ブロックとのブ
ロック共重合体またはランダム共重合体、およびこのブ
ロック共重合体またはランダム共重合体の水素添加物が
使用できる。
【0053】より具体的には、スチレン−ブタジエンブ
ロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合
体、スチレン−ブダジエン−スチレンブロック共重合体
(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック
共重合体(SIS)、SBSの水素添加物であるスチレ
ン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体
(SEBS)、SISの水素添加物であるスチレン−エ
チレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SE
PS)、スチレン−ブタジエンブロック共重合体の水素
添加物であるスチレン−エチレン−ブチレンブロック共
重合体(SEB)、スチレン−イソプレンブロック共重
合体の水素添加物であるスチレン−エチレン−プロピレ
ンブロック共重合体(SEP)などを使用することがで
きる。
【0054】ゴムとしては、SBR、NR、IR、II
Rなどの他、エチレンとプロピレン、1−ブテン、1−
ヘキセンなどのα−オレフィンとの共重合体ゴム(EP
R)、あるいはそれらと1、3−ブタジエン、1,4−
ヘキサジエン、エチリデンノルボルネン、ジシクロペン
タジエンなどのジエン化合物との共重合体ゴム(EPD
M)などやエチルアクリルレートとアクリロニトリルと
の共重合体、エチレンアクリレートとアクリロニトリル
との共重合体であるアクリルゴムなども使用することが
できる。
【0055】ポリアミド系ホットメルトとしては、例え
ば、ポリアミド樹脂と、酢酸ビニルを20〜60重量%
含有したエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物とを有
する組成の接着剤を使用すればよい。
【0056】ポリアミド樹脂は、ポリカルボン酸とポリ
アミンとの重縮合物であり、かかるポリカルボン酸とし
ては、不飽和脂肪酸の二量体であるダイマー酸、アジピ
ン酸、アゼライン酸、セバシン酸などを使用することが
できる。
【0057】ポリアミンとしては、エチレンジアミン、
ジエチレントリアミン、ヘキサメチレンジアミン、4、
4’−ジアミノジフェニルメタン、トリメチルヘキサメ
チレンジアミン、キシリンジアミン、イソホロンジアミ
ン、ω、ω’−ジアミノメチルシクロヘキサン、4、
4’−ジアミノシクロヘキシルメタンなどを使用するこ
とができる。
【0058】より好ましくは、ダイマー酸とポリアミン
との重縮合物である。短時間で接着でき、被着材の材質
を幅広く選択できるため望ましい。かかるダイマー酸と
しては、例えば、大豆油、桐油、トール油などを形成す
る不飽和脂肪酸グリセリドの不飽和脂肪酸であるリノレ
ン酸、リノール酸、オレイン酸などの二量体が、短時間
接着できるので゛望ましい。
【0059】かかるポリアミド樹脂は、例えば、具体的
には、富士化成工業社製の商品名:トーマイド390、
394、500、509、535、558、560、5
751310、1350、1360、1396、140
0、TXC232Cがある。あるいは、三和化学工業社
製の商品名:サンマイド15−K5、HT−140PK
−20、ハリマ化成社製:商品名ニューマイド945、
2152、3008、ヘンケルジャパン社製の商品名:
マクロメルト6238、6239、6240、630
1、6801、JP−116などがある。
【0060】また、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン
化物としては、田岡化学工業社製の商品名:テクノリン
R−100、R−200、R−300、R−400、D
R−55、DR−150などがある。
【0061】上記ポリアミド系ホットメルト以外にも、
例えばポリエステル系ホットメルトを使用することがで
きる。これは、ポリエステル系ホットメルトの接着性が
接着強さ、接着対象の選択の自由度などの観点から、ポ
リアミド系ホットメルトに準ずる性質を有しているため
である。
【0062】図1に示す場合には、誘導加熱接着シート
1は、発熱シート2の両面に接着剤3を塗布した構成を
示したが、例えば、図2(A)に示すように、シート状
に形成した発熱シート2の片面に、接着剤3を塗布して
もよい。あるいは、図2(B)に示すように、発熱シー
ト2の周囲を全て接着剤3で塗布した構成にしてもよ
い。
【0063】さらには、図示しないが、発熱シート2に
孔をあけるなどしてもよい、かかる構成を採用すれば、
発熱シート2の両面に塗布した接着剤3がその孔を通し
て繋がるので、接着製品の再剥離などでの発熱シート2
からの接着剤3の剥がれを防止することができる。
【0064】また、図1に示す構成では、アルミ箔など
の金属箔の両面に同一の接着剤を塗布しているが、例え
ば、図2(C)に示すように、それぞれ異なる軟化点を
有する接着剤4、5を塗布するようにしてもよい。さら
には、図2(D)に示すように、同一面に軟化点の異な
る接着剤を区分けして塗布するようにしてもよい。
【0065】発熱シート2への接着剤3の塗布方法とし
ては、全面に接着剤を塗布してもよいし、十分な接着力
が確保される範囲で部分的に、あるいは散点状に塗布す
るようにしてもよい。
【0066】さらに、軟化点の異なる接着剤を塗布する
に際しては、例えば再剥離する予定の被着材が複数ある
場合には、再剥離する手順の若い方から順に軟化点が大
きくなるように塗布してもよい。かかる構成を採用する
と、被着材の再剥離順に高周波誘導加熱の加熱温度を設
定して剥離作業を行うことができ、接着製品の分別剥離
がより効率的に行える。かかる分別剥離を予想した接着
剤の塗布方法も、リサイクルの効率化という点などで重
要である。
【0067】かかる構成の接着シートに構成された誘導
加熱接着シートの形状は、図1に示すような四角形状以
外に、雲形などの不定形、円形、多角形などの種々の形
状にしてもよい。例えば、図3(A)に示すような形状
に形成しておき、使用に際して、図中の破線部分で矢印
方向に折り曲げて、図3(B)に示す形状にして、3方
向から面が突き合わされたような様な隅の接着作業が容
易に行えるようにしておいてもよい。
【0068】さらには、上記説明では、誘導加熱接着シ
ート1を所定形状にカットした場合について説明した
が、例えば、帯状に長尺に形成してロール状に巻いて供
給し、必要に応じて適宜長さに切断して使用できるよう
にしてもよい。
【0069】上記構成の本発明の誘導加熱接着シートの
使用方法について、以下説明する。図4は、本発明の誘
導加熱接着シートを使用して、建材を壁下地に接着する
状況を示す断面図である。図5(A)は、誘導加熱接着
シートの発熱シートを誘導加熱するための高周波誘導加
熱装置の側面図であり、(B)は正面図である。
【0070】図4には家屋の一部が示されており、土台
11の上には床板12が設けられ、土台11に垂直に取
り付けられた支柱13、水平方向の中差し14および図
示しない間柱によって壁下地15が構成されている。こ
の壁下地15には内装仕上げ材としてベニア板や石膏ボ
ードからなる建材16が接着される。
【0071】壁下地15および建材16は共に被着材で
あり、この両被着材の間に、図1に示すシート状に構成
した誘導加熱接着シート1を介在させる。このように介
在させた状態で(図中、この様子を○で囲んで拡大して
示した。)、被着材の建材16の側から、高周波誘導加
熱装置17を当てて誘導加熱を行う。
【0072】高周波誘導加熱装置17は、図5に示すよ
うに、装置本体18の正面に加熱コイル19が渦巻状に
設けられている。この装置本体18には、商用電源を変
圧して電圧を低下させる変圧器と、この変圧器からの交
流を直流に整流する整流器とを有する電源ユニット21
が、ケーブル22を介して接続されている。加熱コイル
19は、装置本体18に対してフェライト23を介して
取り付けられ、加熱コイル19により発生する磁界が装
置本体18内に入り込まないようになっている。装置本
体18内には、電源ユニット21からの直流から所定の
周波数、例えば、20〜50kHz程度の高周波電流を
発生させる高周波発生器が設けられている。
【0073】かかる構成の高周波誘導加熱装置17の加
熱コイル19を、被着材の建材16に対向させて当て、
加熱コイル19に高周波電流を供給して加熱コイル19
に交流磁界を発生させる。交流磁界による磁力線が導電
性の発熱シート2を通過する。電磁誘導によって発熱シ
ート2にうず電流を発生させ、これに基づくジュール熱
で発熱シート2が発熱し、発熱シート2の両面に設けた
接着剤3が加熱溶融され、被着材としての建材16が、
誘導加熱接着シート1を介在させて壁下地材15、ある
いは中差し14に接着される。
【0074】このように、被着材としての中差し14、
壁下地15、建材16が、誘導加熱しにくい素材であっ
ても、本発明の誘導加熱接着シート1を使用することに
より、十分に高周波誘導加熱による接着方法を適用する
ことができる。
【0075】上記のようにして使用される本発明の誘導
加熱接着シート1について、以下、具体的な実験を行っ
てその有効性を検証した。
【0076】
【実施例】(実験1)本実施例の実験では、上記実施の
形態で説明した誘導加熱接着シート1を、80×80
(mm)角で、20μm厚のアルミ箔に形成した発熱シ
ート2の両面に、軟化点が60℃、73℃、80℃、1
30℃、180℃、200℃、215℃の7種の市販の
ホットメルト系接着剤を100μmの厚さに塗布して構
成した。
【0077】使用したホットメルト系接着剤は、MZ2
4W(コニシ社製、軟化点60℃)、アイメルトC−1
0(大響社製、軟化点73℃)、マクロメルト6813
(ヘンケルジャパン社製、軟化点80℃)、MK25
(コニシ社製、軟化点130℃)、マクロメルトJP1
75(ヘンケルジャパン社製、軟化点180℃)、トー
マイド1396(富士化成社製、軟化点200℃)、マ
クロメルト6810(ヘンケルジャパン社製、軟化点2
15℃)である。
【0078】かかる接着剤の塗布は、加熱装置付きのコ
ータラミネータに入れて、軟化点以上の温度を保ちなが
ら、アルミ箔の両面にそれぞれ100μmの厚さに均一
に塗布した。接着剤の塗布はこのように全面に均一にな
されるが、高周波誘導加熱による接着部は、高周波誘導
加熱装置のうず巻状の加熱コイルの加熱面積に合わせ
て、図6(A)に示すようになドーナツ形状になる。
【0079】このようにして作成された誘導加熱接着シ
ート1を使用して試験体を作成した。日本農林規格で普
通合板1類に属する80×80(mm)角、厚み12m
mの合板を被着材aとして、その一方の片面に、本発明
の誘導加熱接着シート1(80×80mm)を配置さ
せ、図6(B)に示すように、上記1類に属する80×
100(mm)角の合板を被着材bに合わせる。
【0080】この状態で、高周波誘導加熱装置17の加
熱コイル19を、被着材b側から対面させて、前記要領
で高周波誘導加熱を行い、誘導加熱接着シート1の接着
剤を溶融させて被着材a、bを接着する。なお、高周波
誘導加熱に際しては、波形が半波の正弦波で、ピーク電
圧330V、ピーク電流80A、繰返し周波数29kH
zで規定される電気量を加熱コイルに印加した。
【0081】併せて、被着材aの他方の面に、酢酸ビニ
ル系水性接着剤6を全面塗布して、被着材a、cを、被
着材a、bの接着力より強く接着した。このようにし
て、被着材a、b、cを3層構造に接着して試験体を作
成した。
【0082】実験では、かかる高周波誘導加熱による接
着時間の影響も併せて調べるため、、高周波誘導加熱装
置の加熱コイルの交流の通電時間を、4秒、8秒の2通
りに設定した。これは、現場における接着作業の効率と
いう観点からは、8秒を越える通電時間では、現場作業
では使用し難いとの事情を考慮して設定したものであ
る。
【0083】上記2通りの通電時間で高周波誘導加熱を
行い、試験体を作成した。作成した試験体は、以下の表
1に示すように、割裂接着強さの測定温度0℃、23
℃、40℃、60℃の各温度環境に24時間放置して、
その後試験に供した。
【0084】なお、かかる試験に使用した高周波誘導加
熱装置は、入力電圧100V、入力電流5.5A、電力
550W、周波数50/60Hz、出力効率60〜95
%、出力高周波数25〜50kHzで、外径80mm、
内径15mmのドーナツ状の加熱コイルを有する仕様で
ある。
【0085】割裂接着強さの測定には、恒温槽付き引張
試験機を使用した。恒温槽を予め上記測定温度にしてお
き、恒温槽内に上記24時間放置後の試験体を入れて、
その状態で引張試験を行った。引張試験は、図6(C)
に示すように、試験体の被着材b、cのそれぞれの引張
端側に、図中の矢印方向に、100mm/分の引張速度
で引っ張って破壊荷重を測定し、割裂接着強さとした。
【0086】併せて、割裂接着強さの測定とともに接着
破壊状態を調べ、この接着破壊状態を被着材の材料破壊
率(%)として示した。材料破壊率(%)は、接着面積
に対して、割裂接着強さ測定時に見られる被着材の接着
部分の破壊面積の割合を%表示したものである。すなわ
ち、材料破壊率(%)が大きい程、強く接着されている
と言える。
【0087】また、前記と同様にして高周波誘導加熱に
より接着して作成した試験体を、接着後5秒後、手で割
裂接着強さ測定と同じような方向に強制剥離させ、その
はがれの状態を口開きの視点から観察した。かかる観察
結果を、表1では、○:全く口開きしない、△:僅かに
口開きするが実用範囲である、×:口開きして実用に適
さない、との3種の評価基準で示した。
【0088】
【表1】
【0089】上記表1からは、軟化点60℃の接着剤を
使用した比較例1では、測定温度60℃では容易に剥離
して測定不能であった。口開きについても、接着後5秒
で強制剥離すると剥がれてしまい、作業効率の観点など
から短時間接着を目的とする高周波誘導加熱において
は、実用的でないと判断した。
【0090】実施例1(軟化点73℃の接着剤を使用)
の場合には、通電時間にかかわらず、0〜40℃の範囲
では被着材の材料破壊率が60%以上の割裂接着強さを
有し、60℃では30%以上の材料破壊率を有している
ことが分かる。口開きについても、8秒の通電時間では
僅かに口開きが観察されたが、それは実用範囲内であっ
た。
【0091】実施例2(軟化点80℃の接着剤を使
用)、実施例3(軟化点130℃の接着剤を使用)、実
施例4(軟化点180℃の接着剤を使用)では、通電時
間にかかわらず、被着材の材料破壊率は90%以上であ
り、十分な接着強さを有していることが分かる。口開き
の発生も認められなかった。
【0092】実施例5(軟化点200℃の接着剤を使
用)では、割裂接着強さは、通電時間4秒の場合は、通
電時間8秒の場合よりも小さく、被着材の材料破壊率は
30〜60%の範囲内であった。通電時間8秒の場合
は、十分な割裂接着強さを有し、材料破壊率も90%以
上であり、その接着力の有効性は明らかである。口開き
に関しては、実用範囲内ではあるが、通電時間4秒の場
合に僅かに見られた。
【0093】一方、軟化点215℃の接着剤を使用した
比較例2の場合には、通電時間4秒の時の割裂接着強さ
は、測定時に容易に剥離してしまい測定が行えなかっ
た。表中、NGと表示した。通電時間を8秒に設定した
場合でも、十分な割裂接着強さは得られず、被着材の材
料破壊率は、30%以下であり接着強さが不十分である
ことが確認された。実用範囲内ではあるが僅かな口開き
も観察された。
【0094】以上の結果から、接着剤の軟化点が約70
℃以上、より詳細には73℃以上、200℃未満であれ
ば、使用環境温度が0℃以上、60℃以下の範囲では、
その割裂接着強さは約190N以上あり、接着部の被着
材が容易に剥がれるレベルではなく少なくとも実用範囲
内に入っている。
【0095】さらに、軟化点が約70℃以上、より詳細
には73℃以上、180℃以下の範囲であれば、使用環
境温度が0℃以上、60℃以下の範囲では、その割裂接
着強さは約260N以上であり、接着部の被着材が容易
に剥がれるレベルではない。材料破壊率も30%以上で
その接着力の強さが確認される。
【0096】軟化点が80℃以上、180℃以下であれ
ば、使用環境温度が0℃以上、60℃以下の範囲では、
その割裂接着強さは300N以上であり、十分に接着さ
れていることが分かる。使用環境温度が0℃以上、60
℃以下の範囲では、被着材の材料破壊率が90%以上と
なり、口開きも一切確認されず、極めて良好な接着強さ
が得られることが分かる。
【0097】(実験2)本実験では、上記実験1で検証
された実用範囲内での軟化点70℃〜200℃の範囲内
において、ポリアミド系ホットメルトの有効性について
検証した。
【0098】先ずポリアミド系ホットメルトについて
は、酢酸ビニルを20〜60重量%含有したエチレン−
酢酸ビニル共重合体ケン化物と、ポリアミド樹脂とを有
する系について、以下の表2に示すように、その組成比
を変えて、種々の被着材への接着力を調べた。
【0099】上記ポリアミド樹脂、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体ケン化物には、以下の市販品を使用した。ポ
リアミド樹脂:マクロメルト6301(商品名、ヘンケ
ルジャパン社製)、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン
化物:テクノリンクR−100(商品名、田岡化学工業
社製、酢酸ビニル含量41%、ケン化率90モル%、M
I25g/10分)を使用した。さらに、その他の配合
剤として、無水カルボン酸:商品名リカジットTMEG
(化学名;エチレングリコールビス(アンヒドロトリメ
チテート、新日本理化社製)を使用した。
【0100】なお、無水カルボン酸としては、脂肪族ポ
リカルボン酸若しくは芳香族ポリカルボン酸の無水物、
またはその誘導体を使用することができる。炭素数が2
〜20個の飽和若しくは不飽和の脂肪族カルボン酸無水
物、炭素数が8〜20個の芳香族カルボン酸無水物およ
びそれらの誘導体が好適である。脂肪族ポリカルボン酸
無水物としては、例えば、無水マロン酸、無水コハク
酸、無水アジピン酸、無水セパシン酸、無水マレイン酸
などがある。芳香族ポリカルボン酸無水物としては、例
えば、無水フタル酸、無水トリメリト酸、無水ピロメリ
ト酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸無水物などがある。
【0101】また、上記脂肪族ポリカルボン酸無水物の
誘導体、芳香族ポリカルボン酸無水物の誘導体として
は、例えば、不飽和脂肪族ポリカルボン酸無水物と不飽
和モノマーとの共重合体、芳香族ポリカルボン酸無水物
とポリオールとのエステルなどがある。不飽和脂肪族ポ
リカルボン酸無水物と不飽和モノマーとの共重合体とし
ては、例えば、無水マレイン酸−スチレン共重合体、無
水マレイン酸−メチルビニルエーテル共重合体などがあ
る。
【0102】芳香族ポリカルボン酸無水物とポリオール
とのエステルとしては、例えば、無水ピロメリト酸とエ
チレングリコール若しくはグリセリンとのジエステル、
トリエステル、具体的にはエチレングリコールビス(ア
ンヒドロトリメリテート)などがある。より好ましく
は、芳香族ポリカルボン酸無水物の誘導体、特に、芳香
族ポリカルボン酸無水物のポリエステルが好ましい。
【0103】
【表2】
【0104】上記表2の実施例6〜8に記載のポリアミ
ド系ホットメルトは、表2記載の成分比でそれぞれの成
分をホットメルト製造装置に投入して混合することによ
り調製した。かかる3種のポリアミド系ホットメルトを
接着剤として実験1と同様にして、誘導加熱接着シート
を作成した。かかる誘導加熱接着シートを、2枚の被着
材間に介在させた状態で、実験1と同様にして、高周波
誘導加熱装置による誘導加熱で接着して試験体を作成し
た。
【0105】なお、2枚の被着材の組合せは、表2に示
すように、木/木、木/石膏ボード、木/アクリル、木
/スチールの4種を用いた。
【0106】表2からは、実施例6と実施例7を比較す
ると、木/木、木/石膏ボードの組合せでは両実施例と
も優れた接着強さを有していることが分かる。しかし、
木/アクリル、木/スチールの組合せでは、無水カルボ
ン酸を含有しない実施例6の方が、実施例7より接着強
さが劣っている。無水カルボン酸を配合した方が、配合
しない場合に比べて、アクリル、スチールへの接着強さ
が大きくなっている。このことから、無水カルボン酸を
配合することにより、適用できる被着材の材質選択の拡
大、すなわち被着材に対する接着性の拡大を図ることが
できる。
【0107】一方、ポリアミド樹脂のみで、エチレン−
酢酸ビニル共重合体ケン化物が全く含まれていない実施
例8では、木/木、木/石膏ボードでは優れた接着強さ
を示し、木/スチールでは、実用上の下限程度の接着強
さを示すことが分かる。しかし、木/アクリルでは、実
用上求められる接着強さが得られないことが分かる。
【0108】また、実施例6〜8までの木/木、木/石
膏ボード、木/アクリル、木/スチールのそれぞれにお
ける接着状態は、実施例6、7では、全面に均一に接着
しているのに対して、ポリアミド樹脂単独の場合には発
泡して不均一な接着状態になっていることが分かった。
すなわち、ポリアミド単独の場合は、ポリアミドの吸湿
性のため、高周波誘導加熱接着においてはホットメルト
が高温に加熱されることにより発泡するのである。
【0109】以上の結果から、エチレン−酢酸ビニル共
重合体ケン化物は、アクリルへの接着性を確保し、且
つ、均一な接着状態の確保や安定した接着強さのために
必要であると言える。さらに、無水カルボン酸の存在
は、前記説明の如く、被着材への接着性を向上させるた
めに必要であると言える。
【0110】また、比較例3では、アルミ箔を用いず
に、離型処理したPETシートに上記実施例7と同じ組
成のポリアミド系ホットメルトを200μm塗布し、放
冷後、離型処理したPETシートを剥離して、アルミ箔
を発熱シートとして介在させない、すなわちポリアミド
系ホットメルトのシートを形成して、このシートの接着
性を確認した。
【0111】木/木、木/石膏ボード、木/アクリルで
は全く接着せず、木/スチールでは、若干スチール内に
誘導加熱が生じるために実用範囲の下限程度の接着性を
示すことが分かる。しかし、本発明の誘導加熱接着シー
トのように、発熱シートを有する場合と比べて、その接
着性が劣ることは表2から明らかである。
【0112】次に、ポリアミド樹脂とエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体ケン化物の適切な含有量について検証し
た。表には示さないが、本発明者らの実験によれば、ポ
リアミド樹脂が80重量%以上では、ポリアミド系ホッ
トメルト接着剤が吸湿して、誘導加熱時に発泡して、そ
の接着性が十分得られない場合が見られた。また、20
重量%以下では、金属、プラスチックなどの各種被着材
に対する幅広い接着性が確保できないことが分かった。
そこで、ポリアミド樹脂の含有量は、20重量%以上、
80重量%以下が好ましい。
【0113】次に、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン
化物中における酢酸ビニルの適切な含有量について調べ
た。エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物中における
酢酸ビニル含有量を種々変化させて、酢酸ビニル含有量
の本発明の誘導加熱接着シートの接着性などに及ぼす効
果について検証した。
【0114】その結果、酢酸ビニル含有量が20重量%
未満では被着材の材質により接着性が乏しい場合も見ら
れ、少なくとも20重量%以上であれば一般的に使用さ
れる材質の被着材への有効な接着性を有していることが
分かった。しかし、60重量%を越えると結晶化が高く
なり、軟化点が上昇して、樹脂自体が脆くなる。
【0115】実用上は、20重量%以上、60重量%以
下であれば、接着性、樹脂の脆さなどの観点からも十分
に使用できる範囲である。さらに、巾広い接着性、可撓
性の観点からは、25重量%以上、50重量%以下がよ
り好ましかった。
【0116】以上の結果から、本発明の誘導加熱接着シ
ートにおいては、接着剤には、ポリアミド系ホットメル
トが有効であり、さらにはポリアミド系ホットメルトに
は、ポリアミド樹脂と、エチレン−酢酸ビニル共重合体
ケン化物とを、より好ましくは酢酸ビニルを20〜60
重量%含有させたエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化
物とを有することが有効であることが確かめられた。
【0117】(実験3)本実験では、本発明の誘導加熱
接着シート1における発熱シート2の厚さについて検証
した。実験に際しては、発熱シート2には以下の表3に
示す種々の厚さのアルミ箔を使用し、このアルミ箔の両
面に前記表1に示す実施例2の接着剤を100μmの層
厚で塗布して誘導加熱接着シート1を構成した。
【0118】かかる誘導加熱接着シート1を使用して、
前記実験1で説明した同様の試験体を形成し、この試験
体の割裂接着強さを測定した。なお、試験体の作成に際
しては、実験1と同様に、厚さ12mmの被着材を使用
し、高周波誘導加熱の電気量を同じ条件で加え、接着作
業の現場の使用状況を考慮して通電時間を4秒と設定し
た。
【0119】
【表3】
【0120】表3からは、上記実験条件では、1000
μm(1mm)、2000μm(2mm)の厚さでも、
若干接着強さが低下するが、実用上の範囲内で接着でき
ることが分かる。200μm以下の厚さであれば、十分
な接着強さが得られることが分かる。また、6μm未満
の場合には、実用上の下限程度の接着強さは得られる
が、強度的にアルミ箔自体が薄いため切れる場合がある
ことが確認された。強度面も考慮すれば、6μm以上、
200μm以下の範囲内が好ましいことが分かる。より
強度的な強さを加味すれば、10μm以上、200μm
以下であれば好ましい。
【0121】しかし、発熱シート2の厚さの接着力に及
ぼす影響は、高周波誘導加熱装置による加熱時間(通電
時間)、高周波誘導加熱装置の電気量により変わるた
め、例えば、1000μmのアルミ箔でも、通電時間を
長く設定するとか、あるいは高周波誘導加熱装置の電気
量を大きくすれば通電時間4秒でも十分な接着力を確保
することは可能である。
【0122】その意味で、発熱シート2として使用する
金属箔の厚さは、実用上特に制限はなく、将来的に、使
用する高周波誘導加熱装置の加熱容量さえ大きくできれ
ば、接着作業効率の観点から2mm以上のものでも使用
可能である。
【0123】そこで、本発明者は、上記表3と同様の種
々の厚さのアルミ箔を用いて誘導加熱接着シートを形成
し、この誘導加熱接着シートを用いて接着する被着材の
厚さを3mm、12mm、20mmのそれぞれに変え
て、良好な接着力得られる通電時間を調べた。この結果
を、表4に示す。
【0124】なお、実験に際しては、3mmの被着材と
しては3mmのベニヤを、12mmの被着材には実験1
で使用したと同様の合板を、20mmの厚さは、12m
mの合板上に8mmのスペーサとしてプラスチック板を
おいて、それぞれの被着材の厚さを構成した。
【0125】
【表4】
【0126】表4からは、誘導加熱で使用する電気量を
前記実験と同様にする場合には、被着材3mm、通電時
間1秒の条件で、アルミ箔は厚さ6μm以上、200μ
m以下で実用範囲内の接着力を示し、特に100μm以
下で優れた接着力を示している。
【0127】通電時間を4秒とした場合には、被着材3
mmの条件では、アルミ箔の厚さが6μm以上25μm
以下では被着材側に焦げが発生する場合があった。かか
る条件では、50μm以上、2000μm以内では優れ
た接着力が得られることが分かる。被着材の厚さがが1
2mmの場合には、実用範囲内では、10μm以上20
00μm以内であれば、被着材に焦げなどを発生させる
ことなく、実用範囲内の接着力を得ることができる。
【0128】より好ましくは10μm以上、200μm
以内であり、優れた接着力を得ることができる。被着材
の厚みが20mmの場合には、6μm以上、200μm
以内で実用範囲内の接着力が得られ、より好ましくは6
μm以上50μm以内であれば、優れた接着力が得られ
ることが分かる。
【0129】通電時間を8秒とした場合には、被着材3
mmの条件では、アルミ箔の厚さが6μm以上200μ
m以下では被着材側に焦げが発生する場合があった。3
00μm以上、2000μm以下では優れた接着力が得
られる。併せて、本実験の範囲では、実用上問題となる
程の焦げは見られなかった。
【0130】被着材の厚さがが12mmの場合には、1
0μm以上2000μm以内であれば、被着材に焦げを
発生させることなく、実用範囲内の接着力を得ることが
できる。
【0131】より好ましくは10μm以上、200μm
以内であれば優れた接着力を得ることができる。被着材
の厚みが20mmの場合には、6μm以上、2000μ
m以内で実用範囲内の接着力が得られ、より好ましくは
6μm以上、200μm以内で優れた接着力を得ること
ができる。
【0132】高周波誘導加熱においては、表4に示すよ
うに、アルミ箔の厚さ、被着材の厚さ、通電時間、加熱
に際して与える電気量の組み合わせで、接着力が大きく
影響されることが分かる。一般的には、アルミ箔が薄い
程電力が入り易く、加熱に要する通電時間が短くて済
む。アルミ箔の厚さとしては、6μm以上であれば使用
可能であるが、6μm程度では薄過ぎて誘導加熱接着シ
ートの生産が難しい。10μm以上が生産作業面からは
好ましい。
【0133】被着材が薄いものでは、誘導加熱において
加熱コイルと誘導加熱接着シートのアルミ箔との距離が
短くなるため、おなじ電気量でも、アルミ箔が加熱され
易く、1秒の通電時間でも十分な接着力が得られる場合
もある。
【0134】接着作業の効率的観点からは、接着に要す
るまでの許容時間は、最大8秒程度までであるが、かか
る実用的な8秒の通電時間では、アルミ箔は2000μ
mまでの厚さで優れた接着力を示す。
【0135】被着材が比較的厚い20mmの場合でも、
実用的範囲内の接着力は、通電時間8秒で得ることがで
きる。さらには、被着材の厚さが20mm超えるもので
あっても、通電時間を長くしたり、電気量を大きくした
りなどすれば、例えば実用的な通電時間の8秒以内でも
十分な接着力を得ることは可能である。
【0136】以上の結果から、通電時間を4〜8秒と
し、被着材の厚さを3〜20mmとした場合の実用範囲
内の接着力は、6μm以上2000μm以内の範囲で得
られ、より好ましくは6μm以上200μm以内、さら
に好ましくは10μm以上200μm以内であれば強度
的にも問題なく使用でき、且つ優れた接着力が得られる
ことが分かる。
【0137】また、本発明の誘導加熱接着シートにおけ
る接着剤の塗布層厚については、被着材間に密着できる
範囲であれば、特に限定されるものではない。かかる被
着材間に密着できるとは、例えば、被着材が表面に多数
のバリが残っているような木材を接着する場合には、溶
融した接着剤がバリ間にも十分に浸透して表面と発熱シ
ート間を接着剤で空隙が発生せずに埋めて密着できるこ
とを意味する。バリの先端側でのみ接着する事態を避け
る意味である。そのためには、接着剤の塗布層厚は、比
較的厚いものが好ましく、30μm以上、好ましくは5
0μm以上であればよい。30μm未満では、接着性が
劣る場合がある。
【0138】被着材が金属、プラスチックのような比較
的平滑な面に接着する場合には、接着剤は薄くても全く
問題なく接着できる。このような場合を想定すると、5
μm以上、好ましくは10μm以上が適当である。5μ
m未満では、接着性が劣る場合がある。
【0139】また、本発明の誘導加熱接着シートにおけ
る接着剤の塗布層厚については、被着材間への密着性、
誘導加熱接着作業の効率性を加味してその上限を設定す
ればよい。併せて、誘導加熱接着作業が効率よく行える
時間、例えば、8秒以内で十分に溶融できる塗布量を塗
布面に均一に施した場合の層厚を目安として上限を決め
ればよい。例えば、500μm、より短時間溶融のため
には300μmが好ましい。
【0140】本発明は、上記実施の形態に限定されるも
のではなく、必要に応じて変更してもよい。
【0141】本発明の誘導加熱接着シートは、前記実施
の形態では、シート状に構成する場合について説明した
が、例えば、発熱シート2を、例えば、図3(B)に示
すような立体の誘導加熱接着体に予め形成しておき、形
成後に板面に接着剤を塗布して固化させておいてもよ
い。
【0142】このように立体に構成しておくことによ
り、現場合わせで立体部分に誘導加熱接着シートを合わ
せる手間を省くことができ、より効率的な接着作業の確
保が行える。立体形状は、図3(B)に限定されるもの
ではなく、種々の立体形状が可能であることは勿論であ
る。
【0143】前記実施の形態では、本発明の誘導加熱接
着シートの使用方法を、建材などを被着材として使用し
た場合を例にとり説明したが、かかる建材以外の接着に
も有効に使用できることは勿論である。例えば、自動車
などの車両、航空機、船舶などの分野でも、必要に応じ
て部品、あるいは部材の接着、内装材の接着、装飾品の
接着などに使用することができる。さらには、雑貨や小
間物などの家庭用品、衣料品などの繊維製品、家具類、
電気製品などの装置、器具類、玩具類、手芸用品などの
分野でも使用できる。
【0144】
【発明の効果】本発明の誘導加熱接着シートでは、高周
波誘導加熱により発熱する発熱シートに、発熱シートの
熱で溶融する接着剤が塗布されているため、被着材が高
周波誘導加熱により発熱しにくい材質の場合でも、高周
波誘導加熱による有効な接着が行える。
【0145】接着剤としては、軟化点70℃〜200℃
の範囲内の接着剤を選定することにより、被着材の口開
きが発生せず、割裂接着強さの点でも問題のない誘導加
熱接着シートを構成することができる。
【0146】上記接着剤としては、例えば、酢酸ビニル
を20〜60重量%含有したエチレン−酢酸ビニル共重
合体ケン化物と、ポリアミド樹脂とを有するポリアミド
系ホットメルト使用すれば、木質系、スチール系などの
金属、石膏ボードなどの種々の被着材に対して有効な接
着強さを有する誘導加熱接着シートを構成することがで
きる。
【0147】発熱シートに厚み6〜200μmのアルミ
箔を使用すれば、強度、加熱し易さの点で実用範囲内の
誘導加熱接着シートを構成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の誘導加熱接着シートの一実施の形態を
例示する斜視図である。
【図2】(A)、(B)、(C)、(D)は、本実施の
形態の誘導加熱接着シートにおける接着剤の塗布状況を
それぞれ示す断面図である。
【図3】(A)は、誘導加熱接着シートのシート形状の
変形例を示した平面図であり、(B)は、それを使用す
る再に立体手的に組み上げた状況を示す斜視図である。
【図4】誘導加熱接着シートの使用状況を示す断面図で
ある。
【図5】(A)は、高周波誘導加熱装置の側面図であ
り、(B)はその平面図である。
【図6】(A)は試験体における接着剤の塗布状況を示
す平面図であり、(B)は試験体の作成状況を示す断面
図であり、(C)は試験体の割裂接着強さの引張状況を
示す断面図である。
【符号の説明】
1 誘導加熱接着シート 2 発熱シート 3 接着剤 4 接着剤 5 接着剤 6 接着剤 11 土台 12 床板 13 支柱 14 中差し 15 壁下地 16 建材 17 高周波誘導加熱装置 18 装置本体 19 加熱コイル 21 電源ユニット 22 ケーブル 23 フェライト a 被着材 b 被着材 c 被着材
フロントページの続き (71)出願人 398048110 合資会社ブラウニー 埼玉県北本市深井3−46 (72)発明者 清水 正則 埼玉県浦和市西堀5−3−35 コニシ株式 会社浦和研究所内 (72)発明者 小林 潔 東京都千代田区神田錦町2−3 コニシ株 式会社東京支店内 Fターム(参考) 4J004 AA07 AA09 AA15 AA16 AB03 CA08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高周波誘導加熱により発熱する発熱シー
    トと、 前記発熱シートに塗布され、前記発熱シートの発熱によ
    り溶融する軟化点が70℃〜200℃の接着剤とを有
    し、 前記接着剤を被着材に接触させた状態で前記発熱シート
    により溶融して、前記被着材への接着、あるいは前記被
    着材からの剥離を行うことを特徴とする誘導加熱接着シ
    ート。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の誘導加熱接着シートにお
    いて、 前記発熱シートには、軟化点の異なる複数の接着剤が塗
    布されていることを特徴とする誘導加熱接着シート。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の誘導加熱接着シ
    ートにおいて、 前記接着剤は、ポリアミド系ホットメルト、ポリエステ
    ル系ホットメルトの少なくともいずれかであることを特
    徴とする誘導加熱接着シート。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の誘導加熱接着シートにお
    いて、 前記ポリアミド系ホットメルトは、酢酸ビニルを20〜
    60重量%含有したエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン
    化物と、ポリアミド樹脂とを有することを特徴とする誘
    導加熱接着シート。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項に記載
    の誘導加熱接着シートにおいて、 前記発熱シートは、6〜200μmの厚さのアルミ箔で
    あることを特徴とする誘導加熱接着シート。
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