JP2018177825A - 誘電加熱接着フィルムを用いてなる接着構造体の製造方法 - Google Patents

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正和 石川
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Abstract

【課題】被着体としてのポリオレフィン系樹脂等に対して、片側から誘電加熱処理を施すことにより、短時間で、強固な接着を実現できる誘電加熱接着フィルムを用いてなる、接着構造体の製造方法を提供する。【解決手段】A成分としての熱可塑性樹脂及びB成分としての誘電フィラーを含有する誘電加熱接着フィルムを高周波誘電加熱させ、同一もしくは異なる材料からなる一対の被着体を接着する接着構造体の製造方法であって、下記工程(1)〜(3)を含むことを特徴とする接着構造体の製造方法である。(1)一対の被着体の間に、誘電加熱接着フィルムを挟持する第1工程(2)一対の被着体の片面側に、電極ユニットの両極が一面に設けられた高周波印加装置を配置する第2工程(3)電極ユニットを動作させて、高周波を印加することにより、誘電加熱接着フィルムを高周波誘電加熱させ、当該誘電加熱接着フィルムを介して、一対の被着体を接着する第3工程【選択図】図1

Description

本発明は、誘電加熱接着フィルムを用いてなる接着構造体の製造方法に関する。
特に、使い勝手が簡便であって、かつ、短時間であっても、各種被着体に対して、強固な接着力が得られる誘電加熱接着フィルムを用いてなる接着構造体の製造方法に関する。
近年、一般的に困難な、一対の被着体の接着方法として、例えば、所定樹脂中に、発熱材料を配合してなる接着剤を介在させ、誘電加熱処理、誘導加熱処理、超音波溶着処理、あるいは、レーザー溶着処理等の接着方法を実施する旨が提案されている。
ここで、接着する一対の被着体(母材)に対して、親和性を有する接着剤に、誘電加熱媒体を充填してなる、誘電加熱用接着剤組成物であって、比誘電率をε’、誘電正接をtanδとし、接着しようとする母材の合計厚さをd(mm)としたとき、係数Cを78〜85の範囲として、かつ、C×{(tanδ)/ε’}1/2≧dを満たす、誘電加熱性の接着層組成物が提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に開示された誘電加熱処理によれば、図7に示すように、両面高周波誘電加熱装置100(以下、両面印加装置100と称する場合がある。)を用いて、誘電加熱用接着剤113を誘電加熱処理し、所定の接着構造体150を製造していた。
すなわち、第1被着体112と、第2被着体114との間に、従来の誘電加熱用接着剤113を狭持した積層体(誘電加熱処理前の接着構造体)を作成し、それを両面印加装置100の一対の電極116a、116bの間に介在させた状態で、これら一対の電極116a、116bに高周波を印加することにより、誘電加熱用接着剤113を誘電加熱処理して、所定の接着構造体150を製造していた。
よって、かかる両面印加装置100であれば、発生した高周波に伴う電力線が、確実に、誘電加熱用接着剤113の中を貫通することから、与えるエネルギー量を制御しやすく、ひいては、所望の接着力が得られやすいという利点があった。
特開2014−37489号公報(特許請求の範囲等)
しかしながら、特許文献1に開示された、両面印加装置100の場合、比較的狭い、一対の電極116a、116bの間隙に、誘電加熱用接着剤113を狭持した一対の被着体(第1被着体112と、第2被着体114)を配置する必要があった。
そのため、かかる一対の被着体112、114が大型化したり、表面に突起物や所定段差があったりすると、両面印加装置100の高周波加熱処理によって、誘電加熱用接着剤113に与えるエネルギー量の制御が困難となって、所望の接着力が得られにくいという問題があった。
それに対して、高周波誘電加熱装置の一対の電極が、実質的に同一面に配置されてなる片面高周波誘電加熱装置(以下、片面印加装置と称する場合がある。)の使用が考えられるものの、従来の誘電加熱用接着剤を用いただけでは、所望の接着力が得られにくいという問題が見られた。
また、特許文献1に開示された、両面印加装置を用いた誘電加熱処理によると、接着する母材の合計厚さが接着性に影響することから、誘電加熱用接着剤組成物のみならず、使用可能な被着体の種類が、過度に制限されやすいという問題も見られた。
しかも、十分な接着力を得るため、少なくとも40〜70秒間の誘電加熱処理が必要であって、実使用上、処理時間が長く、経済的に不利益であるという問題があった。
そこで、本発明者らは、従来の問題を鋭意検討した結果、所定の誘電加熱接着フィルムを用い、高周波を一対の被着体の片面側より印加することによっても、所望の接着力が得られることを見出し、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明によれば、片面印加装置を用いた場合であっても、一対の被着体の間に、所定の誘電加熱接着フィルムを挟持してなる積層体につき、高周波を片面側より印加することにより、誘電加熱接着フィルムにより、一対の被着体を、強固に接着することが可能な、誘電加熱接着フィルムを用いてなる接着構造体の製造方法(以下、単に、接着構造体の製造方法と称する場合がある。)を提供することを目的とする。
本願発明によれば、A成分としての熱可塑性樹脂、及びB成分としての誘電フィラーを含有した誘電加熱接着フィルムに、片面高周波誘電加熱装置を用いて、高周波を印加することによって高周波誘電加熱させ、同一もしくは異なる材料からなる一対の被着体を接着してなる接着構造体の製造方法であって、下記工程(1)〜(3)を含むことを特徴とする接着構造体の製造方法が提供され、上述した問題点を解決することができる。
(1)一対の被着体の間に、誘電加熱接着フィルムを挟持してなる積層体を形成する第1工程
(2)積層体の片面側に、電極ユニットの両極が一面に設けられた、片面高周波誘電加熱装置を配置する第2工程
(3)片面高周波誘電加熱装置の電極ユニットを動作させて、積層体の片面側から、高周波を印加することにより、誘電加熱接着フィルムを高周波誘電加熱させ、当該誘電加熱接着フィルムを介して、一対の被着体を接着する第3工程
すなわち、このような接着構造体の製造方法であれば、誘電加熱接着フィルムを、被着体に対して、正確な位置に載置することができ、ひいては、片面高周波誘電加熱装置を用いて、積層体の片面側からの短時間の誘電加熱処理、例えば、40秒未満の誘電加熱処理によっても、被着体の種類によらず、良好な接着力を得ることができる。
また、本願発明の接着構造体の製造方法を実施するにあたり、第1工程において、誘電加熱接着フィルムとして、23℃における周波数40MHzの条件下、誘電正接であるtanδを誘電率であるε’で除してなる、tanδ/ε’で表される誘電特性を0.005以上の値とした誘電加熱接着フィルムを用いることが好ましい。
このように、誘電加熱接着フィルムの誘電特性の値を制御することによって、片面高周波誘電加熱装置による誘電加熱処理においても、良好な溶着性を確保し、ひいては、一対の被着体の間で、強固な接着力を得ることができる。
また、本願発明の接着構造体の製造方法を実施するにあたり、第1工程において、誘電加熱接着フィルムとして、A成分としての熱可塑性樹脂100質量部に対して、B成分としての誘電フィラーの配合量を5〜800質量部の範囲内の値とした誘電加熱接着フィルムを用いることが好ましい。
このように、かかるB成分を配合した誘電加熱接着フィルムを用いることによって、片面高周波誘電加熱装置を用いて、例えば、40秒未満の短時間の誘電加熱処理によっても、かつ、被着体の種類によらず、良好な接着力を得ることができる。
また、本願発明の接着構造体の製造方法を実施するにあたり、第2工程において、積層体の、電極ユニットを配置したのと反対面側に、導体板を配置することが好ましい。
このように、所定場所に導体板を適宜配置することによって、片面高周波誘電加熱装置を用いた場合であっても、高周波の流れを制御することができ、ひいては、所望場所のみを、誘電加熱接着することもできる。
また、本願発明の接着構造体の製造方法を実施するにあたり、第2工程において、一対の被着体のうち、極性が相対的に小さい被着体の側に、電極ユニットを配置することが好ましい。
このように、所定場所に電極ユニットを配置することにより、片面高周波誘電加熱装置を用いた場合であっても、最初に、第1の熱可塑性樹脂を効率的に融解させ、次いで、第2の熱可塑性樹脂の融解をさせることにより、一対の被着体の間で、良好な接着力を得ることができる。
また、本願発明の接着構造体の製造方法を実施するにあたり、第3工程において、高周波出力0.1〜20kW、及び高周波印加時間1〜40秒未満の条件で、誘電加熱処理を行うことが好ましい。
このような誘電加熱処理条件であれば、片面高周波誘電加熱装置の一対の被着体の片側方向からの短時間の誘電加熱処理によっても、被着体の種類によらず、良好な接着力を得ることができる。
また、本願発明の接着構造体の製造方法を実施するにあたり、接着構造体として、車輌内外装部品用接着構造体を製造することが好ましい。
このように、車輌内外装部品用接着構造体を製造することによって、安価かつ耐久性等に富んだ接着構造体を、短時間で製造することができる。
また、本願発明の誘電加熱接着フィルムを用いてなる接着構造体の製造方法を実施するにあたり、接着構造体として、建築材料用接着構造体を製造することが好ましい。
このように、建築材料用接着構造体を製造することによって、建築材料用接着構造体を製造することによって、安価かつ耐久性等に富んだ接着構造体を、短時間で製造することができる。
図1(a)〜(b)は、それぞれ所定の片面高周波誘電加熱装置を用いた誘電加熱接着方法を説明するために供する図である。 図2は、グリッド電極を備えた片面高周波誘電加熱装置を用いた誘電加熱接着方法を説明するために供する図である。 図3は、誘電加熱接着フィルムを用いてなる高周波接着性に対する、B成分の平均粒子径の影響を説明するための図である。 図4は、誘電特性(tanδ/ε’)に対する、B成分の平均粒子径の影響を説明するための図である。 図5は、誘電特性(tanδ/ε’)に対する、B成分の種類(6種類)及び配合量(3水準)の影響を説明するための図である。 図6(a)〜(b)は、本発明の接着構造体の製造方法に用いる誘電加熱接着フィルムの表面及び断面状態を説明するための図(写真、倍率:150倍)である。 図7は、従来の両面高周波誘電加熱装置を説明するために供する図である。
本発明の実施形態は、A成分としての熱可塑性樹脂、及びB成分としての誘電フィラーを含有した誘電加熱接着フィルムを、片面高周波誘電加熱装置(片面印加装置)を用いて高周波誘電加熱させ、同一もしくは異なる材料からなる一対の被着体を接着する接着構造体の製造方法であって、下記工程(1)〜(3)を含むことを特徴とする、誘電加熱接着フィルムを用いてなる接着構造体の製造方法である。
(1)一対の被着体の間に、誘電加熱接着フィルムを挟持してなる積層体を形成する第1工程
(2)積層体の片面側に、電極ユニットの両極が一面に設けられた、片面印加装置を配置する第2工程
(3)片面印加装置の電極ユニットを動作させて、積層体の片面側から、高周波を印加することにより、誘電加熱接着フィルムを高周波誘電加熱させ、当該誘電加熱接着フィルムを介して、一対の被着体を接着する第3工程
すなわち、所定の電極ユニットを備えた片面印加装置を用いて、所定の誘電加熱接着フィルムを、高周波誘電加熱させ、一対の被着体を接着させてなる接着構造体の製造方法である。
1.片面誘電加熱接着装置
(1)構成
片面誘電加熱接着装置(片面印加装置)10は、図1(a)に例示されるように、例えば、電源20と、電源20で発生した交流電流を、所定高周波に変換する高周波発生装置19と、配線(電源ケーブル)18´を介して、これに電気接続された電極ユニット18と、を含んで構成されている。
そして、かかる電極ユニット18は、一対の電極16(16a、16b)、及びこれら電極16を、外部環境の変化に起因した衝撃や短絡から保護する電極カバー17と、から構成されている。
また、一対の電極16(16a、16b)は、互いに平行に離間されて配置されており、配線18´に電気接続されている端部16´a、16´bと、電気接続されていない端部16´´a、16´´bとを有している。
さらに、電極ユニット18は、一対の電極16を覆う電極カバー17を有しており、一対の電極16のそれぞれと、所定間隔で離間した状態で配置されている。
これにより、一対の電極16の互いの内側及びそれぞれ近傍の位置には、導電体や高誘電体等が存在しない空間が形成された状態となって、一対の電極16は衝撃や短絡等から保護されている。
また、かかる片面印加装置10によれば、一対の電極16(16a、16b)の間に、所定周波数の高周波を印加することにより、両極の周囲に高周波電界を発生させることができる。
そして、電極ユニット18の一方の端部18aは、一対の電極16(16a、16b)のもう一方の端部16´´a、16´´bに近接しており、発生した高周波電界が、電極ユニット18の端部18aから外部に形成されるように構成されている。
したがって、誘電性物体を、片面印加装置10の電極ユニット18の端部18aの近傍に配置し、それに高周波が印加されると、当該誘電性物体は、高周波誘電加熱されて、昇温することになる。
ここで、誘電性物体として、後述する誘電加熱接着フィルム13を用い、その両面を一対の被着体としての第1被着体12及び第2被着体14で挟持した積層体とし、片面印加装置10の高周波印加によって、互いを接着させることができる。
より具体的には、誘電加熱接着フィルム13を挟持してなる、第1被着体12及び第2被着体14のいずれか一方の露出面(第1被着体面と称する場合がある。)に、電極ユニット18を近接又は接触させることによって、電極ユニット18から高周波が印加される。
それによって、挟持された誘電加熱接着フィルム13が加熱溶融し、第1被着体12及び第2被着体14を強固に接着し、所定の接着構造体15とすることができる。
また、電極ユニット18の端部18aは、電極カバー17の端部でもあるが、それを積層体に接触させ、加圧することにより、溶融した誘電加熱接着フィルム13と、第1被着体12及び第2被着体14との間の濡れ広がりをそれぞれ大きくし、確実に接着することができる。
すなわち、電極ユニット18の端部18aは、接着工程における加圧治具としての機能を併せ持つことができる。
なお、図示しないものの、片面印加装置10に対して、電極カバー17とは別に、加圧治具を設け、電極ユニット18については、誘電加熱処理による加熱手段のみとして利用する装置構成としてもよい。
そして、かかる片面印加装置10によれば、電源20からの交流電流を、高周波発生装置19によって、例えば、28MHz又は40MHz程度の周波数に変え、所定の高周波を生成させることができる。
これを電極ユニット18の一対の電極16の間に印加すると、高周波電界が発生し、一対の電極16の周辺の空間に、高周波電界に沿った電気力線が形成される。
したがって、かかる電気力線が、電極ユニット18の端部18aからループ状に漏れ出て、電極ユニット18の近傍に配置された第1被着体12、誘電加熱接着フィルム13及び第2被着体14を貫く形となる。
そして、第1被着体12及び第2被着体14においては、高周波を吸収せず、誘電損失がほとんど生じない一方、誘電加熱接着フィルム13、すなわち、当該誘電加熱接着フィルム13における熱可塑性樹脂13aの内部に均一分散された誘電フィラー13bが、高周波電界に起因して、効率的に発熱することになる。
よって、誘電フィラー13bが、発熱源として機能し、その発熱によって、誘電加熱接着フィルム13の主成分である熱可塑性樹脂13aが、融点又は軟化点以上になって溶融し、最終的には、第1被着体12及び第2被着体14を接着することができる。
その上、図1(a)に例示された片面印加装置10によれば、電極ユニット18が、電源20及び高周波発生装置19に対して、配線18´を介して、独立して存在しており、軽量コンパクトで、手動操作可能なハンディタイプの接着装置として構成されている。
このため、接着作業を行う現場が狭くて、片面印加装置10の全体を配置できないような場合に、電極ユニット18のみを接着作業が必要な位置に運搬し、さらに、接着すべき箇所に、電極ユニット18の端部18aを近づけることにより、所定の誘電加熱処理を行うことができる。
より具体的には、図1(a)に例示された片面印加装置10によれば、電極ユニット18が細長く、高周波を放出する端部18aの面積が小さいため、誘電加熱処理して、スポット状の接着箇所を形成することができる。したがって、リベット接合と同様の接着作業を行うことができる。
また、図1(a)に例示された片面印加装置10によれば、端部18aの面積が小さく、ひいては、一つの接着箇所の面積が小さいため、接着力を高めるためには、スポット状の接着箇所を多数設けるか、あるいは、片面誘電加熱接着装置10をスライドさせて、接着面積を広げるようにすればよい。
さらにまた、相対的に接着面積が小さく、少数ポイントの接着では、得られる接着力が比較的小さい場合には、仮留めのための接着作業に対して、この片面印加装置10を用いることもできる。
また、接着構造体15の製造方法の別な態様として、図1(b)に例示されるように、第1被着体12、誘電加熱接着フィルム13、及び第2被着体14の組み合わせからなる積層体に対し、第1被着体12の側に、片面印加装置10の電極ユニット18を配置するとともに、第2被着体14の背面側に、導体板(金属板や金属酸化物板を含む。以下、同様である。)22を配置して、誘電加熱接着処理を実施することも好ましい。
そして、電極ユニット18より、高周波を印加させることによって、導体板22の内部に渦電流を発生させ、この渦電流と電極ユニット18により発生した高周波電界との相互作用により、電気力線が導体板22により引き込まれる形となり、誘電加熱接着フィルム13の内部を通過する電気力線を高密度にして、誘電加熱効率をより高めることができる。
すなわち、片面印加装置10のように、誘電加熱効率が低くなる構成の装置であっても、導体板22を併用することにより、さらに短時間かつ強固に接着箇所を形成することができる。
なお、導体板22の態様は特に制限されるものではないが、例えば、ステンレス、鉄、金、銀、銅、タングステン、ニッケル、チタン、各種金属酸化物等の一種単独又は二種以上の組み合わせからなリ、その厚さについても、通常、1μm〜50mmの範囲内の値とすることが好ましく、10μm〜10mmの範囲内の値とすることがより好ましく、100μm〜2mmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
さらにまた、別な片面印加装置10´として、図2に例示されるように、複数の印加電極16aと、反対極の複数の印加電極16bとが交互に配列されてなる電極(グリッド電極)16を有することが好ましい。
すなわち、電極ユニット18の形状は扁平になり、配線18´と電気接続されない、反対側のグリッド電極16の端部が、電極ユニット18の底面側に配置されている。
そして、かかる電極ユニット18は、このような構造を有することから、グリッド電極16から印加される高周波が、より広い面でループを描くようになり、誘電加熱接着フィルム13に対し、広い面積で電気力線が貫く状態となる。
したがって、比較的大面積の被着体に対しても、電極ユニット18の端部18aが接触する面積が大きくなるため、接着作業を効率よく行うことができる。
なお、図2に示すように、電極ユニット18の底面である端部18aとは反対側の所定面に、取手21、あるいは、所定の突起物(図示せず。)を設けることにより、アイロンのような操作性が与えられる。それによって、片面印加装置10´の手動による取り扱い性がより向上する。
また、電極ユニット18の底面である端部18aは、高温に晒されるため、低誘電率、かつ耐熱性の構成材料、例えば、テフロン(登録商標)やシリコーン樹脂などからなる板状材が用いられる。
(2)誘電加熱接着条件
また、片面印加装置による誘電加熱接着条件は、適宜変更できるが、通常、高周波出力としては、0.1〜20kWの範囲内の値とすることが好ましく、0.2〜10kWの範囲内の値とすることがより好ましく、0.2〜5kWの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、高周波の印加時間についても、1〜40秒未満とすることが好ましく、5〜30秒間の範囲内の値とすることがより好ましく、10〜20秒間の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
さらに、高周波の周波数を1〜100MHzの範囲内の値とすることが好ましく、5〜80MHzの範囲内の値とすることがより好ましく、10〜50MHzの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
具体的には、国際電気通信連合により割り当てられた工業用周波数帯13.56MHz、27.12MHz、40.68MHZが、本実施形態の誘電加熱接着処理にも利用される。
2.片側誘電加熱接着装置を用いた接着構造体の製造方法
(1)工程(1)
工程(1)は、誘電加熱接着フィルムを、所定場所に配置する工程であって、同一もしくは異なる材料からなる一対の被着体の間に、誘電加熱接着フィルムを挟持する工程である。
その際、通常、誘電加熱接着フィルムを、所定形状に切断し、一対の被着体の間に挟持することが好ましい。
さらに言えば、誘電加熱接着フィルムを、位置ずれしないように、正確な位置に配置すべく、誘電加熱接着フィルムの一面又は両面であって、かつ、全面あるいは、部分的に、粘着部を設けたり、さらには、誘電加熱接着フィルムの一部に、仮固定用孔や突起等を設けたりすることも好ましい。
また、使用される被着体の材質としては、特に制限はなく、有機材料、無機材料(金属材料等を含む。)のいずれの材料でもよく、それらの複合材料であってもよい。
したがって、有機材料としては、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂(ABS樹脂)、ポリカーボネート樹脂(PC樹脂)、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT樹脂)、ポリアセタール樹脂(POM樹脂)、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、等のプラスチック材料、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、エチレンプロピレンゴム(EPR)、シリコーンゴム等のゴム材料が挙げられる。
また、無機材料としては、ガラス材料、セラミック材料、金属材料等が挙げられ、さらには、ガラス繊維と上述したプラスチック材料との複合材料である繊維強化樹脂(FRP)も好ましい材料として挙げられる。
また、ガラス繊維と前記のプラスチック材料との複合材料である繊維強化樹脂(FRP)も好ましい被着体の材質として挙げられる。
これらの材質よりなる被着体は、一対の被着体として、同一材料からなる被着体の組み合わせであってもよいし、異種材料からなる被着体の組み合わせであってもよい。
そして、異種材料の組合せからなる一対の被着体に適用する場合、誘電加熱接着フィルム13は極性の小さい材質に対して接着力が不足する場合がある。
これを回避するため、極性の小さい材質の被着体を電極ユニット側に配置(第1被着体12)し、極性の大きな材質の被着体をその反対に配置(第2被着体14)することが好ましい。
すなわち、電極ユニットにより近い誘電加熱接着フィルムの面がより多くの誘電損失で溶融粘度が低いか溶融時間が長くなることにより、第1被着体側との濡れが良好となり、接着性が高まるものと思われる。
なお、被着体の材質の極性は、それぞれの材質の溶解度パラメーター(SP値)により特定できる。
また、被着体として金属材料のような導電材料を用いる場合は、誘電加熱接着フィルム13の電極ユニット18の側、すなわち、第1被着体12の露出面側に配置されると、高周波を遮断し、誘電加熱接着フィルム13を溶融させることが困難となる場合がある。
したがって、電極ユニット18とは反対側、すなわち、第2被着体14の露出面側に配置することにより、片面印加装置から高周波が、誘電加熱接着フィルム13に印加されるため、効果的な誘電加熱接着が可能となる。
すなわち、一対の被着体が、金属材料と非金属材料の組み合わせの場合、第1被着体に非金属材料を第2被着体に金属材料を配置した状態にすることで、誘電加熱処理により、強固に接着を行うことができる。
なお、両面印加装置で金属材料を被着体とすると、どのような組合せや配置であってもスパークが生じてしまい、高周波の印加が行えないという問題がある。
(2)工程(2)
工程(2)は、一対の被着体の片面側に、電極ユニットの両極が一面に設けられた片面印加装置を配置する工程である。
より具体的には、市販の片面印加装置として、テクノアイロン−400T、テクノガン400T(いずれも、山本ビニター(株)製)等が適用可能である。
(3)工程(3)
次いで、工程(3)は、片面印加装置における電極ユニットを動作させて、高周波を印加することにより、誘電加熱接着フィルムを誘電加熱して溶融させ、ひいては、当該誘電加熱接着フィルムを介して、一対の被着体を接着する工程である。
(3)−1 高周波誘電加熱条件
片面印加装置の高周波誘電加熱条件については、所定の接着構造体が得られれば、特に制限されるものではないが、通常、高周波出力0.1〜20kW、及び印加時間1秒以上、40秒未満の条件で、接着フィルムと被着体を接着させることが好ましい。
ここで、高周波出力を0.1〜20kWの範囲内とするのは、高周波出力が0.1kW未満では、誘電加熱処理によって、温度が上昇しにくく、良好な接着力が得られない場合があるためである。
一方、高周波出力が20kWを超えると、誘電加熱処理による温度制御が困難となる場合があるためである。
また、高周波の印加時間を1秒以上、40秒未満の条件とするのは、かかる印加時間が1秒未満では、誘電加熱処理によって、温度が上昇しにくく、良好な接着力が得られない場合があるためである。
一方、かかる印加時間が40秒以上になると、製造時間が過度に長くなり、製造効率が低下したり、あるいは製造コストが高くなったり、さらには、被着体が熱劣化する場合があるためである。
したがって、高周波出力を1〜15kWの範囲内の値とすることがより好ましく、5〜10kWの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(3)−2
また、高周波を印加する際に、通常、マニュアル操作によって加圧処理することが好ましいが、一旦誘電加熱処理を終了した場合であっても、接着が不十分なような場合、加圧処理を付加することも好ましい。
すなわち、一対の被着体等を、上下方向、あるいは、いずれか一方方向に、押圧することが好ましい。
そのような場合、高周波を印加する際の圧着力を、通常、0.1〜10N/cm2の範囲内の値とすることが好ましく、1〜5N/cm2の範囲内の値とすることがより好ましく、2〜4N/cm2の範囲内の値とすることがより好ましい。
3.誘電加熱接着フィルム
誘電加熱接着フィルムは、基本的に、配合成分として、熱可塑性樹脂(A成分)及び誘電フィラー(B成分)を含む組成物からなるフィルムであることが好ましい。
(1)配合成分1
(1)−1 A成分
A成分としての熱可塑性樹脂の種類については、特に制限されるものではないが、例えば、融解しやすいとともに、所定の耐熱性を有すること等から、ポリオレフィン系樹脂、オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、フェノキシ系樹脂及びポリエステル系樹脂の少なくとも一つとすることが好ましい。
より具体的には、ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等のホモポリマーからなる樹脂、及びエチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン、オクテン、4−メチルペンテン等の共重合体からなるα‐オレフィン樹脂等の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
そして、ポリオレフィン樹脂の中においても、ポリプロピレン樹脂であれば、融点又は軟化点の調整が容易であって、かつ、安価であるばかりか、機械的強度や透明性に優れていることから、特に好ましいと言える。
また、A成分が、ポリプロピレン樹脂と、結晶性ポリエステル樹脂との特定混合物であれば、各種被着体に接着することができるとともに、融点や軟化点の調整が特に容易になって、誘電加熱接着フィルムとして所定の取り扱い性を向上させることができることから、有利である。
より具体的には、ポリプロピレン樹脂と、結晶性ポリエステル樹脂との混合物において、質量部ベースの配合比率を5:95〜95:5の範囲内の値とすることにより、ポリプロピレン樹脂と、結晶性ポリエステル樹脂との均一混合が可能となって、融点や軟化点の調整が容易になると言える。
その上、これら特定樹脂の組み合わせであれば、混合物の透明性が良好であって、その上、使用環境等における耐熱性と、誘電加熱処理における溶着性との間で、さらに良好なバランスを図ることができる点で有利である。
なお、通常、ポリプロピレン系樹脂の熱変形温度は57〜63℃、誘電率(ε/1MHz)は2.2〜2.6の範囲、誘電力率(tanδ/1MHz)は0.0005〜0.0018の範囲、損失係数は0.0047程度である。
また、通常、結晶性ポリエステル樹脂の熱変形温度は90〜200℃、誘電率(ε/1MHz)は2.8〜4.1の範囲、誘電力率(tanδ/1MHz)は0.005〜0.026の範囲、損失係数は0.0168〜0.11程度である。
また、A成分の融点又は軟化点を80〜200℃の範囲内の値とすることが好ましい。
すなわち、A成分が、結晶性のポリオレフィン系樹脂の場合、結晶部分が溶解する温度として、示差走査熱量計(DSC)等で測定される融点を所定範囲内の値に規定することにより、使用環境等における耐熱性と、誘電加熱処理における溶着性との間の良好なバランスを図ることができる。
例えば、示差走査熱量計を用いて、測定試料(結晶性のポリオレフィン系樹脂)10mgを、250℃まで昇温した後、25℃まで10〜20℃/分の降温速度で冷却して結晶化させ、再度10〜20℃/分の昇温速度で加熱して、融解させた際に、DSCチャート(融解曲線)上で観察される融解ピークのピーク温度を、測定試料の融点とすることができる。
より具体的には、市販の示差走査熱量計である、DSC Q2000(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン(株)製)を用いて、昇温速度20℃/分の測定条件にて測定した。
また、A成分が、非結晶性(アモルファス性)のポリオレフィン系樹脂の場合、非晶部分が溶解する温度として、環球法等に準拠して測定される軟化点(ガラス転移点)を所定範囲内の値に規定することによって、こちらも耐熱性と、誘電加熱処理における溶着性との間の良好なバランスを図ることができる。
より具体的には、JIS K 6863(1994)に準拠して、非結晶性のポリオレフィン系樹脂の軟化点を測定することができる。
いずれにしても、A成分として、結晶性のポリオレフィン系樹脂等の融点、又は非結晶性のポリオレフィン系樹脂等の軟化点が、80℃未満の値になると、耐熱性が不十分となって、使用用途が過度に制限されたり、機械的強度が著しく低下したりする場合がある。
一方、結晶性のポリオレフィン系樹脂の融点、又はアモルファス性のポリオレフィン系樹脂の軟化点が、200℃を超えた値になると、誘電加熱処理における溶着に過度に時間がかかったり、接着力が過度に低くなったりする場合がある。
したがって、誘電加熱接着フィルムにおいて、A成分の融点又は軟化点を100〜190℃の範囲内の値とすることがより好ましく、130〜180℃の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、A成分としての熱可塑性樹脂の平均分子量(重量平均分子量)を、通常、5000〜30万の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、A成分の重量平均分子量が、5000未満の値になると、耐熱性や接着力が著しく低下する場合があるためである。
一方、A成分の重量平均分子量が30万を超えた値になると、誘電加熱処理を実施した際の溶着性等が著しく低下する場合があるためである。
したがって、A成分の重量平均分子量を1万〜20万の範囲内の値とすることがより好ましく、3万〜10万の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、A成分の重量平均分子量は、例えば、JIS K 7367−3(1999)に準拠して、極限粘度法により測定することができる。
また、A成分のメルトフローレート(MFR)を、230℃、2.16kg荷重の条件下、通常、1〜300g/10minの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかるMFRが1g/10min以上であれば、接着部分の耐熱性が向上するためである。
一方、かかるMFRが300g/10min以下であれば、誘電加熱による接着時間を短くすることが可能となり、安定した接着性を得ることができるためである。
したがって、ポリオレフィン樹脂のMFRを1〜100g/10minとすることが好ましく、1〜50g/10minとすることがさらに好ましい。
なお、A成分のMFRの値は、JIS K 7210−1(2014)に準拠し、230℃、2.16kg荷重の条件下で測定することができる。
(2)B成分
B成分としての誘電フィラーの種類は、例えば、周波数28MHz又は40MHz等の高周波の印加により、発熱可能な高誘電損率を有する高周波吸収性充填剤であれば特に制限されるものではない。
したがって、酸化亜鉛、炭化ケイ素(SiC)、アナターゼ型酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸バリウム、チタン酸鉛、ニオブ酸カリウム、ルチル型酸化チタン、水和ケイ酸アルミニウム、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水和アルミノケイ酸塩等の結晶水を有する無機物質等の一種単独又は二種以上の組み合わせが好適である。
これらの中でも、種類が豊富で、さまざまな形状、サイズから選択ができ、誘電加熱接着フィルムの接着特性や機械特性を用途に合わせて改良することができるとともに、比較的少量の配合であっても発熱性に富んでいることから、酸化亜鉛や炭化ケイ素が特に好ましい。
また、A成分100質量部に対して、B成分の配合量を5〜800質量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、B成分の配合量が過度に少なくなると、誘電加熱処理をした場合であっても、発熱性に乏しくなって、A成分の溶融性が過度に低下して、強固な接着が得られない場合があるためである。
一方、B成分の配合量が過度に多くなると、誘電加熱処理をした際の誘電加熱接着フィルムの流動性が、過度に低下する場合があるためである。
したがって、A成分100質量部に対して、B成分の配合量を30〜600質量部の範囲内の値とすることがより好ましく、50〜300質量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、JIS Z 8819−2(2001)に準拠して測定されるB成分の平均粒子径(メディアン径、D50)を1〜30μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる平均粒子径が1μm未満になると、フィラー内部で分極できる距離が小さくなるため分極の度合いが小さくなり、高周波印加した際の反転運動が低下するため、誘電加熱性が過度に低下し、被着体同士の強固な接着が困難となったりする場合があるためである。
一方、平均粒子径が増大するにつれて、フィラー内部で分極できる距離が大きくなるため分極の度合いが大きくなり、高周波印加した際の反転運動が激しくなるため、誘電加熱性が向上する。
しかしながら、平均粒子径が30μmを超えると、周囲の誘電フィラーとの距離が短いため、その電荷の影響を受けて高周波印加した際の反転運動が低下し、誘電加熱性が過度に低下したり、あるいは、被着体同士の強固な接着が困難となったりする場合がある。
したがって、B成分の平均粒子径を2〜25μmの範囲内の値とすることがより好ましく、3〜20μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
ここで、図3に言及して、B成分の平均粒子径と、誘電加熱接着フィルムを用いてなる高周波接着性との関係を説明する。
すなわち、図3の横軸には、B成分の平均粒子径の値(μm)がとってあり、縦軸には、接着力の値(相対評価)が示してある。より具体的には、後述する実施例1に記載されている評価に準じて、評価◎を5点、評価○を3点、評価△を1点、評価×を0点として、相対評価したものである。
そして、図3中の特性曲線から理解されるように、接着力につき、B成分の平均粒子径に関して最適値が存在しているということができる。
すなわち、B成分の平均粒子径が0.4μmと過度に小さい場合には、被着体同士を十分に高周波接着できないと言える。
それに対して、B成分の平均粒子径が2μmと比較的大きくなると、高周波接着性の評価は急激に向上していると言える。
さらに、B成分の平均粒子径が10〜20μmと相当大きくなると、高周波接着性の評価はほぼ安定し、過度に小さい場合と比較して、かなり向上していると言える。
一方、B成分の平均粒子径が40μmを超え、50μmとかなり大きくなると、高周波接着性の評価は逆に低下し、過度に小さい場合と同等になっていると言える。
したがって、誘電加熱接着フィルムを用いてなる高周波接着性に対して、B成分の平均粒子径は最適値を有しており、例えば、1〜30μmの範囲内の値とすることが好ましく、2〜20μmの範囲内の値とすることがさらに好ましいと言える。
また、図4に言及して、B成分の平均粒子径と、tanδ/ε’で表される誘電特性との関係を説明する。
すなわち、図4の横軸には、B成分の平均粒子径の値(μm)がとってあり、縦軸には、誘電特性として、tanδ/ε’×10-3の値が採って示してある。
そして、図4中の特性曲線から理解されるように、誘電特性につき、B成分の平均粒子径に関して最適値が存在しているということができる。
すなわち、B成分の平均粒子径が0.4μmと過度に小さい場合には、誘電特性がかなり低く、したがって、被着体同士を十分に高周波接着できないと推定される。
それに対して、B成分の平均粒子径が2μmと比較的大きくなると、誘電特性の値は急激に大きくなり、少なくとも0.005を超えている。
さらに、B成分の平均粒子径が10μm前後になると、誘電特性の値は、若干ばらつくものの、少なくとも0.008〜0.01の範囲に至っている。
一方、B成分の平均粒子径が10μmを超えて、20μm程度になると、誘電特性の値は逆に低下し、0.008を下回る値になっている。
また、B成分の平均粒子径が40μmを超えて、50μm程度になると、誘電特性の値は相当低下し、0.002を下回る値になっている。
したがって、tanδ/ε’で表される誘電特性に対して、B成分の平均粒子径は最適値を有しており、比較的高い値を得るためには、例えば、1〜20μmの範囲内の値とすることが好ましく、2〜15μmの範囲内の値とすることがさらに好ましいと言える。
さらに、図5に言及して、B成分の種類(合計6種)及び配合量(3水準)と、tanδ/ε’で表される誘電特性との関係を説明する。
すなわち、図5の横軸には、A成分100質量部に対するB成分の配合量(質量部)がとってあり、縦軸には、tanδ/ε’で表される誘電特性の値が採って示してある。
また、特性曲線AがTiO2(アナターゼ型結晶)に対応し、特性曲線Bが酸化亜鉛(ZnO)に対応し、特性曲線Cが炭化ケイ素(SiC)に対応し、特性曲線DがTiO2(ルチル型結晶)に対応し、特性曲線Eがチタン酸バリウム(BaTiO3)に対応し、特性曲線Fが酸化ジルコニウム(ZrO2)に対応している。
そして、図5中の特性曲線A〜Cから理解されるように、B成分が、TiO2、ZnO、及びSiCであれば、配合量が150質量部程度まで増加するにつれて、誘電特性(tanδ/ε’)の値が著しく大きくなっている。
同様に、図5中の特性曲線A〜Cから理解されるように、配合量が350質量部程度まで増えると、誘電特性(tanδ/ε’)の値もさらに大きくなるが、一部飽和する傾向もみられている。
一方、特性曲線D〜Fから理解されるように、B成分が、TiO2(ルチル型結晶)、BaTiO3、ZrO2であれば、配合量が150質量部程度まで増えたとしても、誘電特性(tanδ/ε’)の値がほとんど変化していないと言える。
よって、tanδ/ε’で表される誘電特性に対して、B成分の種類及び配合量が極めて強い影響力を示しており、比較的高い値を得るためには、例えば、A成分100質量部に対して、B成分の配合量を50〜500質量部の範囲内の値とすることがより好ましく、100〜400質量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(3)添加剤
また、誘電加熱接着フィルム中に、粘着付与剤、可塑剤、ワックス、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、カップリング剤、粘度調整剤、誘電フィラーを除く有機又は無機の充填剤等の添加剤を配合しても良い。
粘着付与剤や可塑剤は、誘電加熱接着フィルムの溶融性や接着特性を改良することができる。粘着付与剤としては、例えば、ロジン誘導体、ポリテルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂及びその水素化物、テルペンフェノール樹脂、クマロン・インデン樹脂、脂肪族系石油系樹脂、芳香族系石油樹脂及びその水素化物が挙げられる。
また、可塑剤としては、例えば、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、あるいは芳香族系プロセルスオイルなどの石油系プロセスオイル、ひまし油あるいはトール油などの天然油、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチルあるいはアジピン酸ジブチルなどの二塩基酸ジアルキル、液状ポリブテンあるいは液状ポリイソプレンなどの低分子量液状ポリマーが例示される。
その場合、添加剤の種類やその配合用途等にもよるが、通常、誘電加熱接着フィルムの全体量の、0.1〜20質量%の範囲内の値とすることが好ましく、1〜10質量%の範囲内の値とすることがより好ましく、2〜5質量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(2)誘電加熱接着フィルムの形態
(2)−1 厚さ
また、誘電加熱接着フィルムの厚さを10〜2,000μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、誘電加熱接着フィルムの厚さが10μmの値になると、被着体同士の接着力が急激に低下する場合があるためである。
一方、誘電加熱接着フィルムの厚さが2,000μmを超えた値になると、ロール状に巻いたり、さらには、ロール・ツー・ロール方式に適用したりすることが困難となる場合があるためである。
したがって、誘電加熱接着フィルムの用途等にもよるが、通常、誘電加熱接着フィルムの厚さを、100〜1,000μmの範囲内の値とすることがより好ましく、200〜600μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(2)−2 誘電特性(tanδ/ε’)
また、誘電加熱接着フィルムの誘電特性としての誘電正接(tanδ)や誘電率(ε’)に関し、JIS C 2138:2007に準拠して測定することもできるが、インピーダンスマテリアル法に準じて、簡便かつ正確に測定することができる。
すなわち、インピーダンスマテリアル装置等を用いて測定される誘電正接(tanδ)を、同様に測定される誘電率(ε’)で除した値である誘電特性(tanδ/ε’)を0.005以上の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる誘電特性が、0.005未満になると、ポリオレフィン樹脂の種類等にかかわらず、誘電加熱処理をした場合であっても、所定の発熱をせず、被着体同士を強固に接着することが困難となる場合があるためである。
但し、かかる誘電特性が、過度に大きくなると、使用可能なポリオレフィン樹脂の種類や誘電フィラーの種類が過度に制限したり、全光線透過率が急激に低下したりする場合がある。
したがって、誘電加熱接着フィルムの誘電特性を、0.008〜0.05の範囲内の値とすることがより好ましく、0.01〜0.03の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、誘電加熱接着フィルムの誘電特性の測定方法の詳細は、後述する実施例1において詳述する。
(2)−3 全光線透過率
また、誘電加熱接着フィルムの全光線透過率として、1%以上の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる全光線透過率(%)が1%未満になると、誘電加熱接着フィルムの厚さが過度に厚くなった場合に、目視による所定場所への位置合わせが事実上、困難となる場合があるためである。
但し、誘電加熱接着フィルムの全光線透過率の上限値については、特に制限はないが、かかる全光線透過率の値が過度に大きくなると、使用可能なA成分やB成分の種類が過度に制限される場合がある。
したがって、誘電加熱接着フィルムの全光線透過率を5〜99%の範囲内の値とすることがより好ましく、10〜95%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、A成分として、好ましいポリオレフィン樹脂と、B成分として、好ましい誘電フィラーを用いるとともに、好適な配合比率(約100質量部:156質量部)とすると、通常、50%程度となることが判明している。
(2)−4 粘弾性特性
また、誘電加熱接着フィルムの粘弾性特性(動的弾性率)に関して、周波数10Hzの条件下に測定した貯蔵弾性率(E’)が、室温及び80℃の温度下において、ともに1×106〜1×1010Paの範囲内の値であることが好ましい。
この理由は、かかる貯蔵弾性率が、室温又は80℃で1×106Pa未満の値になると、誘電加熱接着フィルムの表面にタック性が現れ、ロール形状での保管がブロッキングにより困難になる場合があるためである。
一方、かかる貯蔵弾性率が、室温又は80℃で1×1010Paを超えた値になると、誘電加熱接着フィルムが脆性となりやすくロールからの巻出しや高テンションでの被着体への貼りあわせが困難となる場合があるためである。
したがって、誘電加熱接着フィルムの室温及び80℃の温度下における貯蔵弾性率を、5×106〜5×109Paの範囲内の値とすることがより好ましく、1×107〜1×109Paの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
4.接着構造体の用途
接着構造体の用途としては特に制限されないものの、例えば、車輌内外装部品用接着構造体や建築材料用接着構造体の用途が挙げられる。
より具体的には、車輌内外装部品用接着構造体としては、例えば、バンパー、ダッシュボックス、座席、フロントパネル、ドアパネル、照明器具、小物入れ、コンソールボックス等が挙げられる。
また、建築材料用接着構造体の用途としては、例えば、装飾材、屋根材、壁材、柱材、床材、ドア材、ふすま材、天井材、戸棚材、断熱材、放熱材、照明材等が挙げられる。
[実施例1]
1.誘電加熱接着フィルムの作成
A成分として、ランダムポリプロピレン樹脂(プライムポリマー社製、プライムポリプロF−744NP、融点:130℃、MFR:7g/10分、融解熱量:60J/g)100質量部と、B成分として酸化亜鉛(堺化学工業社製LPZINC11,平均粒子径:11μm、表1中、B1と記載する。)169質量部と、をそれぞれ秤量した。
次いで、A成分と、B成分とを予備混合した後、30mmφ二軸押出機のホッパーに供給し、シリンダー設定温度180〜200℃、ダイス温度200℃に設定し、溶融混練することにより、粒状のペレットを得た。
次いで、得られた粒状のペレットを、Tダイを設置した単軸押出機のホッパーに投入し、シリンダー温度を200℃、ダイス温度を200℃の条件として、Tダイから、厚さが約1mmのフィルム状溶融混練物を押し出し、室温に冷却させることにより、実施例1の接着構造体の製造方法に使用する誘電加熱接着フィルムを得た。
そして、かかる誘電加熱接着フィルムの厚さは1.0mm、誘電加熱接着フィルムの全光線透過率は12%、誘電加熱接着フィルムの誘電特性(tanδ/ε’)は0.015であった。
なお、図6(a)〜(b)に、それぞれ誘電加熱接着フィルムの表面及び断面状態を写真(倍率150倍)で示す。
2.高周波誘電加熱による接着
工程(1)として、25cm×12.5cmに切断した誘電加熱接着フィルム(接着フィルム)を、被着体として2枚のガラス繊維強化ポリプロピレン板(50mm×70mm×1.5mm)の間の所定場所に挟みこんだ。
次いで、工程(2)として、一対の被着体の片面側に、電極ユニットの両極が一面に設けられた片面印加装置を配置した。より具体的には、高周波誘電加熱接着装置(山本ビニター(株)製、テクノアイロン−400T)の電極ユニット(印加電極面積:25mm2)を配置した。
次いで、工程(3)として、電極ユニットを動作させて、高周波を印加することによって、誘電加熱接着フィルムを高周波誘電加熱させ、当該誘電加熱接着フィルムを介して、一対の被着体を接着した。
より具体的には、周波数40MHz、出力200Wの条件下に、30秒間、高周波を印加して、接着フィルムと被着体を接着させてなる接着構造体を作成した。
次いで、接着構造体の接着特性を評価すべく、当該接着構造体を試験片として、JIS K 6850に準拠して、万能引張試験機(インストロン社製インストロン5581)を用い、引張速度100mm/分の条件で、試験片の引張せん断力を測定し、さらには、破壊モードを観察した。
その結果、試験片の引張せん断力は13MPaであり、破断時に、凝集破壊が生じたことを確認した。
[実施例2]
実施例2において、厚さ400μmとした以外は、実施例1と同様の誘電加熱接着フィルムを作成して、それを用いて誘電加熱処理により接着構造体を得て、評価した。
すなわち、実施例1と同様に、工程(1)として、一対の被着体である2枚のガラス繊維強化ポリプロピレン板(50mm×70mm×1.5mm)の間に、誘電加熱接着フィルムを挟み、それを厚さ2mmの導体板としての金属板の上に載置した。
次いで、工程(2)として、一対の被着体の片面側に、片面印加装置として、テクノガン−400T(山本ビニター(株)製)における電極ユニット(印加電極面積:8mmφ)を配置した。
次いで、工程(3)として、電極ユニットを動作させて、周波数40MHz、出力200Wの条件下に、30秒間、高周波を印加して、接着構造体を作成し、これを試験片として、実施例1と同様に、接着特性の評価を引張せん断力の測定により行った。
その結果、試験片の引張せん断力は、15MPaであり、破断時に、凝集破壊が生じることが確認された。
なお、用いた誘電加熱接着フィルムの全光線透過率は、2.4%であり、誘電特性(tanδ/ε’)は、0.016であった。
[実施例3]
A1成分として、ランダムポリプロピレン樹脂(プライムポリマー社製、プライムポリプロF−744NP、融点:130℃、MFR:7g/10分、融解熱量:60J/g)50質量部と、A2成分として、ポリエステル樹脂(東洋紡(株)製、バイロンGM−915、融点:139℃、融解熱量:7J/g、重量平均分子量:45000)50質量部と、B成分として酸化亜鉛(堺化学工業社製LPZINC11,平均粒子径:11μm、表1中、B1と記載する。)169質量部と、をそれぞれ秤量した。
次いで、A1成分と、A2成分と、B成分とを予備混合した後、30mmφ二軸押出機のホッパーに供給し、シリンダー設定温度180〜200℃、ダイス温度200℃に設定し、溶融混練することにより、粒状のペレットを得た。
次いで、得られた粒状のペレットを、Tダイを設置した単軸押出機のホッパーに投入し、シリンダー温度を200℃、ダイス温度を200℃の条件として、Tダイからフィルム状溶融混練物を押し出し、室温に冷却させることにより、実施例3で用いる誘電加熱接着フィルムを得た。
なお、得られた誘電加熱接着フィルムの厚さは400μmであり、全光線透過率は20%、であり、誘電特性(tanδ/ε’)は0.015であった。
次いで、工程(1)として、1枚のガラス繊維強化ポリプロピレン板(25mm×100mm×1.5mm)と、1枚のABS板(25mm×100mm×1.5mm)の間の所定場所に、得られた誘電加熱接着フィルムを挟み、それを厚さ2mmの導体板としての金属板の上に載置した。
次いで、工程(2)として、一対の被着体の片面側に、片面印加装置として、テクノガン−400T(山本ビニター(株)製)における電極ユニット(印加電極面積:8mmφ)を配置した。
次いで、工程(3)として、電極ユニットを動作させて、周波数40MHz、出力200Wの条件下に、30秒間、高周波を印加して、接着構造体を作成し、これを試験片として、実施例1と同様に、接着特性の評価を引張せん断力の測定により行った。
その結果、得られた試験片の引張せん断力は、6MPaであり、破断時に、凝集破壊が生じることが確認された。
本発明の誘電加熱接着フィルムを用いてなる接着構造体の製造方法によれば、片面印加装置を用いた片側からの誘電加熱処理であっても、短時間で、被着体として、難接着性のポリプロピレン板等に対しても、強固な接着力が得られるようになった。
その上、本発明の誘電加熱接着フィルムを用いてなる接着構造体の製造方法にあれば、片面印加装置によって、外部片側から、任意箇所のみを局所的に加熱することができるため、大型で且つ複雑な立体構造体や、厚物で複雑な立体構造等において、高い寸法精度を求められる被着体であっても、迅速かつ強固に接着できるようになった。
10、10´:片面誘電加熱接着装置(片面印加装置)
12:第1被着体
13:誘電加熱接着フィルム
13a:熱可塑性樹脂(接着剤の主成分)
13b:誘電フィラー
14:第2被着体
15:接着構造体
16:一対の電極(グリッド電極)
16a:プラス極の高周波印加電極
16b:マイナス極の高周波印加電極
17:電極カバー(圧接治具)
18:電極ユニット
18a:電極ユニットの端部
18´:配線(電気ケーブル)
19:高周波発生装置
20:電源
20c:電気配線
21:取手
22:導体板
100:両面高周波誘電加熱装置(両面印加装置)

Claims (8)

  1. A成分としての熱可塑性樹脂、及びB成分としての誘電フィラーを含有した誘電加熱接着フィルムに、片面高周波誘電加熱装置を用いて、高周波を印加することにより高周波誘電加熱させ、同一もしくは異なる材料からなる一対の被着体を接着する接着構造体の製造方法であって、下記工程(1)〜(3)を含むことを特徴とする接着構造体の製造方法。
    (1)一対の被着体の間に、誘電加熱接着フィルムを挟持してなる積層体を形成する第1工程
    (2)積層体の片面側に、電極ユニットの両極が一面に設けられた、片面高周波誘電加熱装置を配置する第2工程
    (3)片面高周波誘電加熱装置の電極ユニットを動作させて、積層体の片面側から、高周波を印加することにより、誘電加熱接着フィルムを高周波誘電加熱させ、当該誘電加熱接着フィルムを介して、一対の被着体を接着する第3工程
  2. 前記第1工程において、前記誘電加熱接着フィルムとして、23℃における周波数40MHzの条件下、誘電正接であるtanδを誘電率であるε’で除してなる、tanδ/ε’で表される誘電特性を0.005以上の値とした誘電加熱接着フィルムを用いることを特徴とする請求項1に記載の接着構造体の製造方法。
  3. 前記第1工程において、前記誘電加熱接着フィルムとして、前記A成分としての熱可塑性樹脂100質量部に対して、前記B成分としての誘電フィラーの配合量を5〜800質量部の範囲内の値とした誘電加熱接着フィルムを用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の接着構造体の製造方法。
  4. 前記第2工程において、前記積層体の、前記電極ユニットを配置したのと反対面側に、導体板を配置することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の接着構造体の製造方法。
  5. 前記第2工程において、前記一対の被着体のうち、極性が相対的に小さい被着体の側に、前記電極ユニットを配置することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の接着構造体の製造方法。
  6. 前記第3工程において、高周波出力0.1〜20kW、及び高周波印加時間1秒〜40秒未満の条件で、前記誘電加熱処理を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の接着構造体の製造方法。
  7. 前記接着構造体として、車輌内外装部品用接着構造体を製造することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の接着構造体の製造方法。
  8. 前記接着構造体として、建築材料用接着構造体を製造することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の接着構造体の製造方法。
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