JP2020070365A - 高周波誘電加熱接着シート及び断熱構造体 - Google Patents

高周波誘電加熱接着シート及び断熱構造体 Download PDF

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直紀 田矢
智史 川田
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智史 川田
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Yuki Kawarada
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Abstract

【課題】木材と断熱材とを接合するための時間を短縮でき、接合時の作業性も向上できる高周波誘電加熱接着シートを提供すること。【解決手段】高周波誘電接着剤層を含む高周波誘電加熱接着シート10であって、前記高周波誘電接着剤層が、熱可塑性樹脂(A)及び誘電フィラー(B)を含有し、木材30と断熱材20とを接合することに用いられる高周波誘電加熱接着シート10。【選択図】図1

Description

本発明は、高周波誘電加熱接着シート及び断熱構造体に関する。
近年、一般的に接着することが困難な被着体同士を接着する方法として、例えば、所定の樹脂中に発熱材料を配合してなる接着剤を被着体の間に介在させ、誘電加熱処理、誘導加熱処理、超音波溶着処理又はレーザー溶着処理等を行う方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、接着剤を高周波により誘電加熱することによりプラスチックフォーム断熱板と表面材とを積層一体化する建材用プラスチックフォーム断熱材の製造方法が記載されている。
特開平07−259207号公報
特許文献1に記載された接着剤では、プラスチックフォーム断熱板と表面材とを一体化するために必要な処理時間が長いという課題がある。また、特許文献1に記載された接着剤は、プラスチックフォーム断熱板又は表面材に塗布する必要があるため、作業性が低いという課題がある。
本発明は、木材と断熱材とを接合するための時間を短縮でき、接合時の作業性も向上できる高周波誘電加熱接着シートを提供すること、並びに当該高周波誘電加熱接着シートを用いて木材と断熱材とを接合した断熱構造体を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、高周波誘電接着剤層を含む高周波誘電加熱接着シートであって、前記高周波誘電接着剤層が、熱可塑性樹脂(A)及び誘電フィラー(B)を含有し、木材と断熱材とを接合することに用いられる高周波誘電加熱接着シートが提供される。
本発明の一態様に係る高周波誘電加熱接着シートにおいて、前記熱可塑性樹脂(A)は、ポリオレフィン系樹脂又はオレフィン−酢酸ビニル共重合樹脂である、ことが好ましい。
本発明の一態様に係る高周波誘電加熱接着シートにおいて、前記誘電フィラー(B)は、酸化亜鉛であることが好ましい。
本発明の一態様に係る高周波誘電加熱接着シートにおいて、前記断熱材が、発泡体であることが好ましい。
本発明の一態様に係る高周波誘電加熱接着シートにおいて、前記高周波誘電接着剤層は、前記誘電フィラー(B)を、3体積%以上、40体積%以下含有することが好ましい。
本発明の一態様に係る高周波誘電加熱接着シートにおいて、前記高周波誘電接着剤層は、前記誘電フィラー(B)を、前記熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、5質量部以上、800質量部以下含有することが好ましい。
本発明の一態様に係る高周波誘電加熱接着シートにおいて、前記誘電フィラー(B)のJIS Z 8819−2:2001に準拠し測定される平均粒子径は、1μm以上、30μm以下であることが好ましい。
本発明の一態様に係る高周波誘電加熱接着シートにおいて、前記熱可塑性樹脂(A)のJIS K 7206:2016に準拠して測定されるビカット軟化点は、40℃以上、200℃以下であることが好ましい。
本発明の一態様に係る高周波誘電加熱接着シートにおいて、前記高周波誘電接着剤層のJIS K 7210−1:2014に準拠して測定される230℃におけるMFRが0.6g/10分以上、85g/10分以下であることが好ましい。
本発明の一態様に係る高周波誘電加熱接着シートにおいて、前記高周波誘電加熱接着シートの密度が3g/cm以下であることが好ましい。
本発明の一態様に係る高周波誘電加熱接着シートにおいて、前記高周波誘電接着剤層の5%重量減少温度が300℃以上であることが好ましい。
本発明の一態様に係る高周波誘電加熱接着シートは、1kHz以上、300MHz以下の高周波の印加により使用されることが好ましい。
本発明の一態様に係る高周波誘電加熱接着シートは、1秒以上、25秒以下の高周波の印加時間により使用されることが好ましい。
本発明の一態様によれば、前記木材と前記断熱材とが前述の本発明の一態様に係る高周波誘電加熱接着シートにより接合される、断熱構造体が提供される。
本発明の一態様によれば、前記木材として第1の木材と第2の木材とを含み、前記第1の木材と前記断熱材とが前述の本発明の一態様に係る高周波誘電加熱接着シートにより接合され、前記第2の木材と前記断熱材とが前述の本発明の一態様に係る高周波誘電加熱接着シートにより接合される、断熱構造体が提供される。
本発明の一態様によれば、木材と断熱材とを接合するための時間を短縮でき、接合時の作業性も向上できる高周波誘電加熱接着シートを提供できる。また、本発明の別の一態様によれば、前述の本発明の一態様に係る高周波誘電加熱接着シートを用いて木材と断熱材とを接合した断熱構造体を提供できる。
第1実施形態に係る断熱構造体の斜視図である。 第1実施形態において誘電加熱接着装置を用いて実施する誘電加熱処理を説明するための図である。 第2実施形態に係る断熱構造体の斜視図である。 第2実施形態において誘電加熱接着装置を用いて実施する誘電加熱処理を説明するための図である。
〔第1実施形態〕
[高周波誘電加熱接着シート]
本実施形態に係る高周波誘電加熱接着シートは、高周波誘電接着剤層を含む。高周波誘電接着剤層は、熱可塑性樹脂(A)及び誘電フィラー(B)を含有する。本実施形態に係る高周波誘電加熱接着シートは、木材と断熱材とを接合することに用いられる。本明細書において、熱可塑性樹脂(A)をA成分と称する場合もある。本明細書において、誘電フィラー(B)をB成分と称する場合もある。
高周波誘電加熱接着シート及び高周波誘電接着剤層の詳細については後述する。
(1)高周波誘電加熱接着シートの使用態様
本実施形態に係る高周波誘電加熱接着シートを用いて木材と断熱材とを接合することで、例えば、断熱構造体を製造できる。
(断熱構造体)
図1には、本実施形態の第1態様に係る断熱構造体1を示す斜視図が示されている。
本実施形態の第1態様に係る断熱構造体1は、断熱材20と、高周波誘電加熱接着シート10と、木材30と、を有する。断熱構造体1は、断熱材20と木材30との間に高周波誘電加熱接着シート10を含む。
高周波誘電加熱接着シート10の詳細については後述する。
(断熱材)
断熱材20の形状は、特に限定されない。図1に示すようなパネル状の断熱構造体1を得る場合には、断熱材20は、板状又はシート状であることが好ましい。
断熱材20は、発泡体(発泡断熱材)又は繊維系断熱材であることが好ましく、発泡体であることがより好ましい。発泡体としては、樹脂発泡体であることが好ましい。樹脂発泡体としては、例えば、発泡スチロール、発泡ウレタン、発泡ポリプロピレン、発泡ポリエチレン及び発泡フェノール等が挙げられる。繊維系断熱材としては、無機繊維系断熱材が好ましく、無機繊維系断熱材としては、例えば、グラスウール及びロックウールが挙げられる。
断熱材20の厚さは、1mm以上であることが好ましく、5mm以上であることがより好ましく、15mm以上であることがさらに好ましい。
断熱材20の厚さは、200mm以下であることが好ましく、175mm以下であることがより好ましく、150mm以下であることがさらに好ましい。
断熱材20の厚さが、1mm以上であれば、断熱構造体1の断熱効果を高め易い。
断熱材20の厚さが、200mm以下であれば、断熱構造体1は、省スペース化に寄与できる。
(木材)
木材30の形状は、特に限定されない。図1に示すようなパネル状の断熱構造体1を得る場合には、木材30は、板状又はシート状であることが好ましい。
木材30は、木質板であることが好ましい。木質板としては、木材単板、合板、集成材、単板積層材(LVL:Laminated Veneer Lumber)、配向性ボード(OSB:Oriented Strand Board)、パーティクルボード、中密度繊維板(MDF:Medium Density Fiberboard)及び高密度繊維板(HDF:High Density Fiberboard)等が挙げられる。
木材30の厚さは、1mm以上であることが好ましく、3mm以上であることがより好ましく、5mm以上であることがさらに好ましい。
木材の厚さは、50mm以下であることが好ましく、40mm以下であることがより好ましく、30mm以下であることがさらに好ましい。
木材30の厚さが、1mm以上であれば、断熱構造体1の強度を得易い。
木材30の厚さが、50mm以下であれば、断熱構造体1を軽量化し易い。
断熱構造体1は、断熱性が要求される用途に使用できる。断熱構造体1の用途としては、断熱用途であれば特に限定されないが、例えば、家屋等の建物における屋根パネル、床パネル及び壁パネル等が挙げられる。
断熱構造体1の寸法は、特に限定されない。
断熱構造体1が家屋等の建物用の断熱パネルである場合、幅、長さ及び厚さは、次のような寸法であることが好ましい。
断熱構造体1の幅は、例えば、1500mm以上、2000mm以下であることが好ましい。
断熱構造体1の長さは、例えば、7000mm以下であることが好ましい。
断熱構造体1の厚さは、例えば、100mm以上、300mm以下であることが好ましい。
(2)木材と断熱材との接合方法
木材と断熱材とは、誘電加熱処理によって接合することが好ましく、下記工程(1)及び工程(2)を含む接合方法によって接合することがより好ましい。
工程(1):木材と断熱材との間に、高周波誘電加熱接着シートを挟持する工程
工程(2):木材と断熱材との間に挟持した、高周波誘電加熱接着シートに対して、誘電加熱接着装置を用いて、誘電加熱処理を行う工程
工程(1)は、高周波誘電加熱接着シートを、所定場所に配置する工程である。具体的には、工程(1)は、木材30と断熱材20との間に、高周波誘電加熱接着シート10を挟持する工程である。
高周波誘電加熱接着シート10は、木材30と断熱材20とを接合できるように、木材30と断熱材20との間に挟持すればよい。高周波誘電加熱接着シート10は、木材30と断熱材20との間の一部において、複数個所において又は全面において挟持すればよい。木材30と断熱材20との接合強度を向上させる観点から、木材30と断熱材20との接合面全体に亘って高周波誘電加熱接着シート10を挟持することが好ましい。また、木材30と断熱材20との間の一部において高周波誘電加熱接着シート10を挟持する一態様としては、木材30と断熱材20との接合面の外周に沿って高周波誘電加熱接着シート10を枠状に配置して、木材30と断熱材20との間で挟持する態様が挙げられる。このように高周波誘電加熱接着シート10を枠状に配置することで、木材30と断熱材20との接合強度を得るとともに、接合面全体に亘って高周波誘電加熱接着シート10を配置した場合に比べて断熱構造体1を軽量化できる。また、木材30と断熱材20との間の一部に高周波誘電加熱接着シート10を挟持する一態様によれば、用いる高周波誘電加熱接着シート10のサイズを小さくできるため、接合面全体に亘って高周波誘電加熱接着シート10を配置した場合に比べて高周波誘電加熱処理時間を短縮できる。
工程(2)は、木材30と断熱材20との間に挟持した、高周波誘電加熱接着シート10に対して、誘電加熱接着装置を用いて、誘電加熱処理を行う工程である。
次に、工程(2)において使用する誘電加熱接着装置及びその誘電加熱処理の条件について、説明する。ここでは、断熱構造体1を製造する例を挙げて説明する。
(3)誘電加熱接着装置
図2には、誘電加熱接着装置100の概略図が示されている。
誘電加熱接着装置100は、第1高周波印加電極160と、第2高周波印加電極180と、高周波電源200と、を備えている。
第1高周波印加電極160と、第2高周波印加電極180とは、互いに対向配置されている。第1高周波印加電極160及び第2高周波印加電極180は、プレス機構を有している。このプレス機構により、断熱材20、高周波誘電加熱接着シート10及び木材30を、第1高周波印加電極160と第2高周波印加電極180との間で加圧処理できる。
第1高周波印加電極160及び第2高周波印加電極180のそれぞれに、例えば、周波数28MHz程度又は周波数40MHz程度の高周波を印加するための高周波電源200が接続されている。
誘電加熱接着装置100は、図2に示すように、断熱材20及び木材30との間に挟持した高周波誘電加熱接着シート10を介して、誘電加熱処理する。さらに、誘電加熱接着装置100は、誘電加熱処理に加えて、第1高周波印加電極160及び第2高周波印加電極180による加圧処理によって、断熱材20と木材30とを接着する。
第1高周波印加電極160及び第2高周波印加電極180の間に、高周波電界を印加すると、断熱材20及び木材30の重ね合わせ部分において、高周波誘電加熱接着シート10における接着剤成分中に分散された誘電フィラー(図示せず)が、高周波エネルギーを吸収する。
そして、B成分としての誘電フィラーは、発熱源として機能し、その発熱によって、A成分としての熱可塑性樹脂成分を溶融させ、短時間処理であっても、最終的には、断熱材20と木材30とを強固に接着できる。
第1高周波印加電極160及び第2高周波印加電極180は、プレス機構を有することから、プレス装置としても機能する。そのため、第1高周波印加電極160及び第2高周波印加電極180による圧縮方向への加圧及び高周波誘電加熱接着シート10の加熱溶融によって、断熱材20と木材30とをより強固に接着できる。
(4)高周波誘電加熱接着条件
高周波誘電加熱接着条件は、適宜変更できるが、以下の条件であることが好ましい。
高周波出力は、0.01kW以上であることが好ましく、0.05kW以上であることがより好ましく、0.1kW以上であることがさらに好ましい。
高周波出力は、50kW以下であることが好ましく、20kW以下であることが好ましく、15kW以下であることがより好ましく、10kW以下であることがさらに好ましい。
高周波出力が0.01kW以上であれば、誘電加熱処理によって、温度が上昇し難く、良好な接着力が得られないという不具合を防ぎ易い。
高周波出力が50kW以下であれば、誘電加熱処理による温度制御が困難となる不具合を防ぎ易い。
高周波の印加時間は、1秒以上であることが好ましい。
高周波の印加時間は、60秒以下が好ましく、45秒以下が好ましく、35秒以下であることが好ましく、25秒以下であることがより好ましく、10秒以下であることがさらに好ましい。
高周波の印加時間が1秒以上であれば、誘電加熱処理によって、温度が上昇し難く、良好な接着力が得られないという不具合を防ぎ易い。
高周波の印加時間が60秒以下であれば、断熱構造体の製造効率が低下したり、製造コストが高くなったり、さらには、木材及び断熱材が熱劣化するといった不具合を防ぎ易い。
高周波の周波数は、1kHz以上であることが好ましく、1MHz以上であることがより好ましく、5MHz以上であることがさらに好ましく、10MHz以上であることがよりさらに好ましい。
高周波の周波数は、300MHz以下であることが好ましく、100MHz以下であることがより好ましく、80MHz以下であることがさらに好ましく、50MHz以下であることがよりさらに好ましい。具体的には、国際電気通信連合により割り当てられた工業用周波数帯13.56MHz、27.12MHz又は40.68MHzが、本実施形態の高周波誘電加熱接着方法にも利用される。
(5)高周波誘電加熱接着シート及び高周波誘電接着剤層
本実施形態に係る高周波誘電加熱接着シートは、一態様としては高周波誘電接着剤層の一層のみからなる。なお、本発明に係る高周波誘電加熱接着シートは、高周波誘電接着剤層の一層のみからなる態様に限定されず、高周波誘電加熱接着シートの変形例としては、高周波誘電接着剤層以外の層が積層されている態様も挙げられる。
このように、高周波誘電加熱接着シートは、高周波誘電接着剤層の一層のみからなる場合があるため、本明細書において、「高周波誘電加熱接着シート」という用語と、「高周波誘電接着剤層」という用語は、場合によっては、互いに入れ替えることが可能である。
(5.1)熱可塑性樹脂(A)
熱可塑性樹脂(A)の種類は、特に制限されない。
熱可塑性樹脂(A)は、例えば、融解し易いとともに、所定の耐熱性を有する等の観点から、ポリオレフィン系樹脂、極性部位を有するポリオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、フェノキシ系樹脂及びポリエステル系樹脂からなる群から選択される少なくとも一種であることが好ましい。
熱可塑性樹脂(A)は、ポリオレフィン系樹脂又は極性部位を有するポリオレフィン系樹脂であることが好ましい。
熱可塑性樹脂(A)としてのポリオレフィン系樹脂は、極性部位を有さないポリオレフィン系樹脂でもよい。
(ポリオレフィン系樹脂)
熱可塑性樹脂(A)としてのポリオレフィン系樹脂は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン及びポリメチルペンテン等のホモポリマーからなる樹脂、並びにエチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン、オクテン及び4−メチルペンテン等からなる群から選択されるモノマーの共重合体からなるα−オレフィン樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂(A)としてのポリオレフィン系樹脂は、一種単独の樹脂でもよいし、二種以上の樹脂の組み合わせでもよい。
熱可塑性樹脂(A)としてのポリオレフィン系樹脂は、融点又は軟化点の調整が容易であること、安価であること、機械的強度に優れていること及び透明性に優れていることから、ポリプロピレン樹脂が、さらに好ましい。
(極性部位を有するポリオレフィン系樹脂)
極性部位を有するポリオレフィン系樹脂における極性部位は、ポリオレフィン系樹脂に対して極性を付与できる部位であれば特に限定されない。
熱可塑性樹脂(A)は、オレフィン系モノマーと極性部位を有するモノマーとの共重合体であってもよい。また、熱可塑性樹脂(A)は、オレフィン系モノマーの重合によって得られたオレフィン系ポリマーに極性部位を付加反応等の変性により導入させた樹脂でも良い。
熱可塑性樹脂(A)としての極性部位を有するポリオレフィン系樹脂を構成するオレフィン系モノマーの種類については、特に制限されない。オレフィン系モノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン、オクテン及び4−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。オレフィン系モノマーは、これらの一種単独で用いられてもよく、二種以上の組み合わせで用いられてもよい。
オレフィン系モノマーは、機械的強度に優れ、安定した接着特性が得られるという観点から、エチレン及びポリプロピレンが好ましい。
極性部位を有するポリオレフィン系樹脂におけるオレフィン由来の構成単位は、エチレン又はプロピレンに由来する構成単位であることが好ましい。
極性部位としては、例えば、水酸基、カルボキシ基、酢酸ビニル構造、酸無水物構造及び酸変性によってポリオレフィン系樹脂に導入される酸変性構造等が挙げられる。
極性部位としての酸変性構造は、ポリオレフィン系樹脂を酸変性することによって導入される部位である。ポリオレフィン系樹脂をグラフト変性する際に用いる化合物としては、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の酸無水物及び不飽和カルボン酸のエステルのいずれかから導かれる不飽和カルボン酸誘導体成分が挙げられる。
不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸及びシトラコン酸などが挙げられる。
不飽和カルボン酸の酸無水物としては、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸及び無水シトラコン酸等の不飽和カルボン酸の酸無水物などが挙げられる。
不飽和カルボン酸のエステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸モノメチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、シトラコン酸ジメチル、シトラコン酸ジエチル及びテトラヒドロ無水フタル酸ジメチル等の不飽和カルボン酸のエステルなどが挙げられる。
熱可塑性樹脂(A)がオレフィン系モノマーと極性部位を有するモノマーとの共重合体である場合、当該共重合体は、極性部位を有するモノマー由来の構成単位を2質量%以上含むことが好ましく、4質量%以上含むことがより好ましく、5質量%以上含むことがさらに好ましく、6質量%以上含むことがよりさらに好ましい。また、当該共重合体は、極性部位を有するモノマー由来の構成単位を30質量%以下含むことが好ましく、25質量%以下含むことがより好ましく、20質量%以下含むことがさらに好ましく、15質量%以下含むことが特に好ましい。
当該共重合体が極性部位を有するモノマー由来の構成単位を2質量%以上含むことで、高周波誘電加熱接着シートの接着強度が向上する。また、当該共重合体が極性部位を有するモノマー由来の構成単位を30質量%以下含むことで、熱可塑性樹脂(A)のタックが強くなり過ぎることを抑制できる。その結果、高周波誘電加熱接着シートの成形加工が困難になるのを防止できる。
熱可塑性樹脂(A)としてのポリオレフィン系樹脂が酸変性構造を有する場合、酸による変性率は、0.01質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましく、0.2質量%以上であることがさらに好ましい。
熱可塑性樹脂(A)としてのポリオレフィン系樹脂が酸変性構造を有する場合、酸による変性率は、30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることがさらに好ましい。
熱可塑性樹脂(A)が酸変性構造を有する場合、酸による変性率が、0.01質量%以上であることで、高周波誘電加熱接着シートの接着強度が向上する。また、酸による変性率が30質量%以下であることで、熱可塑性樹脂(A)のタックが強くなり過ぎることを抑制できる。その結果、高周波誘電加熱接着シートの成形加工が困難になるのを防止できる。
本明細書において、変性率は、酸変性ポリオレフィンの総質量に対する酸に由来する部分の質量の百分率である。
(無水マレイン酸変性ポリオレフィン)
熱可塑性樹脂(A)としてのポリオレフィン系樹脂は、酸変性構造として、酸無水物構造を有することがより好ましい。酸無水物構造は、無水マレイン酸によってポリオレフィン系樹脂を変性した際に導入される構造であることが好ましい。
A成分としての無水マレイン酸変性ポリオレフィンにおいて、無水マレイン酸による変性率は、熱可塑性樹脂(A)としてのポリオレフィン系樹脂が酸変性構造を有する場合の変性率と同様の範囲であることが好ましく、当該範囲内であることで得られる効果も、熱可塑性樹脂(A)としてのポリオレフィン系樹脂が酸変性構造を有する場合と同様である。
無水マレイン酸変性ポリオレフィンにおけるオレフィン由来の構成単位は、エチレン又はプロピレンに由来する構成単位であることが好ましい。すなわち、無水マレイン酸変性ポリオレフィンは、無水マレイン酸変性ポリエチレン樹脂又は無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂であることが好ましい。
(オレフィン−酢酸ビニル共重合樹脂)
本実施形態に係る熱可塑性樹脂(A)は、オレフィン由来の構成単位と、酢酸ビニル由来の構成単位とを含む共重合体(オレフィン−酢酸ビニル共重合樹脂)であることも好ましい。
熱可塑性樹脂(A)としてのオレフィン−酢酸ビニル共重合樹脂は、酢酸ビニル由来の構成単位を、熱可塑性樹脂(A)がオレフィン系モノマーと極性部位を有するモノマーとの共重合体における極性部位を有するモノマー由来の構成単位と同様の範囲で有することが好ましく、当該範囲内で得られる効果も、熱可塑性樹脂(A)がオレフィン系モノマーと極性部位を有するモノマーとの共重合体である場合と同様である。
オレフィン−酢酸ビニル共重合樹脂におけるオレフィン由来の構成単位は、機械的強度に優れ、安定した接着性を得られるという観点から、エチレン又はプロピレンに由来する構成単位であることが好ましい。
したがって、熱可塑性樹脂(A)は、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂及びプロピレン−酢酸ビニル共重合樹脂の少なくとも一種であることが好ましく、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂であることがより好ましい。エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂及びプロピレン−酢酸ビニル共重合樹脂における酢酸ビニル由来の構成単位についても、オレフィン−酢酸ビニル共重合樹脂について説明した百分率(質量%)と同様の範囲であることが好ましい。
(ビカット軟化点)
熱可塑性樹脂(A)のJIS K 7206:2016に準拠して測定されるビカット軟化点は、40℃以上であることが好ましく、50℃以上であることがより好ましく、60℃以上であることがさらに好ましい。
熱可塑性樹脂(A)のJIS K 7206:2016に準拠して測定されるビカット軟化点は、200℃以下であることが好ましく、150℃以下であることが好ましく、130℃以下であることがより好ましく、100℃以下であることがさらに好ましい。
熱可塑性樹脂(A)のビカット軟化点が、40℃以上であれば、高周波誘電接着剤層の耐熱性を向上させることができる。本実施形態に係る高周波誘電加熱接着シートを用いて木材と断熱材とを接合させて得た断熱構造体を屋根パネルとして用いた場合、真夏のように屋根が高温(例えば、75℃程度)になっても、木材と断熱材との接合状態を確保できる。
熱可塑性樹脂(A)のビカット軟化点が、200℃以下であれば、短時間で安定した接合強度が得られ易くなる。
(平均分子量)
熱可塑性樹脂(A)の平均分子量(重量平均分子量)は、通常、5000以上であることが好ましく、1万以上であることがより好ましく、2万以上であることがさらに好ましい。
熱可塑性樹脂(A)の平均分子量(重量平均分子量)は、30万以下であることが好ましく、20万以下であることがより好ましく、10万以下であることがさらに好ましい。
熱可塑性樹脂(A)の重量平均分子量が、5000以上であれば、耐熱性及び接着力が著しく低下することを防止できる。
熱可塑性樹脂(A)の重量平均分子量が、30万以下であれば、誘電加熱処理を実施した際の溶着性等が著しく低下することを防止できる。
熱可塑性樹脂(A)の重量平均分子量は、例えば、JIS K 7367−3:1999に準拠して、極限粘度法により測定できる。
(メルトフローレート)
熱可塑性樹脂(A)のメルトフローレート(Melt flow rate,MFR)は、通常、JIS K 7210−1:2014に準拠して測定した値が、次のような範囲であることが好ましい。
熱可塑性樹脂(A)のMFRは、後述の条件下で、0.5g/10分以上であることが好ましく、0.8g/10分以上であることがより好ましく、1g/10分以上であることがさらに好ましい。
熱可塑性樹脂(A)のMFRは、後述の条件下で、30g/10分以下であることが好ましく、20g/10分以下であることがより好ましく、15g/10分以下であることがさらに好ましい。
熱可塑性樹脂(A)のMFRが0.5g/10分以上であれば、流動性が維持でき、膜厚精度が得られ易い。また、熱可塑性樹脂(A)のMFRが0.5g/10分以上であれば、発泡体及び木材のような表面に凹凸を有する被着体に対する高周波誘電加熱接着シートの追従性が向上する。
熱可塑性樹脂(A)のMFRが30g/10分以下であれば、造膜性を得易い。
なお、熱可塑性樹脂(A)のMFRの値は、JIS K 7210−1:2014に準拠し、所定の試験温度、2.16kg荷重の条件下で測定できる。
試験温度は、JIS K 7210−1:2014に準拠する。例えば、熱可塑性樹脂(A)におけるオレフィン由来の構成単位がポリエチレンの場合、試験温度は、190℃である。熱可塑性樹脂(A)におけるオレフィン由来の構成単位がポリプロピレンの場合、試験温度は、230℃である。
(5.2)誘電フィラー(B)
(種類)
誘電フィラー(B)は、1kHz以上、300MHz以下の高周波の印加により発熱することが好ましい。さらに、誘電フィラー(B)は、例えば、周波数28MHz又は40MHz等の高周波の印加により、発熱可能な高誘電損率を有する高周波吸収性充填剤であることが好ましい。
誘電フィラー(B)は、酸化亜鉛、炭化ケイ素(SiC)、アナターゼ型酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸バリウム、チタン酸鉛、ニオブ酸カリウム、ルチル型酸化チタン、水和ケイ酸アルミニウム、アルカリ金属の水和アルミノケイ酸塩等の結晶水を有する無機材料又はアルカリ土類金属の水和アルミノケイ酸塩等の結晶水を有する無機材料等の一種単独又は二種以上の組み合わせが好適である。
誘電フィラー(B)は、金属酸化物であることが好ましく、酸化亜鉛であることがより好ましい。誘電フィラー(B)としての酸化亜鉛は、種類が豊富であり、様々な形状及びサイズから選択できる。さらに、誘電フィラー(B)が酸化亜鉛であれば、高周波誘電加熱接着シートの接着特性及び機械特性を用途に合わせて改良できる。
誘電フィラー(B)としての酸化亜鉛は、接着剤成分である熱可塑性樹脂(A)中へ均一に配合し易い。そのため、高周波誘電接着剤層中の酸化亜鉛の配合量が、比較的、少量であっても、所定の誘電加熱処理において、他の誘電フィラーを配合した高周波誘電加熱接着シートと比較して、優れた発熱効果を発揮できる。
したがって、高周波誘電接着剤層が、誘電フィラー(B)として酸化亜鉛を含んでいることで、木材と断熱材とを接合するための誘電加熱処理において、優れた溶着性が得られる。
本実施形態に係る高周波誘電接着剤層は、導電性物質を含有しないことが好ましい。導電性物質としては、炭素又は炭素を主成分とする炭素化合物(例えば、カーボンブラック等)及び金属等が挙げられる。導電性物質の含有量は、高周波誘電接着剤層の全体量基準で、5質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以下であることがさらに好ましく、0質量%であることがよりさらに好ましい。高周波誘電接着剤層中の導電性物質の含有量が5質量%以下であれば、誘電加熱処理した際に電気絶縁破壊して接着部及び被着体の炭化という不具合を防止できる。
(平均粒子径)
誘電フィラー(B)のJIS Z 8819−2:2001に準拠し測定される平均粒子径(メディアン径、D50)は、1μm以上であることが好ましく、2μm以上であることがより好ましく、3μm以上であることがさらに好ましい。
誘電フィラー(B)のJIS Z 8819−2:2001に準拠し測定される平均粒子径(メディアン径、D50)は、30μm以下であることが好ましく、25μm以下であることがより好ましく、20μm以下であることがさらに好ましい。
誘電フィラー(B)の平均粒子径が小さ過ぎると、高周波印加した際の反転運動が低下するため、誘電加熱接着性が過度に低下し、被着体間の強固な接着が困難となる場合がある。
一方、誘電フィラー(B)の平均粒子径が増大するにつれて、フィラー内部で分極できる距離が大きくなる。そのため、分極の度合いが大きくなり、高周波印加した際の反転運動が激しくなり、誘電加熱接着性が向上する。
したがって、誘電フィラー(B)の平均粒子径が1μm以上であれば、フィラーの種類にもよるが、フィラー内部で分極できる距離が小さくなり過ぎず、分極の度合いが小さくなることを防ぐことができる。
誘電フィラー(B)の平均粒子径が大き過ぎると、周囲の誘電フィラーとの距離が短いため、その電荷の影響を受けて高周波印加した際の反転運動が低下し、誘電加熱接着性が過度に低下したり、あるいは、被着体間の強固な接着が困難となったりする場合がある。
そのため、誘電フィラー(B)の平均粒子径が30μm以下であれば、誘電加熱接着性が過度に低下すること、並びに被着体間の強固な接着が困難となることを防止できる。
誘電フィラー(B)が酸化亜鉛である場合、平均粒子径は、10μm以上、20μm以下であることが好ましい。
なお、誘電フィラー(B)の平均粒子径は、高周波誘電接着剤層の厚さよりも小さい値であることが好ましい。
(体積含有率)
本実施形態に係る高周波誘電加熱接着シートは、誘電フィラー(B)を、高周波誘電接着剤層中に3体積%以上含有することが好ましく、5体積%以上含有することがより好ましく、13体積%以上含有することがさらに好ましい。
本実施形態に係る高周波誘電加熱接着シートは、誘電フィラー(B)を、高周波誘電接着剤層中に40体積%以下含有することが好ましく、35体積%以下含有することがより好ましく、25体積%以下含有することがさらに好ましい。
誘電フィラー(B)の体積含有率が、3体積%以上であれば、誘電加熱処理の際に発熱性が乏しくなることを防止できる。その結果、熱可塑性樹脂(A)の溶融性が過度に低下して強固な接着力が得られないという不具合を防止できる。
誘電フィラー(B)の体積含有率が、40体積%以下であれば、誘電加熱処理の際に、高周波誘電加熱接着シートの流動性が低下したり、高周波を印加した際に電極間で通電したりすることを防止できる。また、誘電フィラー(B)の体積含有率が、40体積%以下であれば、高周波誘電加熱接着シートの製膜性、フレキシブル性及び靭性の低下を防止できる。
なお、本実施形態に係る高周波誘電接着剤層は、熱可塑性樹脂(A)及び誘電フィラー(B)を含んでいるため、熱可塑性樹脂(A)及び誘電フィラー(B)の合計体積に対して、誘電フィラー(B)を3体積%以上含有していることが好ましく、5体積%以上含有していることがより好ましく、13体積%以上含有していることがさらに好ましい。
本実施形態に係る高周波誘電接着剤層は、熱可塑性樹脂(A)及び誘電フィラー(B)の合計体積に対して、誘電フィラー(B)を40体積%以下含有していることが好ましく、35体積%以下含有していることがより好ましく、25体積%以下含有していることがさらに好ましい。
(質量部数)
本実施形態に係る高周波誘電接着剤層は、誘電フィラー(B)を、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、5質量部以上含有することが好ましく、20質量部以上含有することが好ましく、30質量部以上含有することがより好ましく、50質量部以上含有することがより好ましく、100質量部以上含有することがさらに好ましい。
本実施形態に係る高周波誘電接着剤層は、誘電フィラー(B)を、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、800質量部以下含有することが好ましく、400質量部以下含有することが好ましく、300質量部以下含有することがより好ましく、200質量部以下含有することがさらに好ましい。
誘電フィラー(B)の質量部数が、5質量部以上であれば、誘電加熱処理の際に発熱性が乏しくなることを防止できる。その結果、熱可塑性樹脂(A)の溶融性が過度に低下して強固な接着力が得られないという不具合を防止できる。
誘電フィラー(B)の質量部数が、800質量部以下であれば、誘電加熱処理の際に、高周波誘電加熱接着シートの流動性が低下したり、高周波を印加した際に電極間で通電したりすることを防止できる。また、誘電フィラー(B)の質量部数が、800質量部以下であれば、高周波誘電加熱接着シートの製膜性、フレキシブル性及び靭性の低下を防止できる。
本実施形態に係る高周波誘電加熱接着シートにおいては、高周波誘電接着剤層の全体質量に対して、熱可塑性樹脂(A)及び誘電フィラー(B)の合計質量は、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、99質量%以上であることがさらに好ましい。
(5.3)添加剤
本実施形態に係る高周波誘電接着剤層は、添加剤を含んでいてもよいし、添加剤を含んでいなくてもよい。
本実施形態に係る高周波誘電接着剤層が添加剤を含む場合、添加剤としては、例えば、粘着付与剤、可塑剤、ワックス、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、カップリング剤、粘度調整剤、有機充填剤及び無機充填剤等が挙げられる。添加剤としての有機充填剤及び無機充填剤は、B成分としての誘電フィラーとは異なる。
粘着付与剤及び可塑剤は、高周波誘電接着剤層の溶融特性及び接着特性を改良することができる。
粘着付与剤としては、例えば、ロジン誘導体、ポリテルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂の水素化物、テルペンフェノール樹脂、クマロン・インデン樹脂、脂肪族石油樹脂、芳香族石油樹脂及び芳香族石油樹脂の水素化物が挙げられる。
可塑剤としては、例えば、石油系プロセスオイル、天然油、二塩基酸ジアルキル及び低分子量液状ポリマーが挙げられる。石油系プロセスオイルとしては、例えば、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル及び芳香族系プロセスオイル等が挙げられる。天然油としては、例えば、ひまし油及びトール油等が挙げられる。二塩基酸ジアルキルとしては、例えば、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル及びアジピン酸ジブチル等が挙げられる。低分子量液状ポリマーとしては、例えば、液状ポリブテン及び液状ポリイソプレン等が挙げられる。
本実施形態に係る高周波誘電接着剤層が添加剤を含む場合、高周波誘電接着剤層は、通常、高周波誘電接着剤層の全体量基準で、添加剤を0.01質量%以上含有することが好ましく、0.05質量%以上含有することがより好ましく、0.1質量%以上含有することがさらに好ましい。また、本実施形態に係る高周波誘電接着剤層が添加剤を含む場合、高周波誘電接着剤層は、高周波誘電接着剤層の全体量基準で、添加剤を20質量%以下含有することが好ましく、15質量%以下含有することがより好ましく、10質量%以下含有することがさらに好ましい。
本実施形態に係る高周波誘電接着剤層は、前述の各成分(熱可塑性樹脂(A)及び誘電フィラー(B)。必要に応じてさらに添加剤)を予備混合し、公知の混練装置を用いて混練し、公知の成形方法により製造できる。混練装置としては、例えば、押出機及び熱ロール等が挙げられる。成形方法としては、例えば、押出成形、カレンダー成形、インジェクション成形及びキャスティング成形等が挙げられる。
(6)高周波誘電加熱接着シートの形態及び特性
本実施形態に係る高周波誘電加熱接着シートが、高周波誘電接着剤層の一層のみからなる場合は、高周波誘電加熱接着シートの形態及び特性は、高周波誘電接着剤層の形態及び特性に相当する。
(厚さ)
本実施形態に係る高周波誘電接着剤層の厚さは、通常、10μm以上であることが好ましく、50μm以上であることがより好ましく、100μm以上であることがさらに好ましい。
本実施形態に係る高周波誘電接着剤層の厚さは、2,000μm以下であることが好ましく、1,000μm以下であることがより好ましく、600μm以下であることがさらに好ましい。
高周波誘電接着剤層の厚さが10μm以上であれば、被着体同士の接着力が急激に低下することを防止できる。また、高周波誘電接着剤層の厚さが10μm以上であれば、被着体の接着面に凹凸がある場合、高周波誘電接着剤層が当該凹凸に追従可能になり、接着強度が発現し易くなる。
高周波誘電接着剤層の厚さが2,000μm以下であれば、長尺物として、ロール状に巻いたり、ロール・ツー・ロール方式に適用したりすることもできる。また、抜き加工などの次工程で高周波誘電加熱接着シートの取り扱いが容易となる。また、高周波誘電接着剤層の厚さが増すほど接着構造体(断熱構造体)全体の重量も増加するため、使用上問題の生じない範囲の厚さであることが好ましい。
(誘電特性(tanδ/ε’))
本実施形態に係る高周波誘電加熱接着シートの誘電特性としての誘電正接(tanδ)及び誘電率(ε’)は、JIS C 2138:2007に準拠して測定することもできるが、インピーダンスマテリアル法に準じて、簡便かつ正確に測定することができる。
本実施形態に係る高周波誘電加熱接着シートの誘電特性(tanδ/ε’)は、0.005以上であることが好ましく、0.008以上であることがより好ましく、0.01以上であることがさらに好ましい。
本実施形態に係る高周波誘電加熱接着シートの誘電特性(tanδ/ε’)は、0.05以下であることが好ましく、0.03以下であることがより好ましい。誘電特性(tanδ/ε’)は、インピーダンスマテリアル装置等を用いて測定される誘電正接(tanδ)を、インピーダンスマテリアル装置等を用いて測定される誘電率(ε’)で除した値である。
高周波誘電加熱接着シートの誘電特性が、0.005以上であれば、誘電加熱処理をした際に、所定の発熱をせずに、木材と断熱材とを強固に接着することが困難となるという不具合を防止できる。
但し、高周波誘電加熱接着シートの誘電特性が、過度に大きくなると、木材及び断熱材の損傷が起き易くなる。
なお、高周波誘電加熱接着シートの誘電特性の測定方法の詳細は、次の通りである。所定大きさに切断した高周波誘電加熱接着シートについて、インピーダンスマテリアルアナライザE4991(Agilent社製)を用いて、23℃における周波数40MHzの条件下、誘電率(ε’)及び誘電正接(tanδ)をそれぞれ測定し、誘電特性(tanδ/ε’)の値を算出する。
(メルトフローレート)
本実施形態に係る高周波誘電接着剤層のJIS K 7210−1:2014に準拠して測定されるメルトフローレート(Melt flow rate,MFR)が0.6g/10分以上であることが好ましく、1.0g/10分以上であることがより好ましく、1.2g/10分以上であることがさらに好ましく、2.0g/10分以上であることが特に好ましい。
本実施形態に係る高周波誘電接着剤層のJIS K 7210−1:2014に準拠して測定されるメルトフローレートは、85g/10分以下であることが好ましく、55g/10分以下であることがより好ましく、40g/10分以下であることがさらに好ましく、20g/10分以下であることがさらに好ましく、10g/10分以下であることが特に好ましい。
本明細書において、高周波誘電接着剤層のMFRを測定する際の試験温度は、230℃であり、荷重は、2.16kgである。
高周波誘電接着剤層のMFRが0.6g/10分以上であれば、流動性が維持でき、膜厚精度が得られ易い。
高周波誘電接着剤層のMFRが85g/10分以下であれば、造膜性が得られ易い。
(ビカット軟化点)
高周波誘電加熱接着シートのJIS K 7206:2016に準拠して測定されるビカット軟化点は、50℃以上であることが好ましく、60℃以上であることがより好ましく、70℃以上であることがさらに好ましい。
高周波誘電加熱接着シートのJIS K 7206:2016に準拠して測定されるビカット軟化点は、210℃以下であることが好ましく、160℃以下であることが好ましく、140℃以下であることがより好ましく、110℃以下であることがさらに好ましい。
高周波誘電加熱接着シートのビカット軟化点が、50℃以上であれば、高周波誘電接着剤層の耐熱性を向上させることができる。本実施形態に係る高周波誘電加熱接着シートを用いて木材と断熱材とを接合させて得た断熱構造体を屋根パネルとして用いた場合、真夏のように屋根が高温(例えば、75℃程度)になっても、木材と断熱材との接合状態を確保できる。
高周波誘電加熱接着シートのビカット軟化点が、210℃以下であれば、短時間で安定した接合強度が得られ易くなる。
(密度)
本実施形態に係る高周波誘電加熱接着シートの密度は、3g/cm以下であることが好ましく、2.5g/cm以下であることがより好ましく、2g/cm以下であることがさらに好ましい。
高周波誘電加熱接着シートの密度は、0.85g/cm以上であることが好ましく、0.87g/cm以上であることがより好ましく、0.89g/cm以上であることがさらに好ましい。
高周波誘電加熱接着シートの密度が3g/cm以下であれば、高周波誘電加熱接着シートの自重による撓みを防止し、木材と断熱材との接合部位における剥離のきっかけが生じることを防止できる。
高周波誘電加熱接着シートの密度が3g/cm以下であれば、断熱構造体の重量の増加を抑制できるため、断熱構造体を用いて家屋の施工時の作業性を向上できる。
また、高周波誘電加熱接着シートの密度が0.85g/cm以上であれば、ロール・ツー・ロール方式でシート成形を行う際に、ばたつきを抑制し易くなる。
高周波誘電加熱接着シートの密度は、JIS K 7112:1999のA法(水中置換法)に準じて測定できる。
(引張せん断接着強さ)
木材としてのJIS K 6806:2003に記載のラワン類ロータリー単板と断熱材としてのスタイロフォームFG(ダウ化工株式会社)との間に前記高周波誘電加熱接着シートを挟んで、周波数40MHz、出力0.2kW、印加時間10秒の印加条件にて高周波を印加して前記木材と前記断熱材とを接着させた試験片を作製し、前記試験片を60℃の温水に24時間浸漬させた後に、標準環境(23℃、50%RH)で24時間静置し、JIS K 6850:1999に準拠して引張せん断接着強さ試験を実施し、測定される引張せん断力が0.3MPa以上であるか、前記断熱材が破壊されるかの少なくともいずれか一方に該当することが好ましい。断熱材が破壊されることがさらに好ましい。
(5%重量減少温度)
本実施形態に係る高周波誘電接着剤層の5%重量減少温度は、300℃以上であることが好ましく、325℃以上であることがより好ましく、350℃以上であることがさらに好ましい。
本実施形態に係る高周波誘電接着剤層の5%重量減少温度は、500℃以下であることが好ましく、475℃以下であることがより好ましく、450℃以下であることがさらに好ましい。
高周波誘電接着剤層の5%重量減少温度が300℃以上であれば、成形後も安定した物性が得られ易い。
高周波誘電接着剤層の5%重量減少温度が500℃以下であれば、成形加工性が得られ易い。
本実施形態に係る高周波誘電加熱接着シートは、0.01kW以上の高周波出力の条件で使用されることが好ましく、0.05kW以上の高周波出力の条件で使用されることがより好ましく、0.1kW以上の高周波出力の条件で使用されることがさらに好ましい。
本実施形態に係る高周波誘電加熱接着シートは、50kW以下の高周波出力の条件で使用されることが好ましく、20kW以下の高周波出力の条件で使用されることがより好ましく、15kW以下の高周波出力の条件で使用されることがさらに好ましく、10kW以下の高周波出力の条件で使用されることがさらに好ましい。
本実施形態に係る高周波誘電加熱接着シートは、1kHz以上の高周波の印加により使用されることが好ましく、1MHz以上の高周波の印加により使用されることがより好ましく、5MHz以上の高周波の印加により使用されることがより好ましく、10MHz以上の高周波の印加により使用されることがさらに好ましい。
本実施形態に係る高周波誘電加熱接着シートは、300MHz以下の高周波の印加により使用されることが好ましく、100MHz以下の高周波の印加により使用されることがより好ましく、80MHz以下の高周波の印加により使用されることがさらに好ましく、50MHz以下の高周波の印加により使用されることがよりさらに好ましい。
本実施形態に係る高周波誘電加熱接着シートは、より具体的には、国際電気通信連合により割り当てられた工業用周波数帯13.56MHz、27.12MHz又は40.68MHzの高周波の印加により使用されることが好ましい。
本実施形態に係る高周波誘電加熱接着シートは、1秒以上の高周波の印加時間により使用されることが好ましい。
本実施形態に係る高周波誘電加熱接着シートは、60秒以下の高周波の印加時間により使用されることが好ましく、45秒以下の高周波の印加時間により使用されることが好ましく、35秒以下の高周波の印加時間により使用されることが好ましく、25秒以下の高周波の印加時間により使用されることがより好ましく、10秒以下の高周波の印加時間により使用されることがさらに好ましい。
(第1実施形態の効果)
本実施形態に係る高周波誘電加熱接着シートを木材と断熱材との接合に用いることで、高周波の印加時間を短縮すること、並びに短時間の印加であっても接合強度を向上させることができる。
本実施形態に係る高周波誘電加熱接着シートは、塗布が必要な接着剤を用いる場合と比べて、取り扱い易く、木材と断熱材との接合時の作業性も向上する。また、木材と断熱材との接合には、従来、液状接着剤が用いられていたところ、液状接着剤は、硬化に時間がかかる。一方で、本実施形態に係る高周波誘電加熱接着シートによれば、短時間の高周波印加により木材と断熱材とを接合できる。
木材と断熱材とを接合することで得た断熱構造体においては、湿度又は経年により木材が伸張して木材と断熱材との剪断方向に応力がかかる。本実施形態に係る高周波誘電加熱接着シートによれば、木材と断熱材とを高い接着力で接合できるため、木材の変形を抑制でき、木材と断熱材とが剥離することを抑制できる。
本実施形態に係る高周波誘電加熱接着シートは、一般的な粘着剤に比べて、耐水性及び耐湿性が優れる。
本実施形態に係る高周波誘電加熱接着シートは、溶剤を含有しないため、木材と断熱材との接合に用いる接着剤に起因するVOC(Volatile Organic Compounds)の問題が発生し難い。そのため、本実施形態に係る高周波誘電加熱接着シートを木材と断熱材との接合に用いることで、家屋等の建物用の断熱パネル等に適した断熱構造体を提供できる。
断熱材としての発泡体(例えば、ウレタンフォーム又はポリスチレンフォーム)は、熱に弱いので、木材と断熱材とを接着剤としてのヒートシール材を用いて接合する場合、ヒートシール材を溶融させるための加熱によって断熱材としての発泡体は、溶融してしまう。
一方で、本実施形態に係る高周波誘電加熱接着シートは、高周波誘電加熱により加熱されるため、断熱材の高周波誘電加熱接着シートと接する表面側が局所的に加熱されるだけである。それゆえ、本実施形態に係る高周波誘電加熱接着シートによれば、木材と断熱材との接合時に断熱材としての発泡体全体が溶融するという問題を解消できる。
本実施形態に係る高周波誘電加熱接着シートを用いた接着方法によれば、誘電加熱接着装置によって、外部から、所定箇所のみを局所的に加熱することができる。そのため、木材及び断熱材が、大型で且つ複雑な立体構造体又は厚さが大きく且つ複雑な立体構造等であり、さらに高い寸法精度を求められる場合でも、本実施形態に係る高周波誘電加熱接着シートを用いた接合方法は、そのような木材と断熱材とを接合する方法として、有効である。
また、本実施形態に係る高周波誘電加熱接着シートによれば、高周波誘電加熱接着シートの厚さなどを適宜制御できる。そのため、本実施形態に係る高周波誘電加熱接着シートをロール・ツー・ロール方式に適用することもでき、かつ、抜き加工等により、木材と断熱材との接着面積、並びに木材及び断熱材の形状に合わせて、高周波誘電加熱接着シートを任意の面積及び形状に加工できる。そのため、本実施形態に係る高周波誘電加熱接着シートは、製造工程の観点からも、利点が大きい。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
第2実施形態においては、高周波誘電加熱接着シートの使用態様としての断熱構造体の構造が、第1実施形態の断熱構造体1と異なる。
以下の説明では、第1実施形態との相違に係る部分を主に説明し、重複する説明については省略又は簡略化する。第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略又は簡略化する。
(断熱構造体)
図3には、第2実施形態に係る断熱構造体1Aの斜視図が示されている。
断熱構造体1Aは、木材としての第1の木材31及び第2の木材32、断熱材20、並びに第1の高周波誘電加熱接着シート11及び第2の高周波誘電加熱接着シート12を有する。断熱構造体1Aにおいては、断熱材20と第1の木材31とが第1の高周波誘電加熱接着シート11により接合され、断熱材20と第2の木材32とが第2の高周波誘電加熱接着シート12により接合される。すなわち、断熱構造体1Aは、第1の木材31、第1の高周波誘電加熱接着シート11、断熱材20、第2の高周波誘電加熱接着シート12及び第2の木材32がこの順番に積層された積層構造を有する。
断熱構造体1Aにおいて、第1の高周波誘電加熱接着シート11及び第2の高周波誘電加熱接着シート12の少なくともいずれかが、第1実施形態で説明した高周波誘電加熱接着シートである。第1の高周波誘電加熱接着シート11及び第2の高周波誘電加熱接着シート12としては、第1実施形態に記載の様々な態様の高周波誘電加熱接着シートを使用できる。
断熱構造体1Aにおいて、第1の高周波誘電加熱接着シート11及び第2の高周波誘電加熱接着シート12の両方が第1実施形態で説明した高周波誘電加熱接着シートであることが好ましい。第1の高周波誘電加熱接着シート11及び第2の高周波誘電加熱接着シート12の両方が第1実施形態で説明した高周波誘電加熱接着シートである場合、第1の高周波誘電加熱接着シート11の組成、形態及び特性と、第2の高周波誘電加熱接着シート12の組成、形態及び特性とは、それぞれ互いに独立である。
本実施形態に係る断熱構造体1Aにおいては、高周波誘電加熱接着シートの一方の面に木材が接合され、他方の面に断熱材が接合される。そのため、本実施形態に係る断熱構造体1Aに用いる高周波誘電加熱接着シートは、高周波誘電接着剤層を含み、高周波誘電接着剤層の一層のみからなることが好ましい。
断熱構造体1Aにおいて、断熱材20は、第1実施形態において説明した断熱材20と同様の断熱材を使用できる。断熱構造体1Aにおいても、断熱材20は、発泡体であることが好ましい。
断熱構造体1Aにおいて、第1の木材31及び第2の木材32は、それぞれ独立に、第1実施形態において説明した木材30と同様の木材を使用できる。なお、第1の木材31の種類、形態及び特性と、第2の木材32の種類、形態及び特性とは、それぞれ互いに独立である。断熱構造体1Aにおいて、第1の木材31及び第2の木材32は、同じ材質であることも好ましい。
(断熱構造体の製造方法)
本実施形態に係る断熱構造体1Aは、下記工程(1A)、工程(1B)及び工程(2A)を含む接合方法によって接合することがより好ましい。工程(1A)及び工程(1B)を実施する順番は、特に限定されない。
工程(1A):第1の木材31と断熱材20との間に、第1の高周波誘電加熱接着シート11を挟持する工程
工程(1B):第2の木材32と断熱材20との間に、第2の高周波誘電加熱接着シート12を挟持する工程
工程(2A):第1の高周波誘電加熱接着シート11及び第2の高周波誘電加熱接着シート12に対して、誘電加熱接着装置を用いて、誘電加熱処理を行う工程
図4には、誘電加熱接着装置100の概略図が示されている。
誘電加熱接着装置100は、第1実施形態と同様である。
図4に示すように、第1高周波印加電極160と第2高周波印加電極180との間には、第1の木材31、第1の高周波誘電加熱接着シート11、断熱材20、第2の高周波誘電加熱接着シート12及び第2の木材32がこの順番に積層され、挟持されている。このように挟持されている第1の高周波誘電加熱接着シート11及び第2の高周波誘電加熱接着シート12に対して高周波誘電加熱処理を行うことで、断熱材20と第1の木材31及び第2の木材32とを強固に接合できる。本実施形態における高周波誘電加熱処理の方法及び条件は、第1実施形態と同様の方法及び条件を適用できる。
(第2実施形態の効果)
本実施形態によれば、第1実施形態の効果に加えて、さらに以下の効果を奏する。
本実施形態に係る断熱構造体1Aは、断熱材20の両面に木材が接合されている。断熱材の両面に木材が接合されている場合、湿度又は経年によって木材と断熱材との剪断方向にかかる応力が、一方の木材と他方の木材とで異なる場合もある。本実施形態に係る断熱構造体1Aにおいても、高い接合力を有する高周波誘電加熱接着シートによって木材と断熱材とを接合しているため、木材の変形を抑制でき、木材と断熱材とが剥離することを抑制できる。
〔実施形態の変形〕
本発明は、前記実施形態に限定されない。本発明は、本発明の目的を達成できる範囲での変形及び改良等を含むことができる。
高周波誘電加熱接着シートは、粘着部を有していてもよい。粘着部を有することで、木材と断熱材との間に高周波誘電加熱接着シートを挟持する際に、位置ずれを防止して、正確な位置に配置できる。粘着部は、高周波誘電接着剤層の一方の面に設けてもよいし、両面に設けてもよい。また、粘着部は、高周波誘電接着剤層の面に対して、全面に設けられていても良いし、部分的に設けられていてもよい。
また、仮固定用の孔及び突起等が、高周波誘電加熱接着シートの一部に設けられていてもよい。仮固定用の孔及び突起等を有することで、高周波誘電加熱接着シートを木材と断熱材との間に挟持する際に、位置ずれを防止して、正確な位置に配置できる。
高周波誘電加熱接着シートを用いた接合方法に使用される被着体としての木材及び断熱材の数は、それぞれ、特に制限されない。
前記実施形態とは異なる態様の木材と断熱材との接合構造としては、3つ以上の被着体を接着させた接合構造も挙げられる。例えば、3つの被着体(第1被着体、第2被着体及び第3被着体)を接着させる場合、第1被着体に対向させて、第2被着体及び第3被着体を並べて配置し、第1被着体と第2被着体との間に第1高周波誘電加熱接着シートを挟持し、第1被着体と第3被着体との間に第2高周波誘電加熱接着シートを挟持してもよい。より具体的には、第1被着体としての木材に対して、第2被着体及び第3被着体としての断熱材を並べて配置する態様が挙げられる。もしくは、第1被着体としての断熱材に対して、第2被着体及び第3被着体としての木材を並べて配置する態様が挙げられる。
または、一つの高周波誘電加熱接着シートを第2被着体及び第3被着体に亘って配置して、第1被着体と、第2被着体及び第3被着体との間で、当該一つの高周波誘電加熱接着シートを挟持してもよい。
また、高周波誘電加熱処理は、前記実施形態で説明した電極を対向配置させた誘電加熱接着装置に限定されず、格子電極タイプの高周波誘電加熱装置を用いてもよい。格子電極タイプの高周波誘電加熱装置は、一定間隔ごとに第1の電極と、第1の電極とは反対極性の第2の電極とを同一平面上に交互に配列した格子電極を有する。
例えば、断熱構造体1を製造する場合は、木材30側又は断熱材20側に格子電極タイプの高周波誘電加熱装置を配置して高周波を印加する。また、例えば、断熱構造体1Aを製造する場合は、第1の木材31側及び第2の木材32側の少なくともいずれかに格子電極タイプの高周波誘電加熱装置を配置して高周波を印加する。
格子電極タイプの高周波誘電加熱装置を用いて断熱構造体を製造する際に、断熱構造体の両面側に格子電極(第1の格子電極及び第2の格子電極)をそれぞれ配置し、両面側から同時に高周波を印加してもよい。
例えば、断熱構造体1を製造する場合、木材30側に第1の格子電極を配置し、断熱材20側に第2の格子電極を配置して、同時に高周波を印加してもよい。
例えば、断熱構造体1Aを製造する場合、第1の木材31側に第1の格子電極を配置し、第2の木材32側に第2の格子電極を配置して、同時に高周波を印加してもよい。
格子電極タイプの高周波誘電加熱装置を用いて断熱構造体を製造する際に、断熱構造体の一方の面側に格子電極を配置し、高周波を印加し、その後、断熱構造体の他方の面側に格子電極を配置し、高周波を印加してもよい。
例えば、断熱構造体1を製造する場合、木材30側に格子電極を配置し、高周波を印加し、その後、断熱材20側に格子電極を配置して、高周波を印加してもよい。
例えば、断熱構造体1Aを製造する場合、第1の木材31側に格子電極を配置し、高周波を印加し、その後、第2の木材32側に格子電極を配置し、高周波を印加してもよい。
高周波の印加には格子電極タイプの高周波誘電加熱装置を用いることが好ましい。格子電極タイプの高周波誘電加熱装置を用いることで、断熱構造体の厚さの影響を受けず、断熱構造体の表層側、例えば、高周波誘電加熱接着シートまでの距離が近い表層側から誘電加熱により木材と断熱材とを接着できる。また、格子電極タイプの高周波誘電加熱装置を用いることで、断熱構造体の製造の省エネルギー化を実現できる。
なお、図においては、簡略化のために電極を対向配置させた誘電加熱接着装置を用いた態様を例示した。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。本発明はこれら実施例に何ら限定されない。
[高周波誘電加熱接着シートの作製]
[実施例1]
A成分としてエチレン酢酸ビニル共重合体(東ソー株式会社製、製品名「ウルトラセン626」、軟化点:65℃、メルトフローレート:3g/10min、密度:0.936g/cm、酢酸ビニル含有率:15質量%。)80.0体積%と、B成分として酸化亜鉛(堺化学工業株式会社製、製品名「LPZINC11」,平均粒子径:11μm、表1中、ZnOと記載する。)20.0体積%と、をそれぞれ容器内に秤量した。表1に各成分の配合割合を示す。表1において各成分の配合割合は、体積%で表示した値である。また、表1には、B成分の配合割合として、単位を質量部に換算した値も示した。実施例1においては、A成分100質量部に対して、B成分を142質量部、配合した。
秤量したA成分及びB成分を容器内で予備混合した。各成分を予備混合した後、30mmΦ二軸押出機のホッパーに供給し、シリンダー設定温度を180℃以上200℃以下、ダイス温度を200℃に設定し、溶融混練した後、ペレタイザーにてペレット状に加工した。
次いで、得られたペレットを、Tダイを設置した単軸押出機のホッパーに投入し、シリンダー温度を200℃、ダイス温度を200℃の条件として、Tダイからシート状溶融混練物を押出し、冷却ロールにて冷却させることにより、厚さ400μmの高周波誘電加熱接着シートを作製した。得られた高周波誘電加熱接着シートを用いて、木材としての合板と、断熱材としての発泡スチロールとを、下記の高周波印加条件にて、接着させて、実施例1の断熱構造体を得た。
<高周波印加条件>
合板と、得られた高周波誘電加熱接着シートと、断熱材としての発泡スチロールとを重ねて、高周波誘電加熱装置(山本ビニター株式会社製、YRP−400t−RC)の電極間に固定した状態で、周波数40MHz、出力200Wの条件下で、高周波を10秒印加した。
[実施例2〜5]
断熱材及びA成分を下記表1に記載の通り変更し、混練及び製膜時の温度を適宜調整したこと以外、実施例1と同様にして、実施例2〜5の断熱構造体を得た。
実施例4のA成分としては、ランダムポリプロピレン(プライムポリマー株式会社製、製品名「プライムポリプロF227D」、軟化点:90℃、メルトフローレート:7g/10min、密度:0.910g/cm)を用いた。
実施例5のA成分としては、無水マレイン酸変性ポリエチレン(三菱ケミカル株式会社製、製品名「モディックL553」、軟化点:84℃、メルトフローレート:1.4g/10min、密度:0.920g/cm)を用いた。
[高周波誘電加熱接着シートの評価]
(引張せん断力)
作製した高周波誘電加熱接着シートを、25mm×12.5mm×0.4mm(厚さ)の大きさに切断した。切断した高周波誘電加熱接着シートを、一対の被着体としてのラワン類ロータリー単板(25mm×100mm×1.5mm)と断熱材としてのスタイロフォームFG(ダウ加工株式会社製)(25mm×100mm×15.0mm)の間に挟んだ後に、高周波誘電加熱装置(山本ビニター株式会社製、YRP−400t−RC)の電極間に固定した状態で、周波数40MHz、出力0.2kWの条件下で、高周波を10秒印加して、接着力評価用試験片を作製した。作製した接着力評価用試験片を60℃の温水に24時間浸漬させた後に、標準環境(23℃、50%RH)で24時間静置し、万能引張試験機(インストロン社製、インストロン5581)を用い、引張速度100mm/分の条件で、接着力評価用試験片について、引張せん断力を測定した。接着強度が0.3MPa以上である場合、もしくは被着体である合板及び断熱材の少なくともいずれかが破壊された場合を合格とした。引張せん断力の測定は、JIS K 6850:1999に準拠した。
(誘電特性)
作製した高周波誘電加熱接着シートを、30mm×30mmの大きさに切断した。切断した高周波誘電加熱接着シートについて、インピーダンスマテリアルアナライザE4991(Agilent社製)を用いて、23℃における周波数40MHzの条件下、誘電率(ε’)及び誘電正接(tanδ)をそれぞれ測定した。測定結果に基づき、誘電特性(tanδ/ε’)の値を算出した。
(軟化点)
JIS K 7206:2016に則り、高周波誘電加熱接着シートのビカット軟化点を測定した。
(5%重量減少温度)
5%重量減少温度(測定試料を昇温しながら重量減少を測定し、重量減少が5重量%に達したときの温度)の測定は、示差熱分析装置(株式会社島津製作所製、TG/DTA分析器DTG−60)を用いて行った。測定試料を、乾燥窒素雰囲気下で、昇温速度10℃/分にて40℃から500℃まで昇温し、測定試料の5%重量減少温度を測定した。
(密度)
JIS K 7112:1999のA法(水中置換法)に準じて、高周波誘電加熱接着シートの密度(g/cm)を測定した。
(230℃におけるメルトフローレート)
JIS K 7210−1:2014に準じて試験温度230℃、荷重2.16Kgにて、高周波誘電加熱接着シートのメルトフローレート(MFR)を測定した。
Figure 2020070365
実施例1〜5に係る高周波誘電加熱接着シートによれば、木材と断熱材とを短時間で強固に接着できることが分かった。また、実施例1〜5に係る高周波誘電加熱接着シートは、シート状であるため、木材と断熱材との接合時における作業性に優れていることが分かった。
1…断熱構造体、10、11、12…高周波誘電加熱接着シート、100…誘電加熱接着装置、160…第1高周波印加電極、180…第2高周波印加電極、1A…断熱構造体、20…断熱材、200…高周波電源、30、31、32…木材。

Claims (15)

  1. 高周波誘電接着剤層を含む高周波誘電加熱接着シートであって、
    前記高周波誘電接着剤層が、熱可塑性樹脂(A)及び誘電フィラー(B)を含有し、
    木材と断熱材とを接合することに用いられる高周波誘電加熱接着シート。
  2. 請求項1に記載の高周波誘電加熱接着シートにおいて、
    前記熱可塑性樹脂(A)は、ポリオレフィン系樹脂又はオレフィン−酢酸ビニル共重合樹脂である、
    高周波誘電加熱接着シート。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の高周波誘電加熱接着シートにおいて、
    前記誘電フィラー(B)は、酸化亜鉛である、
    高周波誘電加熱接着シート。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の高周波誘電加熱接着シートにおいて、
    前記断熱材が、発泡体である、
    高周波誘電加熱接着シート。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の高周波誘電加熱接着シートにおいて、
    前記高周波誘電接着剤層は、前記誘電フィラー(B)を、3体積%以上、40体積%以下含有する、
    高周波誘電加熱接着シート。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の高周波誘電加熱接着シートにおいて、
    前記高周波誘電接着剤層は、前記誘電フィラー(B)を、前記熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、5質量部以上、800質量部以下含有する、
    高周波誘電加熱接着シート。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の高周波誘電加熱接着シートにおいて、
    前記誘電フィラー(B)のJIS Z 8819−2:2001に準拠し測定される平均粒子径は、1μm以上、30μm以下である、
    高周波誘電加熱接着シート。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の高周波誘電加熱接着シートにおいて、
    前記熱可塑性樹脂(A)のJIS K 7206:2016に準拠して測定されるビカット軟化点は、40℃以上、200℃以下である、
    高周波誘電加熱接着シート。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の高周波誘電加熱接着シートにおいて、
    前記高周波誘電接着剤層のJIS K 7210−1:2014に準拠して測定される230℃におけるMFRが0.6g/10分以上、85g/10分以下である、
    高周波誘電加熱接着シート。
  10. 請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の高周波誘電加熱接着シートにおいて、
    前記高周波誘電加熱接着シートの密度が3g/cm以下である、
    高周波誘電加熱接着シート。
  11. 請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の高周波誘電加熱接着シートにおいて、
    前記高周波誘電接着剤層の5%重量減少温度が300℃以上である、
    高周波誘電加熱接着シート。
  12. 請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の高周波誘電加熱接着シートにおいて、
    前記高周波誘電加熱接着シートは、1kHz以上、300MHz以下の高周波の印加により使用される、
    高周波誘電加熱接着シート。
  13. 請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の高周波誘電加熱接着シートにおいて、
    前記高周波誘電加熱接着シートは、1秒以上、25秒以下の高周波の印加時間により使用される、
    高周波誘電加熱接着シート。
  14. 前記木材と前記断熱材とが請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の高周波誘電加熱接着シートにより接合される、断熱構造体。
  15. 前記木材として第1の木材と第2の木材とを含み、
    前記第1の木材と前記断熱材とが請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の高周波誘電加熱接着シートにより接合され、
    前記第2の木材と前記断熱材とが請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の高周波誘電加熱接着シートにより接合される、
    断熱構造体。
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