JP2017101110A - ホットメルト接着剤組成物 - Google Patents

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桑原 紀子
Noriko Kuwabara
紀子 桑原
智朗 谷口
Tomoaki Taniguchi
智朗 谷口
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Abstract

【課題】 耐ブロッキング性に優れたホットメルト接着剤組成物を提供する。【解決手段】 ノズル突出部の温度が175℃、ノズル径1オリフィスにおける糸曳き性試験において、糸曳き量が0〜0.05gであり、ブロッキング指標が耐ブロッキング試験で60%以上のホットメルト接着剤組成物。加えて、ホットメルト接着剤組成物が、ホットメルト接着剤の主成分と、この主成分の表面を被覆する被覆材とを備え、前記主成分は、オレフィン系樹脂、粘着付与樹脂、ワックスを含み、前記被覆材が、主親水基が陰イオン型のアニオン性界面活性剤に、エチレン酢酸ビニル共重合体またはポリエチレンワックスのいずれか1つ以上を混合させている。【選択図】 なし

Description

本発明は、耐ブロッキング性に優れる熱可塑性のホットメルト接着剤組成物に関する。
熱可塑性の樹脂組成物からなるホットメルト接着剤は、加熱すると流動可能な溶融状態となり、この溶融した状態で紙、布等の被着体に塗布形成し、形成した接着剤層部分が冷却固化することで、接着性が発現できるものである。
熱可塑性のホットメルト接着剤組成物は、主にエチレン−酢酸ビニル共重合体と粘着付与剤とワックスから構成され、包装、製本、合板、木工等の分野で広く使用されている。
ホットメルト接着剤組成物は、塗布後の固化時間が短く、無溶剤で環境影響が少ない利点を活かし、年々使用量が増加している。ホットメルト接着剤組成物の製品形態は、ペレット状、角板状、ビーズ状等の小片状に裁断加工されたものがあるが、それらの中でもペレット形状のものが多い。
熱可塑性のホットメルト接着剤は、専用の塗布機を用い、接着剤組成物を加熱させ、流動可能な溶融状態とし、この溶融した状態で紙、布等の被着体に塗布形成し、形成した接着剤層部分が冷却固化されることで、貼り合わせた部分の被着体同士の初期接着強度が短時間で得られるという特長を有する。このような熱可塑性のホットメルト接着剤組成物は、有機溶剤等を含まず、加熱溶融により塗布を行うため、有機溶剤等で希釈して塗布する接着剤に比べ、溶剤を乾燥させる工程が不要になり、塗布後、すぐに接着力を発現できることから、初期接着性に優れる。
熱可塑性のホットメルト接着剤は、大型のアプリケーターを用いて塗布、貼り合わせを自動化することが容易であり、包装、木工、合板、製本、製缶等のアセンブリーラインで主に使用される。
熱可塑性のホットメルト接着剤を被着体の所望の箇所に塗布形成するために、接着剤組成物を搬送する(移動させる)方法として、例えば、特許文献1には、平均粒子径が20〜250μm、粒度分布範囲が1〜350μm、粒子真比重が0.9〜1.5g/cm程度の粉体を加圧輸送させる方法が開示されている。また、特許文献2には、熱可塑性樹脂ペレットに水または水蒸気を添加し、流通気体と共に搬送する方法が開示されている。
熱可塑性のホットメルト接着剤は、接着剤組成物の製造工程、その後の貯蔵または輸送等の工程で、接着剤組成物粒子同士が強固なブロッキングを起こすおそれがある。ここで、ブロッキングとは、搬送過程での接着剤組成物粒子同士の擦れによる摩擦熱や搬送経路での熱変性で、搬送(移動)中に接着剤組成物同士が数個〜数十個程くっついて固まった状態のことを指し、接着剤組成物には好ましくない状況のことである。なお、ブロッキングしてしまったホットメルト接着剤を使用可能な状態にするために、ブロッキングした接着剤組成物を粉砕する作業が必要になり、多大な労力を要する。
また、ブロッキングしてしまったホットメルト接着剤は、その流動性が極めて乏しい上に、粗大化した粒子の搬送経路での詰まりも懸念され、搬送(移動)が困難になる可能性がある。加えて、ホットメルト接着剤組成物の生産時、接着剤組成物を利用した包装作業時において、また、長期間にわたる貯蔵も困難となるおそれがある。
ブロッキングの問題を解決する方法として、従来から種々の処理方法が提案されている。
ブロッキング防止方法としては、例えば、タルク、シリカ等の無機物質、ポリオレフィン微粉末、ポリエチレンワックスおよびその分散液をペレット表面にコーティングする方法、高級脂肪酸またはその塩、N,N´−エチレンビスオレアミド、N,N´−エチレンビスエルクアミド、N,N´−ジオレイルジプイミド、N,N´−ジエルシルアジプイミドを混合する方法がある。
しかしながら、上記の各種方法には、いくつかの問題が存在する。例えば、特許文献3に記載のホットメルト接着剤組成物に無機物質であるタルク、シリカ等を混合付着させて添加した場合、ペレットの流動性を得るために多量に添加する必要があるが、無機物質とホットメルト接着剤組成物との相溶性が乏しいために接着剤の性能である接着力を著しく損なうおそれがある。
特許文献4に記載されているポリオレフィン微粉末の水系スラリーによる重合体ペレットへのコーティング方法では、微粉末ポリオレフィンの水系への分散が極めて乏しいと共に、ホットメルト接着剤組成物への付着性が弱いために、現実に粘着性を低下させずに、良好な流動性を確保することができない。
特許文献5にはホットメルト接着剤組成物の構成粒子またはペレットに、ポリエチレンワックスまたはポリエチレンワックスを主成分とする分散液をコーティングしたホットメルト組成物が開示されている。
このようなホットメルト組成物を融解させた場合、乳濁状を呈するため、用途面から制約を受ける。
特許文献6にはホットメルト接着剤組成物において、ペレットや粉末状接着剤の製造過程・保存時のブロッキングを防止するため、ペレット・粉末表面に異なる重合体を被覆する技術が開示されている。この場合でもブロッキング防止効果が不十分で、所望の接着性が得られないことがあり、まだ課題を有する。
なお、本出願人においても、この課題を解決するための方策として、特許文献7に開示したように、ホットメルト接着剤に、特定の界面活性剤を表面被覆させることにより、ホットメルト接着剤同士のブロッキング防止を提案した。この方策は、高温高湿下のブロッキング防止効果は良好であるが、積載荷重でのブロッキング防止に関しては、まだ改善が必要であった。
すなわち、熱可塑性のホットメルト接着剤においては、その保存安定性(長期間保存しておくと耐ブロッキング性が更に低下する)にまだ課題があり、耐ブロッキング性および保存安定性に優れたホットメルト接着剤組成物が望まれている。
また、ホットメルト接着剤は、包装用ダンボール、カートンを接着する用途に使われることが多い。使用方法は、ホットメルト接着剤をホットメルトアプリケータを用いて溶融し、ノズルから吐出させることが多いが、ノズルからホットメルト接着剤を吐出させると、ホットメルト接着剤が糸状に吐出するが、糸を曳くように糸状のホットメルトが接着部分だけでなく、製造ラインや接着部分以外のダンボールやカートンに付着し、使用付近を汚染してしまう。そのため、余剰な接着剤が付着しないこと、すなわち、糸曳き状態の改善が求められている。
特開2011−207624号公報 特開2005−2178号公報 特許第4730698号公報 米国特許第3528841号公報 特開昭56−67209号公報 特開昭48−32939号公報 特開2006−117829号公報
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、糸曳き性が改善され、かつ耐ブロッキング性に優れる熱可塑性のホットメルト接着剤組成物を提供するものである。
これら問題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明は、(1)ノズル突出部の温度が175℃、ノズル径1オリフィスにおける糸曳き性試験において、糸曳き量が0〜0.05gであり、ブロッキング指標が耐ブロッキング試験で60%以上であるホットメルト接着剤組成物を提供するものである。
(2)ホットメルト接着剤組成物が、ホットメルト接着剤の主成分と、この主成分の表面を被覆する被覆材とを備え、前記主成分は、オレフィン系樹脂、粘着付与樹脂、ワックスを含み、前記被覆材が、主親水基が陰イオン型のアニオン性界面活性剤に、エチレン酢酸ビニル共重合体またはポリエチレンワックスのいずれか1つ以上を混合させている、(1)に記載のホットメルト接着剤組成物を提供するものである。
本発明によれば、高温多湿環境においても、また高温多湿環境下で積載荷重がかかった場合においても、ブロッキングが発生しにくいと共に、熱可塑性のホットメルト接着剤として取扱いに優れるホットメルト接着剤組成物を提供できる。
以下、本発明の実施の形態を具体的に説明する。
本発明のホットメルト接着剤組成物は、ノズル突出部の温度が175℃、ノズル径1オリフィスにおける糸曳き性試験において、糸曳き量が0〜0.05gであるホットメルト接着剤である。
糸曳き性は、アプリケーター(タンク、ホース、ノズルの温度:175℃、圧力2.5Kg)にホットメルト接着剤を投入、溶解し、以下の条件で連続吐出を行い、ガイドバー付着物及び落下物の合計量を測定したものである。
[条件]
・メルター :プロブルーP4(ノードソン株式会社製)
・アプリケータ :ソリッドブルーS(ノードソン株式会社製)
・ノズルと回転まととの距離 :21cm
・ノズルとガイドバーとの距離:15cm
・ガイドバー高さ :吐出軌道2cm下側
・ノズル :1オリフィス(16/1,000インチ≒0.4mm)
・吐出パターン :吐出0.05秒、間隔0・5秒で5分間連続吐出
上記の条件で、糸曳き量が0〜0.05g、好ましくは0〜0.03gであり、より好ましくは0〜0.01gの範囲である。糸曳き量が0.05g以下であれば、製造ラインや製品となるダンボール、カートンにホットメルト接着剤が必要以上に付着することがなく、扱いやすいホットメルト接着剤組成物と言える。
本発明のホットメルト接着剤組成物は、ブロッキング指標が耐ブロッキング試験で60%以上のホットメルト接着剤組成物である。
耐ブロッキング試験でのブロッキング指標(ブロッキングの度合)は、以下に示すもので表され、好ましくは70〜100%、特に好ましくは75〜100%であり、数値が高いほど、ブロッキングが起こりにくいホットメルト接着剤組成物と言える。
水溶液となっている離型剤溶液にホットメルト接着剤組成物を1分間浸漬させ、メッシュ(80目キヌ)で離型剤溶液と接着剤組成物を分離後、接着剤組成物を40℃で30分間乾燥させた。底面積44cmのカップに剥離剤溶液に浸漬させた接着剤組成物を入れ、接着剤組成物に9.8N(1kgf、単位面積あたりだと23g/cm)の荷重をかけ、25℃、50%RH(相対湿度)に12時間以上放置した。
その後、カップを逆さまにして、落下したホットメルト接着剤組成物の質量を測定し、次式により、耐ブロッキング性を評価した。ここで、数字が大きいほど、耐ブロッキング性が高くなる。
耐ブロッキング性[%] = 落下したホットメルト質量 / 全質量 × 100
本発明のホットメルト接着剤組成物は、ホットメルト接着剤の主成分と、この主成分の表面を被覆する被覆材とを備えている。
主成分は、熱可塑性樹脂であるオレフィン系樹脂に、粘着付与樹脂、ワックスを含んでいる。
本発明に使用されるオレフィン系樹脂は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)およびポリオレフィン樹脂から選ばれるいずれか1つ以上である。すなわち、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)の単独、またはポリオレフィン樹脂の単独、またはEVAとポリオレフィン樹脂を混合した形態のいずれかが適用できる。
なお、EVAとポリオレフィン樹脂を混合して使用する場合、両者は相溶性が低いため、配合できる比率は質量比でEVA:ポリオレフィン樹脂が99:1〜90:10または1:99〜10:90の範囲となる。特に好ましい混合量はEVA:ポリオレフィン樹脂が95:5(EVAが主構成の場合)またはEVA:ポリオレフィン樹脂が5:95(ポリオレフィン樹脂が主構成の場合)である。EVAとポリオレフィン樹脂を混合使用すると糸引き性を改善できる。
エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)は、酢酸ビニル(VA)含有率が10〜50質量%、メルトフローレート(MFR)が200〜3,000g/10分、環球法軟化温度が60〜120℃であることが好ましいが、さらに、VA(酢酸ビニル)含有率15〜35質量%、環球法軟化温度が75〜95℃であることがより好ましい。これらのEVA(エチレン酢酸ビニル)共重合樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。例えば、EVA共重合体としては、ウルトラセン684(VA含有率20質量%、MFR(メルトフローレート)=2,000、環球法軟化温度80℃、東ソー株式会社製の商品名、「ウルトラセン」は登録商標)、ウルトラセン722(VA含有率28質量%、MFR=400、環球法軟化温度82℃、東ソー株式会社製の商品名、「ウルトラセン」は登録商標)、ウルトラセン735(VA含有率28質量%、MFR=1,000、環球法軟化温度85℃、東ソー株式会社製の商品名、「ウルトラセン」は登録商標)等、市販のものが挙げられる。
なお、MFR(メルトフローレート)は、JIS K7210に準拠して190℃、荷重21.18Nの条件下にて測定されたものを、環球法軟化温度は、JIS K6863に準拠して測定されたものを指す。
また、ポリオレフィン樹脂は、一般的に、エチレン系樹脂と炭素数3〜20のα−オレフィン系樹脂とが共重合した少なくとも1種のオレフィン系共重合体である。炭素数3〜20のα−オレフィン系樹脂としては、例えば、プロピレン系樹脂、イソブチレン系樹脂、ブテン系樹脂、1−ペンテン系樹脂、1−ヘキセン系樹脂、4−メチル−1−ペンテン系樹脂、1−オクテン系樹脂等が挙げられる。上記オレフィン系共重合体のなかでも、エチレン系樹脂と炭素数4〜8のα−オレフィンとの共重合体が好ましい。
さらに、エチレン系樹脂とブテン系樹脂との共重体樹脂、または、エチレン系樹脂とプロピレン系樹脂との共重体樹脂がより好ましい。これらのα−オレフィン共重体樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。
好ましいオレフィン樹脂としては、例えば、RT2115(REXTAC,LLC社製、α−オレフィン共重体樹脂)、RT2304(REXTAC,LLC社製、α−オレフィン共重体樹脂)等、市販のものが挙げられる。
ホットメルト接着剤組成物中のオレフィン系樹脂含有量は、30〜60質量%が好ましく、30〜45質量%がより好ましく、33〜40質量%が更に好ましい。含有量が30質量%未満の場合は、低温での接着性低下が発生するおそれがあり、また、60質量%を超えると、粘度上昇、耐クリープ性の低下などの不具合が発生するおそれがある。
被覆材は、主親水基が陰イオン型のアニオン性界面活性剤に、エチレン酢酸ビニル共重合体またはポリエチレンワックスのいずれか1つ以上を混合させることが好ましい。
本発明で使用するエチレン酢酸ビニル共重合体はエマルジョンワックスであり、そのエマルジョンワックスのpHが7〜12の範囲であることが好ましい。pHが7未満、すなわち酸性に偏っているとエマルジョン化しない。一方、pHが12より高いと濃度調整等として水で希釈する際に、分離する傾向が見られる。
本発明で使用するポリエチレンワックスは、示差走査熱量測定(DSC)による融点が80〜135℃、かつ、エマルジョンワックスであることがより好ましい。離型剤として使用されるポリエチレンワックスのDSC(示差走査熱量測定)による融点が80℃未満の場合は、35℃以上の高温環境下で保存するとブロッキングを引き起こすおそれや耐熱性の低下を引き起こすおそれがある。一方、135℃を超えるポリエチレンワックスは、現状、市場に出回っていないため、135℃を本発明の上限とした。今後の技術改善で、ポリエチレンワックスの融点に及ぼす影響が明確になることを期待する。
また、本発明のワックスがエマルジョンワックスである理由は、ワックスがブロッキング防止に効果があることは知られており、エマルジョン状態の方がホットメルト接着剤に被覆しやすいためである。
本発明の被覆材は、主親水基が陰イオン型のアニオン性界面活性剤にエチレン酢酸ビニル共重合体またはポリエチレンワックスのいずれか1つ以上を混合させている。
また、本発明の主親水基が陰イオン型のアニオン性界面活性剤は、スルホン酸基を有している。主親水基が陰イオン型のアニオン性界面活性剤は、一般的に、洗剤やシャンプー、ハンドクリーム、歯磨き粉等の基剤、乳化剤、分散剤、起泡剤などとして広く用いられるものである。例えば、活性剤の主親水基が陰イオン型のカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩またはアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、スルホコハク酸モノエステル塩、スルホコハク酸ジアルキル塩、アシルサルコシン塩、カリウム石鹸、ラウリルエーテルカルボン酸塩、アルキルベゼンスルホン酸塩、リン酸モノエステル、リン酸ジエステル等が挙げられ、ホットメルト接着剤組成物に表面被覆しやすいという点で、スルホン酸基を有しているものが望ましく、中でもアルキルベンゼンスルホン酸塩が好ましい。これらのアニオン性界面活性剤は1種または2種類以上を組み合わせて使用することができる。
本発明のアニオン性界面活性剤は、ホットメルト接着剤組成物の表面積に対し、0.001〜0.5g/mで表面被覆すればよく、0.01〜0.06g/mがより好ましい。この被覆量が0.001g/m未満では、ブロッキング防止の効果が得られず、0.5g/mを超えるとホットメルト接着剤の接着力低下等の悪影響を与える可能性がある。
本発明において、アニオン性界面活性剤をホットメルト接着剤の主成分に被覆させる方法としては、小片化したホットメルト接着剤の主成分に被覆漏れが無いようにできれば、好ましくは被覆厚みを均一に表面被覆させる方法であれば、特に限定されるものではない。
例えば、ホットメルト接着剤組成物を冷却する際に使用する水槽を、ポリエチレンワックス5〜30質量%、アニオン性界面活性剤0.3〜3質量%水溶液にし、その水溶液中にホットメルト接着剤組成物を浸漬して表面に付着させる、または、ホットメルト接着剤組成物を裁断後、これらの水溶液を裁断したホットメルト接着剤組成物に噴霧して表面に被覆させる方法などが挙げられる。あるいは、ビーズ状に成形したホットメルト接着剤脂組成物に、前記の水溶液を噴霧して、ホットメルト接着剤の主成分の表面を被覆してもよい。
また、エチレン酢酸ビニル共重合体を付着させる場合、ポリエチレンワックスを用いるのと同様に、小片化したホットメルト接着剤の主成分の表面に被覆漏れが無いようにできること、好ましくは被覆厚みを均一に表面被覆させることができる方法であれば、特に限定されるものではない。
例えば、ホットメルト接着剤組成物を冷却する際に使用する水槽を、エチレン酢酸ビニル共重合体5〜30質量%、アニオン性界面活性剤0.3〜3質量%水溶液にし、その水溶液中にホットメルト接着剤組成物を浸漬して表面に付着させる、または、ホットメルト接着剤組成物を裁断後、これらの水溶液を裁断したホットメルト接着剤組成物に噴霧して表面に被覆させる方法等が挙げられる。あるいは、ビーズ状に成形したホットメルト接着剤脂組成物に、前記の水溶液を噴霧して、ホットメルト接着剤の主成分の表面を被覆してもよい。
本発明で使用される界面活性剤は、本発明で使用されるポリエチレンワックスの親和性を高めるために使用される。ポリエチレンワックス単独では、高温多湿環境での耐ブロッキング性を得るために高濃度で塗布する必要があり、塗布後、乾燥する際に多大な時間が掛かる。また、界面活性剤単独では、高温多湿環境での耐ブロッキング性が得られ難い。
本発明でホットメルト接着剤組成物の主成分の表面に被覆されるエチレン酢酸ビニル共重合体またはポリエチレンワックスと界面活性剤の混合割合は、特に限定されず、任意の割合で混合することができるが、エチレン酢酸ビニル共重合体またはポチエチレンワックスの配合割合と比較し、界面活性剤の配合割合は少なくてよい。
本発明のホットメルト接着剤組成物は、気流搬送可能な樹脂組成物であるので、所望の箇所に搬送装置での搬送(移動)ができる。なお、気流としては、空気、窒素、アルゴン等の気体(ガス)が挙げられるが、コストの観点から空気が好適で、流速は1〜50m/秒程度、圧力は30〜1,000kPa程度である。
本発明のホットメルト接着剤組成物は、球状または円柱状または板状である。ここで、球状とは、厳密に真球状を意味するものではなく、断面が楕円状であっても、部分的に凹凸が存在していてもよい。円柱状とは底面および上面が円形状または楕円形状となっている立体形状であることを意味するが、部分的に凹凸が存在していてもよい。板状とは立方体、直方体形状を含む形状であることを意味するが、部分的に凹凸が存在していてもよい。
これらの形状であることで、気流搬送できるので、好適である。
本発明のホットメルト接着剤組成物は、梱包紙接着性を有する。
ここで、梱包紙とは、段ボール紙、カートン紙、撥水加工紙等の梱包に用いられる紙材を指し、これらの梱包紙同士を接着する能力を有する接着剤組成物である。
本発明のホットメルト接着剤組成物は、23℃での剥離試験において破壊モードが梱包紙の材質破壊となる。
剥離試験における破断モードには、接着剤と被着体の界面で破壊される界面破壊と被着体で破壊する材質破壊があり、前者(界面破壊)と後者(材質破壊)では、材質破壊の方が、剥離強度値としては高いものとなる。
なお、剥離試験の方法は、以下に示すとおりである。
180℃に溶融したホットメルト接着剤組成物を、段ボール紙等の梱包紙表面に、特定量を特定長さで塗布し、その後、被着体である梱包紙同士を貼り合せ、一定時間圧着し試験片試料を作製する。この試験片をオートグラフで180°剥離を行って、測定後の試料を目視観察し、破壊状況を確認する。
本発明のホットメルト接着剤組成物には、前記した構成にさらに粘着付与樹脂、ワックス、酸化防止剤等を含ませてよく、その詳細は、以下のとおりである。
本発明で使用できる粘着付与樹脂としては、環球法による軟化点が120℃以下であれば特に限定されないが、好ましくは環球法による軟化点が80〜120℃、より好ましくは90〜120℃である。環球法による軟化点が120℃を超えると、熱可塑性の小片状樹脂組成物からなるホットメルト接着剤を塗布する際に140〜160℃といった低温塗布が困難となる。また、環球法による軟化点が80℃より低い場合、ホットメルト接着剤組成物としての軟化点が下がり、粘着性が出てくる可能性がある。本発明で使用される粘着付与樹脂としては、例えば、脂肪族系炭化水素樹脂、脂環族系炭化水素樹脂、芳香族系炭化水素樹脂、スチレン系樹脂、ポリテルペン系樹脂、ロジン系樹脂などの石油樹脂や、これらの変性物が挙げられ、これらを1種または2種以上組み合わせて使用することができる。変性物としては特に限定しないが、例えば、水素添加、不均化、2量化、エステル化等の変性手段を施したものが挙げられ、水添(水素添加)石油樹脂が特に好ましい。
前記脂肪族系炭化水素樹脂としては、特に限定されず、例えば、1−ブテン、イソブチレン、ブタジエン、ペンテン、イソプレン、ピペリジン、1,3−ペンタジエンなどのC4〜C5のモノまたはジオレフィンを主成分とする重合体等が挙げられる。
前記脂環族系炭化水素樹脂としては、特に限定されず、例えば、C4〜C5留分中の非環式ジエン成分を環化2量体化させ、この2量体モノマーを重合させた樹脂や、シクロペンタジエンなどの環化モノマーを重合させた樹脂、芳香族炭化水素樹脂を核内水添させた樹脂等が挙げられる。
前記芳香族系炭化水素樹脂としては、特に限定されず、例えば、ビニルトルエン、インデン、α−メチルスチレン、シクロペンタジエン等のC9〜C10のビニル芳香族炭化水素を主成分とした樹脂などが挙げられる。
前記スチレン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、イソプロペニルトルエン等の重合体が挙げられる。
前記ポリテルペン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、α−ピネン重合体、β−ピネン重合体、ジペンテン重合体、テルペン−フェノール重合体、α−ピネン−フェノール重合体等が挙げられる。
前記ロジン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、ガムロジン、ウッドロジン、トール油等のロジンが挙げられる。
また、粘着付与剤としては、前記したように、水添石油樹脂が好ましく、特に、ジシクロペンタジエン(DCPD)・芳香族共重合系の水添石油樹脂、水添C9石油樹脂、水添C5石油樹脂がより好ましい。なお、DCPD(ジシクロペンタジエン)・芳香族共重合系の水添石油樹脂とは、一般的に、DCPD系化合物と芳香族化合物を共重合し、得られる共重合体に水素添加した、水素添加石油樹脂である。例えば、イーストタックC115W(水添C5石油樹脂、イーストマンケミカル社製の商品名)、アルコンM100またはアルコンP80(水添C9石油樹脂、荒川化学工業株式会社製の商品名、「アルコン」は登録商標)、アイマーブP100またはアイマーブS100(DCPD(ジシクロペンタジエン)・芳香族共重合系の水添石油樹脂、出光興産株式会社製の商品名、「アイマーブ」は登録商標)等、市販のものが使用できる。
また、本発明のホットメルト接着剤組成物中の粘着付与剤含有量は、25〜70質量%であり、30〜60質量%が好ましく、40〜50質量%がより好ましい。含有量が25質量%未満の場合は、耐熱性や接着性の低下が発生するおそれがあり、また、70質量%を超えると粘度低下による作業性悪化、低温接着性の低下などが発生するおそれがある。
さらに、本発明で使用できるワックスとしては、一般的に、熱可塑性の小片状樹脂組成物からなるホットメルト系接着剤に使用されるものであれば、示差走査熱量測定(DSC)による融点が100℃以下であれば特に限定されないが、好ましくはDSC(示差走査熱量測定)による融点が80〜100℃、より好ましくは90〜100℃である。DSCによる融点が100℃を超えると、ホットメルト接着剤組成物を塗布する際に140〜160℃程度の低温塗布が困難となる。また、環球法による軟化点が80℃より低い場合、ホットメルト接着剤組成物としての軟化点が下がり、粘着性が出てくる可能性がある。
本発明で使用されるワックスとしては、例えば、精製パラフィンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油系ワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロフィックワックス、結晶性ポリエチレンワックス、結晶性ポリプロピレンワックス、アタクチックポリプロピレンワックス、エチレン・一酸化炭素共重合体ワックス等の合成ワックスなどが挙げられる。これらの中でも特に、ポリエチレンワックス、フィッシャートロフィックワックス等が好適である。これらワックス成分は、1種のみであってもよいし、2種類以上であってもよい。
本発明のホットメルト接着剤組成物中のワックス成分含有量は、5〜30質量%であり、10〜20質量%が好ましい。含有量が5質量%未満の場合は、粘度上昇や固化性能の低下等が発生するおそれがあり、また、30質量%を超えると接着性の低下等が発生するおそれがある。
好ましいワックスとしては、例えば、サゾールH1(サゾール社製、フィッシャートロフィックワックス、「SaSOL(サゾール)」は登録商標)、CPW90F(千葉ファインケミカル株式会社製、ポリエチレンワックス)等、市販のものが挙げられる。
本発明の熱可塑性のホットメルト接着剤組成物は、さらに酸化防止剤を含んでいてもよい。使用される酸化防止剤としては、特に限定しないが、フェノール系、有機イオウ系、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、有機リン系ヒンダートフェノール系、アミン系等が挙げられる。例えば、フェノール系酸化防止剤としてペンタエリトリイルテトラキス−3−(3,5−ジ−ターシャリーブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(SONGNOX1010、SONGWON IND.製の商品名)およびn−オクタデシル−3−(3,5−ジ−ターシャリーブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(SONGNOX1076、SONGWON IND.製商品名)と、リン系酸化防止剤としてトリス(2,4−ジ−ターシャリーブチルフェニル)ホスファイト(SONGNOX1680、SONGWON IND.製の商品名)等が挙げられる。また、これらを1種または2種類以上組み合わせて使用することができる。
また、ホットメルト接着剤組成物中の酸化防止剤の含有量は、0.1〜2質量%が好ましく、0.2〜1質量%がより好ましい。含有量が0.1〜2質量%の範囲内にあることにより、熱安定性等がより一層向上する。
さらに、本発明のホットメルト接着剤組成物には、必要に応じて、高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩等の離型剤、カップリング剤、シリコーンオイルやシリコーンゴム粉末等の応力緩和剤、カーボンブラック等の顔料または染料、紫外線吸収剤、主成分の表面に被覆するアニオン性界面活性剤以外の界面活性剤、ノンハロゲン、ノンアンチモンの難燃剤等を適量配合してもよい。
本発明のホットメルト接着剤組成物は、各種原材料を均一に分散混合できるのであれば、いかなる手法を用いても調製できるが、一般的な手法として、所定の配合量の原材料をミキサー等によって十分混合した後、ミキシングロール、押出機、らいかい機、プラネタリミキサ等によって混合または溶融混練し、必要に応じて脱泡する方法等を挙げることができる。
本発明において、ホットメルト接着剤組成物を裁断する方法は、回転刃等連続的に裁断できるカッターであれば特に限定されないが、ホットメルト接着剤組成物がカッターに付着してしまうのを防止するため、カッター付近に本発明のアニオン性界面活性剤水溶液を噴霧するか、または本水溶液中で裁断することが好ましい。
本発明において、難燃性をさらに高める目的で、リンおよび窒素を含む難燃剤を加えてもよい。
次に本発明を実施例および比較例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〜8、比較例1〜7〕
表1に示した配合に従って、ホットメルト接着剤組成物を調整した。なお、表1中の配合単位は、質量%である。
検討に用いた材料は、エチレン−酢酸ビニル(EVA)共重合体は、ウルトラセン722(東ソー株式会社製、酢酸ビニル(VA)含有率28質量%、メルトフローレート(MFR)=400、環球法軟化点82℃)とウルトラセン735(東ソー株式会社製、VA含有率28質量%、MFR=1,000、環球法軟化点85℃)の2種類である。
粘着樹脂は石油樹脂のアルコンP100(荒川化学工業株式会社製、水添C9石油樹脂、軟化点100℃)とアルコンP90(荒川化学工業株式会社製、水添C9石油樹脂、軟化点90℃)とアルコンP115(荒川化学工業株式会社製、水添C9石油樹脂、軟化点115℃)とアルコンM135(荒川化学工業株式会社製、水添C9石油樹脂、軟化点135℃)の4種を用いた。
ワックスは、サゾールH1(サゾール社製、フィッシャートロピックスワックス、融点100℃)、FT115(日本製蝋株式会社製、合成ワックス、融点113℃)とFT0165(日本製蝋株式会社製、合成ワックス、融点73℃)の3種を用いた。
ポリエチレンワックスは、AQACER1547(ビックケミージャパン株式会社製、酸化高密度ポリエチレンワックスエマルジョン、融点125℃、不揮発分35%)と、環球法軟化点110℃、不揮発分40%)の2種と、ポリプロプレンワックスは、CERAFLOUR970(ビックケミージャパン株式会社製、ポリプロピレンワックス、融点160℃)を、界面活性剤は、モノゲンY100(第一工業製薬株式会社製、高級アルコール硫酸エステルナトリウム(ラウリル硫酸ナトリウム)、陰イオン性界面活性剤)を用いた。
また、酢酸ビニル共重合樹脂は、ケミパールV100(三井化学株式会社製、酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョン、pH8、不揮発分40%)、ケミパールV200(三井化学株式会社製、酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョン、pH8、不揮発分40%)を用いた。
180℃に設定した加熱ニーダーに被覆材以外の材料を投入し、十分に溶融させた。その後、樹脂組成物が均一になるまで混練りし、ビーズ状に成形した。ポリエチレンワックスエマルジョンまたはポリプロピレンワックスエマルジョンが上記樹脂組成物に対して12質量%、界面活性剤が3質量%となるよう作製した水溶液をスプレーを用いて、ビーズ状になったホットメルトに塗布し、40℃の温風をあてて乾燥させ、ホットメルト接着剤組成物とした。
Figure 2017101110
得られたホットメルト接着剤組成物について、粘度、軟化点、耐ブロッキング性、剥離接着強さを以下に示す方法により評価した。結果を表2に示した。
〔軟化点〕
JIS K6863に準拠し、環球法にて、各ホットメルト接着剤組成物の軟化点を測定した。
〔粘度〕
JIS K6862に準拠し、各ホットメルト接着剤組成物の160℃での粘度をBH型回転粘度計にて2号ロータを用い、回転速度10rpmにて測定した
〔糸曳き性〕
糸曳き性は、アプリケーター(タンク、ホース、ノズルの温度:175℃、圧力2.5Kg)にホットメルト接着剤を投入、溶解し、以下の条件で連続吐出を行い、ガイドバー付着物及び落下物の合計量を測定した。
[条件]
・メルター :プロブルーP4(ノードソン株式会社製)
・アプリケータ :ソリッドブルーS(ノードソン株式会社製)
・ノズルと回転まととの距離 :21cm
・ノズルとガイドバーとの距離:15cm
・ガイドバー高さ :吐出軌道2cm下側
・ノズル :1オリフィス(16/1,000インチ≒0.4mm)
・吐出パターン :吐出0.05秒、間隔0・5秒で5分間連続吐出
〔耐ブロッキング性〕
作製したホットメルト接着剤組成物を離型剤に浸漬させ、メッシュ(80目キヌ)でろ過後、40℃で30分間乾燥させた。カップの底面に離型剤を塗布し、処理したホットメルト接着剤組成物を入れ、9.8N(1kgf)の荷重をかけ、25℃50%RH(相対湿度)に12時間以上放置した。
その後、カップを逆さまにして、落下したホットメルト接着剤組成物質量を測定した。
次式より、耐ブロッキング性を評価した。数字が大きいほど、耐ブロッキング性が高いことを示す。
耐ブロッキング性[%] = 落下したホットメルト質量 / 全質量 × 100
〔剥離接着強さ〕
180℃で溶融したホットメルト接着剤組成物を、段ボール紙の表面に約0.07g/25mmのビード状に塗布し、オープンタイム約2秒で裏面を貼り合わせ、圧着時間2秒で試験片を作製した。この試験片をオートグラフで180°剥離を測定した(引張速度:100mm/分、試料温度:23℃)。また、測定後の試料を目視観察し、破壊状況を確認した。記号「A」は被着体と接着剤界面での破壊(界面破壊)、記号「B」は段ボール紙の破壊(材質破壊)を示す。
〔自動供給対応性〕
ホットメルト接着剤自動供給塗布装置フルフィル(供給エア圧力0.5MPa、ノードソン株式会社製の商品名)の供給タンク(容量120L)に作製したホットメルト接着剤組成物を50kg投入し、25℃、50%RH(相対湿度)で8時間放置後、ブロッキングせずに自動供給できるかを確認した。供給できた場合を「○」、ブロッキングが発生し供給できなかった場合を「×」とした。
Figure 2017101110
表2に示したように、
実施例はいずれの試料でも、糸曳き量が0.05g以下となっている。一方、糸曳き量が0・05gを超えている比較例2、3、4、5、6、7のホットメルト接着剤組成物は糸曳き量が多いために使用時の周辺環境の汚染が気になる。
これに対し、実施例は1〜8の試料は、いずれも、糸曳き量が0.05g以下であるため、使用時の周辺環境の汚染が気にならず、ブロッキング性、自動供給対応性がいずれも良好であり、かつ、接着性も良好となった。
なお、ホットメルト接着剤組成物の主成分に被覆がされていない比較例1、ホットメルト接着剤の主成分にポリエチレンワックスエマルジョンとアニオン系界面活性剤の両方が被覆されていない比較例2〜4の試料では、耐ブロッキング性を示すブロッキング指標が5〜40%でブロッキングが発生し、自動供給対応性にも劣ることが分かる。また、粘着付与樹脂配合量が18〜25部と他の試料に比べ少ない比較例6および7の試料でも、耐ブロッキング指標を示すブロッキング指標が50%でブロッキングが発生し、自動供給対応性でも供給不具合が発生した。
それに対し、本発明の実施例1〜8の試料は、耐ブロッキング性を示すブロッキング指標が60%以上、良好なものは93%以上の値を示している。また、接着性の指標である剥離接着強さにおいては、いずれも材質破壊「B」となり接着力の観点でも良好であった。
本発明によって、使用時の周辺環境を汚染することなく、ブロッキングが発生しにくく、接着性良好なホットメルト接着剤組成物を提供することができた。

Claims (2)

  1. ノズル突出部の温度が175℃、ノズル径1オリフィスにおける糸曳き性試験において、糸曳き量が0〜0.05gであり、ブロッキング指標が耐ブロッキング試験で60%以上であるホットメルト接着剤組成物。
  2. ホットメルト接着剤組成物が、ホットメルト接着剤の主成分と、この主成分の表面を被覆する被覆材とを備え、前記主成分は、オレフィン系樹脂、粘着付与樹脂、ワックスを含み、前記被覆材が、主親水基が陰イオン型のアニオン性界面活性剤にエチレン酢酸ビニル共重合体またはポリエチレンワックスのいずれか1つ以上を混合させている請求項1に記載のホットメルト接着剤組成物。
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