JPWO2016002090A1 - 導電性基材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

ナノメートルサイズの構造部を有する導電性繊維を含んで構成した導電膜を含む導電性基材及び、導電性基材の製造方法を新たに提供する。支持層2上に塗布により形成され、コロイド粒子の凝固物を主成分とする膜からなる親水性の介在層3と、この介在層3上に塗布により形成され、導電性繊維を含んで構成される膜からなる疎水性の導電層4と、支持層2上の介在層3及び導電層4を包んでこれらを保護するオーバーコート層5を備えて構成される透明導電性フィルム1a又は、支持層2上のコロイド粒子の凝固物を主成分とする膜からなる親水性の介在層3と、この介在層3上の導電性繊維を含んで構成される膜からなる疎水性の導電層4と、この導電層4上に光硬化型レジスト層6を備えて構成されている透明導電性フィルム1bとし、水中での超音波処理により導電層4に微細パターンを形成する。

Description

本発明は、例えば、フラットパネルディスプレイ、タッチスクリーン、太陽電池等の装置を構成する電極材料に適用可能で、酸化インジウムスズ(以下、「ITO」という。)に代わる材料で構成した導電性基材、導電性基材の製造方法及び導電層パターニング方法に関する。
透明導電性フィルム(基板、膜)は、パソコン、携帯電話、スマートフォン等に搭載されるフラットパネルディスプレイやタッチスクリーンに適用される電極材料として、或いは、太陽電池等のセルを構成する電極材料として広く知られている。
従来、この透明導電フィルムの材料には、可視光に対して高い透過率を示すITOが採用されてきた。しかしながら、ITOを構成するインジウムは希少金属の一つであるので長期的な供給の観点から、その安定性が危惧されている。また、ITO膜は一般にスパッタ法により形成されるが、このスパッタ法の方式の違い、膜成長させるための雰囲気の違い等によって、形成されるITO膜の性質にばらつきが生じやすい。特に、フレキシブル基材上に形成されるITO膜は、曲がり等の応力に弱く、抵抗値が上がってしまう等の機能低下を招きやすい。
最近、ITOに代わる透明導電フィルムの材料として、高い電気伝導性と高アスペクト比を有する炭素材料、例えば、カーボンナノチューブ(以下、「CNT」という。)、カーボンナノホーン等のナノメートルサイズの構造部を有する炭素材料が注目されている。しかしながら、これらの炭素材料から構成した導電膜を含む透明導電フィルムを容易かつ効率的にパターニングするためには、様々な技術的課題が残されている。
例えば、CNTを含む導電膜のパターニングにレーザーが採用される場合、高価なレーザー装置が必要となり、パターンの作製に時間がかかる。CNTを含む液をインキ化し、そのインキでパターンを印刷する方法も知られるが、インキ化するための樹脂が導電膜の抵抗値に影響するほか、印刷機が必要である、パターニングの精度が粗い等の問題がある。
下記特許文献1では、CNTを含む導電膜のパターニングに導電膜除去剤(エッチングペースト)を使うことが提案されているが、強酸のエッチングペーストを80℃以上の高温環境下で用いるので、その取り扱いに相当な注意が必要となる。微細加工が困難であるという問題もある。また、下記特許文献2において、基板上のCNTを含む導電膜を任意に被覆し、特殊な剥離溶液に浸透させるとともに機械的又は科学的に撹拌し、被覆していないCNTを含む導電膜を選択的に除き、導電膜をパターン化する技術が提案されている。しかし、この手法は、CNTを剥離する際、水及びアルコールといった単なる溶剤を採用するのでは達成不可能であり、特殊な剥離溶液が必要であるとされ、汎用性に欠ける。
下記特許文献3では、CNTを含む導電性繊維の導電層と、感光性樹脂層を組み合わせて形成する透明導電膜の製法が提案されている。しかし、感光性樹脂層を永久膜として基板上に残す手法であるので、用いる感光性樹脂層に透明である等の特別な特徴が必要となるので、やはり汎用性に欠けるという問題がある。
特許第4998619号公報 特表2007−529884号公報 特開2013−248893号公報
上述したように、CNT、カーボンナノホーン等のナノメートルサイズの構造部を有する炭素材料から構成した導電膜を含む透明導電フィルムが求められているが、その作製には様々な技術的課題がある。一方、発明者らは今回開発した手法により、ITO膜をパターニングする工程を一部利用することにより、ナノメートルサイズの構造部を有する炭素繊維材料を導電膜としてパターニングすることに成功した。特に、この手法は、水中での超音波処理という汎用的な方法によって、導電膜を短時間でパターニングすることができ、かつ、その導電性能を透明導電フィルムにおいて殆ど阻害することなく引き出している(私たちは、これを「USパターニング:US=Ultra Sonic」と呼ぶ)。さらに、感光性樹脂層を永久膜として必ずしも基板上に残す必要がなく、十分な汎用性を有している。
本発明は、上記実情に鑑み提案され、ITO膜の加工装置でも一部代用でき、短時間で作製することができ、取り扱いの難しさがない手法で得ることのできるナノメートルサイズの構造部を有する導電性繊維から構成した導電膜を含む導電性基材及び、導電性基材の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る導電性基材は、基板となる支持層と、この支持層上に塗布により形成され、コロイド粒子の凝固物を主成分とする膜からなる親水性の介在層と、この介在層上に塗布により形成され、ナノメートルサイズの構造部を有する導電性繊維を含む膜からなる導電層とを備えることを特徴とする。
さらに、前記導電層が、前記介在層上で選択配置されていることを特徴とする。
また、本発明に係る導電性基材は、コロイド粒子の凝固物を主成分とする膜からなる親水性の介在層を、基板となる支持層上に塗布により形成し、前記介在層上にナノメートルサイズの構造部を有する導電性繊維を含む膜からなる導電層を塗布により形成して構成することを特徴とする。
さらに、前記導電層を形成した後に、前記導電層における前記介在層と反対側の面上に、前記導電層を保護する保護層を所定処理により前記導電層上に選択配置し、その後、水中での超音波処理により、前記介在層から前記導電層を、選択配置された前記保護層に覆われている前記導電層を除いて離脱させて構成することを特徴とする。
上記導電性基材は、オーバーコート層を有することが好ましい。
また、前記支持層を除いた上で測定される全光線透過率の値が80%以上であることが好ましい。
本発明に係る導電性基材の製造方法は、コロイド粒子の凝固物を主成分とする膜からなる親水性の介在層を、基板となる支持層上に塗布により形成し、前記介在層上にナノメートルサイズの構造部を有する導電性繊維を含む膜からなる導電層を塗布により形成し、導電性基材を製造することを特徴とする。
さらに、前記導電層を形成した後に、前記導電層における前記介在層と反対側の面上に、前記導電層を保護する保護層を所定処理により前記導電層上に選択配置し、その後、水中での超音波処理により、前記介在層から前記導電層を、選択配置された前記保護層に覆われている前記導電層を除いて離脱させることを特徴とする。
なお、前記介在層を構成する膜の主成分となるコロイド粒子は、凝固物が親水性を示す化合物の粒子であることが好ましい。例えば、酸化ケイ素をコロイド粒子としたコロイダルシリカ溶液、金属酸化チタンをコロイド粒子とした酸化チタンコロイド溶液、その他凝固物が親水性を示す各種の金属をコロイド粒子とした金属コロイド溶液を採用し、支持層上に塗布することで介在層を構成することができる。また、コロイド粒子が分散している分散媒は、水であっても、アルコール(メタノール、エタノール、プロパノール等)であっても、その他溶剤(ジメチルアセトアミド、エチレングリコール、エチレングリコールモノn−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラブチルアルコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン等)であってもよい。また、コロイド粒子の分散液に微量の分散剤や樹脂等を含有させ、分散性を促し、かつ、基材との密着性を強固にしても良い。
本発明に係る導電性基材は、基板となる支持層と、この支持層上に塗布により形成され、コロイド粒子の凝固物を主成分とする膜からなる親水性の介在層と、この介在層上に塗布により形成され、ナノメートルサイズの構造部を有する導電性繊維を含む膜からなる導電層とを備える。したがって、水中で超音波処理することにより、コロイド粒子の凝固物を主成分とする親水性の介在層の物性と、導電性繊維を含む膜からなる疎水性の導電層の物性との相違に基づいて、介在層から導電層を離脱させることができる。
特に、導電層における介在層と反対側の面上に、導電層を保護する保護層を選択配置することで、水中での超音波処理により、介在層から導電層を、選択配置された保護層に覆われている導電層を除いて離脱させることができる。したがって、導電層を介在層から選択的に離脱させる、すなわち導電層をパターニングすることができる。なお、保護層を永久膜として必ずしも基板上に残さないので、保護層が透明である等の必要がなく、安価な材料を採用することができ、汎用性に富んだ導電性基材として提供することができる。
本発明における導電層のパターニングに、レーザー等の特別な装置は必要無い。また、このパターニングは、短時間で達成される。強酸、高温等の過酷な環境が必要ないので、その取り扱いも比較的容易である。水中での超音波処理であるので、特殊な剥離溶液も必要ない。
本発明に係る導電性基材において、オーバーコート層を有する構成とすれば、介在層と導電層との間の密着力の強化のほか、導電性基材全体として、導電層の保護、耐久性の付与、光透過率の向上、パターンの骨見え低減などの効果を得ることができる。
また、本発明に係る導電性基材において、支持層を除いた上で測定される全光線透過率の値が80%以上である構成とすれば、透明な電極材料としてフラットパネルディスプレイ、タッチスクリーン、太陽電池等の装置へ適用可能となる。そうすると、これらの装置についてITO膜に代わる材料(本発明)で電極を構成することができる。
図1の(a)は、本発明に係る導電性基材の構成の一例を示す概略図である。(b)は、本発明に係る導電性基材の構成の他の一例を示す概略図である。
図2は、本発明に係る導電性基材における導電層を構成する膜の材料として例示されるカーボンナノチューブの概略図である。
図3は、第1実施形態における導電性基材の製造方法(介在層形成工程から超音波処理工程まで)を、導電性基材の概略図を添えてフローで説明する説明図である。
図4は、第1実施形態における導電性基材の製造方法(レジスト剥離工程以降)を、導電性基材の概略図を添えてフローで説明する説明図である。
図5は、第2実施形態における導電性基材の製造方法を、導電性基材の概略図を添えてフローで説明する説明図である。
以下、本発明に係る導電性基材及び、導電性基材の製造方法に関し、具現化したいくつかの実施形態について図面とともに説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の構成を具現化した例示に過ぎず、本発明は、特許請求の範囲に記載した事項を逸脱することがなければ、種々の設計変更を行うことができる。
本発明に係る導電性基材は、基板としての支持層上に、少なくとも介在層及び導電層が積層されて構成される。本発明は、例えば、透明導電性フィルムとして、フラットパネルディスプレイ、タッチスクリーン、太陽電池等の装置の電極材料として用いることができる。なお、本明細書において、本発明に係る導電性基材を構成する各構成要素のうち、支持層を除いた上で測定される全光線透過率の値が80%以上であるとき、当該導電性基材は「透明」であると定義する。全光線透過率の測定は、JIS K 7136、JIS K 7361等に準拠し、その値を算出すればよい。
図1(a)に示すように、本発明に係る透明導電性フィルム1aは、支持層2上に塗布により形成され、コロイド粒子としての、例えば、コロイダルシリカの凝固物を主成分とする膜からなる親水性の介在層3を備える。また、この介在層3上に塗布により形成され、ナノメートルサイズの構造部を有する導電性繊維として、例えば、単層カーボンナノチューブ(以下、「単層CNT」という。)を含んで構成される膜からなる疎水性の導電層4を備えている。さらに、本発明に係る透明導電性フィルム1aは、支持層2上の介在層3及び導電層4を包んでこれらを保護するオーバーコート層5を備えている。
また、図1(b)に示すように、本発明に係る別の透明導電性フィルム1bは、支持層2上に塗布により形成され、コロイダルシリカの凝固物を主成分とする膜からなる親水性の介在層3と、単層CNTを含んで構成される膜からなる疎水性の導電層4とを備え、この導電層4上に光硬化型レジスト層6を備えて構成されている。透明導電性フィルム1bでは、光硬化型レジスト層6が、支持層2上の介在層3及び導電層4を覆ってこれらを保護するオーバーコートとしての役割を果たす。光硬化型レジスト層6の材料として、紫外線や熱により硬化させる光硬化型レジスト等、各種の公知材料を挙げることができる。
支持層2は、透明導電性フィルム1a,1bの基板として機能する。支持層2の材料として、例えば、耐熱性及び耐溶剤性、透明性に優れたポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」という。)フィルムを例示することができる。また、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のポリエステル類、ポリカーボネートフィルム等のポリカーボネート類、ポリエチレンナフタレート、トリアセチルセルロース、環状オレフィン系樹脂を使用することができる。ポリメタクリル酸メチル、ポリ塩化ビニルなどの熱可塑性樹脂、ポリパラフェニレンサルファイド、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアクリル樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ABS樹脂等を採用することもできる。その他、素ガラス等の各種ガラス、石英であってもよい。
支持層2の表面、特に、介在層3の主成分となるコロイダルシリカが塗布される側の面に、易接着処理が施されていることが好ましい。介在層3を支持層2に密着させるのに有利だからである。支持層2の表面への易接着処理は、物理的な処理、化学的な処理等、各種の公知の処理法によって達成することができる。
介在層3は、コロイダルシリカの凝固物を主成分とする表面が粒子状の膜からなる。例えば、支持層2上に酸化ケイ素系親水処理剤を塗布、例えば、バーコートし、これを加温乾燥することで、コロイダルシリカが凝集又は凝固した膜として親水性の介在層3を得ることができる。本発明において介在層3を、コロイダルシリカの凝固物を主成分とする膜からなる構成に代えて、コロイド粒子として、例えば、酸化チタンコロイドの凝固物を主成分とする膜からなる構成とすることができる。具体的には、金属酸化チタンが分散した酸化チタンコロイド溶液を支持層2上に塗布し、これを加温乾燥することで、チタンコロイドの凝固物を主成分とする膜からなる介在層を構成することができる。また、介在層を構成するコロイド粒子としては、コロイダルシリカ、金属酸化チタンのほか、各種の金属コロイドを用いることができる。介在層の材料として、超音波処理を行う水中で親水性を示す成分である限り、採用することができる。なお、本発明において、コロイド粒子が分散している分散媒は、水であっても、アルコール(メタノール、エタノール、プロパノール等)や、その他溶剤(ジメチルアセトアミド、エチレングリコール、エチレングリコールモノn−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラブチルアルコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン等)であってもよい。また、コロイド粒子の分散液に微量の分散剤や樹脂等を含有させ、分散性を促し、かつ、基材との密着性を強固にしても良い。
導電層4は、ナノメートルサイズの構造部を有する導電性繊維を含んで構成される膜からなる。透明導電性フィルム1a,1bにおいて導電層4は、単層CNTを含む膜から構成されている。例えば、介在層3上に単層カーボンナノチューブ水分散液を塗布、例えばバーコートし、これを加温乾燥することで導電層4を得ることができる。
ここで、図2に示すように、カーボンナノチューブ41は、ナノメートルサイズの六員環構造の構造部41aが繰り返され、全体としてチューブ状又は筒状構造を構成する炭素材料である。本発明において、導電層4を形成する膜の材料となるカーボンナノチューブ41は単層であっても、多層であっても構わない。その他、構造単位がナノメートルサイズの導電性繊維材料として、各種の導電性ナノワイヤー、特に、金属ナノワイヤー、例えば、銀ナノワイヤー等を採用することができ、また、これらの素材を複数組み合わせて使うことも可能である。なお、導電層4にカーボンナノチューブを使う場合、単層CNTを用いることが、透明性の向上の観点から好ましい。本実施形態において、カーボンナノチューブの水分散液を使用するが、エタノール等のアルコールやメチルエチルケトン等の溶剤を溶媒としたCNT分散液を使用することもできる。
オーバーコート層5は、透明導電性フィルム1aを構成する導電層4を、外部からの応力等から保護する層として機能する。また、オーバーコート層5は、透明導電性フィルム1aに対し、密着性の向上、耐久性の付与、光透過率の向上、パターンの骨見え低減などの効果を与えることができる。オーバーコート層5の材料として、例えば、耐熱性及び耐溶性、透明性に優れたポリビニルアルコールを例示することができる。また、その他の透明な熱可塑性樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアクリル樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ABS樹脂を採用することができる。
なお、上述したように、図1(b)に示す透明導電性フィルム1bでは、光硬化型レジスト層6が、支持層2上の介在層3及び導電層4を包んでこれらを保護するオーバーコートとしての役割を果たしている。
以下、本発明に係る導電性基材の製造方法に関し、その概略を説明する。
(第1実施形態)
<介在層形成工程S11>
図3に示すように、まず、支持層2の易接着処理された面に酸化ケイ素系親水処理剤を塗布する。これを室温〜100℃程度で5秒〜10分程度乾燥させ、支持層2上に、例えば、コロイダルシリカの凝固物を主成分とする膜からなる親水性の介在層3を形成する。
<導電層形成工程S12>
この介在層3上に単層CNT水分散液を塗布する。これを室温〜100℃程度で5秒〜10分程度乾燥させて、介在層3上にナノメートルサイズの構造部を有する導電性繊維としての単層CNTを含む膜からなる導電層4を形成する。そして、室温〜60℃程度の酸性水溶液に5秒〜10分程度浸漬し、導電層4の単層CNT膜の不純物を除去するとともに、ドーピングを行い、低抵抗な透明導電性フィルム1aを得る。なお、ドーピングのための酸に関しては、硝酸が適しており、さらに硝酸を含む混酸が好ましい。また酸処理は、酸濃度、温度、時間により効果が異なるため、最適な品質が得られる条件を採用することが望ましい。
<光崩壊型レジスト層形成工程S13>
次に、酸処理をした透明導電性フィルム1aの導電層4における介在層3と反対側の面上に、光崩壊型レジスト層8をスピンコーター又はスリットコーター等により薄膜状に塗布して形成する。
<光崩壊型レジスト層露光工程S14>
光崩壊型レジスト層8が形成された透明導電性フィルム1aに対し、パターンが形成されたマスク9を使って、紫外線照射により光崩壊型レジスト層8を露光する。
<光崩壊型レジスト層選択配置工程S15>
光崩壊型レジスト層8が露光処理された透明導電性フィルム1aに対し、現像液により現像し、導電層4上の光崩壊型レジスト層8にパターンを描く。すなわち、マスク9によって遮蔽されないで露光された光崩壊型レジスト層8を現像によって除去することで、導電層4上に保護層としての光崩壊型レジスト層8を選択配置する。
なお、光崩壊型レジスト層選択配置工程S15では、介在層がコロイダルシリカの凝固物を主成分とした膜から形成されて、現像でアルカリ性の現像液を用いる場合において、時間を制御することで、アルカリシリカ反応(ASR)によってコロイダルシリカがゲル状物質に変質してしまう前に現像を終わらせる必要がある。具体的には、コロイダルシリカがゲル状物質に変質することが認められる前に、アルカリ性の現像液を洗い流す工程に移行する。
<超音波処理工程S16>
光崩壊型レジスト層8を選択配置することで、光崩壊型レジスト層8にパターンを描いた透明導電性フィルム1aを水中に沈め、25℃以上(好ましくは、35℃以上)の温水中で20K〜1MHz程度の超音波処理を5秒〜30分行う。これにより、導電層4のうち、光崩壊型レジスト層8により覆われていない領域を、介在層3から離脱させる。具体的には、光崩壊型レジスト層8により覆われていない導電層4の領域に水が侵入し、その一部が介在層3まで至るので、この介在層3に侵入した水及び超音波処理による振動により、コロイダルシリカの凝固物からなる介在層3から光崩壊型レジスト層8により覆われていない導電層4を離脱させる。その結果、導電層4が選択的に介在層3から除去される。すなわち、導電層4にパターンが形成されることになる(私たちは、これを「超音波エッチング」と呼ぶ)。
<レジスト剥離工程S17>
その後、図4に示すように、導電層4上に残存している光崩壊型レジスト層8をレジスト剥離液等の適宜の手段により除去する。なお、レジスト剥離液で剥離する前に、光崩壊型レジスト層8に追加露光等の処理を行うことが望ましい。
<後処理工程S18>
さらに、酸性溶液中に浸漬し、洗浄するとともに、導電層4の単層CNTへのドーピングを行い、低抵抗な透明導電性フィルム1aを得る。ドーピング用の酸には、硝酸が適しており、さらに硝酸を含む混酸が好ましい。また酸処理は、酸濃度、温度、時間により効果が異なるため、最適な品質が得られる条件を採用することが望ましい。
<オーバーコート層形成工程S19>
低抵抗な透明導電性フィルム1aを得たら、最後に、透明導電性フィルム1aの全面を、オーバーコート剤を塗布することにより、オーバーコート剤で覆い、これを乾燥させてオーバーコート層5を形成する。このオーバーコート剤による透明導電性フィルム1aの抵抗への影響はわずかである。
(第2実施形態)
図5に示すように、第1実施形態の介在層形成工程S11、導電層形成工程S12と同様の方法で、介在層形成工程S21、導電層形成工程S22を行い、透明導電性フィルム1bを得る。
さらに、感光性レジストを第1実施形態の光崩壊型レジスト8から光硬化型レジスト6に代えて、光硬化型レジスト層形成工程S23、光硬化型レジスト層露光工程S24、光硬化型レジスト層選択配置工程S25を行う。これらの工程も、第1実施形態の光崩壊型レジスト層形成工程S13、光崩壊型レジスト層露光工程S14、光崩壊型レジスト層選択配置工程S15と同様な方法で行うことができる。これを経て、透明導電性フィルム1bの導電層4上に光硬化型レジスト層6を選択配置する。
第2実施形態の超音波処理工程S26は、第1実施形態の超音波処理工程S16と同様な方法で行うことができる。超音波処理工程S26により、透明導電性フィルム1bの導電層4にパターンが形成される(超音波エッチング)。
第2実施形態は、第1実施形態と異なり、超音波処理工程S26より後の工程が不要である。光硬化型レジスト層6がオーバーコート層の役割を果たし、導電層4に対する外部からの応力等から保護する層として機能するからである。したがって、光硬化型レジスト層6をレジスト剥離液等により除去することをしない。
なお、上記第1実施形態、第2実施形態において、光崩壊型フォトレジスト8、光硬化型フォトレジスト6を用いた例を説明した。しかしながら、スクリーン印刷を用いてパターニングされるスクリーン印刷レジスト、めっき時の部分的保護に用いられるめっきレジスト、基板のはんだ付けしない部分に塗布し、はんだブリッジによる短絡を防止するソルダーレジスト、ドライフィルムレジスト等を、上述したような感光性レジストの代わりに単独で、又は感光性レジストとともに組み合わせて用いることができる。
ここで、第1実施形態の超音波処理工程S16、第2実施形態の超音波処理工程S26では、18K〜1MHzの範囲の周波数を付与すればよく、好ましい周波数の範囲は20K〜75KHz、さらに好ましくは20K〜40KHzである。本発明では、75KHzを超える範囲の周波数であっても実施可能であるが、微細パターンの確実な形成のために処理時間が長くなり、非効率となってしまう虞がある。また、このような効率の観点から、処理の時間は30分以内、特に15分以内に完了させることが好ましい。水温は0〜100℃の液体状態であればよく、好ましい水温の範囲は20〜75℃、更に好ましくは30〜50℃程度である。水温については、高温でありながら、導電層4が介在層3から除去されるのにムラが発生しないように、水泡などが起きない温度、例えば、75℃程度より低い温度であることが好ましい。また、30℃を下回る水温であっても実施可能であるが、微細パターンの確実な形成のために処理時間が長くなり、非効率となってしまう虞がある。
さらに、超音波処理を行う水に関し、純水でもよく、市水(水道水)でもよく、酸やアルカリ、イソプロピルアルコール等の溶剤が混入した水であっても、使用することができる。
以下、本発明を実施して製造した透明導電性基材の実施例のいくつかを説明する。
(実施例1)
PETフィルム(東洋紡(株)製コスモシャイン(登録商標)「A4100」)の易接着処理がされた面へ有機溶媒分散シリカゾル(日産化学工業(株)製「IPA−ST」)をバーコートし、80℃で5分間乾燥させることで、PETフィルム上に親水性のコロイダルシリカ凝固物層を形成した。さらに、このコロイダルシリカ凝固物層の上に、単層カーボンナノチューブ水分散液(KH Chemical社製「Water Solution Gen2.2」)をバーコートし、80℃で5分間乾燥させることで、単層カーボンナノチューブを含む透明導電膜を形成し、実施例1の透明導電性フィルムを構成した。
この透明導電性フィルムを、25℃で5分間、硝酸水溶液に浸漬し、分散剤等不純物を除去するとともに、透明導電膜のカーボンナノチューブに酸をドープして低抵抗とする酸処理を行った。さらに、透明導電性フィルム上へ光崩壊型フォトレジスト(ロームアンドハース電子材料(株)製)をスピンコートしてプレベークし、ライン幅/ラインスペース(以下、「L/S」という。)が10μ/10μ(L/S=10μ/10μ)の微細パターンを含むマスクにより、露光し水酸化テトラメチルアンモニウム(以下、「TMAH」という。)系現像液により現像した。これにより実施例1の透明導電膜上に光崩壊型フォトレジストの微細パターンを形成した。なお、現像後にポストベークをしてもよい。
次に、光崩壊型フォトレジストの微細パターンを形成した実施例1の透明導電性フィルムを、40〜50℃の水中で、40KHzの周波数による超音波処理を10分間行った。その結果、光崩壊型フォトレジストにより保護されていない透明導電膜の層がコロイダルシリカ凝固物層から剥がれ、透明導電膜層を選択的に除去すること、すなわち、透明導電膜層に微細パターンを形成することができた。
さらに、透明導電膜層上の不要な光崩壊型フォトレジストに対して紫外線照射し、TMAH系剥離液に浸漬させて光崩壊型フォトレジストを除去した。これにより、PETフィルム上の単層カーボンナノチューブを含む透明導電膜に微細パターンが形成されている透明導電性フィルムを構成することができた。
その後、透明導電膜に微細パターンが形成された透明導電性フィルムに対して硝酸水溶液中に再度浸漬すれば、汚染物質を洗浄除去し、同時に単層カーボンナノチューブに硝酸をドープすることとなって、低抵抗な透明導電膜を確実に得ることが可能となる。また、汚染物質が洗浄除去されるため、実施例1の透明導電性フィルムを利用した以降の工程に移行する際に、洗浄工程として扱うことができる等の有利な効果を得ることができる。
最後に、透明導電膜に微細パターンが形成された実施例1の透明導電性フィルムに対し、その全面にオーバーコート剤(KH Chemical社製「Over Coat Solution」)をバーコートし、乾燥させることでオーバーコート層を形成した。このオーバーコート層により透明導電膜の保護、耐久性の付与、透過率の向上、反射率の低下、パターンの骨見えの低減等の利点を加えることができる。また、オーバーコート層によって影響される実施例1の透明導電性フィルムの抵抗値の変化は、僅かである。
(実施例2)
実施例1と同様にして、PETフィルム(東洋紡(株)製コスモシャイン(登録商標)「A4100」)と、有機溶媒分散シリカゾル(日産化学工業(株)製「IPA−ST」)をバーコートし、単層カーボンナノチューブ水分散液(KH Chemical社製「Water Solution Gen2.2」)とから実施例2の透明導電性フィルムを構成した。さらに、この実施例2の透明導電性フィルムを、25℃で5分間、硝酸水溶液に浸漬し、分散剤等不純物を除去するとともに、透明導電膜のカーボンナノチューブに酸をドープして低抵抗とする酸処理を行った。
酸処理をした実施例2の透明導電性フィルム上へ、光硬化型フォトレジスト(JSR製)をスピンコートしてプレベークし、L/S=10μ/10μの微細パターンを含むマスクにより、露光し現像した。これにより透明導電膜上に光硬化型フォトレジストの微細パターンを形成した。
次に、光硬化型フォトレジストの微細パターンを形成した実施例2の透明導電性フィルムを、40〜50℃の水中で、40KHzの周波数による超音波処理を10分間行った。その結果、光硬化型フォトレジストにより保護されていない透明導電膜層が親水性のコロイダルシリカ凝固物層から剥がれ、透明導電膜層を選択的に除去すること、すなわち、透明導電性フィルムにおける単層カーボンナノチューブを含む透明導電膜層に微細パターンを形成することができた。
(実施例3)
素ガラス(日本板硝子(株)製)上へ有機溶媒分散シリカゾル(日産化学工業(株)製「IPA−ST」)をバーコートし、80℃で5分間乾燥させることで、素ガラス上に親水性のコロイダルシリカ凝固物層を形成した。さらに、このコロイダルシリカ凝固物層の上に、単層カーボンナノチューブ水分散液(KH Chemical社製「Water Solution Gen2.2」)をバーコートし、80℃で5分間乾燥させることで、単層カーボンナノチューブを含む透明導電膜を形成し、実施例3の透明導電性ガラス基材を構成した。さらに、実施例3の透明導電性ガラス基材を硝酸水溶液に25℃で5分間浸漬し、分散剤等不純物を除去するとともに、透明導電膜層を低抵抗とする酸処理を行った。
実施例3の透明導電性ガラス基材上へ光硬化型フォトレジスト(JSR製)をスピンコートしてプレベークし、L/S=10μ/10μの微細パターンを含むマスクにより、露光し現像して、透明導電膜上に光硬化型フォトレジストの微細パターンを形成した。
次に、光硬化型フォトレジストの微細パターンを形成した実施例3の透明導電性ガラス基材を、40〜50℃の水中で、40KHzの周波数による超音波処理を10分間行った。その結果、光硬化型フォトレジストにより保護されていない透明導電膜層が親水性のコロイダルシリカ凝固物層から剥がれ、透明導電膜層を選択的に除去すること、すなわち、透明導電性ガラス基材における単層カーボンナノチューブを含む透明導電膜層に微細パターンを形成することができた。
なお、実施例2の透明導電性フィルム及び実施例3の透明導電性ガラス基材では、光硬化型レジストがオーバーコート層の役割を果たす。したがって、光硬化型レジストを除去することは不要である。
(実施例4)
実施例4では、介在層として用いる酸化チタンコロイドを形成するための酸化チタン分散液を、最初に作製する。まず、テトラブチルアルコールとジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートとを1:2の割合で混合し、撹拌して酸化チタン分散液の分散媒を作製した。続いて、粉末の酸化チタン(TiO)を2グラム、作製した分散媒を10グラム、アセチルアセトンを0.2グラム、トリトンX−100(登録商標)の1%水溶液を0.1グラム混ぜ、容器にビーズとともに入れて密封し、分散機で撹拌して酸化チタン分散液を得た。
次に、PETフィルム(東洋紡(株)製コスモシャイン(登録商標)「A4100」)の易接着処理がされた面へ、作製した酸化チタン分散液をバーコートし、120℃で60分間乾燥させ、PETフィルム上に酸化チタンコロイド凝固物層を形成した。さらに、この酸化チタンコロイド凝固物層の上に、単層カーボンナノチューブ水分散液(KH Chemical社製「Water Solution Gen2.2」)をバーコートし、80℃で5分間乾燥させることで、単層カーボンナノチューブを含む透明導電膜を形成し、実施例4の透明導電性フィルムを構成した。
実施例4の透明導電性フィルムを、25℃で5分間、硝酸水溶液に浸漬し、分散剤等不純物を除去するとともに、透明導電膜のカーボンナノチューブに酸をドープして低抵抗とする酸処理を行った。さらに、実施例4の透明導電性フィルム上へ光崩壊型フォトレジスト(ロームアンドハース電子材料(株)社製)をスピンコートしてプレベークし、L/S=10μ/10μの微細パターンを含むマスクにより、露光し現像した。これにより透明導電膜上に光崩壊型フォトレジストの微細パターンを形成した。
次に、光崩壊型フォトレジストの微細パターンを形成した実施例4の透明導電性フィルムを、40〜50℃の水中で、40KHzの周波数による超音波処理を10分間行った。その結果、光崩壊型フォトレジストにより保護されていない透明導電膜の層がコロイダルシリカ凝固物層から剥がれ、透明導電膜層を選択的に除去すること、すなわち、透明導電膜層に微細パターンを形成することができた。
その後、実施例1と同様にして、実施例4の透明導電性フィルムに対し、不要な光崩壊型フォトレジストを除去し、硝酸水溶液中に再度浸漬し、硝酸をドープして低抵抗な透明導電膜を得た。さらに、その全面にオーバーコート剤(KH Chemical社製「Over Coat Solution」)をバーコートし、乾燥させることでオーバーコート層を形成した。
(比較例1)
PETフィルム(東洋紡(株)製コスモシャイン(登録商標)「A4100」)の易接着処理がされた面をエタノールで拭いて洗浄した。このPETフィルム上に単層カーボンナノチューブ水分散液(KH Chemical社製「Water Solution Gen2.2」)をバーコートし、80℃で5分乾燥させることで、PETフィルム上に単層カーボンナノチューブを含む透明導電膜を形成し、比較例1の透明導電性フィルムを構成した。
比較例1の透明導電性フィルムを硝酸水溶液に、25℃で5分間浸漬し、透明導電膜を低抵抗とする酸処理を行った。さらに、光崩壊型フォトレジスト(ロームアンドハース電子材料(株)製)をスピンコートしてプレベークし、L/S=10μ/10μの微細パターンを含むマスクにより、露光し現像し、透明導電膜上に光崩壊型フォトレジストの微細パターンを形成した。
光崩壊型フォトレジストの微細パターンを形成した比較例1の透明導電性フィルム対し、40〜50℃の温水中で、40KHzの周波数による超音波処理を30分行った。しかしながら、光崩壊型フォトレジストにより保護されていない透明導電膜層は、PETフィルム面から剥がれず、比較例1の透明導電性フィルムにおいて透明導電膜層に微細パターンを形成することができなかった。
(比較例2)
PETフィルム(東洋紡(株)製コスモシャイン(登録商標)「A4100」)の易接着処理がされた面へコロイド溶液ではない液状のチタンテトライソプロポキシド(TTIP)を用いて塗布し、乾燥を行い表面が粒子状ではない親水性チタン化合物の薄膜を形成した。この親水性チタン化合物薄膜上に単層カーボンナノチューブ水分散液(KH Chemical社製「Water Solution Gen2.2」)をバーコートし、単層カーボンナノチューブを含む透明導電膜を形成し、比較例2の透明導電性フィルムを構成した。
比較例2の透明導電性フィルムを硝酸水溶液に、25℃で5分間浸漬し、透明導電膜を低抵抗とする酸処理を行った。さらに、光崩壊型フォトレジスト(ロームアンドハース電子材料(株)製)をスピンコートしてプレベークし、L/S=10μ/10μの微細パターンを含むマスクにより、露光し現像し、透明導電膜上に光崩壊型フォトレジストの微細パターンを形成した。
光崩壊型フォトレジストの微細パターンを形成した比較例2の透明導電性フィルム対し、40〜50℃の水中で、40KHzの周波数による超音波処理を30分行った。しかしながら、光崩壊型フォトレジストにより保護されていない透明導電膜層の、親水性チタン化合物薄膜からの剥がれ方にムラが生じた。さらに、透明導電膜層が剥がれるのに時間がかかり、比較例2の透明導電性フィルムにおいて透明導電膜層に微細パターンを、質的かつ時間的に合理的に形成することができなかった。
(比較例3)
PETフィルム(東洋紡(株)製コスモシャイン(登録商標)「A4100」)の易接着処理がされた面へテトラメトキシシラン(信越化学工業(株)製)をバーコードし、1分間乾燥させて、PETフィルム上にテトラメトキシシランの表面が粒子状ではない乾燥膜を形成した。このテトラメトキシシランの乾燥膜上に単層カーボンナノチューブ水分散液(KH Chemical社製「Water Solution Gen2.2」)をバーコートし、単層カーボンナノチューブを含む透明導電膜を形成し、比較例3の透明導電性フィルムを構成した。
比較例3の透明導電性フィルムを硝酸水溶液に、25℃で5分間浸漬し、透明導電膜を低抵抗とする酸処理を行った。さらに、光崩壊型フォトレジスト(ロームアンドハース電子材料(株)製)をスピンコートしてプレベークし、L/S=10μ/10μの微細パターンを含むマスクにより、露光し現像し、透明導電膜上に光崩壊型フォトレジストの微細パターンを形成した。
光崩壊型フォトレジストの微細パターンを形成した比較例3の透明導電性フィルム対し、40〜50℃の水中で、40KHzの周波数による超音波処理を30分行った。しかしながら、光崩壊型フォトレジストにより保護されていない透明導電膜層は、テトラメトキシシランの乾燥膜からの剥がれず、比較例3の透明導電性フィルムにおいて透明導電膜層に微細パターンを形成することができなかった。
上述した実施例及び比較例から、以下のことが示唆される。
すなわち、実施例1〜4及び比較例1に基づけば、単層CNT等の導電性繊維からなる導電層を備えて透明導電性フィルムを構成しようとする場合、支持層と導電層との間に介在層を備えることが必要であることが理解される。さらに、実施例1〜4、比較例2及び比較例3に基づけば、介在層は、単に親水性である膜だけでは不十分で、コロイド粒子を主成分として含む膜から構成されることを要する。
介在層上の親水面(親水基)はいったん、塗布した分散液が乾燥する過程で親水性を示さなくなり、介在層上に塗布される疎水性の導電性繊維(例えば、単層CNT)からなる導電層とファンデルワールス力で密着することができる。しかしながら、介在層上の親水面が水中に浸漬することで親水性を呈し、水中において疎水性の導電性繊維との密着性が弱まる。そして、超音波の振動によって、疎水性の導電性繊維からなる導電層が介在層から離脱すると考えられる。
さらに、介在層上の親水面は表面積の大きい方が、疎水性の導電性繊維からなる導電層との密着及び剥離の効果が顕著に現れる。すなわち、介在層上の親水面は表面積の大きいコロイド粒子の凝固体で形成されることが最適となる。なお、介在層のコロイド粒子へ水が浸漬するのは、単層CNTをはじめとする導電性繊維が繊維状であって、多数の開口を有しているといえ、導電層として導電性繊維を採用するのが好ましいことが理解される。
したがって、本発明に係る導電性基材は、水中での超音波処理により、導電層を介在層から選択的に離脱させる、すなわち導電層をパターニングすることができる。そして、透明導電性フィルム1aについては保護層としての光崩壊型レジスト層8を永久膜として基板上に残さないので、保護層が透明である等の必要がなく、安価な材料を採用することができ、汎用性に富んだ導電性基材として提供することができる。また、導電層のパターニングに、レーザー等の特別な装置は必要無い。また、このパターニングは、短時間で達成される。さらに強酸、高温等の過酷な環境が必要ないので、その取り扱いも比較的容易である。なお、水中での超音波処理であるので、特殊な剥離溶液も必要ない。そして、支持層を除いた上で測定される全光線透過率の値が80%以上である構成とすることにより、透明な電極材料としてフラットパネルディスプレイ、タッチスクリーン、太陽電池等の装置へ適用可能となる。そうすると、これらの装置についてITOに代わって本発明で電極を構成することができる。
以上、本発明についていくつかの実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されることなく、請求の範囲に記載された事項を逸脱することがなければ、種々の設計変更を行うことが可能である。
本発明は、介在層上の親水面がコロイド粒子の凝固物で形成される構成とすることで、水中での超音波処理により、導電層を介在層から選択的に離脱させ、導電層をパターニングすることを達成している。したがって、水中での超音波処理時において、介在層上に親水面が形成されていればよく、例えば、介在層の主成分を構成するコロイド粒子として、光照射によって親水性を示す酸化チタンのコロイド等も好適に用いることができる。
また、導電層には、導電性を示す繊維状のものを採用することができ、支持層には各種の公知なプラスチック又はガラス等の材料を用いることができる。
1a・・透明導電性フィルム(本発明)
1b・・透明導電性フィルム(本発明)
2・・・支持層
3・・・介在層
4・・・導電層
41・・カーボンナノチューブ
41a・構造部
5・・・オーバーコート層
6・・・光硬化型レジスト
8・・・光崩壊型レジスト
9・・・マスク
S11・介在層形成工程
S12・導電層形成工程
S13・光崩壊型レジスト層形成工程
S14・光崩壊型レジスト層露光工程
S15・光崩壊型レジスト層選択配置工程
S16・超音波処理工程
S17・レジスト剥離工程
S18・酸処理工程
S19・オーバーコート層形成工程
S21・介在層形成工程
S22・導電層形成工程
S23・光硬化型レジスト層形成工程
S24・光硬化型レジスト層露光工程
S25・光硬化型レジスト層選択配置工程
S26・超音波処理工程
本発明は、例えば、フラットパネルディスプレイ、タッチスクリーン、太陽電池等の装置を構成する電極材料に適用可能で、酸化インジウムスズ(以下、「ITO」という。)に代わる材料で構成した導電性基材、導電性基材の製造方法及び導電層パターニング方法に関する。
透明導電性フィルム(基板、膜)は、パソコン、携帯電話、スマートフォン等に搭載されるフラットパネルディスプレイやタッチスクリーンに適用される電極材料として、或いは、太陽電池等のセルを構成する電極材料として広く知られている。
従来、この透明導電フィルムの材料には、可視光に対して高い透過率を示すITOが採用されてきた。しかしながら、ITOを構成するインジウムは希少金属の一つであるので長期的な供給の観点から、その安定性が危惧されている。また、ITO膜は一般にスパッタ法により形成されるが、このスパッタ法の方式の違い、膜成長させるための雰囲気の違い等によって、形成されるITO膜の性質にばらつきが生じやすい。特に、フレキシブル基材上に形成されるITO膜は、曲がり等の応力に弱く、抵抗値が上がってしまう等の機能低下を招きやすい。
最近、ITOに代わる透明導電フィルムの材料として、高い電気伝導性と高アスペクト比を有する炭素材料、例えば、カーボンナノチューブ(以下、「CNT」という。)、カーボンナノホーン等のナノメートルサイズの構造部を有する炭素材料が注目されている。しかしながら、これらの炭素材料から構成した導電膜を含む透明導電フィルムを容易かつ効率的にパターニングするためには、様々な技術的課題が残されている。
例えば、CNTを含む導電膜のパターニングにレーザーが採用される場合、高価なレーザー装置が必要となり、パターンの作製に時間がかかる。CNTを含む液をインキ化し、そのインキでパターンを印刷する方法も知られるが、インキ化するための樹脂が導電膜の抵抗値に影響するほか、印刷機が必要である、パターニングの精度が粗い等の問題がある。
下記特許文献1では、CNTを含む導電膜のパターニングに導電膜除去剤(エッチングペースト)を使うことが提案されているが、強酸のエッチングペーストを80℃以上の高温環境下で用いるので、その取り扱いに相当な注意が必要となる。微細加工が困難であるという問題もある。また、下記特許文献2において、基板上のCNTを含む導電膜を任意に被覆し、特殊な剥離溶液に浸透させるとともに機械的又は科学的に撹拌し、被覆していないCNTを含む導電膜を選択的に除き、導電膜をパターン化する技術が提案されている。しかし、この手法は、CNTを剥離する際、水及びアルコールといった単なる溶剤を採用するのでは達成不可能であり、特殊な剥離溶液が必要であるとされ、汎用性に欠ける。
下記特許文献3では、CNTを含む導電性繊維の導電層と、感光性樹脂層を組み合わせて形成する透明導電膜の製法が提案されている。しかし、感光性樹脂層を永久膜として基板上に残す手法であるので、用いる感光性樹脂層に透明である等の特別な特徴が必要となるので、やはり汎用性に欠けるという問題がある。
特許第4998619号公報 特表2007−529884号公報 特開2013−248893号公報
上述したように、CNT、カーボンナノホーン等のナノメートルサイズの構造部を有する炭素材料から構成した導電膜を含む透明導電フィルムが求められているが、その作製には様々な技術的課題がある。一方、発明者らは今回開発した手法により、ITO膜をパターニングする工程を一部利用することにより、ナノメートルサイズの構造部を有する炭素繊維材料を導電膜としてパターニングすることに成功した。特に、この手法は、水中での超音波処理という汎用的な方法によって、導電膜を短時間でパターニングすることができ、かつ、その導電性能を透明導電フィルムにおいて殆ど阻害することなく引き出している(私たちは、これを「USパターニング:US=Ultra Sonic」と呼ぶ)。さらに、感光性樹脂層を永久膜として必ずしも基板上に残す必要がなく、十分な汎用性を有している。
本発明は、上記実情に鑑み提案され、ITO膜の加工装置でも一部代用でき、短時間で作製することができ、取り扱いの難しさがない手法で得ることのできるナノメートルサイズの構造部を有する導電性繊維から構成した導電膜を含む導電性基材及び、導電性基材の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る導電性基材は、コロイド粒子の凝固物を主成分とする膜からなる親水性の介在層を、基板となる支持層上に塗布により形成し、介在層上にナノメートルサイズの構造部を有する導電性繊維を含む膜からなる導電層を塗布により形成して構成する導電性基材において、導電層を形成した後に、導電層における介在層と反対側の面上に、導電層を保護する保護層を所定処理により導電層上に選択配置し、その後、水中での超音波処理により、介在層から導電層を、選択配置された保護層に覆われている導電層を除いて離脱させて構成することを特徴とする。
また、保護層は、該保護層により覆われていない導電層が離脱させられた後に除去されることが好ましい。
上記導電性基材は、オーバーコート層を有することが好ましい。
また、支持層を除いた上で測定される全光線透過率の値が80%以上であることが好ましい。
本発明に係る導電性基材の製造方法は、コロイド粒子の凝固物を主成分とする膜からなる親水性の介在層を、基板となる支持層上に塗布により形成し、介在層上にナノメートルサイズの構造部を有する導電性繊維を含む膜からなる導電層を塗布により形成し、導電層を形成した後に、導電層における介在層と反対側の面上に、導電層を保護する保護層を所定処理により導電層上に選択配置し、その後、水中での超音波処理により、介在層から導電層を、選択配置された保護層に覆われている導電層を除いて離脱させることを特徴とする。
さらに、水中での超音波処理により、介在層から導電層を、選択配置された保護層に覆われている導電層を除いて離脱させた後、保護層を除去することを特徴とする。
本発明に係る導電性基材は、基板となる支持層と、支持層上に塗布により形成され、コロイド粒子の凝固物を主成分とする膜からなる親水性の介在層と、介在層上に塗布により形成され、ナノメートルサイズの構造部を有する導電性繊維を含む膜からなる導電層と、からなり、導電層は、介在層と反対側の面上に所定処理により保護層を選択配置して、その保護層に覆われていない箇所が、 水中での超音波処理により介在層から離脱させられることにより、介在層上で選択配置させられていることを特徴とする。
また、この導電性基材において、保護層は、該保護層により覆われていない導電層が離脱した後に除去させられていることが好ましい。
なお、介在層を構成する膜の主成分となるコロイド粒子は、凝固物が親水性を示す化合物の粒子であることが好ましい。例えば、酸化ケイ素をコロイド粒子としたコロイダルシリカ溶液、金属酸化チタンをコロイド粒子とした酸化チタンコロイド溶液、その他凝固物が親水性を示す各種の金属をコロイド粒子とした金属コロイド溶液を採用し、支持層上に塗布することで介在層を構成することができる。また、コロイド粒子が分散している分散媒は、水であっても、アルコール(メタノール、エタノール、プロパノール等)であっても、その他溶剤(ジメチルアセトアミド、エチレングリコール、エチレングリコールモノn−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラブチルアルコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン等)であってもよい。また、コロイド粒子の分散液に微量の分散剤や樹脂等を含有させ、分散性を促し、かつ、基材との密着性を強固にしても良い。
本発明に係る導電性基材は、基板となる支持層と、この支持層上に塗布により形成され、コロイド粒子の凝固物を主成分とする膜からなる親水性の介在層と、この介在層上に塗布により形成され、ナノメートルサイズの構造部を有する導電性繊維を含む膜からなる導電層とを備える。したがって、水中で超音波処理することにより、コロイド粒子の凝固物を主成分とする親水性の介在層の物性と、導電性繊維を含む膜からなる疎水性の導電層の物性との相違に基づいて、介在層から導電層を離脱させることができる。
特に、導電層における介在層と反対側の面上に、導電層を保護する保護層を選択配置することで、水中での超音波処理により、介在層から導電層を、選択配置された保護層に覆われている導電層を除いて離脱させることができる。したがって、導電層を介在層から選択的に離脱させる、すなわち導電層をパターニングすることができる。なお、保護層を永久膜として必ずしも基板上に残さないので、保護層が透明である等の必要がなく、安価な材料を採用することができ、汎用性に富んだ導電性基材として提供することができる。
本発明における導電層のパターニングに、レーザー等の特別な装置は必要無い。また、このパターニングは、短時間で達成される。強酸、高温等の過酷な環境が必要ないので、その取り扱いも比較的容易である。水中での超音波処理であるので、特殊な剥離溶液も必要ない。
本発明に係る導電性基材において、オーバーコート層を有する構成とすれば、介在層と導電層との間の密着力の強化のほか、導電性基材全体として、導電層の保護、耐久性の付与、光透過率の向上、パターンの骨見え低減などの効果を得ることができる。
また、本発明に係る導電性基材において、支持層を除いた上で測定される全光線透過率の値が80%以上である構成とすれば、透明な電極材料としてフラットパネルディスプレイ、タッチスクリーン、太陽電池等の装置へ適用可能となる。そうすると、これらの装置についてITO膜に代わる材料(本発明)で電極を構成することができる。
(a)は、本発明に係る導電性基材の構成の一例を示す概略図である。(b)は、本発明に係る導電性基材の構成の他の一例を示す概略図である。 本発明に係る導電性基材における導電層を構成する膜の材料として例示されるカーボンナノチューブの概略図である。 第1実施形態における導電性基材の製造方法(介在層形成工程から超音波処理工程まで)を、導電性基材の概略図を添えてフローで説明する説明図である。 第1実施形態における導電性基材の製造方法(レジスト剥離工程以降)を、導電性基材の概略図を添えてフローで説明する説明図である。 第2実施形態における導電性基材の製造方法を、導電性基材の概略図を添えてフローで説明する説明図である。
以下、本発明に係る導電性基材及び、導電性基材の製造方法に関し、具現化したいくつかの実施形態について図面とともに説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の構成を具現化した例示に過ぎず、本発明は、特許請求の範囲に記載した事項を逸脱することがなければ、種々の設計変更を行うことができる。
本発明に係る導電性基材は、基板としての支持層上に、少なくとも介在層及び導電層が積層されて構成される。本発明は、例えば、透明導電性フィルムとして、フラットパネルディスプレイ、タッチスクリーン、太陽電池等の装置の電極材料として用いることができる。なお、本明細書において、本発明に係る導電性基材を構成する各構成要素のうち、支持層を除いた上で測定される全光線透過率の値が80%以上であるとき、当該導電性基材は「透明」であると定義する。全光線透過率の測定は、JIS K 7136、JIS K 7361等に準拠し、その値を算出すればよい。
図1(a)に示すように、本発明に係る透明導電性フィルム1aは、支持層2上に塗布により形成され、コロイド粒子としての、例えば、コロイダルシリカの凝固物を主成分とする膜からなる親水性の介在層3を備える。また、この介在層3上に塗布により形成され、ナノメートルサイズの構造部を有する導電性繊維として、例えば、単層カーボンナノチューブ(以下、「単層CNT」という。)を含んで構成される膜からなる疎水性の導電層4を備えている。さらに、本発明に係る透明導電性フィルム1aは、支持層2上の介在層3及び導電層4を包んでこれらを保護するオーバーコート層5を備えている。
また、図1(b)に示すように、本発明に係る別の透明導電性フィルム1bは、支持層2上に塗布により形成され、コロイダルシリカの凝固物を主成分とする膜からなる親水性の介在層3と、単層CNTを含んで構成される膜からなる疎水性の導電層4とを備え、この導電層4上に光硬化型レジスト層6を備えて構成されている。透明導電性フィルム1bでは、光硬化型レジスト層6が、支持層2上の介在層3及び導電層4を覆ってこれらを保護するオーバーコートとしての役割を果たす。光硬化型レジスト層6の材料として、紫外線や熱により硬化させる光硬化型レジスト等、各種の公知材料を挙げることができる。
支持層2は、透明導電性フィルム1a,1bの基板として機能する。支持層2の材料として、例えば、耐熱性及び耐溶剤性、透明性に優れたポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」という。)フィルムを例示することができる。また、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のポリエステル類、ポリカーボネートフィルム等のポリカーボネート類、ポリエチレンナフタレート、トリアセチルセルロース、環状オレフィン系樹脂を使用することができる。ポリメタクリル酸メチル、ポリ塩化ビニルなどの熱可塑性樹脂、ポリパラフェニレンサルファイド、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアクリル樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ABS樹脂等を採用することもできる。その他、素ガラス等の各種ガラス、石英であってもよい。
支持層2の表面、特に、介在層3の主成分となるコロイダルシリカが塗布される側の面に、易接着処理が施されていることが好ましい。介在層3を支持層2に密着させるのに有利だからである。支持層2の表面への易接着処理は、物理的な処理、化学的な処理等、各種の公知の処理法によって達成することができる。
介在層3は、コロイダルシリカの凝固物を主成分とする表面が粒子状の膜からなる。例えば、支持層2上に酸化ケイ素系親水処理剤を塗布、例えば、バーコートし、これを加温乾燥することで、コロイダルシリカが凝集又は凝固した膜として親水性の介在層3を得ることができる。本発明において介在層3を、コロイダルシリカの凝固物を主成分とする膜からなる構成に代えて、コロイド粒子として、例えば、酸化チタンコロイドの凝固物を主成分とする膜からなる構成とすることができる。具体的には、金属酸化チタンが分散した酸化チタンコロイド溶液を支持層2上に塗布し、これを加温乾燥することで、チタンコロイドの凝固物を主成分とする膜からなる介在層を構成することができる。また、介在層を構成するコロイド粒子としては、コロイダルシリカ、金属酸化チタンのほか、各種の金属コロイドを用いることができる。介在層の材料として、超音波処理を行う水中で親水性を示す成分である限り、採用することができる。なお、本発明において、コロイド粒子が分散している分散媒は、水であっても、アルコール(メタノール、エタノール、プロパノール等)や、その他溶剤(ジメチルアセトアミド、エチレングリコール、エチレングリコールモノn−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラブチルアルコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン等)であってもよい。また、コロイド粒子の分散液に微量の分散剤や樹脂等を含有させ、分散性を促し、かつ、基材との密着性を強固にしても良い。
導電層4は、ナノメートルサイズの構造部を有する導電性繊維を含んで構成される膜からなる。透明導電性フィルム1a,1bにおいて導電層4は、単層CNTを含む膜から構成されている。例えば、介在層3上に単層カーボンナノチューブ水分散液を塗布、例えばバーコートし、これを加温乾燥することで導電層4を得ることができる。
ここで、図2に示すように、カーボンナノチューブ41は、ナノメートルサイズの六員環構造の構造部41aが繰り返され、全体としてチューブ状又は筒状構造を構成する炭素材料である。本発明において、導電層4を形成する膜の材料となるカーボンナノチューブ41は単層であっても、多層であっても構わない。その他、構造単位がナノメートルサイズの導電性繊維材料として、各種の導電性ナノワイヤー、特に、金属ナノワイヤー、例えば、銀ナノワイヤー等を採用することができ、また、これらの素材を複数組み合わせて使うことも可能である。なお、導電層4にカーボンナノチューブを使う場合、単層CNTを用いることが、透明性の向上の観点から好ましい。本実施形態において、カーボンナノチューブの水分散液を使用するが、エタノール等のアルコールやメチルエチルケトン等の溶剤を溶媒としたCNT分散液を使用することもできる。
オーバーコート層5は、透明導電性フィルム1aを構成する導電層4を、外部からの応力等から保護する層として機能する。また、オーバーコート層5は、透明導電性フィルム1aに対し、密着性の向上、耐久性の付与、光透過率の向上、パターンの骨見え低減などの効果を与えることができる。オーバーコート層5の材料として、例えば、耐熱性及び耐溶性、透明性に優れたポリビニルアルコールを例示することができる。また、その他の透明な熱可塑性樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアクリル樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ABS樹脂を採用することができる。
なお、上述したように、図1(b)に示す透明導電性フィルム1bでは、光硬化型レジスト層6が、支持層2上の介在層3及び導電層4を包んでこれらを保護するオーバーコートとしての役割を果たしている。
以下、本発明に係る導電性基材の製造方法に関し、その概略を説明する。
(第1実施形態)
<介在層形成工程S11>
図3に示すように、まず、支持層2の易接着処理された面に酸化ケイ素系親水処理剤を塗布する。これを室温〜100℃程度で5秒〜10分程度乾燥させ、支持層2上に、例えば、コロイダルシリカの凝固物を主成分とする膜からなる親水性の介在層3を形成する。
<導電層形成工程S12>
この介在層3上に単層CNT水分散液を塗布する。これを室温〜100℃程度で5秒〜10分程度乾燥させて、介在層3上にナノメートルサイズの構造部を有する導電性繊維としての単層CNTを含む膜からなる導電層4を形成する。そして、室温〜60℃程度の酸性水溶液に5秒〜10分程度浸漬し、導電層4の単層CNT膜の不純物を除去するとともに、ドーピングを行い、低抵抗な透明導電性フィルム1aを得る。なお、ドーピングのための酸に関しては、硝酸が適しており、さらに硝酸を含む混酸が好ましい。また酸処理は、酸濃度、温度、時間により効果が異なるため、最適な品質が得られる条件を採用することが望ましい。
<光崩壊型レジスト層形成工程S13>
次に、酸処理をした透明導電性フィルム1aの導電層4における介在層3と反対側の面上に、光崩壊型レジスト層8をスピンコーター又はスリットコーター等により薄膜状に塗布して形成する。
<光崩壊型レジスト層露光工程S14>
光崩壊型レジスト層8が形成された透明導電性フィルム1aに対し、パターンが形成されたマスク9を使って、紫外線照射により光崩壊型レジスト層8を露光する。
<光崩壊型レジスト層選択配置工程S15>
光崩壊型レジスト層8が露光処理された透明導電性フィルム1aに対し、現像液により現像し、導電層4上の光崩壊型レジスト層8にパターンを描く。すなわち、マスク9によって遮蔽されないで露光された光崩壊型レジスト層8を現像によって除去することで、導電層4上に保護層としての光崩壊型レジスト層8を選択配置する。
なお、光崩壊型レジスト層選択配置工程S15では、介在層がコロイダルシリカの凝固物を主成分とした膜から形成されて、現像でアルカリ性の現像液を用いる場合において、時間を制御することで、アルカリシリカ反応(ASR)によってコロイダルシリカがゲル状物質に変質してしまう前に現像を終わらせる必要がある。具体的には、コロイダルシリカがゲル状物質に変質することが認められる前に、アルカリ性の現像液を洗い流す工程に移行する。
<超音波処理工程S16>
光崩壊型レジスト層8を選択配置することで、光崩壊型レジスト層8にパターンを描いた透明導電性フィルム1aを水中に沈め、25℃以上(好ましくは、35℃以上)の温水中で20K〜1MHz程度の超音波処理を5秒〜30分行う。これにより、導電層4のうち、光崩壊型レジスト層8により覆われていない領域を、介在層3から離脱させる。具体的には、光崩壊型レジスト層8により覆われていない導電層4の領域に水が侵入し、その一部が介在層3まで至るので、この介在層3に侵入した水及び超音波処理による振動により、コロイダルシリカの凝固物からなる介在層3から光崩壊型レジスト層8により覆われていない導電層4を離脱させる。その結果、導電層4が選択的に介在層3から除去される。すなわち、導電層4にパターンが形成されることになる(私たちは、これを「超音波エッチング」と呼ぶ)。
<レジスト剥離工程S17>
その後、図4に示すように、導電層4上に残存している光崩壊型レジスト層8をレジスト剥離液等の適宜の手段により除去する。なお、レジスト剥離液で剥離する前に、光崩壊型レジスト層8に追加露光等の処理を行うことが望ましい。
<後処理工程S18>
さらに、酸性溶液中に浸漬し、洗浄するとともに、導電層4の単層CNTへのドーピングを行い、低抵抗な透明導電性フィルム1aを得る。ドーピング用の酸には、硝酸が適しており、さらに硝酸を含む混酸が好ましい。また酸処理は、酸濃度、温度、時間により効果が異なるため、最適な品質が得られる条件を採用することが望ましい。
<オーバーコート層形成工程S19>
低抵抗な透明導電性フィルム1aを得たら、最後に、透明導電性フィルム1aの全面を、オーバーコート剤を塗布することにより、オーバーコート剤で覆い、これを乾燥させてオーバーコート層5を形成する。このオーバーコート剤による透明導電性フィルム1aの抵抗への影響はわずかである。
(第2実施形態)
図5に示すように、第1実施形態の介在層形成工程S11、導電層形成工程S12と同様の方法で、介在層形成工程S21、導電層形成工程S22を行い、透明導電性フィルム1bを得る。
さらに、感光性レジストを第1実施形態の光崩壊型レジスト8から光硬化型レジスト6に代えて、光硬化型レジスト層形成工程S23、光硬化型レジスト層露光工程S24、光硬化型レジスト層選択配置工程S25を行う。これらの工程も、第1実施形態の光崩壊型レジスト層形成工程S13、光崩壊型レジスト層露光工程S14、光崩壊型レジスト層選択配置工程S15と同様な方法で行うことができる。これを経て、透明導電性フィルム1bの導電層4上に光硬化型レジスト層6を選択配置する。
第2実施形態の超音波処理工程S26は、第1実施形態の超音波処理工程S16と同様な方法で行うことができる。超音波処理工程S26により、透明導電性フィルム1bの導電層4にパターンが形成される(超音波エッチング)。
第2実施形態は、第1実施形態と異なり、超音波処理工程S26より後の工程が不要である。光硬化型レジスト層6がオーバーコート層の役割を果たし、導電層4に対する外部からの応力等から保護する層として機能するからである。したがって、光硬化型レジスト層6をレジスト剥離液等により除去することをしない。
なお、上記第1実施形態、第2実施形態において、光崩壊型フォトレジスト8、光硬化型フォトレジスト6を用いた例を説明した。しかしながら、スクリーン印刷を用いてパターニングされるスクリーン印刷レジスト、めっき時の部分的保護に用いられるめっきレジスト、基板のはんだ付けしない部分に塗布し、はんだブリッジによる短絡を防止するソルダーレジスト、ドライフィルムレジスト等を、上述したような感光性レジストの代わりに単独で、又は感光性レジストとともに組み合わせて用いることができる。
ここで、第1実施形態の超音波処理工程S16、第2実施形態の超音波処理工程S26では、18K〜1MHzの範囲の周波数を付与すればよく、好ましい周波数の範囲は20K〜75KHz、さらに好ましくは20K〜40KHzである。本発明では、75KHzを超える範囲の周波数であっても実施可能であるが、微細パターンの確実な形成のために処理時間が長くなり、非効率となってしまう虞がある。また、このような効率の観点から、処理の時間は30分以内、特に15分以内に完了させることが好ましい。水温は0〜100℃の液体状態であればよく、好ましい水温の範囲は20〜75℃、更に好ましくは30〜50℃程度である。水温については、高温でありながら、導電層4が介在層3から除去されるのにムラが発生しないように、水泡などが起きない温度、例えば、75℃程度より低い温度であることが好ましい。また、30℃を下回る水温であっても実施可能であるが、微細パターンの確実な形成のために処理時間が長くなり、非効率となってしまう虞がある。
さらに、超音波処理を行う水に関し、純水でもよく、市水(水道水)でもよく、酸やアルカリ、イソプロピルアルコール等の溶剤が混入した水であっても、使用することができる。
実施例
以下、本発明を実施して製造した透明導電性基材の実施例のいくつかを説明する。
(実施例1)
PETフィルム(東洋紡(株)製コスモシャイン(登録商標)「A4100」)の易接着処理がされた面へ有機溶媒分散シリカゾル(日産化学工業(株)製「IPA−ST」)をバーコートし、80℃で5分間乾燥させることで、PETフィルム上に親水性のコロイダルシリカ凝固物層を形成した。さらに、このコロイダルシリカ凝固物層の上に、単層カーボンナノチューブ水分散液(KH Chemical社製「Water Solution Gen2.2」)をバーコートし、80℃で5分間乾燥させることで、単層カーボンナノチューブを含む透明導電膜を形成し、実施例1の透明導電性フィルムを構成した。
この透明導電性フィルムを、25℃で5分間、硝酸水溶液に浸漬し、分散剤等不純物を除去するとともに、透明導電膜のカーボンナノチューブに酸をドープして低抵抗とする酸処理を行った。さらに、透明導電性フィルム上へ光崩壊型フォトレジスト(ロームアンドハース電子材料(株)製)をスピンコートしてプレベークし、ライン幅/ラインスペ−ス(以下、「L/S」という。)が10μ/10μ(L/S=10μ/10μ)の微細パターンを含むマスクにより、露光し水酸化テトラメチルアンモニウム(以下、「TMAH」という。)系現像液により現像した。これにより実施例1の透明導電膜上に光崩壊型フォトレジストの微細パターンを形成した。なお、現像後にポストベークをしてもよい。
次に、光崩壊型フォトレジストの微細パターンを形成した実施例1の透明導電性フィルムを、40〜50℃の水中で、40KHzの周波数による超音波処理を10分間行った。その結果、光崩壊型フォトレジストにより保護されていない透明導電膜の層がコロイダルシリカ凝固物層から剥がれ、透明導電膜層を選択的に除去すること、すなわち、透明導電膜層に微細パターンを形成することができた。
さらに、透明導電膜層上の不要な光崩壊型フォトレジストに対して紫外線照射し、TMAH系剥離液に浸漬させて光崩壊型フォトレジストを除去した。これにより、PETフィルム上の単層カーボンナノチューブを含む透明導電膜に微細パターンが形成されている透明導電性フィルムを構成することができた。
その後、透明導電膜に微細パターンが形成された透明導電性フィルムに対して硝酸水溶液中に再度浸漬すれば、汚染物質を洗浄除去し、同時に単層カーボンナノチューブに硝酸をドープすることとなって、低抵抗な透明導電膜を確実に得ることが可能となる。また、汚染物質が洗浄除去されるため、実施例1の透明導電性フィルムを利用した以降の工程に移行する際に、洗浄工程として扱うことができる等の有利な効果を得ることができる。
最後に、透明導電膜に微細パターンが形成された実施例1の透明導電性フィルムに対し、その全面にオーバーコート剤(KH Chemical社製「Over Coat Solution」)をバーコートし、乾燥させることでオーバーコート層を形成した。このオーバーコート層により透明導電膜の保護、耐久性の付与、透過率の向上、反射率の低下、パターンの骨見えの低減等の利点を加えることができる。また、オーバーコート層によって影響される実施例1の透明導電性フィルムの抵抗値の変化は、僅かである。
(実施例2)
実施例1と同様にして、PETフィルム(東洋紡(株)製コスモシャイン(登録商標)「A4100」)と、有機溶媒分散シリカゾル(日産化学工業(株)製「IPA−ST」)をバーコートし、単層カーボンナノチューブ水分散液(KH Chemical社製「Water Solution Gen2.2」)とから実施例2の透明導電性フィルムを構成した。さらに、この実施例2の透明導電性フィルムを、25℃で5分間、硝酸水溶液に浸漬し、分散剤等不純物を除去するとともに、透明導電膜のカーボンナノチューブに酸をドープして低抵抗とする酸処理を行った。
酸処理をした実施例2の透明導電性フィルム上へ、光硬化型フォトレジスト(JSR製)をスピンコートしてプレベークし、L/S=10μ/10μの微細パターンを含むマスクにより、露光し現像した。これにより透明導電膜上に光硬化型フォトレジストの微細パターンを形成した。
次に、光硬化型フォトレジストの微細パターンを形成した実施例2の透明導電性フィルムを、40〜50℃の水中で、40KHzの周波数による超音波処理を10分間行った。その結果、光硬化型フォトレジストにより保護されていない透明導電膜層が親水性のコロイダルシリカ凝固物層から剥がれ、透明導電膜層を選択的に除去すること、すなわち、透明導電性フィルムにおける単層カーボンナノチューブを含む透明導電膜層に微細パターンを形成することができた。
(実施例3)
素ガラス(日本板硝子(株)製)上へ有機溶媒分散シリカゾル(日産化学工業(株)製「IPA−ST」)をバーコートし、80℃で5分間乾燥させることで、素ガラス上に親水性のコロイダルシリカ凝固物層を形成した。さらに、このコロイダルシリカ凝固物層の上に、単層カーボンナノチューブ水分散液(KH Chemical社製「Water Solution Gen2.2」)をバーコートし、80℃で5分間乾燥させることで、単層カーボンナノチューブを含む透明導電膜を形成し、実施例3の透明導電性ガラス基材を構成した。さらに、実施例3の透明導電性ガラス基材を硝酸水溶液に25℃で5分間浸漬し、分散剤等不純物を除去するとともに、透明導電膜層を低抵抗とする酸処理を行った。
実施例3の透明導電性ガラス基材上へ光硬化型フォトレジスト(JSR製)をスピンコートしてプレベークし、L/S=10μ/10μの微細パターンを含むマスクにより、露光し現像して、透明導電膜上に光硬化型フォトレジストの微細パターンを形成した。
次に、光硬化型フォトレジストの微細パターンを形成した実施例3の透明導電性ガラス基材を、40〜50℃の水中で、40KHzの周波数による超音波処理を10分間行った。その結果、光硬化型フォトレジストにより保護されていない透明導電膜層が親水性のコロイダルシリカ凝固物層から剥がれ、透明導電膜層を選択的に除去すること、すなわち、透明導電性ガラス基材における単層カーボンナノチューブを含む透明導電膜層に微細パターンを形成することができた。
なお、実施例2の透明導電性フィルム及び実施例3の透明導電性ガラス基材では、光硬化型レジストがオーバーコート層の役割を果たす。したがって、光硬化型レジストを除去することは不要である。
(実施例4)
実施例4では、介在層として用いる酸化チタンコロイドを形成するための酸化チタン分散液を、最初に作製する。まず、テトラブチルアルコールとジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートとを1:2の割合で混合し、撹拌して酸化チタン分散液の分散媒を作製した。続いて、粉末の酸化チタン(TiO)を2グラム、作製した分散媒を10グラム、アセチルアセトンを0.2グラム、トリトンX−100(登録商標)の1%水溶液を0.1グラム混ぜ、容器にビーズとともに入れて密封し、分散機で撹拌して酸化チタン分散液を得た。
次に、PETフィルム(東洋紡(株)製コスモシャイン(登録商標)「A4100」)の易接着処理がされた面へ、作製した酸化チタン分散液をバーコートし、120℃で60分間乾燥させ、PETフィルム上に酸化チタンコロイド凝固物層を形成した。さらに、この酸化チタンコロイド凝固物層の上に、単層カーボンナノチューブ水分散液(KH Chemical社製「Water Solution Gen2.2」)をバーコートし、80℃で5分間乾燥させることで、単層カーボンナノチューブを含む透明導電膜を形成し、実施例4の透明導電性フィルムを構成した。
実施例4の透明導電性フィルムを、25℃で5分間、硝酸水溶液に浸漬し、分散剤等不純物を除去するとともに、透明導電膜のカーボンナノチューブに酸をドープして低抵抗とする酸処理を行った。さらに、実施例4の透明導電性フィルム上へ光崩壊型フォトレジスト(ロームアンドハース電子材料(株)社製)をスピンコートしてプレベークし、L/S=10μ/10μの微細パターンを含むマスクにより、露光し現像した。これにより透明導電膜上に光崩壊型フォトレジストの微細パターンを形成した。
次に、光崩壊型フォトレジストの微細パターンを形成した実施例4の透明導電性フィルムを、40〜50℃の水中で、40KHzの周波数による超音波処理を10分間行った。その結果、光崩壊型フォトレジストにより保護されていない透明導電膜の層がコロイダルシリカ凝固物層から剥がれ、透明導電膜層を選択的に除去すること、すなわち、透明導電膜層に微細パターンを形成することができた。
その後、実施例1と同様にして、実施例4の透明導電性フィルムに対し、不要な光崩壊型フォトレジストを除去し、硝酸水溶液中に再度浸漬し、硝酸をドープして低抵抗な透明導電膜を得た。さらに、その全面にオーバーコート剤(KH Chemical社製「Over Coat Solution」)をバーコートし、乾燥させることでオーバーコート層を形成した。
(比較例1)
PETフィルム(東洋紡(株)製コスモシャイン(登録商標)「A4100」)の易接着処理がされた面をエタノールで拭いて洗浄した。このPETフィルム上に単層カーボンナノチューブ水分散液(KH Chemical社製「Water Solution Gen2.2」)をバーコートし、80℃で5分乾燥させることで、PETフィルム上に単層カーボンナノチューブを含む透明導電膜を形成し、比較例1の透明導電性フィルムを構成した。
比較例1の透明導電性フィルムを硝酸水溶液に、25℃で5分間浸漬し、透明導電膜を低抵抗とする酸処理を行った。さらに、光崩壊型フォトレジスト(ロームアンドハース電子材料(株)製)をスピンコートしてプレベークし、L/S=10μ/10μの微細パターンを含むマスクにより、露光し現像し、透明導電膜上に光崩壊型フォトレジストの微細パターンを形成した。
光崩壊型フォトレジストの微細パターンを形成した比較例1の透明導電性フィルム対し、40〜50℃の温水中で、40KHzの周波数による超音波処理を30分行った。しかしながら、光崩壊型フォトレジストにより保護されていない透明導電膜層は、PETフィルム面から剥がれず、比較例1の透明導電性フィルムにおいて透明導電膜層に微細パターンを形成することができなかった。
(比較例2)
PETフィルム(東洋紡(株)製コスモシャイン(登録商標)「A4100」)の易接着処理がされた面へコロイド溶液ではない液状のチタンテトライソプロポキシド(TTIP)を用いて塗布し、乾燥を行い表面が粒子状ではない親水性チタン化合物の薄膜を形成した。この親水性チタン化合物薄膜上に単層カーボンナノチューブ水分散液(KH Chemical社製「Water Solution Gen2.2」)をバーコートし、単層カーボンナノチューブを含む透明導電膜を形成し、比較例2の透明導電性フィルムを構成した。
比較例2の透明導電性フィルムを硝酸水溶液に、25℃で5分間浸漬し、透明導電膜を低抵抗とする酸処理を行った。さらに、光崩壊型フォトレジスト(ロームアンドハース電子材料(株)製)をスピンコートしてプレベークし、L/S=10μ/10μの微細パターンを含むマスクにより、露光し現像し、透明導電膜上に光崩壊型フォトレジストの微細パターンを形成した。
光崩壊型フォトレジストの微細パターンを形成した比較例2の透明導電性フィルム対し、40〜50℃の水中で、40KHzの周波数による超音波処理を30分行った。しかしながら、光崩壊型フォトレジストにより保護されていない透明導電膜層の、親水性チタン化合物薄膜からの剥がれ方にムラが生じた。さらに、透明導電膜層が剥がれるのに時間がかかり、比較例2の透明導電性フィルムにおいて透明導電膜層に微細パターンを、質的かつ時間的に合理的に形成することができなかった。
(比較例3)
PETフィルム(東洋紡(株)製コスモシャイン(登録商標)「A4100」)の易接着処理がされた面へテトラメトキシシラン(信越化学工業(株)製)をバーコードし、1分間乾燥させて、PETフィルム上にテトラメトキシシランの表面が粒子状ではない乾燥膜を形成した。このテトラメトキシシランの乾燥膜上に単層カーボンナノチューブ水分散液(KH Chemical社製「Water Solution Gen2.2」)をバーコートし、単層カーボンナノチューブを含む透明導電膜を形成し、比較例3の透明導電性フィルムを構成した。
比較例3の透明導電性フィルムを硝酸水溶液に、25℃で5分間浸漬し、透明導電膜を低抵抗とする酸処理を行った。さらに、光崩壊型フォトレジスト(ロームアンドハース電子材料(株)製)をスピンコートしてプレベークし、L/S=10μ/10μの微細パターンを含むマスクにより、露光し現像し、透明導電膜上に光崩壊型フォトレジストの微細パターンを形成した。
光崩壊型フォトレジストの微細パターンを形成した比較例3の透明導電性フィルム対し、40〜50℃の水中で、40KHzの周波数による超音波処理を30分行った。しかしながら、光崩壊型フォトレジストにより保護されていない透明導電膜層は、テトラメトキシシランの乾燥膜からの剥がれず、比較例3の透明導電性フィルムにおいて透明導電膜層に微細パターンを形成することができなかった。
上述した実施例及び比較例から、以下のことが示唆される。
すなわち、実施例1〜4及び比較例1に基づけば、単層CNT等の導電性繊維からなる導電層を備えて透明導電性フィルムを構成しようとする場合、支持層と導電層との間に介在層を備えることが必要であることが理解される。さらに、実施例1〜4、比較例2及び比較例3に基づけば、介在層は、単に親水性である膜だけでは不十分で、コロイド粒子を主成分として含む膜から構成されることを要する。
介在層上の親水面(親水基)はいったん、塗布した分散液が乾燥する過程で親水性を示さなくなり、介在層上に塗布される疎水性の導電性繊維(例えば、単層CNT)からなる導電層とファンデルワールス力で密着することができる。しかしながら、介在層上の親水面が水中に浸漬することで親水性を呈し、水中において疎水性の導電性繊維との密着性が弱まる。そして、超音波の振動によって、疎水性の導電性繊維からなる導電層が介在層から離脱すると考えられる。
さらに、介在層上の親水面は表面積の大きい方が、疎水性の導電性繊維からなる導電層との密着及び剥離の効果が顕著に現れる。すなわち、介在層上の親水面は表面積の大きいコロイド粒子の凝固体で形成されることが最適となる。なお、介在層のコロイド粒子へ水が浸漬するのは、単層CNTをはじめとする導電性繊維が繊維状であって、多数の開口を有しているといえ、導電層として導電性繊維を採用するのが好ましいことが理解される。
したがって、本発明に係る導電性基材は、水中での超音波処理により、導電層を介在層から選択的に離脱させる、すなわち導電層をパターニングすることができる。そして、透明導電性フィルム1aについては保護層としての光崩壊型レジスト層8を永久膜として基板上に残さないので、保護層が透明である等の必要がなく、安価な材料を採用することができ、汎用性に富んだ導電性基材として提供することができる。また、導電層のパターニングに、レーザー等の特別な装置は必要無い。また、このパターニングは、短時間で達成される。さらに強酸、高温等の過酷な環境が必要ないので、その取り扱いも比較的容易である。なお、水中での超音波処理であるので、特殊な剥離溶液も必要ない。そして、支持層を除いた上で測定される全光線透過率の値が80%以上である構成とすることにより、透明な電極材料としてフラットパネルディスプレイ、タッチスクリーン、太陽電池等の装置へ適用可能となる。そうすると、これらの装置についてITOに代わって本発明で電極を構成することができる。
以上、本発明についていくつかの実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されることなく、請求の範囲に記載された事項を逸脱することがなければ、種々の設計変更を行うことが可能である。
本発明は、介在層上の親水面がコロイド粒子の凝固物で形成される構成とすることで、水中での超音波処理により、導電層を介在層から選択的に離脱させ、導電層をパターニングすることを達成している。したがって、水中での超音波処理時において、介在層上に親水面が形成されていればよく、例えば、介在層の主成分を構成するコロイド粒子として、光照射によって親水性を示す酸化チタンのコロイド等も好適に用いることができる。
また、導電層には、導電性を示す繊維状のものを採用することができ、支持層には各種の公知なプラスチック又はガラス等の材料を用いることができる。
1a・・透明導電性フィルム(本発明)
1b・・透明導電性フィルム(本発明)
2・・・支持層
3・・・介在層
4・・・導電層
41・・カーボンナノチューブ
41a・構造部
5・・・オーバーコート層
6・・・光硬化型レジスト
8・・・光崩壊型レジスト
9・・・マスク
S11・介在層形成工程
S12・導電層形成工程
S13・光崩壊型レジスト層形成工程
S14・光崩壊型レジスト層露光工程
S15・光崩壊型レジスト層選択配置工程
S16・超音波処理工程
S17・レジスト剥離工程
S18・酸処理工程
S19・オーバーコート層形成工程
S21・介在層形成工程
S22・導電層形成工程
S23・光硬化型レジスト層形成工程
S24・光硬化型レジスト層露光工程
S25・光硬化型レジスト層選択配置工程
S26・超音波処理工程

Claims (8)

  1. 基板となる支持層と、
    この支持層上に塗布により形成され、コロイド粒子の凝固物を主成分とする膜からなる親水性の介在層と、
    この介在層上に塗布により形成され、ナノメートルサイズの構造部を有する導電性繊維を含む膜からなる導電層と、
    を備えることを特徴とする導電性基材。
  2. 請求項1に記載の導電性基材において、
    前記導電層が、前記介在層上で選択配置されている、
    ことを特徴とする導電性基材。
  3. コロイド粒子の凝固物を主成分とする膜からなる親水性の介在層を、基板となる支持層上に塗布により形成し、
    前記介在層上にナノメートルサイズの構造部を有する導電性繊維を含む膜からなる導電層を塗布により形成して構成する、
    ことを特徴とする導電性基材。
  4. 請求項3に記載の導電性基材において、
    前記導電層を形成した後に、前記導電層における前記介在層と反対側の面上に、前記導電層を保護する保護層を所定処理により前記導電層上に選択配置し、
    その後、水中での超音波処理により、前記介在層から前記導電層を、選択配置された前記保護層に覆われている前記導電層を除いて離脱させて構成する、
    ことを特徴とする導電性基材。
  5. 請求項1から請求項4までの何れか1項に記載の導電性基材において、
    オーバーコート層を有する、
    ことを特徴とする導電性基材。
  6. 請求項5に記載の導電性基材において、
    前記支持層を除いた上で測定される全光線透過率の値が80%以上である、
    ことを特徴とする導電性基材。
  7. コロイド粒子の凝固物を主成分とする膜からなる親水性の介在層を、基板となる支持層上に塗布により形成し、
    前記介在層上にナノメートルサイズの構造部を有する導電性繊維を含む膜からなる導電層を塗布により形成し、
    導電性基材を製造する、
    ことを特徴とする導電性基材の製造方法。
  8. 請求項7に記載の導電性基材の製造方法において、
    前記導電層を形成した後に、前記導電層における前記介在層と反対側の面上に、前記導電層を保護する保護層を所定処理により前記導電層上に選択配置し、
    その後、水中での超音波処理により、前記介在層から前記導電層を、選択配置された前記保護層に覆われている前記導電層を除いて離脱させる、
    ことを特徴とする導電性基材の製造方法。
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