JP2016085870A - 透明導電基材の製造方法およびタッチパネルセンサ - Google Patents

透明導電基材の製造方法およびタッチパネルセンサ Download PDF

Info

Publication number
JP2016085870A
JP2016085870A JP2014218189A JP2014218189A JP2016085870A JP 2016085870 A JP2016085870 A JP 2016085870A JP 2014218189 A JP2014218189 A JP 2014218189A JP 2014218189 A JP2014218189 A JP 2014218189A JP 2016085870 A JP2016085870 A JP 2016085870A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
transparent conductive
metal layer
metal
conductive layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014218189A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6070675B2 (ja
Inventor
健祐 大塚
Kensuke Otsuka
健祐 大塚
坪井 達也
Tatsuya Tsuboi
達也 坪井
小川 健一
Kenichi Ogawa
健一 小川
本間 聡
Satoshi Honma
聡 本間
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2014218189A priority Critical patent/JP6070675B2/ja
Publication of JP2016085870A publication Critical patent/JP2016085870A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6070675B2 publication Critical patent/JP6070675B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Manufacturing Of Electric Cables (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)

Abstract

【課題】金属繊維を含有する透明導電層の特性を劣化させることなく、透明導電層および金属層を良好にパターニングすることが可能な透明導電基材の製造方法を提供する。
【解決手段】透明基材上に、銀および銅の少なくともいずれかを含む金属繊維を含有する透明導電層が形成された積層体を準備する工程と、上記透明導電層上にチタンおよびアルミニウムの少なくともいずれかを含む金属層を形成する工程と、上記金属層上にレジストパターンを形成する工程と、上記金属層および上記透明導電層をエッチングする工程と、上記レジストパターンを剥離する工程と、上記透明基材の外周領域の上記金属層上に保護層を形成する工程と、燐酸およびフッ化アンモニウムを含む溶液を用い、上記金属層のみをエッチングする工程と、上記保護層を剥離する工程とを有する透明導電基材の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属ナノワイヤ等の金属繊維を含有する透明導電層をパターニングする透明導電基材の製造方法に関するものである。
透明基材上に透明電極が形成された透明導電基材は、例えば、タッチパネルセンサ、カラーフィルタ、液晶表示素子、有機EL素子、太陽電池の各種デバイス等、様々な分野で用いられている。
従来、透明電極には、導電性や透明性に優れることから、ITOと称される酸化インジウム錫が主に使用されている。しかしながら、ITO電極は、表面抵抗率が比較的大きいため、例えば、タッチパネルセンサでは感度が低下する、液晶表示素子では輝度ムラや色ムラが発生する、有機EL素子では発光効率が低下し輝度ムラが発生する、太陽電池では発電効率が低下する等の問題がある。この問題は、デバイスの面積が大きくなるにつれて顕著に現れる。
そこで、近年では、ITOの代替として、表面抵抗率が低く、透明性が高く、導電性が良好な金属ナノワイヤを用いることが提案されている。
金属ナノワイヤを用いた透明電極の形成方法としては、例えば、特許文献1には透明基材上に金属ナノワイヤを含有する透明導電層を形成し、透明導電層上にバインダ樹脂を含有する塗工液を塗布して、金属ナノワイヤを固定化する方法が開示されている。
各種デバイスにおいて、透明電極はパターン状に形成されるのが一般的である。上記の金属ナノワイヤを用いた透明電極のパターニング方法としては、例えばフォトリソグラフィ法が提案されている。
また、各種デバイスにおいて、透明基材の外周領域には金属の配線等が形成される。配線の形成方法としては、例えばスクリーン印刷法が知られている。しかしながら、スクリーン印刷法では配線を高精細に形成することが困難である。
そこで、例えば特許文献2、3に記載されているように、透明導電層および金属層を積層し、まずフォトリソグラフィ法により透明導電層および金属層をエッチングした後、次いでフォトリソグラフィ法により外周領域以外の金属層のみをエッチングする方法が提案されている。
国際公開第2010/106899号パンフレット 特開2013−190852号公報 特開2012−226767号公報
しかしながら、金属ナノワイヤを用いた透明電極のパターニング方法に上記の方法を適用する場合、金属層のみをエッチングする際に金属層のエッチング液に金属ナノワイヤを含有する透明導電層も溶解し、透明導電層の特性が劣化するという問題がある。これは、金属ナノワイヤを含有する透明導電層がエッチングされやすいためであり、ITO電極では起こらない問題である。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、金属繊維を含有する透明導電層の特性を劣化させることなく、透明導電層および金属層を良好にパターニングすることが可能な透明導電基材の製造方法、およびその方法により製造されるタッチパネルセンサを提供することを主目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、透明基材上に、銀および銅の少なくともいずれかを含む金属繊維を含有する透明導電層が形成された積層体を準備する準備工程と、上記透明導電層上にチタンおよびアルミニウムの少なくともいずれかを含む金属層を形成する金属層形成工程と、上記金属層上にレジストパターンを形成するレジストパターン形成工程と、上記レジストパターンをマスクとして上記金属層および上記透明導電層をエッチングする第1エッチング工程と、上記レジストパターンを剥離するレジストパターン剥離工程と、上記透明基材の外周領域の上記金属層上に保護層を形成する保護層形成工程と、燐酸およびフッ化アンモニウムを含む溶液を用い、上記保護層をマスクとして上記金属層のみをエッチングする第2エッチング工程と、上記保護層を剥離する保護層剥離工程とを有することを特徴とする透明導電基材の製造方法を提供する。
本発明によれば、透明導電層に銀および銅の少なくともいずれかを含む金属繊維を用い、金属層にチタンおよびアルミニウムの少なくともいずれかを用い、第2エッチング工程にて金属層のエッチング液に燐酸およびフッ化アンモニウムを含む溶液を用いることにより、第2エッチング工程では金属層のみをエッチングすることができる。したがって、透明導電層の特性を劣化させることなく、透明導電層および金属層を所定のパターンに良好にパターニングすることが可能である。
また本発明においては、上記準備工程では、上記透明基材の一方の面に銀および銅の少なくともいずれかを含む金属繊維を含有する第1透明導電層が形成され、上記透明基材の他方の面に銀および銅の少なくともいずれかを含む金属繊維を含有する第2透明導電層が形成された上記積層体を準備し、上記金属層形成工程では、上記第1透明導電層上にチタンおよびアルミニウムの少なくともいずれかを含む第1金属層を形成し、上記第2透明導電層上にチタンおよびアルミニウムの少なくともいずれかを含む第2金属層を形成し、上記レジストパターン形成工程では、上記第1金属層上に第1レジスト層を形成し、上記第2金属層上に第2レジスト層を形成し、上記第1レジスト層上に第1フォトマスクを配置するとともに上記第2レジスト層上に第2フォトマスクを配置した状態で上記第1レジスト層および上記第2レジスト層を異なるパターンで同時に露光し、現像して、上記第1金属層上に第1レジストパターンを形成し、上記第2金属層上に第2レジストパターンを形成し、上記第1エッチング工程では、上記第1レジストパターンおよび上記第2レジストパターンをマスクとして上記第1金属層および上記第1透明導電層ならびに上記第2金属層および上記第2透明導電層を異なるパターンでエッチングし、上記レジストパターン剥離工程では、上記第1レジストパターンおよび上記第2レジストパターンを剥離し、上記保護層形成工程では、上記外周領域の上記第1金属層上に第1保護層を形成し、上記外周領域の上記第2金属層上に第2保護層を形成し、上記第2エッチング工程では、燐酸およびフッ化アンモニウムを含む溶液を用い、上記第1保護層および上記第2保護層をマスクとして上記第1金属層および上記第2金属層のみをエッチングし、上記保護層剥離工程では、上記第1保護層および上記第2保護層を剥離することが好ましい。
この場合、透明基材上に透明導電層および金属層がそれぞれパターン状に形成された透明導電基材を2枚貼り合わせる場合と比較して、容易に位置合わせを行うことができ、効率良く透明導電基材を製造することが可能である。
また本発明は、透明基材と、上記透明基材上にパターン状に形成され、銀および銅の少なくともいずれかを含む金属繊維を含有する透明導電層と、上記透明基材の外周領域の上記透明導電層上に形成され、チタンおよびアルミニウムの少なくともいずれかを含む金属層とを有し、上記外周領域の上記透明導電層および上記金属層のパターンが同一であることを特徴とするタッチパネルセンサを提供する。
本発明によれば、透明導電層に銀および銅の少なくともいずれかを含む金属繊維を用い、金属層にチタンおよびアルミニウムの少なくともいずれかを用いることにより、上述したように、金属層のみをエッチングすることができる。したがって、透明基材の外周領域にて透明導電層上に金属層が積層され、透明導電層および金属層のパターンが同一であるタッチパネルセンサにおいて、製造時の透明導電層の特性劣化を抑制することができる。
また本発明においては、上記透明導電層が、上記透明基材の一方の面にパターン状に形成された第1透明導電層と、上記透明基材の他方の面にパターン状に形成された第2透明導電層とを有し、上記金属層が、上記外周領域の上記第1透明導電層上に形成された第1金属層と、上記外周領域の上記第2透明導電層上に形成された第2金属層とを有し、上記外周領域の上記第1透明導電層および上記第1金属層のパターンが同一であり、上記外周領域の上記第2透明導電層および上記第2金属層のパターンが同一であることが好ましい。この場合、透明基材上に透明導電層および金属層がそれぞれパターン状に形成された透明導電基材を2枚貼り合わせる場合と比較して、位置合わせが容易であるという利点を有する。
さらに本発明においては、上記金属層が蒸着膜であることが好ましい。金属層が蒸着膜である場合には、金属層をスクリーン印刷法等により直接パターン状に形成するのではなく、上述した透明導電基材の製造方法のようなフォトリソグラフィ法によりパターニングすることになるため、高精細なパターンを得ることができる。
本発明においては、金属繊維を含有する透明導電層の特性を劣化させることなく、透明導電層および金属層を良好にパターニングすることが可能であるという効果を奏する。
本発明の透明導電基材の製造方法の一例を示す工程図である。 本発明の透明導電基材の製造方法の他の例を示す工程図である。 本発明の透明導電基材の製造方法の他の例を示す工程図である。 本発明の透明導電基材の製造方法の他の例を示す工程図である。 本発明のタッチパネルセンサの一例を示す概略平面図および断面図である。 本発明のタッチパネルセンサの他の例を示す概略平面図および断面図である。
以下、本発明の透明導電基材の製造方法およびタッチパネルセンサについて詳細に説明する。
A.透明導電基材の製造方法
本発明の透明導電基材の製造方法は、透明基材上に、銀および銅の少なくともいずれかを含む金属繊維を含有する透明導電層が形成された積層体を準備する準備工程と、上記透明導電層上にチタンおよびアルミニウムの少なくともいずれかを含む金属層を形成する金属層形成工程と、上記金属層上にレジストパターンを形成するレジストパターン形成工程と、上記レジストパターンをマスクとして上記金属層および上記透明導電層をエッチングする第1エッチング工程と、上記レジストパターンを剥離するレジストパターン剥離工程と、上記透明基材の外周領域の上記金属層上に保護層を形成する保護層形成工程と、燐酸およびフッ化アンモニウムを含む溶液を用い、上記保護層をマスクとして上記金属層のみをエッチングする第2エッチング工程と、上記保護層を剥離する保護層剥離工程とを有することを特徴とする方法である。
ここで、「外周領域」とは、透明基材の外周領域であり、金属層のパターンが形成される領域をいう。
例えば、本発明により製造される透明導電基材がタッチパネルセンサに用いられる場合、外周領域は非アクティブエリアとなる。なお、「非アクティブエリア」とは、アクティブエリアの外周に配置された領域であって、配線や端子等が形成されている領域をいう。また、「アクティブエリア」とは、画像が表示される領域であって、タッチ操作が可能な領域をいう。
また例えば、透明導電基材が液晶表示装置、プラズマディスプレイパネル、有機EL表示装置等の表示装置に用いられる場合、外周領域は非表示領域となる。なお、「非表示領域」とは、表示領域の外周に配置された領域であって、配線や端子等が形成されている領域をいう。また、「表示領域」とは、画像が表示される領域をいう。
本発明の透明導電基材の製造方法について、図面を参照して説明する。
図1(a)〜(f)および図2(a)〜(d)は本発明の透明導電基材の製造方法の一例を示す工程図である。まず、図1(a)に示すように、透明基材1上に、銀および銅の少なくともいずれかを含む金属繊維を含有する透明導電層2が形成された積層体を準備する。次いで、図1(b)に示すように、透明導電層2上にチタンおよびアルミニウムの少なくともいずれかを含む金属層3を形成する。次に、図1(c)に示すように、金属層3上にレジスト層4aを形成し、露光および現像して、図1(d)に示すように、レジストパターン4bを形成する。次に、図1(e)に示すように、レジストパターン4bをマスクとして金属層3および透明導電層2を一括してエッチングし、レジストパターン4bで覆われていない部分の金属層3および透明導電層2を除去する。続いて、図1(f)に示すように、レジストパターン4bを剥離する。次に、図2(a)に示すように、金属層3上にレジスト材料を用いて保護層5を形成し、露光および現像して、図2(b)に示すように、透明基材1の外周領域11のみに保護層5を形成する。次いで、図2(c)に示すように、燐酸およびフッ化アンモニウムを含む溶液を用い、保護層5をマスクとして金属層3のみをエッチングし、保護層5で覆われていない部分、つまり外周領域11以外の領域の金属層3を除去する。続いて、図2(d)に示すように、保護層5を剥離する。これにより、透明基材1と、透明基材1上にパターン状に形成された透明導電層2と、透明基材1の外周領域11の透明導電層2上に形成された金属層3とを有し、外周領域11の透明導電層2および金属層3のパターンが同一である透明導電基材10が得られる。
本発明によれば、透明導電層に銀および銅の少なくともいずれかを含む金属繊維を用い、金属層にチタンおよびアルミニウムの少なくともいずれかを用い、第2エッチング工程にて金属層のエッチング液に燐酸およびフッ化アンモニウムを含む溶液を用いることにより、第2エッチング工程では金属層のみをエッチングすることができる。したがって、透明導電層の特性を劣化させることなく、透明導電層および金属層を所定のパターンに良好にパターニングすることが可能である。
また本発明によれば、金属層をスクリーン印刷法等により直接パターン状に形成するのではなくフォトリソグラフィ法によりパターニングするため、高精細なパターンに形成することが可能である。また、透明基材の外周領域では、金属層および透明導電層が積層されているため、導電性が高く、線幅を細くすることができる。そのため、金属層のパターンを短ピッチで配置することができ、外周領域の面積を小さくすることができる。したがって、例えば本発明により製造される透明導電基材をタッチパネルセンサに用いる場合には、外周領域、すなわち非アクティブエリアの小面積化により、意匠性を向上させたり、アクティブエリアを大面積化したりすることができる。
図3(a)〜(f)および図4(a)〜(d)は本発明の透明導電基材の製造方法の他の例を示す工程図である。まず、図3(a)に示すように、透明基材1の一方の面に銀および銅の少なくともいずれかを含む金属繊維を含有する第1透明導電層2aが形成され、透明基材1の他方の面に銀および銅の少なくともいずれかを含む金属繊維を含有する第2透明導電層2bが形成された積層体を準備する。次いで、図3(b)に示すように、第1透明導電層2a上にチタンおよびアルミニウムの少なくともいずれかを含む第1金属層3aを形成し、第2透明導電層2b上にチタンおよびアルミニウムの少なくともいずれかを含む第2金属層3bを形成する。次に、図3(c)に示すように、第1金属層3a上に第1レジスト層4cを形成し、第2金属層3b上に第2レジスト層4dを形成し、図示しないが第1レジスト層4c上に第1フォトマスクを配置するとともに第2レジスト層4d上に第2フォトマスクを配置した状態で第1レジスト層4cおよび第2レジスト層4dを同時に露光し、現像して、図3(d)に示すように、第1金属層3a上に第1レジストパターン4eを形成し、第2金属層3b上に第2レジストパターン4fを形成する。この際、第1金属層3aおよび第2金属層3bが露光光に対して遮光層として機能するため、第1レジスト層4cおよび第2レジスト層4dを異なるパターンで露光することができ、第1レジストパターン4eおよび第2レジストパターン4fを異なるパターンに形成することができる。次に、図3(e)に示すように、第1レジストパターン4eおよび第2レジストパターン4fをマスクとして第1金属層3aおよび第1透明導電層2aならびに第2金属層3bおよび第2透明導電層2bを異なるパターンで一括してエッチングし、第1レジストパターン4eおよび第2レジストパターン4fで覆われていない部分の第1金属層3aおよび第1透明導電層2aならびに第2金属層3bおよび第2透明導電層2bを除去する。続いて、図3(f)に示すように、第1レジストパターン4eおよび第2レジストパターン4fを剥離する。次に、図4(a)に示すように、第1金属層3a上にレジスト材料を用いて第1保護層5aを形成し、第2金属層3b上にレジスト材料を用いて第2保護層5bを形成し、露光および現像して、図4(b)に示すように、透明基材1の外周領域11のみに第1保護層5aおよび第2保護層5bを形成する。次いで、図4(c)に示すように、燐酸およびフッ化アンモニウムを含む溶液を用い、第1保護層5aおよび第2保護層5bをマスクとして第1金属層3aおよび第2金属層3bのみをエッチングし、第1保護層5aおよび第2保護層5bで覆われていない部分、つまり外周領域11以外の領域の第1金属層3aおよび第2金属層3bを除去する。続いて、図4(d)に示すように、第1保護層5aおよび第2保護層5bを剥離する。これにより、透明基材1と、透明基材1の一方の面にパターン状に形成された第1透明導電層2aと、透明基材1の他方の面にパターン状に形成された第2透明導電層2bと、透明基材1の外周領域11の第1透明導電層2a上に形成された第1金属層3aと、外周領域11の第2透明導電層2b上に形成された第2金属層3bとを有し、外周領域11の第1透明導電層2aおよび第1金属層3aのパターンが同一であり、外周領域11の第2透明導電層2bおよび第2金属層3bのパターンが同一である透明導電基材10が得られる。
この場合、上述したように、第1レジスト層4cを透過した露光光は第1金属層3aによって遮光され第2レジスト層4dに到達することはなく、同様に、第2レジスト層4dを透過した露光光は第2金属層3bによって遮光され第1レジスト層4cに到達することはない。つまり、第1レジスト層4cに照射される露光光は第1金属層3aによって遮光されるため、第2レジスト層4dに照射されることはない。同様に、第2レジスト層4dに照射される露光光は第2金属層3bによって遮光されるため、第1レジスト層4cに照射されることはない。そのため、レジストパターン形成工程において、第1レジスト層4cおよび第2レジスト層4dを、それぞれ所望のパターンで精度良く同時に露光することができる。したがって本発明においては、透明基材の両面にそれぞれ透明導電層および金属層を積層し、同時にパターニングすることも可能である。
また、レジスト層の両面同時露光を行う場合には、第1フォトマスクおよび第2フォトマスクの位置合わせを行うことで、第1透明導電層および第1金属層と第2透明導電層および第2金属層との位置合わせを行うことができる。そのため、この場合には、透明基材上に透明導電層および金属層がそれぞれパターン状に形成された透明導電基材を2枚貼り合わせる場合と比較して、容易に位置合わせを行うことができ、効率良く透明導電基材を製造することが可能である。
以下、本発明の透明導電基材の製造方法における各工程について説明する。
1.準備工程
本発明における準備工程は、透明基材上に、銀および銅の少なくともいずれかを含む金属繊維を含有する透明導電層が形成された積層体を準備する工程である。
また、準備工程では、透明基材の一方の面に銀および銅の少なくともいずれかを含む金属繊維を含有する第1透明導電層が形成され、透明基材の他方の面に銀および銅の少なくともいずれかを含む金属繊維を含有する第2透明導電層が形成された積層体を準備してもよい。
以下、透明基材および透明導電層について説明する。
(1)透明基材
本発明に用いられる透明基材は、透明導電層および金属層を支持するものである。
透明基材は透明性を有するものであり、透明基材の透明性は本発明により製造される透明導電基材の用途等に応じて適宜決定される。
ここで、「透明」「透明性」とは、特段の断りがない限り、本発明により製造される透明導電基材が用いられた製品の使用者が、画面または操作面からの視認を妨げない程度の透明性をいう。したがって、透明は、無色透明および視認性を妨げない程度の有色透明を含み、また厳密な透過率で規定されず、本発明により製造される透明導電基材の用途等に応じて適宜決定することができる。
透明基材としては、例えば樹脂基材、ガラス基材等を用いることができる。
透明基材は、可撓性を有していてもよく剛性を有していてもよい。
また、透明基材の表面には、ハードコート層、密着調整層、低屈折率層、高屈折率層等が形成されていてもよい。
透明基材の厚みとしては、透明導電層および金属層を支持できる厚みであればよく、本発明により製造される透明導電基材の用途に応じて適宜選択される。例えば、本発明により製造される透明導電基材をタッチパネルセンサに用いる場合には、透明基材の厚みは20μm〜1500μm程度で設定することができる。
(2)透明導電層
本発明における透明導電層は、銀および銅の少なくともいずれかを含む金属繊維を含有するものである。
金属繊維を構成する材料は、銀および銅の少なくともいずれかである。
透明導電層として第1透明導電層および第2透明導電層を形成する場合、第1透明導電層および第2透明導電層に用いられる金属繊維を構成する材料は同じであっても異なっていてもよい。
金属繊維としては、例えば、金属ナノワイヤ、金属マイクロワイヤ、金属ナノチューブ、金属マイクロチューブ等が挙げられる。中でも、透明性および導電性に優れることから、金属ナノワイヤが好ましい。
また、金属ナノワイヤおよび金属マイクロワイヤはコアシェル構造を有していてもよい。例えば、銀をコア、銅をシェルとするものを挙げることができる。
さらに、金属繊維の表面は酸化されていてもよい。この場合、金属繊維の表面が酸化皮膜で覆われているため、金属繊維表面での光の乱反射を低減することができる。
金属繊維の平均直径としては、金属繊維の形態や透明導電基材の用途等に応じて適宜調整され、例えば0.1nm〜1mmの範囲内であり、中でも0.1nm〜100μmの範囲内であることが好ましい。金属ナノワイヤの場合、平均直径は1nm〜100nmの範囲内であることが好ましく、中でも10nm〜80nmの範囲内、特に20nm〜60nmの範囲内、さらには40nm〜60nmの範囲内であることが好ましい。金属繊維の直径が上記範囲内であれば、導電性および透明性を確保することができる。
また、金属繊維の平均長さとしては、金属繊維の平均直径よりも十分に大きければよく、金属繊維の形態や透明導電基材の用途等に応じて適宜調整される。金属ナノワイヤの場合、平均長さは50nm〜1000μmの範囲内であることが好ましく、中でも50nm〜500μmの範囲内であることが好ましい。金属繊維の長さが長ければ、1本の金属繊維で長い導電パスを形成することができる。
また、金属繊維はアスペクト比(金属繊維の長さ/金属繊維の直径)が大きいことが好ましい。アスペクト比を大きくすることで、効果的に金属繊維同士の接点を形成することが可能となると共に、得られる透明導電層が高透明性かつ低ヘイズ値を示すことが可能となるからである。具体的なアスペクト比としては、例えば金属ナノワイヤの場合、100〜5000の範囲内が好ましい。金属ナノワイヤのアスペクト比が上記範囲よりも小さい場合は、金属ナノワイヤ同士の接点を効果的に形成することができず、得られる透明導電層が高い表面抵抗率を示すこととなる。さらに、得られる透明導電層の光吸収および反射成分が大きくなるため、光透過性が低下する傾向となる。一方、金属ナノワイヤのアスペクト比が上記範囲よりも大きい場合、金属ナノワイヤの精製に時間がかかるため生産性に乏しく、また、塗工時にダイヘッド等の吐出口にて詰まりが発生しやすくなるからである。
ここで、金属繊維の直径および長さ、ならびにアスペクト比は、例えば透過型電子顕微鏡を用いて測定することができる。
金属繊維の製造方法としては、公知の方法であればよく特に限定されるものではない。
透明導電層における金属繊維の含有量としては、透明導電層が所望の導電性を発揮することができる量であればよく、金属繊維の種類や透明導電層の形態、透明導電基材の用途等に応じて適宜決定することができる。具体的には、透明導電層中の金属繊維の含有量が50質量%〜95質量%の範囲内、中でも60質量%〜90質量%の範囲内、特に70質量%〜85質量%の範囲内であることが好ましい。透明導電層における金属繊維の含有量を上述した範囲内とすることにより、透明導電層の透明性および導電性を良好なものとすることができるからである。
透明導電層は、樹脂を含んでいてもよい。金属繊維同士を強固に固定することができるからである。
樹脂としては、絶縁性を有し、バインダとして機能するものであれば特に限定されるものではなく、例えば熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等の硬化性樹脂や、熱可塑性樹脂等を挙げることができる。具体的には、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、アクリルウレタン系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、ポリオールアクリレート系樹脂、セルロース系樹脂、ポリエステル−メラミン樹脂、エポキシ−メラミン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂等が挙げられる。
透明導電層中の樹脂の含有量としては、金属繊維の含有量よりも少ないことが好ましい。具体的には、金属繊維100質量部に対して、樹脂の含有量が100質量部以下であることが好ましく、中でも50質量部以下、特に30質量部以下であることが好ましい。金属繊維に対する樹脂の含有量が上記範囲よりも大きいと、樹脂は絶縁性を示すことから電気抵抗が高くなり、透明導電層の導電性を低下させる場合があるからである。
また、透明導電層は、必要に応じて、界面活性剤、分散剤、増粘剤、導電剤、安定剤、酸化防止剤、粘度調整剤等を含んでいてもよい。
透明導電層の表面抵抗率としては、透明導電基材に求められる導電性に応じて設定することができるが、10Ω/□〜500Ω/□の範囲内が好ましく、中でも25Ω/□〜400Ω/□の範囲内、特に50Ω/□〜300Ω/□の範囲内が好ましい。
なお、表面抵抗率は、例えば(株)三菱化学アナリテック社製の抵抗率計ロレスタ「AX MCP−T370型」を用いて測定することができる。
透明導電層の厚みとしては、所望の導電性を発揮することが可能な厚みであればよく、例えば10nm〜5.0μmの範囲内、中でも20nm〜1.0μmの範囲内、特に30nm〜300nmの範囲内であることが好ましい。透明導電層の厚みが上記範囲よりも薄いと導通が取り難く、製造も困難になる場合があり、一方、透明導電層の厚みが上記範囲よりも厚いと製造コストが高くなる場合がある。
透明導電層の形成方法としては、例えば透明基材上に、金属繊維および溶媒、ならびに必要に応じて樹脂や添加剤を含有する透明導電層形成用塗工液を塗布し、乾燥させる方法が挙げられる。
透明導電層として第1透明導電層および第2透明導電層を形成する場合、第1透明導電層および第2透明導電層に用いられる透明導電層形成用塗工液の組成は同じであっても異なっていてもよい。
透明導電層形成用塗工液に用いられる溶媒としては、一般に金属繊維を含有する塗工液に用いられる溶媒を適用することができる。
透明導電層形成用塗工液の塗布方法としては、一般に金属繊維を含有する塗工液の塗布に用いられる方法を用いることができ、例えば、ダイコート法、ナイフコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、コンマコート法、ブレードコート法等が挙げられる。
乾燥方法としては、溶媒を除去することができる方法であればよく、例えば自然乾燥、加熱乾燥等、一般的な乾燥方法を適用することができる。加熱乾燥の場合、加熱温度としては、溶媒の種類により適宜選択される。
また、透明基材上に透明導電層が形成された積層体として、東レ製の銀ナノワイヤーコーティングフィルム等の市販の透明導電フィルムを用いてもよい。
2.金属層形成工程
本発明における金属層形成工程は、上記透明導電層上にチタンおよびアルミニウムの少なくともいずれかを含む金属層を形成する工程である。
また、金属層形成工程では、第1透明導電層上にチタンおよびアルミニウムの少なくともいずれかを含む第1金属層を形成し、第2透明導電層上にチタンおよびアルミニウムの少なくともいずれかを含む第2金属層を形成してもよい。
金属層を構成する材料は、チタンおよびアルミニウムの少なくともいずれかである。
金属層として第1金属層および第2金属層を形成する場合、第1金属層および第2金属層を構成する材料は同じであっても異なっていてもよい。
また、金属層は単層であってもよく複数層が積層されたものであってもよい。
金属層は遮光性を有することが好ましい。透明基材の両面にそれぞれ透明導電層、金属層およびレジスト層を積層し、レジスト層の両面同時露光を行う場合には、金属層によって露光光を遮光することができ、両面のレジスト層を異なるパターンでパターニングすることができるからである。中でも、金属層は、可視光線、紫外線、赤外線等に対して遮光性を有することが好ましい。金属層によって、より確実に露光光を遮光することができるからである。
金属層の厚みとしては、所望の導電性を発揮することが可能な厚みであればよく、例えば10nm〜500nm程度で設定することができる。
金属層の形成方法としては、真空成膜法を挙げることができ、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等が挙げられる。
3.レジストパターン形成工程
本発明におけるレジストパターン形成工程は、上記金属層上にレジストパターンを形成する工程である。
また、レジストパターン形成工程では、第1金属層上に第1レジスト層を形成し、第2金属層上に第2レジスト層を形成し、第1レジスト層上に第1フォトマスクを配置するとともに第2レジスト層上に第2フォトマスクを配置した状態で第1レジスト層および第2レジスト層を異なるパターンで同時に露光し、現像して、第1金属層上に第1レジストパターンを形成し、第2金属層上に第2レジストパターンを形成してもよい。
レジストパターンの形成方法としては、金属層上にレジスト層を形成し、露光および現像する方法が挙げられる。
レジスト層に用いられるレジスト材料としては、後述の第1エッチング工程にて用いられるエッチング液に対して耐性を有するものであれば特に限定されるものではなく、一般的なレジストを使用することができ、ポジ型レジストおよびネガ型レジストのいずれも用いることができる。例えば、ノボラック系のポジ型レジスト、環化ゴム系ネガ型フォトレジストが挙げられる。また、レジスト層として、ドライフィルムレジストを用いてもよい。
レジスト層の形成方法としては、例えば金属層上にレジスト材料を塗布する方法が用いられる。塗布法としては、例えば、スピンコート法、キャスティング法、ディップコート法、バーコート法、ブレードコート法、ロールコート法、グラビアコート法、スプレーコート法、フレキソ印刷法等が用いられる。第1金属層および第2金属層上にそれぞれ第1レジスト層および第2レジスト層を同時に形成する場合は、ディップコート法を好適に用いることができる。また、レジスト層がドライフィルムレジストである場合は、金属層上にラミネートする方法を挙げることができる。
レジスト層をパターン露光する方法としては、例えば、フォトマスクを介して露光する方法、レーザー描画法等、一般的な方法を用いることができる。また、第1レジスト層および第2レジスト層の同時露光を行う場合は、露光強度としては、一方のレジスト層を露光した場合に、他方のレジスト層に影響を与えない程度であれば特に限定されない。なお、第1レジスト層および第2レジスト層の同時露光を行う場合、第1金属層および第2金属層が遮光層として機能するため、第1レジスト層および第2レジスト層を異なるパターンで露光することができる。
レジスト層の現像方法としては、例えば現像液を用いる方法を適用することができる。現像液としては、一般的に使用されている有機アルカリ系現像液を使用できる。また、現像液として、無機アルカリ系現像液や、レジスト層の現像が可能な水溶液を使用することもできる。レジスト層を現像した後は、水等で洗浄することが好ましい。
レジストパターンのパターン形状としては、本発明により製造される透明導電基材の用途に応じて適宜選択される。例えばタッチパネルセンサの場合、レジストパターンのパターン形状は、センサ電極および配線等のパターンを有するものとなる。
4.第1エッチング工程
本発明における第1エッチング工程は、上記レジストパターンをマスクとして上記金属層および上記透明導電層をエッチングする工程である。
また、第1エッチング工程では、第1レジストパターンおよび第2レジストパターンをマスクとして第1金属層および第1透明導電層ならびに第2金属層および第2透明導電層を異なるパターンでエッチングしてもよい。
エッチング液としては、金属層および透明導電層をエッチングできるものであれば特に限定されるものではなく、例えば燐酸、硝酸および酢酸を含む水溶液、燐酸、硝酸およびフッ化アンモニウムを含む水溶液、硝酸セリウムアンモニウムおよび過塩素酸を含む水溶液、過酸化水素水および硫酸に代表される酸化剤を混合した系、臭化水素酸等が挙げられる。燐酸、硝酸、酢酸および水の混合比、燐酸、硝酸、フッ化アンモニウムおよび水の混合比、ならびに硝酸セリウムアンモニウム、過塩素酸および水の混合比は、金属層および透明導電層の材料に応じて適宜調整される。
透明基材の両面に透明導電層および金属層が形成されている場合には、両面同時にエッチングを行うことができる。
5.レジストパターン剥離工程
本発明におけるレジストパターン剥離工程は、上記レジストパターンを剥離する工程である。
また、レジストパターン剥離工程では、第1レジストパターンおよび第2レジストパターンを剥離してもよい。
剥離液としては、レジストパターンのみを剥離できるものであれば特に限定されるものではなく、例えば水酸化カリウム水溶液等のアルカリ液が挙げられる。
6.保護層形成工程
本発明における保護層形成工程は、上記透明基材の外周領域の上記金属層上に保護層を形成する工程である。
また、保護層形成工程では、上記外周領域の第1金属層上に第1保護層を形成し、上記外周領域の第2金属層上に第2保護層を形成してもよい。
保護層に用いられる材料としては、後述の第2エッチング工程にて用いられるエッチング液に対して耐性を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えばレジスト材料が用いられる。レジスト材料としては、上記レジスト層に用いられるレジスト材料と同様である。また、後述するように保護層をスクリーン印刷法で形成する場合には、例えばソルダーレジストを用いることができる。
保護層の形成方法としては、透明基材の外周領域の金属層上のみに保護層を形成できる方法であれば特に限定されるものではなく、例えばフォトリソグラフィ法、スクリーン印刷法等が挙げられる。
フォトリソグラフィ法による保護層の形成方法については、上記レジストパターンの形成方法と同様である。
7.第2エッチング工程
本発明における第2エッチング工程は、燐酸およびフッ化アンモニウムを含む溶液を用い、上記保護層をマスクとして上記金属層のみをエッチングする工程である。
また、第2エッチング工程では、燐酸およびフッ化アンモニウムを含む溶液を用い、第1保護層および第2保護層をマスクとして第1金属層および第2金属層のみをエッチングしてもよい。
エッチング液としては、燐酸およびフッ化アンモニウムを少なくとも含む溶液が用いられる。また、エッチング液は、さらに硝酸を含んでいてもよい。エッチング液がさらに硝酸を含む場合には、第2エッチング工程にて金属層のエッチングを促進することができる。
燐酸およびフッ化アンモニウムを少なくとも含む溶液において、燐酸の濃度は3質量%〜5質量%の範囲内であることが好ましく、フッ化アンモニウムの濃度は1質量%〜10質量%の範囲内であることが好ましい。燐酸およびフッ化アンモニウムの濃度が高すぎると、金属層および透明導電層のエッチングレートの比が小さくなり、金属層のみをエッチングすることが困難になるからである。また、フッ化アンモニウムの濃度が高すぎると、金属層のエッチングレートが遅くなり、金属層のエッチングが困難になる。
また、エッチング液がさらに硝酸を含む場合、硝酸の濃度は5質量%以下であることが好ましく、中でも1質量%〜5質量%の範囲内であることが好ましい。硝酸の濃度が上記範囲内であれば、第2エッチング工程にて金属層のエッチングを促進することができるからである。
また、例えば燐酸およびフッ化アンモニウムを含む水溶液を用いる場合、燐酸、フッ化アンモニウムおよび水の混合比は、質量比で燐酸:フッ化アンモニウム:水=3〜5:1〜10:85〜96であることが好ましい。
透明基材の両面に透明導電層および金属層が形成されている場合には、両面同時にエッチングを行うことができる。
8.保護層剥離工程
本発明における保護層剥離工程は、上記保護層を剥離する工程である。
また、保護層剥離工程では、第1保護層および第2保護層を剥離してもよい。
剥離液としては、保護層のみを剥離できるものであれば特に限定されるものではなく、例えば水酸化カリウム水溶液等のアルカリ液が挙げられる。
9.用途
本発明により製造される透明導電基材の用途としては、例えばタッチパネルセンサ、液晶表示装置、プラズマディスプレイパネル、有機EL表示装置、太陽電池等を挙げることができる。
B.タッチパネルセンサ
本発明のタッチパネルセンサは、透明基材と、上記透明基材上にパターン状に形成され、銀および銅の少なくともいずれかを含む金属繊維を含有する透明導電層と、上記透明基材の外周領域の上記透明導電層上に形成され、チタンおよびアルミニウムの少なくともいずれかを含む金属層とを有し、上記外周領域の上記透明導電層および上記金属層のパターンが同一であることを特徴とするものである。
本発明のタッチパネルセンサについて図を参照して説明する。
図5(a)は本発明のタッチパネルセンサの一例を示す概略平面図であり、図5(b)は図5(a)のA−A線断面図であり、図5(c)は図5(a)のB−B線断面図であり、図5(d)は図5(a)のC−C線断面図である。
図5(a)〜(d)に示すように、タッチパネルセンサ20においては、透明基材1上に、互いに絶縁された第1センサ電極21aおよび第2センサ電極21bと、第1センサ電極21a同士を接続する第1導電部22aおよび第2センサ電極21b同士を接続する第2導電部22bと、第1配線23aおよび第2配線23bと、第1端子24aおよび第2端子24bとが形成されており、第1導電部22aおよび第2導電部22bの間には層間絶縁層25が形成されている。
第1センサ電極21aおよび第2センサ電極21bはタッチパネル使用者が視認可能なアクティブエリア12内に形成され、互いに絶縁されている。また、第1センサ電極21aおよび第2センサ電極21bは、銀および銅の少なくともいずれかを含む金属繊維を含有する透明導電層2である。
第1導電部22aおよび第2導電部22bはその一部が層間絶縁層25を介して平面視上重なるように形成されている。また、第2導電部22bは第2センサ電極21bと同様に銀および銅の少なくともいずれかを含む金属繊維を含有する透明導電層2である。
第1配線23aは、第1センサ電極21aに接続され、アクティブエリア12の外側の非アクティブエリアである外周領域11内に形成され、末端にて第1端子24aに接続されている。第2配線23bは、第2センサ電極21bに接続され、アクティブエリア12の外側の非アクティブエリアである外周領域11内に形成され、末端にて第2端子24bに接続されている。また、第1配線23aおよび第1端子24aならびに第2配線23bおよび第2端子24bは、銀および銅の少なくともいずれかを含む金属繊維を含有する透明導電層2と、チタンおよびアルミニウムの少なくともいずれかを含む金属層3とが積層されたものである。
図5(a)〜(d)に示す例においては、上述したように、第1配線23aおよび第1端子24aならびに第2配線23bおよび第2端子24bは、銀および銅の少なくともいずれかを含む金属繊維を含有する透明導電層2と、チタンおよびアルミニウムの少なくともいずれかを含む金属層3とが積層されたものであり、外周領域11の透明導電層2および金属層3のパターンが同一となっている。
なお、図5(a)において、層間絶縁層は省略されている。
本発明によれば、透明導電層に銀および銅の少なくともいずれかを含む金属繊維を用い、金属層にチタンおよびアルミニウムの少なくともいずれかを用いることにより、上記「A.透明導電基材の製造方法」に記載したように、金属層のみをエッチングすることができる。したがって、外周領域にて透明導電層上に金属層が積層され、透明導電層および金属層のパターンが同一であるタッチパネルセンサにおいて、製造時の透明導電層の特性劣化を抑制することができる。
また本発明によれば、外周領域では、金属層および透明導電層が積層されているため、導電性が高く、線幅を細くすることができる。また、上記「A.透明導電基材の製造方法」に記載したように、金属層および透明導電層をフォトリソグラフィ法によりパターニングすることにより、高精細なパターンを得ることができる。そのため、金属層のパターンを短ピッチで配置することができ、外周領域の面積を小さくすることができる。したがって、外周領域、すなわち非アクティブエリアの小面積化により、意匠性を向上させたり、アクティブエリアを大面積化したりすることができる。
図6(a)は本発明のタッチパネルセンサの他の例を示す概略平面図であり、図6(b)は図6(a)のA−A線断面図であり、図6(c)は図6(a)のB−B線断面図であり、図6(d)は図6(a)のC−C線断面図である。
図6(a)〜(d)に示すように、タッチパネルセンサ20においては、透明基材1の一方の面に第1センサ電極21aと、第1センサ電極21a同士を接続する第1導電部22aと、第1配線23aと、第1端子24aとが形成され、透明基材1の他方の面に第2センサ電極21bと、第2センサ電極21b同士を接続する第2導電部22bと、第2配線23bと、第2端子24bとが形成されている。
第1センサ電極21aおよび第2センサ電極21bはタッチパネル使用者が視認可能なアクティブエリア12内に形成され、第1センサ電極21aは銀および銅の少なくともいずれかを含む金属繊維を含有する第1透明導電層2aであり、第2センサ電極21bは銀および銅の少なくともいずれかを含む金属繊維を含有する第2透明導電層2bである。
第1導電部22aは第1センサ電極21aと同様に銀および銅の少なくともいずれかを含む金属繊維を含有する第1透明導電層2aであり、第2導電部22bは第2センサ電極21bと同様に銀および銅の少なくともいずれかを含む金属繊維を含有する第2透明導電層2bである。また、第1導電部22aおよび第2導電部22bはその一部が平面視上重なるように形成されている。
第1配線23aは、第1センサ電極21aに接続され、アクティブエリア12の外側の非アクティブエリアである外周領域11内に形成され、末端にて第1端子24aに接続されている。第2配線23bは、第2センサ電極21bに接続され、アクティブエリア12の外側の非アクティブエリアである外周領域11内に形成され、末端にて第2端子24bに接続されている。また、第1配線23aおよび第1端子24aは、銀および銅の少なくともいずれかを含む金属繊維を含有する第1透明導電層2aと、チタンおよびアルミニウムの少なくともいずれかを含む第1金属層3aとが積層されたものであり、第2配線23bおよび第2端子24bは、銀および銅の少なくともいずれかを含む金属繊維を含有する第2透明導電層2bと、チタンおよびアルミニウムの少なくともいずれかを含む第2金属層3bとが積層されたものである。
図6(a)〜(d)に示す例においては、上述したように、第1配線23aおよび第1端子24aは第1透明導電層2aおよび第1金属層3aが積層されたものであり、外周領域11の第1透明導電層2aおよび第1金属層3aのパターンが同一である。また、第2配線23bおよび第2端子24bは第2透明導電層2bおよび第2金属層3bが積層されたものであり、外周領域11の第2透明導電層2bおよび第2金属層3bのパターンが同一である。
図6(a)〜(d)に例示するように、透明基材の両面に透明導電層および金属層がパターン状に形成されている場合、上記「A.透明導電基材の製造方法」に記載したように、透明基材の両面に透明導電層および金属層を積層し、同時にパターニングすることができる。この場合には、透明基材上に透明導電層および金属層がそれぞれパターン状に形成された透明導電基材を2枚貼り合わせる場合と比較して、容易に位置合わせを行うことができる。
以下、本発明のタッチパネルセンサの各構成について詳細に説明する。
1.透明導電層
本発明における透明導電層は、透明基材上にパターン状に形成され、銀および銅の少なくともいずれかを含む金属繊維を含有するものである。
また、透明導電層は、透明基材の一方の面にパターン状に形成された第1透明導電層と、透明基材の他方の面にパターン状に形成された第2透明導電層とを有していてもよい。
なお、透明導電層については、上記「A.透明導電基材の製造方法」に記載したので、ここでの説明は省略する。
透明導電層は、タッチパネルセンサを構成する一般的な部材を構成するものであり、例えばセンサ電極、センサ電極同士を接続する導電部等を挙げることができる。また、透明導電層は、配線や端子の一部を構成するものであってもよい。透明導電層により構成される部材は、本発明のタッチパネルセンサの構成に応じて適宜選択される。
例えば図5(a)〜(d)に示すように透明基材1の片面であって同一平面上に第1センサ電極21aおよび第2センサ電極21bが形成されている場合には、第1センサ電極21a、第2センサ電極21bおよび第2導電部22bが透明導電層2になり得る。また、第1配線23a、第2配線23b、第1端子24a、第2端子24bは透明導電層2を有することができる。
また、例えば図6(a)〜(d)に示すように透明基材1の両面にそれぞれ第1センサ電極21aおよび第2センサ電極21bが形成されている場合には、第1センサ電極21aおよび第1導電部22aが第1透明導電層2aに、第2センサ電極21bおよび第2導電部22bが第2透明導電層2bになり得る。また、第1配線23aおよび第1端子24aは第1透明導電層2aを有し、第2配線23bおよび第2端子24bは第2透明導電層2bを有することができる。
また、図示しないが、透明基材の片面であって層間絶縁層を介して第1センサ電極および第2センサ電極が形成されている場合、および、異なる透明基材上にそれぞれ第1センサ電極および第2センサ電極が形成されている場合には、第1センサ電極、第2センサ電極、第1導電部および第2導電部が透明導電層になり得る。また、第1配線、第2配線、第1端子、第2端子は透明導電層を有することができる。
2.金属層
本発明における金属層は、上記透明基材の外周領域の透明導電層上に形成され、チタンおよびアルミニウムの少なくともいずれかを含むものである。また、上記外周領域の透明導電層および金属層のパターンは同一である。
また、金属層は、外周領域の第1透明導電層上に形成された第1金属層と、外周領域の第2透明導電層上に形成された第2金属層とを有していてもよい。この場合、外周領域の第1透明導電層および第1金属層のパターンが同一であり、外周領域の第2透明導電層および第2金属層のパターンが同一である。
なお、金属層については、上記「A.透明導電基材の製造方法」に記載したので、ここでの説明は省略する。
中でも、金属層は蒸着膜であることが好ましい。金属層が蒸着膜である場合には、金属層をスクリーン印刷法等により直接パターン状に形成するのではなく、上述した透明導電基材の製造方法のようなフォトリソグラフィ法によりパターニングすることになるため、高精細なパターンを得ることができる。
ここで、金属層が蒸着膜であることは、走査型電子顕微鏡写真により確認することができる。印刷法により金属層を形成する場合には金属微粒子を含有する塗工液が用いられることから、蒸着膜である金属層と、印刷法により形成された金属層とでは、金属層の断面および表面の性状が異なり、判別可能である。
金属層は、タッチパネルセンサを構成する一般的な部材を構成するものであり、例えば配線、端子等の一部を構成することができる。
3.透明基材
本発明における透明基材は、上記透明導電層および金属層を支持するものである。
なお、透明基材については、上記「A.透明導電基材の製造方法」に記載したので、ここでの説明は省略する。
4.センサ電極
本発明のタッチパネルセンサは、透明基材上に形成され、互いに絶縁された第1センサ電極および第2センサ電極を有するセンサ電極を有する。センサ電極は、アクティブエリア内に形成され、接触位置を検出するために用いられるものである。
なお、第1センサ電極および第2センサ電極が互いに絶縁されているとは、両電極が電気的に接続されていないことをいう。
センサ電極は、上記透明導電層とすることができる。
センサ電極の平面視形状および平面視外形形状としては、特開2011−210176号公報、特開2010−238052号公報、特許第4610416号公報、特開2010-286886号公報、特開2004-192093号公報、特開2010-277392号公報、特開2011−129501号公報等に示されるような一般的なタッチパネルセンサにおけるセンサ電極と同様とすることができる。
透明基材に対する第1センサ電極および第2センサ電極の形成箇所としては、第1センサ電極および第2センサ電極が透明基材のアクティブエリア内に形成され、互いに絶縁されるように形成されていれば特に限定されるものではない。例えば、図5(a)〜(d)に示すように第1センサ電極21aおよび第2センサ電極21bが透明基材1の片面であって同一平面上に形成されていてもよく、図示しないが第1センサ電極および第2センサ電極がそれぞれ異なる透明基材上に形成されていてもよく、第1センサ電極および第2センサ電極が透明基材の片面に層間絶縁層を介して形成されていてもよく、図6(a)〜(d)に示すように第1センサ電極21aおよび第2センサ電極21bが透明基材1の両面にそれぞれ形成されていてもよい。
センサ電極の厚みとしては、一般的なタッチパネルセンサにおけるセンサ電極と同様とすることができる。
5.導電部
本発明のタッチパネルセンサは、第1センサ電極同士を接続する第1導電部と第2センサ電極同士を接続する第2導電部とを有する導電部を有する。通常、第1導電部および第2導電部はその一部が平面視上重なるように形成される。
導電部は、上記透明導電層とすることができる。
また、導電部には非透明導電材料を用いることもできる。非透明導電材料としては、例えば特開2010−238052号公報等に記載のものを用いることができる。具体的には、アルミニウム、モリブデン、銀、クロム等の金属およびその合金等を用いることができる。
導電部の平面視形状としては、タッチパネルセンサに一般的なものとすることができ、上記センサ電極と同様とすることができる。
また、導電部の平面視外形形状としては、タッチパネルセンサに一般的なものとすることができ、例えば、センサ電極の平面視外形形状より幅の狭いライン形状等が挙げられる。
第1導電部および第2導電部の形成箇所としては、第1導電部および第2導電部によって第1センサ電極間および第2センサ電極間をそれぞれ安定的に接続でき、かつ、両者が絶縁されるように形成されていれば特に限定されるものではない。例えば、第1センサ電極および第2センサ電極が異なる平面または異なる部材上に形成されている場合には、第1導電部および第2導電部がそれぞれ第1センサ電極および第2センサ電極と同一平面上に形成される。また、第1センサ電極および第2センサ電極が透明基材の同一平面上に形成される場合には、第1導電部および第2導電部が層間絶縁層を介して形成される。
導電部の厚みとしては、一般的なタッチパネルセンサにおける導電部と同様とすることができる。
6.配線
本発明のタッチパネルセンサは、上記センサ電極に接続された配線を有する。
配線は、上記の透明導電層および金属層が積層されたものとすることができる。
配線の形成箇所は、通常、外周領域である。
配線の線幅としては、例えば10μm〜200μm程度とすることができる。
7.端子
本発明のタッチパネルセンサは、上記配線に接続された端子を有する。端子は、フレキシブルプリント配線板等との接続に用いられるものである。
端子は、上記の透明導電層および金属層が積層されたものとすることができる。また、端子を形成する際には、上記の透明導電層および金属層の上にさらに銀ペースト等を塗布して導電層を形成してもよい。
端子の形成箇所は、通常、外周領域である。
端子の幅、厚みおよび平面視形状や、端子間の間隔については、一般的なタッチパネルセンサと同様とすることができる。具体的には、特開2011−210176号公報に記載されるものと同様とすることができる。
8.その他の構成
本発明のタッチパネルセンサは、透明基材、センサ電極、導電部、配線、端子以外に、必要に応じて他の部材を有していてもよい。このような他の部材としては、層間絶縁層やオーバーコート層を挙げることができる。
(1)層間絶縁層
本発明における層間絶縁層は、第1センサ電極および第2センサ電極間あるいは第1導電部および第2導電部間の短絡を防止するために形成されるものである。
層間絶縁層に用いられる絶縁材料としては、所望の絶縁性を有するものであれば特に限定されるものではなく、タッチパネルセンサに一般的に用いられるものを使用することができる。例えば、光透過性のアクリル樹脂、シロキサン樹脂等を挙げることができ、中でも感光性シロキサン樹脂を好ましく用いることができる。
層間絶縁層の形成箇所としては、タッチパネルセンサに一般的なものとすることができ、例えば第1センサ電極および第2センサ電極が透明基材の同一平面上に形成されている場合には、層間絶縁層が第1導電部の下層にのみアイランド状に形成されるアイランドタイプや、層間絶縁層が第1センサ電極、第2センサ電極および第2導電部上に形成され、第1導電部および第1センサ電極が接続するためのコンタクトホールを有するように形成されているホールタイプが挙げられる。また、層間絶縁層が第1センサ電極および第1導電部と第2センサ電極および第2導電部との間に形成されていてもよい。
層間絶縁層の厚みとしては、第1センサ電極および第2センサ電極間または第1導電部および第2導電部間の短絡を防止することができるものであれば特に限定されるものではなく、タッチパネルセンサに一般的なものとすることができる。例えば、0.5μm〜3.0μmの範囲内とすることができる。
層間絶縁層の形成方法としては、所定の位置に層間絶縁層を精度良く形成できるものであれば特に限定されるものではなく、フォトリソグラフィ法や、スクリーン印刷等の印刷法等を挙げることができる。また、絶縁性を示し、適当な光透過性かつ光学等方性を示すフィルムやシート等を所望の形状に加工し、層間絶縁層として積層させることも可能である。
(2)オーバーコート層
本発明におけるオーバーコート層は、センサ電極、導電部および配線を覆うように形成されるものである。
オーバーコート層としては、絶縁性を有していれば特に限定されるものではないが、透明性を有することが好ましい。このような絶縁性および透明性を有するオーバーコート層としては、例えば、アクリル樹脂等の有機材料や酸化ケイ素等の無機材料等からなるものを挙げることができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。
[実施例1〜6および比較例1]
透明基材として厚み125μmのPETフィルムと透明導電層として厚み100nmの銀ナノワイヤ層とを有し、シート抵抗値が50Ω/□である東レ製の銀ナノワイヤコーティングフィルムを準備した。この銀ナノワイヤコーティングフィルム上にチタン、アルミニウム、チタンをそれぞれ20nm、160nm、20nmの厚みになるよう、昭和真空製のスパッタ装置TSP−5を用いて成膜し、金属層を形成した。その後、金属層上に、日立化成製のドライフィルムレジストRY−5319をラミネート速度1m/min、温度100℃、圧力3MPaにてラミネートし、ウシオ電機製のUV露光装置を用いて照射量100mJ/cmにて露光し、濃度1質量%の炭酸ナトリウム水溶液を用いて25℃、2分間で現像した。
次に、燐酸:硝酸:フッ化アンモニウム:水を質量比で15:20:40:25にて混合した薬液を用いて40℃、2分間で金属層および透明導電層を一括してエッチングし、濃度1.5質量%の水酸化ナトリウム水溶液を用いて25℃、1分間でレジストを剥離した。
次に、外周領域の金属層上に再度、上記ドライフィルムレジストを同条件にてラミネート、露光、現像した。次いで、下記表1に示すエッチング液を40℃に温めて金属層のみを選択的にエッチングし、上記と同じ条件にてレジストを剥離した。
[評価]
金属層の選択的エッチング後に表面に現れる透明導電層について、エッチング後、2分間のマージンをもたせて余分にエッチングした後にシート抵抗値を測定し、初期シート抵抗値(50Ω/□)に対する抵抗上昇率を下記式により算出した。
抵抗上昇率=エッチング後のシート抵抗値/初期シート抵抗値
Figure 2016085870
実施例1〜6ではいずれも、透明導電層のシート抵抗値がエッチング後2分間エッチングを続けても初期値から変わらないことを確認した。
また、実施例1〜6および比較例1のうち、実施例1〜3のように、燐酸濃度が3または5質量%、フッ化アンモニウム濃度が1または10質量%の場合、金属層を短時間でエッチングできることを確認した。
以上より、燐酸濃度およびフッ化アンモニウム濃度はそれぞれ3〜5質量%、1〜10質量%の範囲内であることが好ましいことが分かった。
また、実施例6のように、燐酸、フッ化アンモニウムおよび硝酸を含むエッチング液を使用した場合、透明導電層のシート抵抗値を上昇させることなく、金属層のエッチングレートを向上させることができた。
1 … 透明基材
2 … 透明導電層
2a … 第1透明導電層
2b … 第2透明導電層
3 … 金属層
3a … 第1金属層
3b … 第2金属層
4a … レジスト層
4b … レジストパターン
4c … 第1レジスト層
4d … 第2レジスト層
4e … 第1レジストパターン
4f … 第2レジストパターン
5 … 保護層
5a … 第1保護層
5b … 第2保護層
10 … 透明導電基材
11 … 外周領域
20 … タッチパネルセンサ

Claims (5)

  1. 透明基材上に、銀および銅の少なくともいずれかを含む金属繊維を含有する透明導電層が形成された積層体を準備する準備工程と、
    前記透明導電層上にチタンおよびアルミニウムの少なくともいずれかを含む金属層を形成する金属層形成工程と、
    前記金属層上にレジストパターンを形成するレジストパターン形成工程と、
    前記レジストパターンをマスクとして前記金属層および前記透明導電層をエッチングする第1エッチング工程と、
    前記レジストパターンを剥離するレジストパターン剥離工程と、
    前記透明基材の外周領域の前記金属層上に保護層を形成する保護層形成工程と、
    燐酸およびフッ化アンモニウムを含む溶液を用い、前記保護層をマスクとして前記金属層のみをエッチングする第2エッチング工程と、
    前記保護層を剥離する保護層剥離工程と
    を有することを特徴とする透明導電基材の製造方法。
  2. 前記準備工程では、前記透明基材の一方の面に銀および銅の少なくともいずれかを含む金属繊維を含有する第1透明導電層が形成され、前記透明基材の他方の面に銀および銅の少なくともいずれかを含む金属繊維を含有する第2透明導電層が形成された前記積層体を準備し、
    前記金属層形成工程では、前記第1透明導電層上にチタンおよびアルミニウムの少なくともいずれかを含む第1金属層を形成し、前記第2透明導電層上にチタンおよびアルミニウムの少なくともいずれかを含む第2金属層を形成し、
    前記レジストパターン形成工程では、前記第1金属層上に第1レジスト層を形成し、前記第2金属層上に第2レジスト層を形成し、前記第1レジスト層上に第1フォトマスクを配置するとともに前記第2レジスト層上に第2フォトマスクを配置した状態で前記第1レジスト層および前記第2レジスト層を異なるパターンで同時に露光し、現像して、前記第1金属層上に第1レジストパターンを形成し、前記第2金属層上に第2レジストパターンを形成し、
    前記第1エッチング工程では、前記第1レジストパターンおよび前記第2レジストパターンをマスクとして前記第1金属層および前記第1透明導電層ならびに前記第2金属層および前記第2透明導電層を異なるパターンでエッチングし、
    前記レジストパターン剥離工程では、前記第1レジストパターンおよび前記第2レジストパターンを剥離し、
    前記保護層形成工程では、前記外周領域の前記第1金属層上に第1保護層を形成し、前記外周領域の前記第2金属層上に第2保護層を形成し、
    前記第2エッチング工程では、燐酸およびフッ化アンモニウムを含む溶液を用い、前記第1保護層および前記第2保護層をマスクとして前記第1金属層および前記第2金属層のみをエッチングし、
    前記保護層剥離工程では、前記第1保護層および前記第2保護層を剥離することを特徴とする請求項1に記載の透明導電基材の製造方法。
  3. 透明基材と、
    前記透明基材上にパターン状に形成され、銀および銅の少なくともいずれかを含む金属繊維を含有する透明導電層と、
    前記透明基材の外周領域の前記透明導電層上に形成され、チタンおよびアルミニウムの少なくともいずれかを含む金属層と
    を有し、前記外周領域の前記透明導電層および前記金属層のパターンが同一であることを特徴とするタッチパネルセンサ。
  4. 前記透明導電層が、前記透明基材の一方の面にパターン状に形成された第1透明導電層と、前記透明基材の他方の面にパターン状に形成された第2透明導電層とを有し、
    前記金属層が、前記外周領域の前記第1透明導電層上に形成された第1金属層と、前記外周領域の前記第2透明導電層上に形成された第2金属層とを有し、
    前記外周領域の前記第1透明導電層および前記第1金属層のパターンが同一であり、前記外周領域の前記第2透明導電層および前記第2金属層のパターンが同一であることを特徴とする請求項3に記載のタッチパネルセンサ。
  5. 前記金属層が蒸着膜であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のタッチパネルセンサ。
JP2014218189A 2014-10-27 2014-10-27 透明導電基材の製造方法およびタッチパネルセンサ Active JP6070675B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014218189A JP6070675B2 (ja) 2014-10-27 2014-10-27 透明導電基材の製造方法およびタッチパネルセンサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014218189A JP6070675B2 (ja) 2014-10-27 2014-10-27 透明導電基材の製造方法およびタッチパネルセンサ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016085870A true JP2016085870A (ja) 2016-05-19
JP6070675B2 JP6070675B2 (ja) 2017-02-01

Family

ID=55973209

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014218189A Active JP6070675B2 (ja) 2014-10-27 2014-10-27 透明導電基材の製造方法およびタッチパネルセンサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6070675B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101787945B1 (ko) 2017-02-17 2017-10-19 부산대학교 산학협력단 리소그래피를 이용한 마이크로니들용 몰드의 제조방법
JP2021103514A (ja) * 2019-12-24 2021-07-15 ティーピーケイ アドバンスド ソリューションズ インコーポレーテッドTpk Advanced Solutions Inc タッチパネル及びその形成方法
JP2021517746A (ja) * 2019-03-12 2021-07-26 信利半導体有限公司Truly Semiconductors Ltd. 平板液晶アンテナ及びその製造方法
JP2022523979A (ja) * 2019-03-06 2022-04-27 安徽精卓光顕技術有限責任公司 透明導電性フィルム、タッチパネル、及びその製造方法
JP2022105254A (ja) * 2020-12-31 2022-07-13 カンブリオス フィルム ソリューションズ(シアメン) コーポレーション 積層構造及びタッチセンサ

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007220965A (ja) * 2006-02-17 2007-08-30 Furuya Kinzoku:Kk 積層構造体を有する基板及びその製造方法

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007220965A (ja) * 2006-02-17 2007-08-30 Furuya Kinzoku:Kk 積層構造体を有する基板及びその製造方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101787945B1 (ko) 2017-02-17 2017-10-19 부산대학교 산학협력단 리소그래피를 이용한 마이크로니들용 몰드의 제조방법
JP2022523979A (ja) * 2019-03-06 2022-04-27 安徽精卓光顕技術有限責任公司 透明導電性フィルム、タッチパネル、及びその製造方法
JP7202480B2 (ja) 2019-03-06 2023-01-11 安徽精卓光顕技術有限責任公司 透明導電性フィルム、タッチパネル、及びその製造方法
JP2021517746A (ja) * 2019-03-12 2021-07-26 信利半導体有限公司Truly Semiconductors Ltd. 平板液晶アンテナ及びその製造方法
JP7042342B2 (ja) 2019-03-12 2022-03-25 信利半導体有限公司 平板液晶アンテナ及びその製造方法
JP2021103514A (ja) * 2019-12-24 2021-07-15 ティーピーケイ アドバンスド ソリューションズ インコーポレーテッドTpk Advanced Solutions Inc タッチパネル及びその形成方法
JP2022105254A (ja) * 2020-12-31 2022-07-13 カンブリオス フィルム ソリューションズ(シアメン) コーポレーション 積層構造及びタッチセンサ

Also Published As

Publication number Publication date
JP6070675B2 (ja) 2017-02-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6856793B2 (ja) タッチパネル及びタッチパネルの製造方法
JP6070675B2 (ja) 透明導電基材の製造方法およびタッチパネルセンサ
JP6386671B2 (ja) Uvフィルムセンサー、その製造方法及びタッチスクリーン
EP3032383B1 (en) Light-transmitting conductive member and patterning method thereof
WO2012147235A1 (ja) 透明プリント配線板の製造方法、および透明タッチパネルの製造方法
EP2928081B1 (en) Capacitive touch-sensitive device and method of making the same
US11630541B2 (en) Touch panel and manufacturing method thereof
WO2017010521A1 (ja) 透明電極フィルム、調光素子、および透明電極フィルムの製造方法
EP3651216B1 (en) Embedded electrode substrate for transparent light-emitting element display, and method for manufacturing same
TW201806754A (zh) 導電性基板、導電性基板的製造方法
JP2011129272A (ja) 両面透明導電膜シートとその製造方法
TWI605361B (zh) 電極基板與觸控面板
TWI743883B (zh) 觸控面板及其製作方法
JP2013025448A (ja) タッチセンサー基板及びその製造方法並びに画像表示装置
WO2014094624A1 (zh) 触控电极结构及其制造工艺
TWI533176B (zh) Touch panel, and touch panel manufacturing methods
JP2013025447A (ja) タッチセンサー基板及びその製造方法並びに画像表示装置
JP2018022755A (ja) 導電性回路及び導電性回路の形成方法
KR20150093328A (ko) 금속 레이어를 에칭 레지스트로 이용하는 에칭 방법
KR20200114559A (ko) 은나노 와이어 터치센서를 포함하는 터치패널 및 이의 제조방법
WO2018122745A1 (en) Methods for preparing electrically conductive patterns and articles containing electrically conductive patterns
JP2010040424A (ja) タッチセンサの製造方法
JP2009088283A (ja) 光透過性電磁波シールド部材の製造方法
KR20160090670A (ko) 전도성 구조체 및 이의 제조방법
JP2016207312A (ja) 電極付き基板およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160615

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20160615

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20160711

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160719

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20160915

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161114

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161206

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161219

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6070675

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150