JP2016018711A - 膜、及び膜形成方法 - Google Patents

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稔 岡本
Minoru Okamoto
稔 岡本
浩志 松木
Hiroshi Matsuki
浩志 松木
田中 斎仁
Tokihito Tanaka
斎仁 田中
富明 大竹
Tomiaki Otake
富明 大竹
圭佑 榎本
Keisuke Enomoto
圭佑 榎本
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Abstract

【課題】導電膜の視認性改善の技術を提供する。【解決手段】絶縁性部6と導電性部5とを具備する膜であって、透明性低下材が、絶縁性部6に対応した位置に、設けられてなり、X(前記透明性低下材が設けられた前記絶縁性部における前記膜の可視光透過率)が、70〜100%未満、Y(前記導電性部における前記膜の可視光透過率)が、70〜100%未満であり、前記膜は、カーボンナノチューブ及びグラフェンから選ばれる一種又は二種以上のものである炭素系導電材で構成されてなる膜。【選択図】図1

Description

本発明は、特に、導電膜に関する。
透明導電膜は各種の装置に用いられている。例えば、タッチパネルに用いられている。各種のディスプレイ装置(例えば、液晶ディスプレイ装置、有機ELディスプレイ装置など)に用いられている。太陽電池などにも用いられている。
前記透明導電膜は、基本的には、透明な基板上に設けられている。前記基板の材料は、例えば無機ガラスや、有機樹脂が挙げられる。前記有機樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)又はポリカーボネート(PC)等が挙げられる。前記透明導電膜の材料は、例えば酸化錫インジウム(ITO)等が挙げられる。最近、透明導電膜材料として、カーボンナノチューブ、銀ナノ粒子、銀ナノワイヤー、導電性高分子、酸化亜鉛、酸化スズ等が提案された。
静電容量方式タッチパネルの電極は、パターニングされた透明導電膜で構成されている。すなわち、パターニングによって、透明導電膜が導電性部分と絶縁性部分とに分けられる。
前記パターニングは、ITO膜の場合、次のようにして行われる。ITO膜が透明基板の全面に設けられる。これには、例えば蒸着の手法が用いられる。前記ITO膜上にマスクが設けられる。これには、例えばフォトリソグラフィの手法が用いられる。この後、ケミカルエッチングの手法によって、前記マスクで保護されていない前記ITO膜が除去される。これによって、導電性部分(ITO膜存在部分)と絶縁性部分(ITO膜除去部分)とが構成される。すなわち、所定パターンの電極が形成される。前記電極は、一般的には、数十μm〜数mm幅のライン状である。勿論、これに限られない。
特許第4286136号
ITOが存在している部分が電極(導電部)である。エッチングによってITOが除去された部分は絶縁部である。前記導電部(電極)の屈折率と前記絶縁部の屈折率とは異なる。この為、反射率に差が生じる。従って、そのまま、前記構造の電極がタッチパネルに搭載されると、バックライト点灯時に、所定パターンの電極が浮き出てしまう。すなわち、電極パターン模様が視認される。
そこで、ITO電極に屈折率調整層を組み込むことが提案されている。これによって、電極パターン模様視認の問題が多少は改善された。
しかし、屈折率調整層の採用は、製造プロセスが大変である。コストが高く付く。
カーボンナノチューブ、グラフェン、銀ナノ粒子、銀ナノワイヤー、導電性高分子などが用いられた透明導電膜の場合、前記屈折率調整層の採用では、前記視認性の改善が得られ難い。その理由として次のことが考えられた。前記カーボンナノチューブや前記グラフェン等の材料は、可視光領域に吸収帯を有している。この為、前記カーボンナノチューブや前記グラフェン等が存在している個所(即ち、導電性部分(電極部分))と、前記カーボンナノチューブや前記グラフェン等が存在していない個所(即ち、絶縁性部分)との間では、可視光透過率に差が生じる。この為、屈折率調整層の採用では、前記視認性の改善が得られ難い。
従って、本発明が解決しようとする課題は、導電膜の視認性改善の技術を提供することである。
本発明は、
絶縁性部と導電性部とを具備する膜であって、
透明性低下材が、前記絶縁性部に対応した位置に、設けられてなる
ことを特徴とする膜を提案する。
本発明は、前記膜であって、X(前記透明性低下材が設けられた前記絶縁性部における前記膜の可視光透過率)が、70%以上で、100%未満であり、Y(前記導電性部における前記膜の可視光透過率)が、70%以上で、100%未満であることを特徴とする膜を提案する。
本発明は、前記膜であって、|X−Y|<2.9%であることを特徴とする膜を提案する。
本発明は、前記膜であって、前記膜が、炭素系導電材の群の中から選ばれる一種または二種以上のもので構成されてなることを特徴とする膜を提案する。
本発明は、前記膜であって、前記炭素系導電材は、カーボンナノチューブ及びグラフェンの群の中から選ばれる一種または二種以上のものであることを特徴とする膜を提案する。
本発明は、前記膜であって、前記透明性低下材は粒子であることを特徴とする膜を提案する。
本発明は、前記膜であって、前記粒子は、島状に設けられてなることを特徴とする膜を提案する。
本発明は、前記膜であって、前記粒子は、膜のように連続していないことを特徴とする膜を提案する。
本発明は、前記膜であって、前記粒子は、金属粒子、酸化物粒子、硫化物粒子、炭化物粒子、窒化物粒子の群の中から選ばれる一種または二種以上の粒子であることを特徴とする膜を提案する。
本発明は、前記膜であって、前記粒子は、Au,Ag,Cu,Fe,Ni,Al,Mnの群の中から選ばれる一種または二種以上の金属元素が用いられて構成されてなることを特徴とする膜を提案する。
本発明は、前記膜であって、前記粒子は、所定個所に設けられた金属イオン含有溶液および金属錯体含有溶液の群の中から選ばれる一種または二種以上のものに対して行われた光照射によって、生成した粒子であることを特徴とする膜を提案する。
本発明は、前記膜であって、前記設けられた透明性低下材は、前記導電性部の導電性パターン形状に、実質的に、影響を及ぼさないことを特徴とする膜を提案する。
本発明は、前記膜であって、光触媒が、前記膜に対して、直接的および/または間接的に、設けられてなることを特徴とする膜を提案する。
本発明は、前記膜であって、前記光触媒は、前記膜中および/または前記膜に接して、設けられてなることを特徴とする膜を提案する。
本発明は、前記膜であって、前記光触媒は、前記膜から離れた位置に、設けられてなることを特徴とする膜を提案する。
本発明は、
基材上に導電膜が設けられる導電膜形成工程と、
前記導電膜に対して所定パターンの紫外線が照射されることによって、前記紫外線照射部が絶縁性になる絶縁性処理工程と、
前記絶縁性相当部に透明性低下材が設けられる透明性低下工程
とを具備することを特徴とする膜形成方法を提案する。
本発明は、
基材上に導電膜が設けられる導電膜形成工程と、
前記導電膜に対して所定パターンの紫外線が照射されることによって、前記紫外線照射部が絶縁性になる絶縁性処理工程と、
前記絶縁性相当部に透明性低下材が設けられる透明性低下工程と、
光触媒が、前記導電膜に対して、直接的および/または間接的に、設けられる工程
とを具備することを特徴とする膜形成方法を提案する。
本発明は、前記膜形成方法であって、前記導電膜は、炭素系導電材の群の中から選ばれる一種または二種以上のもので構成されることを特徴とする膜形成方法を提案する。
本発明は、前記膜形成方法であって、前記炭素系導電材は、カーボンナノチューブ及びグラフェンの群の中から選ばれる一種または二種以上のものであることを特徴とする膜形成方法を提案する。
本発明は、前記膜形成方法であって、前記透明性低下工程は、前記絶縁性相当部に、金属イオン含有溶液および金属錯体含有溶液の群の中から選ばれる一種または二種以上のものが、設けられる工程と、前記工程後、光照射が行われ、粒子が生成する粒子生成工程とを具備することを特徴とする膜形成方法を提案する。
本発明は、前記膜形成方法であって、前記粒子生成工程で生成した粒子は島状であることを特徴とする膜形成方法を提案する。
本発明は、前記膜形成方法であって、前記金属は、Au,Ag,Cu,Fe,Ni,Al,Mnの群の中から選ばれる一種または二種以上の金属であることを特徴とする膜形成方法を提案する。
本発明は、前記膜形成方法であって、前記絶縁性処理工程で照射される紫外線は深紫外線であることを特徴とする膜形成方法を提案する。
本発明は、前記膜形成方法で構成されてなる膜を提案する。
導電性パターンが目視では認識され難い膜が簡単に得られる。
本発明の膜製造工程図
第1の本発明は膜である。以下、前記膜の実施形態が説明される。この膜は所定パターンの導電膜である。前記導電膜は、例えば電極である。前記導電膜は、例えば引出配線である。これ等の導電膜は透明(実質上、透明)である。前記導電膜は、透明であることから、例えばタッチパネルに用いられる。或いは、各種の表示装置に用いられる。前記導電膜の境界領域は、目視では、認識でき難い。すなわち、導電膜のパターンが視認され難い。本実施形態の膜は不可視化処理された膜であると謂える。
前記膜は、絶縁性部と導電性部とを具備する。前記絶縁性部は、導電性部材が存在しないと言う意味において、導電性を持たない。前記導電性部は、導電性部材が存在すると言う意味において、導電性を持つ。前記絶縁性部に対応した位置に、透明性低下材が、設けられている。
可視光透過率X,Yは、好ましくは、70%以上である。更に好ましくは、80%以上である。より好ましくは、85%以上である。特に好ましくは90%以上である。可視光透過率X,Yは、100%未満である。好ましくは99%以下である。更に好ましくは97%以下である。より好ましくは95%以下である。前記Xは、前記透明性低下材が設けられた前記絶縁性部における前記膜の可視光透過率である。前記Yは、前記導電性部における前記膜の可視光透過率である。|X−Y|は、好ましくは、2.9%未満である。より好ましくは、2%以下である。更に好ましくは、1%以下である。もっと好ましくは、0.5%以下である。特に好ましくは、X=Yである。
前記膜は、例えば炭素系導電材の群の中から選ばれる一種または二種以上のもので構成される。好ましくは、カーボンナノチューブで構成される。或いは、グラフェンで構成される。勿論、両者が共に用いられていても良い。
前記透明性低下材は、好ましくは、粒子で構成される。特に、島状に設けられた粒子(粒子群)で構成される。前記粒子(粒子群)は、好ましくは、膜のように連続していない。極めて小さな粒径の粒子が一層形成されているのみであれば、この粒子形成膜の不透明性は大きくない。従って、このような場合は、粒子が連続していても、差し支えないかも知れない。しかしながら、微小粒子を一層のみ形成する制御技術は簡単ではない。粒子を島状に形成する方が簡単である。
前記粒子は、例えば金属粒子、酸化物粒子、硫化物粒子、炭化物粒子、又は窒化物粒子である。前記粒子の群の中から選ばれる一種または二種以上である。理論的には、前記以外の粒子でも良い。しかし、コスト面から考えると、前記粒子は、好ましくは、金属粒子または金属酸化物粒子である。前記粒子は、多くの場合、金属元素を構成成分とする。金属元素としては、例えばAu,Ag,Cu,Fe,Ni,Al,Mn等が挙げられる。金属元素は一種類でも二種類以上でも良い。
前記粒子は、例えば光照射によって生成(析出)した粒子である。金属イオン含有溶液(又は金属錯体含有溶液)に光が照射されると、金属粒子(周囲雰囲気によっては、酸化物粒子、窒化物粒子、その他の種類の粒子)が析出(生成)する。従って、前記金属イオン含有溶液(又は金属錯体含有溶液)が絶縁性相当部に供給された後、そこに光(例えば、可視光あるいは紫外線。勿論、これ等に限られない。)が照射されると、粒子が析出する。これによって、透明性が低下する。
光照射によって粒子が生成する場合、前記粒子形成物質(金属イオンまたは金属錯体など)の近くに、光触媒が存在していることは好ましい。例えば、光触媒が前記膜(炭素系導電材層(カーボンナノチューブ層:グラフェン層))中に含有されていることは好ましい。或いは、光触媒層が前記膜(炭素系導電材層(カーボンナノチューブ層:グラフェン層))に接して設けられていることは好ましい。勿論、これに限られない。粒子析出個所に光触媒が存在しておれば良い。この意味で、前記光触媒は、前記膜(炭素系導電材層(カーボンナノチューブ層:グラフェン層))から離れた位置に、設けられていても良い。光触媒の存在によって、粒子析出効率が高くなる。尚、カーボンやグラフェンも光触媒作用を奏している。そして、金属粒子は光触媒の表面に析出している。
前記透明性低下材は、前記導電性部の導電性パターン形状および導電性に、実質的に、影響を及ぼさないことが好ましい。
前記透明性低下材は、前記以外の手法でも、形成できる。例えば、所望の値の可視光透過率のフィルムを設ける手法が挙げられる。
前記膜は以下の膜形成方法によって構成されたものでも良い。
第2の本発明は膜形成方法である。以下、前記膜形成方法の実施形態が説明される。前記方法は導電膜形成工程を具備する。前記導電膜形成工程によって、導電膜が基材(透明基材)上に設けられる。前記方法は絶縁性処理工程を具備する。前記絶縁性処理工程は紫外線照射工程である。前記導電膜に対して所定パターンの紫外線が照射される。この紫外線は、好ましくは、深紫外線である。紫外線照射部は導電性から絶縁性に変化する。前記方法は透明性低下工程を具備する。前記透明性低下工程は、前記絶縁性相当部に透明性低下材が設けられる工程である。
前記導電膜は、例えば炭素系導電材の群の中から選ばれる一種または二種以上のもので構成される。好ましくは、カーボンナノチューブで構成される。或いは、グラフェンで構成される。勿論、両者が共に用いられていても良い。
光(例えば、可視光あるいは紫外線。勿論、これ等に限られない。)照射によって粒子が生成(析出)する。金属イオン含有溶液(又は金属錯体含有溶液)に光が照射されると、金属粒子(周囲雰囲気によっては、酸化物粒子、窒化物粒子、その他の種類の粒子)が析出(生成)する。従って、前記金属イオン含有溶液(又は、金属錯体含有溶液)が絶縁性相当部に供給された後、そこに光が照射されると、粒子が析出する。これによって、透明性が低下する。従って、前記透明性低下工程は次の工程(A)(B)を有すると言うことも出来る。(A) 金属イオン含有溶液および金属錯体含有溶液の群の中から選ばれる一種または二種以上のものが、前記絶縁性相当部に、設けられる工程。(B) 前記工程(A)後において、光照射が行われ、粒子が生成する粒子生成工程。本方法における粒子の説明と、前記第1の発明の実施形態における粒子の説明とは重複するので、詳細は省略される。光触媒に関しても、前記光触媒に関する説明で代用される。
前記絶縁性処理工程(紫外線照射工程)は前記透明性低下工程(前記紫外線照射工程)の前であっても良い。前記導電膜(炭素系導電材層(カーボンナノチューブ層:グラフェン層))が形成された後、紫外線(深紫外線)が照射される。この後、前記紫外線照射部(絶縁性部)に、金属イオン含有溶液(又は、金属錯体含有溶液)が塗布される。この後、光照射が行われる。これにより、粒子が前記紫外線照射部(絶縁性部)に析出する。
前記絶縁性処理工程(紫外線照射工程)と前記透明性低下工程(前記紫外線照射工程)とは、同時であっても良い。前記導電膜(炭素系導電材層(カーボンナノチューブ層:グラフェン層))が形成された後、紫外線照射相当部(絶縁性相当部)に、金属イオン含有溶液(又は、金属錯体含有溶液)が塗布される。この後、紫外線(深紫外線)が照射される。これにより、紫外線照射部は絶縁性になる。かつ、粒子が前記紫外線照射部(絶縁性部(紫外線照射相当部:絶縁性相当部))に析出する。この場合、カーボンナノチューブまたはグラフェンによる光触媒効果によって、粒子が効率良く析出する。
以下、更に、詳しい説明がされる。
前記基材(基体:基板)は、如何なるものでも良い。タッチパネルや表示装置に採用される導電膜(透明導電膜)であることを鑑みると、好ましくは、透明な材料である。例えば、PET,PCが挙げられる。その他にも、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、オレフィン系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、セルロース系樹脂、スチレン−アクリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)等が挙げられる。勿論、これに限られない。前記樹脂以外にも、フレキシブル性に劣るが、無機ガラスも挙げられる。
前記基材は、好ましくは、例えばフィルム又はシートである。しかし、前記材料より厚い板状のものでも良い。波板や凹凸板であっても良い。板よりも更に厚いものでも良い。
前記基材表面(又は、裏面)には、必要に応じて、各種の層(例えば、ハードコート層、防汚層、防眩層、反射防止層、粘着層など)が設けられたものでも良い。前記層は、一層でも、複数層でも良い。前記層は、例えば塗布などの手法で設けられる。
前記導電膜(透明導電膜)の材料は、金属酸化物(例えば、ITO、酸化亜鉛、酸化スズなど)、炭素系導電材(例えば、カーボンナノチューブ、グラフェン等)、金属(例えば、銀ナノ粒子、銀ナノワイヤー)、導電性高分子(例えば、ポリアニリン、PEDOT等)などが挙げられる。本発明において、好ましい導電性材料は、炭素系導電材(例えば、カーボンナノチューブ、グラフェン等)である。前記導電性材料が前記基材表面(又は、裏面)に設けられる。又は、前記導電性材料が前記基材中に設けられる。前記導電膜(透明導電膜)は、前記導電性材料のみで構成される。或いは、前記導電膜(透明導電膜)は、前記導電性材料と、その他の材料との混合形態で構成される。
前記カーボンナノチューブとして各種のカーボンナノチューブが挙げられる。例えば、単層カーボンナノチューブ(SWNT)、二層カーボンナノチューブ(DWNT)、多層カーボンナノチューブ(MWNT)等が挙げられる。金属性カーボンナノチューブ、半導体性カーボンナノチューブも挙げられる。
カーボンナノチューブの形状は、特には、限定されない。しかし、繊維長が長すぎると、塗布液の作製に際して、カーボンナノチューブが分散し難い。逆に、繊維長が短すぎると、導電性が確保され難い。従って、カーボンナノチューブの繊維長は100nm〜100μm程度が好ましい。より好ましくは、1〜10μmである。径(大きさ)が大きなカーボンナノチューブは光透過率が小さい。径(大きさ)が小さなカーボンナノチューブは作製が困難である。従って、径は1nm〜1μm程度が好ましい。より好ましくは、径が1〜200nm程度である。
カーボンナノチューブは、フラーレン(又は、有機分子)が内包されたカーボンナノチューブであっても良い。複数本のカーボンナノチューブ同士がロープ状に絡み合った形態のものでも良い。分岐構造を有するカーボンナノチューブであっても良い。
カーボンナノチューブはカーボンナノチューブ類縁体であっても良い。カーボンナノチューブ類縁体としては、例えばカーボンナノファイバー、カーボンナノホーン、カップスタック型ナノチューブが挙げられる。合成時に含まれるアモルファスカーボンなどの不純物との複合体であっても良い。
カーボンナノチューブは次の合成方法(作製方法)で得られる。例えば、アーク放電法、CVD法、レーザーアブレーション法などが挙げられる。合成時の金属触媒の種類、炭素源、反応温度などによって、種々の構造・組成・形態のカーボンナノチューブが得られる。
カーボンナノチューブは、官能基(例えば、カルボキシル基、ケトン基、ヒドロキシル基など)が、骨格中の欠陥部位や末端部位に、導入されたものであっても良い。前記官能基は、カーボンナノチューブ作製時に、導入されたものでも良い。前記官能基は、カーボンナノチューブ作製後、導入されたものでも良い。追加処理によって、官能基(例えば、カルボキシル基、ヒドロキシル基、スルホニル基、ニトロ基、ベンジル基、ハロゲンなど)が、カーボンナノチューブに、導入される。他の分子が前記官能基を介して化学結合したカーボンナノチューブであっても良い。
透明導電膜を作製する為、カーボンナノチューブ分散液が用いられる。前記分散液作製方法は公知である。カーボンナノチューブは分散剤(例えば、界面活性剤)によって、溶媒中に、分散する。フラーレン(特に、OH基などの極性基を有するフラーレン)を用いることでも、カーボンナノチューブは、効率的に、分散する。前記カーボンナノチューブ分散液が基材上に塗布されることによって、透明導電膜が作製される。
基材上に成長したカーボンナノチューブを、直接、基材表面に転写することによって、透明導電膜とすることも可能である。
前記グラフェンとして各種のグラフェンが挙げられる。例えば、単層グラフェン、多層グラフェンが挙げられる。前記グラフェンが酸化された酸化グラフェンであっても良い。
グラフェンの形状は、特には、限定されない。しかし、グラフェン切片の大きさが小さ過ぎると、導電性が確保され難い。この観点から、好ましくは、切片の大きさが10nm〜100μmのグラフェンである。
前記グラフェンは次の合成方法(作製方法)で得られる。例えば、CVD法、グラファイト分散法、グラファイト・テープ剥離法などが挙げられる。
前記グラフェンは、官能基(例えば、カルボキシル基、ケトン基、ヒドロキシル基など)が、骨格中の欠陥部位や末端部位に、導入されたものであっても良い。前記官能基は、グラフェン作製時に、導入されたものでも良い。前記官能基は、グラフェン作製後、導入されたものでも良い。追加処理によって、官能基(例えば、カルボキシル基、ヒドロキシル基、スルホニル基、ニトロ基、ベンジル基、ハロゲンなど)がグラフェンに導入される。他の分子が前記官能基を介して化学結合したグラフェンであっても良い。
透明導電膜を作製する為、グラフフェン分散液が用いられる。前記分散液作製方法は公知である。グラフフェンは分散剤(例えば、界面活性剤)によって、溶媒中に、分散する。フラーレン(特に、OH基などの極性基を有するフラーレン)を用いることでも、グラフフェンは、効率的に、分散する。前記グラフフェン分散液が基材上に塗布されることによって、透明導電膜が作製される。
基材上に成長したグラフェン薄膜(又は、グラファイトから剥離したグラフェン薄膜)が、直接、基材表面に転写されることによって、透明導電膜とすることも可能である。
前記透明導電膜材料が基材上に設けられる方法としては各種の方法が考えられる。例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、ゾルゲル法、PLD法、クラスタービーム蒸着法などが挙げられる。塗布方法も挙げられる。例えば、含浸法、ロール塗工法、ダイコート、ワイヤーバーコート、カーテンフローコート、スプレー法などが挙げられる。スクリーン印刷、凸版印刷、凹版印刷、グラビア印刷などの印刷方法も用いられる。
前記透明導電膜材料の表面に、必要に応じて、各種の層が設けられても良い。例えば、ハードコート層、防汚層、防眩層、反射防止層、粘着層などが、適宜、設けられる、一層のみが設けられても、二層以上が設けられても良い。
前記透明導電膜は、好ましくは、可視光透過率が70%以上である。更に好ましくは、80%以上である。より好ましくは、85%以上である。特に好ましくは90%以上である。可視光透過率は、100%未満である。可視光透過率が100%は、現時点では、無い。好ましくは99%以下である。より好ましくは97%以下である。より好ましくは95%以下である。導電性は、好ましくは、表面抵抗値が0.1Ω/□以上である。更に好ましくは、表面抵抗値が10Ω/□以上である。好ましくは、10000Ω/□以下である。更に好ましくは、1000Ω/□以下である。
本発明の透明導電膜は、例えばタッチパネル、ディスプレイ、太陽電池などの分野で用いられる。
前記導電膜の形状に格別な制限はない。例えば、数μm〜数mm幅の線状がある。前記導電膜のパターン形成方法は各種の方法がある。例えば、レーザー描画、フォトリソグラフィー法を用いたケミカルエッチング処理、光(紫外線)露光法、剥離法などがある。
炭素系導電材(例えば、カーボンナノチューブ、グラフェン等)が紫外線照射された場合、紫外線照射個所の炭素系導電材は除去(又は、分解劣化)されると考えられる。前記炭素系導電材除去(分解劣化)個所は、絶縁性(絶縁に近い状態)である。絶縁化部分は導電材料が無くなっている。従って、導電材料が無くなった個所では、それに応じて、光透過率が高くなる。よって、(透明導電膜材料残存部分(導電性部分)の光透過率)<(透明導電膜材料消失部分(絶縁性部分)の光透過率)である。前記透過率の差が或る閾値を越えると、導電性パターンが視認できる。導電性パターンが視認されることは好ましくない。従って、本発明が有効になる。すなわち、紫外線照射によって生じた絶縁性部は、導電性部に比べて、光透過率が高くなった。この為、透明性低下材が、前記絶縁性部に対応した位置に設けられた。例えば、粒子(島状粒子群)が前記絶縁性部に対応した位置に設けられた。これによって、光透過性が低下した。すなわち、絶縁性部における光透過率の値と、導電性部における光透過率の値との差は小さくなった。これにより、導電性パターンが視認されなくなった。
前記粒子は、光透過率の低下が引き起こされるならば、如何なる粒子でも良い。金属粒子、酸化物粒子、硫化物粒子、炭化物粒子、又は窒化物粒子が挙げられる。酸化物粒子は、一般的には、金属酸化物粒子である。勿論、これに限られない。酸化物粒子は、最初から、酸化物粒子であっても良い。時間の経過によって、酸化物粒子に変化したものでも良い。硫化物粒子は、一般的には、金属硫化物粒子である。勿論、これに限られない。硫化物粒子は、最初から、硫化物粒子であっても良い。時間の経過によって、硫化物粒子に変化したものでも良い。炭化物粒子は、一般的には、金属炭化物粒子である。勿論、これに限られない。炭化物粒子は、最初から、炭化物粒子であっても良い。時間の経過によって、炭化物粒子に変化したものでも良い。窒化物粒子は、一般的には、金属窒化物粒子である。勿論、これに限られない。窒化物粒子は、最初から、窒化物粒子であっても良い。時間の経過によって、窒化物粒子に変化したものでも良い。金属粒子を金属酸化物粒子に変化させる方法としては、例えば加熱処理、オゾン処理、ガス処理などが挙げられる。窒化物粒子などに変性させる方法も、前記方法が準用される。前記金属は如何なる金属でも良い。好ましい金属は、Au,Ag,Cu,Fe,Ni,Al,Mn等である。すなわち、黒色ないしは褐色を呈する粒子であると、前記粒子群の光透過率と、炭素系導電材(例えば、カーボンナノチューブ、グラフェン等)の光透過率との差が小さかった。このようなことから、例えば銀(銀は、時間の経過によって、酸化される。)、酸化銀、硫化銀、銅、酸化銅、硫化銅、酸化鉄などの粒子が好ましかった。前記粒子は一種類のものでも、二種類以上の粒子が混在していても良い。
前記粒子の大きさは、基本的には、如何なる大きさでも良い。しかし、粒子が大き過ぎると、光散乱が起き易い。そうすると、透明性が損なわれる。従って、1μm以下の大きさの粒子が好ましい。
前記粒子が絶縁性部(絶縁性部対応位置)に設けられる手法は如何なる手法であっても良い。
例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、ゾルゲル法、PLD法、クラスタービーム蒸着法などが用いられる。これ等の方法によって、粒子(例えば、金属粒子)が所定個所に設けられる。前記方法が実施される雰囲気によって、前記粒子は金属酸化物粒子になる。或いは、金属窒化物粒子になる。若しくは、金属炭化物粒子になる。又は、金属硫化物粒子になる。
金属粒子分散溶液の塗布方法が用いられても良い。塗布方法としては、含浸法、ロールを用いた塗工法、ダイコート、ワイヤーバーコート、スプレー法、カーテンフローコート法などが、適宜、用いられる。印刷法(例えば、スクリーン印刷、凸版印刷、凹版印刷、グラビア印刷、インクジェット印刷など)が用いられても良い。印刷法が用いられると、所定パターンの塗膜が直接形成される。マスクが用いられても、粒子は所定位置にのみ設けられる。
フィルムに金属イオンを含む溶液を吸着させ、表面に還元剤を用いて金属粒子を還元させる方法が用いられても良い。
簡便な方法としては、金属イオン(又は、金属錯体)含有溶液が塗布された後、光照射される方法が挙げられる。光照射によって、金属イオンは還元し、金属粒子が生成する。雰囲気によっては、金属は酸化され、金属酸化物粒子が生成する。特に、粒子が島状に生成(析出)する。例えば、硝酸銀溶液が塗布された後、光(紫外線、特に、深紫外線)照射が行われると、Ag粒子(AgO)粒子が析出する。この時、カーボンナノチューブ(又はグラフェン)が存在すると、前記物質の光触媒効果によって、金属イオンが効果的に還元される。すなわち、金属粒子が効果的に析出する。
金属粒子析出位置に対応して、光触媒物質が設けられていることは好ましい。カーボンナノチューブ(又はグラフェン)が無い場合、これに代わる光触媒物質が、金属粒子析出位置に対応して、設けられていることは好ましい。光触媒物質は、光(紫外線)照射によって、電子が励起される物質である。光触媒物質の代表例として、例えば酸化チタン、酸化亜鉛が挙げられる。1μm以下の大きさの酸化チタン粒子や酸化亜鉛粒子は、光散乱が起き難いので、好ましい。
前記光触媒は、前記導電層中に設けられていても良い。前記導電層の隣接層に設けられていても良い。その他の層に設けられていても良い。前記光触媒が前記導電層中に設けられる方法としては次の手法が挙げられる。導電層が塗布法で設けられる場合、導電性物質および光触媒物質が添加された塗料が用いられる。或いは、導電層が形成された後、導電層の上から光触媒物質含有溶液が塗布される方法が挙げられる。前記導電層の隣接層に設けられる場合は、次の手法が挙げられる。導電層形成の前後において、光触媒層が設けられる。基材(基板)中に光触媒物質が設けられていても良い。基材(基板)の表面または裏面に光触媒物質が設けられていても良い。
以下、具体的な実施例が挙げられる。但し、本発明は以下の実施例にのみ限定され無い。本発明の特長が大きく損なわれない限り、各種の変形例や応用例も本発明に含まれる。
[実施例1]
図1は、第1実施例の膜(導電膜)製造工程図である。図は概略断面図である。
カーボンナノチューブ分散液が得られた。これは次の方法による。アーク放電により合成されたシングルウォールカーボンナノチューブ(市販品)に対して、酸処理、水洗浄、遠心分離が行われた。この精製カーボンナノチューブに、界面活性剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム:SDBS)0.2wt%水溶液が、加えられた。このカーボンナノチューブ含有水溶液に対して、超音波装置により、分散処理が行われた。次いで、遠心分離、濾過が行われた。このようにしてカーボンナノチューブ分散液(CNT:3200ppm)が得られた。
酸化チタン含有溶液が得られた。これは次の方法による。酸化チタンのトルエン分散溶液(CIK ナノテック株式会社製)1mLと、光硬化性樹脂のトルエン溶液(50wt%、ダイヤビーム:UK−6074;三レ株式会社製)1mLとが混合された。この混合溶液に、ラジカル反応開始剤(イルガキュア184;長瀬産業株式会社製)5mgが添加された。
前記酸化チタン含有溶液が透明基板(PETフィルム:MKZ−T4A(東山フイルム社製))1上に塗布された。塗布方法はダイコーティングである。乾燥後、光照射が行われた。光照射により、含有樹脂が硬化した。これにより、酸化チタン含有層2が形成された(図1(a)参照)。
前記カーボンナノチューブ分散液が、酸化チタン含有層2上に、塗布された。塗布方法はダイコーティングである。塗布厚(乾燥後の厚さ)は0.05μmであった。塗布後、イオン交換水による洗浄が行われた。これにより、塗膜(カーボンナノチューブ層)中に含まれる界面活性剤が取り除かれた。この後、乾燥(1.5分間;120℃)が行われた。これにより、カーボンナノチューブ層(透明導電性カーボン層)3が、酸化チタン層2上に、設けられた(図1(b)参照)。このカーボンナノチューブ層3は、内部に、隙間を、多く持っている。
この後、カーボンナノチューブ層3の上から、1.5wt%エアロセラ溶液(加水分解性オルガノシラン含有組成物:パナソニック株式会社製)が塗布された。塗布方法はダイコーティングである。塗布厚(乾燥後の厚さ)は0.1μmであった。このエアロセラ溶液は、前記カーボンナノチューブ層3の隙間に、含浸している。4は、前記エアロセラ溶液によって構成された層である(図1(c)参照)。
この後、前記層4上に、マスク5が設けられた。マスク5が無い個所は開口部6である。マスク5の形成方法は次の通りである。紫外線硬化樹脂(JELCON GEC−10H;マスキングインク:十条ケミカル社製)が、所定のパターンで、印刷された。印刷はスクリーン印刷である。樹脂塗布厚は50μmであった。前記開口部6の形状は、線幅が数百μm〜数mmのダイヤ形であった。
この後、マスク5上方から、紫外線(キセノンエキシマランプ:波長:172nm)が照射された。紫外線照射時の雰囲気は、窒素94%、酸素6%であった。前記混合気体圧力は1.013×10Paであった。照射紫外線の積算光量は10,560mJ/cmであった。紫外線は、開口部6に対応した位置のカーボンナノチューブに、照射された。紫外線は、マスク5に対応した位置のカーボンナノチューブには、照射されていない(図1(d)参照)。
この後、前記基板(PETフィルム)1が、硝酸銀水溶液(0.1wt%)中に、浸けられた。これにより、AgNOが、前記開口部6に対応した位置の前記層4中に、侵入した。前記基板1が、引き上げられた後、乾燥処理を受けた。この後、マスク5の上側から、紫外線照射(波長312nm、積算光量:3,000mJ/cm)が行われた。これにより、開口部6に対応して存在したAgNOからAgナノ粒子7が析出した。Agナノ粒子7が、酸化チタン層2上に、析出した(図1(e)参照)。析出した銀粒子は酸化された。前記粒子は黒褐色である。析出粒子の厚さは薄い。従って、生成粒子による透明度の低下は小さかった。
この後、マスク5が除去された。
[実施例2]
実施例1において、硝酸銀水溶液浸漬後の乾燥処理が行われなかった以外は、実施例1に準じて行われた。
[実施例3]
実施例1において、硝酸銀水溶液の代わりに、硝酸銀メタノール溶液(0.1wt%)が用いられた以外は、実施例1に準じて行われた。
[実施例4]
実施例1は、透明基板1上に酸化チタン含有層2が設けられ、酸化チタン含有層2上にカーボンナノチューブ層3が設けられた例である。本実施例では、透明基板1の下側(裏面側)に酸化チタン含有層2が設けられ、透明基板1の上側(表面側)にカーボンナノチューブ層3が設けられた例である。紫外線ランプの積算光量は30,000mJ/cmである。実施例1に準じて行われた。
[実施例5]
実施例1は、透明基板1上に酸化チタン含有層2が設けられ、酸化チタン含有層2上にカーボンナノチューブ層3が設けられた例である。本実施例では、混合溶液(カーボンナノチューブ分散液中に酸化チタンの水分散溶液(石原産業株式会社製:5wt%)が添加)が用いられた。すなわち、前記混合溶液が、透明基板上に、塗布された。これにより、酸化チタン及びカーボンナノチューブ含有層が設けられた。それ以外は、実施例1に準じて行われた。本実施例は、酸化チタン含有層上にカーボンナノチューブ層が設けられたのでは無い。
[実施例6]
実施例5において、酸化チタンの水分散溶液(石原産業株式会社製:10wt%)が用いられた以外は、実施例5に準じて行われた。
[実施例7]
実施例1は、透明基板1上に酸化チタン含有層2が設けられ、酸化チタン含有層2上にカーボンナノチューブ層3が設けられた例である。本実施例では、混合溶液(酸化チタンの水分散溶液(石原産業株式会社製:5wt%)がエアロセラ溶液(1.5wt%)に添加)が用意された。この混合溶液が、カーボンナノチューブ含有層上から塗布された。それ以外は、実施例1に準じて行われた。
[比較例1]
実施例1において、紫外線(キセノンエキシマランプ:波長:172nm)照射が行われなかった以外は、実施例1に準じて行われた。
[比較例2]
実施例1において、硝酸銀水溶液への浸漬処理が行われなかった以外は、実施例1に準じて行われた。
[特性]
前記実施例1〜実施例7で得られた製品、及び前記比較例1,2で得られた製品の導電性パターンが調べられた。
先ず、目視によって、導電性パターンが認識できるか否かが調べられた。比較例2に関しては、導電性パターンが容易に認識された。しかし、実施例1〜実施例7に関しては、導電性パターンが認識でき難かった。
開口部6(Agナノ粒子存在個所)対応位置における可視光透過率が測定された。その結果が表1に示される。
表1
開口部対応位置での可視光透過率X
実施例1 92.5%
実施例2 91.3%
実施例3 91.0%
実施例4 91.7%
実施例5 91.8%
実施例6 91.0%
実施例7 91.9%
比較例1 91.2%
比較例2 94.1%
前記実施例1〜実施例7では導電性パターンが認識でき難かった事実と、表1のデータとは、整合が取れている。すなわち、開口部6(Agナノ粒子存在個所)対応位置における可視光透過率Xと、比較例1の開口部対応位置での可視光透過率91.2%(マスク5(Agナノ粒子不存在個所)対応位置における可視光透過率Yに相当)との間の差が小さかったと言うことは、導電性パターンの境界が判り難いことを示している。
紫外線照射量によって、開口部6(Agナノ粒子存在個所)対応位置における可視光透過率の大小を制御できることが判る。
酸化チタン層の有無によって、開口部6(Agナノ粒子存在個所)対応位置における可視光透過率の大小を制御できることが判る。
酸化チタン量によって、開口部6(Agナノ粒子存在個所)対応位置における可視光透過率の大小を制御できることが判る。
前記開口部6対応個所の内と外とにおいて導電性が、テスターで、調べられた。この結果、実施例1〜実施例7のものにあっては、電気の導通は認められなかった。すなわち、Ag粒子が開口部6対応位置に存在しているが、開口部6対応位置は絶縁性であった。勿論、マスク5対応位置は導電性であった。これに対して、比較例1のものでは、開口部6対応個所にあっても、電気の導通が認められた。これは、導電パターン(電極パターン)が形成されていないことを意味する。
1 透明基板(PETフィルム:基材)
2 酸化チタン含有層(光触媒層)
3 カーボンナノチューブ層(炭素系導電材層)
4 加水分解性オルガノシラン含有組成物層
5 マスク(導電性部対応個所)
6 開口部(絶縁性部対応個所)
7 Agナノ粒子(粒子:透明性低下材)

Claims (24)

  1. 絶縁性部と導電性部とを具備する膜であって、
    透明性低下材が、前記絶縁性部に対応した位置に、設けられてなる
    ことを特徴とする膜。
  2. X(前記透明性低下材が設けられた前記絶縁性部における前記膜の可視光透過率)が、70%以上で、100%未満であり、
    Y(前記導電性部における前記膜の可視光透過率)が、70%以上で、100%未満である
    ことを特徴とする請求項1の膜。
  3. |X−Y|<2.9%である
    ことを特徴とする請求項2の膜。
  4. 前記膜は、炭素系導電材の群の中から選ばれる一種または二種以上のもので構成されてなる
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3いずれかの膜。
  5. 前記炭素系導電材は、カーボンナノチューブ及びグラフェンの群の中から選ばれる一種または二種以上のものである
    ことを特徴とする請求項4の膜。
  6. 前記透明性低下材は粒子である
    ことを特徴とする請求項1〜請求項5いずれかの膜。
  7. 前記粒子は、島状に設けられてなる
    ことを特徴とする請求項6の膜。
  8. 前記粒子は、膜のように連続していない
    ことを特徴とする請求項6の膜。
  9. 前記粒子は、金属粒子、酸化物粒子、硫化物粒子、炭化物粒子、窒化物粒子の群の中から選ばれる一種または二種以上の粒子である
    ことを特徴とする請求項6〜請求項8いずれかの膜。
  10. 前記粒子は、Au,Ag,Cu,Fe,Ni,Al,Mnの群の中から選ばれる一種または二種以上の金属元素が用いられて構成されてなる
    ことを特徴とする請求項6〜請求項9いずれかの膜。
  11. 前記粒子は、
    所定個所に設けられた金属イオン含有溶液および金属錯体含有溶液の群の中から選ばれる一種または二種以上のものに対して行われた光照射によって、生成した粒子である
    ことを特徴とする請求項6〜請求項10いずれかの膜。
  12. 前記設けられた透明性低下材は、前記導電性部の導電性パターン形状に、実質的に、影響を及ぼさない
    ことを特徴とする請求項1〜請求項11いずれかの膜。
  13. 光触媒が、前記膜に対して、直接的および/または間接的に、設けられてなる
    ことを特徴とする請求項1〜請求項12いずれかの膜。
  14. 前記光触媒は、前記膜中および/または前記膜に接して、設けられてなる
    ことを特徴とする請求項13の膜。
  15. 前記光触媒は、前記膜から離れた位置に、設けられてなる
    ことを特徴とする請求項13の膜。
  16. 基材上に導電膜が設けられる導電膜形成工程と、
    前記導電膜に対して所定パターンの紫外線が照射されることによって、前記紫外線照射部が絶縁性になる絶縁性処理工程と、
    前記絶縁性相当部に透明性低下材が設けられる透明性低下工程
    とを具備することを特徴とする膜形成方法。
  17. 前記導電膜は、炭素系導電材の群の中から選ばれる一種または二種以上のもので構成される
    ことを特徴とする請求項16の膜形成方法。
  18. 前記炭素系導電材は、カーボンナノチューブ及びグラフェンの群の中から選ばれる一種または二種以上のものである
    ことを特徴とする請求項17の膜形成方法。
  19. 前記透明性低下工程は、
    前記絶縁性相当部に、金属イオン含有溶液および金属錯体含有溶液の群の中から選ばれる一種または二種以上のものが、設けられる工程と、
    前記工程後、光照射が行われ、粒子が生成する粒子生成工程
    とを具備する
    ことを特徴とする請求項16の膜形成方法。
  20. 前記粒子生成工程で生成した粒子は島状である
    ことを特徴とする請求項19の膜形成方法。
  21. 前記金属は、Au,Ag,Cu,Fe,Ni,Al,Mnの群の中から選ばれる一種または二種以上の金属である
    ことを特徴とする請求項19の膜形成方法。
  22. 光触媒が、前記導電膜に対して、直接的および/または間接的に、設けられる工程
    を更に具備することを特徴とする請求項16〜請求項21いずれかの膜形成方法。
  23. 前記絶縁性処理工程で照射される紫外線は深紫外線である
    ことを特徴とする請求項16の膜形成方法。
  24. 前記請求項16〜前記請求項23いずれかの膜形成方法で構成されてなる膜。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106658980A (zh) * 2017-01-16 2017-05-10 王奉瑾 一种基于寻址可调的高能射线制备石墨烯电路板的方法
JP2020075828A (ja) * 2018-11-06 2020-05-21 潤 夏木 銀/酸化グラフェン複合体およびその製造方法

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