JPWO2015190519A1 - 変性ゴム、それを用いたタイヤ用ゴム組成物及びタイヤ - Google Patents
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Abstract
天然ゴム及び/又は合成ゴムを式(1)で表される化合物によって変性させることにより得られる、タイヤ用変性ゴム(A)の提供。(式中、Xはグアニジン部位と塩を形成する酸である。)
Description
本発明は、タイヤ用変性ゴム、それを用いたタイヤ用ゴム組成物及びタイヤに関する。
充填材は、ゴムに混合して、ゴムの補強、増量や特殊機能を付与する等の目的で用いられる配合剤である。代表的な充填材であるカーボンブラックは、ゴムの弾性率及び破断強度等の力学特性の向上(補強効果)に寄与しているのみならず、導電性を付与する等の機能も有する。
カーボンブラックと同様にゴムの補強効果が得られ、発熱性の低い、即ち低ロス性のゴム組成物を得ることができる方法として、シリカ等の無機充填材を使用する方法が知られており、環境性に配慮した低燃費タイヤ向けのゴム組成物等に応用されている。
無機充填材配合ゴム組成物において、無機充填材を配合する際、無機充填材、特に、表面にシラノール基を有する親水性のシリカは、疎水性のゴムとの親和性が低く、ゴム組成物中で凝集してしまうため、シリカによる補強性を高め、低発熱効果を得るには、シリカとゴムの親和性を高める必要がある。その方法として、極性基で末端変性することにより無機充填材との親和性を向上させた合成ゴムや(特許文献1参照)、極性基含有単量体を共重合させて無機充填材との親和性を向上させた合成ゴム(特許文献2参照)等を用いることが知られている。天然ゴムを変性して極性基を導入する方法としては、天然ゴムを酸化した後、極性基を有するヒドラジド化合物で変性する方法(特許文献3参照)、極性基を導入した変性天然ゴムとシリカを含むゴム組成物にシランカップリング剤を添加することにより、シリカの分散性を更に向上させる方法(特許文献4参照)が知られている。
しかしながら、今後、大気中の二酸化炭素濃度、大気汚染等、環境問題に対する世の中の関心はますます高くなることが予想され、タイヤの転がり抵抗を抑え、自動車の低燃費化につながる、変性ゴム、該変性ゴムとシリカ等の無機充填材を含有する、低ロス性に優れたゴム組成物及びタイヤを提供する技術が求められており、かかる要求については未だ十分に応えられていないのが現状である。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、その課題は、ゴム組成物に添加した際に、低ロス性及び破断強度を向上させることができる変性ゴムを提供することである。
本発明者等は、鋭意検討した結果、天然ゴム及び/又は合成ゴムを特定の構造を有する化合物によって変性させることにより得られる変性ゴムが上記課題を解決することを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明は、以下のとおりである。
〔1〕
天然ゴム及び/又は合成ゴムを式(1)で表される化合物によって変性させることにより得られる、タイヤ用変性ゴム(A)。
(式中、Xはグアニジン部位と塩を形成する酸である。)
〔2〕
前記天然ゴム及び/又は合成ゴムと前記式(1)で表される化合物を混合し、20〜180℃の範囲で変性させる、〔1〕に記載のタイヤ用変性ゴム(A)。
〔3〕
前記式(1)で表される化合物を、前記天然ゴム及び/又は合成ゴムに対して0.01〜10質量%用いる、〔1〕又は〔2〕に記載のタイヤ用変性ゴム(A)。
〔4〕
〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載の変性ゴム(A)、無機充填材(B)を含む充填材及びシランカップリング剤(C)を含有するタイヤ用ゴム組成物。
〔5〕
前記無機充填材(B)がシリカである、〔4〕に記載のタイヤ用ゴム組成物。
〔6〕
前記充填材がカーボンブラックを含む、〔4〕又は〔5〕に記載のタイヤ用ゴム組成物。
〔7〕
前記式(1)で表される化合物、前記天然ゴム及び/又は合成ゴム、前記無機充填材(B)を含む充填材並びに前記シランカップリング剤(C)を混合することにより得られた〔4〕〜〔6〕のいずれか一項に記載の変性ゴム(A)を含有する、タイヤ用ゴム組成物。
〔8〕
混合時の温度が20〜180℃の範囲である、〔7〕に記載のタイヤ用ゴム組成物。
〔9〕
前記式(1)で表される化合物の含有量が、前記天然ゴム及び/又は合成ゴムに対して0.01〜10質量%である、〔7〕又は〔8〕に記載のタイヤ用ゴム組成物。
〔10〕
〔4〕〜〔9〕のいずれか一項に記載のゴム組成物をタイヤ部材のトレッドに用いたタイヤ。
〔1〕
天然ゴム及び/又は合成ゴムを式(1)で表される化合物によって変性させることにより得られる、タイヤ用変性ゴム(A)。
〔2〕
前記天然ゴム及び/又は合成ゴムと前記式(1)で表される化合物を混合し、20〜180℃の範囲で変性させる、〔1〕に記載のタイヤ用変性ゴム(A)。
〔3〕
前記式(1)で表される化合物を、前記天然ゴム及び/又は合成ゴムに対して0.01〜10質量%用いる、〔1〕又は〔2〕に記載のタイヤ用変性ゴム(A)。
〔4〕
〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載の変性ゴム(A)、無機充填材(B)を含む充填材及びシランカップリング剤(C)を含有するタイヤ用ゴム組成物。
〔5〕
前記無機充填材(B)がシリカである、〔4〕に記載のタイヤ用ゴム組成物。
〔6〕
前記充填材がカーボンブラックを含む、〔4〕又は〔5〕に記載のタイヤ用ゴム組成物。
〔7〕
前記式(1)で表される化合物、前記天然ゴム及び/又は合成ゴム、前記無機充填材(B)を含む充填材並びに前記シランカップリング剤(C)を混合することにより得られた〔4〕〜〔6〕のいずれか一項に記載の変性ゴム(A)を含有する、タイヤ用ゴム組成物。
〔8〕
混合時の温度が20〜180℃の範囲である、〔7〕に記載のタイヤ用ゴム組成物。
〔9〕
前記式(1)で表される化合物の含有量が、前記天然ゴム及び/又は合成ゴムに対して0.01〜10質量%である、〔7〕又は〔8〕に記載のタイヤ用ゴム組成物。
〔10〕
〔4〕〜〔9〕のいずれか一項に記載のゴム組成物をタイヤ部材のトレッドに用いたタイヤ。
本発明に係る変性ゴムによれば、低ロス性及び破断強度に優れたゴム組成物及びタイヤを提供することが可能となる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に規定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
本実施形態のタイヤ用変性ゴム(A)(以下、単に「変性ゴム」という場合がある。)は、天然ゴム及び/又は合成ゴムを下記式(1)で表される化合物によって変性させることによって得られる。
(式中、Xはグアニジン部位と塩を形成する酸である。)
本実施形態の変性ゴム(A)の原料ゴムとしては、天然ゴム、合成ゴム及びその両方のいずれも用いることができる。これらの中でも、特に天然ゴムを用いた場合に本実施形態の効果を顕著に得ることができ、好適である。合成ゴムは、特許文献1に示されている極性基で末端変性することにより無機充填材との親和性を向上させた合成ゴム、あるいは特許文献2に示されている極性基含有単量体を共重合させて無機充填材との親和性を向上させた合成ゴムのように、重合時に極性基を簡便に導入できるのに対し、天然ゴムはそのような手法を用いることができないからである。
天然ゴムとしては、天然ゴムラテックスを凝固、乾燥して得られるシートゴム、ブロックゴムいずれの形状も原料として用いることができる。シートゴムとしては、「天然ゴム各種等級品の国際品質包装基準」(通称グリーンブック)の格付けにより分類した、シートを煙で燻しながら乾燥させたリブドスモークドシート(RSS)、シートを熱風乾燥させたエアドライシート(ADS)凝固物を充分に水洗し熱風で乾燥させたクレープ等が挙げられ、この他に、TCラバー(Technically Classified Rubber)、SPラバー(Super Processing Rubber)、MGラバー、PPクレープ、軟化剤、しゃく解剤添加ゴム等が挙げられる。ブロックゴムとしては、マレーシアのSMR(Standard Malaysian Rubber)、インドネシアのSIR、タイのTTR、スリランカのSCR、シンガポールのSSR等が挙げられる。これら天然ゴム原材料は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、天然ゴムラテックスを酸化処理した後に凝固させたゴムを用いてもよく、天然ゴムラテックスの酸化は公知の方法で行うことができる。例えば、特開平8−81505号公報に従って、有機溶剤に1〜30質量%の割合で溶解した天然ゴムラテックスを金属系酸化触媒の存在下で空気酸化することによって天然ゴムラテックスの酸化を行うことができる。また、特開平9−136903号公報に記載されているように、天然ゴムラテックスにカルボニル化合物を添加して、酸化を行うこともできる。酸化方法として空気酸化を行う場合は、特開平9−136903号公報に記載されているように、空気酸化を促進するためにラジカル発生剤の存在下で空気酸化を行ってもよい。ラジカル発生剤としては、例えば過酸化物系ラジカル発生剤、レドックス系ラジカル発生剤、アゾ系ラジカル発生剤等が好適に用いられる。
変性ゴム(A)の原料として用いることのできる合成ゴムとしては、例えば、1,4−ポリブタジエン、1,2−ポリブタジエン、1,4−ポリイソプレン、3,4−ポリイソプレン、スチレンブタジエンゴム、末端変性スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム等、分子内に二重結合を有するジエン系ゴム等が挙げられる。
本実施形態では、上記した天然ゴム、変性ゴム、あるいはその両方を用いてもよい。すなわち、これらを1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記変性剤とゴムが反応して得られる変性ゴムは、アミノ基等の極性基を有するため、例えば、無機充填材の極性基、特にシリカの場合はシリカ表面のシラノール基と親和性が向上することにより、ゴム−無機充填材間の密着性が向上して、タイヤ等のゴム成形体を得たときに、低ロス性に一層優れたゴム成形体とすることができる(但し、本実施形態の作用はこれらに限定されない。)。
式(1)中のXは、グアニジン部位と塩を形成可能な酸であればよく、その種類は限定されないが、例えば、有機酸(酢酸、シュウ酸、p−トルエンスルホン酸等)や無機酸(塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素、硝酸、硫酸、リン酸、炭酸、スルファミン酸、過塩素酸、ケイ酸、ホウ酸、フェニルホスフィン酸等)等が挙げられる。分子内にヒドラジン部位を含有し、アミノ基等の極性基を有する変性剤としては、アミノグアニジン塩の他に、セミカルバジド塩酸塩やチオセミカルバジド等を使用することも考えられる。しかし、セミカルバジド塩酸塩は、急性毒性(経口)がGHS分類で区分3に相当し、Ames試験では特定の細菌株(TA1535,TA100)に対し陽性(動物医薬品評価書(2007))であり、チオセミカルバジドは、急性毒性(経口)がGHS分類で区分2に相当し、毒物及び劇物取締法で毒物に指定される等、毒性が高く、作業性を考慮すると実用的ではない。
これに対し、アミノグアニジンは、医薬、染料、写真薬、火薬等の合成原料であり、特に、医薬分野において抗糖化作用を示すことが広く知られている。アミノグアニジンの抗糖化作用としては、in vitroにおけるAGEsの生成抑制、タンパク質の架橋、重合形成の抑制、糖尿病モデル動物における腎症、網膜症、神経障害の予防及び糖尿病合併症進展阻止効果が確認され、アミノグアニジン炭酸塩においては、急性毒性(経口)がGHS分類で区分外に相当し、Ames試験も陰性であり、毒性の低い化合物といえる。
また、アミノグアニジンは、その分子内に存在する複数の窒素原子によって共役酸のプラスの電荷が分散安定化されるため、強い塩基性を示し、通常は酸との複合体(塩)で存在する。アミノグアニジン塩として、例えば、アミノグアニジン炭酸塩(融点162℃(分解))、アミノグアニジン塩酸塩(融点165℃)、アミノグアニジンヨウ化水素酸塩(融点115−118℃)、アミノグアニジン臭化水素酸塩、アミノグアニジンヘミ硫酸塩(融点207℃)、アミノグアニジン硝酸塩(融点145−147℃)、アミノグアニジンシュウ酸塩(融点209℃)、アミノグアニジンリン酸塩(融点144℃)、アミノグアニジン酢酸塩、アミノグアニジンスルファミン酸塩、アミノグアニジン過塩素酸塩、アミノグアニジンケイ酸塩、アミノグアニジンホウ酸塩、アミノグアニジンフェニルホスフィン酸塩等が挙げられる。
次に、本実施形態の変性ゴムの製造法について述べる。本実施形態の変性ゴムは、例えば式(1)で表される化合物である変性剤及びゴムをミキサー、押出機及び混練機等を用いて混ぜ合わせることにより得られる。分散性向上の点から混練機で混合することが好ましい。変性剤をミキサー、押出機及び混練機等に添加する方法として、粉体をそのまま添加する方法、溶媒に溶解させて溶液として添加する方法、エマルジョン溶液として添加する方法、いずれを用いてもよい。
本実施形態の変性ゴムを得るための反応条件は、特に限定されるものではないが、ゴムと変性剤との反応温度は、20〜180℃であることが好ましく、50〜160℃であることがより好ましい。反応温度をこのような温度範囲に制御することで、ゴムと変性剤を十分に混合することができ、更に変性剤の分解を抑えることができる。ゴムの混練時間は上記反応温度で0.5〜30分間となるように調節されることが好ましく、2〜10分間であるとより好ましい。0.5〜30分間であると生産性を悪化させることなくゴムと変性剤を十分に反応させることができる。反応の雰囲気としては、空気下等酸素存在下で行うことが好ましい。酸素存在下で混練することにより、ゴムが一部酸化されて変性剤との反応性が向上するためである。
本実施形態の変性ゴムは、変性剤とゴムを一度に押出機及び混練機等で混ぜ合わせることによっても得られるが、天然ゴムラテックスを酸化処理した後に凝固させたゴムを用いる手法や、変性剤を添加する前に素練りと呼ばれる原料ゴムに機械力を加え分子凝集(会合)をほぐし分子鎖を切断してゴムの可塑度を加工しやすいレベルに調節する工程を行う手法を用いることも、変性剤とゴムの反応性を向上させることができるため好ましい。上記の素練り工程は、しゃく解剤(ペプタイザー)を用いてもよい。
変性剤、ゴム、無機充填材を含む充填材及びシランカップリング剤に、必要に応じて適宜選択した各種配合剤を配合し、ミキサー、押出機及び混練機等を用いて混合することによっても、ゴム組成物中に変性ゴムが一部生成する。この手法は、上記の変性剤及びゴムを混ぜ合わせる手法より作業効率の点で好ましい。この操作を行うと、本実施形態のゴム組成物を得ることができる。
本実施形態の変性ゴムの製造に際して用いる変性剤の使用量は、得られた変性ゴムが、ゴムの各分子にまんべんなく少量の極性基が導入されることにより、加工性を低下させずにシリカやカーボンブラック等の充填材に対する親和性が向上し、低ロス性に優れたゴム組成物を与える点から、式(1)で表される化合物の使用量を、ゴム成分(天然ゴム及び/又は合成ゴム)に対し0.01〜10質量%であることが好ましく、0.1〜3質量%であることがより好ましい。なお、天然ゴムと合成ゴムを併用した場合、ここでいう上記化合物の使用量とは、天然ゴムと合成ゴムの総量に対する量をいう。
本実施形態のタイヤ用ゴム組成物(以下、単に「ゴム組成物」という場合がある。)は、変性ゴム(A)、無機充填材(B)及びシランカップリング剤(C)を含有することが好ましい。
本実施形態における無機充填材(B)とは、ケイ素、典型金属又は遷移金属の酸化物又は水酸化物及びそれらの水和物、並びにこれら金属の炭酸塩から選ばれる少なくとも一種を含む無機化合物を指す。
無機充填材(B)として具体的には、当業界で用いられる無機充填材であれば特に限定されない。なお、後述するカーボンブラックは、ここでいう無機充填材(B)には含まれないものであり、無機充填材(B)にはあたらない。無機充填材は、表面が活性なシリカや表面処理クレー等の補強性充填材と、炭酸カルシウム、クレー及びタルク等の非補強性充填材に大別される。無機充填材(B)の具体例としては、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム(クレー)、ケイ酸マグネシウム(タルク)、ケイ酸カルシウム、亜鉛華等が挙げられる。変性ゴムとの相互作用を考慮すると、補強性充填材を用いるのが好ましく、それらの中でもシリカがより好ましい。シリカとしては、特に限定されず、湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)等を使用することができる。
シリカを用いる場合には、BET比表面積が40〜350m2/gであることが好ましい。シリカのBET表面積がこの範囲であれば、シリカの粒子径が適切となり、引張り強度の向上とヒステリシスロスの低下になる。BET比表面積は、JIS Z8830:2013に準拠して測定することができる。
本実施形態のゴム組成物に用いる充填材として、上記の無機充填材(B)の他に、補強効果を高めるため、カーボンブラックを添加することもできる。なお、カーボンブラックは、上記の無機充填材(B)とは別異の充填材であり、無機充填材(B)とは明確に区別されるものである。カーボンブラックとしては、GPF、FEF、SRF、HAF、ISAF、SAFといった種々のグレードのもの等が挙げられる。
本実施形態のゴム組成物における無機充填材(B)とカーボンブラックの合計含有量は、特に限定されないが、加工性を悪化させず、充分な低ロス効果又は補強効果が得られる含有量として、変性ゴム(A)等他のゴム組成物の有機成分100質量部に対して5〜100質量部であることが好ましく、20〜80質量部であることがより好ましい。
本実施形態のシランカップリング剤(C)としては、特に限定されないが、ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス−(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス−(3−メチルジメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス−(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス−(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、3−ヘキサノイルチオプロピルトリエトキシシラン、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン、3−デカノイルチオプロピルトリエトキシシラン、3−ラウロイルチオプロピルトリエトキシシラン、2−ヘキサノイルチオエチルトリエトキシシラン、2−オクタノイルチオエチルトリエトキシシラン、2−デカノイルチオエチルトリエトキシシラン、2−ラウロイルチオエチルトリエトキシシラン、3−ヘキサノイルチオプロピルトリメトキシシラン、3−オクタノイルチオプロピルトリメトキシシラン、3−デカノイルチオプロピルトリメトキシシラン、3−ラウロイルチオプロピルトリメトキシシラン、2−ヘキサノイルチオエチルトリメトキシシラン、2−オクタノイルチオエチルトリメトキシシラン、2−デカノイルチオエチルトリメトキシシラン、2−ラウロイルチオエチルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリロイルモノスルフィド等が挙げられる。その含有量は、無機充填材100質量部に対して1〜20質量部であることが好ましい。
本実施形態のゴム組成物には、変性ゴム、ゴム、無機充填材を含む充填材、シランカップリング剤の他に、ゴム工業界で通常使用される配合剤、例えば、老化防止剤、軟化剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、加硫剤等を、本実施形態の目的を害しない範囲内で適宜選択して配合することができる。これらの配合剤は、市販品を好適に使用することができる。
老化防止剤の種類としては、特に限定されないが、例えば、ナフチルアミン系、p−フェニレンジアミン系、ヒドロキノン誘導体、ビス,トリス,ポリフェノール系、ジフェニルアミン系、キノリン系、モノフェノール系、チオビスフェノール系、ヒンダードフェノール系等が挙げられ、更なる老化防止効果の点でp−フェニレンジアミン系、ジフェニルアミン系のアミン系老化防止剤が好ましい。ジフェニルアミン系老化防止剤としては、例えば、4,4′−(α−メチルベンジル)ジフェニルアミン、4,4′−(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、p−(p−トルエン−スルホニルアミド)ジフェニルアミン、4,4′−ジオクチルジフェニルアミン等が挙げられる。これらの中でも、更に高い老化防止効果の点で、4,4′−(α−メチルベンジル)ジフェニルアミンが最も好ましい。また、p−フェニレンジアミン系老化防止剤としては、例えば、N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N′−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−p−フェニレンジアミン、N,N′−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N′−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N′−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン等が挙げられる。これらの中でも、更に高い老化防止効果及びコストの点から、N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミンが最も好ましい。老化防止剤のゴム組成物における含有量は、ゴム組成物中におけるゴム成分の0.1〜5質量%であることが好ましい。
軟化剤の種類としては、特に限定されないが、石油やコールタール由来の鉱物油系軟化剤、脂肪油や松樹由来の植物油系軟化剤及び合成樹脂系軟化剤等が挙げられる。
加硫促進剤の種類としては、特に限定されないが、メルカプトベンゾチアゾール、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド等のチアゾール系、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N′−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N′−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド等のスルフェンアミド系、ジフェニルグアニジン等のグアニジン系が挙げられる。これら加硫促進剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。その含有量はゴム成分100質量部に対して0.1〜5質量部であることが好ましい。加硫促進助剤は、特に限定されないが、ステアリン酸、亜鉛華が挙げられる。
加硫剤の種類としては、通常当業界で用いられるものを適宜使用することができ、硫黄、過酸化物等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは硫黄である。加硫剤の含有量はゴム成分100質量部に対し、0.1〜5質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜3質量%である。加硫剤の含有量の下限値を上記値以上とすると、十分な加硫が得られ、また、加硫剤の含有量の上限値を上記値以下とすると、いわゆるスコーチ時間が短くならず、混練り中にゴムが焦げてしまうといった不具合を効果的に抑制できる。
本実施形態のタイヤは、上記ゴム組成物を用いたものであり、特に上記ゴム組成物をトレッドに用いることが好ましい。上記ゴム組成物をトレッドに用いたタイヤは、低燃費性に優れる。尚、本実施形態のタイヤは、上述のゴム組成物をタイヤ部材の何れかに用いる以外特に限定されず、常法に従って製造することができる。また、該タイヤに充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(合成例1)アミノグアニジンリン酸塩(2)の合成
50mLナスフラスコにアミノグアニジン炭酸塩(東京化成工業(株)製)4.03g(30mmol)を加え、水4gを加えた後、磁気攪拌子を用い攪拌させた。次いで85%リン酸3.43g(30mmol)を滴下した。その後、反応溶液をメタノール150mLに滴下した。直ちに白色固体が析出した。析出した白色固体をろ取、メタノールで洗浄した後、50℃で18時間真空乾燥させ、白色固体3.74g(22mmol)を得た。得られた固体を炭素、水素、窒素同時定量装置CHNコーダーMT−6(ヤナコ分析工業(株))を用いて元素分析を行ったところ、計算値C,6.98;H,5.27;N,32.56に対し、実測値C,6.82;H,5.25;N,32.13であり、アミノグアニジンリン酸塩であることを確認した。モル収率は73%であった。また、微量融点測定器BY−1((株)矢沢科学製)を用いて融点を測定したところ、143〜144℃であった。
(合成例2)アミノグアニジンシュウ酸塩(3)の合成
50mLナスフラスコにアミノグアニジン炭酸塩(東京化成工業(株)製)3.98g(29mmol)を加え、水18gを加えた後、磁気攪拌子を用い攪拌させた。次いでシュウ酸2.63g(29mmol)を少量ずつ加え、発泡が収まるまで攪拌した。析出した白色固体をろ取、メタノールで洗浄した後、50℃で18時間真空乾燥させ、白色固体3.39g(21mmol)を得た。得られた固体を炭素、水素、窒素同時定量装置CHNコーダーMT−6(ヤナコ分析工業(株))を用いて元素分析を行ったところ、計算値C,21.96;H,4.91;N,34.14に対し、実測値C,21.78;H,4.75;N,34.22であり、アミノグアニジンシュウ酸塩であることを確認した。モル収率は71%であった。また、微量融点測定器BY−1((株)矢沢科学製)を用いて融点を測定したところ、211〜212℃であった。
(実施例1)
ミキサー内を30℃に加熱したラボプラストミル((株)東洋精機製作所製)に、天然ゴム凝固体(RSS#1、加藤産商(株)製)41.4gを投入し、回転数60rpmで蓋を閉めた状態で4分間、蓋を開けた状態で1分間混練した。せん断発熱によりゴムの温度が80℃まで上昇したところで、アミノグアニジン塩酸塩(東京化成工業(株)製)0.828gを投入し、更に3分間混練することにより、変性ゴム1を得た。この時、ゴムの温度は85℃に達していた。
該変性ゴム1 9.0gをアセトンとメタノールの2:1混合溶媒200g中で2時間加熱還流することにより、未反応のアミノグアニジン塩酸塩の抽出を行った。溶媒を減圧留去した後、残渣を液体クロマトグラフィーを用いて定量分析した結果、アミノグアニジン塩酸塩とアセトンの縮合体である1−メチルエチリデンアミノグアニジン塩酸塩が0.030g含まれていた。即ち、抽出された未反応のアミノグアニジン塩酸塩は0.022gであり、添加したアミノグアニジン塩酸塩の87%が天然ゴムと反応した。従って、該変性ゴム1におけるアミノグアニジンの付加量は天然ゴム原材料中の固系ゴム成分に対して1.7質量%であることを確認した。
ミキサー内を30℃に加熱したラボプラストミル((株)東洋精機製作所製)に、天然ゴム凝固体(RSS#1、加藤産商(株)製)41.4gを投入し、回転数60rpmで蓋を閉めた状態で4分間、蓋を開けた状態で1分間混練した。せん断発熱によりゴムの温度が80℃まで上昇したところで、アミノグアニジン塩酸塩(東京化成工業(株)製)0.828gを投入し、更に3分間混練することにより、変性ゴム1を得た。この時、ゴムの温度は85℃に達していた。
該変性ゴム1 9.0gをアセトンとメタノールの2:1混合溶媒200g中で2時間加熱還流することにより、未反応のアミノグアニジン塩酸塩の抽出を行った。溶媒を減圧留去した後、残渣を液体クロマトグラフィーを用いて定量分析した結果、アミノグアニジン塩酸塩とアセトンの縮合体である1−メチルエチリデンアミノグアニジン塩酸塩が0.030g含まれていた。即ち、抽出された未反応のアミノグアニジン塩酸塩は0.022gであり、添加したアミノグアニジン塩酸塩の87%が天然ゴムと反応した。従って、該変性ゴム1におけるアミノグアニジンの付加量は天然ゴム原材料中の固系ゴム成分に対して1.7質量%であることを確認した。
(参考例1)
反応器内を30℃に加熱したラボプラストミルに、天然ゴム凝固体(RSS#1)41.4gを投入し、回転数60rpmで蓋を閉めた状態で4分間、蓋を開けた状態で1分間混練した。せん断発熱によりゴムの温度が80℃に達した後、更に3分間混練することにより、未変性ゴム1を得た。この時、ゴムの温度は85℃に達していた。
反応器内を30℃に加熱したラボプラストミルに、天然ゴム凝固体(RSS#1)41.4gを投入し、回転数60rpmで蓋を閉めた状態で4分間、蓋を開けた状態で1分間混練した。せん断発熱によりゴムの温度が80℃に達した後、更に3分間混練することにより、未変性ゴム1を得た。この時、ゴムの温度は85℃に達していた。
(実施例2、比較例1)
表1の組成に従い、最初に変性ゴム1又は未変性ゴム1、シリカ、シランカップリング剤、亜鉛華、ステアリン酸をラボプラストミルにて、140℃で5分間混練した後、一旦55℃に冷却しこれに硫黄と加硫促進剤を投入し、90℃で3分間混練してゴム組成物を調製した。続いて、プレス機(北川精機(株)製)を用いて145℃、10MPaで38〜41分間加硫することにより加硫ゴム組成物を得た。以下に用いた成分について示す。
表1の組成に従い、最初に変性ゴム1又は未変性ゴム1、シリカ、シランカップリング剤、亜鉛華、ステアリン酸をラボプラストミルにて、140℃で5分間混練した後、一旦55℃に冷却しこれに硫黄と加硫促進剤を投入し、90℃で3分間混練してゴム組成物を調製した。続いて、プレス機(北川精機(株)製)を用いて145℃、10MPaで38〜41分間加硫することにより加硫ゴム組成物を得た。以下に用いた成分について示す。
(実施例3〜6、比較例2)
表2の組成に従い、最初に天然ゴム凝固体、シリカ、シランカップリング剤、亜鉛華、ステアリン酸、変性剤1〜4をラボプラストミルにて、140℃で5分間混練した後、一旦50℃に冷却しこれに硫黄と加硫促進剤を投入し、90℃で3分間混練してゴム組成物を調製した。続いて、プレス機(北川精機(株)製)を用いて145℃、10MPaで27〜39分間加硫することにより加硫ゴム組成物を得た。以下に用いた成分について示す。
天然ゴム:RSS#1
シリカ:商品名「ニップシールAQ」(BET表面積=207m2/g、東ソー・シリカ(株)製)
シランカップリング剤:ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(エボニック ジャパン(株)製)
亜鉛華(和光純薬工業(株)製)
ステアリン酸(和光純薬工業(株)製)
硫黄(細井化学工業(株)製、250μm)
加硫促進剤(CBS):N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(和光純薬工業(株)製)
加硫促進剤(DPG):ジフェニルグアニジン(和光純薬工業(株)製)
変性剤1:アミノグアニジン塩酸塩(東京化成工業(株)製)
変性剤2:アミノグアニジン炭酸塩(東京化成工業(株)製)
変性剤3:合成例1で得られたアミノグアニジンリン酸塩
変性剤4:合成例2で得られたアミノグアニジンシュウ酸塩
該加硫ゴム組成物に対して、下記の方法で発熱性及び引張り破断強度を測定、評価した。結果を表1、2に示す。
表2の組成に従い、最初に天然ゴム凝固体、シリカ、シランカップリング剤、亜鉛華、ステアリン酸、変性剤1〜4をラボプラストミルにて、140℃で5分間混練した後、一旦50℃に冷却しこれに硫黄と加硫促進剤を投入し、90℃で3分間混練してゴム組成物を調製した。続いて、プレス機(北川精機(株)製)を用いて145℃、10MPaで27〜39分間加硫することにより加硫ゴム組成物を得た。以下に用いた成分について示す。
天然ゴム:RSS#1
シリカ:商品名「ニップシールAQ」(BET表面積=207m2/g、東ソー・シリカ(株)製)
シランカップリング剤:ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(エボニック ジャパン(株)製)
亜鉛華(和光純薬工業(株)製)
ステアリン酸(和光純薬工業(株)製)
硫黄(細井化学工業(株)製、250μm)
加硫促進剤(CBS):N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(和光純薬工業(株)製)
加硫促進剤(DPG):ジフェニルグアニジン(和光純薬工業(株)製)
変性剤1:アミノグアニジン塩酸塩(東京化成工業(株)製)
変性剤2:アミノグアニジン炭酸塩(東京化成工業(株)製)
変性剤3:合成例1で得られたアミノグアニジンリン酸塩
変性剤4:合成例2で得られたアミノグアニジンシュウ酸塩
該加硫ゴム組成物に対して、下記の方法で発熱性及び引張り破断強度を測定、評価した。結果を表1、2に示す。
(1)発熱性
上記加硫ゴム組成物に対し、動的粘弾性測定装置(セイコーインスツル(株)製DMS6100)を用い、温度50℃、歪み0.05%、周波数10Hzで損失正接(tanδ)を測定し、表1の比較例1、表2の比較例2の値を100としてそれぞれ指数表示した。指数値が小さい程、tanδが低く、ゴム組成物が低発熱性であることを示す。
(2)引張り破断強度
上記加硫ゴム組成物に対し、JIS K6251:2010に準拠して引張り試験を行い、引張り破断強度を測定し、表1の比較例1、表2の比較例2の値を100としてそれぞれ指数表示した。指数値が大きい程、引張り破断強度が大きいことを示す。
上記加硫ゴム組成物に対し、動的粘弾性測定装置(セイコーインスツル(株)製DMS6100)を用い、温度50℃、歪み0.05%、周波数10Hzで損失正接(tanδ)を測定し、表1の比較例1、表2の比較例2の値を100としてそれぞれ指数表示した。指数値が小さい程、tanδが低く、ゴム組成物が低発熱性であることを示す。
(2)引張り破断強度
上記加硫ゴム組成物に対し、JIS K6251:2010に準拠して引張り試験を行い、引張り破断強度を測定し、表1の比較例1、表2の比較例2の値を100としてそれぞれ指数表示した。指数値が大きい程、引張り破断強度が大きいことを示す。
表1から、実施例2のゴム組成物は、アミノグアニジン塩で変性していないジエン系ゴムを用いて混合した比較例1のゴム組成物と比較して、低発熱性に優れ、引張り破断強度が大きくなることが少なくとも確認された。
表2から、実施例3〜6のゴム組成物は、アミノグアニジン塩を添加しないで混合した比較例2のゴム組成物と比較して、低発熱性に優れ、引張り破断強度が大きくなることが少なくとも確認された。
本出願は、2014年6月10日に日本国特許庁へ出願された日本特許出願(特願2014−119357)及び2015年2月13日に日本国特許庁へ出願された日本特許出願(特願2015−026281)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明に係るタイヤ用変性ゴム(A)、タイヤ用ゴム組成物は、トレッドをはじめとする種々のタイヤ部材の材料等として利用することができる。
本実施形態では、上記した天然ゴム、合成ゴム、あるいはその両方を用いてもよい。すなわち、これらを1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
Claims (10)
- 前記天然ゴム及び/又は合成ゴムと前記式(1)で表される化合物を混合し、20〜180℃の範囲で変性させる、請求項1に記載のタイヤ用変性ゴム(A)。
- 前記式(1)で表される化合物を、前記天然ゴム及び/又は合成ゴムに対して0.01〜10質量%用いる、請求項1又は2に記載のタイヤ用変性ゴム(A)。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の変性ゴム(A)、無機充填材(B)を含む充填材及びシランカップリング剤(C)を含有するタイヤ用ゴム組成物。
- 前記無機充填材(B)がシリカである、請求項4に記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記充填材がカーボンブラックを含む、請求項4又は5に記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記式(1)で表される化合物、前記天然ゴム及び/又は合成ゴム、前記無機充填材(B)を含む充填材並びに前記シランカップリング剤(C)を混合することにより得られた請求項4〜6のいずれか一項に記載の変性ゴム(A)を含有する、タイヤ用ゴム組成物。
- 混合時の温度が20〜180℃の範囲である、請求項7に記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記式(1)で表される化合物の含有量が、前記天然ゴム及び/又は合成ゴムに対して0.01〜10質量%である、請求項7又は8に記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 請求項4〜9のいずれか一項に記載のゴム組成物をタイヤ部材のトレッドに用いたタイヤ。
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