JP7225537B2 - タイヤ用ゴム組成物およびタイヤ - Google Patents

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Description

本発明はタイヤ用ゴム組成物および該タイヤ用ゴム組成物から構成されたタイヤ部材を有するタイヤに関する。
近年、自動車タイヤに要求される特性は多種多様となってきているが、中でも、省エネルギーの社会的な要請に伴う自動車の燃料消費節約を目的として、低燃費性の要求が高まってきている。
低燃費性向上のため、タイヤ用ゴム組成物にシリカ等を配合する技術が知られているが、シリカの配合により、加硫速度の低下(加硫遅延)、シリカの分散性の悪化という問題が生じる。
加硫遅延の抑制のためには、所定のアミン付加塩等を添加すること(特許文献1)が知られている。また、低燃費性等の向上のため、メルカプト基を有する所定のシランカップリング剤を添加することも知られている。
特開2001-139727号公報
しかし、特許文献1のアミン付加塩等の添加や、メルカプト基を有する所定のシランカップリング剤の添加では、スコーチ時間が短くなってしまい成形加工性が低下してしまうという問題がある。
本発明は、シリカを含むゴム組成物に関して、低燃費性および破壊強度に優れ、さらに成形加工性(成形時間の確保)と加硫速度(加硫時間の短縮)をも両立したタイヤ用ゴム組成物を提供すること、および、このゴム組成物から構成されたタイヤ部材を有するタイヤを提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討の結果、シリカとメルカプト基を有する所定のシランカップリング剤とを含むゴム組成物に、さらにアミノグアニジン弱酸塩を含有せしめることで、上記課題を解決できることを見出し、さらに検討を重ねて、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
[1]ゴム成分と、
シリカと、
下記式(1)で示される結合単位Iと下記式(2)で示される結合単位IIとを含む化合物と、
アミノグアニジン弱酸塩と
を含んでなるタイヤ用ゴム組成物、
Figure 0007225537000001
Figure 0007225537000002
(式中、R1は水素、ハロゲン、分岐もしくは非分岐の炭素数1~30のアルキル基、分岐もしくは非分岐の炭素数2~30のアルケニル基、分岐もしくは非分岐の炭素数2~30のアルキニル基、または該アルキル基の末端の水素が水酸基もしくはカルボキシル基で置換されたものを示す。R2は分岐もしくは非分岐の炭素数1~30のアルキレン基、分岐もしくは非分岐の炭素数2~30のアルケニレン基、または分岐もしくは非分岐の炭素数2~30のアルキニレン基を示す。R1とR2とで環構造を形成してもよい。)
[2]アミノグアニジン弱酸塩が、重炭酸アミノグアニジンおよびアミノグアニジンリン酸塩からなる群から選択される少なくとも一つである、上記[1]記載のタイヤ用ゴム組成物、
[3]アミノグアニジン弱酸塩の含有量が、ゴム成分100質量部に対し、0.01~10質量部である、上記[1]または[2]記載のタイヤ用ゴム組成物、
[4]可塑剤30質量部以上をさらに含み、該可塑剤のうち樹脂の含有量が5質量部以上である、上記[1]~[3]のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物、
[5]ゴム成分が、スチレンブタジエンゴムを50質量%以上含むゴム成分である、上記[1]~[4]のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物、
[6]シリカの含有量が、ゴム成分100質量部に対し、80質量部以上である、上記[1]~[5]のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物、
[7]上記[1]~[6]のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物から構成されたタイヤ部材を有するタイヤ、
に関する。
本発明によれば、低燃費性および破壊強度に優れ、さらに成形加工性(成形時間の確保)と加硫速度(加硫時間の短縮)をも両立したタイヤ用ゴム組成物を提供すること、および、このゴム組成物から構成されたタイヤ部材を有するタイヤを提供することができる。
一の本実施形態は、ゴム成分と、シリカと、上記式(1)で示される結合単位Iと上記記式(2)で示される結合単位IIとを含む化合物と、アミノグアニジン弱酸塩とを含んでなるタイヤ用ゴム組成物である。
他の本実施形態は、上記タイヤ用ゴム組成物から構成されたタイヤ部材を有するタイヤである。
理論に拘束されることは意図しないが、本実施形態において所定の効果が得られるメカニズムとしては、以下が考えられる。すなわち、シリカは低燃費性や破壊強度を向上させ得るが、一方で、そのシラノール基が加硫促進剤を吸着するため、加硫時間が長くなり過ぎる傾向がある。また、上記式(1)で示される結合単位Iと上記式(2)で示される結合単位IIとを含む化合物はメルカプト基を有するシランカップリング剤として知られており、これを添加することで低燃費性等の向上を図り得るが、一方で、スコーチ時間が短くなってしまい成形加工性が低下してしまう傾向がある。しかし、アミノグアニジン弱酸塩(炭酸塩、リン酸塩)を添加すると、シリカを配合している場合でも加硫時間の増加が抑えられ、かつ、上記所定のシランカップリング剤を配合している場合でもその脂肪酸とチオール部分をアミノグアニジンが補足することでスコーチ時間の短縮(ゴム焼け)が抑えられ、その結果、低燃費性、破壊強度、成形加工性(成形時間の確保)、加硫速度(加硫時間の短縮)がバランスよく向上するものと考えられる。また、アミノグアニジンは、その強い極性のため、単にシリカの分散を助けるのみならず、カップリング剤の加水分解反応をも助け、その結果、シリカ-ポリマー間の反応性も高くなり、これらを通じて、シリカの分散性の向上が達成され、低燃費性が実現されるものと推測される。
<ゴム成分>
本実施形態において、ゴム成分は特に限定されず、従来、タイヤ工業で用いられるものをいずれも好適に用いることができる。ゴム成分としては、例えば、天然ゴム(NR)およびポリイソプレンゴム(IR)を含むイソプレン系ゴム、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンゴム(SIR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)などのジエン系ゴムや、ブチルゴム(IIR)、臭素化ブチルゴム(Br-IIR)、塩素化ブチルゴム(Cl-IIR)およびフッ素化ブチルゴム(F-IIR)を含むハロゲン化ブチルゴムなどのブチル系ゴムがあげられる。これらのゴム成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、本実施形態の効果をより良好に発揮できるという理由から、NR、SBR、BRを含有するものであることが好ましく、NR、SBR、BRのみからなるものであることがより好ましい。
(天然ゴム)
NRとしては特に限定されず、例えば、SIR20、RSS#3、TSR20等のタイヤ工業において一般的なもの(非改質NR)を使用することができる他、エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素化天然ゴム(HNR)、グラフト化天然ゴム、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度化天然ゴムなどの改質天然ゴムなども使用することができる。
NRを含有する場合のゴム成分中の含有量は、成形加工性、補強性、および低燃費性の観点から、1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、7質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましい。また、低燃費性の観点から、35質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、28質量%以下がより好ましく、25質量%以下がさらに好ましい。
(スチレンブタジエンゴム)
SBRとしては、特に限定されず、例えば未変性の乳化重合スチレンブタジエンゴム(E-SBR)や溶液重合スチレンブタジエンゴム(S-SBR)、これらを変性した変性乳化重合スチレンブタジエンゴム(変性E-SBR)や変性溶液重合スチレンブタジエンゴム(変性S-SBR)などの変性SBRがあげられる。変性SBRとしては、末端および/または主鎖が変性された変性SBR、スズ、ケイ素化合物などでカップリングされた変性SBR(縮合物、分岐構造を有するものなど)などがあげられる。またSBRとしては、伸展油を加えて柔軟性を調整した油展タイプのものと、伸展油を加えない非油展タイプのものとがあるが、このいずれも使用可能である。例えば、JSR(株)製のもの、旭化成ケミカルズ(株)製のもの、日本ゼオン(株)製のものなどを使用することができる。
SBRのスチレン含量は、15.0質量%~40.0質量%であることが好ましい。スチレン含量は、ゴム強度やグリップ性能の観点から、20.0質量%以上が好ましく、25.0質量%以上がより好ましく、30.0質量%以上がさらに好ましく、35.0質量%以上がさらに好ましい。また、SBRのスチレン含有量は、低燃費性の観点から、39.0質量%以下が好ましい。なお、SBRのスチレン含量は、1H-NMR測定により算出される値である。
SBRのビニル含量(1,2-結合ブタジエン単位量)は、10.0~30.0%であることが好ましい。ビニル含量は、ゴム強度やグリップ性能の観点から、13.0%以上が好ましく、15.0%以上がより好ましい。また、ビニル含量は、低燃費性の観点から、25.0%以下が好ましく、20.0%以下がより好ましい。なお、SBRのビニル含量は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定される値である。
SBRを含有する場合のゴム成分中の含有量は、本実施形態の効果をより良好に発揮できるという理由から、35質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましく、45質量%以上がより好ましく、50質量%以上がさらに好ましい。また、SBRの含有量は、95質量%以下が好ましく、90質量%以下が好ましく、85質量%以下がより好ましく、80質量%以下がさらに好ましい。なお、SBRとして油展タイプのSBRを用いる場合は、当該油展タイプのSBR中に含まれる固形分としてのSBR自体の含有量をゴム成分中のSBRの含有量とする。
(ブタジエンゴム)
BRとしては、特に限定されず、この分野で通常使用されるものをいずれも好適に用いることができる。例えば、ハイシス-1,4-ポリブタジエンゴム(ハイシスBR)、希土類元素系触媒を用いて合成された希土類系ブタジエンゴム(希土類系BR)、1,2-シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含むブタジエンゴム(SPB含有BR)、変性ブタジエンゴム(変性BR)などの各種BRを用いることができる。このようなBRとして、例えば、宇部興産(株)製のもの、日本ゼオン(株)製のもの、ランクセス社製のなどを好適に用いることができる。
ハイシスBRとは、シス-1,4結合含有率が90質量%以上のブタジエンゴムである。なかでも、シス-1,4結合含有率が95%質量以上のものが好ましく、同96質量%以上のものがさらに好ましく、同97質量%以上のものがさらに好ましく、同98質量%以上のものがさらに好ましい。ハイシスBRを含有することで低温特性および耐摩耗性を向上させることができる。なお、BR中のシス-1,4結合含有率は、赤外吸収スペクトル分析により算出される値である。
希土類系BRとしては、希土類元素系触媒を用いて合成され、ビニル含量(1,2結合ブタジエン単位量)が1.8質量%以下、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.8質量%以下であり、シス含量(シス-1,4結合含有率)が90質量%以上、好ましくは93質量%以上、より好ましくは95質量%以上のものを好適に用いることができる。ビニル含量およびシス-1,4結合含有率が上記範囲内であることにより、得られるゴム組成物の破断伸びおよび耐摩耗性が優れるという効果が得られる。なお、希土類系BRのビニル含量およびシス含量は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定される値である。
希土類系BRの合成に使用される希土類元素系触媒としては、公知のものを使用でき、例えば、ランタン系列希土類元素化合物、有機アルミニウム化合物、アルミノキサン、ハロゲン含有化合物、必要に応じてルイス塩基を含む触媒があげられる。
SPB含有BRは、1,2-シンジオタクチックポリブタジエン結晶が、BR中に単に分散しているものではなく、BRと化学結合したうえで分散しているものがあげられる。前記結晶がゴム成分と化学結合したうえで分散していることにより、複素弾性率が向上する傾向がある。
変性BRとしては、末端および/または主鎖が変性された変性BR、スズ、ケイ素化合物などでカップリングされた変性BR(縮合物、分岐構造を有するものなど)、シリカと相互作用を持つ官能基により末端および/または主鎖が変性された変性BR、特に、シリル基、アミノ基、アミド基、水酸基、およびエポキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1種を有する変性BRなどがあげられる。変性BRを用いることで、充填剤との相互作用をより強固とし低燃費性に優れるという効果が得られる。
BRを含有する場合のゴム成分中の含有量は、耐摩耗性の観点から1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、7質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましい。また、BRの含有量は、成形加工性の観点から、35質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、28質量%以下がより好ましく、25質量%以下がさらに好ましい。
<シリカ>
本実施形態に係るタイヤ用ゴム組成物は、充填剤としてシリカを含有することを特徴とする。シリカを含有することにより、低燃費性向上効果が好適に得られ、高い補強性を得ることができる。
シリカは一般にゴム組成物中で分散させることが困難であるが、本実施形態のアミノグアニジン弱酸塩を含んでなるゴム組成物によれば、良好に分散させることができ、優れたゴム性能をバランスよく発現させることが可能である。
シリカとしては、特に限定されず、例えば、乾式法により調製されたシリカ(無水シリカ)、湿式法により調製されたシリカ(含水シリカ)など、タイヤ工業において一般的なものを使用することができる。なかでもシラノール基が多いという理由から、湿式法により調製された含水シリカが好ましい。シリカは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シリカのN2SAは、70m2/g以上であることが好ましく、80m2/g以上がより好ましく、90m2/g以上がさらに好ましい。また、N2SAの上限は特に限定されるものではないが、取扱い易さ等の観点から、例えば、500m2/g以下が好ましく、400m2/g以下がより好ましく、300m2/g以下がより好ましく、280m2/g以下がより好ましく、250m2/g以下がより好ましく、230m2/g以下がさらに好ましい。N2SAが前記範囲内のシリカを用いることにより、低燃費性および成型加工性等をバランス良く向上させることができる。なお、シリカのN2SAは、ASTM D3037-81に準じてBET法で測定される値である。
シリカのゴム成分100質量部に対する含有量は、シリカの分散性、低燃費性および成形加工性等の観点から、所定の範囲内であることが好ましく、例えば、40~150質量部である。シリカの含有量は、好ましくは45質量部以上、より好ましくは50質量部以上、より好ましくは55質量部以上、より好ましくは60質量部以上、より好ましくは65質量部以上、より好ましくは70質量部以上、より好ましくは75質量部以上、さらに好ましくは80質量部以上である。また、シリカの含有量は、好ましくは150質量部以下、より好ましくは140質量部以下、より好ましくは130質量部以下、より好ましくは120質量部以下、好ましくは115質量部以下、より好ましくは110質量部以下、さらに好ましくは100質量部以下である。
<その他の充填剤>
充填剤としては、シリカ以外に、さらにその他の充填剤を用いてもよい。そのような充填剤としては、特に限定されず、例えば、カーボンブラック、水酸化アルミニウム、アルミナ(酸化アルミニウム)、炭酸カルシウム、タルク、クレーなどこの分野で一般的に使用される充填剤をいずれも用いることができる。これらの充填剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。充填剤として、シリカ以外のものを用いる場合、ゴム強度の観点から、カーボンブラックが好ましい。すなわち充填剤としては、シリカおよびカーボンブラックを含むものであることが好ましく、あるいは、シリカおよびカーボンブラックのみからなるものであることが好ましい。
(カーボンブラック)
カーボンブラックとしては特に限定されず、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAFなど、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。
カーボンブラックのN2SAは、十分な補強性および耐摩耗性が得られる点から、50m2/g以上が好ましく、70m2/g以上がより好ましく、90m2/g以上がさらに好ましい。また、カーボンブラックのN2SAは、分散性に優れ、発熱しにくいという点から、500m2/g以下が好ましく、450m2/g以下がより好ましく、300m2/g以下がさらに好ましく、250m2/g以下がさらに好ましい。なお、カーボンブラックのN2SAは、JIS K 6217-2:2001に準拠して測定される値である。
カーボンブラックのDBP吸油量は、耐摩耗性の観点から、50ml/100g以上が好ましく、100ml/100g以上がより好ましい。また、カーボンブラックのDBP吸油量は、グリップ性能の観点から、250ml/100g以下が好ましく、200ml/100g以下がより好ましく、150ml/100g以下がより好ましい。なお、カーボンブラックのDBP吸油量は、JIS K 6217-4:2008に準じて測定される値である。
カーボンブラックを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、十分な補強性および耐摩耗性が得られる観点から、1質量部以上が好ましく、3質量部以上がより好ましく、5質量部以上がより好ましく、7質量部以上がさらに好ましい。また、カーボンブラックの含有量は、成形加工性、低燃費性および耐摩耗性の観点から、40質量部以下が好ましく、30質量部以下がより好ましく、20質量部以下がより好ましく、15質量部以下がさらに好ましい。
<シランカップリング剤>
シランカップリング剤としては、メルカプト基を有する所定のシランカップリング剤を使用する。メルカプト基を有する所定のシランカップリング剤は、下記式(1)で示される結合単位Iと下記式(2)で示される結合単位IIとを含む化合物である。該シランカップリング剤を含有することにより、低燃費性や、破壊強度が向上する。該化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なお、本明細書において、メルカプト基とは、SH基を意味する。
Figure 0007225537000003
Figure 0007225537000004
(式中、R1は水素、ハロゲン、分岐もしくは非分岐の炭素数1~30のアルキル基、分岐もしくは非分岐の炭素数2~30のアルケニル基、分岐もしくは非分岐の炭素数2~30のアルキニル基、または該アルキル基の末端の水素が水酸基もしくはカルボキシル基で置換されたものを示す。R2は分岐もしくは非分岐の炭素数1~30のアルキレン基、分岐もしくは非分岐の炭素数2~30のアルケニレン基、または分岐もしくは非分岐の炭素数2~30のアルキニレン基を示す。R1とR2とで環構造を形成してもよい。)
前記構造のシランカップリング剤は、結合単位Iと結合単位IIを有するため、ビス-(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドなどのポリスルフィドシランに比べ、加工中の粘度上昇を抑制することができる。これは結合単位Iのスルフィド部分がC-S-C結合であるため、テトラスルフィドやジスルフィドに比べ熱的に安定であることから、ムーニー粘度の上昇が少ないためと考えられる。
本実施形態の効果がより良好に得られるという点から、前記構造のシランカップリング剤において、結合単位Iの含有量は、30モル%以上が好ましく、50モル%以上がより好ましい。また、結合単位Iの含有量は、99モル%以下が好ましく、90モル%以下がより好ましい。結合単位IIの含有量は、5モル%以上が好ましく、10モル%以上がより好ましい。また、結合単位IIの含有量は、65モル%以下が好ましく、55モル%以下がより好ましい。結合単位IおよびBの合計含有量は、95モル%以上が好ましく、98モル%以上がより好ましく、100モル%がさらに好ましい。なお、結合単位I、結合単位IIの含有量は、結合単位I、結合単位IIがシランカップリング剤の末端に位置する場合も含む量である。結合単位I、結合単位IIがシランカップリング剤の末端に位置する場合の形態は特に限定されず、結合単位I、結合単位IIを示す式(1)、(2)と対応するユニットを形成していればよい。
1のハロゲンとしては、塩素、臭素、フッ素などがあげられる。
1の分岐もしくは非分岐の炭素数1~30のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、iso-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、へキシル基、へプチル基、2-エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等があげられる。該アルキル基の炭素数は、1~12が好ましい。
1の分岐もしくは非分岐の炭素数2~30のアルケニル基としては、ビニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、1-ペンテニル基、2-ペンテニル基、1-ヘキセニル基、2-ヘキセニル基、1-オクテニル基等があげられる。該アルケニル基の炭素数は、2~12が好ましい。
1の分岐もしくは非分岐の炭素数2~30のアルキニル基としては、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、へプチニル基、オクチニル基、ノニニル基、デシニル基、ウンデシニル基、ドデシニル基等があげられる。該アルキニル基の炭素数は、2~12が好ましい。
2の分岐もしくは非分岐の炭素数1~30のアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基、トリデシレン基、テトラデシレン基、ペンタデシレン基、ヘキサデシレン基、ヘプタデシレン基、オクタデシレン基等があげられる。該アルキレン基の炭素数は、1~12が好ましい。
2の分岐もしくは非分岐の炭素数2~30のアルケニレン基としては、ビニレン基、1-プロペニレン基、2-プロペニレン基、1-ブテニレン基、2-ブテニレン基、1-ペンテニレン基、2-ペンテニレン基、1-ヘキセニレン基、2-ヘキセニレン基、1-オクテニレン基等があげられる。該アルケニレン基の炭素数は、2~12が好ましい。
2の分岐もしくは非分岐の炭素数2~30のアルキニレン基としては、エチニレン基、プロピニレン基、ブチニレン基、ペンチニレン基、ヘキシニレン基、へプチニレン基、オクチニレン基、ノニニレン基、デシニレン基、ウンデシニレン基、ドデシニレン基等があげられる。該アルキニレン基の炭素数は、2~12が好ましい。
前記構造のシランカップリング剤において、結合単位Iの繰り返し数(x)と結合単位IIの繰り返し数(y)の合計の繰り返し数(x+y)は、3~300の範囲が好ましい。この範囲内であると、結合単位IIのメルカプトシランを、結合単位Iの-C715が覆うため、スコーチタイムが短くなることを抑制できるとともに、シリカやゴム成分との良好な反応性を確保することができる。
前記構造のシランカップリング剤としては、例えば、Momentive社製のNXTZ30、NXT-Z45、NXT-Z60等を使用することができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記構造のシランカップリング剤を含有する場合のシリカ100質量部に対する含有量は、十分なシリカ分散性や、粘度低減等の効果が得られるという理由から、1.0質量部以上がより好ましく、2.0質量部以上がより好ましく、4.0質量部以上がより好ましく、6.0質量部以上がさらに好ましい。また、十分なカップリング効果やシリカ分散効果を効率的に得て補強性を確保するという理由から、シランカップリング剤の含有量は、20.0質量部以下が好ましく、18.0質量部以下がより好ましく、15.0質量部以下がさらに好ましい。
≪他のシランカップリング剤≫
シランカップリング剤としては、前記構造のシランカップリング剤を含有せしめることによる効果が担保される限り、その一部を他のシランカップリング剤に置き換えてもよい。そのようなシランカップリング剤としては、特に限定されず、ゴム工業において、従来からシリカと併用される任意のシランカップリング剤を使用することができる。
そのような他のシランカップリング剤としては、例えば、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4-トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4-トリメトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4-トリエトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2-トリメトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4-トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4-トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2-トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4-トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3-トリメトキシシリルプロピル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3-トリエトキシシリルプロピル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2-トリエトキシシリルエチル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2-トリメトキシシリルエチル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3-トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3-トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3-トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィドなどのスルフィド基を有するシランカップリング剤;3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2-メルカプトエチルトリメトキシシラン、2-メルカプトエチルトリエトキシシランなどのメルカプト基を有するシランカップリング剤;ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニル基を有するシランカップリング剤;3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ基を有するシランカップリング剤;γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランなどのグリシドキシ系のシランカップリング剤;3-ニトロプロピルトリメトキシシラン、3-ニトロプロピルトリエトキシシランなどのニトロ系のシランカップリング剤;3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルトリエトキシシラン、2-クロロエチルトリメトキシシラン、2-クロロエチルトリエトキシシランなどのクロロ系のシランカップリング剤;などがあげられる。これらのシランカップリング剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<アミノグアニジン弱酸塩>
本実施形態に係るタイヤ用ゴム組成物は、アミノグアニジン弱酸塩を含有することを特徴とする。
本実施形態において、アミノグアニジン弱酸塩とは、アミノグアニジンと弱酸からなる塩であって、アミノグアニジンのグアニジン部位が弱酸と塩を形成したものである。アミノグアニジン弱酸塩は、1分子の弱酸と1分子のアミノグアニジンからなる塩であってもよく、1分子の弱酸と2分子のアミノグアニジンからなる塩であってもよい。
アミノグアニジン弱酸塩としては、本実施形態の効果を発揮できるものであれば特に限定されない。アミノグアニジン弱酸塩に用いられる弱酸としては、有機酸、無機酸を問わず使用できるが、無機酸であることが好ましい。アミノグアニジン弱酸塩の具体例としては、例えば、アミノグアニジンと炭酸からなる重炭酸アミノグアニジン(アミノグアニジン重炭酸塩)、アミノグアニジンとリン酸からなるアミノグアニジンリン酸塩などがあげられる。このようなアミノグアニジン弱酸塩は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、アミノグアニジン弱酸塩を含有することによる本実施形態の効果をより良好に発揮でき、低燃費性および破壊強度に優れ、さらに成形加工性と加硫速度を両立するという観点から、重炭酸アミノグアニジンおよびアミノグアニジンリン酸塩からなる群から選択される少なくとも一つを含むものであることが好ましい。また、アミノグアニジン弱酸塩としては、重炭酸アミノグアニジンが好ましく、または、アミノグアニジンリン酸塩が好ましく、または、重炭酸アミノグアニジンとアミノグアニジンリン酸塩とからなるものであることが好ましい。
本実施形態のアミノグアニジン弱酸塩は、公知の方法により得ることができ、例えば、重炭酸アミノグアニジンと弱酸を混合させるなどの方法があげられる。なお、重炭酸アミノグアニジンおよび弱酸は市販品を用いることができる。例えば、東京化成工業(株)製のものなどを使用することができる。
アミノグアニジン弱酸塩のゴム成分100質量部に対する含有量は、0.01~10質量部であることが好ましい。アミノグアニジン弱酸塩の含有量は、0.05質量部以上が好ましく、0.10質量部以上がより好ましく、0.30質量部以上がより好ましく、0.50質量部以上がさらに好ましい。また、アミノグアニジン弱酸塩の含有量は、9質量部以下が好ましく、7質量部以下がより好ましく、5質量部以下がより好ましく、3質量部以下がより好ましく、2.5質量部以下がより好ましく、2.0質量部以下がさらに好ましい。このような範囲とすることで、本実施形態の効果をより良好に発揮できる。
<可塑剤>
本実施形態に係るタイヤ用ゴム組成物は、さらに、可塑剤を含有することが好ましい。
可塑剤としては、特に限定されず、ゴム工業で一般的な可塑剤や、軟化剤として用いられるものを用いることができ、例えば、樹脂、オイル、液状ポリマー、低温可塑剤などとして知られているものをいずれも含む。可塑剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、本実施形態の効果をより良好に発揮できるという理由から、樹脂、オイル、液状ポリマーが好ましく、樹脂、オイルがより好ましく、樹脂およびオイルのみを用いることがより好ましい。
(樹脂)
樹脂としては、特に限定されず、ゴム工業において通常使用されるものをいずれも好適に用いることができ、例えば、テルペン系樹脂、水添テルペン系樹脂、C5-C9系樹脂、スチレン/α-メチルスチレンコポリマー樹脂、粘着樹脂、架橋性樹脂、相溶化樹脂などがあげられる。
これら樹脂の軟化点(Softening Point)は、可塑剤としての機能を好適に発揮させるとの観点から、-20~180℃の範囲内であることが好ましい。軟化点の上限は、170℃以下が好ましく、150℃以下がより好ましく、130℃以下がさらに好ましい。また、軟化点の下限は、-10℃以上が好ましく、-5℃以上がより好ましい。なお、本明細書において、樹脂の軟化点とは、JIS K 6220-1に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。
これら樹脂の重量平均分子量(Mw)は、良好な成形加工性が得られ、ゴム硬度を確保するという観点から、所定の範囲内であることが好ましい。具体的には、Mwは、120000以下が好ましく、10000以下がより好ましく、5000以下がさらに好ましい。また、Mwは、200以上が好ましく、250以上がより好ましく、300以上がさらに好ましく、350以上がさらに好ましい。なお、本明細書において、樹脂のMwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)(東ソー(株)製GPC-8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMALTPORE HZ-M)による測定値を基に標準ポリスチレン換算により求める値である。
≪スチレン/α-メチルスチレンコポリマー樹脂≫
スチレン/α-メチルスチレンコポリマー樹脂とは、スチレンとα-メチルスチレンとを重合させて得られる樹脂である。
≪水添テルペン系樹脂≫
水添テルペン系樹脂は、テルペン系樹脂を水素添加(水添)することにより得られるものである。テルペン系樹脂への水素添加処理は、公知の方法で行うことができる。
水添テルペン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、α-ピネン、β-ピネン、リモネン、ジペンテンなどのテルペン原料から選ばれる少なくとも1種からなるポリテルペン樹脂、テルペン化合物と芳香族化合物とを原料とする芳香族変性テルペン樹脂、テルペン化合物とフェノール系化合物とを原料とするテルペンフェノール樹脂などのテルペン系樹脂に水素添加処理を行ったものがあげられる。ここで、芳香族変性テルペン樹脂の原料となる芳香族化合物としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルトルエンなどがあげられ、また、テルペンフェノール樹脂の原料となるフェノール系化合物としては、例えば、フェノール、ビスフェノールA、クレゾール、キシレノールなどがあげられる。
≪粘着樹脂≫
粘着樹脂は、通常、ゴム成分と相溶または少なくとも半相溶となる特性を持ち、数百~数万の分子量を有するオリゴマーである。粘着樹脂を配合することにより、タイヤ成形時の未加硫物の粘着性(成形加工性)が向上する。ここで、粘着樹脂とは、特に限定されず、上述した以外の樹脂でゴム工業において通常使用されるものをいずれも好適に用いることができ、例えば、フェノール系樹脂、クマロンインデン樹脂、テルペン系樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、ロジン系樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂(DCPD樹脂)などがあげられる。フェノール系樹脂としては、例えば、BASF社製、田岡化学工業(株)製のものなど、クマロンインデン樹脂としては、例えば、新日鉄住金化学(株)製、JXTGエネルギー(株)製のものなど、スチレン樹脂としては、例えば、Arizona chemical社製ものなどを使用することができる。テルペン系樹脂としては、例えば、Arizona chemical社製、ヤスハラケミカル(株)製のものなどを使用することができる。ロジン系樹脂としては、例えば、ハリマ化成(株)製、荒川化学工業(株)製のものなどを使用することができる。なかでも、グリップ性能に優れるという理由から、フェノール系樹脂、クマロンインデン樹脂、テルペン系樹脂、およびアクリル樹脂を用いることが好ましい。
≪液状樹脂≫
上記樹脂としては、可塑剤としての効果を良好に発揮するという観点から、液状のもの(液状樹脂)を好適に用いることができる。ここで、液状樹脂とは、室温(25℃)で硬化していない樹脂をいう。
液状樹脂としては、例えば、液状クマロンインデン樹脂、液状テルペン系樹脂等を好適に使用できる。なかでも、液状クマロンインデン樹脂が好ましい。
液状クマロンインデン樹脂は、樹脂の骨格(主鎖)を構成するモノマー成分として、クマロンおよびインデンを含む。また、当該骨格において、クマロン、インデン以外に含まれるモノマー成分としては、スチレン、α-メチルスチレン、メチルインデン、ビニルトルエンなどがあげられる。液状クマロンインデン樹脂の軟化点は、-20~45℃が好ましい。上限は、好ましくは40℃以下、より好ましくは35℃以下である。下限は、好ましくは-10℃以上、より好ましくは-5℃以上である。液状クマロンインデン樹脂としては、例えば、Rutgers Chemicals社製のものなどを好適に使用することができる。
(オイル)
オイルとしては、特に限定されず、ゴム工業において通常使用されるものをいずれも好適に用いることができ、例えば、プロセスオイル、植物油脂、動物油脂などがあげられる。プロセスオイルとしては、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイルなどがあげられる。植物油脂としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、サフラワー油、桐油などがあげられる。また、動物油脂としては、オレイルアルコール、魚油、牛脂などがあげられる。なかでも、加工性に有利であるという理由からプロセスオイルが好ましく、環境への負荷低減という理由からは、多環式芳香族化合物(polycyclic aromatic compound:PCA)の含量の低いプロセスオイル(低PCA含量プロセスオイル)が好ましい。
低PCA含量プロセスオイルとしては、オイル芳香族系プロセスオイルを再抽出したTreated Distillate Aromatic Extract(TDAE)、アスファルトとナフテン油の混合油であるアロマ代替オイル、軽度抽出溶媒和物(mild extraction solvates:MES)、重ナフテン系オイルなどがあげられる。
(液状ポリマー)
液状ポリマーとしては、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算重量平均分子量が1.0×103~2.0×105の液状ポリマーであることが好ましい。このような範囲とすることで、破壊特性、耐久性、成形加工性がバランスよく得られる傾向がある。
液状ポリマーとしては、特に限定されず、ゴム工業において通常使用されるものをいずれも好適に用いることができ、例えば、液状SBR、液状BR、液状IR、液状SIRなどがあげられる。なかでも、特に耐久性能とグリップ性能とをバランスよく向上できるという理由から液状SBRを使用することが好ましい。
(低温可塑剤)
低温可塑剤としては、特に限定されず、ゴム工業において通常使用されるものをいずれも好適に用いることができ、例えば、アジピン酸ジブチル(DBA)、アジピン酸ジイソブチル(DIBA)、アジピン酸ジオクチル(DOA)、アゼライン酸ジ2-エチルヘキシル(DOZ)、セバシン酸ジブチル(DBS)、アジピン酸ジイソノニル(DINA)、フタル酸ジエチル(DEP)、フタル酸ジオクチル(DOP)、フタル酸ジウンデシル(DUP)、フタル酸ジブチル(DBP)、セバシン酸ジオクチル(DOS)、リン酸トリブチル(TBP)、リン酸トリオクチル(TOP)、リン酸トリエチル(TEP)、リン酸トリメチル(TMP)、チミジントリリン酸(TTP)、リン酸トリクレシル(TCP)、リン酸トリキシレニル(TXP)等のエステル系可塑剤などがあげられる。なかでも、低温時における可塑効果と耐摩耗性のバランスから、DOS、TOPが好ましく、低燃費性に優れるという理由から、DOSが好ましい。
低温可塑剤の凝固点は、十分なグリップ改善効果の観点から、-50℃以下が好ましく、-70℃以下がより好ましい。また、低温可塑剤の凝固点の下限は特に限定されない。
低温可塑剤の25℃における粘度は、十分なグリップ改善効果の観点から、30mPa・s以下が好ましく、20mPa・s以下がより好ましい。また、低温可塑剤の粘度の下限は特に限定されない。
(含有量)
可塑剤のゴム成分100質量部に対する含有量は、低燃費性と耐摩耗性の観点から所定の範囲内であることが好ましい。すなわち、可塑剤の含有量は、10質量部以上が好ましく、20質量部以上がより好ましく、30質量部以上がさらに好ましく、35質量部以上が好ましく、40質量部以上がさらに好ましい。また、可塑剤の含有量は、100質量部以下が好ましく、80質量部以下がより好ましく、70質量部以下がより好ましく、60質量部以下がさらに好ましい。なお、可塑剤の含有量には、油展ゴムや不溶性硫黄に含まれるオイル成分以外に、後入れオイル(油展ゴムや不溶性硫黄に含まれるオイル成分とは別に配合されるオイル)も含まれる。
前記可塑剤のうち樹脂の含有量は、1質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましく、10質量部以上がより好ましく、15質量部以上がより好ましく、20質量部以上がさらに好ましい。また、当該樹脂の含有量は、60質量部以下が好ましく、50質量部以下がより好ましく、45質量部以下がより好ましく、40質量部以下がさらに好ましい。
可塑剤としてオイルおよび樹脂のみを用いる場合のオイルのゴム成分100質量部に対する含有量は、可塑剤の含有量から樹脂の含有量を除くことで求められる。
<その他の配合剤>
本実施形態に係るゴム組成物には、前記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般的に使用される配合剤、例えば、酸化亜鉛、ステアリン酸、老化防止剤、ワックス、加硫剤、加硫促進剤などを適宜配合することができる。
(老化防止剤)
老化防止剤としては、特に限定されず、ゴム工業において通常使用されるものをいずれも好適に用いることができ、例えば、アミン・ケトン系老化防止剤、イミダゾール系老化防止剤、アミン系老化防止剤、フェノール系老化防止剤、硫黄系老化防止剤、燐系老化防止剤などがあげられる。老化防止剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
老化防止剤を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、0.5質量部以上が好ましく、1.0質量部以上がより好ましい。また、老化防止剤の含有量は、7質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましい。このような範囲とすることで、本実施形態の効果をより良好に発揮できる。
(ワックス)
ワックスとしては、特に限定されず、ゴム工業において通常使用されるものをいずれも好適に用いることができ、例えば、日本精鑞(株)製、パラメルト社製などのパラフィンワックスがあげられる。ワックスは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ワックスを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、0.5質量部以上が好ましく、1.0質量部以上がより好ましく、1.2質量部以上がさらに好ましい。また、3.0質量部以下が好ましく、2.5質量部以下がより好ましく、2.0質量部以下がさらに好ましい。このような範囲とすることで、本実施形態の効果をより良好に発揮できる。
(加硫剤)
加硫剤としては、特に限定されず、公知の加硫剤を用いることができ、例えば、硫黄、有機過酸化物、樹脂加硫剤、酸化マグネシウム等の金属酸化物などがあげられる。なかでも、硫黄を用いることが好ましい。硫黄としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、表面処理硫黄、不溶性硫黄などがあげられ、いずれも好適に用いられる。加硫剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
加硫剤として硫黄を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、0.5質量部以上が好ましく、1.0質量部以上がより好ましい。また、硫黄の含有量は、7質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましい。このような範囲とすることで、本実施形態の効果をより良好に発揮できる。
(加硫促進剤)
加硫促進剤としては、特に限定されず、公知の加硫助剤を用いることができ、例えば、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド-アミン系もしくはアルデヒド-アンモニア系、イミダゾリン系、またはキサンテート系加硫促進剤などがあげられる。なかでも、スコーチ時間と加硫時間をバランス良くできるという理由からスルフェンアミド系、グアニジン系が好ましい。加硫促進剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
スルフェンアミド系加硫促進剤としては、例えば、N-tert-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N,N’-ジシクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DZ)などがあげられる。なかでも、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)が好ましい。
グアニジン系加硫促進剤としては、例えば、1,3-ジフェニルグアニジン(DPG)、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジンなどがあげられる。なかでも、加硫時間の短縮の観点から、1,3-ジフェニルグアニジン(DPG)が好ましい。
本実施形態においては、本実施形態の効果をより良好に発揮できるという理由から、加硫促進剤として、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)および1,3-ジフェニルグアニジン(DPG)のみを用いることがより好ましい。
加硫促進剤を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、0.5質量部以上が好ましく、1.0質量部以上がより好ましく、2.0質量部以上がさらに好ましい。また、加硫促進剤の含有量は、5.0質量部以下が好ましく、4.0質量部以下がより好ましく、3.5質量部以下がさらに好ましい。このような範囲とすることで、本実施形態の効果をより良好に発揮できる。
<タイヤ用ゴム組成物の製造>
本実施形態のタイヤ用ゴム組成物は、公知の方法で製造される。例えば、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどで前記各成分を混練りし、その後加硫する方法などにより製造できる。混錬りに際しては、まず加硫剤と加硫促進剤以外の成分を混練した後、得られた混練物に加硫剤と加硫促進剤を加えて混練することができる。なお、アミノグアニジン弱酸塩の配合方法も、特に限定されず、粉体としてそのまま配合することができるが、そのような配合方法以外にも、例えば、溶媒に溶解させて溶液として配合する方法や、エマルジョン溶液として配合する方法などにより配合することもできる。
<タイヤ用ゴム組成物>
本実施形態のタイヤ用ゴム組成物は、タイヤのトレッド、アンダートレッド、カーカス、サイドウォール、ビードなどの各タイヤ部材に用いることができる。特に、低燃費性、破壊強度および耐摩耗性に優れることから、本実施形態のタイヤ用ゴム組成物により構成されたトレッドを有するタイヤとすることが好ましい。
<タイヤの製造>
本実施形態のタイヤは、前記タイヤ用ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造できる。すなわち、タイヤ用ゴム組成物を未加硫の段階でタイヤのトレッドなどのタイヤ部材の形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成形機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することで本実施形態のタイヤを製造することができる。加硫温度は、タイヤ工業において一般的な加硫温度であれば特に限定されず、例えば120℃以上200℃以下であり、140℃以上が好ましく、180℃以下が好ましい。
<タイヤ>
本実施形態のタイヤは、空気入りタイヤ、非空気入りタイヤを問わないが、空気入りタイヤであることが好ましい。また、空気入りタイヤとしては、乗用車用タイヤ、トラック・バス用タイヤ、二輪車用タイヤ、競技用タイヤなどの高性能タイヤ、ランフラットタイヤなど各種タイヤに用いることができる。
<その他>
本明細書において、数値範囲を「10~100」と表現した場合、当該数値範囲は、特に断り書きの無い限り、その両端の値も含む意味である。
本実施形態を実施例に基づいて説明するが、本実施形態は、実施例にのみ限定されるものではない。
以下に実施例および比較例において用いる各種薬品をまとめて示す。
天然ゴム(NR):TSR20
スチレンブタジエンゴム(SBR):旭化成(株)のアサプレンE15
ブタジエンゴム(BR):宇部興産(株)製のBR150B
シリカ:エボニック社製のウルトラシルVN3(N2SA(BET):175m2/g)
シランカップリング剤(カップリング剤)1:エボニック社製のSi75(ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
シランカップリング剤(カップリング剤)2:モメンティブ社製のNXT-Z45(結合単位I(55モル%)と結合単位II(45モル%)の共重合体)
樹脂:アリゾナケミカル社製のSYLVATRAXX4401
オイル:出光興産(株)製のダイアナプロセスオイル PA32
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン)
ワックス:日本精蝋(株)製のオゾエース0355
ステアリン酸
酸化亜鉛
硫黄
加硫促進剤1:N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)
加硫促進剤2:1,3-ジフェニルグアニジン(DPG)
アミノグアニジン弱酸塩1(AG弱酸塩1):アミノグアニジンリン酸塩
アミノグアニジン弱酸塩2(AG弱酸塩2):重炭酸アミノグアニジン
実施例1~2および比較例1~4
表1に示す配合内容のうち、各種薬品(硫黄ならびに加硫促進剤1および2を除く)を、バンバリーミキサーにて混練りし、混練り物を得る。次に、オープンロールを用いて、得られた混練り物に硫黄ならびに加硫促進剤1および2を添加して混練りし、未加硫ゴム組成物を得る。
前記未加硫ゴム組成物を所望の形状に成形し、170℃の条件下でプレス加硫することにより、加硫ゴム組成物を製造する。加硫時間は、下記で求める170℃の加硫特性t90の2倍の時間とする。
前記未加硫ゴム組成物をトレッドの形状の口金を備えた押し出し機で押し出し成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを形成し、170℃の条件下でプレス加硫することにより、試験用タイヤ(サイズ:195/65R15)を製造する。
<成形加工性>
未加硫ゴム組成物について、JIS K 6300に記載されている振動式加硫試験機(キュラストメーター)を用い、測定温度130℃で加硫試験を行って、時間とトルクとをプロットした加硫速度曲線を得る。加硫速度曲線のトルクの最小値をML、最大値をMH、その差(MH-ML)をMEとしたとき、ML+0.1MEに到達する時間t10(スコーチタイム)(分)を読み取る。基準比較例のスコーチタイムを100として下記計算式により指数表示する。数値が大きい程、スコーチタイムが長く、成形加工性に優れることを示す。
(成形加工性指数)=
{(各配合のスコーチタイム)/(基準比較例のスコーチタイム)}×100
<加硫速度>
未加硫ゴム組成物について、粘弾性測定装置(アルファテクノロジーズ社製、商品名:RPA2000)を用いて、170℃の加硫特性t90を求め、加硫時間とする。基準比較例の加硫時間を100として下記計算式により指数表示する。数値が大きい程、加硫時間が短いことを示す。
(加硫速度指数)={(基準比較例の加硫時間)/(各配合の加硫時間)}×100
<破壊強度>
加硫ゴム組成物からなる6号ダンベル型試験片を用いて、JIS K 6251:2010「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-引張特性の求め方」に準じて、25℃雰囲気下にて引張試験を実施し、破断強度TB(MPa)、破断時伸びEB(%)を測定する。そして、TB×EB/2(MPa%)の値を算出する。算出した値は、下記計算式により、基準比較例を100とする指数に変換する。数値が大きい程、破壊強度に優れることを示す。
(破壊強度指数)={(各配合の値)/(基準比較例の値)}×100
<低燃費性>
加硫ゴム組成物について、粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度50℃、初期歪み10%、動歪み2%、周波数10Hzの条件下で各配合の損失正接(tanδ50℃)を測定し、基準比較例の低燃費性指数を100とし、下記計算式により、各配合の低燃費性を指数表示する。数値が大きい程、転がり抵抗が小さく、低燃費性に優れることを示す。
(低燃費性指数)=
{(基準比較例のtanδ50℃)/(各配合のtanδ50℃)}×100
表1の配合内容に基づいて上記各試験を行うことで各指数またはそれに近い値が得られる。
Figure 0007225537000005
本実施形態において、成形加工性指数の目標値は、いずれも、100以下でないことである。また、壊強度指数および低燃費性指数は、100を超え、大きければ大きいほど望ましい。

Claims (8)

  1. イソプレン系ゴム、ブタジエンゴムおよびスチレンブタジエンゴムからなる群から選択される少なくとも一つからなるゴム成分と、
    シリカと、
    下記式(1)で示される結合単位Iと下記式(2)で示される結合単位IIとを含む化合物と、
    アミノグアニジン弱酸塩と
    を含んでなるタイヤ用ゴム組成物であって、
    ゴム成分100質量部に対し可塑剤10質量部以上をさらに含み、該可塑剤のうち樹脂の含有量が1~60質量部である、タイヤ用ゴム組成物。
    Figure 0007225537000006
    Figure 0007225537000007
    (式中、R1は水素、ハロゲン、分岐もしくは非分岐の炭素数1~30のアルキル基、分岐もしくは非分岐の炭素数2~30のアルケニル基、分岐もしくは非分岐の炭素数2~30のアルキニル基、または該アルキル基の末端の水素が水酸基もしくはカルボキシル基で置換されたものを示す。R2は分岐もしくは非分岐の炭素数1~30のアルキレン基、分岐もしくは非分岐の炭素数2~30のアルケニレン基、または分岐もしくは非分岐の炭素数2~30のアルキニレン基を示す。R1とR2とで環構造を形成してもよい。)
    〔但し、下記(イ)、(ロ)、(ハ)および(ニ)のゴム組成物を除く:
    (イ)下記式(1)で示される化合物を含有するゴム組成物、
    Figure 0007225537000008
    (nは1又は2である。)
    (ロ)リン酸亜鉛を含有するゴム組成物、
    (ハ)ジエン系ゴム成分100質量部に対して、ステアリン酸、飽和脂肪酸金属塩、ならびに、脂肪酸金属塩、脂肪酸アミドおよびアミドエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する離型剤、からなる群から選ばれる少なくとも1種を2.5~8.0質量部含有するゴム組成物、
    (ニ)共役ジエン化合物由来の構造単位及びケイ素含有ビニル化合物由来の構造単位を有し、かつ開始末端が下記式(I)で表される重合開始剤、停止末端が窒素原子及び/又はケイ素原子を含有する化合物によりそれぞれ変性された共役ジエン系重合体を含み、
    前記ケイ素含有ビニル化合物が、下記式(II)で表される化合物であるゴム組成物。
    Figure 0007225537000009
    (式(I)中、iは0又は1であり、R 11 は炭素原子数7~80のヒドロカルビレン基を表し、R 12 及びR 13 は、ヒドロカルビル基を表すか、R 12 とR 13 とが結合してヒドロカルビレン基を表し、Mはアルカリ金属原子を表す。)
    Figure 0007225537000010
    (式(II)中、mは0であり、X 1 、X 2 及びX 3 は、下記式(IIa)で表される基、又はヒドロカルビル基を表し、X 1 、X 2 及びX 3 の少なくとも1つが下記式(IIa)で表される基である。)
    Figure 0007225537000011
    (式(IIa)中、R 22 及びR 23 は、アルキル基である。)〕
  2. アミノグアニジン弱酸塩が、重炭酸アミノグアニジンである、請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. アミノグアニジン弱酸塩の含有量が、ゴム成分100質量部に対し、0.01~10質量部である、請求項1または2記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. 可塑剤の含有量が30質量部以上であり、該可塑剤のうち樹脂の含有量が5質量部以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  5. ゴム成分が、スチレンブタジエンゴムを50質量%以上含むゴム成分である、請求項1~4のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  6. シリカの含有量が、ゴム成分100質量部に対し、80質量部以上である、請求項1~5のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  7. 請求項1~6のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物から構成されたタイヤ部材を有するタイヤ。
  8. タイヤ部材がトレッドである請求項7記載のタイヤ。
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