JPWO2015170413A1 - 燃料電池システム及び燃料電池システムの制御方法 - Google Patents
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Abstract
燃料電池にアノードガス及びカソードガスを供給すると共に前記燃料電池を負荷に応じて発電させる燃料電池システムは、アノードガスを燃料電池に供給する供給通路と、供給通路に設けられ、アノードガスの圧力を調整する調圧弁とを含む。そして燃料電池システムは、燃料電池からアノードガスを排出する排出通路と、調圧弁から供給されるアノードガスによって、排出通路に排出されるアノードガスを吸引してそのアノードガスを燃料電池に循環させるエゼクタとを含む。さらに燃料電池システムは、エゼクタに供給されるアノードガスの圧力を脈動させる制御部を含む燃料電池システム。
Description
この発明は、燃料電池にアノードガス及びカソードガスを供給する燃料電池システム及び燃料電池システムの制御方法に関する。
燃料電池システムのひとつとして、アノードガスを燃料電池に供給する供給通路にエゼクタが設けられ、燃料電池で消費されなかった余剰のアノードガスを、エゼクタによって吸引して燃料電池に供給する循環系の燃料電池システムがある。
JP2008−190336Aには、エゼクタの上流側にインジェクタが設けられ、インジェクタから噴射した噴射流量とエゼクタで吸引した吸引流量とを加算した供給流量が負荷からの要求電力を満たす流量となるように、インジェクタの噴射タイミングを制御する技術が開示されている。
しかしながら、上述の技術では、インジェクタを用いてエゼクタから吐出される流量を制御していることから、発電に必要な流量は確保されるものの、エゼクタによって燃料電池へ循環される余剰のアノードガスが不足する可能性がある。
本発明は、このような問題点に着目してなされたものであり、エゼクタによって燃料電池へ循環させるアノードガスの循環流量を確保する燃料電池システム及び燃料電池システムの制御方法を提供することを目的とする。
本発明のある態様によれば、燃料電池システムは、燃料電池にアノードガス及びカソードガスを供給すると共に前記燃料電池を負荷に応じて発電させる。燃料電池システムは、アノードガスを前記燃料電池に供給する供給通路と、前記供給通路に設けられ、前記燃料電池に供給されるアノードガスの圧力を調整する調圧弁と、前記燃料電池からアノードガスを排出する排出通路とを含む。燃料電池システムは、前記供給通路に設けられ、前記調圧弁から供給されるアノードガスによって、前記排出通路に排出されるアノードガスを吸引して当該アノードガスを前記燃料電池に循環させるエゼクタを含む。そして燃料電池システムは、前記エゼクタに供給されるアノードガスの圧力を脈動させる制御部を含む燃料電池システム。
以下に、図面等を参照して本発明の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
まず、本発明の第1実施形態における燃料電池システムに用いられる燃料電池スタックについて説明する。
まず、本発明の第1実施形態における燃料電池システムに用いられる燃料電池スタックについて説明する。
燃料電池スタックは、複数枚の燃料電池を積層したものであり、本実施形態では、車両を駆動する電動モータに電力を供給する電源として用いられる。
燃料電池は、アノード電極(いわゆる燃料極)と、カソード電極(いわゆる酸化剤極)と、これらの電極に挟まれた電解質膜と、を備える。
燃料電池は、アノード電極に供給される水素を含有するアノードガス(いわゆる燃料ガス)と、カソード電極に供給される酸素を含有するカソードガス(いわゆる酸化剤ガス)とが電気化学反応を起こして発電する。燃料電池の電気化学反応(発電反応)は、アノード電極及びカソード電極において、以下のとおり進行する。
アノード電極: 2H2 → 4H++4e− ・・・(1)
カソード電極: 4H++4e−+O2 → 2H2O ・・・(2)
カソード電極: 4H++4e−+O2 → 2H2O ・・・(2)
図1は、本実施形態における燃料電池スタック110の一例を示す斜視図である。
燃料電池スタック110は、複数の単セル1と、一対の集電板2a及び2bと、一対の絶縁板3a及び3bと、一対のエンドプレート4a及び4bと、不図示の4本のテンションロッドに螺合するナット5と、を有する。
単セル1は、固体高分子型の燃料電池である。単セル1は、1ボルト程度の起電圧を生じる。単セル1の構造については図2を参照して後述する。
一対の集電板2a及び2bは、積層された複数の単セル1の外側にそれぞれ配置される。集電板2a及び2bは、ガス不透過性の導電性部材によって形成される。ガス不透過性の導電部材は、例えば緻密質カーボンである。集電板2a及び2bは、上辺の一部に出力端子6を備える。燃料電池スタック110では、単セル1ごとに生じた電子e−が出力端子6から取り出される。
一対の絶縁板3a及び3bは、集電板2a及び2bの外側にそれぞれ配置される。絶縁板3a及び3bは、絶縁性の部材、例えばゴムによって形成される。
一対のエンドプレート4a及び4bは、絶縁板3a及び3bの外側にそれぞれ配置される。エンドプレート4a及び4bは、剛性を備える金属性の材料、例えば鋼によって形成される。
一対のエンドプレート4a及び4bのうち一方のエンドプレート4aには、冷却水入口孔41a及び冷却水出口孔41bと、アノードガス入口孔42a及びアノードガス出口孔42bと、カソードガス入口孔43a及びカソードガス出口孔43bとが形成される。なお、冷却水入口孔41a、アノードガス出口孔42b及びカソードガス入口孔43aは、エンドプレート4aの一端側(図中右側)に形成され、冷却水出口孔41b、アノードガス入口孔42a及びカソードガス出口孔43bは、他端側(図中左側)に形成される。
ここで、アノードガス入口孔42aに水素を供給する方法としては、例えば水素ガスを水素貯蔵装置から直接供給する方法、又は、水素を含有する燃料を改質して改質した水素含有ガスを供給する方法がある。なお、水素貯蔵装置としては、高圧ガスタンクや、液化水素タンク、水素吸蔵合金タンク等がある。燃料ガスとしては、天然ガス、メタノール、ガソリン等が考えられる。また酸化剤ガスとしては、一般的に空気が使用される。
ナット5は、燃料電池スタック110の内部を貫通する4本のテンションロッドの両端部に形成された雄ねじ部に螺合する。テンションロッドにナット5を螺合締結することで、燃料電池スタック110が積層方向に締め付けられる。テンションロッドは、剛性を備えた金属材料、例えば鋼によって形成される。テンションロッドの表面には、単セル1同士が電気的に短絡することを防止するために、絶縁処理が施される。
図2は、図1のII-II線に沿う方向から見た単セル1の断面を示す図である。
単セル1は、膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly:以下「MEA」という。)11を、アノードセパレータ20とカソードセパレータ30とで挟持して構成される。
MEA11は、電解質膜11aとアノード電極11bとカソード電極11cとを有する。MEA11は、電解質膜11aの一方の面にアノード電極11bを有し、他方の面にカソード電極11cを有する。
電解質膜11aは、フッ素系樹脂により形成されたプロトン伝導性のイオン交換膜である。電解質膜11aは、水を含んだ湿った状態で良好な電気伝導性を示す。
アノード電極11b及びカソード電極11cは、ガス拡散層、撥水層、及び触媒層から構成される。ガス拡散層は、充分なガス拡散性および導電性を有する部材、例えば、炭素繊維からなる糸で織成したカーボンクロスによって形成される。撥水層は、ポリエチレンフルオロエチレンと炭素材とを含む層である。触媒層は、白金が担持されたカーボンブラック粒子によって形成される。
アノードセパレータ20は、アノード電極11bと接する。アノードセパレータ20は、アノード電極11bと接する側に、アノード電極11bにアノードガスを供給するためのアノードガス流路24を有する。そして、アノード電極11bと直接接する面(後述する流路リブ25の頂面)25aの反対面に、燃料電池スタック110を冷却する冷却水が流れる冷却水流路26を有する。
カソードセパレータ30も同様に、カソード電極11cと接する側に、カソード電極11cにカソードガスを供給するためのカソードガス流路34を有し、カソード電極11cと接する面(後述する流路リブ35の頂面)35aの反対面に冷却水流路36を有する。アノードセパレータ20及びカソードセパレータ30は、金属又はカーボンである。
なお、アノードセパレータ20の冷却水流路26とカソードセパレータ30の冷却水流路36とは互いに向き合うように形成されて、1つの冷却水流路51が形成される。
また、アノードガス流路24を流れるアノードガスと、カソードガス流路34を流れるカソードガスとは、MEA11を介して互いに逆向きに流れる。本実施形態では、アノードガス流路24を流れるアノードガスは紙面奥から手前へ流れ、カソードガス流路34を流れるカソードガスは紙面手前から奥へ流れる。
図3Aは、アノードセパレータ20をアノード電極側から見た平面図である。
アノードセパレータ20の一端(図中左側)には、上から順に、カソードガス出口孔43b、冷却水出口孔41b、アノードガス入口孔42aが形成される。一方、アノードセパレータ20の他端(図中右側)には、上から順に、アノードガス出口孔42b、冷却水入口孔41a、カソードガス入口孔43aが形成される。
また、アノードセパレータ20の表面には、アノードガス拡散部21と、複数の溝状のアノードガス流路24と、アノードガス合流部27とが形成される。
アノードガス流路24は、ガス流路底面24aからアノード電極側へ突出してアノード電極と接する複数の流路リブ25の間に形成される流路である。なお、流路リブ25の背面が、前述した冷却水流路26となっている。流路リブ25の側面25bはテーパ状となっており、流路リブ頂面25aからガス流路底面24aへ向けて一定の角度で傾斜している。これにより、アノードガス流路24を流れるガスの余分な乱流が抑制されるので、圧力損失が低減される。
アノードガス拡散部21は、アノードガス入口孔42aとアノードガス流路24との間に形成される。アノードガス拡散部21には、アノードガスを各アノードガス流路24へ均等に分配するために、アノードガス拡散部底面21aからアノード電極へ突出してアノード電極と接する複数の突起状の拡散リブ222が格子状に形成される。
アノードガス合流部27は、アノードガス流路24とアノードガス出口孔42bとの間に形成される。アノードガス合流部27は、アノードガス流路24からアノードガス出口孔42bへ向かって幅が狭くなっていくガス流路である。
アノードガス合流部27には、アノードガス合流部底面27aからアノード電極へ突出してアノード電極と接する複数の合流リブ28が形成される。アノードガス合流部27は、この合流リブ28によって複数の領域(ガス合流流路)29に区分けされる。
合流リブ28は、ガス流路終端24cからアノードガス出口孔42bへ向かって形成される。合流リブ28は、アノードガス出口孔42bへ行くほどガス合流流路29の幅が狭くなるように形成される。合流リブ28は、アノードガス流路24から各ガス合流流路29に流れ込むガス流量が略同一となるように形成される。合流リブ28の本数は、流路リブ25の本数よりも少ない。なお、隣接するガス合流流路29の流路幅がアノードガス流路24の流路幅と略同一になるまで、一部の流路リブ25の終端が延長されている。
図3Bは、カソードセパレータ30をカソード電極11c側から見た平面図である。
カソードセパレータ30は、アノードセパレータ20と同様の構成である。カソードセパレータ30は、カソードガス拡散部31と、カソードガス流路34と、流路リブ35と、カソードガス合流部37とを有する。
カソードガス拡散部31には拡散リブ322が設けられる。カソードガス合流部37には、合流リブ38が設けられ、ガス合流流路39が形成される。
カソードセパレータ30は、MEA11を介してアノードセパレータ20と対向しているため、カソードセパレータ30の一端側(図3Bの左側)は、アノードセパレータ20の他端側(図3Aの右側)となる。そして、カソードセパレータ30の他端側(図3Bの右側)が、アノードセパレータ20の一端側(図3Aの左側)となる。
したがって、カソードセパレータ30の一端側(図3Bの左側)には、アノードセパレータ20の他端側に形成される3つの孔と同じアノードガス出口孔42b、冷却水入口孔41a、カソードガス入口孔43aが形成される。そして、カソードセパレータ30の他端側(図3Bの右側)にも、アノードセパレータ20の一端側に形成される3つの孔と同じカソードガス出口孔43b、冷却水出口孔41b、アノードガス入口孔42aが形成される。
図4は、本発明の第1実施形態における燃料電池システム100の構成を示す概略図である。
燃料電池システム100は、燃料電池スタック110にアノードガス及びカソードガスを供給すると共に、負荷に応じて燃料電池スタック110を発電させる。
燃料電池システム100は、アノードガス循環系の燃料電池システムである。燃料電池システム100は、燃料電池スタック110と、アノードガス給排装置200と、コントローラ400と、を備える。なお、図1に示した燃料電池スタック110のカソードガス入口孔43aにカソードガスを供給するカソードガス供給装置、及び燃料電池スタック110の入口孔41aに冷却水を供給する冷却装置については、本実施形態の主要部分ではないので、便宜上、図示を省略している。
燃料電池スタック110は、アノードガス及びカソードガスの供給を受けると共に、燃料電池スタック110に接続された負荷に応じて発電する。負荷は、例えば車両に搭載された電動モータや、燃料電池スタック110の発電を補助する補機等である。補機としては、例えば燃料電池スタック110にカソードガスを供給するコンプレッサなどが挙げられる。
燃料電池スタック110では、積層された複数枚の単セル1が互いに直列に接続されていることから、単セル1ごとに生じるセル電圧の総和が、負荷に対する出力電圧となる。
アノードガス給排装置200は、高圧タンク210と、アノードガス供給通路220と、アノード調圧弁230と、エゼクタ240と、アノードガス排出通路250と、バッファタンク260と、循環通路270と、パージ通路280と、パージ弁290とを備える。さらにアノードガス給排装置200は、第1圧力センサ410と第2圧力センサ420とを備える。
高圧タンク210は、燃料電池スタック110に供給されるアノードガスを高圧状態に保って貯蔵する。
アノードガス供給通路220は、高圧タンク210から流れ出るアノードガスを燃料電池スタック110に供給するために用いられる通路である。アノードガス供給通路220の一端部は高圧タンク210に接続され、他端部が、図1に示した燃料電池スタック110のアノードガス入口孔42aに接続される。
アノード調圧弁230は、アノードガス供給通路220に設けられる。アノード調圧弁230は、高圧タンク210から押し出されるアノードガスを所望の圧力に調節して燃料電池スタック110に供給する。
アノード調圧弁230は、連続的又は段階的に弁の開度を調節可能な電磁弁である。アノード調圧弁230の開度は、コントローラ400によって制御される。アノード調圧弁230の開度が大きくなるほど、アノード調圧弁230が開いて燃料電池スタック110に供給されるアノードガスの圧力P2が上昇する。
第1圧力センサ410は、アノード調圧弁230とエゼクタ240との間のアノードガス供給通路220に設けられる。第1圧力センサ410は、アノード調圧弁230からエゼクタ240に供給されるアノードガスの供給圧力P1を検出する。供給圧力P1を示す検出信号は、第1圧力センサ410からコントローラ400に出力される。
エゼクタ240は、アノード調圧弁230よりも下流のアノードガス供給通路220に対して循環通路270が合流する部分に設けられる。エゼクタ240は、アノード調圧弁230から供給されるアノードガスの供給流量を燃料電池スタック110に供給しつつ、循環通路270からアノードガスを吸引してアノードガスを燃料電池スタック110に循環させる機械式のポンプである。エゼクタ240の詳細については、図5A及び図5Bを参照して後述する。
第2圧力センサ420は、エゼクタ240よりも下流であって燃料電池スタック110の近傍にあるアノードガス供給通路220に設けられる。第2圧力センサ420は、燃料電池スタック110に供給されるアノードガスの圧力P2を検出する。圧力P2を示す検出信号は、第2圧力センサ420からコントローラ400に出力される。圧力P2は、図3Aに示したアノードガス流路24の圧力として用いられる。
アノードガス排出通路250は、図1に示した燃料電池スタック110のアノードガス出口孔42bからアノードガスを排出する通路である。アノードガス排出通路250には、燃料電池スタック110からアノードオフガスが排出される。
アノードオフガスとは、燃料電池スタック110の発電反応に使用されなかった余剰のアノードガスと不純物ガスとの混合ガスのことである。また不純物ガスとは、カソードガス流路34からMEA11を介してアノードガス流路24にクロスリーク(透過)してきた水蒸気や窒素ガスなどの不活性ガスのことである。
バッファタンク260は、燃料電池スタック110からアノードガス排出通路250を通って流れてきたアノードオフガスを一時的に蓄える。アノードオフガス中の水蒸気の一部はバッファタンク260内で凝縮して液水となり、アノードオフガスから分離される。
パージ通路280は、バッファタンク260に蓄積された窒素ガスを含むアノードオフガスと液水を排出する通路である。パージ通路280の一端部はバッファタンク260の下流側に接続され、他端部は開口している。
パージ弁290は、パージ通路280に設けられる。パージ弁290は、バッファタンク260に溜められたアノードオフガスと液水とを、パージ通路280を介して外部へ排出する。パージ弁290は、連続的又は段階的に弁の開度を調節可能な電磁弁である。パージ弁290の開度は、コントローラ400によって制御される。パージ弁290の開度は、アノードオフガス中の水素濃度が規定値以下となるように調節される。
循環通路270は、バッファタンク260から流れ出るアノードオフガスをアノードガス供給通路220に合流させる通路である。循環通路270の一端部はバッファタンク260に接続され、他端部はエゼクタ240の吸引口に接続される。
コントローラ400は、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、及び、入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。
コントローラ400には、前述した第1圧力センサ410及び第2圧力センサ420の他にも、燃料電池システム100の運転状態や、燃料電池スタック110に接続される負荷の作動状態などを検出する各種センサの信号等が入力される。
各種センサとしては、アクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセルストロークセンサ510や、燃料電池の湿潤状態と相関のある燃料電池スタック110の内部抵抗を測定する内部抵抗測定装置520がある。その他に、燃料電池スタック110を冷却する冷却水の温度を検出する温度センサなどがある。
コントローラ400は、上述の各種センサ等から入力される信号や、燃料電池システム100の部品への指令信号などに基づいて、燃料電池スタック110の運転状態を制御する。
例えば、コントローラ400は、アクセルストロークセンサ510から出力される踏み込み量に基づいて、電動モータから燃料電池スタック110に要求される要求電力、すなわち要求負荷を算出する。
そしてコントローラ400は、その要求負荷が大きくなるほど、燃料電池スタック110に供給されるカソードガスの流量を大きくする。これと共にコントローラ400は、要求負荷が大きくなるほど、アノード調圧弁230の開度を大きくして燃料電池スタック110に供給されるアノードガスの圧力を高くする。
また、コントローラ400は、燃料電池スタック110の温度状態や、湿潤状態、内部の圧力状態、水蒸気の分圧状態、排出水素の希釈状態などに応じて、カソードガス圧力及び流量の制御や、アノードガス圧力の制御を制限する。
図5Aは、本実施形態におけるエゼクタ240の詳細構成を示す断面図である。
エゼクタ240は、ノズル241及びディフューザ242により構成される。
ノズル241は、アノード調圧弁230から供給口240Aに供給されたアノードガスの流速を加速してディフューザ242に噴射する。ノズル241に供給されるアノードガスの供給流量は、要求負荷に基づいて算出され、燃料電池スタック110によって発電に伴い消費されるアノードガス量に相当する。
ノズル241は円筒状に形成される。ノズル241の先端部には、供給口240Aよりも狭い開口が形成される。これにより、供給口240Aに供給されたアノードガスの流速が先端部で速くなるので、先端部でアノードガスがディフューザ242へ噴射される。
ディフューザ242は、アノードオフガスを燃料電池スタック110に循環させるために、ノズル241から噴射されたアノードガスの流速によって、循環通路270からアノードオフガスを吸引する。そしてディフューザ242は、吸引したアノードオフガスの循環流量と、ノズル241から噴射されたアノードガスの供給流量とを合わせたアノードガス総流量を、吐出口240Cから燃料電池スタック110へ吐出する。
ディフューザ242は、ノズル241と同軸上に合流通路が形成される。合流通路の開口は、吐出口240Cに近づくにつれて広く形成される。ディフューザ242には、吸引口240Bからノズル241の先端部分まで延びる円筒状の吸引室が形成され、吸引室と合流通路とが連通している。
図5Bは、アノード調圧弁230によって調整されるアノードガス圧力に応じて、エゼクタ240に供給されるアノードガス供給流量の特性248を示す図である。
ここでは、横軸が、アノード調圧弁230からノズル241に供給されるアノードガスの供給圧力を示し、縦軸が、ノズル241に供給されるアノードガスの供給流量を標準状態でのアノードガス流量(NL/min)に換算した値を示す。
図5Bに示すように、ノズル241に供給されるアノードガスの供給流量は、ノズル241に供給されるアノードガスの供給圧力に比例する。
このため、負荷から要求される要求電力が増加するほど、アノード調圧弁230から供給されるアノードガスの供給圧力が大きくなるので、ノズル241に供給されるアノードガスの供給流量は増加する。これにより、ディフューザ242によって吸引されるアノードオフガスの循環流量が増加する。
このように、エゼクタ240を用いて、燃料電池スタック110から排出されるアノードオフガスを吸引して燃料電池スタック110に循環させることにより、余剰のアノードガスを再利用することが可能になる。
一方、負荷からの要求電力が小さくなると、ノズル241へのアノードガスの供給流量が少なくなるため、ディフューザ242で吸引されるアノードオフガスの吸引量が減少し、燃料電池スタック110にアノードオフガスが循環されなくなる。
この対策として本実施形態では、燃料電池スタック110から排出されるアノードオフガスがエゼクタ240によって十分に循環されるように、エゼクタ240に供給されるアノードガスの圧力を脈動させる。
これに加え、本実施形態ではアノードオフガスに含まれている水蒸気を利用して燃料電池スタック110を加湿する。
具体的には、エゼクタ240によって、図3Aに示したアノードガス流路24にアノードオフガスが十分に循環させることで、アノードガス流路24の湿度が全体的に上昇すると共に、乾燥したカソードガスが流れる上流側のカソードガス流路34の湿度との差が大きくなる。この相対的な湿度の差がドライビングフォースとなり、アノードガス流路24内の水蒸気が、MEA11を介してカソードガス流路34内へ拡散し、MEA11の電解質膜11aが加湿される。これにより、電解質膜11aにおいて効率よく発電が行われることになる。
図6は、アノードガス圧力を脈動させるために定められた脈動制御マップの一例を示す観念図である。脈動制御マップは、コントローラ400に予め記録される。
図6には、エゼクタ240から燃料電池スタック110に供給されるアノードガス圧力P2の目標値が実線により示されている。また参考として、アノード調圧弁230からエゼクタ240に供給されるアノードガス供給圧力P1の最大値が破線により示されている。
ここでは、横軸が燃料電池スタック110に対する要求負荷Lreqを示し、縦軸がアノードガスの目標圧力Ptを示す。要求負荷Lreqは、電動モータから燃料電池スタック110に要求される要求電力に基づいて算出される。
切替点Lswは、燃料電池スタック110に供給されるアノードガスの圧力P2を脈動させる脈動圧供給と、燃料電池スタック110に供給されるアノードガスの圧力P2を一定にする定圧供給と、を切り替える閾値である。
要求負荷Lreqが切替点Lswよりも高い高負荷領域では、目標圧力Ptとして、要求負荷ごとにひとつのアノードガスの目標圧力Ptが設定されている。これにより、アノードガスの圧力が一定となるようにアノード調圧弁230を制御する定圧制御が実行される。
高負荷領域では、アノードガス圧力P2は要求負荷Lreqに比例して大きくなる。このため、要求負荷Lreqが大きくなるほど、アノードガス圧力P2は高くなる。
この理由は、要求負荷Lreqが大きくなるほど燃料電池スタック110に供給されるカソードガス圧力が高くなるため、燃料電池スタック内のカソードガス圧力とアノードガス圧力との極間差圧が大きくなり過ぎMEA11が損傷するのを防止するためである。したがって、要求負荷Lreqが大きくなるほど、カソードガス圧力が上昇することに伴いアノードガス圧力P2が大きくなるように定められている。
要求負荷Lreqが切替点Lswよりも低い低負荷領域では、目標圧力Ptとして、脈動上限圧力P2_up及び脈動下限圧力P2_dnの2つの目標圧力Ptが定められている。これにより、アノードガスの圧力が脈動するようにアノード調圧弁230を制御する脈動圧制御が実行される。
脈動上限圧力P2_upは、アノードガスの圧力を脈動させるために定められる上限圧力の目標値である。
脈動上限圧力P2_upは、ほぼ一定の値であり、要求負荷Lreqが大きくなるほど、燃料電池スタック110でのアノードガスの消費量が大きくなるので、脈動上限圧力P2_upが徐々に大きくなる。脈動上限圧力P2_upは、エゼクタ240によって循環されるアノードオフガスの循環流量を十分に確保できるアノードガス圧力に定められる。本実施形態では、脈動上限圧力P2_upは、アノードオフガスの循環流量が燃料電池の加湿に必要な流量となるように設定される。
脈動上限圧力P2_upは、例えば、ノズル241に供給されるアノードガスの供給流量に対するアノードオフガスの循環流量の流量比が30%(パーセント)となるように設定される。すなわち、燃料電池スタック110で消費されるアノードガスの流量に対してアノードオフガスの循環流量が30%となるように脈動上限圧力P2_upが設定される。なお、流量比は、アノードオフガスの循環流量をアノードガスの供給流量で除算して求められる。
脈動下限圧力P2_dnは、アノードガスの圧力を脈動させるために定められた下限圧力の目標値である。
要求負荷Lreqがゼロ(0)から負荷Lhまでの水生成範囲においては、脈動下限圧力P2_dnがほぼ一定の値であり、要求負荷Lreqが大きくなるほど、脈動下限圧力P2_dnが僅かに大きくなる。
脈動下限圧力P2_dnは、燃料電池スタック110の加湿に必要な水蒸気量をアノードオフガスに含有させるのに最低限必要となるアノードガス圧力に定められる。
なお、燃料電池スタック110の温度が高くなるほど、飽和水蒸気量が高くなり、アノードオフガスに含まれる水蒸気量が増加する。このため、コントローラ400は、水生成範囲において、燃料電池スタック110の温度や、燃料電池スタック110の冷却水温度が高くなるほど、脈動下限圧力P2_dnを高くしてもよい。
要求負荷Lreqが負荷Lhから切替点Lswまでの脈動幅抑制範囲においては、要求負荷Lreqが大きくなるほど、脈動下限圧力P2_dnが大きくなるように定められている。この理由は、要求負荷Lreqが大きくなるほど、燃料電池スタック110に供給されるアノードガスの流量を増やす必要があるためである。
図6では、アノードガスの目標圧力Ptが要求負荷Lreqに応じて設定される脈動制御マップについて説明したが、要求負荷Lreqの代わりに要求負荷Lreqと相関のあるパラメータを用いてもよい。要求負荷Lreqと相関のあるパラメータとしては、例えば、要求負荷Lreqに基づいて算出されるアノードガスの供給流量(要求流量)が挙げられる。
図7は、脈動制御マップの切替点Lswを決定する手法を説明する図である。
図7には、エゼクタ240に対するアノードガスの供給流量に応じてエゼクタ240から燃料電池スタック110に循環されるアノードオフガスの循環流量の特性249が示されている。ここでは、横軸が、エゼクタ240に供給されるアノードガスの供給流量を示し、縦軸が、エゼクタ240から吐出されるアノードオフガスの循環流量を示す。
エゼクタ240の特性249では、アノードガスの供給流量が少なくなるほどアノードオフガスの循環流量が少なくなる。そしてアノードガスの供給流量が循環限界流量Qlimまで低下すると、アノードオフガスの循環流量がゼロになり、エゼクタ240からアノードオフガスが燃料電池スタック110に循環されなくなる。
加湿流量Qhは、アノードオフガスを循環させたときに燃料電池の加湿に最低限必要な水蒸気量が燃料電池スタック110に供給されるように定められた循環流量である。加湿流量Qhは、例えば、アノードオフガスの循環流量がアノードガスの供給流量に対して30%となる値に設定される。
そして、脈動切替流量Qswは、アノードオフガスの循環流量が加湿流量Qhとなるように設定される。アノードガスの供給流量が脈動切替流量Qswになるときの要求負荷Lreqを求めることにより、図6に示した切替点Lswが決定される。
次に、アノードガスの圧力を脈動させる脈動制御について図8及び図9を参照して説明する。
図8は、要求負荷に基づいて、アノード調圧弁230からエゼクタ240に供給されるアノードガスの供給流量を示す図である。
図8(A)は、高負荷時において、アノード調圧弁230からエゼクタ240に供給されるアノードガスの供給流量を示す図である。ここでは、アノードガスの要求流量が循環限界流量Qlimよりも大きいので、アノード調圧弁230によってアノードガス供給流量が一定となるようにアノードガスを供給する定圧供給が行われる。なお、アノードガスの要求流量は、要求負荷Lreqに基づいて算出される。
図8(B)は、中負荷時において、アノード調圧弁230からエゼクタ240に供給されるアノードガスの供給流量を示す図である。ここでは、アノードガスの要求流量が脈動切替流量Qswと一致しているので、図8(A)と同じようにアノード調圧弁230によって定圧供給が行われる。
図8(C)は、低負荷時において、アノード調圧弁230からエゼクタ240に供給されるアノードガスの供給流量を示す図である。ここでは、アノードガスの要求流量が循環限界流量Qlimよりも小さいので、アノード調圧弁230によってアノードガスの圧力を脈動させながら燃料電池スタック110にアノードガスを供給する脈動圧供給が行われる。なお、脈動圧供給は、アノード調圧弁230の開閉制御によってパルス的にアノードガスを燃料電池スタック110に供給することから、パルス供給と呼ぶこともできる。
図8(C)に示すように、脈動圧供給では、アノードガス供給流量の平均流量が、燃料電池スタック110の発電に必要な要求流量となるように、アノード調圧弁230を一定の期間だけ開いて燃料電池スタック110にアノードガスをパルス的に供給する。またアノード調圧弁230の開度は、アノードガス供給流量が循環限界流量Qlimよりも大きな流量となる値に設定される。
これにより、燃料電池スタック110に対して発電に必要なアノードガスの流量を供給しつつ、エゼクタ240によってアノードオフガスを燃料電池スタック110に循環させて燃料電池スタック110を加湿することができる。
図9は、切替点Lswよりも要求負荷が低い低負荷領域、及び、切替点Lswよりも要求負荷が高い高負荷領域でのアノードガス圧力の波形を例示する図である。
図9(A)は、低負荷領域において要求負荷が小さいときのアノードガス圧力の脈動波形を示す図である。図9(A)には、アノードガス圧力P2の波形とアノード調圧弁230の開閉状態とが時間軸を共通にして示されている。
時刻t1では、アノード調圧弁230が全開(ON)に設定される。これにより、アノード調圧弁230からエゼクタ240を介して燃料電池スタック110へアノードガスが供給されるので、燃料電池スタック110に供給されるアノードガスの圧力P2が上昇する。
このとき、エゼクタ240によってアノードオフガスを吸引させるために、燃料電池スタック110には発電に必要な流量に比べて余剰にアノードガスが供給される。また、図9(B)に比べて、要求負荷Lreqは小さく、燃料電池スタック110で消費されるアノードガスの消費量は少ないので、アノードガスの圧力P2が上昇する速度は速い。
時刻t2では、アノードガスの圧力P2が脈動上限圧力P2_upまで上昇するので、アノード調圧弁230が全閉(OFF)に設定される。これにより、燃料電池スタック110へのアノードガスの供給が停止される。この状態では、燃料電池スタック110に供給されたアノードガスが発電反応によって消費されるため、燃料電池スタック110内に存在するアノードガスが減少してアノードガス圧力P2が低下する。
燃料電池スタック110には、時刻t1から時刻t2までのアノードガス供給時間において余剰にアノードガスが供給されていることから、時刻t2からの無供給時間Tnpでは、燃料電池スタック110でアノードガスを消費するのに時間を要する。
時刻t3では、アノードガスの圧力P2が脈動下限圧力P2_dnまで低下するので、アノード調圧弁230が再び全開に設定され、アノード調圧弁230から燃料電池スタック110にアノードガスが供給され、アノードガスの圧力P2が上昇する。
このように、図6に示した脈動制御マップを参照して要求負荷Lreqに対応付けられた脈動上限圧力P2_up及び脈動下限圧力P2_dnを交互に切り替えることにより、アノードガスの圧力P2を脈動させる。これにより、エゼクタ240によって、燃料電池の加湿に必要な流量のアノードオフガスを吸引して燃料電池スタック110へ供給することができる。
図9(B)は、低負荷領域において要求負荷が大きいときのアノードガス圧力の脈動波形を示す図である。図9(B)には、図9(A)と同様に、アノードガス圧力P2の波形と、アノード調圧弁230の開閉状態とが時間軸を共通にして示されている。
図9(B)では、要求負荷Lreqが切替点Lswよりも小さいため、図9(A)と同様に、要求負荷Lreqに対応付けられた脈動上限圧力P2_up及び脈動下限圧力P2_dnを交互に切り替えることにより、アノードガスの圧力P2を脈動させる。
要求負荷Lreqは、図9(A)のときの要求負荷に比べて大きいため、図6に示したように脈動下限圧力P2_dnは、図9(A)に示した脈動下限圧力よりも高くなり、脈動幅ΔPは、図9(A)に示した脈動幅ΔPよりも狭くなる。
ここで、要求負荷Lreqが大きくなるほど脈動幅ΔPを小さくできる理由について説明する。
まず、要求負荷Lreqが大きくなるほど、燃料電池スタック110で消費されるアノードガスの消費量が増加するので、アノード調圧弁230を一定時間だけ開いたときの燃料電池スタック110に供給されるアノードガスの余剰量は少なくなる。このため、要求負荷Lreqが大きくなるほど、無供給時間Tnpは短くなる。無供給時間Tnpが短くなることによって、アノードガス圧力P2の低下幅が小さくなるので、脈動幅ΔPは小さくなる。
これと共に、要求負荷Lreqが大きくなるほど、燃料電池スタック110で消費されるアノードガスの消費量の増加に伴い、無供給期間Tnpでのアノードガス圧力P2の低下速度が速くなるので、アノードガス圧力P2を脈動させる脈動周期が短くなる。
このように、アノードオフガスを循環させるために、アノード調圧弁230を一定期間だけ開いてアノードガスをパルス的にエゼクタ240に供給する脈動圧制御では、要求負荷Lreqが大きくなるほど、脈動幅ΔPが小さくなる。本実施形態では、図6に示したように、アノード調圧弁230の開時間が一定となるように脈動上限圧力P2_up及び脈動下限圧力P2_dnが脈動制限マップに設定されている。
図9(C)は、高負荷領域におけるアノードガス圧力の波形を示す図である。図9(C)には、図9(A)及び図9(B)と同様に、アノードガス圧力P2の波形とアノード調圧弁230の開閉状態とが時間軸を共通にして示されている。
図9(C)では、要求負荷Lreqが切替点Lswよりも大きい。ここでは、図6に示したように、要求負荷Lreqに対応付けられた脈動上限圧力Pu及び脈動下限圧力Pdが同一の値に設定されているので、アノードガスの圧力P2が一定の目標圧力となるようにアノード調圧弁230が全開に設定される。これにより、アノードガス圧力の脈動幅ΔPが無くなる。
また、要求負荷Lreqが切替点Lswよりも大きいので、アノード調圧弁230からエゼクタ240に供給される圧力が一定であっても、エゼクタ240によって循環されるアノードオフガスの循環流量が、燃料電池の加湿に必要な流量を満足している。
このように、エゼクタ240によってアノードオフガスを燃料電池スタック110に循環さると共に、燃料電池スタック110に対するアノードガス圧力の脈動を抑えることにより、MEA11の湿潤状態を維持しつつ、MEA11の耐久性が低下するのを抑制することができる。
図10は、アノードガス圧力の脈動幅ΔPと燃料電池の耐久性との関係を示す図である。ここでは、縦軸が、脈動幅ΔPによってMEA11に生じる応力の限界値(限界応力)を示し、横軸が、MEA11に生じる応力の繰り返し回数(脈動回数)Nを対数で示す。
燃料電池スタック110では、MEA11に生じる応力は、アノードガス拡散部21とアノードガス流路24との境界部分やアノードガス流路24の外周部分などに設けられたガスシール部材において、特に大きくなる。仮に、これらの箇所で限界応力を超える応力が生じると、ガスシール部材が破れてアノードガスや生成水などがリークしてしまう。
図10に示すように、脈動回数Nが増えるほど、MEA11の限界応力は低下する。すなわち、脈動回数Nが増えるほど、燃料電池スタック110の耐久性が低下する。
例えば、脈動幅ΔP1でアノードガス圧力を脈動させたときには、MEA11で許容できる脈動回数はN1までとなる。一方、脈動幅ΔP1よりも狭い脈動幅ΔP2でアノードガス圧力を脈動させたときには、MEA11で許容できる脈動回数はN2となる。このため、脈動幅をΔP1からΔP2に抑えることで、脈動回数Nを1桁以上に増やすことが可能となる。
したがって、図6に示したように、要求負荷Lreqが大きくなるほどアノードガス圧力の脈動幅ΔPを狭くすることで、限界応力の低下が抑制されるので、燃料電池スタック110の耐久性の低下を抑制することができる。
次に、本実施形態における燃料電池システム100の動作について図11及び図12を参照して説明する。
図11は、本実施形態の燃料電池システム100を制御する制御方法の一例を示すフローチャートである。
まず、燃料電池システム100の起動スイッチがOFFからONに切り替えられると、コントローラ400は、燃料電池システム100の起動処理を実行する。
そしてステップS901においてコントローラ400は、第2圧力センサ420から出力されるアノードガスの圧力P2を示す検出信号を取得する。
その後、ステップS902においてコントローラ400は、燃料電池スタック110に要求される負荷(発電電力)Lreqを取得する。例えば、要求負荷Lreqは、アクセルストロークセンサ510で検出された踏み込み量に基づいて算出される。
ステップS910においてコントローラ400は、取得された要求負荷Lreqに基づいて、アノードガスの圧力P2を脈動させるために定められた脈動制御を実行する。脈動制御の詳細については、図12を参照して後述する。
その後、ステップS903においてコントローラ400は、燃料電池スタック110の運転が停止されたか否かを判断する。例えば、コントローラ400は、燃料電池システム100の起動スイッチがOFFに切り替えられたことを検出すると、燃料電池スタック110の運転が停止されたと判断する。
そしてコントローラ400は、燃料電池スタック110の運転が停止されていないと判断した場合には、ステップS910に戻り、燃料電池スタック110の運転が停止されるまで、ステップS910の処理を繰り返す。一方、コントローラ400は、燃料電池スタック110の運転が停止されたと判断した場合には、燃料電池システム100の制御方法を終了する。
図12は、コントローラ400で実行されるアノードガス圧力の脈動制御S910についての処理手順例を示すフローチャートである。
ステップS911においてコントローラ400は、ステップS902で要求負荷Lreqが取得されると、図6に示した脈動制御マップを参照し、要求負荷に対応付けられた脈動上限圧力P2_up及び脈動下限圧力P2_dnを求める。
ステップS912においてコントローラ400は、アノードガス目標圧力Ptを脈動上限圧力P2_upに設定する。
そしてステップS913においてコントローラ400は、アノード調圧弁230を開く。本実施形態ではコントローラ400はアノード調圧弁230の開度を全開に設定する。これにより、第2圧力センサ420で検出されるアノードガスの圧力P2が上昇する。なお、コントローラ400は、アノード調圧弁230の開度を、全開と全閉との間の所定値に設定するようにしてもよい。
ステップS914においてコントローラ400は、第2圧力センサ420から出力される検出値P2が脈動上限圧力P2_upまで上昇したか否かを判断する。そしてコントローラ400は、アノードガスの圧力P2が脈動上限圧力P2_upに達していない場合には、ステップS913に戻り、アノードガスの圧力P2が脈動上限圧力P2_upに達するまでアノード調圧弁230を開いた状態に維持する。
ステップS915においてコントローラ400は、第2圧力センサ420の検出値が脈動上限圧力P2_upに達すると、アノードガス目標圧力Ptを、脈動上限圧力P2_upから脈動下限圧力P2_dnに切り替える。
そしてステップS916においてコントローラ400は、アノード調圧弁230を閉じる。本実施形態ではコントローラ400はアノード調圧弁230の開度を全閉に設定する。なお、コントローラ400は、アノード調圧弁230の開度を、全閉ではなく、ステップS913で設定された開度よりも小さな値に設定するようにしてもよい。
ステップS916でアノード調圧弁230が閉じられると、燃料電池スタック110にはアノードガスが供給されなくなる。この状態では、燃料電池スタック110内において要求負荷Lreqに相当するアノードガスが発電反応によって消費されるので、アノードガスの圧力P2が下降する。
ステップS917においてコントローラ400は、第2圧力センサ420から出力される検出値P2が脈動下限圧力P2_dnまで低下したか否かを判断する。そしてコントローラ400は、アノードガスの圧力P2が脈動下限圧力P2_dnに達していない場合には、ステップS916に戻り、アノードガスの圧力P2が脈動下限圧力P2_dnに達するまでアノード調圧弁230を閉じた状態に維持する。
第2圧力センサ420の検出値が脈動下限圧力P2_dnに達すると、アノードガス圧力の脈動制御が終了して図11に示した燃料電池システム100の制御方法に戻り、ステップS903に進む。
このように、第2圧力センサ420を用いてアノードガスの圧力P2を正確に脈動させることにより、エゼクタ240から燃料電池スタック110に水蒸気を含むアノードオフガスが確実に供給されることになるので、確実にMEA11を加湿することができる。したがって、燃料電池スタック110の発電性能の低下をより確実に低減することができる。
なお、本実施形態では、第2圧力センサ420を用いてアノードガスの圧力P2を昇圧する例について説明したが、アノード調圧弁230を開いた状態にする時間、すなわちアノードガスの供給時間を、所定の時間に固定して圧力P2を昇圧してもよい。例えば、所定の時間は、脈動制御が実行される要求負荷の全範囲でアノードガスの圧力P2が脈動下限圧力P2_dnから脈動上限圧力P2_upに達するように設定される。
アノードガスの供給時間を固定した燃料電池システムでは、要求負荷Lreqの大きさに関わらず、燃料電池スタック110に供給されるアノードガスの流量は一定となる。このため、要求負荷Lreqが小さいときには、燃料電池スタック110にはアノードガスが余剰に供給されることになるので、燃料電池スタック110では余剰分のアノードガスを消費するのに時間を要する。
一方、要求負荷Lreqが大きくなるほど、燃料電池スタック110でのアノードガスの消費量は増加するため、余剰に供給されるアノードガスの流量は減少する。このため、図9(A)及び図9(B)に示したように、要求負荷Lreqが大きくなるほど、アノード調圧弁230を閉じてからアノードガスの圧力P2が脈動下限圧力P2_dnに達するまでの無供給時間Tnsは短くなるため、アノードガス圧力の低下幅が小さくなる。したがって、要求負荷Lreqが大きくなるほど、脈動幅ΔPを小さくすることができる。
このように、アノード調圧弁230を開ける時間を一定の時間に固定することにより、簡易な構成で、アノードガスの圧力を脈動させつつ、要求負荷Lreqに応じて脈動幅ΔPを小さくできる。
なお、本実施形態では、第2圧力センサ420を用いて燃料電池スタック110に供給されるアノードガスの圧力P2を脈動させることにより、エゼクタ240に供給されるアノードガスの供給圧力P1を脈動させる例について説明した。しかしながら、第1圧力センサ410を用いて供給圧力P1を脈動させるようにしてもよい。
本発明の第1実施形態によれば、燃料電池システム100は、燃料電池スタック110にアノードガス及びカソードガスを供給すると共に燃料電池スタック110を負荷に応じて発電させる。燃料電池システム100は、アノードガス供給通路220からのアノードガスの圧力を調整するアノード調圧弁230と、発電に伴う水蒸気を含むアノードオフガスを燃料電池スタック110に循環させるエゼクタ240とを含む。
エゼクタ240は、アノード調圧弁230から吐出されるアノードガスによって、アノードガス排出通路250に排出されるアノードオフガスを吸引し、吸引されたアノードオフガスを燃料電池スタック110に循環させる。そしてコントローラ400は、アノード調圧弁230によりエゼクタ240に供給されるアノードガスの圧力を脈動させる。
これにより、エゼクタ240によって確実にアノードオフガスが吸引されるので、燃料電池スタック110へ十分にアノードオフガスを循環させることができる。すなわち、エゼクタ240によって燃料電池スタック110へ循環させるアノードオフガスの循環流量を確保することができる。したがって、余剰のアノードガスを効率よく消費することができる。
これに加えて、燃料電池スタック110へアノードオフガスを十分に循環させることにより、アノードオフガスに含まれる水蒸気が多量に燃料電池スタック110へ供給されることになるので、燃料電池スタック110内のMEA11の乾燥を抑制することができる。このため、カソードガスを加湿する加湿器を燃料電池システムに設けることなく、燃料電池スタック110を発電に適した湿潤状態に維持することが可能となる。したがって、簡素な構成で、燃料電池スタック110の発電性能の低下を抑制することができる。
また、要求負荷Lreqが小さくなるほど、エゼクタ240に供給されるアノードガスの供給流量が減少するため、アノードオフガスの循環流量は低下してゼロになる。
このため、コントローラ400は、図6に示したように、要求負荷Lreqが、所定の切替点Lswよりも小さくなるときにのみ、アノードガスの圧力P2をアノードオフガスの循環に必要となる脈動上限圧力P2_upまで昇圧する。切替点Lswは、図7に示したように、燃料電池の加湿に必要となるアノードオフガスの循環流量Qhに基づいて定められた閾値である。
これにより、定圧制御ではアノードオフガスが十分に循環されない領域に限り、アノードガスの圧力P2を脈動させることができるので、無用な脈動圧制御を抑制することができる。
一方、要求負荷Lreqが、切替点(閾値)よりも大きくなるときには、コントローラ400は、アノードガスの圧力P2を脈動させずに、アノードガスの圧力P2が一定の圧力となるようにアノード調圧弁240を制御する。
このように、燃料電池の加湿に必要となる循環流量を十分に確保できるときには、アノードガスの脈動制御を制限又は禁止することにより、図10に示したように、燃料電池スタック110の耐久性の低下を抑制することができる。
また、本実施形態では、コントローラ400は、図6に示したように、負荷Lhから切替点Lswまでの範囲において、要求負荷Lreqが大きくなるほど、アノードガスの脈動下限圧力P2_dnを高くして脈動幅ΔPを小さくする。すなわち、要求負荷Lreqが大きいときには、要求負荷Lreqが小さいときに比べて脈動幅ΔPを小さくする。
これにより、要求負荷Lreqが大きくなるほどアノードガスの脈動幅ΔPが小さくなるので、図10に示したように脈動回数Nを1桁程度増やすことができ、燃料電池スタック110の耐久性が低下するのを抑制することができる。
なお、要求負荷Lreqの代わりに、要求負荷Lreqに基づいて算出されるアノードガスの要求流量や、エゼクタ240に供給されるアノードガスの供給流量の検出値などが用いられてもよい。
また、本実施形態では、エゼクタ240よりも下流にあるアノードガス供給通路220には、燃料電池スタック110に供給されるアノードガスの圧力P2を検出する第2圧力センサ420が設けられる。そしてコントローラ400は、要求負荷Lreqに基づいて定められる脈動下限圧力P2_dnにアノードガスの圧力P2を制御し、燃料電池スタック110を加湿するために定められた脈動上限圧力P2_upまでアノードガスの圧力P2を昇圧する。
このように、第2圧力センサ420を用いてアノードガスの圧力を脈動させることにより、エゼクタ240によって燃料電池スタック110に循環されるアノードオフガスの循環流量の低下を、より確実に回避することができる。
(第2実施形態)
図13は、本発明の第2実施形態における脈動制御マップの一例を示す図である。図13には、図6で示した脈動上限圧力P2_upが点線で示されている。
図13は、本発明の第2実施形態における脈動制御マップの一例を示す図である。図13には、図6で示した脈動上限圧力P2_upが点線で示されている。
本実施形態の脈動制御マップでは、負荷L1から切替点Lswまでの循環可能範囲において、図7に示したように、アノードオフガスの循環流量がゼロになるまでは、脈動上限圧力P2_upを、点線で示した脈動上限圧力よりも低くする。なお、負荷L1は、図7に示したエゼクタ240の循環限界点Qlimに基づいて定められる。
このように、定圧制御でアノードオフガスを循環できる要求負荷の下限値L1から切替点Lswまでの循環可能範囲内において、アノードオフガスの循環流量に応じて脈動上限圧力P2_upを小さくする。
これにより、循環可能範囲において、第1実施形態のときに比べて脈動幅ΔPが小さくなるので、MEA11を加湿しつつ燃料電池スタック110の耐久性の低下を抑制できる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態における燃料電池システムについて説明する。本実施形態における燃料電池システムの基本構成は、図4に示した燃料電池システム100の構成と同じであるため、燃料電池システム100の構成と同一符号を付して説明する。
本発明の第3実施形態における燃料電池システムについて説明する。本実施形態における燃料電池システムの基本構成は、図4に示した燃料電池システム100の構成と同じであるため、燃料電池システム100の構成と同一符号を付して説明する。
燃料電池スタック110のMEA11が湿った状態であるときには、エゼクタ240から燃料電池スタック110に供給されるアノードオフガスの循環流量を減らすことが可能である。
そこで本実施形態では、燃料電池スタック110の湿潤状態ごとに定められた複数の脈動制御マップが、コントローラ400に予め記録される。
図14は、本実施形態における燃料電池システム100の制御方法を示すフローチャートである。
ここでは、図6で示した脈動制御マップに加え、MEA11が湿った状態であるときの脈動制御マップとして脈動幅抑制マップがコントローラ400に記録されている。脈動幅抑制マップは、例えば、脈動制御マップの切替点Lswを低負荷側に所定幅だけシフトさせたものである。
図14では、図11で示した処理の他にステップS921からステップS924までの処理が追加されているので、これらの処理についてのみ説明する。
ステップS921においてコントローラ400は、ステップS902で要求負荷Lreqを取得した後、内部抵抗測定装置520により測定された燃料電池スタック110の内部抵抗を取得する。
なお、内部抵抗測定装置520は、例えば、燃料電池スタック110の正極端子及び負極端子の双方に同一周波数の交流電流を供給し、燃料電池スタック110の正極端子と中点端子との間の交流電位差と、負極端子と中点端子との間の交流電位差とが一致するように交流電流の振幅を調整する。両者の交流電位差が一致した状態で内部抵抗測定装置520は、交流電流の振幅を交流電位差の振幅により除算して内部抵抗を算出する。
ステップS922においてコントローラ400は、ステップS921で取得した内部抵抗に基づいて、燃料電池スタック110が湿った状態であるか否かを判定する。なお、燃料電池スタック110の内部抵抗が小さいほど、燃料電池スタック110は湿った状態であると推定できる。
本実施形態では、コントローラ400は、燃料電池スタック110の内部抵抗が所定の湿潤閾値よりも大きい場合には、燃料電池スタック110の内部が湿った状態ではないと判定する。一方、コントローラ400は、燃料電池スタック110の内部抵抗が湿潤閾値以下である場合には、燃料電池スタック110の内部が湿った状態であると判定する。なお、湿潤閾値は、実験データ等によって、燃料電池スタック110が十分に湿った状態であるときの内部抵抗値に基づいて定められる。
ステップS923において、燃料電池スタック110が十分に湿った状態であると判定された場合には、コントローラ400は、2つの脈動制御マップの中から、切替点Lswを低負荷側に所定幅だけ移動させた脈動幅抑制マップを選択する。所定幅は、湿潤閾値を定めたときの条件においてMEA11を加湿するのに必要とされるアノードオフガスの循環流量に基づいて定められる。
一方、ステップS924において燃料電池スタック110が湿った状態ではないと判定された場合には、コントローラ400は、2つの脈動制御マップの中から、図6で示した脈動制御マップを選択する。
そしてステップS910においてコントローラ400は、選択された脈動制御マップを参照して、要求負荷Lreqに基づいて燃料電池スタック110に供給されるアノードガスの圧力P2を脈動させる。そしてステップS903で燃料電池スタック110の運転が停止されると、本実施形態における燃料電池システムの制御方法が終了する。
なお、本実施形態では、燃料電池スタック110の内部抵抗に基づいて燃料電池スタック110の湿潤状態を判定する例について説明したが、燃料電池スタック110の温度や冷却水の温度に基づいて燃料電池スタック110の湿潤状態を判定してもよい。例えば、燃料電池スタック110の発電量が多くなるほど、水の生成量が多くなると共に、燃料電池スタック110の温度が上昇することから、この関係を利用して燃料電池スタック110の湿潤状態を判定する。
また、燃料電池スタック110内のアノードガス流路24に水が溢れる状態、いわゆるフラッディングが起こりうるときには、アノードガスの圧力P1を定圧制御するための定圧制御マップを用いるようにしてもよい。
例えば、ステップS922でコントロータ400は、燃料電池スタック110の内部抵抗が、湿潤閾値よりも小さな所定のフラッディング閾値よりも小さい場合には、定圧制御マップを選択する。これにより、アノードオフガスの循環によってフラッディングを引き起こすことを抑制できる。
図15は、コントローラ400に記録される脈動幅抑制マップの一例を示す図である。図15には、図6で示した脈動上限圧力P2_upが点線で示されている。
MEA11が十分に湿っているときは、エゼクタ240から吐出されるアノードオフガスの循環流量を減らすことができるので、切替点Lsw2を切替点Lswよりも低負荷側に設定することが可能となる。
脈動幅抑制マップでは、MEA11が湿った状態であることから、図6に示した切替点Lswよりも低負荷側に切替点Lsw2が設定される。
このため、要求負荷Lreqの変動範囲における脈動圧供給の割合が小さくなる一方で、定圧供給の割合が大きくなので、図6に示した脈動制御マップのときに比べて脈動制御が行われる機会を減らすことができる。したがって、燃料電池スタック110の耐久性を向上させることができる。
さらに、脈動幅制御マップでは、脈動上限圧力P2_upが、図6に示した脈動上限圧力よりも低く設定されている。これにより、図6に示した脈動制御マップのときに比べて脈動幅ΔPが小さくなるので、燃料電池スタック110の耐久性の低下をさらに抑制できる。
本発明の第3実施形態によれば、コントローラ400は、燃料電池スタック110の湿潤状態に応じて、燃料電池スタック110に供給されるアノードガスの圧力を脈動させる切替点Lswを変更する。
すなわち、コントローラ400は、MEA11が湿った状態のときには、MEA11が乾いた状態のときに比べて切替点Lswを小さくする。具体的には、コントローラ400は、燃料電池スタック110の内部抵抗が小さくなるほど、複数の脈動制御マップの中から切替点が小さな脈動幅抑制マップを選択する。
これにより、第2実施形態に比べて、脈動制御による燃料電池スタック110の耐久性の低下を抑制することができる。
(第4実施形態)
図16は、本発明の第4実施形態における脈動幅マップの一例を示す図である。ここでは、横軸が要求負荷Lreqを示し、縦軸がアノードガス圧力の脈動幅ΔPを示す。脈動幅マップは、コントローラ400に記録される。
図16は、本発明の第4実施形態における脈動幅マップの一例を示す図である。ここでは、横軸が要求負荷Lreqを示し、縦軸がアノードガス圧力の脈動幅ΔPを示す。脈動幅マップは、コントローラ400に記録される。
本実施形態では、コントローラ400は、脈動幅マップを参照して、要求負荷Lreqに対応付けられた脈動幅ΔPを算出する。これと共にコントローラ400は、図6に示した脈動制御マップを参照し、要求負荷Lreqに対応付けられた脈動下限圧力P2_dnを算出し、その脈動下限圧力P2_dnに対して脈動幅ΔPを加算することにより、脈動上限圧力P2_upを算出する。
このようにして、コントローラ400は、脈動上限圧力P2_up、及び脈動下限圧力P2_dnを求め、これらを交互にアノードガスの目標圧力Ptに設定することにより、アノードガスの圧力P2を脈動させる。
図16に示すように、燃料電池スタック110の内部抵抗が小さくなるほど、MEA11が湿った状態になるため、脈動幅ΔPが小さな値に設定される。このため、脈動幅ΔPがゼロとなる点、すなわち脈動制御マップの切替点Lswを低負荷側に小さくすることができる。
本発明の第4実施形態によれば、コントローラ400は、MEA11の湿潤状態に応じてアノードガス圧力の脈動幅ΔPを小さくするので、燃料電池スタック110の耐久性が低下するのを抑制することができる。
なお、本実施形態では、脈動幅マップから求めた脈動幅ΔPを脈動下限圧力P2_dnに加算して脈動上限圧力P2_upを算出する例について説明したが、これに限られない。
例えば、コントローラ400は、図6に示した脈動上限圧力P2_upから、脈動幅マップから求めた脈動幅ΔPを減算して、脈動下限圧力P2_dnを算出するようにしてもよい。この場合には、第4実施形態に比べて、エゼクタ240から供給されるアノードオフガスの循環流量を多めに確保できるので、燃料電池スタック110の耐久性の低下を抑制しつつ、MEA11の湿潤状態を維持しやすくなる。
第1実施形態から第4実施形態で述べたように、図7で示した燃料電池の加湿に必要なアノードオフガスの循環流量Qhが燃料電池スタック110に供給されるように、コントローラ400は、エゼクタ240に供給されるアノードガスの圧力を脈動させる。さらにコントローラ400は、燃料電池スタック110が十分に湿った状態では循環流量Qhを小さくし、また、燃料電池スタック110の温度上昇に伴うアノードオフガス中の水蒸気の増加に応じて循環流量Qhを小さくする。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
例えば、本実施形態では、第2圧力センサ420の検出信号を用いてアノードガスの圧力P2を脈動させる例について説明したが、コントローラ400に計測カウンタを備えて経過時間に応じて脈動上限圧力P2_upと脈動下限圧力P2_dnとを互いに切り替えるようにしてもよい。例えば、コントローラ400は、実験等によって定められた切替時間が経過するたびに、アノードガス目標圧力Ptを脈動下限圧力P2_dnから脈動上限圧力P2_upに切り替え、予め定められた昇圧時間が経過した後に脈動下限圧力P2_dnに戻して計測カウンタをリセットする。
また、本実施形態ではエゼクタ240をひとつのみ設ける例について説明したが、エゼクタ240を複数設けてもよい。これにより、脈動制御マップの切替点Lswを低負荷側にシフトさせることができる。
また、アノード調圧弁230は、ON/OFFバルブでもよく、ソレノイドバルブであってもよい。
なお、上記実施形態は、適宜組み合わせ可能である。
Claims (8)
- 燃料電池にアノードガス及びカソードガスを供給すると共に前記燃料電池を負荷に応じて発電させる燃料電池システムであって、
前記燃料電池にアノードガスを供給する供給通路と、
前記供給通路に設けられ、前記燃料電池に供給されるアノードガスの圧力を調整する調圧弁と、
前記燃料電池からアノードガスを排出する排出通路と、
前記供給通路に設けられ、前記調圧弁から供給されるアノードガスによって、前記排出通路に排出されるアノードガスを吸引して当該アノードガスを前記燃料電池に循環させるエゼクタと、
前記エゼクタに供給されるアノードガスの圧力を脈動させる制御部と、
を含む燃料電池システム。 - 請求項1に記載の燃料電池システムであって、
前記制御部は、前記負荷、又は前記エゼクタに供給されるアノードガスの供給流量を示すパラメータが、前記エゼクタの循環流量に基づいて定められた閾値よりも小さい場合に、前記アノードガスの圧力を脈動させる、
燃料電池システム。 - 請求項2に記載の燃料電池システムであって、
前記制御部は、前記パラメータが前記閾値よりも大きい場合には、前記アノードガスの圧力を脈動させない、
燃料電池システム。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の燃料電池システムであって、
前記制御部は、前記パラメータが大きいときには前記パラメータが小さいときに比べて、前記アノードガスの圧力を脈動させるときの脈動幅を小さくする、
燃料電池システム。 - 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の燃料電池システムであって、
前記制御部は、前記アノードガスの圧力を脈動させるときには、所定時間だけ前記調圧弁を開いて前記アノードガスの圧力を昇圧する、
燃料電池システム。 - 請求項2から請求項5までのいずれか1項に記載の燃料電池システムであって、
前記制御部は、前記燃料電池が湿った状態のときには、前記燃料電池が乾いた状態のときに比べて前記閾値を小さくする、
燃料電池システム。 - 請求項6に記載の燃料電池システムであって、
前記制御部は、前記エゼクタでアノードガスを循環可能な前記供給流量の限界値から前記閾値までの範囲内において、前記循環流量に応じてアノードガスの脈動上限圧力を低くして脈動幅を小さくする、
燃料電池システム。 - 燃料電池にアノードガスを供給する供給通路と、前記供給通路に設けられた調圧弁と、前記燃料電池からアノードガスを排出する排出通路と、前記調圧弁から供給されるアノードガスによって、前記排出通路に排出されるアノードガスを吸引して当該アノードガスを前記燃料電池に循環させるエゼクタとを備える燃料電池システムの制御方法であって、
前記負荷に基づいて、前記燃料電池に供給されるアノードガスの圧力を制御する制御ステップと、
前記制御ステップにより制御されるアノードガスの圧力を脈動させる脈動制御ステップと、
を含む燃料電池システムの制御方法。
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