JPWO2015151358A1 - エアバッグ用コート基布 - Google Patents

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Abstract

原糸強度を上げる事なく、コート布の引張強度を向上させたエアバッグ用コーティング基布を提供する。合成繊維フィラメントから構成された織物の片面にシリコーン樹脂が塗布されてなるエアバッグ用コーティング基布であり、非コート面の経糸と緯糸の目合い部分に前記シリコーン樹脂が存在するエアバッグ用コーティング基布。

Description

本発明は、自動車用エアバッグに用いるコート布に関し、詳しくは、原糸強度を上げる事なく、コート布の引張強度が向上したエアバッグ用コート布に関する。
近年、自動車安全部品の一つとして急速に装着率が向上しているエアバッグは、自動車の衝突事故の際、衝撃をセンサーが感知し、インフレーターから高温、高圧のガスを発生させ、このガスによってエアバッグを急激に展開させて、運転者や同乗者の身体、特に頭部がハンドル、フロントガラス、ドアガラス等に衝突することを防止し保護する目的で使用される。近年、自動車用エアバッグは、運転席、助手席用のみならず、ニーエアバッグ、サイドエアバッグ、カーテンエアバッグ等の実用化が進み、複数のエアバッグが装着されることが一般的となっている。
搭載されるエアバッグの部位、数量が増えるにつれ、エアバッグシステムの更なる軽量化、コンパクト化の要求が高まり、システムの各部品は小型化、軽量化を目指して設計されてきている。このような背景から、主にエアバッグについては細繊度糸を使用した基布を用いる方策が検討されてきた。
例えば、エアバッグ用コーティング基布に使用するフィラメントの繊度は、940dtexから470dtexへと細くなり、近年では繊度が350dtexのフィラメントを用いた基布へと変更されている。
しかし、軽量化の為に織物を構成する合成繊維の繊度を小さくすると、絶対的な引張強度が低くなり、エアバッグとしてのバースト性能が低下する問題が発生する。この解決の為、通常広くエアバッグ用原糸で用いられる原糸の強度である7〜9cN/dtexを超えた高強度繊維を用いる提案がされている。(例えば、特許文献1、2)
しかしながら9cN/dtexを超えた高強度繊維は、延伸倍率を高める事で原糸を構成する単糸が切れる、いわゆる毛羽の発生が多くなり、特にコートを実施した基布では実質的に引張強度の向上に寄与せず、結果としてバースト性能が向上しなかった。
特開2009−167551号公報 特開2010−106375号公報
本発明の目的は、従来技術では解決できていない、9cN/dtex以上の高強度繊維を用いなくてもコート布の引張強度を向上させたエアバッグ用コート布を提供することである。
本発明者は、熱可塑性樹脂を織物の片面にコーティングするエアバッグ用基布において、樹脂をコーティングする際にコート面側から非コート面側の経糸と緯糸の目合い部にまで樹脂を存在させるという新規な技術思想を見出した。これにより、経糸と緯糸が動く自由度が制限されて糸が拘束され、基布の通常引張試験時に一度に全体で糸が破断される為に基布として高い引張強度を達成することが出来、本発明を完成した。
すなわち、本発明は代表的には以下の通りである。
[1]合成繊維フィラメントから構成された織物の片面にシリコーン樹脂が塗布されてなるエアバッグ用コーティング基布であり、非コート面の経糸と緯糸の目合い部分に前記シリコーン樹脂が存在するエアバッグ用コーティング基布。
[2]コーティング後の基布の引張強度がコーティング前の基布の引張強度より5%以上高い[1]記載のエアバッグ用コーティング基布。
[3]前記シリコーン樹脂のコーティング前の粘度が15Pa・sec以下であり、該樹脂の膜強度が5MPa以上、膜伸度が150%以下、硬度が45以上である[1]又は[2]に記載のエアバッグ用コーティング基布。
[4]前記シリコーン樹脂の塗布量が5g/m以上35g/m以下である[1]〜[3]のいずれかに記載のエアバッグ用コーティング基布。
[5]前記シリコーン樹脂の塗布方法がナイフオンエアー方式であり、その時のナイフの押し込み量が1〜6mmである塗布方法により製造された、[1]〜[4]のいずれかに記載のエアバッグ用コーティング基布。
[6]織物を構成するフィラメントの総繊度が200〜600dtexである請求項[1]〜[5]のいずれかに記載のエアバッグ用コーティング基布。
[7]織物のカバーファクターが1,800〜2,500である[1]〜[6]のいずれかに記載のエアバッグ用コーティング基布。
さらに本発明は以下のようなエアバッグ用コーティング基布の製造方法を提供する。
[8]エアバッグ用コーティング基布の製造方法であって、粘度が15Pa・sec以下、樹脂の膜強度が5MPa以上、膜伸度が150%以下、硬度が45以上であるシリコーン樹脂を、合成繊維フィラメントから構成された織物の片面のみに塗布することを特徴とするエアバッグ用コーティング基布の製造方法。
[9]前記シリコーン樹脂の塗布方法がナイフオンエアー方式であり、ナイフ押し込み量が1〜6mmである[8]記載のエアバッグ用コーティング基布の製造方法。
[10]前記シリコーン樹脂の塗布量が5〜35g/mである[8]又は[9]に記載のエアバッグ用コーティング基布の製造方法。
本発明のエアバッグ用コート布は、繊度を下げても強度が維持されるため、とりわけ高い内圧保持性能を要求されるエアバッグであっても品位・信頼性に優れ、コンパクトに収納でき、車内デザインの制約を少なくできるという利点を有する。
非コート面の経糸と緯糸の目合い部分を示した図である。 本発明のナイフオンエアー方式による塗布工程を示した図である。
以下本発明を詳述する。
本発明は、合成繊維フィラメントから構成された織物の片面にシリコーン樹脂が塗布されてなるエアバッグ用コーティング基布において、非コート面の経糸と緯糸の目合い部分に前記コーティングされたシリコーン樹脂が存在することを特徴とする。「シリコーン樹脂が存在する」とは、図1に示すようにコーティングを行っていない非コート面の経糸と緯糸の交点部すなわち目合い部にシリコーン樹脂を目視で確認できる状態のことをいう。具体的には走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて非コート面の表面写真を撮影し、目視で判断することができる。経糸と緯糸の目合い部において非コート面側まで樹脂が存在することで、コーティング後の基布の引張強度をコーティング前の基布の引張強度より5%以上高くすることができた。本発明によって、比較的低繊度の合成繊維フィラメントからなるエアバッグ用基布であっても、高強度繊維を用いることなく引張強度を向上させることができ、品位の向上や軽量、コンパクト化に資する。
本発明において、合成繊維フィラメントから構成された織物とは、合成繊維フィラメント糸条を用いて製織される織物を意味する。織物は、機械的強度に優れ、厚さを薄くできるという点で優れている。織物の組織は、例えば、平織、綾織、朱子織およびこれらの変化織、多軸織などが適用でき、なかでも機械的強度により優れる平織物が特に好ましい。
合成繊維としては、特にナイロン66、ナイロン6、ナイロン46、ナイロン12等の脂肪族ポリアミド繊維、アラミド繊維のような芳香族ポリアミド繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル繊維が使用される。他には、全芳香族ポリエステル繊維、ポリパラフェニン・ベンゾビス・オキサゾール繊維(PBO繊維)、超高分子量ポリエチレン繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、ポリエーテルケトン繊維等が挙げられる。ただし、経済性を勘案すると、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維が好ましく、特に好ましくはポリアミド6,6である。また、これらの繊維はその一部または全部が再利用された原材料より得られるものでもよい。
また、これらの合成繊維には、原糸製造工程や後加工工程での工程通過性を向上させるために、各種添加剤を含有させてもよい。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、熱安定剤、平滑剤、帯電防止剤、増粘剤、難燃剤等が挙げられる。また、この合成繊維は原着糸や製糸後染色したものでもよい。また、単糸の断面は、通常の丸断面のほか、異形断面であってもよい。合成繊維は、72フィラメント以上のマルチフィラメント糸を用いることが、柔軟性、コート面の平滑性の点から好ましい。
コーティング樹脂は、耐熱性、耐寒性、難燃性を有するエラストマー樹脂が好ましいが、最も効果的であるのはシリコーン系樹脂である。シリコーン系樹脂の具体例としては付加重合型シリコーンゴム等が挙げられる。例えば、ジメチルシリコーンゴム、メチルビニルシリコーンゴム、メチルフェニルシリコーンゴム、トリメチルシリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、メチルシリコーンレジン、メチルフェニルシリコーンレジン、メチルビニルシリコーンレジン、エポキシ変性シリコーンレジン、アクリル変性シリコーンレジン、ポリエステル変性シリコーンレジンなどが挙げられる。なかでも、硬化後にゴム弾性を有し、強度や伸びに優れ、コスト面でも有利な、メチルビニルシリコーンゴムが好適である。
本発明において、使用するシリコーン樹脂の樹脂粘度は非常に重要である。シリコーン樹脂の粘度は15Pa・sec以下が好ましく、より好ましくは12Pa・sec以下である。樹脂粘度が15Pa・secより大きくなるとコート後の基布の引張強度を向上させる上で必須である非コート面の経糸と緯糸の目合い部分に樹脂を存在する事が出来ない。糸が動く自由度が生まれる経糸と緯糸の目合い部に非コート面側まで樹脂が存在する事で、糸が拘束されて通常引張試験時に一度に全体で糸が破断される為に、基布として高い引張強度を達成する事が出来るという、従来技術では解決できていなかった新規な技術思想を本発明者らは見出した。下限は特に限定されないが、好ましくは5Pa・sec以上である。上記の粘度の範囲内に調整できるのであれば、溶剤系、無溶剤系どちらでも構わないが、環境への影響を考慮すると、無溶剤系が好適である。
なお、本発明では、樹脂以外の添加剤を含有する樹脂組成物の場合、該樹脂組成物の粘度も「樹脂の粘度」と定義する。
また該樹脂の膜強度が5MPa以上、膜伸度が150%以下である事が好ましい。一般的に膜強度と膜伸度は連動した物性値になるが、特に膜伸度が150%以下にすると非コート面の経糸と緯糸の目合い部分に樹脂が存在した場合に、樹脂が伸びる事により発生する糸の自由度を抑制し糸が拘束されて一度に全体で糸が破断される為に、基布として高い引張強度を達成する事が出来る。膜伸度のより好ましい範囲は120%以下である。膜強度の上限は特に限定されないが、10MPa以下が好ましい。膜伸度はコーティング基布の柔軟性の観点から、50%以上が好ましい。
なお、シリコーン樹脂の膜強伸度測定用の試料は、実際にエアバッグ用布帛にコーティングし、被膜を形成する時の条件(温度、時間、圧力)に合わせて作製する。具体的には、シリコーン樹脂の0.5mmの一定厚みの樹脂膜を作製し、熱風照射方式にて190℃2分間硬化処理し、引張試験を行う。
また該樹脂の硬度はASTM D2240に準拠して測定し、ショアーAの硬さ計を用いて測定した硬度が45以上である事が好ましい。より好ましくは47以上である。硬度が45以上の場合、樹脂の伸度同様に引張試験時に樹脂が変形する事による糸の動きを抑制し糸が拘束されて一度に全体で糸が破断される為に、基布として高い引張強度を達成する事が出来る。上限は特に限定されないが、通常は70以下である。
本発明のコート布のコート層を構成する主剤となる成分であるアルケニル基含有ポリシロキサンは、樹脂が硬化後、ゴム弾性を有するシリコーン樹脂膜になるために、1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上含有する。アルケニル基含有ポリシロキサン骨格中におけるアルケニル基が結合するケイ素原子の位置としては、例えば、分子鎖末端及び/又は分子鎖途中(分子鎖非末端)が挙げられるが、両方にケイ素原子に結合したアルケニル基を含有する直鎖状のものが好ましい。
アルケニル基含有ポリシロキサン成分の25℃における粘度は、硬化物の繊維に対する接着性、ゴム強度、耐ブロッキング性等の物理的特性や作業性の点から、10,000〜30,000mPa・secが好ましく、特に好ましくは13,000〜27,000mPa・secである。
シリコーン樹脂を構成するオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、アルケニル基含有ポリシロキサンとヒドロシリル化付加反応し、架橋剤として作用する。オルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は、例えば、直鎖状、環状、分岐鎖状、または三次元網目構造のいずれでも良い。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1分子中に少なくとも2個(通常、2〜300個程度)以上のケイ素原子に結合した水素原子を有する。オルガノハイドロジェンポリシロキサンが直鎖状構造を有する場合、これらのケイ素原子に結合した水素原子は、分子鎖末端及び分子鎖途中(すなわち、分子鎖非末端)のどちらか一方にのみ位置していても、その両方に位置していてもよい。
また、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)は、25℃における粘度が0.1〜1,000mPa・secであることが好ましく、特に好ましくは0.1〜500mPa・secである。
オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)の配合量は、(A)成分中のケイ素原子に結合するアルケニル基1個に対して、(B)成分中のケイ素原子に結合する水素原子が、通常1〜20個、より好ましくは1〜10個、特に好ましくは1〜5個の範囲となる量である。
アルケニル基含有ポリシロキサンの分子量とオルガノハイドロジェンポリシロキサンの構造や混合量、により、樹脂の膜強伸度を調整する事が出来る。
シリコーン樹脂を使用する場合には、反応硬化剤を用いても良く、その代表例は、白金又は白金化合物触媒(白金系触媒)である。公知のものが使用できるが、具体的には、白金ブラック、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール変性物、塩化白金酸とオレフィン、アルデヒド、ビニルシロキサン又はアセチレンアルコール類等との錯体などが例示される。白金化合物触媒は混合すればするほどヒドロシリル化反応が促進されるが、一般的に組成物に対して白金金属量で100〜2000ppm添加しているのが一般的である。
シリコーン樹脂と基布との接着性を向上させるために、シリコーン樹脂に接着助剤を含有させることが好ましい。接着助剤としては、例えば、アミノ系シランカップリング剤、エポキシ変性シランカップリング剤、ビニル系シランカップリング剤、クロル系シランカップリング剤、およびメルカプト系シランカップリング剤よりなる群から選ばれる少なくとも1種以上が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また必要に応じて、例えば、ヒュームドシリカ、乾式シリカ等の補強性無機質充填剤、末端基を調整した架橋性シリコーン(シリコーンレジン)、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、二酸化チタン等の非補強性無機充填剤を添加する事が出来る。これらの無機充填剤の使用量は、アルケニル基含有ポリシロキサン成分の0.1〜200質量部、特に好ましくは0.1〜100質量部である。
更に着色剤として無機顔料や有機顔料を添加してもよく、無機顔料ならば例えばカーボンブラック、酸化チタン、赤ベンガラ、黒ベンガラ、チタンイエロー、コバルトブルー等が挙げられ、有機顔料ならば例えば縮合アゾ系(黄色、茶色、赤色)、イソインドリノン系(黄色、橙色)、キナクリドン系(赤色、紫色)、ジケトピロロピロール系(橙色、赤色、紫色)、アンスラキノン系(黄色、赤色、青色)、ジオキサジン系(紫色)、ベンズイミダゾロン系(橙色)、銅フタロシアニン系(青色)、アリルアマイド系(黄色)等が挙げられる。
本発明のエアバッグ用コーティング基布の樹脂塗布量は、5〜45g/mの塗布量が好ましい。より好ましくは、10〜35g/mである。5g/m以下の樹脂の塗布量では、織物表面に塗布されている樹脂層の厚みが低くなる為に、必要とするコート布表面における樹脂厚みが得られず通気抑制を達成することができなくなる。一方で45g/m以上の塗布量では、コート織物の柔軟性が悪化する為に、収納性を損なうだけでなく、バッグ全体の重量が大きくなる。
本発明のエアバッグ用コート布は、コート布表面における頭頂部の経緯平均樹脂厚みが4μm以上であることが好ましく、より好ましくは6μm以上である。なお、頭頂部とは、経糸もしくは緯糸におけるもっとも樹脂の膜圧が薄くなる部分をいう。本発明においては、樹脂を織物内部まであまり浸透させず、コート面の織物全体、特に織物頭頂部にも比較的均一な膜厚で樹脂を存在させることが好ましい。4μm未満であると、通気抑制及び難燃性を満たさない可能性がある。上限は特に設けていないが、25μm以上ではナイフコートによる塗布が困難になる。
本発明において、非コート面の経糸と緯糸の目合い部分に樹脂が存在させるためには、樹脂の塗布方法が大変重要である。樹脂を塗布する方法としては、従来の公知の方法が用いられるが、コート量の調整の容易さや異物(突起物)混入時の影響の点から、ナイフコート、特にナイフオンエアー方式によるコートが最も好ましい。ナイフオンベッド方式では、樹脂が織物内部まで浸透させ易いが、コート面の織物頭頂部に樹脂を存在させにくくなり、本来コート布に求められる通気抑制を達成する事が出来なくなる。本発明において、ナイフコートの際に使用されるナイフは、その刃の先端形状として、半円状、角状等が使用できる。
ナイフオンエアー方式によるナイフコートでは、進行方向の基布張力は300〜800N/mが好ましく、特に好ましくは400〜750N/mである。進行方向の基布張力が400N/m未満の場合、ベース織物の耳部の嵩が高くなり、基布中央部と端部の塗布量に大きな差が生じやすくなる。一方、進行方向の基布張力が800N/mを超える場合、経糸と緯糸にある空隙を埋めてしまい、非コート面の経糸と緯糸の目合い部分に樹脂が存在出来なくなる。
本発明において、ナイフの押し込み量が1〜6mmである事が重要である。ナイフの押し込み量は、ナイフオンエアー方式において、直前に位置するベッドの上面の高さを0mmとし、その高さから下側方向にナイフを押し込んだ量に相当する(図2)。より好ましくは1.5〜4.5mmである。ナイフ押し込み量が1mm未満の場合、本発明の目的である非コート面の経糸と緯糸の目合い部分に樹脂が存在させる事が出来ない。6mm以上の場合、樹脂が織物内部まで浸透させ易いが、コート面の織物頭頂部に樹脂を存在させにくくなり、本来コート布に求められる通気抑制を達成する事が出来なくなる。
塗布後のコーティング剤を乾燥、硬化させる方法としては、熱風、赤外光、マイクロウェーブ等など、一般的な加熱方法を使用することができる。加熱温度、時間については、シリコーン樹脂が硬化するのに十分な温度に達していればよく、好ましくは加熱温度が150〜220℃であり、加熱時間が0.2〜5分である。
織物を構成するフィラメント糸条の総繊度は、200〜600dtexであることが好ましい。総繊度が600dtexを超えると、基布の厚さが増大し、エアバッグの収納性が悪化しやすくなる。一方、総繊度が200dtex未満では、コーティング基布の引裂機械特性などのエアバッグ作動時の機械特性が低下しやすくなる。
基布となる織物のカバーファクターは、1,800〜2,500が好ましく、特に好ましくは1,900〜2,450である。カバーファクターが1,800未満であると、エアバッグとして必要な物理特性(引裂強力等)が低下する。一方、カバーファクターが2,500を超える場合には、製織時、並びに収納性による限界がある。また織物のカバーファクターが高い場合には、経糸と緯糸にある空隙が小さくなる為に、非コート面の経糸と緯糸の目合い部分に樹脂が存在させにくくなる。
なお、カバーファクターCFは、下式により算出する。
CF=√(経糸の総繊度)×経糸密度+√(緯糸の総繊度)×緯糸密度
なお、総繊度の単位はdtex、織密度の単位は本/2.54cmである。
以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。なお、実施例中における各種評価は、下記の方法にしたがって評価した。
(1)総繊度
JIS L−1095 9.4.1記載の方法で測定する。
(2)フィラメント数
フィラメント糸条の断面写真よりフィラメント数を数える。
(3)織物の密度
JIS L−1096 8.6.1記載の方法で測定する。
(4)引張強度
JIS K6404−3記載の方法で測定する。
(5)樹脂の粘度
JIS K−7117記載の方法を用い、B型粘度計で測定する。
(6)樹脂膜強伸度
樹脂の0.5mmの一様な厚さの膜を作製し、熱風照射方式にて190℃2分間硬化処理した。作製した樹脂膜を、定速緊張型の引張試験機を用いチャック間10mmにて10mm/minの速度で引張試験を行い、破断時の強度及び伸度を測定した。
(7)硬度
ASTM D2240記載の方法を用い、ショアーAの硬さ計を用いて測定した。
(8)塗布量
樹脂を硬化させた後のコーティング布を正確に5cm角で採取し、ベース基布である繊維のみを溶かす溶剤(ポリアミド66の場合は、ヘキサフルオロイソプロパノール)に浸漬して基布を溶解させた。次に、不溶物であるシリコーンコート層のみを回収してアセトン洗浄を行い、真空乾燥後、試料の秤量を行った。なお、塗布量は、1mあたりの質量(g/m)で表した。
(9)非コート面樹脂含浸
コート布の非コート面の表面写真を任意に選んだ5箇所で撮影し、経糸と緯糸の交点部分4隅すべてで樹脂が確認出来た場合を○、すべてで確認出来なかった場合を×とした。
(10)コート前後引張強伸比
コート後の基布の引張強度測定値の経方向と緯方向を足した値をコート前の基布の引張強度測定値の経方向と緯方向を足した値で割って算出した数値を記載した。小数点3桁目を丸めた。
(実施例1)
原糸強度が8.2cN/dtexで総繊度が470dtex、144フィラメントのポリアミド66マルチフィラメント糸を、平織りにてウォータージェットルームにて製織した。次いで、沸水にて収縮加工した後、110℃で乾燥仕上げをし、経密度46本/2.54cm、緯密度46本/2.54cm、カバーファクターが1,994の織物を得た。この基布の引張強度は、経方向が635N/cm、緯方向が658N/cmであった。
次に、下記組成物からなり、25℃における粘度が9Pa・secである無溶剤系シリコーン樹脂組成物を調合した。この時のシリコーン樹脂の膜強度は6.0MPa、膜伸度が97%、硬度が55であった。
(無溶剤系シリコーン樹脂組成物の配合)
(A)ビニル基含有ジメチルポリシロキサン(重量平均分子量31000):78質量部

(B)メチルハイドロジェンポリシロキサン(重量平均分子量2800、ケイ素原子に結合する水素原子数:10個):5質量部
(C)乾式シリカ粒子:0.5質量%(シリコーン樹脂組成物に対して)
(日本アエロジル社製、AEROSIL(R) NX90;平均一次粒径:20nm、比表面積:90m/g、トリメチルシラン処理品)
(D) エポキシ基を有する有機ケイ素化合物:1.1質量部
(3個のメトキシ基と1個のエポキシ基を有する、重量平均分子量:240)
(E) ケイ素原子結合ビニル基を有する有機ケイ素化合物:0.4質量部
(3個のメトキシ基と1個のビニル基を有する、重量平均分子量:150)
(F)架橋性シリコーン:末端トリメチルシラン/ビニルジメチルシラン=86/14モル比:14.5質量部
(G)白金触媒:20ppm(シリコーン樹脂組成物に対して)
(H) ベンガラ顔料:0.5質量部
前記の織物の片面に、このシリコーン樹脂組成物を、ナイフオンエアー方式で先端部半径Rが0.3mmのナイフを用い、基布張力500N/m、ナイフ押し込み量を1mmに調整して塗布した。さらに、190℃で2分間硬化処理し、塗布量が20g/mであるコーティング基布を得た。得られたコーティング基布の特性を評価し、表1に示した。得られた基布は、非コート面まで樹脂が含浸しており、コート後に引張強度が9%向上した。
(実施例2)
原糸強度が8.0cN/dtexで総繊度が470dtex、72フィラメントのポリアミド66マルチフィラメント糸を、平織りにてウォータージェットルームにて製織した。次いで、沸水にて収縮加工した後、110℃で乾燥仕上げをし、経密度46本/2.54cm、緯密度46本/2.54cm、カバーファクターが1,994の織物を得た。この基布の引張強度は、経方向が638N/cm、緯方向が619N/cmであった。
(A)ビニル基含有ジメチルポリシロキサン(重量平均分子量31000):78質量部の代わりに、(A1)ビニル基含有ジメチルポリシロキサン(分子量33000):78質量部を添加した以外は実施例1の組成である、25℃における粘度が8Pa・secである無溶剤系シリコーン樹脂組成物を調合した。この時のシリコーン樹脂の膜強度は5.5MPa、膜伸度が111%、硬度が51であった。
前記の織物の片面に、このシリコーン樹脂組成物を、ナイフオンエアー方式で先端部半径Rが1.2mmのナイフを用い、基布張力550N/m、ナイフ押し込み量を2mmに調整して塗布した。さらに、190℃で2分間硬化処理し、塗布量が35g/mであるコーティング基布を得た。得られたコーティング基布の特性を評価し、表1に示した。得られた基布は、非コート面まで樹脂が含浸しており、コート後に引張強度が11%向上した。
(実施例3)
実施例1と同様の原糸を用い、同様の工程を経て、経密度51本/2.54cm、緯密度51本/2.54cm、カバーファクターが2,211の織物を得た。この基布の引張強度は、経方向が699N/cm、緯方向が716N/cmであった。
(A)ビニル基含有ジメチルポリシロキサン(重量平均分子量31000):78質量部の代わりに、(A2)ビニル基含有ジメチルポリシロキサン(重量平均分子量35000):78質量部を添加した以外は実施例1の組成である、25℃における粘度が8Pa・secである無溶剤系シリコーン樹脂組成物を調合した。この時のシリコーン樹脂の膜強度は5.2MPa、膜伸度が120%、硬度が47であった。
前記の織物の片面に、このシリコーン樹脂組成物を、ナイフオンエアー方式で先端部半径Rが0.3mmのナイフを用い、基布張力650N/m、ナイフ押し込み量を2mmに調整して塗布した。さらに、190℃で2分間硬化処理し、塗布量が15g/mであるコーティング基布を得た。得られたコーティング基布の特性を評価し、表1に示した。得られた基布は、非コート面まで樹脂が含浸しており、コート後に引張強度が5%向上した。
(実施例4)
原糸強度が8.5cN/dtexで総繊度が235dtex、72フィラメントのポリアミド66マルチフィラメント糸を、平織りにてウォータージェットルームにて製織した。次いで、沸水にて収縮加工した後、110℃で乾燥仕上げをし、経密度73本/2.54cm、緯密度73本/2.54cm、カバーファクターが2,238の織物を得た。この基布の引張強度は、経方向が492N/cm、緯方向が493N/cmであった。
次に、実施例1と同一の組成である樹脂を前記の織物の片面に、先端部半径Rが0.6mmのナイフを用い、基布張力450N/m、ナイフ押し込み量を5mmに調整して塗布した。さらに、190℃で2分間硬化処理し、塗布量が25g/mであるコーティング基布を得た。得られたコーティング基布の特性を評価し、表1に示した。得られた基布は、非コート面まで樹脂が含浸しており、コート後に引張強度が5%向上した。
(実施例5)
原糸強度が8.3cN/dtexで総繊度が350dtex、108フィラメントのポリアミド66マルチフィラメント糸を平織りにてウォータージェットルームにて製織した。次いで、沸水にて収縮加工した後、110℃で乾燥仕上げをし、経密度55本/2.54cm、緯密度55本/2.54cm、カバーファクターが2,058の織物を得た。この基布の引張強度は、経方向が570N/cm、緯方向が560N/cmであった。
次に、実施例3と同一の組成である樹脂を前記の織物の片面に、先端部半径Rが0.2mmのナイフを用い、基布張力450N/m、ナイフ押し込み量を3mmに調整して塗布した。さらに、190℃で2分間硬化処理し、塗布量が35g/mであるコーティング基布を得た。得られたコーティング基布の特性を評価し、表1に示した。得られた基布は、非コート面まで樹脂が含浸しており、コート後に引張強度が7%向上した。
(実施例6)
原糸強度が7.2cN/dtexで 総繊度が570dtex、192フィラメントのポリエステルマルチフィラメント糸を、平織りにてウォータージェットルームにて製織した。次いで、沸水にて収縮加工した後、110℃で乾燥仕上げをし、経密度46本/2.54cm、緯密度46本/2.54cm、カバーファクターが2,196の織物を得た。この基布の引張強度は、経方向が626N/cm、緯方向が620N/cmであった。
次に、実施例1と同一の組成である樹脂を前記の織物の片面に、先端部半径Rが0.6mmのナイフを用い、基布張力400N/m、ナイフ押し込み量を4mmに調整して塗布した。さらに、190℃で2分間硬化処理し、塗布量が25g/mであるコーティング基布を得た。得られたコーティング基布の特性を評価し、表1に示した。得られた基布は、非コート面まで樹脂が含浸しており、コート後に引張強度が5%向上した。
(比較例1)
実施例2の織物に、(A)ビニル基含有ジメチルポリシロキサン(重量平均分子量31000):78質量部の代わりに、(A3)ビニル基含有ジメチルポリシロキサン(重量平均分子量45000):19質量部、(A4)ビニル基含有ジメチルポリシロキサン(重量平均分子量23000):59質量部添加し、また(C)の乾式シリカ粒子の添加量を14.6質量%に変更し、(F)成分を添加しない以外は実施例1の組成である、25℃における粘度が22Pa・secである無溶剤系シリコーン樹脂組成物を調合した。この時のシリコーン樹脂の膜強度は3.8MPa、膜伸度が367%、硬度が42であった。
前記の織物の片面に、このシリコーン樹脂組成物を、ナイフオンエアー方式で先端部半径Rが0.5mmのナイフを用い、基布張力500N/m、ナイフ押し込み量を3mmに調整して塗布した。さらに、190℃で2分間硬化処理し、塗布量が25g/mであるコーティング基布を得た。得られたコーティング基布の特性を評価し、表1に示した。得られた基布は、非コート面まで樹脂が含浸しておらず、コート後に引張強度が向上しなかった。
(比較例2)
実施例3の織物に、(A)ビニル基含有ジメチルポリシロキサン(重量平均分子量31000):78質量部の代わりに、(A3)ビニル基含有ジメチルポリシロキサン(重量平均分子量45000):9質量部、(A4)ビニル基含有ジメチルポリシロキサン(重量平均分子量23000):69質量部添加し、また(C)の乾式シリカ粒子の添加量を5.2質量%に変更した以外は実施例1の組成である、25℃における粘度が15Pa・secである無溶剤系シリコーン樹脂組成物を調合した。この時のシリコーン樹脂の膜強度は2.7MPa、膜伸度が415%、硬度が31であった。
前記の織物の片面に、このシリコーン樹脂組成物を、ナイフオンエアー方式で先端部半径Rが0.3mmのナイフを用い、基布張力650N/m、ナイフ押し込み量を7mmに調整して塗布した。さらに、190℃で2分間硬化処理し、塗布量が15g/mであるコーティング基布を得た。得られたコーティング基布の特性を評価し、表1に示した。得られた基布は、非コート面まで樹脂が含浸していたが、コート後に引張強度が向上しなかった。
(比較例3)
実施例4と同一の織物、樹脂を用い、織物の片面に、先端部半径Rが0.6mmのナイフを用い、基布張力450N/m、ナイフ押し込み量を0.5mmに調整して塗布した。さらに、190℃で2分間硬化処理し、塗布量が28g/mであるコーティング基布を得た。得られたコーティング基布の特性を評価し、表1に示した。得られた基布は、非コート面まで樹脂が含浸しておらず、コート後に引張強度が1%しか向上しなかった。
Figure 2015151358
本発明のエアバッグ用コート布は、繊度を下げても強度が維持されるため、とりわけ高い内圧保持性能を要求されるエアバッグであっても品位・信頼性に優れ、コンパクトに収納でき、車内デザインの制約を少なくできるという利点を有する為、産業上の寄与は大きい。
1 非コート面側の基布
2 樹脂
3 基布
4 ベッド
5 樹脂
6 ナイフ
7 ナイフ押し込み量

Claims (10)

  1. 合成繊維フィラメントから構成された織物の片面にシリコーン樹脂が塗布されてなるエアバッグ用コーティング基布であり、非コート面の経糸と緯糸の目合い部分に前記シリコーン樹脂が存在するエアバッグ用コーティング基布。
  2. コーティング後の基布の引張強度がコーティング前の基布の引張強度より5%以上高い請求項1記載のエアバッグ用コーティング基布。
  3. 前記シリコーン樹脂のコーティング前の粘度が15Pa・sec以下であり、該樹脂の膜強度が5MPa以上、膜伸度が150%以下、硬度が45以上である請求項1又は2に記載のエアバッグ用コーティング基布。
  4. 前記シリコーン樹脂の塗布量が5g/m以上35g/m以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載のエアバッグ用コーティング基布。
  5. 前記シリコーン樹脂の塗布方法がナイフオンエアー方式であり、その時のナイフの押し込み量が1〜6mmである塗布方法により製造された、請求項1〜4のいずれか一項に記載のエアバッグ用コーティング基布。
  6. 織物を構成するフィラメントの総繊度が200〜600dtexである請求項1〜5のいずれか一項に記載のエアバッグ用コーティング基布。
  7. 織物のカバーファクターが1,800〜2,500である請求項1〜6のいずれか一項に記載のエアバッグ用コーティング基布。
  8. エアバッグ用コーティング基布の製造方法であって、粘度が15Pa・sec以下、樹脂の膜強度が5MPa以上、膜伸度が150%以下、硬度が45以上であるシリコーン樹脂を、合成繊維フィラメントから構成された織物の片面のみに塗布することを特徴とするエアバッグ用コーティング基布の製造方法。
  9. 前記シリコーン樹脂の塗布方法がナイフオンエアー方式であり、ナイフ押し込み量が1〜6mmである請求項8記載のエアバッグ用コーティング基布の製造方法。
  10. 前記シリコーン樹脂の塗布量が5〜35g/mである請求項8又は9に記載のエアバッグ用コーティング基布の製造方法。
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