JPWO2015147202A1 - 脂環骨格を有するポリエステルポリオール - Google Patents

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Abstract

ウレタン化反応を行なう場合において、ゲル化の抑制が可能であり、安定した品質のポリウレタンを製造し得るポリエステルポリオールの提供。側鎖に脂環骨格を有する1,3−プロパンジオールと、二塩基酸成分とを構成成分として含む、アルカリ金属含有量が20質量ppm以下である、ポリエステルポリオール。

Description

本発明は、ポリウレタンの原料となるポリエステルポリオール、およびその製造方法、並びにこれにより得られたポリエステルポリオールを用いたポリウレタンの製造方法及びこれにより得られたポリウレタンに関する。さらに詳しくは、本発明のポリエステルポリオールおよびその製造方法は、ウレタン化の反応においてゲル化を抑制しうる技術に関する。
ポリウレタンは、塗料、接着剤、コーティング、エラストマー、人工皮革・合成皮革、発泡体、活性エネルギー線硬化樹脂などの分野で利用されており、用途の広い有用な樹脂である。
一般的に、ポリウレタンは、構成するポリオールの構造により様々な特性を持つことが知られている。側鎖に脂環骨格を有するアルコールをジオール成分として含むポリエステルポリオールは、制振性や耐加水分解性に優れたポリウレタンが得られることから有用性が高い(特許文献1、特許文献2)。一方、側鎖に脂環骨格を有するジオールの製造方法としては、脂環骨格を有するアルデヒドとホルムアルデヒドから合成する方法が提案されている(特許文献3)。
日本国特開2002−338650号公報 日本国特開平11−189637号公報 国際公開第01/085657号パンフレット
本発明者らは、ポリウレタンの原料として有用な、側鎖に脂環骨格を有するポリエステルポリオールとして、側鎖に脂環骨格を有するジオールと、二塩基酸成分とを構成成分として含むポリエステルポリオールを用いたポリウレタンの製造を検討したところ、反応時にゲル化を起こし、安定した品質のポリウレタンを製造できず、製品化が困難であった。
本発明の目的は、上記の問題点を解決するものであり、ポリウレタンの製造の際のウレタン化反応におけるゲル化を抑制し、安定した品質のポリウレタンを製造し得るポリエステルポリオールを提供することにある。
本発明者らは詳細に検討した結果、ウレタン化反応におけるゲル化はポリエステルポリオール中に微量含有されるアルカリ金属に起因すること、更に、アルカリ金属は側鎖に脂環骨格を有する1,3−プロパンジオールに由来することを見出し、アルカリ金属含有量を低減したポリエステルポリオールを用いることで上記課題を解決し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記[1]〜[6]を提供する。
[1] 側鎖に脂環骨格を有する1,3−プロパンジオールと、二塩基酸成分とを構成成分として含む、アルカリ金属含有量が20質量ppm以下である、ポリエステルポリオール;
[2] 前記側鎖に脂環骨格を有する1,3−プロパンジオールが、シクロヘキサン−1,1−ジメタノールである、[1]に記載のポリエステルポリオール;
[3] [1]又は[2]に記載のポリエステルポリオールと、ポリイソシアネートとを反応させるポリウレタンの製造方法;
[4] [3]に記載の製造方法で得られるポリウレタン;
[5] アルカリ金属含有量が40質量ppm以下の、側鎖に脂環骨格を有する1,3−プロパンジオール;および
[6] シクロヘキサン−1,1−ジメタノールである、[5]に記載の側鎖に脂環骨格を有する1,3−プロパンジオール。
本発明のポリエステルポリオールは、ポリウレタンの製造の際のウレタン化反応において、ゲル化の抑制が可能であり、安定した品質のポリウレタンを製造できる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明によれば、二塩基酸成分と、側鎖に脂環骨格を有する1,3−プロパンジオールとを構成成分として含む、アルカリ金属含有量が20質量ppm以下である、ポリエステルポリオールが提供される。さらに、ポリウレタンの製造方法、及びポリウレタン、並びに側鎖に脂環骨格を有する1,3−プロパンジオールが提供される。
〔ポリエステルポリオール〕
本発明のポリエステルポリオールを構成する二塩基酸成分としては、一般的なポリエステルポリオールにおいて使用される二塩基酸成分を特に制限なく用いることができ、例えばコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、ブラシル酸、ダイマー酸などの脂肪族二塩基酸;1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族二塩基酸などが挙げられる。中でも、入手性などを加味すると、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸を用いるのが好ましい。これらの二塩基酸は一種を単独で使用しても、二種以上を併用してもよい。
本発明のポリエステルポリオールを構成する、側鎖に脂環骨格を有する1,3−プロパンジオールの脂環骨格としては特に制限はないが、炭素数が3〜10のものが好ましい。分子中の脂環骨格は1つでもよく、2つ以上でもよい。具体的な化合物としては、例えば、シクロプロパン−1,1−ジメタノール、シクロブタン−1,1−ジメタノール、シクロペンタン−1,1−ジメタノール、シクロヘキサン−1,1−ジメタノール、2−メチルシクロヘキサン−1,1−ジメタノール、1−シクロヘキセン−4,4−ジメタノール、シクロヘプタン−1,1−ジメタノール、シクロオクタン−1,1−ジメタノール、ジメチルシクロオクタン−1,1−ジメタノールなどが挙げられる。中でも入手性などを加味すると、シクロペンタン−1,1−ジメタノール、シクロヘキサン−1,1−ジメタノール、2−メチルシクロヘキサン−1,1−ジメタノール、1−シクロヘキセン−4,4−ジメタノールなどが好ましく、特にシクロヘキサン−1,1−ジメタノールが好ましい。これらは一種を単独で使用しても、二種以上を併用してもよい。
本発明の側鎖に脂環骨格を有する1,3−プロパンジオールは、アルカリ金属含有量が40質量ppm以下であり、アルカリ金属含有量が20質量ppm以下であることが好ましく、8質量ppm以下であることがより好ましく、4質量ppm以下であることがさらに好ましく、2質量ppm以下であることが特に好ましい。本発明の側鎖に脂環骨格を有する1,3−プロパンジオールはシクロヘキサン−1,1−ジメタノールであることが好ましい。
本発明のポリエステルポリオールは、構成成分として側鎖に脂環骨格を有する1,3−プロパンジオール以外の他の多価アルコール成分(好適にはジオール)を含有することも可能である。かかる他の多価アルコール成分(好適にはジオール)として、一般的なポリエステルポリオールにおいて使用される多価アルコール成分(好適にはジオール)を用いることもできる。他の多価アルコール成分(好適にはジオール)の量は、側鎖に脂環骨格を有する1,3−プロパンジオールに対して、通常、好ましくは50mol%以下であり、30mol%以下であるのがより好ましい。
本発明のポリエステルポリオールにおいて、構成成分である側鎖に脂環骨格を有する1,3−プロパンジオールと二塩基酸成分の量比は、前記した他の多価アルコール成分(好適にはジオール)を有する場合も考慮すると、[(側鎖に脂環骨格を有する1,3−プロパンジオール由来の構成単位数)+(他の多価アルコール成分由来の構成単位数)]:(二塩基酸成分由来の構成単位数)として1.4:1〜1.01:1の範囲が好ましく、1.2:1〜1.04:1の範囲がより好ましく、1.1:1〜1.05:1がさらに好ましい。
本発明のポリエステルポリオールの平均分子量については特に制限されないが、300〜4000が好ましく、350〜3500がさらに好ましく、450〜3000が特に好ましい。ポリエステルポリオールの平均分子量が300以上の場合、水酸基濃度が十分に希釈されており、ウレタン化の際にゲル化を起こしにくい。一方、ポリエステルポリオールの平均分子量が4000以下であれば、溶解させた状態の粘度が低く、ウレタン化の際の取り扱いが容易になる。なお、本発明において、平均分子量とは生成したポリエステルポリオールの水酸基価から算出される数平均分子量のことである。
本発明のポリエステルポリオールは、融点が25℃以下であるのが好ましい。ポリエステルポリオールは、その構造や分子量により、固体状、ワックス状、液状などの形態になりうるが、溶解する手間や溶解に要するエネルギーを節約できる点から、液体の形態が取り扱いに優れている。
本発明のポリエステルポリオールは、アルカリ金属の含有量が20質量ppm以下であり、10質量ppm以下が好ましく、4質量ppm以下がより好ましく、2質量ppm以下がさらに好ましく、1.5質量ppm以下が特に好ましく、1質量ppm以下が最も好ましい。
本発明のポリエステルポリオールは、アルカリ金属含有量を20質量ppm以下とすれば、その製造方法については特に制限はない。ただし、二塩基酸成分を原料として用いて、本発明の側鎖に脂環骨格を有する1,3−プロパンジオールとのエステル交換反応を行うことによるポリエステルポリオールの製造方法によれば、アルカリ金属含有量の少ないポリエステルポリオールを容易に製造できる。
以下に、二塩基酸成分のジアルキルエステルと側鎖に脂環骨格を有する1,3−プロパンジオールとのエステル交換反応で用いる原料について説明する。
本反応で用いる二塩基酸成分のジアルキルエステルとしては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、ブラシル酸、ダイマー酸などの脂肪族二塩基酸のジメチルエステル、ジエチルエステル、ジプロピルエステル、ジブチルエステルなどのジアルキルエステル;1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸のジメチルエステル、ジエチルエステル、ジプロピルエステル、ジブチルエステルなどのジアルキルエステル;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族二塩基酸のジメチルエステル、ジエチルエステル、ジプロピルエステル、ジブチルエステルなどのジアルキルエステルなどが挙げられる。中でも、入手性などを加味すると、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸のジアルキルエステルを用いるのが好ましい。このとき、二塩基酸成分のジアルキルエステル中のアルカリ金属含有量は、好ましくは2質量ppm以下であり、より好ましくは1.5質量ppm以下であり、さらに好ましくは1質量ppm以下である。
側鎖に脂環骨格を有する1,3−プロパンジオールとしては、前述した側鎖に脂環骨格を有する1,3−プロパンジオールを用いることができる。
本発明のポリエステルポリオールは、上記で原料として述べた、二塩基酸成分または二塩基酸成分のジアルキルエステルと、側鎖に脂環骨格を有する1,3−プロパンジオールとをエステル化反応またはエステル交換反応させることで得られる。エステル化反応またはエステル交換反応としては、有機合成反応で一般的にエステル化反応またはエステル交換反応として用いられる方法を適用でき、例えば、二塩基酸成分と側鎖に脂環骨格を有する1,3−プロパンジオールを加熱縮合することで所望のポリエステルポリオールを得ることができる。エステル化反応またはエステル交換反応の温度は、通常140〜240℃、好ましくは180〜220℃である。反応中は窒素やアルゴン等の不活性ガスを液中に通じておくことによって、ポリエステルポリオールの色相を良好に保つことができる。エステル化反応またはエステル交換反応は、反応に影響を与えない溶媒の存在下に行ってもよいが、通常、好ましくは無溶媒で行う。
エステル化反応またはエステル交換反応は触媒の存在下で行うことが好ましい。かかる触媒としては、テトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラ−2−エチルヘキシルチタネート、チタンアセチルアセトネートなどのチタン化合物;ジブチルスズオキサイド、メチルフェニルスズオキサイド、ヘキサエチルスズオキサイドなどのスズ化合物;炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、マグネシウムアルコキサイドなどのマグネシウム化合物が好ましく、テトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラ−2−エチルヘキシルチタネート、チタンアセチルアセトネートなどのチタン化合物がより好ましい。触媒の使用量に特に制限はないが、金属原子換算で多価アルコールに対して、通常、0.5〜500質量ppmの範囲であるのが好ましく、1〜100質量ppmの範囲であるのがより好ましく、2〜50質量ppmが特に好ましい。触媒の使用量が0.5質量ppm以上であれば、ポリエステルポリオールを速やかに形成することができ、時間の短縮により経済的に有利である。一方、触媒の使用量が500ppm質量以下であれば、反応後の触媒の除去や失活が容易である。
ポリエステルポリオールを製造する際に用いられる触媒は後のウレタン化反応でも触媒として作用することから、後のウレタン化反応の反応性を制御するために、ポリエステルポリオールを製造した後に触媒の失活処理を行うのが望ましく、触媒を完全に失活させることが望ましい。触媒の失活方法としては、一般的なポリエステルポリオールの製造に用いられる触媒の失活方法を適用できる。例えばチタン化合物を触媒として用いた場合、水またはリン化合物を添加して触媒を失活させる方法や、水を添加した後にリン化合物をさらに添加する方法などが挙げられ、チタン化合物の影響を十分に低減できる点で、水を添加した後にリン化合物をさらに添加する方法が好ましい。
以下に、触媒としてチタン化合物を用いた場合の失活の方法を説明する。
触媒を失活させる際の、水を加えての加熱は、特に制限されないが、一般に70〜120℃の温度が好ましく、90〜120℃の温度が特に好ましい。この加熱処理時間は、特に限定されないが、通常約1〜3時間程度行うとよい。
添加するリン化合物としては、亜リン酸、リン酸、亜リン酸ジメチル、亜リン酸ジイソプロピル、亜リン酸ジ−n−ブチル、亜リン酸イソブチル、亜リン酸ジ−n−エチルヘキシル、亜リン酸ジラウリル、亜リン酸ジオレイル、亜リン酸ジステアリル、亜リン酸ジフェニル、亜リン酸モノメチル、亜リン酸モノエチル、リン酸ジメチル、リン酸ジエチル、リン酸ジイソプロピル、リン酸ジ−n−ブチル、リン酸イソブチル、リン酸ジ−n−エチルヘキシル、リン酸ジラウリル、リン酸ジオレイル、リン酸ジステアリル、リン酸ジフェニル、リン酸モノメチル、リン酸モノエチル等を挙げることができる。中でも、亜リン酸、亜リン酸ジフェニル、亜リン酸ジステアリル、リン酸ジフェニルが好ましい。リン化合物の添加量は、ポリエステルポリオール中に含まれるチタン化合物の量に対して、チタン化合物中のチタン原子:リン化合物中のリン原子=1:0.01〜2のモル比であるのが好ましい。
また、上記で製造したポリエステルポリオールを、ポリウレタンの原料として使用する場合は、上記で製造したポリエステルポリオールから水を除去して使用するのがよい。水の除去は、リン化合物の添加後に行うのが好ましいが、それに限定されず、水を加えて加熱処理した後にリン化合物を添加する前に行ってもよい。水の除去は、減圧下での加熱乾燥等の任意の方法により行うことができる。
以上のようにして、本発明のポリエステルポリオールを得ることができる。
〔ポリウレタンの製造方法〕
本発明におけるポリウレタンの製造方法は、ポリエステルポリオールと、ポリイソシアネートとを反応させる工程を含む。本発明のポリウレタンは、該製造方法により得られる。
本発明のポリエステルポリオールを用いてポリウレタンを製造する場合、一般的なポリエステルポリオールのウレタン化反応として用いられている方法を適用できる。イソシアネートとしては、例えばジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(以下、MDIと略称する。)、トリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、水添MDIなどの慣用のイソシアネートを使用できる。また、必要に応じて低分子ポリオールやポリアミン等の鎖伸長剤等を共に使用できる。鎖伸長剤としては特に限定されないが、炭素数2〜20の脂肪族ジオールを主体とする活性水素原子を少なくとも2個有する低分子化合物(以下、単に「活性水素原子を有する低分子化合物」ということがある)を用いることが好ましい。活性水素原子を有する低分子化合物としては、例えばエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、キシリレングリコール、ビスヒドロキシベンゼン、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、3,3−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、イソホロンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン等が挙げられる。
本発明のポリエステルポリオールの反応性は、例えばポリエステルポリオールとMDIを50℃にて反応させ、その見かけの反応速度定数を測定することで評価できる。見かけの反応速度定数が大きいことはすなわち、ポリエステルポリオールとイソシアネートとの反応速度が速いことを意味するが、ウレタン化の反応は発熱反応であるため、反応速度が速すぎると系中が局所的に異常過熱され、副反応を併発し、場合によってはゲル化など望ましくない結果を生じることがある。したがって、安定的な品質のポリウレタンを得るためには、通常はMDIとの50℃における見かけの反応速度定数が0.01kg・mol−1・min−1以上、0.1kg・mol−1・min−1以下のものであることが好ましい。
本発明の方法で得られるポリウレタンは、機械的強度や、酸性および塩基性条件下での耐加水分解性に優れており、シート、フィルム、フォーム、ロール、ギア、ソリッドタイヤ、ベルト、ホース、チューブ、パッキング材、防振材、靴底、スポーツ靴、機械部品、建築用資材、自動車部品、家具、ライニング、シーリング材、防水材、スポーツ用品、弾性繊維、人工皮革、繊維処理剤、接着剤、コーティング剤、各種バインダー、塗料などの用途に好適に使用できる。
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はかかる実施例により何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例および比較例における物性値の測定は、下記の方法により行なった。
[反応速度定数の測定方法]
後述の実施例および比較例で得られたポリエステルポリオール15mmolとMDI(ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート)15mmolを、50℃のオイルバスにつけた三口フラスコ中、窒素下で30分間反応させ、系内のイソシアネート基の減少量を追跡して反応速度定数(kg・mol−1・min−1)を求めた。反応速度定数が高くなるにつれ、反応制御が困難になることを表す。
<実施例1>
アジピン酸133.4g、ナトリウム原子含量が7.6質量ppmの1,1−シクロヘキサンジメタノール179.4gを反応器に仕込み、窒素雰囲気下、常圧で200℃に加熱し、生成する水を系外に留去しながらエステル化反応を行なった。生成する水の留出が少なくなった段階で、テトライソプロピルチタネート5mgを添加し、減圧しながら反応を続けた。次に、水5g(理論収量に対して2重量%相当)を添加し、100℃で2時間攪拌した。その後、リン酸ジフェニルを0.02g添加して、減圧下で水を留去し、数平均分子量2120のポリエステルポリオールを得た。得られたポリエステルポリオール中のナトリウム原子含量は、3.7質量ppmであった。
得られたポリエステルポリオールの反応速度定数を上記した測定方法により調べたところ、0.08kg・mol−1・min−1であった。
<比較例1>
ナトリウム原子含量が213.6質量ppmの1,1−シクロヘキサンジメタノールを用いた以外は実施例1と同様にしてポリエステルポリオールを得た。得られたポリエステルポリオール中のナトリウム原子含量は、103.2質量ppmであり、上記した反応速度定数測定方法により調べたところ、反応開始直後から著しい内温上昇があり、ゲル化してしまい測定不能であった。この比較例から、アルカリ金属を含有する1,1−シクロヘキサンジメタノールを原料として用いたポリエステルポリオールでは、イソシアネートとの反応速度が著しく高く、ゲル化を引き起こしやすいことが分かる。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本出願は、2014年3月28日出願の日本特許出願(特願2014−70036)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。

Claims (6)

  1. 側鎖に脂環骨格を有する1,3−プロパンジオールと、二塩基酸成分とを構成成分として含む、アルカリ金属含有量が20質量ppm以下である、ポリエステルポリオール。
  2. 前記側鎖に脂環骨格を有する1,3−プロパンジオールが、シクロヘキサン−1,1−ジメタノールである、請求項1に記載のポリエステルポリオール。
  3. 請求項1又は2に記載のポリエステルポリオールと、ポリイソシアネートとを反応させるポリウレタンの製造方法。
  4. 請求項3に記載の製造方法で得られるポリウレタン。
  5. アルカリ金属含有量が40質量ppm以下の、側鎖に脂環骨格を有する1,3−プロパンジオール。
  6. シクロヘキサン−1,1−ジメタノールである、請求項5に記載の側鎖に脂環骨格を有する1,3−プロパンジオール。
JP2016510499A 2014-03-28 2015-03-26 脂環骨格を有するポリエステルポリオール Pending JPWO2015147202A1 (ja)

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