JP2002069163A - ラクトンポリエステルジオール、それから得られるポリウレタン及びそのスパンデックスフィラメント - Google Patents

ラクトンポリエステルジオール、それから得られるポリウレタン及びそのスパンデックスフィラメント

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JP2002069163A JP2000262672A JP2000262672A JP2002069163A JP 2002069163 A JP2002069163 A JP 2002069163A JP 2000262672 A JP2000262672 A JP 2000262672A JP 2000262672 A JP2000262672 A JP 2000262672A JP 2002069163 A JP2002069163 A JP 2002069163A
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polyester diol
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lactone polyester
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Toshiro Endo
敏郎 遠藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 弾性回復力、強度、さらに耐加水分解性、耐
熱性の点で更に優れたスパンデックスフィラメント、そ
れを与えるポリウレタン、更にそれに使用するポリエス
テルジオールを提供する。 【解決手段】 特定の脂環式ジオール、ε−カプロラク
トン及び二塩基酸を、少なくとも構成成分単位として含
むラクトンポリエステルジオールと有機ジイソシアネー
トから得られるポリウレタンからなるスパンデックスフ
ィラメント。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、弾性回復力、高張
力、更には耐加水分解性、耐熱性の点で優れたスパンデ
ックスフィラメント(ポリウレタン弾性繊維)、それを
与えるポリウレタン、更にそれに使用するラクトンポリ
エステルジオールに関する。
【0002】
【従来の技術】線状構造を有するポリウレタンは、両末
端に水酸基を有する長鎖のジオールと有機ジイソシアネ
ート及び比較的低分子量の2個の活性水素を有する鎖延
長剤と称するジオール又はジアミン等を反応させて得ら
れる。このようにして得られるポリウレタンの弾性回復
力、耐加水分解性の向上に対し、種々の提案がなされて
いる。
【0003】特開昭58−59212号公報に記載され
ているように、ポリエチレングリコールアジペートポリ
エステルを用いたポリウレタンは弾性回復力に優れてい
るが、耐加水分解性に劣る。また1,4−ブチレングリ
コールアジペートポリエステルは有る程度の耐加水分解
性を有するが、そのポリウレタンの弾性回復力は乏し
い。またポリカプロラクトンポリオールからのポリウレ
タンは耐加水分解性、耐候性、耐熱性に優れるが、弾性
回復力に劣る。該公報には、ポリカプロラクトン系ポリ
ウレタンの欠点を解消する方法として、ネオペンチルグ
リコールとアジピン酸の脱水エステル化反応によって合
成されたポリエステルポリオールとε−カプロラクトン
とのエステル交換反応により得られた特定のポリカプロ
ラクトンポリエステルポリオールを用いる技術が記載さ
れている。しかし、該公報に記載のポリウレタンの弾性
回復力、耐加水分解性では必ずしも十分とは言えず、そ
れらの更に向上したポリウレタンが望まれている。
【0004】また特開平11−1822号公報には、ポ
リエステルポリオールを構成するジオール成分として2
−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオー
ル、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール等を
用いる耐アルカリ加水分解性に優れるポリウレタン弾性
繊維が開示されている。しかし、該公報のポリウレタン
弾性繊維では、耐加水分解性には優れるものの、更に弾
性回復力、強度の点で改善されるものが望まれる。
【0005】また、特開平11−189637号公報に
は、「ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物の
重付加によって得られるポリウレタンであって、ポリオ
ール化合物の全部または一部が、下記一般式(i)で表
される繰り返し単位からなる水酸基価が10〜200で
あるポリエステルポリオールであり、且つ該ポリエステ
ルポリオール中のポリオール残基Aのうち、10〜10
0%が一般式(ii)又は一般式(iii)で表されるジオ
ール残基であるポリウレタン」が開示されている。
【0006】
【化2】
【0007】(式中、Rは炭素数が1〜4までのアル
キル基又はフェニル基、Rは水素原子もしくはメチル
基を、Xは単結合又は二重結合を表す。) しかしながら、この公報のポリウレタンは剛性が強く、
弾性回復性に劣るという問題点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、弾性
回復力、強度、さらに耐加水分解性、耐熱性の点で更に
優れたスパンデックスフィラメント、それを与えるポリ
ウレタン、更にそれに使用するポリエステルジオールを
提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポリウレ
タンの原料として、特定の環式脂肪族ジオール、ε−カ
プロラクトン及び二塩基酸から得られるポリエステルジ
オールを用いることにより前記課題が解決できることを
見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち本発明の第1は、式(1)及び式
(2)で表されるジオールから選ばれた少なくとも一種
のジオール(A)、ε−カプロラクトン(B)及び二塩
基酸(C)を、少なくとも構成成分単位として含むラク
トンポリエステルジオールと有機ジイソシアネートから
得られるポリウレタンを提供する。
【0011】
【化3】
【0012】(式(1)及び(2)において、環を構成
する結合の一部は二重結合であってもよく、R1は炭素
数が1〜4までのアルキル基もしくはフェニル基、R2
は水素原子もしくはメチル基を表す。) 本発明の第2は、二塩基酸(C)が脂肪族及び/又は芳
香族ジカルボン酸である本発明の1に記載のラクトンポ
リエステルジオールを提供する。本発明の第3は、二塩
基酸(C)が、アジピン酸、グルタル酸、ピメリン酸、
スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二
酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、テレフタル
酸、イソフタル酸、5−スルホナトリウムイソフタル
酸、5−スルホナトリウムイソフタル酸、またはこれら
の混合物である本発明の第1に記載のラクトンポリエス
テルジオールを提供する。本発明の第4は、数平均分子
量が500〜5,000の範囲である本発明の1〜3の
いずれかに記載のラクトンポリエステルジオールを提供
する。本発明の第5は、ジオール(A)と二塩基酸から
なるポリエステル構成単位含量/ε−カプロラクトンの
構成単位含量(重量比)が5/95〜80/20の範囲
である本発明の1〜4のいずれかに記載のラクトンポリ
エステルジオールを提供する。本発明の第6は、本発明
の1〜5のいずれかに記載のラクトンポリエステルジオ
ールと有機ジイソシアネートから得られるポリウレタン
を提供する。本発明の第7は、本発明の6に記載のポリ
ウレタンからなるスパンデックスフィラメントを提供す
る。以下、本発明を詳しく説明する。
【0013】
【発明の実施の形態】ジオール(A) 本発明で用いるジオール(A)は、特定の脂環式構造を
有するジオールであり、前記式(1)及び式(2)で表
されるジオールから選ばれた少なくとも一種である。脂
環式構造は、シクロヘキサン環またはノルボルナン環な
どである。上記式(1)及び(2)において、Rは、
炭素数1〜4のアルキル基であり、好ましくはメチル基
又はエチル基である。更に、Rは、水素原子、メチル
基の何れであってもよい。ジオール(A)は、2−位が
炭素数1〜4のアルキル基またはフェニル基で置換され
た1,1−シクロヘキサンジメタノール構造、3−位が
炭素数1〜4のアルキル基またはフェニル基で置換され
た2,2−ノルボルナンジメタノール構造、6−位が炭
素数1〜4のアルキル基またはフェニル基で置換された
3−シクロヘキセン−1,1−ジメタノール構造、もし
くは、3−位が炭素数1〜4のアルキル基またはフェニ
ル基で置換された5−ノルボルネン−2,2−ジメタノ
ール構造を有する化合物が挙げられる。具体的には、2
−メチル−1,1−シクロヘキサンジメタノール、2−
エチル−1,1−シクロヘキサンジメタノール、2−プ
ロピル−1,1−シクロヘキサンジメタノール、2−ブ
チル−1,1−シクロヘキサンジメタノール、2−フェ
ニル−1,1−シクロヘキサンジメタノール、2,3−
ジメチル−1,1−シクロヘキサンジメタノール、2,
4−ジメチル−1,1−シクロヘキサンジメタノール、
2,5−ジメチル−1,1−シクロヘキサンジメタノー
ル、2,6−ジメチル−1,1−シクロヘキサンジメタ
ノール、3−メチル−2,2−ノルボルナンジメタノー
ル、3−エチル−2,2−ノルボルナンジメタノール、
3−プロピル−2,2−ノルボルナンジメタノール、3
−ブチル−2,2−ノルボルナンジメタノール、3−フ
ェニル−2,2−ノルボルナンジメタノール、6−メチ
ル−3−シクロヘキセン−1,1−ジメタノール、6−
エチル−3−シクロヘキセン−1,1−ジメタノール、
6−プロピル−3−シクロヘキセン−1,1−ジメタノ
ール、6−ブチル−3−シクロヘキセン−1,1−ジメ
タノール、6−フェニル−3−シクロヘキセン−1,1
−ジメタノール、5,6−ジメチル−3−シクロヘキセ
ン−1,1−ジメタノール、4,6−ジメチル−3−シ
クロヘキセン−1,1−ジメタノール、3,6−ジメチ
ル−3−シクロヘキセン−1,1−ジメタノール、2,
6−ジメチル−3−シクロヘキセン−1,1−ジメタノ
ール、3−メチル−5−ノルボルネン−2,2−ジメタ
ノール、3−エチル−5−ノルボルネン−2,2−ジメ
タノール、3−プロピル−5−ノルボルネン−2,2−
ジメタノール、3−ブチル−5−ノルボルネン−2,2
−ジメタノール、3−フェニル−5−ノルボルネン−
2,2−ジメタノール等が挙げられる。
【0014】また本発明の効果を阻害しない範囲で、ジ
オール(A)以外の他のジオール化合物を併せて用いる
こともできる。他のジオール化合物としては、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジ
オール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリ
コール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−
メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−ノナンジ
オール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2−n−ブ
チル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2
−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエ
チル−1,5−ペンタンジオール等が挙げられる。これ
らは各単独で用いるほか、2種を混合して用いてもよ
い。
【0015】二塩基酸(C) 本発明に係るポリエステルジオールの酸成分としては二
塩基酸(C)を用いる。二塩基酸(C)は、脂肪族もし
くは芳香族ジカルボン酸等であり、具体的には、アジピ
ン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライ
ン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、1,11−ウンデカ
ンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、5−ス
ルホナトリウムイソフタル酸等が挙げられ、好ましくは
アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸
である。これらの酸成分は単独でまたは2種以上の混合
物であってもよい。なお、原料の酸成分としては、エス
テル誘導体や酸無水物の形で用いてもよい。
【0016】本発明に係るポリエステルジオールを構成
する他の成分はε−カプロラクトン(B)であるが、本
発明の効果を阻害しない範囲で、その他のラクトン、例
えばモノメチル−ε−カプロラクトン、トリメチル−ε
−カプロラクトンなどのメチル化ε−カプロラクトン、
γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン等をε−カプ
ロラクトンの副成分として用いてもよい。
【0017】本発明のポリエステルジオールの製造方法
としては、特に限定されず、公知の方法が使用される。
例えば、特開昭58−59212号公報に記載の方法に
準じて製造することができる。すなわち、前記ジオー
ル、ε−カプロラクトン及びアジピン酸を混合加熱し、
脱水エステル化反応と開環反応、エステル交換反応とに
よって製造できる(ワンポット法)、あるいは、ジオー
ルとアジピン酸の脱水エステル化反応によって得られる
ポリエステルジオールと、別に多価アルコールにε−カ
プロラクトンを開環反応させて合成したポリカプロラク
トンポリオール、通常はポリカプロラクトンジオールと
を混合した後、両者のエステル交換反応によって製造す
ることもできる。更には、分子量の小さいポリエステル
ポリオールにε−カプロラクトンを開環重合させること
によっても製造できる。これらの中では、ワンポット法
が簡便であり、好ましい。これらの反応は、着色を防ぐ
観点から、およびε−カプロラクトンの解重合反応を防
ぐ観点から130〜240℃、好ましくは140〜23
0℃で行うことが好ましい。これらの反応には、通常、
触媒を全モノマーに対し0.05〜1,000重量pp
m、好ましくは0.1〜100重量ppm用いる。触媒
としては、テトラブチルチタネート、テトラプロピルチ
タネート等の有機チタン化合物、ジブチルスズラウレー
ト、オクチル酸スズ、ジブチルスズオキシド、塩化第1
スズ、臭化第1スズ、ヨウ化第1スズ等のスズ化合物を
用いることができる。反応は窒素等の不活性ガスを通じ
ながら行うことが、得られる目的物の着色防止等の点か
ら好ましい。
【0018】本発明のポリエステルジオールの構成単位
含量としては、ジオール(A)と二塩基酸からなるポリ
エステル構成単位含量/ε−カプロラクトンの構成単位
含量(重量比)が5/95〜80/20、好ましくは2
0/80〜70/30の範囲になるように、すなわちこ
の範囲に相当する割合で各原料を用いる。この様にして
得られるポリエステルジオールの数平均分子量は500
〜5,000、好ましくは1,500〜4,000の範
囲である。5,000以上の分子量であると、ソフトセ
グメントの結晶性が増加し、満足な物性のスパンデック
スフィラメントが得られにくい。数平均分子量は水酸基
価(JIS K1557)によって測定できる。
【0019】前記で得られたポリエステルジオールと有
機ジイソシアネートから、ポリウレタンを製造する。ポ
リウレタンの製造方法としては公知の方法、例えば特開
昭58−59212号公報、特開平11−1822号公
報等に記載の方法が挙げられ、これらに準ずればよい。
すなわちポリエステルジオール、鎖延長剤としての低分
子ジオールもしくはジアミン、および有機ジイソシアネ
ートを一括して、溶媒下または無溶媒下に反応させるワ
ンショット法、またはポリエステルジオールと有機ジイ
ソシアネートをあらかじめ反応させてプレポリマーを製
造し、ついで低分子ジオールを溶媒下または無溶媒下で
反応させるプレポリマー法等がある。コスト面からは無
溶媒下で製造する溶融重合法が好ましい。その際の原料
配合率は有機ジイソシアネートのNCO基/ポリエステ
ルジオールと低分子ジオールの全OH基=0.5〜1.
5、好ましくは0.8〜1.2である。前記溶媒として
は、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メ
チルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、テトラヒド
ロフラン等が挙げられる。
【0020】本発明で使用される有機ジイソシアネート
としては2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−
トリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシア
ネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、m−フェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレン
ジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、
2,4−ナフタレンジイソシアネート、4,4’−ジフ
ェニレンジイソシアネート、p−キシレンジイソシアネ
ート、m−キシレンジイソシアネート、4,4’−ジイ
ソシアネートジシクロヘキサン、4,4’−ジイソシア
ネートジシクロヘキシルメタン、イソホロンジイソシア
ネート等が挙げられる。これらは単独もしくは2種以上
を併用してもよい。
【0021】前記鎖延長剤としての低分子ジオールとし
ては、本発明で使用するジオール、またはそれと併用で
きるとして前記したジオール化合物を用いることができ
る。鎖延長剤としてのジアミンは、エチレンジアミン、
ヒドラジン、イソホロンジアミン、メタフェニレンジア
ミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ジアミノ
ジフェニルスルホン、3,3’−ジクロル−4,4’−
ジアミノジフェニルメタン等を用いることができる。
【0022】前記の方法によって得られたポリウレタン
は、通常のポリウレタンが使用される各種用途、例え
ば、熱可塑性エラストマー、硬質もしくは軟質ウレタン
フォーム、接着剤、人工皮革、合成皮革、塗料等に用い
られることはもちろんであるが、特にスパンデックスフ
ィラメントに用いることが好ましい。
【0023】本発明のポリウレタンからスパンデックス
フィラメントを得るための紡糸方法としては公知の方
法、すなわち乾式紡糸法、湿式紡糸法、溶融紡糸法等が
用いられる。これらの内、コスト面を考えると溶融紡糸
法が望ましい。また紡糸後、弾性繊維を熱処理すること
により更に高物性のものが得られる。
【0024】本発明におけるスパンデックスフィラメン
トには、必要に応じてフェノール誘導体等の酸化防止
剤、置換ベンゾトリアゾール等の紫外線吸収剤、高級脂
肪酸金属塩やシリコーン化合物等の膠着防止剤等を添加
することもできる。
【0025】本発明により提供されるスパンデックスフ
ィラメントは、弾性回復力、強度、耐加水分解性の点で
優れており、スパンデックスフィラメントの通常の使用
形態、すなわちナイロン、綿等との交編、交織という形
で使用される。特に相手素材に綿を用いた場合、交編や
交織後の後加工、すなわち酸またはアルカリの雰囲気
下、高温で処理される精練、漂白、シルケット加工等の
工程を経ても良好な耐加水分解性を発揮する。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、実施例および比較例における「部」は特に断りのない
限り「重量部」である。また実施例および比較例で用いた
化合物は略称を用いた。略号と化合物との関係を表1に
示す。
【0027】なお得られたポリウレタン弾性繊維の耐ア
ルカリ加水分解性の評価は、以下に示すようなアルカリ
雰囲気下で行った。 (ポリウレタン弾性繊維の耐アルカリ加水分解性)ポリ
ウレタン弾性繊維を60g/リットルの水酸化ナトリウ
ム水溶液に98℃で30分、定長下、浸漬処理し、処理
前後のポリウレタン弾性繊維の強度保持率および200
%伸長時の応力保持率で評価した。 (1)200%応力:200%伸長時の応力 (2)強度保持率:(アルカリ処理後の強度/アルカリ
処理前の強度)×100 (3)200%応力保持率:(アルカリ処理後の200
%応力/アルカリ処理前の200%応力)×100
【0028】
【表1】
【0029】(実施例1〜10)表2に示す組成の80
℃で加熱溶融した平均分子量2,000のポリエステル
ポリオールを101部、45℃で加熱溶融したMDI
(4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート)を3
9部およびBDを9.5部それぞれ定量ポンプにより二
軸押出機に連続的に供給し、240℃連続溶融重合を行
い、生成したポリウレタンをストランド状で水中に押し
出し、カットしてペレットとした。このペレットを80
℃で窒素気流下24時間乾燥した。
【0030】このペレットを単軸押出機の紡糸機で紡糸
温度217℃、紡糸速度600m/分で紡糸し、40デ
ニール(d)、モノフィラメントのポリウレタン弾性繊
維を得た。このポリウレタン弾性繊維を用いて、諸物性
並びに耐アルカリ加水分解性を評価した。その結果を表
3に示す。いずれの場合も良好な糸物性並びに耐アルカ
リ加水分解性を示した。
【0031】
【表2】
【0032】表中、DIOL/AAは、ジオールとアジピン酸
(ジカルボン酸)からなるポリエステルPEを意味し、PE
(wt%)は該ポリエステルPE構成単位とε-カプロラクトン
構成単位の合計、即ちポリエステルポリオール中のポリ
エステルPE構成単位の重量割合を示す。
【0033】
【表3】
【0034】(比較例1〜7)表3に示すような、MCHD
M:2−メチル−1,1−シクロヘキサンジメタノー
ル、MNDM:3−メチル−2,2−ノルボルナンジメタノ
ール、MCEDM:6−メチル−3−シクロヘキセン−1,
1−ジメタノールの群から選ばれた少なくとも一種のジ
オールとアジピン酸からなるポリエステル構成単位含量
/ε-カプロラクトンの構成単位含有量(重量比)が5
/95〜80/20の範囲外であるポリエステルポリオ
ールを用いて実施例と同様な方法でポリウレタン弾性繊
維を得て、糸物性および耐アルカリ加水分解性を評価し
た。その結果を表3に示した。
【0035】表3より明らかなように、MCHDM:2−メ
チル−1,1−シクロヘキサンジメタノール、MNDM:3
−メチル−2,2−ノルボルナンジメタノール、MCED
M:6−メチル−3−シクロヘキセン−1,1−ジメタ
ノールの群から選ばれた少なくとも一種のジオールとア
ジピン酸からなるポリエステル構成単位含量/ε−カプ
ロラクトンの構成単位含有量(重量比)が5/95〜8
0/20の範囲であるポリエステルポリオールを使用し
ている実施例1〜10のポリウレタン弾性繊維は、比較
例と比較して、アルカリ加水分解後、顕著な強度および
200%伸長時の応力低下等は無く、満足いく糸物性を
得られることが判る。
【0036】
【発明の効果】本発明により、優れた耐アルカリ加水分
解性、耐熱性を示し、更に高張力な性能を有するポリウ
レタン弾性繊維を得ることが可能となるので、産業界に
寄与すること大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J029 AA02 AA03 AB01 AB04 AB07 AC02 AD01 AE17 BD02 BD06A BD06C CA02 CA05 CA06 CB05A CB05B CB06A CH02 DB01 EG09 JF522 KB02 4J034 BA03 DC12 DC35 DC37 DC38 DC43 DF01 DF12 DF15 DF20 DF21 DF22 HA01 HA07 HA11 HA13 HC03 HC12 HC13 HC16 HC22 HC45 HC46 HC54 HC61 HC64 QD04 RA02 RA09 4L035 BB32 EE04 EE08 EE20 MH03 MH04 MH13

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1)及び式(2)で表されるジオー
    ルから選ばれた少なくとも一種のジオール(A)、ε−
    カプロラクトン(B)及び二塩基酸(C)を、少なくと
    も構成成分単位として含むラクトンポリエステルジオー
    ル。 【化1】 (式(1)及び(2)において、環を構成する結合の一
    部は二重結合であってもよく、Rは炭素数が1〜4ま
    でのアルキル基もしくはフェニル基、Rは水素原子も
    しくはメチル基を表す。)
  2. 【請求項2】 二塩基酸(C)が脂肪族及び/又は芳香
    族ジカルボン酸である請求項1に記載のラクトンポリエ
    ステルジオール。
  3. 【請求項3】 二塩基酸(C)が、アジピン酸、グルタ
    ル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシ
    ン酸、ドデカン二酸、1,11−ウンデカンジカルボン
    酸、テレフタル酸、イソフタル酸、5−スルホナトリウ
    ムイソフタル酸、又はこれらの混合物である請求項1に
    記載のラクトンポリエステルジオール。
  4. 【請求項4】 数平均分子量が500〜5,000の範
    囲である請求項1〜3のいずれかに記載のラクトンポリ
    エステルジオール。
  5. 【請求項5】 ジオール(A)と二塩基酸からなるポリ
    エステル構成単位含量/ε−カプロラクトンの構成単位
    含量(重量比)が5/95〜80/20の範囲である請
    求項1〜4のいずれかに記載のラクトンポリエステルジ
    オール。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載のラクト
    ンポリエステルジオールと有機ジイソシアネートから得
    られるポリウレタン。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のポリウレタンからなる
    スパンデックスフィラメント。
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