JP2709234B2 - ポリエステル製ステープル - Google Patents

ポリエステル製ステープル

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JP2709234B2 JP4117654A JP11765492A JP2709234B2 JP 2709234 B2 JP2709234 B2 JP 2709234B2 JP 4117654 A JP4117654 A JP 4117654A JP 11765492 A JP11765492 A JP 11765492A JP 2709234 B2 JP2709234 B2 JP 2709234B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生分解性を有し、実用
上十分な高分子量と特定の溶融特性を有する脂肪族ポリ
エステルを用いて成形された熱安定性および機械的強
度、熱融着性に優れたステープルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、生産性、強度、洗濯適性等々にす
ぐれた合成樹脂(プラスチック)製糸、紡績糸、織布が
生産されているが、これら多量に使用されているプラス
チックの廃棄物が、河川、海洋、土壌を汚染する可能性
を有し、大きな社会問題になっており、この汚染防止の
ために生分解性を有するプラスチックの出現が待望され
既に、ている。例えば、微生物による発酵法により製造
されるポリ(3−ヒドロキシブチレート)やブレンド系
の天然高分子である澱粉と汎用プラスチックとのブレン
ド物等が知られている。しかし、前者はポリマーの熱分
解温度が融点に近いため成形加工性に劣ることや微生物
が作りだすため、原料原単位が非常に悪い欠点を有して
いる。また、後者は天然高分子自身が熱可塑性でないた
め、成形性に難があり、利用範囲に大きな制約を受けて
いる。一方、脂肪族のポリエステルは生分解性を有する
ことは知られていたが、実用的な成形品物性を得るに十
分な高分子量物が得られないために、ほとんど利用され
なかった。最近、ε−カプロラクトンが開環重合により
高分子量になることが見いだされ、生分解性樹脂として
提案されているが、融点が62℃と低く、原料が高価な
ため特殊用途への利用に限定されている。グリコール酸
や乳酸などもグリコリドやラクチドの開環重合により高
分子量が得られ、僅かに医療用繊維等に利用されている
が、融点と分解温度が近く、成形加工性に欠点を持ち、
糸類や、布類に大量に使用されるには至っていない。
【0003】この糸、特に紡績糸、不織布用糸、織布用
材料の一つとしてのステープルの成形に通常用いられて
いる高分子量ポリエステル(ここで言う高分子量ポリエ
ステルとは、数平均分子量が10,000以上のものを
指す)は、テレフタル酸(ジメチルテレフタレートを含
む)とエチレングリコールとの縮合体であるポリエチレ
ンテレフタレートに限定されるといっても過言ではな
い。テレフタル酸の代りに、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸を用いた例もあるが、いずれも、生分解性を付与
しようとする試みの報告はまだされていないのが現状で
ある。従って、従来、ジカルボン酸に脂肪族タイプを使
用した、生分解性を有する脂肪族のポリエステルを用い
て、ステープルを成形し、実用化しようとするとの思想
は皆無といってよい。この実用化の思想の生まれていな
い理由の一つは、ステープルが、特殊な成形材料と成形
物性が要求されているにもかかわらずたとえ結晶性であ
ったとしても、前記脂肪族のポリエステルの融点は10
0℃以下のものがほとんどであり、そル上溶融時の熱安
定性に乏しいこと、更に重要なことはこの脂肪族のポリ
エステルの性質、特に引張り強さで代表される機械的性
質が、上記ポリエチレンテレフタレートと同一レベルの
数平均分子量でも著しく劣った値しか示さず、強度等を
要する成形物を得ようとする発想をすること自体困難で
あったものと考えられる。さらに脂肪族のポリエステル
の数平均分子量をより上昇させて物性向上を期待する研
究は、その熱安定性の不良から十分に進展していないこ
ともその理由の一つと推察される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これら脂肪
族のポリエステルをその成分として用い、実用上十分な
高分子量を有し、熱安定性および引張り強さに代表され
る機械的性質、熱融着性に優れ、且つ、廃棄処分手段の
ひとつとしての生分解性、即ち、微生物等による分解も
可能な、使用後廃棄処分のしやすいステープル繊維を提
供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高分子量
で十分な実用性をもったステープル成形性を有するポリ
エステルを得るための反応条件を種々検討した結果、生
分解性を保持しつつ、実用上十分な高分子量を有する特
定の脂肪族ポリエステルを得、これから成形された マ
ルチフィラメントは上記生分解性を有することはもちろ
ん熱安定性、引張り強さ、フレキシビリティに優れてい
ることを見出し、このマルチフィラメントを適当な長さ
にカットしてステープルを得ることにより本発明を完成
するに至った。
【0006】即ち、本発明の要旨は、(A)主としてグ
リコール類と多塩基酸(またはその無水物)を構成成分
とし、温度190℃、剪断速度1,000sec−1
おける溶融粘度が1.0×10〜1.0×10ポイ
ズであり、融点が70〜190℃である脂肪族ポリエス
テルを主成分として押出成形されてなるステープル、
(B)脂肪族ポリエステルが数平均分子量10.000
以上であり、0.03〜3.0重量%のウレタン結合を
含む(A)のステープル、(C)数平均分子量が5,0
00以上、融点が60℃以上の脂肪族ポリエステルプレ
ポリマー100重量部に、0.1〜5重量部のジイソシ
アナートを反応させることにより得られる脂肪族ポリエ
ステルを用いてなる(A)または(B)のステープル、
(D)引張強度が2 0〜10.0g/d、引張伸度が
10〜120%の(A)、(B)または(C)のステー
プルにある。以下、本発明の内容を詳細に説明する。
【0007】本発明でいう脂肪族ポリエステルとは、グ
リコール類と多塩基酸(またはその酸無水物)とから合
成されるポリエステルを主成分とするものであり、分子
量を高くするため、両端にヒドロキシル基を有する、比
較的高分子量のポリエステルプレポリマーを選び、カッ
プリング剤により、さらに反応させたものである。
【0008】従来から、末端基がヒドロキシル基であ
る、数平均分子量が2,000〜2,500の低分子量
ポリエステルプレポリマーをカップリング剤としてのジ
イソシアナートと反応させて、ポリウレタンとし、ゴ
ム、フォーム、塗料、接着剤とすることは広く行われて
いる。しかし、これらのポリウレタン系フォーム、塗
料、接着剤に用いられるポリエステルプレポリマーは、
無触媒で合成されうる最大限の、数平均分子量が2,0
00〜2,500の低分子量プレポリマーであり、この
低分子量プレポリマー100重量部に対して、ポリウレ
タンとしての実用的な物性を得るためには、ジイソシア
ナートの使用量は10〜20重量部にも及ぶ必要があ
り、このように多量のジイソシアナートを150℃以上
の溶融した低分子量ポリエステルに添加すると、ゲル化
してしまい、通常の溶融成形可能な樹脂は得られない。
従って、このような低分子量のポリエステルプレポリマ
ーを原料とし、多量のジイソシアナートを反応させて得
られるポリエステルは本発明のステープル用原料には用
いえない。
【0009】またポリウレタンゴムの場合のごとく、ジ
イソシアナートを加えて、ヒドロキシル基をイソシアナ
ート基に転換し、さらにグリコールで数平均分子量を増
大する方法も考えられるが、使用されるジイソシアナー
トの量は前述のように実用的な物性を得るにはプレポリ
マー100重量部に対して10重量部以上であり上記と
同様の問題がある。比較的高分子量のポリエステルプレ
ポリマーを使用しようとすればそのプレポリマー合成に
必要な重金属系の触媒が上記使用量のイソシアナート基
の反応性を著しく促進して、保存性不良、架橋反応、分
岐生成をもたらし、好ましくないことから、ポリエステ
ルプレポリマーとして無触媒で合成されたものを使用し
ようとすれば、数平均分子量は高くても2,500位の
ものが限界である。
【0010】本発明に用いられる脂肪族ポリエステルを
得るためのポリエステルプレポリマーはその合成用触媒
を含有する上記のような比較的高分子量のものであり、
末端基が実質的にヒドロキシル基であり、数平均分子量
が5,000以上、好ましくは10,000以上の比較
的高分子量であり、融点が60℃以上の飽和脂肪族のポ
リエステルであり、グリコール類と多塩基酸(またはそ
の無水物)とを触媒反応させて得られる。数平均分子量
が5,000未満、例えば2,500程度であると、本
発明で利用する0.1〜5重量部という少量のカップリ
ング剤では良好な物性を有するステープル用ポリエステ
ルを得ることができない。数平均分子量が5,000以
上のポリエステルプレポリマーは、ヒドロキシル価が3
0以下であり、少量のカップリング剤の使用で、溶融状
態といった苛酷な条件下でも、残存する触媒の影響を受
けないので反応中にゲルを生ずることなく、高分子量ポ
リエステルを合成することができる。
【0011】用いられるグリコール類としては、例えば
エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、デカメチレングリコール、ネオペ
ンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル等があげられる。エチレンオキシドも利用することが
できる。これらのグリコール類は、併用してもよい。
【0012】グリコール類と反応して脂肪族ポリエステ
ルを形成する多塩基酸(またはその酸無水物)には、コ
ハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカ
ン酸、無水コハク酸、無水アジピン酸、などが一般に市
販されており、本発明に利用することができる。多塩基
酸(またはその酸無水物)は併用してもよい。
【0013】これらグリコール類および多塩基酸は脂肪
族系が主成分であるが、少量の他成分たとえば芳香族系
を併用してもよい。但し、他成分を導入すると生分解性
が悪くなるため、20重量%以下、好ましくは10重量
%以下、さらに好ましくは5重量%以下である。
【0014】本発明に用いられる脂肪族ポリエステル用
ポリエステルプレポリマーは、末端基が実質的にヒドロ
キシル基であるが、そのためには合成反応に使用するグ
リコール類および多塩基酸(またはその酸無水物)の使
用割合は、グリコール類を幾分過剰に使用する必要があ
る。
【0015】比較的高分子量のポリエステルプレポリマ
ーを合成するには、エステル化に続く脱グリコール反応
の際に、脱グリコール反応触媒を使用することが必要で
ある。脱グリコール反応触媒としては、例えばアセトア
セトイル型チタンキレート化合物、並びに有機アルコキ
シチタン化合物等のチタン化合物があげられる。これら
のチタン化合物は、併用もできる。これらの例として
は、例えばジアセトアセトキシオキシチタン(日本化学
産業(株)社製“ナーセムチタン”)、テトラエトキシ
チタン、テトラプロポキシチタン、テトラブトキシチタ
ン等があげられる。チタン化合物の使用割合は、ポリエ
ステルプレポリマー100重量部に対して0.001〜
1重量部、望ましくは0.01〜0.1重量部である。
チタン化合物はエステル化の最初から加えてもよく、ま
た脱グリコール反応の直前に加えてもよい。
【0016】さらに、数平均分子量が5,000以上、
望ましくは10,000以上の末端基が実質的にヒドロ
キシル基であるポリエステルプレポリマーに、さらに数
平均分子量を高めるためにカップリング剤が使用され
る。カップリング剤としては、ジイソシアナート、オキ
サゾリン、ジエポキシ化合物、酸無水物等があげられ、
特にジイソシアナートが好適である。なお、オキサゾリ
ンやジエポキシ化合物の場合はヒドロキシル基を酸無水
物等と反応させ、末端をカルボキシル基に変換してから
カップリング剤を使用することが必要である。ジイソシ
アナートはその種類には特に制限はないが、例えば次の
種類があげられる。2,4−トリレンジイソシアナー
ト、2,4−トリレンジイソシアナートと2,6−トリ
レンジイソシアナートとの混合体、ジフェニルメタンジ
イソシアナート、1,5−ナフチレンジイソシアナー
ト、キシリレンジイソシアナート、水素化キシリレンジ
イソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、イ
ソホロンジイソシアナート、特に、ヘキサメチレンジイ
ソシアナートが、生成樹脂の色相、ポリエステル添加時
の反応性、等の点から好ましい。
【0017】これらカップリング剤の添加量は、ポリエ
ステルプレポリマー100重量部に対して0. 1〜5重
量部、望ましくは0. 5〜3重量部である。0. 1重量
部未満では、カップリング反応が不十分であり、5重量
部を超えると、ゲル化が発生し易くなる。
【0018】添加は、ポリエステルプレポリマーが均一
な溶融状態であり、容易に撹拌可能な条件下で行われる
ことが望ましい。固形状のポリエステルプレポリマーに
添加し、エクストルーダーを通して溶融、混合すること
も不可能ではないが、脂肪族ポリエステル製造装置内
か、或は溶融状態のポリエステルプレポリマー(例えば
ニーダー内での)に添加することが実用的である。
【0019】本発明において使用される脂肪族ポリエス
テルは押出成形をしてステープルにするには特定の溶融
特性が要求される。即ち、温度190℃、剪断速度1,
000sec-1における溶融粘度は1.0×102
1.0×104 ポイズであり、好ましくは2.0×10
2 〜6.0×103 ポイズ、3.0×102 〜4.0×
103 ポイズが特に好ましい。1.0×102 ポイズ未
満では紡糸の際の操作性が悪く、また十分な強度を持つ
ステープルを得ることができない。1.0×104 ポイ
ズを超えるとノズルでの糸切れが生じ、紡糸が困難であ
る。なお、溶融粘度の測定はノズル径が1.0mmであ
り、L/D=10のノズルを用い樹脂温度190℃で測
定した剪断速度と見かけ粘度の関係のグラフより剪断速
度1,000sec-1の時の粘度を求めた。
【0020】さらに、本発明において使用される脂肪族
ポリエステルの融点は70〜190℃であることが必要
であり、70〜150℃であることがより好ましく、特
に80〜135℃が好ましい。70℃未満では耐熱性が
不十分であり、190℃を超えるものは製造が難しい。
70℃以上の融点を得るためには、ポリエステルプレポ
リマーの融点は60℃以上であることが必要である。
【0021】本発明において使用される脂肪族ポリエス
テル中にウレタン結合を含む場合のウレタン結合量は
0.03〜3.0重量%であり、0.05〜2.0重量
%が好ましく、0.1〜1.0重量%が特に好ましい。
ウレタン結合量はC13NMRにより測定され、仕込み量
とよく一致する。0.03重量%未満ではウレタン結合
による高分子量化の効果が少なく、成形加工性に劣り、
3.0重量%を超えるとゲルが発生する。
【0022】本発明に掛るステープル成形のため上記の
脂肪族ポリエステルを使用するに際しては、必要に応じ
て酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤等の他、滑剤、
ワックス類、着色剤、結晶化促進剤等を併用できること
は勿論である。すなわち、酸化防止剤としては、p−t
ブチルヒドロキシトルエン、p−tブチルヒドロキシア
ニソール等のヒンダードフェノール系酸化防止剤、ジス
テアリルチオジプロピオネート、ジラウリルチオジプロ
ピオネート等のイオウ系酸化防止剤等、熱安定剤として
は、トリフェニルホスファイト、トリラウリルホスファ
イト、トリスノニルフェニルホスファイト等、紫外線吸
収剤としては、p−t−ブチルフェニルサリシレート、
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒ
ドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェ
ノン、2,4,5−トリヒドロキシブチロフェノン等、
滑剤としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸
亜鉛、ステアリン酸バリウム、パルミチン酸ナトリウム
等、帯電防止剤としては、N,N−ビス(ヒドロキシエ
チル)アルキルアミン、アルキルアミン、アルキルアリ
ルスルホネート、アルキルスルフォネート等、難燃剤と
して、ヘキサブロモシクロドデカン、トリスー(2,3
−ジクロロプロピル)ホスフェート、ペンタブロモフェ
ニルアリルエーテル等があげられる。
【0023】本発明においては脂肪族ポリエステルを主
成分とする原料は、溶融紡糸、空冷却、熱延伸により繊
維化される。紡糸温度は170〜240℃、好ましくは
180〜210℃である。融点近くでは紡糸切れが生じ
やすく、また240℃を越えると糸の揺れが大きくなる
ばかりなく成形時の操作性が甚だ悪くなる。延伸は加熱
ロ−ルにより延伸される。延伸温度は50〜100℃、
好ましくは70〜90℃である。50℃未満では延伸性
が極端に低下し十分な物性を有するマルチフィラメント
が得られない。また100℃以上では延伸性が極端に低
下するばかりでなく延伸切れが生じやすくなり、安定し
た品質のステープルが得られない。このマルチフィラメ
ントを適当な長さにカットしステープルを得ることがで
きる。また風合い、嵩高性を持たせるためこのマルチフ
ィラメントに捲縮を施したのち、適当な長さにカットし
てステープルとしてもよい。このステープルは紡績糸の
原料、不織布、また不織布用バインダ−として使用する
ことが可能である。本発明による脂肪族ポリエステルを
用いたマルチフィラメントの引張強度は2.0〜10g
/d,引張伸度が10〜120%であり、優れたステー
プルを与える。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例により説明す
る。
【0025】(実施例1)700Lの反応機を窒素置換
してから、1,4−ブタンジオール183kg、コハク
酸224kgを仕込んだ。窒素気流下に昇温を行い、1
95〜210℃にて3.0時間、更に窒素を停止して1
5〜5mmHgの減圧下にて3.5時間にわたり脱水縮
合によるエステル化反応を行った。採取された試料は、
酸価が6.3mg/g、数平均分子量(Mn)が5,2
00、また重量平均分子量(Mw)が10,100であ
った。引続いて、常圧の窒素気流下に触媒のテトライソ
プロポキシチタン34gを添加した。温度を上昇させ、
温度215〜220℃で5〜0.2mmHgの減圧下に
て7.5時間、脱グリコール反応を行った。採取された
試料は数平均分子量(Mn)が18,600、また重量
平均分子量(Mw)が50,300であった。このポリ
エステル(A1)は、凝縮水を除くと収量は339kg
であった。
【0026】ポリエステル(A1)339kgを含む反
応器にヘキサメチレンジイソシアナート4.07kgを
添加し、180〜200℃で1時間カプリング反応を行
った。粘度は急速に増大したが、ゲル化は生じなかっ
た。ついで、抗酸化剤としてイルガノックス1010
(チバガイギー社製)を1.70kgおよび滑剤として
ステアリン酸カルシウムを1.70kgを加えて、更に
30分間撹拌を続けた。この反応生成物をエクストルー
ダーにて水中に押出し、カッターで裁断してペレットに
した。90℃で6時間、真空乾燥した後のポリエステル
(B1)の収量は270kgであった。
【0027】得られたポリエステル(B1)は、僅かに
アイボリー調の白色ワックス状結晶で、融点が110
℃、数平均分子量(Mn)が29,500、重量平均分
子量(Mw)が127,000、MFR(190℃)は
9.2g/10分、オルトクロロフェノールの10%溶
液の粘度は170ポイズ、温度190℃、剪断速度10
00sec-1における溶融粘度は3.0×103 ポイズ
であった。平均分子量の測定は、Shodex GPC
System−11(昭和電工(株)製ゲルクロマト
グラフィー)、溶媒はCF3 COONaのHFIPA5
mmol溶液、濃度0.1重量%、検量線は昭和電工
(株)製PMMA標準サンプルShodexStand
ard M−75で行った。
【0028】ポリエステル(B1)を用い、0.6mm
φ、68孔からなるマルチフィラメント用紡糸ノズルに
より40mmφ押出機を用いて50g/dの吐出量で押
し出した。押出温度は200℃であった。押し出された
未延伸マルチフィラメントを冷却温度18℃、冷却風速
0.5m/min,長さ900mmから成る冷却ダクト
で冷却後、収束剤付与ロ−ラ−で収束剤を付与後、10
0m/minの速度で巻取り総デニ−ル4800d程度
の未延伸マルチフィラメントを得た。その後、ステープ
ルファイバ−試作試験機により、6倍まで延伸、51m
mの長さにカットし、ステープルを得た。得られたステ
ープルの強伸度を測定したところ、4.9g/d、伸度
43%であった。このステープルの状態のまま、土中に
5ヶ月間埋めておいたところ、ステープルとしての強度
を持たない状態に分解変化していた。
【0029】(実施例2)ポリエステル(B1)を用
い、スクリュ−径40mmφ、ノズル径0.6mmφ、
68孔の押出機よりスクリュ−温度190℃、ヘッド温
度200℃、ノズル温度205℃で溶融紡糸した。押し
出された未延伸マルチフィラメントを収束剤をローラー
で付与後、70℃で4倍に延伸し、80℃の加熱空気に
より捲縮ノズルをもちいて、捲縮加工を行い、捲縮糸を
得た。得られた捲縮糸の強伸度を測定したところ、強度
2.9g/d,伸度70%であった。なお、JIS L
1036及びJIS L1074により捲縮率、捲縮弾
性率を測定したところ、捲縮率10.7,捲縮弾性率7
1.5であった。そしてこの捲縮は60℃30分間の熱
処理によっても変化がみられなかった。この捲縮糸を5
1mmの長さにカットし、移動する金網状物の上に堆積
させ、目付10g/m2 のウエブとし、ついでエンボス
ロールにかけて不織布とした。この不織布を土中に5ヶ
月間埋めておいたところ、繊維の強度が落ち不織布とし
て実用性のある状態ではなかった。
【0030】(比較例1)実施例1と同じ条件でポリエ
ステル(A1)を成形したが、延伸切れが甚だしく目的
とするステープルを得ることができなかった。
【0031】
【発明の効果】本発明の、温度190℃、剪断速度1,
000sec-1における溶融粘度が1.0×102
1.0×104 ポイズであり、融点が70〜190℃で
ある脂肪族ポリエステルを主成分とするステープル、特
に、数平均分子量が5,000以上、融点が60℃以上
の脂肪族ポリエステルプレポリマー100重量部に、
0.1〜5重量部のジイソシアナートを反応させること
により得られる、脂肪族ポリエステルを用いてなるステ
ープルは、土壌等に埋めた場合生分解性を有し、焼却処
理したとしても燃焼発熱量はポリエチレンやポリプロピ
レンと比較して低く、機械的強度、熱融着性に優れてお
り、紡績糸原料、不織布、不織布用バインダ−として適
用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08G 63/685 C08G 63/685 63/91 63/91 D01F 6/84 306 D01F 6/84 306B // B29K 67:00 (56)参考文献 特開 昭61−41321(JP,A) 特開 平4−108331(JP,A) 特開 昭59−59419(JP,A) 特開 平3−200859(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主としてグリコール類と多塩基酸(また
    はその無水物)を構成成分とし、温度190℃、剪断速
    度1,000sec−1における溶融粘度が1.0×1
    〜1.0×10ポイズであり、融点が70〜19
    0℃である脂肪族ポリエステルを主成分として押出成形
    してなるステープル。
  2. 【請求項2】 脂肪族ポリエステルが数平均分子量1
    0,000以上であり、0.03〜3.0重量%のウレ
    タン結合を含む請求項1に記載のステープル。
  3. 【請求項3】 数平均分子量が5,000以上、融点が
    60℃以上の脂肪族ポリエステルプレポリマー100重
    量部に、0.1〜5重量部のジイソシアナートを反応さ
    せることにより得られる、脂肪族ポリエステルを用いて
    なる請求項1又は2記載のステープル。
  4. 【請求項4】 引張強度が2.0〜10g/d,引張伸
    度が10〜120%であるマルチフィラメントからなる
    請求項1ないし3記載のステープル。
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