JP2709236B2 - ポリエステル製マルチフィラメント - Google Patents

ポリエステル製マルチフィラメント

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生分解性を有し、実用
上十分な高分子量と特定の溶融特性を有する脂肪族ポリ
エステルを用いた、熱安定性および機械的強度に優れた
マルチフィラメントに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、産業用資材、衣料用材料などのプ
ラスチック化が進む一方、これら多量に使用されている
プラスチックの廃棄物が、河川、海洋、土壌を汚染する
可能性を有し、大きな社会問題になっており、この汚染
防止のために生分解性を有するプラスチックの出現が待
望され、既に例えば、微生物による発酵法により製造さ
れるポリ(3−ヒドロキシブチレート)やブレンド系の
天然高分子である澱粉と汎用プラスチックとのブレンド
物等が知られている。しかし、前者はポリマーの熱分解
温度が融点に近いため成形加工性に劣ることや微生物が
作りだすため、原料原単位が非常に悪い欠点を有してい
る。また、後者は天然高分子自身が熱可塑性でないた
め、成形性に難があり利用範囲に大きな制約を受けてい
る。一方、脂肪族のポリエステルは生分解性を有するこ
とは知られていたが、実用的な成形品物性を得るに十分
な高分子量物が得られないために、ほとんど利用されな
かった。最近、ε−カプロラクトンが開環重合により高
分子量になることが見いだされ、生分解性樹脂として提
案されているが、融点が62℃と低く、原料が高価なた
め特殊用途への利用に限定されている。グリコール酸や
乳酸などもグリコリドやラクチドの開環重合により高分
子量が得られ、僅かに医療用繊維等に利用されている
が、融点と分解温度が近く、成形加工性に欠点を持ち、
前記産業用資材、衣料用材料に大量に使用されるには至
っていない。
【0003】これら産業用資材、衣料用材料等に用いら
れるマルチフィラメントの成形に通常用いられている高
分子量ポリエステル(ここで言う高分子量ポリエステル
とは、数平均分子量が10,000以上のものを指す)
は、テレフタル酸(ジメチルテレフタレートを含む)と
エチレングリコールとの縮合体であるポリエチレンテレ
フタレートに限定されるといっても過言ではない。テレ
フタル酸の代りに、2,6−ナフタレンジカルボン酸を
用いた例もあるが、いずれも、生分解性を付与しようと
する試みの報告はまだされていないのが現状である。従
って、従来ジカルボン酸に脂肪族タイプを使用した、生
分解性を有する脂肪族のポリエステルを用いて、マルチ
フィラメントを成形し、実用化しようとする思想は皆無
といってよい。この実用化の思想の生まれていない理由
の一つは、前記モノフィラメントが、特殊な成形条件と
成形品物性が要求されるにもかかわらず、たとえ結晶性
であったとしても、前記脂肪族のポリエステルの融点は
100℃以下のものがほとんどであり、その上溶融時の
熱安定性に乏しいこと、更に重要なことはこの脂肪族の
ポリエステルの性質、特に引張り強さで代表される機械
的性質が、上記ポリエチレンテレフタレートと同一レベ
ルの数平均分子量でも著しく劣った値しか示さず、強度
を要する成形物を得ようとする発想をすること自体困難
であったものと考えられる。さらに脂肪族のポリエステ
ルの数平均分子量をより上昇させて物性向上を期待する
研究は、その熱安定性の不良から十分に進展していない
ため、マルチフィラメント化の試みもなされていなかっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これら脂肪
族のポリエステルをその成分として用い、実用上十分な
高分子量を有し、熱安定性および引張り強さに代表され
る機械的性質に優れ、且つ、廃棄処分手段のひとつとし
ての生分解性、即ち、微生物等による分解も可能な、使
用後廃棄処分のしやすいマルチフィラメントを提供する
ことを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高分子量
で十分な実用性をもったマルチフィラメント成形性を有
するポリエステルを得るための反応条件を種々検討した
結果、生分解性を保持しつつ、実用上十分な高分子量を
有する特定の脂肪族ポリエステルを得、これから成形さ
れたマルチフィラメントは上記生分解性を有することは
もちろん熱安定性、引張り強さ、フレキシビリティに優
れていることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明の要旨は、(A)主としてグ
リコール類と多塩基酸(またはその無水物)を構成成分
とし、温度190℃、剪断速度1,000sec−1
おける溶融粘度が1.0×10〜1.0×10ポイ
ズであり、融点が70〜190℃である脂肪族ポリエス
テルを主成分として押出成形されてなるマルチフィラメ
ント、(B)脂肪族ポリエステルが数平均分子量10.
000以上であり、0.03〜3.0重量%のウレタン
結合を含む(A)のマルチフィラメント、(C)数平均
分子量が5,000以上、融点が60℃以上の脂肪族ポ
リエステルプレポリマー100重量部に、0.1〜5重
量部のジイソシアナートを反応させることにより得られ
る脂肪族ポリエステルを用いてなる(A)または(B)
のマルチフィラメント、(D)引張強度が2.0〜1
0.0g/d、引張伸度が10〜120%の(A)、
(B)または(C)のメルチフィラメントにある。以
下、本発明の内容を詳細に説明する。
【0007】本発明でいう脂肪族ポリエステルとは、グ
リコール類と多塩基酸( またはその酸無水物)とから合
成されるポリエステルを主成分とするものであり、分子
量を高くするため、両端にヒドロキシル基を有する、比
較的高分子量のポリエステルプレポリマーを選び、カッ
プリング剤により、さらに反応させたものである。
【0008】従来から、末端基がヒドロキシル基であ
る、数平均分子量が2,000〜2,500の低分子量
ポリエステルプレポリマーをカップリング剤としてのジ
イソシアナートと反応させて、ポリウレタンとし、ゴ
ム、フォーム、塗料、接着剤とすることは広く行われて
いる。しかし、これらのポリウレタン系フォーム、塗
料、接着剤に用いられるポリエステルプレポリマーは、
無触媒で合成されうる最大限の、数平均分子量が2,0
00〜2,500の低分子量プレポリマーであり、この
低分子量プレポリマー100重量部に対して、ポリウレ
タンとしての実用的な物性を得るためには、ジイソシア
ナートの使用量は10〜20重量部にも及ぶ必要があ
り、このように多量のジイソシアナートを150℃以上
の溶融した低分子量ポリエステルに添加すると、ゲル化
してしまい、通常の溶融成形可能な樹脂は得られない。
従って、このような低分子量のポリエステルプレポリマ
ーを原料とし、多量のジイソシアナートを反応させて得
られるポリエステルは本発明のマルチフィラメント用原
料には用いえない。
【0009】またポリウレタンゴムの場合のごとく、ジ
イソシアナートを加えて、ヒドロキシル基をイソシアナ
ート基に転換し、さらにグリコールで数平均分子量を増
大する方法も考えられるが、使用されるジイソシアナー
トの量は前述のように実用的な物性を得るにはプレポリ
マー100重量部に対して10重量部以上であり上記と
同様の問題がある。比較的高分子量のポリエステルプレ
ポリマーを使用しようとすればそのプレポリマー合成に
も必要な重金属系の触媒が上記使用量のイソシアナート
基の反応性を著しく促進して、保存性不良、架橋反応、
分岐生成をもたらし、好ましくないことから、ポリエス
テルプレポリマーとして無触媒で合成されたものを使用
しようとすれば、数平均分子量は高くても2,500位
のものが限界である。
【0010】本発明に用いられる脂肪族ポリエステルを
得るためのポリエステルプレポリマーはその合成用触媒
を含有する上記のような比較的高分子量のものであり、
末端基が実質的にヒドロキシル基であり、数平均分子量
が5,000以上、好ましくは10,000以上の比較
的高分子量であり、融点が60℃以上の飽和脂肪族のポ
リエステルであり、グリコール類と多塩基酸(またはそ
の無水物)とを触媒反応させて得られる。数平均分子量
が5,000未満、例えば2,500程度であると、本
発明で利用する0.1〜5重量部という少量のカップリ
ング剤では、良好な物性を有するマルチフィラメント用
ポリエステルを得ることができない。数平均分子量が
5,000以上のポリエステルプレポリマーは、ヒドロ
キシル価が30以下であり、少量のカップリング剤の使
用で、溶融状態といった苛酷な条件下でも、残存する触
媒の影響を受けないので反応中にゲルを生ずることな
く、高分子量ポリエステルを合成することができる。
【0011】用いられるグリコール類としては、例えば
エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、デカメチレングリコール、ネオペ
ンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル等があげられる。エチレンオキシドも利用することが
できる。これらのグリコール類は、併用してもよい。
【0012】グリコール類と反応して脂肪族のポリエス
テルを形成する多塩基酸(またはその酸無水物)には、
コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデ
カン酸、無水コハク酸、無水アジピン酸、などが一般に
市販されており、本発明に利用することができる。多塩
基酸(またはその酸無水物)は併用してもよい。
【0013】これらグリコール類および多塩基酸は脂肪
族系が主成分であるが、少量の他成分たとえば芳香族系
を併用してもよい。但し、他成分を導入すると生分解性
が悪くなるため、20重量%以下、好ましくは10重量
%以下、さらに好ましくは5重量%以下である。
【0014】本発明に用いられる脂肪族ポリエステル用
ポリエステルプレポリマーは、末端基が実質的にヒドロ
キシル基であるが、そのためには合成反応に使用するグ
リコール類および多塩基酸(またはその酸無水物)の使
用割合は、グリコール類を幾分過剰に使用する必要があ
る。
【0015】比較的高分子量のポリエステルプレポリマ
ーを合成するには、エステル化に続く脱グリコール反応
の際に、脱グリコール反応触媒を使用することが必要で
ある。脱グリコール反応触媒としては、例えばアセトア
セトイル型チタンキレート化合物、並びに有機アルコキ
シチタン化合物等のチタン化合物があげられる。これら
のチタン化合物は、併用もできる。これらの例として
は、例えばジアセトアセトキシオキシチタン(日本化学
産業(株)社製“ナーセムチタン”)、テトラエトキシ
チタン、テトラプロポキシチタン、テトラブトキシチタ
ン等があげられる。チタン化合物の使用割合は、ポリエ
ステルプレポリマー100重量部に対して0.001〜
1重量部、望ましくは0.01〜0.1重量部である。
チタン化合物はエステル化の最初から加えてもよく、ま
た脱グリコール反応の直前に加えてもよい。
【0016】さらに、数平均分子量が5,000以上、
望ましくは10,000以上の末端基が実質的にヒドロ
キシル基であるポリエステルプレポリマーに、さらに数
平均分子量を高めるためにカップリング剤が使用され
る。カップリング剤としては、ジイソシアナート、オキ
サゾリン、ジエポキシ化合物、酸無水物等があげられ、
特にジイソシアナートが好適である。なお、オキサゾリ
ンやジエポキシ化合物の場合はヒドロキシル基を酸無水
物等と反応させ、末端をカルボキシル基に変換してから
カップリング剤を使用することが必要である。ジイソシ
アナートはその種類には特に制限はないが、例えば次の
種類があげられる。2,4−トリレンジイソシアナー
ト、2,4−トリレンジイソシアナートと2,6−トリ
レンジイソシアナートとの混合体、ジフェニルメタンジ
イソシアナート、1,5−ナフチレンジイソシアナー
ト、キシリレンジイソシアナート、水素化キシリレンジ
イソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、イ
ソホロンジイソシアナート、特に、ヘキサメチレンジイ
ソシアナートが、生成樹脂の色相、ポリエステル添加時
の反応性、等の点から好ましい。
【0017】これらカップリング剤の添加量は、ポリエ
ステルプレポリマー100重量部に対して0. 1〜5重
量部、望ましくは0. 5〜3重量部である。0. 1重量
部未満では、カップリング反応が不十分であり、5重量
部を超えると、ゲル化が発生し易くなる。
【0018】添加は、ポリエステルプレポリマーが均一
な溶融状態であり、容易に撹拌可能な条件下で行われる
ことが望ましい。固形状のポリエステルプレポリマーに
添加し、エクストルーダーを通して溶融、混合すること
も不可能ではないが、脂肪族ポリエステル製造装置内
か、或は溶融状態のポリエステルプレポリマー(例えば
ニーダー内での)に添加することが実用的である。
【0019】本発明において使用される脂肪族ポリエス
テルは押出成形をしてマルチフィラメントにするために
は、特定の溶融特性が要求される。即ち、温度190
℃、剪断速度1,000sec-1における溶融粘度は
1.0×102 〜1.0×104ポイズであり、好まし
くは2.0×102 〜6.0×103 ポイズ、3.0×
102 〜4.0×103 ポイズが特に好ましい。1.0
×102 ポイズ未満では紡糸の操作性が悪く、また十分
な強度を持つマルチフィラメントを得ることができな
い。1.0×104 ポイズを超えるとノズルでの糸切れ
が生じ、紡糸が困難である。なお、溶融粘度の測定はノ
ズル径が1.0mmであり、L/D=10のノズルを用
い樹脂温度190℃で測定した剪断速度と見かけ粘度の
関係のグラフより剪断速度1,000sec-1の時の粘
度を求めた。
【0020】さらに、本発明において使用される脂肪族
ポリエステルの融点は70〜190℃であることが必要
であり、70〜150℃であることがより好ましく、特
に80〜135℃が好ましい。70℃未満では耐熱性が
不十分であり、190℃を超えるものは製造が難しい。
70℃以上の融点を得るためには、ポリエステルプレポ
リマーの融点は60℃以上であることが必要である。
【0021】本発明において使用される脂肪族ポリエス
テル中にウレタン結合を含む場合のウレタン結合量は
0.03〜3.0重量%であり、0.05〜2.0重量
%がより好ましく、0.1〜1.0重量%が特に好まし
い。ウレタン結合量はC13NMRにより測定され、仕込
み量とよく一致する。0.03重量%未満ではウレタン
結合による高分子量化の効果が少なく、成形加工性に劣
り、3.0重量%を超えるとゲルが発生する。
【0022】本発明に係るマルチフィラメント成形のた
め、上記の脂肪族ポリエステルを使用するに際しては、
必要に応じて酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤等の
他、滑剤、ワックス類、着色剤、結晶化促進剤等を併用
できることは勿論である。すなわち、酸化防止剤として
は、p−tブチルヒドロキシトルエン、p−tブチルヒ
ドロキシアニソール等のヒンダードフェノール系酸化防
止剤、ジステアリルチオジプロピオネート、ジラウリル
チオジプロピオネート等のイオウ系酸化防止剤等、熱安
定剤としては、トリフェニルホスファイト、トリラウリ
ルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト
等、紫外線吸収剤としては、p−t−ブチルフェニルサ
リシレート、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェ
ノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキ
シベンゾフェノン、2,4,5−トリヒドロキシブチロ
フェノン等、滑剤としては、ステアリン酸カルシウム、
ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、パルミチン
酸ナトリウム等、帯電防止剤としては、N,N−ビス
(ヒドロキシエチル)アルキルアミン、アルキルアミ
ン、アルキルアリルスルホネート、アルキルスルフォネ
ート等、難燃剤として、ヘキサブロモシクロドデカン、
トリスー(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェート、
ペンタブロモフェニルアリルエーテル等があげられる。
【0023】本発明において用いられる脂肪族ポリエス
テルを主成分とする原料は、通常は溶融紡糸、空冷却、
熱延伸により繊維化される。紡糸温度は一般に170〜
240℃、好ましくは180〜210℃である。融点近
くでは紡糸切れが生じやすく、また240℃を越えると
糸の揺れが大きくなるばかりなく成形時の操作性が甚だ
悪くなる。延伸は加熱ロ−ルにより延伸される。延伸温
度は50〜100℃、好ましくは70〜90℃である。
50℃未満では延伸性が極端に低下し十分な物性を有す
るマルチフィラメントが得られない。また100℃を超
えると延伸性が極端に低下するばかりでなく延伸切れが
生じやすくなる。
【0024】本発明に係るマルチフィラメントに用いる
脂肪族ポリエステルは数平均分子量10,000以上、
望ましくは20,000以上であり、融点が70〜19
0℃で結晶性があれば、強靭なマルチフィラメントとす
ることができ、カ−ペット、ロ−プ、ネット、衣料用と
して利用することが可能である。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例により説明す
る。 (実施例1)700Lの反応機を窒素置換してから、
1,4−ブタンジオール183kg、コハク酸224k
gを仕込んだ。窒素気流下に昇温を行い、195〜21
0℃にて3.0時間、更に窒素を停止して15〜5mm
Hgの減圧下にて3.5時間にわたり脱水縮合によるエ
ステル化反応を行った。採取された試料は、酸価が6.
3mg/g、数平均分子量(Mn)が5,200、また
重量平均分子量(Mw)が10,100であった。引続
いて、常圧の窒素気流下に触媒のテトライソプロポキシ
チタン34gを添加した。温度を上昇させ、温度215
〜220℃で5〜0.2mmHgの減圧下にて7.5時
間、脱グリコール反応を行った。採取された試料は数平
均分子量(Mn)が18,600、また重量平均分子量
(Mw)が50,300であった。このポリエステル
(A1)は、凝縮水を除くと収量は339kgであっ
た。
【0026】ポリエステル(A1)339kgを含む反
応器にヘキサメチレンジイソシアナート4.07kgを
添加し、180〜200℃で1時間カップリング反応を
行った。粘度は急速に増大したが、ゲル化は生じなかっ
た。ついで、抗酸化剤としてイルガノックス1010
(チバガイギー社製)を1.70kgおよび滑剤として
ステアリン酸カルシウムを1.70kgを加えて、更に
30分間撹拌を続けた。この反応生成物をエクストルー
ダーにて水中に押出し、カッターで裁断してペレットに
した。90℃で6時間、真空乾燥した後のポリエステル
(B1)の収量は270kgであった。
【0027】得られたポリエステル(B1)は、僅かに
アイボリー調の白色ワックス状結晶で、融点が110
℃、数平均分子量(Mn)が29,500、重量平均分
子量(Mw)が127,000、MFR(190℃)は
9.2g/10分、オルトクロロフェノールの10%溶
液の粘度は170ポイズ、温度190℃、剪断速度10
00sec-1における溶融粘度は3.0×103 ポイズ
であった。平均分子量の測定は、Shodex GPC
System−11(昭和電工(株)製ゲルクロマト
グラフィー),溶媒はCF3 COONaのHFIPA5
mmol溶液、濃度0.1重量%、検量線は昭和電工
(株)製PMMA標準サンプルShodexStand
ard M−75で行った。
【0028】ポリエステル(B1)を用い、0.6mm
φ、68孔からなるマルチフィラメント用紡糸ノズルに
より40mmφ押出機を用いて、押出温度は200℃
で、50g/dの吐出量で押し出した。押し出された未
延伸マルチフィラメントを冷却温度18℃、冷却風速
0.5m/min,長さ900mmから成る冷却ダクト
で冷却後、収束剤付与ローラーで収束剤としてポリエー
テル系界面活性剤を付与後、100m/minの速度で
巻取り総デニ−ル4800d程度の未延伸マルチフィラ
メントを得た。その後、加熱延伸ゴデットローラー対で
1000m/minの延伸速度で6倍まで延伸を行っ
た。加熱延伸ゴデットローラー対の表面温度は70℃で
あった。得られたマルチフィラメントの強伸度を測定し
たところ、5.2g/d,伸度35%であった。このマ
ルチフィラメントを土中に5ヶ月間埋めてみたところ、
実用的強伸度は全く失うまで分解変化していた。
【0029】(実施例2)ポリエステル(B1)を用
い、0.6mmφ、68孔からなるマルチフィラメント
用紡糸ノズルにより40mmφ押出機を用いて,押出温
度は200℃で,120g/dの吐出量で押した。押し
出された未延伸マルチフィラメントを冷却温度18℃、
冷却風速0.5m/min,長さ900mmから成る冷
却ダクトで冷却後、収束剤付与ローラーで収束剤として
ポリエーテル系界面活性剤を付与後、加熱延伸ローラー
対で300m/minの速度で巻取り、2000m/m
inの速度で延伸を行った。加熱延伸ゴデットローラー
対の表面温度は70℃であった。得られたマルチフィラ
メントの強伸度を測定したところ、5.5g/d,伸度
29%であった。このマルチフィラメントを土中に5ヶ
月間埋めておいたところ、マルチフィラメントとして使
用に耐えない程度に分解変化していた。
【0030】(実施例3)ポリエステル(B1)を用
い、0.6mmφ、128孔からなるマルチフィラメン
ト用紡糸ノズルにより40mmφ押出機を用いて、押出
温度は190℃で、130g/dの吐出量で押し出し
た。押し出された未延伸マルチフィラメントを冷却温度
18℃、冷却風速0.5m/min,長さ900mmか
ら成る冷却ダクトで冷却後、収束剤付与ローラーで収束
剤としてポリエーテル系界面活性剤を付与後、加熱延伸
ローラー対で300m/minの速度で巻取り、200
0m/minの速度で延伸を行った。加熱延伸ゴデット
ローラー対の表面温度は70℃であった。得られたマル
チフィラメントの強伸度を測定したところ、5.0g/
d、伸度27%であった。このマルチフィラメントを土
中に5ヶ月間埋めておいたところ、マルチフィラメント
の実用的強度はない状態に分解変化していた。
【0031】(比較例1)実施例1と同じ条件でポリエ
ステル(A1)を成形したが、延伸途中で切断し、目的
とする延伸マルチフィラメントを得ることができなかっ
た。
【0032】
【発明の効果】本発明の、温度190℃、剪断速度1,
000sec-1における溶融粘度が1.0×102
1.0×104 ポイズであり、融点が70〜190℃で
ある脂肪族ポリエステルからなるマルチフィラメント、
特に、数平均分子量が5,000以上、融点が60℃以
上の脂肪族ポリエステルプレポリマー100重量部に、
0.1〜5重量部のジイソシアナートを反応させること
により得られる、脂肪族ポリエステルを用いてなるマル
チフィラメントは、土壌等に埋めた場合生分解性を有
し、焼却処理したとしても燃焼発熱量はポリエチレンや
ポリプロピレンと比較して低く、機械的強度に優れてお
り、カ−ペット、ロ−プ、ネット、衣料用として有用で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08G 63/685 C08G 63/685 63/91 63/91 D01F 6/84 306 D01F 6/84 306B // B29K 67:00 (56)参考文献 特開 昭61−41321(JP,A) 特開 平4−108331(JP,A) 特開 昭59−59419(JP,A) 特開 平3−200859(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主としてグリコール類と多塩基酸(また
    はその無水物)を構成成分とし、温度190℃、剪断速
    度1,000sec−1における溶融粘度が1.0×1
    〜1.0×10ポイズであり、融点が70〜19
    0℃である脂肪族ポリエステルを主成分として押出成形
    されてなるマルチフィラメント。
  2. 【請求項2】 脂肪族ポリエステルが数平均分子量1
    0,000以上であり、0.03〜3.0重量%のウレ
    タン結合を含む請求項1に記載のマルチフィラメント。
  3. 【請求項3】 数平均分子量が5,000以上、融点が
    60℃以上の脂肪族ポリエステルプレポリマー100重
    量部に、0.1〜5重量部のジイソシアナートを反応さ
    せることにより得られる、脂肪族ポリエステルを用いて
    なる請求項1または2記載のマルチフィラメント。
  4. 【請求項4】 引張強度が2.0〜10g/d,引張伸
    度が10〜120%である請求項1ないし請求項3記載
    のマルチフィラメント。
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