JP2000017521A - 乳酸系ポリマーステープル - Google Patents

乳酸系ポリマーステープル

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JP2000017521A
JP2000017521A JP10176354A JP17635498A JP2000017521A JP 2000017521 A JP2000017521 A JP 2000017521A JP 10176354 A JP10176354 A JP 10176354A JP 17635498 A JP17635498 A JP 17635498A JP 2000017521 A JP2000017521 A JP 2000017521A
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lactic acid
acid
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polyester
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Akihiro Ono
明広 大野
Hiroaki Matsuno
博明 松野
Naoki Sato
直樹 佐藤
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規な生分解性乳酸系ポリマーステー
プルを提供する。 【解決手段】 一般式(1) (式中、Rは炭素数2〜12の炭化水素基であり、nは
2以上の整数である。)で表される繰り返し構造を有す
るポリエステルジオールと、2,5−及び/又は2,6
−ジイソシアナトメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタ
ンとの重合体を主成分とするポリマーを成形してなる乳
酸系ポリマーステープル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は乳酸系ポリマーステ
ープルに関する。詳しくは、一般式(1)
【化2】 (式中、Rは炭素数2〜12の炭化水素基であり、nは
2以上の整数である。)で表される繰り返し構造を有す
るポリエステルジオールと2,5−及び/又は2,6−
ジイソシアナトメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン
との重合体を主成分とするポリマーを成形してなる乳酸
系ポリマーステープルに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
生産性、強度、洗濯適性等々にすぐれた合成樹脂(プラ
スチック)製糸、紡績糸、織布が生産されているが、こ
れら多量に使用されているプラスチックの廃棄物が、河
川、海洋、土壌を汚染する可能性を有し、大きな社会問
題になっており、この汚染防止のために生分解性を有す
るプラスチックの出現が待望されている。既に、例え
ば、微生物による発酵法により製造されるポリ(3−ヒ
ドロキシブチレート)やブレンド系の天然高分子である
澱粉と汎用プラスチックとのブレンド物等が知られてい
る。しかし、前者はポリマーの熱分解温度が融点に近い
ため成形加工性に劣ることや微生物が作り出すため、原
料原単位が非常に悪い欠点を有している。また、後者は
天然高分子自身が熱可塑性でないため、成形性に難があ
り、利用範囲に大きな制約を受けている。
【0003】一方、脂肪族のポリエステルは生分解性を
有することは知られていたが、実用的な成形品物性を得
るに十分な高分子量物が得られないために、ほとんど利
用されなかった。
【0004】最近、ε−カプロラクトンが開環重合によ
り高分子量になることが見いだされ、生分解性樹脂とし
て提案されているが、融点が62℃と低く、原料が高価
なため特殊用途への利用に限定されている。グリコール
酸や乳酸などもグリコリドやラクチドの開環重合により
高分子量が得られ、僅かに医療用繊維に利用されている
が、融点と分解温度が近く、成形加工性に欠点を持ち、
糸類や、布類に大量に使用されるには至っていない。こ
の糸、特に紡績糸、不織布用糸、織布用材料の一つとし
てのステープルの成形に通常用いられている高分子量ポ
リエステル(ここで言う高分子量ポリエステルとは、数
平均分子量が10,000以上のものを指す)は、テレ
フタル酸(ジメチルフタレートを含む)とエチレングリ
コールとの縮合体であるポリエチレンテレフタレートに
限定されるといっても過言ではない。テレフタル酸の代
わりに、2,6−ナフタレンジカルボン酸を用いた例も
あるが、いずれも、生分解性を付与しようとする試みは
まだされていないのが現状である。
【0005】従って、これらの問題を生じない分解性ポ
リマーの研究開発は以前から多数行われてきた。そのよ
うな中で乳酸系ポリマーは、いわゆる生分解性を持つこ
とで広く知られており、カビ等の発生がなく透明性も維
持されることから、種々の用途での利用が期待されてい
る。
【0006】生分解性を有する乳酸系ポリマーの例とし
て、特開平6−32862号公報、及び特開平6−11
6356号公報に、乳酸を出発原料として得られたポリ
エステルポリオールとポリメチレンポリフェニレンポリ
イソシアネートから得られるポリウレタン発泡体の例
が、また特開平6−172578号公報に代表されるよ
うに、ポリブチレンサクシネートとヘキサメチレンジイ
ソシアネートとから得られるポリウレタン樹脂が例示さ
れている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、脂肪族ポ
リエステルの中では、例外的に150℃〜160℃の融
点を示すヒドロキシカルボン酸とジオールから合成され
た結晶性ポリエステルをより高物性のものとし、ステー
プルとして実用可能な物性をもたせるべく検討を重ねた
結果、上記結晶性ポリエステルに、その融点以上の溶融
状態でジイソシアネートとして2,5−及び/又は2,
6−ジイソシアナトメチルビシクロ[2,2,1]ヘプ
タンとの重合体が実用上十分な高分子量を有し、これを
主成分とするポリマーを成形してなるステープルは熱安
定性、引張り強さ等に優れていることを見出し、本発明
を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は1)下記一般式(1)
【化3】 (式中、Rは炭素数2〜12の炭化水素基であり、nは
2以上の整数である。)で表される繰り返し構造を有す
るポリエステルジオールと、2,5−及び/又は2,6
−ジイソシアナトメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタ
ンとの重合体を主成分とするポリマーを成形してなるポ
リマーステープル、2)一般式(1)で表される繰り返
し構造を有するポリエステルジオールの分子量が50,
000以上である1)記載の乳酸系ポリマーステープ
ル、3)一般式(1)で表される繰り返し構造を有する
ポリエステルジオールと、2,5−及び/又は2,6−
ジイソシアナトメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン
との重合体と、前記重合体以外の脂肪族ポリエステルと
を混合してなることを特徴とする乳酸系ポリマーステー
プルである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明においては、ジオールとヒドロキシカルボ
ン酸とから合成されたポリエステルジオールは、分子量
が50,000以上、望ましくは70,000以上であ
り、末端基が実質的にヒドロキシル基である。本発明の
乳酸系ポリマーステープルは、この結晶性ポリエステル
100重量部に、その融点以上の溶融状態で、ジイイソ
シアネートとして2,5−及び/又は2,6−ジイソシ
アナトメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタンを反応さ
せて得られる重合体を主成分とするポリマーを成形して
ステープルを得る。
【0010】従来から、末端基がヒドロキシル基である
数平均分子量2,000〜2,500程度のポリエステ
ルを、ポリウレタン樹脂の原料成分とし、ジイソシアネ
ートと反応させて、ゴム、フォーム、塗料、接着剤とす
ることは広く行われている。
【0011】しかし、既存のポリウレタンに用いられる
ポリエステルは、数平均分子量が2,000〜2,50
0の、いわばプレポリマーであり、この低分子量ポリエ
ステル100重量部に対して、実用的な物性を得るため
には、ジイソシアネートの分子量にもよるが、ジイソシ
アネートの使用量は10重量部以上15〜20重量部に
もおよぶ必要がある。しかしながら、例えば10重量部
のジイソシアネートを溶融ポリエステル(種類にもよる
がほぼ150℃以上)に添加すると、低分子量ポリエス
テルであると、高分子量ポリエステルであるとに拘わら
ず、必ずゲル化して、取り扱い可能な樹脂は得られな
い。実際には、10重量部以上のジイソシアネートの添
加は、溶剤に溶解した溶液状態で行われるか、或いはフ
ォーム或いはRIM成形に見られるように、一度で最終
硬化樹脂を得るか、である。
【0012】またゴムの場合、ヒドロキシル基をイソシ
アネート基に転換し(ジイソシアネートを加えて)、さ
らにグリコールで数平均分子量を増大することも行われ
ているが、イソシアネートの量は前述のように10重量
部以上という多さである。このような場合、ポリエステ
ルの合成に重金属系の触媒を用いると、これがイソシア
ネート基の反応性を著しく促進して、保存性不良、望ま
しからざる架橋(分岐)をもたらすことから、一般にポ
リウレタン樹脂原料の低分子量ポリエステルは、無触媒
で合成されている。従って、数平均分子量は高くても
2,500位が限界である。
【0013】本発明においては、ジイソシアネートと反
応させるポリエステルジオールは、末端基が実質的にヒ
ドロキシル基である、分子量が50,000以上、好ま
しくは70,000以上のポリエステルジオールでなけ
ればならない。これが低分子量ポリエステルジオール、
例えば分子量が20,000程度であると、本発明で利
用するジイソシアネート、すなわち2,5−及び/又は
2,6−ジイソシアナトメチルビシクロ[2,2,1]
ヘプタンを用いても、良好な物性を有する最終樹脂を得
ることができないばかりか、溶融添加にあっては、少量
であっても反応中にゲル化を生じることが認められる等
の不都合がある。従って、末端ヒドロキシル価がひくく
なければ、安全な反応が行えない。本発明の分子量5
0,000以上のポリマーは、必然的にこの末端ヒドロ
キシル価が低く、少量のジイソシアネートの使用で、溶
融状態といった苛酷な条件下でも、安全に高分子量ポリ
マーを合成することができる。
【0014】本発明により得られる分子量50,000
以上、望ましくは70,000以上のポリエステルジオ
ールと、ジイソシアネートとして2,5−及び/又は
2,6−ジイソシアナトメチルビシクロ[2,2,1]
ヘプタンを反応させて得られる重合体を主成分とするポ
リマーは、十分な強度を持ち、ステープル材料として使
用することが可能である。
【0015】本発明において、下記一般式(1)
【化4】 (式中、Rは炭素数2〜12の炭化水素基であり、nは
2以上の整数である。)で表される繰り返し構造を有す
る分子量が50,000以上のポリエステルジオール
と、2,5−及び/又は2,6−ジイソシアナトメチル
ビシクロ[2,2,1]ヘプタンとの重合体を主成分と
するポリマーと併用できるポリマーとしては、乳酸単位
を含む脂肪族ポリエステル及びその他のポリ乳酸以外の
脂肪族ポリエステルであり、具体的には、(A)ポリ乳
酸および乳酸と他のヒドロキシカルボン酸とのコポリマ
ー、(B)多官能多糖類および乳酸単位を含む脂肪族ポ
リエステル、(C)脂肪族多価カルボン酸単位、脂肪族
多価アルコール単位および乳酸単位を含む脂肪族ポリエ
ステル、および、(D)これらの混合物である。
【0016】乳酸にはL−体とD−体とが存在するが、
本発明において単に乳酸という場合は、特にことわりが
ない場合は、L−体とD−体との両者を指すこととす
る。また、ポリマーの分子量は特にことわりのない場合
は重量平均分子量のことを指すものとする。
【0017】本発明に用いるポリ乳酸としては、構成単
位がL−乳酸のみからなるポリ(L−乳酸)、D−乳酸
のみからなるポリ(D−乳酸)、およびL−乳酸単位と
D−乳酸単位とが種々の割合で存在するポリ(DL−乳
酸)のいずれもが使用できる。乳酸−他のヒドロキシカ
ルボン酸コポリマーのヒドロキシカルボン酸としては例
えば、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロ
キシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、5−ヒドロキシ吉草
酸、6−ヒドロキシカプロン酸等が挙げられる。
【0018】本発明に用いるポリ乳酸の製造方法として
は、L−乳酸、D−乳酸、またはDL−乳酸を直接脱水
重縮合する方法、これら各乳酸の環状2量体であるラク
チドを開環重合する方法等が挙げられる。開環重合は、
高級アルコール、ヒドロキシカルボン酸等の水酸基を有
する化合物の存在下で行っても良い。本発明に用いるポ
リ乳酸は上記何れの方法によって製造されたものでもよ
い。
【0019】乳酸−他のヒドロキシカルボン酸コポリマ
ーの製造方法として、上記各乳酸と上記ヒドロキシカル
ボン酸を脱水重縮合する方法、上記各乳酸の環状2量体
であるラクチドと上記ヒドロキシカルボン酸の環状体を
開環強重合する方法等が挙げられる。乳酸−他のヒドロ
キシカルボン酸コポリマーは上記何れの方法によって製
造されたものでもよい。共重合体に含まれる乳酸単位の
量は40モル%以上であることが好ましい。
【0020】多官能多糖類および乳酸単位を含む脂肪族
ポリエステルの製造に用いる多官能多糖類としては、例
えば、セルロース、硝酸セルロース、酢酸セルロース、
メチルセルロース、エチルセルロース、セルロイド、ビ
スコースレーヨン、再生セルロース、セロハン、キュプ
ラ、銅アンモニアレーヨン、キュプロファン、ベンベル
グ、ヘミセルロース、デンプン、アミロペクチン、デキ
ストリン、グリコーゲン、ペクチン、キチン、キトサ
ン、アラビアガム、グアーガム、ローカストビーンガ
ム、アカシアガム等およびこれらの誘導体が挙げられ
る。これらの内で、特に酢酸セルロース、エチルセルロ
ースが好ましい。
【0021】多官能多糖類および乳酸単位を含む脂肪族
ポリエステルの製造方法として、上記多官能多糖類と上
記ポリ乳酸、乳酸−他のヒドロキシカルボン酸コポリマ
ー等を反応する方法、上記多官能多糖類と上記各乳酸、
環状エステル類等を反応する方法等が挙げられる。多官
能多糖類および乳酸単位を含む脂肪族ポリエステルは上
記何れの方法によって製造されたものでもよい。該脂肪
族ポリエステルに含まれる乳酸単位の量は少なくとも5
0重量%であることが好ましい。
【0022】脂肪族多価カルボン酸単位、脂肪族多価ア
ルコール単位および乳酸単位を含む脂肪族ポリエステル
の製造に用いる脂肪族多価カルボン酸としては、例えば
シュウ酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン
酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、ウンデカ
ン二酸、ドデカン二酸等およびこれらの無水物が挙げら
れる。これらは、酸無水物であっても、酸無水物との混
合物であってもよい。
【0023】また、脂肪族多価アルコールとしては、例
えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロ
ピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−
ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、テトラメチレングリコー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられ
る。
【0024】脂肪族多価カルボン酸単位、脂肪族多価ア
ルコール単位および乳酸単位を含む脂肪族ポリエステル
の製造方法として、上記脂肪族多価カルボン酸および上
記脂肪族多価アルコールと、上記ポリ乳酸、乳酸−他の
ヒドロキシカルボン酸コポリマー等を反応する方法、上
記脂肪族多価カルボン酸および上記脂肪族多価アルコー
ルと、上記各乳酸、環状エステル類等を反応する方法等
が挙げられる。脂肪族多価カルボン酸単位、脂肪族多価
アルコール単位および乳酸単位を含む脂肪族ポリエステ
ルは上記何れの方法によって製造されたものでも良い。
該脂肪族ポリエステルに含まれる乳酸単位の量は少なく
とも50モル%であることが好ましい。乳酸系ポリマー
の分子量は、ステープル材料の加工性、得られるステー
プル材料の強度および分解性に影響を及ぼす。分子量が
低いと得られるステープル材料の強度が低下し、使用す
る際に折れることがある。また、分解速度が速くなる。
逆に高いと加工性が低下し、ステープル材料成形が困難
となる。かかる点を考慮すると、本発明に使用する乳酸
系ポリマーの分子量は、約1万〜約100万程度の範囲
が好ましい。さらに好ましい範囲は10万〜30万であ
る。
【0025】本発明のステープル材料に用いる乳酸系ポ
リマーの最適な分子量や共重合体組成は、その使用用途
により変更される。
【0026】本発明のステープル材料には、光安定剤
等、可塑剤、酸化防止剤、熱安定剤、充填剤、着色防止
剤、顔料等の添加剤を使用できる。
【0027】本発明の構成要素である生成した分子量5
0,000以上、望ましくは70,000以上の末端基
が実質的にヒドロキシル基であるポリエステルジオール
に、さらに数平均分子量を高めるために加えられるジイ
ソシアネートとして、2,5−及び/又は2,6−ジイ
ソシアナトメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタンを用
いたものは、これまでに例がなく、特に、生成樹脂の色
相、ポリエステル添加時の反応性、等の点から好まし
い。これらジイソシアネートとしての2,5−及び/又
は2,6−ジイソシアナトメチルビシクロ[2,2,
1]ヘプタンの添加量は、分子量にもよるが、ポリエス
テルジオール100重量部に対して0.01〜5重量
部、望ましくは0.1〜3重量部である。添加は、結晶
性ポリエステルが均一な溶融状態で溶剤を含まず、容易
に攪拌可能な条件下で行われることが望ましい。別に、
固形状の結晶性ポリエステル製造装置内か、或いは溶融
状態の結晶性ポリエステル(例えばニーダー内での)に
添加することが実用的である。
【0028】本発明における乳酸系ポリマーを主成分と
する原料は、溶融紡糸、空冷却、熱延伸により繊維化さ
れる。紡糸温度は100〜280℃の範囲、より好まし
くは130〜250℃の範囲である。融点近くでは紡糸
切れが生じやすく、また280℃を越えると糸の揺れが
大きくなるばかりでなく成形時の操作性が甚だ悪くな
る。
【0029】延伸は加熱ロールにより延伸される。延伸
温度は100〜200℃、好ましくは120〜160℃
である。100℃未満では延伸性が極端に低下するばか
りでなく、延伸切れが生じやすくなり、安定した品質の
ステープルが得られない。この樹脂を適当な長さにカッ
トしステープルを得ることができる。このステープルは
紡績糸の原料、不織布、また不織布用バインダーとして
使用することが可能である。
【0030】
【実施例】以下本発明を実施例および比較例に基づいて
具体的に説明するが、本発明はその趣旨を逸脱しない限
りこれに限定されるものではない。尚ポリマーの分子量
は溶離液としてクロロホルムを用い、ゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィーにて測定した。実験操作はすべ
て窒素雰囲気下で行った。
【0031】(参考例) 変性ポリ乳酸ポリエステルジオールの合成 攪拌機、温度計、冷却管、および窒素導入管を備えた1
L五ツ口フラスコを窒素パージした後、自己脱水縮合に
より高分子量化したポリ乳酸(MW=約100,00
0、以下、PLAと略)100.0g(1×10-3mo
l)およびジクロロメタン300.0gを加え、次い
で、2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウム=
クロリド(1.1倍mol VS PLA)を加え、室
温で3時間攪拌し、反応させた。その後、1,4−ブタ
ンジオール(10倍mol VS PLA)を装入し、
3−メチルピリジン(2倍mol VS 2−クロロ−
1,3−ジメチルイミダゾリニウム=クロリド)を加え
て30〜40℃で3時間攪拌し反応を行った。反応終了
後、室温まで冷却し、反応溶液を10%塩酸水溶液およ
び水で順次洗浄した。その後、ジクロロメタンを減圧下
で除き変性ポリ乳酸ポリエステルジオール101gを得
た。その収率は100%である。得られた変性ポリ乳酸
ポリエステルジオールの、GPCで求めた分子量は11
0,000、分子量分布分散度(重量平均分子量/数平
均分子量)は3.0であった。用いた粗PLAの分子量
を変更する以外、上記方法を繰り返し、分子量65,0
00、78,000、131,000の変性ポリ乳酸ポ
リオールを得た。
【0032】実施例1 参考例で得た分子量110,000の変性ポリ乳酸ポリ
エステルジオール100gを加熱溶解し、化学量論数の
2,5−及び/又は2,6−ジイソシアナトメチルビシ
クロ[2,2,1]ヘプタンを加え、1時間保持し融点
175℃のポリマーを得た。このポリマーをノズルのつ
いた押出機を用いて、溶融紡糸、ステープル用フィラメ
ントを得た。以下の実施例2〜4において、使用するポ
リエステルジオールの分子量を変更してポリウレタンを
合成した。ただし、ポリオールの合計量は実施例1の変
性ポリ乳酸ポリエステルジオールとモル数を同じにし
た。
【0033】実施例2 ポリエステルジオールとして分子量65,000の変性
ポリ乳酸ポリエステルジオールを使用する以外は、実施
例1と同様に反応及び押出しによる溶融紡糸を行い、融
点172℃の樹脂を得た。
【0034】実施例3 ポリエステルジオールとして分子量78,000の変性
ポリ乳酸ポリエステルジオールを使用する以外は、実施
例1と同様に反応及び押出しによる溶融紡糸を行い、融
点173℃の樹脂を得た。
【0035】実施例4 ポリエステルジオールとして分子量131,000の変
性ポリ乳酸ポリエステルジオールを使用する以外は、実
施例1と同様に反応及び押出しによる溶融紡糸を行い、
融点176℃の樹脂を得た。実施例1から4で得られた
ポリマーをIR測定を行った。1600cm-1付近に、
N−H結合に由来する吸収が認められ、ウレタン結合
(−NHCOO−)の生成が示唆された。
【表1】 ※(A):変性ポリ乳酸ポリエステルジオール
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
一般式(1)で表される繰り返し構造を有する分子量が
50,000以上のポリエステルジオールと、2,5−
及び/又は2,6−ジイソシアナトメチルビシクロ
[2,2,1]ヘプタンとの重合体を主成分とするポリ
マーを成形してステープル材料を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J034 BA03 BA07 DA01 DB04 DB07 DF11 DF16 DF20 DF24 EA07 HA01 HA07 HC17 HC22 HC45 HC53 HC61 HC73 QA05 QB19 QC08 4L035 BB31 DD19 EE20 HH01 HH10

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(1) 【化1】 (式中、Rは炭素数2〜12の炭化水素基であり、nは
    2以上の整数である。)で表される繰り返し構造を有す
    るポリエステルジオールと、2、5−及び/又は2,6
    −ジイソシアナトメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタ
    ンとの重合体を主成分とするポリマーを成形してなる乳
    酸系ポリマーステープル。
  2. 【請求項2】一般式(1)で表される繰り返し構造を有
    するポリエステルジオールの分子量が50,000以上
    である請求項1記載の乳酸系ポリマーステープル。
  3. 【請求項3】一般式(1)で表される繰り返し構造を有
    するポリエステルジオールと、2,5−及び/又は2,
    6−ジイソシアナトメチルビシクロ[2,2,1]ヘプ
    タンとの重合体と、前記重合体以外の脂肪族ポリエステ
    ルとを混合してなることを特徴とする乳酸系ポリマース
    テープル。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018204142A (ja) * 2017-06-02 2018-12-27 国立大学法人京都工芸繊維大学 ポリ乳酸溶融紡糸繊維

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