JP2000007800A - ポリマーシート - Google Patents

ポリマーシート

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JP2000007800A
JP2000007800A JP10179228A JP17922898A JP2000007800A JP 2000007800 A JP2000007800 A JP 2000007800A JP 10179228 A JP10179228 A JP 10179228A JP 17922898 A JP17922898 A JP 17922898A JP 2000007800 A JP2000007800 A JP 2000007800A
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polyester diol
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acid
lactic acid
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Akihiro Ono
明広 大野
Hiroaki Matsuno
博明 松野
Naoki Sato
直樹 佐藤
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規な生分解性乳酸系ポリマーシート
を提供する。 【解決手段】 一般式(1) (式中、Rは炭素数2〜12の炭化水素基であり、nは
2以上の整数である。)で表される繰り返し構造を有す
るポリエステルジオールと、2,5−及び/又は2,6
−ジイソシアナトメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタ
ンとの重合体を主成分とするポリマーを成形してなるポ
リマーシート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリマーシートに関
する。詳しくは、一般式(1)
【化2】 (式中、Rは炭素数2〜12の炭化水素基であり、nは
2以上の整数である。)で表される繰り返し構造を有す
るポリエステルジオールと2,5−及び/又は2,6−
ジイソシアナトメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン
との重合体を主成分とするポリマーを成形してなるポリ
マーシートに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
包装資材のプラスチック化が進む一方、これら多量に使
用されているプラスチックの廃棄物が、河川、海洋、土
壌を汚染する可能性を有し、大きな社会問題になってお
り、この汚染防止のために生分解性を有するプラスチッ
クの出現が待望され以前から多数行われてきた。既に、
例えば、微生物による発酵法により製造されるポリ(3
−ヒドロキシブチレート)やブレンド系の天然高分子で
ある澱粉と汎用プラスチックとのブレンド物等が知られ
ている。
【0003】しかし、前者はポリマーの熱分解温度が融
点に近いため成形加工性に劣ることや微生物が作り出す
ため、原料原単位が非常に悪い欠点を有している。ま
た、後者は天然高分子自身が熱可塑性でないため、成形
性に難があり利用範囲に大きな制約を受けている。その
ような中で乳酸系ポリマーは、高い透明性を有し、また
いわゆる生分解性を持つことで広く知られており、カビ
等の発生がなく透明性も維持されることから、種々の用
途での利用が期待されている。
【0004】生分解性を有する乳酸系ポリマーの例とし
て、特開平6−32862号公報、及び特開平6−11
6356号公報に、乳酸を出発原料として得られたポリ
エステルポリオールとポリメチレンポリフェニレンポリ
イソシアネートから得られるポリウレタン発泡体の例
が、また特開平6−172578号公報に代表されるよ
うに、ポリブチレンサクシネートとヘキサメチレンジイ
ソシアネートとから得られるポリウレタン樹脂が例示さ
れている。
【0005】さらに、乳酸系ポリマーに可塑剤と紫外線
吸収剤を導入した適用例が特開平7−177826号公
報に開示されている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、脂肪族ポ
リエステルの中では、例外的に150℃〜160℃の融
点を示すヒドロキシカルボン酸とジオールから合成され
た結晶性ポリエステルをより高物性のものとし、シート
として実用可能な物性をもたせるべく種々検討を重ねた
結果、上記結晶性ポリエステルに、その融点以上の溶融
状態でジイソシアネートとして2,5−及び/又は2,
6−ジイソシアナトメチルビシクロ[2,2,1]ヘプ
タンとを重合したポリウレタン樹脂が実用上十分な高分
子量を有し、これを主成分とするポリマーを成形してな
るシートは熱安定性、引張り強さおよび延伸性に優れて
いることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明は、1)下記一般式(1)
【化3】 (式中、Rは炭素数2〜12の炭化水素基であり、nは
2以上の整数である。)で表される繰り返し構造を有す
るポリエステルジオールと、2、5−及び/又は2,6
−ジイソシアナトメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタ
ンとの重合体を主成分とするポリマーを成形してなるポ
リマーシート、2)一般式(1)で表される繰り返し構
造を有するポリエステルジオールの分子量が50,00
0以上である請求項1記載のポリマーシート、3)一般
式(1)で表される繰り返し構造を有するポリエステル
ジオールと、2,5−及び/又は2,6−ジイソシアナ
トメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタンとの重合体
と、前記重合体以外の脂肪族ポリエステルとを混合して
なることを特徴とするポリマーシートである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明においては、ジオールとヒドロキシカルボ
ン酸とから合成されたポリエステルジオールは、分子量
が50,000以上、望ましくは70,000以上であ
り、末端基が実質的にヒドロキシル基である。本発明の
シートは、この結晶性ポリエステルに、その融点以上の
溶融状態で、ジイソシアネートとして2,5−及び/又
は2,6−ジイソシアナトメチルビシクロ[2,2,
1]ヘプタンを反応させて得られる重合体を主成分とす
るポリマーを成形してポリマーシートを得る。
【0009】従来から、末端基がヒドロキシル基である
数平均分子量2,000〜2,500程度のポリエステ
ルを、ポリウレタン樹脂の原料成分とし、ジイソシアネ
ートと反応させて、ゴム、フォーム、塗料、接着剤とす
ることは広く行われている。しかし、既存のポリウレタ
ンに用いられるポリエステルは、数平均分子量が2,0
00〜2,500の、いわばプレポリマーであり、この
低分子量ポリエステル100重量部に対して、実用的な
物性を得るためには、ジイソシアネートの分子量にもよ
るが、ジイソシアネートの使用量は10重量部以上15
〜20重量部にもおよぶ必要がある。しかしながら、例
えば10重量部のジイソシアネートを溶融ポリエステル
(種類にもよるがほぼ150℃以上)に添加すると、低
分子量ポリエステルであると、高分子量ポリエステルで
あるとに拘わらず、必ずゲル化して、取り扱い可能な樹
脂は得られない。実際には、10重量部以上のジイソシ
アネートの添加は、溶剤に溶解した溶液状態で行われる
か、或いはフォーム或いはRIM成形に見られるよう
に、一度で最終硬化樹脂を得るか、である。
【0010】またゴムの場合、ヒドロキシル基をイソシ
アネート基に転換し(ジイソシアネートを加えて)、さ
らにグリコールで数平均分子量を増大することも行われ
ているが、イソシアネートの量は前述のように10重量
部以上という多さである。このような場合、ポリエステ
ルの合成に重金属系の触媒を用いると、これがイソシア
ネート基の反応性を著しく促進して、保存性不良、望ま
しからざる架橋(分岐)をもたらすことから、一般にポ
リウレタン樹脂原料の低分子量ポリエステルは、無触媒
で合成されている。従って、数平均分子量は高くても
2,500位が限界である。
【0011】本発明においては、ジイソシアネートと反
応させるポリエステルジオールは、末端基が実質的にヒ
ドロキシル基である、分子量が50,000以上、好ま
しくは70,000以上のポリエステルジオールでなけ
ればならない。これが低分子量ポリエステルジオール、
例えば分子量が20,000程度であると、本発明で利
用するジイソシアネート、すなわち2,5−及び/又は
2,6−ジイソシアナトメチルビシクロ[2,2,1]
ヘプタンを用いても、良好な物性を有する最終樹脂を得
ることができないばかりか、溶融添加にあっては、少量
であっても反応中にゲル化を生じることが認められる等
の不都合がある。従って、末端ヒドロキシル価が低くな
ければ、安全な反応が行えない。本発明の分子量50,
000以上のポリマーは、必然的にこの末端ヒドロキシ
ル価が低く、少量のジイソシアネートの使用で、溶融状
態といった苛酷な条件下でも、安全に高分子量ポリマー
を合成することができる。本発明により得られる分子量
50,000以上、望ましくは70,000以上のポリ
エステルジオールと、ジイソシアネートとして2,5−
及び/又は2,6−ジイソシアナトメチルビシクロ
[2,2,1]ヘプタンを反応させて得られる重合体を
主成分とするポリマーは、引張り強さに代表される機械
的強度に優れたシートを形成させることができ、各種用
途に供することが可能である。
【0012】本発明において、下記一般式(1)
【化4】 (式中、Rは炭素数2〜12の炭化水素基であり、nは
2以上の整数である。)で表される繰り返し構造を有す
る分子量が50,000以上のポリエステルジオール
と、2,5−及び/又は2,6−ジイソシアナトメチル
ビシクロ[2,2,1]ヘプタンとの重合体を主成分と
するポリマーと併用できるポリマーとしては、乳酸単位
を含む脂肪族ポリエステル及びその他のポリ乳酸以外の
脂肪族ポリエステルであり、具体的には、(A)ポリ乳
酸および乳酸と他のヒドロキシカルボン酸とのコポリマ
ー、(B)多官能多糖類および乳酸単位を含む脂肪族ポ
リエステル、(C)脂肪族多価カルボン酸単位、脂肪族
多価アルコール単位および乳酸単位を含む脂肪族ポリエ
ステル、および、(D)これらの混合物である。
【0013】乳酸にはL−体とD−体とが存在するが、
本発明において単に乳酸という場合は、特にことわりが
ない場合は、L−体とD−体との両者を指すこととす
る。また、ポリマーの分子量は特にことわりのない場合
は重量平均分子量のことを指すものとする。
【0014】本発明に用いるポリ乳酸としては、構成単
位がL−乳酸のみからなるポリ(L−乳酸)、D−乳酸
のみからなるポリ(D−乳酸)、およびL−乳酸単位と
D−乳酸単位とが種々の割合で存在するポリ(DL−乳
酸)のいずれもが使用できる。乳酸−他のヒドロキシカ
ルボン酸コポリマーのヒドロキシカルボン酸としては例
えば、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロ
キシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、5−ヒドロキシ吉草
酸、6−ヒドロキシカプロン酸等が挙げられる。
【0015】本発明に用いるポリ乳酸の製造方法として
は、L−乳酸、D−乳酸、またはDL−乳酸を直接脱水
重縮合する方法、これら各乳酸の環状2量体であるラク
チドを開環重合する方法等が挙げられる。開環重合は、
高級アルコール、ヒドロキシカルボン酸等の水酸基を有
する化合物の存在下で行っても良い。本発明に用いるポ
リ乳酸は上記何れの方法によって製造されたものでもよ
い。
【0016】乳酸−他のヒドロキシカルボン酸コポリマ
ーの製造方法として、上記各乳酸と上記ヒドロキシカル
ボン酸を脱水重縮合する方法、上記各乳酸の環状2量体
であるラクチドと上記ヒドロキシカルボン酸の環状体を
開環強重合する方法等が挙げられる。乳酸−他のヒドロ
キシカルボン酸コポリマーは上記何れの方法によって製
造されたものでもよい。共重合体に含まれる乳酸単位の
量は40モル%以上であることが好ましい。
【0017】多官能多糖類および乳酸単位を含む脂肪族
ポリエステルの製造に用いる多官能多糖類としては、例
えば、セルロース、硝酸セルロース、酢酸セルロース、
メチルセルロース、エチルセルロース、セルロイド、ビ
スコースレーヨン、再生セルロース、セロハン、キュプ
ラ、銅アンモニアレーヨン、キュプロファン、ベンベル
グ、ヘミセルロース、デンプン、アミロペクチン、デキ
ストリン、グリコーゲン、ペクチン、キチン、キトサ
ン、アラビアガム、グアーガム、ローカストビーンガ
ム、アカシアガム等およびこれらの誘導体が挙げられ
る。これらの内で、特に酢酸セルロース、エチルセルロ
ースが好ましい。
【0018】多官能多糖類および乳酸単位を含む脂肪族
ポリエステルの製造方法として、上記多官能多糖類と上
記ポリ乳酸、乳酸−他のヒドロキシカルボン酸コポリマ
ー等を反応する方法、上記多官能多糖類と上記各乳酸、
環状エステル類等を反応する方法等が挙げられる。多官
能多糖類および乳酸単位を含む脂肪族ポリエステルは上
記何れの方法によって製造されたものでもよい。該脂肪
族ポリエステルに含まれる乳酸単位の量は少なくとも5
0重量%であることが好ましい。
【0019】脂肪族多価カルボン酸単位、脂肪族多価ア
ルコール単位および乳酸単位を含む脂肪族ポリエステル
の製造に用いる脂肪族多価カルボン酸としては、例えば
シュウ酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン
酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、ウンデカ
ン二酸、ドデカン二酸等およびこれらの無水物が挙げら
れる。これらは、酸無水物であっても、酸無水物との混
合物であってもよい。
【0020】また、脂肪族多価アルコールとしては、例
えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロ
ピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−
ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、テトラメチレングリコー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられ
る。
【0021】脂肪族多価カルボン酸単位、脂肪族多価ア
ルコール単位および乳酸単位を含む脂肪族ポリエステル
の製造方法として、上記脂肪族多価カルボン酸および上
記脂肪族多価アルコールと、上記ポリ乳酸、乳酸−他の
ヒドロキシカルボン酸コポリマー等を反応する方法、上
記脂肪族多価カルボン酸および上記脂肪族多価アルコー
ルと、上記各乳酸、環状エステル類等を反応する方法等
が挙げられる。脂肪族多価カルボン酸単位、脂肪族多価
アルコール単位および乳酸単位を含む脂肪族ポリエステ
ルは上記何れの方法によって製造されたものでも良い。
該脂肪族ポリエステルに含まれる乳酸単位の量は少なく
とも50モル%であることが好ましい。乳酸系ポリマー
の分子量は、シートの加工性、得られるシートの強度お
よび分解性に影響を及ぼす。分子量が低いと得られるシ
ートの強度が低下し、使用する際に張力で破断すること
がある。また、分解速度が速くなる。逆に高いと加工性
が低下し、シート成形が困難となる。かかる点を考慮す
ると、本発明に使用する乳酸系ポリエステルジオールの
分子量は、約1万〜約100万程度の範囲が好ましい。
さらに好ましい範囲は10万〜30万である。
【0022】本発明のポリマーシートに用いるポリマー
の最適な分子量や共重合体組成は、その使用用途により
変更される。
【0023】本発明のポリマーシートには、必要に応じ
て、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤等の他、滑
剤、ワックス類、着色剤、結晶促進剤等の添加剤を併用
できる。
【0024】本発明の構成要素である生成した分子量5
0,000以上、望ましくは70,000以上の末端基
が実質的にヒドロキシル基であるポリエステルジオール
に、さらに数平均分子量を高めるために加えられるジイ
ソシアネートとして、2,5−及び/又は2,6−ジイ
ソシアナトメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタンを用
いたものは、これまでに例がなく、特に、生成樹脂の色
相、ポリエステル添加時の反応性、等の点から好まし
い。これらジイソシアネートとしての2,5−及び/又
は2,6−ジイソシアナトメチルビシクロ[2,2,
1]ヘプタンの添加量は、分子量にもよるが、ポリエス
テルジオール100重量部に対して0.01〜5重量
部、望ましくは0.1〜3重量部である。添加は、結晶
性ポリエステルが均一な溶融状態で溶剤を含まず、容易
に攪拌可能な条件下で行われることが望ましい。別に、
固形状の結晶性ポリエステル製造装置内か、或いは溶融
状態の結晶性ポリエステル(例えばニーダー内での)に
添加することが実用的である。
【0025】上記各種の添加剤を含む乳酸系ポリマー組
成物を製膜する方法としては、例えば、溶液キャスト
法、溶融押出し法、カレンダー法等が挙げられる。溶液
キャスト法は、溶媒としてクロロホルム、塩化メチレ
ン、ベンゼン、アセトニトリル、トルエン、キシレン、
ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチ
ルイミダゾリジノン等を用いて溶液とした後、平滑な面
上にキャストし、溶媒を除去することにより行われる。
溶融押出し成形する場合は、公知のTダイ法、インフレ
ーション法等が適用される。押出温度は、好ましくは1
00〜280℃の範囲、より好ましくは130〜250
℃の範囲である。成形温度が低いと成形安定性が得難
く、また過負荷に陥りやすい。逆に高いと乳酸系ポリマ
ーが分解することがあり、分子量低下、強度低下、着色
等が起こすので好ましくない。
【0026】本発明に係る乳酸系ポリマーシートは、未
延伸の物でも延伸されたものでも良いが、強度的には得
られたシートを一軸延伸または二軸延伸することが好ま
しい。一軸延伸する場合には、縦方向または横方向に
1.3〜5倍延伸する。延伸は、一軸延伸でも二軸延伸
でもよい。二軸延伸の場合は、一軸目の延伸と二軸目の
延伸を逐次行っても、同時に行ってもよい。延伸倍率が
低いと十分に満足し得る強度を有するシートが得難く、
また高いと延伸時にシートが破れることが多くなり好ま
しくない。一軸延伸の場合は、ロール法による縦延伸ま
たはテンターによる横延伸が例示される。二軸延伸の場
合は、これらを組み合わせればよい。延伸温度は、用い
る乳酸系ポリマーのガラス転移点(Tg)〜(Tg+5
0)℃の範囲が好ましい。さらに好ましくはTg〜(T
g+30)℃の範囲である。延伸温度がTg未満では延
伸が困難であり、(Tg+50)℃を越えると延伸によ
る強度向上が認められないことがある。また、耐熱性を
増すために延伸後、緊張下で70℃以上、融点未満の温
度で熱処理を行っても良い。熱処理時間は通常1秒〜3
0分間である。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例に基づい
て具体的に説明するが、本発明はその趣旨を逸脱しない
限りこれに限定されるものではない。尚、ポリマーの分
子量は溶離液としてクロロホルムを用い、ゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィーにて測定した。実験操作は
すべて窒素雰囲気下で行った。
【0028】(参考例) 変性ポリ乳酸ポリエステルジオールの合成 攪拌機、温度計、冷却管、および窒素導入管を備えた1
L五ツ口フラスコを窒素パージした後、自己脱水縮合に
より高分子量化したポリ乳酸(MW=約100,00
0、以下、PLAと略)100.0g(1×10-3mo
l)およびジクロロメタン300.0gを加え、次い
で、2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウム=
クロリド(1.1倍mol VS PLA)を加え、室
温で3時間攪拌し、反応させた。その後、1,4−ブタ
ンジオール(10倍mol VS PLA)を装入し、
3−メチルピリジン(2倍mol VS 2−クロロ−
1,3−ジメチルイミダゾリニウム=クロリド)を加え
て30〜40℃で3時間攪拌し反応を行った。反応終了
後、室温まで冷却し、反応溶液を10%塩酸水溶液およ
び水で順次洗浄した。その後、ジクロロメタンを減圧下
で除き変性ポリ乳酸ポリエステルジオール101gを得
た。その収率は100%である。得られた変性ポリ乳酸
ポリエステルジオールの、GPCで求めた分子量は11
0,000、分子量分布分散度(重量平均分子量/数平
均分子量)は3.0であった。用いた粗PLAの分子量
を変更する以外、上記方法を繰り返し、分子量65,0
00、78,000、131,000の変性ポリ乳酸ポ
リオールを得た。
【0029】実施例1 参考例で得た分子量110,000の変性ポリ乳酸ポリ
エステルジオール100gを加熱溶解し、化学量論数の
2,5−及び/又は2,6−ジイソシアナトメチルビシ
クロ[2,2,1]ヘプタンを加え、1時間保持し融点
175℃のポリマーを得た。このポリマーをTダイが装
着された押出機を用いて混練、溶融して押出し、厚さ
1.2mmの未延伸シートを得た。以下の実施例2〜8
において、使用するポリエステルジオールの分子量を変
更して重合体を得た。ただし、ポリオールの合計量は実
施例1の変性ポリ乳酸ポリエステルジオールとモル数を
同じにした。
【0030】実施例2 ポリエステルジオールとして分子量65,000の変性
ポリ乳酸ポリエステルジオールを使用する以外は、実施
例1と同様に反応及び押出しを行い、厚さ1.2mmの
未延伸シートを得た。
【0031】実施例3 ポリエステルジオールとして分子量78,000の変性
ポリ乳酸ポリエステルジオールを使用する以外は、実施
例1と同様に反応及び押出しを行い、厚さ1.2mmの
未延伸シートを得た。
【0032】実施例4 ポリエステルジオールとして分子量131,000の変
性ポリ乳酸ポリエステルジオールを使用する以外は、実
施例1と同様に反応及び押出しを行い、厚さ1.2mm
の未延伸シートを得た。
【0033】実施例5 ポリエステルジオールとして分子量65,000の変性
ポリ乳酸ポリエステルジオールを使用し、これとポリブ
チレンサクシネートとを90:10の割合で混合した以
外は、実施例1と同様に反応及び押出しを行い、厚さ
1.2mmの未延伸シートを得た。
【0034】実施例6 ポリエステルジオールとして分子量78,000の変性
ポリ乳酸ポリエステルジオールを使用し、これとポリブ
チレンサクシネートとを80:20の割合で混合した以
外は、実施例1と同様に反応及び押出しを行い、厚さ
1.2mmの未延伸シートを得た。
【0035】実施例7 ポリエステルジオールとして分子量131,000の変
性ポリ乳酸ポリエステルジオールを使用し、これとポリ
ブチレンサクシネートとを80:20の割合で混合した
以外は、実施例1と同様に反応及び押出しを行い、厚さ
1.2mmの未延伸シートを得た。
【0036】実施例8 ポリエステルジオールとして分子量131,000の変
性ポリ乳酸ポリエステルジオールを使用し、これとポリ
ブチレンサクシネートとを70:30の割合で混合した
以外は、実施例1と同様に反応及び押出しを行い、厚さ
1.2mmの未延伸シートを得た。実施例1から8で得
られたポリマーをIR測定を行った。1600cm-1
近に、N−H結合に由来する吸収が認められ、ウレタン
結合(−NHCOO−)の生成が示唆された。
【0037】
【表1】 ※(A):変性ポリ乳酸ポリエステルジオール (B):ポリブチレンサクシネート
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
一般式(1)で表される繰り返し構造を有する分子量が
50,000以上のポリエステルジオールと、2,5−
及び/又は2,6−ジイソシアナトメチルビシクロ
[2,2,1]ヘプタンとの重合体を主成分とするポリ
マーを成形してポリマーシートを得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA44 AA53 AA81 AF52 AG02 AH04 BA01 BB06 BB07 BC01 4J034 BA03 BA07 DA01 DB04 DB07 DF11 DF16 DF20 DF24 EA07 HA01 HA07 HC17 HC22 HC45 HC53 HC61 HC73 QA05 QB19 QC08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(1) 【化1】 (式中、Rは炭素数2〜12の炭化水素基であり、nは
    2以上の整数である。)で表される繰り返し構造を有す
    るポリエステルジオールと、2,5−及び/又は2,6
    −ジイソシアナトメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタ
    ンとの重合体を主成分とするポリマーを成形してなるポ
    リマーシート。
  2. 【請求項2】一般式(1)で表される繰り返し構造を有
    するポリエステルジオールの分子量が50,000以上
    である請求項1記載のポリマーシート。
  3. 【請求項3】一般式(1)で表される繰り返し構造を有
    するポリエステルジオールと、2,5−及び/又は2,
    6−ジイソシアナトメチルビシクロ[2,2,1]ヘプ
    タンとの重合体と、前記重合体以外の脂肪族ポリエステ
    ルとを混合してなることを特徴とするポリマーシート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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