JPH11189637A - 新規なポリウレタン - Google Patents

新規なポリウレタン

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JPH11189637A
JPH11189637A JP10294780A JP29478098A JPH11189637A JP H11189637 A JPH11189637 A JP H11189637A JP 10294780 A JP10294780 A JP 10294780A JP 29478098 A JP29478098 A JP 29478098A JP H11189637 A JPH11189637 A JP H11189637A
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polyol
polyurethane
polyester polyol
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Masato Kaneda
昌人 金田
Hiroshi Uchida
博 内田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐加水分解性、耐候性、耐熱性に優れる新規
なポリウレタンの提供にある。 【解決手段】 ポリイソシアネート化合物と次の一般式
(1)のポリエステルポリオール化合物の重付加によっ
て得られるポリウレタン。 【化1】 (式中Aはポリオール化合物の残基を、Bはジカルボン
酸化合物の残基を表す)からなる水酸基価が10〜20
0であるポリエステルポリオールであり、且つ該ポリエ
ステルポリオール中のポリオール残基Aのうち、10〜
100%が一般式(2) 【化2】 又は一般式(3) 【化3】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なポリエステル
ポリオールを残基を有するポリウレタンに関するもので
ある。更に詳しくは、ジオール残基として特定の骨格の
脂環式ジオール残基を有するポリエステルポリオールと
ポリイソシアネート化合物との重付加反応によって得ら
れるポリウレタン樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリウレタンの原料とされるポリ
エステルポリオールはアジピン酸、マレイン酸、フタル
酸等のポリカルボン酸に対して、エチレングリコール、
プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,
6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等のグ
リコール類、またはトリメチロールプロパン、グリセリ
ン、ペンタエリスリトール等のポリオール類を縮合させ
て製造されている。このようにして製造されたポリエス
テルポリオールをポリイソシアネートと重付加反応させ
て得られるポリウレタン樹脂は、ウレタンフォーム、エ
ラストマー、RIM成型品、塗料、コート剤、繊維原
料、接着剤等の用途に使用されている。これら通常のポ
リエステルポリオールから誘導されるポリウレタン樹脂
は、比較的良好な機械物性、耐熱性を有しているが、ポ
リエーテルグリコールやポリカーボネートジオールに比
べて耐加水分解性に劣る欠点があり、そのため応用範囲
が限定されている。また、エチレングリコールや1,4
−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のジオ
ールをジオール成分とするポリエステルポリオールは、
結晶性で融点が室温よりも高く、ポリイソシアネートと
の反応における作業性に不都合を生じる場合がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は耐加水分解
性、耐候性、耐熱性に優れるポリウレタン樹脂を提供
し、併せてポリエステルポリオールとポリイソシアネー
トとの反応における作業性を高めることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討の
結果、ポリエステルポリオールのジオール成分に特定の
脂環式骨格を有するジオール化合物を使用することで上
記欠点を解決できることを見いだし本発明に至った。本
発明は、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物
の重付加によって得られるポリウレタンであって、ポリ
オール化合物の全部または一部が、下記一般式(1)で
表される繰り返し単位
【化4】 (式中Aはポリオール化合物の残基を、Bはジカルボン
酸化合物の残基を表す)からなる水酸基価が10〜20
0であるポリエステルポリオールであり、且つ該ポリエ
ステルポリオール中のポリオール残基Aのうち、10〜
100%が一般式(2)
【化5】 又は一般式(3)
【化6】 (式中、R1 は炭素数が1から4までのアルキル基また
はフェニル基を、R2 は水素原子またはメチル基を、X
は単結合または二重結合を表す。)で表されるジオール
残基であるポリウレタンである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明を更に詳しく説明する。本
発明のポリウレタンのジオール原料であるポリエステル
ポリオールは、繰り返し単位中に特定の構造を有する脂
環式ジオール化合物から誘導されるジオール残基を含有
する。この特定の構造を有する脂環式ジオール残基は、
上記一般式(2)又は(3)で表される。式中のR1
は、C1〜4のアルキル基の場合いずれでもよいが、メ
チル基が好ましい。また、脂環式骨格は、シクロヘキサ
ン骨格もしくはノルボルナン骨格から選択される。一般
式(2)又は(3)中のXは、単結合であっても、二重
結合であってもよい。更に、R2 は、水素原子、メチル
基の何れであってもよい。
【0006】一般式(2)又は(3)のジオール残基に
誘導される脂環式ジオールを具体的に説明すると、2−
位が炭素数1〜4のアルキル基またはフェニル基で置換
された1,1−シクロヘキサンジメタノール骨格、3−
位が炭素数1〜4のアルキル基またはフェニル基で置換
された2,2−ノルボルナンジメタノール骨格、6−位
が炭素数1〜4のアルキル基またはフェニル基で置換さ
れた3−シクロヘキセン−1,1−ジメタノール骨格、
もしくは、3−位が炭素数1〜4のアルキル基またはフ
ェニル基で置換された5−ノルボルネン−2,2−ジメ
タノール骨格を有する化合物が挙げられる。
【0007】具体例としては2−メチル−1,1−シク
ロヘキサンジメタノール、2−エチル−1,1−シクロ
ヘキサンジメタノール、2−プロピル−1,1−シクロ
ヘキサンジメタノール、2−ブチル−1,1−シクロヘ
キサンジメタノール、2−フェニル−1,1−シクロヘ
キサンジメタノール、2,3−ジメチル−1,1−シク
ロヘキサンジメタノール、2,4−ジメチル−1,1−
シクロヘキサンジメタノール、2,5−ジメチル−1,
1−シクロヘキサンジメタノール、2,6−ジメチル−
1,1−シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−
2,2−ノルボルナンジメタノール、3−エチル−2,
2−ノルボルナンジメタノール、3−プロピル−2,2
−ノルボルナンジメタノール、3−ブチル−2,2−ノ
ルボルナンジメタノール、3−フェニル−2,2−ノル
ボルナンジメタノール、6−メチル−3−シクロヘキセ
ン−1,1−ジメタノール、6−エチル−3−シクロヘ
キセン−1,1−ジメタノー」ル、6−プロピル−3−
シクロヘキセン−1,1−ジメタノール、6−ブチル−
3−シクロヘキセン−1,1−ジメタノール、6−フェ
ニル−3−シクロヘキセン−1,1−ジメタノール、
5,6−ジメチル−3−シクロヘキセン−1,1−ジメ
タノール、4,6−ジメチル−3−シクロヘキセン−
1,1−ジメタノール、3,6−ジメチル−3−シクロ
ヘキセン−1,1−ジメタノール、2,6−ジメチル−
3−シクロヘキセン−1,1−ジメタノール、3−メチ
ル−5−ノルボルネン−2,2−ジメタノール、3−エ
チル−5−ノルボルネン−2,2−ジメタノール、3−
プロピル−5−ノルボルネン−2,2−ジメタノール、
3−ブチル−5−ノルボルネン−2,2−ジメタノー
ル、3−フェニル−5−ノルボルネン−2,2−ジメタ
ノール等が挙げられる。
【0008】上記の特定の脂環式ジオール残基を有する
ポリエステルポリオールをジオール原料として使用した
ポリウレタンは、従来のポリエステルポリオールをジオ
ール原料としたポリウレタンよりも耐加水分解性が大幅
に改善される。また、本発明のポリウレタンに用いるポ
リエステルポリオールは、特定の脂環式ジオール残基を
導入することで結晶化が妨げられ、その結果、室温で液
状のポリエステルポリオールとなる。これはイソシアネ
ートとの反応によりポリウレタンを合成する場合、融点
が高い室温で固形のポリエステルポリオールに比べてポ
リウレタン化の操作を簡素化できる点で優位である。
【0009】本発明のポリウレタンに使用されるポリエ
ステルポリオール中のジオール残基は、上記特定の脂環
式ジオールから誘導される残基以外に、他の2官能、ま
たは3官能以上のポリオール化合物から誘導されるポリ
オール残基を含んでいてもよい。特定の脂環式ジオール
以外のポリオール残基は、一般のポリウレタン製造に使
用するポリイソシアネート化合物と反応できるポリオー
ル化合物に基づくポリオール残基であれば特に制限はな
い。具体的にはエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコー
ル等の直鎖脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジ
メタノール、水添ビスフェノールA、トリシクロデカン
ジメタノール等の脂環式ジオール、ビスフェノールA、
キシリレンジオール等の芳香族ジオール、ジエチレング
リコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレ
ングリコール等の(ポリ)エーテルグリコール、トリメ
チロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセリ
ン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール等のポ
リオール残基が挙げられるが、本発明はこれらに限定さ
れるものではない。
【0010】本発明のポリエステルポリオール中の全ジ
オール残基中の特定の脂環式ジオール残基の割合は任意
に調節可能であるが、本発明の効果を発揮させるために
は上記特定の脂環式ジオール残基の割合が多い方が良
く、通常10〜100%、好ましくは20〜100%の
割合で使用する。
【0011】本発明のポリウレタン化合物に使用される
特定のポリエステルポリオール中のジカルボン酸残基の
種類は、通常のポリエステルポリオールに用いられるも
のであれば特に制限はない。具体的にはシュウ酸、コハ
ク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシ
ン酸等の脂肪族ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサン
ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、
ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ダイマ
ー酸等の脂環式ジカルボン酸、フタル酸、マレイン酸等
のジカルボン酸残基が挙げられる。
【0012】本発明に示されるポリウレタン製造は、上
に示される脂環式ジオール化合物を含むポリエステルポ
リオール化合物とポリイソシアネート化合物との重付加
反応によって得られる。この場合、本発明のポリエステ
ルポリオールの水酸基価は10〜200であることが望
ましい。ジオール化合物のみをポリオール原料としたポ
リエステルポリオールの場合は、水酸基は通常ポリエス
テルポリオールの両末端に存在し、1ポリマー分子あた
りの水酸基の数はほぼ2である。しかし、3官能以上の
ポリオール化合物をポリオール原料の全てまたは一部と
して使用し、ポリマー1分子あたり平均して2官能以上
の水酸基を有するポリエステルポリオールを合成するこ
とも可能である。ポリエステルポリオールの末端に水酸
基を存在させるには、ポリエステルポリオールの合成に
おいて、ポリオール原料トータルの水酸基のモル当量を
ジカルボン酸原料のモル当量より多く使用する。ポリイ
ソシアネートとの反応によりポリウレタンを製造する場
合、水酸基価が10未満では水酸基濃度が低く、実質的
に有効なウレタン化速度が得られず、物性的に劣るポリ
マーしか得られない。また、水酸基価が低いものは通常
分子量が高く、高粘度となるため、実際の反応には使い
にくいものとなる。水酸基価が200を越えると、生成
したウレタン官能基の濃度が高すぎ、本発明の効果が発
現しにくくなる。
【0013】本発明に示されるポリウレタン製造に使用
されるポリイソシアネートの種類は、通常のポリウレタ
ンの合成に使用できるものであれば特に制限はない。具
体的には、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート
(MDI)、ポリメリックMDI、水添MDI、トリレ
ンジイソシアネート(TDI)、1,5−ナフタレンジ
イソシアネート(NDI)、ヘキサメチレンジイソシア
ネート(HDI)、キシリレンジイソシアネート(XD
I)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ
ート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IP
DI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(T
MXDI)等があげられる。
【0014】本発明におけるポリウレタン合成反応の実
施形態としては、一般的なポリウレタンの製造方法をそ
のまま適用することが可能である。即ち、ポリイソシア
ネートとポリエステルポリオール化合物を触媒の存在
下、または無触媒下で反応させる方法である。触媒は、
一般的なポリウレタン合成における重付加反応で通常用
いられる触媒が使用可能であり、有機アミン化合物、有
機スズ化合物等を使用することが出来る。また、更に場
合によっては各種ポリオール化合物、ポリアミン化合物
等を鎖延長剤、架橋剤として添加し、更にポリマーの重
合度を変化させることも可能である。この場合、ポリウ
レタン合成は、これら鎖延長剤、架橋剤と上記ポリエス
テルポリオール及びポリイソシアネート化合物とを同時
に反応させ、一段でポリウレタンを合成することも可能
であるし、先にポリエステルポリオールとポリイソシア
ネート化合物とを反応させて末端ポリイソシアネートオ
リゴマーを調製しておき、その後でこのポリイソシアネ
ートオリゴマーと鎖延長剤、架橋剤とを反応させる2段
でのポリウレタン合成も可能である。
【0015】鎖延長剤、架橋剤としての目的で本発明の
ポリウレタンに使用できるポリオール化合物、ポリアミ
ン化合物は、一般的にポリウレタンに使用できるもので
あればどの様なものでも良い。ポリオール化合物の具体
例としては、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコー
ル等の直鎖脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジ
メタノール、水添ビスフェノールA、トリシクロデカン
ジメタノール等の脂環式ジオール、ビスフェノールA、
キシリレンジオール、ハイドロキノンジエチロールエー
テル等の芳香族ジオール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等
の(ポリ)エーテルグリコール、トリメチロールプロパ
ン、トリメチロールエタン、グリセリン、ヘキサントリ
オール、ペンタエリスリトール、ソルビトール等のポリ
オール、ポリエチレンアジペート、ポリテトラメチレン
アジペート等のポリエステルポリオール、ポリカプロラ
クトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリ
ブタジエンポリオール等が挙げられる。また、ポリアミ
ン化合物の具体例としては、3,3’−ジクロロ−4,
4’−ジアミノジフェニルメタン(MOCA)等の芳香
族ポリアミン化合物、エチレンジアミン等の脂肪族ポリ
アミン化合物、モノエタノールアミン、ジエタノールア
ミン等のOH含有アミン等が挙げられる。ポリウレタン
合成における、ポリイソシアネートとポリエステルポリ
オールとの配合比率は、通常、反応させるポリイソシア
ネート化合物のイソシアネート基の量と、これと反応さ
せる官能基の量の比が最終的にほぼ1となるように調整
される。即ち、ポリイソシアネート化合物のNCO基と
反応するポリエステルポリオールの水酸基および鎖延長
剤、架橋剤の水酸基あるいはアミノ基の総モル当量と、
ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基の総モル
当量との比がほぼ1になるようにそれぞれの原料の配合
比を決定する。機械物性などの改良の目的でイソシアネ
ート基とそれと反応させるポリオール等の官能基の比を
1からずらす場合もある。
【0016】本発明のポリウレタンはポリオールとして
全部が前記一般式(1)のポリエステルポリオールとす
る場合及び上記のようにさらに各種のポリオール化合
物、ポリアミン化合物を含めることができるが、この場
合でもポリオール含量に対し一般式(1)のポリエステ
ルポリオールが50重量%以上であることが好ましい。
【0017】
【実施例】以下に実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらに限定されない。 (GPCによる分子量測定)GPCによる分子量測定は
以下の条件で実施した。 カラム:昭和電工(株)製 SHODEX KF−80
6M2本及びKF−807 溶媒 :THF 1.2ml/min 温度 :40℃ 検出器:UV検出器 ( 1H−NMR,13C−NMRスペクトル測定条件)日
本電子(株)社製 JNM−EX400型(400MH
z)を用いて、溶媒としてCDCl3 、標準物質として
テトラメチルシランを用いて測定した。13C−NMR
は、 1Hでデカップルした条件で測定した。 (IRスペクトル測定)日本分光(株)製FT/IR7
300赤外分光装置を用いて、KBr液膜法で測定し
た。 (酸価、水酸基価)JIS K−0070に準じて測定
した。
【0018】(実施例1) アジピン酸と2−メチル−1,1−シクロヘキサンジメ
タノールとのポリエステルポリオールの合成とポリウレ
タン化 誘導攪拌器、分流塔のついた300mlフラスコに、2
−メチル−1,1−シクロヘキサンジメタノール12
4.42g(0.7863mol)、アジピン酸ジメチ
ル119.56g(0.6863mol)を仕込み、内
容を窒素置換後、室温で、テトラブトキシチタネート
0.02gを添加した。その後、フラスコをオイルバス
につけて加温し、200℃で生成するメタノールを留出
させた。6時間反応後、徐々に系内を減圧にしてメタノ
ールの留出を促し、最終的に20mmHgでメタノール
の留出がなくなるまで約1時間反応させた。これによ
り、微黄色透明の粘稠液体が得られた。
【0019】得られたポリマーの 1H−NMR、13C−
NMRスペクトル、IRスペクトルを測定した。スペク
トルデータと帰属は以下のようである。1 H−NMR(δ, ppm, CDCl3 ): 0.90-0.94m
(-CH3) 1.25-1.66m(C(cyclohexane)-H, C-CH2-C(adipic acid)) 2.23-2.33m(-CH2COO-) 3.53m(-CH 2 OH) 3.96-4.23m(-CH2O-CO)13 C−NMR(δ, ppm, CDCl3 ): 15.8(-CH3) 21.3,21.4,28.1,28.3,29.0,30.3,33.6,33.7,33.9,39.3,
40.6,40.7(C(cyclohexane),C-CH2-CH2COO-(adipic aci
d) 62.4,63.8,64.8,66.5,67.3,68.4(-CH2O-) 173.1,173.7(-C(O)O-) IR(cm-1,KBr液膜法): 1736( νc=0)
【0020】以上の結果から、得られた化合物はアジピ
ン酸と2−メチル−1,1−シクロヘキサンジメタノー
ルとのポリエステルポリオールであることが確認され
た。このポリマーのGPCによる分子量測定の結果、分
子量Mnは1890、Mw3500であった。また、こ
のポリエステルポリオールの酸価は0.1、水酸基価は
60.3であった。こうして得られたポリエステルポリ
オール10gを脱水テトラヒドロフラン10mlに溶解
させ、精製した4,4’−メチレンビスフェニルイソシ
アネート(MDI)2.69g、触媒としてジブチルス
ズジラウレート0.005gを添加して、60℃、1時
間攪拌した。生成した両末端イソシアネートオリゴマー
溶液に更に鎖延長剤として1,4−ブタンジオール0.
460gを添加、更に60℃にて6時間反応した。生成
したポリウレタン溶液を大量のヘキサン中に攪拌下に滴
下し、ポリマーを析出させた。析出したポリマーは濾過
後、ヘキサンで洗浄し、粉砕後、60℃真空下で乾燥し
た。
【0021】(実施例2) アジピン酸と3−メチル−2,2−ノルボルナンジメタ
ノールとのポリエステルの合成とポリウレタン化 実施例1の2−メチル−1,1−シクロヘキサンジメタ
ノールの代わりに、3−メチル−2,2−ノルボルナン
ジメタノール128.14g(0.7526mol)、
アジピン酸ジメチルを113.69g(0.6526m
ol)用いた以外は実施例1と同様に処理して、微褐色
粘稠液状物を得た。
【0022】得られた化合物の 1H−NMR、13C−N
MR、IRスペクトルデータと帰属は以下のようであ
る。1 H−NMR(δ, ppm, CDCl3 ): 0.93-0.97m
(-CH3) 1.17-1.25m,1.38-1.44m,1.53-1.77m,1.89-1.90m,2.16s
(C(norbornane)-H, C-CH 2-C(adipic acid)) 2.33-2.34m(-CH2COO-) 3.53m(-CH 2OH) 4.08-4.25m(-CH2O-)13 C−NMR(δ, ppm, CDCl3 ): 15.5(-CH(C
H3)-) 23.7,24.3,24.4,29.2,33.7,33.8,35.1,42.2,45.0,45.1
(C(norbornane),C-CH2-CH2COO-(adipic acid)) 63.0,64.4,65.4,66.5,67.3,68.3(-CH2O-) 173.3,173.4(-C(O)O-) IR(cm-1,KBr液膜法): 1737( νc=0)
【0023】以上の結果から、得られた化合物はアジピ
ン酸と3−メチル−2,2−ノルボルナンジメタノール
とのポリエステルポリオールであることが確認された。
このポリマーのGPCによる分子量測定の結果、分子量
Mnは1920、Mw3710であった。また、このポ
リエステルポリオールの酸価は0.2、水酸基価は5
9.8であった。こうして得られたポリエステルポリオ
ール10gを脱水テトラヒドロフラン10mlに溶解さ
せ、精製した4,4’−メチレンビスフェニルイソシア
ネート(MDI)2.67g、触媒としてジブチルスズ
ジラウレート0.005gを添加して、60℃、1時間
攪拌した。
【0024】生成した両末端イソシアネートオリゴマー
溶液に更に鎖延長剤として1,4−ブタンジオール0.
456gを添加、更に60℃にて6時間反応した。生成
したポリウレタン溶液を大量のヘキサン中に攪拌下に滴
下し、ポリマーを析出させた。析出したポリマーは濾過
後、ヘキサンで洗浄し、粉砕後、60℃真空下で乾燥し
た。
【0025】(実施例3) アジピン酸と6−メチル−3−シクロヘキセン−1,1
−ジメタノールとのポリエステルポリオールの合成とポ
リウレタン化 実施例1の2−メチル−1,1−シクロヘキサンジメタ
ノールの代わりに、6−メチル−3−シクロヘキセン−
1,1−ジメタノール123.77g(0.792mo
l)、アジピン酸ジメチル120.59g(0.692
mol)を用いた以外は実施例1と同様に処理して、淡
褐色液状物質を得た。
【0026】得られた化合物の 1H−NMR、13C−N
MR、IRスペクトルデータと帰属は以下のようであ
る。1 H−NMR(δ, ppm, CDCl3 ): 0.93-0.96m
(-CH3) 1.64-1.65m,1.78-1.85m,1.92-1.97m,2.15-2.20m(C(cycl
ohexene,sp3)-H, C-CH 2-C(adipic acid)) 2.33m(-CH2COO-) 3.47-3.51m(-CH2OH) 4.00-4.13m(-CH2O-) 5.56-5.66m(-CH=CH-)13 C−NMR(δ, ppm, CDCl3 ): 15.4(-CH3) 24.3,27.5,28.2,28.9,29.1,29.7,30.5,33.5,33.8,38.2,
39.7,39.8(C(cyclohexene,sp3), C-CH2-CH2COO-(adipic
acid)) 64.4,64.6,65.5,65.9,66.3(-CH2OH, -CH2O-) 123.7,124.1,125.2,125.4(-CH=CH-) 173.1,173.6,173.7,173.8(-C(O)O-) IR(cm-1,KBr液膜法): 1736( νc=0)
【0027】以上の結果から、得られた化合物はアジピ
ン酸と6−メチル−3−シクロヘキセン−1,1−ジメ
タノールとのポリエステルポリオールであることが確認
された。このポリマーのGPCによる分子量測定の結
果、分子量Mnは1900、Mw3610であった。ま
た、このポリエステルポリオールの酸価は0.2、水酸
基価は60.0であった。こうして得られたポリエステ
ルポリオール10gを脱水テトラヒドロフラン10ml
に溶解させ、精製した4,4’−メチレンビスフェニル
イソシアネート(MDI)2.68g、触媒としてジブ
チルスズジラウレート0.005gを添加して、60
℃、1時間攪拌した。生成した両末端イソシアネートオ
リゴマー溶液に更に鎖延長剤として1,4−ブタンジオ
ール0.458gを添加、更に60℃にて6時間反応し
た。生成したポリウレタン溶液を大量のヘキサン中に攪
拌下に滴下し、ポリマーを析出させた。 析出したポリ
マーは濾過後、ヘキサンで洗浄し、粉砕後、60℃真空
下で乾燥した。
【0028】(比較例1) アジピン酸とネオペンチルグリコールとのポリエステル
ポリオールの合成とポリウレタン化 実施例1の2−メチル−1,1−シクロヘキサンジメタ
ノールの代わりに、ネオペンチルグリコール102.5
7g(0.9848mol)、アジピン酸ジメチル15
4.14g(0.8848mol)を用いた以外は実施
例1と同様に処理して、無色微濁液状のポリエステルポ
リオールを得た。得られたポリエステルポリオールのG
PCによる分子量測定の結果、分子量Mnは1880、
Mw3650であった。また、このポリエステルポリオ
ールの酸価は0.3、水酸基価は60.2であった。
【0029】こうして得られたポリエステルポリオール
10gを実施例と同様に脱水テトラヒドロフラン10m
lに溶解させ、精製した4,4’−メチレンビスフェニ
ルイソシアネート(MDI)2.69g、触媒としてジ
ブチルスズジラウレート0.005gを添加して、60
℃、1時間攪拌した。生成した両末端イソシアネートオ
リゴマー溶液に更に鎖延長剤として1,4−ブタンジオ
ール0.460gを添加、更に60℃にて6時間反応し
た。生成したポリウレタン溶液を大量のヘキサン中に攪
拌下に滴下し、ポリマーを析出させた。析出したポリマ
ーは濾過後、ヘキサンで洗浄し、粉砕後、60℃真空下
で乾燥した。
【0030】(比較例2) アジピン酸と1,4−ブタンジオールとのポリエステル
ポリオールの合成 実施例1の2−メチル−1,1−シクロヘキサンジメタ
ノールの代わりに、1.4-ブタンジオール91.39g
(1.014mol)、アジピン酸ジメチル159.8
8g(0.914mol)を用いた以外は実施例1と同
様に処理して、白色固体のポリエステルポリオールを得
た。得られたポリエステルポリオールのGPCによる分
子量測定の結果、分子量Mnは1920、Mw3970
であった。また、このポリエステルポリオールの酸価は
0.1、水酸基価は60.5であった。
【0031】こうして得られたポリエステルポリオール
10gを脱水テトラヒドロフラン10mlに溶解させ、
精製した4,4’−メチレンビスフェニルイソシアネー
ト(MDI)2.70g、触媒としてジブチルスズジラ
ウレート0.005gを添加して、60℃、1時間攪拌
した。生成した両末端イソシアネートオリゴマー溶液に
更に鎖延長剤として1,4−ブタンジオール0.461
gを添加、更に60℃にて6時間反応した。生成したポ
リウレタン溶液を大量のヘキサン中に攪拌下に滴下し、
ポリマーを析出させた。 析出したポリマーは濾過後、
ヘキサンで洗浄し、粉砕後、60℃真空下で乾燥した。
【0032】耐加水分解性の評価 上記実施例1〜3及び比較例1,2で合成したポリウレ
タンを少量のテトラヒドロフランに溶解させ、テフロン
シート上に流し、これを60℃で乾燥させ、約0.3m
m厚のフィルムを作成した。このフィルムを95℃の温
水中に浸漬させ、100時間加水分解を行った。このフ
ィルムの処理前後での酸価を表1に示す。実施例1〜3
で得られたポリエステルポリオールから合成されたポリ
ウレタンは、比較例のものよりも酸価の変化が少なく、
耐加水分解性に優れることがわかる。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】本発明は新規なポリエステルポリオール
及びこれを用いたポリウレタン樹脂に関するものであ
り、本発明のポリウレタン樹脂は従来のポリエステル樹
脂よりも耐加水分解性に優れ、かつ耐候性、耐熱性に優
れる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオール化合物とポリイソシアネート
    化合物の重付加によって得られるポリウレタンであっ
    て、ポリオール化合物の全部または一部が、下記一般式
    (1)で表される繰り返し単位 【化1】 (式中Aはポリオール化合物の残基を、Bはジカルボン
    酸化合物の残基を表す)からなる水酸基価が10〜20
    0であるポリエステルポリオールであり、且つ該ポリエ
    ステルポリオール中のポリオール残基Aのうち、10〜
    100%が一般式(2) 【化2】 又は一般式(3) 【化3】 (式中、R1 は炭素数が1から4までのアルキル基また
    はフェニル基を、R2 は水素原子またはメチル基を、X
    は単結合または二重結合を表す。)で表されるジオール
    残基であるポリウレタン。
  2. 【請求項2】 一般式(2)又は(3)のR1 がメチル
    基である請求項1記載のポリウレタン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6410809B1 (en) 1999-07-14 2002-06-25 Showa Denko K.K. Cyclohexanedimethanol compound and process of producing productive intermediates therefor
WO2015147202A1 (ja) * 2014-03-28 2015-10-01 株式会社クラレ 脂環骨格を有するポリエステルポリオール

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EP3124520A4 (en) * 2014-03-28 2017-11-29 Kuraray Co., Ltd. Polyester polyol having alicyclic skeleton

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