JP3466345B2 - 硬化型ポリウレタンの製造方法 - Google Patents

硬化型ポリウレタンの製造方法

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JP3466345B2 JP27194995A JP27194995A JP3466345B2 JP 3466345 B2 JP3466345 B2 JP 3466345B2 JP 27194995 A JP27194995 A JP 27194995A JP 27194995 A JP27194995 A JP 27194995A JP 3466345 B2 JP3466345 B2 JP 3466345B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明が属する技術分野】本発明は、多価イソシアネー
ト化合物と多価活性水素含有化合物を反応させて硬化と
成型を同時に行う硬化型ポリウレタンの製造方法に関す
る。 【0002】 【従来の技術】従来、塗料、接着剤、シーリング剤、注
型エラストマー、フォームラバー等の用途において、イ
ソシアネート基を末端に有するプレポリマー(以下、こ
れをイソシアネート末端プレポリマーと略称する)から
なる主剤とポリオール、ポリアミン、水等の多価活性水
素含有化合物からなる硬化剤、または水酸基を末端に有
するプレポリマー(以下、これを水酸基末端プレポリマ
ーと略称する)からなる主剤と多価イソシアネート化合
物からなる硬化剤を反応させて硬化と成型を同時に行な
う硬化型ポリウレタンが使用されている。 【0003】硬化型ポリウレタンはその高分子構造がソ
フトセグメントとハードセグメントとに分かれているた
め、硬くても耐屈曲性および耐衝撃性に富むという性質
を有している。硬化型ポリウレタンを構成するソフトセ
グメントとしては、ポリエーテルポリオールやポリエス
テルポリオールなどが使用されている。上記のソフトセ
グメントは、通常、主剤の分子構造中に組み込まれてい
る。ここで、ポリエーテルポリオールとポリエステルポ
リオールとを比較すると、硬化によって得られる塗膜あ
るいは弾性体としての物性や接着性能等の点で一般にポ
リエステルポリオールの方がポリエーテルポリオールよ
りも優れている。 【0004】しかしながら、同じ分子量どうしのポリエ
ステルポリオールとポリエーテルポリオールでは、分子
間凝集力の大きなポリエステルポリオールの方が高粘度
の液体あるいは固体となる。かかる傾向は、これらを分
子構造中にもつ主剤についても当てはまり、ポリエステ
ルポリオール系の主剤は一般に結晶化傾向が高く高粘度
の液体あるいは固体となる。このため、塗料や接着剤な
どハイソリッド化が要求される場合や、シーリング剤の
ごとく溶剤を使用しないことが一般的な場合など、通常
の硬化型ポリウレタンにあっては、主剤が液状でありか
つその粘度の低い方が作業性に優れており、しかもフィ
ラーや顔料等を添加する時にも利便性が高いことから、
ポリエーテルポリオールが好んで使用されている。 【0005】しかしながら、ポリプロピレンポリオール
等のポリエーテルポリオールを使用した場合、得られる
ポリウレタンは耐加水分解性は良好であるものの、耐光
性や耐熱性が非常に悪く、耐摩耗性、耐油性、耐溶剤性
においても難点がある。 【0006】これらの問題を解決するために、ポリエス
テルポリオールの共重合体あるいはポリエステル変性ポ
リエーテルポリオール等を使用することが知られている
が、得られるポリウレタンは上記の性能において十分満
足し得るものとは言えず、エステル基の導入により耐加
水分解性や耐溶剤性等の低下を引き起こしているのが実
情である。 【0007】一方、硬化型ポリウレタンにおける主剤と
してポリエステルポリオールを使用する場合には、主剤
の分子量を低く抑えることによってハイソリッド化を行
うことは可能であるが、得られるポリウレタンは、耐光
性および耐熱性は良好であるものの、塗膜あるいは弾性
体としての物性や接着性能等が損なわれてしまう。ま
た、一般に、ポリエステル系のポリウレタンは、エステ
ル結合が加水分解性を有するために、ポリエーテル系の
ポリウレタンに比べて耐加水分解性が劣り、その用途が
制限されてしまう。 【0008】そこで、ポリエステル系の硬化型ポリウレ
タンにおいて、その耐加水分解性を改良し、かつ主剤の
結晶化傾向をなくすることができれば、耐光性、耐熱
性、耐摩耗性、耐油性、耐溶剤性等を備えるとともに、
塗膜あるいは弾性体としての物性や接着性能に優れ、か
つハイソリッド化や無溶剤化が可能な硬化型ポリウレタ
ンを提供することができ、その技術的意味は大きい。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】耐加水分解性が比較的
良好な、汎用のポリエステル系ポリウレタンとしては、
従来、ポリカプロラクトンポリオールや3−メチル−
1,5−ペンタンジオールとアジピン酸より得られるポ
リエステルポリオール等を使用したポリエステル系ポリ
ウレタンが知られているが、これらのポリエステル系ポ
リウレタンは耐加水分解性において十分満足のゆくもの
ではない。 【0010】本発明者らは、耐加水分解性に優れたポリ
エステル系の硬化型ポリウレタンについて研究を重ね、
β−メチル−δ−バレロラクトン骨格を有する硬化型
ポリウレタン(特公平3−47283号公報参照)、
1,9−ノナンジオールとアジピン酸やアゼライン酸等
のジカルボン酸とを反応させて得られるポリエステルポ
リオールを使用したポリエステル系ポリウレタン(特開
昭62−64880号公報参照)および2−メチル−
1,8−オクタンジオール骨格を有するポリエステルポ
リオールを使用したポリエステル系ポリウレタン(特開
昭63−182387号公報参照)を見出し、すでに特
許出願している。 【0011】これらのポリエステル系の硬化型ポリウレ
タンは上記の問題点を十分に解決できるものである。し
かしながら、ポリエステル系ポリウレタンを構成するジ
カルボン酸成分についての検討はこれまで十分には成さ
れていなかった。 【0012】しかして本発明は、ポリエステル系の硬化
型ポリウレタンにおけるジカルボン酸成分に着目し、耐
加水分解性に優れ、かつ主剤の結晶化傾向を取り除き、
ハイソリッド化や無溶剤化が可能なポリエステル系の硬
化型ポリウレタンを提供することを課題とする。 【0013】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、ポリエステル系の硬化
型ポリウレタンにおけるジカルボン酸成分として特定の
分岐ジカルボン酸を使用すると得られるポリウレタンの
耐加水分解性が向上することを見出し、さらに検討して
本発明を完成させるに至った。 【0014】すなわち、本発明は、イソシアネート基を
末端に有するプレポリマーからなる主剤と多価活性水素
含有化合物からなる硬化剤、または水酸基末端に有す
プレポリマーからなる主剤と多価イソシアネート化合
物からなる硬化剤を反応させて成型条件下で硬化と成型
を同時に行う硬化型ポリウレタンを製造するに際し、主
剤として、分子内に下記式(1) −CO−CH−CH(CH)−CO− (1) で表されるジカルボン酸単位を主体とするポリエステル
ポリオール単位を有し、かつ500〜60000の数平
均分子量を有する化合物を使用することを特徴とする硬
化型ポリウレタンの製造方法である。 【0015】本発明における主剤は、上記の式(1)で
表されるジカルボン酸単位を主体とするポリエステルポ
リオールに、必要に応じて過剰量または不足量のポリイ
ソシアネートを反応させることによって得られるもので
ある。ポリエステルポリオールに対し、過剰量のポリイ
ソシアネートを反応させた場合には、イソシアネート
末端に有するプレポリマーとなり、不足量のポリイソ
シアネートを反応させた場合には、水酸基末端に有す
プレポリマーとなる。なお、ポリイソシアネートを反
応させない場合には、ポリエステルポリオールがそのま
ま主剤である水酸基末端に有するプレポリマーとして
使用される。 【0016】本発明において、「式(1)で表されるジ
カルボン酸単位を主体とする」とは、ポリエステルポリ
オールを構成するポリカルボン酸単位のうち少なくとも
20モル%以上が式(1)で表されるジカルボン酸単
位、すなわちメチルコハク酸単位からなることを意味す
る。ポリエステルポリオールを構成するポリカルボン酸
単位における、式(1)で表されるジカルボン酸単位の
含有量が20モル%より少ないと、得られる硬化型ポリ
ウレタンの耐加水分解性が低下する。ポリエステルポリ
オールを構成するポリカルボン酸単位における、式
(1)で表されるジカルボン酸単位の含有量は50モル
%以上であることが好ましく、なかでも式(1)で表さ
れるジカルボン酸単位の含有量が100モル%、すなわ
ちジカルボン酸単位の全量がメチルコハク酸単位である
場合には、得られる硬化型ポリウレタンの耐加水分解性
が最も優れたものとなる。 【0017】式(1)で表されるジカルボン酸単位はメ
チルコハク酸のアルキルエステルまたはメチルコハク酸
から誘導される。メチルコハク酸のアルキルエステル
は、例えば、大量生産されており入手の容易なメタクリ
ル酸アルキルエステルをヒドロホルミル化して得られる
生成物を酸素酸化することにより得ることができる。ま
た、メチルコハク酸は、例えば、メチルコハク酸のアル
キルエステルを加水分解することにより得ることができ
る。このように、いずれの化合物も工業的に安価に製造
することが可能である。 【0018】ポリエステルポリオールは、式(1)で表
されるジカルボン酸単位以外のポリカルボン酸単位を含
有することができる。かかるポリカルボン酸単位として
は、下記式(2) −CO−R−CO− (2) 〔上記式中、Rは炭素数2〜20の2価の飽和脂肪族炭
化水素基(ただし、1−メチルエチレン基を除く)、飽
和脂環式炭化水素基または芳香族炭化水素基を示す〕で
表されるジカルボン酸単位が好ましく、例えば、コハク
酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン
酸、セバシン酸等の飽和脂肪族ジカルボン酸単位、シク
ロヘキサンジカルボン酸等の飽和脂環式ジカルボン酸単
位、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族
ジカルボン酸単位などが使用される。これらのなかで
も、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の飽和脂
肪族ジカルボン酸単位は得られる硬化型ポリウレタンの
耐加水分解性および可撓性をあまり低下させないので特
に好ましい。式(2)で表されるジカルボン酸単位の含
有量は、ポリエステルポリオールを構成するポリカルボ
ン酸単位の全量に対して50モル%未満とすることが望
ましい。なお、式(1)で表されるジカルボン酸単位と
共存させるポリカルボン酸単位は1種類であっても2種
以上であってもよい。また、3官能性以上のポリカルボ
ン酸単位を含有させることもできる。 【0019】一方、ポリエステルポリオールを構成する
ポリオール単位としては特に制限はなく、例えば、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチ
レングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペ
ンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−
オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10
−デカンジオール、ネオペンチルグリコール、2,2−
ジエチル−1,3−プロパンジオール等の低分子ジオー
ル単位を使用することが好ましい。これらの低分子ジオ
ール単位は単独で使用してもよいし、2種以上を混合し
て使用してもよい。また、グリセリン、トリメチロール
プロパン、トリメチロールエタン、1,2,6−ヘキサ
ントリオール、1,2,4−ブタントリオール、ソルビ
トール、ペンタエリスリトールなどの3官能性以上のポ
リオール単位を含有させることもできる。 【0020】また、ポリエステルポリオールは、本発明
の趣旨を損なわない限り、分子内に適宜ポリエーテルポ
リオール単位やポリカーボネートポリオール単位等の部
分構造を有するものであってもよい。 【0021】ポリエステルポリオールの分子量について
は特に制限されるものではないが、塗膜あるいは弾性体
としての物性や接着性能の面から、数平均分子量が50
0以上であることが望ましい。 【0022】ポリエステルポリオールの製造方法は、公
知のポリエステル縮重合方法が特に制限なく使用でき、
例えば、メチルコハク酸もしくはそのアルキルエステル
またはそれを含有するジカルボン酸混合物と低分子ジオ
ールを所望の割合で仕込み、エステル化またはエステル
交換反応を行い、得られる反応生成物を縮重合触媒の存
在下に高温、真空下でさらに縮重合反応させることによ
りポリエステルポリオールを製造することができる。 【0023】本発明にあっては、式(1)で表される
カルボン酸単位を含むポリエステルポリオールに加え、
環状エステル化合物を開環重合して得られるポリエステ
ルポリオール類、ポリエーテルポリオール類、ポリカー
ボネートポリオール類等、他のポリオールを併用して構
成された主剤を使用することもできる。他のポリオール
は、通常全ポリオール成分に対し、40重量%以下の範
囲で使用される。 【0024】式(1)で表されるジカルボン酸単位を含
むポリエステルポリオールと反応させるポリイソシアネ
ートは、従来からポリウレタンの製造に使用されている
ものを特に制限なく用いることができ、例えば、4,
4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−ト
リレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネー
ト、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリレン
ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、ヘキサ
メチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネー
ト、水素化キシリレンジイソシアネート等の脂肪族また
は脂環式ジイソシアネートなどを挙げることができる。
これらのポリイソシアネートは単独で用いてもよいし、
2種以上を混合して使用してもよい。また、これらのポ
リイソシアネートをトリメチロールプロパン、グリセリ
ン、ペンタエリスリトール等の多官能性ジオールと反応
させて得られる多官能性のイソシアネートを使用しても
よい。 【0025】ポリエステルポリオールとポリイソシアネ
ートの量比については特に制限はないが、イソシアネー
基を末端に有するプレポリマーを得る場合には、ポリ
エステルポリオール中の水酸基1モルに対するポリイソ
シアネート中のイソシアネート基のモル数が1モルを越
え、通常20モル以下、好ましくは10モル以下となる
範囲内である。また、水酸基末端に有するプレポリマ
ーを得る場合には、ポリエステルポリオール中の水酸基
1モルに対するポリイソシアネート中のイソシアネート
基のモル数が1モル未満であり、通常0.1モル以上、
好ましくは0.15モル以上となる範囲内である。 【0026】本発明における主剤は十分流動性のある液
体であり、無溶剤化やハイソリッド化が可能である。な
お、所望により、適宜トルエン、キシレン等の芳香族炭
化水素系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系
溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン等のケトン系溶剤などの溶剤を併用することは
差支えない。 【0027】本発明における硬化剤としては、多価活性
水素含有化合物または多価イソシアネート化合物が使用
される。多価活性水素含有化合物としては、ポリアミ
ン、ポリオール、水など、通常ポリウレタンの鎖伸長剤
として使用されている、2個以上の活性水素原子を有す
る低分子化合物を使用することができる。かかる低分子
化合物としては、例えば、エチレングリコール、1,4
−ブタンジオール、プロピレングリコール、1,6−ヘ
キサンジオール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキ
シ)ベンゼン、1,4−シクロヘキサンジオール、ビス
(β−ヒドロキシエチル)テレフタレート、キシレング
リコール等のジオール類ヒドラジン、エチレンジ
アミン、プロピレンジアミン、ブタンジアミン、ヘキサ
メチレンジアミン、キシリレンジアミン、イソホロンジ
アミン、ピペラジン、フェニレンジアミン、トリレンジ
アミンアジピン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒド
ラジド等が挙げられる。これらの低分子化合物は単独で
使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよ
い。 【0028】また、多価イソシアネート化合物も、ポリ
ウレタンの製造において従来から使用されているものを
特に制限なく使用することができる。その具体例として
は、前述のポリイソシアネート化合物と同じ化合物を挙
げることができる。 【0029】本発明に従う硬化型ポリウレタンの製造方
法は、前記の主剤と硬化剤を通常の方法で混合し、必要
に応じて脱泡等を施した後、流延、塗布、注型等の手段
によって所望の形状とした後、室温ないし130℃位の
温度条件下において硬化させる。 【0030】主剤と硬化剤の混合比率は使用目的により
適宜調整されるが、一般に主剤および硬化剤中のイソシ
ネート基と活性水素原子の比が、イソシアネート基の
モル数/活性水素原子のモル数=0.8〜3.0の範囲
内となるような比率に設定される。また、本発明では、
主剤と硬化剤を混合した後、発泡剤等を加えて硬化させ
ることにより発泡体を得ることができる。さらに、顔
料、染料、その他各種配合剤を添加し、各種の硬化型ポ
リウレタン成型物を形成することも可能である。 【0031】本発明によって得られる硬化型ポリウレタ
ンは、分子内にメチルコハク酸単位を主体とするポリエ
ステルポリオール単位をソフトセグメントとして有して
おり、耐加水分解性が優れている。また、耐光性、耐熱
性、耐摩耗性、耐油性、耐溶剤性等に優れ、しかも塗膜
あるいは弾性体としたときの物性や接着性能等において
も十分に満足し得るものであって、塗料、接着剤、シー
リング剤、防水剤、床剤、コーティング剤、注型エラス
トマー、フォームラバー、マイクロセルラー等の弾性素
用途として有用である。 【0032】 【実施例】以下に本発明を実施例および比較例により具
体的に説明するが、本発明はかかる実施例に限定される
ものではない。 【0033】なお、以下の実施例および比較例では、主
剤と硬化剤を混合して硬化させて得られる硬化型ポリウ
レタンの耐加水分解性は次に示すジャングルテストによ
り評価した。すなわち、厚さ100μmのポリウレタン
フィルムを形成し、得られたフィルムを70℃、95%
の相対湿度の空気中に28日間放置し、その前後でのフ
ィルムの破断強度をインストロン万能試験機(インスト
ロン社製)を使用して室温下引張速度50cm/分で測
定した。下記の式に従って破断強度の保持率(%)を求
め、耐加水分解性の指標とした。 【0034】 【数1】 【0035】また、以下の参考例、実施例および比較例
中の各略号はそれぞれ次の化合物を表す。 MSA : メチルコハク酸 AD : アジピン酸 BD : 1,4−ブタンジオール MPD : 3−メチル−1,5−ペンタンジオ
ール HD : 1,6−ヘキサンジオール ND : 1,9−ノナンジオール TMP : トリメチロールプロパン TDI : 2,4−トリレンジイソシアネート コロネートL : TMP1モルとTDI3モルの付加
物〔日本ポリウレタン工業(株)社製〕 コロネートHL: TMP1モルとHDI3モルの付加
物〔日本ポリウレタン工業(株)社製〕 【0036】参考例1(ポリエステルポリオールの製
造) MSA398g、ND580gおよびTMP36gを反
応器に仕込み、常圧下、200℃で生成する水を系外に
留去しながらエステル化反応を行った。約105gの水
が留出した時点でテトライソプロピルチタネート15m
gを加え、200〜100mmHgに減圧しながら反応
を続けた。酸価が1.0KOHmg/gになった時点で
真空ポンプにより徐々に真空度を上げて反応を完結させ
た。得られたポリエステルポリオール(以下、これをポ
リエステルポリオールAと略称する)は低粘度の液体で
あり、水酸基価は37.4KOHmg/g、酸価は0.
25KOHmg/g、数平均分子量(水酸基価より算出
した)は3000であった。 【0037】参考例2〜6 表1に示すジカルボン酸、低分子ジオールおよび3官能
性ポリオールを用いたこと以外は参考例1と同様にして
エステル化反応および縮重合反応を行って、各々対応す
るポリエステルポリオール(以下、参考例2〜6で得ら
れたポリエステルポリオールをそれぞれポリエステルポ
リオールB〜Fと略称する)を得た。得られたポリエス
テルポリオールの物性を表1に併せて示す。ポリエステ
ルポリオールCおよびDは低粘度の液体であり、ポリエ
ステルポリオールB、E、Fはワックス状の固体であっ
た。なお、表1中の−は、3官能性ポリオールを使用し
ていないことを示す。 【0038】 【表1】 【0039】実施例1 参考例1で得られたポリエステルポリオールA1モルに
TDI3モルを反応させて、数平均分子量3500の3
官能性のイソシアネート基を末端に有するプレポリマー
を得た(以下、これをプレポリマーAと略称する)。プ
レポリマーAは液状であり、作業性に優れるのみなら
ず、無溶剤化が可能であった。このプレポリマーAを、
溶媒を用いることなくBDまたは水(硬化剤)と混合し
て硬化させ、厚さ100μmのポリウレタンフィルムを
形成した。得られたフィルムを用いて前述の方法によ
り、ポリウレタンの耐加水分解性の評価を行った。結果
を表2に示す。なお、プレポリマーAと硬化剤は、硬化
剤の活性水素原子1モル当りのイソシアネート基のモル
数が1.1モルとなる割合で混合した。 【0040】このように、プレポリマーAは、水によっ
て硬化する湿気硬化型ポリウレタンの原料(主剤)とし
ても、また、2個以上の活性水素原子を有する低分子化
合物(硬化剤)と混合して硬化させる二液性硬化型ポリ
ウレタンの原料(主剤)としても有用である。 【0041】比較例1 実施例1において、ポリエステルポリオールAに代え
て、参考例2で得られたポリエステルポリオールBを使
用したこと以外は実施例1と同様の方法により、数平均
分子量3000のプレポリマーBを得た。得られたプレ
ポリマーBはワックス状の固体であった。また、得られ
たプレポリマーBを、実施例1と同様にしてBDまたは
水(硬化剤)と混合して硬化させ、厚さ100μmのポ
リウレタンフィルムを形成した。得られたポリウレタン
の耐加水分解性の評価結果を表2に併せて示す。 【0042】 【表2】 【0043】表2から明らかなように、プレポリマーA
の硬化によって得られるポリウレタンは、分子内にメチ
ルコハク酸単位を有しないプレポリマーBから得られる
ポリウレタンに比べ、耐加水分解性において優れてい
る。 【0044】実施例2 参考例3で得られたポリエステルポリオールCを水酸基
末端に有するプレポリマー(以下、これをプレポリマ
ーCと略称する)として使用した。一方、硬化剤として
コロネートL(固形分75重量%の酢酸エチル溶液)ま
たはコロネートHL(固形分75重量%の酢酸エチル溶
液)またはTDIを用い、プレポリマーCと混合して硬
化させ、厚さ100μmのポリウレタンフィルムを形成
した。得られたポリウレタンの耐加水分解性の評価結果
を表3に示す。なお、プレポリマーCと硬化剤は、プレ
ポリマーC中の水酸基1モル当たりのイソシアネート基
のモル数が1.1モルとなる割合で混合した。 【0045】実施例3 参考例4で得られたポリエステルポリオールDを水酸基
末端に有するプレポリマー(以下、これをプレポリマ
ーDと略称する)として使用したこと以外は実施例2と
同様にして、厚さ100μmのポリウレタンフィルムを
形成した。得られたポリウレタンの耐加水分解性の評価
結果を表3に示す。 【0046】比較例2および3 参考例5または6で得られたポリエステルポリオールE
またはFを水酸基末端に有するプレポリマー(以下、
これらをそれぞれプレポリマーE、Fと略称する)とし
て使用したこと以外は実施例2と同様にして、それぞれ
厚さ100μmのポリウレタンフィルムを形成した。得
られたポリウレタンの耐加水分解性の評価結果を表3に
併せて示す。 【0047】実施例4 参考例3で得られたポリエステルポリオールC12モル
にTDI11モルを反応させて、数平均分子量3800
0の水酸基末端に有するプレポリマーを合成した(以
下、これをプレポリマーGと略称する)。得られたプレ
ポリマーGは液状であった。かかるプレポリマーGを、
実施例2と同様にして硬化剤と混合して硬化させ、厚さ
100μmのポリウレタンフィルムを形成した。得られ
たポリウレタンの耐加水分解性の評価結果を表3に示
す。 【0048】 【表3】【0049】表3から明らかなように、分子内にメチル
コハク酸単位を有するプレポリマー(プレポリマーC、
D、G)から得られるポリウレタンは、分子内にメチル
コハク酸単位を有しないプレポリマー(プレポリマー
E、F)から得られるポリウレタンに比べ、耐加水分解
性において優れている。 【0050】 【発明の効果】本発明によれば、耐加水分解性に優れた
ポリエステル系の硬化型ポリウレタンが提供される。ま
た、主剤が十分流動性のある液体であることから、ハイ
ソリッド化や無溶剤化も可能である。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 イソシアネート基を末端に有するプレポ
    リマーからなる主剤と多価活性水素含有化合物からなる
    硬化剤、または水酸基を末端に有するプレポリマーから
    なる主剤と多価イソシアネート化合物からなる硬化剤を
    反応させて成型条件下で硬化と成型を同時に行う硬化型
    ポリウレタンを製造するに際し、主剤として、分子内に
    下記式(1) −CO−CH2−CH(CH3)−CO− (1) で表されるジカルボン酸単位を主体とするポリエステル
    ポリオール単位を有し、かつ500〜60000の数平
    均分子量を有する化合物を使用することを特徴とする硬
    化型ポリウレタンの製造方法。
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