JP4011761B2 - 新規なポリウレタン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は新規なポリエステルポリオールを残基を有するポリウレタンに関するものである。更に詳しくは、ジオール残基として特定の骨格の脂環式ジオール残基を有するポリエステルポリオールとポリイソシアネート化合物との重付加反応によって得られるポリウレタン樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ポリウレタンの原料とされるポリエステルポリオールはアジピン酸、マレイン酸、フタル酸等のポリカルボン酸に対して、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等のグリコール類、またはトリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等のポリオール類を縮合させて製造されている。
このようにして製造されたポリエステルポリオールをポリイソシアネートと重付加反応させて得られるポリウレタン樹脂は、ウレタンフォーム、エラストマー、RIM成型品、塗料、コート剤、繊維原料、接着剤等の用途に使用されている。
これら通常のポリエステルポリオールから誘導されるポリウレタン樹脂は、比較的良好な機械物性、耐熱性を有しているが、ポリエーテルグリコールやポリカーボネートジオールに比べて耐加水分解性に劣る欠点があり、そのため応用範囲が限定されている。
また、エチレングリコールや1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のジオールをジオール成分とするポリエステルポリオールは、結晶性で融点が室温よりも高く、ポリイソシアネートとの反応における作業性に不都合を生じる場合がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は耐加水分解性、耐候性、耐熱性に優れるポリウレタン樹脂を提供し、併せてポリエステルポリオールとポリイソシアネートとの反応における作業性を高めることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討の結果、ポリエステルポリオールのジオール成分に特定の脂環式骨格を有するジオール化合物を使用することで上記欠点を解決できることを見いだし本発明に至った。
本発明は、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物の重付加によって得られるポリウレタンであって、ポリオール化合物の全部または一部が、下記一般式(1)で表される繰り返し単位
【化4】
Figure 0004011761
(式中Aはポリオール化合物の残基を、Bはジカルボン酸化合物の残基を表す)からなる水酸基価が10〜200であるポリエステルポリオールであり、
且つ該ポリエステルポリオール中のポリオール残基Aのうち、10〜100%が一般式(2)
【化5】
Figure 0004011761
又は一般式(3)
【化6】
Figure 0004011761
(式中、R1 は炭素数が1から4までのアルキル基またはフェニル基を、R2 は水素原子またはメチル基を、Xは単結合または二重結合を表す。)で表されるジオール残基であるポリウレタンである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明を更に詳しく説明する。
本発明のポリウレタンのジオール原料であるポリエステルポリオールは、繰り返し単位中に特定の構造を有する脂環式ジオール化合物から誘導されるジオール残基を含有する。
この特定の構造を有する脂環式ジオール残基は、上記一般式(2)又は(3)で表される。
式中のR1 は、C1〜4のアルキル基の場合いずれでもよいが、メチル基が好ましい。また、脂環式骨格は、シクロヘキサン骨格もしくはノルボルナン骨格から選択される。一般式(2)又は(3)中のXは、単結合であっても、二重結合であってもよい。更に、R2 は、水素原子、メチル基の何れであってもよい。
【0006】
一般式(2)又は(3)のジオール残基に誘導される脂環式ジオールを具体的に説明すると、2−位が炭素数1〜4のアルキル基またはフェニル基で置換された1,1−シクロヘキサンジメタノール骨格、3−位が炭素数1〜4のアルキル基またはフェニル基で置換された2,2−ノルボルナンジメタノール骨格、6−位が炭素数1〜4のアルキル基またはフェニル基で置換された3−シクロヘキセン−1,1−ジメタノール骨格、もしくは、3−位が炭素数1〜4のアルキル基またはフェニル基で置換された5−ノルボルネン−2,2−ジメタノール骨格を有する化合物が挙げられる。
【0007】
具体例としては2−メチル−1,1−シクロヘキサンジメタノール、2−エチル−1,1−シクロヘキサンジメタノール、2−プロピル−1,1−シクロヘキサンジメタノール、2−ブチル−1,1−シクロヘキサンジメタノール、2−フェニル−1,1−シクロヘキサンジメタノール、2,3−ジメチル−1,1−シクロヘキサンジメタノール、2,4−ジメチル−1,1−シクロヘキサンジメタノール、2,5−ジメチル−1,1−シクロヘキサンジメタノール、2,6−ジメチル−1,1−シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−2,2−ノルボルナンジメタノール、3−エチル−2,2−ノルボルナンジメタノール、3−プロピル−2,2−ノルボルナンジメタノール、3−ブチル−2,2−ノルボルナンジメタノール、3−フェニル−2,2−ノルボルナンジメタノール、6−メチル−3−シクロヘキセン−1,1−ジメタノール、6−エチル−3−シクロヘキセン−1,1−ジメタノー」ル、6−プロピル−3−シクロヘキセン−1,1−ジメタノール、6−ブチル−3−シクロヘキセン−1,1−ジメタノール、6−フェニル−3−シクロヘキセン−1,1−ジメタノール、5,6−ジメチル−3−シクロヘキセン−1,1−ジメタノール、4,6−ジメチル−3−シクロヘキセン−1,1−ジメタノール、3,6−ジメチル−3−シクロヘキセン−1,1−ジメタノール、2,6−ジメチル−3−シクロヘキセン−1,1−ジメタノール、3−メチル−5−ノルボルネン−2,2−ジメタノール、3−エチル−5−ノルボルネン−2,2−ジメタノール、3−プロピル−5−ノルボルネン−2,2−ジメタノール、3−ブチル−5−ノルボルネン−2,2−ジメタノール、3−フェニル−5−ノルボルネン−2,2−ジメタノール等が挙げられる。
【0008】
上記の特定の脂環式ジオール残基を有するポリエステルポリオールをジオール原料として使用したポリウレタンは、従来のポリエステルポリオールをジオール原料としたポリウレタンよりも耐加水分解性が大幅に改善される。
また、本発明のポリウレタンに用いるポリエステルポリオールは、特定の脂環式ジオール残基を導入することで結晶化が妨げられ、その結果、室温で液状のポリエステルポリオールとなる。これはイソシアネートとの反応によりポリウレタンを合成する場合、融点が高い室温で固形のポリエステルポリオールに比べてポリウレタン化の操作を簡素化できる点で優位である。
【0009】
本発明のポリウレタンに使用されるポリエステルポリオール中のジオール残基は、上記特定の脂環式ジオールから誘導される残基以外に、他の2官能、または3官能以上のポリオール化合物から誘導されるポリオール残基を含んでいてもよい。特定の脂環式ジオール以外のポリオール残基は、一般のポリウレタン製造に使用するポリイソシアネート化合物と反応できるポリオール化合物に基づくポリオール残基であれば特に制限はない。具体的にはエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の直鎖脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA、トリシクロデカンジメタノール等の脂環式ジオール、ビスフェノールA、キシリレンジオール等の芳香族ジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の(ポリ)エーテルグリコール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセリン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール等のポリオール残基が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0010】
本発明のポリエステルポリオール中の全ジオール残基中の特定の脂環式ジオール残基の割合は任意に調節可能であるが、本発明の効果を発揮させるためには上記特定の脂環式ジオール残基の割合が多い方が良く、通常10〜100%、好ましくは20〜100%の割合で使用する。
【0011】
本発明のポリウレタン化合物に使用される特定のポリエステルポリオール中のジカルボン酸残基の種類は、通常のポリエステルポリオールに用いられるものであれば特に制限はない。
具体的にはシュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ダイマー酸等の脂環式ジカルボン酸、フタル酸、マレイン酸等のジカルボン酸残基が挙げられる。
【0012】
本発明に示されるポリウレタン製造は、上に示される脂環式ジオール化合物を含むポリエステルポリオール化合物とポリイソシアネート化合物との重付加反応によって得られる。この場合、本発明のポリエステルポリオールの水酸基価は10〜200であることが望ましい。ジオール化合物のみをポリオール原料としたポリエステルポリオールの場合は、水酸基は通常ポリエステルポリオールの両末端に存在し、1ポリマー分子あたりの水酸基の数はほぼ2である。しかし、3官能以上のポリオール化合物をポリオール原料の全てまたは一部として使用し、ポリマー1分子あたり平均して2官能以上の水酸基を有するポリエステルポリオールを合成することも可能である。ポリエステルポリオールの末端に水酸基を存在させるには、ポリエステルポリオールの合成において、ポリオール原料トータルの水酸基のモル当量をジカルボン酸原料のモル当量より多く使用する。ポリイソシアネートとの反応によりポリウレタンを製造する場合、水酸基価が10未満では水酸基濃度が低く、実質的に有効なウレタン化速度が得られず、物性的に劣るポリマーしか得られない。
また、水酸基価が低いものは通常分子量が高く、高粘度となるため、実際の反応には使いにくいものとなる。水酸基価が200を越えると、生成したウレタン官能基の濃度が高すぎ、本発明の効果が発現しにくくなる。
【0013】
本発明に示されるポリウレタン製造に使用されるポリイソシアネートの種類は、通常のポリウレタンの合成に使用できるものであれば特に制限はない。
具体的には、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメリックMDI、水添MDI、トリレンジイソシアネート(TDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等があげられる。
【0014】
本発明におけるポリウレタン合成反応の実施形態としては、一般的なポリウレタンの製造方法をそのまま適用することが可能である。即ち、ポリイソシアネートとポリエステルポリオール化合物を触媒の存在下、または無触媒下で反応させる方法である。
触媒は、一般的なポリウレタン合成における重付加反応で通常用いられる触媒が使用可能であり、有機アミン化合物、有機スズ化合物等を使用することが出来る。
また、更に場合によっては各種ポリオール化合物、ポリアミン化合物等を鎖延長剤、架橋剤として添加し、更にポリマーの重合度を変化させることも可能である。この場合、ポリウレタン合成は、これら鎖延長剤、架橋剤と上記ポリエステルポリオール及びポリイソシアネート化合物とを同時に反応させ、一段でポリウレタンを合成することも可能であるし、先にポリエステルポリオールとポリイソシアネート化合物とを反応させて末端ポリイソシアネートオリゴマーを調製しておき、その後でこのポリイソシアネートオリゴマーと鎖延長剤、架橋剤とを反応させる2段でのポリウレタン合成も可能である。
【0015】
鎖延長剤、架橋剤としての目的で本発明のポリウレタンに使用できるポリオール化合物、ポリアミン化合物は、一般的にポリウレタンに使用できるものであればどの様なものでも良い。ポリオール化合物の具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の直鎖脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA、トリシクロデカンジメタノール等の脂環式ジオール、ビスフェノールA、キシリレンジオール、ハイドロキノンジエチロールエーテル等の芳香族ジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の(ポリ)エーテルグリコール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセリン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ソルビトール等のポリオール、ポリエチレンアジペート、ポリテトラメチレンアジペート等のポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール等が挙げられる。
また、ポリアミン化合物の具体例としては、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(MOCA)等の芳香族ポリアミン化合物、エチレンジアミン等の脂肪族ポリアミン化合物、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のOH含有アミン等が挙げられる。
ポリウレタン合成における、ポリイソシアネートとポリエステルポリオールとの配合比率は、通常、反応させるポリイソシアネート化合物のイソシアネート基の量と、これと反応させる官能基の量の比が最終的にほぼ1となるように調整される。即ち、ポリイソシアネート化合物のNCO基と反応するポリエステルポリオールの水酸基および鎖延長剤、架橋剤の水酸基あるいはアミノ基の総モル当量と、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基の総モル当量との比がほぼ1になるようにそれぞれの原料の配合比を決定する。機械物性などの改良の目的でイソシアネート基とそれと反応させるポリオール等の官能基の比を1からずらす場合もある。
【0016】
本発明のポリウレタンはポリオールとして全部が前記一般式(1)のポリエステルポリオールとする場合及び上記のようにさらに各種のポリオール化合物、ポリアミン化合物を含めることができるが、この場合でもポリオール含量に対し一般式(1)のポリエステルポリオールが50重量%以上であることが好ましい。
【0017】
【実施例】
以下に実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
(GPCによる分子量測定)
GPCによる分子量測定は以下の条件で実施した。
カラム:昭和電工(株)製 SHODEX KF−806M2本及びKF−807
溶媒 :THF 1.2ml/min
温度 :40℃
検出器:UV検出器
1H−NMR,13C−NMRスペクトル測定条件)
日本電子(株)社製 JNM−EX400型(400MHz)を用いて、溶媒としてCDCl3 、標準物質としてテトラメチルシランを用いて測定した。13C−NMRは、 1Hでデカップルした条件で測定した。
(IRスペクトル測定)
日本分光(株)製FT/IR7300赤外分光装置を用いて、KBr液膜法で測定した。
(酸価、水酸基価)
JIS K−0070に準じて測定した。
【0018】
(実施例1)
アジピン酸と2−メチル−1,1−シクロヘキサンジメタノールとのポリエステルポリオールの合成とポリウレタン化
誘導攪拌器、分流塔のついた300mlフラスコに、2−メチル−1,1−シクロヘキサンジメタノール124.42g(0.7863mol)、アジピン酸ジメチル119.56g(0.6863mol)を仕込み、内容を窒素置換後、室温で、テトラブトキシチタネート0.02gを添加した。その後、フラスコをオイルバスにつけて加温し、200℃で生成するメタノールを留出させた。6時間反応後、徐々に系内を減圧にしてメタノールの留出を促し、最終的に20mmHgでメタノールの留出がなくなるまで約1時間反応させた。これにより、微黄色透明の粘稠液体が得られた。
【0019】
得られたポリマーの 1H−NMR、13C−NMRスペクトル、IRスペクトルを測定した。スペクトルデータと帰属は以下のようである。
1H−NMR(δ, ppm, CDCl3
: 0.90-0.94m(-CH3)
1.25-1.66m(C(cyclohexane)-H, C-CH2-C(adipic acid))
2.23-2.33m(-CH2COO-)
3.53m(-CH 2 OH)
3.96-4.23m(-CH2O-CO)
13C−NMR(δ, ppm, CDCl3
: 15.8(-CH3)
21.3,21.4,28.1,28.3,29.0,30.3,33.6,33.7,33.9,39.3,40.6,40.7(C(cyclohexane),C-CH2-CH2COO-(adipic acid)
62.4,63.8,64.8,66.5,67.3,68.4(-CH2O-)
173.1,173.7(-C(O)O-)
IR(cm-1,KBr液膜法)
: 1736( νc=0)
【0020】
以上の結果から、得られた化合物はアジピン酸と2−メチル−1,1−シクロヘキサンジメタノールとのポリエステルポリオールであることが確認された。
このポリマーのGPCによる分子量測定の結果、分子量Mnは1890、Mw3500であった。
また、このポリエステルポリオールの酸価は0.1、水酸基価は60.3であった。
こうして得られたポリエステルポリオール10gを脱水テトラヒドロフラン10mlに溶解させ、精製した4,4’−メチレンビスフェニルイソシアネート(MDI)2.69g、触媒としてジブチルスズジラウレート0.005gを添加して、60℃、1時間攪拌した。
生成した両末端イソシアネートオリゴマー溶液に更に鎖延長剤として1,4−ブタンジオール0.460gを添加、更に60℃にて6時間反応した。
生成したポリウレタン溶液を大量のヘキサン中に攪拌下に滴下し、ポリマーを析出させた。析出したポリマーは濾過後、ヘキサンで洗浄し、粉砕後、60℃真空下で乾燥した。
【0021】
(実施例2)
アジピン酸と3−メチル−2,2−ノルボルナンジメタノールとのポリエステルの合成とポリウレタン化
実施例1の2−メチル−1,1−シクロヘキサンジメタノールの代わりに、3−メチル−2,2−ノルボルナンジメタノール128.14g(0.7526mol)、アジピン酸ジメチルを113.69g(0.6526mol)用いた以外は実施例1と同様に処理して、微褐色粘稠液状物を得た。
【0022】
得られた化合物の 1H−NMR、13C−NMR、IRスペクトルデータと帰属は以下のようである。
1H−NMR(δ, ppm, CDCl3
: 0.93-0.97m(-CH3)
1.17-1.25m,1.38-1.44m,1.53-1.77m,1.89-1.90m,2.16s(C(norbornane)-H, C-CH2-C(adipic acid))
2.33-2.34m(-CH2COO-)
3.53m(-CH 2OH)
4.08-4.25m(-CH2O-)
13C−NMR(δ, ppm, CDCl3
: 15.5(-CH(CH3)-)
23.7,24.3,24.4,29.2,33.7,33.8,35.1,42.2,45.0,45.1(C(norbornane),C-CH2- CH2COO-(adipic acid))
63.0,64.4,65.4,66.5,67.3,68.3(-CH2O-)
173.3,173.4(-C(O)O-)
IR(cm-1,KBr液膜法)
: 1737( νc=0)
【0023】
以上の結果から、得られた化合物はアジピン酸と3−メチル−2,2−ノルボルナンジメタノールとのポリエステルポリオールであることが確認された。
このポリマーのGPCによる分子量測定の結果、分子量Mnは1920、Mw3710であった。
また、このポリエステルポリオールの酸価は0.2、水酸基価は59.8であった。
こうして得られたポリエステルポリオール10gを脱水テトラヒドロフラン10mlに溶解させ、精製した4,4’−メチレンビスフェニルイソシアネート(MDI)2.67g、触媒としてジブチルスズジラウレート0.005gを添加して、60℃、1時間攪拌した。
【0024】
生成した両末端イソシアネートオリゴマー溶液に更に鎖延長剤として1,4−ブタンジオール0.456gを添加、更に60℃にて6時間反応した。
生成したポリウレタン溶液を大量のヘキサン中に攪拌下に滴下し、ポリマーを析出させた。析出したポリマーは濾過後、ヘキサンで洗浄し、粉砕後、60℃真空下で乾燥した。
【0025】
(実施例3)
アジピン酸と6−メチル−3−シクロヘキセン−1,1−ジメタノールとのポリエステルポリオールの合成とポリウレタン化
実施例1の2−メチル−1,1−シクロヘキサンジメタノールの代わりに、6−メチル−3−シクロヘキセン−1,1−ジメタノール123.77g(0.792mol)、アジピン酸ジメチル120.59g(0.692mol)を用いた以外は実施例1と同様に処理して、淡褐色液状物質を得た。
【0026】
得られた化合物の 1H−NMR、13C−NMR、IRスペクトルデータと帰属は以下のようである。
1H−NMR(δ, ppm, CDCl3
: 0.93-0.96m(-CH3)
1.64-1.65m,1.78-1.85m,1.92-1.97m,2.15-2.20m(C(cyclohexene,sp3)-H, C-CH 2-C(adipic acid))
2.33m(-CH2COO-)
3.47-3.51m(-CH2OH)
4.00-4.13m(-CH2O-)
5.56-5.66m(-CH=CH-)
13C−NMR(δ, ppm, CDCl3
: 15.4(-CH3)
24.3,27.5,28.2,28.9,29.1,29.7,30.5,33.5,33.8,38.2,39.7,39.8(C(cyclohexene,sp3), C-CH2-CH2COO-(adipic acid))
64.4,64.6,65.5,65.9,66.3(-CH2OH, -CH2O-)
123.7,124.1,125.2,125.4(-CH=CH-)
173.1,173.6,173.7,173.8(-C(O)O-)
IR(cm-1,KBr液膜法)
: 1736( νc=0)
【0027】
以上の結果から、得られた化合物はアジピン酸と6−メチル−3−シクロヘキセン−1,1−ジメタノールとのポリエステルポリオールであることが確認された。
このポリマーのGPCによる分子量測定の結果、分子量Mnは1900、Mw3610であった。
また、このポリエステルポリオールの酸価は0.2、水酸基価は60.0であった。
こうして得られたポリエステルポリオール10gを脱水テトラヒドロフラン10mlに溶解させ、精製した4,4’−メチレンビスフェニルイソシアネート(MDI)2.68g、触媒としてジブチルスズジラウレート0.005gを添加して、60℃、1時間攪拌した。
生成した両末端イソシアネートオリゴマー溶液に更に鎖延長剤として1,4−ブタンジオール0.458gを添加、更に60℃にて6時間反応した。
生成したポリウレタン溶液を大量のヘキサン中に攪拌下に滴下し、ポリマーを析出させた。 析出したポリマーは濾過後、ヘキサンで洗浄し、粉砕後、60℃真空下で乾燥した。
【0028】
(比較例1)
アジピン酸とネオペンチルグリコールとのポリエステルポリオールの合成とポリウレタン化
実施例1の2−メチル−1,1−シクロヘキサンジメタノールの代わりに、ネオペンチルグリコール102.57g(0.9848mol)、アジピン酸ジメチル154.14g(0.8848mol)を用いた以外は実施例1と同様に処理して、無色微濁液状のポリエステルポリオールを得た。
得られたポリエステルポリオールのGPCによる分子量測定の結果、分子量Mnは1880、Mw3650であった。
また、このポリエステルポリオールの酸価は0.3、水酸基価は60.2であった。
【0029】
こうして得られたポリエステルポリオール10gを実施例と同様に脱水テトラヒドロフラン10mlに溶解させ、精製した4,4’−メチレンビスフェニルイソシアネート(MDI)2.69g、触媒としてジブチルスズジラウレート0.005gを添加して、60℃、1時間攪拌した。
生成した両末端イソシアネートオリゴマー溶液に更に鎖延長剤として1,4−ブタンジオール0.460gを添加、更に60℃にて6時間反応した。
生成したポリウレタン溶液を大量のヘキサン中に攪拌下に滴下し、ポリマーを析出させた。析出したポリマーは濾過後、ヘキサンで洗浄し、粉砕後、60℃真空下で乾燥した。
【0030】
(比較例2)
アジピン酸と1,4−ブタンジオールとのポリエステルポリオールの合成
実施例1の2−メチル−1,1−シクロヘキサンジメタノールの代わりに、1.4-ブタンジオール91.39g(1.014mol)、アジピン酸ジメチル159.88g(0.914mol)を用いた以外は実施例1と同様に処理して、白色固体のポリエステルポリオールを得た。
得られたポリエステルポリオールのGPCによる分子量測定の結果、分子量Mnは1920、Mw3970であった。
また、このポリエステルポリオールの酸価は0.1、水酸基価は60.5であった。
【0031】
こうして得られたポリエステルポリオール10gを脱水テトラヒドロフラン10mlに溶解させ、精製した4,4’−メチレンビスフェニルイソシアネート(MDI)2.70g、触媒としてジブチルスズジラウレート0.005gを添加して、60℃、1時間攪拌した。
生成した両末端イソシアネートオリゴマー溶液に更に鎖延長剤として1,4−ブタンジオール0.461gを添加、更に60℃にて6時間反応した。
生成したポリウレタン溶液を大量のヘキサン中に攪拌下に滴下し、ポリマーを析出させた。 析出したポリマーは濾過後、ヘキサンで洗浄し、粉砕後、60℃真空下で乾燥した。
【0032】
耐加水分解性の評価
上記実施例1〜3及び比較例1,2で合成したポリウレタンを少量のテトラヒドロフランに溶解させ、テフロンシート上に流し、これを60℃で乾燥させ、約0.3mm厚のフィルムを作成した。
このフィルムを95℃の温水中に浸漬させ、100時間加水分解を行った。
このフィルムの処理前後での酸価を表1に示す。実施例1〜3で得られたポリエステルポリオールから合成されたポリウレタンは、比較例のものよりも酸価の変化が少なく、耐加水分解性に優れることがわかる。
【0033】
【表1】
Figure 0004011761
【0034】
【発明の効果】
本発明は新規なポリエステルポリオール及びこれを用いたポリウレタン樹脂に関するものであり、本発明のポリウレタン樹脂は従来のポリエステル樹脂よりも耐加水分解性に優れ、かつ耐候性、耐熱性に優れる。

Claims (2)

  1. ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物の重付加によって得られるポリウレタンであって、ポリオール化合物の全部または一部が、下記一般式(1)で表される繰り返し単位
    Figure 0004011761
    (式中Aはポリオール化合物の残基を、Bはジカルボン酸化合物の残基を表す)からなる水酸基価が10〜200であるポリエステルポリオールであり、
    且つ該ポリエステルポリオール中のポリオール残基Aのうち、10〜100%が一般式(2)
    Figure 0004011761
    又は一般式(3)
    Figure 0004011761
    (式中、R1 は炭素数が1から4までのアルキル基またはフェニル基を、R2 は水素原子またはメチル基を、Xは単結合または二重結合を表す。)で表されるジオール残基であるポリウレタン。
  2. 一般式(2)又は(3)のR1 がメチル基である請求項1記載のポリウレタン。
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