JPWO2015137183A1 - 光学フィルター及び撮像装置 - Google Patents

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Abstract

光学フィルターにおいて、厚さが0.3mm以下の基板の両面に多層膜がコーティングされている。基板両面の多層膜はいずれも圧縮応力を有し、光学フィルターは条件式:F≧−1.25t+1.525(F:基板に対する光学フィルターの強度比(基板がコーティングされた光学フィルターの強度/コーティングされていない基板の強度)、t:基板の厚さ(mm))を満足する。

Description

本発明は、光学フィルター及び撮像装置に関するものであり、更に詳しくは、基板表面に多層膜がコーティングされた光学フィルターとそれを備えた撮像装置に関するものである。
カメラ付き携帯電話,スマートフォン(高機能携帯電話)等の画像入力機能付きデジタル機器には、撮像レンズで形成された光学像を電気信号に変換する撮像素子として、シリコン半導体デバイス(例えば、CCD(Charge Coupled Device)型イメージセンサ,CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)型イメージセンサ等の固体撮像素子)が従来より一般的に用いられている。このシリコン半導体デバイスは、近赤外線領域まで感度を持っているため、光が入射すると可視光以外に近赤外線をも映像として取り込んでしまう。その結果、得られた映像に疑似色が発生する等の問題が生じることになる。そこで、従来の画像入力機能付きデジタル機器では、撮像レンズと撮像素子との間に赤外線カットフィルターを挿入することでこの問題を解消している。
赤外線カットフィルターとしては、さまざまなタイプのものが提案されている。例えば特許文献1には、カメラ用の赤外線カットフィルターとして、2枚の赤外線吸収ガラス基板の間に赤外線カット層を挟んで接合したものが提案されている。このようなカメラ用の光学フィルターでは、カメラの低背化に伴って薄型化が要求される。しかし、吸収ガラスではある一定の厚さ以上には薄くすることができない。薄くするためには吸収を用いず干渉等を利用したフィルターが必要となるが、薄いガラス基板には割れ,反り等が発生するという問題がある。
反りを低減する光学フィルターとしては、例えば、非常に薄い基板の表裏に基板に対して対称構造を有する誘電体多層膜を形成し、膜応力による反りを小さくした光学フィルターが特許文献2で提案されている。また、表裏の多層膜の層数の差をある値以下にすることにより膜応力を相殺して、反りを小さくした光学薄膜が特許文献3で提案されており、多層膜スパッタリングによって成膜した多層膜の応力が±100MPa以内の多層膜フィルターが特許文献4で提案されている。
特開2006−220872号公報 特開平11−202126号公報 特開平09−085874号公報 WO2004/038061
しかしながら、特許文献2,3には各面の応力についての言及がなく、それらに記載されている構成では、応力を相殺して反りを解消することができても光学フィルターの強度を大きくすることができない。しかも、特許文献2に記載の光学フィルターは誘電体多層膜が基板に対して対称構造を有する構成になっているので、達成できる光学特性が非常に限られてしまうことにもなる。また、特許文献4に記載されているように応力の小さい多層膜では、基板を強化することができない。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであって、その目的は、薄型化と高強度化を共に達成した光学フィルターとその光学フィルターを備えた撮像装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の光学フィルターは、厚さが0.3mm以下の基板の両面に多層膜がコーティングされた光学フィルターであって、前記基板両面の多層膜がいずれも圧縮応力を有し、以下の条件式(1)を満足する。
F≧−1.25t+1.525 …(1)
ただし、
F:基板に対する光学フィルターの強度比(コーティングされた基板を有する光学フィルターの強度/コーティングされていない基板の強度)、
t:基板の厚さ(mm)、
である。
本発明の撮像装置は、上記光学フィルターと、
前記光学フィルターの光入射側に配置される撮像レンズと、
前記撮像レンズ及び前記光学フィルターを介して入射する光を受光する撮像素子とを備えたものである。
本発明によれば、圧縮応力を有する多層膜が薄い基板の両面にコーティングされ、そのコーティング前後の強度比が所定の条件を満たした構成になっているため、薄型化と高強度化を共に達成した光学フィルターを実現することができる。
光学フィルターの一実施の形態を模式的に示す断面図。 図1の光学フィルターを備えた撮像装置の一実施の形態を模式的に示す断面図。 光学フィルターの強度測定を説明するための図。 サンプルE1,E2の分光透過率を示すグラフ。
以下、本発明を実施した光学フィルター,撮像装置等を、図面を参照しつつ説明する。図1に、厚さが0.3mm以下の基板SU(例えば、ガラス基板)の両面に多層膜M1,M2がコーティングされた光学フィルターFRの一実施の形態について、その断面構造を模式的に示す。また図2に、光学フィルターFRを備えた撮像装置10の一実施の形態について、その断面構造を模式的に示す。
撮像装置10は、筐体10a内に、光学フィルターFR(例えば、赤外線カットフィルター)と、撮像レンズ11と、撮像素子12と、を有している。光学フィルターFRは、支持部材13を介して筐体10aの側壁に支持されている。このような撮像装置10は、デジタルカメラに適用することもできるし、携帯端末に内蔵される撮像部に適用することもできる。
撮像レンズ11は、光学フィルターFRの光入射側に配置されており、入射光を撮像素子12の受光面に集光する。撮像素子12は、撮像レンズ11及び光学フィルターFRを介して入射する光(映像光)を受光して電気信号に変換し、外部(例えば表示装置)に出力する光電変換素子であり、CCD型イメージセンサ,CMOS型イメージセンサ等の固体撮像素子で構成されている。
光学フィルターFRは、基板SU両面の多層膜M1,M2がいずれも圧縮応力を有しており、また、以下の条件式(1)を満足することを特徴としている。
F≧−1.25t+1.525 …(1)
ただし、
F:基板に対する光学フィルターの強度比(コーティングされた基板を有する光学フィルターの強度/コーティングされていない基板の強度)、
t:基板の厚さ(mm)、
である。
通常、薄い基板は曲がりやすいので、ミラー等に用いる多層膜では応力を減らす傾向にある。しかし、それでは強度が弱く、特に0.3mm以下では割れやすく取り扱いにくい等の問題が生じてしまう。厚さ0.3mm以下の薄い基板SUからなる光学フィルターFRにおいて、条件式(1)を満たす高い強度を得る場合、あえて圧縮応力を有する多層膜M1,M2を基板SU両面にコーティングして圧縮応力をバランスさせるのが有効である。したがって、圧縮応力を有する多層膜M1,M2が基板SU両面にコーティングされた構成によれば、薄型化と高強度化との両立が可能となる。
上記のように、圧縮応力を有する多層膜M1,M2を基板SUの両面に成膜すると、光学フィルターFRの強度を上げることができる。そのコーティング前後の強度比Fと厚さtとの関係を規定しているのが条件式(1)である。基板SUが厚くなるほど強度比Fは小さくなり、薄くなるほど強度比Fが大きくなるので、条件式(1)を満たすには、基板SUが薄くなるほどコーティング前後の強度比Fを向上させることが必要になる。
条件式(1)から分かるように、光学フィルターFRの強度は、例えばt=0.3mmの場合には、ノンコート基板の1.15倍以上(−1.25×0.3+1.525=1.15)となるようにすればよく、また、非常に強度の弱い0.1mm厚の基板の場合(t=0.1mmの場合)には、ノンコート基板の1.4倍以上(−1.25×0.1+1.525=1.4)となるようにすればよい。
上記特徴的構成によると、圧縮応力を有する多層膜が薄い基板の両面にコーティングされ、そのコーティング前後の強度比が所定の条件を満たした構成になっているため、薄型化と高強度化を共に達成した光学フィルターを実現することができる。このような薄型化された光学フィルターを、例えばカメラの赤外線カットフィルターとして用いれば、カメラの低背化・コンパクト化等が可能となる。そして、その薄型化と高強度化との両立を更に効果的に達成するための条件等を以下に説明する。
光学フィルターFRは、以下の条件式(1a)を満足することが好ましい。
F≧−1.5t+1.65 …(1a)
この条件式(1a)は、前記条件式(1)が規定している条件範囲のなかでも、前記観点等に基づいた更に好ましい条件範囲を規定している。したがって、好ましくは条件式(1a)を満たすことにより、上記効果をより一層大きくすることができる。
条件式(1a)から分かるように、光学フィルターFRの強度は、例えばt=0.3mmの場合には、ノンコート基板の1.2倍以上(−1.5×0.3+1.65=1.2)となるようにすればよく、また、非常に強度の弱い0.1mm厚の基板の場合(t=0.1mmの場合)には、ノンコート基板の1.5倍以上(−1.5×0.1+1.65=1.5)となるようにすればよい。
光学フィルターFRの具体例としては、赤外線カットフィルターが挙げられる。赤外線カットフィルターは、基板SU両面の多層膜M1,M2がいずれも可視域の光を透過させ赤外域の光を反射させる光学特性を有するものであり、その薄型化と高強度化との両立は撮像レンズ搭載のデジタル機器の薄型化に有効である。例えば、波長450〜600nmの光を透過させ、波長700nm以上の光を反射させる赤外線カットフィルターを作製する場合、多層膜M1,M2を構成するTiO2とSiO2を、光学的な膜厚が赤外域(例えば、波長900nm)の1/4波長に相当する膜厚を交互に積層する。そして、波長450nm〜600nmの光を効率良く透過させるため、各層の膜厚を少しずつ1/4波長からずらし、干渉の効果を抑えるように設定する。光学フィルターFRの成膜方法としては、真空蒸着、イオンアシスト蒸着、イオンプレーティング成膜、スパッタ成膜(反応性スパッタ成膜等)、イオンビームスパッタ成膜等が挙げられる。基板SU両面の多層膜M1,M2は、いずれもこれらの成膜方法で形成されたものであることが望ましい。
上記赤外線カットフィルターように、携帯用カメラ等のデジタル機器に使用される光学フィルターは、非常に薄いため衝撃で割れてしまう等の問題がある。そこで、基板SU両面の多層膜M1,M2は、いずれも以下の条件式(2)を満足することが好ましい。
|σ×d|≧900 …(2)
ただし、
σ:膜応力(MPa/m)、
d:膜厚(μm)、
である。
条件式(2)に示すように、膜応力σ×膜厚dの絶対値が900Pa以上である圧縮応力を持つ多層膜M1,M2を、基板SUの両面に設けることによって、割れの生じにくい光学フィルターFRを作製することができる。多層膜M1,M2が条件式(2)を満たすためには、基板SU両面の多層膜M1,M2の厚さがいずれも3.0μm以上であることが好ましい。しかし、多層膜M1,M2の厚さが両方とも9.0μm以上になると、多層膜M1,M2の圧縮応力が強すぎて基板SUが曲がってしまい取り扱いが難しくなる。この観点から、基板SU両面の多層膜M1,M2の厚さはいずれも9.0μm未満であることが好ましい。
また、多層膜M1,M2が条件式(2)を満たすためには、圧縮応力が生じやすい成膜方法を用いることが望ましい。例えば、イオンアシスト蒸着、イオンプレーティング成膜、反応性スパッタ成膜、又はイオンビームスパッタ成膜で多層膜M1,M2を形成することが望ましい。
基板SU両面の多層膜M1,M2は、いずれも以下の条件式(2a)を満足することが更に好ましい。
|σ×d|≧1500 …(2a)
この条件式(2a)は、前記条件式(2)が規定している条件範囲のなかでも、前記観点等に基づいた更に好ましい条件範囲を規定している。したがって、好ましくは条件式(2a)を満たすことにより、上記効果をより一層大きくすることができる。
条件式(2a)に示すように、膜応力σ×膜厚dの絶対値が1500Pa以上である圧縮応力を持つ多層膜M1,M2を、基板SUの両面に設けることによって、より一層割れの生じにくい光学フィルターFRを作製することができる。多層膜M1,M2が条件式(2a)を満たすためには、基板SU両面の多層膜M1,M2の厚さがいずれも4.0μm以上9μm未満であることが好ましい。そして、更に好ましい条件範囲としては、5.0μm以上9μm未満、5.5μm以上9μm未満が挙げられる。
また、多層膜M1,M2が条件式(2a)を満たすためには、圧縮応力が生じやすい成膜方法を用いることが望ましい。例えば、イオンアシスト蒸着、イオンプレーティング成膜、反応性スパッタ成膜、又はイオンビームスパッタ成膜で多層膜M1,M2を形成することが望ましい。
基板SUはガラスからなることが好ましい。プラスチック基板は、誘電体多層膜の形成に不向きである。したがって、光学フィルターFRとしてある程度の強度を有し、かつ、剥がれの生じない信頼性のある透明基板としては、プラスチック基板よりもガラス基板が好ましい。
基板SUの両面の多層膜M1,M2がいずれも少なくとも2つの蒸着材料からなり、そのうちの少なくとも1つがSiO2又はSiO2を含む混合物からなることが好ましい。また、基板SUの両面の多層膜M1,M2がいずれも少なくとも2つの蒸着材料からなり、そのうちの少なくとも1つがTiO2、Nb25、Ta25、ZrO2又はそのいずれかを含む混合物からなることが好ましい。SiO2等の低屈折率材料やTiO2等の高屈折率材料は、圧縮応力を持たせる上で好ましい材料であり、製造が容易であり、性能に要求される屈折率に関しても好ましい材料である。
以下、本発明に係る光学フィルターの構成等を、実施例及び比較例を挙げて更に具体的に説明する。
表1に示すように、厚さtが0.1mm,0.3mmの基板SUの両面(面A,面B)に多層膜M1,M2がコーティングされた光学フィルターFRのサンプルA1〜K1,A2〜K2を作製した。多層膜M1,M2は、いずれもTiO2/SiO2の膜構成を有する誘電体多層膜である。つまり、多層膜M1,M2はいずれも、TiO2からなる高屈折率層と、SiO2からなる低屈折率層と、の交互層で構成されている。TiO2の波長550nmでの屈折率は2.385であり、SiO2の波長550nmでの屈折率は1.455である。なお、成膜材料の表記に関しては、必要に応じて(表1等)、TiO2をTiO2とし、SiO2をSiO2とする。
多層膜M1,M2の成膜方法に関しては、表1において、IAD(サンプルA1〜F1,A2〜F2)がイオンアシスト蒸着を示しており、VD(サンプルG1〜K1,G2〜K2)が真空蒸着(イオンアシストなし)を示している。また表1に、多層膜M1,M2の膜厚d(μm)と膜応力σ(MPa/m)を示し、条件式(2),(2a)の対応値|σ×d|(Pa)を示す。なお、膜応力σは、圧縮方向を−、引張方向を+とした。
表1に示す膜応力σは、t=0.3mmの短冊状ガラス基板に成膜し、そのたわんだ曲率半径Rを測定し、以下の式(ST)を使って算出した。ここで、短冊状ガラス基板として白板ガラスを使用し、Esを6.6×10N/m2とし、vsを2.35×10-1とした。
σ=(Es×ts2)/{6(1−vs)R×tf} …(ST)
ただし、
Es:短冊状ガラス基板のヤング率(N/m2)、
vs:短冊状ガラス基板のポアッソン比、
ts:基板の厚さ(m)、
R:曲率半径(m)、
tf:膜厚(m)、
である。
表2に、光学フィルターFRのサンプルA1〜K1,A2〜K2の強度(単位:N),強度比F及び評価を示す。強度比Fは条件式(1),(1a)の対応値であり、その評価は、t=0.1mmの場合、F<1.4のとき×、1.4≦F<1.5のとき○、1.5≦Fのとき◎とした。t=0.3mmの場合、F<1.15のとき×、1.15≦F<1.2のとき○、1.2≦Fのとき◎とした。
サンプルA1〜K1,A2〜K2の強度の測定は、図3に示す測定機を用いて、光学フィルターの破壊強度を測定した。破壊強度の測定は、株式会社イマダ製のデジタルフォースゲージZP−200Nを用いた。測定機はゲージヘッド1,測定台2等で構成されている。測定台2の隙間Lは4mmに設定されており、サンプルA1〜K1,A2〜K2が測定台2にかかる幅は各1mmに設定されている。ゲージヘッド1として、先端曲率半径がR0.57mmのものを使用し、矢印P方向にゲージヘッド1を下げるスピードを9mm/minとした。サンプルA1〜K1,A2〜K2のサイズは6mm×6mmとし、サンプルA1,A2以外は両面に多層膜M1,M2が成膜されたものを用いた。サンプルA1〜K1,A2〜K2をゲージヘッド1で矢印P方向に押し、サンプルA1〜K1,A2〜K2が割れたときの測定値を強度とした。
表1,表2に示すように、サンプルD1〜F1,D2〜F2は実施例に相当し、サンプルA1〜C1,G1〜K1,A2〜C2,G2〜K2は比較例に相当する。ここで、サンプルE1,E2を例に挙げて、膜構成,評価結果等を更に具体的に説明する。厚さtが0.1mm,0.3mmの基板SUの両面(面A,面B)に、表3,表4に示す多層膜M1,M2を真空成膜装置でコーティングして、光学フィルターFRのサンプルE1,E2を作製した。両面A,Bとも多層膜M1,M2の高屈折率材料はTiO2、低屈折率材料はSiO2とし、それぞれの成膜には圧縮応力が生じやすいイオンアシスト蒸着を用いた。面Aの多層膜M1は、膜厚dが4.3760μmであり、膜応力σが圧縮応力で−366.6MPa/mであった。したがって、|膜応力σ×膜厚d|の値は1604Paとなる。また、面Bの多層膜M2は、膜厚dが4.2412μmであり、膜応力σが圧縮応力で−384.8MPa/mであった。したがって、|膜応力σ×膜厚d|の値は1632Paとなる。図4のグラフに、サンプルE1,E2の分光透過率を示す。
Figure 2015137183
Figure 2015137183
Figure 2015137183
Figure 2015137183
FR 光学フィルター
M1,M2 多層膜
SU 基板
10 撮像装置
11 撮像レンズ
12 撮像素子
A1〜K1,A2〜K2 サンプル

Claims (15)

  1. 厚さが0.3mm以下の基板の両面に多層膜がコーティングされた光学フィルターであって、前記基板両面の多層膜がいずれも圧縮応力を有し、以下の条件式(1)を満足する光学フィルター;
    F≧−1.25t+1.525 …(1)
    ただし、
    F:基板に対する光学フィルターの強度比(コーティングされた基板を有する光学フィルターの強度/コーティングされていない基板の強度)、
    t:基板の厚さ(mm)、
    である。
  2. 前記基板両面の多層膜がいずれも以下の条件式(2)を満足する請求項1記載の光学フィルター;
    |σ×d|≧900 …(2)
    ただし、
    σ:膜応力(MPa/m)、
    d:膜厚(μm)、
    である。
  3. 前記基板両面の多層膜の厚さがいずれも3.0μm以上である請求項1又は2記載の光学フィルター。
  4. 前記基板両面の多層膜の厚さがいずれも9.0μm未満である請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学フィルター。
  5. 前記基板がガラスからなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学フィルター。
  6. 前記基板両面の多層膜がいずれも少なくとも2つの蒸着材料からなり、そのうちの少なくとも1つがSiO2又はSiO2を含む混合物からなる請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学フィルター。
  7. 前記基板両面の多層膜がいずれも少なくとも2つの蒸着材料からなり、そのうちの少なくとも1つがTiO2、Nb25、Ta25、ZrO2又はそのいずれかを含む混合物からなる請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学フィルター。
  8. 前記基板両面の多層膜がいずれも、イオンアシスト蒸着、イオンプレーティング成膜、反応性スパッタ成膜、又はイオンビームスパッタ成膜で形成されたものである請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学フィルター。
  9. 以下の条件式(1a)を満足する請求項1〜8のいずれか1項に記載の光学フィルター;
    F≧−1.5t+1.65 …(1a)
    ただし、
    F:基板に対する光学フィルターの強度比(コーティングされた基板を有する光学フィルターの強度/コーティングされていない基板の強度)、
    t:基板の厚さ(mm)、
    である。
  10. 前記基板両面の多層膜がいずれも以下の条件式(2a)を満足する請求項1〜9のいずれか1項に記載の光学フィルター;
    |σ×d|≧1500 …(2a)
    ただし、
    σ:膜応力(MPa/m)、
    d:膜厚(μm)、
    である。
  11. 前記基板両面の多層膜の厚さがいずれも4.0μm以上9μm未満である請求項1〜10のいずれか1項に記載の光学フィルター。
  12. 前記基板両面の多層膜の厚さがいずれも5.0μm以上9μm未満である請求項1〜11のいずれか1項に記載の光学フィルター。
  13. 前記基板両面の多層膜の厚さがいずれも5.5μm以上9μm未満である請求項1〜12のいずれか1項に記載の光学フィルター。
  14. 前記基板両面の多層膜がいずれも可視域の光を透過させ赤外域の光を反射させる光学特性を有する請求項1〜13のいずれか1項に記載の光学フィルター。
  15. 請求項14に記載の光学フィルターと、
    前記光学フィルターの光入射側に配置される撮像レンズと、
    前記撮像レンズ及び前記光学フィルターを介して入射する光を受光する撮像素子とを備えている撮像装置。
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